JP2697242B2 - 冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 - Google Patents
冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた冷却能を有し、かつ強度および
耐熱疲労性も具備したCu合金製連続鋳造鋳型材およびそ
の製造に関するものである。
耐熱疲労性も具備したCu合金製連続鋳造鋳型材およびそ
の製造に関するものである。
同一出願人は、先に特願昭61−271103号(特開昭63−
125632号)として、 Cr:0.1〜2.5%、Zr:0.01〜0.5%、 Ti:0.01〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.1〜1.
2%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%、以下%は重量%を示す)を有する連続鋳造鋳型
用Cu合金を出願した。
125632号)として、 Cr:0.1〜2.5%、Zr:0.01〜0.5%、 Ti:0.01〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.1〜1.
2%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%、以下%は重量%を示す)を有する連続鋳造鋳型
用Cu合金を出願した。
一方、近年、鉄鋼の連続鋳造技術における生産性の向
上はめざましく、1〜2m/minの鋳造速度であったもの
が、3〜4m/minへと大幅に速くなっており、これに伴な
い溶湯と接触する鋳型内面の表面温度も上昇し、鋳造条
件によっては500℃以上に達する場合がある。
上はめざましく、1〜2m/minの鋳造速度であったもの
が、3〜4m/minへと大幅に速くなっており、これに伴な
い溶湯と接触する鋳型内面の表面温度も上昇し、鋳造条
件によっては500℃以上に達する場合がある。
しかし、上記の従来Cu合金で構成された連続鋳造鋳型
材はじめ、その他多くのCu合金製連続鋳造鋳型材は、大
きい熱応力に耐えるための高い高温強度および苛酷な熱
疲労環境に耐えるための高い高温伸びを有するが、熱伝
導性が十分でなく、電気伝導度で40〜65%(IACS%)程
度を示すにすぎず、このため上記のような苛酷な条件下
での鋳造では、鋳型に変形や割れが生じ易く、比較的短
時間で使用寿命に至るのが現状である。
材はじめ、その他多くのCu合金製連続鋳造鋳型材は、大
きい熱応力に耐えるための高い高温強度および苛酷な熱
疲労環境に耐えるための高い高温伸びを有するが、熱伝
導性が十分でなく、電気伝導度で40〜65%(IACS%)程
度を示すにすぎず、このため上記のような苛酷な条件下
での鋳造では、鋳型に変形や割れが生じ易く、比較的短
時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、連続
鋳造鋳型に要求される高い高温強度および高温伸びを具
備した状態で、電気伝導度の高い、すなわち熱伝導性が
良く、冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材を開発すべ
く研究を行なった結果、連続鋳造鋳型材を、 Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCo(鉄族金属)のうちの1種または2種
以上:0.005〜0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成し、これに溶体化処理後、 425〜475℃の範囲内の所定温度での第1時効処理と、
525〜575℃の範囲内の所定温度での第2時効処理を施す
と、上記の第1時効処理では、素地中に固溶したほとん
どのCrおよびZrが主としてCrおよびCu3Zrの形で素地中
に微細に析出し、また上記の第2時効処理では、同じく
主としてTiおよび鉄族金属が(Fe,Ni,Co)xTiyの形で素
地中に微細に析出するので、合金成分の固溶含有量が著
しく低減した素地中に前記の微細な析出物が均一に、か
つ多量に分散した組織が形成されるようになり、この結
果のCu合金製連続鋳造鋳型材は、前記素地によって電気
伝導度で70%(IACS%)以上の高熱伝導性が確保され、
前記の微細な析出物が均一に、かつ多量に分散した組織
によって高い高温強度と高温伸びが確保され、実用に際
してすぐれた性能を長期に亘って発揮するという研究結
果を得たのである。
鋳造鋳型に要求される高い高温強度および高温伸びを具
備した状態で、電気伝導度の高い、すなわち熱伝導性が
良く、冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材を開発すべ
く研究を行なった結果、連続鋳造鋳型材を、 Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCo(鉄族金属)のうちの1種または2種
以上:0.005〜0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成し、これに溶体化処理後、 425〜475℃の範囲内の所定温度での第1時効処理と、
525〜575℃の範囲内の所定温度での第2時効処理を施す
と、上記の第1時効処理では、素地中に固溶したほとん
どのCrおよびZrが主としてCrおよびCu3Zrの形で素地中
に微細に析出し、また上記の第2時効処理では、同じく
主としてTiおよび鉄族金属が(Fe,Ni,Co)xTiyの形で素
地中に微細に析出するので、合金成分の固溶含有量が著
しく低減した素地中に前記の微細な析出物が均一に、か
つ多量に分散した組織が形成されるようになり、この結
果のCu合金製連続鋳造鋳型材は、前記素地によって電気
伝導度で70%(IACS%)以上の高熱伝導性が確保され、
前記の微細な析出物が均一に、かつ多量に分散した組織
によって高い高温強度と高温伸びが確保され、実用に際
してすぐれた性能を長期に亘って発揮するという研究結
果を得たのである。
この発明は、上記研究結果にもとづいてなされたもの
であって、 (a) Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜
0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金素材に、溶体化処理後、 425〜475℃の範囲内の所定温度での第1時効処理と、
525〜575℃の範囲内の所定温度での第2時効処理を施し
て十分な析出を行ない、素地中に固溶する合金成分の含
有量を低減せしめて熱伝導性の向上をはかることからな
る冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
であって、 (a) Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜
0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金素材に、溶体化処理後、 425〜475℃の範囲内の所定温度での第1時効処理と、
525〜575℃の範囲内の所定温度での第2時効処理を施し
て十分な析出を行ない、素地中に固溶する合金成分の含
有量を低減せしめて熱伝導性の向上をはかることからな
る冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
(b) 並びに、上記方法で製造された、 Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜
0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成され、かつ70%(IACS%)以上の電気伝
導度を有する、冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材。
0.1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成され、かつ70%(IACS%)以上の電気伝
導度を有する、冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材。
に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の連続鋳造鋳型材において、Cu合金
の成分組成、並びに電気伝導度および時効処理温度を上
記の通りに限定した理由を説明する。
の成分組成、並びに電気伝導度および時効処理温度を上
記の通りに限定した理由を説明する。
A.成分組成 (a) Cr 溶体化処理で素地中に固溶したCrは、そのほとんどが
第1時効処理で素地の結晶粒内に活発に、かつ微細に析
出した結晶粒内強度を高め、この結果として常温および
高温強度が向上するようになるが、その含有量が0.1%
未満では所望の高強度を確保することができず、一方そ
の含有量が1%を越えると、2回の時効処理によっても
素地中に固溶するCrの相対割合が高くなり、これが電気
伝導度の向上を抑制して、70%(IACS%)以上の電気伝
導度を確保するのが困難になることから、その含有量を
0.1〜1%と定めた。
第1時効処理で素地の結晶粒内に活発に、かつ微細に析
出した結晶粒内強度を高め、この結果として常温および
高温強度が向上するようになるが、その含有量が0.1%
未満では所望の高強度を確保することができず、一方そ
の含有量が1%を越えると、2回の時効処理によっても
素地中に固溶するCrの相対割合が高くなり、これが電気
伝導度の向上を抑制して、70%(IACS%)以上の電気伝
導度を確保するのが困難になることから、その含有量を
0.1〜1%と定めた。
(b) Zr 同じく溶体化処理で素地中に固溶したZrは、そのほと
んどが第1時効処理で素地の結晶粒界にCu3Zrの金属間
化合物の形で、微細に析出し、これによって高温におけ
る粒界のすべりが抑制されるようになることから、粒界
強度が向上し、この結果高温における粒界破断による脆
化(延性低下)が阻止され、耐熱疲労性が向上するよう
になるが、その含有量が0.01%未満では前記の作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が0.15%を越える
と、Crと同様に素地中に固溶する割合が多くなって所望
の高い電気伝導度を確保するのが困難になることから、
その含有量を0.01〜0.15%と定めた。
んどが第1時効処理で素地の結晶粒界にCu3Zrの金属間
化合物の形で、微細に析出し、これによって高温におけ
る粒界のすべりが抑制されるようになることから、粒界
強度が向上し、この結果高温における粒界破断による脆
化(延性低下)が阻止され、耐熱疲労性が向上するよう
になるが、その含有量が0.01%未満では前記の作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が0.15%を越える
と、Crと同様に素地中に固溶する割合が多くなって所望
の高い電気伝導度を確保するのが困難になることから、
その含有量を0.01〜0.15%と定めた。
(c) Tiおよび鉄族金属 同様に、これらの成分も溶体化処理で素地に固溶し、
第1時効処理ではほとんど析出せず、第2時効処理で
(Fe,Ni,Co)xTiy、主として(Fe,Ni,Co)2Tiの金属間
化合物の形で素地の結晶粒内に微細に、かつ活発に析出
し、上記の微細なCr析出物と合まって常温および高温強
度を著しく向上させるほか、結晶粒界に析出した上記Cu
3Zrとの共存において高温強度と高温伸びを向上させる
が、その含有量が、Tiおよび鉄族金属とも0.005%未満
では前記の作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が、Tiにあっては0.1%を越え、また鉄族金属で
は0.1%以上になると、CrおよびZr成分の場合と同様に
素地中に固溶する割合が増加するようになって70%(IA
CS%)以上の電気伝導度を確保するのは困難になること
から、その含有量を、それぞれTi:0.005〜0.1%、鉄族
金属:0.005〜0.1%未満と定めた。
第1時効処理ではほとんど析出せず、第2時効処理で
(Fe,Ni,Co)xTiy、主として(Fe,Ni,Co)2Tiの金属間
化合物の形で素地の結晶粒内に微細に、かつ活発に析出
し、上記の微細なCr析出物と合まって常温および高温強
度を著しく向上させるほか、結晶粒界に析出した上記Cu
3Zrとの共存において高温強度と高温伸びを向上させる
が、その含有量が、Tiおよび鉄族金属とも0.005%未満
では前記の作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が、Tiにあっては0.1%を越え、また鉄族金属で
は0.1%以上になると、CrおよびZr成分の場合と同様に
素地中に固溶する割合が増加するようになって70%(IA
CS%)以上の電気伝導度を確保するのは困難になること
から、その含有量を、それぞれTi:0.005〜0.1%、鉄族
金属:0.005〜0.1%未満と定めた。
(d) Si Si成分には、上記の(Fe,Ni,Co)xTiyの金属間化合物
を微細化した状態で析出させ、もってこの金属間化合物
による析出強化作用を一層促進させる作用があるが、そ
の含有量が0.003%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方0.1%を越えると、鋳造時にSiの粗大晶子
が現われるようになり、これは溶体化処理でも消失する
ことなく、高温強度および高温伸びを低下させることか
ら、その含有量を0.003〜0.1%と定めた。
を微細化した状態で析出させ、もってこの金属間化合物
による析出強化作用を一層促進させる作用があるが、そ
の含有量が0.003%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方0.1%を越えると、鋳造時にSiの粗大晶子
が現われるようになり、これは溶体化処理でも消失する
ことなく、高温強度および高温伸びを低下させることか
ら、その含有量を0.003〜0.1%と定めた。
B.電気伝導度 鋳造速度が例えば3〜4m/minの速い連続鋳造において
は、上記の通り従来Cu合金製連続鋳造鋳型材のもつ40〜
65%(IACS%)程度の電気伝導度では、熱伝導性が十分
でなく、満足する冷却能が得られないことから、鋳型に
変形や割れが発生し易く、使用寿命の短かいものとなら
ざるを得ないが、鋳型材のもつ電気伝導度をIACS%で70
%以上にすると、熱伝導性が高く、すぐれた冷却能を発
揮することから、鋳型に変形や割れが発生することがな
くなり、高速連続鋳造を長期に亘って安定して行なうこ
とができるようになることから、鋳型の電気伝導度を70
%(IACS%)以上と定めた。
は、上記の通り従来Cu合金製連続鋳造鋳型材のもつ40〜
65%(IACS%)程度の電気伝導度では、熱伝導性が十分
でなく、満足する冷却能が得られないことから、鋳型に
変形や割れが発生し易く、使用寿命の短かいものとなら
ざるを得ないが、鋳型材のもつ電気伝導度をIACS%で70
%以上にすると、熱伝導性が高く、すぐれた冷却能を発
揮することから、鋳型に変形や割れが発生することがな
くなり、高速連続鋳造を長期に亘って安定して行なうこ
とができるようになることから、鋳型の電気伝導度を70
%(IACS%)以上と定めた。
C.時効処理温度 この発明は、上記の通り溶体化処理で合金成分を完全
に固溶させ、次工程の時効処理で素地中に固溶する合金
成分をできるだけ多く析出させ、この析出によって高温
強度および高温伸びを向上させ、一方合金成分の著しく
低い前記素地によって70%(IACS%)以上の高い電気伝
導度を確保するものである。すなわち、一般に電気伝導
度は合金素地によって決まることが知られており、素地
中の固溶成分が低ければ低いほど高い電気伝導度を示す
ようになるものであり、したがって時効処理で析出を十
分に行なえば、高い電気伝導度、並びに高い高温強度お
よび高温伸びが得られるようになる。
に固溶させ、次工程の時効処理で素地中に固溶する合金
成分をできるだけ多く析出させ、この析出によって高温
強度および高温伸びを向上させ、一方合金成分の著しく
低い前記素地によって70%(IACS%)以上の高い電気伝
導度を確保するものである。すなわち、一般に電気伝導
度は合金素地によって決まることが知られており、素地
中の固溶成分が低ければ低いほど高い電気伝導度を示す
ようになるものであり、したがって時効処理で析出を十
分に行なえば、高い電気伝導度、並びに高い高温強度お
よび高温伸びが得られるようになる。
かかる点から、この発明の上記組成のCu合金につい
て、析出物の種類およびそれの析出し易い温度を調べた
ところ、析出物はCr,Cu3Zr,および(Fe,Ni,Co)xTiyが
ほとんどを占め、CrおよびCu3Zrは425〜475℃の温度範
囲で、また(Fe,Ni,Co)xTiyは525〜575℃の温度範囲で
それぞれ活発に析出することが判明したものであり、し
たがってそれぞれの時効処理温度が前記の範囲から低い
方に外れても、また高い方に外れても十分な析出を行な
うことができない。
て、析出物の種類およびそれの析出し易い温度を調べた
ところ、析出物はCr,Cu3Zr,および(Fe,Ni,Co)xTiyが
ほとんどを占め、CrおよびCu3Zrは425〜475℃の温度範
囲で、また(Fe,Ni,Co)xTiyは525〜575℃の温度範囲で
それぞれ活発に析出することが判明したものであり、し
たがってそれぞれの時効処理温度が前記の範囲から低い
方に外れても、また高い方に外れても十分な析出を行な
うことができない。
つぎに、この発明を実施例により具体的に説明する。
通常の真空溶解炉を用い、黒鉛るつぼ中でそれぞれ第
1表に示される成分組成をもったCu合金溶湯をそれぞれ
5kg溶製し、金型鋳造し、面削した後、通常の条件で熱
間鋳造と熱間圧延を施して幅:100mm×厚さ:5mmの熱延板
材とし、ついでこれより所定長さに切出したCu合金素材
に、温度:980℃に30分間保持後、水焼入れの溶体化処理
を施し、引続いて第1表に示される温度にいずれも1時
間保持の条件で第1および第2時効処理を行なうことに
より本発明法1〜27および比較法1〜23をそれぞれ行な
い、本発明連続鋳造鋳型材および比較連続鋳造鋳型材1
〜27を製造した。
1表に示される成分組成をもったCu合金溶湯をそれぞれ
5kg溶製し、金型鋳造し、面削した後、通常の条件で熱
間鋳造と熱間圧延を施して幅:100mm×厚さ:5mmの熱延板
材とし、ついでこれより所定長さに切出したCu合金素材
に、温度:980℃に30分間保持後、水焼入れの溶体化処理
を施し、引続いて第1表に示される温度にいずれも1時
間保持の条件で第1および第2時効処理を行なうことに
より本発明法1〜27および比較法1〜23をそれぞれ行な
い、本発明連続鋳造鋳型材および比較連続鋳造鋳型材1
〜27を製造した。
なお、比較法1〜23は、いずれもこの発明の構成要件
のうちのいずれかの要件(第1表に※印を付す)がこの
発明の範囲から外れたものである。
のうちのいずれかの要件(第1表に※印を付す)がこの
発明の範囲から外れたものである。
また、比較の目的で、Cu合金素材の成分組成および1
回だけ施される時効処理を第1表に示される条件とする
以外は同一の条件で従来法1〜3を行ない、従来連続鋳
造鋳型材1〜3を製造した。
回だけ施される時効処理を第1表に示される条件とする
以外は同一の条件で従来法1〜3を行ない、従来連続鋳
造鋳型材1〜3を製造した。
ついで、この結果得られた各種の連続鋳造鋳型材につ
いて、電気伝導度を測定すると共に、これを常温および
高温引張試験、並びに耐熱試験に供した。
いて、電気伝導度を測定すると共に、これを常温および
高温引張試験、並びに耐熱試験に供した。
高温引張試験では、500℃に10分間保持後の引張特性
を測定し、また耐熱試験は、鋳型材を450℃+n10℃(n:
0〜15の整数)の各種温度にそれぞれ1時間保持後空冷
の条件で加熱し、この加熱後の鋳型材の硬さをそれぞれ
測定し、加熱前の硬さの90%に相当する硬さを示した加
熱温度をもって耐熱温度とした。これらの結果を第2表
に示した。
を測定し、また耐熱試験は、鋳型材を450℃+n10℃(n:
0〜15の整数)の各種温度にそれぞれ1時間保持後空冷
の条件で加熱し、この加熱後の鋳型材の硬さをそれぞれ
測定し、加熱前の硬さの90%に相当する硬さを示した加
熱温度をもって耐熱温度とした。これらの結果を第2表
に示した。
第1表および第2表に示される結果から、本発明法1
〜27で製造された本発明連続鋳造鋳型材1〜27は、いず
れも従来法1〜3で製造された従来連続鋳造鋳型材1〜
3と同等のすぐれた常温および高温引張特性を示し、か
つこれより一段と高いいずれも70%(IACS%)以上の電
気伝導度を示すのに対して、比較法1〜23で製造された
比較連続鋳造鋳型材1〜23に見られるように、Cu合金の
成分組成および時効処理温度のうちのいずれかがこの発
明の範囲から外れても上記の特性のうちの少なくともい
ずれかの特性が劣ったものになることが明らかである。
〜27で製造された本発明連続鋳造鋳型材1〜27は、いず
れも従来法1〜3で製造された従来連続鋳造鋳型材1〜
3と同等のすぐれた常温および高温引張特性を示し、か
つこれより一段と高いいずれも70%(IACS%)以上の電
気伝導度を示すのに対して、比較法1〜23で製造された
比較連続鋳造鋳型材1〜23に見られるように、Cu合金の
成分組成および時効処理温度のうちのいずれかがこの発
明の範囲から外れても上記の特性のうちの少なくともい
ずれかの特性が劣ったものになることが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、連続鋳造鋳
型に要求される高温強度および高温伸びを有し、かつ70
%(IACS%)以上の高い電気伝導度を有する連続鋳造鋳
型材を製造することができ、したがってこの鋳型材で構
成された連続鋳造鋳型は、これを速い鋳造速度の条件下
で用いても、すぐれた熱伝導性を示し、高い冷却能を示
すことから、変形や割れなどの発生なく、長期に亘って
すぐれた性能を発揮することなど工業上有用な効果をも
たらすものである。
型に要求される高温強度および高温伸びを有し、かつ70
%(IACS%)以上の高い電気伝導度を有する連続鋳造鋳
型材を製造することができ、したがってこの鋳型材で構
成された連続鋳造鋳型は、これを速い鋳造速度の条件下
で用いても、すぐれた熱伝導性を示し、高い冷却能を示
すことから、変形や割れなどの発生なく、長期に亘って
すぐれた性能を発揮することなど工業上有用な効果をも
たらすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/00 682 8719−4K C22F 1/00 682 691 8719−4K 691B (56)参考文献 特開 昭63−125632(JP,A) 特開 昭61−106756(JP,A) 石田,”リードフレーム用Cu−Cr 合金”伸銅技術研究会誌、日本伸銅協 会、昭和58年9月10日、第22号、p216 −222 J.Szablewski,“Inf luence of thermome chanical treatment on electrical pro perties of a Cu−Cr alloy”,Materials Science and Techno logy,Poland,the In stitute of Metals, 1985年12月,Vol.1,No.12, p.1053−1056
Claims (2)
- 【請求項1】Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜0.
1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するCu合金で構成され、かつ70%(IACS
%)以上の電気伝導度を具備せしめたことを特徴とする
冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材。 - 【請求項2】Cr:0.1〜1%、Zr:0.01〜0.15%、 Ti:0.005〜0.1%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜0.
1%未満、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するCu合金素材に、溶体化処理後、 425〜475℃の範囲内の所定温度での第1時効処理と、52
5〜575℃の範囲内の所定温度での第2時効処理を施して
十分な析出を行ない、素地中に固溶する合金成分の含有
量を低減せしめて熱伝導性の向上をはかることを特徴と
する冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10726590A JP2697242B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10726590A JP2697242B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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J.Szablewski,"Influence of thermomechanical treatment on electrical properties of a Cu−Cr alloy",Materials Science and Technology,Poland,the Institute of Metals,1985年12月,Vol.1,No.12,p.1053−1056 |
石田,"リードフレーム用Cu−Cr合金"伸銅技術研究会誌、日本伸銅協会、昭和58年9月10日、第22号、p216−222 |
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