JP2021032827A - パワー半導体用試験装置およびパワー半導体試験方法 - Google Patents

パワー半導体用試験装置およびパワー半導体試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆回復特性試験およびアバランシェ試験に要する試験時間を短縮する。【解決手段】電源11と、スイッチ用素子14と、インダクタLとを備えて被試験デバイスDUTの逆回復試験を行う回路において、スイッチ用素子14と被試験デバイスDUTとの間にインダクタLpを備える。被試験デバイスDUTをオフにしてスイッチ用素子14を何回かターンオンおよびターンオフすることで、被試験デバイスDUTの寄生ダイオード21の逆回復試験を行う。その試験の間に、タイマ19が出力する信号Ton,Toffに基づいて発生した信号で被試験デバイスDUTをオンすることでアバランシェ試験を行う。逆回復試験の間にアバランシェ試験を行うことで、試験時間を短縮することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング素子およびダイオードが逆並列接続された構成を有するパワー半導体に対してストレス試験を行うパワー半導体用試験装置およびパワー半導体試験方法に関する。
パワー半導体の出荷検査システムでは、静特性試験、動特性試験などが行われている。これらの中で、動特性試験としては、スイッチング特性試験、逆回復特性試験、アバランシェ試験などがある。特に、逆回復特性試験およびアバランシェ試験では、潜在的な不良が内在しているパワー半導体を除去するために電気的なストレスを与えることが実施されている。
図6はパワー半導体の逆回復特性試験を行う逆回復特性試験回路を示す図、図7は逆回復特性試験回路の動作を示すタイミングチャートである。
逆回復特性試験回路は、電源101と、コンデンサ102,103と、スイッチ用素子104と、信号源105と、インダクタ106とを備えている。電源101は、逆回復特性試験回路の電源であり、電圧VDDを供給する。
スイッチ用素子104は、ここでは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を採用している。スイッチ用素子104のドレイン端子は、電源101の正極端子に接続され、ソース端子は、インダクタ106の一方の端子と被試験デバイスDUT(Device Under Test)の高電位端子とに接続されている。インダクタ106の他方の端子および被試験デバイスDUTの低電位端子は、電源101の負極端子に接続されている。スイッチ用素子104のゲート端子とソース端子とには、パルス信号が出力される信号源105が接続されている。
被試験デバイスDUTは、この例では、パワーMOSFETであり、したがって、この逆回復特性試験回路で試験するのは、パワーMOSFETが内蔵する寄生ダイオードと言うことになる。パワーMOSFETの寄生ダイオードの逆回復特性を試験するには、パワーMOSFETのゲート端子とソース端子とは短絡されてパワーMOSFETをオフ状態にされている。
この逆回復特性試験回路は、信号源105が図7にVGSで示すパルス信号をスイッチ用素子104に入力することで被試験デバイスDUTの寄生ダイオードの逆回復特性が試験される。すなわち、スイッチ用素子104がターンオンすると、被試験デバイスDUTとインダクタ106との並列回路に電圧VDDが印加され、被試験デバイスDUTのドレイン・ソース間電圧VDSは、電圧VDDになる。このとき、被試験デバイスDUTの寄生ダイオードは逆バイアスとなるので、被試験デバイスDUTに電流は流れないが、インダクタ106には電流が流れてそこにエネルギが蓄積される。
次に、スイッチ用素子104がターンオフすると、インダクタ106を流れていた電流は、流れ続けようとするので、その電流は、電源101には戻らずに、寄生ダイオードを順方向に流れるようになる(被試験デバイスDUTのソース・ドレイン電流ISD)。
寄生ダイオードに電流が流れている状態で、次に、スイッチ用素子104がターンオンして被試験デバイスDUTのドレイン端子に電圧VDDが印加されると、被試験デバイスDUTの寄生ダイオードは、逆回復動作を開始する。すなわち、寄生ダイオードを順方向に流れていたソース・ドレイン電流ISDは急激に低減し、0アンペア(A)になった後は、寄生ダイオードを逆方向に逆回復電流が流れ、ピークを過ぎると逆回復電流は、0Aに戻る。
以上の動作は、図7の例では、4回繰り返される。この間、インダクタ106に蓄えられたエネルギが寄生ダイオードを還流している途中にスイッチ用素子104がターンオンして再びインダクタ106に蓄えられる動作となる。このため、スイッチ用素子104がターンオフする度に寄生ダイオードを流れるソース・ドレイン電流ISDは、段々高くなっている。
このようにして被試験デバイスDUTの寄生ダイオードにストレスをかけた後、被試験デバイスDUTのドレイン・ソース間電圧VDSまたはドレイン電流が図示しない計器によって観測される。このとき、ドレイン・ソース間電圧VDSまたはドレイン電流に大きな変化がなければ、被試験デバイスDUTは、良品として判断される。一方、ドレイン・ソース間電圧VDSが0ボルト(V)に低下するか、ドレイン電流として大電流が流れると、被試験デバイスDUTは、不良品として判断され、排除される。
図8はパワー半導体のアバランシェ試験を行うアバランシェ試験回路を示す図、図9はアバランシェ試験回路の動作を示すタイミングチャートである。
アバランシェ試験回路は、電源111と、インダクタ112と、信号源113とを備えている。電源111は、アバランシェ試験回路の電源であり、電圧VDDを供給する。被試験デバイスDUTは、この例では、パワーMOSFETであり、したがって、このアバランシェ試験回路で試験するのは、パワーMOSFETのアバランシェ耐量と言うことになる。
アバランシェ試験回路において、電源111の正極端子は、インダクタ112の一方の端子に接続され、インダクタ112の他方の端子は、被試験デバイスDUTの高電位端子であるパワーMOSFETのドレイン端子に接続されている。被試験デバイスDUTの低電位端子であるパワーMOSFETのソース端子は、電源111の負極端子に接続されている。被試験デバイスDUTの制御端子であるパワーMOSFETのゲート端子とパワーMOSFETのソース端子とには、信号源113が接続されている。
このアバランシェ試験回路は、信号源113が図9にVGSで示すパルス信号を被試験デバイスDUTに入力することでパワーMOSFETのアバランシェ耐量が試験される。すなわち、被試験デバイスDUTのパワーMOSFETがターンオンすると、パワーMOSFETのドレイン・ソース間電圧VDSが0Vに低下し、パワーMOSFETには、インダクタ112を介して徐々にドレイン電流IDが流れ始める。
次に、被試験デバイスDUTのパワーMOSFETがターンオフすると、パワーMOSFETのドレイン電流IDは減少し、パワーMOSFETのドレイン・ソース間電圧VDSは、急激に上昇する。ドレイン・ソース間電圧VDSは、素子耐圧まで上昇し、ブレークダウン電圧でクランプされるが、インダクタ112に蓄積されていた残りのエネルギは、ドレイン電流IDとして流れ続ける。このときのドレイン電流IDは、アバランシェ電流として流れ、パワーMOSFETの内部で熱として消費される。
その後、被試験デバイスDUTでは、パワーMOSFETのドレイン・ソース間電圧VDSが電圧VDDに維持され、パワーMOSFETのドレイン電流IDが0Aに維持される。ここで、被試験デバイスDUTのパワーMOSFETがターンオフした後に、ドレイン・ソース間電圧VDSが0Vまで低下したり、ドレイン電流IDが急増したりすることがあると、この被試験デバイスDUTは、不良品であると判断され、排除される。
以上の逆回復特性試験およびアバランシェ試験は、それぞれ独立した試験回路で行われるが、検査システムが大がかりとなり、装置コストが高くなる。これに対し、逆回復特性試験およびアバランシェ試験を行う回路を備え、逆回復特性試験またはアバランシェ試験を行うときには、それぞれの回路をスイッチで切り替えて試験を実施することが行われている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2010−107432号公報
逆回復特性試験およびアバランシェ試験をスイッチで切り替えて順次実施する場合、それぞれの試験で被試験デバイスを移し替える作業は不要になるが、それぞれの試験に要する時間は同じである。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、逆回復特性試験およびアバランシェ試験に要する時間をさらに短縮することができるパワー半導体用試験装置およびパワー半導体試験方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記の課題を解決するために、1つの案では、スイッチング素子およびダイオードが逆並列接続されたパワー半導体である被試験デバイスのストレス試験を行うパワー半導体用試験装置が提供される。このパワー半導体用試験装置は、複数の第1のパルス信号を発生する第1の信号発生部と、第1のパルス信号を受けてターンオンまたはターンオフされるスイッチ用素子と、スイッチ用素子に直列に接続された第1のインダクタと、スイッチ用素子と被試験デバイスとの間に接続された第2のインダクタと、被試験デバイスを駆動する第2のパルス信号を発生する第2の信号発生部と、を備え、第2の信号発生部は、第2のパルス信号として、第1のパルス信号がオフの期間にオンし、被試験デバイスに最大許容アバランシェ電流が流れるタイミングでオフする信号を発生する。
また、本発明は、スイッチング素子およびダイオードが逆並列接続されたパワー半導体である被試験デバイスのストレス試験を行うパワー半導体試験方法が提供される。このパワー半導体試験方法は、並列に接続された被試験デバイスおよび第1のインダクタに対して複数のパルス電圧を印加することによりダイオードの逆回復試験を行い、複数のパルス電圧の任意の1つのパルス電圧の立ち上がり前縁から所定の期間だけ被試験デバイスをオンして第2のインダクタおよびスイッチング素子に電流を流すことによりスイッチング素子のアバランシェ試験を行う。
上記構成のパワー半導体用試験装置およびパワー半導体試験方法は、逆回復特性試験をしている間にアバランシェ試験をすることができるので、試験のリードタイムを短くできるという利点がある。
第1の実施の形態に係るパワー半導体用試験装置の構成を示す図である。 逆回復特性試験およびアバランシェ試験の動作を示すタイミングチャートである。 アバランシェ試験のときに発生される信号を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態に係るパワー半導体用試験装置の構成を示す図である。 アバランシェ試験のときに発生されるオフ信号のタイミングを示す図である。 パワー半導体の逆回復特性試験を行う逆回復特性試験回路を示す図である。 逆回復特性試験回路の動作を示すタイミングチャートである。 パワー半導体のアバランシェ試験を行うアバランシェ試験回路を示す図である。 アバランシェ試験回路の動作を示すタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図中、同一の符号で示される部分は、同一の構成要素を示している。また、本発明のパワー半導体用試験装置が試験する被試験デバイスDUTは、スイッチング素子およびダイオードが逆並列に接続された構造を有するパワーMOSFETのようなパワー半導体とする。
図1は第1の実施の形態に係るパワー半導体用試験装置の構成を示す図、図2は逆回復特性試験およびアバランシェ試験の動作を示すタイミングチャート、図3はアバランシェ試験のときに発生される信号を示すタイミングチャートである。
第1の実施の形態に係るパワー半導体用試験装置10は、電源11と、コンデンサ12,13と、スイッチ用素子14と、インダクタL,Lpとを備えている。パワー半導体用試験装置10は、また、スイッチ用素子14を駆動する信号発生器15およびゲートドライバ16と、被試験デバイスDUTを駆動する信号発生器17およびゲートドライバ18と、タイマ19とを備えている。電源11は、パワー半導体用試験装置10の電源であり、電圧VDDを供給する。電圧VDDは、電源11に並列に接続されたコンデンサ12,13によって安定化され、スイッチングノイズが低減されている。
スイッチ用素子14は、NチャネルのパワーMOSFETであり、そのドレイン端子は、電源11の正極端子に接続され、ソース端子は、インダクタL,Lpの一方の端子にそれぞれ接続されている。インダクタLpの他方の端子は、被試験デバイスDUTの高電位端子に接続され、被試験デバイスDUTの低電位端子およびインダクタLの他方の端子は、電源11の負極端子に接続されている。
インダクタLは、逆回復特性試験にのみ使用されるもので、たとえば、インダクタンスが10マイクロヘンリー(μH)〜20μHのものが使用される。インダクタLpは、主として配線の寄生インダクタンスによるものであり、たとえば、10ナノヘンリー(nH)〜100nHの値を有する。このインダクタLpの値は、スイッチ用素子14のソース端子から被試験デバイスDUTの高電位端子までの配線の長さを調整することによって決められる。被試験デバイスDUTは、NチャネルのパワーMOSFETであり、MOSFET20と寄生ダイオード21とが逆並列に接続された構造を有している。
スイッチ用素子14のゲート端子およびソース端子には、ゲートドライバ16が接続され、このゲートドライバ16は、信号発生器15の出力端子が接続され、信号発生器15によって発生されたパルス信号が供給される。ゲートドライバ16に供給されたパルス信号は、スイッチ用素子14を駆動するゲート信号(VGS)となる。
信号発生器15の出力端子は、また、タイマ19に接続されている。タイマ19は、図3に示したように、信号発生器15によって発生されたパルス信号(スイッチ用素子のVGS)の任意の1つ(図示の例では、2つ目のパルス信号)の立ち下がり後縁から所定の時間T1,T2だけ遅延された信号Ton,Toffを出力する。なお、時間T1は、パルス信号のオフ期間の間に設定されている。また、時間T2は、信号発生器15によって発生されたパルス信号の周期(オフの期間)、電圧VDD、インダクタLpのインダクタンスおよびアバランシェ降伏時に許容される最大許容アバランシェ電流から計算により求められる。タイマ19の出力端子は、信号発生器17に接続され、信号発生器17は、タイマ19が出力した信号Ton,Toffから被試験デバイスDUTのゲート信号(図3のDUTのVGS)を発生する。信号発生器17の出力端子は、ゲートドライバ18に接続され、ゲートドライバ18の出力端子は、被試験デバイスDUTの制御端子および低電位端子に接続され、信号発生器17によって発生されたゲート信号を被試験デバイスDUTに供給している。
このパワー半導体用試験装置10によれば、被試験デバイスDUTをパワー半導体用試験装置10にセットした後、被試験デバイスDUTの逆回復特性試験をしている間にアバランシェ試験をも行うようにしている。すなわち、図2に示したように、時刻t0にて逆回復特性試験が開始され、信号発生器15によって発生されたパルス信号がスイッチ用素子14に供給される。スイッチ用素子14がターンオンすると、インダクタLpを介して被試験デバイスDUTに電圧VDDが印加されるとともに、インダクタLにも電圧VDDが印加される。これにより、被試験デバイスDUTのドレイン・ソース間電圧VDSは、電圧VDDになる。このとき、被試験デバイスDUTの寄生ダイオード21は逆バイアスとなるので、被試験デバイスDUTに電流は流れないが、インダクタLpには電流が流れてそこにエネルギが蓄積される。
次に、時刻t1にてスイッチ用素子14がターンオフすると、インダクタLを流れていた電流は、流れ続けようとするので、その電流は、電源11には戻らずに、寄生ダイオード21を順方向に流れるようになる(図2のDUTのISD)。
寄生ダイオード21に電流が流れている時刻t2にて、スイッチ用素子14がターンオンして被試験デバイスDUTのドレイン端子に電圧VDDが印加されると、被試験デバイスDUTの寄生ダイオード21は、逆回復動作を開始する。まず、寄生ダイオード21を順方向に流れていた電流(図2のDUTのISD)は急激に低減し、0Aになった後は、寄生ダイオード21を逆方向に逆回復電流が流れ、ピークを過ぎると逆回復電流は、0Aに戻るようになる。
以上の動作は、図2の例では、4つのパルス信号によって繰り返し実施される。なお、パルス信号の立ち上がり前縁(時刻t0,t2,t5,t7)以降、被試験デバイスDUTのドレイン・ソース間電圧VDSまたはドレイン電流がそれぞれ観測される。このとき、ドレイン・ソース間電圧VDSまたはドレイン電流に大きな変化がなければ、被試験デバイスDUTは、良品として判断される。一方、観測によってドレイン・ソース間電圧VDSが0Vまで低下するか、ドレイン電流として大電流が流れている場合、被試験デバイスDUTは、不良品として判断され、排除される。
図示の例では、スイッチ用素子14に3つ目のパルス信号を印加したときにアバランシェ試験が実施される。そのために、タイマ19は、2つ目のパルス信号の立ち下がり後縁のタイミング(時刻t3)からカウントを開始し、カウント開始から所定の時間T1,T2を経過したタイミング(時刻t4,t6)で信号Ton,Toffを出力する。信号発生器17は、タイマ19から信号Ton,Toffを受けたタイミングで立ち上がって立ち下がるパルス信号を発生し、ゲートドライバ18によって被試験デバイスDUTを駆動することになる。これにより、被試験デバイスDUTは、時刻t5にてスイッチ用素子14の立ち上がり前縁のタイミングでターンオンし、時刻t6にて被試験デバイスDUTのゲート信号(図3のDUTのVGS)の立ち下がり後縁のタイミングでターンオフすることになる。
時刻t5で被試験デバイスDUTがターンオンしたとき、被試験デバイスDUTの寄生ダイオード21には、インダクタLによるソース・ドレイン電流ISDが還流している。このため、インダクタLpには、ソース・ドレイン電流ISDとは逆向きのドレイン電流IDが流れ始める(ISDとしては、減少していく)。
時刻t6では、ドレイン電流IDが上昇して(ISDが減少して)、最大許容アバランシェ電流に達したときに、被試験デバイスDUTがターンオフされる。これにより、被試験デバイスDUTは、そのドレイン電流IDが急激に減少し、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)は、急激に上昇する。ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)は、素子耐圧まで上昇し、ブレークダウン電圧でクランプされるが、インダクタLpに蓄積されていた残りのエネルギは、ドレイン電流IDとして流れ続ける。このときのドレイン電流IDは、アバランシェ電流として流れ、パワーMOSFETの内部で熱として消費される。
その後、被試験デバイスDUTでは、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)が電圧VDDに維持され、ドレイン電流IDが0Aに維持される。ここで、被試験デバイスDUTがターンオフした後に、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)が0Vまで低下したり、ドレイン電流IDが急増したりすることがあると、この被試験デバイスDUTは、不良品であると判断され、排除される。
このパワー半導体用試験装置10によれば、逆回復特性試験およびアバランシェ試験をそれぞれ切り替えて行うのではなく、逆回復特性試験をしている間にアバランシェ試験をするので、両試験の試験時間を逆回復特性試験の試験時間まで短縮することができる。このため、試験のリードタイムを短くすることができる。
図4は第2の実施の形態に係るパワー半導体用試験装置の構成を示す図、図5はアバランシェ試験のときに発生されるオフ信号のタイミングを示す図である。図4において、図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
アバランシェ試験のときに最大許容アバランシェ電流に達するタイミングを、第1の実施の形態のパワー半導体用試験装置10では、計算により求めていたのに対し、この第2の実施の形態のパワー半導体用試験装置10aは、実測により求めるようにしている。なお、逆回復試験については、第1の実施の形態で述べた試験と同じであるので、ここでは、逆回復試験の動作説明を省略する。
このパワー半導体用試験装置10aは、ドレイン電流IDを計測する電流検出抵抗22および電流検出器23を備えている。電流検出抵抗22は、被試験デバイスDUTのソース端子と電源11の負極端子との間に接続され、電流検出抵抗22の両端子は、電流検出器23に接続されている。
タイマ19aは、信号発生器15によって発生されたパルス信号の立ち下がり後縁から所定の時間T1だけ遅延された信号Tonを出力する。この時間T1は、パルス信号のオフ期間の間に設定されている。
電流検出器23は、被試験デバイスDUTのドレイン電流IDを電流検出抵抗22で検出し、その電流が最大許容アバランシェ電流に達したかどうかを検出して信号Toffを出力する。具体的には、電流検出器23は、比較器と最大許容アバランシェ電流に相当する電圧を出力する基準電圧とを備え、比較器が電流検出抵抗22で検出したドレイン電流を電圧換算した信号と基準電圧とを比較する。ドレイン電流を電圧換算した信号が基準電圧を超えると、比較器は、信号Toffを出力する。なお、図5では、ドレイン電流IDを、これと逆方向のソース・ドレイン電流ISDで表現してある。すなわち、図5は、ソース・ドレイン電流ISDが減少して最大許容アバランシェ電流IASに達したタイミングが信号Toffを出力するタイミングであることを説明している。
信号発生器17は、タイマ19aが出力した信号Tonにて立ち上がるゲート信号(DUTのVGS)を発生し、被試験デバイスDUTをターンオンする。その後、スイッチ用素子14がターンオンして、インダクタLp、被試験デバイスDUTおよび電流検出抵抗22の直列回路に電源11の電圧VDDが印加される。これにより、ソース・ドレイン電流ISDが流れなくなり、インダクタLpを介してドレイン電流IDが流れるようになる。
そのドレイン電流IDが最大許容アバランシェ電流IASに達したことを電流検出器23が検出して信号Toffを出力すると、信号発生器17は、ゲート信号(DUTのVGS)をオフし、被試験デバイスDUTをターンオフする。これにより、被試験デバイスDUTは、そのドレイン電流IDが急激に減少し、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)は、急激に上昇する。ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)は、素子耐圧まで上昇し、ブレークダウン電圧でクランプされるが、インダクタLpに蓄積されていた残りのエネルギは、ドレイン電流IDとして流れ続ける。このときのドレイン電流IDは、アバランシェ電流として流れ、パワーMOSFETの内部で熱として消費される。
その後、被試験デバイスDUTでは、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)が電圧VDDに維持され、ドレイン電流IDが0Aに維持される。ここで、被試験デバイスDUTがターンオフした後に、ドレイン・ソース間電圧(DUTのVDS)が0Vまで低下したり、ドレイン電流IDが急増したりすることがあると、この被試験デバイスDUTは、不良品であると判断され、排除される。
なお、上記の実施の形態では、被試験デバイスDUTがパワーMOSFETの場合について説明した。しかし、本発明は、被試験デバイスDUTとして、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とFWD(Free Wheeling Diode)とをモジュール化したものとすることができる。また、本発明は、IGBT部とFWD部とを1チップ化したRC−IGBT(Reverse Conducting-IGBT)のスクリーニング試験にも適用することができる。
10,10a パワー半導体用試験装置
11 電源
12,13 コンデンサ
14 スイッチ用素子
15 信号発生器
16 ゲートドライバ
17 信号発生器
18 ゲートドライバ
19,19a タイマ
20 MOSFET
21 寄生ダイオード
22 電流検出抵抗
23 電流検出器
DUT 被試験デバイス
L,Lp インダクタ

Claims (7)

  1. スイッチング素子およびダイオードが逆並列接続されたパワー半導体である被試験デバイスのストレス試験を行うパワー半導体用試験装置において、
    複数の第1のパルス信号を発生する第1の信号発生部と、
    前記第1のパルス信号を受けてターンオンまたはターンオフされるスイッチ用素子と、
    前記スイッチ用素子に直列に接続された第1のインダクタと、
    前記スイッチ用素子と前記被試験デバイスとの間に接続された第2のインダクタと、
    前記被試験デバイスを駆動する第2のパルス信号を発生する第2の信号発生部と、
    を備え、
    前記第2の信号発生部は、前記第2のパルス信号として、前記第1のパルス信号がオフの期間にオンし、前記被試験デバイスに最大許容アバランシェ電流が流れるタイミングでオフする信号を発生する、パワー半導体用試験装置。
  2. 前記第2のインダクタは、配線の寄生インダクタンスによるインダクタである、請求項1記載のパワー半導体用試験装置。
  3. 前記第2のインダクタのインダクタンスは、10〜100ナノヘンリーとした、請求項2記載のパワー半導体用試験装置。
  4. 前記第1のパルス信号の立ち下がり後縁から所定の第1の時間および第2の時間だけ遅延されたオン信号およびオフ信号を出力するタイマを備え、前記第2の信号発生部は、前記タイマからの前記オン信号および前記オフ信号を受けて前記第2のパルス信号を出力する、請求項1記載のパワー半導体用試験装置。
  5. 前記第1のパルス信号の立ち下がり後縁から所定の時間だけ遅延されたオン信号を出力するタイマと、前記被試験デバイスに流れる電流を検出し、検出した電流が前記最大許容アバランシェ電流のときにオフ信号を出力する電流検出回路とを備え、前記第2の信号発生部は、前記タイマからの前記オン信号を受け、前記電流検出回路から前記オフ信号を受けて前記第2のパルス信号を出力する、請求項1記載のパワー半導体用試験装置。
  6. スイッチング素子およびダイオードが逆並列接続されたパワー半導体である被試験デバイスのストレス試験を行うパワー半導体試験方法において、
    並列に接続された前記被試験デバイスおよび第1のインダクタに対して複数のパルス電圧を印加することにより前記ダイオードの逆回復試験を行い、
    複数の前記パルス電圧の任意の1つの前記パルス電圧の立ち上がり前縁から所定の期間だけ前記被試験デバイスをオンして第2のインダクタおよび前記スイッチング素子に電流を流すことにより前記スイッチング素子のアバランシェ試験を行う、
    パワー半導体試験方法。
  7. 前記所定の期間は、前記スイッチング素子に流れる電流が最大許容アバランシェ電流に達するまでの期間とした、請求項6記載のパワー半導体試験方法。
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