JP2021042419A - 亜鉛合金及びその製造方法 - Google Patents

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清二 才川
正彦 飯島
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正彦 飯島
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之欣 附田
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早紀 麻生
達也 山端
Tatsuya Yamahata
達也 山端
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Abstract

【課題】硬さに優れる亜鉛合金及びその製造方法を提供する。【解決手段】亜鉛合金は、Al、Mg、Ti及びBを、それぞれ以下に示す含有率で含有し、残部がZn及び不可避不純物である。Alの含有率は、3.5質量%以上4.3質量%以下である。Mgの含有率は、0.02質量%以上0.06質量%以下である。Tiの含有率は、0.0300質量%以上0.1000質量%以下である。Bの含有率は、0.0060質量%以上0.0200質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛合金及びその製造方法に関する。
亜鉛合金は、寸法精度が高く、衝撃にも強い性質を持つため、精密機器の部品、携帯電子機器の部品、玩具、自動車部品、建築金物、事務器具、アクセサリー等の構成材料として使用されている。
特許文献1には、耐クリープ特性に優れる亜鉛合金として、ニッケル及びマンガンの少なくとも1種を合計で3.5重量%以下の範囲で含有すると共に、チタン及びジルコニウムの少なくとも1種を合計で2重量%以下の範囲で含有する亜鉛合金が記載されている。
特開平11−61299号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、硬さに優れる亜鉛合金を得ることについて、改善の余地が残されている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬さに優れる亜鉛合金及びその製造方法を提供することである。
本発明の例示的な亜鉛合金は、Al、Mg、Ti及びBを、それぞれ以下に示す含有率で含有し、残部がZn及び不可避不純物である。前記Alの含有率は3.5質量%以上4.3質量%以下である。前記Mgの含有率は0.02質量%以上0.06質量%以下である。前記Tiの含有率は0.0300質量%以上0.1000質量%以下である。前記Bの含有率は0.0060質量%以上0.0200質量%以下である。
本発明の例示的な亜鉛合金の製造方法は、溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、注湯された前記溶湯を冷却する冷却工程とを備える。前記溶湯は、Al、Mg、Ti及びBを、それぞれ以下に示す含有率で含有し、残部がZn及び不可避不純物である。前記Alの含有率は3.5質量%以上4.3質量%以下である。前記Mgの含有率は0.02質量%以上0.06質量%以下である。前記Tiの含有率は0.0300質量%以上0.1000質量%以下である。前記Bの含有率は0.0060質量%以上0.0200質量%以下である。
例示的な本発明によれば、硬さに優れる亜鉛合金及びその製造方法を提供できる。
図1は、実施例1の亜鉛合金の光学顕微鏡写真である。 図2は、比較例1の亜鉛合金の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。
まず、本明細書中で使用される用語について説明する。亜鉛合金を構成する各元素の含有率(単位:質量%)は、亜鉛合金の全質量に対する各元素の含有率である。溶湯を構成する各元素の含有率(単位:質量%)は、溶湯の全質量に対する各元素の含有率である。また、溶湯を構成する各元素の含有率は、溶湯を冷却して得られた亜鉛合金を構成する各元素の含有率にそれぞれ等しい。
「硬さ」とは、ビッカース硬さ試験機で測定されるビッカース硬さ(単位:HV)を指す。
<第1実施形態:亜鉛合金>
第1実施形態に係る亜鉛合金は、Al、Mg、Ti及びBを、それぞれ以下に示す含有率で含有し、残部がZn及び不可避不純物である。
第1実施形態に係る亜鉛合金中のAlの含有率は、3.5質量%以上4.3質量%以下である。第1実施形態に係る亜鉛合金中のMgの含有率は、0.02質量%以上0.06質量%以下である。第1実施形態に係る亜鉛合金中のTiの含有率は、0.0300質量%以上0.1000質量%以下である。第1実施形態に係る亜鉛合金中のBの含有率は、0.0060質量%以上0.0200質量%以下である。
第1実施形態に係る亜鉛合金は、硬さに優れる。その理由は、以下のように推測される。
亜鉛合金は、一般に、初晶からなる相(以下、α相と記載することがある)と、共晶からなる相(以下、β相と記載することがある)とを有する。α相は、例えば、α−Zn相である。また、β相は、例えば、α−Zn相と、Zn及びZn以外の金属を含む金属間化合物相とを有する。
第1実施形態に係る亜鉛合金は、Tiを0.0300質量%以上0.1000質量%以下の含有率で含有すると共に、Bを0.0060質量%以上0.0200質量%以下の含有率で含有するため、α相が微細化する。α相が微細化すると応力集中が抑制されるため、第1実施形態に係る亜鉛合金は、硬さに優れる。
第1実施形態に係る亜鉛合金は、例えば鋳造により得られる。第1実施形態に係る亜鉛合金を得るための鋳造法としては、特に限定されず、例えば、金型重力鋳造法、ダイカスト法、及び砂型鋳造法が挙げられる。なお、鋳造により得られた第1実施形態に係る亜鉛合金は、亜鉛合金製部材の構成材料として使用できる他、亜鉛合金製鋳物を製造するための原料として使用することもできる。
以下、第1実施形態に係る亜鉛合金の組成について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る亜鉛合金を、特定亜鉛合金と記載することがある。
[Al(アルミニウム)]
特定亜鉛合金は、Alを3.5質量%以上4.3質量%以下の含有率で含有する。Alの含有率が3.5質量%以上4.3質量%以下であることにより、特定亜鉛合金の融点が低下するため、特定亜鉛合金の鋳造性が向上する。特定亜鉛合金の鋳造性をより向上させるためには、Alの含有率は、3.7質量%以上4.1質量%以下であることが好ましく、3.8質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。
[Mg(マグネシウム)]
特定亜鉛合金は、Mgを0.02質量%以上0.06質量%以下の含有率で含有する。Mgの含有率が0.02質量%以上0.06質量%以下であることにより、特定亜鉛合金の粒間腐食を抑制することができる。特定亜鉛合金の粒間腐食をより抑制するためには、Mgの含有率は、0.03質量%以上0.05質量%以下であることが好ましい。
[Ti(チタン)及びB(ホウ素)]
特定亜鉛合金は、Tiを0.0300質量%以上0.1000質量%以下の含有率で含有すると共に、Bを0.0060質量%以上0.0200質量%以下の含有率で含有する。Tiの含有率が0.0300質量%以上0.1000質量%以下であり、かつBの含有率が0.0060質量%以上0.0200質量%以下であることにより、特定亜鉛合金のα相が微細化する。
α相をより微細化して、硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、Tiの含有率は、0.0350質量%以上0.0900質量%以下であることが好ましく、0.0390質量%以上0.0810質量%以下であることがより好ましい。
α相をより微細化して、硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、Bの含有率は、0.0070質量%以上0.0170質量%以下であることが好ましく、0.0070質量%以上0.0160質量%以下であることがより好ましい。
α相を更に微細化して、硬さに更に優れる特定亜鉛合金を得るためには、TiとBとの合計含有率は、0.0478質量%以上0.0953質量%以下であることが好ましく、0.0479質量%以上0.0952質量%以下であることがより好ましく、0.0480質量%以上0.0951質量%以下であることが更に好ましい。
また、α相を更に微細化して、硬さに更に優れる特定亜鉛合金を得るためには、Bの含有率に対するTiの含有率の比(Tiの含有率/Bの含有率)は、5.00以上5.30以下であることが好ましい。
α相をより一層微細化して、硬さにより一層優れる特定亜鉛合金を得るためには、TiとBとの合計含有率が0.0480質量%以上0.0951質量%以下であり、かつBの含有率に対するTiの含有率の比(Tiの含有率/Bの含有率)が5.00以上5.30以下であることが好ましい。
[Zn(亜鉛)及び不可避不純物]
特定亜鉛合金は、Al、Mg、Ti及びB以外の残部がZn及び不可避不純物である。Znは、特定亜鉛合金中に質量基準で最も多く含まれる成分である。不可避不純物としては、例えば、Cu(銅)、Fe(鉄)、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)及びSn(スズ)が挙げられる。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物の含有量が少ないほど好ましい。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物としてのCuの含有率は、0.25質量%以下であることが好ましい。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物としてのFeの含有率は、0.10質量%以下であることが好ましい。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物としてのPbの含有率は、0.005質量%以下であることが好ましい。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物としてのCdの含有率は、0.004質量%以下であることが好ましい。硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、不可避不純物としてのSnの含有率は、0.003質量%以下であることが好ましい。
また、特定亜鉛合金が、不可避不純物として、Cu、Fe、Pb、Cd及びSn以外の成分(他の不可避不純物)を含む場合、硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、他の不可避不純物の合計含有率は、0.01質量%以下であることが好ましい。
<第2実施形態:亜鉛合金の製造方法>
次に、第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法について説明する。なお、以下において、第1実施形態の説明と重複する内容については、説明を省略する場合がある。
第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法は、溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、注湯された溶湯を冷却する冷却工程とを備える。溶湯は、Al、Mg、Ti及びBを、それぞれ以下に示す含有率で含有し、残部がZn及び不可避不純物である。
溶湯中のAlの含有率は、3.5質量%以上4.3質量%以下である。溶湯中のMgの含有率は、0.02質量%以上0.06質量%以下である。溶湯中のTiの含有率は、0.0300質量%以上0.1000質量%以下である。溶湯中のBの含有率は、0.0060質量%以上0.0200質量%以下である。
溶湯中の各元素の好ましい含有率は、上述した特定亜鉛合金中の各元素の好ましい含有率にそれぞれ等しい。また、溶湯中のTiとBとの好ましい合計含有率、及び溶湯中のTiとBとの好ましい含有率比(Tiの含有率/Bの含有率)についても、上述した特定亜鉛合金中のTiとBとの好ましい合計含有率、及び特定亜鉛合金中のTiとBとの好ましい含有率比(Tiの含有率/Bの含有率)にそれぞれ等しい。
第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法によれば、第1実施形態に係る亜鉛合金(特定亜鉛合金)を容易に製造できる。
また、第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法は、注湯工程及び冷却工程以外に、後述する他の工程を更に備えてもよい。以下、第2実施形態に係る製造方法が備える各工程について説明する。
[注湯工程]
注湯工程では、溶湯を鋳型に注湯する。溶湯は、亜鉛合金の各原料を溶解させることにより得られる。溶湯を得る際は、各原料を、目的の特定亜鉛合金の成分組成となる比率で使用する。原料を均一に溶解させるためには、溶湯を得る際の原料の加熱温度は、500℃以上600℃以下であることが好ましい。また、原料の加熱温度が500℃以上600℃以下である場合、得られる溶湯の温度を、後述する好ましい注湯温度に容易に調整できる。
原料を均一に溶解させるためには、溶湯を得る際の原料の加熱時間は、2時間以上4時間以下であることが好ましい。
α相をより微細化して、硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、注湯工程における注湯温度(注湯時の溶湯の温度)は、490℃以上510℃以下であることが好ましく、493℃以上507℃以下であることがより好ましく、495℃以上505℃以下であることが更に好ましい。注湯温度は、溶湯を得る際の加熱温度、及び加熱された状態の溶湯(例えば、温度が500℃以上600℃以下の溶湯)を鋳型に注湯するまでの時間の少なくとも一方を変更することにより調整できる。
[冷却工程]
冷却工程では、注湯された溶湯を冷却する。溶湯を冷却することにより、溶湯が凝固し、その結果、特定亜鉛合金が得られる。溶湯の冷却方法としては、例えば、鋳型からの放熱を利用して冷却(自然冷却)する方法、空冷(強制空冷)及び水冷が挙げられる。
α相をより微細化して、硬さにより優れる特定亜鉛合金を得るためには、冷却工程において、10℃/秒以上100℃/秒以下の冷却速度(溶湯の温度の降下速度)で溶湯を冷却することが好ましい。
溶湯を自然冷却で冷却する場合、冷却速度は、鋳型の材質を変更することにより調整できる。例えば、鋳型として、熱伝導率が高い金属(より具体的には、銅等)から形成された金型を使用すると、冷却速度が速くなる。
[他の工程]
第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法は、上述した注湯工程及び冷却工程以外に、他の工程を更に備えてもよい。他の工程としては、例えば、冷却工程で得られた凝固物を熱処理する工程(熱処理工程)が挙げられる。第2実施形態に係る亜鉛合金の製造方法が熱処理工程を更に備えると、寸法安定性に優れる特定亜鉛合金が得られる。寸法安定性により優れる特定亜鉛合金を得るためには、熱処理温度としては、95℃以上105℃以下が好ましい。寸法安定性により優れる特定亜鉛合金を得るためには、熱処理時間としては、15時間以上20時間以下が好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。なお、亜鉛合金を構成する各元素の含有率は、含有率0.1質量%以上の元素については蛍光X線分析装置(日本電子株式会社製「JSX−3202EV」)を用いて測定し、含有率0.1質量%未満の元素については誘導結合プラズマ質量分析装置(アジレント・テクノロジー株式会社製「7500ce」)を用いて測定した。また、溶湯の温度は、K熱電対を用いて測定した。
<亜鉛合金の作製>
以下、亜鉛合金A1〜A3及びB1〜B16の作製方法について説明する。
[亜鉛合金A1の作製]
原料として、塊状亜鉛、塊状アルミニウム、塊状マグネシウム、塊状チタン及び塊状ホウ素を用い、金型重力鋳造法により亜鉛合金A1を作製した。詳しくは、まず、後述する表1に示す亜鉛合金A1の成分組成となる比率で合計質量が3kgになるように各原料を秤量した。次いで、黒鉛製の坩堝に秤量した各原料を入れた後、565℃±5℃の雰囲気温度の恒温槽中で原料を3時間加熱することにより、原料を溶解させて溶湯を得た。
次いで、あらかじめ100℃に余熱した銅製の鋳型(内容積:50mL)に、得られた溶湯を注湯した(注湯工程)。注湯工程における注湯温度は、495℃以上505℃以下の範囲内であった。
次いで、鋳型の放熱を利用して、鋳型に注湯された溶湯を自然冷却し、溶湯を凝固させることにより亜鉛合金A1を得た(冷却工程)。冷却工程における冷却速度は、10℃/秒以上100℃/秒以下の範囲内であった。
次いで、得られた亜鉛合金A1を、その温度が25℃になるまで水冷した後、水冷された亜鉛合金A1から、切断機で10mm×12mm×45mmのサイズの直方体状合金片を切り出した。次いで、切り出された直方体状合金片を、100℃の温度に設定したオイルバス中に入れて、15時間熱処理した(熱処理工程)。次いで、熱処理された直方体状合金片を、その温度が25℃になるまで空冷した後、直方体状合金片の表面に付着したオイルを拭き取って、試験用の合金片(試験片)を得た。
[亜鉛合金A2、A3及びB1〜B16の作製]
後述する表1に示す各亜鉛合金の成分組成となる比率で合計質量が3kgになるように各原料を秤量したこと以外は、亜鉛合金A1の作製方法と同じ方法で、亜鉛合金A2、A3及びB1〜B16をそれぞれ得た。得られた亜鉛合金A2、A3及びB1〜B16を用いて、亜鉛合金A1の試験片を得る方法と同じ方法で、亜鉛合金A2、A3及びB1〜B16の試験片をそれぞれ得た。
<硬さの評価>
[評価方法]
ビッカース硬さ試験機(株式会社ミツトヨ製「MVK−200」)を用いて、試験片(亜鉛合金A1〜A3及びB1〜B16の試験片のいずれか)のビッカース硬さを測定した。測定条件は、以下のとおりであった。
(ビッカース硬さの測定条件)
雰囲気温度:25℃
ダイヤモンド圧子の荷重:500gf
圧下時間(500gfの荷重を加えた時間):10秒
測定箇所数:7箇所
(評価基準)
得られた7箇所のビッカース硬さの測定値のうち、最大値及び最小値を除いた5箇所のビッカース硬さの測定値の算術平均値を算出し、得られた算術平均値を評価値(後述する表1に示すビッカース硬さ)とした。評価値が78.3HV以上(亜鉛合金B1の評価値の1.05倍以上)である場合、「硬さに優れている」と評価した。一方、評価値が78.3HV未満である場合、「硬さに優れていない」と評価した。
[評価結果]
亜鉛合金A1〜A3(実施例1〜3)、及び亜鉛合金B1〜B16(比較例1〜16)のそれぞれについて、成分組成(各元素の含有率)及びビッカース硬さ(評価値)を、表1に示す。
Figure 2021042419
表1に示すように、亜鉛合金A1〜A3は、Alの含有率が3.5質量%以上4.3質量%以下であり、Mgの含有率が0.02質量%以上0.06質量%以下であり、Tiの含有率が0.0300質量%以上0.1000質量%以下であり、Bの含有率が0.0060質量%以上0.0200質量%以下であり、残部がZn及び不可避不純物であった。
表1に示すように、亜鉛合金A1〜A3では、ビッカース硬さ(評価値)が78.3HV以上であった。よって、亜鉛合金A1〜A3は、硬さに優れていた。
表1に示すように、亜鉛合金B1〜B3では、Tiの含有率が0.0300質量%未満であり、かつBの含有率が0.0060質量%未満であった。亜鉛合金B4〜B6では、Tiの含有率が0.0300質量%未満であった。亜鉛合金B7では、Tiの含有率が0.0300質量%未満であり、かつBの含有率が0.0200質量%を超えていた。亜鉛合金B8及びB9では、Tiの含有率が0.0300質量%未満であり、かつBの含有率が0.0060質量%未満であった。亜鉛合金B10〜B12では、Bの含有率が0.0060質量%未満であった。亜鉛合金B13では、Tiの含有率が0.1000質量%を超えており、かつBの含有率が0.0060質量%未満であった。亜鉛合金B14及びB15では、Tiの含有率が0.0300質量%未満であり、かつBの含有率が0.0060質量%未満であった。亜鉛合金B16では、Tiの含有率が0.1000質量%を超えており、かつBの含有率が0.0200質量%を超えていた。
表1に示すように、亜鉛合金B1〜B16では、ビッカース硬さ(評価値)が78.3HV未満であった。よって、亜鉛合金B1〜B16は、硬さに優れていなかった。
<顕微鏡による観察>
亜鉛合金A1及びB1の上記ビッカース硬さの評価に用いた試験片を、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製「BX51M」)により観察した。詳しくは、試験片(亜鉛合金A1及びB1の試験片のいずれか)の表面のうち、ビッカース硬さの測定に使用しなかった面を、サンドペーパー(♯80、♯500及び♯1200)で研磨した後、ダイヤモンドスラリー(粒径:0.1μm)で研磨した。次いで、試験片の研磨した面を、硝酸のエタノール溶液(硝酸の濃度:1容量%)でエッチングした。次いで、試験片のエッチングした面を、上記光学顕微鏡により観察し、撮像した。
図1に、亜鉛合金A1の光学顕微鏡写真を示す。また、図2に、亜鉛合金B1の光学顕微鏡写真を示す。図1及び図2に示すように、亜鉛合金A1及びB1は、いずれもα相10とβ相11とを有していた。また、図1と図2との比較から、亜鉛合金A1のα相10が亜鉛合金B1のα相10よりも微細化していたことが確認された。
本発明に係る亜鉛合金は、精密機器の部品、携帯電子機器の部品、玩具、自動車部品、建築金物、事務器具又はアクセサリーの構成材料として有用である。また、本発明に係る亜鉛合金の製造方法は、精密機器の部品、携帯電子機器の部品、玩具、自動車部品、建築金物、事務器具又はアクセサリーの構成材料の製造方法として有用である。
10 α相
11 β相

Claims (5)

  1. Al、Mg、Ti及びBを含有し、
    前記Alの含有率が3.5質量%以上4.3質量%以下であり、
    前記Mgの含有率が0.02質量%以上0.06質量%以下であり、
    前記Tiの含有率が0.0300質量%以上0.1000質量%以下であり、
    前記Bの含有率が0.0060質量%以上0.0200質量%以下であり、
    残部がZn及び不可避不純物である、亜鉛合金。
  2. 前記Tiと前記Bとの合計含有率は、0.0478質量%以上0.0953質量%以下である、請求項1に記載の亜鉛合金。
  3. 溶湯を鋳型に注湯する注湯工程と、
    注湯された前記溶湯を冷却する冷却工程と
    を備え、
    前記溶湯は、
    Al、Mg、Ti及びBを含有し、
    前記Alの含有率が3.5質量%以上4.3質量%以下であり、
    前記Mgの含有率が0.02質量%以上0.06質量%以下であり、
    前記Tiの含有率が0.0300質量%以上0.1000質量%以下であり、
    前記Bの含有率が0.0060質量%以上0.0200質量%以下であり、
    残部がZn及び不可避不純物である、亜鉛合金の製造方法。
  4. 前記冷却工程において、10℃/秒以上100℃/秒以下の冷却速度で前記溶湯を冷却する、請求項3に記載の亜鉛合金の製造方法。
  5. 前記注湯工程における注湯温度は、490℃以上510℃以下である、請求項3又は4に記載の亜鉛合金の製造方法。
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