JP2021017226A - 車載通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象機器がシートベルト装置の場合のように車両への組み付けや取り外しが難しい状況でも、その機器を使用するために必要なID割り当てなどの準備作業を容易にすること。【解決手段】シートベルトの脱着を検知するバックルスイッチSW2の信号を利用して、必要なユーザ操作を表現する。脱着の繰り返しパターンを特定のユーザ操作に対応付け、この操作の検出により各シート内ユニットがID登録モードに遷移する。位置指定がない場合は事前に定めたシート位置の順序に従い、複数のシート内ユニットに対して順番にID情報の登録処理を実行する。脱着の繰り返しパターンの違いをシート位置に対応付けて、パターンによりシート内ユニット毎の個別のシート位置を把握する。特別なツールが不要であり、効率的なID登録作業が可能になる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両上で無線通信を利用して所望の車載機器を制御するために利用可能な車載通信システムに関する。
様々な車載機器を監視したり制御するためには、上位の電子制御ユニット(ECU)と様々な箇所に設置されている車載機器との間をそれぞれ接続して通信する必要がある。しかし、例えば可動部位やその近傍などに設置されている車載機器をワイヤハーネスを用いて上位ECUと接続する場合には、様々な困難を解決する必要がある。また、ワイヤハーネスを構成する電線の数を削減することも望まれている。したがって、車両上の無線通信により、各車載機器と上位ECUとの間を接続することが必要になる場合がある。
例えば、特許文献1の「シートベルトを備えた車両」は、シートベルトの装着状態を無線通信により迅速に車両側で検出するための技術を示している。また、特許文献1においては、第2の送信機30からはプリアンブル信号を含む信号が所定回数、繰り返して送信される。また、どのシート2からの信号であるかを識別する情報、シートベルト3が引き出されているのか、あるいは巻き戻されているのかをセンサ34で検出した情報、及び車両1に固有に設定されたID情報を含んだデータ信号がプリアンブル信号に続いて各回毎に送信される。
特開2008−238947号公報
例えば、上位ECUと複数の所望の車載機器との間で通信する場合には、それぞれの通信相手を区別するために固有のID情報などを利用する必要がある。しかしながら、同一の機能を有する機器を共通の品番で管理する場合には、全ての機器に固有のID情報を事前に登録しておくことができない。また、無線通信を利用する場合には、自車両に搭載されている各機器だけでなく、無線通信可能な範囲内に存在する他車両上の各機器も互いに区別する必要がある。
したがって、各機器が実際に車両上に設置された後、ユーザが車両を使用する前に、例えばディーラーの管理者が車両毎にそれぞれの機器に対して固有のID情報を割り当てることが想定される。しかし、固有のID情報を割り当てる対象機器が、特許文献1のようにシートベルトの装着状態を検出する装置である場合には、シートベルト装置の車両への組み付けや取り外しが非常に難しい。したがって、作業を容易にするためにシートベルト装置を車両へ組み付ける前に、例えば装置を分解して電子部品(回路基板など)を取り出し、専用のツールを用いて固有のID情報を車両毎に、および機器毎に割り当てる作業を実施することが考えられる。
そのため、専用のツールを使える環境でなければ、ID情報の割り当て作業ができなかった。また、シートベルト装置を車両へ組み付けた後だと、ID情報の割り当て作業は困難であった。また、ユーザが装置の交換を実施した場合にも、交換後の車両をディーラーに持ち込んで専用のツールを使用しない限り、新しい装置へのID情報の割り当てができなかった。
また、ID情報の割り当て等のために特別な機能を追加する場合には、通常はスイッチなどの電子部品を多数追加したり、特別なインタフェースを用意する必要があるので、コスト上昇が懸念される。特に、シートベルト装置は、車両上の各座席に着座する乗員数と同数の独立した装置が用意されるので、ID情報の割り当ても乗員数と同数だけ必要になり、ID情報の割り当ては容易ではない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理対象の機器がシートベルト装置である場合のように車両へ組み付けや取り外しが難しい状況であっても、その機器を使用するために必要なID情報の割り当てなどの準備作業を容易に行うことが可能な車載通信システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載通信システムは、下記(1)〜(9)を特徴としている。
(1) 車両に搭載されたマスタ制御部と、複数のスレーブ装置とを有し、前記マスタ制御部と各前記スレーブ装置との間で通信するための通信機能を有する車載通信システムであって、
前記車両に搭載された複数の座席のそれぞれに対応付けて設置された複数のバックルと、
前記複数のバックルのうち少なくとも1つの着脱状態に応じた信号を生成するスイッチ部と、を備え、
前記マスタ制御部が、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置を制御する
車載通信システム。
(2) 前記複数のバックルのそれぞれの着脱状態に応じた信号を生成する複数のスイッチ部を備え、
前記複数のスレーブ装置のそれぞれに、前記複数のスイッチ部のいずれかが割り当てられる、
上記(1)に記載の車載通信システム。
(3) 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して、少なくとも固有の識別情報を割り当てる、
上記(1)に記載の車載通信システム。
(4) 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して固有の識別情報を割り当てるための動作を、予め定めた順序で、予め定めた回数だけ繰り返し実行する、
上記(3)に記載の車載通信システム。
(5) 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置の少なくとも1つに対して固有の識別情報を割り当てる際に、前記信号の発生パターンを認識して、割当先の前記スレーブ装置を特定する、
上記(3)に記載の車載通信システム。
(6) 前記複数のスレーブ装置は、電子機器の動作を制御する装置であり、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記電子機器の動作を制御する、
上記(1)に記載の車載通信システム。
(7) 前記電子機器は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、設置された前記座席を移動させるための駆動装置であり、
前記複数のスレーブ装置は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記駆動装置を制御する、
上記(6)に記載の車載通信システム。
(8) 前記マスタ制御部は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、座席ポジション登録モードおよび座席ポジション読出モードの何れかに切り替わり、前記座席ポジション登録モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に現在の座席ポジションを紐づけて登録し、前記座席ポジション読出モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に紐づけて登録された前記座席ポジションを読み出して、前記読み出した前記座席ポジションに移動するように前記駆動装置を制御する、
(7)に記載の車載通信システム。
(9) 前記マスタ制御部は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置の何れかを選択し、前記複数のスレーブ装置の何れかを選択後に前記複数のスイッチ部が生成した信号に対応する操作要求信号を、選択した前記スレーブ装置に対して送信する、
(1)に記載の車載通信システム。
上記(1)の構成の車載通信システムによれば、例えばユーザがシートベルトを操作して該当する座席の近傍に設置されているバックルの着脱状態を変更すると、スイッチ部がバックルの着脱状態を検知して信号を生成する。そして、マスタ制御部は、スイッチ部が生成した信号に基づいて、複数のスレーブ装置を制御する。つまり、各スレーブ装置を制御するための契機をシートベルトの操作で発生することができる。したがって、例えば各スレーブ装置に固有のID情報を割り当てる際にこの操作を適用すれば、特別なツールに接続しなくてもID情報の割り当てが可能になる。しかも、シートベルト装置を車両から取り外したり分解して電子部品を取り出すような特別な作業も必要としない。
上記(2)の構成の車載通信システムによれば、複数のスイッチ部は、複数の座席のそれぞれの位置でシートベルトの着脱状態を個別に検知できる。そして、複数のスレーブ装置のそれぞれを利用して、各位置のシートベルトの着脱状態を把握できる。したがって、例えば車両の走行時に各乗員がシートベルトの装着忘れをしていないかどうかを、全ての乗員について確認し、必要に応じて警報を出力することも可能になる。
上記(3)の構成の車載通信システムによれば、ユーザ等がシートベルトの操作を行うことにより、複数のスレーブ装置のそれぞれに対して、固有の識別情報を割り当てることができる。したがって、各スレーブ装置に識別情報が事前に割り当てられていない場合でも、マスタ制御部が各スレーブ装置に固有の識別情報を割り当てて、他の機器と区別することが容易になる。
上記(4)の構成の車載通信システムによれば、座席数が多く、スレーブ装置の数が多い場合でも、同じ操作を繰り返すだけで、全てのスレーブ装置に固有の識別情報を割り当てることができる。つまり、複数のスレーブ装置の中から操作対象の特定座席位置のスレーブ装置を選択する操作が不要になり、ユーザ等の作業者は単調な操作を繰り返すだけで各スレーブ装置に適切な識別情報を割り当てることが可能になる。
上記(5)の構成の車載通信システムによれば、マスタ制御部は、信号の発生パターンに基づいて、割当先のスレーブ装置を特定できる。したがって、例えばユーザ等の作業者がシートベルトの操作を行う際に、着脱状態の操作パターンを切り替えるだけで、割当先を変更できる。例えば、1箇所のシートベルト装置だけを交換したような場合は、該当する箇所のスレーブ装置だけを割当先として指定できるので、全てのスレーブ装置について識別情報の割り当てをやり直す必要がなく、作業の時間を短縮できる。
上記(6)の構成の車載通信システムによれば、スレーブ装置は、信号の発生パターンに基づいて電子機器の動作を制御できる。よって、バックルとは別に電子機器専用の操作部を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
上記(7)の構成の車載通信システムによれば、スレーブ装置は、信号の発生パターンに基づいて座席の駆動装置の動作を制御できる。よって、座席の駆動装置用の操作部を増やすことなく、コストダウンを図ることができる。
上記(8)の構成の車載通信システムによれば、スレーブ装置は、信号の発生パターンに基づいて座席ポジションの登録及び読み出しを行うことができる。よって、登録した座席ポジション毎に操作部を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
上記(9)の構成の車載通信システムによれば、信号の発生パターンに基づいてスレーブ装置の選択、選択したスレーブ装置への操作要求信号の送信を行うことができる。よって、スレーブ装置毎に操作部を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
本発明の車載通信システムによれば、処理対象の機器がシートベルト装置である場合のように車両へ組み付けや取り外しが難しい状況であっても、その機器を使用するために必要なID情報の割り当てなどの準備作業を容易にできる。すなわち、シートベルトの着脱状態の変更操作を利用して制御を行うので、特別なツールを用意する必要がなく、それを接続するための作業も不要になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、車載通信システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、インパネ内ユニットおよびシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図3は、1つのシートの縦断面におけるシート内ユニットの構成要素配置例を示す正面図である。 図4は、車体内部を上方から視た状態における主要な構成要素の配置例を示す平面図である。 図5(a)、図5(b)、図5(c)、および図5(d)は、それぞれID登録ユニット数が異なる状況におけるシート位置とシート内ユニットの登録順序との関係を表す模式図である。 図6は、シートベルトの脱着パターンと操作条件および指示内容の一覧を表す模式図である。 図7は、図1に示した車載通信システムにおいて各シート内ユニットにID情報を登録する動作の概要を表すシーケンス図である。 図8は、インパネ内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図9は、インパネ内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図10は、インパネ内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図11は、各シート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図12は、各シート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図13は、各シート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図14は、車載通信システムの動作例−1における状態の時系列変化の一部分を示すタイムチャートである。 図15は、車載通信システムの動作例−1における状態の時系列変化の一部分を示すタイムチャートである。 図16は、各シート内ユニットにID情報を登録する動作における警告灯点滅パターンの例を示すタイムチャートである。 図17は、車載通信システムの動作例−2における状態の時系列変化を示すタイムチャートである。 図18は、第2実施形態におけるシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図19は、第2実施形態におけるシート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図20は、第2実施形態におけるシート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図21は、第2実施形態におけるシート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図22は、第2実施形態におけるシート内ユニットの動作の一部分を示すフローチャートである。 図23は、車載通信システムの動作例−3における状態の時系列変化を示すタイムチャートである。 図24は、車載通信システムの動作例−4における状態の時系列変化を示すタイムチャートである。 図25は、第3実施形態における車載通信システムの構成例を示すブロック図である。 図26は、図25に示すエアコンユニットの詳細を示すブロック図である。 図27は、図25に示すオーディオユニットの詳細を示すブロック図である。 図28は、第3実施形態におけるバックルの着脱パターン、バックルスイッチのオンオフのタイムチャート、モード遷移先を示す表である。 図29は、第3実施形態におけるバックルの着脱パターン、バックルスイッチのオンオフのタイムチャート、エアコン操作モード、オーディオ操作モードにおける操作内容を示す表である。 図30は、第3実施形態におけるシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図31は、第3実施形態におけるシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図32は、第3実施形態におけるシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図33は、第3実施形態におけるシート内ユニットの構成例を示すブロック図である。 図34は、車載通信システムの動作例−5における状態の時系列変化を示すタイムチャートである。 図35は、車載通信システムの動作例−6における状態の時系列変化を示すタイムチャートである。
(第1実施形態)
本発明に関する具体的な第1実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<車載通信システムの構成>
図1は、車載通信システム100の構成例を示すブロック図である。
車載通信システム100は、1つのインパネ内ユニット10と、複数のシート内ユニット30−1〜30−4とを備えている。また、インパネ内ユニット10は、メータユニット20と接続されている。
複数のシート内ユニット30−1〜30−4のそれぞれは、同じ車両上で各乗員が着座する位置の近傍に配置され、シート(座席)内に設置されている。したがって、シート内ユニット30−1〜30−4は、例えば各位置の乗員が着座しているかどうか、各位置の乗員がシートベルトを装着しているかどうかなどの状況を把握する目的のために利用できる。
また、各シート内ユニット30−1〜30−4が配置されるシートは可動構造であるため、ワイヤハーネスを利用してシート外の機器と各シート内ユニット30−1〜30−4とを物理的に接続する場合には様々な問題の発生が予想される。そのため、各シート内ユニット30−1〜30−4は、無線通信機能を備え、ワイヤハーネスによらない通信を可能にしている。
インパネ内ユニット10およびメータユニット20は、この車両のインストルメントパネルの内部に設置されている。インパネ内ユニット10は、各シート内ユニット30−1〜30−4との間で通信するための無線通信機能を備え、各シート内ユニット30−1〜30−4を管理できるように構成されている。なお、インパネ内ユニット10の機能は、メータユニット20に内蔵され一体化されてもよい。
インパネ内ユニット10は、各シート内ユニット30−1〜30−4の情報を取得できるので、各乗員の着座位置において、着座の有無を把握したり、シートベルト装着の有無を把握することができる。
メータユニット20内のシートベルト警告機能部25は、インパネ内ユニット10が把握している情報を利用することにより、各シートの着座位置において、シートベルトの装着が必要な時に乗員のシートベルト装着忘れをランプ表示等により警告することができる。また、この表示機能は、他の目的で使用することも可能である。
<インパネ内ユニットおよびシート内ユニットの構成>
図1に示したインパネ内ユニット10および1つのシート内ユニット30の具体的な構
成例を図2に示す。
シート内ユニット30は、スレーブ制御部31、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部32、アンテナ33、着座スイッチSW1、およびバックルスイッチSW2を備えている。また、各シート内ユニット30は内部電源として、図示しない小型の電池を搭載している。
BLE通信部32は、Bluetooth(登録商標)の規格に対応した近距離通信用の無線通信モジュールであり、特にBLEに対応した低消費電力の通信モードを搭載している。そのため、シート内ユニット30は、車両側の電源に接続される必要がなく、内部電源だけで長期間に亘り使用できる。
スレーブ制御部31は、このシート内ユニット30を制御するためのマイクロコンピュータを備えている。スレーブ制御部31内のマイクロコンピュータは、予め組み込まれているプログラムに従って動作し、インパネ内ユニット10との間で通信することにより、所定の機能を実現できる。
また、自車両上でインパネ内ユニット10と複数のシート内ユニット30との間の通信を可能にするためには、それぞれのシート内ユニット30を特定できるように、固有のID情報を車両毎、およびシート内ユニット30毎に割り当てる必要がある。また、部品の共通化のために、それぞれのシート内ユニット30には、固有のID情報が事前に登録されていない。そのため、インパネ内ユニット10と各シート内ユニット30との間で通信を行い、固有のID情報を決定し登録する。そのための機能もスレーブ制御部31に備わっている。
着座スイッチSW1は、各乗員のシート上の所定位置への着座の有無による押圧の有無を検知してオンオフする電気信号を生成する。この電気信号はスレーブ制御部31に入力される。
バックルスイッチSW2は、シートベルトのタングを受け入れて固定するために必要なバックルに設けられている。バックルスイッチSW2は、乗員等の操作によりシートベルトのバックルにタングが差し込まれるとオンし、タングが抜かれるとオフするスイッチとして構成されている。バックルスイッチSW2のオンオフを表す電気信号はスレーブ制御部31に入力される。
本実施形態においては、バックルスイッチSW2は後述するようにユーザ等が特別な操作を行う場合の操作部として利用できる。具体的には、シートベルトの脱着の繰り返しパターンを利用して、ID情報登録のための操作指示を発生することができる。
一方、図2に示したインパネ内ユニット10は、マスタ制御部11、BLE通信部12、アンテナ13、リセットスイッチ14、信号線15、および通信線16を備えている。
BLE通信部12は、Bluetoothの規格に対応した近距離通信用の無線通信モジュールであり、特にBLEに対応した低消費電力の通信モードを搭載している。インパネ内ユニット10のBLE通信部12は、自車両上に搭載されている複数のシート内ユニット30との間でそれぞれ無線通信するために利用される。
マスタ制御部11は、車載通信システム100およびインパネ内ユニット10を制御するためのマイクロコンピュータを備えている。インパネ内ユニット10のマイクロコンピュータは、予め組み込まれているプログラムに従って動作し、各シート内ユニット30との間で通信したり、メータユニット20との間で通信することができる。
また、上記のように、自車両上でインパネ内ユニット10と複数のシート内ユニット30との間の通信を可能にするためには、それぞれのシート内ユニット30を特定できるように、固有のID情報を車両毎、およびシート内ユニット30毎に割り当てる必要がある。そのため、マスタ制御部11は、インパネ内ユニット10と各シート内ユニット30との間で通信を行い、固有のID情報を決定し各シート内ユニット30に登録するための機能も備えている。
リセットスイッチ14は、車両のメンテナンスなどの際にユーザ等が操作し、特別な指示を発生するために利用される。なお、図2の例ではリセットスイッチ14を、ハードウェアの部品として常時用意しておく場合を想定しているが、必要な時にだけ利用可能なソフトウェアスイッチとして用意しても良い。例えば、メータユニット20の表示画面上に、リセットスイッチ14と同等の機能を有するソフトウェアスイッチを必要に応じて割り当てることが想定される。
信号線15は、車両のイグニッションのオンオフに応じて変化するイグニッション信号SG−IGをマスタ制御部11に入力するために利用される。通信線16は、インパネ内ユニット10とメータユニット20とが通信するために利用される。
<シート内ユニットの構成要素配置>
図3は、1つのシート40の縦断面におけるシート内ユニット30の構成要素配置例を示す正面図である。このシート40は、車体のフロア上に前後方向に移動可能な状態で設置されている。また、シート40は乗員が着座可能なシートクッション40aとシートバック40bとを有している。
図3に示すように、シート内ユニット30内の着座スイッチSW1は、シートクッション40aの着座位置近傍に配置されている。また、バックルスイッチSW2は、シートベルトのタングを受け入れ可能なバックルの箇所に内蔵されている。また、スレーブ制御部31およびBLE通信部32はシートクッション40a内部に収容されている。
<主要な構成要素の配置例>
車載通信システム100を搭載した車体110の内部を上方から視た状態における主要な構成要素の配置例を図4に示す。図4において、左側が車体110のフロント部110aを表し、右側がリア部110bを表している。
図4に示した車両の例では、前後方向に3列に並んだ5つのシート40−1、40−2、40−3、40−4、および40−5が車体110に装備されている。また、この例では4つのシート40−1、40−2、40−3、および40−4のそれぞれに1名の乗員が着座可能であり、最後列のシート40−5の左右に2名の乗員が着座可能な状況を想定している。このようなシートの構成や乗員の着座位置については、車種の違いやオプションの有無などに応じて様々に変化する。
図4の例では、シート40−3、40−4、40−5の各着座位置に4つのシート内ユニット30−1、30−2、30−3、および30−4が装備されている。なお、前列のシート40−1、40−2の各乗員については、着座の有無およびシートベルト着用の有無を運転者がいつでも簡単に把握できるので、各シート40−1、40−2の箇所にはシート内ユニット30が備わっていない。勿論、シート内ユニット30が、各シート40−1、40−2の箇所に搭載されていてもよい。
インパネ内ユニット10は、シート40−1の前方のインストルメントパネルの内部に収容されている。また、リセットスイッチ14およびシートベルト警告機能部25がインパネ内ユニット10と接続されている。シートベルト警告機能部25は、メータユニット20に内蔵されている。
また、図4の例では、互いに構成および品番が共通の4つのシート内ユニット30−1、30−2、30−3、および30−4を、それぞれ1番目(1st)、2番目(2nd)、3番目(3rd)および4番目(4th)のユニットとして順番を割り当てる場合を想定している。
<シート位置とシート内ユニットの登録順序との関係>
それぞれID登録ユニット数が異なる状況におけるシート位置とシート内ユニットの登録順序との関係の例を図5(a)〜図5(d)に示す。図5(a)、図5(b)、図5(c)、および図5(d)は、それぞれID登録ユニット数が2、3、4、および5である状況に相当する。
図1に示したような車載通信システム100を使用する場合には、使用前の準備として、複数のシート内ユニット30−1〜30−4のそれぞれに対して固有のID情報を割り当てて登録する(記憶する)必要がある。但し、車両上のシート数、各乗員の着座位置、シート内ユニット30の搭載数などは車両の仕様に応じて変化する可能性がある。
したがって、インパネ内ユニット10のマスタ制御部11がこのシステムに登録するシート内ユニット30のユニット数や各ユニットのシート位置も、状況に応じて図5(a)〜図5(d)のように変化する。
図5(a)の例では、ID登録ユニットの総数が「2」なので、2列目の右側のシート40−3に存在するシート内ユニット30−1を1番目のユニットとして割り当て、2列目の左側のシート40−4に存在するシート内ユニット30−2を2番目のユニットとして割り当てる場合を想定している。
また、図5(b)の例では、ID登録ユニットの総数が「3」なので、各位置のシート内ユニット30−1、30−2、および30−3を、それぞれ1番目、2番目および3番目のユニットとして割り当てる場合を想定している。
また、図5(c)の例では、ID登録ユニットの総数が「4」なので、各位置のシート内ユニット30−1、30−2、30−3および30−4を、それぞれ1番目、2番目、3番目および4番目のユニットとして割り当てる場合を想定している。
また、図5(d)の例では、ID登録ユニットの総数が「5」なので、各位置のシート内ユニット30−1、30−2、30−3、30−4および30−5を、それぞれ1番目、2番目、3番目、4番目および5番目のユニットとして割り当てる場合を想定している。
図5(a)〜図5(d)のように各ユニットの順番を決めるのは、ID情報の割り当て作業を容易にするためである。つまり、同じ登録操作を登録数だけ繰り返し行えばよいので、ユーザ等の作業者は複雑な操作を覚える必要もなく、簡単な作業でIDを登録することができる。
<シートベルトの脱着パターン>
シートベルトの脱着パターンと操作条件および指示内容の一覧を図6に示す。
本実施形態の車載通信システム100においては、シートベルトの脱着パターンを利用してユーザ等は特別な操作指示を発生することができる。図6に示した例では、4種類の脱着パターンPT0、PT1、PT2、およびPT3を必要に応じて使い分けできる場合を想定している。
なお、図6以外の脱着パターンとして、次のような複雑なパターンを利用してもよい。10秒間にn1回の脱着の後、3〜5秒待機した後、10秒間にn2回の脱着
n1:シート列位置×3
n2:シートの左右方向位置(左は1、右は2、中央は3)×3
図6の脱着パターンPT0の場合は、10秒間に5回の割合で周期的なシートベルトの着脱操作を検知した場合に、このパターンであるとみなす。この場合のシートベルトの着脱操作は、バックルスイッチSW2の電気信号のオンオフの切り替わりに相当する。したがって、ユーザ等の作業者がシートベルトの着脱操作を繰り返すことにより、特別なボタン等を操作しなくても様々な指示を発生することができる。脱着パターンPT0は、シート位置の指定がない場合のシート側の登録指示を意味する。
同様に、脱着パターンPT1の場合は、10秒間に3回の割合で周期的なシートベルトの着脱操作を検知した場合に、このパターンであるとみなす。脱着パターンPT1は、操作対象のシート位置が後部座席左側である場合のシート側の登録指示を意味する。
脱着パターンPT2の場合は、10秒間に6回の割合で周期的なシートベルトの着脱操作を検知した場合に、このパターンであるとみなす。脱着パターンPT2は、操作対象のシート位置が後部座席中央である場合のシート側の登録指示を意味する。
脱着パターンPT3の場合は、10秒間に9回の割合で周期的なシートベルトの着脱操作を検知した場合に、このパターンであるとみなす。脱着パターンPT3は、操作対象のシート位置が後部座席右側である場合のシート側の登録指示を意味する。
<システムの動作シーケンス>
図1に示した車載通信システム100において各シート内ユニット30にID情報を登録する動作の概要を図7に示す。なお、図7の例ではインパネ内ユニット10と1つのシート内ユニット30との間の通信動作を示してあるが、実際のシステムでは複数のシート内ユニット30−1〜30−4等の間でそれぞれ図7と同じような手順の通信が繰り返し実行される。図7の動作について以下に説明する。
自車両のイグニッション信号SG−IGがオンになると、これをインパネ内ユニット10が検知してステップS11からS12に進む。
次に、ユーザ等の作業者がリセットスイッチ14等を操作すると、これをインパネ内ユニット10が検知してステップS12からS13に進む。なお、例えばイグニッション信号SG−IGがオンになってから一定時間(60秒)以内の条件を付けたり、リセットスイッチ14を押下する時間の長さを規定しておくことが望ましい。これは、車載通信システム100が誤操作入力に反応するのを防止するために役立つ。また、メータユニット20上に割り当てたソフトウェアのスイッチを利用する場合には、ユーザからの「yes/no」の確認入力をインパネ内ユニット10が検知した後でS13に進むように変更することが望ましい。
インパネ内ユニット10はS13で「ID登録モード」に遷移する。「ID登録モード」では、インパネ内ユニット10は「ID登録コード」の無線送信をし続ける(S14)。また、現在の状態をユーザに知らせるために、テルテール、すなわち警告灯(W/L)の表示を利用する。具体的には、メータユニット20内のシートベルト警告機能部25の表示器を利用して状態を表示する。例えば、1秒間点灯/1秒間消灯の繰り返し点滅パターンで状態を報知する。
一方、各シート内ユニット30は、インパネ内ユニット10からの電波を受信して、所定の「ID登録コード」の受信を検知すると、S21で「ID登録モード」に遷移する。具体的には、シート内ユニット30内のスレーブ制御部31、BLE通信部32等がスリープモードからウエイクアップモードに遷移してS22に進む。
そして、シート内ユニット30は着座スイッチSW1による着座有無の監視、バックルスイッチSW2によるシートベルト着脱の監視、無線信号の受信状態の監視などを常時繰り返し実行し、所定の条件を満たしたか否かを識別する(S22)。
具体例としては、1番目のシート内ユニット30−1の位置で、「ID登録モード」に遷移してから所定時間(例えば10分間)以内に、「着座有」の状態が検知され、且つシートベルトの脱着パターンPT0(図6参照)などがバックルスイッチSW2の信号に基づいてステップS23で検知された場合にS24に進む。そして、シート内ユニット30が「ID登録コード」のトリガ信号を、S24でインパネ内ユニット10に向けて無線送信する。
インパネ内ユニット10は、各シート内ユニット30から「ID登録コード」のトリガ信号を無線信号として受信すると、ステップS15に進み、ID情報を仮登録するための処理を開始する。すなわち、該当するシート内ユニット30とインパネ内ユニット10との間で無線通信を行って、ユニット毎の仮ID情報を決定し、これをインパネ内ユニット10およびシート内ユニット30が仮登録する。
シートベルトの脱着パターンPT0によりシート内ユニット30が「ID登録コード」のトリガ信号を送信した場合には、該当するシート位置やユニット位置をインパネ内ユニット10が特定できない。そのため、シートベルトの脱着パターンPT0の場合は、インパネ内ユニット10は1番目のシート位置(1st)、2番目のシート位置(2nd)、3番目のシート位置(3rd)、・・・の各シート内ユニット30を図5(a)〜図5(d)に示すような順番で順次に処理する。
つまり、インパネ内ユニット10はS14、S15の処理を複数のシート内ユニット30のそれぞれに対して行い、各シート位置のシート内ユニット30は、順番にS21〜S25の処理を行う。また、何番目までの仮登録が終了しているのかをユーザに知らせるために、警告灯の表示を利用する。
複数のシート内ユニット30の全てに対する仮登録の処理が終了した後、インパネ内ユニット10は次のS16でリセットスイッチ14等の操作を検知すると、複数のシート内ユニット30の全てに対するID情報の本登録処理を開始する。すなわち、インパネ内ユニット10と複数のシート内ユニット30のそれぞれとの間で無線通信を行いながら、車両毎に固有で、且つユニット毎に固有のID情報を各位置のユニットにそれぞれ割り当てる。
なお、上記のように「仮登録」の処理を行ってから「本登録」の処理を実行するのは、ID情報が未登録のユニットが存在する状態でシステムが使用されるのを防止するためである。すなわち、全てのシート内ユニット30にID情報がそれぞれ仮登録されたことを確認した後で「本登録」に移行するので、全てのシート内ユニット30に固有のID情報が登録された後で、車載通信システム100が実際に使用されることになる。
ところで、例えば車載通信システム100の使用を開始した後で、故障や部品の変更などに伴って、複数のシート位置のいずれか1つのシート内ユニット30だけを交換する場合もある。このような場合は、交換した新しいシート内ユニット30以外には、既に固有のID情報が登録されているが、図5(a)〜図5(d)のように事前に決めたシート位置の順番に従ってID情報を再登録する場合には、全てのシート内ユニット30に対して図7の処理を行う必要がある。
しかし、例えば図6に示した脱着パターンPT1〜PT3などを利用する場合には、パターンの種類でシート位置を特定できるので、交換した新しいシート内ユニット30だけを対象としてID情報の登録処理を行うことも可能である。
例えば、1つのシート内ユニット30を交換した場合には、インパネ内ユニット10がS14を実行した後で、該当するシート位置に着座して、その位置のシートベルトの脱着操作を繰り返し、例えば脱着パターンPT1〜PT3のうち該当するパターンに合わせる。この場合、このシート内ユニット30がS24で送信するID登録コードのトリガ信号に該当する脱着パターンの情報が含まれるので、インパネ内ユニット10は受信したトリガ信号の脱着パターンを認識し、ID情報を登録すべきシート内ユニット30のシート位置を特定できる。したがって、シート内ユニット30の総数と同じ回数だけS14、S15、S21〜S5の処理を順番に繰り返さなくても、S16に進みID情報の本登録を実行することができる。
なお、インパネ内ユニット10はS15からS16に進む前に、例えば警告灯の表示を利用して、現在までに仮登録が完了しているシート内ユニット30の数や位置をユーザに知らせる。これにより、ユーザの登録操作を支援することができる。
<詳細な動作フロー>
<インパネ内ユニット10の動作>
インパネ内ユニット10の動作の詳細を図8、図9、および図10に示す。図8〜図10の動作について以下に説明する。
イグニッション信号SG−IGがオンになると、インパネ内ユニット10のマスタ制御部11は図8のステップS31から動作を開始する。マスタ制御部11は、通常モードで起動し(S31)、ウエイクアップ(wake up)コードをBLE通信部12に送信し(S32)、表示のバルブチェックのためにメータユニット20上の警告灯(W/L)を1秒間点灯して消灯する(S33)。
マスタ制御部11がリセットスイッチ14等による所定のリセット操作を検知すると、S34からS35に進み「ID登録モード」に遷移する。また、リセット操作を検知しない場合は通常モードを継続する。
マスタ制御部11は「ID登録モード」に遷移した後、0番目の処理PR0を実行する。すなわち、最初にBLE通信部12を利用したID登録モードコードの無線送信を開始する(S36)。この送信は常時繰り返し行う。また、警告灯をID登録モードのパターンで点滅開始する(S37)。また、リセット操作をS38で検知した場合は通常モードへ遷移する。また、「ID登録モード」に遷移してから一定時間a以内にシート内ユニット30からのID登録トリガを受信しない場合は、S40を通り、通常モードへ遷移する。
マスタ制御部11は、いずれかのシート内ユニット30からのID登録トリガを受信した場合には、ID登録トリガ送信元のシート内ユニット30との間でID仮登録処理を実行する(S41)。なお、シート内ユニット30からのID登録トリガの中にシート位置の情報が含まれている場合は、そのシート位置に対応付けてID仮登録処理を実行し、シート位置の情報が含まれていない場合は事前に定めたシート位置の順番でID仮登録処理を実行する。
マスタ制御部11は、次に図9に示したS42に進み、1番目の処理PR1を実行する。すなわち、時間aをリセットし(S42)、BLE通信部12を利用したID登録モードコードの無線送信を再開する(S43)。更に、警告灯を1st仮登録パターンで点滅開始する(S44)。また、リセット操作を検知した場合は、S45からID本登録処理に進む。また、時間aをリセットしてから一定時間a以内にシート内ユニット30からのID登録トリガを受信しない場合は、S48でそれまでの仮登録内容を破棄して通常モードに遷移する。
マスタ制御部11は、いずれかのシート内ユニット30からのID登録トリガを受信した(S46)場合には、ID登録トリガ送信元のシート内ユニット30との間でID仮登録処理を実行する(S49)。また、シート内ユニット30からのID登録トリガの中にシート位置の情報が含まれている場合は、そのシート位置に対応付けてID仮登録処理を実行し、シート位置の情報が含まれていない場合は事前に定めたシート位置の順番でID仮登録処理を実行する。
マスタ制御部11は、1番目の処理PR1を終了した後、引き続き2番目の処理PR2を実行する。仮登録対象のシート位置が変わる点と、警告灯の点滅パターンが違う以外は1番目の処理PR1と同様である。更に、マスタ制御部11は2番目の処理PR2を終了した後、引き続き3番目(3rd)の処理PR3を実行する。3番目の処理PR3も、仮登録対象のシート位置が変わる点と、警告灯の点滅パターンが違う以外は1番目の処理PR1と同様である。
マスタ制御部11は、3番目の処理PR3を終了した後、引き続き4番目の処理PR4を実行する。この例では、4番目の処理PR4が最後のシート位置に対応する場合を想定している。したがって、4番目のシート位置のシート内ユニット30からのID登録トリガを受信した(S65)場合には、ID仮登録処理は省略し、S68でID本登録を実施する。
マスタ制御部11は、S69に進むと、ID仮登録済みのシート内ユニット30との間で無線通信を行い、ID本登録処理を実行する。仮登録状態のシート内ユニット30が複数ある場合は、それぞれについて順番にID本登録処理を実行する。
マスタ制御部11は、ID本登録処理が完了した後、それまでに登録された仮登録内容を全て破棄し(S70)、インパネ内ユニット10からの無線信号によるコード送信を終了し(S71)、警告灯を2秒間点灯してから消灯し(S72)、通常モードに遷移する。
<各シート内ユニット30の動作>
各シート内ユニット30の動作の詳細を図11、図12、および図13に示す。図11〜図13の動作について以下に説明する。
各シート内ユニット30内のスレーブ制御部31およびBLE通信部32は待機時は消費電力を抑制できるようにスリープモードになっている。スリープモードにおいても、スレーブ制御部31はステップS81を繰り返し実行し、一定時間bが経過するとS82に進む。そして、S82で時間bをリセットし、S83で一定時間だけ受信待ち受けを実施する。
スレーブ制御部31が、登録されている特定IDの送信元、すなわちインパネ内ユニット10からのウエイクアップコードを受信した場合は、スレーブ制御部31がS84からウエイクアップモードに遷移する。
また、スレーブ制御部31がインパネ内ユニット10からのID登録モードコードを受信した場合は、ID登録モード(未)に遷移する(S86)。更に、受信待ち受けを開始する(S87)。これ以降、受信待ち受けを常時行う。また、スレーブ制御部31は着座スイッチSW1およびバックルスイッチSW2の監視を開始する(S88)。これ以降、これらの監視を常時実行する。
スレーブ制御部31は、当該シート位置における着座スイッチSW1、バックルスイッチSW2の監視状態に基づいて、所定のパターンを検出したか否かをS89で識別する。例えば、着座状態であって、且つ図6の脱着パターンPT0〜PT3のいずれかのようなパターンを検出した場合はユーザ等からの指示があったものとみなしてS91に進む。それを検出しない状態が一定時間cを経過した場合には、S90を通ってスリープモードに遷移する。
スレーブ制御部31は、ユーザ等からの指示を検出した場合は、BLE通信部32を利用してID登録トリガコードをインパネ内ユニット10に向けて無線送信する(S91)。このID登録トリガコードには、脱着パターンPT0〜PT3などの種類を表すパターンコードを含めることもできる。
スレーブ制御部31は、S91で送信したID登録トリガコードに対するインパネ内ユニット10からの応答コードの受信の有無をS92で識別する。応答コードを受信しない状態が一定時間fだけ経過した場合は、S94で時間fをリセットし、一定回数だけリトライを実施する(S95〜S97)。
スレーブ制御部31は、応答コードを受信した場合は、S98でインパネ内ユニット10との間で通信を行い、それ自身に対するID仮登録の処理を実行する。そしてスレーブ制御部31がID登録モード(仮)に遷移する(S99)。
その後、スレーブ制御部31はインパネ内ユニット10からの本登録コードの受信を待つ。本登録コードを受信せずに一定時間cが経過した場合はスリープモードに遷移する。本登録コードを受信した場合は、スレーブ制御部31はインパネ内ユニット10との間で通信を行い、ID本登録処理を実行し(S103)、ウエイクアップモードに遷移する。
一方、S89で指定パターンを検出しない状態において、一定時間dが経過すると、スレーブ制御部31は図13のS105に進み、着座スイッチSW1およびバックルスイッチSW2の状態を確認する。そして、着座状態でバックルスイッチSW2がオンの場合はS107で警告灯オンコードを送信し、バックルスイッチSW2がオフの場合はS108で警告灯オフコードを送信する。
また、スレーブ制御部31がインパネ内ユニット10からの応答コードを受信しない状態が一定時間eを経過すると、スレーブ制御部31はS111で時間eをリセットし、所定回数のリトライを実施する(S112〜S114)。
<状態の時系列変化:動作例−1>
車載通信システム100の動作例−1における状態の時系列変化を図14および図15に示す。この動作例−1は、1st〜4thの4つのシート位置のシート内ユニット30に対して順番にID情報を割り当てる場合を想定している。
図14、図15において横軸は共通の時間を表している。また、図14中のインパネ内ユニット10の「送信コード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「送信無し」、「ウエイクアップ」、「受信応答」、「ID登録モード」、「仮登録」、および「本登録」の違いを表している。また、図15中の各シート内ユニット30の「モード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「スリープ」、「ウエイクアップ」、「ID登録(未)」、および「ID登録(仮)」の違いを表している。また、図15中の各シート内ユニット30の「送信コード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「送信無し」、「ウエイクアップ」、「シートベルト警告オフ」、「シートベルト警告オン」、「ID登録トリガ」、「仮登録」、および「本登録」の違いを表している。
図14に示すように、イグニッション(IG)がオンになった後、1st〜4thのシート位置の着座状態が順番にオンになる。つまり、ID情報の登録を実施するユーザ等の作業者が各シート位置に順番に着座している状況に相当する。
また、1st〜4thのそれぞれのシート位置の着座状態がオンの時に、各位置のバックルスイッチSW2に周期的なオンオフ変化パターンが現れている。つまり、ID情報の登録を実施するユーザ等の作業者が各シート位置でシートベルトの着脱操作を所定のパターンで繰り返している状況に相当する。これにより、各シート位置のシート内ユニット30において「ID登録トリガ」が順番に発生する。
ユーザ等が視認可能なメータユニット20上の警告灯のオンオフ(点灯/消灯)による状態の変化等は、車載通信システム100のその時の状態をユーザ等に報知するために利用される。図14の例では、警告灯のオンオフ変化により、「バルブチェック」、「ID登録モード」、「1st仮登録」、「2nd仮登録」、「3rd仮登録」、「4th仮登録」、および「登録完了」が順番に表示されている。
インパネ内ユニット10の「送信コード」は、「送信無し」、「ウエイクアップ」、「ID登録モード」、「仮登録」と順番に変化する。そして、1st〜4thのそれぞれに対する「仮登録」が終了した後で、「本登録」が1st〜4thのシート内ユニット30に対して順番に実施される。全ての本登録が終了した後で、インパネ内ユニット10の「受信応答」が発生する。また、インパネ内ユニット10はイグニッションがオンの間は、受信状態が常にオンであり、各シート内ユニット30の状態を監視可能になる。
図15に示すように、1st〜4thのそれぞれのシート内ユニット30は、順番に状態が遷移する。また、1st〜4thのそれぞれのシート内ユニット30のモードは、「スリープ」、「ID登録(未)」、「ID登録(仮)」と順番に変化する。
また、各シート内ユニット30の「送信コード」は、そのシート位置のバックルスイッチSW2の信号、すなわちシートベルトの所定の脱着パターン検出により、「ID登録トリガ」の発生状態になった後、インパネ内ユニット10との通信により「仮登録」になる。その後、1st〜4thの全ての仮登録が終了すると、インパネ内ユニット10との通信により「本登録」になる。
なお、車載通信システム100は電波を用いた無線通信を行っているので、自車両上の各機器だけでなく、自車両の近傍に存在しうる他車両に搭載されたインパネ内ユニット10からの無線信号を自車両の各シート内ユニット30が受信する可能性がある。そして、他車両のインパネ内ユニット10からの信号を受信してシート内ユニット30が「ID登録モード」に遷移することも想定される。
そこで、各シート内ユニット30はモードが「ID登録(未)」の間であっても、シートベルトの状態を表す信号をインパネ内ユニット10に向けて定期的に送信する。また、各シート内ユニット30は、シートベルトの状態を表す信号の定期送信中に、インパネ内ユニット10からの応答がなくても、すぐにはスリープに移行せず、一定回数のリトライを実施する。
また、各シート位置のシート内ユニット30がバックルスイッチSW2の操作によるID登録トリガを検知してそのモードが「ID登録(仮)」に遷移した場合には、誤動作による遷移ではないと判断し、シートベルトの状態を表す信号の定期送信は行わない。
<警告灯点滅パターン>
各シート内ユニット30にID情報を登録する動作における警告灯点滅パターンの例を図16に示す。
図16の例では、「バルブチェック」、「ID未登録」、「仮登録x1」、「仮登録x2」、「仮登録x3」、「仮登録x4」、「仮登録x5」、および「ID登録完了」の8種類の警告灯点滅パターンを示してある。
図16に示すように、「バルブチェック」の警告灯点滅パターンでは、1回だけ警告灯を点灯しその後消灯する。また、「ID未登録」の警告灯点滅パターンでは、長い点灯区間と短い消灯区間との繰り返しにより警告灯の点滅を繰り返す。
また、「仮登録x1」の警告灯点滅パターンでは、短い点灯区間と長い消灯区間との繰り返しにより警告灯の点滅を繰り返す。「仮登録x2」の警告灯点滅パターンでは、連続的な2回の点滅を間欠的に繰り返すように警告灯を点滅する。「仮登録x3」の警告灯点滅パターンでは、連続的な3回の点滅を間欠的に繰り返すように警告灯を点滅する。「仮登録x4」の警告灯点滅パターンでは、連続的な4回の点滅を間欠的に繰り返すように警告灯を点滅する。「仮登録x5」の警告灯点滅パターンでは、連続的な5回の点滅を間欠的に繰り返すように警告灯を点滅する。「ID登録完了」の警告灯点滅パターンでは、1回だけ警告灯を長めに点灯しその後消灯する。
したがって、ユーザ等の作業者は、図16のような点滅パターンの違いを認識することにより、車載通信システム100の現在の状況、すなわち、ID未登録の状態や、仮登録を1番目〜5番目の中のどこまで完了したか、などを把握できる。
<状態の時系列変化:動作例−2>
車載通信システム100の動作例−2における状態の時系列変化を図17に示す。この動作例−2は、車両上の2列目右側シート「2R」と、2列目左側シート「2L」のそれぞれの位置にID登録対象のシート内ユニット30が存在している場合を想定している。
図17において横軸は共通の時間を表している。また、図17中のインパネ内ユニット10の「送信コード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「送信無し」、「ウエイクアップ」、「受信応答」、「ID登録モード」、「仮登録」、および「本登録」の違いを表している。また、図17中の各シート内ユニット30の「モード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「スリープ」、「ウエイクアップ」、「ID登録(未)」、および「ID登録(仮)」の違いを表している。また、図17中の各シート内ユニット30の「送信コード」における縦軸方向の位置の違いは、下から上に向かって順番に、「送信無し」、「ウエイクアップ」、「シートベルト警告オフ」、「シートベルト警告オン」、「ID登録トリガ」、「仮登録」、および「本登録」の違いを表している。
図17に示した例では、イグニッション(IG)がオンになった後、リセットスイッチ14をユーザ等が操作して「ID登録モード」になった後、「2R」席にユーザ等が着座したため、この位置の着座スイッチSW1がオンになっている。この着座スイッチSW1がオンの状態で、同じ席のシートベルトの着脱操作を行うと、バックルスイッチSW2が発生する信号により車載通信システム100に指示を与えることができる。
図17の例では、「2R」席のバックルスイッチSW2の信号が連続的に6回のオンオフを繰り返した後、休止期間をおいて、再び連続的に6回のオンオフを繰り返している。この信号の脱着パターンが、「2R」席の位置を表している。すなわち、ここでは前半の6回のオンオフ繰り返しパターンが、前後方向の位置(座席列)の「2」の3倍の値(=6)を表し、後半の6回のオンオフ繰り返しパターンが、左右方向の座席位置「R:2」の3倍の値(=6)を表している。つまり、前半の「6回のオンオフの繰り返しと、休止期間と、後半の「6回のオンオフの繰り返し」の組合せが「2R」席の位置に対応する。
シート内ユニット30のスレーブ制御部31の処理においては、バックルスイッチSW2の信号オンオフを検出し、最後のオンから所定時間(例えば3秒)を経過すると次ステップに移行する。
図17の例では、バックルスイッチSW2の信号の最初の6回のオンオフの繰り返しをスレーブ制御部31が検知してその繰り返し回数「6」から2列目の座席位置であることを認識し、3秒を経過すると次のステップに進み、横方向の座席位置の検出を実行する。そして、後半の繰り返し回数が「6」なので、右座席R(2×3=6)であることを認識する。その後で、ID登録トリガを送信する。
なお、他車両上のインパネ内ユニット10が送信した信号に反応して、自車両のシート内ユニット30が「ID登録モード」に遷移する可能性もあるので、誤動作を防止するためにモードが「ID登録(未)」であってもシートベルト警告の状態を表す信号は定期的に送信する。
一方、シート内ユニット30がシートベルトの所定の脱着パターンを検出してモードが「ID登録(仮)」になっている場合には、誤動作による遷移ではないので、シートベルト警告の状態を表す信号の定期送信は行わない。
各シート内ユニット30が送信するID登録トリガには、検出したシートベルトの脱着パターンに相当するシート位置の情報を含めることができる。インパネ内ユニット10は、未登録のシート内ユニット30が存在しないことを把握した後、リセットスイッチ14操作等により発生するリセット信号に従い、各シート内ユニット30に対する「本登録」を実行する。「本登録」が完了すると、警告灯の表示により「登録完了」がユーザ等に報知される。
例えば、「2R」席、および「2L」席のシート内ユニット30に対してID登録が完了した後で、「2R」席のシート内ユニット30だけを交換したような場合には、交換して新たに搭載された「2R」席のシート内ユニット30に対してID登録を行う必要がある。しかし、「2L」席のシート内ユニット30については既にID登録が完了しているので、再び登録する必要はない。インパネ内ユニット10はID登録済みのシート内ユニット30のシート位置、および新たに仮登録したシート内ユニット30のシート位置を把握しているので、図17に示すように、「2R」席のシート内ユニット30に対して仮登録が終了した後で、すぐに本登録を実施しこの作業を終了できる。
<車載通信システム100の利点>
上述の車載通信システム100においては、シートベルト脱着繰り返しパターンの違いを利用して、各シート内ユニット30のID登録作業に必要なユーザ操作を表現することができる。したがって、車両専用の特別なツールを用意したり、シートベルト装置を車両から取り外したり、分解して内部の電子部品を取り出したりしなくても、ID登録作業を車両上でそのまま実行できる。そのため、例えばシートベルト装置の部品交換などを行った時に、車両をディーラーに持ち込むことなくユーザ自身でID登録作業を行うことが可能になる。また、着座スイッチSW1やバックルスイッチSW2は、シートベルトの装着忘れを警告する機能のために必要とされる一般的な電子部品であるので、特別な電子部品を新たに追加する必要がない。
また、車載通信システム100が図14および図15に示した動作を実行する場合には、複数のシート位置のシート内ユニット30に対して、事前に定めた順序に従い、順番にID情報の登録を実行するので、ID登録作業の際に個別にシート位置を指定する必要がない。そのため、ユーザ等の作業者が行う操作は比較的単純な同じ操作の繰り返しだけになり作業の負担が軽減される。例えば、インパネ内ユニット10を交換したような場合には、複数のシート内ユニット30の全てについてID登録作業をやり直す必要があるが、同じ手順の繰り返しなので効率よく作業できる。
また、車載通信システム100が図17に示した動作を実行する場合には、シートベルト脱着繰り返しパターンの違いを利用してシート位置を個別に指定することができる。例えば、複数のシート内ユニット30のうちの1つだけを交換した場合には、ID情報が登録されていない1つのシート内ユニット30のみID登録作業を行い、登録済みのシート内ユニット30については作業を省略できるため作業全体の効率がよくなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、車載通信システム100は、第1実施形態で説明したID登録に加えて、バックルスイッチSW2を用いて、シートのシート(座席)ポジションの登録、登録したシートポジションの読み出しを行う。第1実施形態と第2実施形態とで大きく異なる点は、シート内ユニット30の構成である。車載通信システム100を構成するインパネ内ユニット10およびメータユニット20については、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
<シート内ユニットの構成>
シート内ユニット30は、図18に示すように、スレーブ制御部31、BLE通信部32、アンテナ33、着座スイッチSW1、バックルスイッチSW2およびパワーシート34を備えている。スレーブ制御部31、BLE通信部32、アンテナ33、着座スイッチSW1およびバックルスイッチSW2については上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。パワーシート34は、スイッチ、電気モータ(図示せず)から構成され、スイッチを操作することで電気モータが前後スライドや座面の高さ、背もたれの傾きを調整するものである。
<シートポジション登録時の動作>
次に、シートポジション登録時のシート内ユニット30の動作について図19〜図20を参照して説明する。
イグニッション信号SG−IGがオンになると、これをインパネ内ユニット10が検知して、IGオンを示すIG情報に、シフトポジション情報、サイドブレーキ情報、車速情報を付与してシート内ユニット30に送信する。シート内ユニット30のスレーブ制御部31は、IGオン情報を受信すると、図19に示す動作を開始する。
スレーブ制御部31は、インパネ内ユニット10からIG情報を受信すると、通常モードで起動する(S120)。その後、スレーブ制御部31は、シフトがP(パーキング)、かつ、サイドブレーキがオン、かつ、車速が3km/h以下であれば(S121でYES、かつ、S122でYES、かつ、S123でYES)、次のS124に進む。一方、スレーブ制御部31は、シフトがPでない場合(S121でNO)、サイドブレーキがオンしていない場合(S122でNO)、車速が3km/hより早い場合(S123でNO)、通常モードを継続する。
S124では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、シート登録モード遷移コマンドに対応する脱着パターンを検出したか否かを識別する。例えば、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号に基づいて、所定時間以上のバックル脱(バックルスイッチSWのオン)からバックル着(バックルスイッチSW2のオフ)への切り替え(バックルの長脱着)を検出した後、一定時間B以内に一定回数aのバックルの脱着(例えば10秒間に5回の脱着)を検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からシート登録モード遷移コマンドがあったものとみなしてS125に進む。
S125では、スレーブ制御部31は、パワーシート34(電子機器、駆動装置)を制御してシートを微量に動かした後、元の位置に戻すアンサーバック動作を行う。このアンサーバック動作により、ユーザ等がシート登録モードに遷移したことを認識することができる。
シート登録モードにおいて、スレーブ制御部31は、図20に示すように、インパネ内ユニット10からIG情報、シフトポジション情報、サイドブレーキ情報、車両情報を受信して、シフトがP、かつ、サイドブレーキがオン、かつ、車速が3km/h以下であるか否かを判定する(S126〜S128)。スレーブ制御部31は、シフトがP、かつ、サイドブレーキがオン、かつ、車速が3km/h以下であれば(S126でYES、かつ、S127でYES、かつ、S128でYES)、次のS129に進む。一方、スレーブ制御部31は、シフトがPでない場合(S126でNO)、サイドブレーキがオンしていない場合(S127でNO)、車速が3km/hより早い場合(S128でNO)、通常モードに遷移する。
次のS129では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、シート登録コマンドに対応する脱着パターンを検出したか否かを識別する。例えば、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号に基づいて、バックルの長脱着を検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からシート登録コマンドがあったものとみなしてS131に進む。なお、ユーザ等は、バックルスイッチSW2を用いてシート登録モード遷移コマンドを入力した後(図19のS124)、バックルを外す。そして、ユーザ等は、バックルを外している間(バックル脱の間)にパワーシート34を操作して好みのシートポジションにした後、バックルを着用する。これにより、スレーブ制御部31は、長脱着が行われたことを検出する(図20のS129でYES)。
スレーブ制御部31は、長脱着を検出できなければ(S129でNO)、S130に進む。S130においてスレーブ制御部31は、シート登録モードに遷移してから一定時間C経過したか否かを判定する。一定時間C経過していなければ(S130でNO)、スレーブ制御部31は、S126に戻る。一定時間C経過していれば(S130でYES)、スレーブ制御部31は、通常モードに遷移する。
S131では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、バックルスイッチSW2によって登録IDが入力されたか否かを識別する。ユーザ等は、バックルスイッチSW2を用いて任意の着脱パターンを入力することにより、入力した着脱パターンを登録IDとしてスレーブ制御部31に登録することができる。
バックルスイッチSW2を用いて任意の着脱パターンが入力されなければ(S131でNO)、スレーブ制御部31は、シート登録コマンド(長脱着)を検出してから一定時間D経過したか否かを判定する(S132)。一定時間D経過していなければ(S132でNO)、スレーブ制御部31はS131に戻る。一方、一定時間D経過していれば(S132でYES)、スレーブ制御部31はS126に戻る。
一方、バックルスイッチSW2を用いて任意の着脱パターンが入力されると(S131でYES)、スレーブ制御部31は入力された着脱パターンに現状のシートポジションを紐づけて登録、記憶させるシート登録処理を行う(S133)。その後、スレーブ制御部31は、パワーシート34を制御してシートを微量に動かした後、元の位置に戻るアンサーバック動作を行った後(S134)、通常モードに遷移する。
<シートポジション読出時の動作>
次に、シートポジション読出時のシート内ユニット30の動作について図21〜図22を参照して説明する。なお、図21、図22において、既に説明した図19、図20に示す動作と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
イグニッション信号SG−IGがオンになると、これをインパネ内ユニット10が検知して、IGオンを示すIG情報に、シフトポジション情報、サイドブレーキ情報、車速情報を付与してシート内ユニット30に送信する。シート内ユニット30のスレーブ制御部31は、IGオン情報を受信すると、図21に示す動作を開始する。
スレーブ制御部31は、図9のS120〜S123と同様の動作を行った後、S140に進む。S140では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、シート読出モード遷移コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。例えば、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号に基づいて、バックルの長脱着を検出した後、所定時間以上のバックル脱を検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からシート読出モード遷移コマンドがあったものとみなしてS141に進む。
S141では、スレーブ制御部31は、パワーシート34を制御してシートを微量に動かした後、元の位置に戻すアンサーバック動作を行う。このアンサーバック動作により、ユーザ等がシート読出モードに遷移したことを認識することができる。
シート読出モードにおいて、スレーブ制御部31は、図22に示すように、図20のS126〜S128と同様の動作を行った後、S142に進む。次のS142では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、シート読出コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。例えば、バックルの長脱着を検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からシート読出コマンドがあったものとみなしてS144に進む。一方、スレーブ制御部31が、長脱着を検出できなければ(S142でNO)、S130(図22のS130と同様)に進む。
S144では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、バックルスイッチSW2によってID(着脱パターン)が入力されたか否かを識別する。ユーザ等は、バックルスイッチSW2を用いて登録時に入力した着脱パターンを入力する。
バックルスイッチSW2を用いてID(着脱パターン)が入力されなければ(S144でNO)、スレーブ制御部31は、長脱着を検出してから一定時間D経過したか否かを判定する(S145)。一定時間D経過していいなければ(S145でNO)、スレーブ制御部31はS126に戻る。一方、一定時間D経過していれば(S145でYES)、スレーブ制御部31はS144に戻る。
一方、バックルスイッチSW2を用いてIDが入力されなければ(S144でYES)、スレーブ制御部31は、入力されたIDが登録されたものであるか否かを判定する(S146)。スレーブ制御部31は、入力されたIDが登録されたものであれば(S146でYES)、パワーシート34を制御して、登録されたIDに紐づいて記憶されたシートポジションにシートを移動させた後(S147)、通常モードに遷移する。スレーブ制御部31は、入力されたIDが登録されたものでなければ(S146でNO)、パワーシート34を制御して微量に動かした後、元の位置に戻すエラーアンサーバック動作を行った後(S148)、通常モードに遷移する。このエラーアンサーバック動作によりユーザ等がID入力に誤りがあったことを認識することができる。
<状態の時系列変化:動作例−3>
次に、車載通信システム100の動作例−3における状態の時系列変化を図23および図24に示す。図23、図24において横軸は共通の時間を表している。まず、シートポジション登録時の動作について図23を参照して説明する。ユーザは、IGスイッチをオンし、シートポジションを登録したいシートに着座する。このとき、ユーザは、IGスイッチをオン、シフトをP、サイドブレーキをオンにしておく。その後、ユーザは、シートベルトを着用して、バックルスイッチSW2をオフにする。その後、ユーザは、バックルを操作してシート登録モード遷移コマンドを入力する。本実施例では、例えば、バックルの長脱着、一定時間B以内に一定回数5回のバックル短脱着が、シート登録モード遷移コマンドである。
このシート登録モード遷移コマンドの入力によってスレーブ制御部31は、通常モードからシート登録モードに遷移する。その後、ユーザは、バックルを外して、パワーシート34を制御して、好みのシートポジションにシートを移動させる。次に、ユーザは、バックルを着用する。これにより、スレーブ制御部31は、バックルの長脱着を検出して、シート登録コマンドが入力されたと判定し、ユーザによる登録IDの入力を待つ。
その後、ユーザは、バックルスイッチSW2を用いて任意の登録IDを入力する。本実施例では、例えば、ユーザは、バックルの長脱着×2+バックルの短脱着×1を登録IDとして入力した後、バックルを着用する。スレーブ制御部31は、バックル着用が一定時間E以上継続すると、それまで操作された操作パターンを登録IDと識別する。そして、スレーブ制御部31は、識別した登録IDに、ユーザが操作した現在のシートポジションを紐づけて登録、記録するシートポジション登録を行った後、通常モードに遷移する。
次に、シートポジション読出時の動作について図24を参照して説明する。ユーザは、IGスイッチをオンし、シートに着座する。このとき、ユーザは、IGスイッチをオン、シフトをP、サイドブレーキをオンにしておく。その後、ユーザは、シートベルトを着用して、バックルスイッチSW2をオフにする。その後、ユーザは、バックルスイッチSW2を操作してシート読出モード遷移コマンドを入力する。本実施例では、例えば、バックルの長脱着後、再び所定時間以上のバックル脱が、シート読み出しモード遷移コマンドである。
このシート読出遷移コマンドの入力によって制御部31は、通常モードからシート読出モードに遷移する。その後、ユーザは、バックルを着用する。これにより、スレーブ制御部31は、バックルの長脱着を検出して、シート読出コマンドが入力されたと判定し、ユーザによるIDの入力を待つ。
その後、ユーザは、バックルスイッチSW2を用いて上述したように予め登録したIDを入力する。本実施例では、例えば、ユーザは、バックルの長脱着×2+バックルの短脱着×1をIDとして入力した後、バックルを着用する。スレーブ制御部31は、バックル着用が一定時間E以上継続すると、それまで操作された脱着パターンをIDと識別する。そして、スレーブ制御部31は、入力したIDが登録されていれば、入力したIDに紐づけて登録されたシートポジションを読み出して、パワーシート34を制御して、読みだしたシートポジションにシートを移動した後、通常モードに遷移する。
<車載通信システム100の利点>
上述の車載通信システム100において、シート内ユニット30−1〜30−4は、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号の発生パターン(着脱パターン)に基づいてパワーシート34の動作を制御できる。よって、パワーシート34用の操作部を増やすことなく、コストダウンを図ることができる。
上述した車載通信システム100において、シート内ユニット30−1〜30−4は、信号の発生パターンに基づいてシートポジションの登録及び読み出しを行うことができる。よって、登録したシートポジション毎に操作部を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
上述した車載通信システム100においては、シート登録コマンドがバックルの長脱着である。このため、ユーザは、シートベルトを外した状態でシートのポジションを好みのポジションに調整することができる。
上述した車載通信システム100によれば、シフトがP、かつ、サイドブレーキオン、かつ、車速が3km/h以下の間だけ、シートポジションの登録及び読み出しを行うことができる。これにより、車両の走行中にシートポジションの登録及び読み出しを行うことができないようにしている。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、車載通信システム100は、バックルスイッチSW2を用いて、車両に搭載された他の機器(エアコン、スピーカ等)の制御を行う。第1実施形態では、インパネ内ユニット10がマスタ制御部として機能し、スレーブ装置であるシート内ユニット30を制御していたが、第3実施形態では、シート内ユニット30がマスタ制御部として機能し、スレーブ装置である後述するエアコンユニット50及びオーディオユニット60を制御する。第1実施形態と第3実施形態とで大きく異なる点は、車載通信システム100の構成である。
<車載通信システムの構成>
図25は、車載通信システム100の構成例を示すブロック図である。車載通信システム100は、1つのインパネ内ユニット10と、複数のシート内ユニット30−1〜30−4と、エアコンユニット50と、オーディオユニット60と、を備えている。インパネ内ユニット10および複数のシート内ユニット30−1〜30−4については上述した第1実施形態と同様であるためここでは詳細な説明を省略する。
エアコンユニット50は、図26に示すように、エアコン制御部51、BLE通信部52、アンテナ53、エアコン54を備えている。エアコン制御部51は、このエアコン54を制御するためのマイクロコンピュータを備えている。オーディオユニット60は、図27に示すように、オーディオ制御部61、BLE通信部62、アンテナ63、各スピーカ64を備えている。オーディオ制御部61は、このスピーカ64を制御するためのマイクロコンピュータを備えている。
<エアコン制御時の動作>
次に、第3実施形態における車載通信システム100の動作の概要について図28及び図29を参照して説明する。ユーザは、バックルスイッチSW2を操作して、これから制御したい機器を選択する。このため、本実施形態では、図28に示すように、制御したい機器(エアコンユニット50、オーディオユニット60)に1対1で対応した着脱パターンが予め定められている。スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2から入力された着脱パターンに従ってエアコンユニット50を操作するエアコン操作モード、オーディオユニット60を操作するオーディオ操作モードに遷移する。
ユーザは、操作モードに遷移すると、バックルスイッチSW2を操作して、選択した機器の操作を行う。このため、本実施形態では、図29に示すように、エアコンユニット50、オーディオユニット60毎に操作コマンドに1対1で対応した着脱パターンが予め定められている。エアコン操作モードに遷移後、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2から入力された着脱パターンに対応する操作内容を示すエアコン操作要求信号をエアコンユニット50に対して送信する。一方、オーディオ操作モード遷移後、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2から入力された着脱パターンに対応する操作内容を示すオーディオ操作要求信号をオーディオユニット60に送信する。
次に、上記概略で説明した車載通信システム100の動作の詳細について図30〜図33を参照して説明する。なお、図30〜図33において、上記第2実施形態において既に説明した図19〜図22に示す動作と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
イグニッション信号SG−IGがオンになると、これをインパネ内ユニット10が検知して、IGオンを示すIG情報に、シフトポジション情報、サイドブレーキ情報、車速情報を付与してシート内ユニット30に送信する。シート内ユニット30のスレーブ制御部31は、IGオン情報を受信すると、図30及び図32に示す動作を開始する。
まず、図30に示す動作について説明する。スレーブ制御部31は、図19のS120〜S123と同様の動作を行った後、S150に進む。S150では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、エアコン操作モード遷移コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。例えば、バックルの長脱着を検出した後、一定時間B以内に一定回数aのバックルスイッチSW2のオンオフ(例えば10秒間に5回の脱着)を検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からエアコン操作モード遷移コマンドがあったものとみなして、エアコン操作モードを選択して遷移する。
エアコン操作モードにおいて、スレーブ制御部31は、図31に示すように、図20のS126〜S128と同様の動作を行った後、S152に進む。次のS152では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、図29に示すエアコン操作コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。エアコン操作コマンドが検出されなければ(S151でNO)、スレーブ制御部31は、S130(図20と同様)に進む。
これに対して、エアコン操作コマンドが検出されると(S151でYES)、スレーブ制御部31は、エアコン操作コマンドに対応するエアコン操作信号をエアコンユニット50に対して送信した後(S152)、通常モードに遷移する。
次に、図32の動作について説明する。スレーブ制御部31は、図19のS120〜S123と同様の動作を行った後、S153に進む。S153では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、オーディオ操作モード遷移コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。例えば、長脱着を2回、検出した場合、スレーブ制御部31は、ユーザ等からオーディオ操作モード遷移コマンドがあったものとみなして、オーディオ操作モードを選択して遷移する。
オーディオ操作モードにおいて、スレーブ制御部31は、図33に示すように、図20のS126〜S128と同様の動作を行った後、S155に進む。次のS155では、スレーブ制御部31は、バックルスイッチSW2の監視を行い、図29に示すオーディオ操作コマンドに対応する着脱パターンを検出したか否かを識別する。オーディオ操作コマンドが検出されなければ(S155でNO)、スレーブ制御部31は、S130(図20と同様)に進む。
これに対して、オーディオ操作コマンドが検出されると(S155でYES)、スレーブ制御部31は、オーディオ操作コマンドに対応するエアコン操作信号をオーディオユニット60に対して送信した後(S156)、通常モードに遷移する。
<状態の時系列変化:動作例−5>
次に、車載通信システム100の動作例−5における状態の時系列変化を図34および図35に示す。図34、図35において横軸は共通の時間を表している。まず、エアコン操作時の動作について図34を参照して説明する。ユーザは、IGスイッチをオンし、シートに着座する。このとき、ユーザは、IGスイッチをオン、シフトをP、サイドブレーキをオンにしておく。その後、ユーザは、シートベルトを着用して、バックルスイッチSW2をオフにする。その後、ユーザは、バックルを操作してエアコン操作モード遷移コマンドを入力する。本実施例では、例えば、バックルの長脱着を行った後、一定時間B以内に一定回数5回のバックルの短脱着が、エアコン操作モード遷移コマンドである。
このエアコン操作モード遷移コマンドの入力によってスレーブ制御部31は、通常モードからエアコン操作モードに遷移する。その後、ユーザは、図29に示す脱着パターンに従ってバックルを脱着することにより、操作コマンドをスレーブ制御部31に入力する。図34に示す例では、操作コマンドとして温度Upを入力している。スレーブ制御部31は、操作コマンドの入力を検出すると、その操作コマンドに対応した操作要求信号をエアコンユニット50に送信する。エアコンユニット50のエアコン制御部51は、スレーブ制御部31から操作要求信号を受信すると、受信した操作要求信号に従ってエアコン54を動作させる。
次に、オーディオ操作時の動作について図35を参照して説明する。ユーザは、IGスイッチをオンし、シートに着座する。このとき、ユーザは、IGスイッチをオン、シフトをP、サイドブレーキをオンにしておく。その後、ユーザは、シートベルトを着用して、バックルスイッチSW2をオフにする。その後、ユーザは、バックルを操作してオーディオ操作モード遷移コマンドを入力する。本実施例では、例えば、バックルの長脱着の後、バックルを所定時間以上外すのが、エアコン操作モード遷移コマンドである。
このオーディオ操作モード遷移コマンドの入力によってスレーブ制御部31は、通常モードからオーディオ操作モードに遷移する。その後、ユーザは、図29に示す脱着パターンに従ってバックルを脱着することにより、操作コマンドをスレーブ制御部31に入力する。図35に示す例では、操作コマンドとして音量Upを入力している。スレーブ制御部31は、操作コマンドの入力を検出すると、その操作コマンドに対応した操作要求信号をオーディオユニット60に送信する。オーディオユニット60のオーディオ制御部61は、スレーブ制御部31から操作要求信号を受信すると、受信した操作要求信号に従ってスピーカ64を動作させる。
<車載通信システム100の利点>
上述の車載通信システム100において、信号の発生パターンに基づいてエアコンユニット50、オーディオユニット60の選択、選択したエアコンユニット50、オーディオユニット60への操作要求信号の送信を行うことができる。よって、エアコンユニット50、オーディオユニット60毎に操作部を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
なお、上述した第3実施形態によれば、シート内ユニット30がマスタ制御部として機能して、スレーブ装置であるエアコンユニット50、オーディオユニット60を制御していたが、これに限ったものではない。例えば、シート内ユニット30は、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号をインパネ内ユニット10に送信し、インパネ内ユニット10がマスタ制御部として機能し、バックルスイッチSW2のオンオフを表す信号に基づいてエアコンユニット50、オーディオユニット60を制御するようにしてもよい。
また、上述した第3実施形態によれば、エアコンユニット50およびオーディオユニット60を制御していたが、制御するスレーブ装置としてはこれに限定されるものではなく、車両に搭載される通信可能な電子機器であればなんでもよい。
また、上述した第1〜第3実施形態によれば、各ユニット10、30、50、60間は、無線によりBLE通信を行っていたが、これに限ったものではない。ユニット10、30、50及び60と、は有線により、CAN通信、LIN通信等を行ってもよい。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車載通信システムの特徴をそれぞれ以下[1]〜[9]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に搭載されたマスタ制御部(インパネ内ユニット10、シート内ユニット30)と、複数のスレーブ装置(シート内ユニット30、エアコンユニット50、オーディオユニット60)とを有し、前記マスタ制御部と各前記スレーブ装置との間で通信するための通信機能(BLE通信部12、32、52、62)を有する車載通信システムであって、
前記車両に搭載された複数の座席のそれぞれに対応付けて設置された複数のバックルと、
前記複数のバックルのうち少なくとも1つの着脱状態に応じた信号を生成するスイッチ部(バックルスイッチSW2)と、を備え、
前記マスタ制御部が、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置を制御する
車載通信システム。
[2] 前記複数のバックルのそれぞれの着脱状態に応じた信号を生成する複数のスイッチ部を備え、
前記複数のスレーブ装置のそれぞれに、前記複数のスイッチ部のいずれかが割り当てられる、
上記[1]に記載の車載通信システム。
[3] 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して、少なくとも固有の識別情報を割り当てる(S15、S16)、
上記[1]に記載の車載通信システム。
[4] 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して固有の識別情報を割り当てるための動作を、予め定めた順序で、予め定めた回数だけ繰り返し実行する(図14、図15参照)、
上記[3]に記載の車載通信システム。
[5] 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置の少なくとも1つに対して固有の識別情報を割り当てる際に、前記信号の発生パターンを認識して、割当先の前記スレーブ装置を特定する(図17参照)、
上記[3]に記載の車載通信システム。
[6] 前記複数のスレーブ装置は、電子機器(パワーシート34)の動作を制御する装置であり、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記電子機器の動作を制御する、
上記[1]に記載の車載通信システム。
[7] 前記電子機器は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、設置された前記座席を移動させるための駆動装置(パワーシート34)であり、
前記複数のスレーブ装置は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記駆動装置を制御する、
上記[6]に記載の車載通信システム。
[8] 前記マスタ制御部は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、座席ポジション登録モードおよび座席ポジション読出モードの何れかに切り替わり、前記座席ポジション登録モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に現在の座席ポジションを紐づけて登録し、前記座席ポジション読出モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に紐づけて登録された前記座席ポジションを読み出して、前記読み出した前記座席ポジションに移動するように前記駆動装置を制御する、
[7]に記載の車載通信システム。
[9] 前記マスタ制御部(シート内ユニット30)は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置(エアコンユニット50、オーディオユニット60)の何れかを選択し、前記複数のスレーブ装置の何れかを選択後に前記複数のスイッチ部が生成した信号に対応する操作要求信号を、選択した前記スレーブ装置に対して送信する、
[1]に記載の車載通信システム。
10 インパネ内ユニット
11 マスタ制御部
12,32 BLE通信部
13,33 アンテナ
14 リセットスイッチ
15 信号線
16 通信線
20 メータユニット
25 シートベルト警告機能部
30,30−1,30−2,30−2,30−3,30−4 シート内ユニット
31 スレーブ制御部
34 パワーシート
40,40−1,40−2,40−3,40−4 シート
40a シートクッション
40b シートバック
50 エアコンユニット
60 オーディオユニット
100 車載通信システム
110 車体
110a フロント部
110b リア部
SG−IG イグニッション信号
SW1 着座スイッチ
SW2 バックルスイッチ
PT0,PT1,PT2,PT3 脱着パターン
PR0,PR1,PR2,PR3,PR4 処理

Claims (9)

  1. 車両に搭載されたマスタ制御部と、複数のスレーブ装置とを有し、前記マスタ制御部と各前記スレーブ装置との間で通信するための通信機能を有する車載通信システムであって、
    前記車両に搭載された複数の座席のそれぞれに対応付けて設置された複数のバックルと、
    前記複数のバックルのうち少なくとも1つの着脱状態に応じた信号を生成するスイッチ部と、を備え、
    前記マスタ制御部が、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置を制御する
    車載通信システム。
  2. 前記複数のバックルのそれぞれの着脱状態に応じた信号を生成する複数のスイッチ部を備え、
    前記複数のスレーブ装置のそれぞれに、前記複数のスイッチ部のいずれかが割り当てられる、
    請求項1に記載の車載通信システム。
  3. 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して、少なくとも固有の識別情報を割り当てる、
    請求項1に記載の車載通信システム。
  4. 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して固有の識別情報を割り当てるための動作を、予め定めた順序で、予め定めた回数だけ繰り返し実行する、
    請求項3に記載の車載通信システム。
  5. 前記マスタ制御部は、前記スイッチ部が生成した信号の発生を契機として、前記複数のスレーブ装置の少なくとも1つに対して固有の識別情報を割り当てる際に、前記信号の発生パターンを認識して、割当先の前記スレーブ装置を特定する、
    請求項3に記載の車載通信システム。
  6. 前記複数のスレーブ装置は、電子機器の動作を制御する装置であり、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記電子機器の動作を制御する、
    請求項1に記載の車載通信システム。
  7. 前記電子機器は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、設置された前記座席を移動させるための駆動装置であり、
    前記複数のスレーブ装置は、前記複数の座席のそれぞれに対応付けて設置され、前記スイッチ部が生成した信号に基づいて、前記駆動装置を制御する、
    請求項6に記載の車載通信システム。
  8. 前記マスタ制御部は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、座席ポジション登録モードおよび座席ポジション読出モードの何れかに切り替わり、前記座席ポジション登録モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に現在の座席ポジションを紐づけて登録し、前記座席ポジション読出モードに切り替えた後、前記複数のスイッチ部が生成した信号に紐づけて登録された前記座席ポジションを読み出して、前記読み出した前記座席ポジションに移動するように前記駆動装置を制御する、
    請求項7に記載の車載通信システム。
  9. 前記マスタ制御部は、前記複数のスイッチ部が生成した信号に基づいて、前記複数のスレーブ装置の何れかを選択し、前記複数のスレーブ装置の何れかを選択後に前記複数のスイッチ部が生成した信号に対応する操作要求信号を、選択した前記スレーブ装置に対して送信する、
    請求項1に記載の車載通信システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011088580A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Fujikura Ltd 車両用シートベルト検知装置および車両用シートベルト検知システム
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JP2018116381A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 富士通株式会社 警告出力装置及び警告出力制御プログラム

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