JP2021042299A - 樹脂組成物の除去方法 - Google Patents

樹脂組成物の除去方法 Download PDF

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昭弘 尾之上
Akihiro Onoue
昭弘 尾之上
吉村 忠徳
Tadanori Yoshimura
忠徳 吉村
尭広 野呂
Takahiro Noro
尭広 野呂
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Kao Corp
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Abstract

【課題】高い性能や耐久性を有する水溶性樹脂を、水によって容易に除去する方法を提供する。【解決手段】親水性基を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA、親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットB、及びモノマーユニットCを有する樹脂αを含有する樹脂組成物を水に接触させて除去する樹脂組成物の除去方法であって、前記水の温度が85℃以上である、樹脂組成物の除去方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物の除去方法に関する。
近年、環境意識への高まりから、廃棄物削減が叫ばれている。それを実現する手段の一つとして製品のリサイクルの取り組みが行われている。
印刷層を含んだ状態で回収された包装容器からリサイクルされた材料は着色する。この課題に対し、印刷プライマーとして水溶性高分子を用いると、リサイクル前に印刷層を中性水で、安全に除去することができ、リサイクルされる材料の着色を防止することができる。また、水溶性高分子自体を包装容器材料に使用すると、使用後に水に溶解させて除去及びリサイクルすることができる。一方、水溶性高分子においては、水溶性と耐熱性などの耐久性との両立は困難であった。
特開2018−024850号公報
上記課題に対し、特許文献1では耐熱性の向上、及び吸湿性の抑制を目的として、樹脂に疎水性のモノマーユニットを導入することが提案されている。しかし、疎水性のモノマーユニットを有する樹脂の水への溶解性は低いことから、除去が困難である。
本発明は、高い耐熱性を有しつつ吸湿性が低い樹脂組成物を、水によって容易に除去する方法を提供する。
本発明は、前記樹脂の生成に係る重合を構成する親水性基以外の親水性基(以下、単に親水性基とも称する。)を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA、親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットB、及びモノマーユニットCを有する樹脂αを含有する樹脂組成物を水に接触させて除去する樹脂組成物の除去方法であって、前記水の温度が85℃以上である。
本発明によれば、高い耐熱性を有しつつ吸湿性が低い樹脂組成物を、水によって容易に除去する方法を提供することができる。
<樹脂組成物の除去方法>
本実施形態の樹脂組成物の除去方法は、親水性基を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA、親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットB、及びモノマーユニットCを有する樹脂αを含有する樹脂組成物を水に接触させて除去する樹脂組成物の除去方法であって、前記水の温度が85℃以上である。本実施形態の樹脂組成物の除去方法によれば、高い耐熱性や耐久性を有しつつ吸湿性が低い水溶性樹脂を、水によって容易に除去することができる。
〔樹脂組成物〕
[樹脂α]
(芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA)
前記樹脂αは、親水性基を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットを有する。本明細書において、親水性基を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットを芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAと称する。また、当該芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAを誘導するための芳香族ジカルボン酸を芳香族ジカルボン酸Aと称する。
前記親水性基としては、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基、オキシアルキレン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシル塩基、リン酸基、リン酸塩基、スルホン酸基、及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも同様の観点から、第4級アンモニウム塩基、オキシアルキレン基、カルボキシル塩基、リン酸塩基、及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、第4級アンモニウム塩基、オキシアルキレン基、及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、スルホン酸塩基が更に好ましい。
前記スルホン酸塩基は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、−SOM(ただし、Mはスルホン酸塩基を構成するスルホン酸基の対イオンを示し、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から金属イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、金属イオンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンからなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、アルカリ金属イオンからなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、ナトリウムイオン及びカリウムイオンからなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。)で表されるスルホン酸塩基が好ましい。
前記樹脂α中の前記親水性基の含有量は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、0.5mmol/g以上が好ましく、0.6mmol/g以上がより好ましく、0.7mmol/g以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、3mmol/g以下が好ましく、2mmol/g以下がより好ましく、1.5mmol/g以下が更に好ましい。また、前記樹脂α中の前記親水性基の含有量は、水への溶解性を付与する観点、及び前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、0.5〜3mmol/gが好ましく、0.6〜2mmol/gがより好ましく、0.7〜1.5mmol/gが更に好ましい。なお、本明細書において親水性基の含有量は実施例に記載の方法によって測定する。
前記芳香族ジカルボン酸Aは、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点、及び前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、前記親水性基を有する芳香族ジカルボン酸が好ましい。当該芳香族ジカルボン酸の中でも、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点、及び前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、ヒドロキシ基含有芳香族ジカルボン酸、第1級アミノ基含有芳香族ジカルボン酸、スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸、及びスルホン酸塩基含有芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、スルホン酸塩基含有芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましい。これらの中でも同様の観点からスルホフタル酸、及びスルホナフタレンジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、スルホフタル酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、スルホイソフタル酸及びスルホテレフタル酸からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、5−スルホイソフタル酸が更に好ましい。
前記樹脂αの全モノマーユニットの合計に対する前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAの割合は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、10mol%以上が好ましく、20mol%以上がより好ましく、25mol%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、50mol%以下が好ましく、45mol%以下がより好ましく、40mol%以下が更に好ましい。また、前記樹脂αの全モノマーユニットの合計に対する前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAの割合は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点、及び前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、10〜50mol%が好ましく、20〜45mol%がより好ましく、25〜40mol%が更に好ましい。なお、本明細書において樹脂中のモノマーユニットの組成は実施例に記載の方法によって測定する。
前記樹脂α中の全ジカルボン酸モノマーユニットの合計に対する、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAの割合は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、20mol%以上が好ましく、40mol%以上がより好ましく、50mol%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、90mol%以下が好ましく、80mol%以下がより好ましく、70mol%以下が更に好ましい。また、前記樹脂α中の全ジカルボン酸モノマーユニットの合計に対する、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAの割合は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点、及び前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、20〜90mol%が好ましく、40〜80mol%がより好ましく、50〜70mol%が更に好ましい。
(ジカルボン酸モノマーユニットB)
前記樹脂αは、前記親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットを有する。本明細書において、前記親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットをジカルボン酸モノマーユニットBと称する。また、当該ジカルボン酸モノマーユニットBを誘導するためのジカルボン酸をジカルボン酸Bと称する。
前記ジカルボン酸Bは、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、前記親水性基を有さない芳香族ジカルボン酸及び前記親水性基を有さない脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。これらの中でも、同様の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−フランジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3−アダマンタンジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、テレフタル酸、2,5−フランジカルボン酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましく、2,6−ナフタレンジカルボン酸が更に好ましい。
前記樹脂α中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、前記ジカルボン酸モノマーユニットBの物質量の割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、5mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、15mol%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、45mol%以下が好ましく、30mol%以下がより好ましく、20mol%以下が更に好ましい。また、前記樹脂α中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、前記モノマーユニットBの物質量の割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点、及び前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、5〜45mol%が好ましく、10〜30mol%がより好ましく、15〜20mol%が更に好ましい。
前記樹脂α中の全ジカルボン酸モノマーユニットの合計に対する、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットBの割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、10mol%以上が好ましく、20mol%以上がより好ましく、30mol%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、90mol%以下が好ましく、60mol%以下がより好ましく、40mol%以下が更に好ましい。また、前記樹脂α中の全ジカルボン酸モノマーユニットの合計に対する、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットBの割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点、及び前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、10〜90mol%が好ましく、20〜60mol%がより好ましく、30〜40mol%が更に好ましい。
前記樹脂α中の前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAと前記ジカルボン酸モノマーユニットBのmol比(前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA/前記ジカルボン酸モノマーユニットB)は、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、20/80以上が好ましく、40/60以上がより好ましく、50/50以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から90/10以下が好ましく、80/20以下がより好ましく、70/30以下が更に好ましい。
(モノマーユニットC)
前記樹脂αは、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有するモノマーから誘導されるモノマーユニットを有する。本明細書において、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有するモノマーをモノマーCと称し、当該モノマーCから誘導されるモノマーユニットをモノマーユニットCと称する。
前記モノマーCの炭素数は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、25以上が更に好ましく、同様の観点から、40以下が好ましく、38以下がより好ましく、35以下が更に好ましい。
前記モノマーCは、耐久性を付与する観点から、芳香族ジオール、芳香族ジアミン、芳香族アルカノールアミン、脂肪族ジオール、脂肪族ジアミン及び脂肪族アルカノールアミンからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、芳香族ジオールがより好ましく、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾキシエタノールフルオレン、及びビスクレゾールフルオレンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、ビスフェノキシエタノールフルオレンがより好ましい。
前記樹脂α中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、前記モノマーユニットCの物質量の割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、5mol%以上が好ましく、40mol%以上がより好ましく、45mol%以上が更に好ましく、同様の観点から、70mol%以下が好ましく、60mol%以下がより好ましく、55mol%以下が更に好ましい。また、前記樹脂α中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、前記モノマーユニットCの物質量の割合は、前記樹脂組成物の耐熱性を維持する観点から、5〜70mol%が好ましく、40〜60mol%がより好ましく、45〜55mol%が更に好ましい。
(他のモノマーユニット)
前記樹脂αは、本実施形態の効果を損なわない範囲で、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA、前記ジカルボン酸モノマーユニットB、及び前記モノマーユニットC以外の他のモノマーユニットを有していてもよい。当該他のモノマーユニットとしては、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有する脂肪族モノマーユニットが好ましい。
前記樹脂α中の、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有するモノマーから誘導される全モノマーユニットの合計に対する、前記モノマーユニットCの割合は、前記樹脂組成物の耐熱性の向上の観点から、25mol%以上が好ましく、50mol%以上がより好ましく、80mol%以上が更に好ましく、90mol%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、100mol%以下が好ましく、99mol%以下がより好ましい。また、前記樹脂α中の、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有するモノマーから誘導される全モノマーユニットの合計に対する、前記モノマーユニットCの割合は、前記樹脂組成物の耐熱性の向上の観点、及び前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、25〜100mol%が好ましく、50〜100mol%がより好ましく、80〜100mol%が更に好ましく、90〜99mol%が更に好ましい。
前記樹脂αはポリエステル、ポリアミド又はポリエステルアミドであり、好ましくはポリエステルである。前記樹脂αの例として、下記一般式(1)で示されるユニット、及び下記一般式(2)で示されるユニットを有する樹脂が例示できる。
Figure 2021042299
Figure 2021042299
前記一般式(1)及び(2)中、Rは下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示され、前記一般式(1)及び(2)はブロック結合及び/又はランダム結合であり、ランダム結合が好ましい。
Figure 2021042299
−CHCH− (4)
前記樹脂αの重量平均分子量は、耐久性を付与する観点から、1000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましく、前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、80000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、40000以下が更に好ましい。なお、本明細書において重量平均分子量は実施例に記載の方法によって測定する。
前記樹脂組成物中の前記樹脂αの含有量は、耐久性を付与する観点から、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上が更に好ましく、水への溶解性を付与する観点から、100質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。また、前記樹脂組成物中の前記樹脂αの含有量は、前記樹脂組成物の耐熱性の向上、及び前記樹脂組成物に水への溶解性を付与する観点から、50〜100質量%が好ましく、80〜97質量%がより好ましく、85〜95質量%が更に好ましい。
前記樹脂αの製造方法には特に限定はなく、従来公知の方法を適用できる。
前記樹脂組成物は、本実施形態の効果を損なわない範囲で他の成分を含有していても良い。当該他の成分の例としては、前記樹脂α以外の重合体、安息香酸ポリアルキレングリコールジエステル等の可塑剤、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス球、黒鉛、カーボンブラック、カーボン繊維、ガラス繊維、タルク、ウォラストナイト、マイカ、アルミナ、シリカ、カオリン、ウィスカー、炭化珪素等の充填材、相溶化剤、エラストマー等が挙げられる。当該相溶化剤としては下記有機塩化合物βが例示できる。
〔有機塩化合物β〕
前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、下記一般式(5)で示される有機塩化合物を含有してもよい。本明細書において下記一般式(5)で示される有機塩化合物を有機塩化合物βと称する。
(R−SO n+ (5)
(前記一般式(5)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、nは1又は2の数を示し、nが1のとき、Xn+はナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、又はホスホニウムイオンを示し、nが2のとき、Xn+はマグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、又は亜鉛イオンを示す。)
前記一般式(5)中、Rは、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。当該炭化水素基が脂肪族炭化水素基の場合、当該炭化水素基の炭素数は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、1以上が好ましく、4以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。当該炭化水素基が脂環式炭化水素基の場合、当該炭化水素基の炭素数は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。当該炭化水素基が芳香族炭化水素基の場合、当該炭化水素基の炭素数は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、30以下が好ましく、25以下がより好ましい。
また、前記置換基としては、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、及びケイ素原子、並びにハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上を含むものが好ましく、中でも炭素数1〜22の炭化水素基又はハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1〜16の炭化水素基又はハロゲン化アルキル基がより好ましく、炭素数1〜12の炭化水素基又はハロゲン化アルキル基が更に好ましく、炭素数1〜12の炭化水素基が更に好ましい。
前記一般式(5)中、Xn+は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、中性水への溶解性の確保、及び前記樹脂組成物の製造時に求められる耐熱性の確保の観点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、又はホスホニウムイオンを示し、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、又はホスホニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、又はホスホニウムイオンがより好ましく、リチウムイオン、又はホスホニウムイオンが更に好ましく、ホスホニウムイオンが更に好ましい。ホスホニウムイオンの中でも、前記樹脂組成物の製造時に求められる耐熱性の確保の観点から、テトラアルキルホスホニウムイオンが好ましく、テトラブチルホスホニウムイオンがより好ましい。
前記一般式(5)中、nは、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、1が好ましい。
前記樹脂組成物中の前記有機塩化合物βの含有量は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性維持の観点から、20質量%以下が好ましく、17質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。また、前記樹脂組成物中の前記有機塩化合物βの含有量は、前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保、及び前記樹脂組成物の耐熱性維持の観点から、0.1〜20質量%が好ましく、1〜17質量%がより好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
前記有機塩化合物βのアルキルスルホン酸イオン(R−SO )の物質量(mol)と、前記樹脂αが有する親水性基の物質量の比(前記有機塩化合物βのアルキルスルホン酸イオンの物質量/前記樹脂αが有する親水性基の物質量)は、前記樹脂組成物の前記樹脂組成物の製造時の分子量制御の容易性、及び中性水への溶解性の確保の観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、前記樹脂組成物の耐熱性維持、及び有機塩化合物のブリードアウト抑制の観点から、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下が更に好ましい。
前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、前記樹脂組成物の高温条件での使用容易性の観点から、50℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、190℃以上が更に好ましく、同様の観点から、250℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましく、210℃以下が更に好ましい。なお、本明細書においてガラス転移温度は実施例に記載の方法によって測定する。
前記樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。前記樹脂組成物の製造方法の例としては、原料をバッチ式混練機や二軸押出機等の混練機で混練して製造する方法が挙げられる。
〔水〕
前記樹脂組成物は水に接触させることによって除去される。
前記水としては、脱イオン水、純水、水道水、工業用水が挙げられるが、入手容易性の観点から脱イオン水、水道水が好ましい。また、水は前記樹脂組成物にダメージを与えない範囲で水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。当該水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類が挙げられる。水が前記水溶性有機溶媒を含む場合、溶解性と前記樹脂組成物へのダメージ性の観点から水中の前記水溶性有機溶媒の含有量は0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、3質量%以上が更に好ましく、また、50%質量以下が好ましく、40%質量以下がより好ましく、30%質量以下が更に好ましく、20%質量以下がより更に好ましい。
水の使用量は、前記樹脂組成物の除去性の観点から前記樹脂組成物に対して10質量倍以上が好ましく、20質量倍以上がより好ましく、経済性の観点から前記樹脂組成物に対して10000質量倍以下が好ましく、5000質量倍以下がより好ましく、1000質量倍以下が更に好ましく、100質量倍以下がより更に好ましい。
前記樹脂組成物を水に接触させる時間は、前記樹脂組成物の除去性の観点から5分以上が好ましく、長時間水を接触させることによって前記樹脂組成物が受けるダメージを軽減する観点、及び経済性の観点から180分以下が好ましく、120分以下がより好ましく、90分以下が更に好ましい。
水の温度は、前記樹脂組成物の除去性の観点から85℃以上であり、90℃以上が好ましく、93℃以上がより好ましい。
水のpHは特に限定されないが、前記樹脂組成物が受けるダメージを軽減する観点から6〜8の中性水が好ましい。
前記樹脂組成物の除去方法は、三次元物体及びサポート材を含む三次元物体前駆体を得る工程、及び当該三次元物体前駆体を中性水に接触させ、サポート材を除去するサポート材除去工程を有する熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法における、サポート材除去工程に使用することができる。
圧力は、絶対圧力で表記する。「常圧」とは101.3kPaを示す。
<樹脂組成物の調製方法>
2Lステンレス製セパラブルフラスコ(K字管、撹拌機、窒素導入管付)に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(東京化成工業社製)23.7g、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム(東京化成工業社製)52.1g、エチレングリコール(富士フィルム和光純薬社製)22.4g、チタンテトラブトキシド(東京化成工業社製)26mg、ビスフェノキシエタノールフルオレン(大阪ガスケミカル社製)117.3g、無水酢酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬社製)866mgを仕込み、常圧、窒素雰囲気下、撹拌しながらマントルヒータで1時間かけて、ヒーターの表面の温度を160℃から260℃まで昇温し、その温度で6時間30分撹拌してエステル交換反応を行った。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩(竹本油脂社製:エレカットS−418)17.6gを添加して30分かけて、ヒーターの表面の温度を260℃から290℃まで昇温し、1時間20分撹拌した。その後、常圧から2kPaまで減圧し、35分間かけて290℃から315℃まで昇温して反応を行った。315℃まで昇温した後、2時間撹拌した後、2kPaから28Paまで徐々に減圧度を増しながら3時間撹拌して反応を行い、常圧に戻して樹脂α(水溶性ポリエステル樹脂)を含有する樹脂組成物1を得た。前記樹脂組成物1含まれる樹脂αの全モノマーユニットの合計に対するモノマーユニットA、樹脂αの重量平均分子量、原料の添加量から算出された樹脂αの全モノマーユニットの合計に対するモノマーユニットB、及びCの割合、並びに親水性基の含有量を表1に示す。原料の添加量から算出された樹脂組成物1に含まれる樹脂α及び有機塩化合物βの含有量、樹脂αが有する親水性基の物質量に対する有機塩化合物βのアルキルスルホン酸イオンの物質量の比、並びに樹脂組成物1のガラス転移温度を表2に示す。
Figure 2021042299
Figure 2021042299
<分析方法>
〔樹脂α(水溶性ポリエステル樹脂)中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムから誘導されるモノマーユニット(モノマーユニットA)の物質量の割合〕
試料を重クロロホルム、重トリフルオロ酢酸の混合溶媒に溶解し、Agilent社製NMR、MR400を用いたプロトンNMR測定により5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムから誘導されるモノマーユニット(モノマーユニットA)中のベンゼン環由来ピークの積分値Aを、モノマーユニットA中のベンゼン環に対応するプロトンの数で除した物質量A、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルから誘導されるモノマーユニット(モノマーユニットB)中のナフタレン環由来ピークの積分値Bを、モノマーユニットB中のナフタレン環に対応するプロトンの数で除した物質量Bを算出した。物質量Aを、物質量A及び物質量Bの和の2倍量で除して求められた値を100分率で表したもの(100×物質量A/(2×(物質量A+物質量B)))を、樹脂α中の全モノマーユニットの物質量の合計に対する、モノマーユニットAの物質量の割合とした。
〔重量平均分子量(Mw)〕
下記条件により、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法を用いて標準ポリスチレンから校正曲線を作成し、重量平均分子量(Mw)を求めた。
・装置:HLC−8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
・カラム:α−M×2本(東ソー社製、7.8mmI.D.×30cm)
・溶離液:60mmol/Lリン酸+50mmol/L臭素化リチウムジメチルホルムアミド溶液
・流量:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・検出器:RI検出器
・標準物質:ポリスチレン
〔ガラス転移温度〕
260℃に加熱したホットプレートにポリイミドフィルムに挟んだサンプルを置き、上からスパチュラを押し付けて、厚さ約0.2mmのシートを作成した。このシートから5〜10mgのサンプルをハサミで切り出し、アルミパンに精秤して封入し、DSC装置(セイコーインスツル社製DSC7020)を用い、30℃から300℃まで10℃/minで昇温させた後、冷却速度を150℃/minに設定して、30℃まで冷却した。再び10℃/minで300℃まで昇温させて得られたDSC曲線より、ガラス転移温度(℃)を求めた。
<評価方法>
〔樹脂組成物の溶解試験〕
前記樹脂組成物1を20g、コーヒーミル(大阪ケミカル社製:Mini Blender)にて粉砕(粉砕時間は10秒)することにより評価サンプルを調製した。サンプル粉末1.0gを50mLスクリュー管内の所定の温度の脱イオン水20gに投入し、300rpmで攪拌しながら、樹脂組成物1が水に溶解又は分散するまでの時間(溶解時間)を計測した。結果を表3に示す。
Figure 2021042299
水温を85℃以上にすることにより、樹脂組成物1が水に溶解又は分散されることが判る。

Claims (8)

  1. 親水性基を有する芳香族ジカルボン酸モノマーユニットA、親水性基を有さないジカルボン酸モノマーユニットB、及びモノマーユニットCを有する樹脂αを含有する樹脂組成物を水に接触させて除去する樹脂組成物の除去方法であって、
    前記水の温度が85℃以上である、樹脂組成物の除去方法。
  2. 前記樹脂組成物が、下記一般式(1)で示される有機塩化合物βを含有する、請求項1に記載の樹脂組成物の除去方法。
    (R−SО n+ (1)
    (前記一般式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xn+はカチオンを示し、nは1又は2の数を示す。)
  3. 前記樹脂α中の全ジカルボン酸モノマーユニットの合計に対する、前記芳香族ジカルボン酸モノマーユニットAの割合が10〜90mol%である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の除去方法。
  4. 前記樹脂α中の前記樹脂の生成に係る重合を構成する親水性基以外の親水性基の含有量が0.5〜3.0mmоl/gである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物の除去方法。
  5. 前記樹脂αの重量平均分子量が3000〜80000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の除去方法。
  6. 前記親水性基がスルホン酸塩基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の除去方法。
  7. 前記モノマーユニットCが、カルボキシ基と反応する官能基を2つ有するモノマーから誘導される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の除去方法。
  8. 前記モノマーユニットCが芳香族ジオールモノマーユニットである、請求項7に記載の樹脂組成物の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023190325A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 花王株式会社 積層体

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