JP2021037873A - 車両用内装パネル - Google Patents

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一 高井
千春 戸谷
Chiharu Totani
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Abstract

【課題】発光体を覆う車両用内装パネルであって、意匠性の自由度が向上し、かつ、外観の美しさにも優れるものを提供すること。【解決手段】基体2と、接着剤層4を介して前記基体2の表面2fに接着された表皮体3と、を有し、前記基体2を発光体9に向けて前記発光体9を覆う車両用内装パネル1であって、前記基体2は、前記発光体9の光を前記基体2の厚さ方向に透過する透過部21を有し、前記表皮体3は、その厚さ方向全体に架け渡されている透明糸35を含むニット製であり、不透明糸36と前記透明糸35とを含み、前記基体2側に位置する第1領域31と、前記透明糸35を含み、前記第1領域31を挟んで前記基体2とは逆側に位置する第2領域32と、を有する、車両用内装パネル1。【選択図】図2

Description

本発明は、発光体を覆う車両用内装パネルに関する。
車両にはカーナビゲーションシステム、オーディオ装置、エアーコンディショナー等に代表される各種の車両搭載機器が搭載されている。そして車両室内には、当該車両搭載機器の操作部を照らしたり、何らかのサインや画像を表示したりするための発光体が配置される場合がある。
ところで近年、車両室内の意匠の一種として、断続のないシームレスな意匠が提案されている。しかし乍ら、上記の発光体を車両室内に露出させる場合には、当該発光体によって車両室内の意匠が途切れる虞がある。
例えば、光透過性を有する車両用内装パネルによって発光体の前面を覆えば、発光体の光によるサイン等の表示を行いつつ、車両室内にシームレスな意匠を付与することが可能になると考えられる。
つまり、車両用内装パネルを通じて発光体の光を車室内に導くことによって、当該車両用内装パネルの表面に発光体の光によるサイン等の表示を行うことができる。また、当該車両用内装パネルを発光体の周縁部分にも延在させたり、当該車両用内装パネルの隣に当該車両用内装パネルと意匠的な連続性を有する他の車両用内装パネルを配置したりすることによって、発光体によって生じる意匠の断続を緩和することができる。
この種の光透過性を有する車両用内装パネルとしては、特許文献1または特許文献2に紹介されているもののような、光透過性を有する基体と表皮体とを有するものを用いれば良いと考えられる。
具体的には、特許文献1には、光透過性を有する車両用内装パネルとして、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂製の基体に、表皮体を接着したものを用いる技術が紹介されている。
特許文献2には、光透過性を有する車両用内装パネルとして、基体に設けた開口部に光透過性を有するスイッチ本体を配設し、これらを表皮体で覆ったものを用いる技術が紹介されている。特許文献2においても、表皮体は基体やスイッチ本体に接着される旨が紹介されている。
特開2017−165100号公報 特開2019−127139号公報
特許文献1に紹介されている技術や特許文献2に紹介されている技術によると、車両室内に、表皮体の風合いを活かしたシームレスな意匠を付与することが可能になると考えられる。
ところで、この種の車両用内装パネルにおける表皮体は、光透過性を有することが要求される。特許文献1には表皮体として織布や不織布等を用い得る旨が記載され、特許文献2には表皮体として織目を有するポリエステル製の布を用い得る旨が記載されている。つまり特許文献1および特許文献2に紹介されている表皮体は、隙間を有するものである。
しかし、この種の表皮体を基体に接着する場合、例えば表皮体が過剰に密である場合等には、表皮体の光透過性が不十分となり、表皮体の表面に発光体の光によるサイン等を鮮明に表示できなくなる虞がある。つまりこの場合には、車両用内装パネルの外観の美しさが損なわれる虞がある。
その一方で、例えば表皮体が過剰に疎である場合等には、表皮体の光透過性は充分に得られるものの、表皮体の表面に接着剤が滲出する虞がある。したがって、この場合にも車両用内装パネルの外観の美しさが損なわれる虞がある。
さらに、例えば特許文献1には、表皮体を必要に応じて染色できる旨が記載されているが、濃色に染色すると表皮体の光透過性が損なわれるために、表皮体の色は、実質的に、淡色とせざるを得ない。
このように、光透過性を有する従来の車両用内装パネルにおいては、外観の美しさを確保するためには、表皮体の形状や構造、色等に大きな制約が生じ、その結果、意匠性の自由度に欠ける問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、意匠性の自由度が向上し、かつ、外観の美しさにも優れる車両用内装パネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の車両用内装パネルは、
基体と、接着剤層を介して前記基体の表面に接着された表皮体と、を有し、前記基体を発光体に向けて前記発光体を覆う車両用内装パネルであって、
前記基体は、前記発光体の光を前記基体の厚さ方向に透過する透過部を有し、
前記表皮体は、
その厚さ方向全体に架け渡されている透明糸を含むニット製であり、
不透明糸と前記透明糸とを含み、前記基体側に位置する第1領域と、
前記透明糸を含み、前記第1領域を挟んで前記基体とは逆側に位置する第2領域と、を有する、車両用内装パネルである。
本発明の車両用内装パネルは、意匠性の自由度が向上し、かつ、外観の美しさにも優れる。
実施例1の車両用内装パネルにおける基体および表皮体を模式的に表す説明図である。 実施例1の車両用内装パネルの断面を模式的に表す説明図である。 実施例1の車両用内装パネルにおける表皮体の断面を模式的に表す説明図である。 実施例1の車両用内装パネルにおける表皮体を製造する方法を模式的に説明する説明図である。
以下、本発明の車両用内装パネルを具体的に説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明の車両用内装パネルは、基体と、接着剤層を介して当該基体の表面に接着された表皮体と、を有し、このうち基体を発光体に向けて発光体を覆う。
本発明の車両用内装パネルにおける基体は、発光体の光を基体の厚さ方向に透過する透過部を有する。また、表皮体は、その厚さ方向全体に架け渡されている透明糸を含むニット製である。このため、発光体が出射した光は、基体の透過部を基体の厚さ方向に透過して表皮体に到達し、透明糸を通じて表皮体を厚さ方向に進み、表皮体の表面に到達する。したがって、本発明の車両用内装パネルは光透過性を発揮し、発光体の光によるサイン等の表示を行い得る。
また、既述したように、発光体が出射した光は透明糸を通じて表皮体を厚さ方向に進むため、表皮体は光を透過するための隙間を特に必要としない。このため本発明の車両用内装パネルにおける表皮体は、充分な光透過性を確保しつつ、その表面に接着剤が滲出しない程度に密にすることができる。そして、このような表皮体を有する本発明の車両用内装パネルもまた、上記したように光透過性を発揮し、かつ、外観の美しさにも優れる。
加えて、本発明の車両用内装パネルの表皮体において、基体側に位置する第1領域は、透明糸だけでなく不透明糸を含む。本発明の車両用内装パネルの表皮体においては透明糸が光透過性を担うために、不透明糸についてはその光透過性は特に問われない。つまり、当該不透明糸は淡色であっても良いが、光透過性に劣る濃色であっても良い。
一方、第2領域については、透明糸を含みさえすれば、その形状や構造、色等に大きな制約はない。
このように、本発明の車両用内装パネルは意匠性の自由度に優れる表皮体を有し、その結果、車両用内装パネル自体もまた意匠性の自由度に優れる。
以下、本発明の車両用内装パネルを構成要素毎に説明する。
本発明の車両用内装パネルにおける基体は、発光体の光を基体の厚さ方向に透過する部分、すなわち透過部を有すれば良く、基体の一部のみが透過部であっても良いし、基体の全体が透過部であっても良い。
例えば、光透過性を有する材料によって基体の一部または全体を形成し、当該光透過性を有する材料で形成した部分を透過部としても良い。或いは、光透過性を有さない材料で形成した基体に、その厚さ方向に貫通する孔を設けて、当該貫通孔を透過部としても良い。更には、光透過性を有する材料で当該貫通孔を埋めるか、または当該貫通孔を覆い、以て透過部としても良い。
光透過性を有する材料としては、具体的には、380nm〜780nmの可視光線を透過する材料を用いれば良い。透過部の可視光透過率の好ましい範囲として、40%以上、50%以上、70%以上の各範囲が例示される。可視光透過率の測定は、一般的な方法により行うことができ、例えば、JIS S 3107:2013に基づいて測定することができる。
透過部に用いられる光透過性を有する材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリルの一種であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)等に代表される透明樹脂が好ましく用いられる。なお、光透過性を有する材料で基体の全体を構成する場合、当該光透過性有する材料として、これらの透明樹脂にガラス繊維等を配合した繊維強化樹脂を用いるのも好ましい。
基体の厚さは、基体に要求される剛性、強度等に応じて適宜設定すれば良い。基体が透過部以外の部分、つまり、光透過性のない部分を有する場合、当該光透過性のない部分の材料としては、例えば、上記の透明樹脂に着色顔料や不透明なフィラー等を混合したものを用いても良いし、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)等の不透明な樹脂を用いても良い。
表皮体は、その厚さ方向において、基体側の領域である第1領域と、当該基体とは逆側に位置する領域である第2領域と、の2つの領域を有する。また表皮体は、その厚さ方向全体に架け渡されている透明糸を含むニットである。「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」とは、透明糸が厚さ方向に連続的に編まれたニットであることを意味する。上記の第1領域および第2領域を有するニットのうち、複数のニット地が透明糸で綴じ合わされたものは「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」に該当するが、複数のニット地が接着された所謂ボンディングニットは「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」には該当しない。「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」の具体例としては、ダブルラッセル編地、ダブルトリコット編地、パイル編地(またはループ編み地ともいう)等が挙げられる。
上記の各「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」は、そのままの状態で表皮体として用いても良いし、適宜裁断等により整形したものを表皮体として用いても良い。
例えば、表皮体としては、ダブルラッセル編地を厚さ方向に半裁したものを用いても良いし、パイル編地のループをカットしたものを用いても良い。「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」を整形したニットもまた「透明糸が厚さ方向に全体に架け渡されているニット」に該当する。このように整形されたニットを用いることで、表皮体に優れた外観や感触を付与することができる。
表皮体における透明糸は、表皮体の光透過性に寄与する。このため、透明糸は光透過性を有すれば良い。つまり当該透明糸は、完全に透明であるものに限定されず、有色であっても良いし、半透明であっても良い。透明糸は、380nm〜780nmの可視光線を透過するものであり、透明糸の可視光透過率の好ましい範囲として、40%以上、50%以上、70%以上の各範囲が例示される。
なお、透明糸の材料としては、ポリエチレンテレフタレートやアクリル等の合成繊維を例示できる。
ところで、本発明の車両用内装パネルにおける表皮体では、第1領域は透明糸と不透明糸とを含み、第2領域は透明糸を含む。
第1領域に含まれる不透明糸としては、光透過性の低いものを用いれば良い。つまり当該不透明糸は、完全に不透明であるものに限定されず、僅かに光を通しても良い。不透明糸は、380nm〜780nmの可視光線の大部分を遮断し得るものであり、不透明糸の可視光透過率の好ましい範囲として、20%以下、10%以下、5%以下の各範囲が例示される。
不透明糸の材料は特に限定されず、天然繊維を用いても良いし合成繊維を用いても良い。更には、上記した透明糸の材料に適宜顔料を配合したものを用いても良い。
第1領域に含まれる透明糸および不透明糸はそれぞれ1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
第1領域に含まれる透明糸と不透明糸との比率は特に限定しないが、発光体に由来する光を表皮体の表面に充分に導き、かつ、不透明糸に由来する風合いを充分に発揮するためには、透明糸と不透明糸との比率が、体積比で、1:99〜70:30の範囲内であるのが好ましく、3:97〜50:50の範囲内であるのがより好ましく、5:95〜40:60の範囲内であるのが特に好ましい。
第2領域は、透明糸を含めば良く、その他、不透明糸を含んでも良い。透明糸および不透明糸については上記したとおりである。第2領域に含まれる透明糸もまた1種類であっても良いし、2種以上の複数種であっても良い。第2領域に不透明糸が含まれる場合、当該不透明糸もまた1種類であっても良いし、2種以上の複数種であっても良い。
第2領域が透明糸および不透明糸を含む場合、両者の比率は特に限定しないが、第1領域と第2領域とに異なる意匠性を付与し、以て表皮体にさらに優れた意匠性すなわち外観の美しさを付与する為には、第2領域は透明糸を不透明糸よりも多く含むのが好ましい。第2領域における透明糸と不透明糸との比率は、体積比で、95:5〜40:60の範囲内であるのが好ましく、95:5〜50:50の範囲内であるのがより好ましく、95:5〜70:30の範囲内であるのが特に好ましい。
本発明の車両用内装パネルの表皮体における第1領域は、第2領域に比べて密であるのが好ましい。これは以下の理由による。
本発明の車両用内装パネルの表皮体において、第1領域は基体側に位置し、第2領域は当該第1領域を挟んで基体とは逆側に位置する。つまり、基体に接着された表皮体のうち、第1領域は接着剤層に隣接し、第2領域と接着剤層との間には第1領域が介在する。このような第1領域が密であれば、表皮体と基体とを接着する際に、硬化前の接着剤、つまり、流動状態にある接着剤の通過を第1領域によって阻むことが可能である。そしてその結果、基体と表皮体とを接着する際に、流動状態にある接着剤が第1領域よりも疎である第2領域にまで到達し難くなり、表皮体の表面への接着剤の滲出が抑制される。
さらにこの場合には、表皮体のうち車両室内に露出する部分である第2領域が、第1領域よりも疎であるため、本発明の車両用内装パネルには、当該第2領域に由来する風合いが付加される。このことにより、本発明の車両用内装パネルの外観の美しさをより一層向上させることが可能である。
第1領域および第2領域の疎および密は、既知の方法で表現できる。例えば、当該疎および密は、密度や空隙率で表現することもできる。疎および密を空隙率で表す場合、当該空隙率は第1領域および第2領域の体積あたりの空隙率であっても良いし、第1領域および第2領域の断面積あたりの空隙率であっても良い。ここでいう断面積とは、表皮体を厚さ方向すなわち第1領域−第2領域方向に切断した断面における第1領域および第2領域の面積を意味し、その空隙率は画像解析により算出できる。なお、ニットの糸として撚糸を用いる場合、当該断面積あたりの空隙率における空隙には、糸の内部に存在する空隙も含まれる。
断面積あたりの空隙率で例示すると、第2領域の空隙率は、第1領域の空隙率の1.2倍以上であるのが好ましく、1.5倍以上であるのがより好ましく、2倍以上であるのが特に好ましい。また、第1領域の空隙率は、60面積%以下であるのが好ましく、50面積%以下であるのがより好ましく、30面積%以下であるのが特に好ましい。第1領域の空隙率には特に下限はないが、表皮体がニットであることを考慮すると、10面積%以上であるのが現実的である。
表皮体は、第1領域および第2領域以外の領域を有しても良い。例えば、第2領域を挟んだ第1領域の反対側に、第2領域よりも密な第3領域を有しても良い。このような場合にも、透明糸は、表皮体の厚さ方向全体に架け渡される。したがって、例えば上記した第3領域もまた透明糸を含む。第3領域は透明糸を含めば良く、不透明糸を含んでも良い。
基体と表皮体とを接着する接着剤は特に限定されず、基体や表皮体の材料に応じて適宜適切に選択すれば良い。
本発明の車両用内装パネルに好ましく使用される接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤等の反応系接着剤、ビニル樹脂系接着剤、スチレン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等の溶剤系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、変性シリコーン系接着剤等を例示できる。
接着剤層は、基体と表皮体との間の全体に介在しても良いが、基体と表皮体との間には部分的に接着剤層の存在しない領域があっても良い。例えば、接着剤層は、基体のうち透過部以外の部分と表皮体との間にのみ介在しても良い。
接着剤層が基体と表皮体との間の全体に介在する場合、接着剤層は発光体の表側にも配置される。この場合、接着剤層にもまたある程度の光透過性が要求される。この場合における接着剤層の可視光透過率の好ましい範囲としては、40%以上、50%以上、70%以上の各範囲が例示される。上記した各接着剤は、何れも、当該可視光透過率の好ましい範囲を満足するものを含む。
ここで、接着剤のなかには、耐久劣化して黄変するものがある。基体と表皮体との間に形成された接着剤層が黄変し、その色が表皮体をとおしてユーザーに視認されると、強度等に実質的な影響がなくても、車両用内装パネルが劣化しその外観の美しさが損なわれたとユーザーに認識される虞がある。
これに対して、初めから接着剤層が黄色であれば、ユーザーが接着剤層の黄変を知覚し難くなり、車両用内装パネルが劣化したとユーザーに誤認識されることもないと考えられる。したがって、接着剤層の色は黄色であるのが好ましい。
黄色の接着剤を使用することで接着剤層を黄色としても良いし、黄色以外の色を呈する接着剤に黄色の顔料を加えて使用することで接着剤層を黄色としても良い。
なお、ここでいう黄色とは、純粋な黄色のみを差すものではなく、所謂黄色みを帯びた色全般を含む概念であり、マンセル表色系ではGY、Y、YRに属する色を意味する。
以下、黄色の具体例を列挙する。
マンセル表色系の2.5YR、5YRまたは7.5YRについては、明度c2の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v4であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
10YRについては、明度c2の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
2.5Yについては、明度c2の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v4であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
5Yまたは7.5Yについては、明度c2の場合には彩度v9〜v7であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v4であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
10Yについては、明度c2の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
2.5GYについては、明度c2の場合には彩度v9〜v7であるのが好ましく、明度c4または明度c6の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
5GYについては、明度c2の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c4の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c6の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c8以上の場合には彩度を問わない。
7.5GYについては、明度c2の場合には彩度v9〜v7であるのが好ましく、明度c4またはc6の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c8の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c10以上の場合には彩度を問わない。
10GYについては、明度c2の場合には彩度v9〜v7であるのが好ましく、明度c4の場合には彩度v9〜v5であるのが好ましく、明度c6の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c8またはc10の場合には彩度v9〜v6であるのが好ましく、明度c12以上の場合には彩度を問わない。
以下、具体例を挙げて本発明の車両用内装パネルを説明する。
(実施例1)
実施例1の車両用内装パネルは、インストルメントパネルである。
実施例1の車両用内装パネルにおける基体および表皮体を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例1の車両用内装パネルの断面を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例1の車両用内装パネルにおける表皮体の断面を模式的に表す説明図を図3に示す。実施例1の車両用内装パネルにおける表皮体を製造する方法を模式的に説明する説明図を図4に示す。
以下、実施例1において上、下、左、右、裏、表とは、図1に示す上、下、左、右、裏、表を意味する。
図1に示すように、実施例1の車両用内装パネル1は、基体2と表皮体3を有する。当該車両用内装パネル1は、光源90および導光体91を含む発光体9の表側に配置され、当該発光体9を表側から覆う。
車両用内装パネル1は、基体2を発光体9に向け、表皮体3の表面3fを車室内に露出する。
基体2は、基部20および透過部21を有する。基部20は不透明樹脂であるABS製であり、図1中の上下方向および左右方向に延びる略板状をなす。
基部20にはその厚さ方向すなわち表裏方向に延びる貫通孔25が設けられている。当該貫通孔25は、透明樹脂であるPC製の透明部材26で埋められている。
実施例1の車両用内装パネル1においては、基部20に設けられた貫通孔25と当該貫通孔25を埋める透明部材26とによって、透過部21が構成されている。
透過部21は、発光体9における導光体91に対面する。
図3に示すように、表皮体3は透明糸35としてPET繊維からなる撚糸を用い、不透明糸36として濃色のポリエステル繊維からなる撚糸を用いたニット地である。透明糸35の可視光透過率は70%以上であり、不透明糸36の可視光透過率は5%以下である。
表皮体3は、第1領域31と第2領域32とで構成されている。第1領域31は第2領域32よりも密であり、第1領域31の断面積あたりの空隙率は約30面積%であり、第2領域32の断面積あたりの空隙率は約70面積%である。したがって、第2領域32の断面積あたりの空隙率は、第1領域31の断面積あたりの空隙率の約2.3倍である。
表皮体3は、ダブルラッセル編地を厚さ方向に半裁したものである。
ダブルラッセル編地の原反は、図4に示すように、2つの密な領域と、当該2つの密な領域の間に挟まれる疎な領域との3つの領域で構成される。2つの密な領域を各々I領域38、III領域39と称し、当該I領域38とIII領域39との間にある疎な領域をII領域37と称する。II領域37を構成する透明糸35は、II領域37のみならずI領域38およびIII領域39にも架け渡されている。I領域38およびIII領域39は、当該透明糸35と不透明糸36とで構成されている。I領域38およびIII領域39において、透明糸35と不透明糸36との比率は、体積比で、10:90である。II領域37は透明糸35のみで構成されている。
このようなダブルラッセル編地を厚さ方向に半裁すると、II領域37の1/2およびI領域38を有する半裁編地と、II領域37の1/2およびIII領域39を有する半裁編地とが得られる。このような半裁編地は、II領域37の1/2からなる第2領域32と、I領域38またはIII領域39からなる第1領域31とを有する表皮体3となる。
表皮体3は基体2の表面2fに接着される。これにより、基体2と表皮体3との間には接着剤層4が介在する。実施例1の車両用内装パネル1においては、接着剤層4は基体2と表皮体3との間の全体に形成される。実施例1の車両用内装パネル1では、接着剤として黄色のエポキシ樹脂系接着剤を用いた。
基体2の裏側には発光体9が配置される。図1に示すように、発光体9は光源90および導光体91を有し、光源90は導光体91における右側の端面に対面する。光源90はリード線92を介して図略の電源に接続される。
図2に示すように、発光体9における光源90および導光体91は、ホルダ80に保持され、基体2の裏側に配置される。
光源90が照射し導光体91を通過した光は、基体2の透過部21を通じて当該基体2を厚さ方向に透過し、接着剤層4に入射する。そして、当該接着剤層4を通って表皮体3に到達する。表皮体3に到達した光は、表皮体3の透明糸35を通って表皮体3の第1領域31から第2領域32に向けて進み、表皮体3の表面3fを経て実施例1の車両用内装パネル1よりも表側、すなわち、車両室内に出射する。
実施例1の車両用内装パネル1では、発光体9の光が透明糸35を通って表皮体3を厚さ方向に通過する。このため、表皮体3は、第1領域31に濃色の不透明糸36を有するものの、発光体9に由来する光を充分に透過でき、発光体9に由来するサインや画像等を鮮明に表示できる。つまり、実施例1の車両用内装パネル1は意匠性の自由度に優れる。
また、表皮体3の表側に位置する第2領域32は透明糸35に由来して透明であるものの、当該第2領域32の裏側にある第1領域31は濃色の不透明糸36に由来して濃色である。このため表皮体3にはその厚さ方向に色の勾配が生じ、その結果、表皮体3は奥行きのある意匠を表示する。このことによっても、実施例1の車両用内装パネル1は外観の美しさに優れる。
ここで、表皮体3は流体状の接着剤の通過を阻み得る程度に密である。具体的には、表皮体3のうち接着剤層4側の領域である第1領域31は、接着剤層4とは逆側の領域である第2領域32に比べて密である。このため基体2と表皮体3とを接着する際には、接着剤は第1領域31に留まり、第2領域32にまでは到達し難い。このため、実施例1の車両用内装パネル1では、表皮体3の表面3fへの接着剤の滲出が抑制される。このことによっても、実施例1の車両用内装パネル1は外観の美しさに優れる。
さらに、実施例1の車両用内装パネル1における接着剤層4は黄色であるため、接着剤層4の耐久劣化による黄ばみが目立ち難く、外観の美しさが長期間維持される利点もある。
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
1:車両用内装パネル 2:基体
2f:基体の表面 21:透過部
3:表皮体 3f:表皮体の表面
31:第1領域 32:第2領域
35:透明糸 36:不透明糸
4:接着剤層 9:発光体

Claims (4)

  1. 基体と、接着剤層を介して前記基体の表面に接着された表皮体と、を有し、前記基体を発光体に向けて前記発光体を覆う車両用内装パネルであって、
    前記基体は、前記発光体の光を前記基体の厚さ方向に透過する透過部を有し、
    前記表皮体は、
    その厚さ方向全体に架け渡されている透明糸を含むニット製であり、
    不透明糸と前記透明糸とを含み、前記基体側に位置する第1領域と、
    前記透明糸を含み、前記第1領域を挟んで前記基体とは逆側に位置する第2領域と、を有する、車両用内装パネル。
  2. 前記第1領域は、前記第2領域に比べて密である、請求項1に記載の車両用内装パネル。
  3. 前記表皮体は、ダブルラッセル編地を厚さ方向に半裁したものである、請求項1または請求項2に記載の車両用内装パネル。
  4. 前記接着剤層は黄色である、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両用内装パネル。
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