JP2021012190A - 光学式エンコーダ及び駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
読み取り中心径からのずれが大きく、検出信号に実質的に寄与できない領域の格子パターンからの光束を受光面に集光しても、信号効率を向上することはできず、逆にノイズ成分を増大する場合もある。
本発明は、小径化した場合でも低ノイズで、高分解能な光学式エンコーダを提供することを目的とする。
所定の軸を回転中心として回転するとともに、前記回転中心から半径方向に沿って延び、第1の半径領域の円周方向について第1の周期P1を有する第1のパターンと、前記第1の半径領域とは異なる半径領域の円周方向について前記第1の周期とは異なる第2の周期P2を有する第2のパターンとを含む格子パターンを有するロータリースケールと、
前記格子パターンに対して所定の角度で光を照射する光源と、
前記光源からの光によって照射された前記格子パターンの干渉縞を検出する受光素子と、を有し、
前記受光素子は、前記第1のパターンにより形成された周期Q1の第1の干渉縞を受光するとともに、前記第2のパターンによって回折され、前記第1の干渉縞の方向に向けて形成される周期Q2の第2の干渉縞を受光するように配置され、
P2×Q1/P1<Q2<P1×Q1/P2
もしくは
P2×Q1/P1>Q2>P1×Q1/P2
となるように構成されていることを特徴とする。
エンコーダは、不図示の測定装置の固定部に取り付けられるセンサユニット10と、前記測定装置の可動部に取り付けられ、センサユニット10に対して所定の軸を回転中心として回転可能な(ロータリー)スケール20とを有する。なお、装置の固定部にスケール20を取り付け、可動部にセンサユニット10を取り付けてもよい。
半径がr0+Wr0/2より大きい領域は、所定の半径r1(第3の半径位置)を含む領域B(第3の半径領域)を備える。
Wr0=0.3mm
Tp=2π/1885=0.0033333 rad
Ts=Tp/2
Tm=Tp/2
Rp1=6μm
Rs1=Rp1/2
Rm1=Rp1/2
Rp2=6μm
Rs2=Rp2/2
Rm2=Rp2/2
r0=6mm
r1=6.2mm
r2=5.8mm
λ=650nm
dr0=1mm
とする。また、発光素子11は前記格子パターンに対して所定の角度で光を照射する。
図5は、本実施例のエンコーダの光路を展開して、すなわち反射を透過のように展開して示した図である。発光素子11から格子パターン21までの距離L1は、2mm±0.3mmの範囲に設定される。格子パターン21から受光素子アレイ12までの距離L2は、L1と等しく(または等しいとみなせる範囲内に)設定される。本実施例では、L1=L2=2mmとする。なおL1、L2は実効光路長に対応しており、実効光路長とは物理長を屈折率で除した値である。
図6は、受光素子アレイ12上の干渉縞の空間周波数Pに対する、4つの相に対して設けられた4つのIVアンプそれぞれの出力の信号振幅の応答特性を示している。
領域Aの半径r0を通る光束は、周方向のパターン周期Tp×r0が光学倍率M0=(L1+L2)/L1で、受光素子アレイ12上に投影され、Tp×r0×M0の空間周期の干渉縞を形成する。発光素子11の発光点を配置する半径位置から領域B内の半径r1の距離dr1は以下のように書ける。
発光点から領域B内の半径r1に入射する光束31の光路長Opl1Aは以下の数1のように書ける。
同様に、内周側のr2を経由する光線の作用を、図8を用いて説明する。
発光素子11の発光点を配置する半径位置から領域C内の半径r2の距離dr2は以下の数8のように書ける。
以上のように、光源から第2の半径領域の格子(周期)パターンまでの光路長より、前記第2の半径領域の格子(周期)パターンから前記受光素子までの回折光の光路長が長くなるように構成されている。また、光源から第3の半径領域の格子(周期)パターンまでの光路長より、前記第3の半径領域の格子(周期)パターンから前記受光素子までの回折光の光路長が短くなるように構成されている。
光束41a(径方向0次光)は、周方向のパターン周期Tp×r1が光学倍率M0=(L1+L2)/L1で、受光素子アレイ12上に投影され、Tp×r1×M0の空間周期P1′の干渉縞を形成する。空間周期P1′は以下の数16で表される。
上述のように、径方向の回折構造が無い場合は、上記の条件を満たす半径r1、r2を経由する光束は、検出信号に有効に寄与できない。
なお、前記の第1のパターンは、透過率や反射率や光路差のいずれかの光学特性が、円周方向に所定の角度毎に交互に変化するように配列されていれば良い。同心円状パターンも同様に透過率や反射率や光路差のいずれかの光学特性が径方向に変化するように配列されていれば良い。
(N±1)/N/P0
と書ける。本実施例のように受光素子アレイを検出格子として検出する場合には、P0=Ppdとなる。
(N−0.5)/N/P0<1/P<(N+0.5)/N/P0
P2×Q1/P1<Q2<P1×Q1/P2
領域Bの第2のパターンについては、
P2×Q1/P1>Q2>P1×Q1/P2
の条件を満たすように構成されている。より好ましくは、領域Cの第2パターンについては、
P2×Q1/P1<Q2<Q1
領域Bの第2のパターンについては、
P2×Q1/P1>Q2>Q1
の条件を満たすように構成されている。
隣接する円周方向の格子位相が同じスリット列の径方向の中心間の距離Rp(r)は、半径rがr0から離れるに従い、徐々に小さくなるように変化させている。
Tp=2π/864=0.007272 rad
Tw1=Tp/2
Tw2=Tp/2
r0=5.5mm
λ=650nm
dr0=1mm
L1=L2=2mm
続いて、図11を用いて、径方向回折の作用を説明する。
格子パターン21によって回折および反射された+1次回折光と−1次回折光は、例えば図13に示すインデックス格子15上で互いに干渉し、周期P(r)の干渉縞が形成される。
さらに、径方向の集光効果を持たせた上で、検出信号に実質的に寄与する半径範囲を広くとる条件について述べる。図11において、発光素子11から格子パターン21までの距離L1、格子パターン21から受光素子アレイ12までの距離L2をL1と等しく(または等しいとみなせる範囲内に)設定し、L1=L2=Lとする。受光部を発光素子に対して回転軸の外周側に配置する。受光部の径方向中心から発光素子の径方向中心の径方向距離をd、両者の径方向の中点におけるスケール半径をr0とする。
下記の数28を満たす場合に、集光効果と広い検出範囲を得ることができる。
センサユニット10は、LEDにより構成された発光素子11と受光素子アレイ12を有する受光IC13とが同一パッケージ内に実装された受発光一体型のセンサユニットとしている。発光素子11からスケール20に向かう光路中には、位置検出方向に交互に配列された透過部と遮光部とにより透過型回折格子として形成された第1の格子としての光源格子(光源パターン)14が設けられている(図16参照)。
読み取り中心半径r0を中心とし、径方向幅Wr0の領域には、領域Aを備え、円周方向に交互に配列された凸部と凹部からなるスリット列が設けられている。
Wr0=0.12mm
Tp=2π/1885=0.0033333 rad
Tw1=Tp/2
Tw2=Tp/2
Rp1=9μm
Rs1=Rp1/2
Rm1=Rp1/2
Rp2=9μm
Rs2=Rp2/2
Rm2=Rp2/2
r0=6mm
r1=6.1mm
r2=5.9mm
本実施例では、受光素子アレイ12は、32個の受光素子が位置検出方向に一列に並べられて構成されている。位置検出方向において互いに隣り合う2つの受光素子の中心間距離(隣接素子ピッチ)Xpdは64μmである。また、各受光素子の位置検出方向に直交する方向(Y方向)でのサイズ(幅)Ypdは450μmである。
発光素子11としてのLEDから出射した発散光束は、光源格子14を通過することによって互いにインコヒーレントな複数の2次点光源を含む光源アレイを形成する。
Pm=ABS(P・P3/(P−P3))
M=(L0+L1+L2+L3)/(L0+L1+L2)
で表される。
M・Pm=Ppd
のときに、検出振幅がピークとなる。
言い換えると、インデックス格子15上で、検出振幅がピークとなる空間周期P0は以下のように表せる。
その時にインデックス格子15上で読み取られる干渉縞の本数Nは、受光素子アレイ12の全幅2048μmをP0・Mで割って、N=96となる。
光源の中心波長をλとし、発光素子11の発光点を配置する半径から読み取り中心半径r0の距離をdr0とする。本実施例では、
λ=650nm
dr0=1mm
とする。
発光素子11の発光点を配置する半径から領域B内の半径r1の距離dr1は以下の数30のように書ける。
同様に、内周側のr2を経由する光線の作用を、図19を用いて説明する。
発光素子11の発光点を配置する半径から領域C内の半径r2の距離dr2は以下の数38のように書ける。
本実施例では以下のパラメータとなっている。
Tp=2π/1885=0.0033333 rad
Tw1=Tp/3
Tw2=Tp/3
Rp1=9μm
Rs1=Rp1/2
Rm1=Rp1/2
Rp2=9μm
Rs2=Rp2/2
Rm2=Rp2/2
r0=6mm
r1=6.1mm
r2=5.9mm
本実施例では以下のパラメータとなっている。
Tp=2π/1885=0.0033333 rad
Tw1=Tp/2
Tw2=Tp/2
dT=Tp/3
Rp1=9μm
Rs1=Rp1/2
Rm1=Rp1/2
Rp2=9μm
Rs2=Rp2/2
Rm2=Rp2/2
r0=6mm
r1=6.1mm
r2=5.9mm
また、51はレンズ群、52は駆動レンズ、55は撮像素子、50は円筒体であり、これらが撮像手段を構成している。レンズ群41を構成する駆動レンズ52は、例えばオートフォーカス用のレンズであり、光軸方向であるY方向に変位可能である。
スケール20は、円盤面上に形成された放射状パターンよりなるロータリー型スケールであり、減速ギア56を介して円筒体50と連結されている。
レーザー光源610からのレーザー光を、ガルバノ走査装置620、630で、直交する2軸方向に偏向させる。レンズ640で集光されたレーザー光は、加工対象650に照射される。
ガルバノ走査装置620、630には、回転可動部にミラーを備え、モーターにより駆動される。ガルバノ走査装置620、630に、実施例1におけるセンサユニット10を含む光学式エンコーダが内蔵されている。そして、光学式エンコーダの出力を、CPU等を内蔵した不図示の制御部に入力し、制御部はモーターの回転角度制御の動作を制御し回転角度等を制御する。
また、本実施例における制御の一部または全部を上述した実施例の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して光学式エンコーダを用いた装置に供給するようにしてもよい。そしてその光学式エンコーダを用いた装置におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
11 発光素子
12 受光素子アレイ
14 光源格子
15 インデックス格子
20 スケール
21 格子パターン
Claims (18)
- 所定の軸を回転中心として回転するとともに、前記回転中心から半径方向に沿って延び、第1の半径領域の円周方向について第1の周期P1を有する第1のパターンと、前記第1の半径領域とは異なる半径領域の円周方向について前記第1の周期とは異なる第2の周期P2を有する第2のパターンとを含む格子パターンを有するロータリースケールと、
前記格子パターンに対して所定の角度で光を照射する光源と、
前記光源からの光によって照射された前記格子パターンの干渉縞を検出する受光素子と、を有し、
前記受光素子は、前記第1のパターンにより形成された周期Q1の第1の干渉縞を受光するとともに、前記第2のパターンによって回折され、前記第1の干渉縞の方向に向けて形成される周期Q2の第2の干渉縞を受光するように配置され、
P2×Q1/P1<Q2<P1×Q1/P2
もしくは
P2×Q1/P1>Q2>P1×Q1/P2
となるように構成されていることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記受光素子は、前記第1のパターンにより形成された周期Q1の第1の干渉縞を受光するとともに、前記第2のパターンによって回折され、前記第1の干渉縞の方向に向けて形成される周期Q2の第2の干渉縞を受光するように配置され、
P2×Q1/P1<Q2<Q1
もしくは
P2×Q1/P1>Q2>Q1
となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。 - 前記光源は、前記格子パターンに対して、前記格子パターンより前記ロータリースケールの中心に近い側から光を照射するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式エンコーダ。
- 前記受光素子は、前記格子パターンからの回折光を前記格子パターンより前記ロータリースケールの回転中心から遠い側で受光するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記第1の半径領域とは異なる半径領域の格子パターンは、前記第1の半径領域より前記ロータリースケールの回転中心に近い第2の半径領域の格子パターンと、前記第1の半径領域よりも前記ロータリースケールの回転中心から遠い第3の半径領域の格子パターンとを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光源から第2の半径領域の格子パターンまでの光路長より、前記第2の半径領域の格子パターンから前記受光素子に回折する光の光路長が長いことを特徴とする請求項5に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光源から第3の半径領域の格子パターンまでの光路長より、前記第3の半径領域の格子パターンから前記受光素子に回折する光の光路長が短いことを特徴とする請求項5または6のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記受光素子は、前記第1の干渉縞の周期に対応した検出周期を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 所定の軸を回転中心として回転するとともに、第1の半径領域に配置された第1の周期パターンと、前記第1の半径領域とは異なる半径領域に配置された第2の周期パターンとを含む格子パターンを有するロータリースケールと、
前記格子パターンを照射する光源と、
前記光源からの光によって、前記第1の周期パターンにより形成された第1の干渉縞を受光するとともに、前記第2の周期パターンによって形成された第2の干渉縞を受光するように配置された受光素子と、を有し、
前記光源は、前記格子パターンに対して、前記格子パターンより前記ロータリースケールの中心に近い側から光を照射するように配置されており、前記受光素子は、前記格子パターンからの回折光を前記格子パターンより前記ロータリースケールの中心から遠い側で受光するように配置されていることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 所定の軸を回転中心として回転するとともに、第1の半径領域に配置された第1の周期パターンと、前記第1の半径領域とは異なる半径領域に配置された第2の周期パターンとを含む格子パターンを有するロータリースケールと、
前記格子パターンを照射する光源と、
前記光源からの光によって照射された前記格子パターンにより形成される干渉縞を検出する受光素子と、を有し、
前記受光素子は、前記第1の周期パターンにより形成された第1の干渉縞を受光するとともに、前記第1の半径領域より前記ロータリースケールの中心に近い第2の半径領域の周期パターンよって回折され前記第1の干渉縞の方向に向けて形成される第2の回折光と、前記第1の半径領域よりも前記ロータリースケールの中心から遠い第3の半径領域の周期パターンによって回折され、前記第1の干渉縞の方向に向けて形成される第3の回折光を受光するように構成され、
前記光源から第2の半径領域の周期パターンまでの光路長より、前記第2の半径領域の周期パターンから前記受光素子までの第2の回折光の光路長が長く、前記光源から第3の半径領域の周期パターンまでの光路長より、前記第3の半径領域の周期パターンから前記受光素子までの第3の回折光の光路長が短くなるように構成したことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 所定の軸を回転中心として回転するとともに、前記回転中心から半径方向に延び、所定の角度毎に配置された放射状の第1のパターンを有するロータリースケールと、
前記第1のパターンに対して光を照射する光源と、
前記光源からの光によって、前記ロータリースケールの第1の半径領域の前記第1のパターンにより形成された第1の周期を含む所定の周期範囲の第1の干渉縞を検出可能であって、前記所定の周期範囲外の干渉縞は検出不能な受光素子と、を有し、
前記ロータリースケールの前記所定の周期範囲外の第2の周期の第2のパターンを有する第2の半径領域の前記放射状パターンに対して、前記回転中心から所定間隔で複数配置され前記円周方向に沿って延びる同心円状パターンを設けるとともに、前記光源からの光によって前記ロータリースケールの前記第2の半径領域の前記第2の周期の第2のパターンを前記同心円状パターンによって前記第1の干渉縞の方向に向けて回折させることによって、前記所定の周期範囲の第2の干渉縞を前記受光素子に入射させるようにしたことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記同心円状パターンにおいて、径方向に隣接する格子の径方向のピッチを、前記ロータリースケールの回転中心から離れるに従い徐々に変化させたことを特徴とする請求項11に記載の光学式エンコーダ。
- 前記同心円状パターンにおいて、径方向に隣接する格子の径方向のピッチを、前記ロータリースケールの回転中心から離れるに従い徐々に小さくしたことを特徴とする請求項12に記載の光学式エンコーダ。
- 前記第1のパターンの、前記円周方向のデューティ比は1:2であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記第1のパターンは、透過率、反射率、光路差のいずれかの光学特性が、前記円周方向に所定の角度毎に交互に変化するように配列されることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記円周方向の位相が互いに180度ずれた前記第1のパターンの列が半径方向に交互に配列されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記円周方向の位相が互いに120度ずれた前記第1のパターンの列が半径方向に交互に配列されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の光学式エンコーダ。
- 駆動変位可能な可動部と、請求項1〜17のいずれか一項に記載の光学式エンコーダと、該光学式エンコーダを用いて前記可動部の動作を制御する制御部とを有することを特徴とする駆動制御装置。
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