JP2018040100A - エアレイド不織布用レーヨン繊維とその製造方法、エアレイド不織布とその製造方法、及び水解紙 - Google Patents

エアレイド不織布用レーヨン繊維とその製造方法、エアレイド不織布とその製造方法、及び水解紙 Download PDF

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Abstract

【課題】高い交絡性を有するとともに、ネップの発生が抑えられ、水解性が良好なエアレイド不織布が得られるエアレイド不織布用レーヨン繊維とその製造方法、それを含むエアレイド不織布とその製造方法、及び水解紙の提供。【解決手段】繊度が0.5dtex超え1.1dtex未満であり、且つ繊維断面の幅:長さが1:1〜1:2.5であり、3次元捲縮を有するエアレイド不織布用レーヨン繊維10。本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維は、ビスコースを凝固再生して糸条を形成し、上記糸条を引き取り、延伸、精練してレーヨン繊維を得ており、延伸を二段階で行い、第1段階延伸における延伸率を5〜40%にし、第2段階延伸における延伸率を0.3〜3.0%にすることで製造する。また、上記の記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維を含むエアレイド不織布。【選択図】図1

Description

本発明は、エアレイド不織布用レーヨン繊維とその製造方法、それを含むエアレイド不織布とその製造方法、及び水解紙に関する。
近年、介護用品、生理用品、おむつ、清浄用物品、クリーニングシートなどには布に代わって水解性不織布を用いることが行われている。例えば、特許文献1には、水中で溶解することのできる又は分解することのできる繊維複合材料として、繊維断面の外側縁の幅/長さ比率が1:4〜1:8である扁平レーヨンを用いた繊維複合材料が記載されている。特許文献2には、0.01〜0.5dtexの繊度を有する極細の熱可塑性繊維を含む水解性不織布が記載されている。特許文献3には、繊度1.0〜5.0デニールの再生セルロース繊維を用いた水解性不織布が記載されている。
特表2008−546917号公報 特開2010−180510号公報 特開平10−310960号公報
しかしながら、引用文献1では、扁平率が高い繊維を用いているため、繊度が細いと、繊維間の交絡が強くなりすぎ、ネップが発生しやすく、水解性が劣る恐れがあった。引用文献2では、繊度が0.01〜0.5dtexの極細の繊維を用いているため、繊維間の交絡が強くなりすぎ、ネップが発生しやすく、水解性が劣る恐れがあった。引用文献3では、繊度1.0〜5.0デニールの再生セルロース繊維を用いることから、繊維の交絡性が劣るという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するため、高い交絡性を有するとともに、ネップの発生が抑えられ、水解性が良好なエアレイド不織布を得ることができるエアレイド不織布用レーヨン繊維とその製造方法、それを含むエアレイド不織布とその製造方法、及び水解紙を提供する。
本発明は、繊度が0.5dtex超え、1.1dtex未満であり、且つ繊維断面の幅:長さが1:1〜1:2.5であり、3次元捲縮を有することを特徴とするエアレイド不織布用レーヨン繊維に関する。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮率が10%以上55%以下であることが好ましい。また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、捲縮空間部の平均高さが0.20mm以上であることが好ましい。また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮角度が110°以下であることが好ましい。また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮数が4個/インチ以上25個/インチ以下であることが好ましい。また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均スキン率が30%以上65%以下であることが好ましい。また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維には、繊維の全体質量に対して油剤が0.15質量%以上0.80質量%以下付着されていることが好ましい。上記油剤は、ポリオキシエチレンエステル系ノニオン界面活性剤であることが好ましい。
本発明は、また、上記のエアレイド不織布用レーヨン繊維の製造方法であって、ビスコースを紡糸ノズルから紡糸浴中に吐出して、前記ビスコースを凝固再生することにより糸条を形成し、前記糸条を引き取り、延伸、精練してエアレイド不織布用レーヨン繊維を得ており、上記延伸を二段階延伸にするとともに、第1段階延伸における延伸率を5%以上40%以下にし、第2段階延伸における延伸率を0.3%以上3.0%以下にすることを特徴とするエアレイド不織布用レーヨン繊維の製造方法に関する。
上記延伸後の糸条は、精練される前に所定の繊維長にカットされることが好ましい。
本発明は、また、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維を含むことを特徴とするエアレイド不織布に関する。上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、上記不織布用レーヨン繊維を5質量%以上95質量%以下と、パルプを5質量%以上95質量%以下含んでもよい。上記エアレイド不織布は、エアレイド水流交絡不織布であることが好ましい。
本発明は、また、上記のエアレイド不織布用レーヨン繊維と、パルプを含む混合物を用いてエアレイド装置にてエアレイドウェブを作製する工程と、上記エアレイドウェブの少なくとも一方の表面に水流を噴射して水流交絡を施す工程を含むエアレイド不織布の製造方法に関する。
本発明は、また、上記エアレイド不織布を含むことを特徴とする水解紙に関する。
本発明は、高い交絡性を有するとともに、ネップの発生が抑えられ、水解性が良好なエアレイド不織布を得ることができるエアレイド不織布用レーヨン繊維、その製造方法及びそれを用いたエアレイド不織布とその製造方法を提供する。本発明のエアレイド水流交絡不織布は、水解紙として好適に用いることができる。
図1は、繊維の捲縮率を測定する方法の説明図である。 図2は、繊維の捲縮空間部の高さを測定する方法の説明図である。 図3は、繊維の捲縮角度を測定する方法の説明図である。 図4は、繊維における180°捲縮を示す説明図である。 図5は、実施例1のレーヨン繊維のスキン染色後の断面写真(640倍)である。
本発明の発明者らは、レーヨン繊維を用いたエアレイド不織布において、交絡性を高めるとともに、ネップの発生を抑え、水解性を向上させることについて鋭意検討した。その結果、繊度が0.5dtex超え、1.1dtex未満であり、且つ繊維断面の幅:長さ(以下において、「断面形状比」とも記す。)が1:1〜1:2.5であり、3次元捲縮を有するレーヨン繊維を用いた場合、高い交絡性を有するとともに、ネップの発生が抑えられ、水解性が良好なエアレイド不織布が得られることを見出し、本発明に至った。エアレイド不織布用レーヨン繊維において、繊度を細くし且つ繊維断面の断面形状比を所定の範囲にするとともに、所定の捲縮を付与することで、該レーヨン繊維を用いたエアレイド不織布において、繊維の交絡性を高める一方、ネップの発生を抑制し、水解性も向上させる。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、繊度が0.5dtex超え、1.1dtex未満であり、且つ断面形状比が1:1〜1:2.5である。細繊度の繊維の場合、断面形状比が1:2.5より大きいと、繊維が絡みやすい上、繊維が折れ曲がりやすいことから、不織布にした場合、ネップが発生しやすく、水解性も低下しやすい。本願では、繊度を0.5dtex超え、1.1dtex未満にし、且つ断面形状比を1:1〜1:2.5にすることで、不織布にした場合、繊維の交絡性が高まる一方、ネップの発生が抑えられ、水解性も良好になる。好ましくは、繊度が0.6dtex以上1.0dtex以下であり、0.7dtex以上0.9dtex以下であることがより好ましい。また、断面形状比は、1:1〜1:2.3であることが好ましく、1:1〜1:2.0であることがより好ましく、1:1〜1:1.7であることがさらにより好ましい。
本発明において、「繊維断面」の長さは、繊維断面の長辺の長さをいい、「繊維断面の長辺」とは、繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線を意味する。また、「繊維断面」の幅は、繊維断面の短辺の長さをいい、「繊維断面の短辺」とは、繊維断面において、長辺に対して垂直になるように外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線を意味する。また、繊維断面の断面形状比(幅:長さ)は、任意に選択した10本の繊維で測定し、平均したものである。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮率が10%以上55%以下であることが好ましい。平均捲縮率が上記の範囲内であると、エア分散性が優れるとともに、不織布作製時に繊維が互いに絡みやすく、エアレイド工程に好適であり、不織布の水解性も良好になる。繊維間の交絡性を向上させる観点から、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮率が15%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは20%以上である。エア分散性が向上し、不織布の水解性も良好になる観点から、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均捲縮率が45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。
本発明において、「捲縮率」は、繊維の両端点を結んだ直線の長さをa(mm)とし、繊維長をL(mm)とした場合、下記式で算出するものであり、「平均捲縮率」は、任意に選択した20本の繊維の捲縮率の平均値をいう。
捲縮率(%)=(L−a)/L×100
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、3次元捲縮を有する。3次元捲縮とは、自然捲縮であり、3次元の立体形状を有することを意味する。自然捲縮は、スタッファーボックス捲縮機などの機械によって付与された機械権縮とは異なり、繊維の紡糸や精練段階などの製造段階中に自然に発現する捲縮のことである。上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、不織布を作製する際に繊維が互いに絡みやすい観点から、180°捲縮を有することが好ましい。本発明において、「180°捲縮」とは、180°円を描いている状態の捲縮を意味する。例えば、図4A及び4Bにおいて、丸で囲んでいる部分が180°捲縮に該当する。
180°捲縮を有する繊維は、カット後の熱水処理時にカット長が短い状態でストレス緩和が起きるため、捲縮が規制されにくい状態で捲縮発現が生じた結果である。特に限定されるわけではないが、本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維中に20%程度存在することが好ましい。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、不織布作製時に繊維が互いに絡みやすい観点から、捲縮空間部の平均高さが0.20mm以上であることが好ましく、0.40mm以上であることがより好ましく、0.50mm以上であることがさらに好ましく、さらにより好ましくは0.60mm以上である。
本発明において、「捲縮空間部の高さ」は、繊維において、捲縮部の頂点から捲縮部の底辺に引いた直線に向かって引いた垂線の長さをいう。なお、1本の繊維が複数の捲縮部を有する場合は、一番大きい捲縮空間部の高さをその繊維の捲縮空間部の高さとする。そして、「捲縮空間部の平均高さ」は、任意に選択した20本の繊維の捲縮空間部の高さの平均値をいう。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、繊維間の交絡性が向上する観点から、平均捲縮角度が110°以下であることが好ましく、105°以下であることがより好ましく、100°以下であることがさらに好ましく、95°以下であることがさらにより好ましい。一方、水解性が向上する観点から、平均捲縮角度が65°以上であることが好ましく、70°以上であることがより好ましく、75°以上であることがさらに好ましく、80°以上であることが最も好ましい。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、繊維間の交絡性が向上する観点から、捲縮角度が105°以下である捲縮部の割合が45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、55%以上であることがさらに好ましい。また、110°以下である捲縮部の割合は、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
本発明において、捲縮角度は、捲縮部において、捲縮の山又は谷のラインに沿って左右から直線を引いた際、左右の直線が交わってなる内角をいい、平均捲縮角度は、任意に選択した繊維20本における全ての捲縮部の捲縮角度の平均値をいう。なお、一本の繊維が複数の捲縮部を有する場合、全ての捲縮部の捲縮角度を測定する必要がある。
また、本発明において、所定の捲縮角度を有する捲縮部の割合は、任意に選択した繊維20本における全ての捲縮部の数に対する所定の捲縮角度を有する捲縮部の割合をいう。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、エアレイドウェブ作製時の工程性の向上及び不織布形成時の交絡性の観点から、平均捲縮数が4個/インチ以上25個/インチ以下であることが好ましい。より好ましくは平均捲縮数が5個/インチ以上20個/インチ以下であり、さらに好ましくは6個/インチ以上15個/インチ以下である。
本発明において、「捲縮数」は、所定の繊維における捲縮の山と谷の総数X(個)と、該繊維を捲縮がなくなるまで引き延ばした後の繊維長Y(mm)に基づいて、下記式で算出するものであり、「平均捲縮数」は、任意に選択した20本の繊維の捲縮数の平均値をいう。
捲縮数(個/インチ)=(X/2)×(25.4/Y)
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均スキン率が30%以上65%以下であることが好ましく、30%以上60%以下であることがより好ましく、32%以上58%以下であることがさらに好ましく、35%以上55%以下であることがさらにより好ましい。平均スキン率は、自然捲縮された繊維を特定するひとつの指標であり、糸条を延伸するときに延伸率が高いほど繊維をカットした際のストレス緩和が大きくなるので、その分繊維が大きく収縮し、スキン率が高くなる傾向にある。言い換えると、延伸率が低いほど繊維をカットした際に生じるストレス緩和が小さくなるので、スキン率が低くなる傾向にある。平均スキン率は、後述とおりに測定算出する。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、エア分散性及び交絡性が向上する観点から、繊維長Lと繊維幅Dの比L/Dの値が200以上2500以下であることが好ましく、250以上2000以下であることがより好ましく、300以上1800以下であることがさらに好ましい。
本発明において、繊維幅Dは、繊維断面を真円換算し、その断面積から値を算出する。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維には、繊維の全体質量に対して油剤が0.15質量%以上0.80質量%以下付着されていることが好ましく、0.20質量%以上0.75質量%以下付着されていることがより好ましく、0.25質量%以上0.70質量%以下付着されていることがさらに好ましい。油剤の付着率が上記の範囲内であると、レーヨン繊維の解繊性が向上する。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、特に限定されないが、エア分散性及び交絡性、並びに不織布形成後の水解性の観点から、繊維長が3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5〜12mmであり、さらに好ましくは7〜10mmである。
上記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、ビスコースを紡糸ノズルから紡糸浴中に吐出して、上記ビスコースを凝固再生することにより糸条を形成し、上記糸条を引き取り、延伸、精練する際に、特定の延伸条件で延伸することで得ることができる。
上記ビスコースは、一般的な組成のものを使用すればよく、特に限定されない。例えば、ビスコース100質量%対して、セルロースを7〜10質量%、水酸化ナトリウムを5〜8質量%、二硫化炭素を2〜4質量%含むビスコースを用いることが好ましい。
上記ビスコースに、さらに、各種有機物(油脂、官能基を有する化合物、タンパク質等の機能性材料等)や無機物(酸化チタンなどの顔料や鉱物等)の添加物を練り込み、機能性を付与することができる。
紡糸浴(ミューラー浴)としては、一般的な酸性紡糸浴を使用すればよく、特に限定されない。例えば、硫酸を90〜120g/L、硫酸亜鉛を10〜17g/L、芒硝を290〜370g/L含む水溶液を用いることができる。上記紡糸浴において、硫酸濃度は90〜110g/Lであることがより好ましく、90〜100g/Lであることがさらに好ましい。紡糸浴の酸濃度が上記範囲内であると、紡糸の工程性が良好になる。
紡糸ノズルとしては、所望の断面形状比を満たす繊維が得られるものであれば特に限定されず、円形ノズル、扁平ノズル、Y型ノズルなどの異形ノズルを用いることができる。円形ノズルを用いると、繊度の調整が容易である。紡糸ノズルの選定は、目的とする生産量にもよるが、直径0.01〜0.10mmの円形ノズルを1000〜25000ホール有するものが好ましい。なお、円形ノズルを用いた場合でも、断面形状が少し扁平のものができることがある。これは、ビスコースが紡糸浴中で再生する際、脱溶媒作用が起きて繊維断面が菊花状になると同時に、紡糸浴とビスコースの比重差で繊維に外圧がかかり断面形状が不定形化するためであると推測される。
ビスコースを紡糸浴中に押し出し紡糸し、凝固再生して形成した糸条は、延伸される。延伸は、二段階延伸であり、第1段階延伸における第1延伸率は、5%以上40%以下であり、第2段階延伸における第2延伸率は0.3%以上3.0%以下である。第1延伸率及び第2延伸率を上記範囲内にすることで、3次元捲縮を有し、上述した所定の繊度、繊維断面を有するレーヨン繊維を得ることができる。上記第1延伸率は、好ましくは6〜35%であり、より好ましくは7〜25%である。上記第2延伸率は、好ましくは0.4〜2.5%であり、より好ましくは0.5〜2.0%である。延伸は、ゴデットローラで行うことが好ましい。本発明において、「延伸率」とは、延伸前の糸条の長さを100%としたとき、延伸後の糸条の長さを何%伸ばすかを示すものである。
延伸後の紡糸速度は、例えば、25〜70m/分の範囲が好ましく、より好ましくは30〜65m/分である。
上記で得られた延伸後の糸条は、所定の長さにカットした後に、加熱された液中で熱処理、すなわち精練処理を行う。所定の倍率で延伸した糸条をカットすることでストレス緩和を発現して繊維が収縮し、所定の捲縮を持つ繊維を得ることができる。また、それに伴ってスキン層をコントロールして、所定の平均スキン率を満たすものを得ることができる。引き続き、収縮した繊維は、熱処理中に加熱された液中で繊維中の含まれる二硫化炭素を飛ばされて再生され、捲縮状態を定着させることで、3次元捲縮を有する繊維を得ることができる。精練は、通常の方法で、加熱された液中での熱処理(熱水処理)を行った後、続いて、水硫化処理、漂白、酸洗い及び油剤付与の順で行うとよい。加熱された液(水など)の温度は、70〜90℃であることが好ましい。より好ましくは75〜85℃である。カット長は、精練処理および乾燥処理で収縮するため、製品繊維長より3〜10%長く設定することが好ましい。
油剤付与は、F/MやF/Fの摩擦特性、制電性、親水性を加味してポリオキシエチレン(POE)エステル系ノニオン界面活性剤を用いて行うことが好ましい。油剤の付着率が、繊維100質量%に対して0.15質量%以上0.8質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.20質量%以上0.75質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以上0.70質量%以下である。
精練後、必要に応じて圧縮ローラや真空吸引等の方法で余分な油剤、水分を繊維から除去した後、乾燥処理を施すことができる。乾燥処理は、温度50〜120℃にて、0.05〜15時間で行うことが好ましい。より好ましくは、温度が70〜110℃であり、処理時間が0.1〜8時間である。
本発明のエアレイド不織布は、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維を含む。上記エアレイド不織布は、不織布100質量%に対して、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維を5質量%以上含むことが好ましく、8質量%以上含むことがより好ましく、10質量%以上含むことがさらに好ましい。
上記エアレイド不織布には、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維に加えて、他の繊維を含んでもよい。他の繊維としては、例えば、パルプ、コットン(リンター)、麻、竹などの天然繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの合成繊維が挙げられる。例えば、水解紙に用いる場合、パルプを含むとよい。上記エアレイド不織布用レーヨン繊維とパルプを混合して水解紙を作製した場合、フラッシャビリティ(水解性)及び実用強度の向上が見込まれる。また、性能を損なわない範囲で他の繊維素材(例えばバインダー繊維等)やバインダー樹脂を入れても良い。
上記エアレイド不織布は、特に限定されず、スクリーン法(本州製紙法、クロイヤー法、ダンウェブ法)、ピッカーローター法(J&J法、KC法、スコット法)などのいずれの方法で製造されてもよい。
上記エアレイド不織布は、特に限定されないが、工程性の観点から、目付けが15〜150g/m2であることが好ましく、20〜100g/m2であることがより好ましく、30〜80g/m2であることがさらに好ましい。
上記エアレイド不織布は、エアレイド水流交絡不織布(エアレイドスパンレース不織布)であることが好ましい。水解紙として好適に用いることができる。
上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布の単層で用いてもよく、あるいはエアレイドウェブの積層や、他の不織布との積層で用いてもよい。
水解紙として用いる場合、上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維を5質量%以上95質量%以下と、パルプ5質量%以上95質量%以下を含んでもよい。また、上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維を80質量%以下含むことがより好ましく、60質量%以下含むことがさらに好ましく、さらにより好ましくは40質量%以下含む。一方、上記エアレイド不織布におけるパルプの含有量は、エアレイド不織布100質量%に対して、パルプを20質量%以上含むことがより好ましく、40質量%以上含むことがさらに好ましく、60質量%以上含むことがさらにより好ましい。特に、水解性を高める観点から、上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維を30質量%以下含むことがより好ましく、25質量%以下含むことがさらに好ましい。また、エアレイド不織布100質量%に対して、本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維を8質量%以上含むことがより好ましく、10質量%以上含むことがさらに好ましい。また、上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、パルプを92質量%以下含むことがより好ましく、90質量%以下含むことがさらに好ましい。また、上記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、パルプを75質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。水解性に優れるとともに、引張強度及び引張伸度に優れるエアレイド不織布が得られる。従来、水解紙として再生セルロース繊維とパルプを含む水流交絡不織布を用いる場合、パルプの含有量が多すぎる(例えば、70質量%を超える)と、セルロース繊維の交絡が少なすぎてウェブ強度が弱まるうえ、パルプの水素結合が多くなり水解性が劣る、或いは、再生セルロース繊維が少ない(例えば30質量%未満)であると、十分な湿潤強度と優れた水解性を付与することができないと言われていた。これに対し、再生セルロース繊維として本願発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維を用いることにより、パルプと比してレーヨン繊維の混率が少なくても十分な湿潤強度及び水解性を有する水解紙用エアレイド不織布が得られる。
水解紙として用いる場合、水解性に優れる観点から、上記エアレイド不織布は、目付が30〜90g/m2であることが好ましく、30〜80g/m2であることがより好ましい。また、水解性に優れる観点から、上記エアレイド不織布は、厚みが0.2〜2.0mmであることが好ましく、0.3〜1.5mmであることがより好ましい。水解性に優れる観点から、上記エアレイド不織布は、比容積は、3.0〜25.0cm3/gであることが好ましく、5.0〜20.0cm3/gであることがより好ましい。目付、厚み及び比容積は、後述の通りに測定算出する。
上記エアレイド不織布は、湿潤引張強度が、縦方向において0.15〜4.0N/25mmであることが好ましく、横方向において0.1〜3.0N/25mmであることが好ましい。また、湿潤引張伸度が、縦方向において5〜50%/25mmであることが好ましく、横方向において0.2〜70%/25mmであることが好ましい。湿潤引張強度と湿潤引張伸度が上述した範囲内であることにより、良好な水解性を有しつつ、取扱い性が良好になる。
上記エアレイド不織布は、乾燥引張強度が、縦方向において0.7〜8.5N/25mmであることが好ましく、横方向において0.5〜4.5N/25mmであることが好ましい。また、乾燥引張伸度が、縦方向において4〜35%/25mmであることが好ましく、横方向において9〜70%/25mmであることが好ましい。乾燥引張強度と乾燥引張伸度が上述した範囲内であることにより、良好な水解性を有しつつ、取扱い性が良好になる。
本発明において、引張強度、引張伸度は、JIS P 8135に準拠して測定するものである。具体的には、後述のとおりに測定する。
上記エアレイド水流交絡不織布は、上記エアレイド不織布用レーヨン繊維とパルプを所定量開繊機で開繊した後、エアレイド装置に投入し、ダンウェブ法によりウェブを形成し、形成したウェブの少なくとも一方の表面に所定の水圧の高圧水流を噴射して水流交絡を施すことで作製することができる。上記高圧水流の水圧は、良好な交絡性を有する不織布を得る観点から、1.5MPa以上5.5MPa以下であることが好ましい。
上記エアレイド不織布は、乾燥状態又は湿潤状態のいずれの形態でも使用することができる。例えば、介護用品、生理用品、おむつ、清浄用物品、クリーニングシートなどに用いることができる。上記エアレイド水流交絡不織布は、トイレ清掃シートや衛生材料などの水解紙に好適に用いることができる。
本発明の上記エアレイド不織布を含む水解紙は、乾燥状態又は湿潤状態のいずれの形態でも使用することができる。上記水解紙は、用途に応じて適宜設定される薬剤または液体(有効成分として、例えば、保湿成分、クレンジング(洗浄)成分、制汗成分、香り成分、美白成分、血行促進成分、紫外線防止成分、痩身成分等)が所定量付着又は含浸されて収納体に収容してシート製品として用いるとよい。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ビスコースとしては、セルロースを8.5質量%、水酸化ナトリウムを5.7質量%、二硫化炭素を2.8質量%含むものを用いた。紡糸浴は、硫酸を100g/L、硫酸亜鉛を15g/L、硫酸ナトリウムを350g/L含むミューラー浴を用いた。ビスコースを吐出する紡糸ノズルとして0.05mmの孔径を有するノズル孔が5000個設けられたものを用いた。
ビスコースを紡糸浴に押出した後、2段階延伸を行った。第1段階延伸における第1延伸率を10.0%とし、第2段階延伸における第2延伸率を0.7%とした。その後、伸長機ローラでの引取速度(紡糸速度)を40m/分として引取った。引取った糸条を約8mmにカットした後、80℃の熱水中で熱処理を行い、続いて水硫化処理、漂白、酸洗い及び油剤付与の順で精練を行った。油剤付与は、POEエステル系ノニオン界面活性剤を1.0質量%含む油剤循環液を用いて行った。油剤循環液の温度は50℃であった。油剤の付着率は、繊維100質量%に対して、0.37質量%であった。精練後の繊維80℃で60分間乾燥して、繊度が0.9dtexであり、繊維長が8mmであるエアレイド不織布用レーヨン繊維を得た。
(実施例2)
第1段階延伸における第1延伸率を36.0%にした以外は、実施例1と同様にして、繊度が0.9dtexであり、繊維長が8mmであるエアレイド不織布用レーヨン繊維を得た。
(比較例1)
リヨセル(レンツィング社製、繊度2.0dtex、繊維長10mm)を用いた。
実施例と比較例の繊維の繊維断面の断面形状比(幅:長さ)を下記のように測定算出した。また、実施例と比較例の繊維の平均捲縮率、捲縮空間部の平均高さ、平均捲縮角度、捲縮角度が105°以下の捲縮部の割合、平均捲縮数、平均スキン率、L/D及び油剤付着率を下記のように測定算出した。これらの結果を表1に示した。また、表1には、繊維長及び繊度も併せて示した。
(繊維断面の断面形状比)
繊維断面をデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番「VHX−500F」)で観察し、繊維断面の幅及び長さを測定し、その比を算出した。任意に選択した10本の繊維で測定し、平均した。
(平均捲縮率)
(1)原綿の中から任意で20本の繊維を抜き取り、各々の繊維をそれぞれ黒いアクリル板の上に置いた。
(2)繊維に何も被せていない状態で、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番「VHX−500F」)を用いて写真(25倍)を撮り、得られた画像を用いて、図1に示しているように、各々の繊維10において、繊維10の端点から端点までの長さa(mm)を測定した。
(3)繊維長をL(mm)とし、下記式に基づいて、各々の繊維10の捲縮率を求めた。
捲縮率(%)=(L−a)/L×100
(4)20本の繊維の捲縮率の平均値を算出して平均捲縮率とした。
(捲縮空間部の平均高さ)
(1)原綿の中から任意で20本の繊維を抜き取り、各々の繊維をそれぞれ黒いアクリル板の上に置いた。
(2)繊維に何も被せていない状態で、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番「VHX−500F」)を用いて写真(25倍)を撮り、得られた画像を用いて、図2に示しているように、各々の繊維10において、各々の捲縮部の底片に直線cを引いた。
(3)図2に示しているように、各捲縮部の頂点から直線cに向かって垂線dを引き、垂線dの長さhを該捲縮空間部の高さとした。各繊維において、全ての捲縮空間部の高さの中、最も大きい捲縮空間部の高さを、その繊維の捲縮空間部の高さHとした。
(4)20本の繊維の捲縮空間部の高さの平均値を算出して捲縮空間部の平均高さとした。
(平均捲縮角度、捲縮角度が105°以下の捲縮部の割合及び捲縮角度が110°以下の捲縮部の割合)
(1)原綿の中から任意で20本の繊維を抜き取り、各々の繊維をそれぞれ黒いアクリル板の上に置いた。
(2)繊維に何も被せていない状態で、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番「VHX−500F」)を用いて写真(25倍)を撮り、得られた画像を用いて、図3に示しているように、繊維10の捲縮部において、捲縮山又は谷のラインに沿って左右から直線e、fを引き、直線e及びfが交わってなる内角gを測定し、捲縮角度とした。一本の繊維が複数の捲縮部を有する場合、全ての捲縮部において、同様に捲縮角度を測定した。
(3)20本の繊維における全ての捲縮部の捲縮角度の平均値を算出して平均捲縮角度とした。
(4)20本の繊維における全ての捲縮部における捲縮角度が105°以下の捲縮部の割合を算出した。
(5)20本の繊維における全ての捲縮部における捲縮角度が110°以下の捲縮部の割合を算出した。
(平均捲縮数)
(1)原綿の中から任意で20本繊維を抜き取り、黒いアクリル板の上に置いた。
(2)各々の繊維一本中に含まれる捲縮の山と谷の総数X(個)を数えた。
(3)捲縮の山と谷の総数の測定が終了した各々の繊維をアクリル板の上で捲縮がなくなるまで引き延ばし、繊維長Y(mm)を計測した。
(4)下記式に基づいて、各々の繊維の捲縮数を求めた、
捲縮数(個/インチ)=(X/2)×(25.4/Y)
(5)繊維20本の捲縮数の平均を求め、平均捲縮数とした。
(L/D)
レーヨン繊維の繊維断面を真円換算し、その断面積から繊維幅Dを算出してL/Dを割り出した。
(油剤の付着率)
試料綿を105℃の送風低温乾燥機で2時間乾燥させ、絶乾状態とし精評(試料綿の絶乾質量:W1)した。次に絶乾状態にした試料綿をメタノールに含浸させてプレス式抽出機にて油脂分を抽出した。抽出した液体からメタノールを揮発させ、残ったものを抽出物として精評(油剤抽出物の質量:W2)した。得られた測定値を使用して下記式で油剤の付着率を算出した。
油剤の付着率(%)=W2/W1×100
(平均スキン率)
JIS L 1015 8.28(スキン率)に準拠して、下記のように測定算出した。
(1)試料をハンドカードでよく解繊した後引きそろえて100本程度の繊維束にした。(2)繊維束をパラフィンで処理埋蔵し、ミクロトームを用いて繊維軸に直角に切り切片を得た。
(3)切片は卵白・グリセリン混合物(卵白:グリセリン=1:1混合物にサリチル酸ナトリウム1gを加えて調製したもの)を塗布したスライドガラス上に載せ、緩やかに加温して固着させた。
(4)固着後、溶解したパラフィンをキシレンで洗い流した。
(5)プレパラートを以下順番に従って前処理用試薬6種に浸漬した。
順番1:キシレン(100%)、浸漬時間15分
順番2:エチルアルコール(100%)、浸漬時間5分
順番3:エチルアルコール(90%)、浸漬時間5分
順番4:エチルアルコール(70%)、浸漬時間5分
順番5:エチルアルコール(50%)、浸漬時間5分
順番6:エチルアルコール(30%)、浸漬時間5分
(6)前処理の終えたプレパラートを直ちに染色液(0.1%のオキザミンブルー4R水溶液に硫酸ナトリウム(無水)を300mg加えた混合液)に浸漬し、2分経過したら直ちに引き上げて水洗した。
(7)プレパラートを(5)に記載の前処理用試薬6種で、(5)の順番とは逆の順に処理した。
(8)プレパラートに、流動パラフィンを1〜2滴滴下し、カバーガラスで覆った。
(9)染色後繊維断面のスキン層面積及びコア層面積を算出し、以下式に従ってスキン率を算出した。
スキン率(%)=(スキン層面積(cm2)/(コア層面積(cm2)+スキン層面積(cm2)))×100
(10)n=2で測定を行い、その平均値を平均スキン率(%)とした。
また、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番「VHX−500F」)にて観察したところ、図示はないが、実施例1及び実施例2のレーヨン繊維は180°捲縮を有し、比較例1のレーヨン繊維は180°捲縮を有しないことが確認された。また、図5には、スキン染色した実施例1のレーヨン繊維の断面を光学顕微鏡(株式会社ニコン社製、品名「ECLIPSE E600」、640倍)で観察した写真を示した。実施例1のレーヨン繊維がスキン層とコア層を有することが確認された。
(実施例B1〜B8)
実施例1又は実施例2のレーヨン繊維とパルプ(平均繊維長2.40mm)を下記表2に示す混率になるように準備し、開繊機で解繊した。開繊した繊維をエアレイド装置に投入し、ダンウェブ法により下記表2に示す目付のウェブを形成した。得られたウェブを水流交絡機に通し、ノズル孔径0.13mmのオリフィスが1mm間隔で配列されたノズルにより、ウェブの一方の表面から下記表2に示す水圧の高圧水流を噴射した後、乾燥機で60℃、約5分乾燥させ、エアレイド水流交絡不織布を作製した。実施例B1〜B4において、繊維の交絡性が良好であり、ウェブ作製時にネップも発生しなった。
(比較例B1〜B2)
比較例1のレーヨン繊維とパルプ(平均繊維長2.40mm)を下記表2に示す混率になるように準備し、開繊機で解繊した以外は、実施例B1と同様にして、エアレイド水流交絡不織布を作製した。
実施例B1〜B8及び比較例B1〜B2のエアレイド水流交絡不織布の目付及び厚みを下記のように測定算出し、その結果を下記表2に示した。また、エアレイド水流交絡不織布の目付及び厚みに基づいて比容積を算出してその結果を下記表2に示した。また、実施例B1〜B8及び比較例B1〜B2のエアレイド水流交絡不織布の縦方向及び横方向の湿潤引張強度、乾燥引張強度、湿潤引張伸度、乾燥引張伸度を下記のように測定算出してその結果を下記表3に示した。また、実施例B1〜B8及び比較例B1〜B2のエアレイド水流交絡不織布の水解性を下記のように評価し、その結果を下記表3に示した。
(目付)
JIS L 1913に基づいて下記のように測定算出した。
エアレイド水流交絡不織布のサイズ(幅、長さ)と質量を計り、それに基づいて目付を算出した。
(厚み)
JIS L 1086に準拠して下記のように測定した。
(1)厚み計(株式会社ミツトヨ製)を用い、1.96kPaの圧力を10秒間かけた直後の不織布の厚みを計測した。
(2)(1)操作を5箇所について行い、5箇所の測定値の平均を求め、厚みとした。
(比容積)
上記で測定算出した目付及び厚みに基づいて下記式で比容積を求めた。
比容積(cm3/g)=[厚み(mm)/目付(g/m2)]×1000
(引張強度及び引張伸度)
JIS P 8135に準拠して下記のように測定した。
1.測定条件
試験片幅:25mm
つかみ間隔:100mm
試験速度:300mm/min
測定数:n=2
2.測定方法
(1)湿潤引張強度及び湿潤引張伸度
(a)浅い容器に純水をはり、試験片(25mm幅)を入れて一時間浸漬させた。
(b)一時間後、試験片を容器から取り出してウェスで挟み、上から軽く押さえて余分な水分を取り除いた。
(c)(b)で得られた湿潤サンプルをテンシロン型引張試験機にセットし、上記の測定条件で縦方向(MD)及び横方向(CD)の引張強度及び引張伸度を測定した。測定を2回行い、その平均値を不織布の湿潤引張強度及び湿潤引張伸度とした。
(2)乾燥引張強度及び乾燥引張伸度
試験片(25mm幅)をテンシロン型引張試験機にセットし、上記の測定条件で縦方向(MD)及び横方向(CD)の引張強度及び引張伸度を測定した。測定を2回行い、その平均値を不織布の乾燥引張強度及び乾燥引張伸度とした。
(水解性)
振盪機による水解性評価を行った。
(1)不織布を10cm角にカットして試料を得た。
(2)500mL分液ロートに水道水200mL及びカットした試料を入れる。
(3)分液ロートを振盪機(ヤマト科学株式会社製、型番「SA300型」)にセットし、300rpmで水平振盪をスタートした。
(4)10分後の試料状態を目視で観察し、下記の4段階基準で評価した。
A:試料がほぼすべて繊維状に崩壊している。
B:試料は崩壊し、試料片と繊維が混在している。
C:試料の一部が崩壊しているが、試料形態を維持している。
D:試料が崩壊していない。
本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維とパルプを含む実施例B1〜B8のエアレイド水流交絡不織布は、強度が高い上、水解性も良好であった。
実施例B1〜B8のエアレイド水流交絡不織布に、保湿成分及び洗浄成分を含む薬液を、不織布100質量%に対して約300質量%となるように含浸させて収納体に収容して、水解シート製品とした。いずれの不織布も水解紙として用いるのに十分な湿潤強度と水解性能を有していた。
本発明のエアレイド不織布用レーヨン繊維及びそれを含むエアレイド不織布は、介護用品、生理用品、おむつ、清浄用物品、クリーニングシートなどに用いることができる。

Claims (15)

  1. 繊度が0.5dtex超え、1.1dtex未満であり、且つ繊維断面の幅:長さが1:1〜1:2.5であり、
    3次元捲縮を有することを特徴とするエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  2. 平均捲縮率が10%以上55%以下である請求項1に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  3. 捲縮空間部の平均高さが0.20mm以上である請求項1又は2に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  4. 平均捲縮角度が110°以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  5. 平均捲縮数が4個/インチ以上25個/インチ以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  6. 前記エアレイド不織布用レーヨン繊維は、平均スキン率が30%以上65%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  7. 前記エアレイド不織布用レーヨン繊維には、繊維の全体質量に対して油剤が0.15質量%以上0.80質量%以下付着されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  8. 前記油剤は、ポリオキシエチレンエステル系ノニオン界面活性剤である請求項7に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維の製造方法であって、
    ビスコースを紡糸ノズルから紡糸浴中に吐出して、前記ビスコースを凝固再生することにより糸条を形成し、前記糸条を引き取り、延伸、精練してエアレイド不織布用レーヨン繊維を得ており、
    前記延伸を二段階延伸にするとともに、第1段階延伸における延伸率を5%以上40%以下にし、第2段階延伸における延伸率を0.3%以上3.0%以下にすることを特徴とするエアレイド不織布用レーヨン繊維の製造方法。
  10. 前記延伸後の糸条は、精練される前に所定の繊維長にカットされる請求項9に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維を含むことを特徴とするエアレイド不織布。
  12. 前記エアレイド不織布は、エアレイド不織布100質量%に対して、前記不織布用レーヨン繊維を5質量%以上95質量%以下と、パルプを5質量%以上95質量%以下含む請求項11に記載のエアレイド不織布。
  13. 前記エアレイド不織布は、エアレイド水流交絡不織布である請求項11又は12に記載のエアレイド不織布。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載のエアレイド不織布用レーヨン繊維と、パルプを含む混合物を用いてエアレイド装置にてエアレイドウェブを作製する工程と、
    前記エアレイドウェブの少なくとも一方の表面に水流を噴射して水流交絡を施す工程を含むエアレイド不織布の製造方法。
  15. 請求項11〜13のいずれか1項に記載のエアレイド不織布を含むことを特徴とする水解紙。
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