JP7375566B2 - 電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法および負荷耐量試験装置 - Google Patents

電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法および負荷耐量試験装置 Download PDF

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本発明は、SiやSiCなどを用いたIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)のような電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法および負荷耐量試験装置に関する。
電圧制御型電力用半導体素子は、高耐圧で低オン抵抗を有し、小電力で大電力駆動が可能なパワー半導体であるため、電力変換装置に広く利用されている。このような電圧制御型電力用半導体素子は、製造時に初期不良を排除するために動特性試験が行われている(たとえば、特許文献1参照)。
図3は従来の試験装置の構成例を示す回路図、図4はパルスジェネレータが出力するパルス信号を示す図、図5は一方のSiCを用いたMOSFETの電流・電圧特性例を示す図である。
図3に示す試験装置は、2つの被検体を試験するもので、直流電源101と、スイッチ102と、パルスジェネレータ103と、ゲートドライバユニット104,105と、インダクタ106と、コンデンサ107,108とを備えている。被検体は、上アーム側のMOSFET111と下アーム側のMOSFET112とがハーフブリッジ回路を構成するように組み込まれた2in1のモジュール110である。なお、MOSFET111,112は、還流ダイオードがそれぞれ逆並列に接続されている。
直流電源101の正極端子は、スイッチ102を介してモジュール110の正極端子Pに接続され、直流電源101の負極端子は、モジュール110の負極端子Nに接続されている。ゲートドライバユニット104の出力端子は、モジュール110のMOSFET111のゲート端子に接続され、ゲートドライバユニット105の出力端子は、モジュール110のMOSFET112のゲート端子に接続されている。ゲートドライバユニット104,105は、パルスジェネレータ103から供給されたパルス信号を基にMOSFET111,112を駆動するゲート信号を生成する。モジュール110の中間端子Mは、インダクタ106の一方の端子に接続され、モジュール110の正極端子Pは、コンデンサ107の一方の端子に接続され、モジュール110の負極端子Nは、コンデンサ108の一方の端子に接続されている。インダクタ106の他方の端子は、直列接続されたコンデンサ107,108の共通の接続点に接続されている。
パルスジェネレータ103は、図4に示したように、ゲートドライバユニット104に供給される上アーム側パルス信号とゲートドライバユニット105に供給される下アーム側パルス信号とを生成する。上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号は、一方がオフしてから他方がオンするまでにデッドタイムTdが設定されていて同時にオンすることがないようにしている。これにより、モジュール110のMOSFET111,112に貫通電流が流れることを防止している。
試験時は、スイッチ102をオンして直流電源101の高電圧をモジュール110の正極端子Pと負極端子Nとの間に印加し、直列接続されたコンデンサ107,108には、直流電源101の高電圧が印加されて充電されている。ここで、たとえば、下アーム側のMOSFET112の動作によれば、図5に示したように、MOSFET112のゲート端子に、高電位(+15V)のゲート電圧Vgが印加されると、MOSFET112は、ターンオンされる。これにより、MOSFET112のドレイン-ソース間電圧Vdsは、グランド電位に近い電位まで低下し、主電流のドレイン電流Idが、コンデンサ108からインダクタ106を介して流れる。
MOSFET112のゲート端子に、低電位(-5V)のゲート電圧Vgが印加されると、MOSFET112は、ターンオフされる。これにより、MOSFET112のドレイン-ソース間電圧Vdsは、インダクタ106を流れていた電流により誘起された電圧が瞬間的にコンデンサ108の端子電圧に加わることで過渡的に高い電圧になる。インダクタ106に電流が流れていたときに蓄えられていたエネルギがなくなると、MOSFET112のドレイン-ソース間電圧Vdsは、コンデンサ108の端子電圧(コンデンサ107,108の値が等しいので、直流電源101の電圧の1/2の電圧)になる。また、MOSFET112がターンオフされることにより、コンデンサ108からの電流が遮断されるので、ドレイン電流Idは、0Aになる。
上アーム側のMOSFET111についても、下アーム側のMOSFET112と同様の動作をする。このように、MOSFET111,112のゲート端子にゲート電圧Vgを印加して誘導負荷であるインダクタ106に電流を流すことによって、ハーフブリッジ回路を用いた電力変換装置のインバータ動作を模擬した試験が実施されることになる。
近年、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)に代表されるワイドバンドギャップ半導体材料が注目を集めている。このワイドバンドギャップ半導体材料は、既存の代表的な半導体材料であるSi(ケイ素)と比べて絶縁破壊電界強度が高いという特性がある。このため、高耐圧素子では、IGBTよりもMOSFETへの適用が進められている。MOSFETの特徴として、IGBTよりも高周波で動作させることが可能であり、スイッチング時の損失も小さいことが挙げられる。
高速でスイッチングを行う際、MOSFETのゲート端子へのゲート電圧の印加にゲートドライバユニットを用いているので、より大きなdVg/dt(ゲート電圧が急峻に変化するときの時間に対する電圧の変化量)が実現可能になっている。MOSFETをインバータ動作させた場合、オフ時に印加されていたドレイン-ソース間電圧Vdsは、オン時には印加されなくなるが、その際に変位電流が発生することが知られている。
特に、高耐圧のMOSFETの場合、ドレイン-ソース間電圧Vdsが大きいため、変位電流も大きくなる。さらに、変位電流の大きさは、スイッチング速度に依存し、スイッチング速度が大きいと、変位電流も大きくなる。大き過ぎる変位電流は、デバイスを破壊する原因になり得るので、高耐圧・高速動作を特徴とするワイドバンドギャップ半導体材料を使用したMOSFETにおいては、変位電流による破壊が発生しやすい傾向にあるといえる。MOSFETのデバイス構造により変位電流による破壊を防ぐような提案がなされている(たとえば、特許文献2参照)。しかし、そのようなデバイス構造を持った電力用半導体素子においても、欠陥やプロセス上のばらつきなどの影響により破壊しやすいデバイスが発生し得るため、スクリーニング試験により除去する必要がある。
特開2016-11953号公報(段落〔0021〕、図1) 特開2015-57850号公報
電力用半導体素子、特に、SiC-MOSFETでは、スイッチングに伴い、ドレイン-ソース間に電圧が断続的に印加される。その際に、変位電流が流れると、デバイスに負荷が掛かり、欠陥などのあるデバイスにおいては、破壊に繋がることがある。このようなデバイスは、市場で初期故障を引き起こし得るため、スクリーニング試験により除去する必要がある。ところが、図3のような従来の試験装置で行われている試験では、変位電流を適切に生じさせることができないという問題がある。すなわち、ハーフブリッジ回路を用いてインバータ動作を模擬した試験をすれば、静特性試験で変位電流の影響を知ることはできるが、主電流が流れることで熱が発生するために、デバイスの劣化が変位電流によるものか熱によるものかを判断することができない。また、熱が発生するために高速でスイッチングをすることができないことから、同じ回数のスイッチングを実施しようとした場合、試験時間が長くなってしまう。さらに、試験時に熱が発生することは、強制空冷式や強制水冷式の冷却機構が必要であり、装置が大型化してしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、変位電流を適切に生じさせることができる電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法および負荷耐量試験装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記の課題を解決するために、1つの案では、電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法が提供される。この電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法では、第1の電圧制御型電力用半導体素子を上アームに配置し、第2の電圧制御型電力用半導体素子を下アームに配置してハーフブリッジ回路を構成し、それぞれオフの状態で直列に接続した第1の電圧制御型電力用半導体素子および第2の電圧制御型電力用半導体素子の両端に高電圧を印加し、第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子にゲート電圧を印加することにより第1の電圧制御型電力用半導体素子をオンの状態にしてゲート端子から高電位側端子および低電位側端子へ変位電流を流すステップと、第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子へのゲート電圧の印加を停止するステップと、第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子にゲート電圧を印加することにより第2の電圧制御型電力用半導体素子をオンの状態にしてゲート端子から高電位側端子および低電位側端子へ変位電流を流すステップと、第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子へのゲート電圧の印加を停止するステップとを繰り返し実行し、第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子に印加されるゲート電圧は第2のゲートドライバユニットにより生成し、第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子に印加されるゲート電圧は、第2のゲートドライバユニットの電源の基準電位とは独立した基準電位の電源を有している第1のゲートドライバユニットにより生成する
別の案では、電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験装置が提供される。この電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験装置は、高電圧を出力する直流電源と、高電圧を受けて充電しながら直列に接続した第1の電圧制御型電力用半導体素子および第2の電圧制御型電力用半導体素子の両端に印加するコンデンサと、同時にオンすることがない第1のパルス信号および第2のパルス信号を生成するパルスジェネレータと、第1のパルス信号を受けて第1の電圧制御型電力用半導体素子を駆動するための第1のゲート電圧を生成する第1のゲートドライバユニットと、第2のパルス信号を受けて第2の電圧制御型電力用半導体素子を駆動するための第2のゲート電圧を生成する第2のゲートドライバユニットと、試験後にコンデンサに充電された電圧を放電する放電回路と、を備え、第1の電圧制御型電力用半導体素子および第2の電圧制御型電力用半導体素子に主電流を流すことなく変位電流を生じさせるようにし、第1の電圧制御型電力用半導体素子を上アームに配置し、第2の電圧制御型電力用半導体素子を下アームに配置してハーフブリッジ回路を構成したとき、上アームの第1の電圧制御型電力用半導体素子を駆動する第1のゲートドライバユニットの電源は、第2のゲートドライバユニットの電源の基準電位とは独立した基準電位を有している
上記構成の電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法および負荷耐量試験装置によれば、主電流が流れないので発熱によるストレスを受けることがなく、変位電流を適切に生じさせることができる。
本発明の実施の形態に係る電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験装置を示す回路図である。 負荷耐量試験装置による負荷耐量試験で生じるモジュールの温度上昇の変化を示す図である。 従来の試験装置の構成例を示す回路図である。 パルスジェネレータが出力するパルス信号を示す図である。 一方のSiCを用いたMOSFETの電流・電圧特性例を示す図である。
図1は本発明の実施の形態に係る電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験装置を示す回路図である。
図1に示す負荷耐量試験装置は、直流電源11と、スイッチ12と、放電抵抗13と、パルスジェネレータ14と、ゲートドライバユニット15,16と、コンデンサ17とを備えている。被検体は、上アーム側のMOSFET21と下アーム側のMOSFET22とがハーフブリッジ回路を構成するように組み込まれた2in1のモジュール20である。なお、このモジュール20は、SiC-MOSFETであるMOSFET21,22を搭載したAll-SiCモジュールである。また、MOSFET21,22は、SiC-SBD(ショットキバリアダイオード)を逆並列に接続し、ボディダイオードとして使用することがある。
直流電源11の正極端子は、スイッチ12の常開接点に接続され、スイッチ12の可動接点は、モジュール20の正極端子Pに接続され、直流電源11の負極端子は、モジュール20の負極端子Nとグランドとに接続されている。スイッチ12の常閉接点は、放電回路を構成する放電抵抗13の一方の端子に接続され、放電抵抗13の他方の端子は、直流電源11の負極端子と、モジュール20の負極端子Nと、グランドとに接続されている。直流電源11の電圧は、たとえば、耐圧が3300Vのモジュール20に対して1700Vとしてある。放電抵抗13の値は、たとえば、10kΩである。
パルスジェネレータ14の出力端子は、ゲートドライバユニット15,16の入力端子に接続され、同時にオンすることがない上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号を生成し、ゲートドライバユニット15,16に出力する。なお、ゲートドライバユニット15,16は、互いに独立した基準電位を有する電源から給電されている。上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号は、たとえば、波高値が5Vのパルス信号である。
ゲートドライバユニット15,16の出力端子は、モジュール20のMOSFET21,22のゲート端子にそれぞれ接続されている。ゲートドライバユニット15,16は、パルスジェネレータ14から上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号を受けてMOSFET21,22を駆動するゲート電圧Vgを生成する。ゲート電圧Vgは、MOSFET21,22をターンオンするときに+15Vの電位を有し、MOSFET21,22をターンオフするときは-5Vの電位を有している。これらの電位は、ゲートドライバユニット15では、MOSFET21とMOSFET22との中間端子の電位に対してのものであり、ゲートドライバユニット16では、モジュール20の負極端子Nの電位に対してのものである。
モジュール20の正極端子Pは、コンデンサ17の一方の端子に接続され、コンデンサ17の他方の端子は、モジュール20の負極端子Nに接続されている。コンデンサ17は、試験時の動作を安定させるために設けられたものであり、直流電源11から供給された電流を充電していて、モジュール20への電流供給は、このコンデンサ17から行うことになる。コンデンサ17は、モジュール20が主電流を流すことがないので、静電容量は、小さいものでよく、たとえば、47μFである。試験中は常に充電状態にあるコンデンサ17は、試験終了後に放電抵抗13によって放電され、その後、この負荷耐量試験装置からモジュール20が取り除かれ、初期不良検出のために静特性試験装置に移される。
次に、この負荷耐量試験装置によるモジュール20の負荷耐量試験の手順について説明する。まず、常温で負荷耐量試験装置にモジュール20を電気的に接続し、ゲートドライバユニット15,16は、モジュール20のMOSFET21,22のゲート端子に-5Vのゲート電圧Vgを印加して両方のMOSFET21,22をオフ状態にしておく。このとき、モジュール20は、自然空冷式の簡易的な冷却フィン上に載せておくだけでよい。
次に、スイッチ12を直流電源11の側に切り替え、モジュール20の正極端子Pと負極端子Nとの間に1700Vの電圧を印加する。これにより、コンデンサ17は、充電されて1700Vの端子電圧に維持される。
次に、パルスジェネレータ14を作動させ、ゲートドライバユニット15,16に、図4に示した上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号を入力する。このとき、上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号は、周波数が、たとえば、13kHzのパルス信号であり、デッドタイムTdは、たとえば、2μsにしてある。ゲートドライバユニット15,16は、波高値が+5Vの上アーム側パルス信号および下アーム側パルス信号を受けて、高電位が+15V、低電位が-5Vのゲート電圧Vgを生成し、モジュール20のMOSFET21,22のゲート端子に交互に印加する。
ここで、たとえば、上アーム側のMOSFET21が+15Vのゲート電圧Vgを受けてオンの状態になり、下アーム側のMOSFET22が-5Vのゲート電圧Vgを受けてオフの状態であるとする。このため、上アーム側のMOSFET21および下アーム側のMOSFET22には、直流電源11の電圧が印加されるが、主電流(ドレイン電流)が流れることはない。なお、主電流には不可避的に流れるリーク電流は含まない。
このとき、上アーム側のMOSFET21は、ゲート-ソース間にdVg/dtの大きなゲート電圧Vgが印加されるので、ゲート-ソース間に変位電流が流れることになる。これにより、上アーム側のMOSFET21のゲート-ソース間の寄生容量に電荷が蓄積される。また、上アーム側のMOSFET21は、ゲート電圧Vgが印加されてオン状態になることでドレイン-ソース間電圧Vdsが低くなる。この結果、ドレイン端子の電圧がゲート端子の電圧よりも低くなるので、ゲート-ドレイン間にも変位電流が流れることになる。これにより、上アーム側のMOSFET21のゲート-ドレイン間の寄生容量にも電荷が蓄積される。
次に、上アーム側のMOSFET21のゲート端子に-5Vのゲート電圧Vgが印加され、その時点から2μsのデッドタイムの時間経過後に下アーム側のMOSFET22のゲート端子に+15Vのゲート電圧Vgが印加される。このとき、上アーム側のMOSFET21は、そのゲート端子に-5Vのゲート電圧Vgが印加されて、ゲート-ソース間の寄生容量に蓄積されていた電荷が瞬間的に引き抜かれるので、オフ状態になる。また、上アーム側のMOSFET21がオフ状態になると、上アーム側のMOSFET21は、ゲート端子よりも電位が低かったドレインに高電圧が印加されるので、上アーム側のMOSFET21のゲート-ドレイン間の寄生容量に蓄積されていた電荷が放電される。
下アーム側のMOSFET22は、そのゲート端子に+15Vのゲート電圧Vgが印加されてオン状態になるとき、ゲート-ソース間およびゲート-ドレイン間にそれぞれ変位電流が流れる。このとき、下アーム側のMOSFET22では、そのゲート-ソース間の寄生容量およびゲート-ドレイン間の寄生容量に変位電流による充電が行われる。
以上の上アーム側のMOSFET21および下アーム側のMOSFET22を交互にスイッチングさせるステップを繰り返すことで、上アーム側のMOSFET21および下アーム側のMOSFET22に変位電流を流すことができる。このとき、上アーム側のMOSFET21および下アーム側のMOSFET22には、主電流が流れることはないので、発熱を抑えることができる。
なお、試験終了後は、スイッチ12を放電抵抗13の側に切り替え、コンデンサ17に蓄積されていた電荷を放電抵抗13に向けて放電させ、コンデンサ17のエネルギを消費させる。その後、モジュール20は、この負荷耐量試験装置から取り外され、この負荷耐量試験装置で与えられたストレスによる影響を確認する別の試験装置に移される。
図2は負荷耐量試験装置による負荷耐量試験で生じるモジュールの温度上昇の変化を示す図である。図2において、横軸は、モジュール20のスイッチング回数を示し、縦軸は、「0」で示す常温(25℃)からの温度差ΔTcを示している。
この図2によれば、スイッチング回数を増やしても常温からの温度差ΔTcは高くても20℃以下に収まっている。これは、主電流を流した場合に175℃程度まで上昇し、温度差ΔTcが150℃程度まで上昇するのと比較すると、大幅に低く、この負荷耐量試験では、発熱による熱的影響をなくすことができる。
以上のように、この負荷耐量試験装置では、試験時に発熱が抑制されているので、この負荷耐量試験を受けたモジュール20は、変位電流だけによる劣化の評価が可能になる。また、発熱が抑制されているということは、モジュール自体の熱劣化が少ないだけでなく、モジュールを構成しているワイヤまたははんだが試験中に断線する可能性もほとんどない。さらに、スイッチング時の発熱が抑制されているので、モジュール20のMOSFET21,22のスイッチング周波数を高周波化することができ、その場合には、高周波化する前と同じスイッチング回数で試験すると、試験時間を大幅に短縮することが可能になる。
なお、上記の実施の形態では、被検体として2in1モジュールを使用したが、デバイス単体のMOSFET21,22を直列に接続して構成したものでもよい。また、上記の実施の形態では、2つのMOSFET21,22で負荷耐量試験を行ったが、3つ以上のMOSFETを直列に接続し、そのうちの1つだけはオフにするようにゲート電圧の印加タイミングをずらすことでも同様に変位電流を生じさせることができる。さらに、上記の実施の形態では、被検体としてSiC-MOSFETの場合を例に示したが、SiC-IGBTを含め、他のワイドバンドギャップ半導体材料による電力用半導体素子に適用することができる。
11 直流電源
12 スイッチ
13 放電抵抗
14 パルスジェネレータ
15,16 ゲートドライバユニット
17 コンデンサ
20 モジュール
21,22 MOSFET
N 負極端子
P 正極端子

Claims (4)

  1. 第1の電圧制御型電力用半導体素子を上アームに配置し、第2の電圧制御型電力用半導体素子を下アームに配置してハーフブリッジ回路を構成し、
    それぞれオフの状態で直列に接続した前記第1の電圧制御型電力用半導体素子および前記第2の電圧制御型電力用半導体素子の両端に高電圧を印加し、
    前記第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子にゲート電圧を印加することにより前記第1の電圧制御型電力用半導体素子をオンの状態にしてゲート端子から高電位側端子および低電位側端子へ変位電流を流すステップと、
    前記第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子へのゲート電圧の印加を停止するステップと、
    前記第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子にゲート電圧を印加することにより前記第2の電圧制御型電力用半導体素子をオンの状態にしてゲート端子から高電位側端子および低電位側端子へ変位電流を流すステップと、
    前記第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子へのゲート電圧の印加を停止するステップとを繰り返し実行
    前記第2の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子に印加されるゲート電圧は第2のゲートドライバユニットにより生成し、前記第1の電圧制御型電力用半導体素子のゲート端子に印加されるゲート電圧は、前記第2のゲートドライバユニットの電源の基準電位とは独立した基準電位の電源を有している第1のゲートドライバユニットにより生成する、
    電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法。
  2. 前記第1の電圧制御型電力用半導体素子および前記第2の電圧制御型電力用半導体素子に主電流を流さないことを特徴とする、請求項1記載の電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法。
  3. 前記第1の電圧制御型電力用半導体素子および前記第2の電圧制御型電力用半導体素子の両端に印加される前記高電圧は、コンデンサに充電された電圧であり、
    負荷耐量試験の終了時には、前記コンデンサに充電された電圧を放電するようにした、請求項1または2に記載の電圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験方法。
  4. 高電圧を出力する直流電源と、
    前記高電圧を受けて充電しながら直列に接続した第1の電圧制御型電力用半導体素子および第2の電圧制御型電力用半導体素子の両端に印加するコンデンサと、
    同時にオンすることがない第1のパルス信号および第2のパルス信号を生成するパルスジェネレータと、
    前記第1のパルス信号を受けて前記第1の電圧制御型電力用半導体素子を駆動するための第1のゲート電圧を生成する第1のゲートドライバユニットと、
    前記第2のパルス信号を受けて前記第2の電圧制御型電力用半導体素子を駆動するための第2のゲート電圧を生成する第2のゲートドライバユニットと、
    試験後に前記コンデンサに充電された電圧を放電する放電回路と、
    を備え、前記第1の電圧制御型電力用半導体素子および前記第2の電圧制御型電力用半導体素子に主電流を流すことなく変位電流を生じさせるようにし、
    前記第1の電圧制御型電力用半導体素子を上アームに配置し、前記第2の電圧制御型電力用半導体素子を下アームに配置してハーフブリッジ回路を構成したとき、上アームの前記第1の電圧制御型電力用半導体素子を駆動する前記第1のゲートドライバユニットの電源は、前記第2のゲートドライバユニットの電源の基準電位とは独立した基準電位を有している、
    圧制御型電力用半導体素子の負荷耐量試験装置。
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