JP2021014099A - 化粧板および化粧板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性に優れる化粧板の提供。【解決手段】透明フィルム11および印刷層12を有する第1の基材1と、第1の基材1の一方の面である第1の面13側に配された硬質樹脂材料で構成されたコート層3と、第1の基材1の第2の面14側に配された隠蔽性を有する第2の基材2と、第1の基材1と第2の基材2とを接合する接着層4とを有し、接着層4がウレタン系接着剤で構成されている化粧板100。接着層4は、エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成され、接着層4の厚さは1μm〜10μmであるのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧板および化粧板の製造方法に関するものである。
ビル、ホテル、マンションのロビーや会議室、オフィスの壁面には、例えば木目調や石目調等の模様を持つ化粧板を複数壁に取り付けることで、見栄えの良い快適な空間が演出されている。また、このような化粧板は不動産だけでなく、電車等の車両用内装材としても使用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような化粧板には、梨地や木目等のシボが形成されているものがある。
その一方で、化粧板の外観に多様性が求められており、シボでは表現できない外観の化粧板も求められている。
このような化粧板を提供するために、化粧板に印刷層を設けることも考えられる。
しかしながら、単に、印刷層を設けた場合、化粧板を施工した状態において目的とする審美性が十分に発揮されないことがある。
特開2013−202906号公報
本発明の目的は、審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性(耐汚染性)に優れる化粧板を提供すること、また、前記化粧板を効率よく製造することができる化粧板の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) 透明フィルムおよび印刷層を有する第1の基材と、
前記第1の基材の一方の面である第1の面側に配された硬質樹脂材料で構成されたコート層と、
前記第1の基材の前記第1の面とは反対の面である第2の面側に配された隠蔽性を有する第2の基材と、
前記第1の基材と前記第2の基材とを接合する接着層とを有し、
前記接着層がウレタン系接着剤で構成されていることを特徴とする化粧板。
(2) 前記接着層は、エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものである上記(1)に記載の化粧板。
(3) 前記接着層は、水酸基とイソシアネート基との反応により架橋された架橋構造を有するウレタン樹脂を含む材料で構成されたものである上記(1)または(2)に記載の化粧板。
(4) 前記接着層の厚さが1μm以上10μm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の化粧板。
(5) 前記印刷層は、前記透明フィルムの前記第2の面側に配されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の化粧板。
(6) 前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化粧板。
(7) 前記コート層は、メラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の化粧板。
(8) 前記第2の基材の前記接着層に対向する面とは反対の面側に、芯材層をさらに備えるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の化粧板。
(9) 前記芯材層は、ガラス繊維を含むものである上記(8)に記載の化粧板。
(10) 前記第2の基材は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の化粧板。
(11) 透明フィルムおよび印刷層を有する第1の基材、または、隠蔽性を有する第2の基材に、ウレタン系接着剤を含む接着剤組成物を付与する接着剤組成物付与工程と、
前記接着剤組成物を乾燥して乾燥膜とする乾燥工程と、
前記乾燥膜を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とを接触させた状態で加圧することにより、前記乾燥膜を接着層として、前記第1の基材と前記第2の基材とを接合する接合工程とを有することを特徴とする化粧板の製造方法。
(12) 前記接合工程の後に、前記第1の基材の前記乾燥膜に対向する面とは反対の面側に、硬質樹脂材料で構成されたコート層を設けるコート層形成工程をさらに有する上記(11)に記載の化粧板の製造方法。
(13) 前記接合工程の後に、前記第2の基材の前記接着層に対向する面とは反対の面側に、芯材層を設ける芯材層形成工程をさらに有する上記(11)または(12)に記載の化粧板の製造方法。
本発明によれば、審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性(耐汚染性)に優れる化粧板を提供すること、また、前記化粧板を効率よく製造することができる化粧板の製造方法を提供することができる。
本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の化粧板について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
[1]化粧板
化粧板は、ビル、ホテル、マンションのロビーやエレベーター、会議室、オフィス等の壁面に取り付けることで、空間の見栄えや快適性を向上させることができるものである。また、化粧板は、例えば、不動産だけでなく、電車等の車両や、飛行機、船舶等の内装材として使用されるものであってもよい。
図1は、本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の化粧板100は、硬質樹脂材料で構成されたコート層(硬質樹脂層)3と、透明フィルム11および印刷層12を有する第1の基材1と、接着層(第1の接着剤層)4と、隠蔽性を有する第2の基材2と、接着層(第2の接着剤層)7と、コア材(芯材層)5とが、この順に積層されてなるものである。
化粧板100は、使用時において、図1中の上側が観察者の視点側となるものである。
言い換えると、化粧板100は、透明フィルム11および印刷層12を有する第1の基材1と、第1の基材1の一方の面である第1の面13側に配された硬質樹脂材料で構成されたコート層3と、第1の基材1の第1の面13とは反対の面である第2の面14側に配された隠蔽性を有する第2の基材2と、第1の基材1と第2の基材2とを接合する接着層4とを有する。そして、接着層4がウレタン系接着剤で構成されている。
このような構成により、硬質樹脂材料が有する耐擦傷性、防汚性等の特長を発揮させつつ、印刷層12によるパターンを化粧板100の外観に好適に反映させることができ、審美性に優れた化粧板100を提供することができる。特に、化粧板100の施工部位(化粧板100の下地)によらず、安定的に優れた審美性を発揮することができる。したがって、審美性に優れるとともに、耐擦傷性(傷の付き難さ)、防汚性(汚れの付き難さ、汚れの除去のし易さ)に優れる化粧板100を提供することができる。また、隠蔽性を有する第2の基材2とともに、印刷層12を備えることにより、様々なパターン、色調を表現することができ、化粧板100の審美性を特に優れたものとすることができる。また、化粧板100の耐熱性、耐煮沸性等も優れたものとなる。また、化粧板100の形状の安定性を向上させることができ、化粧板100に適度なコシを持たせることができる。その結果、化粧板100の施工時における取り扱いのし易さを向上させることができる。また、化粧板100の製造時において、セパレーター(剥離ライナー)を用いなくても、好適に化粧板100を優れた生産性で好適に製造することができ、化粧シート100の生産コストの低減の観点からも好ましい。
[1−1]第1の基材
第1の基材1は、透明フィルム11および印刷層12を有している。
[1−1−1]透明フィルム
透明フィルム11は、印刷層12やコート層3を支持する機能を有するものである。
また、透明フィルム11は、印刷層12、第2の基材2で反射した光を好適に透過し、透過光を観察者に視認させることができるように、十分な光透過性を有している。
透明フィルム11は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度(印刷層12、第2の基材2が化粧板100の外観に影響を与える程度)の光透過性(透明性)を有するものであればよいが、透明フィルム11についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率は、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
透明フィルム11は、透明性を有する材料であれば、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、透明フィルム11の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、各種ガラス材料等が挙げられる。
中でも、曲げ外力等に対する安定性、取り扱いのし易さ、化粧板100の生産コスト等の観点から、透明フィルム11は、樹脂材料を含むもの(透明樹脂フィルム)であるのが好ましい。
透明フィルム11を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂材料の硬化物等を用いることができる。透明フィルム11を構成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
特に、透明フィルム11は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成された透明フィルム11は、一般に、適度な柔軟性を有しているため、化粧板100全体としての加工性、取り扱いのし易さが向上する。また、第1の基材1とコート層3との密着性を向上させる観点からも有利である。
透明フィルム11がポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである場合、透明フィルム11を構成する全樹脂材料中に占めるポリエチレンテレフタレートの割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、透明フィルム11は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
透明フィルム11中における樹脂材料の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
透明フィルム11の厚さは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であるのが好ましく、15μm以上150μm以下であるのがより好ましく、20μm以上100μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の薄型化を図りつつ、化粧板100の施工時における取り扱いのし易さ、加工性、耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
これに対し、透明フィルム11の厚さが小さすぎると、化粧板100の耐久性が低下する。特に、化粧板100の表面の特性に、透明フィルム11よりも内側の層が与える影響が大きくなり、化粧板100の耐擦傷性等を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。
また、透明フィルム11の厚さが大きすぎると、化粧板100の薄型化を図ることが困難となったり、化粧板100の加工性が低下したりする。
[1−1−2]印刷層
第1の基材1は、印刷層12を有している。
印刷層12は、化粧板100の外観、審美性に大きな影響を与える部位である。特に、印刷層12は、後に詳述する隠蔽性を有する第2の基材2との組み合わせで、化粧板100の外観、審美性に大きな影響を与える。
特に、後に詳述する第2の基材2とともに、第2の基材2よりも化粧板100の外表面側(観察者の視点側)に印刷層12が設けられていることにより、化粧板100の審美性を特に優れたものとすることができる。具体的には、例えば、印刷層12と第2の基材2とのコントラストをより高いものとすることができ、印刷層12をより認識しやすくすることができ、化粧板100の審美性を特に優れたものとすることができる。
本実施形態では、印刷層12は、第1の基材1の第2の面14側、すなわち、第1の基材1のコート層3に対向する第1の面13とは反対の面側に、設けられている。
これにより、化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができる。
印刷層12は、通常、顔料、染料等の着色剤を含む材料で構成されたものである。
また、印刷層12は、着色剤に加え、樹脂材料を含むものであってもよい。これにより、印刷層12の透明フィルム11等に対する密着性を優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。また、製造時において、印刷層12の形成に用いられるインクの不本意なはじきや濡れ広がりをより効果的に防止または抑制することができ、印刷層12のパターンの精度をより確実に優れたものとすることができる。
印刷層12を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂材料の硬化物等を用いることができる。印刷層12を構成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
なお、印刷層12中には、前述した以外の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、例えば、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
印刷層12中は、いかなるパターンで設けられたものであってもよいが、通常、需要者の要求等に応じて決定されたものである。
印刷層12中のパターンとしては、例えば、木目調、石材調、筋目加工、各種幾何学模様等が挙げられる。
なお、図示の構成では、印刷層12は、第1の基材1の第2の面14側の表面の一部のみに選択的に設けられているが、第2の基材2からの反射光の少なくとも一部を透過することができるのであれば、印刷層12は、第1の基材1の第2の面14側の表面全体に設けられていてもよい。
印刷層3の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上15μm以下であるのが好ましく、0.5μm以上10μm以下であるのがより好ましく、1.0μm以上5.0μm以下であるのがさらに好ましい。
また、図示の構成では、透明フィルム11と印刷層12との間には明確な界面があるが、例えば、化粧板100の製造過程において、透明フィルム11の一部が溶解等することにより、透明フィルム11と印刷層12との界面が不鮮明(不明瞭)になっていてもよい。
また、図示の構成では、透明フィルム11の表面上に印刷層12が設けられているが、印刷層12の少なくとも一部は透明フィルム11の内部に浸透して設けられたものであってもよい。このような印刷層12は、第1の基材1としてインク受容層を有するものを用いた場合に好適に形成することができる。
[1−2]コート層
第1の基材1の第1の面13側(化粧板100が設置された状態での観察者の視点側)には、硬質樹脂材料で構成されたコート層3が設けられている。
このようなコート層3が設けられていることにより、化粧板100の耐擦傷性、防汚性(耐汚染性)等を優れたものとすることができる。
また、コート層3を構成する硬質樹脂材料は、一般に、透明性の高いものである。したがって、透明フィルム11とともにコート層3が、印刷層12、第2の基材2で反射した光を好適に透過し、透過光を観察者に視認させることができ、化粧板100の審美性を優れたものとすることができる。
また、コート層3は、印刷層12、第2の基材2等を保護する機能も有している。
したがって、長期間にわたって化粧板100の審美性を安定的に優れたものとすることができる。
コート層3は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度(印刷層12、第2の基材2が化粧板100の外観に影響を与える程度)の光透過性(透明性)を有するものであればよいが、コート層3についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率は、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
コート層3は、その表面(第1の基材1に対向する面とは反対側の面)のマルテンス硬度(マルテンス硬さ)が200N/mm以上800N/mm以下であるのが好ましく、300N/mm以上700N/mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100を特に傷が付き難いものとすることができる。
これに対し、コート層3の表面のマルテンス硬度が前記下限値未満であると、コート層3の耐擦性等が低く、傷が付き易いものとなる。
また、コート層3の表面のマルテンス硬度が前記上限値を超えると、化粧板100の加工性が低いものとなる可能性がある。
コート層3の構成材料としては、例えば、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂材料等、セラミック系、ガラス系等の無機材料が挙げられるが、コート層3は、メラミン系樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100は、適度な弾性、剛性を有し、取扱い性(取り扱いのしやすさ)が特に優れたものとなる。また、メラミン系樹脂は、各種硬質樹脂材料の中でも、特に高い表面硬度を有し、耐擦傷性、防汚性(汚れの付着のしにくさ)に特に優れているため、化粧板100の審美性、耐久性のさらなる向上の観点からも好ましい。
以下、コート層3がメラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである場合について中心的に説明する。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物とアルデヒド化合物とを含む樹脂である。
メラミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に3つのアミノ基が導入された化合物である。
メラミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(3)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2021014099
(式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上4以下の炭化水素基である。)
メラミン化合物としては、特に、式(3)のR、RおよびRがいずれも水素原子である化合物(メラミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
アルデヒド化合物は、分子内にアルデヒド基(−CHO)を有するものであればよく、下記式(2)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2021014099
(式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
アルデヒド化合物としては、特に、ホルムアルデヒドが好ましい。
これにより、化粧板100の硬度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物およびアルデヒド化合物を含むものであればよいが、メラミン化合物およびアルデヒド化合物に加え、さらにグアナミン化合物を構成成分として含むものであってもよい。
これにより、化粧板100の硬度を十分に優れたものとしつつ、化粧板100の加工性を特に優れたものとすることができる。
グアナミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に2つのアミノ基が導入された化合物である。
グアナミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(1)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2021014099
(式(1)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
グアナミン化合物としては、特に、式(1)のRがメチル基である化合物(アセトグアナミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミン系化合物とアルデヒド系化合物を中性または弱アルカリ下において反応させて得られるもの等を用いることができる。
メラミン系化合物に対するアルデヒド系化合物の反応モル比((アルデヒド系化合物のモル量)/(メラミン系化合物のモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0以上4.0以下であるのが好ましく、1.0以上2.0以下であるのがより好ましく、1.1以上1.8以下であるのがさらに好ましい。
反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となる場合がある。
また、前記上限値を超えると、硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる場合がある。
なお、メラミン系樹脂としては、1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン系樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン系樹脂としては、例えば、住友化学社製のメラミン系樹脂等、市販のものを用いることもできる。
なお、コート層3中には、前述した以外の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、例えば、無機充填剤、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
コート層3中におけるメラミン系樹脂の含有率は、特に限定されないが、80質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、95質量%以上100質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
コート層3の厚さは、特に限定されないが、1μm以上30μm以下であるのが好ましく、3μm以上20μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の耐擦傷性、防汚性(耐汚染性)を特に優れたものとしつつ、化粧板100の曲げ加工性等も特に優れたものとすることができる。
また、コート層3の外表面(第1の基材1に対向する面とは反対側の面)側には、鏡面仕上げ、エンボス仕上げ等の表面仕上げが施されていてもよい。
これにより、化粧板100の審美性のさらなる向上を図ることができる。
[1−3]第2の基材
第1の基材1のコート層2に対向する面とは反対の面側、すなわち、第2の面14側には、隠蔽性を有する第2の基材2が設けられている。
第2の基材2を備えることにより、第2の基材2の裏面側(第1の基材1が設けられている側の面とは反対の面側)の様子を隠蔽することができ、化粧板100の第2の基材2よりも裏側の構成や化粧板100が設置される部位が、化粧板100の外観に悪影響を与えることを効果的に防止することができる。その結果、所望の外観を確実に得ることができる。
特に、化粧板100の使用状態において、印刷層12よりも観察者の視点から離れた側(内側)に第2の基材2が設けられていることにより、印刷層12と第2の基材2との組み合わせの色調、パターンを、観察者に好適に視認させることができ、化粧板100の審美性を特に優れたものとすることができる。
また、第2の基材2は、コート層3、透明フィルム11等よりも内側に設けられていることにより、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることできる。
第2の基材2としては、例えば、各種樹脂材料を含むものを用いることができるが、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成された第2の基材2は、一般に、適度な柔軟性を有しているため、化粧板100全体としての加工性、取り扱いのし易さが向上する。
第2の基材2がポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである場合、第2の基材2を構成する全樹脂材料中に占めるポリエチレンテレフタレートの割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第2の基材2は、樹脂材料以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤等が挙げられる。
第2の基材2は、その裏面側を隠蔽する機能を有するものであればよく、その色調等は特に限定されない。例えば、第2の基材2は、有彩色のものであってもよいし、無彩色のものであってもよい。また、第2の基材2は、金属光沢を呈するものであってもよい。
第2の基材2が無彩色を呈するものであると、化粧板100の外観上のコントラストを向上させることができ、印刷層12の視認性、印刷層12等による審美性をさらに向上させることができる。また、幅広い色との組み合わせにおいて、優れた視認性、審美性を発揮させることができるため、印刷層12の色調の選択の幅が広がる。また、印刷層12が各部位で微妙な色調の変化を伴うものであっても、観察者にこのような微妙な色調の変化を視認させやすく、化粧板100の審美性をさらに向上させる上で有利である。
このような効果は、第2の基材2が、白色を呈するものである場合に、より顕著に発揮される。
第2の基材2が金属光沢を呈するものであると、第2の基材2での光の反射率を高いものとすることができ、化粧板100全体としての光沢感をより優れたものとすることができる。特に、金属材料が有する高級感のある光沢感を化粧板100の外観に好適に反映させることができる。また、従来においては、化粧板が金属光沢を呈するものであると、スジむら、波打ち等が特に目立ちやすく、化粧板の審美性を低下させる大きな原因になっていたが、本発明では、第2の基材が金属光沢を呈するものであっても、化粧板の審美性をより確実に優れたものとすることができる。すなわち、第2の基材が金属光沢を呈するものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
白色を呈する第2の基材としては、例えば、樹脂材料に加えて、酸化チタンおよび酸化亜鉛のうちの少なくとも一方を含む材料で構成されたものを好適に用いることができる。
これにより、化粧板100の耐久性を優れたものとすることができるとともに、第2の基材2を、明度の高い白色を呈するものとすることができる。また、化粧板100の生産コストの低減の観点からも有利である。このような効果は、樹脂材料としてポリエチレンテレフタレートを含む場合に、より顕著に発揮される。
また、第2の基材2は、複数個の気泡を含むものであってもよい。
これにより、第2の基材2中における樹脂材料以外の成分の含有率を低くしつつ、光の乱反射により第2の基材2による隠蔽性を向上させることができる。
第2の基材2は、単一の層を有するものであってもよいし、複数の層を有する積層体であってもよい。また、例えば、第2の基材2は、その厚さ方向に組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
複数の層を有する積層体で構成された第2の基材2の一例としては、例えば、基板本体と金属層とを備える積層体等が挙げられる。
第2の基材2がこのような積層体であると、前述したような第2の基材2が金属光沢を呈するものであることにより得られる効果を発揮させつつ、化粧板100全体のコシを好適なものとすることができる。また、化粧板100の軽量化や生産コストの低減等の観点からも好ましい。
金属層を構成する金属材料としては、各種の単体金属や合金等を用いることができる。中でも、金属層を構成する金属材料としては、Alが好ましい。
これにより、化粧板100の生産コストの上昇を抑制しつつ、第2の基材2の光沢感をより優れたものとすることができる。また、金属層の耐食性を優れたものとすることができる。また、第2の基材2と接着層4との密着性をより優れたものとすることができる。以上のようなことから、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。
第2の基材2が金属層を有するものである場合、当該金属層の厚さは、0.001μm以上10μm以下であるのが好ましく、0.01μm以上7μm以下であるのがより好ましく、0.05μm以上5μm以下であるのがさらに好ましい。
第2の基材2が金属層を有するものである場合、当該金属層は、第2の基材2のいかなる部位に設けられたものであってもよいが、接着層4と接触する部位に設けられたものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の外観上の光沢感をより優れたものとすることができる。また、第2の基材2と接着層4との密着性をより優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。
基材本体は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、基材本体の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料等が挙げられる。
基材本体が樹脂材料で構成されたものであると、第2の基材2の曲げ外力等に対する安定性、取り扱いのし易さをより優れたものとすることができ、また、化粧板100の生産コスト等の観点からも有利である。
基材本体を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂材料の硬化物等を用いることができる。基材本体を構成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
特に、基材本体は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、前述した金属層との密着性をより優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。
基材本体がポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである場合、基材本体を構成する全樹脂材料中に占めるポリエチレンテレフタレートの割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、基材本体は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
基材本体中における樹脂材料の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
基材本体の厚さは、特に限定されないが、10μm以上250μm以下であるのが好ましく、15μm以上120μm以下であるのがより好ましく、20μm以上80μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の薄型化を図りつつ、化粧板100の加工性、耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
第2の基材2についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率は、0%以上40%以下であるのが好ましく、0%以上30%以下であるのがより好ましく、0%以上25%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、第2の基材2を有することによる効果がより顕著に発揮される。
第2の基材2の厚さは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であるのが好ましく、20μm以上200μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の薄型化を図りつつ、化粧板100の施工時における取り扱いのし易さ、加工性、耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
第2の基材2は、例えば、表面の平坦性が高いものであってもよいし、また、エンボス加工、すじ目加工、ブラスト加工等の粗面化処理が施されたものであってもよい。
[1−4]接着層(第1の接着層)
第1の基材1と第2の基材2との間にこれらを接合する機能を有する接着層(第1の接着層)4が設けられている。接着層4は、ウレタン系接着剤で構成されている。
上記のように、接着層4は、ウレタン系接着剤で構成されていればよいが、エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の機械強度をより優れたものとすることができる。
接着層4がエステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものである場合、接着層4の形成には、脂肪族エステル系ウレタン樹脂、芳香族エステル系ウレタン樹脂のいずれを用いてもよいが、接着層4は、芳香族エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、第1の基材1と第2の基材2との密着性をより優れたものとすることができる。また、化粧板100の製造時における接着剤の速乾性をより優れたものとすることができ、化粧板100の生産性向上の観点からも有利である。
芳香族エステル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、三井化学社製、タケラック/タケネート等が挙げられる。
接着層4は、架橋を構造を有さないウレタン樹脂で構成されたものであってもよいが、水酸基とイソシアネート基との反応により架橋された架橋構造を有するウレタン樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、接着層4をより硬質なものとすることができ、化粧板100の施工部位(化粧板100の下地)によらず、また、化粧板100が後述するような芯材層5を有する場合であっても、より安定的に優れた審美性を発揮することができる。また、化粧板100の耐熱性、耐煮沸性をさらに優れたものとすることができる。
前記架橋構造を形成する架橋剤としては、例えば、メチル−1,3−フェニレン=ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられるが、接着層4は、メチル−1,3−フェニレン=ジイソシアネートにより架橋された架橋構造を有するウレタン樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
接着層4は、ウレタン系接着剤に加えて、ウレタン系接着剤以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、各種充填剤、硬化剤、架橋剤、溶剤、水、可塑剤、粘着付与剤、充填剤、増粘剤、顔料、インク、染料、老化防止剤、消泡剤、難燃剤、防腐剤、防カビ剤、香料、防曇剤、界面活性剤、抗菌剤、各種酸性物質、各種塩基性物質等の触媒、離型剤、重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、酸化防止剤、キレート剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
ただし、接着層4中におけるウレタン系接着剤以外の成分の含有率は、5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下であるのがより好ましく、1質量%以下であるのがさらに好ましい。
特に、接着層4中におけるウレタン系接着剤以外の接着剤成分の含有率は、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましく、0.2質量%以下であるのがさらに好ましい。
接着層4の厚さは、1μm以上10μm以下であるのが好ましく、2μm以上8μm以下であるのがより好ましく、3μm以上6μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の施工部位(化粧板100の下地)によらず、また、化粧板100が後述するような芯材層5を有する場合であっても、より安定的に優れた審美性を発揮することができる。また、第1の基材1と接着層4との層間剥離や、第2の基材1と接着層4との層間剥離、接着層4の層内破壊等のきっかけを生じにくく、結果として、前記各層間の密着性、化粧板100全体としての耐久性をより優れたものとすることができる。
接着層4についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率は、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
[1−5]コア材(芯材層)
本実施形態の化粧板100では、第2の基材2の接着層4に対向する面とは反対の面側に、コア材(芯材層)5をさらに備えている。
これにより、化粧板100の形状の安定性、耐熱性、耐久性が特に優れたものとなる。また、従来においては、化粧板が芯材層(特に、後述するようなガラス繊維等の繊維を含む芯材層)を備えるものであると、スジむら、波打ち等が特に目立ちやすく、化粧板の審美性を低下させる大きな原因になっていたが、本発明では、化粧板がこのような芯材層を有する場合でも、化粧板の審美性をより確実に優れたものとすることができる。すなわち、化粧板が芯材層を有する場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
コア材(芯材層)5としては、例えば、化学繊維基材で構成されたもの、フェノール系樹脂で構成されたもの、金属材料で構成されたもの等が挙げられる。
芯材層5に用いられる化学繊維基材の材質については、特に限定されるものではなく、例えば、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリベンゾオキサゾール樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維(ステンレス繊維)等を挙げることができる。
中でも、芯材層5は、ガラス繊維を含むものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の形状の安定性、耐熱性、耐久性がさらに優れたものとなる。また、従来においては、化粧板がガラス繊維を含む芯材層を備えるものであると、スジむら、波打ち等が特に目立ちやすく、化粧板の審美性を低下させる大きな原因になっていたが、本発明では、化粧板がガラス繊維を含む芯材層を備える場合でも、化粧板の審美性をより確実に優れたものとすることができる。すなわち、化粧板がガラス繊維を含む芯材層備える場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
ガラス繊維を含む芯材層5としては、特に限定されず、例えば、ガラスクロス、ガラス不織布等が挙げられ、中でも不燃性、強度の点からガラスクロスが好ましい。
ガラスクロスとしては、特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、斜紋織、二重織等が挙げられ、中でも材料コストと加工性の面から平織のガラスクロスが好ましい。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。
これらの中でもTガラスを用いた場合、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。また、Eガラスを用いた場合、十分な機能を確保しつつ、化粧板100の生産コストをより低いものとすることができる。
ガラスクロスの重量は、特に限定するものではないが、建築基準法第2条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合は、坪量80g/m以上とすることが好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
また、芯材層5は、前述したようなガラス材料を基材とするプリプレグであってもよい。
これにより、化粧板100の耐熱性、剛性等を特に優れたものとすることができる。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。
プリプレグ中に含まれる樹脂組成物の含有量は、第2の基材2との層間接着強度が、化粧板100を形成するために十分であれば、特に限定されないが、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。また、樹脂組成物として熱硬化性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。これにより、第2の基材2と芯材層5との層間接着強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。中でも、不燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独または混合して用いることができる。
プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、樹脂を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
また、芯材層5は、複数の層が積層されたものであってもよい。例えば、フェノール系樹脂を繊維性の基材(例えば、クラフト紙等の紙で構成された基材)に含浸させてなる部材を複数重ね合わせて接合したものを芯材層5として用いることができる。
芯材層5に用いられる金属材料としては、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)や、これらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。
これにより、化粧板100の不燃性を特に優れたものとすることができる。また、軽量化や低コスト化、反りの防止等の観点からも有利である。
芯材層5の厚さは、50μm以上であるのが好ましく、80μm以上であるのがより好ましい。これにより、化粧板100に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほど化粧板100の厚みと重量が増大するとともに、コストもかさむため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、500μm以下にすることがより好ましい。
[1−6]接着層(第2の接着層)
本実施形態では、第2の基材2と芯材層5との間にこれらを接合する機能を有する接着層(第2の接着層)7が設けられている。
これにより、第2の基材2と芯材層5との密着性を向上させることができ、化粧板100の耐久性を向上させることができる。また、化粧板100の製造条件(温度、圧力等)を比較的穏やかなものとすることができ、化粧板100の構成材料の不本意な劣化等を効果的に防止し、化粧板100の信頼性を向上させることができるとともに、生産設備、生産コスト、省エネルギー等の観点からも有利である。また、化粧板100の製造をより容易に行うことができ、化粧板100の生産性の向上を図ることができる。
接着層(第2の接着層)7を構成する接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂系接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤、イソブテン−無水マレイン酸樹脂等のα−オレフィン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生ゴム系接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、でん粉系接着剤等が挙げられる。
化粧板100は、全体厚さ(平均厚さ)が0.1mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上1.2mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100は、十分な強度を有しつつ、加工性、取り扱い性が特に優れたものとなる。
[2]化粧板の製造方法
次に、本発明の化粧板の製造方法について説明する。
図2は、本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態の化粧板の製造方法は、透明フィルム11および印刷層12を有する第1の基材1に、ウレタン系接着剤を含む接着剤組成物4’’を付与する接着剤組成物付与工程(1a)と、接着剤組成物4’’を乾燥して乾燥膜4’とする乾燥工程(1b)と、乾燥膜4’を介して、第1の基材1と第2の基材2とを接触させた状態で加圧することにより、乾燥膜4’を接着層4として、第1の基材1と第2の基材2とを接合する接合工程(1c)と、前記第1の基材の前記乾燥膜に対向する面とは反対の面側に、硬質樹脂材料で構成されたコート層を設けるコート層形成工程(1d)とを有している。
これにより、前述したような優れた特長を有する化粧板100を効率よく製造することができる化粧板100の製造方法を提供することができる。
[2−1]接着剤組成物付与工程
接着剤組成物付与工程では、透明フィルム11および印刷層12を有する第1の基材1に、ウレタン系接着剤を含む接着剤組成物4’’を付与する(1a)。
第1の基材1としては、前述したような透明フィルム11に、各種印刷法により印刷層を設けたものを用いることができる。
透明フィルム11としては、例えば、製造すべき化粧板100に対応する面積のフィルムを用いることができる。また、本工程では、例えば、ロール状に巻き取られた長尺のフィルムを用いることができ、本工程に際して、または、本工程よりも後に、当該フィルムを所定の長さに切断してもよい。
また、印刷層が形成される透明フィルム11は、印刷層12の形成に先立ち、印刷層12が形成されるべき側の面に、例えば、プラズマ処理、紫外線照射処理、プライマー処理等の各種表面処理(表面活性化処理)等が施されたものであってもよい。
これにより、透明フィルム11と印刷層12との密着性を特に優れたものとすることができる。
また、透明フィルム11は、コート層3が形成されるべき側の面に、前記と同様の表面処理が施されたものであってよい。
これにより、透明フィルム11とコート層3との密着性を特に優れたものとすることができる。
透明フィルム11へのインクの付与は、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、タコ印刷法等の各種印刷法により行うことができる。
また、本工程では、インクとして、透明フィルム11の一部(インクが付与された表面付近の領域)を溶解または膨潤させる成分(溶剤等)を含むものであってもよい。
これにより、付与されたインクを、透明フィルム11の目的の部位に好適に付着させることができ、透明フィルム11上でのインクのはじきや過剰な濡れ広がり等を効果的に防止することができる。その結果、所望のパターンの印刷層12を容易かつ確実に形成することができる。また、形成される印刷層12は、透明フィルム11に強固に結合したものとなり、透明フィルム11に対する印刷層12の密着性を優れたものとすることができ、最終的に得られる化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本工程では、複数種のインクを用いてもよい。
これにより、例えば、色再現範囲を広いものとしたり、微妙なグラデーションの表現をより好適に行うことができる。
印刷層12の形成に用いるインクについては、後に詳述する。
本工程では、上記のような第1の基材1に対して、接着剤組成物4’’を付与する。特に、本実施形態では、第2の面14、すなわち、印刷層12が設けられた側の面に接着剤組成物4’’を付与する。
これにより、隠蔽性を有する第2の基材2が接着剤付与工程を供されないので、第2の基材2に傷がつくこと等が効果的に防止され、隠蔽性の低下等の問題の発生をより効果的に防止することができる。
第1の基材1への接着剤組成物4’’の付与方法としては、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、バーコーター、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法、各種印刷法等が挙げられる。
本工程(第1の基材1への接着剤組成物4’’の付与)における処理温度は、特に限定されないが、本工程は、加熱せずに行うのが好ましい。より具体的には、本工程での温度は、5℃以上35℃以下であるのが好ましい。
接着剤組成物4’’については、後に詳述する。
[2−2]乾燥工程
乾燥工程では、第1の基材1に付与された接着剤組成物4’’を乾燥して乾燥膜4’とする(1b)。
本工程での乾燥は、例えば、加熱処理や送風処理等により行うことができる。
本工程での乾燥を加熱により行う場合、本工程での加熱温度は、特に限定されないが、40℃以上80℃以下であるのが好ましく、45℃以上75℃以下であるのがより好ましく、50℃以上70℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、乾燥膜4’の不本意な形状の乱れ等を効果的に防止しつつ、効率よく乾燥膜を形成することができる。
接着剤組成物4’’が溶媒を含むものである場合、乾燥膜4’中における溶媒の含有率は、5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下であるのがより好ましく、1質量%以下であるのがさらに好ましい。
[2−3]接合工程
接合工程では、乾燥膜4’を介して、第1の基材1と第2の基材2とを接触させた状態で加圧する。これにより、乾燥膜4’が接着層4となり、当該接着層4により第1の基材1と第2の基材2とを接合する(1c)。
本工程は、乾燥膜4’が設けられた第1の基材1と第2の基材2とを接触させた状態で加圧することにより行う。言い換えると、第1の基材1と乾燥膜4’と第2の基材2とがこの順で積層された積層体をその積層方向に押圧することにより、本工程を行う。
本工程において積層体を押圧する際の圧力は、0.1MPa以上0.8MPa以下であるのが好ましく、0.1MPa以上0.6MPa以下であるのがより好ましく、0.2MPa以上0.4MPa以下であるのがさらに好ましい。
本工程において積層体を押圧する際の処理温度は、特に限定されないが、本工程は、加熱せずに行うのが好ましい。より具体的には、本工程での温度は、5℃以上35℃以下であるのが好ましい。
[2−4]コート層形成工程
コート層形成工程では、第1の基材1の第1の面13、すなわち、印刷層12が設けられている面とは反対側の面側に、コート層3を形成する(1d)。
特に、本実施形態では、コート形成工程を、前述した接着剤組成物付与工程や接合工程よりも後に行う。
これにより、化粧板100の耐久性、信頼性、弾性、剛性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性等をより好適なものとすることができる。また、化粧板100の製造過程で得られる積層体、すなわち、コート層3を有していない積層体を、比較的長期間保存した場合であっても、特性の劣化等が好適に防止される。言い換えると、化粧板100の製造過程で得られる積層体を長期間にわたって好適に保存することができる。その結果、化粧板100の製造過程で得られる積層体を作り置きすることができ、量産によるコスト低減、在庫管理の点等で有利となる。
コート層3は、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、バーコーター、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法、各種印刷法等の各種方法により、コート層3形成用の組成物(コート層形成用組成物)を第1の基材1の第1の面13側に付与し、その後、硬化反応を行うことにより好適に形成することができる。
コート層形成用組成物については、後に詳述する。
また、コート層3は、シート状に成形したコート層形成用部材を第1の基材1の第1の面13側に接合することにより形成してもよい。
コート層形成用部材と第1の基材1との接合は、例えば、圧着により行うことができる。
コート層形成用部材と第1の基材1との接合を圧着により行う場合、第1の基材1とコート層形成用部材との接合は、例えば、圧着時に加熱してもよい。
これにより、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、第1の基材1とコート層3との接合強度を特に優れたものとすることができる。また、例えば、コート層3に含まれる成分の重合反応を好適に進行させることができ、コート層3の硬度、化粧板100の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、コート層形成用部材と第1の基材1との接合時に、コート層形成用部材の外表面(第1の基材1に対向する面とは反対側の面)側に、鏡面仕上げ板を重ねることにより鏡面仕上げとすることができ、エンボス板またはエンボスフィルム等を重ねることにより、エンボス仕上げとすることができる。
コート層3が硬化性樹脂で構成されるものとする場合、本工程で形成されるコート層3は、重合反応が終了していないものであってもよい。このような場合であっても、後の工程で、コート層3の構成成分の重合反応を進行させることができ、最終的に得られる化粧板100の耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
[2−5]芯材層形成工程
本実施形態では、接合工程の後、特に、コート層形成工程の後に、第2の基材2の接着層4に対向する面とは反対の面側に、芯材層(コア材)5を設ける芯材層形成工程をさらに有する(1e)。
これにより、芯材層(コア材)5を有する化粧板100をより優れた生産性で製造することができる。
特に、本実施形態では、前述したコート層形成工程の後に、芯材層形成工程を行う。
これにより、化粧板100の生産性をさらに優れたものとすることができる。
第2の基材2と芯材層5との接合は、例えば、第2の基材2の芯材層5に対向する面、および、芯材層5の第2の基材に対向する面のうちの少なくとも一方に、接着層(第2の接着層)7となるべき接着剤を付与した上で、当該接着剤を介して、第2の基材2と芯材層5とを接触させた状態で加圧することにより行うことができる。また、第2の基材2と芯材層5との接合には、プライマーを用いてもよい。
接着層(第2の接着層)7形成用の接着剤、プライマーの付与は、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、バーコーター、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法、各種印刷法等の各種方法により行うことができる。
また、第2の基材2と芯材層5との接合は、例えば、芯材層5が樹脂材料を含むものである場合、当該樹脂材料の一部を溶融・軟化させることにより行うこともできる。
接着層(第2の接着層)7の形成に用いる接着剤としては、例えば、エマルジョン系、ラテックス系、溶剤系、水系、ホットメルト系等各種の接着剤を用いることができる。
また、接着層(第2の接着層)7の形成に用いる接着剤は、1液型の接着剤でもよいし、2液型の接着剤でもよい。
また、前記プライマーの市販品としては、例えば、ジャパンコーティングレジン社製、SU−100等が挙げられる。
本工程において加圧する際の圧力は、0.5MPa以上10Pa以下であるのが好ましく、0.7Pa以上7Pa以下であるのがより好ましく、1Pa以上5Pa以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100を構成する各層の密着性がより優れたものとなり、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。また、従来においては、芯材層を形成する際に、このように大きな圧力で加圧すると、製造される化粧板において、スジむら、波打ち等が特に目立ちやすく、化粧板の審美性を低下させる大きな原因になっていたが、本発明では、このように大きな圧力で加圧しても、化粧板の審美性をより確実に優れたものとすることができる。すなわち、本工程において加圧する際の圧力が前記範囲内の値であると、本発明による効果がより顕著に発揮される。
[2−6]インク
以下、印刷層12の形成に用いるインクについて詳細に説明する。
印刷層12の形成に用いるインクは、通常、着色剤を含むものである。
以下、インクの構成成分について説明する。
[2−6−1]着色剤
インクは、固形分として、通常、着色剤を含むものである。
着色剤としては、例えば、各種顔料や各種染料等を用いることができ、また、蛍光材料、りん光材料等を用いることもできるが、インクは、着色剤として顔料を含むものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができる。
複数種のインクを用いる場合、例えば、色の三原色(シアン(藍紫色)、マゼンダ(紅紫色)およびイエロー(黄色))に対応するインクを用いることができる。
また、例えば、有彩色のインクと組み合わせて、黒色のインクを用いてもよい。
これにより、インクの使用量を抑制しつつ、濃色を好適に表現することができたり、引き締まった黒色を表現することができる等の効果が得られる。
また、例えば、白色のインクを用いてもよい。
これにより、例えば、有彩色のインクによる印刷層12のコントラスト等を特に優れたものとすることができ、化粧板100の審美性を特に優れたものとすることができる。
特に、藍紫色(シアン)を呈する藍紫色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:2、および、C.I.ピグメントブルー60よりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。
また、紅紫色(マゼンダ)を呈する紅紫色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、および、C.I.ピグメントバイオレット37よりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。
また、黄色(イエロー)を呈する黄色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、および、C.I.ピグメントイエロー139よりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。
また、赤色(レッド)を呈する赤色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントレッド177および/またはC.I.ピグメントレッド254を用いるのが好ましい。
また、緑色(グリーン)を呈する緑色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントグリーン36および/またはC.I.ピグメントグリーン58を用いるのが好ましい。
また、青色(ブルー)を呈する青色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6を用いるのが好ましい。
また、黒色(ブラック)を呈する黒色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラックおよび銅クロムマンガンブラックよりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。
また、白色(ホワイト)を呈する白色顔料インクを用いる場合、当該インクを構成する顔料としては、酸化チタン、鉛白、亜鉛華、リトポン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、アルミナ、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、グロスホワイトや、白色プラスチックピグメント等を用いることができる。
[2−6−2]溶剤
インクは、例えば、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、例えば、インクの流動性をより良好なものに調整することができ、所望のパターンの印刷層12をより高い精度で形成することができる。
また、インクが透明フィルム11の構成材料(例えば、樹脂材料)を溶解または膨潤させる機能を有する溶剤を含むものであると、インクを透明フィルム11に付与した際に、透明フィルム11の一部(インクが付与された表面付近の領域)に吸収させ、透明フィルム11を部分的に溶解または膨潤させることができる。その結果、形成される印刷層12は透明フィルム11に強固に結合したものとなり、透明フィルム11に対する印刷層12の密着性をより優れたものとすることができ、最終的に得られる化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。また、インクを透明フィルム11の所望の部位に選択的に吸収させることができるため、透明フィルム11上でのはじきや過剰な濡れ広がりを防止することができ、印刷層12のパターンが乱れてしまうことを確実に防止することができる。したがって、透明フィルム11の変形等を確実に防止しつつ、所望の形状、パターンの印刷層12をより容易かつより確実に形成することができ、化粧板100の審美性等をより確実に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、アルコール化合物(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の1価のアルコールやエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、およびこれらのフッ化物等)、ケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル化合物(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル化合物(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ラクトン化合物等を用いることができる。
インクが、溶剤として、アルキレングリコール化合物およびラクトン化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含むものである場合、例えば、インクの保存安定性、インクジェット法による吐出安定性等を特に優れたものとすることができる。また、印刷後に、インクから溶剤を速やかに除去することができるため、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができる。
溶剤として用いることのできるラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
中でも、溶剤は、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、および、γ−ブチロラクトンよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであってもよい。これにより、例えば、インクの保存安定性、インクジェット法による吐出安定性等をさらに優れたものとすることができる。
また、インクは、溶剤として、液状の重合性化合物(例えば、モノマー等)を含むものであってもよい。
これにより、インクを用いて形成される印刷層12の透明フィルム11に対する密着性を特に優れたものとすることができる。また、例えば、溶剤として、揮発性成分(化粧板100の製造において揮発させることにより除去する成分)を用いる必要がなく、また、揮発性成分を用いる場合でも、その使用量を抑制することができるため、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができる。
液状の重合性化合物としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の各種硬化性樹脂等を用いることができるが、光硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
光硬化性樹脂(特に、紫外線硬化性樹脂)を液状の重合性化合物として含むことにより、前述した印刷工程で、より容易かつ確実に、適切なタイミングでインクに含まれる硬化性樹脂(光硬化性樹脂)を確実に硬化させること(液状の重合性化合物を除去すること)ができるため、所望の形状、パターンの印刷層12をより容易かつ確実に形成することができる。
なお、溶剤としての液状の重合性化合物(例えば、モノマー等)については、以下の「[2−6−3]樹脂材料」の項目で詳細に説明する。
[2−6−3]樹脂材料
インクは、樹脂材料を含むものであってもよい。
これにより、インクを用いて形成される印刷層12の透明フィルム11に対する密着性を特に優れたものとすることができる。
樹脂材料としては、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂材料等を用いることができる。
熱可塑性樹脂を用いることにより、透明フィルム11と印刷層12との密着性を特に優れたものとすることができる。また、熱可塑性樹脂は、一般に、前述した溶剤に対して、優れた溶解性、分散性を示すため、インク中、形成される印刷層12中での不本意な組成のばらつきを効果的に防止することができ、インクの保存安定性、製造される化粧板100の信頼性を特に優れたものとすることができる。また、インクのインクジェット法による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、インクが硬化性樹脂材料を含むものである場合、インクを用いて形成される印刷層12の透明フィルム11に対する密着性を特に優れたものとすることができる。
また、インクが光硬化性樹脂(特に、紫外線硬化性樹脂)を含むことにより、光の照射タイミング等を調整することにより、より容易かつ確実に、適切なタイミングでインクの流動性を低下させることができ、所望の形状、パターンの印刷層12をより容易かつ確実に形成することができる。
光硬化性樹脂は、光の照射により硬化反応(重合反応)が進行するものであればよく、例えば、可視光線の照射により硬化反応(重合反応)が進行するものや、紫外線の照射により硬化反応(重合反応)が進行するもの(紫外線硬化性樹脂)等を用いることができるが、紫外線の照射により硬化反応(重合反応)が進行するものであるのが好ましい。
これにより、光硬化性樹脂の硬化反応の反応速度を特に優れたものとし、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、紫外線の照射には、広く流通している紫外線ランプ等を光源として用いることができるため、特殊な光源を必要とせず、また、化粧板100の製造装置の構成の簡略化を図ることができ、化粧板100の製造コストの抑制を図ることができる。また、紫外線硬化性樹脂の硬化物は、一般に、透明性の高いものであるため、印刷層12の色調に悪影響がおよぶことをより効果的に防止することができる。
光硬化性樹脂(重合性化合物)は、それ単独で液状をなすものであり、透明フィルム11を構成する樹脂材料を溶解または膨潤させる機能を有するもの、すなわち、前記溶剤として機能するものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の製造過程において蒸発する揮発成分を前記溶剤として用いなくてもインクの粘度を十分に低いものとすることができ、各種印刷法による印刷層12の形成を好適に行うことができる。したがって、液体成分(揮発成分)の除去に伴うパターンの変形を防止することができ、所望の形状、パターンの印刷層12を容易かつ確実に形成することができる。
光硬化性樹脂(重合性化合物)としては、例えば、各種モノマー、各種オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)、プレポリマー等を用いることができるが、インクは、光硬化性樹脂(重合性化合物)として、少なくともモノマー成分を含むものであるのが好ましい。モノマーは、オリゴマー成分等に比べて、一般に、低粘度の成分であるため、前記溶剤として機能するものとすることができる。また、インクジェット法によるインクの吐出安定性を特に優れたものとする上で有利である。
光硬化性樹脂(重合性化合物)としてのモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸や、これらのエステル、各種誘導体(例えば、水素原子の少なくとも一部を他の原子または原子団で弛緩した化合物)等のアクリル系モノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、前述した溶剤として好適に機能することができる。
[2−6−4]その他の成分
インクは、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、光重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
光重合開始剤は、光の照射によってラジカルやカチオン等の活性種を発生し、上記光硬化性樹脂(重合性化合物)の重合反応を開始させるものであれば特に制限されない。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができるが、光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤を用いる場合、当該光重合開始剤は、紫外線領域に吸収ピークを有していることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
これらの中でも、光硬化性樹脂(重合性化合物)への溶解性および硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物から選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物を併用することがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光ラジカル重合開始剤、ベンゾイン系光ラジカル重合開始剤、ベンゾフェノン系光ラジカル重合開始剤、チオキサントン系光ラジカル重合開始剤、ケトン系光ラジカル重合開始剤、イミダゾール系光ラジカル重合開始剤、オキシムエステル系光ラジカル開始剤、チタノセン系光ラジカル重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤、トリクロロメチルトリアジン系光ラジカル重合開始剤、カルバゾール系光ラジカル重合開始剤等が挙げられ、これらのうちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
インクがスリップ剤を含むものであると、レベリング作用により印刷層12の表面の平滑性が向上する。
スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが好ましい。
インクが分散剤を含むものであると、顔料等の分散質の分散性を優れたものとすることができ、インクの保存安定性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、エポキシ樹脂等が挙げられる。
[2−7]接着剤組成物
以下、接着層4の形成に用いる接着剤組成物について詳細に説明する。
接着剤組成物としては、例えば、エマルジョン系、ラテックス系、溶剤系、水系、ホットメルト系等、各種の接着剤組成物を用いることができる。
中でも、溶剤系の接着剤組成物が好ましい。
これにより、乾燥工程をより短時間で効率よく行うことができる。また、セパレーター(剥離ライナー)を用いずに、好適に化粧板100を製造することができる。また、長尺の化粧シート100を製造する場合において、第1の基材1、第2の基材2等のライン速度を好適に上昇させることができる。以上のようなことから、化粧板100の生産性をより優れたものとすることができ、また、化粧板100の生産コスト低減の観点からも有利である。
また、接着剤組成物は、1液型のものでもよいし、2液型のものでもよいが、2液型のものであるのが好ましい。すなわち、接着剤組成物は、接着剤組成物付与工程に際して、異なる組成の2種の液体を混合して調製されるものであってよい。
これにより、接着層4による接着強度をより優れたものとすることができる。
2液型の接着剤組成物を用いる場合、主剤としては、例えば、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール等を用いることができる。
また、硬化剤、架橋剤としては、メチル−1,3−フェニレン=ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)等の芳香族系ポリイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート)(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート等の脂肪族系ポリイソシアネートのいずれもを用いてもよい。ポリイソシアネートは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であればよい。
接着剤組成物は、接着剤成分に加えて、さらに溶剤を含んでいてもよい。
これにより、接着剤組成物の粘度等を好適に調整することができ、接着剤組成物付与工程の作業性をより優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、アルコール化合物(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の1価のアルコールやエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、およびこれらのフッ化物等)、ケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル化合物(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル化合物(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ラクトン化合物等を用いることができる。
中でも、溶剤としては、酢酸エチルが好ましい。
これにより、接着剤成分(架橋剤成分を含む)を好適に溶解することができるとともに、乾燥工程では、容易かつ確実に溶剤を除去することができ、より好適に乾燥膜4’を形成することができる。
接着剤組成物は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、前述した以外の樹脂成分や充填剤等が挙げられる。
接着剤組成物中における固形分含有率は、15質量%以上35質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、接着剤組成物の粘度等をより好適な範囲に容易に調整することができるとともに、乾燥膜4’中、接着層4中における溶剤の残存率をより確実に低いものとすることができる。
[2−8]コート層形成用組成物
以下、コート層3の形成に用いるコート層形成用組成物について詳細に説明する。
[2−8−1]硬質材料またはその前駆体
コート層3の形成に用いるコート層形成用組成物は、コート層3を構成する硬質材料および/またはその前駆体を含むものである。
[2−8−2]溶剤
コート層形成用組成物は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、例えば、コート層形成用組成物中において、硬質材料やその前駆体を、溶解および/または分散させることができ、コート層形成用組成物の取り扱いのし易さ(取り扱い性)を向上させることができ、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、第1の基材1とコート層3との密着性を特に優れたものとすることができる。
コート層形成用組成物中に含まれる溶剤としては、極性溶媒を好適に用いることができ、具体的には、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶媒;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド系溶媒等が挙げられる。
中でも、溶剤としては、水を用いるのが好ましい。
これにより、例えば、コート層形成用組成物が硬質材料の前駆体を含む場合に、硬質材料の前駆体をコート層形成用組成物中に均一に溶解させることができるとともに、水素イオン指数(pH)の制御が容易で、コート層形成用組成物中での不本意な水素イオン指数(pH)のばらつきの発生を効果的に防止することができる。このようなことから、重合反応を好適に進行させることができる。
[2−8−3]その他の成分
コート層形成用組成物は、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、各種酸性物質、各種塩基性物質等の触媒、離型剤、重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
触媒としての塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
触媒としての酸性物質としては、例えば、酢酸、塩化水素、硫酸、硝酸や、イミドジスルホン酸ジアンモニウム等の潜在性酸触媒等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述したものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の化粧板は、前述した構成に加えて、他の構成をさらに有していてもよい。例えば、芯材層5の下側にさらに支持層を積層した構成としたものであってもよい。また、例えば、意匠面側の最外層に保護層を有するものでもよい。
また、本発明において、化粧板は、前述した各層の間に少なくとも1層の中間層を有するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、化粧板が、芯材層を有する場合について代表的に説明したが、本発明の化粧板は、芯材層を有していないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、第1の基材の第1の面側に印刷層が設けられた構成について説明したが、印刷層は、第1の基材の第2の面側に設けられたものであってもよい。また、印刷層は、第1の基材の両方の面側に設けられていてもよい。
また、第1の基材に設けられた印刷層に加えて、第2の基材にも印刷層が設けられていてもよい。この場合、当該印刷層は、第2の基材の第1の基材に対向する面側に設けられているのが好ましい。
また、本発明の化粧板は、いかなる方法で製造されたものであってもよく、前述した方法で製造されたものに限定されない。
例えば、前述した製造方法についての実施形態での各工程の順番を入れ替えて行ってもよい。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、コート層形成工程を接合工程の後に行うものとして説明したが、コート層形成工程は、接合工程の前、例えば、接着剤組成物付与工程の前や、乾燥工程と接合工程との間等に行ってもよい。
また、前述した実施形態では、芯材層形成工程を接合工程の後、特に、接合工程およびコート層形成工程の後に行うものとして説明したが、芯材層形成工程は、接合工程の前、例えば、接着剤組成物付与工程の前や、乾燥工程と接合工程との間等に行ってもよい。また、芯材層形成工程は、接合工程とコート層形成工程との間に行ってもよい。
また、前述した実施形態では、接着剤組成物付与工程において、接着剤組成物を第1の基材に付与する場合について説明したが、本発明の化粧板の製造方法では、接着剤組成物を第2の基材に付与してもよいし、第1の基材および第2の基材の両方に付与してもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[3]化粧板の製造
(実施例1)
まず、ロール状に巻回した第1の基材、および、ロール状に巻回した第2の基材を用意した。
第1の基材は、以下のようにして製造したものを用いた。すなわち、まず、長尺の透明フィルムとして、インク受容層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用意した。次に、この透明フィルムのインク受容層が設けられた面側に、グラビア印刷により、所定のパターン(木目調のパターン)で印刷層を形成した。
一方、第2の基材としては、長尺の厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、金属膜としての厚さ0.5nmのアルミニウムの蒸着膜が設けられたものを用いた。
次に、ロールから繰り出した第1の基材の印刷層が設けられた側の表面に、バーコーターによりウレタン系接着剤を含む溶剤系の接着剤組成物を付与した(接着剤組成物付与工程)。
接着剤組成物としては、タケラックA−310(三井化学社製):100質量部と、タケネートA−3(三井化学社製):10質量部との混合物に、希釈溶媒としての酢酸エチルをさらに混合した混合物であり、固形分含有率を25質量%に調整した組成物を用いた。この接着剤組成物は、架橋剤として、メチル−1,3−フェニレン=ジイソシアネートを含むものである。
次に、接着剤組成物が付与された第1の基材を、トンネル型の乾燥炉内に導入し、乾燥処理を施した。乾燥炉内の温度は、60℃に設定した。また、乾燥炉の長さは6mであり、第1の基材の搬送速度を50m/minとした。この乾燥処理により、接着剤組成物は乾燥され、溶剤の含有率が0.1質量%以下である乾燥膜となった(乾燥工程)。
次に、室温下で、乾燥膜と、第2の基材の金属膜とが接触するように、第1の基材に設けられた乾燥膜と、第2の基材の金属膜とを接触させ、0.3MPaの圧力で押圧した(接合工程)。これにより、乾燥膜は接着層(第1の接着層)となり、第1の基材と第2の基材とが接着層を介して接合した積層体が得られた。
次に、前記積層体の第1の基材の表面(印刷層が設けられた面とは反対の面)に、メラミン系樹脂(反応モル比:1.4、樹脂固形分:50質量%)を付与した。その後、120℃の熱風乾燥機にて90秒乾燥し、Bステージ層(Bステージの硬化性樹脂(メラミン系樹脂)を含む材料で構成された層)を得た(コート層形成工程)。なお、前記メラミン系樹脂は、反応釜に原料メラミンとホルマリンを所定配合比率で仕込み触媒添加後、沸点まで昇温して還流反応し、メラミン溶解が完了したことを確認した上で、反応終点に達したら脱水処理にて樹脂固形分を調整し冷却する方法により合成した。
次に、Bステージ層が設けられた前記積層体の第2の基材の表面(接着層に対向する面とは反対の面)に、プライマーとしてのジャパンコーティングレジン社製、SU−100を付与し、この面に、ガラスクロスおよびバインダーを含むプリプレグを重ね合わせ、その後、140℃、2MPaの条件で40分間加熱加圧成形して、硬質樹脂材料で構成されたコート層(厚さ:10μm)、第1の基材、第1の接着層(厚さ:4μm)、第2の基材、第2の接着層、および、芯材層(厚さ:100μm)がこの順で積層されてなる厚さ0.2mmの化粧板(メラミン化粧板)を得た(芯材層形成工程)。このようにして得られた化粧板の第1の接着層は、芳香族エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものであり、水酸基とイソシアネート基との反応により形成された架橋構造を含むものであった。また、第1の接着層中におけるウレタン系接着剤以外の成分の含有率は、0.1質量%以下であった。
なお、ガラスクロスとしては、Eガラスのガラス繊維で構成され、坪量が104g/mのものを用いた。また、前記プリプレグ中に含まれるバインダーは、アクリル樹脂であった。また、前記プリプレグ中におけるガラス繊維:100質量部に対するバインダーの含有率は1.50質量部であった。
(実施例2)
第1の接着層の厚さを16μmに変更した以外は、前記実施例1と同様にして化粧板(メラミン化粧板)を製造した。
(比較例1)
接着剤組成物として、水系の酢酸ビニル樹脂系接着剤を用い、接着剤組成物が付与された第1の基材の乾燥条件を130℃×1分間とし、接合工程において95℃で加熱(熱ラミネート)した以外は、前記実施例1と同様にして化粧板(メラミン化粧板)を製造した。
前記各実施例および比較例の化粧板の条件を表1にまとめて示した。なお、前記各実施例および比較例の化粧板では、透明フィルムについての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、いずれも、90%以上であり、コート層についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、いずれも90%以上であり、コート層についてのマルテンス硬度(マルテンス硬さ)が、いずれも300N/mm以上700N/mm以下の範囲内の値であり、第1の接着層についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、いずれも、90%以上であり、第2の基材についての380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、いずれも30%以下であった。また、前記各実施例および比較例の化粧板の芯材層は、いずれも、コーンカロリー燃焼試験をした際の発熱量が、6MJ/m以下のものであった。
Figure 2021014099
[4]評価
前記のようにして製造された各実施例および比較例の化粧板について、以下の評価を行った。
[4−1]審美性
芯材層が設けられた面とは反対の面が外表面を向くように、化粧板を石膏ボード(吉野石膏社製)上に載置した状態で、化粧板を観察し、その審美性を以下の基準に従い評価した。
A:スジむら、波打ちが全く認められず、非常に優れた外観を有している。
B:スジむら、波打ちがほとんど認められず、優れた外観を有している。
C:スジむら、波打ちが若干認められるものの、外観上ほとんど問題がない。
D:スジむら、波打ちが認められ、審美性が劣っている。
E:スジむら、波打ちが顕著に認められ、審美性が非常に劣っている。
[4−2]防汚性(耐汚染性)試験
JIS K 6902の耐汚染性試験に準拠した方法で処理を行い、化粧板の表面の汚染材料の残りの状態を確認し、以下の基準に従い評価した。
A:汚染材料の残りが全く認められない。
B:汚染材料の残りがほとんど認められない。
C:汚染材料の残りがわずかに認められる。
D:汚染材料の残りがはっきりと認められる。
E:汚染材料の残りが顕著に認められる。
[4−3]耐擦性(耐摩耗性)試験
JIS K 6902の耐摩耗性試験に準拠した方法で測定される耐摩耗性を確認し、以下の基準で評価を実施した。
A:耐摩耗性が1000回転以上。
B:耐摩耗性が500回転以上1000回転未満。
C:耐摩耗性が300回転以上500回転未満。
D:耐摩耗性が100回転以上300回転未満。
E:耐摩耗性が100回転未満。
[4−4]耐煮沸性試験
各化粧板を沸騰水中に入れ、30分間煮沸した。
その後、沸騰水中から取り出した各化粧板の表面に付着した水分をふき取り、以下の基準で評価した。
A:層間の剥離、膨れが全く認められない。
B:層間の剥離、膨れがほとんど認められない。
C:層間の剥離、膨れがわずかに認められる。
D:層間の剥離、膨れがはっきりと認められる。
E:層間の剥離、膨れが顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示した。
Figure 2021014099
表2から明らかなように、本発明では、審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性(耐汚染性)に優れる化粧板が得られた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
100 :化粧板
1 :第1の基材
11 :透明フィルム
12 :印刷層
13 :第1の面
14 :第2の面
2 :第2の基材
3 :コート層(硬質樹脂層)
4 :接着層(第1の接着層)
4’’ :接着剤組成物
4’ :乾燥膜
5 :芯材層(コア材)
7 :接着層(第2の接着層)

Claims (13)

  1. 透明フィルムおよび印刷層を有する第1の基材と、
    前記第1の基材の一方の面である第1の面側に配された硬質樹脂材料で構成されたコート層と、
    前記第1の基材の前記第1の面とは反対の面である第2の面側に配された隠蔽性を有する第2の基材と、
    前記第1の基材と前記第2の基材とを接合する接着層とを有し、
    前記接着層がウレタン系接着剤で構成されていることを特徴とする化粧板。
  2. 前記接着層は、エステル系ウレタン樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記接着層は、水酸基とイソシアネート基との反応により架橋された架橋構造を有するウレタン樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1または2に記載の化粧板。
  4. 前記接着層の厚さが1μm以上10μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧板。
  5. 前記印刷層は、前記透明フィルムの前記第2の面側に配されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化粧板。
  6. 前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化粧板。
  7. 前記コート層は、メラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化粧板。
  8. 前記第2の基材の前記接着層に対向する面とは反対の面側に、芯材層をさらに備えるものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化粧板。
  9. 前記芯材層は、ガラス繊維を含むものである請求項8に記載の化粧板。
  10. 前記第2の基材は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化粧板。
  11. 透明フィルムおよび印刷層を有する第1の基材、または、隠蔽性を有する第2の基材に、ウレタン系接着剤を含む接着剤組成物を付与する接着剤組成物付与工程と、
    前記接着剤組成物を乾燥して乾燥膜とする乾燥工程と、
    前記乾燥膜を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とを接触させた状態で加圧することにより、前記乾燥膜を接着層として、前記第1の基材と前記第2の基材とを接合する接合工程とを有することを特徴とする化粧板の製造方法。
  12. 前記接合工程の後に、前記第1の基材の前記乾燥膜に対向する面とは反対の面側に、硬質樹脂材料で構成されたコート層を設けるコート層形成工程をさらに有する請求項11に記載の化粧板の製造方法。
  13. 前記接合工程の後に、前記第2の基材の前記接着層に対向する面とは反対の面側に、芯材層を設ける芯材層形成工程をさらに有する請求項11または12に記載の化粧板の製造方法。
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