JP2021044087A - 回路基板 - Google Patents

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平山 雄也
Yuya Hirayama
雄也 平山
賢史 藤巻
Masafumi Fujimaki
賢史 藤巻
眞仁 須山
Masahito Suyama
眞仁 須山
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Abstract

【課題】回路パターンの比抵抗を小さくでき、また剥がれなどが生じにくい回路基板を提供すること。【解決手段】フレキシブル絶縁基板10上に摺動子が当接するスイッチパターン(回路パターン)18,21を形成してなるスイッチ基板(回路基板)1である。スイッチパターン18,21は、少なくとも、鱗片形状の銀粉末とカーボン粉末とを樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することで形成される第1のパターンp1と、金属または金属化合物の微粒子を含有するペーストを第1のパターンp1の上面に積層するように塗布し加熱することで金属の微粒子または金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて形成される第2のパターンp2とを具備して構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、絶縁基板上にスイッチパターンなどの各種回路パターンを形成して構成される回路基板に関するものである。
従来、回路基板の一種であるスイッチ基板の中には、特許文献1に示すスイッチ基板(10)のように、金属板からなるスイッチ接点板(20)を、合成樹脂製のケース(50)内に、スイッチ接点板(20)の表面がケース(50)の表面に露出するようにインサート成形してなる構造のものがあった。このスイッチ基板(10)においては、スイッチ接点板(20)の表面とその周囲を埋めるケース(50)の表面とを同一面にすることで、スイッチ接点板(20)上を摺動する摺動子の動作を滑らかにするようにしている。
しかし、上記スイッチ接点板(20)は一般にプレス加工によって製造されるため、その外周辺の一方の面側にバリ(突起部分)が生じ、他方の面側に円弧状のダレ(湾曲部分)が生じる場合があった。そして、前記ダレの部分の側がケース(50)の表面側に露出する場合は、当該ダレの部分の上面側に薄くケース(50)を構成する成形樹脂が入り込み、これによってオンオフの境界部分での波形に乱れが生じたり、ノイズが発生したりする虞があった。一方、前記バリの部分の側がケース(50)の表面側に露出する場合は、当該バリの部分がケース(50)の表面から突出し、その上を摺動する摺動子がバウンジングを起こしてチャタリングなどのノイズを生じたり、摺動子を傷つけたりする虞があった。
上記問題を解決するため、特許文献2に示す回路基板(30)のように、合成樹脂フィルム(31)の表面に、導電性ペーストをスクリーン印刷などによって塗布し乾燥させて第1,第2摺接パターン(スイッチパターン)(35,37)を形成する方法もある。このように構成すれば、上記金属板製のスイッチ接点板(20)のダレやバリの問題を解決することができる。
しかし、導電性ペーストは、銀粒子に樹脂バインダーや有機溶剤などを添加することで構成されているので、これを塗布して形成されるスイッチパターンは、樹脂バインダーが銀粒子間に介在するため、銀粒子同士の接触箇所が少なく、さらに銀粒子同士の電気的導通が物理的接触のみのため、各接触箇所において接触抵抗が発生してしまい、スイッチパターンの比抵抗値が銀自体の比抵抗値に比べて数十倍も大きくなってしまう。このため、摺動子がこのスイッチパターン上を摺動してオンオフ波形を出力する際に、オンオフ波形がオンオフの切替わる部分において少し斜めにだれてしまい、正確な形状の矩形波にならなくなる虞があった。
上記導電ペーストによる問題点を解決するため、特許文献3に示すような、銀などの金属微粒子を互いに融着してなる金属融着型パターンを、スイッチパターンとして用いる方法も考えられる。この金属融着型パターンを用いれば、前記導電性ペーストからなるスイッチパターン(樹脂含有型パターン)に比べ、比抵抗値がかなり小さいので、上記樹脂含有型パターンからなるスイッチパターンの問題点を解決できる。しかし、この金属融着型パターンは、樹脂の含有率が少ないため絶縁基板への密着性が悪く、このため、例えばその上に摺動子を摺動させるなどの外力を加えると、前記樹脂含有型パターンに比べて、剥がれ易いという問題があった。
特開2001−351459号公報 特開2013−122848号公報 特開2006−54268号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、比抵抗を小さくでき、また剥がれなどが生じにくい回路基板を提供することにある。
本発明は、絶縁基板上に回路パターンを形成してなる回路基板において、前記回路パターンは、少なくとも、銀粉末とカーボン粉末とを樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することで形成される第1のパターンと、金属または金属化合物の微粒子を含有するペーストを前記第1のパターンの上面に積層するように塗布し加熱することで前記金属の微粒子または前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて形成される第2のパターンと、を具備して構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、金属融着型の第2のパターンによって、比抵抗値を小さくできる。これによって、例えば回路パターンをスイッチパターンとした場合は、容易にきれいな矩形状のオンオフ波形が得られる。
また、溶剤を含む樹脂バインダーに対するカーボン粉末の混合割合を調整することで、樹脂含有導電ペーストの粘度を所望の粘度に調整でき、これによって樹脂含有導電ペーストの印刷時に生じる虞のある印刷ダレを効果的に防止することができる。
また、絶縁基板や第2のパターンへの接着性の高い樹脂含有型パターンである第1のパターンを両者の間に積層することによって、第2のパターンを確実に絶縁基板上に貼り付けておくことができ、回路パターンの剥がれを効果的に防止することができる。
また本発明は、上記特徴に加え、前記樹脂含有導電ペーストを構成する樹脂バインダーは、熱可塑性を有する樹脂であることを特徴としている。
熱可塑性を有する樹脂としては、例えばウレタン樹脂が好適である。ウレタン樹脂は柔軟性があるので、例えば回路基板としてフレキシブル回路基板を用いたような場合は、これを湾曲したり折り曲げたりしても、回路パターンが断線などし難い。
また本発明は、上記特徴に加え、前記樹脂含有導電ペーストを構成する銀粉末は、鱗片形状であることを特徴としている。
本発明によれば、銀粉末を鱗片状とすることで、第1のパターンの表面に微細な凹凸を形成することができ、第2のパターンや絶縁基板に対して効果的なアンカー効果を生じさせ、両者の密着性(接着性)を向上させることができる。
本発明によれば、比抵抗を小さくできる。また剥がれなどを効果的に防止することができる。
ケース付きスイッチ基板100を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図である。 スイッチ基板1の平面図である。 図2のa−a断面概略図である。 スイッチ基板1へのケース40の成形方法を示す図である。 摺動子30を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態にかかる回転型スイッチ用のケース付きスイッチ基板(ケース付き回路基板)100を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図(図1(a)のD−D断面図)である。同図に示すようにケース付きスイッチ基板100は、成形樹脂製のケース40と、ケース40の収納部41の底にロータリーエンコーダ用のスイッチパターン(スイッチパターン14及びスイッチパターン18等の回路パターン)を露出した状態のスイッチ基板(回路基板)1と、スイッチ基板1の各端子接続パターン15,19,23に接続された状態の端子板50とを具備し、これらスイッチ基板1と端子板50とをケース40内にインサート成形して構成されている。なお以下の説明において、「上」とはスイッチ基板1のスイッチパターン14,18を露出した面側をいい、「下」とはその反対面側をいうものとする。
図2は本実施形態にかかるスイッチ基板1を示す平面図である。スイッチ基板1は、可撓性のある合成樹脂フイルム(この例ではポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムであるが、それ以外にも例えば、ポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フイルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルム、ポリエーテルイミドフイルム等)製の絶縁基板(以下この実施形態では「フレキシブル絶縁基板」という)10を用意し、フレキシブル絶縁基板10の中央に中心孔25を、その両側に取付孔26,27を設け、さらにその表面の中心孔25の周囲のリング状の下記する摺動子30が当接するコモンスイッチパターン21と、コモンスイッチパターン21の周囲を囲む一対のオンオフ用の下記する摺動子30が当接するオンオフスイッチパターン(コードパターン)14,18とを形成することで構成されている。なおオンオフスイッチパターン14−14間,18−18間及び14−18間にはパターンが形成されていないフイルム露出部Aが設けられている。コモンスイッチパターン21の外周からは端子接続パターン23が引き出されており、またスイッチパターン14,18の一端からはそれぞれ端子接続パターン15,19が引き出されている。各端子接続パターン15,19,23は並列に設置されている。
ここで図3は、図2のa−a断面概略図である。同図において、フレキシブル絶縁基板10及びオンオフスイッチパターン18とコモンスイッチパターン21の厚みは説明の都合上、実際よりもかなり厚く示している。なお他の各種パターン14,15,19,23の構造は、これらオンオフスイッチパターン18及びコモンスイッチパターン21の構造と同じであるので、他の各種パターン14,15,19,23についてはその断面構造を図示しない。即ち前記各種パターン14,15,18,19,21,23は、少なくとも、銀粉末とカーボン粉末とを樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することで形成される第1のパターンP1と、金属または金属化合物の微粒子を含有するペーストを前記第1のパターンP1の上面に積層するように塗布し加熱することで前記金属の微粒子または前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて形成される第2のパターンP2と、を具備して形成されている。
即ち各種パターン14,15,18,19,21,23を形成するには、まずフレキシブル絶縁基板10の表面に、これら各種パターン14,15,18,19,21,23の形状に、銀粉末とカーボン粉末とを樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストをスクリーン印刷によって塗布することで樹脂含有型導電性被膜からなる第1のパターン(樹脂含有型回路パターン)p1を形成する。第1のパターン(樹脂含有型回路パターン)p1の具体的形成方法の一例を示すと、鱗片状の銀粉末(この実施形態では粒径2〜15μm程度の銀粒子)と、カーボン粉末(この実施形態では粒径0.02〜0.06μm程度のカーボンブラック)とを、樹脂バインダー及び有機溶剤に分散して構成される樹脂含有導電ペーストである銀カーボンペーストを用意する。ここで樹脂バインダーとしては例えば熱可塑性のウレタン樹脂等を用いるが、他の熱可塑性を有する樹脂を用いても良い。そして基板10上に、この樹脂含有導電ペーストを、前記各種パターン14,15,18,19,21,23の形状にスクリーン印刷によって塗布する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。次に160℃程度(加熱時間5分間程度)で加熱・硬化させることで第1のパターンp1を形成する。この第1のパターンp1は、その比抵抗が、1×10−4〜4×10−5〔Ω・cm〕程度で比較的大きな抵抗値となる。またこの第1のパターンp1の厚みは5〜20μm程度とする。なお上述のように銀粉末は鱗片状とされているので、第1のパターンp1の表面に微細な凹凸を形成することができ、下記する第2のパターンp2やフレキシブル絶縁基板10に対して効果的なアンカー効果を生じさせ、両者の密着性(接着性)を向上させることができる。
以上のようにして形成される第1のパターン(樹脂含有型回路パターン)p1は、溶剤を含む樹脂バインダーに対するカーボン粉末の混合割合を調整することで、樹脂含有導電ペーストの粘度を所望の粘度に調整でき、これによって樹脂含有導電ペーストの印刷時に生じる虞のある印刷ダレ(印刷した部分の外周からはみ出すこと)を効果的に防止することができる。
次に、前記各種パターン14,15,18,19,21,23の形状に形成した第1のパターンp1の表面に積層するように、これら各種パターン14,15,18,19,21,23の形状に、第2のパターン(融着型回路パターン)p2を形成する。第2のパターンp2の具体的形成方法の一例を示すと、まず銀または銀化合物を含有したペーストを用意する。この種のペーストには種々の構成のものがあるが、ここでは銀の微粒子または銀化合物の微粒子と有機溶剤を含有するペーストを用いている。そしてこのペーストを基板10上にスクリーン印刷によって塗布する。但し、塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。そして140〜200℃程度(好ましくは180℃以上)で加熱(加熱時間は10秒〜120分程度)すれば、銀の微粒子または銀化合物から生成・析出される銀微粒子同士が融着されることにより、最終的に緻密な導電性の高い連続した金属微粒子融着型導電性被膜からなる第2のパターン(融着型回路パターン)p2が形成できる。
以上のようにして形成される第2のパターン(融着型回路パターン)p2は、前述のように、金属微粒子融着型導電性被膜によって形成されるが、この金属微粒子融着型導電性被膜は、金属銀微粒子が互いに融着して連続している金属銀の塗膜なので、その比抵抗は3〜8×10−6〔Ω・cm〕程度と小さく、金属銀自体の比抵抗と同じオーダーになる。なお前記加熱時間を長くすればするほど、また加熱温度を高くすればするほど比抵抗は小さくなり、また密着性もより良好になる。上記鱗片状の銀粒子(粒径2〜15μm程度)を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを用いて形成した樹脂含有型導電性被膜の場合は、その比抵抗が、1×10−4〜4×10−5〔Ω・cm〕程度なのに対して、非常に小さい比抵抗となる。なおこの第1のパターンp1の厚みは5〜20μm程度とする。
以上のようにして、第1のパターン(樹脂含有型回路パターン)p1と第2のパターン(融着型回路パターン)p2とを積層してなる各種パターン14,15,18,19,21,23が形成される。そしてこの各種パターン14,15,18,19,21,23は金属銀に近い比抵抗を有する。またこの実施形態は、第1のパターンp1と第2のパターンp2の全てをスクリーン印刷を用いて形成したので、何れのパターンも同一の工程によって製造できて製造工程の簡素化が図れ、また同一の製造装置を使用でき、これらのことからスイッチ基板1の製造の容易化、製造コストの低減化が図れる。
そして以上のように第1のパターンp1と第2のパターンp2とを積層して形成されるパターンは銀自体と同等の比抵抗を有するので、その厚みを薄くすることができる。また金属融着型の第2のパターンp2によって、比抵抗値を小さくでき、これによって、容易にきれいな矩形状のオンオフ波形が得られる。また140℃〜200℃程度の低い温度による加熱で済むので、熱に弱い材質(例えばPET)からなるフレキシブル絶縁基板10を使用することができる。また第1のパターンp1を構成する熱可塑性を有する樹脂としてウレタン樹脂を用いているが、ウレタン樹脂は柔軟性があるので、スイッチ基板1が湾曲したり折り曲げられたりしても、各種パターン14,15,18,19,21,23は断線などし難い。
以上のようにして形成されたスイッチ基板1に図1に示すケース40を成形するには、まず前記図2に示すスイッチ基板1の各端子接続パターン15,19,23上にそれぞれ端子板50の一端を載置し、その状態のままこのスイッチ基板1を図4に示すように第一金型200と第二金型250の間に挟持する。即ち図4はスイッチ基板1を第一,第二金型200,250で挟持したときの図1(b)に相当する部分の断面図である。
第一金型200にはスイッチ基板1の接点パターン14,18等を形成した面を当接する当接面201が設けられ、この当接面201の周囲にはこれを囲む凹部203(この凹部203はケース40の一部を形成する)が設けられている。
第二金型250にはケース40の一部を形成する凹部253が設けられている。また第二金型250には、スイッチ基板1の中心孔25の部分に挿入されてその先端面が第一金型200に当接する突出部251と、前記スイッチ基板1と端子板50の端部の重なっている部分を第一金型200に押し付ける押圧部255とが設けられている。
そして第二金型250側に設けた樹脂注入口Pから溶融した高温高圧の溶融成形樹脂を圧入すれば、凹部253と凹部203の部分に溶融成形樹脂が満たされ、その後成形樹脂が冷却・固化した後に第一,第二金型200,250を取り外せば、図1に示すような、各接点パターン14,18及びコモン接点パターン21を露出する収納部41を設けた状態でスイッチ基板1の下面と外周側面を覆うように成形樹脂製のケース40を取り付けた構造のケース付きスイッチ基板100が完成する。このとき各端子接続パターン15,19,23に接続した端子板50はその上下を前記ケース40を構成する成形樹脂によって挟持されることで接続・固定されている。
次に図5はこのケース付きスイッチ基板100に使用される摺動子(可動接点部材)30を示す平面図である。なお実際は摺動子30はケース40の収納部41内に回転自在に収納される摺動型物(図示せず)に取り付けられている。摺動子30は同図に示すように3組の摺動接点31,33を等間隔(120°間隔)に設け、3組の内側の摺動接点33が常にコモン接点パターン21に摺接し、外側の摺動接点31が接点パターン14,18とフイルム露出部Aにオンオフすることで位相のずれたコード出力が出力できるようにしており、これによってスイッチが構成される。
即ち接点パターン14とこれに対応する接点パターン18とは120°の間隔よりも少しずれる位置に設けられており、従って摺動子30の摺動接点31が何れかの接点パターン14にオンするタイミングと、これに対応する接点パターン18に摺動接点31がオンするタイミングの位相は少しずれ、これによって接点パターン14と接点パターン18から出力されるオンオフ信号の位相が少しずれるようにしている。これによって例えば摺動子30が右回りしているか、左回りしているかを検出できる。即ちこのスイッチは、絶縁基板としてフレキシブル絶縁基板10を用いてスイッチ基板1を構成し、このスイッチ基板1は接点パターン14,18,21を露出するように成形樹脂製のケース40に取り付けられ、ケース40に収納される摺動子30によって接点パターン14,18,21がオンオフするように構成されている。
そして前述のように接点パターン14,18はその比抵抗が小さくて導電性が高く、また接点パターン14,18の外周の端辺12,16(図2参照、摺動接点31が通過する端辺)はファインなので、接点パターン14,18上を摺動子30が摺動することでオンオフ波形が出力される際に、オンオフ波形のオンオフの切り替わり部分が垂直な立ち上がりとなり、同時にノイズのない、正確な矩形波が得られる。
ところで上記実施形態では、第2のパターンp2は、第1のパターンp1の表面全体を覆うように設けられているが、その代わりに、第2のパターンp2は、第1のパターンp1から所定寸法ずらせてその一部を覆わないように設けても良い。
また、第2のパターンp2の上に、第1のパターンp1及び第2のパターンp2全体を覆うように、第1のパターンp1で使用した樹脂含有導電ペーストを使用してパターンを形成しても良い。また第2のパターンp2の上に、第2のパターンp2から所定寸法ずらせてその一部を覆わないように第1のパターンp1で使用した樹脂含有導電ペーストを使用してパターンを形成しても良い。
以上本明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では第2のパターン(融着型回路パターン)を構成する金属微粒子融着型導電性被膜を、銀の微粒子または銀化合物の微粒子と有機溶剤からなるペーストを絶縁基板に塗布して加熱することで構成しているが、本発明に用いることができるペーストはこの例に限定されず、種々の変更が可能である。例えば溶融させる金属は銀に限られず、銅やその他の金属(例えば金、亜鉛、カドミウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、白金、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、錫、アンチモン、鉛、ビスマス)及びこれらの混合物を用いても良い。即ち要は、金属又は金属化合物を含有するペーストを基板に塗布して例えば140℃〜200℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンであれば、どのような組成からなる融着型回路パターンであってもよい。
上記各実施形態では、絶縁基板として可撓性を有する絶縁性の合成樹脂フイルム製のフレキシブル絶縁基板を用い、このフレキシブル絶縁基板の表面にスイッチパターン等のパターンを設けてスイッチ基板を構成したが、本発明はフレキシブル絶縁基板を用いたスイッチ基板に限らず、セラミック,ガラス等の硬質絶縁基板の表面に接点パターン等のパターンを設けてなるスイッチ基板であっても良く、また導電性の金属基板の表面又は絶縁基板の表面に薄い層からなる絶縁層を印刷手法又はスパッタリング手法等によって被覆して構成される絶縁基板の絶縁層表面に接点パターン等のパターンを設けてなるスイッチ基板であっても良い。
また本発明は、回転式スイッチ以外の他の各種形状・構造のスイッチ(例えばスライド式スイッチや押圧スイッチなど)用のスイッチ基板に適用しても良い。
また本発明は、スイッチ基板ではなく、絶縁基板上にスイッチパターン以外の各種回路パターンを形成してなる回路基板に適用しても良い。例えば、絶縁基板上に形成される通常の配線パターンなどに本発明を適用しても良い。
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
100 ケース付きスイッチ基板(ケース付き回路基板)
1 スイッチ基板(回路基板)
10 フレキシブル絶縁基板(絶縁基板)
14 オンオフスイッチパターン(スイッチパターン、回路パターン)
15 端子接続パターン(回路パターン)
18 オンオフスイッチパターン(スイッチパターン、回路パターン)
19 端子接続パターン(回路パターン)
21 コモンスイッチパターン(スイッチパターン、回路パターン)
23 端子接続パターン(回路パターン)
p1 第1のパターン
p2 第2のパターン
30 摺動子(可動接点部材)
40 ケース
50 端子板

Claims (3)

  1. 絶縁基板上に回路パターンを形成してなる回路基板において、
    前記回路パターンは、少なくとも、
    銀粉末とカーボン粉末とを樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することで形成される第1のパターンと、
    金属または金属化合物の微粒子を含有するペーストを前記第1のパターンの上面に積層するように塗布し加熱することで前記金属の微粒子または前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて形成される第2のパターンと、
    を具備して構成されていることを特徴とする回路基板。
  2. 請求項1に記載の回路基板であって、
    前記樹脂含有導電ペーストを構成する樹脂バインダーは、熱可塑性を有する樹脂であることを特徴とする回路基板。
  3. 請求項1又は2に記載の回路基板であって、
    前記樹脂含有導電ペーストを構成する銀粉末は、鱗片形状であることを特徴とする回路基板。
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