JP2002180361A - 水解性保液材 - Google Patents

水解性保液材

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JP2002180361A
JP2002180361A JP2000380263A JP2000380263A JP2002180361A JP 2002180361 A JP2002180361 A JP 2002180361A JP 2000380263 A JP2000380263 A JP 2000380263A JP 2000380263 A JP2000380263 A JP 2000380263A JP 2002180361 A JP2002180361 A JP 2002180361A
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fiber
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liquid retaining
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JP2000380263A
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Kunihiro Shiraki
国広 白木
Kazuo Matsuda
一男 松田
Junichi Taniguchi
純一 谷口
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保液性、強度、柔軟性等の諸性能に優れ、かつ
効率的に廃棄可能な水解性保液材及び衛生材料、さらに
該水解性保液材を構成する材料として好適な保液体を提
供する。 【解決手段】繊度10dtex以下の繊維から構成された嵩
密度0.5g/cm3以下の乾式不織布を用いてなる水
解性保液材であって、該乾式不織布を構成する繊維の1
0〜90質量%が水中溶解温度40℃以下のポリビニル
アルコール系水溶性繊維であり、かつ該不織布が水解性
材料により覆われている水解性保液材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保液性、強度、柔
軟性等に優れ、かつ効率的に廃棄可能な水解性保液材及
び該保液材を用いてなる衛生材料、さらに該水解性保液
材に好適な保液体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、保液材として、吸収性物質を綿状
パルプ中に分散して全体を圧縮したものや、綿状パルプ
と綿状パルプの間に吸収性物質を層状に散布したもの等
が知られている。近年は使いやすさと物流コストの削減
の観点から、薄型化・コンパクト化がすすんでおり、体
積の大きい綿状パルプの使用割合を減らし、体積が小さ
く吸収容量の大きい吸収性物質の使用割合を高める傾向
にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保液材料を廃棄するには多大な労力及びコストがかかる
問題があった。水解性材料であれば廃棄を容易に行うこ
とになるが、水解性材料は吸液して保液性が損われやす
く、また形態安定性などが損われてしまう。本発明の目
的は、保液性、強度、柔軟性等の諸性能に優れ、かつ効
率的に廃棄可能な水解性保液材及び衛生材料、さらに該
水解性保液材を構成する材料として好適な保液体を提供
することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は、(1) 繊度
10dtex以下の繊維から構成された嵩密度0.5g/c
3以下の乾式不織布を用いてなる水解性保液材であっ
て、該乾式不織布を構成する繊維の10〜90質量%が
水中溶解温度40℃以下のポリビニルアルコール系水溶
性繊維であり、かつ該不織布が水解性材料により覆われ
ている水解性保液材、(2) 乾式不織布を構成する繊
維の10〜90質量%がセルロース系繊維である(1)
に記載の水解性保液材、(3) (1)又は(2)に記
載の水解性保液材を用いてなる衛生材料、(4) 繊度
10dtex以下の繊維から構成され、かつ構成繊維の10
〜90質量%が水中溶解温度40℃以下のポリビニルア
ルコール系水溶性繊維である嵩密度0.5g/cm3
下の乾式不織布からなる水解性保液体、に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、保液性、機械的性能、
柔軟性等の諸性能に優れ、かつ水解性が高く容易に廃棄
可能な保液材を得るために特定の構成を採用することを
見出したものである。まず、本発明においては、保液体
を構成する繊維として少なくとも水中溶解温度40℃以
下(好適には20℃以下、さらに好適には10℃以下)
のポリビニルアルコール系水溶性繊維を用いる必要があ
る。かかる水中溶解温度の低いポリビニルアルコール
(以下、PVAと称する場合がある)系水溶性繊維を用
いることにより水解性及び柔軟性に優れた保液材を得る
ことが可能となる。なお、本発明にいう水中溶解温度は
実施例に記載の方法により求められる値である。
【0006】一般に、水中溶解温度の低い繊維を配合す
ると水解性に優れた材料が得られるものの、湿潤すると
容易に溶解して保液性が著しく低下するとともに、形態
安定性及び機械的性能が損われる問題がある。しかしな
がら、かかる特定の水中溶解温度を有するPVA系繊維
は比較的少量の液体であれば完全溶解せず膨潤保液し、
次いで比較的多量の水に浸漬することによって完全溶解
することから、該PVA系水溶性繊維を配合することに
よって水解性及び保液性の両性能に優れた保液材を得る
ことが可能になる。
【0007】本発明に適用可能なPVA系水溶解性繊維
は特に限定されないが、保液材の水解性を確保する点か
ら、該繊維を構成するビニルアルコール系ポリマーのケ
ン化度を97モル%以下、特に93モル%以下、さらに
90モル%以下とするのが好ましく、平均重合度を30
00以下、特に2000以下とするのが好ましい。しか
しながら、湿潤時の保液性を確保する点からは、ケン化
度80モル%以上、特に85モル%以上であるのが好ま
しく、平均重合度は500以上、特に1000以上であ
るのが好ましい。このとき、ビニルアルコール系ポリマ
ーは、本発明の効果を損わない範囲で共重合されていた
り変性されていてもかまわない。また該繊維は複数種の
PVAにより構成されていてもかまわない。また本発明
に用いられるPVA系水溶性繊維はビニルアルコール系
ポリマーのみにより構成されている必要はなく、他のポ
リマー、添加剤等を含んでいてもよい。たとえば他のポ
リマーとのブレンド繊維、混合紡糸繊維、複合紡糸繊維
等であってもかまわないが、水解性、保液性の点からは
ビニルアルコール系ポリマーの構成割合を60質量%以
上、特に80〜100質量%とするのが好ましい。本発
明に用いられるPVA系水溶性繊維の製造方法は特に限
定されないが、水中溶解温度が低く、かつ機械的性能が高
く品位の高い繊維を得る点からは、ジメチルスルホキシ
ドに代表される有機溶剤を溶媒とする紡糸原液を低温固
化浴に湿式紡糸又は乾湿式紡糸して得られる方法が好適
に採用できる。
【0008】さらに不織布の柔軟性を高める点からはP
VA系水溶性繊維の伸度は高いものが好ましく、具体的
には伸度10%以上、特に20%以上のものが好まし
い。該繊維を用いることにより一層柔軟性に優れた保液
体が得られる。繊維の伸度の上限は特に限定されないが
一般には40%以下である。また不織布の機械的性能を
高める点からはPVA系水溶性繊維の強度は3cN/dtex
以上、特に4cN/dtex以上であるのが好ましい。かかる
PVA系水溶性繊維の配合量は構成繊維の10質量%以
上、好適には20質量%以上とする必要がある。該PV
A系水溶性繊維の配合量が少なすぎると保液材の水解性
及び保液性が損われる。
【0009】かかる水溶性繊維は多量の水に浸漬しない
限り、完全溶解しにくく優れた保液性能を発揮するもの
の、含水により機械的強度が著しく低下して形態安定性
が損われる問題がある。そのため保液した状態で動きを
加えると脱液が生じやすくなる。以上のことから、所望
の保液材を得るためにはPVA系繊維のみでなく他の繊
維を併用する必要がある。特定のPVA系水溶性繊維と
他の繊維を特定の配合比で併用することにより、含液し
て膨潤したPVA系水溶性繊維は他の繊維により固定・
補強される。よって保液材の形態安定性が高められると
ともに、外部応力が加わっても保液された液体が脱液し
にくくなり、しかも、該保液材を多量の水等に浸漬すれ
ば優れた水解性が奏される。かかる理由から、PVA系
水溶性繊維の配合量を構成繊維の90質量%以下(好ま
しくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以
下、特に好ましくは45質量%以下)とする必要があ
り、残余を他の繊維とすることによって顕著な効果が得
られる。
【0010】併用する他の繊維としては、保液材の形態
安定性、脱液防止効果の点から、水中溶解温度80℃以
上、特に100℃以上の繊維(非水溶性繊維を包含す
る)が好ましい。繊維の種類としては、セルロース繊
維、ナイロン繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニ
ル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィ
ン系繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊
維、プロピレン-エチレン共重合体繊維等)や、水中溶
解温度の高いPVA系繊維等が挙げられる。しかしなが
ら、湿潤時の機械的性能に優れ、しかも保液性にも優れ
ている点からは、少なくともセルロース系繊維を配合す
るのが好ましい。具体的には、レーヨン繊維、綿等が好
適に使用でき、なかでも機械的性能、保液性等に優れて
いることからレーヨン繊維、特にビスコースレーヨン繊
維を用いるのが好ましい。保液性、形態安定性、湿潤時
の機械的性能の点からは、セルロース系繊維の配合量を
不織布の50質量%以上/不織布、好ましくは60質量
%以上/不織布とするのが好ましい。もちろん、さらに
他の繊維を配合してもかまわない。また本発明の効果を
損わない範囲であれば、PVA系水溶性繊維以外の水溶
性繊維を配合してもかまわない。
【0011】また本発明においては、該乾式不織布を構
成する繊維の繊度を10dtex以下、好適には5dtex以下
とする必要がある。構成繊維の繊度が大きすぎると不織
布が剛直になるとともに水解性が不十分になりやすく、
しかも繊維間の空隙が大きくなりすぎるために保液性も
低下する。しかしながら、逆に繊度が小さくなりすぎる
と不織布の製造通過性が不良となり、またPVA系水溶
性繊維が保液時に溶解しやすくなることから、繊度は
0.1dtex以上、特に0.5dtex以上であるのがより好
ましい。また構成繊維の繊維長は、製造工程通過性等の
点から1〜100mm程度であるのが好ましい。
【0012】本発明に用いられる不織布は乾式不織布で
ある必要がある。湿式不織布(紙)は、繊維が二次元方
向に配向するために繊維間の空隙が形成されないことか
ら嵩比重が大きくなり、よって、保液性、柔軟性等に劣
ったものとなる。またさらに紙料を水に分散させる必要
があることから、PVA系水溶性繊維が不織布製造工程
中に溶出し、また繊維形状が損われるために嵩高な紙は
より得られにくくなる。一方、乾式不織布は、繊維が3
次元方向にランダムに配向するために繊維間に空隙が形
成されて嵩高で柔軟性に優れたものとなり、繊維間の空
隙が比較的大きいことから一層優れた保液性が奏され、
しかもPVA系水溶性繊維が溶出した後の空隙が大きく
なることから不織布の水解性が顕著に向上する。なお、本
発明にいう乾式不織布とは、水に分散させることなく得
られた不織布、たとえば乾式ウエブを経由して得られた
不織布をいい、乾式ウエブに水絡処理を施して得られる
不織布を包含するものである。
【0013】保液性、柔軟性及び水解性の点からは、不
織布の嵩密度は嵩密度0.5g/cm3以下(好ましく
は0.3g/cm3以下)とする必要がある。かかる嵩
密度とすることにより、不織布の柔軟性・保液性が向上
し、しかも水に浸漬してPVA系水溶性繊維が溶出した
後に形成される繊維間空隙が大きくなるため、残余の繊
維が単繊維状に容易に分散することが可能となって優れ
た水解性が奏される。けれども、保液材の機械的強度の
点、さらに繊維間の空隙が必要以上に大きくなるとかえ
って保液性が損われる点から嵩密度0.1g/cm3
上とするのがより好ましい。またかかる不織布の目付は
20〜200g/m2程度とするのが好ましい。
【0014】以下に本発明に用いられる乾式不織布の好
適な製造方法を詳細に説明する。本発明に用いられる乾
式不織布の製造方法は特に限定されないが、好適な該乾
式不織布の製造方法として、PVA系水溶性繊維を含む
繊維乾式ウエブを製造し、該乾式ウエブにニードルパン
チ工程、水流絡合工程、熱エンボス工程から選ばれる1
以上の工程を通過させる方法が挙げられる。具体的には
たとえば繊維を捲縮、カットしたステープルをカードな
どで開繊してパラレルウエブ、クリスクロスウエブ、ラ
ンダムウエブ等の繊維ウエブを製造し、該繊維ウエブに
上記処理を施す方法が好適挙げられる。このとき、捲縮繊
維としては、捲縮数3〜15個/インチ、捲縮率5〜1
5%、捲縮弾性率1〜5%、特に捲縮数5〜12個/イ
ンチ、捲縮率6〜10%、捲縮弾性率2〜4%の捲縮繊
維を用いるのが好ましい。またカード工程にかえて、ま
たはカード工程に次いでエアレイドによりウエブを作成
し、該乾式ウエブにニードルパンチ工程、水流絡合工
程、熱エンボス工程から選ばれる1以上の工程を通過さ
せる方法が挙げられる。
【0015】なかでもPVA系水溶性繊維の膠着・溶出
を抑制する点から、ニードルパンチ工程及び熱エンボス
工程から選ばれる1以上の好適を通過させて乾式不織布
を製造するのが好ましい。このとき、熱エンボス処理を
施すと不織布の機械的性能は向上する半面、エンボス部
位では水解性が損われることから、熱エンボス面積を不
織布表面の45面積%以下、特に30面積%以下とする
のが好ましく、不織布の機械的性能では熱エンボス面積
を1面積%以上とするのが好ましい。必要に応じて湿熱
下で熱エンボス処理を施してもかまわないが、湿熱処理
を施すと不織布の風合や嵩高性が損われやすくなること
から実質的に乾熱下で熱エンボス処理を施すのが好まし
い。本発明に用いられるPVA系繊維は乾熱下でも優れ
たまた適用した接着性を奏するものであることから、効
率的に熱エンボス処理を施すことが可能となる。熱エン
ボス処理は適宜設定すればよいが、温度120〜180
℃、圧力20〜60kg/cm程度とするのが一般的で
ある。
【0016】しかしながら、高度の水解性を確保する点
からはニードルパンチ工程を通過させて得られるニード
ルパンチ不織布を用いるのが好ましい。ニードルパンチ
不織布を水に浸漬すると、まずPVA系水溶性繊維が溶
解するが、ニードルパンチ不織布はもともと繊維間の空
隙が大きい上に、さらに該不織布を構成するPVA系水
溶性繊維が溶出してさらに繊維間が空隙が大きくなるこ
とから、PVA系水溶性以外の残余の繊維が単繊維状に
分離しやすくなって優れた水分散性が奏される。
【0017】ニードルパンチの条件は特に限定されない
が、不織布の形態安定性の点からはシート両面に施すの
が好ましく、機械的性能、形態安定性、風合、柔軟性、
水解性等の点からニードルパンチ処理数が150回/c
2以上1000回/cm2以下とするのが好ましい。パ
ンチ回数を増やせば不織布の機械的性能は向上するが、
風合や吸液性、水解性は低下することとなるので、目的
によりパンチ回数を設定するのが好ましい。なおニード
ルパンチ処理数は、シートがニードルによってウエブ両
面から絡合処理される回数であり、ニードルの密度、単
位時間内のパンチ回数、ウエブの処理速度等により求め
ることができる。ニードルの断面形状は円状又は三角状
であるのが好ましく、バーブ数は3〜40程度のものを
使用するのが好ましい。不織布の嵩密性、吸液性、機械
的性能、風合等の点から、ブレード部のニードル直径は
0.10〜0.70mm、特に0.40〜0.65mm
とするのが好ましい。もちろん、乾式ウエブを経由する
ことなく乾式不織布を製造してもよく、たとえばエアレ
イド法により得られる乾式不織布を用いることもでき
る。かかる方法によれば高強度で柔軟性に富む不織布を
製造することができ、具体的には、強度5N/25mm
以上、特に10N/25mm以上、伸度10%以上、特
に20〜60%程度、剛軟度15mm以上、特に20m
m以上の不織布を得ることが可能になる。また場合によ
っては、不織布にさらに撥水処理などを施してもかまわ
ない。
【0018】該方法により得られる乾式不織布は、保液
性、水解性、柔軟性等の諸性能に優れたものであり保液体
として優れたものである。よって該保液体を目的に応じ
てそのまま用いることができる。また複数の保液体を積
層して用いてもかまわない。場合によっては他の素材と
積層したり継ぎ合せてもよく、他の素材により被覆して
もかまわない。このとき、本発明で用いられるPVA系
水溶性繊維はヒートシール性を有していることから、熱
圧着処理を施せば本発明の保液体と他の素材を容易に一
体化できる。また複数の素材を重ね合わせ、これをヒー
トシールと同時に型抜きを行うことにより効率的に所望
のものを製造できる。
【0019】本発明の効果をより効率的に得る点から
は、該保液体を水解性材料により覆うことにより一層高
性能の水解性保液材とするのが好ましい。すなわち、本
発明においては、特定のPVA系水溶性繊維と他の繊維
が特定の配合率で併用されていることから、保液時の保
液体の形態はPVA系水溶性繊維とともに併用した繊維
により保持されるが、該保液体をさらに他の材料により
覆うことにより、保液体の保液効果・形態安定化効果を
一層高めることができる。特に保液体を水解性材料で覆
った場合には、保液材を水洗トイレ等により廃棄するこ
とが可能となるため一層優れた効果が得られる。
【0020】水解性材料の構成は特に限定されず、たと
えば水解性の布帛(織編物、不織布等)・フィルムやこ
れらの積層体が好適に挙げられる。水解性材料を構成す
る布帛としては、機械的性能及び水解性能等の点から坪
量10〜60g/m2程度の布帛が好ましく、該布帛を構
成する繊維の繊度は0.5〜10dtex程度であるのが好
ましい。また水解性材料を構成するフィルムとしては、
厚さ0.01〜0.1mm程度のフィルムが柔軟性、機械
的性能等の点から好ましい。坪量・厚みが小さくなりす
ぎると吸収体からのウエットバックが生じやすくなり、
逆に坪量・厚み大きくなりすぎるとドライタッチ感が悪
くなり、着用者に不快感に与えるばかりでなく、皮膚炎
等の原因となる可能性が生じる。
【0021】水解性材料の素材は特に限定されないが、
保液材の形態安定性、機械的性能等の点からは疎水性物
質からなる水解性材料が好ましく、たとえばポリエチレ
ン、ポリエステル等の疎水性物質から構成されたフィル
ムや不織布、さらにこれらの積層体が好適に使用でき
る。なお、保液体を水解性材料で覆う具体的態様は特に
限定されず、たとえば保液材料を1以上の水解性材料で
被覆したり、また保液体の両面に水解性材料を積層する
などして保液材料を構成すればよい。もちろん、本発明
の水解性保液体が複数の水解性材料により覆われていて
もよく、また本発明の水解性保液体と他の材料からなる
積層体が水解性材料により被覆されていてもかまわな
い。その他のあらゆる態様が適用できる。
【0022】また保液体を被覆する水解性材料を保液体
の部位により変更してもよい。たとえば人肌に接する保
液材とする場合、人肌に接する側(たとえばトップシー
ト)に液透過性の布帛・多孔性シートなどを積層して迅
速な吸液性とムレ防止性を確保し、反対側(たとえばバ
ックシート)として、液不透過性のフィルムを用いるケ
ースが好適に挙げられる。保液体を水解性のテイッシュ
で被覆した後に疎水性の素材で被覆して水解性保液材を
得る方法も好適な構成として挙げられる。なお、トップ
シートとしては、本発明の乾式不織布に撥水処理を施し
た不織布が好適に使用できる。
【0023】また場合によっては、防臭剤等をさらに付
与してもかまわない。具体的には、抗菌薬、芳香成分、
マスキング剤、活性炭素、ゼオライト類、キレート類等
が挙げられる。かかる薬剤の付与方法は特に限定され
ず、たとえば吸収性製品の吸収体に塗布する方法、吸収
体構成繊維に混入する方法等が挙げられる。また所望に
より皮膚炎の予防効果を有する薬剤、植物の抽出液等を
付与してもかまわない。また本発明の効果を損わない範
囲であれば、吸収性ゲル化材料を併用してもよく、また
所望により保液材表面に模様状にエンボス処理を施した
り、つや消し処理を施してもかまわない。なお本発明に
いう水解性材料とは、浴比100の条件下で30℃水に
24時攪拌浸漬させた際に、実質的に完全に溶解する材
料又は水洗トイレに廃棄可能な程度の小片に分離・解離
・分解している材料(たとえば構成繊維が実質的に単繊
維ごとにバラバラに離解する材料)をいう。
【0024】本発明の保液材は、保液性、水解性、柔軟
性、形態安定性等の諸性能に優れていることからあらゆ
る用途に使用できるが、特に衛生材料として優れた効果
を有している。たとえば、生理用品、パンテイーライナ
ー、おむつ(赤ちゃん用、大人用)、失禁パッド、痔パッ
ド、シーツ、ペットシート、拭浄体として好適であり、
なかでも衛生保液材(たとえば生理用品、パンテイーラ
イナー、失禁パッド、痔パッド等)として好適に使用で
きる。本発明の保液材を用いた後、たとえば水洗トイレ
にそのまま廃棄できる。本発明においては、水中溶解温
度が常温程度以上の水溶性繊維を用いている場合であっ
ても、水洗トイレのような多量の水に廃棄すると20℃
程度以下の水に溶解して単繊維間がバラバラになった状
態となる。よって本発明の保液材は環境にやさしく、水
洗トイレ等に容易に廃棄できる。もちろん、非水解性材
料と複合して衛生材料などを構成し、必要に応じて水解
性体をとりはずして水洗トイレなどに廃棄できるような
構成を採用してもかまわない。
【0025】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明は実施例により何等限定されるものはない。
【実施例】[極限粘度 ポイズ]東京計器製B型粘度計
により測定した。 [PVAの平均重合度]JIS K6726に準拠し、
30℃の水溶液の極限粘度[η]の測定値よりlogP
=1.63log([η]×104/8.29)によって算出し
た。なお、PはPVAの平均重合度である。
【0026】[繊度 dtex]JIS―L−1015―
7.5.1に準じて測定した。 [繊維強度 cN/dtex]JIS―L−1095―7.
5.1に準じて測定した。
【0027】[水中溶解温度 ℃]試長4cmの繊維に
2mg/dtexの荷重を吊り下げ、0℃の水に浸漬
し、水を2℃/minの速度で昇温したときに、繊維が
溶断する温度を水中溶解温度として測定した。 [捲縮数、捲縮率、捲縮弾性率]それぞれJIS―L―
1015―7.12.1、JIS―L−1015―7.
12.2、JIS−L−1015.7.13に準じて測
定した。
【0028】[厚み μm、嵩密度 g/cm3]10c
m×10cmの大きさに切出した目付(A)g/m2の不織
布試料について、JIS−L−1913に準じて任意の
10点において厚さを測定し、この相加平均を厚み
(B)μmとした。次いでAをBで除して不織布の嵩密
度を算出した。なお試料のサイズが10cm×10cm
よりも小さい場合には、試料を切り出してそのまま測定
するものとする。
【0029】[剛軟度 mm]JIS L 1085に
記載の剛軟度測定法に準じ、幅25mm、長さ150m
mの試験片を用いてカンチレバー法により50g加重時
及び100g加重時の剛軟度を測定した。 [水解性 回]25℃の水300mlを入れた1000
ccのメスシリンダーに50mm×50mmに切出した
不織布試料を投入しメスシリンダーの上部口をゴム栓で
密閉した。次いで直ちに往復反転運動を1回/秒の速度
で行い、不織布の形態が崩壊する回数を水解性として評
価した。なお、往復反転運動とは、メスシリンダーを反
転させて上下の位置を変え、さらに反転してメスシリン
ダーの上限を元の状態に戻すという動作を1サイクル
(1回)とするものである。
【0030】[実施例1]平均重合度1750、平均ケ
ン化度88.5モル%のビニルアルコール系ポリマーか
らなる水中溶解温度1℃、繊度2.5dtex、強度4.5
cN/dtex、伸度25%のPVA系水溶性繊維(株式会社
クラレ製「クラロンK-II(WN2)」)を用い、該繊維
を110℃に加熱して捲縮を付与した後に繊維長52m
mにカットして捲縮繊維を製造した。該捲縮繊維の捲縮
数は7.8個/25mm,捲縮率8.1%、捲縮弾性率
は2.8%であった。さらに該PVA系水溶性繊維と併
用する繊維として、繊度1.7dtex、繊維長40mm、
強度1.8cN/dtex、伸度18%、捲縮数14個/25m
m、捲縮率12%、捲縮弾性率4%、水中溶解温度10
0℃以上(実質的に非水溶性)のビスコースレーヨン系
繊維(大和紡績株式会社製「コロナCD」)を用いた。
【0031】かかるPVA系水溶性繊維及びセルロース
系繊維を質量比30:70で混綿、パラレルカード工程
(テーカイン350rpmm、シリンダー180rp
m、ドッファー10rpm)を通過させて乾式繊維ウェ
ッブを製造した。次いで、該ウエッブに熱エンボス処理
を施して目付50g/m2、嵩比重0.19g/cm3
乾式不織布を製造した。なお熱エンボス条件は、温度1
60℃、圧力40kg/cm、速度50m/minと
し、1mm×0.6mmの菱形圧着部(面積0.6mm
2)が直線状に規則的かつ均質に多数形成されるように
処理を施した(熱圧着部総面積25面積%/不織布)。
得られた不織布は嵩高で風合及び保液性の良好なもので
あり、また強度26N/25mm、伸度48%、剛軟度
29mmであり、強度及び柔軟性に優れたものであっ
た。該不織布に水解性試験を施したところ、水解性6回
という高い水解性を奏し、水洗トイレに廃棄可能なもの
であり保液体として優れた性能を有していた。
【0032】かかる不織布の上面に通液性の常温水に水
解するフェーシング材(株式会社クラレ製「クラロンK-
II(WN5)」10質量%、レーヨン繊維90質量%か
らなる坪量40g/m2の水流絡合水解性不織布に市販
の防水スプレー(ダイキン工業(株)製「ノヴァテッ
ク」)2g/m2を片面にスプレー処理して撥水処理し
たもの)、下面に水中溶解温度20℃以下の液不透過性
の水溶性フィルム(株式会社クラレ製「クラリアHタイ
プ」)を重ねあわせ、これをヒートシール及び13cm
×3cmの長方形に型抜きを行って、3層を積層一体化
した水解性保液材を製造した。なお該不織布は強度26
N/25mm、伸度48%、剛軟度29mm、水解性1
0回であり、強度、柔軟性及び水解性に優れたものであ
った。得られた水解性保液材は、パンテイーライナーな
どの衛生材料として好適なものであり、優れた保液性及
び形態安定性・機械的性能を有しており、さらにこれを
水洗トイレに投入して廃棄したが低温水に容易に溶解し
て詰りなどの問題は生じなかった。
【0033】[実施例2]実施例1において製造された
乾式繊維ウエブにニードルパンチ処理を施して、目付9
0g/m2、嵩比重0.08g/cm3、強度12N/2
5mm、伸度75%、剛軟度23mm、水解性15回の
乾式不織布を製造した。該不織布は、強度、柔軟性及び
水解性に優れるものであり、保液体として優れた性能を
有していた。かかる不織布を保液体として用いた以外は
実施例1と同様に水解性保液材を製造した。得られた水
解性保液材は、パンテイーライナーなどの衛生材料とし
て好適なものであり、優れた保液性及び形態安定性・機
械的性能を有しており、さらにこれを水洗トイレに投入
して廃棄したが低温水に容易に溶解して詰りなどの問題
は生じなかった。
【0034】[比較例1]PVA系水溶性繊維及びセル
ロース系繊維の混綿比を質量比で95:5とした以外は
実施例と同様に目付50g/m2、嵩比重0.38g/
cm3、強度48N/25mm、伸度28%、剛軟度4
8mm、水解性5回の乾式不織布を製造した。該不織布
は、強度及び水解性に優れるものであったが、湿潤時の
風合いに劣るものであった。しかも保液時の形態安定性
及び機械的性能の極めて低いものであった。かかる不織
布を保液体として用いた以外は実施例1と同様に水解性
保液材を製造した。得られた水解性保液材は、水解性に
優れたものであったが、保液後の機械的性能に劣り、ま
た脱液しやすいものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/15 A61F 13/18 307G 13/551 383 // A61F 13/49 A41B 13/02 M Fターム(参考) 3B029 BA15 BD21 4C003 AA18 AA22 HA04 4C098 AA09 CC03 DD10 DD23 4L047 AA08 AA16 AB02 AB07 BA05 BA08 CA19 CB01 CB07 CB10 CC03 CC04 CC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度10dtex以下の繊維から構成された
    嵩密度0.5g/cm3以下の乾式不織布を用いてなる
    水解性保液材であって、該乾式不織布を構成する繊維の
    10〜90質量%が水中溶解温度40℃以下のポリビニ
    ルアルコール系水溶性繊維であり、かつ該不織布が水解
    性材料により覆われている水解性保液材。
  2. 【請求項2】 乾式不織布を構成する繊維の10〜90
    質量%がセルロース系繊維である請求項1に記載の水解
    性保液材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の水解性保
    液材を用いてなる衛生材料。
  4. 【請求項4】 繊度10dtex以下の繊維から構成され、
    かつ構成繊維の10〜90質量%が水中溶解温度40℃
    以下のポリビニルアルコール系水溶性繊維である嵩密度
    0.5g/cm3以下の乾式不織布からなる水解性保液
    体。
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