JP2021014059A - 電磁波透過性金属光沢物品 - Google Patents

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JP2021014059A JP2019129342A JP2019129342A JP2021014059A JP 2021014059 A JP2021014059 A JP 2021014059A JP 2019129342 A JP2019129342 A JP 2019129342A JP 2019129342 A JP2019129342 A JP 2019129342A JP 2021014059 A JP2021014059 A JP 2021014059A
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秀行 米澤
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正義 片桐
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孝洋 中井
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Abstract

【課題】電磁波透過性に優れ、金属光沢を長期間保持でき、耐傷性にも優れた、電磁波透過性金属光沢物品を提供することを目的とする。【解決手段】基体と、前記基体上に形成された金属層と、前記金属層の前記基体側とは反対側の面上に形成された保護層とを備え、前記金属層は、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む電磁波透過性金属光沢物品。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波透過性金属光沢物品に関する。
従来、電磁波透過性及び金属光沢を有する部材が、その金属光沢に由来する外観の高級感と、電磁波透過性とを兼ね備えることから、電磁波を送受信する装置に好適に用いられている。
金属光沢調の部材に金属を使用した場合には、電磁波の送受信が実質的に不可能、或いは、妨害されてしまう。したがって、電磁波の送受信を妨げることなく、意匠性を損なわせないために、金属光沢と電磁波透過性の双方を兼ね備えた電磁波透過性金属光沢物品が必要とされている。
このような電磁波透過性金属光沢物品は、電磁波を送受信する装置として、通信を必要とする様々な機器、例えば、スマートキーを設けた自動車のドアハンドル、車載通信機器、携帯電話、パソコン等の電子機器等への応用が期待されている。更に、近年では、IoT技術の発達に伴い、従来は通信等行われることがなかった、冷蔵庫等の家電製品、生活機器等、幅広い分野での応用も期待されている。
そしてこれらの電磁波透過性金属光沢物品は、意匠性の観点から、光沢度の高い金属光沢を有するものが求められる場合がある。
特許文献1には、クロム(Cr)又はインジウム(In)だけでなく、例えば、アルミニウム(Al)等その他の金属を金属層として用いた電磁波透過性金属光沢部材が開示されている。この電磁波透過性金属光沢部材は、基体の面に設けた酸化インジウム含有層と、酸化インジウム含有層に積層された金属層とを備え、金属層は、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む。
また、特許文献2には、金属発色の美麗な意匠表現を有するにもかかわらず、電波障害の発生しないカバーパネルとして、透明樹脂成形品の上に、金属薄膜層による金属発色部分を有する加飾層が積層されたカバーパネルにおいて、金属薄膜層が不連続な膜構造である金属発色を有するカバーパネルが記載されている。
特許第6400062号公報 特許第4601262号公報
しかしながら、従来技術における金属光沢部材は、経時に伴い反射率が低下して金属光沢が失われるという問題点があった。金属光沢部材における金属層は、空気中の水分等による酸化により劣化しやすく、金属光沢を長期間保持し得る金属光沢部材の提供が求められている。また、金属光沢部材は、製造過程や搬送の際に傷が生じる場合があり、優れた電磁波透過性を示し、耐傷性に優れた金属外観の部材を提供するのは困難であった。
本願発明は、これら従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、電磁波透過性に優れ、金属光沢を長期間保持でき、耐傷性にも優れた、電磁波透過性金属光沢物品を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、金属層を不連続構造とし、金属層の基体側とは反対側の面上に形成された保護層を備えることにより、電磁波透過性に優れ、金属光沢を長期間保持でき、耐傷性にも優れた、電磁波透過性金属光沢物品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
基体と、
前記基体上に形成された金属層と、
前記金属層の前記基体側とは反対側の面上に形成された保護層とを備え、
前記金属層は、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む電磁波透過性金属光沢物品。
〔2〕
前記保護層は、粘着剤層を含む〔1〕に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
〔3〕
前記粘着剤層は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを含有する〔2〕に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
〔4〕
更に、前記基体と前記金属層の間に酸化インジウム含有層を備える〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の電磁波透過性金属光沢物品。
〔5〕
前記金属層がアルミニウム、スズ、インジウムまたはその合金である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の電磁波透過性金属光沢物品。
〔6〕
更に、前記金属層の前記基体側とは反対側の面上に形成されたバリア層を備える〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の電磁波透過性金属光沢物品。
〔7〕
前記バリア層は、金属および半金属の少なくとも1種の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物および酸化窒化炭化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む〔6〕に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
本発明によれば、電磁波透過性に優れ、金属光沢を長期間保持でき、耐傷性にも優れた、電磁波透過性金属光沢物品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の概略断面図である。 図3は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の概略断面図である。 図4は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の概略断面図である。 図5は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の概略断面図である。 図6は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の表面の電子顕微鏡写真である。 図7は、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品の金属層の膜厚の測定方法を説明するための図である。 図8は、本発明の一実施形態における金属層の断面の透過型電子顕微鏡写真(TEM画像)を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一つの好適な実施形態について説明する。以下においては、説明の便宜のために本発明の好適な実施形態のみを示すが、勿論、これによって本発明を限定しようとするものではない。
<1.基本構成>
図1〜5に、本発明の一実施形態による電磁波透過性金属光沢物品1の概略断面図を示す。また、図6に、金属層の不連続構造について説明するため、電磁波透過性金属光沢物品の金属層の表面の電子顕微鏡写真(SEM画像)を示す。
図1に示すように、電磁波透過性金属光沢物品1は、基体10と、基体10の上に形成された金属層12と、金属層12の基体10側とは反対側の面上に形成された保護層13とを含む。
電磁波透過性金属光沢物品1は、図2に示すとおり、基体10と、金属層12と、保護層13として粘着剤層13b及び保護フィルム13aとを備えていてもよい。
電磁波透過性金属光沢物品1は、図3及び4に示すように、金属層12の基体10側とは反対側の面上にバリア層14を備えていてもよい。
また、電磁波透過性金属光沢物品1は、図5に示されるように、基体10と金属層12の間に、酸化インジウム含有層15をさらに備えていてもよい。
金属層12は基体10の上に形成される。金属層12は複数の部分12aを含む。金属層12におけるこれらの複数の部分12aは、少なくとも一部において互いに不連続の状態、言い換えれば、少なくとも一部において隙間12bによって隔てられる。複数の部分12aは、隙間12bによって隔てられるため、これらの複数の部分12aのシート抵抗は大きくなり、電波との相互作用が低下するため、電波を透過させることができる。これらの各部分12aは金属を蒸着、スパッタ等することによって形成されたスパッタ粒子の集合体であってもよい。
尚、本明細書でいう「不連続の状態」とは、複数の部分12aが隙間12bによって互いに隔てられており、この結果、互いに電気的に絶縁されている状態を意味する。電気的に絶縁されることにより、シート抵抗が大きくなり、所望とする電磁波透過性が得られることになる。すなわち、不連続の状態で形成された金属層12によれば、十分な光輝性が得られやすく、電磁波透過性を確保することもできる。不連続の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、島状構造、クラック構造等が含まれる。ここで「島状構造」とは、図6に示されているように、金属粒子同士が各々独立しており、それらの粒子が、互いに僅かに離間し又は一部接触した状態で敷き詰められてなる構造を意味する。
クラック構造とは、金属薄膜がクラックにより分断された構造である。
クラック構造の金属層12は、例えば基材フィルム上に金属薄膜層を設け、屈曲延伸して金属薄膜層にクラックを生じさせることにより形成することができる。この際、基材フィルムと金属薄膜層の間に伸縮性に乏しい、即ち延伸によりクラックを生成しやすい素材からなる脆性層を設けることにより、容易にクラック構造の金属層12を形成することができる。
上述のとおり金属層12が不連続となる態様は特に限定されないが、生産性の観点からは島状構造とすることが好ましい。
本実施形態に係る電磁波透過性金属光沢物品1は、波長380nm〜780nmの範囲における反射光の、SCI測定における反射率Yが20%以上であることが好ましい。
反射率Yは40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。
反射率Yは、標準光源としてD65を使用して、コニカミノルタ社製分光測色計CM−2600dにより測定することができ、実施例に記載の方法により測定することができる。
電磁波透過性金属光沢物品1の電磁波透過性は、例えば電波透過減衰量により評価することができる。
マイクロ波帯域(5GHz)における電波透過減衰量は、10[−dB]以下であることが好ましく、5[−dB]以下であるのがより好ましく、2[−dB]以下であることが更に好ましい。10[−dB]以上であると、90%以上の電波が遮断されるという問題がある。
電磁波透過性金属光沢物品1のシート抵抗も電磁波透過性と相関を有する。
電磁波透過性金属光沢物品1のシート抵抗は100Ω/□以上であるのが好ましく、この場合、マイクロ波帯域(5GHz)における電波透過減衰量は、10〜0.01[−dB]程度となる。
電磁波透過性金属光沢物品1のシート抵抗は200Ω/□以上であることが更に好ましく、600Ω/□以上であることがより更に好ましく、1000Ω/□以上であることが特に好ましい。
電磁波透過性金属光沢物品1のシート抵抗は、JIS−Z2316−1:2014に従って渦電流測定法により測定することができる。
電磁波透過性金属光沢物品1の電波透過減衰量及びシート抵抗は、金属層12及びの材質や厚さ等により影響を受ける。
また、電磁波透過性金属光沢物品1が後述の酸化インジウム含有層15を備える場合には酸化インジウム含有層15の材質や厚さ等によっても影響を受ける。
<2.基体>
基体10としては、電磁波透過性の観点から、樹脂、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
基体10は、基材フィルム、樹脂成型物基材、ガラス基材、又は金属光沢を付与すべき物品のいずれかであってもよい。
より具体的には、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、ポリウレタン、アクリル(PMMA)、ABSなどの単独重合体や共重合体からなる透明フィルムを用いることができる。
これらの部材によれば、光輝性や電磁波透過性に影響を与えることもない。但し、酸化インジウム含有層15や金属層12を後に形成する観点から、蒸着やスパッタ等の高温に耐え得るものであることが好ましく、従って、上記材料の中でも、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ABS、ポリプロピレン、ポリウレタンが好ましい。なかでも、耐熱性とコストとのバランスがよいことからポリエチレンテレフタレートやシクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリルが好ましい。
基材フィルムは、単層フィルムでもよいし積層フィルムでもよい。加工のし易さ等から、厚さは、例えば、6μm〜250μm程度が好ましい。酸化インジウム含有層15や金属層12との付着力を強くするために、プラズマ処理や易接着処理などが施されてもよい。また、粒子を含有しないものであることが好ましい。
基体10が基材フィルムの場合、金属層12は基材フィルム上の少なくとも一部に設ければよく、基材フィルムの片面のみに設けてもよく、両面に設けてもよい。
基体10は、更にハードコート層、アンチブロッキング層を備えていてもよい。
ハードコート層は、例えば、ハードコート組成物から形成される。ハードコート組成物は、樹脂成分を含有し、好ましくは、樹脂成分からなる。
樹脂成分としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
ハードコート層の厚みは、例えば、0.5μm以上、好ましくは、1.0μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、3.0μm以下である。ハードコート層の厚みは、例えば、膜厚計(ダイアルゲージ)を用いて測定することができる。
基材フィルムは、その表面上に金属層12を形成することができる対象(基体10)の一例にすぎない。基体10には、上記のとおり基材フィルムの他、樹脂成型物基材、ガラス基材、金属光沢を付与すべき物品それ自体も含まれる。樹脂成型物基材、及び金属光沢を付与すべき物品としては、例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
金属層12は、これら全ての基体上に形成することができ、基体の表面の一部に形成してもよく、基体の表面の全てに形成してもよい。この場合、金属層12を付与すべき基体10は、上記の基材フィルムと同様の材質、条件を満たしていることが好ましい。
<3.金属層>
金属層12は基体上に形成され、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む。
金属層12が基体上で連続状態である場合、十分な金属光沢が得られるものの、電波透過減衰量が非常に大きくなり、従って、電磁波透過性を確保することはできない。
金属層12が基体上で不連続状態となるメカニズムの詳細は必ずしも明らかではないが、おおよそ、次のようなものであると推測される。即ち、金属層12の薄膜形成プロセスにおいて、不連続構造の形成しやすさは、金属層12が付与される基体上での表面拡散と関連性があり、基体の温度が高く、基体に対する金属層の濡れ性が小さく、金属層の材料の融点が低い方が不連続構造を形成しやすい、というものである。従って、以下の実施例で特に使用したアルミニウム(Al))以外の金属についても、スズ(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)などの比較的融点の低い金属については、同様の手法で不連続構造を形成しうると考えられる。
金属層12は、十分な光輝性を発揮し得ることは勿論、融点が比較的低いものであることが望ましい。金属層12は、スパッタリングを用いた薄膜成長によって形成するのが好ましいためである。このような理由から、金属層12としては、融点が約1000℃以下の金属が適しており、例えば、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)から選択された少なくとも一種の金属、および該金属を主成分とする合金のいずれかを含むことが好ましい。特に、物質の光輝性や安定性、価格等の理由からアルミニウム(Al)、スズ(Sn)、インジウム(In)から選択された少なくとも一種の金属又はその合金を含むことが好ましく、Alおよびその合金がより好ましい。また、アルミニウム合金を用いる場合には、アルミニウム含有量を50質量%以上とすることが好ましい。
金属層12の部分12aの円相当径は特に限定されないが、通常10〜1000nm程度である。複数の部分12aの平均粒径とは、複数の部分12aの円相当径の平均値を意味する。
部分12aの円相当径とは、部分12aの面積に相当する真円の直径のことである。
また、各部分12a同士の距離は特に限定されないが、通常は10〜1000nm程度である。
金属層12の厚さは、十分な光輝性を発揮するように、通常10nm以上が好ましく、一方、生産性の観点から、通常100nm以下が好ましい。例えば、15nm〜100nmが好ましく、15nm〜80nmがより好ましく、15nm〜70nmがさらに好ましく、15nm〜60nmがよりさらに好ましく、15nm〜50nmが特に好ましく、15nm〜40nmが最も好ましい。なお、金属層12の厚さは実施例の欄に記載の方法で測定できる。
また、酸化インジウム含有層を設ける場合は、同様の理由から、金属層の厚さと酸化インジウム含有層の厚さとの比(金属層の厚さ/酸化インジウム含有層の厚さ)は、0.1〜100の範囲が好ましく、0.3〜35の範囲がより好ましい。
金属層のシート抵抗は、100Ω/□以上であるのが好ましい。この場合、電磁波透過性は、5GHzの波長において、10〜0.01[−dB]程度となる。更に好ましくは、1000Ω/□以上である。
酸化インジウム含有層を更に設ける場合、金属層と酸化インジウム含有層の積層体としてのシート抵抗は、100Ω/□以上であるのが好ましい。この場合、電磁波透過性は、5GHzの波長において、10〜0.01[−dB]程度となる。更に好ましくは、1000Ω/□以上である。このシート抵抗の値は、金属層の材質や厚さは勿論のこと、下地層である酸化インジウム含有層の材質や厚さからも大きな影響を受ける。よって、酸化インジウム含有層を設ける場合は、酸化インジウム含有層との関係も考慮したうえで設定する必要がある。
<4.保護層>
本実施形態の電磁波透過性金属光沢物品1は、保護層13を備える。保護層13は、図1〜5に示すように、金属層上に形成することができる。
例えば、図1及び2に示すように、金属層12の基体10側とは反対側の面上に形成することができる。
また、電磁波透過性金属光沢物品1がバリア層14を備える場合、保護層13は、図3〜5に示すように、バリア層14の金属層12側とは反対側の面上に形成してもよい。
保護層13は樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
保護層13は、色味等の外観を調整するための高屈折材料等の光学調整層(色味調整層)、耐湿性や耐擦傷性等の耐久性を向上させるための保護フィルム(耐擦傷性層)、易接着層、粘着剤層、ハードコート層、反射防止層、光取出し層、アンチグレア層等であってもよく、これらを組み合わせたものであっても良い。図1、及び図3に示すように、保護層13は、粘着剤層であってもよい。また、保護層13は、図2、及び図4に示すように、粘着剤層13b及び保護フィルム13aを含んでいてもよい。
本実施形態の電磁波透過性金属光沢物品1は、保護層13が粘着剤層13b及び保護フィルム13aを含む場合、保護フィルム13aのみを剥離することもできる。
本実施形態の電磁波透過性金属光沢物品1は、粘着剤層13bを介して被着部材に貼付されて用いられてもよい。例えば、電磁波透過性金属光沢物品1を、粘着剤層13bを介して透明な被着部材に貼付することで被着部材を内側から装飾することができる。
電磁波透過性金属光沢物品1が透明な被着部材の視認される側(以下、外側ともいう)の面とは反対側(以下、内側ともいう)の面に対して粘着剤層13bを介して貼付された場合、被着部材を通して粘着剤層13bと、金属層12が視認される。粘着剤層13bにより空気中の水分による金属層12の劣化を抑制ないし防止するため、金属光沢を長期間保持でき、耐傷性にも優れた電磁波透過性金属光沢物品が得られる。透明な被着部材としては、例えば、ガラスやプラスチックからなる部材を使用することができるが、これに限定されるものではない。
本実施形態の電磁波透過性金属光沢物品1は、保護層13が粘着剤層13b及び保護フィルム13aを含む場合、粘着剤層13bを保護フィルム13aと共に金属層12から剥離し、基体10と金属層12とを少なくとも含む積層体とすることもできる。すなわち、電磁波透過性金属光沢物品1は、用途に応じて、金属層12上に更に装飾等を施すまで、保護層13により金属層12を保護することで、金属層12の劣化を抑制ないし防止し金属光沢を長期間保持し得る。また、製造過程や輸送等により生じる傷を防ぐことができる。保護層13を剥離した後の積層体は、金属層12上に装飾等を施すことができる。
積層体と保護層13との剥離力は、例えば、5.00N/mm以下、好ましくは、2.00N/mm以下であり、また、例えば、0.001N/50mm以上、好ましくは、0.01N/mm以上である。図3〜5に示すように電磁波透過性金属光沢物品1がバリア層14を備える場合、剥離力が上記上限以下であると、保護層13をバリア層14から容易に剥離することができ、電磁波透過性金属光沢物品1の破損を抑制することができる。また、剥離力が上記下限以上であると、保護層貼合時の貼合気泡を抑制することができる。
剥離力は実施例に記載の方法により測定することができる。
保護層の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、5〜250μmであることがより好ましく、50〜250μmであることがさらに好ましく、100〜200μmであることがよりさらに好ましく、100μmを超え200μm以下であることが特に好ましい。保護層の厚みが5μm以上であることで、擦傷性確保の点で好ましい。また、保護層の厚みが250μm以下であることで、搬送性の点で好ましい。
保護層の厚さは、ダイヤルゲージなどにより測定することができる。
保護層13は水分を透過、又は吸収し難い層であることが好ましい。
例えば、保護層13が水分を透過、又は吸収し難い層とすることにより、空気中の水分による金属層12の劣化を抑制ないし防止でき、金属光沢を長期間保持し得る。
また、保護層13は透明性を有する層であることが好ましい。保護層が透明性を有することにより、金属光沢に優れた電磁波透過性金属光沢物品とすることができる。
(粘着剤層)
粘着剤層はベースポリマーを含有する粘着剤組成物により形成されることが好ましい。ベースポリマーとしては、粘着剤に用いられる公知のポリマーを用いることが可能である。ここで、ベースポリマーとは、粘着剤組成物に含まれるポリマーの主成分をいう。また、この明細書において「主成分」とは、特記しない場合、50質量%を超えて含まれる成分を指す。
(1−1)粘着剤組成物
粘着剤組成物は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート及び/又はメタクリレートをいう。
本発明の実施形態における(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルおよび水酸基含有モノマーをモノマー単位として含有することが好ましい。水酸基を導入する手法は特に制限されないが、例えば、水酸基含有モノマーを共重合する手法が容易におこなうことができる。
なお、本発明の実施形態における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、また(メタ)アクリル酸アルキルはアクリル酸アルキルおよび/またはメタクリル酸アルキルをいう。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどをなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記水酸基含有モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることがより好ましい。水酸基含有モノマーを共重合することにより、架橋などによる反応点が付与されることとなる。
本発明の実施形態に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が30万〜250万程度であることが望ましい。重量平均分子量が30万より小さい場合は、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。重量平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)、好ましくは−10℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくくなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
また、前記モノマー以外のその他の重合性モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーにおいて用いられるその他の重合性モノマーとしては、例えば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。これらのモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態にかかる粘着剤組成物は、金属層の腐食防止のため、また、粘着剤層が水分を吸収または透過しにくくするために、構成モノマー成分として酸性基含有モノマーを含まないか或は実質的に含まないことが好ましく、特にカルボキシル基含有モノマーを含まないか或は実質的に含まないことが好ましい。このような構成は、粘着剤層に含まれる酸性基が空気中の水分等で酸化することにより、金属層に化学的に作用して金属層を劣化させることを抑制ないし防止でき、金属光沢を長期間保持するうえで好ましい。
前記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどがあげられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステルなどがあげられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明の実施形態において、その他の重合性モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、0〜300質量部であることが好ましく、0〜150質量部であることがより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など何れでもよい。
本発明の実施形態において、架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。イソシアネート系架橋剤は密着性および凝集性を付与するため用いられる。
イソシアネート系架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物が用いられ、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する種々の化合物が含まれる。
イソシアネート化合物としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。なかでも、イソシアヌレート環を有するものが特に好ましく、例えば、長鎖アルキレンジオール変性のイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックDN−995)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態に用いられる架橋剤の含有量は、粘着物性に影響を及ぼさない程度で配合すればよいが、通常(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、0.2〜10質量部含有され、0.5〜8質量部含有されていることが好ましく、1〜6質量部含有されていることがより好ましい。
なお、アクリル系粘着剤には、前記例示した以外の架橋剤(ポリアミン化合物、メラミン樹脂、アジリジン誘導体、尿素樹脂)、粘着付与剤、可塑剤、シランカップリング剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物など等を適宜に使用することもできる。これらの成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(1−3)粘着剤層の形成方法
粘着剤層は、例えば、少なくとも基体と金属層とを含む積層体における金属層の、基体側とは反対側の面と、粘着剤層と保護フィルムとの積層体の粘着剤面を貼り合せることにより形成することができる。電磁波透過性金属光沢物品が、例えば、基体と金属層とバリア層と保護層とをこの順に含む積層体である場合は、バリア層の金属層とは反対側の面と、粘着剤層と保護フィルムとの積層体の粘着剤面を貼り合せることにより形成することができる。
また、前記粘着剤層は、例えば、前記粘着剤組成物を金属層上に塗布し、溶剤等を乾燥除去することにより形成することもできる。粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に一種以上の溶剤を加えてもよい。
粘着剤層の厚みは、1〜300μmであることが好ましく、2〜250μmであることがより好ましく、3〜250μmであることがさらに好ましく、5〜200μmであることがよりさらに好ましい。
粘着剤層の厚さは、ダイヤルゲージにより測定することができる。
粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
前記加熱乾燥温度は、30℃〜200℃程度が好ましく、40℃〜180℃がより好ましく、80℃〜160℃がさらに好ましい。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、5秒〜20分程度が好ましく、30秒〜10分がより好ましく、1分〜8分がさらに好ましい。
前記粘着剤組成物が、活性エネルギー線硬化型粘着剤の場合には、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより粘着剤層を形成することができる。紫外線照射には、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルライトランプ等を用いることができる。
(保護フィルム)
本実施形態の保護フィルムを形成する材料としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム;ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙類;綿布、スフ布等の布類;ポリエステル不織布、ビニロン布織布等の布織布類;金属箔が挙げられる。また、保護フィルムの厚みは特に限定されない。
前記プラスチックフィルム類は、無延伸フィルムであってもよいし、延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムであってもよい。また、保護フィルムの粘着剤層が設けられる面には、下塗り剤の塗布、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
(セパレーター)
金属層上に保護層として粘着剤層を形成した電磁波透過性金属光沢物品は、前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレーター)で粘着剤層を保護してもよい。実用に際しては、前記剥離処理したシートは剥離することができる。
セパレーターの構成材料としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等を挙げることができる。表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を適宜行うことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
<5.バリア層>
電磁波透過性金属光沢物品1は、図3及び4に示すように、金属層12の基体10側とは反対側の面上にバリア層14を備えていてもよい。なお、バリア層14は金属層12上に積層されていればよく、必ずしも隙間12bを完全に埋めていなくてもよい。
バリア層は、金属層12の酸化(腐食)を抑制するための層である。バリア層は、金属および半金属の少なくとも1種の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物および酸化窒化炭化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。金属としては、例えば、アルミニウム、チタン、インジウム、マグネシウムなどを用いることができ、半金属としては、例えば、ケイ素、ビスマス、ゲルマニウムなどを用いることができる。
具体的には、例えばZnO+Al(AZO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化炭化窒化ケイ素膜(SiOCN)、酸化窒化ケイ素膜(SiON)、窒化ケイ素膜(SiN)、SiO、AlO、AlON、TiO等を用いることができる。
また、バリア性の向上のためには、バリア層は水蒸気を透過しにくいことが好ましい。バリア層の水蒸気の透過の度合いは種々の方法により評価できるが、例えば、水蒸気透過量を用いて評価することができる。バリア性の向上のためには、当該水蒸気透過量が3g/m・day以下であることが好ましく、1g/m・day以下であることがより好ましく、0.5g/m・day以下であることが更に好ましい。
バリア層の水蒸気透過量は、例えば、MOCON社製水蒸気透過度測定装置PERMATRAN−W Model3/33を用いて測定することができる。
バリア層14の厚みは特に限定はされないが、バリア性を向上させるためには5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましい。また、電磁波透過性や外観の金属光沢感を向上させるためには100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましい。
バリア層の厚みは実施例に記載の方法により測定することができる。
また、金属層12の酸化(腐食)をより一層抑制するために、バリア層は金属層と基体との間にさらに設けられてもよい。
電磁波透過性金属光沢物品1が酸化インジウム含有層を備える場合は、酸化インジウム含有層と金属層の間にバリア層を設けてもよく、酸化インジウム含有層の金属層とは反対側にバリア層を設けてもよい。
また、電磁波透過性金属光沢物品は、上述の金属層、保護層、酸化インジウム含有層、及びバリア層の他に、用途に応じてその他の層を備えてもよい。
その他の層としては色味等の外観を調整するための高屈折材料等の光学調整層(色味調整層)、易接着層、ハードコート層、反射防止層、光取出し層、アンチグレア層等が挙げられる。
<6.酸化インジウム含有層>
また、一実施形態に係る電磁波透過性金属光沢物品1においては、図5に示されるように、基体10と金属層12の間に、酸化インジウム含有層15をさらに設けてもよい。酸化インジウム含有層15は、基体10の面に直接設けられていてもよいし、基体10の面に設けた保護膜等を介して間接的に設けられてもよい。酸化インジウム含有層15は、金属光沢を付与すべき基体10の面に連続状態で、言い換えれば、隙間なく、設けるのが好ましい。連続状態で設けることにより、酸化インジウム含有層15、ひいては、金属層12や電磁波透過性金属光沢物品1の平滑性や耐食性を向上させることができ、また、酸化インジウム含有層15を面内ばらつきなく成膜することも容易となる。
このように、基体10と金属層12の間に、酸化インジウム含有層15をさらに設けること、すなわち、基体10の上に酸化インジウム含有層15を形成し、その上に金属層12を形成することによれば、金属層12を不連続の状態で形成しやすくなるため好ましい。そのメカニズムの詳細は必ずしも明らかではないが、金属の蒸着やスパッタによるスパッタ粒子が基体上で薄膜を形成する際には、基体上での粒子の表面拡散性が薄膜の形状に影響を及ぼし、基体の温度が高く、基体に対する金属層の濡れ性が小さく、金属層の材料の融点が低い方が不連続構造を形成しやすいと考えられる。そして、基体上に酸化インジウム含有層を設けることにより、その表面上の金属粒子の表面拡散性が促進されて、金属層を不連続の状態で成長させやすくなると考えられる。
酸化インジウム含有層15として、酸化インジウム(In)そのものを使用することもできるし、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)や、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属含有物を使用することもできる。但し、第二の金属を含有したITOやIZOの方が、スパッタリング工程での放電安定性が高い点で、より好ましい。これらの酸化インジウム含有層15を用いることにより、基体の面に沿って連続状態の膜を形成することもでき、また、この場合には、酸化インジウム含有層の上に積層される金属層を、例えば、島状の不連続構造としやすくなるため、好ましい。更に、後述するように、この場合には、金属層に、クロム(Cr)又はインジウム(In)だけでなく、通常は不連続構造になり難く、本用途には適用が難しかった、アルミニウム等の様々な金属を含めやすくなる。
ITOに含まれる酸化錫(SnО)の質量比率である含有率(含有率=(SnO/(In+SnO))×100)は特に限定されるものではないが、例えば、2.5質量%〜30質量%、より好ましくは、3質量%〜10質量%である。また、IZOに含まれる酸化亜鉛(ZnO)の質量比率である含有率(含有率=(ZnO/(In+ZnO))×100)は、例えば、2質量%〜20質量%である。
酸化インジウム含有層15の厚さは、シート抵抗や電磁波透過性、生産性の観点から、通常1000nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。一方、積層される金属層12を不連続状態としやすくするためには、1nm以上であることが好ましく、確実に不連続状態にしやすくするためには、2nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましい。
<7.電磁波透過性金属光沢物品の製造>
電磁波透過性金属光沢物品1の製造方法の一例について、説明する。特に説明しないが、基材フィルム以外の基体を用いた場合についても同様の方法で製造することができる。
基体10上に金属層12を形成するにあたっては、例えば、真空蒸着、スパッタリング等の方法を用いることができる。
また、基体10上に酸化インジウム含有層15を形成する場合には、金属層12の形成に先立ち、酸化インジウム含有層15を、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等によって形成する。但し、大面積でも厚さを厳密に制御できる点から、スパッタリングが好ましい。
尚、基体10と金属層12の間に酸化インジウム含有層15を設ける場合、酸化インジウム含有層15と金属層12の間には、他の層を介在させずに直接接触させるのが好ましい。
<8.電磁波透過性金属光沢物品の用途>
本実施形態の電磁波透過性金属光沢物品は、電磁波透過性を有することから電磁波を送受信する装置や物品及びその部品等に使用することが好ましい。例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
より具体的には、車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品、エンジン周辺部品、駆動系・ギア周辺部品、吸気・排気系部品、冷却系部品等が挙げられる。
電子機器および家電機器としてより具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
<基材フィルム、酸化インジウム含有層、金属層の積層体の作成>
まず、DCマグネトロンスパッタリングを用いて、50μmのPETフィルム上の片面にハードコート層、片面にアンチブロッキング層をそれぞれ乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布した基材フィルムを準備し、ハードコート層の上に5nmの厚さとなるようにITO層を直接形成した。ITO層を形成する際の基材フィルムの温度は、130℃に設定した。ITOは、Inに対してSnOを10質量%含有させたものである。
次いで、交流スパッタリング(AC:40kHz)を用いて、ITO層の上に、30nmの厚さの島状のアルミニウム(Al)層を形成し、基材フィルム、酸化インジウム含有層、金属層の積層体(以下、積層体1a)を得た。なお、Al層を形成する際の基材フィルムの温度は、130℃に設定した。
また、この積層体1aの電波透過減衰量を測定すると、0.02[−dB]であり、シート抵抗を測定すると、10Ω以上であった。
<バリア層の作製>
上記積層体1aの島状のアルミニウム層の上にバリア層として、スパッタリング法により酸化アルミニウム膜を10nmとなるように形成し積層体1bを得た。
<粘着剤層付き保護フィルムの作成>
酢酸エチル中に、モノマーベースで35質量%となるように2−エチルヘキシルアクリレート100質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部を配合して共重合し、重量平均分子量60万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液に、アクリル系ポリマー(乾燥質量)100質量部に対して、イソシアヌレート環を有するイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)4質量部を配合し、さらに酢酸エチルを加え固形分濃度を20%に調整した粘着剤溶液(材料A)を調製した。
当該粘着剤溶液(材料A)を、厚さ38μmの未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(三菱化学ポリエステル社製、ダイアホイルT100#38)の上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、140℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成して、粘着剤層付き保護フィルムを得た。
<電磁波透過性金属光沢物品の作成>
上記で得られた積層体1bのバリア層の面と、上記で得られた粘着剤層付き保護フィルムの粘着剤面をハンドローラーで貼り合せ、電磁波透過性金属光沢物品を得た。
〔実施例2〕
実施例1の粘着剤層付き保護フィルムの粘着剤層を下記のように変更して保護フィルムを得た以外は、実施例1と同様にして電磁波透過性金属光沢物品を得た。
酢酸エチル中に、モノマーベースで30質量%となるようにブチルアクリレート95質量部、およびアクリル酸5質量部を共重合して、重量平均分子量60万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。
上記アクリル系ポリマー溶液(30質量%)を酢酸エチルで20質量%に希釈し、この溶液のアクリル系ポリマー100質量部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)5質量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、粘着剤溶液(材料B)を調製した。当該粘着剤溶液(材料B)を、厚さ38μmの未処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、150℃で90秒間乾燥して、粘着剤層を形成して、粘着剤層付き保護フィルムを得た。
〔実施例3〕
実施例1の粘着剤層付き保護フィルムの粘着剤層を下記のようにして保護フィルムを得た以外は、実施例1と同様にして電磁波透過性金属光沢物品を得た。
酢酸エチル中に、モノマーベースで30質量%となるようにブチルアクリレート90質量部、およびアクリル酸10質量部を共重合して、重量平均分子量75万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。
上記アクリル系ポリマー溶液(30質量%)を酢酸エチルで20質量%に希釈し、この溶液のアクリル系ポリマー100質量部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)12質量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、粘着剤溶液(材料C)を調製した。当該粘着剤溶液(材料C)を、厚さ125μmの未処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、150℃で90秒間乾燥して、粘着剤層を形成して、粘着剤層付き保護フィルムを得た。
〔実施例4〕
実施例1の積層体1bにおけるバリア層を下記のように変更して積層体を得た以外は、実施例1と同様にして電磁波透過性金属光沢物品を得た。
上記積層体1aの島状のアルミニウム層の上にバリア層として、スパッタリング法によりAl−ZnO膜(AZO膜)を30nmとなるように形成し積層体を得た。
〔実施例5〕
粘着剤層付き保護フィルムを、保護層として光学用透明粘着シート(日東電工株式会社製、CS9861UAS(粘着剤層の厚み:25μm、セパレータ(ポリエチレンテレフタレートフィルム)厚み:38μm))の片面のセパレータを剥がしたもの(基材:PETセパ)に変更し、積層体1bのバリア層の面と貼り合せた以外は、実施例1と同様にして電磁波透過性金属光沢物品を得た。
光学用透明粘着シートの粘着剤層はアクリル系粘着剤(材料D)である。
〔比較例1〕
実施例1における保護フィルムを使用せず、積層体1bを比較例1の電磁波透過性金属光沢物品とした。
実施例及び比較例で得られた電磁波透過性金属光沢物品について、反射特性(反射率)、保護フィルム剥離力及び耐キズ性を評価した。
評価方法の詳細は以下のとおりである。
<加湿耐久性試験方法>
作製した電磁波透過性金属光沢物品を65℃90R.H.%の恒温恒湿槽に120時間投入し、その後恒温恒湿槽から作製した電磁波透過性金属光沢物品を取り出し、粘着剤層付き保護フィルム(保護層)を剥離することで加湿耐久性試験後の試料とした。
(1)反射率
作製した電磁波透過性金属光沢物品について、加湿耐久性試験前(初期)と、加湿耐久性試験後の反射率を測定した。
加湿耐久性試験前後の電波透過性金属光沢物品について、PET基材のアンチブロッキング面に、吸光度5−6程度の遮光フィルム(三菱ケミカル株式会社製、B100−100)を粘着剤で貼り合せた。
実施例1〜4の電波透過性金属光沢物品は、粘着剤層付き保護フィルム(保護層)を剥離した面とガラスを光学用透明粘着シート(日東電工株式会社製、CS9861UAS)で貼り合せた。
比較例1の電波透過性金属光沢物品は、バリア層側の面とガラスを光学用透明粘着シート(日東電工株式会社製、CS9861UAS)で貼り合せた。
実施例5の電波透過性金属光沢物品は、光学用透明粘着シートのセパレータを剥離した剥離面とガラスを貼り合せた。
次いで、コニカミノルタ社製分光測色計CM−2600dを用いて、波長380nm〜780nmの範囲の可視光線について反射率Y(%)を測定した。測定データは、全反射を示すSCIの値を用いた。
なお、測定の際は、標準光源としてD65を用い、電磁波透過性金属光沢物品の表面の金属層が設けられた側(ガラスを貼り合わせた側)に上記可視光線を入射させるようにした。
また、加湿耐久性試験前後の反射率の差(加湿耐久性試験後の反射率−初期の反射率)を変化量(ΔY(%))とした。
(2)保護フィルム剥離力
実施例および比較例の電磁波透過性金属光沢物品について、積層体1bのバリア層の面に粘着剤層付き保護フィルムを貼り合せた後、30分間経過後に、23℃において、引張速度300mm/分、剥離角180°の条件で、粘着剤層から保護フィルムを剥離したときの粘着力(N/50mm)を測定し、保護フィルム剥離力とした。
(3)金属層の膜厚
まず、電磁波透過性金属光沢物品から、図7に示すように一辺5cmの正方形領域3を適当に抽出し、該正方形領域3の縦辺及び横辺それぞれの中心線A、Bをそれぞれ4等分することによって得られる計5箇所の点「a」〜「e」を測定箇所として選択した。
次いで、選択した測定箇所それぞれにおける、図8に示すような断面画像(透過型電子顕微鏡写真(TEM画像))を測定し、得られたTEM画像から、5個以上の金属部分12aが含まれる視野角領域を抽出した。
5箇所の測定箇所それぞれにおいて抽出された視野角領域における金属層の総断面積を視野角領域の横幅で割ったものを各視野角領域の金属層の膜厚とし、5箇所の測定箇所それぞれにおける、各視野角領域の金属層の膜厚の平均値を金属層の厚み(nm)とした。
(4)バリア層の膜厚
金属層の膜厚と同様に電磁波透過性金属光沢物品の断面画像(透過型電子顕微鏡写真(TEM画像))を測定し、得られたTEM画像から、バリア層が含まれる視野角領域を抽出した。
5箇所の測定箇所それぞれにおいて抽出された視野角領域におけるバリア層の総断面積を視野角領域の横幅で割ったものを各視野角領域のバリア層の膜厚とし、5箇所の測定箇所それぞれにおける、各視野角領域のバリア層の膜厚の平均値をバリア層の厚み(nm)とした。
(5)キズ評価
スチールウール試験(φ25mm)300g荷重×10往復を行なったのち、必要に応じ粘着剤付き保護フィルムまたはセパレータを剥離し、金属層面のキズの有無を目視確認した。
目視確認の結果、キズの発生が無いものを〇(良好)、キズの発生があるものを×(不良)として評価した。
(6)電波透過減衰量
5GHzにおける電波透過減衰量を、方形導波管測定評価治具WR−187でサンプルを挟み、アンリツ社製スペクトルアナライザMS4644Bを用いて測定した。
(7)シート抵抗
ナプソン社製非接触式抵抗測定装置NC−80MAPを用い、JIS−Z2316−1:2014に準拠し、渦電流測定法により積層体1aのシート抵抗を測定した。
Figure 2021014059

表1から明らかなように、実施例1〜5では耐キズ性に優れ、良好な金属外観の電磁波透過性金属光沢物品が得られた。
一方、比較例1の電磁波透過性金属光沢物品は、耐キズ性に劣り、金属外観にも劣るものとなった。
なお、以上の実施例で特に使用したアルミニウム(Al))以外の金属についても、スズ(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)などの比較的融点の低い金属については、同様の手法で不連続構造を形成しうると考えられる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明に係る電磁波透過性金属光沢物品は、電磁波を送受信する装置や物品及びその部品等に使用することができる。例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等、意匠性と電磁波透過性の双方が要求される様々な用途にも利用できる。
1 電磁波透過性金属光沢物品
10 基体
12 金属層
12a 部分
12b 隙間
13 保護層
13a 保護フィルム
13b 粘着剤層
14 バリア層
15 酸化インジウム含有層

Claims (7)

  1. 基体と、
    前記基体上に形成された金属層と、
    前記金属層の前記基体側とは反対側の面上に形成された保護層とを備え、
    前記金属層は、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む電磁波透過性金属光沢物品。
  2. 前記保護層は、粘着剤層を含む請求項1に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
  3. 前記粘着剤層は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを含有する請求項2に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
  4. 更に、前記基体と前記金属層の間に酸化インジウム含有層を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
  5. 前記金属層がアルミニウム、スズ、インジウムまたはその合金である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
  6. 更に、前記金属層の前記基体側とは反対側の面上に形成されたバリア層を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
  7. 前記バリア層は、金属および半金属の少なくとも1種の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物および酸化窒化炭化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項6に記載の電磁波透過性金属光沢物品。
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