JP2012136746A - 電気・電子部品用銅合金およびその製造方法 - Google Patents

電気・電子部品用銅合金およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡略化した銅合金の製造方法を用いて、高強度、高導電性を有すると共に、耐熱性に優れた電気・電子部品用銅合金を提供する。
【解決手段】本発明に係る電気・電子部品用銅合金は、Feを2.1重量%以上2.6重量%以下、Pを0.015重量%以上0.15重量%以下、Znを0.05重量%以上0.20重量%以下で含有し、残部がCuと不可避的不純物からなる銅合金であり、Cu母相中に分散したFe析出物の中で、Fe1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4%以上であり、Fe1個あたりが占める面積が200nm以上である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4≦S/S≦1.4の関係を満たす銅合金である。
【選択図】図2

Description

本発明は、リードフレーム、端子、コネクタ等の電子・電子部品として使用される素材であり、強度や導電性のほか耐熱性に優れる銅合金およびその製造方法に関する。
電子機器に用いられる半導体製品に使用されるリードフレームは多ピン化、薄肉化に伴い、強度、導電性、耐熱性が要求され、これらの特性を比較的良好に満足する材料としてCDA Alloy 194が用いられる。CDA Alloy 194の構成は、鉄(Fe)を2.1〜2.6重量%、リン(P)を0.015〜0.15重量%、亜鉛(Zn)を0.05〜0.20重量%含有し、残部(97重量%以上)が銅(Cu)である。
例えば、特許文献1では、高力高導電性の銅基合金の製造方法が記載されているが、鉄(Fe)を2.3重量%、リン(P)を0.026重量%、亜鉛(Zn)を0.1重量%含有し、残部が銅(Cu)であるCDA Alloy 194が用いられている。
CDA Alloy 194は加工硬化による高強度化とFeを析出させることによる耐熱性、導電性の改善により上記要求特性を満たしたものである。この銅合金の製造方法としては、例えば、規定された組成からなる銅基合金の鋳塊を、800〜1050℃で熱間圧延した後、第1の冷間圧延をし、900℃以上の温度で30秒以上保持後、直ちに500℃まで毎分100℃以上の冷却速度で冷却し、更に室温まで冷却し、その後、第2の冷間圧延をし、550〜650℃の温度で30分〜6時間の焼鈍し、更に400〜525℃の温度で1〜10時間の焼鈍をし、加工度70〜85%の第3の冷間圧延をして仕上げる製造方法が知られている。
特公 昭52−20404号公報
上記のCDA Alloy 194の銅合金の製造方法は、2段以上の焼鈍を必要とするため、工程が増加し、コストアップを招くばかりか、熱処理時間の増加に伴う二酸化炭素等の温暖化ガス排出量の増加を招いている。
そこで、本発明では、より簡略化した銅合金の製造方法を用いて、リードフレーム等に用いられる従来のCDA Alloy 194の強度、導電性、耐熱性の特性よりも優れた特性を持つ銅合金を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、Feを2.1重量%以上2.6重量%以下、Pを0.015重量%以上0.15重量%以下、Znを0.05重量%以上0.20重量%以下で含有し、残部がCuと不可避的不純物からなる銅合金において、Cu母相中に分散したFe析出物の中で、Fe1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4%以上であり、Fe1個あたりが占める面積が200nm以上である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4≦S/S≦1.4の関係を満たすことを特徴とする電気・電子部品用銅合金を提供する。
また、前記電気・電子部品用銅合金において、1.2≦S/S≦1.4であることが好ましい。
また、Feを2.1重量%以上2.6重量%以下、Pを0.015重量%以上0.15重量%以下、Znを0.05重量%以上0.20重量%以下で含有し、残部がCuと不可避的不純物からなる鋳塊を熱間圧延、第一の冷間圧延、溶体化処理、第二の冷間圧延、焼鈍、第三の冷間圧延の工程を経て所望の板厚まで加工する銅合金の製造工程において、前記焼鈍は、550℃以上650℃以下で30分以上、4時間以下で加熱し、その後、平均冷却速度を0.3℃/分以上1℃/分以下で該加熱温度から450℃に冷却し、前記第三の冷間圧延は、70〜85%の加工度で冷間圧延することを特徴とする電気・電子部品用銅合金の製造方法を提供する。
本発明の銅合金は、リードフレーム等に用いられる従来のCDA Alloy 194の強度、導電性、耐熱性の特性よりも優れた特性を持つ。
本発明の一実施形態における金属組織の模式図である。 本発明の一実施形態における銅合金材の製造工程フローを示す図である。 本発明の一実施形態における焼鈍工程の概略図である。
(1)銅合金の成分
本発明において、銅合金を構成する成分について添加の理由と限定理由を以下に説明する。
(I)鉄(Fe)の成分
本発明におけるFeの含有量は2.1重量%以上2.6重量%以下、好ましくは2.1重量%以上2.3重量%以下である。FeはCu母相中に固溶若しくは析出させることによって、強度と耐熱性を向上させるために含有させる。2.1重量%未満であるとFeの固溶量や析出量が不足して強度および耐熱性を得られない。一方、2.6重量%を越えるとFeの固溶による導電率の低下が大きいと共に、鋳造時に粗大なFeの晶出物が生成し、これが製品に残存すると打ち抜き加工時の割れやめっき不良の原因になりうる。
(II)リン(P)の成分
本発明におけるPの含有量は0.015重量%以上0.15重量%以下である。Pは溶解鋳造中に溶湯に混入する酸素を脱酸する作用があるが、0.015重量%未満であるとその効果を得るには十分でない。0.1重量%を超えると脱酸効果に飽和傾向がみられるものの、Feと化合して析出物を形成し、この析出物も強度や耐熱性の向上に寄与することもある。ただし、0.1重量%を超えると、熱間圧延時の粒界割れの原因となることがまれにある。さらに、0.15%を越えると脱酸効果や強度への寄与も飽和状態となるばかりか、鋳造時に結晶粒界等に析出したPとFeの化合物が芯割れ熱間圧延時の粒界割れの原因となり悪影響が生じる。以上のことから、より好ましい範囲としては、0.015重量%以上0.1重量%以下である。
(III)亜鉛(Zn)の成分
本発明におけるZnの含有量は0.05重量%以上0.20重量%以下、好ましくは0.05重量%以上0.15重量%以下である。Znは半田濡れ性を向上させるとともに、脱酸、脱ガス作用やCuのマイグレーションの抑制作用があるが、0.01重量%未満であるとその効果を得るには十分でない。一方、0.20重量%を越えると導電率の低下をもたらす。
(IV)その他の元素成分
本発明における銅合金は基本的にはCuを主成分とし、かつ特定量のFe、P、Znを含有するものである。しかし、不純物として、他の元素が混入することを避けられない場合があり、Mg、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Co、Ni、Mn、Zr、およびSn等を含有することがある。しかし、0.1重量%未満であれば耐熱性等に悪影響を与えるものではなく、不可避的不純物として許容してよい範囲である。
(2)銅合金の金属組織
図1は、発明に係る銅合金の金属組織の要点を示す模式図である。本発明の銅合金の金属組織は、Cu母相中に分散したFe析出物の中で、Fe1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物のCu母相全体の面積Sに対する面積率S(S=S01/S)が、0.4%以上であり、Fe1個あたりが占める面積が200nm以上である析出物のCu母相全体に対する面積率S(S=S02/S)が、0.4≦S/S≦1.4の関係を満たすことを特徴とする。以下に構成要素について詳述する。
(I)Cu母相中のFe析出物
本発明の銅合金は後述の焼鈍工程にてFeを析出させる。母相のCu中には、析出したFeは、導電率の向上に寄与する。ここで、Feの析出量が少なく、Cuへの固溶量が多い場合は、導電率には寄与しない。このため、後述する焼鈍工程で、十分Feを析出させることが重要である。
一方、加工の繰り返し、又は、高い加工度で加工すると、圧延された際にCu合金材全体の耐熱性が大きく低下する場合がある。発明者らは、Fe析出物が微細なものほど、同条件で加工された場合でも、耐熱性が低下しにくいという知見を得た。
上記二点を踏まえて、さらに、鋭意検討した結果、粒径の大きさ、それらの比に着目することにより、導電率を高く維持しつつ、かつ高い耐熱性を実現する銅合金材を得た。以下に詳述する。
(II)Fe1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物のCu母相全体の面積Sに対する面積率(S
Cu母相中に分散したFe析出物の中で、1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物(以下、析出物Aと称す)を分散させる。全体の面積に対する析出物Aの合計面積の割合(S)を0.4以上とする。以下に各数値限定の理由を述べる。
(20nmの下限値について)
上述の通り、耐熱性、導電率をより高くするためには、Feを析出させることが重要である。しかし、銅合金を鋳造した後、引張強さを所望の値とすること等を目的として、実際に使用できる形状まで、複数回の加工(圧延)や高加工度の圧延を行う。このとき、微細な析出物は加工による転位や粒界の通過で再固溶されてしまう。このため、加工を経た後のFe析出物のうち、20nm未満のものは、その割合がかなり小さく、無視することができる。また、実質的に導電率に寄与する析出物は20nm以上のものであると考えられるため、その下限を20nmとした。
(200nmの上限値について)
上述の通り、大きすぎる析出物は、3回以上の加工(圧延)や高加工度の圧延を経たとき、耐熱性へ悪影響を及ぼす。発明者らは、鋭意検討した結果、耐熱性の向上を抑制してしまうFe析出物のサイズは、200nmの大きさで分類することで、耐熱性への影響を定量化できるという知見を得た。
(面積率(S)が0.4以上であることについて)
全体の面積(S)に対して、20nm以上200nm未満である析出物の合計面積の割合(S)を0.4以上とした理由は、0.4以上であれば、高い導電率の銅合金を得ることができるからである。
(III)SとSの比が、0.4≦S/S≦1.4であること
本発明において、全体の面積に対する析出物Aの合計面積の割合(S)と、全体の面積に対する200nm以上のFe析出物(以下、析出物Bと称す。)の合計の面積の割合(S)は、0.4≦S/S≦1.4の関係式を満たす。以下に各数値限定の理由を述べる。
(S/Sが0.4以上であることについて)
上述の通り、Sの量は導電率へ大きく寄与すると考えられる。このため、導電率へ寄与するFe析出物Aと、導電率への寄与が少ない200nm以上のFe析出物Bとの比が、0.4以上であることが好ましい。
(S/Sが1.4以下であることについて)
200nmを超えるFe析出物Bが全くない場合、焼鈍工程において、Fe析出物が十分に成長できていないことを示す。この場合、耐熱性が低くなってしまう。耐熱性を十分発揮するためには、Sの存在も必要である。ただし、多すぎると、耐熱性へ大きく悪影響を及ぼす。発明者らは、比(S1/S2)が1.4以上である場合、耐熱性が大きく低下するという知見を得た。そのため、比(S/S)が、1.4以下であることが好ましい。
(3)銅合金の製造方法
図2に発明に係る銅合金の製造工程フローの一例を示す。本発明の形態の銅合金は、まず、原材料として、銅合金材の鋳塊を準備する(所定の組成を有する銅合金材の形成:ステップ1、以下、ステップを「S」と表記する)。前記銅合金組成を有する鋳塊を熱間圧延(S2)、第一の冷間圧延(S3)、溶体化処理(又は液体化処理)(S4)、第二の冷間圧延(S5)、焼鈍(S6)、第三の冷間圧延の工程(S7)を経て所望の板厚まで加工する。上記の銅合金の製造工程において、時効処理を550℃以上650℃以下で30分以上、10時間以下の時間で加熱し、その後、加熱温度から450℃にかけた平均冷却速度0.3℃以上1℃/秒以下で冷却し、その後、70〜85%の加工度で冷間圧延する。以下、銅合金の製造工程を工程ごとに詳述する。
(I)溶解・鋳造、熱間圧延、第1の冷間圧延(S1〜S3)
本発明では、溶解・鋳造をして、所定の組成を有する銅合金材の形成した後(S1)、その銅合金を800℃以上1050℃以下の温度によって、熱間圧延する(S2)。800℃未満であると、Feの析出量が多く、熱間圧延時に割れが起こりやすい。次に、冷間圧延(S3)をするが、続く溶体化処理時において素材全体に均等に効率よく熱を伝えるためには板厚を3mm以下になるように減面率を設定することが好ましい。
(II)溶体(液体)化処理(S4)
前記熱間圧延、冷間圧延後、900℃以上の温度で30秒以上保持した後、直ちに300℃まで毎分100℃以上の冷却速度で冷却し、更に室温まで冷却する。溶体化処理は熱間圧延時に析出したFe析出物を固溶させるために行うものである。この工程を省略すると目標とする強度および耐熱性を得られない。
(III)第2の冷間圧延(S5)
前記溶体化処理後、冷間圧延を行う。冷間圧延は減面率が50%以上となるように行うことが好ましい。これにより次に述べる時効での析出をスムーズにすることができる。
(IV)焼鈍(S6)
図3の焼鈍工程の概略図に示すように、本発明においては、焼鈍を550℃以上650℃以下で30分以上4時間以下、好ましくは550℃以上600℃以下で1時間以上4時間以下、加熱する。この工程は主に析出物Bを析出させるための工程である。これは550℃未満にした場合、Feの析出および成長により長い時間を必要とし、製造工程の簡略・短縮化に効果が小さい。650℃より高くした場合、Fe析出物が適正サイズよりも粗大になり、これもまた耐熱性低下の原因になる。時間も規定範囲を外れると析出物サイズが適正サイズから外れ、耐熱性および/または導電率低下の原因になる。
本発明においては550℃以上650℃以下で加熱した後、加熱温度から450℃にかけた平均冷却速度を0.3℃/分以上1℃/分以下、好ましくは加熱温度から450℃にかけた平均冷却速度を0.5℃/分以上0.8℃/分以下で冷却する。この工程は主に析出物Aを析出させるための工程である。平均冷却速度を加熱温度から450℃の範囲と既定したのは、450℃未満ではFeの析出がほとんど進まないためである。また、平均冷却速度を0.3℃/分以上1℃/分以下と既定したのは、0.3℃/分未満では製造工程の簡略・短縮化に効果が薄い。1℃/分より早い冷却速度ではFeの析出が十分に進まず目標の導電率を得られない。ここで、平均冷却速度(℃/分)は以下の数式(数1)で求められる。
Figure 2012136746
(V)第3の冷間圧延(S7)
前記時効後、圧延を70%以上85%以下の加工度で冷間加工する。70%未満の加工度では目標の強度を得ることができず、85%より大きい加工度では耐熱性が低下し、目標の耐熱性を得ることができない。なお、更にこの後に、伸びの向上や歪除去のために低温焼鈍を行っても良い。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
重量%にして2.2%のFe、0.03%のP、0.1%のZnを含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金を高周波誘導型坩堝で溶解後、銅製鋳型で半連続鋳造し、横断面200mm×450mm、長さ4000mmの直方体の鋳塊を作製した。この鋳塊の表面をそれぞれ5mm面作し、950℃で2時間保持後熱間圧延を行い、板厚12mmとした。更に表面および裏面をそれぞれ1mm面削した後、第1の冷間圧延により板厚2.5mmとした。
次に、材料の最高温度が最大950℃になるように制御しながら、連続焼鈍炉の加熱帯中に銅板を走行させた。加熱帯に続いて、冷却帯および水冷プールを通過させて急冷させて溶体化処理とした。更に表面及び裏面を研磨した後、第2の冷間圧延により板厚0.7mmとした。次に電気炉を用いて窒素ガス雰囲気中で550℃の温度で3時間焼鈍(焼鈍工程における加熱)し、冷却速度0.5℃/分で加熱温度である550℃から450℃まで降温した。その後は炉冷にて室温まで下げた。
表1は、焼鈍工程における各条件(加熱温度、加熱時間、冷却範囲、焼鈍時間、冷却速度)を示した表である。
Figure 2012136746
「加熱温度×加熱時間」の形で記載しているのは、加熱温度と加熱時間の積が大きい場合、析出が進むと考えられるためである。実際の加熱温度は、温度に若干の斑が生じることがあるが、温度下限である550℃を下回らないように試料の温度が加熱温度となるように行った。
「冷却範囲」は、冷却開始の温度、すなわち、上記の加熱温度から、後述する冷却速度を算出するための下限の温度450℃までを示している。なお、450℃を下回ったあとは、炉の中で放置して冷却する。
「焼鈍時間」は上記の加熱温度から、後述する冷却速度を算出するための下限の温度450℃までかかった冷却時間を示している。
「冷却速度」は、数式(数1)で示すように、「冷却範囲」に記載された温度差を、「焼鈍時間」で除したものである。なお、450℃を用いている理由は、Fe析出物の析出が収束するのが、概ね450℃だからである。
次に、第3の冷間圧延により板厚0.14mmとし、最後に伸び向上の目的で連続焼鈍炉の加熱帯中を走行させた。そのときの素材の温度は最大で400℃であり、その通過時間は5分以下あった。この0.14mm厚の板に対して、金属組織、機械・電気的特性、耐熱性を評価した。評価方法は下記の通りである。
金属組織は、圧延方向に垂直な面を薄膜化した試料を、透過電子顕微鏡の10万倍で観察できる視野をもつEDSを用いてFe元素を面分析した。これによって得られた結果(Feが検出された面積)を画像解析ソフトにより解析し、析出物AとBを合わせた総面積(S01+S02)の面積率、析出物Aの総面積(S01)、析出物Bの総面積(S02)を評価した。
機械的・電気的特性は引張強さ、伸び、導電率、ビッカース硬さを評価した(引張強さ、伸び(破断伸び)はJIS Z2241で、ビッカース硬さはJIS Z2244である。)。また、耐熱性は第3の冷間圧延後のビッカース硬さと、第3の冷間圧延後に450℃×5分の熱処理を加えた後のビッカース硬さを測定し、(熱処理後のビッカース硬さ)÷(熱処理前のビッカース硬さ)にて評価した。耐熱性は、90%以上が許容される範囲である。
表2は、実施例及び比較例における析出物Aの合計の面積に対する割合(S)、析出物Bの合計の面積に対する割合(S)、それらの面積率の比(S/S)、引張強さ、伸び率、導電率、ビッカース硬さ、耐熱性を示した表である。
Figure 2012136746
表2に示すとおり、実施例1における銅合金板は、Fe析出物Aの合計の面積に対する割合(S)が0.6%、Fe析出物Bの合計の面積に対する割合(S)が0.5%
であり、それらの面積率の比(S/S)は、1.2であった。また、引張強さは531MPa、伸び率は7%、導電率は66%IACS、ビッカース硬さは159Hvであり、耐熱性は95%を維持していた。なお、銅板材が550℃に昇温されてから3時間加熱し、450℃まで冷却するのに要した時間は、表1に示すように320分である。
(実施例2〜5)
実施例2〜5においても表1に示した焼鈍条件にて製造した。焼鈍条件を規定範囲内に設定した場合は実施例1と同様に良好な特性が得られた。
本実施例の方法は、2段以上の焼鈍を必要としないので、工程やコストアップを低減できる。また、熱処理時間の増加に伴う二酸化炭素等の温暖化ガス排出量の増加を低減することができる。
表2より、実施例2では、Sの割合が0.4%、Sの割合が0.7%であり、それらの面積率の比(S/S)は、0.6であった。また、引張強さは532MPa、伸び率は5%、導電率は64%IACS、ビッカース硬さは159Hvであり、耐熱性は94%を維持していた。
実施例3では、Sの割合が0.7%、Sの割合が0.5%であり、それらの面積率の比(S/S)は、1.4であった。また、引張強さは534MPa、伸び率は6%、導電率は65%IACS、実施例2と同様に、ビッカース硬さは159Hvであり、耐熱性は94%を維持していた。
実施例4では、Sの割合が0.4%、Sの割合が0.4%であり、それらの面積率の比(S/S)は、1.0であった。これは、Fe析出物Aの合計の面積に対する割合と、Fe析出物Bの合計の面積に対する割合が等しい例である。また、引張強さは546MPa、伸び率は5%、導電率は60%IACS、ビッカース硬さは156Hvであり、耐熱性は91%であった。
実施例5では、実施例4と同様に、Sの割合が0.4%、Sの割合が0.4%であり、それらの面積率の比(S/S)は、1.0であった。また、引張強さは535MPa、伸び率は5%、導電率は60%IACS、ビッカース硬さは157Hvであり、耐熱性は92%であった。
上記、実施例1〜3と実施例4、5を比較すると、実施例1〜3の方が、SとSの割合が等しい実施例4、5よりも特性(引張強さ、伸び率、導電率、ビッカース硬さ、耐熱性)が良いことがわかる。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と同様の温度条件で製造しているが、加熱時間は12時間と長くした。表2より、Sの割合が0.4%、Sの割合が1.1%であり、それらの面積率の比(S/S)は、0.4であった。また、引張強さは547MPa、伸び率は7%、導電率は67%IACS、ビッカース硬さは159Hvであり、耐熱性は93%であった。製造時間およびコストを考慮する場合は、実施例1〜3の方がより好ましい。
(実施例7)
実施例7は、焼鈍条件を除いて実施例1と同様の組成で、同様に製造した。実施例7では第2の冷間圧延の工程後、電気炉を用いて窒素ガス雰囲気中で600℃の温度で2時間焼鈍し、冷却速度5℃/分で500℃まで冷却し、その後2時間焼鈍した。
その後、5℃/分で450℃まで冷却し、この温度で2時間保持した。450℃で保持した後は炉冷にて室温まで下げた。表1に実施例7の焼鈍条件を示す。次に、第3の冷間圧延により板厚0.14mmとし、最後に伸び向上の目的で連続焼鈍炉の加熱帯中を走行させた。そのときの素材の温度は最大で400℃であり、その通過時間は5分以下であった。本実施例7における銅板の特性は引張特性543Mpa、伸び率5%、導電率66%IACS、ビッカース硬さ158Hvであり、耐熱性は91%を維持していた。
なお、銅板材が600℃に昇温されてから450℃で2時間保持が終了するまでに要した時間は380分である。本実施例は、実施例1から3と同程度の性能が得られるが、時間がかかる。
なお、上記、各実施例のFe析出物のうち、20nm未満のものは、0.02%以下であった。
(比較例1〜6)
比較例1〜6も焼鈍条件を除いて実施例1と同様の組成で、同様に製造した。焼鈍条件については表1に示したとおりである。
比較例1は加熱時間を規定範囲より短くし、10分とした例である。表2に示すように耐熱性が62%と、不足している。Sの割合が0.7%、Sの割合が0.1%であり、それらの面積率の比(S/S)は、7.0であり、Sに対してSの割合が小さく、焼鈍工程において、Fe析出物が十分に成長できていないことが原因と考えられる。
比較例2は加熱温度を規定範囲よりも低くし、500℃とした例である。この場合、規定時間よりも長く、6時間熱処理をしても耐熱性が62%と、不足する。これは、加熱温度が低かったために、Feの析出が促進されなかったため、200nm以上のFe析出物が不足し、面積率の比(S/S)は、2.3となり、耐熱性不足になったと考えられる。
比較例3は加熱温度を規定範囲よりも高くし、700℃とした例である。200nmを超える粗大な析出物が多くなってしまっており、面積率の比(S/S)は0.3となり、0.4を下回っている。このため、導電率が43%IACSと低下し、耐熱性が61%と、大きく低下している。
比較例4は冷却速度を規定範囲よりも遅く、0.1℃/分とし、焼鈍時間を長く、1030分とした例である。Sの面積率が1.2%と高く、導電率は73%IACSと確保できているが、面積率の比(S/S)が4.0と高くなっている。そのため、耐熱性が、62%と低く、確保できない。
比較例5は加熱時間を規定範囲よりも長く、6時間とし、焼鈍工程における冷却速度を規定範囲よりも早く、5℃/分とした例である。この場合、耐熱性は90%と高いが、Sの面積率が実質的にゼロであり、導電率が53%IACSと低下している。
比較例6は550℃で4時間加熱した後、直ちに水冷した例である。この場合、Sの割合が0.8%であり、析出物のサイズの大部分は200nm以上のものが多く得られた為、耐熱性については規定範囲内の91%の特性を得られたが、Sが0.4%未満であり、導電率は54%となり、不足した。
比較例7は550℃まで昇温後、直ちに0.3℃/分で冷却をした例である。この場合、S(0.3%)に対して、S(0.1%)が小さいため、面積率の比(S/S)が3.0となり、1.4を超えてしまい、耐熱性は60%と低く、規定範囲から外れた。
なお、比較例7と実施例3に着目すると、これらの違いは550℃×30分の保持時間である。焼鈍工程における冷却時の析出には、その前の加熱状態の保持時間が大きく影響しているといえる。
以上、本発明の実施例1〜7と比較例1〜7について、それらの条件と評価結果について説明してきた。表2の評価結果より、特に実施例1と実施例3において、優れた伸び率、導電率、ビッカース硬さ、耐熱性を得ることができた。実施例1と実施例3において、面積率の比(S/S)は、1.2及び1.4であることから、本発明の銅合金において、1.2≦S/S≦1.4であることがより好ましい。
上記の本発明の実施の形態によれば、高強度、高導電性を有すると共に、耐熱性に優れた銅合金を提供することができる。また、工程を簡略化でき、製造コストを抑えることできる。それにより、処理時間を短縮化でき、二酸化炭素等の温暖化ガスの排出量を減少させることができる。
1…Cu母相、2…Fe相(20nm以上200nm)、3…Fe相(200nm以上)。

Claims (3)

  1. Feを2.1重量%以上2.6重量%以下、Pを0.015重量%以上0.15重量%以下、Znを0.05重量%以上0.20重量%以下で含有し、残部がCuと不可避的不純物からなる銅合金において、
    Cu母相中に分散したFe析出物の中で、Fe1個あたりが占める面積が20nm以上200nm未満である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4%以上であり、
    Fe1個あたりが占める面積が200nm以上である析出物のCu母相全体に対する面積率Sが、0.4≦S/S≦1.4の関係を満たすことを特徴とする電気・電子部品用銅合金。
  2. 請求項1に記載の電気・電子部品用銅合金であって、1.2≦S/S≦1.4であることを特徴とする電気・電子部品用銅合金。
  3. Feを2.1重量%以上2.6重量%以下、Pを0.015重量%以上0.15重量%以下、Znを0.05重量%以上0.20重量%以下で含有し、残部がCuと不可避的不純物からなる鋳塊を熱間圧延、第一の冷間圧延、溶体化処理、第二の冷間圧延、焼鈍、第三の冷間圧延の工程を経て所望の板厚まで加工する銅合金の製造工程において、
    前記焼鈍は、550℃以上650℃以下で30分以上、4時間以下で加熱し、その後、
    平均冷却速度を0.3℃/分以上1℃/分以下で該加熱温度から450℃に冷却し、
    前記第三の冷間圧延は、70〜85%の加工度で冷間圧延すること
    を特徴とする電気・電子部品用銅合金の製造方法。
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