JP6179325B2 - 連続鋳造用モールド材 - Google Patents

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Description

本発明は、金属の連続鋳造用のモールドに用いられる連続鋳造用モールド材に関するものである。
従来、鉄鋼などの金属の連続鋳造用モールド材には、大きな熱応力に耐える高温強度、過酷な熱疲労環境に耐える高温伸び、高温での耐摩耗性などの特性に優れることが求められている。そのため、これらの特性が良好なCu−Cr−Zr系合金が、連続鋳造用モールド材として使用されている。
Cu−Cr−Zr系合金は、Cr及びZrの他に、さらに添加元素を含有させることによって、前述した特性をより向上させることが可能である。
例えば、特許文献1には、Cr、Zr、Ti、Siを含有し、さらにFe、Ni、Coのうち一種又は二種以上を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる連続鋳造用モールド材が開示されている。この連続鋳造用モールド材では、Tiの含有量が0.005%以上0.7%以下とされている。この特許文献1に記載された連続鋳造用モールド材は、425〜475℃の温度範囲で微細に析出するCr系の析出物やZr系の析出物と、525〜575℃の温度範囲で微細に析出するTi系の析出物とを有しているため、この連続鋳造用モールド材の製造時において、いわゆる2段時効処理が行われている。
また、近年、銅の連続鋳造では、電磁攪拌法が広く採用されている。この電磁攪拌法を用いて連続鋳造を行う場合、連続鋳造用モールド材の導電率が高すぎると、渦電流損が生じ、モールド内の金属を撹拌する効果が低減してしまう。そこで、例えば特許文献2には、Cr、Zrを含有し、さらにSi、Ni、Sn、Zn、Mnのうち一種又は二種以上を含有し、残部がCuからなり、導電率が15〜70%IACSとされた連続鋳造用モールド材が開示されている。
特開平4−28837号公報 特公昭62−41302号公報
ところで、特許文献1に開示された連続鋳造用モールド材は、製造時において2段時効処理を必要とするため、製造コストが増加する問題があった。さらに、特許文献1に開示された連続鋳造用モールド材では、Ti系化合物が粗大に形成されることがあり、この粗大なTi系化合物が、疲労時のクラックの原因となるおそれがあった。
また、近年、生産性を高めるために、連続鋳造の鋳造速度を速くする傾向にあり、連続鋳造用モールド材には、十分な冷却効果を得るために、より高い熱伝導率が求められている。ここで、Cu−Cr−Zr系合金において、熱伝導率と導電率の間には相関があり、熱伝導率が高ければ、導電率も高くなる傾向にある。よって、連続鋳造用モールド材には、高い導電率が要求される。
しかしながら、鋳造速度を速くした場合に、特許文献2に開示された連続鋳造用モールド材をモールドに用いると、熱伝導率(導電率)が低いため冷却効果が不足する問題があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、強度及び導電率が高く、かつ製造コストが低い連続鋳造用モールド材を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の連続鋳造用モールド材は、Crを0.6mass%以上1.2mass%以下、Zrを0.05mass%以上0.16mass%以下、Feを0.05mass%以上0.08mass%以下含有し、残部がCu及び不純物からなり、前記不純物として、Ti含有量が0.005mass%未満である組成を有し、導電率が78%IACS以上であることを特徴としている。
本発明の連続鋳造用モールド材によれば、Feの含有量が0.05mass%以上0.08mass%以下の範囲内とされているので、導電率が78%IACS以上となり、導電率が十分に高いため熱伝導性に優れ、熱を良好に放散することができる。したがって、この連続鋳造用モールド材をモールドとして使用した場合には、高い冷却効果を得ることができる。また、Feの含有量が上述の範囲内とされているため、Feを母相に固溶させ、強度を高めることができる。
また、本発明の連続鋳造用モールド材は、Crを0.6mass%以上1.2mass%以下含有する構成とされているので、時効処理によって母相の結晶粒内に微細なCr系の析出物が形成され、強度を高くすることができる。さらに、Zrを0.05mass%以上0.16mass%以下含有する構成とされているので、時効処理によって母相の結晶粒界に微細なZr系の析出物が形成され、強度をさらに高くすることができる。
また、Cr系の析出物とZr系の析出物とが微細析出する温度範囲は、同一の温度範囲であり、一度の時効処理によってCr系析出物と、Zr系析出物とを同時に析出させることができ、2段時効処理などの特殊な熱処理を行わなくても、上述の範囲に成分組成を調製することにより、強度の高い連続鋳造用モールド材を低い製造コストで得ることができる。
さらに、本発明の連続鋳造用モールド材は、Tiの含有量が0.005mass%未満とされているので、Tiを含有する粗大な化合物が生成されない。よって、疲労でのクラックの発生を抑制することができる。
また、上述の連続鋳造用モールド材においては、さらに、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下含有し、FeとSiの合計の含有量が0.08mass%以下であることが好ましい。
この場合、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下含有しているので、強度を高めることができる。さらに、FeとSiの合計の含有量が0.08mass%以下とされているので、導電率の低下を抑え、導電率を78%IACS以上とすることができる。
また、上述の連続鋳造用モールド材においては、さらに、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有し、FeとNiの合計の含有量が0.08mass%以下であることが好ましい。
この場合、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有しているので、強度を高めることができる。さらに、FeとNiの合計の含有量が0.08mass%以下とされているので、導電率の低下を抑え、導電率を78%IACS以上とすることができる。
また、上述の連続鋳造用モールド材においては、さらに、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有し、FeとSiとNiの合計の含有量が0.08mass%以下であることが好ましい。
この場合、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有しているので、強度を高めることができる。さらに、FeとSiとNiの合計の含有量が0.08mass%以下とされているので、導電率の低下を抑え、導電率を78%IACS以上とすることができる。
本発明によれば、強度及び導電率が高く、かつ製造コストが低い連続鋳造用モールド材を提供することができる。
本発明の一実施形態である連続鋳造用モールド材の製造方法のフロー図である。
以下に、本発明の一実施形態である連続鋳造用モールド材について説明する。
本実施形態である連続鋳造用モールド材は、Crを0.6mass%以上1.2mass%以下、Zrを0.05mass%以上0.16mass%以下、Feを0.05mass%以上0.08mass%以下含有し、さらに、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有し、FeとSiとNiの合計の含有量は、0.08mass%以下であり、残部がCu及び不純物からなり、Ti含有量が0.005mass%未満である組成を有している。
そして、この連続鋳造用モールド材は、導電率が78%IACS以上とされている。
ここで、上述のように、成分組成及び導電率を規定した理由について、以下に説明する。
(Cr:0.6mass%以上1.2mass%以下)
Crは、時効処理によって母相の結晶粒内にCr系の析出物を微細に析出させることにより、強度を高める作用効果を有する元素である。
Crの含有量が0.6mass%未満の場合、時効処理において析出量が不十分となり、強度の上昇の効果を十分に得られない。また、Crの含有量が1.2mass%超では、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまう。さらに、Crの含有量が0.6mass%から1.2mass%の範囲までは強度の上昇の効果が得られるが、Crの含有量を1.2mass%超にしても、1.2mass%の場合以上の強度上昇の効果が得られない。また、Crの含有量が1.2mass%超では、高価なCrの含有量が多くなるため、製造コストが増加してしまう問題も生じる。
このような理由により、Crの含有量は、0.6mass%以上1.2mass%以下の範囲内に設定されている。ここで、Crの好ましい含有量は、0.6mass%以上0.9mass%以下の範囲内である。
(Zr:0.05mass%以上0.16mass%以下)
Zrは、時効処理によって母相の結晶粒界にZr系の析出物を微細に析出することにより、強度を高める作用効果を有する元素である。
Zrの含有量が0.05mass%未満の場合、時効処理において析出量が不十分となり、強度の上昇の効果を十分に得られない。また、Zrの含有量が0.16mass%超では、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまう。さらに、Zrの含有量が0.05mass%から0.16mass%の範囲までは強度の上昇の効果が得られるが、Zrの含有量を0.16mass%超にしても、0.16mass%の場合以上の強度上昇の効果が得られない。
このような理由により、Zrの含有量は、0.05mass%以上0.16mass%以下の範囲内に設定されている。ここで、Zrの好ましい含有量は、0.06mass%以上0.13mass%以下の範囲内である。
Fe:0.05mass%以上0.08mass%以下)
Feは、母相に固溶することにより、強度を高める作用効果を有する元素である。
Feの含有量が0.05mass%未満では、強度を高める効果が得られなくなる。また、Feの含有量が0.08mass%超では、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまう。
このような理由により、Feの含有量は、0.05mass%以上0.08mass%以下の範囲内に設定されている
(Ti:0.005mass%未満)
Tiは、時効処理においてTi系の析出物を形成し、強度を上昇させるが、Ti系析出物が制御できないと強度のバラツキが生じるおそれがある。Ti系析出物を制御するためには、Cr系の析出物及びZr系の析出物と、Ti系の析出物との析出の温度域が異なるため、2段時効が必要となり、製造コストが増加してしまう。そのため、本実施形態では、Tiの含有量を0.005mass%未満に設定した。また、Tiの含有量が、0.005masss%以上の場合、粗大なTi系化合物が形成され、疲労でクラックが発生し易くなるおそれがある。また、Tiが0.005mass%以上の場合、導電率が低下してしまうおそれもある。
このような理由により、Tiの含有量は、0.005mass%未満に設定されている。なお、Tiは、原料などからの混入がないことが望ましいが、その含有量が0.005mass%未満であれば、リサイクル材などを利用してTiを添加することも許容される。
(Si:0.005mass%以上0.02mass%以下)
Siは、連続鋳造用モールド材の強度を高める作用効果を有する元素である。
Siの含有量が、0.005mass%未満では、強度を高める効果が得られなくなる。また、Siの含有量が0.02mass%超では、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまう。
このような理由により、Siの含有量は、0.005mass%以上0.02mass%以下の範囲内に設定されている。ここで、Siの好ましい含有量は、0.01mass%以上0.02mass%以下の範囲内である。
(Ni:0.005mass%以上0.06mass%以下)
Niは、連続鋳造用モールド材の強度を上昇させる作用効果を有する元素である。
Niの含有量が、0.005mass%未満では、強度の上昇の効果が得られなくなる。また、Niの含有量が0.06mass%超では、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまう。
このような理由により、Niの含有量は、0.005mass%以上0.06mass%以下の範囲内に設定されている。ここで、Niの好ましい含有量は、0.01mass%以上0.02mass%以下の範囲内である。
(FeとSiとNiの合計の含有量:0.08mass%以下)
FeとSiとNiの合計の含有量が0.08mass%超の場合、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまうため、FeとSiとNiの合計の含有量は、0.08mass%以下の範囲内とされている。
本実施形態に係る連続鋳造用モールド材は、上述した添加元素の他に、不可避的不純物として、例えば、O、H、Mn、P、S、Zn、Snなどを含有している。
(導電率:78%IACS以上)
導電率は熱伝導率と相関があり、導電率が高ければ熱伝導率も高くなる傾向にある。導電率が78%IACS未満の場合、熱伝導率が低くなり、モールド材に使用した場合にモールドの冷却効果を十分に得られなくなるおそれがある。
したがって、モールドの冷却効果を十分に得るために、連続鋳造用モールド材の導電率は、78%IACS以上に設定されている。ここで、導電率の好ましい範囲は、80%IACS以上である。また、導電率の上限は特にないが、90%IACS以下であることが好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係る連続鋳造用モールド材の製造方法を図1のフロー図を参照して説明する。
(溶解・鋳造工程S01)
まず、銅の純度が99.99mass%以上の無酸素銅からなる銅原料を、高純度アルミナ坩堝に装入し、Arガス雰囲気下で高周波溶解し、銅溶湯を得る。次いで、得られた溶湯に、所定の濃度となるように前述の添加元素を添加して、成分調製を行い、銅合金溶湯を得る。そして、成分調製された銅合金溶湯を鋳鉄製の鋳型に注湯して鋳塊を得る。
(均質化処理工程S02)
次に、得られた鋳塊の均質化のために熱処理を行う。
具体的には、鋳塊を大気雰囲気にて、950℃以上1050℃以下、1時間以上の条件で均質化処理を行う。
(熱間加工工程S03)
次いで、900℃以上1000℃以下の温度範囲で、加工率50%以上95%以下の熱間圧延を行い、圧延材を得る。なお、熱間加工の方法は、熱間鍛造であっても良い。
この熱間加工後、水冷によって冷却する。
(溶体化処理工程S04)
次いで、熱間加工工程S03で得られた圧延材を、920℃以上1050℃以下、0.5時間以上5時間以下の条件で熱処理を施し、溶体化処理を行う。溶体化処理は、例えば大気又は不活性ガス雰囲気で行い、熱処理後の冷却は、水冷又はガスによって冷却すれば良い。
なお、この溶体化処理工程S04において、金属組織が再結晶組織であることを、金属組織を観察することにより確認しても良い。
(時効処理工程S05)
次に、溶体化処理工程S04の後に、時効処理を実施し、Cr系析出物及びZr系析出物などの析出物を微細に析出させる。
ここで、時効処理は、例えば400℃以上530℃以下、0.5時間以上5時間以下の条件で行う。
なお、時効処理の熱処理方法は、特に限定しないが、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、熱処理後の冷却方法は、特に限定しないが、水冷で行うことが好ましい。
以上のようにして、本実施形態に係る連続鋳造用モールド材が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態に係る連続鋳造用モールド材によれば、Feの含有量が0.05mass%以上0.08mass%以下の範囲内とされているので、導電率が78%IACS以上となり、導電率が十分に高いため、熱伝導性に優れる。したがって、モールドに使用された際に、熱を良好に放散することができ、モールドの冷却効果を高めることができる。また、Feの含有量が上述の範囲内とされているので、Feを母相に固溶させ、強度を高めることができる。
また、本実施形態に係る連続鋳造用モールド材は、Crを0.6mass%以上1.2mass%以下含有する構成とされているので、時効処理によって母相の結晶粒内に微細なCr系の析出物が形成され、強度を高くすることができる。さらに、Zrを0.05mass%以上0.16mass%以下含有する構成とされているので、時効処理によって母相の結晶粒界に微細なZr系の析出物が形成され、強度をさらに高くすることができる。
また、Cr系の析出物とZr系の析出物とが微細析出する温度範囲は、同一の温度範囲であり、一度の時効処理によってCr系析出物と、Zr系析出物とを同時に析出させることができ、2段時効処理などの特殊な熱処理を行わなくても、上述の範囲に成分組成を調製することにより、強度の高い連続鋳造用モールド材を低い製造コストで得ることができる。
さらに、本実施形態に係る連続鋳造用モールド材は、Tiの含有量が0.005mass%未満とされているので、Tiを含有する粗大な化合物が生成されないので、疲労でクラックが発生することを抑制できる。
また、本実施形態に係る連続鋳造用モールド材は、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下含有する構成とされているので、強度をさらに高くすることができる。
さらに、本実施形態に係る連続鋳造用モールド材は、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有する構成とされているので、強度をより高くすることができる。
また、FeとSiとNiの合計の含有量が0.08mass%以下とされているので、導電率の低下を抑制し、導電率を確実に78%IACS以上にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、溶体化工程の後に時効処理工程を行う場合について説明したが、溶体化工程の後に、例えば圧延率20%以下の冷間圧延を行い、その後時効処理工程を行う構成とされても良い。
また、上記実施の形態では、連続鋳造用モールド材を製造する際に、熱間加工工程を行う場合について説明したが、冷間加工工程を行う構成とされても良い。
なお、上記実施の形態では、連続鋳造用モールド材が、添加元素としてSiとNiを含有する場合について説明したが、添加元素としてSiとNiを含有していなくても良い。
また、連続鋳造用モールド材が、添加元素としてSiとNiのうちいずれか一方を含有する構成とされても良い。
例えば、添加元素として、Siを含有し、Niを含有しない場合、Siの含有量は、0.005mass%以上0.02mass%以下とし、FeとSiの合計の含有量を0.08mass%以下の範囲に設定すれば良い。ここで、FeとSiの合計の含有量が、0.08mass%を超える場合、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまうため、FeとSiの合計の含有量は0.08mass%以下とする。
また、添加元素として、Niを含有し、Siを含有しない場合、Niの含有量は、0.005mass%以上0.06mass%以下とし、FeとNiの合計の含有量を0.08mass%以下の範囲に設定すれば良い。ここで、FeとNiの合計の含有量が、0.08mass%を超える場合、導電率が低下し、熱伝導率が低下してしまうため、FeとNiの合計の含有量は0.08mass%以下とする。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
純度99.99mass%以上の無酸素銅からなる銅原料を準備し、これを高純度アルミナ坩堝に装入し、Arガス雰囲気下で高周波溶解し、銅溶湯を得た。得られた銅溶湯内に、各種添加元素を添加して所望の成分組成に調製し、5分間保持した後、銅合金溶湯を鋳鉄製の鋳型に注湯して鋳塊を得た。鋳塊の大きさは、厚さ約50mm、幅約80mm、長さ約100mmとした。
なお、添加元素であるCrの原料は純度99.99mass%以上、Zrの原料は純度99.95mass%以上のものを使用した。また、鋳塊の成分は、ICP発光分光分析法により分析を行った。この分析結果を表1に示す。なお、Si及びNiについては、検出限界以下であるときには、「−」で表記した。
次に、均質化処理として、大気雰囲気において、975℃で4時間の条件で均質化処理を行った。そして、均質化処理後、水冷した。
次いで、均質化された鋳塊の表面の酸化膜を面削により除去し、その後、加工率90%の冷間圧延を行い、圧延材を得た。
次に、得られた圧延材に対して、975℃、1時間の熱処理を施し、溶体化を行った。溶体化の熱処理の冷却は、水冷により行った。なお、ここで、溶体化後の金属組織が再結晶組織であることを組織観察により確認した。
次いで、溶体化後に、465℃、3時間の条件で時効処理を行った。この時効処理は、塩浴中で行った。また時効処理の冷却は、水冷により行った。
以上のようにして、本発明例1〜14、比較例1〜3の連続鋳造用モールド材を製造した。
得られた連続鋳造用モールド材に対して、硬さ試験、及び導電率測定を行った。また、母相中に含まれるTi系化合物の有無についても評価した。各測定方法、及び評価方法を以下に説明する。
(硬さ試験)
JIS Z 2244に規定されている微小硬さ試験方法に準拠し、ビッカース硬さを測定した。
(導電率測定)
JIS H 0505に規定されている4端子法によって、電気抵抗を求め、導電率を算出した。
(Ti系化合物の有無)
走査型電子顕微鏡に付属されたエネルギー分散型X線分析装置(EDS)によってTiの元素マッピングを取得し、Ti系化合物の有無について確認した。
以上の評価の結果を表1に示す。
Figure 0006179325
表1に示されるように、本発明例1〜14は、硬さ及び導電率が高く、良好な連続鋳造用モールド材であることが確認された。また、本発明例1〜14においては、Ti系化合物の存在は確認されなかった。
一方、比較例1は、Feの含有量が本発明の範囲よりも少ないため、本発明例と比較して硬さが低下した。
また、比較例2は、Feの含有量が本発明の範囲よりも多いため、本発明例と比較して導電率が低下した。
また、比較例3は、Tiの含有量が本発明の範囲よりも多いため、導電率が低下するとともに、Ti系化合物の存在が確認された。

Claims (4)

  1. Crを0.6mass%以上1.2mass%以下、Zrを0.05mass%以上0.16mass%以下、Feを0.05mass%以上0.08mass%以下含有し、残部がCu及び不純物からなり、前記不純物として、Ti含有量が0.005mass%未満である組成を有し、
    導電率が78%IACS以上であることを特徴とする連続鋳造用モールド材。
  2. さらに、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下含有し、FeとSiの合計の含有量が0.08mass%以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールド材。
  3. さらに、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有し、FeとNiの合計の含有量が0.08mass%以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールド材。
  4. さらに、Siを0.005mass%以上0.02mass%以下、Niを0.005mass%以上0.06mass%以下含有し、FeとSiとNiの合計の含有量が0.08mass%以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールド材。
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