JP2021046028A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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佳希 寺島
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大資 濱田
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Yuya Kanzaki
裕也 神崎
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Abstract

【課題】運転者が吸気音を聞くことによりエンジンの動作状態を把握することを容易にする鞍乗型車両を提供する。【解決手段】エアクリーナ10は、内部空間を有するエアクリーナケース200と、内部空間を上流空間と下流空間とに区画するように、エアクリーナケース200に収容されるフィルタエレメント500と、3以上の複数の吸気ダクト410とを備える。各吸気ダクト410は、その吸気ダクト410の内部に形成される吸気通路からエアクリーナケース200の外部に開放された上流開口を有する。また、各吸気ダクト410は、その吸気ダクト410の内部に形成される吸気通路からエアクリーナケース200の外部に開放された下流開口を有する。複数の吸気ダクト410、上流空間、フィルタエレメント500および下流空間を通過した空気がエンジンに供給される。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンおよびエアクリーナを備える鞍乗型車両に関する。
鞍乗型車両の走行時に、その車両から発生する騒音を低減するために種々のエアクリーナが提案されている。例えば特許文献1に記載されたエアクリーナ構造によれば、エアクリーナケースの本体容器とエンジンとを接続する吸気通路が長く形成されることにより、中低速のトルクの出力が確保されつつ吸気音の大きさが低減される。
特開2011−57131号公報
一般に、鞍乗型車両においては、エアクリーナは、運転者が鞍乗型車両に搭乗した状態で運転者の頭部に比較的近い位置に設けられる。そのため、運転者は、車両走行時にエアクリーナから発生する吸気音を聞きやすい。そこで、運転者は、車両走行時に、エアクリーナから発生する吸気音を聞くことによりエンジンの動作状態を把握し、アクセルグリップの操作量を調整することがある。しかしながら、吸気音とエンジンの動作状態との関係は、運転者にとって必ずしも把握しやすいとは言い難い。そのため、鞍乗型車両の運転に熟練していない運転者は、吸気音を聞いてもエンジンの動作状態を把握することが難しい。
本発明の目的は、運転者が吸気音を聞くことによりエンジンの動作状態を把握することを容易にする鞍乗型車両を提供することである。
エアクリーナは、例えばエアクリーナケース、フィルタエレメント、吸気ダクトおよび送気ダクトを備える。エアクリーナケースは内部空間を有する。フィルタエレメントは、エアクリーナケースの内部空間を上流空間および下流空間に区画する。吸気ダクトは、エアクリーナケースの外部からその上流空間に空気を導くように設けられている。上流空間に導かれる空気は、フィルタエレメントを通して浄化されつつ、下流空間に導かれる。送気ダクトは、エアクリーナケースの下流空間内の空気をさらにエンジンへ導くように設けられている。
本発明者らは、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナを用いて、エンジン回転速度と運転者が聞く吸気音のレベル(音量)との関係についての実験を行った。その結果、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナにおいては、吸気音のレベルは、エンジンの回転速度の上昇とともにほぼ一定の変化率で上昇するということが分かった。
この関係によれば、運転者は、吸気音のレベルに応じて現在のエンジンの回転速度(動作状態)を把握することができると考えられる。しかしながら、実際には、運転者が車両走行時にリニアに変化する吸気音のレベルを正確に聞き分けることは難しい。
以下の説明では、エンジンの回転速度が変化するときの吸気音のレベルの変化率を吸気音変化率と呼ぶ。
本発明者らは、エンジンの回転速度が特定の回転速度領域にあるときの吸気音変化率を、エンジンの回転速度が他の回転速度領域にあるときの吸気音変化率から異ならせることを考えた。この場合、エンジンの回転速度が他の回転速度領域にある状態から特定の回転速度領域内の高さに上昇する場合に、例えば吸気音のレベルが急峻に上昇する。このような吸気音のレベルの変化によれば、運転者は、エンジンの回転速度が特定の回転速度領域にあるのかまたは他の回転速度領域にあるのかを比較的容易に把握することができる。
ここで、吸気ダクトは固有振動数を有し、吸気ダクト内の気柱は特定波長の吸気音が発生する際に共鳴する。本発明者らは、このメカニズムに着目し、吸気音変化率をエンジンの回転速度に応じて異ならせるためのエアクリーナの構成について、試作品の作製および実験を行った。
具体的には、本発明者らは、3つの吸気ダクトを備えるエアクリーナを作製し、エンジンの回転速度上昇時にエアクリーナから発生する吸気音のレベルを測定した。この実験によれば、特定の回転速度領域における吸気音変化率が他の回転速度領域における吸気音変化率に比べて大きくなるという測定結果が得られた。このことは、エンジンの特定の回転速度領域において、3つの吸気ダクトから発生される共鳴音が互いに重なり合うことに起因する。
本発明者らは、上記の実験結果から、3つ以上の吸気ダクトがエアクリーナに設けられることにより、運転者が吸気音に基づいてエンジンの回転速度を認識可能な程度に吸気音変化率が変化することを見出した。
本発明者らは、上記の一連の検討結果および実験結果から、以下に示す本発明に想到した。
(1)本発明に係る鞍乗型車両は、エンジンと、エンジンに供給される空気を浄化するエアクリーナとを備え、エアクリーナは、内部空間を有するエアクリーナケースと、内部空間を上流空間と下流空間とに区画するように、エアクリーナケースに収容されるフィルタエレメントと、3以上の複数の吸気通路をそれぞれ形成する3以上の複数の吸気ダクトとを備え、複数の吸気ダクトは、複数の吸気通路からエアクリーナケースの外部に開放された複数の上流開口をそれぞれ有するとともに複数の吸気通路から上流空間に開放された複数の下流開口をそれぞれ有しかつエアクリーナケースの外部の空気を複数の吸気通路を通して上流空間に導くようにエアクリーナケースに設けられ、エンジンには、複数の吸気ダクト、上流空間、フィルタエレメントおよび下流空間を通過した空気が供給される。
その鞍乗型車両においては、エンジンの動作時に、エアクリーナケースの外部の空気が複数の吸気ダクトの複数の吸気通路を通してエアクリーナケースの上流空間に導かれる。上流空間に導かれた空気は、フィルタエレメントにより浄化されつつエアクリーナケースの下流空間を通してエンジンに供給される。エアクリーナからエンジンに供給される空気の量は、エンジンの回転速度に応じて変化する。それにより、各吸気ダクトにおいて発生する吸気音のレベル(音量)がエンジンの回転速度とともに変化する。
複数の吸気ダクトの各々は、固有振動数を有し、エンジンの回転速度が特定の回転速度領域にある場合に共鳴が発生する。そのため、エンジンの回転速度が他の回転速度領域にある状態から特定の回転速度領域にある状態へ変化する場合には、3以上の複数の吸気ダクトから発生される共鳴音が互いに重なり合うことにより吸気音のレベルが急峻に上昇する。したがって、運転者は、エアクリーナから発生される吸気音のレベルの変化を容易に認識することができる。
その結果、運転者は、吸気音を聞くことにより吸気音のレベルの急峻な変化に基づいてエンジンの動作状態を容易に把握することが可能になる。
(2)複数の吸気通路のうち一の吸気通路の長さは、複数の吸気通路のうち他の吸気通路の長さとは異なってもよい。
複数の吸気通路の各々の固有振動数は、その吸気通路の長さに依存して定まる。したがって、一の吸気通路の長さが他の吸気通路の長さと異なる場合には、一の吸気通路における共鳴により発生される吸気音の共振周波数と、他の吸気通路における共鳴により発生される吸気音の共振周波数とが異なる。
それにより、一の吸気通路から発生される吸気音の音高と他の吸気通路から発生される吸気音の音高とが異なる。したがって、複数の吸気通路から発生される互いに異なる音高の吸気音が同時に発生されることにより、2以上の音高を有する吸気音からなる和音が生成される。それにより、和音の吸気音を聞くことによる運転者の走行フィーリングを向上させることができる。
(3)複数の吸気通路の長さは互いに異なってもよい。
この場合、複数の吸気通路からそれぞれ発生される複数の吸気音の音高が互いに異なる。したがって、複数の吸気通路から発生される互いに異なる音高の吸気音が同時に発生されることにより、3以上の音高を有する吸気音からなる和音が生成される。それにより、和音の吸気音を聞くことによる運転者の走行フィーリングを向上させることができる。
(4)複数の上流開口のうち一の上流開口の開口面積は他の上流開口の開口面積とは異なってもよい。
複数の吸気通路の各々において発生される吸気音のレベルは、エンジンの回転速度およびその吸気通路の上流開口の開口面積に依存して定まる。したがって、上記の構成によれば、一の吸気ダクトに対応して発生される一の周波数の吸気音のレベルと、他の吸気ダクトに対応して発生される他の周波数の吸気音のレベルとを互いに異なる大きさに設定することができる。
(5)複数の上流開口のうち一の上流開口が向く方向は、他の上流開口が向く方向とは異なってもよい。
これにより、一の吸気ダクトから発生される吸気音が出力される向きと、他の吸気ダクトから発生される吸気音が出力される向きとが異なる。それにより、エアクリーナから発生される吸気音が一方向に集中して出力されることが防止される。
(6)各吸気ダクトは、剛性材料により形成されてもよい。
これにより、吸気音が減衰することが抑制される。したがって、運転者は、各吸気ダクトの設計に基づいてエアクリーナから出力されるべき吸気音を正確に聞き取ることができる。
(7)複数の下流開口は、共通の方向を向いてもよい。
これにより、上流空間内に発生する空気の流れが安定化する。それにより、複数の下流開口が互いに異なる方向を向く場合に比べて、上流空間内に乱流が発生することが抑制される。したがって、吸気系における乱流の発生に起因するエンジンの出力低下が抑制される。
(8)複数の下流開口は、内部空間においてフィルタエレメントが有するフィルタよりも下方に位置し、エアクリーナケースにおける複数の吸気ダクトよりも下方の部分には、排液部が形成されてもよい。
この場合、複数の吸気通路内に雨水等の液滴が進入する場合でも、その液滴はエアクリーナケースの内部空間においてフィルタエレメントのフィルタよりも下方の位置に導かれ、排液部から排出される。それにより、液滴がフィルタに付着することが防止されるので、エンジンに液滴が供給されること、およびフィルタが濡れることによる吸気効率の低下が抑制される。
(9)複数の吸気ダクトは、単一部材で構成されかつ複数の吸気ダクトの一部分を形成する第1の通路形成部材と、複数の吸気ダクトの他の部分を形成する第2の通路形成部材とを含み、エアクリーナケースと第2の通路形成部材とは、一体的に成形された単一部材により構成され、第1の通路形成部材は、複数の吸気通路が形成されるように、第2の通路形成部材に取り付けられてもよい。
これにより、部品点数の増大が抑制されつつエアクリーナの組み立ての容易化が実現される。
(10)第2の通路形成部材は、複数の吸気ダクトの他の部分が内部空間で下方に向かって延びるように形成されてもよい。
これにより、複数の吸気通路内に雨水等の液滴が進入する場合でも、その液滴がエアクリーナの内部空間で下方に向かって流れる。それにより、液滴がフィルタに付着することが防止されるので、フィルタが濡れることによる吸気効率の低下が抑制される。また、エアクリーナの内部に進入した液滴がエンジンに供給されることが防止される。さらに、エアクリーナの内部空間において高い整流効果を得ることができる。
(11)第2の通路形成部材のうちエアクリーナケースの内部空間に位置する部分は、複数の吸気通路にそれぞれ対応するように形成された複数の筒状部を有してもよい。
これにより、エアクリーナケースの内部空間において高い整流効果を得ることができる。また、この構成によれば、複数の筒状部の長さを個別に設定することにより、エアクリーナから発生される吸気音の周波数について選択の自由度が向上する。
本発明によれば、運転者が吸気音を聞くことによりエンジンの動作状態を容易に把握することが可能な鞍乗型車両が実現される。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。 図1のエアクリーナの外観斜視図である。 図1のエアクリーナの正面図である。 図1のエアクリーナの平面図である。 図4のA−A線断面図である。 図1のエアクリーナの分解斜視図である。 3つの吸気ダクトの上流開口の大きさを比較するための図である。 吸気音変化率確認実験の結果を示す図である。 固有振動数実験の結果を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る鞍乗型車両について図面を参照しつつ説明する。鞍乗型車両の一例として自動二輪車を説明する。
[1]自動二輪車の概略構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。図1では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の図では、自動二輪車100の前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDが適宜矢印で示される。前後方向FBにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、左右方向LRにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。さらに、上下方向UDにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。図1以降の一部の図においては、前方、後方、左方、右方、上方および下方が、符号F,B,L,R,U,Dによりそれぞれ示される。
図1の自動二輪車100は、金属製の車体フレーム1を備える。車体フレーム1は、メインフレーム1Mおよびリアフレーム1Rを含む。メインフレーム1Mの前端はヘッドパイプHPを構成する。メインフレーム1Mは、ヘッドパイプHPから後方かつ下方に向かって延びるように形成されている。リアフレーム1Rは、メインフレーム1Mの後端部およびその後端部近傍から後方かつやや上方に向かって延びるように、メインフレーム1Mに取り付けられている。
ヘッドパイプHPには、フロントフォーク2が左右方向LRに揺動可能に設けられている。フロントフォーク2の下端に前輪3が回転可能に支持されている。フロントフォーク2の上端には、ハンドル4が設けられている。
メインフレーム1MはヘッドパイプHPよりも下方の位置でエンジン5を支持する。エンジン5の上方でかつヘッドパイプHPの後方に位置するようにエアクリーナ10および燃料タンク8が設けられている。燃料タンク8の後方には、シート9が設けられている。エアクリーナ10および燃料タンク8は、メインフレーム1Mにより支持され、メインフレーム1Mの上方に位置し、この順で車両前方から車両後方に向かって並んでいる。シート9は、主としてリアフレーム1Rにより支持され、リアフレーム1Rの上方に位置する。
メインフレーム1Mの後端下部から後方に延びるように、リアアーム6が設けられている。リアアーム6は、ピボット軸を用いてメインフレーム1Mに支持されている。リアアーム6の後端に後輪7が回転可能に支持されている。後輪7は、駆動輪としてエンジン5から発生される動力により回転される。
上記の構成を有する自動二輪車100の走行時には、図1に太い点線の矢印で示すように、自動二輪車100の外部の空気がエアクリーナ10に導かれ、浄化されつつエンジン5に供給される。このとき、エアクリーナ10において発生する吸気音の音圧のレベル(音量)は、エンジン5の回転速度に応じて変化する。
以下の説明では、エンジン5の回転速度が変化するときの吸気音のレベルの変化率を吸気音変化率と呼ぶ。また、エンジン5の回転速度が予め定められた特定の回転速度領域(以下、特定領域と呼ぶ。)にあるときの吸気音変化率を第1の吸気音変化率と呼ぶ。さらに、エンジン5の回転速度が特定領域以外の回転速度領域(以下、非特定領域と呼ぶ。)にあるときの吸気音変化率を第2の吸気音変化率と呼ぶ。
本実施の形態に係るエアクリーナ10は、第1の吸気音変化率が第2の吸気音変化率に対して大きくなるように構成される。以下、エアクリーナ10の詳細について説明する。
[2]エアクリーナ10の構成および吸気音
(a)エアクリーナ10の基本構成
図2は図1のエアクリーナ10の外観斜視図であり、図3は図1のエアクリーナ10の正面図である。また、図4は図1のエアクリーナ10の平面図であり、図5は図4のA−A線断面図である。
エアクリーナ10は、図2に示すように、エアクリーナケース200に3つの吸気ダクト410および3つの送気ダクト800が設けられた構成を有する。以下の説明では、3つの吸気ダクト410を区別する場合は、3つの吸気ダクト410をそれぞれ吸気ダクト410A,410B,410Cと呼ぶ。
吸気ダクト410A,410B,410Cは、この順で右方から左方に向かって並ぶように、エアクリーナケース200の前半部分に設けられている。3つの送気ダクト800は、左右方向LRに並ぶように、エアクリーナケース200の後半部分(後述する空間形成部材220の後半部分)に設けられている。
エアクリーナケース200は内部空間を有する。エアクリーナケース200の内部空間には、図2〜図4に二点鎖線で示すように、矩形板状のフィルタエレメント500が収容される。図5に示すように、フィルタエレメント500は、フィルタ501およびフィルタホルダ502から構成される。フィルタホルダ502は、フィルタ501を保持するとともに、エアクリーナケース200の内部空間がフィルタ501を挟んで前後方向FBに並ぶ2つの空間に区画されるようにエアクリーナケース200内に固定される。
以下の説明では、エアクリーナケース200の内部空間のうちフィルタエレメント500の前方に位置する空間を上流空間USと呼ぶ。また、エアクリーナケース200の内部空間のうちフィルタエレメント500の後方に位置する空間を下流空間DSと呼ぶ。
ここで、吸気ダクト410Aは、その内部に吸気通路P1(図3の太い一点鎖線部参照)が形成されるとともに、上流開口411および下流開口412を有する。上流開口411は、吸気ダクト410Aの吸気通路P1をエアクリーナケース200の外部に開放している。一方、下流開口412は、吸気ダクト410Aの吸気通路P1をエアクリーナケース200の上流空間USに開放している。上流開口411から下流開口412に至る吸気通路P1の中心軸の方向に直交する断面は略一定である。
また、吸気ダクト410Bは、その内部に吸気通路P2(図3の太い一点鎖線部参照)が形成されるとともに、上流開口421および下流開口422を有する。上流開口421は、吸気ダクト410Bの吸気通路P2をエアクリーナケース200の外部に開放している。一方、下流開口422は、吸気ダクト410Bの吸気通路P2をエアクリーナケース200の上流空間USに開放している。上流開口421から下流開口422に至る吸気通路P2の中心軸の方向に直交する断面は略一定である。
さらに、吸気ダクト410Cは、その内部に吸気通路P3(図3の太い一点鎖線部参照)が形成されるとともに、上流開口431および下流開口432を有する。上流開口431は、吸気ダクト410Cの吸気通路P3をエアクリーナケース200の外部に開放している。一方、下流開口432は、吸気ダクト410Cの吸気通路P3をエアクリーナケース200の上流空間USに開放している。上流開口431から下流開口432に至る吸気通路P3の中心軸の方向に直交する断面は略一定である。
3つの送気ダクト800の各々は、その内部に送気通路が形成されている。3つの送気ダクト800の送気通路を通してエアクリーナケース200の下流空間DSとエアクリーナケース200の外部とが連通する。なお、送気ダクト800の下流端部は、図示しないスロットルボディを通して図1のエンジン5に接続される。
自動二輪車100の走行時には、図5に太い点線の矢印で示すように、エアクリーナケース200の外部の空気が3つの吸気ダクト410、上流空間US、フィルタエレメント500および下流空間DSを通過する。その後、下流空間DSを通過した空気は、3つの送気ダクト800を通して図1のエンジン5に供給される。
(b)エアクリーナ10を構成する各種部品とその組み立て
図6は、図1のエアクリーナ10の分解斜視図である。図6に示すように、エアクリーナ10は、主としてエアクリーナケース200、空間形成部材220、第1の通路形成部材310、フィルタエレメント500および3つの送気ダクト800から構成される。さらに、エアクリーナケース200は、蓋部材210および空間形成部材220を含む。
空間形成部材220は、内部空間を形成する底部228および周壁部229を有するとともにその内部空間を上方に開放する上部開口221を有する。空間形成部材220の後端部には、3つの送気ダクト800が取り付けられている。
蓋部材210は、フィルタエレメント500が空間形成部材220の内部に配置された状態で空間形成部材220の上部開口221を閉塞するように空間形成部材220上に取り付けられる。それにより、蓋部材210および空間形成部材220からなるエアクリーナケース200が完成する。このとき、フィルタエレメント500がエアクリーナケース200内で固定され、エアクリーナケース200の内部空間が上流空間USと下流空間DSとに区画される(図5参照)。
蓋部材210には、第1の通路形成部材310に対応する第2の通路形成部材320が設けられている。蓋部材210と第2の通路形成部材320とは一体的に成形された単一部材で構成されている。
第1の通路形成部材310は、単一部材で構成され、図2の3つの吸気ダクト410の一部分(本例では上端部分)を形成する。一方、第2の通路形成部材320は、図2の3つの吸気ダクト410の他の部分(本例では上端部分以外の部分)を形成する。それにより、第1の通路形成部材310が第2の通路形成部材320上に取り付けられることにより、図2の3つの吸気ダクト410が完成し、それらの内部に吸気通路P1,P2,P3(図3)が形成される。
ここで、上記の空間形成部材220は、樹脂の射出成形により作製される。また、第1の通路形成部材310は、樹脂の射出成形により作製される。また、蓋部材210および第2の通路形成部材320は、樹脂の射出成形により一体的に作製される。このように、本実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410が個別に設けられていない。3つの吸気ダクト410は、2つの部品(第1の通路形成部材310および第2の通路形成部材320)を組み合わせることにより形成されている。また、蓋部材210と第2の通路形成部材320とは単一部材で構成されている。したがって、エアクリーナ10の部品点数の増大が抑制されつつエアクリーナ10の組み立ての容易化が実現されている。
(c)エアクリーナ10において発生する吸気音に関して
一般に、鞍乗型車両に設けられるエアクリーナの吸気音変化率は、当該エアクリーナに設けられる吸気ダクトの数、形状および大きさに基づいて定まる。上記のように、本発明者らは、3つ以上の吸気ダクトを備えるエアクリーナによれば、運転者が吸気音を聞くことによりエンジン5の回転速度が特定領域にあるか否かを認識可能であることを見出した。そこで、本実施の形態では、第1の吸気音変化率が第2の吸気音変化率に対して大きくなるように、エアクリーナ10に3つの吸気ダクト410が設けられている。
また、本実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410の長さが互いに異なるように設定されている。具体的には、図2および図3に示されるように、3つの吸気ダクト410においては、吸気ダクト410Aが最も長く、吸気ダクト410Bが最も短い。ここで、本実施の形態においては、上流開口および下流開口を有する吸気ダクトの長さとは、上流開口から下流開口に至るその吸気ダクトの吸気通路の中心軸の長さである。
3つの吸気ダクト410の各々は、その吸気ダクトの長さに応じた固有振動数を有する。そのため、吸気ダクト410Aにおいて共鳴により発生される吸気音の共振周波数と、吸気ダクト410Bにおいて共鳴により発生される吸気音の共振周波数と、吸気ダクト410Cにおいて共鳴により発生される吸気音の共振周波数とは互いに異なる。この場合、3つの吸気ダクト410において発生される吸気音の音高は互いに異なる。基本的には、吸気ダクトにおいては、吸気ダクトの長さが大きくなるにつれてその吸気ダクトから発生する吸気音の音高が低くなり、吸気ダクトの長さが小さくなるにつれてその吸気ダクトから発生する吸気音の音高が高くなる。
したがって、3つの吸気ダクト410から発生される互いに異なる音高の吸気音が同時に発生されると、3以上の音高を有する吸気音からなる和音が生成される。それにより、和音の吸気音を聞くことによる運転者の走行フィーリングを向上させることができる。
ここで、吸気ダクトの固有振動数は、その吸気ダクトの固有振動数を「f」とし、音速を「c」とし、その吸気ダクトの長さを「L」とした場合に、次式(1)で表すことができる。
f=c/2L …(1)
したがって、上記の3つの吸気ダクト410の各々の長さは、上記式(1)に基づいて、所望の共振周波数の吸気音が得られるように設定することができる。なお、3つの吸気ダクト410の固有振動数は、3つの吸気ダクト410において共鳴により発生される3つの吸気音が互いに重なり合うように設定されることが好ましい。
また、本実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410の上流開口411,421,431のうち少なくとも1つの上流開口の開口面積が他の上流開口の開口面積とは異なるように設定されている。
ここで、吸気ダクトから発生する吸気音のレベルは、エンジン5の回転速度およびその吸気ダクトの上流開口の開口面積に依存する。図7は、3つの吸気ダクト410の上流開口411,421,431の大きさを比較するための図である。図7に示すように、エアクリーナ10に設けられる3つの吸気ダクト410の上流開口411,421,431の開口面積は互いに異なる。具体的には、3つの上流開口411,421,431は、この順で開口面積が大きくなるように形成されている。すなわち、3つの上流開口411,421,431の開口面積のうち、上流開口411の開口面積が最も小さく、吸気ダクト410Cの上流開口431の開口面積が最も大きい。
この場合、吸気ダクト410Aに対応して発生される吸気音のレベルが、吸気ダクト410B,410Cに対応して発生される吸気音のレベルに比べて低くなる。また、吸気ダクト410Bに対応して発生される吸気音のレベルが、吸気ダクト410Cに対応して発生される吸気音のレベルに比べて低くなる。吸気ダクト410Bの上流開口421は、自動二輪車100に搭乗する運転者の頭部に向くように形成されている。したがって、運転者に向けて出力される吸気音が過剰に大きくなることが抑制される。
また、図7に示されるように、各上流開口411,421,431は略矩形状を有しかつ湾曲した隅部を有する。このような形状により、各上流開口411,421,431が直角に屈曲する隅部を有する場合に比べて上流空間US内で高い整流効果を得ることができる。また、上記のように、上流開口411,421,431がそれぞれ略矩形状を有する場合には、上流開口411,421,431が円形状を有する場合に比べて、吸気通路P1,P2,P3の間にデッドスペースが発生することが低減される。なお、上流開口411,421,431は、円形状を有してもよい。
また、本実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410の上流開口411,421,431が向く方向が互いに異なる。これにより、吸気ダクト410Aから発生される吸気音が出力される向きと、吸気ダクト410Bから発生される吸気音が出力される向きと、吸気ダクト410Cから発生される吸気音が出力される向きとが異なる。具体的には、図4に示すように、吸気ダクト410Aの上流開口411は、右斜め後方に向いている。また、吸気ダクト410Bの上流開口421は、上方に向いている。さらに、吸気ダクト410Cの上流開口431は、左方に向いている。それにより、エアクリーナ10から発生される吸気音が一方向に集中して出力されることが防止される。
(d)エアクリーナ10内部における流体の流れに関して
図2および図3に示すように、エアクリーナケース200の内部で3つの吸気ダクト410の下流開口412,422,432はともに下方を向いている。このような構成により、3つの吸気ダクト410からエアクリーナケース200の上流空間USに流れ込む空気の向きが共通化し、上流空間USに発生する空気の流れが安定化する。それにより、下流開口412,422,432が互いに異なる方向を向く場合に比べて、上流空間US内に乱流が発生することが抑制される。したがって、エアクリーナ10内で乱流が発生することに起因するエンジン5の出力低下が抑制される。
エアクリーナ10において、第2の通路形成部材320は、3つの吸気ダクト410の下流部分が上流空間USの内部で下方に向かって延びるように形成されている。このような構成により、3つの吸気ダクト410のいずれかに雨水等の液滴が進入する場合でも、その液滴が上流空間USで下方に向かって流れる。それにより、液滴がフィルタ501に直接付着することが防止されるので、フィルタ501が濡れることによる吸気効率の低下が抑制される。また、エアクリーナ10の内部に進入した液滴がエンジン5に供給されることが防止される。また、エアクリーナ10の上流空間USにおいて、3つの吸気ダクト410を通過する空気が下方に向かって流れるので、高い整流効果を得ることができる。
第2の通路形成部材320は、図6に示すように、3つの吸気ダクト410の他の部分を形成する3つの筒状部321,322,323が一体化された構成を有する。ここで、第2の通路形成部材320の3つの筒状部321,322,323の長さは、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。3つの筒状部321,322,323の長さを個別に設定することにより、エアクリーナ10から発生される吸気音の周波数について選択の自由度が向上する。
図5に示すように、吸気ダクト410Bの下流開口422は、エアクリーナケース200の内部空間においてフィルタエレメント500のフィルタ501よりも下方に位置する。また、下流開口422と同様に、吸気ダクト410A,410Cの下流開口412,432も、フィルタエレメント500のフィルタ501よりも下方に位置する。さらに、エアクリーナケース200における3つの吸気ダクト410よりも下方の部分には、排液部227が形成されている。図5の排液部227は、フィルタエレメント500の上流側に形成されている。このような構成により、3つの吸気ダクト410のいずれかに雨水等の液滴が進入する場合には、その液滴がエアクリーナケース200内部空間における底部に導かれ、排液部227から排出される。
[3]効果
(a)上記の自動二輪車100においては、エンジン5の動作時に、エアクリーナ10の外部の空気が3つの吸気ダクト410の吸気通路P1,P2,P3を通してエアクリーナケース200の上流空間USに導かれる。上流空間USに導かれた空気は、フィルタエレメント500により浄化されつつエアクリーナケース200の下流空間DSを通してエンジン5に供給される。エアクリーナ10からエンジン5に供給される空気の量は、エンジン5の回転速度に応じて変化する。それにより、各吸気ダクト410において発生する吸気音のレベルがエンジン5の回転速度とともに変化する。
ここで、エアクリーナ10は、上述のように、第1の吸気音変化率が第2の吸気音変化率に対して大きくなるように構成される。これにより、エンジン5の回転速度が非特定領域にある状態から特定領域にある状態へ変化する場合には、3つの吸気ダクト410から発生される共鳴音が互いに重なり合うことにより吸気音のレベルが急峻に上昇する。したがって、運転者は、エアクリーナ10から発生される吸気音のレベルの変化を容易に認識することができる。
これらの結果、運転者は、吸気音を聞くことにより吸気音のレベルの急峻な変化に基づいてエンジン5の動作状態を容易に把握することが可能になる。
(b)なお、上記のエアクリーナ10においては、第1の吸気音変化率に対応する特定領域は、比較的低く設定されてもよい。この場合、例えば1つの吸気ダクトを備える従来のエアクリーナに比べて比較的低い回転速度領域で吸気音のレベルが大きく変化するので、運転者は車両が加速してる感覚(加速感)を楽しむことができる。
(c)吸気ダクトを形成する材料としてゴム等の軟性材料が採用されると、吸気音はその吸気ダクトに吸収されやすい。これに対して、エアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410の材料としてゴムよりも高い剛性を有する剛性材料が用いられる。本実施の形態において、剛性材料は樹脂である。それにより、エアクリーナ10において発生する吸気音が各吸気ダクト410に吸収されることにより減衰することが抑制される。したがって、運転者は、各吸気ダクト410の設計に基づいてエアクリーナ10から出力されるべき吸気音を正確に聞くことができる。
[4]吸気音についての実験
(a)上記のように、本発明者らは、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナについて吸気音のレベルとエンジン5の回転速度との関係を測定する実験を行った。また、本発明者らは、図2のエアクリーナ10について吸気音のレベルとエンジン5の回転速度との関係を測定する実験を行った。これらの実験を吸気音変化率確認実験と呼ぶ。
吸気音変化率確認実験においては、本発明者らは、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナをエンジン5に接続するとともに、エンジン5の回転速度を上昇させつつその1つの吸気ダクトから出力される吸気音のレベルを測定した。また、本発明者らは、図2のエアクリーナ10をエンジン5に接続するとともに、エンジン5の回転速度を上昇させつつ3つの吸気ダクト410から出力される吸気音のレベルの合成値を測定した。
図8は、吸気音変化率確認実験の結果を示す図である。図8では、吸気音変化率確認実験の結果がグラフによって示される。図8のグラフにおいては、縦軸が吸気音のレベルを表し、横軸がエンジン5の回転速度を表す。また、図8では、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナについての実験結果が太い一点鎖線で示される。一方、図2のエアクリーナ10についての実験結果が太い実線で示される。
図8に示すように、1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナについては、吸気音のレベルは、エンジンの回転速度の上昇とともにほぼ一定の変化率で上昇している。これに対して、図2のエアクリーナ10については、図8に白抜きの矢印で示すように、吸気音のレベルは、エンジン5の回転速度が特定の回転速度領域にあるときに急峻に変化している。このことは、エンジン5の回転速度が特定の回転速度領域にあるときに、3つの吸気ダクト410から発生される共鳴音が互いに重なり合うことに起因する。
上記の実験結果から、図2のエアクリーナ10によれば、エンジン5の回転速度が特定領域にあるのかまたは非特定領域にあるのかについて、吸気音に基づく運転者の判断が容易になることがわかる。
なお、図8の実験結果によれば、特定の回転速度領域を超える領域において、図2のエアクリーナ10についての吸気音のレベルの変化率は1つの吸気ダクトを備えるエアクリーナについての吸気音のレベルの変化率に比べて高い状態に維持されている。したがって、エンジン5の回転速度が特定の回転速度領域を超える領域にあるか否かについても、吸気音に基づく運転者の判断が容易になることがわかる。
(b)本発明者らは、図2のエアクリーナ10について、互いに長さが異なる3つの吸気ダクト410から発生する吸気音の周波数の違いを確認するための実験を行った。吸気音の周波数の違いは、3つの吸気ダクト410の固有振動数の相違によって生じる。そこで、この実験を固有振動数実験と呼ぶ。
固有振動数実験においては、本発明者らは、図2のエアクリーナ10の3つの送気ダクト800に複数の周波数の音を入力するとともに3つの吸気ダクト410から出力される吸気音のレベルの合成値と吸気音の周波数との関係を測定した。
図9は、固有振動数実験の結果を示す図である。図9では、固有振動数実験の結果がグラフによって示される。図9のグラフにおいては、縦軸が吸気音のレベルを表し、横軸が吸気音の周波数を表す。また、図9では、実験により得られた吸気音のレベルの合成値と吸気音の周波数との関係が太い実線で示される。
図9に示すように、固有振動数実験の結果によれば、互いに異なる3つの周波数で吸気ダクト410A,410B,410Cにそれぞれ対応するピークが確認された。図9では、吸気ダクト410Aに対応するピークが矢印PAで示され、吸気ダクト410Bに対応するピークが矢印PBで示され、吸気ダクト410Cに対応するピークが矢印PCで示される。この結果によれば、互いに長さが異なる3つの吸気ダクト410から同時に吸気音が出力される場合には、3以上の音高を有する吸気音からなる和音が生成されることがわかる。
[5]他の実施の形態
(a)上記実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410が第1の通路形成部材310および第2の通路形成部材320により形成されるが、本発明はこれに限定されない。
エアクリーナ10は、個別に形成された筒状の3つの吸気ダクト410がエアクリーナケース200に取り付けられた構成を有してもよい。この場合、3つの吸気ダクト410は、同じ長さを有してもよいし、互いに異なる長さを有してもよい。また、3つの吸気ダクト410の上流開口は、互いに異なる開口面積を有してもよい。さらに、3つの吸気ダクト410は、エアクリーナケース200における互いに離間した3つの部分(例えば、エアクリーナケース200のうち前方を向く部分、右方を向く部分および左方を向く部分)に取り付けられてもよい。
(b)上記実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410のうち第2の通路形成部材320により形成される部分が互いに離間することなく左右方向LRに並んでいるが、本発明はこれに限定されない。3つの吸気ダクト410のうち1つは、他の吸気ダクト410から離間するように設けられてもよい。あるいは、3つの吸気ダクト410の各々は、他の吸気ダクト410から離間するように設けられてもよい。
(c)上記実施の形態に係るエアクリーナ10においては、3つの吸気ダクト410の上流開口411,421,431が互いに異なる方向を向くが、本発明はこれに限定されない。3つの吸気ダクト410は、上流開口411,421,431が同じ方向を向くように設けられてもよい。
(d)上記実施の形態に係るエアクリーナ10は、3つの吸気ダクト410を有するが、本発明はこれに限定されない。エアクリーナ10は、4つ以上の吸気ダクト410を有してもよい。
(e)上記実施の形態に係るエアクリーナ10は、3つの送気ダクト800を有するが、本発明はこれに限定されない。エアクリーナ10は、1つの送気ダクト800のみを有してもよいし、2つの送気ダクト800を有してもよいし、4つ以上の送気ダクト800を有してもよい。
(f)上記実施の形態は本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動四輪車、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の鞍乗型車両に本発明を適用してもよい。
[6]実施の形態の各部と請求項の各構成要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明する。
上記の実施の形態においては、エンジン5がエンジンの例であり、エアクリーナ10がエアクリーナ10の例であり、エアクリーナケース200がエアクリーナケースの例であり、フィルタエレメント500がフィルタエレメントの例であり、吸気通路P1,P2,P3が複数の吸気通路の例であり、複数の吸気ダクト410,410A,410B,410Cが複数の吸気ダクトの例である。
また、上流開口411,421,431が複数の上流開口の例であり、下流開口412,422,432が複数の下流開口の例であり、自動二輪車100が鞍乗型車両の例であり、フィルタ501がフィルタの例であり、排液部227が排液部の例であり、第1の通路形成部材310が第1の通路形成部材の例であり、第2の通路形成部材320が第2の通路形成部材の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
1…車体フレーム,1M…メインフレーム,1R…リアフレーム,2…フロントフォーク,3…前輪,4…ハンドル,5…エンジン,6…リアアーム,7…後輪,8…燃料タンク,9…シート,10…エアクリーナ,100…自動二輪車,200…エアクリーナケース,210…蓋部材,220…空間形成部材,221…上部開口,227…排液部,228…底部,229…周壁部,310…第1の通路形成部材,320…第2の通路形成部材,321,322,323…筒状部,410,410A,410B,410C…吸気ダクト,411,421,431…上流開口,412,422,432…下流開口,500…フィルタエレメント,501…フィルタ,502…フィルタホルダ,800…送気ダクト,DS…下流空間,HP…ヘッドパイプ,P1,P2,P3…吸気通路,US…上流空間

Claims (11)

  1. エンジンと、
    前記エンジンに供給される空気を浄化するエアクリーナとを備え、
    前記エアクリーナは、
    内部空間を有するエアクリーナケースと、
    前記内部空間を上流空間と下流空間とに区画するように、前記エアクリーナケースに収容されるフィルタエレメントと、
    3以上の複数の吸気通路をそれぞれ形成する3以上の複数の吸気ダクトとを備え、
    前記複数の吸気ダクトは、前記複数の吸気通路から前記エアクリーナケースの外部に開放された複数の上流開口をそれぞれ有するとともに前記複数の吸気通路から前記上流空間に開放された複数の下流開口をそれぞれ有しかつ前記エアクリーナケースの外部の空気を前記複数の吸気通路を通して前記上流空間に導くように前記エアクリーナケースに設けられ、
    前記エンジンには、前記複数の吸気ダクト、前記上流空間、前記フィルタエレメントおよび前記下流空間を通過した空気が供給される、鞍乗型車両。
  2. 前記複数の吸気通路のうち一の吸気通路の長さは、前記複数の吸気通路のうち他の吸気通路の長さとは異なる、請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記複数の吸気通路の長さは互いに異なる、請求項1記載の鞍乗型車両。
  4. 前記複数の上流開口のうち一の上流開口の開口面積は他の上流開口の開口面積とは異なる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記複数の上流開口のうち一の上流開口が向く方向は、他の上流開口が向く方向とは異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  6. 各吸気ダクトは、剛性材料により形成された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  7. 前記複数の下流開口は、共通の方向を向く、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記複数の下流開口は、前記内部空間において前記フィルタエレメントが有するフィルタよりも下方に位置し、
    前記エアクリーナケースにおける前記複数の吸気ダクトよりも下方の部分には、排液部が形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  9. 前記複数の吸気ダクトは、
    単一部材で構成されかつ前記複数の吸気ダクトの一部分を形成する第1の通路形成部材と、
    前記複数の吸気ダクトの他の部分を形成する第2の通路形成部材とを含み、
    前記エアクリーナケースと前記第2の通路形成部材とは、一体的に成形された単一部材により構成され、
    前記第1の通路形成部材は、前記複数の吸気通路が形成されるように、前記第2の通路形成部材に取り付けられた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  10. 前記第2の通路形成部材は、前記複数の吸気ダクトの前記他の部分が前記内部空間で下方に向かって延びるように形成された、請求項9記載の鞍乗型車両。
  11. 前記第2の通路形成部材のうち前記エアクリーナケースの内部空間に位置する部分は、前記複数の吸気通路にそれぞれ対応するように形成された複数の筒状部を有する、請求項9または10記載の鞍乗型車両。
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