JP2011228481A - 導電性ペースト、フレキシブルプリント配線板、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できると共に、フレキシブルプリント配線板の薄型化を実現できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペースト、該導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を備える電子機器の提供を課題とする。
【解決手段】導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤と、チクソトロピー調整剤とからなる導電性ペーストであって、該導電性ペーストの粘度が200〜800Pa・sであると共に、前記チクソトロピー調整剤のチクソトロピー指数が、0.5以上であることを特徴とする導電性ペースト用いてジャンパー配線5が形成されているフレキシブルプリント配線板1である。
【選択図】 図2
【解決手段】導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤と、チクソトロピー調整剤とからなる導電性ペーストであって、該導電性ペーストの粘度が200〜800Pa・sであると共に、前記チクソトロピー調整剤のチクソトロピー指数が、0.5以上であることを特徴とする導電性ペースト用いてジャンパー配線5が形成されているフレキシブルプリント配線板1である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、導電性ペースト、該導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を備える電子機器に関する。
電子機器分野においては、近年、電子機器のコンパクト化、軽量化が急速に進んできている。これに伴い、電子機器に内蔵されるフレキシブルプリント配線板にも更なる導体配線の高密度化、高接続信頼性が要求されている。
このような要求を満たすものとして、従来、両面銅張積層基板を用いることで、高密度な導体配線を複数層形成した、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板が用いられている。
しかしこのような両面フレキシブルプリント配線板では、導体配線をカバーする絶縁層が基板の両面に必要となり、薄型化が困難であるという問題がある。
このような問題を解決するものとして、片面銅張積層基板を用い、複数の導体配線をジャンパー配線で電気接続するものが用いられている。ジャンパー配線は、導電性ペーストで形成され、フレキシブルプリント配線板に形成された複数の導体配線のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続する回路である。
このようなジャンパー配線は、導体配線を底面とする有底の孔が形成された絶縁層に対して、導電性ペーストを孔に充填させると共に、絶縁層の表面に塗布する塗布工程により形成される構成となっている。
よって既述したように、近年における電子機器のコンパクト化、軽量化に伴い、ジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板においては、高密度な導体配線に対応可能な回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペーストが要求されている。
導体配線を底面とする有底の孔が形成された絶縁層に対して、導電性ペーストを孔に充填させると共に、絶縁層の表面に塗布することで、ジャンパー配線を形成する従来技術を示すものとして、例えば下記特許文献1がある。
このような要求を満たすものとして、従来、両面銅張積層基板を用いることで、高密度な導体配線を複数層形成した、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板が用いられている。
しかしこのような両面フレキシブルプリント配線板では、導体配線をカバーする絶縁層が基板の両面に必要となり、薄型化が困難であるという問題がある。
このような問題を解決するものとして、片面銅張積層基板を用い、複数の導体配線をジャンパー配線で電気接続するものが用いられている。ジャンパー配線は、導電性ペーストで形成され、フレキシブルプリント配線板に形成された複数の導体配線のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続する回路である。
このようなジャンパー配線は、導体配線を底面とする有底の孔が形成された絶縁層に対して、導電性ペーストを孔に充填させると共に、絶縁層の表面に塗布する塗布工程により形成される構成となっている。
よって既述したように、近年における電子機器のコンパクト化、軽量化に伴い、ジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板においては、高密度な導体配線に対応可能な回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペーストが要求されている。
導体配線を底面とする有底の孔が形成された絶縁層に対して、導電性ペーストを孔に充填させると共に、絶縁層の表面に塗布することで、ジャンパー配線を形成する従来技術を示すものとして、例えば下記特許文献1がある。
上記特許文献1は、ジャンパー回路の形成方法に関する発明で、導電回路とジャンパー回路の導電接続部にカーボン粉含有導電性樹脂層を介在させることによって、局部電池の形成、並びにこれに起因する電解腐食を防止し、信頼性の高い導電接続を可能とできるメリットがある。
しかし高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小なジャンパー配線の形成を目的とするものではなく、そのような記載や示唆もなされていないという問題があった。
しかし高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小なジャンパー配線の形成を目的とするものではなく、そのような記載や示唆もなされていないという問題があった。
そこで本発明は上記従来技術における問題点を解消し、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できると共に、フレキシブルプリント配線板の薄型化を実現できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペースト、該導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を備える電子機器の提供を課題とする。
本発明の導電性ペーストは、導電性粒子と、該導電性粒子を分散させるためのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂を溶かすための溶剤と、前記導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるための硬化剤と、物質にチクソトロピー性を付与するためのチクソトロピー調整剤とからなる導電性ペーストであって、該導電性ペーストの粘度が200〜800Pa・sであると共に、前記チクソトロピー調整剤のチクソトロピー指数が、0.5以上であることを第1の特徴としている。
上記本発明の第1の特徴によれば、導電性粒子と、該導電性粒子を分散させるためのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂を溶かすための溶剤と、前記導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるための硬化剤と、物質にチクソトロピー性を付与するためのチクソトロピー調整剤とからなる導電性ペーストであって、該導電性ペーストの粘度が200〜800Pa・sであると共に、前記チクソトロピー調整剤のチクソトロピー指数が、0.5以上であることから、導電性、流動性、硬化性、接着性が良好な導電性ペーストとすることがきる。またチクソトロピー調整剤を含有させると共に、チクソトロピー指数を0.5以上とすることで、導電性ペーストの粘度に好適な時間依存性を持たせることができる。つまり導電性ペーストの粘度を、応力をかけた状態では好適に低下させ、応力をかけない状態では好適に上昇させることができる。よってジャンパー配線形成時における、特に塗布工程において、絶縁層の表面に回路ピッチが微小なジャンパー配線を容易且つ精度良く形成することができる。従って高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペーストとすることができる。
また本発明の導電性ペーストは、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記チクソトロピー調整剤は、カーボン粒子からなると共に、平均粒子径が1〜100nmで、含有量が0.01〜1重量%であることを第2の特徴としている。
上記本発明の第2の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記チクソトロピー調整剤は、カーボン粒子からなると共に、平均粒子径が1〜100nmで、含有量が0.01〜1重量%であることから、少量のカーボン粒子の添加で好適なチクソトロピー性を備える導電性ペーストとすることができる。
また本発明の導電性ペーストは、上記本発明の第1又は第2の特徴に加えて、前記バインダー樹脂は、分子量が20000〜80000のエポキシ樹脂と、分子量が2000〜7000のエポキシ樹脂とを混合させた樹脂からなると共に、含有量が10〜15重量%であることを第3の特徴としている。
上記本発明の第3の特徴によれば、上記本発明の第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、前記バインダー樹脂は、分子量が20000〜80000のエポキシ樹脂と、分子量が2000〜7000のエポキシ樹脂とを混合させた樹脂からなると共に、含有量が10〜15重量%であることから、耐熱性に優れると共に、導電性粒子との密着力(凝集力)を良好なものとできることで、塗布性や接着性の一段と良好な導電性ペーストとすることができる。また流動性と粘性とのバランスがとれた導電性ペーストとすることができる。よって回路ピッチが微小なジャンパー配線の形成が容易な導電性ペーストとすることができる。
また本発明の導電性ペーストは、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記導電性粒子は、銀粉末からなると共に、平均粒子径が0.1〜3μmで、含有量が85〜90重量%であることを第4の特徴としている。
上記本発明の第4の特徴によれば、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、前記導電性粒子は、銀粉末からなると共に、平均粒子径が0.1〜3μmで、含有量が85〜90重量%であることから、回路ピッチが一段と微小で、高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成を可能とする導電性ペーストとすることができる。
また本発明のフレキシブルプリント配線板は、複数の導体配線のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続するジャンパー配線が、請求項1〜4の何れか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成されていることを第5の特徴としている。
上記本発明の第5の特徴によれば、フレキシブルプリント配線板は、複数の導体配線のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続するジャンパー配線が、請求項1〜4の何れか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成されていることから、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板とすることができる。よって高密度で、高い接続信頼性を実現できると共に、製造効率の良いフレキシブルプリント配線板とすることができる。
また耐熱性に優れると共に、薄型化とコスト削減とを両立できるフレキシブルプリント配線板とすることができる。
また耐熱性に優れると共に、薄型化とコスト削減とを両立できるフレキシブルプリント配線板とすることができる。
また本発明の電子機器は、請求項5に記載のフレキシブルプリント配線板を備えることを第6の特徴としている。
上記本発明の第6の特徴によれば、電子機器は、請求項5に記載のフレキシブルプリント配線板を備えることから、高機能化、コンパクト化、軽量化、薄型化、製造効率の向上、コスト削減が可能な電子機器とすることができる。
本発明の導電性ペーストによれば、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保でき、耐熱性に優れたジャンパー配線を形成できる導電性ペーストとすることができる。
また本発明のフレキシブルプリント配線板によれば、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板とすることができる。よって高密度で、高い接続信頼性を実現できると共に、製造効率の良いフレキシブルプリント配線板とすることができる。また耐熱性に優れると共に、薄型化が可能なフレキシブルプリント配線板とすることができる。
また本発明の電子機器によれば、高機能化、コンパクト化、軽量化、薄型化、製造効率の向上、コスト削減が可能な電子機器とすることができる。
また本発明のフレキシブルプリント配線板によれば、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板とすることができる。よって高密度で、高い接続信頼性を実現できると共に、製造効率の良いフレキシブルプリント配線板とすることができる。また耐熱性に優れると共に、薄型化が可能なフレキシブルプリント配線板とすることができる。
また本発明の電子機器によれば、高機能化、コンパクト化、軽量化、薄型化、製造効率の向上、コスト削減が可能な電子機器とすることができる。
以下の図面を参照して、本発明に係る導電性ペースト、該導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を備える電子機器についての実施形態を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
まず図1を参照して、本発明に係るフレキシブルプリント配線板1を説明する。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板1は、図5に示す電子部品6が実装された状態で、図示しない電子機器の内部に配設される、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板である。
このフレキシブルプリント配線板1は、図1に示すように、基板2と、導体配線3と、カバーレイ4と、ジャンパー配線5とから構成される。
なお図1には図示していないが、後述するカバーレイ4aにおいて、電子部品6と電気接続される電極に対応する部分には開口部が形成され、電極が露出状態となっている。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板1は、図5に示す電子部品6が実装された状態で、図示しない電子機器の内部に配設される、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板である。
このフレキシブルプリント配線板1は、図1に示すように、基板2と、導体配線3と、カバーレイ4と、ジャンパー配線5とから構成される。
なお図1には図示していないが、後述するカバーレイ4aにおいて、電子部品6と電気接続される電極に対応する部分には開口部が形成され、電極が露出状態となっている。
前記基板2は、フレキシブルプリント配線板1の基台となるものである。
本実施形態においては、樹脂フィルムの表面に銅箔を耐熱性接着樹脂でラミネートした、いわゆる片面銅張積層基板で形成されている。
樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の、フレキシブルプリント配線板を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムやポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、片面銅張積層基板を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
本実施形態においては、樹脂フィルムの表面に銅箔を耐熱性接着樹脂でラミネートした、いわゆる片面銅張積層基板で形成されている。
樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の、フレキシブルプリント配線板を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムやポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、片面銅張積層基板を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
前記導体配線3は、基板2の表面に形成される金属箔からなる回路パターンである。
この導体配線3は、図1に詳しくは図示していないが、ジャンパー配線5により電気接続される導体配線3a―3e及び3b―3fと、ジャンパー配線5により電気接続されることのない導体配線3c、3dとの6本から構成される。
金属箔としては、導電性、耐久性を考慮して、例えば銅、又は銅を主成分とする合金が好適に使用でき、例えば銅薄膜やスズ含有銅合金薄膜、クロム含有銅合金薄膜、亜鉛含有銅合金薄膜、ジルコニウム含有銅合金薄膜などが使用できる。
なお導体配線3a、3b、3e、3fの上面における、ジャンパー配線5との接続部分には、表面処理を行うことで表面処理層(図示していない)を形成してある。
このような構成とすることで、一段と接続信頼性の高いフレキシブルプリント配線板1とすることができる。
表面処理層は、金めっき、ニッケル金めっき、半田めっき等で形成することができる。
また導体配線3の数、形状、配置位置等は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
この導体配線3は、図1に詳しくは図示していないが、ジャンパー配線5により電気接続される導体配線3a―3e及び3b―3fと、ジャンパー配線5により電気接続されることのない導体配線3c、3dとの6本から構成される。
金属箔としては、導電性、耐久性を考慮して、例えば銅、又は銅を主成分とする合金が好適に使用でき、例えば銅薄膜やスズ含有銅合金薄膜、クロム含有銅合金薄膜、亜鉛含有銅合金薄膜、ジルコニウム含有銅合金薄膜などが使用できる。
なお導体配線3a、3b、3e、3fの上面における、ジャンパー配線5との接続部分には、表面処理を行うことで表面処理層(図示していない)を形成してある。
このような構成とすることで、一段と接続信頼性の高いフレキシブルプリント配線板1とすることができる。
表面処理層は、金めっき、ニッケル金めっき、半田めっき等で形成することができる。
また導体配線3の数、形状、配置位置等は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
前記カバーレイ4は、フレキシブルプリント配線板1の絶縁層を構成するものである。
このカバーレイ4は、図1、図2に示すように、導体配線3を被覆する第1カバーレイ4aと、ジャンパー配線5を被覆する第2カバーレイ4bとから構成される。
なお図2に示すように、第1カバーレイ4aには、ジャンパー配線5を形成するための孔Lが設けられている。
カバーレイ4としては、接着剤付きポリイミドフィルム、感光性レジスト、液状レジスト等を用いることができる。
このカバーレイ4は、図1、図2に示すように、導体配線3を被覆する第1カバーレイ4aと、ジャンパー配線5を被覆する第2カバーレイ4bとから構成される。
なお図2に示すように、第1カバーレイ4aには、ジャンパー配線5を形成するための孔Lが設けられている。
カバーレイ4としては、接着剤付きポリイミドフィルム、感光性レジスト、液状レジスト等を用いることができる。
前記ジャンパー配線5は、フレキシブルプリント配線板1に形成される複数の導体配線3のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続する回路である。本実施形態においては、導体配線3a―3e間及び導体配線3b―3f間をジャンパー配線5で電気接続する構成としてある。
このようにジャンパー配線5を用いる構成とすることで、両面フレキシブルプリント配線板を用いることなく、片面フレキシブルプリント配線板で複数層の導体配線層を有するフレキシブルプリント配線板1を形成することができる。よって薄型化とコスト削減とを両立できるフレキシブルプリント配線板1とすることができる。
また図1、図2に示すように、互いに導通させたい導体配線3a―3e間及び導体配線3b―3f間に対し、平面上に迂回不可な導体配線3c、3dがある場合でも絶縁層たる第1カバーレイ4aを介す別層にて接続回路を容易に形成することができる。
このようにジャンパー配線5を用いる構成とすることで、両面フレキシブルプリント配線板を用いることなく、片面フレキシブルプリント配線板で複数層の導体配線層を有するフレキシブルプリント配線板1を形成することができる。よって薄型化とコスト削減とを両立できるフレキシブルプリント配線板1とすることができる。
また図1、図2に示すように、互いに導通させたい導体配線3a―3e間及び導体配線3b―3f間に対し、平面上に迂回不可な導体配線3c、3dがある場合でも絶縁層たる第1カバーレイ4aを介す別層にて接続回路を容易に形成することができる。
このジャンパー配線5は、図2に示すように、スクリーン印刷等を用いて、導体配線3a、3eを底面とする孔Lに対して導電性ペーストを充填すると共に、第1カバーレイ4aの表面に導電性ペーストを塗布する塗布工程により形成される。
勿論、導体配線3b―3f間を電気接続するジャンパー配線5も、同様の工程で形成される。
なお本実施形態においては、図2に示すように、ジャンパー配線5は、第1導電性ペースト5aと第2導電性ペースト5bとの2種類の導電性ペーストで形成されている。
より具体的には、充填精度が要求される導体配線3a、3b、3e、3fを底面とする段差部たる孔Lへの充填には、2種類の導電性ペーストの内、粘度の低い第1導電性ペースト5aを使用し、図1に示す回路ピッチMの微小化が要求される第1カバーレイ4aの表面への塗布には、2種類の導電性ペーストの内、粘度の高い第2導電性ペースト5bを使用する構成としている。
なおジャンパー配線5で電気接続される導体配線3は、本実施形態の構成に限るものではなく、フレキシブルプリント配線板1に形成される導体配線3の構成により適宜変更可能である。またジャンパー配線5を形成する導電性ペーストも必ずしも2種類に限る必要はなく、適宜変更可能である。
勿論、導体配線3b―3f間を電気接続するジャンパー配線5も、同様の工程で形成される。
なお本実施形態においては、図2に示すように、ジャンパー配線5は、第1導電性ペースト5aと第2導電性ペースト5bとの2種類の導電性ペーストで形成されている。
より具体的には、充填精度が要求される導体配線3a、3b、3e、3fを底面とする段差部たる孔Lへの充填には、2種類の導電性ペーストの内、粘度の低い第1導電性ペースト5aを使用し、図1に示す回路ピッチMの微小化が要求される第1カバーレイ4aの表面への塗布には、2種類の導電性ペーストの内、粘度の高い第2導電性ペースト5bを使用する構成としている。
なおジャンパー配線5で電気接続される導体配線3は、本実施形態の構成に限るものではなく、フレキシブルプリント配線板1に形成される導体配線3の構成により適宜変更可能である。またジャンパー配線5を形成する導電性ペーストも必ずしも2種類に限る必要はなく、適宜変更可能である。
このようなジャンパー配線5を形成する導電性ペーストとしては、導電性粒子と、導電性粒子を分散させるためのバインダー樹脂と、バインダー樹脂を溶かすための溶剤と、導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるための硬化剤とから形成される第1導電性ペースト5aと、導電性粒子と、導電性粒子を分散させるためのバインダー樹脂と、バインダー樹脂を溶かすための溶剤と、導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるための硬化剤と、物質にチクトトロピー性を付与するためのチクソトロピー調整剤とから形成される第2導電性ペースト5bとを用いている。
前記導電性粒子は、金属粉末等からなる、いわゆる導電性フィラーである。
金属粉末としては、例えば銀、白金、金、銅、ニッケル及びパラジウム等を用いることができるが、銀粉末や銀コート銅粉末を使用することが望ましい。このような構成とすることで、優れた導電性を実現することができ、高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線5とすることができる。
なお本実施形態においては、導電性粒子として銀粉末を用いている。
金属粉末としては、例えば銀、白金、金、銅、ニッケル及びパラジウム等を用いることができるが、銀粉末や銀コート銅粉末を使用することが望ましい。このような構成とすることで、優れた導電性を実現することができ、高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線5とすることができる。
なお本実施形態においては、導電性粒子として銀粉末を用いている。
また導電性粒子として銀粉末を用いる場合は、第1導電性ペースト5aとしては、平均粒子径を1〜10μmとすると共に、ペースト硬化物に対する含有量を91〜94重量%とすることが望ましい。更に好適には、平均粒子径を3〜5μmとすることが望ましい。
また第2導電性ペースト5bとしては、平均粒子径を0.1〜3μmとすると共に、ペースト硬化物に対する含有量を85〜90重量%とすることが望ましい。更に好適には、平均粒子径を0.5〜1.2μmとすることが望ましい。
このような構成とすることで、第1導電性ペースト5aについては、高い接続信頼性を確保することができる。
また第2導電性ペースト5bについては、高い接続信頼性を確保できると共に、良好な接着性を確保することができる。よって図1に示す、隣接するジャンパー配線5の回路ピッチMを一段と微小なものとすることができ、高密度細線を形成することができる。
また第2導電性ペースト5bとしては、平均粒子径を0.1〜3μmとすると共に、ペースト硬化物に対する含有量を85〜90重量%とすることが望ましい。更に好適には、平均粒子径を0.5〜1.2μmとすることが望ましい。
このような構成とすることで、第1導電性ペースト5aについては、高い接続信頼性を確保することができる。
また第2導電性ペースト5bについては、高い接続信頼性を確保できると共に、良好な接着性を確保することができる。よって図1に示す、隣接するジャンパー配線5の回路ピッチMを一段と微小なものとすることができ、高密度細線を形成することができる。
なお、ここで及び以下の説明において「粒子径」とは、独立した単一粒子の最大径のことを意味するものとする。
また、ここで「平均粒子径」とは、粒度分布の標準偏差がσ=1.5以下の分散状態における累積50%粒子径(D50)のことを意味し、日機装株式会社製マイクロトラックMT3000IIシリーズを用いたレーザー解析法により測定することができる。
また「ペースト硬化物」とは、第1導電性ペースト5aについては、導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤とから形成される導電性ペーストを加熱硬化させたものを意味し、その重量としては、前記導電性ペーストから溶剤を除いたものを意味する。
また第2導電性ペースト5bについては、導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤と、チクソトロピー調整剤とから形成される導電性ペーストを加熱硬化させたものを意味し、その重量としては、前記導電性ペーストから溶剤を除いたものを意味する。
また「ペースト硬化物に対する含有量(%)」とは、前記ペースト硬化物の全重量を100とした場合における各構成要素(導電性粒子、バインダー樹脂、硬化剤、チクソトロピー調整剤)の含有量を重量比で表したものを意味するものとする。
また、ここで「平均粒子径」とは、粒度分布の標準偏差がσ=1.5以下の分散状態における累積50%粒子径(D50)のことを意味し、日機装株式会社製マイクロトラックMT3000IIシリーズを用いたレーザー解析法により測定することができる。
また「ペースト硬化物」とは、第1導電性ペースト5aについては、導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤とから形成される導電性ペーストを加熱硬化させたものを意味し、その重量としては、前記導電性ペーストから溶剤を除いたものを意味する。
また第2導電性ペースト5bについては、導電性粒子と、バインダー樹脂と、溶剤と、硬化剤と、チクソトロピー調整剤とから形成される導電性ペーストを加熱硬化させたものを意味し、その重量としては、前記導電性ペーストから溶剤を除いたものを意味する。
また「ペースト硬化物に対する含有量(%)」とは、前記ペースト硬化物の全重量を100とした場合における各構成要素(導電性粒子、バインダー樹脂、硬化剤、チクソトロピー調整剤)の含有量を重量比で表したものを意味するものとする。
前記バインダー樹脂は、導電性粒子を分散させるための樹脂である。
バインダー樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂等を使用することができるが、耐熱性を考慮すれば、エポキシ樹脂を用いることが望ましい。
またエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、例えばビスフェノールA型、F型、S型、AD型、又はビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
なお本実施形態においては、バインダー樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いている。
バインダー樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂等を使用することができるが、耐熱性を考慮すれば、エポキシ樹脂を用いることが望ましい。
またエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、例えばビスフェノールA型、F型、S型、AD型、又はビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
なお本実施形態においては、バインダー樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いている。
またバインダー樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いる場合、第1導電性ペースト5aにおいては、分子量を10000〜100000、ペースト硬化物に対する含有量を6〜8重量%とするバインダー樹脂を用いることが望ましく、更に好適には、分子量を30000〜80000、ペースト硬化物に対する含有量を6.5〜7.5重量%とすることが望ましい。
また第2導電性ペースト5bにおいては、分子量を20000〜80000とするエポキシ樹脂と、分子量を2000〜7000とするエポキシ樹脂とを混合させたバインダー樹脂を用い、且つこのバインダー樹脂のペースト硬化物に対する含有量を10〜15重量%とすることが望ましく、更に好適には、ペースト硬化物に対する含有量を11.5〜12.5重量%とすることが望ましい。
このような構成とすることで、第1導電性ペースト5aについては、耐熱性に優れると共に、導電性粒子との密着力(凝集力)を良好なものとできることで、ジャンパー配線5の形成時及び形成後における導体配線3に対する塗布性や接着性の良い導電性ペーストとすることができる。
また第2導電性ペースト5bについては、分子量の大きいエポキシ樹脂と分子量の小さいエポキシ樹脂とを混合させることで、第1導電性ペーストが備える効果に加えて、流動性と粘性とのバランスがとれた導電性ペーストとすることができる。よって回路ピッチMが微小なジャンパー配線5を容易且つ精度良く形成できる導電性ペーストとすることができる。
また第2導電性ペースト5bにおいては、分子量を20000〜80000とするエポキシ樹脂と、分子量を2000〜7000とするエポキシ樹脂とを混合させたバインダー樹脂を用い、且つこのバインダー樹脂のペースト硬化物に対する含有量を10〜15重量%とすることが望ましく、更に好適には、ペースト硬化物に対する含有量を11.5〜12.5重量%とすることが望ましい。
このような構成とすることで、第1導電性ペースト5aについては、耐熱性に優れると共に、導電性粒子との密着力(凝集力)を良好なものとできることで、ジャンパー配線5の形成時及び形成後における導体配線3に対する塗布性や接着性の良い導電性ペーストとすることができる。
また第2導電性ペースト5bについては、分子量の大きいエポキシ樹脂と分子量の小さいエポキシ樹脂とを混合させることで、第1導電性ペーストが備える効果に加えて、流動性と粘性とのバランスがとれた導電性ペーストとすることができる。よって回路ピッチMが微小なジャンパー配線5を容易且つ精度良く形成できる導電性ペーストとすることができる。
前記溶剤は、バインダー樹脂を溶かすためのものである。
本発明に用いる溶剤は、既述したバインダー樹脂を溶解可能であるものであれば問題ないが、好適にはエステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系の有機溶剤を使用するのが望ましい。また導電性ペーストを印刷による回路形成に用いる場合は、印刷性の良い高沸点溶剤が好ましく、具体的にはカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが特に望ましい。またこれらの溶剤を数種類組み合わせて使用することも可能である。
なお本実施形態においては、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを用いている。
本発明に用いる溶剤は、既述したバインダー樹脂を溶解可能であるものであれば問題ないが、好適にはエステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系の有機溶剤を使用するのが望ましい。また導電性ペーストを印刷による回路形成に用いる場合は、印刷性の良い高沸点溶剤が好ましく、具体的にはカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが特に望ましい。またこれらの溶剤を数種類組み合わせて使用することも可能である。
なお本実施形態においては、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを用いている。
前記硬化剤は、導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるためのものである。
硬化剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等を使用することができる。また導電性ペーストとしての貯蔵安定性、硬化時の反応性等を考慮すると、ブロック化されたブロックイソシアネートを用いるのがより望ましい。ブロック剤には、アルコール類、フェノール類、酸アミド類、オキシム類、活性メチレン類の中から選択したものを用いることができる。更に有機スズ化合物等の硬化触媒を併用することも可能である。
なお本実施形態においては、硬化剤としてイミダゾール誘導体を熱可塑性樹脂で被膜したマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、商品名ノバキュアHX−3941)を用いている。
硬化剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等を使用することができる。また導電性ペーストとしての貯蔵安定性、硬化時の反応性等を考慮すると、ブロック化されたブロックイソシアネートを用いるのがより望ましい。ブロック剤には、アルコール類、フェノール類、酸アミド類、オキシム類、活性メチレン類の中から選択したものを用いることができる。更に有機スズ化合物等の硬化触媒を併用することも可能である。
なお本実施形態においては、硬化剤としてイミダゾール誘導体を熱可塑性樹脂で被膜したマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、商品名ノバキュアHX−3941)を用いている。
また硬化剤としてイミダゾール誘導体を熱可塑性樹脂で被膜したマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、商品名ノバキュアHX−3941)を用いる場合は、第1導電性ペースト5a、第2導電性ペースト5b共に、ペースト硬化物に対する含有量は0.01〜1重量%であることが望ましい。更に第1導電性ペースト5aについては、好適には、0.02〜0.1重量%とすることが望ましい。このような構成とすることで、ペースト硬化物に対し、耐熱性と密着性とを向上させつつ、良好な可撓性を確保できる。
前記第2導電性ペースト5bを形成するチクソトロピー調整剤は、物質にチクソトロピー性を付与するためのものである。
チクソトロピー調整剤としては、カーボン、シリカ、マイカ等公知のものを用いることができるが、カーボン粒子を用いることが望ましい。
なお、ここで「チクソトロピー性」とは、物質の粘度が時間経過と共に変化する性質のことを意味し、より具体的には、物質の粘度が、応力をかけた状態では低下し、応力をかけない状態では上昇することを意味するものとする。
チクソトロピー調整剤としては、カーボン、シリカ、マイカ等公知のものを用いることができるが、カーボン粒子を用いることが望ましい。
なお、ここで「チクソトロピー性」とは、物質の粘度が時間経過と共に変化する性質のことを意味し、より具体的には、物質の粘度が、応力をかけた状態では低下し、応力をかけない状態では上昇することを意味するものとする。
またチクソトロピー調整剤としてカーボン粒子を用いる場合は、平均粒子径を1〜100nmとすると共に、ペースト硬化物に対する含有量を0.01〜1重量%とし、チクソトロピー指数を0.5以下とすることが望ましい。更に好適には、平均粒子径を50nm以下とし、ペースト硬化物に対する含有量を0.05〜0.5重量%とすることが望ましい。
なお、ここで「平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果の算術平均値を意味するものとする。
なお、ここで「平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果の算術平均値を意味するものとする。
このような構成とすることで、少量のカーボン粒子の添加で好適なチクソトロピー性を備えた導電性ペーストとすることができる。
よって第1カバーレイ4aの表面への塗布時(応力をかけた状態)では、第2導電性ペースト5bの粘度を好適に低下させることができる。よって一定の粘度を保つと同時に流動性を備えることで、回路ピッチMの微小なジャンパー配線5の形成を容易且つ精度良く行うことができる。
また加熱処理して硬化させた状態(応力をかけない状態)では、第2導電性ペースト5bの粘度を好適に上昇させることができる。よって良好な接着性を備えたジャンパー配線5とすることができる。
従って高密度な導体配線3に対応可能な、回路ピッチMが微小で、且つ接続信頼性を確保できるジャンパー配線5の形成を可能とする導電性ペーストとすることができる。
よって第1カバーレイ4aの表面への塗布時(応力をかけた状態)では、第2導電性ペースト5bの粘度を好適に低下させることができる。よって一定の粘度を保つと同時に流動性を備えることで、回路ピッチMの微小なジャンパー配線5の形成を容易且つ精度良く行うことができる。
また加熱処理して硬化させた状態(応力をかけない状態)では、第2導電性ペースト5bの粘度を好適に上昇させることができる。よって良好な接着性を備えたジャンパー配線5とすることができる。
従って高密度な導体配線3に対応可能な、回路ピッチMが微小で、且つ接続信頼性を確保できるジャンパー配線5の形成を可能とする導電性ペーストとすることができる。
なお、ここで「チクソトロピー指数」とは、以下の式で算術される値を意味するものとする。
TI値=log(η1/η2)/log(D2/D1)・・・(式)
TI:Thixotropic Index
η1:せん断速度D1における粘度測定値
η2:せん断速度D2における粘度測定値
D1:η1測定時のせん断速度(本実施形態においては、D1=2S−1)
D2:η2測定時のせん断速度(本実施形態においては、D2=20S−1)
S:sec(秒)
TI値=log(η1/η2)/log(D2/D1)・・・(式)
TI:Thixotropic Index
η1:せん断速度D1における粘度測定値
η2:せん断速度D2における粘度測定値
D1:η1測定時のせん断速度(本実施形態においては、D1=2S−1)
D2:η2測定時のせん断速度(本実施形態においては、D2=20S−1)
S:sec(秒)
既述したバインダー樹脂を溶剤に溶解して溶液を作製した後、導電性粒子を加え、回転撹拌脱泡機を用いて均一に混合し、硬化剤を加えて更に混合した後、溶液を三本ロールに通すことで第1導電性ペースト5aが作製される。
また第1導電性ペースト5aの作製とは別に、既述したバインダー樹脂を溶剤に溶解して溶液を作製した後、導電性粒子及びチクソトロピー調整剤を加え、回転撹拌脱泡機を用いて均一に混合し、硬化剤を加えて更に混合した後、溶液を三本ロールに通すことで第2導電性ペースト5bが作製される。
また第1導電性ペースト5aの作製とは別に、既述したバインダー樹脂を溶剤に溶解して溶液を作製した後、導電性粒子及びチクソトロピー調整剤を加え、回転撹拌脱泡機を用いて均一に混合し、硬化剤を加えて更に混合した後、溶液を三本ロールに通すことで第2導電性ペースト5bが作製される。
なお第1導電性ペースト5aの粘度は30〜200Pa・s、より好適には50〜100Pa・sとすることが望ましい。
また第2導電性ペースト5bの粘度は200〜800Pa・s、より好適には300〜600Pa・sとすることが望ましい。
なお粘度は、東機産業株式会社製TVE型粘度計を用いて、第1導電性ペースト5aについては、使用するコーンをcord7、回転数を1rpm、測定温度を25度とし、また第2導電性ペースト5bについては、使用するコーンをcord7、回転数を0.5rpm、測定温度を25度として測定することができる。
また第2導電性ペースト5bの粘度は200〜800Pa・s、より好適には300〜600Pa・sとすることが望ましい。
なお粘度は、東機産業株式会社製TVE型粘度計を用いて、第1導電性ペースト5aについては、使用するコーンをcord7、回転数を1rpm、測定温度を25度とし、また第2導電性ペースト5bについては、使用するコーンをcord7、回転数を0.5rpm、測定温度を25度として測定することができる。
このような構成とすることで、導電性、流動性、硬化性、接着性が良好な導電性ペーストとすることができる。よってジャンパー配線5の形成時において、第1導電性ペースト5aについては、第1カバーレイ4aに形成される孔Lに精度良く充填させることができる。
また第2導電性ぺースト5bについては、第1カバーレイ4aの表面に回路ピッチMが微小な高密度細線(主として0.15mm以下)を容易且つ精度良く形成することができる。
よって高密度な導体配線3に対応可能な、回路ピッチMが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できると共に、フレキシブルプリント配線板1の薄型化を実現できるジャンパー配線5とすることができる。
また第2導電性ぺースト5bについては、第1カバーレイ4aの表面に回路ピッチMが微小な高密度細線(主として0.15mm以下)を容易且つ精度良く形成することができる。
よって高密度な導体配線3に対応可能な、回路ピッチMが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できると共に、フレキシブルプリント配線板1の薄型化を実現できるジャンパー配線5とすることができる。
つまり、従来のジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板においては、スクリーン印刷等の塗布工程において、絶縁層に形成される孔に導電性ペーストを圧入させる際、導電性ペーストが孔壁に引っ掛かったり、孔壁との間に隙間が生じたりすること等により、段差部たる孔への導電性ペーストの充填度が不足すると共に、ジャンパー配線にクラックやカスレが生じるという問題があった。また孔の開口径が広い場合にも同様の問題が生じていた。
このような導電性ペーストの充填度の不足は接続信頼性を低下させ、クラックやカスレはジャンパー配線の断線を招き、結果としてフレキシブルプリント配線板の品質低下を招く原因となっていた。
また従来、絶縁層の表面に形成されるジャンパー配線の回路ピッチが微小なもの、例えば回路ピッチが絶縁層に形成される孔の開口長径に満たないような高密度細線を形成する場合においては、十分な接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成が困難であった。
このような導電性ペーストの充填度の不足は接続信頼性を低下させ、クラックやカスレはジャンパー配線の断線を招き、結果としてフレキシブルプリント配線板の品質低下を招く原因となっていた。
また従来、絶縁層の表面に形成されるジャンパー配線の回路ピッチが微小なもの、例えば回路ピッチが絶縁層に形成される孔の開口長径に満たないような高密度細線を形成する場合においては、十分な接続信頼性を確保できるジャンパー配線の形成が困難であった。
これに対し、本発明における構成とすることで、ジャンパー配線5の形成時において、第1導電性ペースト5aが備える良好な流動性により、孔Lを隙間なく第1導電性ペースト5aで充填させることができる。また同時に第2導電性ペースト5bが備える良好な接着性、粘性、硬化性、チクソトロピー性により、第1カバーレイ4aの表面に回路ピッチMが微小な高密度細線を容易且つ精度良く形成することができる。より具体的には、回路ピッチMが図2に示す孔Lの開口長径Nに満たないような高密度細線を形成する場合でも容易且つ精度良く形成することができる。
よって回路ピッチMが微小なジャンパー配線5を形成した場合でも、断線を防止できると共に、高い接続信頼性を実現できる。
よって回路ピッチMが微小なジャンパー配線5を形成した場合でも、断線を防止できると共に、高い接続信頼性を実現できる。
従って高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できるジャンパー配線5を形成することができる導電性ペースト、該導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線5を備えるフレキシブルプリント配線板1及び該フレキシブルプリント配線板1を備える電子機器とすることができる。
よってフレキシブルプリント配線板1及び図示しない電子機器の薄型化、高機能化、コンパクト化、軽量化、製造効率の向上、コスト削減を実現可能とすることができる。
よってフレキシブルプリント配線板1及び図示しない電子機器の薄型化、高機能化、コンパクト化、軽量化、製造効率の向上、コスト削減を実現可能とすることができる。
次に図3、図4を参照し、本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1の製造工程を説明する。
まず図3(a)に示すように、樹脂フィルムの表面に銅箔を耐熱性接着樹脂でラミネートした(図示しない)、いわゆる片面銅張積層基板である基板2を準備する。
次いで、積層された金属箔を常法によりエッチングして、図3(b)に示すように、導体配線3a〜3fを形成する。
この際、ジャンパー配線5で電気接続される3a、3b、3e、3fについては、回路幅を0.2mm以下に形成しておくことが望ましい。このような構成とすることで、第1カバーレイ4aに孔Lを形成することで生じる凹凸の十点平均粗さ(Rz)をRz<1μmとすることができ、ジャンパー配線5の解像性を向上させることができる。
次いで、導体配線3a、3b、3e、3fの上面に表面処理を施し、図示しない表面処理層を形成する。
まず図3(a)に示すように、樹脂フィルムの表面に銅箔を耐熱性接着樹脂でラミネートした(図示しない)、いわゆる片面銅張積層基板である基板2を準備する。
次いで、積層された金属箔を常法によりエッチングして、図3(b)に示すように、導体配線3a〜3fを形成する。
この際、ジャンパー配線5で電気接続される3a、3b、3e、3fについては、回路幅を0.2mm以下に形成しておくことが望ましい。このような構成とすることで、第1カバーレイ4aに孔Lを形成することで生じる凹凸の十点平均粗さ(Rz)をRz<1μmとすることができ、ジャンパー配線5の解像性を向上させることができる。
次いで、導体配線3a、3b、3e、3fの上面に表面処理を施し、図示しない表面処理層を形成する。
次いで図3(c)に示すように、基板2上に第1カバーレイ4aを積層する。この際、ジャンパー配線5との接続部となる導体配線3a、3eの上面部分に、導体配線3a、3eの上面を底面とする孔Lを形成する。なおこの際、図示していないが、ジャンパー配線5との接続部となる導体配線3b、3fの上面部分にも、導体配線3b、3fの上面を底面とする孔Lを形成する。
孔Lの形成方法としては、例えば雄雌金型によるせん断加工や、レーザーによる照射等を用いることができる。
孔Lの形成方法としては、例えば雄雌金型によるせん断加工や、レーザーによる照射等を用いることができる。
次いで図4(a)に示すように、孔Lに対する第1導電性ペースト5aの充填をスクリーン印刷により行う。より具体的には、第1カバーレイ4aの表面と同一平面となるような厚さに充填し、乾燥させる。
次いで、第1カバーレイ4aの表面への第2導電性ペースト5bによる塗布をスクリーン印刷により行い、加熱処理により、第1導電性ペースト5aと第2導電性ペースト5bとの両方を硬化させ、所定の回路ピッチM(主として0.15mm以下)及び厚みの回路を形成する。これによりジャンパー配線5が形成される。
次いで図4(b)に示すように、ジャンパー配線5を被覆するように、第2カバーレイ4bを第1カバーレイ4a上に貼り合わせる。
以上により、本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1が形成される。
なお導電性ペーストの塗布方法は、スクリーン印刷に限るものではなく、凹版印刷、平板印刷、ディスペンサー等を用いる構成としてもよいが、形成されるジャンパー配線5の精細性、膜厚、生産性の観点から、スクリーン印刷を用いることが望ましい。
次いで、第1カバーレイ4aの表面への第2導電性ペースト5bによる塗布をスクリーン印刷により行い、加熱処理により、第1導電性ペースト5aと第2導電性ペースト5bとの両方を硬化させ、所定の回路ピッチM(主として0.15mm以下)及び厚みの回路を形成する。これによりジャンパー配線5が形成される。
次いで図4(b)に示すように、ジャンパー配線5を被覆するように、第2カバーレイ4bを第1カバーレイ4a上に貼り合わせる。
以上により、本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1が形成される。
なお導電性ペーストの塗布方法は、スクリーン印刷に限るものではなく、凹版印刷、平板印刷、ディスペンサー等を用いる構成としてもよいが、形成されるジャンパー配線5の精細性、膜厚、生産性の観点から、スクリーン印刷を用いることが望ましい。
そしてこのような構成のフレキシブルプリント配線板1は、図5に示すように、導体配線3の接続部(図示しない)に対して電子部品6の端子が接続され(図示しない)、第1カバーレイ4aの部品実装面に電子部品6が実装された状態で図示しない電子機器内部に配設される。
本発明によれば、高密度な導体配線に対応可能な、回路ピッチが微小で、且つ高い接続信頼性を確保できると共に、フレキシブルプリント配線板及び電子機器の薄型化とコスト削減の両立を実現できるジャンパー配線を形成することができ、導電性ペーストにより形成されるジャンパー配線を備えるフレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を備える電子機器の分野における産業上の利用性が高い。
1 フレキシブルプリント配線板
2 基板
3 導体配線
3a 導体配線
3b 導体配線
3c 導体配線
3d 導体配線
3e 導体配線
3f 導体配線
4 カバーレイ
4a 第1カバーレイ
4b 第2カバーレイ
5 ジャンパー配線
5a 第1導電性ペースト
5b 第2導電性ペースト
6 電子部品
L 孔
M 回路ピッチ
N 開口長径
2 基板
3 導体配線
3a 導体配線
3b 導体配線
3c 導体配線
3d 導体配線
3e 導体配線
3f 導体配線
4 カバーレイ
4a 第1カバーレイ
4b 第2カバーレイ
5 ジャンパー配線
5a 第1導電性ペースト
5b 第2導電性ペースト
6 電子部品
L 孔
M 回路ピッチ
N 開口長径
Claims (6)
- 導電性粒子と、該導電性粒子を分散させるためのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂を溶かすための溶剤と、前記導電性粒子を分散させたバインダー樹脂を硬化させるための硬化剤と、物質にチクソトロピー性を付与するためのチクソトロピー調整剤とからなる導電性ペーストであって、該導電性ペーストの粘度が200〜800Pa・sであると共に、前記チクソトロピー調整剤のチクソトロピー指数が、0.5以上であることを特徴とする導電性ペースト。
- 前記チクソトロピー調整剤は、カーボン粒子からなると共に、平均粒子径が1〜100nmで、含有量が0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
- 前記バインダー樹脂は、分子量が20000〜80000のエポキシ樹脂と、分子量が2000〜7000のエポキシ樹脂とを混合させた樹脂からなると共に、含有量が10〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粒子は、銀粉末からなると共に、平均粒子径が0.1〜3μmで、含有量が85〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性ペースト。
- 複数の導体配線のうち、特定の導体配線間を架橋して電気接続するジャンパー配線が、請求項1〜4の何れか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成されていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
- 請求項5に記載のフレキシブルプリント配線板を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010096963A JP2011228481A (ja) | 2010-04-20 | 2010-04-20 | 導電性ペースト、フレキシブルプリント配線板、電子機器 |
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