JPH06139815A - メタライズ用ペースト - Google Patents

メタライズ用ペースト

Info

Publication number
JPH06139815A
JPH06139815A JP29038992A JP29038992A JPH06139815A JP H06139815 A JPH06139815 A JP H06139815A JP 29038992 A JP29038992 A JP 29038992A JP 29038992 A JP29038992 A JP 29038992A JP H06139815 A JPH06139815 A JP H06139815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
sec
viscosity
shear rate
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29038992A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Hirai
直樹 平井
Akira Okamoto
晃 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP29038992A priority Critical patent/JPH06139815A/ja
Publication of JPH06139815A publication Critical patent/JPH06139815A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、印刷特性に優れたセラミックスの
メタライズ用ペーストを提供する。 【構成】 固形粉末と有機物が均一に混合されたペース
トにおいて、まずその粘度とチキソトロピー指数を開示
する。次いで前記条件を満たすために有機物に必要な粘
度およびペースト中の含有量を開示する。さらに具体的
に好ましい有機物の成分を提供する。一方固形分として
は特に銅粉末とガラス粉末の混合物に対して効果的であ
り、さらに好ましくは銅粉末の粒径が限定される。 【効果】 スクリーン印刷によって形成する厚膜を容易
に希望とする膜形状に制御可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスのメタラ
イズに用いられ、塗膜形状の制御が可能な、印刷特性に
優れたペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスパッケージやハイブリッド
ICのセラミックス基板に導体回路を形成する方法とし
て厚膜技術が主に用いられている。厚膜技術は、導体用
金属粉末とガラス粉末を有機物中に分散させペースト状
にしたものを、スクリーン印刷によってセラミックスに
回路状に印刷塗布し、その後焼成を行うことによって導
体回路を形成する方法である。例えばアルミナセラミッ
クス基板に銅導体回路を形成する方法は次のようであ
る。
【0003】銅粉末と、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ
素を主成分とするガラス粉末とを、エチルセルロースを
主成分とする有機物中に分散させたペーストを、スクリ
ーン印刷によってアルミナセラミックス基板に印刷す
る。次いで、酸素濃度を制御した窒素ガス気流中に通
し、連続して有機物の燃焼除去と銅の焼結を行って、セ
ラミックス基板に厚膜が接合される。
【0004】このとき金属銅は、焼結によって多少の収
縮はあるもののほぼペーストとして印刷されたときの形
状を保持する。従って回路の電気的特性は、焼成以前の
印刷による塗膜の形状によってほぼ決まる。即ち塗膜形
状を制御することが希望とする電気的特性を得るために
必要とされる。特に近年電子回路の高集積化が進み、厚
膜形成には細線化など膜形状の制御が益々重要となって
きている。
【0005】ところで前述したように厚膜ペーストは、
銅粉末やガラス粉末などの固形成分と有機成分(以降ビ
ークルと称する)からなる。ビークルは固形成分をペー
スト化するために重要な成分である。例えば特公昭60
−58268号公報では、銅導体厚膜の電気的特性を向
上させるために、導電性銅粉末を酸化させない成分が開
示されている。
【0006】特公昭55−39083号公報では、厚膜
の導電性を向上させる目的で、固形分の分散性を向上さ
せるビークルに必要な特性が開示されている。特公昭5
6−25723号公報では、ビークルとその添加量が開
示され、チキソトロピー性に関連させてビークルの添加
量が指定されている。特公昭57−19521号公報で
は、固形成分の均一な厚さの層を形成するために、ビー
クルに要求される特性、代表的な物質および添加量が開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、電気
的特性向上のための又は固形成分を塗膜可能にならしめ
るためのビークルおよびそのビークルを用いたペースト
に関するものであって、ペーストの印刷特性や塗膜形状
との関連については不明である。また希望とする膜形状
を得るために、如何なる特性をペーストが具備すべきか
に関して明確にはなっていない。前述のように厚膜ペー
ストには、単にスクリーン印刷による厚膜の形成が可能
なペーストであればよいという段階から、希望とする膜
形状に制御できるという特性が要求され始めている。
【0008】さてスクリーン印刷によって形成される膜
厚の形状は、ペーストの粘度特性に最も大きな影響をう
ける。従来よりこのペーストの粘度特性を決めるのはビ
ークルであろうと考えられている。本発明者らは、印刷
膜の断面が明確な矩形で厚い膜を作るという目的で、従
来のペーストを用いて多くの実験を重ねてきたが、希望
の膜は得られなかった。
【0009】そこで前述した従来技術に基づいてペース
トを作成し、実験を重ねたところ、固形成分の特性即ち
粒径、粒度分布、粉末表面状態例えば金属粉末が酸化さ
れているか否か、さらに固形成分添加量、固形成分組成
例えば金属とフリットの混合比等が変われば、ある組成
のペーストで膜形状の良好であったビークルが他の組み
合わせでは全く不適合となってしまい、場合によっては
印刷すらできないという結果になった。
【0010】組み合わせが異なる毎に、その都度ビーク
ルの組成を決める必要があり、従来のビークル組成を指
定する方法は本発明の目的、即ち良好な印刷特性、膜形
状をもつペーストを得るためにはあまり有効ではない。
【0011】そこで本発明は、良好な印刷特性、膜形状
を得るためにペーストに必要な粘度特性を究明し、膜厚
制御可能なペーストの提供を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先ず市販の
ペーストで、粘度特性が印刷膜形状に及ぼす影響を調べ
た。ペーストがスキージの移動でスクリーンを通過して
セラミックス基板に印刷される過程では、ペーストは非
常に大きなずり速度で流動する。この時流動性がよくな
いペーストでは印刷カスレが起った。
【0013】一方塗膜後ではペーストは静止状態即ち殆
どずり速度のない状態である。この時流動性が大きいペ
ーストでは膜がダレて形状が崩れてしまった。従って印
刷時即ち高ずり速度では低粘度になって、印刷後即ち低
ずり速度では高粘度となる特性がペーストに必要である
ことが判った。
【0014】そこで本発明者らは、固形成分に銅金属
粉、ガラスフリットを用いこれら固形成分とビークルの
配合量、及びビークルに用いる有機物の種類やその含有
量を変えた幾種類ものペーストを作成し、2,6,20
sec-1のずり速度における粘度を測定しながら、異なる
粘度特性をもったペーストを数種類準備した。粘度特性
はずり速度10 sec-1の粘度値と、ずり速度D1 =2 s
ec-1、ずり速度D2 =20 sec-1としたときのチキソト
ロピー指数で評価した。
【0015】次に印刷条件即ちスキージ移動速度、スキ
ージ角度、スキージ押し込み圧力、スキージによるスク
リーン版の押し込み量、及びスキージとセラミックス基
板の間隔を一定にし、試験印刷パターンとして、厚さ1
50μmのステンレス製版に長さ1mm×幅0.7mmの穴
を、幅0.7mm方向に0.7mm間隔で2箇所あけたステ
ンシルタイプスクリーン版を用い、これらのペーストを
セラミックス基板に印刷した。
【0016】印刷後10分間レベリングのために自然放
置し、次いで120℃×10分加熱乾燥した。厚膜の印
刷性の良否を、下記の膜幅変化率(3)式、膜厚変化率
(4)式で評価した。即ち(3)式,(4)式の値が0
に近い程良好な印刷特性をもったペーストであるとす
る。また焼成したときの厚膜の収縮を考慮して、(4)
式は正であるほうが好ましい。
【0017】 膜幅変化率=(W−L)/L ………………………………………(3) 膜厚変化率=(T−H)/H ………………………………………(4) W:スクリーンパターンに基づいて設定される膜幅 T:スクリーンパターンに基づいて設定される膜厚 L:実際に印刷された後の膜幅 H:実際に印刷された後の膜厚
【0018】図2は、セラミックス基板3の上に、膜幅
W(0.7mm)、膜厚T(150μm)のスクリーンパ
ターン1を用いてペーストを印刷したところ、膜幅L、
膜厚Hの厚膜1が得られた場合の厚膜断面2を示す。
【0019】前述の調製されたペーストの粘度特性と印
刷特性の関連を調べた結果、図1に示すごとく、ペース
トの粘度が、ずり速度6 sec-1のとき120〜350Pa
・sec であって、かつ本発明の(1)式で定義されるチ
キソトロピー指数が0.5〜0.85であったとき、即
ち図1の斜線で示す領域の粘度をもつペーストは、膜幅
変化率か0.2±0.05、膜厚変化率が0.2±0.
05となって、本発明の目的を実現しうるものとなっ
た。
【0020】ペーストの粘度が、ずり速度6 sec-1のと
き120Pa・sec 以下であるものは、膜幅変化率が1以
上、膜厚変化率が−0.2以下となって矩形断面は保て
なかった。一方ずり速度6 sec-1のとき350Pa・sec
以上であるものは、印刷カスレが起こった。またずり速
度6 sec-1のとき粘度が120〜350Pa・sec である
ペーストであっても、チキソトロピー指数が0.5以下
であると、印刷カスレが起った。
【0021】一方市販のペーストも含めてチキソトロピ
ー指数が0.85以上のペーストは調製不可能であった
が、チキソトロピー指数が大きいペーストほどクリーム
状になって、乾燥による印刷膜の収縮が大きくなり、従
って良好な印刷特性、膜形状の得られる厚膜用ペースト
のチキソトロピー指数の上限は0.85であった。
【0022】特に、図1に点線で示すずり速度2 sec-1
において300〜700Pa・sec 、ずり速度20 sec-1
において70〜170Pa・sec であるペーストは、膜幅
変化率が0.2±0.05、膜厚変化率が0.2±0.
05で、なおかつより膜厚の厚いパターンを形成するこ
とが可能である。
【0023】ところで固形粒子と有機物からなるペース
トの粘度は、粘度を測定するときのずり速度に依存して
変化する。本発明のペーストは、図1にハッチングした
範囲で粘度が変化する。従ってペーストの粘度特性を表
す場合、あらゆるずり速度に対して粘度値を示す必要が
ある。
【0024】しかしながら図1に示した本発明のペース
トのように、ペースト粘度がずり速度に対してほぼ直線
的な帯状の範囲内で変化する場合には、ある一つのずり
速度に対する粘度値と、ずり速度に対する粘度値の変化
傾向の二因子を指定することでペーストの特徴を特定す
ることが可能となる。
【0025】これに従い本発明のペーストは、前記二項
目を指定して特徴付けられている。先ず前記二因子のう
ち前者の指定には、ずり速度6 sec-1における粘度を用
いた。ずり速度6 sec-1は、本発明が行われた実験に用
いた粘度測定装置の最も標準的な測定条件であったとい
うこと以外には何等特別な条件ではなく、本発明のペー
ストはずり速度6 sec-1以外のずり速度における粘度で
特徴付けることも可能である。本発明ではずり速度2 s
ec-1と20 sec-1の粘度を指定できる。
【0026】一方前記二因子のうち後者の指定には、本
発明の(1)式を用いた。(1)式は、任意の異なるず
り速度D1 ,D2 で測定したペースト粘度ηp
(D1 ),ηp(D2 )の常用対数値の差を、ずり速度
1 ,D2 の常用対数値の差で割った値をチキソトロピ
ー指数と定義することを意味する。即ちチキソトロピー
指数は、ずり速度に対する粘度の変化が、図1の中で直
線で示された場合の直線の傾きを表すことになる。従っ
て本発明のチキソトロピー指数の範囲0.5〜0.85
は、図1中のハッチングした範囲で粘度が変化する場合
を示す。
【0027】本発明のメタライズ用ペーストを得るため
に、さらに下記の方法を用いることを推奬する。
【0028】本発明の厚膜用ペーストに用いる有機物と
して、その粘度ηvがずり速度6 sec-1において1〜2
0Pa・sec であって、かつ該有機物と固形粉末とを混合
してペーストを調製する場合において、該有機物を9.
5〜20重量%含有させること、なおかつ該有機物の粘
度ηvとペーストへの含有量が、本発明の(2)式の条
件を満足するペーストを開示する。有機物の粘度が1Pa
・sec 以下であるとペーストは粘性を持ち得ないし、2
0Pa・sec 以上では粘度が高すぎて印刷カスレが生じ
る。
【0029】しかしながら上記粘度をもつ有機物であっ
ても、ペースト中の該有機物の含有量が9.5重量%以
下であると、ペースト粘度は非常に高くなって印刷が不
可能となり、含有量が20重量%以上であると、膜幅変
化率が1以上で膜厚変化率が−0.2以下となって、ス
クリーンパターンの膜形状が得られないことが実験的に
確認された。さらに膜幅変化率が0.2±0.05、膜
厚変化率が0.2±0.05のペーストを得るために
は、有機物の含有量が10〜12重量%であることが好
ましい。
【0030】前記実験結果を数式化したものが(2)式
である。(2)式の不等号内の式は、有機物のずり速度
6 sec-1における粘度ηv(6 sec-1)と該有機物の重
量%を独立変数として含み、粘度ηvが高くなれば大き
な値になり、重量%が多くなれば小さな値となる。即ち
該有機物を用いたペーストの粘度の常用対数値を実験結
果から数式化したものである。従って(2)式は、有機
物の粘度と重量%で決まるペーストの粘度の常用対数値
が、2.4から3.7の範囲にあることを意味してい
る。
【0031】本発明を具体的に実現するために、エチル
セルロース3〜10重量%とフタル酸ジオクチル0.5
〜20重量%を酢酸n−ブチルカルビトールに溶解させ
た混合物からなる有機物を用いる。酢酸n−ブチルカル
ビトールはビークルの主成分であるが、該成分のみでは
ずり速度6 sec-1において粘度1〜20Pa・sec を満足
し得ない。従って有機物の粘度を1〜20Pa・sec にす
るためにエチルセルロース3〜10重量%を添加する。
【0032】エチルセルロースは、酢酸n−ブチルカル
ビトールに完全に溶解して無色透明な溶液にはなるが、
高分子固体である。従って該溶液と固形成分を混合した
ときエチルセルロースと固形成分の相互作用によってペ
ーストの流動性は必ずしも良くない。
【0033】そこで該固体どうしの相互作用を低下さ
せ、滑りを良くするためにフタル酸ジオクチル0.5〜
20重量%が添加される。添加量は、ペーストのチキソ
トロピー指数が0.5〜0.85になるように決めら
れ、前期範囲を超え多くても少なくてもチキソトロピー
指数が0.5以下となる。そしてより好ましくは1〜7
重量%である。
【0034】さてペーストの印刷特性がペーストの粘度
特性によって決まることから、本発明は固形成分を限定
するものではない。しかしながら本発明は、固形粉末に
金属銅粉末とガラス粉末の混合物を用いた実験からなさ
れた。従って本発明は、固形粉末が金属銅粉末とガラス
粉末からなる場合に、より有効である。
【0035】また実験に用いた銅粉末は平均2μm、最
大10μmまでの範囲の粒度分布をもち、さらには80
%以上が粒径1〜2μmであったため、金属銅粉末を用
いる場合により有効である。金属が異なれば有機物との
相互作用も異なるため、有機物の成分やその含有量は適
切なものが選択されるが、請求項1及び2を満足するペ
ーストであれば、良好な印刷特性が得られる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)平均粒径2μm、最大粒径10μmで1〜
2μmまでの範囲に80%以上の粒度分布をもつ金属銅
粉末85重量%と、68.2重量%Bi2 3 、3.7
重量%SiO2 、9.3重量%B2 3 、7.7重量%
PbO、2.1重量%Al23 、7.0重量%Cr2
3 、2.0重量%CaOからなる平均粒径5μmのガ
ラス粉末15重量%を予め十分に湿式混合する。
【0037】これを固形成分とし、下記表1に示す配合
の有機物と混合し、次いで3本ロールミルを用いて十分
混練した。混練したペーストの粘度を、ずり速度2,
6,20 sec-1において測定した。混練中1分間隔で測
定される各ずり速度における粘度値の変化が5%以内に
なったとき、十分混練されたとみなしその時の粘度をペ
ーストの粘度とした。
【0038】次に印刷パターンとして、厚さ150μm
のステンレス製版に長さ1mm×幅0.7mmの穴を、幅
0.7mm方向に0.7mm間隔で2箇所あけたステンシル
タイプスクリーン版を用い、これらのペーストをアルミ
ナセラミックス基板に印刷した。印刷後10分間レベリ
ングのために自然放置し、次いで120℃×10分加熱
乾燥した。
【0039】最後に厚膜の膜厚、膜幅を測定し、前記の
膜幅変化率式(3)、膜厚変化率式(4)で印刷性の良
否を評価した。表1に各ペーストについて、ずり速度1
0 sec-1における粘度、ずり速度2 sec-1と20 sec-1
から式(1)に従って求めたチキソトロピー指数、膜幅
変化率、膜厚変化率を示す。
【0040】
【表1】
【0041】ペーストNo.1は、本発明に開示する粘度
特性をもつペーストである。No.2,3は本発明の範囲
を各々粘度またはチキソトロピー指数において逸脱した
ペーストであり、また比較例として市販ペーストの粘度
特性と印刷特性の実測結果を示した。ペーストNo.1
は、膜幅変化率が小さく、膜厚変化率も正の小さな値即
ちパターンより厚めに印刷された。
【0042】一方ペーストNo.2、3は、膜幅変化率が
1以上即ち隣どうしの膜がダレて重なってしまい、膜厚
変化率は小さいながら負の値でパターンより薄く印刷さ
れた。市販ペーストは、膜幅変化率においては満足する
ものの、膜厚変化率は小さいながら負の値でパターンよ
り薄く印刷された。
【0043】(実施例2)平均粒径2μm、最大粒径1
0μmで1〜2μmまでの範囲に80%以上の粒度分布
をもつ金属銅粉末85重量%と、68.2重量%Bi2
3 、3.7重量%SiO2 、9.3重量%B2 3
7.7重量%PbO、2.1重量%Al23 、7.0
重量%Cr2 3 、2.0重量%CaOからなる平均粒
径5μmのガラス粉末15重量%を予め十分に湿式混合
する。これを固形成分とし、下記表2に示す配合の有機
物と混合し、次いで3本ロールミルを用いて十分混練し
た。有機物は固形成分と混合する前に十分に混合されて
おり予め粘度をずり速度6sec-1において測定しておい
た。また混練したペーストの粘度をずり速度2,6,2
0 sec-1において測定した。混練中1分間隔で測定され
る各ずり速度における粘度値の変化が5%以内になった
とき、十分混練されたとみなしその時の粘度をペースト
の粘度とした。
【0044】次に印刷パターンとして、厚さ150μm
のステンレス製版に長さ1mm×幅0.7mmの穴を、幅
0.7mm方向に0.7mm間隔で2箇所あけたステンシル
タイプスクリーン版を用い、これらのペーストをアルミ
ナセラミックス基板に印刷した。印刷後10分間レベリ
ングのために自然放置し、次いで120℃×10分加熱
乾燥した。
【0045】最後に厚膜の膜厚、膜幅を測定し、前記の
膜幅変化率式(3)、膜厚変化率式(4)で印刷性の良
否を評価した。表2に各ペーストについて、ずり速度1
0 sec-1における粘度、ずり速度2 sec-1と20 sec-1
から式(1)に従って求めたチキソトロピー指数、膜幅
変化率、膜厚変化率を示す。
【0046】
【表2】
【0047】ペーストNo.1は、本発明の特に請求項3
に開示するペーストである。No.2,3は本発明の請求
項3の範囲を逸脱したペーストである。ペーストNo.1
は、膜幅変化率が小さく、膜厚変化率も正の小さな値即
ちパターンより厚めに印刷された。ペーストNo.2は、
有機物の粘度が高いためにペースト粘度が高く、印刷カ
スレが起きて膜幅がパターンより小さくなった。ペース
トNo.3は、有機物の含有量が多いためにペースト粘度
が低く、印刷膜にダレが生じて隣どうしの膜が重なって
しまった。
【0048】
【発明の効果】従来のペーストではスクリーン印刷によ
って形成する厚膜を希望とする膜形状に制御することが
困難であったが、本発明に基づいて調製されたペースト
は容易に希望とする膜形状に制御することが可能であ
る。本発明は印刷特性、膜形状に優れるペーストを提供
するためになされた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による印刷特性に優れたメタライズ用ペ
ーストの、ずり速度とペースト粘度の関係を示す表であ
る。
【図2】セラミックス基板上にスクリーン印刷された厚
膜の断面図である。
【符号の説明】
1 スクリーン印刷パターン断面形状 2 印刷された厚膜断面 3 セラミックス基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】 膜幅変化率=(L−W)/ ………………………………………(3) 膜厚変化率=(H−T)/ ………………………………………(4) W:スクリーンパターンに基づいて設定される膜幅 T:スクリーンパターンに基づいて設定される膜厚 L:実際に印刷された後の膜幅 H:実際に印刷された後の膜厚
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】前述の調製されたペーストの粘度特性と印
刷特性の関連を調べた結果、図1に示すごとく、ペース
トの粘度が、ずり速度6 sec-1のとき120〜350Pa
・sec であって、かつ本発明の(1)式で定義されるチ
キソトロピー指数が0.5〜0.85であったとき、即
ち図1の斜線で示す領域の粘度をもつペーストは、膜幅
変化率0.2±0.05、膜厚変化率が0.2±0.
05となって、本発明の目的を実現しうるものとなっ
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】特に、図1に線で示すずり速度2 sec-1
において300〜700Pa・sec 、ずり速度20 sec-1
において70〜170Pa・sec であるペーストは、膜幅
変化率が0.2±0.05、膜厚変化率が0.2±0.
05で、なおかつより膜厚の厚いパターンを形成するこ
とが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】そこで該固体どうしの相互作用を低下さ
せ、滑りを良くするためにフタル酸ジオクチル0.5〜
20重量%が添加される。添加量は、ペーストのチキソ
トロピー指数が0.5〜0.85になるように決めら
れ、前範囲を超え多くても少なくてもチキソトロピー
指数が0.5以下となる。そしてより好ましくは1〜7
重量%である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】最後に厚膜の膜厚、膜幅を測定し、前記の
膜幅変化率式(3)、膜厚変化率式(4)で印刷性の良
否を評価した。表1に各ペーストについて、ずり速度
sec-1における粘度、ずり速度2 sec-1と20 sec-1
ら式(1)に従って求めたチキソトロピー指数、膜幅変
化率、膜厚変化率を示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表1】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】最後に厚膜の膜厚、膜幅を測定し、前記の
膜幅変化率式(3)、膜厚変化率式(4)で印刷性の良
否を評価した。表2に各ペーストについて、ずり速度
sec-1における粘度、ずり速度2 sec-1と20 sec-1
ら式(1)に従って求めたチキソトロピー指数、膜幅変
化率、膜厚変化率を示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形粉末と有機物が均一に混合されたペ
    ーストにおいて、前記ペーストの粘度ηpが、ずり速度
    6 sec-1のとき120〜350Pa・sec であって、かつ
    下記(1)式で定義されるチキソトロピー指数が0.5
    〜0.85であることを特徴とする印刷特性に優れたメ
    タライズ用ペースト。 チキソトロピー指数=log(ηp(D1 ))−log(ηp(D2 )) /log(D2 )−log(D1 ) …………………(1) D1 ,D2 :任意の異なる2つのずり
    速度 ηp(D1 ),ηp(D2 ):ずり速度D1 ,D2 にお
    けるペースト粘度
  2. 【請求項2】 ペーストの粘度ηpが、ずり速度2 sec
    -1において300〜700Pa・sec 、ずり速度20 sec
    -1において60〜170Pa・sec であることを特徴とす
    る請求項1に記載のメタライズ用ペースト。
  3. 【請求項3】 有機物の粘度ηvが、ずり速度6 sec-1
    において1〜20Pa・sec であって、該有機物と固形成
    分とからなるメタライズ用ペースト中に該有機物を9.
    5〜20重量%含有させ、なおかつ該有機物の粘度ηv
    と含有量が下記(2)式の条件を満たすことを特徴とす
    る請求項1に記載のメタライズ用ペースト。 2.4≦4.38+1.1×log〔ηv(6 sec-1)〕 −0.225×(有機物の重量%)≦3.7……(2)
  4. 【請求項4】 有機物が、エチルセルロース3〜10重
    量%とフタル酸ジオクチル0.5〜20重量%を酢酸n
    −ブチルカルビトールに溶解させた混合溶液であること
    を特徴とする請求項1,2又は3に記載のメタライズ用
    ペースト。
  5. 【請求項5】 固形粉末が金属銅粉末とガラス粉末から
    なる請求項1,2,3又は4に記載のメタライズ用ペー
    スト。
  6. 【請求項6】 金属銅粉末が平均2μm、最大10μm
    までの範囲の粒度分布をもつ請求項1,2,3,4又は
    5に記載のメタライズ用ペースト。
JP29038992A 1992-10-28 1992-10-28 メタライズ用ペースト Withdrawn JPH06139815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29038992A JPH06139815A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 メタライズ用ペースト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29038992A JPH06139815A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 メタライズ用ペースト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06139815A true JPH06139815A (ja) 1994-05-20

Family

ID=17755384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29038992A Withdrawn JPH06139815A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 メタライズ用ペースト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06139815A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531461A (ja) * 2000-04-14 2003-10-21 サン−ゴバン グラス フランス 導電性トラックを設けた透明基板
US6659004B2 (en) 2000-07-21 2003-12-09 Murata Manufacturing Co. Ltd Screen printing paste, screen printing method, and baked thick film body
JP2007026934A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Kyocera Corp 導電性ペースト及びそれを用いて作製される太陽電池素子
US20100178726A1 (en) * 2005-07-19 2010-07-15 Kyocera Corporation Conductive Paste, Solar Cell Manufactured Using Conductive Paste, Screen Printing Method and Solar Cell Formed Using Screen Printing Method
JP2011228481A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Sumitomo Electric Printed Circuit Inc 導電性ペースト、フレキシブルプリント配線板、電子機器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531461A (ja) * 2000-04-14 2003-10-21 サン−ゴバン グラス フランス 導電性トラックを設けた透明基板
US6659004B2 (en) 2000-07-21 2003-12-09 Murata Manufacturing Co. Ltd Screen printing paste, screen printing method, and baked thick film body
JP2007026934A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Kyocera Corp 導電性ペースト及びそれを用いて作製される太陽電池素子
US20100178726A1 (en) * 2005-07-19 2010-07-15 Kyocera Corporation Conductive Paste, Solar Cell Manufactured Using Conductive Paste, Screen Printing Method and Solar Cell Formed Using Screen Printing Method
JP2011228481A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Sumitomo Electric Printed Circuit Inc 導電性ペースト、フレキシブルプリント配線板、電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4122232A (en) Air firable base metal conductors
US3647532A (en) Application of conductive inks
US4072771A (en) Copper thick film conductor
US8771553B2 (en) Conductive fine particle and metal paste for electrode formation, and electrode
JP4355010B2 (ja) 積層電子部品用導体ペースト
DE3111808A1 (de) Elektrisch leitende paste und verfahren zur herstellung elektrisch leitender, metallisierter, keramischer werkstoffe unter verwendung derselben
JPS6035405A (ja) 銅伝導体組成物
KR20060024321A (ko) 도전성 페이스트
JPH0416505B2 (ja)
EP0008175A1 (en) Process for forming a dense thin sintered layer
US4061584A (en) High dielectric constant ink for thick film capacitors
JP2002270456A (ja) 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品
JPH06139815A (ja) メタライズ用ペースト
JP2002110444A (ja) 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品
US3681261A (en) Resistors,compositions,pastes,and method of making and using same
JPH11120821A (ja) 厚膜銀終端組成物
JPH03167713A (ja) 低温焼成可能な導電ペーストとその焼成方法
JPS63301274A (ja) 導電性ペ−スト組成物
JP2022089460A (ja) 厚膜導体及びその形成用組成物並びに該形成用組成物を含んだ厚膜導体ペースト
JPH03263391A (ja) 銅厚膜導体用ペースト及び銅厚膜回路基板
JPS61136978A (ja) 厚膜回路形成用導電ペ−スト
CN115954134B (zh) 一种电阻浆料及其制备方法
JPH03285965A (ja) グリーンシート用導体ペースト組成物
KR910001506B1 (ko) 도전성 페이스트 조성물
JP3246245B2 (ja) 抵抗体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000104