JPH1028702A - 吸収性物品の表面シート - Google Patents

吸収性物品の表面シート

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JPH1028702A
JPH1028702A JP8186368A JP18636896A JPH1028702A JP H1028702 A JPH1028702 A JP H1028702A JP 8186368 A JP8186368 A JP 8186368A JP 18636896 A JP18636896 A JP 18636896A JP H1028702 A JPH1028702 A JP H1028702A
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JP
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nonwoven fabric
water
ratio
fibers
holes
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JP8186368A
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Keiko Miyata
桂子 宮田
Shuichiro Ogawa
修一郎 小川
Daishirou Matsuda
大志郎 松田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】速やかに排泄物が通過し、さらにサラット感が
良好な効果を奏するばかりでなく、大量の水と接触させ
ると極めて迅速に、容易に繊維状に崩壊する表面シート
の提供。 【解決手段】再生セルロース繊維及び/又は合成繊維と
パルプ繊維から構成されるシートに高圧水ジェット流を
噴射して、再生セルロース繊維及び/又は合成繊維とパ
ルプ繊維を交絡させることによって形成された不織布か
らなり、全ての開孔の総面積は不織布の表面積に対して
15〜40%であり、かつ0.15〜2.0mm2の開孔面
積を有する開孔の数の割合が、全開孔数の60%以上で
あり、さらに不織布の少なくとも片面が撥水処理をされ
ている吸収性物品の表面シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収性物品の表面
シートに関し、おむつ、生理用ナプキン、失禁用パッド
等に好適な表面シートに関するものである。更に詳しく
述べれば、本発明は、再生セルロース繊維及び/又は合
成繊維とパルプ繊維が交絡することによってなり、特定
の開孔の総面積の割合と開孔の大きさを有し、さらに撥
水処理を施された表面シートであり、速やかに排泄物が
通過し、サラット感が良好であるだけでなく、使用時に
は湿潤状態においても十分な強度を有するが、大量の水
流によってはウェブ構成が崩壊する性質をも付与するこ
とが可能である吸収性物品の表面シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、吸収性物品の表面シートは、排
泄物が速やかに通過し、液残りがなく排泄物を吸収体へ
移動させることが必要である。このようなサラット感向
上のために、様々な提案がされてきた。例えば、特開昭
57−1340号公報、特開平1-277559号公報
に記載されるような有孔疎水性シートが多く提案されて
いる。しかし、いずれもシートは疎水性であるため、こ
れらのシートを吸収性物品の表面シートとして使用する
と、微量ではあるがシート上に水分が残留する。この現
象はかぶれの原因となる。また、再生セルロース繊維及
び/又は合成繊維を用いた湿式不織布、スパンレース不
織布等を吸収性物品の表面シートに使用すると、繊維自
身が水分を吸収するために、サラット感が極端に劣ると
いう問題点を有していた。
【0003】また、衛生用品に代表される吸収性物品
は、使用後はゴミとして廃棄されているのが現状であ
る。特に、紙おむつの場合、使用時の排泄物が便であっ
た時の廃棄処理方法は、使用者から紙おむつをはずし、
紙おむつをトイレットへもって行き、便のみを除去して
廃棄した後に、残りの紙おむつは一般のゴミとして廃棄
処理されるため、非常に面倒で不便である。また、月齢
の小さい子供の場合は、便のほとんどが軟便であるた
め、紙おむつからの便の除去が困難であり、そのため、
便は完全に除去されないまま、一般の可燃ゴミと一緒に
廃棄処理されるので、非常に非衛生的である。生理用
品、失禁用パッド等も同様であり、その廃棄方法に難点
がある。
【0004】このため、従来から、水崩壊性不織布を吸
収性物品の表面シートとして使用することが提案されて
いる。この時、吸収性物品の表面シートとして使用可能
な水崩壊性不織布は、その使用時は湿潤状態となるた
め、乾いた状態では勿論、湿潤状態でもシートライクの
ウェブ構成を保持して使用に十分耐え、しかも大量の水
で極めてわずかな力によりウェブ構成が崩壊され元の繊
維形状になる2つの性能が必要となる。今日、水崩壊性
不織布と呼ばれているものは、その多くが不織布の一部
に水溶性物質を接着剤として含有している。しかしなが
ら、このような不織布を衛生用品の表面シートとして使
用した場合、湿潤状態で水溶性物質が溶出し、使用時の
サラット感を著しく損なうだけでなく、シートライクの
ウェブ構成を保持できない。このように、サラット感に
効果のある表面シートは現在まで提案されていなかっ
た。また、加えて、水崩壊性の性質をも付与できる表面
シートは提案されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
状況に鑑み、速やかに排泄物が通過し、さらにサラット
感の良好な吸収性物品の表面シートについて鋭意研究し
た。その結果、本発明者等は、再生セルロース繊維及び
/又は合成繊維とパルプ繊維から構成されるシートに高
圧水ジェット流を噴射して、再生セルロース繊維及び/
又は合成繊維とパルプ繊維が交絡することによってな
り、特定の開孔の総面積の割合及び開孔面積を有し、さ
らに撥水処理を施してある吸収性物品の表面シートが、
速やかに排泄物を通過させ、さらにサラット感に効果の
あることを見出した。さらに、上記効果に加えて、液体
に湿潤された程度ではシート形態が維持されているが、
大量の水に浸漬すると極めて容易にその構造が破壊さ
れ、素早く分散することを見出し本発明を完成させるに
至った。本発明の目的は、速やかに排泄物が通過し、サ
ラット感が良好であるだけでなく、使用時には湿潤状態
においても十分な強度を有するが、大量の水流によって
はシート構成が崩壊する吸収性物品の表面シートに関す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、再生セルロー
ス繊維及び/又は合成繊維とパルプ繊維から構成される
シートに高圧水ジェット流を噴射して、再生セルロース
繊維及び/又は合成繊維とパルプ繊維を交絡させること
によって、多数の開孔が形成された不織布からなる吸収
性物品の表面シートにおいて、前記開孔の総面積は前記
不織布の表面積に対して15〜40%であり、かつ0.
15〜2.0mm2の面積を有する開孔の数の割合は、全開
孔数の60%以上であり、前記不織布の少なくとも片面
が撥水処理をされていることを特徴とする吸収性物品の
表面シートに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品の表面シート
は、再生セルロース繊維及び/又は合成繊維とパルプ繊
維からなる不織布により構成されている。特に、再生セ
ルロース繊維は、繊維自身が吸水性能を有しており、例
えば、不織布の肌側のみに撥水剤処理を施すことによっ
て、1枚の不織布において表面側は撥水効果があり、裏
面はやや撥水効果が低いという表裏差のある不織布の作
成が可能になる。すなわち、撥水処理面の裏面は再生セ
ルロース繊維の吸水性能がわずかに残っているために、
上記不織布からなる表面シート上ではじいてわずかに残
留している水分を吸引する働きをするため、サラット感
にさらに効果的であり好ましい。
【0008】本発明で用いられる再生セルロース繊維
は、セルロースをビスコースの形で溶液とした後、酸の
中でセルロースを再生・紡糸したビスコースレーヨン、
セルロースを銅アンモニア溶液中に溶解した後、酸の中
で再生・紡糸した銅アンモニアレーヨン、N−メチルモ
ルフォリン−N−オキサイドのような非水系セルロース
溶媒にセルロースを溶解した後、紡糸して得られる再生
セルロース等を挙げることができる。
【0009】合成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスチレン等のポリオレフィレン系繊維、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及
びこれらのコポリマー等ポリエステル系繊維、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリビニルア
ルコール系繊維、アクリル繊維等のポリアクリロニトリ
ル系繊維、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生分性繊
維等が挙げられ、これらの中から適宜選択して単独であ
るいは混合して用いても良い。また、合成繊維は、その
ままで使用しても良く、また、親水性処理を施して使用
しても良い。但し、合成繊維を使用する場合は、再生セ
ルロース繊維に混合する方が好ましく、配合率は全体の
30重量%より少ない方が好ましい。合成繊維の配合率
が30重量%を越えて多くなると、合成繊維自身には吸
水性がないため、シート表面に微量な水分が残留しやす
く、サラット感が劣るようになる。
【0010】再生セルロース繊維及び/又は合成繊維の
長さは、積層してシート状態になれば特に制限されな
い。但し、不織布に水崩壊性を付与するためには4〜2
0mmが好ましい。水崩壊性の不織布は接着剤を使用せ
ずに、繊維同士の交絡によって形成されているため、繊
維の長さが4mm未満では、再生セルロース繊維及び/
又は合成繊維の交絡が弱すぎて、十分な強度を得ること
ができない。逆に、繊維の長さが20mmを超えると繊
維同士の交絡が強くなりすぎて、大量の水流において不
織布のシート構成の崩壊が困難となる。又、再生セルロ
ース繊維及び/又は合成繊維の繊度は、0.5〜10デ
ニールが好ましい。10デニールを超えると繊維自体が
硬くなるために、表面シートの柔軟性が損なわれ、好ま
しくない。逆に繊度が0.5デニール未満の繊維は、製
造が困難となり適さない。
【0011】本発明の表面シートは、再生セルロース繊
維及び/又は合成繊維に加えてパルプ繊維を混合した不
織布である。パルプ繊維としては、どのようなものでも
採用しうる。例えば、針葉樹材や広葉樹材のような木材
をクラフト法、ソーダ法、ポリサルファイド法等で蒸解
した化学パルプを、更に白色度70〜90%に漂白した
パルプを、単独で又は混合して使用するのが好ましい。
パルプ繊維の配合率は、不織布全体の50%重量より少
ないことが好ましい。50重量%を越えると、シートの
湿潤時の強度が弱くなるため適さない。
【0012】本発明の表面シートを作成するための再生
セルロース繊維及び/又は合成繊維とパルプ繊維の積層
方法は、湿式抄紙法、カード法、エアレイド法等、特に
制限はなく、併用しても良い。不織布の繊維を固定しシ
ート化する方法としては、高圧水ジェット流処理法が好
ましい。再生セルロース繊維及び/又合成繊維とパルプ
繊維からなるシートは、高圧水ジェット流処理によって
再生セルロース繊維及び/又合成繊維とパルプ繊維同士
の交絡でシート化を行えば、水崩壊性が不織布に付与さ
れる。このように、繊維を接着させずに交絡のみによっ
て得られた不織布は、少量の水分による湿潤時には使用
に十分な強度を有するが、大量の水に長時間浸すと繊維
同士の交絡がゆるみ、わずかな力での水崩壊が容易にな
る。また、パルプ繊維が混合されているため、パルプ繊
維同士に生じる水素結合によって結合されるため、乾燥
時の強度が強くなる他、再生セルロース繊維及び/又は
合成繊維の交絡がゆるむのを阻害する働きを有する。
【0013】本発明の多数の開孔が形成された不織布の
開孔の形は、円形、楕円形、長方形、菱形等特に制限は
ない。また、全ての開孔の大きさが均一であってもよ
く、不均一であっても良い。但し、0.15〜2.0mm
2の開孔面積を有する開孔の数の割合が、全開孔数の6
0%以上であることが必要である。開孔面積が0.15
mm2より小さな開孔が多くなり、0.15〜2.0mm
2の開孔の数の割合が、全開孔数の60%より少ない不
織布を表面シートとして使用すると、排泄物が表面シー
トを通過しにくく、吸収性物品の外側に漏れてしまう。
逆に、開孔面積が2.0mm2以上の大きい開孔が多くな
り、0.15〜2.0mm2の開孔の数の割合が、全開孔
数の60%より少ない不織布を表面シートとして使用す
ると、排泄物は表面シートを通過しやすいが、サラット
感が悪くなる。すなわち、開孔面積が大きい不織布を表
面シートとして使用すると、吸収体が着用者の肌側に露
出する部分が多くなるために、着用者は吸収体の濡れを
直接感じることになり、大変不快になる。
【0014】また、全ての開孔の総面積の割合は不織布
の表面積に対して、15〜40%であることが好まし
い。この時、開孔の分布は、不織布の中央部で密にな
り、周辺部で疎になっていてもよいが、均一に配置され
ていることが好ましい。開孔の総面積の割合が15%よ
り小さい不織布を表面シートとして使用すると、排泄物
は表面シートを通過しにくい。逆に40%を越えると排
泄物は表面シートを通過しやすいが、サラット感が悪く
なる。不織布に開孔部を形成するためには、高圧水ジェ
ット法、性打ち抜き法による方法、またはそれらの併用
等、特に制限はないが、高圧水ジェット流処理法によっ
て行えば、多様なパターンでの開孔ができるばかりでな
く、積層した繊維が交絡するために不織布のシート化も
同時に可能になり、特に好ましい。
【0015】高圧水ジェット流処理法のみによって不織
布の開孔を製造するとき、プラスチックや金網のような
織物からなる移送コンベアー上のウェブ表面に施すと、
高圧水ジェット流は、まず、ウェブに衝突し、ついで織
物の糸の交差部、即ち横糸と縦糸が交差したナックル部
において、水ジェット流は水平方向に移動する。その
時、不織布に開孔が形成され、さらに再生セルロース繊
維及び/又は合成繊維とパルプ繊維は互いに絡み合って
交絡が生じる。本発明の表面シートを製造するための高
圧水ジェット流処理を行う際に、一般に処理に使用する
移送コンベアーのワイヤーの線径が太いほど、不織布の
開孔面積は大きくなり、細いほど小さくなる。本発明の
開孔面積を有する不織布を製造するには、ワイヤーの織
り方法によっても違うが、少なくとも縦及び横のどちら
かの線径が0.2〜1mmである移送コンベアーで高圧
水ジェット処理を行うことが好ましい。縦糸と横糸の線
径がともに0.2mmより小さいと開孔面積が小さすぎ
て、表面シートの吸収速度が遅くなり、逆に1mmを越
えると開孔面積が大きすぎて、表面シートのサラット感
が悪くなる。高圧水ジェット流処理は、上記移送コンベ
アーを使用し、0.01〜0.30mmの微細な直径のノ
ズル孔を通して10〜250kg/cm2の高圧で水を
噴射させ、移送コンベアーを5〜150m/分で移動さ
せることによって施すことができる。
【0016】不織布の坪量は、任意に決定しうる事項で
あるが、15〜100g/m2が好ましい。坪量が15
g/m2より小さいと不織布が薄すぎるため、この不織
布を表面シートとして使用すると、下に配置されている
吸収体のべとつきがそのまま感じられサラット感に劣
る。逆に坪量が100g/m2を超えると、得られた不
織布は硬くなり、吸収性物品の表面シートとしては適さ
ない。
【0017】本発明の表面シートは、さらに不織布に撥
水剤を塗布される。撥水剤は、パラフィン系、ピリジニ
ウム塩型、メチロールアミド型、エチレンウレア型、シ
リコーン型、クロミッククロライド型、フッ素化合物型
等が挙げられ、特に制限はない。塗布方法は含浸法、ス
プレー法、グラビア塗工法等特に構わない。しかし、撥
水剤を肌側にあたる表面からのみに処理を施すことが好
ましく、特にグラビア塗工法、スプレー法が好ましい。
表面のみに処理を施すことによって、1枚の不織布にお
いて表面側は撥水効果があり、裏面はやや撥水効果が低
いという表裏差のある不織布の作成が可能になる。すな
わち、上記不織布をからなる表面シートを使用すると、
不織布の撥水処理面の裏面は再生セルロース繊維の吸水
性能がわずかに残っているために、表面シート上にわず
かに残留している水分を吸引する働きをするため、サラ
ット感にさらに効果がある。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 繊維長10mm、繊度1.5デニールのレーヨン繊維8
0重量%とろ水度400mlCSFの針葉樹晒クラフト
パルプ20重量%を用い、湿式法により坪量40g/m
2のウェブを作製し、水分4%まで乾燥した。このウェ
ブを、縦線径0.175mm、横線径0.22mm、76
メッシュの平織プラスチックからなる移送コンベアー上
に載置し、ウェブを15m/分の速度で移送させなが
ら、孔径0.1mmのノズル孔が0.64mm間隔で千
鳥状に並んでいる高圧水ジェット流噴射装置を3列用い
て、35kg/cm2の水圧で高圧水ジェット流を、ウ
ェブの表面から裏面へ水ジェット流が貫通するように噴
射し、レーヨン繊維とクラフトパルプ繊維を交絡させ
た。その後、温度150℃の熱風乾燥機で乾燥させ、不
織布を得た。得られた不織布に、1個あたりの面積が
1.8mm2の楕円形を打ち抜いた。この時、イメージア
ナライザーによって測定した開孔の総面積の割合が32
%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2より小さい開
孔の数の割合が全開孔数の12%、開孔面積0.15〜
2.0mm2 である開孔の割合が全開孔数の88%であ
る不織布を得た。さらに得られた不織布をアミノシリコ
ーン系撥水剤を固形分が0.12g/m2に不織布に付着
するように含浸法に処理を行い、乾燥させて、表面シー
トを得た。得られた表面シートは次に示す試験法により
1個あたりの開孔面積とその開孔数の割合、開孔の総面
積の割合(開孔の総面積が表面シートの表面積に対する
割合)、吸収速度、サラット感を測定し、品質を評価し
た。
【0020】試験法 (1)開孔面積とその開孔数の割合、開孔の総面積の割
合 測定する表面シートを黒画用紙の上に載せて、イメージ
アナライザーV10(東洋紡績(株))によって画像と
して取り込み、測定を行った。 開孔の総面積の割合 開孔の総面積が不織布の表面積に対する割合を示し、測
定データから読みとる。 1個あたりの開孔面積とその開孔数の割合 1個あたりの開孔面積の分布を示し、開孔面積の分布幅
を0.15mm2より小さい、0.15〜2.0mm2
2.0mm2以上の3つに分割し、それぞれの個数を測定
データから読みとり、開孔数の割合は次の式によって求
める。 開孔数の割合(%)=各開孔面積分布での開孔数/全開
孔数×100
【0021】(2)吸収速度 吸収性物品の作成 綿状パルプ200g/m2、ポリアクリル酸ナトリウム
からなる高吸水性ポリマー200g/m2を均一に分布
させたものをティッシュで包み、プレスロールで吸収体
全体の緊度が0.10g/cm3となるように調整し、吸
収体を得た。ついで、表面シートとポリエステルからな
る裏面シートの間に上記吸収体を有する構成の吸収性物
品を作成した。 測定方法 上記のとおり作成した吸収性物品を使用し、人工尿10
0ccが吸収性物品に吸収されるまでの時間を測定した ここで使用した人工尿は次の通りである。 人工尿組成(重量%) 尿素 1.9% NaCl 0.8% CaCl2 0.1% MgSO4 0.1% 残部は水
【0022】(3)サラット感 吸収速度を測定したサンプルを用い、手で表面シートを
さわり、評価した。この時の判定は以下の通り3段階と
した。 ○:良好 △:ふつう ×:不良 (4)水崩壊性 1リットルのビーカーに500mlの水を入れ、スター
ラーによって500rpmで撹拌しながら50×50m
mに裁断した不織布片を投入して90秒後の崩壊状態を
目視で評価した。このときの判定は以下の通り3段階と
した。 ○:崩壊する △:やや崩壊する ×:全く崩壊しない
【0023】実施例2 繊維長7mm、繊度1.5デニールのレーヨン繊維70
重量%と、ろ水度400mlCSFの針葉樹晒クラフト
パルプ30重量%を用い、高圧水ジェット流処理を行う
際に、縦線径0.5mm、横線径0.65mm、25メッ
シュの平織プラスチックからなる移送コンベアーを使用
し、高圧水ジェット流処理を行った後にうち抜き処理を
行わないこと以外は実施例1と同様にした表面シートを
得た。この時、開孔の総面積の割合が29%、1個あた
りの開孔面積が0.15mm2より小さい開孔の数の割合
が全開孔数の27%、0.15〜2.0mm2 の開孔の数
の割合が全開孔数の73%であった。得られた撥水処理
された表面シートを実施例1と同様にして試験し、その
品質を評価した。
【0024】実施例3 高圧水ジェット流処理を行う際に、縦線径0.27m
m、横線径0.27mm、40メッシュの平織プラスチ
ックからなる移送コンベアーを使用する以外は実施例2
と同様にした表面シートを得た。この時、開孔の総面積
の割合が25%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2
より小さい開孔の数の割合が全開孔数の38%、0.1
5〜2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の62%
であった。得られた撥水処理された表面シートを実施例
1と同様にして試験し、その品質を評価した。
【0025】実施例4 高圧水ジェット流処理を行う際に、縦線径0.65m
m、横線径1.0mm、40メッシュの2重織プラスチ
ックからなる移送コンベアーを使用する以外は実施例2
と同様にした表面シートを得た。この時、開孔の総面積
の割合が39%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2
より小さい開孔の数が開孔全体数の18%、0.15〜
2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の69%、2.
0mm2より大きい開孔の数の割合が全開孔数の13%
であった。得られた撥水処理された表面シートを実施例
2と同様にして試験し、その品質を評価した。
【0026】比較例1 得られた不織布に、1個あたりの面積が1.3mm2の円
形を打ち抜いた以外は実施例1に同様にして表面シート
を得た。この時、開孔の総面積の割合が 43%、1個
あたりの開孔面積が0.15mm2より小さい開孔の数が
開孔全体数の4%、0.15〜2.0mm2 の開孔の数の
割合が全開孔数の96%であった。得られた撥水処理さ
れた表面シートを実施例1と同様にして試験し、その品
質を評価した。
【0027】比較例2 高圧水ジェット流処理を行う際に、縦線径0.3mm、
横線径0.32mm、36メッシュの綾織プラスチック
からなる移送コンベアーを使用する以外は実施例2と同
様にした表面シートを得た。この時、開孔の総面積の割
合が12%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2より
小さい開孔の数の割合が全開孔数の30%、0.15〜
2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の70%であ
った。得られた撥水処理された表面シートを実施例1と
同様にして試験し、その品質を評価した。
【0028】比較例3 高圧水ジェット流処理を行う際に、縦線径0.175m
m、横線径0.22mm、76メッシュの平織プラスチ
ックからなる移送コンベアーを使用する以外は実施例2
と同様にした表面シートを得た。この時、開孔の総面積
の割合が24%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2
より小さい開孔の数の割合が全開孔数の46%、0.1
5〜2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の54%
であった。得られた撥水処理された表面シートを実施例
1と同様にして試験し、その品質を評価した。
【0029】比較例4 坪量28g/m2のウェブを用意し、高圧水ジェット流
処理を行う際に、縦線径0.65mm、横線径1.0m
m、40メッシュの二重織プラスチックからなる移送コ
ンベアーを使用する以外は実施例2と同様にした表面シ
ートを得た。この時、開孔の総面積の割合が38%、1
個あたりの開孔面積が0.15mm2より小さい開孔の数
の割合が全開孔数の17%、0.15〜2.0mm2 の開
孔の数の割合が全開孔数の52%、2.0mm2より大き
い開孔の数の割合が全開孔数の31%であった。得られ
た撥水処理された表面シートを実施例1と同様にして試
験し、その品質を評価した。
【0030】比較例5 スプレー法による撥水処理を行わない以外は実施例2と
同様にして表面シートを得た。この時、開孔の総面積の
割合が29%、1個あたりの開孔面積0.15mm2より
小さい開孔の数の割合が全開孔数の27%、0.15〜
2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の73%であ
った。得られた表面シートを実施例1と同様にして試験
し、その品質を評価した。
【0031】比較例6 繊維長7mm、繊度1.5デニールのレーヨン繊維75
重量%と繊維長7mm、パルプ繊維30重量%と繊度
1.5デニールのポリエチレン/ポリプロピレン複合繊
維5重量%からなる坪量40g/m2のウェブを湿式法
により作製し、得られたウェブに高圧水ジェット流処理
を行う際に、縦線径0.27mm、横線径0.27mm、
40メッシュの平織プラスチックからなる移送コンベア
ーを使用し、熱エンボスにより乾燥する以外は実施例2
と同様にした表面シートを得た。この時、開孔の総面積
の割合が26%、1個あたりの開孔面積が0.15mm2
より小さい開孔の数の割合が全開孔数の35%、0.1
5〜2.0mm2 の開孔の数の割合が全開孔数の65%
であった。得られた撥水処理された表面シートを実施例
1と同様にして試験し、その品質を評価した。実施例1
〜4及び比較例1〜6で得られた結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から分かるように、本発明により得ら
れる表面シートは、速やかに排泄物が通過し、サラット
感が良好なものである。これに対し、開孔の総面積の割
合が大きすぎる場合(比較例1)、吸収速度は速いが、
サラット感が悪くなる。逆に、開孔の総面積の割合が小
さすぎる場合(比較例2)、サラット感は良好である
が、吸収速度が遅くなる。また、1個あたりの開孔面積
が0.15mm2より小さな開孔が多くなり、0.15〜
2.0mm2の開孔の数の割合が、全開孔数の60%より
少ない(比較例3)と、サラット感は良好であるが吸収
速度が遅くなる。逆に、1個あたりの開孔面積が2.0
mm2以上の大きい開孔が多くなり、0.15〜2.0m
2の開孔の数の割合が、全開孔数の60%より少ない
(比較例4)と、吸収速度は速いが、サラット感に劣
る。また、撥水処理を行わない(比較例5)と、吸収速
度は速いが、サラット感に劣る。また、バインダー繊維
を配合する(比較例6)と、サラット感、吸収速度は良
好であるが、水崩壊性に劣る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、再生セ
ルロース繊維及び/又は合成繊維とパルプ繊維が交絡す
ることによって形成され、特定の開孔の総面積の割合及
び1個あたりの開孔面積を有し、さらに撥水処理を施し
てある不織布からなる吸収性物品の表面シートである。
すなわち、特定の開孔の総面積の割合及び開孔面積を有
することによって、表面シートは速やかに排泄物を通過
させることができる。さらに吸水性の再生セルロース繊
維を主体としており、撥水処理を不織布の肌側部である
表面のみに処理を施すことによって、1枚の不織布にお
いて表面側は撥水効果があり、裏面はやや撥水効果が低
いという表裏差のある不織布の作成が可能になる。すな
わち、撥水処理面の裏面は再生セルロース繊維の吸水性
能がわずかに残っているために、表面シート上にわずか
に残留している水分を吸引する働きをするため、サラッ
ト感にさらに効果的である。さらに、本発明の表面シー
トが、接着剤を使用しないために上記効果に加えて、液
体に湿潤された程度ではシート形態が維持されている
が、大量の水に浸漬すると極めて容易にその構造が破壊
され、素早く分散するという、水崩壊性も付与すること
が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生セルロース繊維及び/又は合成繊維
    とパルプ繊維から構成されるシートに高圧水ジェット流
    を噴射して、再生セルロース繊維及び/又は合成繊維と
    パルプ繊維を交絡させることによって、多数の開孔が形
    成された不織布からなる吸収性物品の表面シートにおい
    て、 前記開孔の総面積は前記不織布の表面積に対して15〜
    40%であり、かつ0.15〜2.0mm2の面積を有する
    開孔の数の割合は、全開孔数の60%以上であり、 前記不織布の少なくとも片面が撥水処理をされているこ
    とを特徴とする吸収性物品の表面シート。
JP8186368A 1996-07-16 1996-07-16 吸収性物品の表面シート Pending JPH1028702A (ja)

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