JP5166179B2 - 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 - Google Patents
水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5166179B2 JP5166179B2 JP2008233370A JP2008233370A JP5166179B2 JP 5166179 B2 JP5166179 B2 JP 5166179B2 JP 2008233370 A JP2008233370 A JP 2008233370A JP 2008233370 A JP2008233370 A JP 2008233370A JP 5166179 B2 JP5166179 B2 JP 5166179B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- aqueous dispersion
- acid
- bis
- polyester resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
(a):ポリアリレート樹脂(A)が界面重縮合法で得られるものであり、芳香族ジカルボン酸成分と二価フェノール成分から構成され、重量平均分子量5000以上、酸価2mgKOH/g以上、ガラス転移温度100℃以上であるポリアリレート樹脂であり、前記芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=60/40〜40/60(モル比)、前記二価フェノール成分が、4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(BisAF)を20モル%以上含有する。
(b):ポリエステル樹脂(B)が重量平均分子量20,000以上、酸価2mgKOH/g以上、ガラス転移温度30℃以下であるポリエステル樹脂である。
(3)ポリアリレート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)の各々を有機溶剤で溶解するに際し、温度を40℃以下に保った状態で、前記ポリアリレート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)の各々を少なくとも10質量%以上溶解することができ、かつ沸点が150℃以下、水に対する溶解性が5g/L(20℃)以上である有機溶剤を用いることを特徴とする(2)の水性分散体混合物の製造方法。
(4)請求項1記載の水性分散体混合物から得られる樹脂被膜。
必要があり、10,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが特に好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、水性分散体混合物から形成される樹脂被膜の、塗膜強度等が不十分となるため好ましくない。
Mw=Σ(NiMi2)/ΣNiMi (II)
[ただし、式(II)中、Miは樹脂中の分子鎖iの分子量、Niは樹脂中の分子鎖iの個数を示す。]
ポリアリレート樹脂(A)を製造する方法としては、既述の二価フェノールと、芳香族ジカルボン酸、および/または、これらの誘導体を原料とし、公知のポリエステル重合方法を用いて製造することができる。重合方法としては、界面重縮合、溶液重縮合、熔融重縮合等が挙げられる。中でも、界面重縮合法で得られるポリアリレート樹脂は、水性分散体とした場合の、得られる被膜の透明性の観点から特に好ましい。以下、界面重縮合による製造方法を例示する。
本発明の水性分散体は、既述のポリアリレート樹脂(A)、および/または、ポリエステル樹脂(B)が、水性媒体中に分散されてなる液状物である。ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体であり、有機溶剤を含んでいてもよい。
1.測定方法
1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)より求め、1H−NMRスペクトル上のシグナルより構成を帰属した。定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
当該樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値を求め、これをガラス転移温度とした。
重量平均分子量は、GPC分析(ウォーターズ社製使用、RI検出器、溶媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)により求めた。
当該樹脂約0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mlを加えて加熱溶解した。これにクロロホルム10mlを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、撹拌しながら0.1N−KOHベンジルアルコール溶液で中和滴定をおこない、中和に消費されたKOHのmg数を、樹脂1gあたりに換算した値を酸価として求めた。
10gの樹脂を90gのMEK、およびTHFが入ったフラスコに入れ、40℃に保ちながら攪拌し、2時間後の外観、および、状態の変化を目視にて観察し、下記の基準で樹脂の溶剤溶解性を評価した。
○:樹脂が完全に溶解した。
×:樹脂が溶解せずに溶剤中に残留した。
水性分散体を約1g秤量(Xgとする)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物(固形分)の質量を秤量し(Ygとする)、下記式(III)により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y/X)×100 (III)
pHメーター(堀場製作所製F−21)を用いて、pH7及びpH9の標準緩衝液(ナカライテスク製)により校正した後、測定温度25℃で水性分散体のpHを測定した。
水性分散体を0.1%に水で希釈し、日機装製、MICROTRAC UPA(モデル9340−UPA)を用いて体積平均粒径を測定した。
50mlのガラス製サンプル瓶に、水性分散体30mlを入れ、25℃で1か月間静置した後の外観、および、状態の変化を目視にて観察し、下記の基準で水性分散体の安定性を評価した。
○:外観、状態に変化なし。
×:相分離、沈澱発生、ゲル状態が認められる。
厚み計(ユニオンツール社製、MICROFINE)を用いて、基材の厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いて基材上に樹脂被膜を形成した後、この樹脂被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差を樹脂被膜の厚さとした。
水性分散体を、二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ38μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータNo.542−AB型、バーコータ装着)を用いてコーティングした後、60℃に設定された熱風乾燥機中で1分間乾燥させることにより膜厚が3μmの樹脂被膜を形成した。樹脂被膜を目視にて観察し、クラックなどが見られず、かつ透明な樹脂被膜を形成しているか否かにより以下のように分類し、造膜性を評価した。
○:クラックなどが見られず、かつ透明
×:クラックなどが見られる、および/または、不透明
前記(11)と同様に被膜を形成した。次いで、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅18mm)を、端部を残して樹脂被膜に貼りつけ、その上から消しゴムでこすって十分に接着させた後に、粘着テープの端部をフィルムに対して直角としてから瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製SYSTEM2000、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)で分析することにより、粘着テープ面に樹脂被膜が付着しているか否かにより以下のように分類し、密着性を評価した。
○:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められない。
×:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められる。
前記(11)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が3μmの樹脂被膜を形成した後、被膜形成面に別のPETフィルムを重ねた状態で500Paの荷重をかけ、38℃の雰囲気下で24時間放置後、25℃まで冷却した後、2枚のPETフィルムを手で剥がし、容易に剥がすことができるか否かにより下記のように分類し、耐ブロッキング性を評価した。
○:容易に剥がすことができ、全く融着跡が認められない。
×:剥がす際にかなりの抵抗があり、融着跡が認められる。
前記(11)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が3μmの樹脂被膜を形成した後、2枚の樹脂被膜形成PETフィルムを、被膜形成面同士が接触するように重ねて、130℃、0.1MPaの設定で、30秒間、ヒートプレス機で接着をおこなった。その後、幅25mm、長さ100mmの大きさに試験片を切り出し、24時間標準状態に放置した後、引張試験機(インテスコ株式会社製、インテスコ精密万能材料試験機2020型)をもちいて、引張速度50mm/分、引張角度180°、温度20℃で被膜の剥離強度を測定することで接着性を評価した。剥離強度3N/25mm以上が実用性のある強度である。
実施例、および比較例で用いたポリアリレート樹脂は、以下のようにして得た。
[ポリアリレート樹脂(A)/PA−1の製造例]
攪拌装置を備えた反応容器中に、BisSを7.39g、BisAFを9.93g、水酸化ナトリウム(以下、NaOHと表記する)を7.08g、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロリド(以下、TBBACと表記する)を2.45g仕込み、純水434mlに溶解して水相を調製した。また、別途、ジクロロメタン255mlに、芳香族ジカルボン酸として、TPAクロリド/IPAクロリド=50/50混合物を11.99g溶解して有機相を調製した。まず、400rpmの回転速度を保って水相を攪拌しながら、20ml/秒で有機相を徐々に滴下し、その後4時間攪拌を続けて界面重縮合をおこなった。攪拌中は15℃に保って重合した。4時間後、攪拌を停止し、静置した後に水相を分離、除去した。次に、有機相中に純水800mlと酢酸2mlを添加し、再び400rpmで30分攪拌した。30分後、攪拌停止、静置後に水相を除去した。残った有機相が中性になるまで、純水を添加して攪拌する洗浄操作を繰り返しおこなった後、有機相にジクロロメタン100mlを添加し、2μmφのフィルターを通して不溶物を除去し樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を、1500mlのメタノール中に、攪拌しながら徐々に添加して樹脂を沈澱させ、全量滴下後さらに30秒攪拌をおこなった。攪拌を停止して沈澱した樹脂を分離し、80℃、13Paで12時間減圧乾燥して、樹脂PA−1を得た。その結果を表1に示す。
重縮合の添加剤として、NaOHの量を11.81gに、TBBACの量を4.91gに変更すること以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−2を得た。その結果を表1に示す。
二価フェノール成分として、BisAFの量を5.96gに変更して、さらに、BisAを2.70g仕込むこと以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−3を得た。その結果を表1に示す。
芳香族ジカルボン酸成分として、TPAクロリド7.19gと、IPAクロリド4.80gとを、有機相中に仕込むこと以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−4を得た。その結果を表1に示す。
芳香族ジカルボン酸成分として、TPAクロリドを2.40gと、IPAクロリドに変更して、さらにセバシン酸クロリドを8.47g、それぞれ有機相中に仕込むことと、重縮合の添加剤として、NaOHの量を11.81gに、TBBACの量を4.91gに変更すること以外は、PA−1と同様の方法で、PA−5を得た。その結果を表1に示す。
重縮合の添加剤として、NaOHの量を5.43gに、TBBACの量を0.25gに変更して、さらに、PTBPを0.71g仕込み、重縮合の時間を2時間に変更したこと以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−6を得た。その結果を表1に示す。
二価フェノール成分として、BisAFの量を0gに変更して、さらに、BisAを6.74g仕込むこと以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−7を得た。その結果を表1に示す。
芳香族ジカルボン酸成分として、TPAクロリド9.59gと、IPAクロリド2.40gとを、有機相中に仕込むこと以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−8を得た。その結果を表1に示す。
重縮合の添加剤として、水酸化ナトリウムの量を18.90gに、TBBACの量を9.82gに変更し、重縮合の時間を6時間に変更すること以外は、PA−1と同様の方法で、樹脂PA−9を得た。その結果を表1に示す。
実施例、および比較例で用いたポリアリレート樹脂(A)水性分散体は、以下のようにして得た。
ジャケット付きガラス容器に、PA−1を150gとMEKを350g投入し、ジャケットに60℃の温水を通して加熱しながら、攪拌機(東京理化器械社製、MAZELA1000)を用いて攪拌することにより、完全にPA−1をMEKに溶解させ、固形分濃度30質量%の樹脂溶液500gを得た。つぎに、ジャケットに冷水を通して系内温度を13℃に保ち、回転速度600rpmで攪拌しながら、塩基性化合物としてトリエチルアミン2.64gを添加し、続いて100g/minの速度で13℃の蒸留水を471.2g添加して転相乳化をおこなった。ついで、得られた水性分散体のうち、800gを1lのフラスコに入れ、常圧下で蒸留をおこなうことで有機溶剤を留去した。蒸留は留去量が402.5gになったところで終了し、室温まで冷却後、得られた水性分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.7gを添加した。その後、1000メッシュのステンレス製フィルターで濾過し、濾液の固形分濃度を測定すると31.0質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し固形分濃度を30質量%に調整し、水性分散体EA−1を得た。結果を表2に示す。
樹脂としてPA−2を使用し、トリエチルアミンの量を3.52gに、蒸留水の量を470.4gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EA−2を得た。その結果を表2に示す。
樹脂としてPA−3を使用すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EA−3を得た。その結果を表2に示す。
樹脂としてPA−4を使用すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EA−4を得た。その結果を表2に示す。
樹脂としてPA−5を使用し、トリエチルアミンの量を3.52gに、蒸留水の量を470.4gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EA−5を得た。その結果を表2に示す。
樹脂としてPA−6を使用し、EA−1と同様の方法で、PA−6の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、転相乳化工程中に樹脂が凝集をしてしまうため、分散させることはできず、水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂としてPA−7を使用し、EA−1と同様の方法で、PA−7の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、PA−7は、既述の有機溶剤(イ)に溶解しないため、水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂としてPA−8を使用し、EA−1と同様の方法で、PA−8の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、PA−8は、既述の有機溶剤(イ)に溶解しないため、水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂としてPA−9を使用し、トリエチルアミンの量を6.76gに、蒸留水の量を467.1gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EA−9を得た。その結果を表2に示す。
樹脂を溶解するための有機溶剤をN−メチルピロリドンに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、PA−1の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、脱溶剤工程でN−メチルピロリドンを留去することができずに、脱溶剤工程中に内容物が凝固してしまい、安定な水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂を溶解するための有機溶剤をトルエンに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、PA−1の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、転相乳化工程中に内容液が凝固してしまい、均一な水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂を溶解するための有機溶剤をイソプロピルアルコールに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、PA−1の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、イソプロピルアルコールは、PA−1を溶解させることができないため、水性分散体を得ることはできなかった。
実施例、および比較例で用いたポリエステル樹脂は、以下のようにして得た。
テレフタル酸149.5g、イソフタル酸37.4g、セバシン酸75.8g、エチレングリコール63.3g、ネオペンチルグリコール100.0gからなる混合物をオートクレーブ中で、250℃で4時間加熱してエステル化反応をおこなった。次いで、触媒として酢酸亜鉛二水和物0.2gを添加した後、系の温度を270℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、4時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、265℃になったところで、解重合剤として、無水トリメリット酸2.3gを添加し、265℃で2時間攪拌して解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状の樹脂PB−1を得た。その結果を表3に示す。
仕込む原料を、テレフタル酸149.5g、イソフタル酸24.9g、セバシン酸90.8g、エチレングリコール66.1g、ネオペンチルグリコール89.1gに、解重合剤を無水トリメリット酸2.3gに変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、シート状に樹脂PB−2を得た。その結果を表3に示す。
仕込む原料を、テレフタル酸55.8g、イソフタル酸67.8g、セバシン酸92.2g、1,4−ブタンジオール131.9gに、触媒をテトラ−n−ブチルチタネート0.1gに、解重合剤を無水トリメリット酸2.1gに変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、シート状に樹脂PB−3を得た。その結果を表3に示す。
仕込む原料を、テレフタル酸91.4g、イソフタル酸91.4g、エチレングリコール66.9g、ネオペンチルグリコール59.6g、ポリテトラフラン1000(ポリテトラメチレングリコール)49.5gに、触媒をテトラ−n−ブチルチタネート0.6gに、解重合剤をトリメリット酸1.4gに変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、シート状に樹脂PB−4を得た。その結果を表3に示す。
仕込む原料を、テレフタル酸90.7g、イソフタル酸90.7g、アジピン酸30.4g、エチレングリコール57.3g、ネオペンチルグリコール77.2gに、解重合剤を無水トリメリット酸2.0gに変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、シート状に樹脂PB−5を得た。その結果を表3に示す。
解重合剤を無水トリメリット酸2.0gとイソフタル酸6.5gの混合物に変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、フレーク状に樹脂PB−6を得た。その結果を表3に示す。
仕込む原料を、テレフタル酸129.6g、イソフタル酸21.6g、セバシン酸78.8g、エチレングリコール57.3g、ネオペンチルグリコール77.2gに変更し、重合条件を表3に示すとおりに変更すること以外は、PB−1と同様の方法で、シート状に樹脂PB−7を得た。その結果を表3に示す。
実施例、および比較例で用いたポリエステル樹脂(B)水性分散体は、以下のようにして得た。
樹脂としてPB−1を使用し、トリエチルアミンの量を9.09gに、蒸留水の量を464.8gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−1を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−2を使用し、トリエチルアミンの量を10.71gに、蒸留水の量を463.2gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−2を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−3を使用し、トリエチルアミンの量を24.35gに、蒸留水の量を449.5gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−3を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−4を使用し、トリエチルアミンの量を4.38gに、蒸留水の量を469.5gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−4を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−5を使用し、トリエチルアミンの量を4.87gに、蒸留水の量を469.0gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−5を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−6を使用し、トリエチルアミンの量を5.95gに、蒸留水の量を467.9gに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−6を得た。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−7を使用し、EA−1と同様の方法で、PB−7の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、転相乳化工程中に樹脂が凝集をしてしまうため、分散させることはできず、水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂としてPB−1を使用し、樹脂を溶解するための有機溶剤をN−メチルピロリドンに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、水性分散体EB−8を得た。しかしながら、N−メチルピロリドンを完全に留去することはできず、EB−8は非常に安定性の乏しいものとなった。その結果を表4に示す。
樹脂としてPB−1を使用し、樹脂を溶解するための有機溶剤をトルエンに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、PB−1の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、転相乳化工程中に内容液が凝固してしまい、均一な水性分散体を得ることはできなかった。
樹脂としてPB−1を使用し、樹脂を溶解するための有機溶剤をイソプロピルアルコールに変更すること以外は、EA−1と同様の方法で、PB−1の水性分散体の製造を試みた。しかしながら、イソプロピルアルコールは、PB−1を溶解させることができないため、水性分散体を得ることはできなかった。
ポリアリレート樹脂(A)水性分散体としてEA−1を、ポリエステル樹脂(B)水性分散体としてEB−1を用い、225mlガラス容器に、EA−1を15g、EB−1を85g仕込み、室温下で5分間攪拌することで、水性分散体混合物M−1を得た。
表5に示す、ポリアリレート樹脂(A)分散体とポリエステル樹脂(B)水性分散体の配合にした以外は、実施例1と同様の方法で、水性分散体混合物を得て、各種評価をおこなった。結果を表5に示す。
水性分散体混合物の代わりに、表5に示す、ポリアリレート樹脂(A)水性分散体、または、ポリエステル樹脂(B)水性分散体を単独で使用する以外は、実施例1と同様の方法で、各種評価をおこなった。結果を表5に示す。
表5に示す、ポリアリレート樹脂(A)分散体とポリエステル樹脂(B)水性分散体の配合にした以外は、実施例1と同様の方法で、水性分散体混合物を得て、各種評価をおこなった。結果を表5に示す。
EA−6は既述のとおり、転相乳化工程中に樹脂が凝集をしてしまうため、水性分散体を得ることができなかった。
EA−7、および、EA−8は、既述のとおり、樹脂が有機溶剤(イ)に溶解しないため、水性分散体を得ることはできなかった。
EA−10は、既述のとおり、脱溶剤工程中に内容物が凝固してしまい、安定な水性分散体を得ることはできなかった。
EA−11は、既述のとおり、転相乳化工程中に内容液が凝固してしまい、均一な水性分散体を得ることはできなかった。
EA−12は、既述のとおり、樹脂を溶解させることができないため、水性分散体を得ることはできなかった。
EB−7は、既述のとおり、転相乳化工程中に樹脂が凝集をしてしまうため、水性分散体を得ることができなかった。
EB−8は、既述のとおり、非常に安定性の乏しい水性分散体となり、樹脂被膜の評価はおこなうことができなかった。
EB−9は、既述のとおり、転相乳化工程中に内容液が凝固してしまい、均一な水性分散体を得ることはできなかった。
EB−10は、既述のとおり、樹脂を溶解させることができないため、水性分散体を得ることはできなかった。
Claims (4)
- ポリアリレート樹脂(A)からなるポリアリレート樹脂水性分散体、ポリエステル樹脂
(B)からなるポリエステル樹脂水性分散体を混合してなる水性分散体混合物であって、
含有するポリアリレート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)が下記要件(a)、(b)を満足し、(A)/(B)=5/95〜20/80(質量比)であることを特徴とする水性分散体混合物。
(a):ポリアリレート樹脂(A)が界面重縮合法で得られるものであり、芳香族ジカルボン酸成分と二価フェノール成分から構成され、重量平均分子量5000以上、酸価2mgKOH/g以上、ガラス転移温度100℃以上であるポリアリレート樹脂であり、前記芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=60/40〜40/60(モル比)、前記二価フェノール成分が、4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(BisAF)を20モル%以上含有する。
(b):ポリエステル樹脂(B)が重量平均分子量20,000以上、酸価2mgKOH/g以上、ガラス転移温度30℃以下であるポリエステル樹脂である。 - ポリアリレート樹脂水性分散体とポリエステル樹脂水性分散体を混合してなる水性分散体混合物の製造方法であって、前記ポリアリレート樹脂水性分散体が、ポリアリレート樹脂(A)を有機溶剤で溶解した後、塩基性化合物を加え、さらに、水を徐々に加えて、転相乳化して得られるものであり、ポリエステル樹脂水性分散体が、ポリエステル樹脂(B)を有機溶剤で溶解した後、塩基性化合物を加え、さらに、水を徐々に加えて、転相乳化して得られるものであることを特徴とする請求項1記載の水性分散体混合物の製造方法。
- ポリアリレート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)の各々を有機溶剤で溶解するに際し、温度を40℃以下に保った状態で、前記ポリアリレート樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)の各々を少なくとも10質量%以上溶解することができ、かつ沸点が150℃以下、水に対する溶解性が5g/L(20℃)以上である有機溶剤を用いることを特徴とする請求項2記載の水性分散体混合物の製造方法。
- 請求項1記載の水性分散体混合物から得られる樹脂被膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008233370A JP5166179B2 (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008233370A JP5166179B2 (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010065155A JP2010065155A (ja) | 2010-03-25 |
JP2010065155A5 JP2010065155A5 (ja) | 2011-11-10 |
JP5166179B2 true JP5166179B2 (ja) | 2013-03-21 |
Family
ID=42191016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008233370A Expired - Fee Related JP5166179B2 (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5166179B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106433023B (zh) * | 2015-08-13 | 2018-09-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 制备环氧树脂浇注干式变压器用弹性环氧树脂的方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5981337A (ja) * | 1982-11-01 | 1984-05-11 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 重合体のブレンド方法 |
JP2002226819A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-14 | Dainippon Ink & Chem Inc | 接着剤用球形ポリエステル樹脂粒子分散液 |
JP4746316B2 (ja) * | 2004-12-28 | 2011-08-10 | ユニチカ株式会社 | ポリエステル樹脂水性分散体およびその製造方法 |
CN101258199B (zh) * | 2005-09-06 | 2011-12-28 | 尤尼蒂卡株式会社 | 聚酯树脂水性分散体、由其获得的覆膜以及利用该覆膜的包装袋 |
-
2008
- 2008-09-11 JP JP2008233370A patent/JP5166179B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010065155A (ja) | 2010-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4852665B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体 | |
JP5290532B2 (ja) | ポリエステル樹脂水分散体混合物、およびその製造方法、それから得られる皮膜形成物ならびに該皮膜を利用した包装袋 | |
EP3676196A1 (en) | Use of a coating composition and method of coating a can | |
JP2006290959A (ja) | 被膜形成用ポリエステル樹脂 | |
JP6483585B2 (ja) | ポリアリレート樹脂 | |
TW200838893A (en) | Process for preparing soluble polymers with high conversion of acid from aromatic epoxy resins and diacids and process for preparing crosslinked coatings therefrom | |
JP2011184642A (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 | |
JP5166179B2 (ja) | 水性分散体混合物、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 | |
JP5420915B2 (ja) | ポリエステル樹脂塗布熱可塑性樹脂フィルム、およびそれを用いてなる包装袋 | |
JP5666919B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体およびその製造方法 | |
JP5241240B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体およびその製造方法 | |
JP6754119B2 (ja) | 樹脂組成物、それを用いた塗膜および積層体 | |
JP5415251B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 | |
JP5603138B2 (ja) | コーティング剤 | |
JP5290685B2 (ja) | ポリアリレート樹脂水性分散体、およびその製造方法、ならびにそれから得られる樹脂被膜 | |
JP2019119841A (ja) | 積層体 | |
JP2012041408A (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体 | |
JP7345172B2 (ja) | 樹脂組成物およびそのフィルム | |
JP5881499B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体、およびそれから得られるポリエステル樹脂被膜 | |
JP6735732B2 (ja) | ポリアリレート樹脂のワニス | |
JP5687017B2 (ja) | 被膜および積層体 | |
JP4708290B2 (ja) | ポリエステル樹脂水分散体、およびその製造方法、ならびにそれから得られる皮膜形成物 | |
JP2014031401A (ja) | ポリアリレート樹脂水性分散体 | |
JP5344874B2 (ja) | ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法 | |
JP2014234450A (ja) | 水性コーティング剤およびそれよりなる塗膜、ならびに積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110908 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120724 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120919 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121009 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121211 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5166179 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |