JP2021036843A - 活魚の血抜き方法及びそれに用いる血抜き装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活魚の血抜き方法は、下記の工程を含む。
(a)活魚を悩殺することによって前記活魚を即死状態にする工程
(b)前記活魚の尾を、神経孔が露出するまで切断する工程
(c)前記活魚の脳髄から神経までを吸引する工程
(d)前記活魚の鰓を切断して放血させる工程
(e)前記鰓の切断面の血栓化を阻止して放血を促す工程
【選択図】図3
Description
活魚の血抜きに関しては、例えば、特許文献1に開示されているように、活魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚の鰓(エラ)に向けて新鮮な水を供給し、鰓に水を通過させることで、活かしながら血管を切断して血抜きを行うようにした技術が知られている。
また、特許文献1に開示された活魚の血抜き方法は、活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばすものであるため、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまう虞がある。その結果、美味しい刺身を提供することが困難となる。
(1)下記の工程を含むことを特徴とする。
(a)活魚を悩殺することによって前記活魚を即死状態にする工程
(b)前記活魚の尾を、神経孔が露出するまで切断する工程
(c)前記活魚の脳髄から神経までを吸引する工程
(d)前記活魚の鰓を切断して放血させる工程
(e)前記鰓の切断面の血栓化を阻止して放血を促す工程
すなわち、上記(b)の工程を含むことにより、上記(c)の工程を行うための空気孔が確保される。
また、上記(c)の工程を含むことにより、活魚は動かなくなって、半身不随と同じ状態となる。このため、エネルギーの消費が減り、乳酸が溜まらなくなり、体の酸化が防止される。また、活魚の神経等を取り出すのに、神経等のある場所で活魚の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
また、上記(d),(e)の工程を含むことにより、心臓のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚の外に出るようになり、活魚からほぼ完全に血抜きができるようになる。また、動脈のある場所で活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
(f)前記尾を、動脈が露出するまで切断する工程
(g)前記尾の切断面から、残った血液を吸引する工程
(3)吸引器と、
前記吸引器の可撓性を有する吸引チューブの先端部に設けられ、活魚を悩殺し、かつ、前記活魚の脳髄から神経までを吸引するために用いられる悩殺・吸引部と、
前記吸引器の排気口に連結して設けられ、前記活魚の切断面の血栓化を阻止するために用いられる血栓化阻止部とを備えたことを特徴とする。
すなわち、吸引器の可撓性を有する吸引チューブの先端部に設けられ、活魚を悩殺し、かつ、前記活魚の脳髄から神経までを吸引するために用いられる悩殺・吸引部を備えることにより、活魚の悩殺と神経等の吸引を、悩殺・吸引部だけで行うことができるので、活魚の血抜き作業の効率化を図ることができる。また、活魚の神経等を取り出すのに、神経等のある場所で活魚の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
また、吸引器の排気口に連結して設けられ、前記活魚の切断面の血栓化を阻止するために用いられる血栓化阻止部を備えることにより、活魚の切断面の血栓化が阻止され、心臓のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚の外に出るようになり、活魚から完全に血抜きができるようになる。また、動脈のある場所で活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
互いに連通するように略T字に連結された第1及び第2の中空パイプと、前記第1の中空パイプの基端部に設けられた、前記吸引チューブの先端部に接続するための接続部と、前記第2の中空パイプの先端部に形成された尖端部と、からなり、
前記第1の中空パイプの先端部は開口している。
前記吸引器の排気口に連結される、可撓性を有するチューブと、前記チューブの先端部に設けられる泡発生部と、からなり、
前記泡発生部には、複数の小孔が形成されている。
まず、本発明の一実施形態における活魚の血抜き方法に用いる血抜き装置の構成について、図1,図2を参照しながら説明する。
吸引器2としては、例えば、異物(医療用器具等)を誤飲した際に当該異物を取り除くために使用される医療用吸引器を用いることができ、吸引力を抵抗に応じて変更できるようにしたものであることが好ましい。
悩殺・吸引アタッチメント5は、例えば、活魚3の延髄4に突き刺して(悩殺)、活魚3を即死状態にするとともに、活魚3の脳髄から神経(脊髄)9までを吸引するために用いられるものである(図4を参照)。
血栓化阻止アタッチメント7は、活魚3の鰓(エラ)6の上に静置され、泡を発生させて鰓6の切断面の血栓化を阻止するために用いられるものである(図5を参照)。
吸引チューブ2aは、可撓性を有するゴム管からなっている。
かかる構成によれば、活魚3の悩殺と神経9等の吸引を、吸引器2の吸引チューブ2aの先端部に取り付けられる悩殺・吸引アタッチメント5だけで行うことができるので、活魚3の血抜き作業の効率化を図ることができる。また、活魚3の脳髄から神経9までを取り出すのに、神経9等のある場所で活魚3の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚3の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
悩殺・吸引アタッチメント5は、例えば、活魚3の延髄4に突き刺すとともに、血抜き後食することになる活魚3を取り扱うものであるため、硬度が高く、錆びにくい性質を有するステンレス鋼で形成されている。
かかる構成によれば、泡発生部7bを活魚の鰓6の上に静置し、吸引器2の排気口2bからの排気を利用して、活魚3の鰓6部分に泡を発生させ、当該鰓6の切断面の血栓化を阻止することができる。これにより、心臓10のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚3の外に出るようになり、活魚3から完全に血抜きができるようになる。また、このような血栓化阻止アタッチメント7を備えた血抜き装置1を用いれば、従来のように、動脈11のある場所で活魚3の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚3の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚3の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
かかる構成によれば、泡発生部7bの刃7eで活魚3の鰓6を切断した後、当該泡発生部7bをそのまま活魚3の鰓6の上に静置するだけでよいので、放血工程から血栓化阻止工程までの作業の効率化を図ることができる。
泡発生部7bは、血抜き後食することになる活魚3を取り扱うものであるため、錆びにくい性質を有するステンレス鋼か、人体に無害なプラスチックであるポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックで形成されている。
次に、本実施形態における、上記血抜き装置を用いた活魚の血抜き方法について、図3〜図5をも参照しながら説明する。
なお、血抜き作業中、吸引器2は、吸引ポンプ2gが作動した状態となっている。
そして、悩殺・吸引アタッチメント5の第2の中空パイプ5bを、活魚3の延髄4に突き刺したまま、悩殺・吸引アタッチメント5の第1の中空パイプ5aの先端部(吸引のオン/オフ部)を親指で閉じる。これにより、悩殺・吸引アタッチメント5から空気が漏れることなく、活魚3の脳髄から神経9までが吸引され(図3の工程S3、図4の破線矢印ニを参照)、吸引器2の吸引瓶2c(図1を参照)に溜められる。
なお、放血工程(S4)と血栓化阻止工程(S5)は、一連の作業として行われる。すなわち、泡発生部7bの刃7eで活魚3の鰓6が切断された後、当該泡発生部7bがそのまま活魚3の鰓6の上に静置される。これにより、放血工程から血栓化阻止工程までの作業の効率化が図られる。
また、本実施形態においては、悩殺・吸引部が、互いに直交するT字に連結された第1及び第2の中空パイプ5a,5bを備える場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。第1及び第2の中空パイプの交差角度は任意に設定可能である。
また、本実施形態においては、悩殺・吸引アタッチメント(悩殺・吸引部)5がステンレス鋼で形成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。悩殺・吸引部は、ある程度の硬度を有していれば、例えば、プラスチック製であってもよい。
また、本実施形態においては、血栓化阻止アタッチメント7が、可撓性を有するゴム管からなるチューブ7aと、チューブ7aの先端部に設けられた泡発生部7bとを備える場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。チューブ7aは、可撓性を有していれば、その材質は任意である。また、泡発生部7bは、悩殺・吸引アタッチメント5と同様、チューブ7aの先端部に着脱自在に取り付けられるようにしたものであってもよい。
2 吸引器
2a 吸引チューブ
2b 排気口
2c 吸引瓶
2g 吸引ポンプ
2h 排気チューブ
3 活魚
4 延髄
5 悩殺・吸引アタッチメント(悩殺・吸引部)
5a 第1の中空パイプ
5b 第2の中空パイプ
5c 接続部
5d 尖端部
6 鰓(エラ)
7 血栓化阻止アタッチメント(血栓化阻止部)
7a チューブ
7b 泡発生部
7c 嵌着部
7d 小孔
7e 刃
9 神経(脊髄)
10 心臓
11 動脈
活魚の血抜きに関しては、例えば、特許文献1に開示されているように、活魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚の鰓(エラ)に向けて新鮮な水を供給し、鰓に水を通過させることで、活かしながら血管を切断して血抜きを行うようにした技術が知られている。
また、特許文献1に開示された活魚の血抜き方法は、活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばすものであるため、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまう虞がある。その結果、美味しい刺身を提供することが困難となる。
(1)下記の工程を含むことを特徴とする。
(a)活魚の延髄に突き刺すことによって前記活魚を即死状態にする工程
(b)前記活魚の尾を、神経孔が露出するまで切断する工程
(c)前記活魚の脳髄から神経までを吸引する工程
(d)前記活魚の鰓を切断して放血させる工程
(e)前記鰓の切断面の血栓化を阻止して放血を促す工程
すなわち、上記(b)の工程を含むことにより、上記(c)の工程を行うための空気孔が確保される。
また、上記(c)の工程を含むことにより、活魚は動かなくなって、半身不随と同じ状態となる。このため、エネルギーの消費が減り、乳酸が溜まらなくなり、体の酸化が防止される。また、活魚の神経等を取り出すのに、神経等のある場所で活魚の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
また、上記(d),(e)の工程を含むことにより、心臓のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚の外に出るようになり、活魚からほぼ完全に血抜きができるようになる。また、動脈のある場所で活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
(f)前記尾を、動脈が露出するまで切断する工程
(g)前記尾の切断面から、残った血液を吸引する工程
(3)吸引器と、
前記吸引器の可撓性を有する吸引チューブの先端部に設けられ、活魚の延髄に突き刺し、かつ、前記活魚の脳髄から神経までを吸引するために用いられる脳殺・吸引部と、
前記吸引器の排気口に連結して設けられ、前記活魚の切断面の血栓化を阻止するために用いられる血栓化阻止部とを備えたことを特徴とする。
すなわち、吸引器の可撓性を有する吸引チューブの先端部に設けられ、活魚の延髄に突き刺し、かつ、前記活魚の脳髄から神経までを吸引するために用いられる脳殺・吸引部を備えることにより、活魚の延髄の突き刺しと神経等の吸引を、脳殺・吸引部だけで行うことができるので、活魚の血抜き作業の効率化を図ることができる。また、活魚の神経等を取り出すのに、神経等のある場所で活魚の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
また、吸引器の排気口に連結して設けられ、前記活魚の切断面の血栓化を阻止するために用いられる血栓化阻止部を備えることにより、活魚の切断面の血栓化が阻止され、心臓のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚の外に出るようになり、活魚から完全に血抜きができるようになる。また、動脈のある場所で活魚の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
互いに連通するように略T字に連結された第1及び第2の中空パイプと、前記第1の中空パイプの基端部に設けられた、前記吸引チューブの先端部に接続するための接続部と、前記第2の中空パイプの先端部に形成された尖端部と、からなり、
前記第1の中空パイプの先端部は開口している。
前記吸引器の排気口に連結される、可撓性を有するチューブと、前記チューブの先端部に設けられる泡発生部と、からなり、
前記泡発生部には、複数の小孔が形成されている。
まず、本発明の一実施形態における活魚の血抜き方法に用いる血抜き装置の構成について、図1,図2を参照しながら説明する。
吸引器2としては、例えば、異物(医療用器具等)を誤飲した際に当該異物を取り除くために使用される医療用吸引器を用いることができ、吸引力を抵抗に応じて変更できるようにしたものであることが好ましい。
脳殺・吸引アタッチメント5は、例えば、活魚3の延髄4に突き刺して(脳殺)、活魚3を即死状態にするとともに、活魚3の脳髄から神経(脊髄)9までを吸引するために用いられるものである(図4を参照)。
血栓化阻止アタッチメント7は、活魚3の鰓(エラ)6の上に静置され、泡を発生させて鰓6の切断面の血栓化を阻止するために用いられるものである(図5を参照)。
吸引チューブ2aは、可撓性を有するゴム管からなっている。
かかる構成によれば、活魚3の延髄の突き刺しと神経9等の吸引を、吸引器2の吸引チューブ2aの先端部に取り付けられる脳殺・吸引アタッチメント5だけで行うことができるので、活魚3の血抜き作業の効率化を図ることができる。また、活魚3の脳髄から神経9までを取り出すのに、神経9等のある場所で活魚3の体内に水を供給して吹き飛ばす必要はないので、活魚3の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
脳殺・吸引アタッチメント5は、例えば、活魚3の延髄4に突き刺すとともに、血抜き後食することになる活魚3を取り扱うものであるため、硬度が高く、錆びにくい性質を有するステンレス鋼で形成されている。
かかる構成によれば、泡発生部7bを活魚の鰓6の上に静置し、吸引器2の排気口2bからの排気を利用して、活魚3の鰓6部分に泡を発生させ、当該鰓6の切断面の血栓化を阻止することができる。これにより、心臓10のポンプ機能によってほぼ全ての血液が活魚3の外に出るようになり、活魚3から完全に血抜きができるようになる。また、このような血栓化阻止アタッチメント7を備えた血抜き装置1を用いれば、従来のように、動脈11のある場所で活魚3の体内に水を供給して血液を吹き飛ばす必要はないので、活魚3の肉質が水っぽくなって、肉片の自然の風味を損なってしまうことはない。その結果、活魚3の保存期間が1〜2週間長くなるとともに、今まで以上に美味しい刺身を提供することが可能となる。
かかる構成によれば、泡発生部7bの刃7eで活魚3の鰓6を切断した後、当該泡発生部7bをそのまま活魚3の鰓6の上に静置するだけでよいので、放血工程から血栓化阻止工程までの作業の効率化を図ることができる。
泡発生部7bは、血抜き後食することになる活魚3を取り扱うものであるため、錆びにくい性質を有するステンレス鋼か、人体に無害なプラスチックであるポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックで形成されている。
次に、本実施形態における、上記血抜き装置を用いた活魚の血抜き方法について、図3〜図5をも参照しながら説明する。
なお、血抜き作業中、吸引器2は、吸引ポンプ2gが作動した状態となっている。
そして、脳殺・吸引アタッチメント5の第2の中空パイプ5bを、活魚3の延髄4に突き刺したまま、脳殺・吸引アタッチメント5の第1の中空パイプ5aの先端部(吸引のオン/オフ部)を親指で閉じる。これにより、脳殺・吸引アタッチメント5から空気が漏れることなく、活魚3の脳髄から神経9までが吸引され(図3の工程S3、図4の破線矢印ニを参照)、吸引器2の吸引瓶2c(図1を参照)に溜められる。
なお、放血工程(S4)と血栓化阻止工程(S5)は、一連の作業として行われる。すなわち、泡発生部7bの刃7eで活魚3の鰓6が切断された後、当該泡発生部7bがそのまま活魚3の鰓6の上に静置される。これにより、放血工程から血栓化阻止工程までの作業の効率化が図られる。
また、本実施形態においては、脳殺・吸引部が、互いに直交するT字に連結された第1及び第2の中空パイプ5a,5bを備える場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。第1及び第2の中空パイプの交差角度は任意に設定可能である。
また、本実施形態においては、脳殺・吸引アタッチメント(脳殺・吸引部)5がステンレス鋼で形成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。脳殺・吸引部は、ある程度の硬度を有していれば、例えば、プラスチック製であってもよい。
また、本実施形態においては、血栓化阻止アタッチメント7が、可撓性を有するゴム管からなるチューブ7aと、チューブ7aの先端部に設けられた泡発生部7bとを備える場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。チューブ7aは、可撓性を有していれば、その材質は任意である。また、泡発生部7bは、脳殺・吸引アタッチメント5と同様、チューブ7aの先端部に着脱自在に取り付けられるようにしたものであってもよい。
2 吸引器
2a 吸引チューブ
2b 排気口
2c 吸引瓶
2g 吸引ポンプ
2h 排気チューブ
3 活魚
4 延髄
5 脳殺・吸引アタッチメント(脳殺・吸引部)
5a 第1の中空パイプ
5b 第2の中空パイプ
5c 接続部
5d 尖端部
6 鰓(エラ)
7 血栓化阻止アタッチメント(血栓化阻止部)
7a チューブ
7b 泡発生部
7c 嵌着部
7d 小孔
7e 刃
9 神経(脊髄)
10 心臓
11 動脈
(1)下記の工程を含むことを特徴とする。
(a)活魚の延髄に突き刺すことによって前記活魚を即死状態にする工程
(b)前記活魚の尾を、神経孔が露出するまで切断する工程
(c)前記活魚の脳髄から神経までを吸引する工程
(d)前記活魚の鰓を切断して放血させる工程
(e)前記鰓部分に泡を発生させ、当該鰓の切断面の血栓化を阻止して放血を促す工程
Claims (6)
- 下記の工程を含むことを特徴とする活魚の血抜き方法。
(a)活魚を悩殺することによって前記活魚を即死状態にする工程
(b)前記活魚の尾を、神経孔が露出するまで切断する工程
(c)前記活魚の脳髄から神経までを吸引する工程
(d)前記活魚の鰓を切断して放血させる工程
(e)前記鰓の切断面の血栓化を阻止して放血を促す工程 - 下記の工程をさらに含む、請求項1に記載の活魚の血抜き方法。
(f)前記尾を、動脈が露出するまで切断する工程
(g)前記尾の切断面から、残った血液を吸引する工程 - 吸引器と、
前記吸引器の可撓性を有する吸引チューブの先端部に設けられ、活魚を悩殺し、かつ、前記活魚の脳髄から神経までを吸引するために用いられる悩殺・吸引部と、
前記吸引器の排気口に連結して設けられ、前記活魚の切断面の血栓化を阻止するために用いられる血栓化阻止部と、を備えたことを特徴とする血抜き装置。 - 前記悩殺・吸引部は、
互いに連通するように略T字に連結された第1及び第2の中空パイプと、前記第1の中空パイプの基端部に設けられた、前記吸引チューブの先端部に接続するための接続部と、前記第2の中空パイプの先端部に形成された尖端部と、からなり、
前記第1の中空パイプの先端部は開口している、請求項3に記載の血抜き装置。 - 前記血栓化阻止部は、
前記吸引器の排気口に連結される、可撓性を有するチューブと、前記チューブの先端部に設けられる泡発生部と、からなり、
前記泡発生部には、複数の小孔が形成されている、請求項3に記載の血抜き装置。 - 前記泡発生部には、刃が形成されている、請求項5に記載の血抜き装置。
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JP2019162326A JP2021036843A (ja) | 2019-09-05 | 2019-09-05 | 活魚の血抜き方法及びそれに用いる血抜き装置 |
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-
2019
- 2019-09-05 JP JP2019162326A patent/JP2021036843A/ja not_active Ceased
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