JP2021025399A - コンクリート打設用圧送管固定金具 - Google Patents
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Abstract
Description
その際、圧送管は梁や柱のH形鋼のフランジ部に圧送管を固定するUボルトを直接、あるいは、支持プレート等を介して溶着、あるいは、ボルト挿通用透孔を穿設してボルト、ナットで固着するなど、構造材となるH形鋼に加工を施していたことが開示されている。(特許文献1)
前記固定部材は、対向する一対の挟持片と該一対の挟持片間の挟持口とにより略コの字形をなし、該挟持口において前記H形鋼のフランジ部を固定する挟持体と、一方の該挟持片に設けた貫通ネジ穴から前記他方の挟持片に向かって進退可能に螺着した押圧ボルトと、を有するクランプ金具を備え、前記支持板の該他方側に接合されていることを特徴とする。
なお、「略直交」とは、各部材の公差及び製造誤差等を考慮して、H形鋼の長手方向と圧送管の長手方向とが交差する角度が90度±数度の範囲も含まれるものとする。
なお、「略平行」とは、各部材の公差及び製造誤差等を考慮して、H形鋼の長手方向と圧送管の長手方向との角度の差異が数度の範囲も含まれるものとする。
前記支持部材は、一対の透孔が間隔をあけて設けられた支持板と、端部に形成された一対のネジ部及び該一対のネジ部を繋ぐU字屈曲部を有し、該一対のネジ部が該支持板の一方側から他方側へ向かって該一対の透孔に挿通され、U字屈曲部と支持板の該一方側の面との間に前記圧送管を挟み込んで固定するUボルトと、該支持板の他方側から該ネジ部へ螺合するナットとを備えたことにより、圧送管を支持板に当接した状態でUボルトを抱合させ、ナットを締め付けることで、容易にしかも確実に固定することができる。すなわち、圧送管をH形鋼のフランジ部に強固に固定することができる。
なお、本明細書では説明の便宜上、支持板の面に対して、圧送管が固定される方向を「一方側」と呼び、H形鋼が固定される方向を「他方側」と呼ぶ。また、圧送管の長手方向を上下方向とする。ただし、この上下方向は本実施形態を説明するために規定した方向であり、圧送管及びコンクリート打設用圧送管固定金具が取り付けられる方向を限定するものではない。
本発明の実施形態に係るコンクリート打設用圧送管固定金具は、H形鋼を用いた梁にコンクリートを圧送する圧送管を固定するための固定金具であって、H形鋼のフランジ部に固定する固定部材20と、固定部材20に接合され圧送管を支持する支持部材10とを有する。
H形鋼Aは長手方向から見てH形であり、ウェブ部Dと、ウェブ部Dの両端部に形成されたフランジ部B、Bとを有する。圧送管Cは、円筒状である。
まず、本発明の実施形態1の各構成について、図1〜図3により説明する。
図1から図3に示すように、10は支持部材であり、薄鋼鈑からなる支持板11には、一対の透孔12、12が左右に間隔をあけて設けられる。それら透孔12、12にはUボルト13の両端に設けた一対のネジ部14、14が支持板11の一方側から他方側へ向かって挿通され、支持板11の他方側からナット15、15をそれぞれ螺着する。ナット15、15は、緩み防止のため2重に締め込むことが望ましいので、各2個設ける。
支持板11の上下縁はプレス加工により他方側に一体的に屈曲させて、長手方向の剛性を高めると共に、圧送管の外周が当接する当接部16、16とし、圧送管の外径に沿うように円弧状に切欠いている。Uボルト13の一対のネジ部14、14を繋ぐU字屈曲部17と支持板11の他方側に設けられた該切欠き部の面との間に圧送管を挟み込み、安定して保持することができる。
20は固定部材であり、並列する2つのクランプ金具21、21とからなる。
クランプ金具21、21は、上下に対向する一対の挟持片22、23とそれら挟持片22、23間となる挟持口24とにより、側面視して略コの字形をなす挟持体25と、一方の挟持片22に設けた貫通ネジ穴26に他方の挟持片23に向かって上下方向に進退可能に螺着した押圧ボルト27からなる。
挟持体25は、押圧ボルト27が他方の挟持片23に向かって締め付けられることにより、挟持口24においてH形鋼のフランジ部を固定する。挟持体25は冷間あるいは熱間鍛造加工により一体的に成形して、安定した強度を得る形態とする。
(実施形態1)
H形鋼を梁に使用する場合は図4に示すように、固定部材20を取付けるH形鋼のフランジ部の長手方向に対して、圧送管は略直交した状態となる。支持板11の他方側面に、挟持体25の挟持口24を他方側へ向いて開口させ、押圧ボルト27が圧送管の長手方向と略平行する方向へ進退可能な状態になるように、溶接により2体の挟持体25、25を左右に並列して接合する。
(実施形態2)
H形鋼を柱で使用し、圧送管をその柱のフランジ縁部の長手方向に沿って略平行に固定する場合を説明する。図5に示すように、H形鋼Aのウェブ部Dは支持板11と略平行に対向し、フランジ部B、Bは支持板11と略直交する方向に突出し、固定部材20を取付けるH形鋼のフランジの長手方向に対して、圧送管は略平行状態となる。支持板11の他方側面には、挟持体25の挟持口24を他方側へ向いて開口させ、押圧ボルト27が圧送管の長手方向と略直交する方向へ進退可能な状態となるように、溶接により2体の挟持体25、25を上下に並列して固定する。
(実施形態3)
H形鋼を柱で使用し、圧送管をその柱のフランジ広面の長手方向に沿って略平行に固定する場合を説明する。図6に示すように、H形鋼Aのウェブ部Dは支持板11と略直交し、フランジ部B、Bの面は支持板11と略平行であり、固定部材20を取付けるH形鋼のフランジ部の長手方向に対して、圧送管は略平行状態となる。支持板12の他方側面には、挟持体25の一方の挟持片23の外面側を、押圧ボルト27が圧送管の長手方向と略直交する方向へ進退可能な状態となるように、溶接により2体の挟持体25、25を上下に並列して固定する。
図7に示すように、まず、固定部材20のクランプ金具21、21を梁のH形鋼Aのフランジ部Bに対して挟持口23を外嵌した状態で押圧ボルト27をフランジ面に向かって締め込むことで、挟持体25、25は、H形鋼Aの一方のフランジ部Bの片側をそれぞれ固定する。
次に圧送管Cを支持板11の当接部16、16に当接した状態でUボルト13を抱合させ、裏側からナット15、15を締め付けて固定させる。
このように使用することにより、H形鋼の長手方向と圧送管の長手方向とを略直交させて固定することができる。
コンクリート打設後、圧送管の撤去の際に本発明の固定金具もH形鋼から取り外して、転用することができるものである。
本発明の実施形態4の各構成について、図10〜図13により説明する。
図10から図13に示すように、100は支持部材であり、薄鋼鈑からなる支持板110に一対の透孔120、120が左右に間隔をあけて設けられる。
115はアーム部であり、長手方向の剛性を高めるために両端が下方に向けて屈曲した断面略コの字型の支持面116のほぼ中央に長手方向に沿って長孔117を設けた。また、アーム部115は、支持板110から他方側へ向かって延出するようにその先端を支持面116の他方側の面に溶接により固定し、支持板110とアーム部115とにより略T字形に形成する。
前記支持板の形態及び、その他構成となるUボルト、ナットについては実施形態1と同じであるので説明を省略する。
また、長孔117に代えて複数個の透孔(図示省略)を設けてもよく、適宜間隔で段階的に調整することができる効果が期待できる。
200は固定部材であり、長孔117におけるボルト300及びナット310の締緩により、長孔117に沿って移動可能にアーム部115と接合されている。固定部材200のクランプ金具210の形態は実施形態1と同じであるので省略するが支持座280に2つ溶接により固定する。
支持座280は、前記アーム部115の幅長さより幅広のアングル状であり、上下方向に延出するX座面281と左右方向に延出するY座面282の2辺からなり、X座面281の内面に前記挟持片230の外面が、Y座面282の内面に前記クランプ金具210の挟持口240の外面が沿うように配置、固定され、挟持体25の挟持口24は他方側へ向いて開口している。
ここでは溶接で接合する説明をしたが、挟持体にネジ穴を穿設し、そのネジ穴に合う透孔を支持座に設け、前記ネジ穴にボルトをねじ込んで固定することもできる。(図示省略)
400はフランジ部Bからコンクリート打設用圧送管固定金具が外れるのを防止するための固定部材(以下、外れ防止部材と呼ぶ)であり、固定部材200と対向させて配置され、長孔117におけるボルト300及びナット310の締緩により、長穴117に沿って移動可能にアーム部115と接合されている。外れ防止部材400は、前記固定部材200と同形態であるがクランプ金具210は1つとしている。
また、外れ防止部材400を備えることなく、固定部材200にアーム部115をボルト300ナット310で固定することもできるが、その場合は前記ボルト300ナット310を2本使用することで安定して固定することができる。(図20参照)
また、支持部材100と外れ防止部材400との接合も同様に、支持部材100のアーム部115と長孔117を介して前記外れ防止部材400の支持座410の透孔420とをボルト300及びナット310で固定する。
これらボルト300ナット310の締緩により、前記固定部材200及び外れ防止部材400に対して前記支持部材100がアーム部115の長孔117に沿って移動可能となるように接合するが、支持部材100の支持板110とアーム部115を固定する向き及び支持部材100と固定部材200の接合位置の組み合わせにより、H形鋼を柱に使用しその柱に沿って圧送管を固定する場合、あるいは、H形鋼を梁に使用してその梁に圧送管を固定する場合に対応することができるので以下に説明する。
また、外れ防止部材400は固定部材200に常に対向状態となるよう、それぞれ挟持体250の挟持口240を対向させて長孔117に固定される。支持部材100を固定する位置は固定部材200と同じになるために説明を省略する。
(実施形態4)
H形鋼を梁に使用する場合は図14に示すように、固定部材200を取付けるH形鋼のフランジ部の長手方向に対して、圧送管は略直交した状態となる。支持板110とアーム部115を固定する向きは、支持面116が圧送管の長手方向と略直交になるように固定すると共に、支持部材100のアーム部115を固定部材200の支持座280のX座面281側に前記ボルト300ナット310で固定する。固定部材200はH形鋼の一方側に配置され、外れ防止部材400はH形鋼の他方側に配置され、一方側及び他方側からH形鋼のフランジ部にそれぞれ固定可能である。
(実施形態5)
H形鋼を柱で使用し、圧送管をその柱のフランジ縁部の長手方向に沿って略平行に固定する場合を説明する。図15に示すように、固定部材200を取付けるH形鋼のフランジ部の長手方向に対して、圧送管は略平行状態となるので、支持板110とアーム部115を固定する向きは、支持面116が圧送管の長手方向と略平行になるように固定すると共に、支持部材100のアーム部115を固定部材200の支持座280のX座面281側に前記ボルト300ナット310で固定する。
(実施形態6)
H形鋼を柱で使用し、圧送管をその柱のフランジ広面の長手方向に沿って略平行に固定する場合を説明する。図16に示すように、固定部材200を取付けるH形鋼のフランジ部の長手方向に対して、圧送管は略平行状態となる。支持板110とアーム部115を固定する向きは、支持面116が圧送管の長手方向と略平行になるように固定すると共に、支持部材100のアーム部115を固定部材200の支持座280のY座面282側に前記ボルト300ナット310で固定する。
図17に示すように、固定部材200及び外れ防止部材400の押圧ボルト270は、圧送管Cの長手方向と略平行する方向へ進退可能な状態である。まず、固定部材200のクランプ金具210、210を梁のH形鋼Aのフランジ部Bに対して挟持口230を外嵌した状態で押圧ボルト270をフランジ面に向かって締め込むことでそれぞれ固定する。
次に固定部材200と支持部材100を接合するボルト300ナット310を緩めて、支持板115をアーム部115の長孔117に沿って、圧送管Cに向かって移動させ、当接部160、160に当接した状態でUボルト130を抱合させ、裏側からナット150、150を締め付けて固定させる。
コンクリート打設後、圧送管の撤去の際に本発明の固定金具もH形鋼から取り外して、転用することができるものである。
11、110 支持板
115 アーム部
116 支持面
117 長孔
12、120 透孔
13、130 Uボルト
14、140 ネジ部
15、150 ナット
16、160 当接部
17 U字屈曲部
20、200 固定部材
21、210 クランプ金具
22、220 挟持片
23、230 挟持片
24、240 挟持口
25、250 挟持体
27、270 押圧ボルト
280 支持座
281 X座面
282 Y座面
283 透孔
300 ボルト
310 ナット
400 固定部材(外れ防止部材)
410 支持座
420 透孔
A H形鋼
B フランジ部
C 圧送管
D ウェブ部
Claims (8)
- H形鋼を用いた柱や梁にコンクリートを圧送する圧送管を固定するための固定金具であって、H形鋼のフランジ部に固定する固定部材と、該固定部材に接合され圧送管を支持する支持部材とを有し、
前記支持部材は、一対の透孔が間隔をあけて設けられた支持板と、端部に形成された一対のネジ部及び該一対のネジ部を繋ぐU字屈曲部を有し、該一対のネジ部が該支持板の一方側から他方側へ向かって該一対の透孔に挿通され、U字屈曲部と支持板の該一方側の面との間に前記圧送管を挟み込んで固定するUボルトと、該支持板の該他方側から該ネジ部へ螺合するナットと、を備え、
前記固定部材は、対向する一対の挟持片と該一対の挟持片間の挟持口とにより略コの字形をなし、該挟持口において前記H形鋼のフランジ部を固定する挟持体と、一方の該挟持片に設けた貫通ネジ穴から前記他方の挟持片に向かって進退可能に螺着した押圧ボルトと、を有するクランプ金具を備え、前記支持板の該他方側に接合されていることを特徴とするコンクリート打設用圧送管固定金具。 - 前記固定部材が複数個の前記クランプ金具を有することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。
- 前記固定部材が略L字状の支持座と、該支持座の内面に沿うように固着したクランプ金具と、を有し、該支持座を介して前記支持板の前記他方側に接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。
- 前記支持部材は、前記支持板から前記他方側へ向かって延出するアーム部を有し、該支持板と該アーム部とが略T字形をなすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。
- 前記アーム部は、長手方向に沿って延びる長孔有し、
前記固定部材は、該長孔におけるボルト及びナットの締緩により、該長孔に沿って移動可能に前記アーム部と接合されていることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。 - 前記アーム部は、少なくとも2つの前記固定部材が接合され、
前記固定部材は、前記H形鋼の前記一方側及び前記他方側に配置され、該一方側及び該他方側から該H形鋼のフランジ部にそれぞれ固定されることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。 - 前記固定部材は、前記押圧ボルトが前記圧送管の長手方向と略平行する方向へ進退可能な状態で、前記支持部材に接合されることにより、前記H形鋼の長手方向と前記圧送管の長手方向とを略直交させて固定可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。
- 前記固定部材は、前記押圧ボルトが前記圧送管の長手方向と略直交する方向へ進退可能な状態で、前記支持部材に接合されることにより、前記H形鋼の長手方向と前記圧送管の長手方向とを略並行に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンクリート打設用圧送管固定金具。
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