JP2021018424A - 光学積層体 - Google Patents

光学積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2021018424A
JP2021018424A JP2020099060A JP2020099060A JP2021018424A JP 2021018424 A JP2021018424 A JP 2021018424A JP 2020099060 A JP2020099060 A JP 2020099060A JP 2020099060 A JP2020099060 A JP 2020099060A JP 2021018424 A JP2021018424 A JP 2021018424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical laminate
less
image display
light transmittance
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020099060A
Other languages
English (en)
Inventor
直子 小林
Naoko Kobayashi
直子 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to CN202080048402.2A priority Critical patent/CN114072708A/zh
Priority to PCT/JP2020/024514 priority patent/WO2021010100A1/ja
Priority to KR1020227004744A priority patent/KR20220031711A/ko
Priority to TW109123063A priority patent/TW202110635A/zh
Publication of JP2021018424A publication Critical patent/JP2021018424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】光学式指紋認証システムが組込まれ、波長430nm以上490nm以下の範囲内に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合した場合であっても、光学式指紋認証システムが十分に機能することができる光学積層体を提供すること。【解決手段】光学式指紋認証システムが組込まれ、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合して用いられる光学積層体であって、偏光子と透明保護フィルムとが積層されてなり、波長430nm以上490nm以下における平均光線透過率Ta(430−490)が38.5%以下であり、波長500nm以上580nm以下における平均光線透過率Ta(500−580)が48%以下であり、波長590nm以上680nm以下における平均光線透過率Ta(590〜680)が48%以下であり、平均光線透過率Ta(430−490)が15.2%以上である光学積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、光学積層体に関し、さらには、光学積層体と、光学式指紋認証システムが組み込まれた画像表示素子とを備える画像表示装置にも関する。
従来、指紋認証装置として、光源とイメージセンサとを有する光学式指紋認証装置が提案されている(特許文献1)。また、光学式指紋認証システムが内蔵された平面表示装置も提案されている(特許文献2)。
国際公開第2017/098758号 特開2018−97871号公報
本発明の目的は、光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子であって、波長430nm以上490nm以下の範囲内に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合した場合であっても、光学式指紋認証システムがその機能を十分に発揮することができる光学積層体、及び画像表示装置を提供することである。
本発明は、以下の光学積層体及び画像表示装置を提供する。
[1] 光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子であって、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合して用いられる光学積層体であって、
偏光子と透明保護フィルムとが積層されてなり、
波長430nm以上490nm以下における平均光線透過率Ta(430−490)が38.5%以下であり、
波長500nm以上580nm以下における平均光線透過率Ta(500−580)が48%以下であり、
波長590nm以上680nm以下における平均光線透過率Ta(590〜680)が48%以下であり、
前記平均光線透過率Ta(430−490)が15.2%以上である、光学積層体。
[2] 拡散粘着剤層をさらに備える、[1]に記載の光学積層体。
[3] 前記透明保護フィルムの最外面が外部に露出しており、前記最外面の表面硬度が5H以上である、[1]または[2]に記載の光学積層体。
[4] 前記透明保護フィルムの最外面が外部に露出しており、前記最外面に防汚処理が施されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学積層体。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学積層体と、前面板とを備える前面板付き光学積層体。
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学積層体と、タッチパネルとを備えるタッチパネル付き光学積層体。
[7] 光学式指紋認証システムが組み込まれ、及び波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子と、
前記画像表示素子の視認側に貼合された[1]〜[4]のいずれかに記載の光学積層体、[5]に記載の前面板付き光学積層体または[6]に記載のタッチパネル付き光学積層体と
を備える画像表示装置。
本発明によれば、光学式指紋認証システムが組込まれ、波長430nm以上490nm以下の範囲内に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合した場合であっても、光学式指紋認証システムがその機能を十分に発揮することができる光学積層体、及び画像表示装置を提供することができる。
本発明の一態様に係る積層体を示す概略断面図である。 本発明の一態様に係る積層体を示す概略断面図である。 本発明の一態様に係る画像表示装置を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<光学積層体>
図1は、本発明の一実施形態による光学積層体の概略断面図である。図1に示す光学積層体100は、透明保護フィルム10と、偏光子20とを備える。
光学積層体100は、光学式指紋認証システムが組み込まれ、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合して用いられる。
画像表示素子としては特に限定されず、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示素子、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示素子、液晶表示素子等を挙げることができる。
画像表示素子に組込まれる光学式指紋認証システムは、従来公知のものを使用することができ、例えばイメージセンサを備える光学式指紋認証システムを用いることができる。このような光学式指紋認証システムでは、光源から人間の指に照射された光が指紋の凹凸により反射され、その反射された光をイメージセンサが感知することで指紋認証が行われる。光源は、画像表示素子自体であってもよいし、光学式指紋認証システム及び/又は画像表示素子が備えるものであってよい。光学式指紋認証システム及び画像表示素子が備える光源としては、例えば冷陰極管、LED、有機EL光源、無機EL光源等が挙げられる。光源は、イメージセンサが読取る光の波長の観点からは好ましくは波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する光源であり、より好ましくは波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する有機EL画像表示素子及び有機EL光源である。
光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子は、画像表示領域で指紋のイメージを感知するものであってよい。例えばユーザーが画像表示装置の画面に触れると、画像表示装置に備わった光源がユーザーの指に光を照射し、照射された光が指紋の凹凸により反射され、画像表示素子の表示パネルの下に埋め込まれたイメージセンサが反射された光を補足し、ユーザーの指紋が認識されることができる。このような画像表示素子はタッチパネルを有することが好ましい。
光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子は、発光ピークが波長430nm以上490nm以下に存在する。光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子は、好ましくは発光ピークが波長460nm付近、具体的には455nm〜465nmに存在し、より好ましくは発光ピークが波長460nmに存在する。画像表示素子は、波長430nm以上490nm以下に存在する発光ピークが波長380nm以上780nm以下における最大発光ピークであってよい。光学式指紋認証システムに備わるイメージセンサは例えば、波長430nm以上490nm以下の光を検出するイメージセンサであってよい。画像表示素子は、波長430nm以上490nm以下の範囲に発光ピークを有すると共に、他の波長範囲に発光ピークを有していてもよい。
従来より、画像表示素子の前面側(視認側)には通常、直線偏光板が貼合される。一般に、画像表示素子が液晶表示素子である場合、画像表示素子の視認側に偏光子又は直線偏光板が配置される。また、画像表示素子が有機EL画像表示素子である場合、画像表示素子の視認側に円偏光板が配置される。これらの場合、直線偏光板及び円偏光板の視認側には、外部から保護するために、粘着剤層を介して透明保護フィルムが積層されることがある。しかしながら、このような光学積層体が視認側に貼合される場合、光学式指紋認証システムが機能しなくなることがあった。このことについて本発明者が研究を行ったところ、直線偏光板又は円偏光板と透明保護フィルムとを貼合わせた光学積層体は、可視光の概ね全域(約430nm〜680nmの波長の範囲)にわたって光線透過率が比較的低い傾向にあることが分かった。光源から照射された光は透明保護フィルムに吸収され、その後、指紋の凹凸で反射された光もまた透明保護フィルムに吸収され、結果、光学式指紋認証システムに備わるイメージセンサに光が十分に届かず、指紋認証機能が発揮できないことが突止められた。研究の結果、光学積層体の画像表示素子の発光ピークが存在する波長域における平均光線透過率が特定値以上であることにより、偏光子と透明保護フィルムとを備える光学積層体を光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子の視認側に貼合して用いた場合でも、指紋認証機能が発揮されることが見出された。
光学積層体100は、波長430nm以上490nm以下における平均光線透過率Ta(430−490)[以下、省略して平均光線透過率Ta(430−490)ともいう]が15.2%以上である。平均光線透過率Ta(430−490)が15.2%以上であることにより、光学積層体100を、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する、光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子に貼合した場合でも、指紋からの反射光が光学式指紋認証システムにより十分に検知され、指紋認証機能が十分に発揮されることとなる。平均光線透過率Ta(430−490)は、指紋からの反射光が光学式指紋認証システムにより十分に検知され易くなる観点から好ましくは16%以上、より好ましくは16.5%以上、さらに好ましくは17.0%以上、特に好ましくは17.5%以上である。本明細書において、光線透過率は分光透過率のことであり、特定波長域での平均光線透過率は、その特定波長域における分光透過率の平均値である。光線透過率は、後述の実施例の欄において説明する方法に従って測定される。
上述の通り、光学積層体100は、可視光の概ね全域(約430nm〜680nmの波長の範囲)にわたって光線透過率が比較的低い傾向にある。光学積層体100は、平均光線透過率Ta(430−490)が38.5%以下である。光学積層体100は、平均光線透過率Ta(430−490)が例えば38%以下であってもよいし、37.5%以下であってもよいし、35%以下であってもよいし、30%以下であってよい。
光学積層体100は、波長500nm以上580nm以下における平均光線透過率Ta(500−580)[以下、省略して平均光線透過率Ta(500−580)ともいう]が48%以下であり、好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは43%以下である。光学積層体100は、平均光線透過率Ta(500−580)が例えば40%以下であってよく、38%以下であってよい。平均光線透過率Ta(500−580)は通常30%以上である。
光学積層体100は、波長590nm以上680nm以下における平均光線透過率Ta(590−680)[以下、省略して平均光線透過率Ta(590−680)ともいう]が48%以下であり、好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは43%以下である。光学積層体100は、平均光線透過率Ta(590−680)が例えば40%以下であってよく、38%以下であってよい。平均光線透過率Ta(590−680)は通常30%以上である。
平均光線透過率Ta(430−490)、Ta(500−580)及びTa(590−680)をそれぞれ上記範囲とするには、透明保護フィルムや後述の直線偏光板中の熱可塑性樹脂フィルムの透過率を調節する方法、偏光子中の色素濃度を調節する方法等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムの透過率を調節する方法としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムに色素や充填剤等を添加する方法等が挙げられる。
光学積層体100は、指紋からの反射光が光学式指紋認証システムにより十分に検知され易くなる観点から、画像表示素子が波長430nm以上490nm以下に有する発光ピーク付近の光線透過率Tp(以下、省略して「光線透過率Tp」ともいう)が例えば15.8%以上であってよい。光学積層体100は、光線透過率Tpが好ましくは16%以上、より好ましくは17%以上である。一方、光学積層体100は、光線透過率Tpが例えば40%以下であってよい。光線透過率Tpは、好ましくは画像表示素子が波長430nm以上490nm以下に有する発光ピークの光線透過率のことである。
光学積層体100は、波長460nmの光線透過率が好ましくは15.8%以上であり、より好ましくは16%以上、さらに好ましくは17%以上である。一方、光学積層体100は、波長460nmの光線透過率が例えば40%以下であってよい。
光学積層体100は、光線透過率Tpが、波長380nm以上780nm以下における平均光線透過率Ta(380−780)[以下、省略して平均光線透過率Ta(380−780)ともいう]より低くてもよく、平均光線透過率Ta(380−780)より0%を超えて低くてもよく、5%以上低くてもよい。
光学積層体100は、透明保護フィルム10の最外面が外部に露出していることが好ましい。透明保護フィルム10の最外面が外部に露出している場合、光学積層体100の透明保護フィルム10側の表面硬度は、例えば5H以上であることができる。光学積層体100がこのような表面硬度を有することにより、指紋認証に伴って繰返し指を擦り付けることに伴う表面の傷付きを防いで傷付きによる光散乱を防止し、長期間にわたって指紋認証を確実に機能させることができる。また、指紋認証に際して指を接触させる最表面の表面硬度が高いことにより、指紋認証の感度が向上し易い傾向にある。光学積層体100の透明保護フィルム10側の表面硬度は好ましくは6H以上、より好ましくは7H以上である。
透明保護フィルム10の最外面が外部に露出している場合、透明保護フィルム10の最外面に防汚処理が施されていることが好ましい。透明保護フィルム10の露出した最外面に防汚処理が施されていることにより、繰返し指を擦り付けることに伴う汚染を防いで、汚染による光散乱を防止し、長期間にわたって指紋認証を確実に機能させることができる。
光学積層体100の平面視の形状は、例えば方形形状であってよく、好ましくは長辺と短辺とを有する方形形状であり、より好ましくは長方形である。光学積層体100の平面視の形状が長方形である場合、長辺の長さは、例えば10mm以上1400mm以下であってよく、好ましくは50mm以上600mm以下である。短辺の長さは、例えば5mm以上800mm以下であり、好ましくは30mm以上500mm以下であり、より好ましくは50mm以上300mm以下である。光学積層体100を構成する各層は、角部がR加工されたり、端部が切り欠き加工されたり、穴あき加工されたりしていてもよい。
光学積層体100の厚みは、光学積層体に求められる機能及び積層体の用途等に応じて異なるため特に限定されないが、例えば20μm以上500μm以下であり、好ましくは30μm以上300μm以下、より好ましくは40μm以上200μm以下である。
(透明保護フィルム)
透明保護フィルム10は、偏光子20又は後述の直線偏光板の傷付防止の機能を有し、光を透過可能な樹脂フィルムであることができる。光学積層体100において、透明保護フィルム10は、最外面が外部に露出するように積層されること好ましい。光学積層体100が画像表示装置に用いられる場合、透明保護フィルム10は通常、画像表示装置の視認側に露出するように用いられる。
透明保護フィルム10としては、例えば光を透過可能な樹脂フィルムであることができる。光を透過可能とは、波長380nm以上780nm以下の平均光線透過率が20%以上となる特性をいう。透明保護フィルム10は、波長380nm以上780nm以下の平均光線透過率が好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。樹脂フィルムとしては、上述の偏光子の説明において例示した熱可塑性樹脂フィルムが適用される。中でも、偏光子の保護機能の観点から好ましくはポリエステル系樹脂フィルムである。
透明保護フィルム10は、特定波長の可視光線(例えば420nm以下)を吸収する機能を有していてもよい。透明保護フィルム10は、光学積層体の最外面となる表面に防汚処理が施されていてもよい。
透明保護フィルム10の厚みは、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下であり、なおさらに好ましくは60μm以下であり、また、通常5μm以上であり、好ましくは20μm以上である。
(偏光子)
偏光子20としては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム若しくは延伸層、又は吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムが挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、例えば二色性色素が挙げられる。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性の有機染料が用いられる。二色性有機染料には、C.I.DIRECT RED 39等のジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料が包含される。
吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は二色性色素と重合性液晶とを含む組成物を塗布し硬化させて得られる層等の重合性液晶化合物の硬化物を含むフィルム等が挙げられる。
偏光子20は、単独で、又は後述の熱可塑性樹脂フィルム、基材、配向膜及び/又は保護層と組合わせて直線偏光板として用いてもよい。直線偏光板の厚みは、例えば2μm以上100μm以下であり、好ましくは10μm以上60μm以下である。
また、偏光子20又は直線偏光板の吸収軸と位相差層の遅相軸とが所定の角度となるように偏光子20又は直線偏光板と後述の位相差層とを組合わせて円偏光板として用いることもできる。位相差層がλ/4板を含む場合、偏光子20又は直線偏光板の吸収軸とλ/4板の遅相軸とのなす角度は、45°±10°であることができる。偏光子20又は直線偏光板と、位相差層とは後述の貼合層により貼合されていてよい。円偏光板の厚みは、例えば10μm以上200μm以下であってよく、好ましくは15μm以上150μm以下、より好ましくは20μm以上100μm以下である。
(1)吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層である偏光子
まず、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム(以下、省略して「延伸フィルム」ということもある)である偏光子について説明する。吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、及び二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程を有する、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。かかる偏光子をそのまま直線偏光板として用いてもよく、その片面又は両面に後述する熱可塑性樹脂フィルムを貼合したものを直線偏光板として用いてもよい。偏光子の厚みは、好ましくは2μm以上40μm以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。
次に、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸層(以下、省略して「延伸層」ということもある)である偏光子について説明する。吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸層は、通常、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を基材フィルム上に塗布する工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させて偏光子とする工程、二色性色素が吸着されたフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
必要に応じて、基材フィルムを偏光子から剥離除去してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、後述する熱可塑性樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。
上述の延伸フィルム又は延伸層である偏光子は、その片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムが貼合されている形態で積層体に組み込まれてもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、例えば鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;エチレン−酢酸ビニル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエーテルイミド系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリビニルアセタール系樹脂;ポリエーテルケトン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
中でも、強度や透光性の観点から好ましくはトリアセチルセルロース系樹脂フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムである。
熱可塑性樹脂フィルムは、偏光子用の保護フィルム、位相差フィルム又は特定波長の可視光線(例えば420nm以下)を吸収する機能を持ったフィルムとして機能し得る。
熱可塑性樹脂フィルムの偏光子とは反対側の表面には、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。
熱可塑性樹脂フィルムにハードコート層を設けることにより、硬度およびスクラッチ性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂を含むハードコート層形成用組成物の硬化物から形成することができる。紫外線硬化型樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、強度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、またはこれらの混合物が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、薄型化の観点から、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下であり、なおさらに好ましくは60μm以下であり、また、通常5μm以上であり、好ましくは20μm以上である。
熱可塑性樹脂フィルムは位相差を有していても、有していなくてもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、例えば、接着剤層を用いて偏光子に貼合することができる。
(2)吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムである偏光子
吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムである偏光子について説明する。吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムは、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は二色性色素と液晶化合物とを含む組成物を基材に塗布し硬化して得られるフィルム等が挙げられる。当該フィルムは、基材を剥離して又は基材とともに直線偏光板として用いてもよく、またはその片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムを有する構成で直線偏光板として用いてもよい。
基材は熱可塑性樹脂フィルムであってよい。基材の例及び厚みは、上述の熱可塑性樹脂フィルムの説明において例示したものが適用される。基材は、ハードコート層、反射防止層、又は帯電防止層を少なくとも一方の表面に有する熱可塑性樹脂フィルムであってよい。基材は、偏光子が形成されない側の表面のみに、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層等が形成されていてもよい。基材は、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層等が、偏光子が形成されている側の表面のみに形成されていてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの例としては、上記延伸フィルム又は延伸層を偏光子として備える直線偏光板の説明において例示したものが適用される。熱可塑性樹脂フィルムは、例えば、接着剤層を用いて偏光子に貼合することができる。
吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。当該フィルムの厚みは、通常20μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上3μm以下である。
吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムとしては、具体的には、特開2013−37353号公報や特開2013−33249号公報等に記載のものが挙げられる。
(配向膜)
配向膜は、上記基材と液晶性を有する二色性色素を含む組成物、又は二色性色素と液晶化合物とを含む組成物の硬化物の層との間に配置されることができる。配向膜は、その上に形成される液晶層を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有する。配向膜としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面に凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向膜を挙げることができる。配向膜の厚みは、例えば10nm以上500nm以下であってよく、10nm以上200nm以下であることが好ましい。
配向性ポリマー層は、配向性ポリマーを溶剤に溶解した組成物を基材に塗布して溶剤を除去し、必要に応じてラビング処理をして形成することができる。この場合、配向規制力は、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層では、配向性ポリマーの表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能である。
光配向性ポリマー層は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む組成物を基材層に塗布し、偏光を照射することによって形成することができる。この場合、配向規制力は、光配向性ポリマー層では、光配向性ポリマーに対する偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。
グルブ配向膜は、例えば感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光、現像等を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層を基材に転写して硬化する方法、基材に活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層に、凹凸を有するロール状の原盤を押し当てる等により凹凸を形成して硬化させる方法等によって形成することができる。
(保護層)
保護層は、偏光子20の表面を保護するために用いることができる。保護層としては、上記の熱可塑性樹脂フィルムの材料として例示をした樹脂フィルムから形成されてもよいし、コーティング型の保護層であってもよい。コーティング型の保護層は、例えばエポキシ樹脂等のカチオン硬化性組成物や(メタ)アクリレート等のラジカル硬化性組成物を塗布し、硬化してなるものであってよく、ポリビニルアルコール系樹脂等の水溶液を塗布し、乾燥してなるものであってよく、必要により可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤等を含んでいてもよい。
保護層の厚みは、例えば200μm以下であってよく、好ましくは0.1μm以上100μm以下である。
(位相差層)
位相差層は、1層または2層以上の位相差層を含むことができる。位相差層としては、λ/4層やλ/2層のようなポジティブA層、およびポジティブC層であることができる。位相差層は、上述の熱可塑性樹脂フィルムの材料として例示をした樹脂フィルムから形成されてもよいし、重合性液晶化合物が硬化した層から形成されてもよい。位相差層は、さらに配向膜や基材を含んでいてもよい。位相差層の厚みは、例えば1μm以上50μm以下であってよい。
(貼合層)
貼合層は、光学積層体100の各層を貼合するために用いられる。貼合層は、透明保護フィルム10と偏光子20又は直線偏光板とを貼合わせるために配置される。貼合層は、粘着剤層又は接着剤層であり、粘着剤組成物や接着剤組成物を用いて形成することができる。貼合層は、単層構造であっても多層構造であってもよいが、好ましくは単層構造である。
粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物であってよい。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。
ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力等の調整ができる性質を有する粘着剤組成物である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。さらに必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を含有させてもよい。
活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物等の(メタ)アクリル系化合物が挙げられる。
粘着剤組成物は、光散乱性能を有する微粒子、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂、粘着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を含むことができる。
粘着剤層は、光散乱性能を有する微粒子をさらに含む粘着剤組成物を用いて形成することにより、光散乱性能を有する微粒子が分散された拡散粘着剤層であることができる。粘着剤層が拡散粘着剤層である場合、画像表示装置において表示ムラが低減され易い傾向にある。光学積層体100が拡散粘着剤層を備える場合、光散乱に起因して光学式指紋認証システムが十分に機能しなくなる虞があるところ、平均光線透過率Ta(430−490)が特定値以上である光学積層体100によれば、光学式指紋認証システムを確実に機能させることができる。拡散粘着剤層は、光学積層体のいずれの層間に配置されていてもよい。
光散乱性能を有する微粒子としては、有機粒子、無機粒子のいずれも使用することができる。有機粒子としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの高分子化合物からなる粒子が挙げられ、架橋された高分子であってもよい。さらに、エチレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、ベンゾグアナミン、ホルムアルデヒド、メラミン、ブタジエンなどから選ばれる2種以上のモノマーが共重合されてなる共重合体を使用することもできる。無機粒子としては、例えばシリカ、シリコーン、酸化チタンなどの粒子が挙げられ、またガラスビーズであってもよい。これらの微粒子は、無色または白色であるのが好ましい。微粒子の形状も特に限定されないが、好ましいものとして、球状、紡錘状または立方体に近い形状のものが挙げられる。粒径は、小さすぎると光散乱能が発現されず、また、大きすぎると光学積層体を画像表示装置に適用した際に表示品位を低下させることから、0.5μm以上20μm以下であるのが好適であり、1μm以上、また10μm以下であるのがより好ましい。微粒子の添加量は、所望する光散乱能の大小に応じて適宜設定できる。通常は、被分散体である粘着剤組成物100質量部に対して、0.01質量部以上100質量部以下であり、好適には1質量部以上50質量部以下の割合で配合される。
粘着剤層は、上記粘着剤組成物の例えば有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化度を有する硬化物とすることができる。
接着剤組成物としては、公知の接着剤組成物であってよく、その例としてはポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等の水系接着剤組成物;紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する活性エネルギー線硬化型接着剤組成物等を挙げることができる。
貼合層の厚みは、例えば0.5μm以上100μm以下であり、好ましくは0.7μm以上50μm以下であり、より好ましくは1μm以上30μm以下である。
光学積層体100は、透明保護フィルム10と偏光板20とが貼合層を介して貼合されていてもよい。光学積層体100は、透明保護層とは反対側にタッチパネル等との貼合のために貼合層を有することができる。
図2は、別の一態様に係る光学積層体200の概略断面図を示す。光学積層体200は、透明保護フィルム10と偏光板30とが拡散粘着剤層40を介して積層されている。偏光板30は、熱可塑性樹脂フィルム31、偏光子32及び位相差層33から構成される。積層体200は、偏光板30の位相差層33側に貼合層50を介してタッチパネル60が貼合されている。
光学積層体200は、透明保護フィルム10と偏光板30との間に拡散粘着剤層40が配置されているが、拡散粘着剤層の代わりに接着剤層や拡散剤を含まない粘着剤層が配置されていてもよい。また、光学積層体200は、貼合層50を介してタッチパネル60が貼合されている。貼合層50は、接着剤層や拡散剤を含まない粘着剤層であってよく、拡散粘着剤層であってもよい。
[光学積層体の製造方法]
光学積層体は、貼合層を介して積層体を構成する層同士を貼合する工程を含む方法によって製造することができる。貼合層を介して層同士を貼合する場合には、密着性を高めるために、貼合面の一方又は両方に対して、例えばコロナ処理等の表面活性化処理を施すことが好ましい。
偏光子が上述の吸収異方性を有する色素を塗布し硬化させたフィルムである偏光子である場合、偏光子は、基材上に配向膜を介して形成することが可能である。偏光子は、二色性色素及び重合性液晶化合物を含む偏光子形成用組成物を塗布し、硬化させることで形成することができる。偏光子形成用組成物は、上述の二色性色素及び重合性液晶化合物に加え、好ましくは重合開始剤、レベリング剤、溶剤をさらに含み、光増感剤、重合禁止剤、レベリング剤等をさらに含み得る。
位相差層が配置される場合、位相差層は、基材及び存在する場合には配向膜上に、重合性液晶化合物を含む位相差層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合することで製造することができる。位相差層形成用組成物は、溶剤、重合開始剤をさらに含み、光増感剤、重合禁止剤、レベリング剤等をさらに含み得る。基材及び配向膜は位相差層に組み込まれてもよいし、あるいは、位相差層から剥離されて積層体の構成要素とはならなくてもよい。
偏光子形成用組成物及び位相差層形成用組成物の塗布、乾燥および重合性液晶化合物の重合は、従来公知の塗布方法、乾燥方法及び重合方法により行うことができる。
粘着剤層は粘着シートとして準備することができる。粘着シートは、例えばトルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に粘着剤組成物を溶解または分散させて粘着剤液を調製し、これを離型処理が施された剥離フィルム上に粘着剤からなる層をシート状に形成しておき、その粘着剤層上にさらに別の剥離フィルムを貼合する方式等により作製することができる。一方の剥離フィルムを剥離した粘着シートを一方の層に貼合し、次いで他方の剥離フィルムを剥離し、他方の層を貼合する方法により各層を貼合することができる。
(画像表示装置)
画像表示装置は、光学式指紋認証システムが組み込まれた画像表示素子と、画像表示素子の視認側に貼合された光学積層体とを備える。光学積層体は、画像表示装置の最外面に透明保護フィルムが配置されるように画像表示素子の視認側に貼合されることができる。光学積層体の透明保護フィルムは画像表示装置の最外面を構成することにより、指紋認証の感度が向上し、長期間にわたって指紋認証を確実に機能させることができる。
画像表示装置としては特に限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、液晶表示装置、タッチパネル表示装置、電界発光表示装置等を挙げることができる。
画像表示装置は、フレキシブル画像表示装置であってもよい。フレキシブル画像表示装置は、折り曲げ可能な画像表示装置である。フレキシブル画像表示装置は、光学式指紋認証システムが組み込まれ、折り曲げ可能な画像表示素子と、本発明の光学積層体とを備える。折り曲げ可能な画像表示素子は、例えば有機EL表示パネルである。有機EL表示パネルに対して視認側に本発明の光学積層体が配置され、折り曲げ可能に構成されている。フレキシブル画像表示装置は、さらに前面板やタッチセンサを含有していてもよい。
視認側から前面板、本発明の光学積層体、およびタッチセンサがこの順に積層されているか、または前面板、タッチセンサおよび本発明の光学積層体が、この順に積層されていることが好ましい。タッチセンサよりも視認側に偏光子が存在すると、タッチセンサのパターンが視認されにくくなり、結果として表示画像の視認性が良くなるので、タッチセンサよりも視認側に本発明の光学積層体を備える構成、すなわち前面板、本発明の光学積層大及びタッチセンサをこの順で備えることがさらに好ましい。それぞれの部材は接着剤、粘着剤等を用いて積層することができる。また、前面板、光学積層体、タッチセンサのいずれかの層の少なくとも一面に形成された遮光パターンを具備することができる。
視認側から前面板、本発明の光学積層体および、折り曲げ可能な画像表示素子を備えるフレキシブル画像表示装置において、前面板および本発明の光学積層体は、光学積層体と、前面板とを備える前面板付き光学積層体を構成する。この前面板付き光学積層体において、前面板は通常、光学積層体の視認側に配置される。光学積層体とは、例えば粘着剤または接着剤により積層される。
視認側からタッチセンサ、本発明の光学積層体および、折り曲げ可能な画像表示素子を備えるフレキシブル画像表示装置において、タッチセンサおよび本発明の光学積層体は、光学積層体とタッチパネルとを備えるタッチパネル付き光学積層体を構成する。このタッチパネル付き光学積層体において、タッチパネルは円偏光板よりも背面側(視認側とは反対側)に配置されてもよいし、光学積層体の視認側に配置されてもよい。タッチセンサと光学積層体とは、例えば粘着剤または接着剤により積層される。
本発明の光学積層体は、その視認側に前面板を積層して前面板付き光学積層体として用いることもできる。前面板付き光学積層体は、本発明の光学積層体と、その視認側に配置された前面板とを備える。
[前面板]
前面板としては、ガラス、樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなるもの等が挙げられる。ガラスとしては、例えば、高透過ガラスや、強化ガラスを用いることができる。特に薄い透明面材を使用する場合には、化学強化を施したガラスが好ましい。ガラスの厚みは、例えば100μm〜5mmとすることができる。
樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなる前面板は、既存のガラスのように硬直ではなく、フレキシブルな特性を有することができる。ハードコート層の厚さは特に限定されず、例えば、5〜100μmであってもよい。
樹脂フィルムとしては、例えばノルボルネン、多環ノルボルネン系単量体のようなシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体、セルロース(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、イソブチルエステルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース)エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ等の高分子で形成されたフィルムであってもよい。これらの高分子はそれぞれ単独又は2種以上混合して使用することができる。
樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルム、例えば1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルムであってもよい。樹脂フィルムとしては、透明性及び耐熱性に優れている点で、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、1軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、透明性及び耐熱性に優れるとともに、フィルムの大型化に対応できる点で、シクロオレフィン系誘導体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムが好ましく、透明性と光学的に異方性のない樹脂フィルムが比較的入手しやすい点で、トリアセチルセルロース及びイソブチルエステルセルロースフィルムが、それぞれ好ましい。樹脂フィルムの厚さは、通常5〜200μmであり、好ましくは20〜100μmである。
[遮光パターン]
遮光パターンはベゼルとも呼ばれる部材であり、前面板における表示素子側に形成することができる。遮光パターンを備えることにより、表示装置を構成する各配線を隠して使用者に視認されないようにすることができる。遮光パターンの色及び材質は特に制限されることはなく、黒色、白色、金色等の多様な色を有する樹脂物質で形成することができる。一実施形態において、遮光パターンの厚さは2μm〜50μmであってもよく、好ましくは4μm〜30μmであってもよく、より好ましくは6μm〜15μmの範囲であってもよい。また、遮光パターンと表示部の間の段差による気泡混入及び境界部の視認を抑制するために、遮光パターンに形状を付与することができる。
[タッチセンサ]
タッチセンサは、画像表示装置の画面に接触(タッチ)する指などを検知(センシング)する装置(センサー)であり、画面上の指の位置を検知して画像表示装置に入力する入力手段として用いられる。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等様々な様式が提案されており、いずれの方式でも構わない。中でも静電容量方式が好ましい。静電容量方式タッチセンサは活性領域及び前記活性領域の外郭部に位置する非活性領域に区分される。活性領域は表示パネルで画面が表示される領域(表示部)に対応する領域であって、使用者のタッチが感知される領域であり、非活性領域は表示装置で画面が表示されない領域(非表示部)に対応する領域である。タッチセンサは、フレキシブルな特性を有する基板と、前記基板の活性領域に形成された感知パターンと、前記基板の非活性領域とで構成され、前記感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインを含むことができる。フレキシブルな特性を有する基板としては、前記ウインドウの透明基板と同様の材料が使用できる。タッチセンサの基板は、靱性が2,000MPa%以上のものがタッチセンサに生じ得るクラックを抑制する観点から好ましい。より好ましくは靱性が2,000MPa%〜30,000MPa%である。ここで、靭性は、高分子材料の引張試験を通じて得られる応力(MPa)−ひずみ(%)曲線(Stress−Strain Curve)において、破壊点までの曲線の下部面積として定義される。
図3は、一態様に係る画像表示装置300の概略断面図を示す。画像表示装置300は、タッチパネル60の貼合層50側とは反対側に光学式指紋認証システム(図示せず)が組込まれた画像表示素子70が配置されている。画像表示素子70は、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子であることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。
[光線透過率の測定]
直線偏光板、透明保護フィルム及び光学積層体について、吸光光度計(UV2450、(株)島津製作所製)を使用し、波長域430nm以上490nm以下、500nm以上580nm以下、及び590nm以上680nm以下での光線透過率を測定し、各波長域での平均光線透過率Taを求めた。
なお、直線偏光板および光学積層体の光線透過率の測定に当たっては、測定を2回行い、得られた光線透過率の平均値を測定値とした。直線偏光板および光学積層体の2回の測定は、直線偏光板および光学積層体を構成する直線偏光板の吸収軸の方向が面内で90度異なるものとして、吸収軸方向の影響を相殺している。また、光学積層体については、平均光線透過率Ta(500−580)及び平均光線透過率Ta(590−680)も測定した。
[表面硬度の測定]
JIS K5600−5−4:1999に規定される鉛筆硬度試験にしたがって、光学積層体を透明保護フィルム側が上になるようにガラス板の上において測定した。
[指紋認証試験]
光学積層体が、指紋認証システムを備えた画像表示素子に粘着剤層を介して積層された状態で、10回の指紋認証を行ってその成功数で認証性についての評価を行った。10回の指紋認証のうち指紋認証の成功数が8回以上であった場合を○とし、指紋認証の成功数が7回以下であった場合を×とした。
[偏光子1の作製]
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素およびヨウ素カリウムの水溶液に30℃で浸漬してヨウ素染色を行った(以下、ヨウ素染色工程ともいう。)。ヨウ素染色工程を経たポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ化カリウム:ホウ酸:水の質量比が12:5:100の水溶液に56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った(以下、ホウ酸処理工程ともいう)。ホウ酸処理工程を経たポリビニルアルコールフィルムを8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子(延伸後の厚さ8μm)を得た。この際、ヨウ素染色工程とホウ酸処理工程において延伸を行った。かかる延伸におけるトータル延伸倍率は5.3倍であった。
[偏光子3の作製]
ヨウ素染色工程における水溶液のヨウ素濃度および浸漬時間を変更し、乾燥温度を80℃に変更したこと以外は、偏光子1の作製と同様にして偏光子3を作製した。
[偏光板1の作製]
上記の通り得られた偏光子1に、シクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み23μm)とケン化処理されたセルロース系樹脂フィルム(厚み20μm)を、水系接着剤を介してニップロールでそれぞれ貼り合わせた。得られた貼合物を、60℃で2分間乾燥して、両面に保護フィルムを有する偏光板1を得た。尚、前記水系接着剤は水100部に、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製 クラレポバール KL318)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(田岡化学工業株式会社製 スミレーズレジン650
固形分濃度30%の水溶液)1.5部を添加して調製した。偏光板1の平均光線透過率Ta(430−490)は、39.9%であった。
[偏光板2の準備]
指紋認証システムを備えたタッチパネル付有機EL画像表示素子を組込んだ市販の有機EL画像表示装置を準備した。この有機EL画像表示素子は、タッチパネル付有機EL画像表示素子と、その前面側に偏光板を備えたものであった。この偏光板をそのまま偏光板2とした。偏光板2の平均光線透過率Ta(430−490)は、39.0%であった。
[偏光板3の作製]
偏光子1を用いたことに代えて、偏光子3を用いたこと以外は、偏光板1の作製と同様にして偏光板3を作製した。偏光板3の平均光線透過率Ta(430−490)は、31.9%であった。
[透明保護フィルム1]
430nm〜490nmにおける平均光線透過率Ta(430−490)が66.8%のポリエステル樹脂系フィルム(厚み150μm)を準備した。
[透明保護フィルム2]
430nm〜490nmにおける平均光線透過率Ta(430−490)が62.0%のポリエステル樹脂系フィルム(厚み150μm)を準備した。
[透明保護フィルム3]
430nm〜490nmにおける平均光線透過率Ta(430−490)が48.4%のポリエステル樹脂系フィルム(厚み30μm)を準備した。
[透明保護フィルム4]
430nm〜490nmにおける平均光線透過率Ta(430−490)が46.5%のポリエステル樹脂系フィルム(厚み180μm)を準備した。
[透明保護フィルム5]
430nm〜490nmにおける平均光線透過率Ta(430−490)が40.8%のポリエステル樹脂系フィルム(厚み60μm)を準備した。
[粘着剤]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル97.0質量部、アクリル酸1.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5質量部、酢酸エチル200質量部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。窒素雰囲気下で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。得られた溶液の一部の重量平均分子量を測定したところ、180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体の生成を確認した。
上記工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)0.30質量部と、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.30質量部とを混合し、十分に撹拌して、酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物の塗工溶液を得た。
セパレータ(リンテック株式会社製:SP−PLR382190、厚み38μm)の離型処理面(剥離層面)に、アプリケーターにより、乾燥後の厚さが15μmとなるように前記塗工溶液を塗工した後、100℃で1分間乾燥し、粘着剤層のセパレータが貼合された面とは反対面に、もう1枚のセパレータ(リンテック社製:SP−PLR381031
)を貼合し、両面セパレータ付き粘着剤層を得た。
[画像表示素子]
指紋認証システムを備えたタッチパネル付有機EL画像表示素子を準備した。この画像表示素子は市販の有機EL画像表示装置に組み込まれたものであり、画面の表示サイズは14.6cm×7.3cmであり、波長460nmに発光ピークを有し、この発光ピークは波長380nm以上780nm以下において最大であった。
[実施例1]
上記市販の有機EL画像表示装置の最前面に組込まれた偏光板2(平均光線透過率Ta(430−490)は39.0%)の視認側の表面に、両面セパレータ付き粘着剤層の一方面からセパレータを剥離して露出させた粘着剤層の面を貼合した。次いでもう一方の面からセパレータを剥離して露出させた粘着剤層の面に透明保護フィルム1を貼合して、実施例1の光学積層体を構成した。この光学積層体は、上記有機EL画像表示装置の最前面に組込まれた状態である。構成された光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表1に示す。また、この光学積層体を構成した状態で、有機EL画像表示装置の指紋認証試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム2に代えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光学積層体を構成した。構成された光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表1に示す。また、この光学積層体を構成した状態で、この有機EL画像表示装置の指紋認証試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の光学積層体を構成した。構成された光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。その結果を表1に示す。また、この光学積層体を構成した状態で、この有機EL画像表示装置の指紋認証試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム4に代えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の光学積層体を構成した。構成された光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。その結果を表1に示す。また、この光学積層体を構成した状態で、この有機EL画像表示装置の指紋認証試験を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム5に代えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光学積層体を構成した。構成された光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。その結果を表1に示す。また、この光学積層体を構成した状態で、この有機EL画像表示装置の指紋認証試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2021018424
[実施例5]
偏光板1(平均光線透過率Ta(430−490)は39.9%)のシクロオレフィン系樹脂フィルム側に、透明保護フィルム1を貼合わせ、実施例5の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表2に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表2に示す結果となる。
[実施例6]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム2に代えたこと以外は、実施例5と同様にして実施例6の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表2に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表2に示す結果となる。
[実施例7]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム3に代えたこと以外は、実施例5と同様にして実施例7の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表2に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表2に示す結果となる。
[実施例8]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム5に代えたこと以外は、実施例5と同様にして実施例8の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表2に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表2に示す結果となる。
Figure 2021018424
[実施例9]
偏光板1を偏光板3(平均光線透過率Ta(430−490)は31.9%)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表3に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表3に示す結果となる。
[実施例10]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム2に代えたこと以外は、実施例9と同様にして実施例10の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表3に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表3に示す結果となる。
[比較例2]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム3に代えたこと以外は、実施例9と同様にして比較例2の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表3に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表3に示す結果となる。
[比較例3]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム5に代えたこと以外は、実施例9と同様にして比較例3の光学積層体を得た。得られた光学積層体の光線透過率及び表面硬度を測定した。結果を表3に示す。この光学積層体について指紋認証試験を行うと表3に示す結果となる。
Figure 2021018424
[拡散粘着剤]
上述の粘着剤に有機粒子(ポリスチレン径樹脂からなる粒子、平均粒径5μm)を粘着剤100質量部に対し10質量部添加、混合することにより、拡散粘着剤を調製した。
[実施例11]
粘着剤層に代えて拡散粘着剤層を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例11の光学積層体を得た。得られた光学積層体の表面硬度は5H以上であった。この光学積層体の指紋認証試験を行うと、指紋を認証することができる。
[比較例4]
透明保護フィルム1を透明保護フィルム5に代えたこと以外は、実施例11と同様にして比較例4の光学積層体を得た。得られた光学積層体の表面硬度は5H以上であった。この光学積層体の指紋認証試験を行っても、指紋を認証することができない。
10 透明保護フィルム、20 偏光子、30 円偏光板、31 熱可塑性樹脂フィルム、32 偏光子、33 位相差層、40 拡散粘着剤層、50 貼合層、60 タッチパネル、70 画像表示素子、100,200 光学積層体、300 画像表示装置

Claims (7)

  1. 光学式指紋認証システムが組込まれた画像表示素子であって、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子の視認側に貼合して用いられる光学積層体であって、
    偏光子と透明保護フィルムとが積層されてなり、
    波長430nm以上490nm以下における平均光線透過率Ta(430−490)が38.5%以下であり、
    波長500nm以上580nm以下における平均光線透過率Ta(500−580)が48%以下であり、
    波長590nm以上680nm以下における平均光線透過率Ta(590〜680)が48%以下であり、
    前記平均光線透過率Ta(430−490)が15.2%以上である光学積層体。
  2. 拡散粘着剤層をさらに備える、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記透明保護フィルムの最外面が外部に露出しており、前記最外面の表面硬度が5H以上である、請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記透明保護フィルムの最外面が外部に露出しており、前記最外面に防汚処理が施されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学積層体と、前面板とを備える前面板付き光学積層体。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学積層体と、タッチパネルとを備えるタッチパネル付き光学積層体。
  7. 光学式指紋認証システムが組み込まれ、波長430nm以上490nm以下に発光ピークを有する画像表示素子と、
    前記画像表示素子の視認側に貼合された請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学積層体、請求項5に記載の前面板付き光学積層体または請求項6に記載のタッチパネル付き光学積層体と
    を備える画像表示装置。
JP2020099060A 2019-07-16 2020-06-08 光学積層体 Pending JP2021018424A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202080048402.2A CN114072708A (zh) 2019-07-16 2020-06-23 光学层叠体
PCT/JP2020/024514 WO2021010100A1 (ja) 2019-07-16 2020-06-23 光学積層体
KR1020227004744A KR20220031711A (ko) 2019-07-16 2020-06-23 광학 적층체
TW109123063A TW202110635A (zh) 2019-07-16 2020-07-08 光學積層體

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019131027 2019-07-16
JP2019131027 2019-07-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021018424A true JP2021018424A (ja) 2021-02-15

Family

ID=74564413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020099060A Pending JP2021018424A (ja) 2019-07-16 2020-06-08 光学積層体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2021018424A (ja)
TW (1) TW202110635A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202141A1 (ja) * 2021-03-22 2022-09-29 富士フイルム株式会社 画像表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202141A1 (ja) * 2021-03-22 2022-09-29 富士フイルム株式会社 画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
TW202110635A (zh) 2021-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7469889B2 (ja) 光学積層体、及び表示装置の製造方法
JP2020101815A (ja) 偏光板セット
JP2020086429A (ja) 光学積層体及びそれを備えた画像表示装置
WO2021085000A1 (ja) 光学積層体及び表示装置
JP2021018424A (ja) 光学積層体
WO2022004137A1 (ja) 粘着剤層付き偏光板
WO2021010100A1 (ja) 光学積層体
CN109313306B (zh) 偏振板组件
JP7005803B1 (ja) 積層体
JP7312013B2 (ja) 光学積層体及び表示装置
TW201723535A (zh) 偏光板及液晶顯示裝置
WO2020170677A1 (ja) 積層体、粘着剤層および粘着シート
TW202129953A (zh) 積層體及圖像顯示裝置
KR20210077669A (ko) 광학 적층체 및 표시장치
WO2021200365A1 (ja) 積層体
WO2022137922A1 (ja) 表面保護フィルム付き積層体の製造方法及び積層体
WO2021200364A1 (ja) 積層体
TW202134709A (zh) 光學積層體
TW202132825A (zh) 光學積層體及具備其的顯示裝置
WO2020100468A1 (ja) 光学積層体及びそれを備えた画像表示装置
KR102024265B1 (ko) 비산방지필름
JP2023062652A (ja) 積層体及び表示装置
KR20230057284A (ko) 적층체 및 표시 장치
JP2022148467A (ja) 光学積層体
KR20220040455A (ko) 적층체