JP3924160B2 - 厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法 - Google Patents

厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時において厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、表面が凹凸状態となった凹凸不織布は、乾燥したまま又は水分等で湿潤させて、各種拭き布として好適に使用されている。これは、表面が凹凸状態となっているため、机,自動車,人体等の被清掃物の表面に存在する塵埃等を良好に掻き取ることができるからである。
【0003】
このような凹凸不織布として、例えば、クレープ不織布(ちりめん状不織布)やエンボス不織布等が知られている。クレープ不織布は、潜在捲縮性繊維と非潜在捲縮性繊維とを混合した繊維ウェブを準備し、この繊維ウェブ中の潜在捲縮性繊維のみを捲縮させ、非潜在捲縮性繊維を弛ませて、この弛みによって表面に凹凸状態を発現させたものである。しかし、このような弛みは、クレープ不織布の厚み方向に若干の圧力が負荷されると、直ちに変形し、表面の凹凸状態は消失してしまうものであった。また、エンボス不織布は、表面平滑な不織布を部分的に圧縮し、圧縮部を凹部とし非圧縮部を凸部とするものである。従って、この場合も、厚み方向に圧力を負荷すると、非圧縮部が容易に圧縮され、表面の凹凸状態は消失してしまう。このように、圧力を負荷すると凹凸状態が消失してしまうものは、拭き布としての性能が不十分である。何故なら、拭き布として使用するときには、一般的に厚み方向に圧力が負荷され、凹凸状態が少なからず消失し、凹凸による塵埃等の除去性能が低下する恐れがあるからである。
【0004】
また、多数の開孔部を具備した開孔不織布も、開孔部が凹部となり非開孔部が凸部となるため、拭き布として好適に使用されている。このような開孔不織布は、合成繊維よりなる繊維ウェブを孔開き支持体に坦持して、繊維ウェブ側から水流を施し、孔開き支持体の孔部に合成繊維を集めて、非孔部に対応する箇所に開孔部を設けてなるものである。また、繊維ウェブを二枚の孔開き支持体に挟んで、開口部から水流を施して、非孔部に合成繊維を集めて、孔部に対応する箇所に開孔部を設けてなるものである。しかしながら、この場合には、非開孔部(凸部)に合成繊維が集まり、比較的嵩高となっているため、開孔不織布の厚み方向に圧力を負荷すると、容易に凸部の厚みが薄くなるということがあった。従って、拭き布として使用する際、厚みが薄くなりやすく、使用しにくいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本件発明者等は、不織布の厚み方向に圧力を負荷しても、凸部の厚み(即ち、不織布の厚み)が薄くなりにくいものを得ることを課題として、種々研究を行った。その結果、予期せぬことに、特定の孔開き支持体を用い、かつ、高圧水流を用いて綿繊維相互を緊密に交絡させて形成させた凸部を持つ不織布は、凸部の厚みが厚く、かつ、厚み方向に圧力を負荷しても、その厚みが減少しにくいことが判明した。本発明は、このような知見に基づくものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、綿繊維を主体として集積された繊維ウェブを、目開き6〜10メッシュの粗目織物よりなる孔開き支持体に坦持した後、該繊維ウェブ側から高圧水流を施して、該孔開き支持体の開孔部に該綿繊維を移動させながら、該綿繊維相互間を交絡させて、3〜25個/cm 2 の数の凸部であって、一個一個の面積が0.5〜6mm 2 である凸部を形成することを特徴とする厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法に関するものである。
【0007】
まず、本発明に係る方法で得られた凹凸不織布について説明する。この凹凸不織布は、綿繊維を主体として構成されたものである。綿繊維はコットン繊維とも呼ばれる天然繊維であって、その横断面は扁平で複雑な形状をした異形断面を持ち、しかも押し潰された状態の中空を持つ繊維である。また、綿繊維は平均繊度が1〜5デシテックス程度で、平均繊維長が15〜50mm程度のものである。この凹凸不織布は、このような綿繊維100%で構成されていても良いし、綿繊維の他に他種繊維が混入していても良い。他種繊維としては、綿繊維の緊密な交絡によって形成される凸部に、圧力の負荷による厚み変化を与えにくいものが好ましく、比較的繊度の小さい合成繊維を用いるのが好ましい。例えば、繊度0.1〜0.5デシテックス程度の極細繊維が好ましい。極細繊維としては、一般的には分割型合成繊維を分割して得られるものが用いられる。なお、繊度が大きい合成繊維を用いると、凸部の厚み変化が大きくなる傾向が生じる。
【0008】
凹凸不織布は、3〜25個/cm 2 の数の凸部と、各凸部間を繋ぐ凹部とを具備するものである。凸部は、高圧水流の作用によって、綿繊維相互間が緊密に交絡されて形成されているものである。高圧水流は、水を噴射孔から高圧力で噴射して得られるものである。具体的には、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列又は複数列配置されている噴射装置を用い、水を噴射孔から1.9〜39.2MPaの圧力で噴射して得られるものである。このような高圧水流は大きな運動エネルギーを持っており、これを綿繊維群に衝突させると、綿繊維群の運動エネルギーに転換され、綿繊維同士が緊密に交絡するのである。高圧水流によって綿繊維相互間を緊密に交絡させた凸部は、綿繊維相互間に形成される空隙が少なく、圧力を負荷しても厚み変化の少ないものである。この理由は、定かではないが、綿繊維が扁平な異形断面を持ち且つ押し潰された中空を持っていること、綿繊維が親水性に優れていることからと考えられる。凸部の形状は任意でよく、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形、菱形、線状、畝状等であってよい。
【0009】
3〜25個/cm 2 の数の凸部における各凸部間は、凹部によって繋がれている。凹部は、隣接する凸部間を繋ぐ綿繊維で形成されている。つまり、一本の綿繊維は、複数個の凸部に跨がって存在しており、結果的に、凸部間がこの綿繊維で繋がれた状態となっている。凹部における綿繊維も、その相互間は一般的に交絡されている。また、凹部は、凸部に比べて、単位面積当たりの綿繊維の量が少なくなっている。なお、凹部の一部には、綿繊維の存在しない開孔部があっても良い。開孔部があると、拭き取った塵埃等を、この開孔部を通して除去しやすくなるので、好ましいものである。
【0010】
一個一個の凸部の面積0.5〜6mm2である。一個の凸部の面積が0.5mm2未満であると、隣接する凸部間の間隔が狭い場合、表面が平滑な状態となり、塵埃等の拭き取り性が低下する。一方、隣接する凸部間の間隔が広い場合、凸部が有効に働かず、塵埃等の拭き取り性が低下する。また、一個の凸部の面積が6mm2を超えると、凹部が少なくなって凹凸状態が低下し、塵埃等の拭き取り性が低下する。
【0011】
凸部の高さ、即ち、凹凸不織布の厚み(凸部の高さによって、凹凸不織布の厚みが決定される。)は任意であるが、一般的には80〜200μm程度が好ましい。厚みが80μm未満であると、もととも厚みが薄いため、表面の凹凸状態が不十分となる傾向が生じる。また、厚みが200μmを超えると、もともと厚みが厚すぎて、厚み変化が大きくなる傾向が生じる。本発明においては、圧力負荷による厚み変化は以下のとおりであるのが好ましい。まず、圧力0.294kPa(3gf/cm2)印加時における凹凸不織布の厚みをX(μm)とする。一方、圧力1.960kPa(20gf/cm2)印加時における凹凸不織布の厚みをY(μm)とする。そして、〔(Y×100)/X〕なる式で算出した値(厚み保持率ともいう。)が75(%)以上であるのが好ましい。つまり、一般的なクレープ不織布やエンボス不織布は、低圧力で測定した厚みと高圧力で測定した厚みとの変化が大きくなるのであるが、本発明に係る方法で得られた凹凸不織布は、その変化が小さく、好ましくは厚み保持率が75(%)以上となるのである。これは、本発明に係る方法で得られた凹凸不織布が、綿繊維を採用し、この綿繊維を高圧水流によって緊密に交絡させて凸部を形成したため、この凸部の厚みが圧力によって変化しにくいためである。なお、厚みの測定は、厚み測定器(株式会社大栄科学精機製作所製)を用いて、所定の圧力を印加して行われる。
【0012】
以上説明したような凹凸不織布は、以下の方法で得ることができる。まず、綿繊維が集積されてなる綿繊維ウェブを準備する。そして、綿繊維ウェブを孔開き支持体に坦持する。孔開き支持体としては、所定の目開きを持った粗目織物を用いる。この後、綿繊維ウェブ側から高圧水流を施す。この高圧水流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列又は複数列配置されている噴射装置を用い、水を噴射孔から1.9〜39.2MPaの圧力で噴射して得られるものである。そうすると、高圧水流は綿繊維ウェブに衝突して、綿繊維に運動エネルギーを与える。この運動エネルギーにより、綿繊維は、相互に交絡しながら、孔開き支持体の孔方向へ移動する。この結果、孔開き支持体の孔部に対応した綿繊維ウェブの箇所が凸部となり、孔の開いていない非孔部に対応した綿繊維ウェブの箇所が凹部となった凹凸不織布が得られる。
【0013】
孔開き支持体を構成する粗目織物の目開き(孔部)は、6〜10メッシュである。目開きが6メッシュ未満であると、孔部が大きすぎて、高圧水流を施したとき、綿繊維が孔部から流出してしまい、凸部が形成されにくくなる。また、目開きが10メッシュを超えると、孔部同士の間隔が狭すぎて、孔開き支持体の孔部に綿繊維が移動しにくくなり、厚みのある凸部が得られにくくなる。なお、メッシュとは、1インチ当たりの線の数を指し、例えば6メッシュの粗目織物は、1インチ当たり6本の線が存在するものを指す。
【0014】
本発明に係る方法で得られた凹凸不織布の目付は、30〜200g/m2程度であるのが好ましい。目付が30g/m2未満であると、凹凸不織布の厚みが相対的に薄くなり、表面の凹凸状態が不十分となる傾向が生じる。また、目付が200g/m2を超えると、凹凸不織布が相対的に厚くなりすぎて、厚み保持率の高いものを得られにくくなる。本発明に係る方法で得られた凹凸不織布は、従来公知の用途に用いることができ、例えば各種拭き布として好適に用いられる。また、拭き布の他に、テーブルクロス、シーツ、使い捨て衣料等にも好適に用いることができる。なお、拭き布として使用する場合には、乾燥状態でそのまま使用しても良いし、水分やワックス等が含浸させた状態で使用しても良い。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、所定の孔開き支持体を用い、かつ、高圧水流を用いて綿繊維相互を緊密に交絡させて形成させた凸部を持つ不織布は、十分な厚みがあると共にその厚みが圧力負荷によって変化しにくいとの知見に基づくものとして解釈されるべきである。
【0016】
実施例1
平均繊度1.65デシテックス、平均繊維長25mmの綿繊維を用いて、ランダムカード機にて、目付50g/m2の綿繊維ウェブを準備した。この綿繊維ウェブを、目開き8メッシュの金属製メッシュスクリーン〔金属線を用い、平織組織にて製織されたメッシュ織物(粗目織物)〕上に坦持し、綿繊維ウェブ側から高圧水流を施した。高圧水流は、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列配置され、かつ、その列を三列備えた噴射装置を用い、綿繊維ウェブの上方(即ち、金属製メッシュスクリーンの位置する反対側上方)30mmの位置から9.8MPaの圧力で水を噴射させて得られたものである。綿繊維ウェブに、この高圧水流を施すことにより、綿繊維は金属製メッシュスクリーンの孔部に移動しながら、相互に交絡し、孔部に対応する凸部と、非孔部に対応する凹部を持つ凹凸不織布が得られた。そして、この凹凸不織布から過剰水分を除去し、乾燥した。
【0017】
実施例2
目開き8メッシュの金属製メッシュスクリーンに代えて、目開き6メッシュの金属製メッシュスクリーンを使用する他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0018】
実施例3
目開き8メッシュの金属製メッシュスクリーンに代えて、目開き10メッシュの金属製メッシュスクリーンを使用する他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0019】
比較例5
目開き8メッシュの金属製メッシュスクリーンに代えて、目開き16メッシュの金属製メッシュスクリーンを使用する他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0020】
実施例5
綿繊維ウェブの目付を80g/m2とした他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0021】
実施例6
綿繊維ウェブの目付を120g/m2とした他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0022】
実施例7
高圧水流の圧力を6.86MPaとした他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0023】
実施例8
高圧水流の圧力を14.7MPaとした他は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0024】
実施例9
平均繊度1.65デシテックス、平均繊維長25mmの綿繊維50質量%と、繊度2.75デシテックス、繊維長38mmの分割型繊維50質量%とを混合し、ランダムカード機にて、目付60g/m2の綿繊維ウェブを準備した。そして、その後は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。なお、ここで用いた分割型繊維は、日本エステル社製のもので、横断面楔形のポリエチレンテレフタレート成分と、横断面楔形のナイロン6成分とが、交互に10個つづ配列して、全体として横断面が円形に形成されたものである。この分割型繊維に高圧水流を施すと、ポリエチレンテレフタレート成分とナイロン6成分とが分割され、各々、10本づつのポリエチレンテレフタレート極細繊維(繊度約0.14デシテックス)とナイロン6極細繊維(繊度約0.14デシテックス)が生成し、綿繊維と緊密に交絡する。
【0025】
比較例1
繊度2.2デシテックス、繊維長38mmのリヨセル繊維(横断面は略円形状。レンチング社製)を用いて、ランダムカード機にて、目付50g/m2のリヨセル繊維ウェブを準備した。そして、その後は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0026】
比較例2
繊度1.43デシテックス、繊維長38mmのポリエチレンテレフタレート繊維(横断面は円形)を用いて、ランダムカード機にて、目付50g/m2のポリエチレンテレフタレート繊維ウェブを準備した。そして、その後は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0027】
比較例3
繊度2.2デシテックス、繊維長38mmの芯鞘型複合繊維(横断面は円形)を用いて、ランダムカード機にて、目付50g/m2の芯鞘型複合繊維ウェブを準備した。そして、その後は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。なお、ここで用いた芯鞘型複合繊維は、芯成分がポリエチレンテレフタレートよりなり、鞘成分がポリエチレンよりなるものである。
【0028】
比較例4
実施例9で用いた分割型繊維を用いて、ランダムカード機にて、目付50g/m2の分割型繊維ウェブを準備した。そして、その後は、実施例1と同一の方法で凹凸不織布を得た。
【0029】
実施例1〜3、5〜9及び比較例1〜に係る方法で得られた凹凸不織布について、その目付、圧力0.294kPa印加時における凹凸不織布の厚みをX(μm)、圧力1.960kPa印加時における凹凸不織布の厚みをY(μm)、厚み保持率〔(Y×100)/X〕、圧力0.294kPa印加時における凹凸不織布の嵩密度Xρ、圧力1.960kPa印加時における凹凸不織布の嵩密度Yρ、引張強力を測定し、その結果を表1に示した。
【0030】
ここで、上記各項目の測定方法は、以下のとおりである。
(1)凹凸不織布の目付(g/m2
標準状態の試料から、縦10cm×横10cmの試料片を10点作成し、平衡水分に至らしめた後、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値に100を乗じて、目付(g/m2)とした。
(2)凹凸不織布の厚みX(μm)
標準状態の試料から、縦10cm×横10cmの試料片を10点作成し、平衡水分に至らしめた後、厚み測定器(株式会社大栄科学精機製作所製)を用いて、各試料片に圧力0.294kPa(3gf/cm2)を印加して厚みを測定し、その平均値を厚み(μm)とした。
(3)凹凸不織布の厚みY(μm)
標準状態の試料から、縦10cm×横10cmの試料片を10点作成し、平衡水分に至らしめた後、厚み測定器(株式会社大栄科学精機製作所製)を用いて、各試料片に圧力1.960kPa(20gf/cm2)を印加して厚みを測定し、その平均値を厚み(μm)とした。
【0031】
(4)厚み保持率(%)
上記(2)及び(3)で得られたX及びYの値を用い、〔(Y×100)/X〕なる式で、厚み保持率(%)を求めた。
(5)凹凸不織布の嵩密度Xρ(g/cc)
上記(1)で得られた目付(g/m2)と上記(2)で得られたX(μm)を用い、目付/Xで算出した値を、嵩密度Xρ(g/cc)とした。
(6)凹凸不織布の嵩密度Yρ(g/cc)
上記(1)で得られた目付(g/m2)と上記(3)で得られたY(μm)を用い、目付/Yで算出した値を、嵩密度Xρ(g/cc)とした。
(7)引張強力(N/5cm巾)
標準状態の試料から、長さ20cm×巾5cmの短冊試料片を5点作成し、引張試験機にて、引張速度10cm/分の条件で引っ張り、各短冊試料片が切断した時点での強力を求め、その平均値を引張強力(N/5cm巾)とした。
【0032】
【表1】
Figure 0003924160
【0033】
表1の結果から分かるように、実施例1〜3、5〜9に係る方法で得られた凹凸不織布は、比較例1〜に係る方法で得られたものに比べて、十分な厚みがあると共に厚み保持率が高いことが分かる。従って、拭き布等として使用したとき、実施例1〜3、5〜9に係る凹凸不織布は、表面の凹凸が保持され、塵埃等の拭き取り性が低下しにくいものである。
【0034】
【作用】
本発明に係る凹凸不織布は、高圧水流の作用によって綿繊維相互間が緊密に交絡されて形成されてなる凸部を有している。綿繊維は、その横断面が扁平な異形断面で且つ押し潰された中空を持っていること、綿繊維が親水性に優れていることの理由から、高圧水流で綿繊維を緊密に交絡させた凸部は、綿繊維相互間の間隙が小さく、厚み方向に圧力を負荷しても、その厚みが減少しにくくなると考えられる。
【0035】
【発明の効果】
従って、本発明に係る凹凸不織布を拭き布等に用いた場合、使用時において、表面の凹凸状態が保持されやすく、塵埃等の拭き取り性に優れるという効果を奏する。

Claims (2)

  1. 綿繊維を主体として集積された繊維ウェブを、目開き6〜10メッシュの粗目織物よりなる孔開き支持体に坦持した後、該繊維ウェブ側から高圧水流を施して、該孔開き支持体の開孔部に該綿繊維を移動させながら、該綿繊維相互間を交絡させて、3〜25個/cm 2 の数の凸部であって、一個一個の面積が0.5〜6mm 2 である凸部を形成することを特徴とする厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法。
  2. 綿繊維の他に極細繊維が混入されてなる繊維ウェブを用いる請求項1記載の厚み変化の少ない凹凸不織布の製造方法。
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