JP6251126B2 - 変位検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械、産業機械やロボット等における位置決め及び直線方向の変位量を検出する際に用いられる変位検出装置に関する。
従来から、工作機械、産業機械やロボット等の位置決め、制御及び位置表示用などで直線移動量、直線位置を検出するためにスケールと、検出ヘッドを備えた変位検出装置が用いられている。また、近年では、検出ヘッドの変位(移動)量だけでなく、バーニア式のスケールを用いて、原点マークを検出することでスケールに対する検出ヘッドの絶対位置を検出する変位検出装置も提案されている。
従来の、この種の変位検出装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1に記載された変位検出装置では、所定の間隔で位置情報が記録されている第1の領域及び第1の領域とは異なる間隔で位置情報が記録されている第2の領域が形成されたスケールを備えている。さらに、特許文献1に記載された変位検出装置は、第1の領域の位置情報を読み取る第1の読取手段と、第2の領域の位置情報を読み取る第2の読取手段とを備えている。
そして、この特許文献1に記載されている変位検出装置では、第1の領域の位置情報を読み取ることで検出した第1の位相と、第2の領域の位置情報を読み取ることで検出した第2の位相との差が任意に設定された値になったときに原点信号を発生させている。この原点信号を基準にすることで、スケールに対する検出ヘッドの絶対位置を検出している。すなわち、特許文献1に記載された変位検出装置では、第1の領域と第2の領域の位相差によって原点マークを任意に形成している。
特開2004−170153号公報
しかしながら、従来の特許文献1に記載された変位検出装置では、スケールの計測方向の一方に第1の領域が配置され、スケールの計測方向の他方に第2の領域が配置されていた。また、第1の読取手段が第1の領域から外れた場合や、第2の読取手段が第2の領域から外れた場合には、原点マークを形成することができないため、変位を検出することができなかった。その結果、特許文献1に記載された変位検出装置では、計測範囲が第1の領域及び第2の領域の計測方向の長さに制限されていた。
さらに、第1の領域と第2の領域の間隔を広げて計測範囲を広くすることが考えられるが、スケールがチルトしたときやスケールが温度変化により膨縮したとき等に検出精度が大きく低下する、という不具合を有していた。
また、第2の領域を第1の領域に対してスケールの計測面と平行をなし、かつ計測方向と直交する方向(直交方向)に配置することが考えられる。しかしながら、この場合では、第1の読取手段又は第2の読取手段が直交方向に移動した際の計測範囲が制限される、という問題も有していた。
本発明の目的は、原点マークや原点信号に制限されることなく計測範囲の向上を図ることができる変位検出装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の変位検出装置は、スケールと、目盛と、変位検出部と、変位演算部と、移動検出部と、移動量演算部と、比較演算部と、絶対位置演算部とを備えた。目盛は、スケールに設けられ計測方向に沿ってピッチの間隔の積算が3次以上の次数の多項式に近似可能で、かつ計測方向と直交しスケールの計測面と平行をなすトラック方向に沿ってピッチの間隔の積算が2次以上の次数の多項式に近似可能に変化する。変位検出部は、スケールの計測面に対向して配置され、目盛の変位を検出する。変位演算部は、変位検出部が検出した目盛の変位に基づいて、目盛のスケールに対する変位量を演算する。移動検出部は、変位検出部におけるスケールに対するトラック方向への移動を検出する。移動量演算部は、移動検出部が検出した信号をもとに変位検出部におけるスケールに対するトラック方向への変位量を演算する。比較演算部は、変位検出部又はスケールがトラック方向へ移動した際に、変位演算部が演算した変位量を、移動量演算部が演算したスケールに対するトラック方向への移動量に基づいて微分し、トラック方向への2階微分量を演算する。絶対位置演算部は、比較演算部が演算した2階微分量に基づいてスケールに対する計測方向の絶対位置を演算し、出力する。
本発明の変位検出装置によれば、原点マークや原点信号によらずにスケールの計測方向に対する絶対位置を検出することができる。これにより、計測方向及び、スケールの計測面と平行をなし、かつ計測方向と直交する方向に対して原点マークによる制限がないため、計測可能な範囲を広げることができる。また、1つの変位検出部でスケールに対する計測方向の絶対位置を出力することができる。
本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置にかかる変位検出部の構成を示すものである。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置のスケールの製造方法について説明する説明図である。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置のトラック方向の変位と出力値の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置のトラック方向の変位と変位検出部の2階微分量との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置の計測方向の変位と変位検出部の2階微分量との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置のインクリメンタル上方と絶対位置情報との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置の変位検出部の第1の変形例を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態例における変位検出装置の変位検出部の第2の変形例を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態例における変位検出装置にかかる変位検出部の構成を示すもので、図11Aは概略構成図、図11Bは動作を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態例における変位検出装置の光源周りの変形例を示す概略構成図である。 図13に示す要部を拡大して示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第4の実施の形態例における変位検出装置のトラック方向の変位と第1の変位検出部及び第2の変位検出部の出力値及び差分との関係を示すグラフである。 本発明の第5の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第5の実施の形態例における変位検出装置のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態例における変位検出装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第6の実施の形態例における変位検出装置の第1のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態例における変位検出装置の第2のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態例における変位検出装置のスケールの第1の変形例を示すもので、図22Aは拡大平面図、図22Bは拡大断面図である。 本発明の実施の形態例における変位検出装置のスケールの第2の変形例を示すもので、図23Aは拡大平面図、図23Bは拡大断面図である。 本発明の実施の形態例における変位検出装置のスケールの第3の変形例を示すもので、図24Aは拡大平面図、図24Bは拡大断面図である。 本発明の実施の形態例における変位検出装置のスケールの第4の変形例を示すもので、図25Aは拡大正面図、図25Bは拡大断面図である。 本発明の実施の形態例における変位検出装置のスケールの第5の変形例を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態例の変位検出装置について、図1〜図26を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)における変位検出装置の構成を図1〜図3に従って説明する。
図1は、変位検出装置の構成を示す概略構成図である。
本例の変位検出装置1は、反射型の回折格子を用いて、直線の変位及びスケールに対する絶対位置を検出することができる変位検出装置である。図1に示すように、変位検出装置1は、スケール2と、検出ヘッド3と、変位検出部9と、検出ヘッド3に接続された変位演算部4と、移動量演算部5と、比較演算部6と、絶対位置演算部7と、移動量演算部5に接続された移動検出部10を備えている。
[スケール]
スケール2は、略平板状に形成されている。スケール2の計測面2aには、検出ヘッド3が計測面2aと対向して配置されている。また、スケール2と検出ヘッド3は、スケール2の計測面2aに沿って相対的に移動する。本例では、検出ヘッド3は、計測面2aに沿ってスケール2の計測方向X1と、計測方向X1と直交し、かつ計測面2aと平行をなすトラック方向Y1へ移動する。なお、スケール2を計測面2aに沿って計測方向X1へ移動させてもよく、すなわち、検出ヘッド3及びスケール2は、計測面2aに沿って計測方向X1へ相対的に移動できればよい。このスケール2の計測面2aには、計測方向X1に沿って間隔tを開けて目盛の一例となる複数のスリットが形成されている。そして、この複数のスリットによって回折格子8(図2参照)が構成されている。
回折格子8における隣り合うスリットの間隔(以下、「ピッチ間隔」という)tは、計測方向X1に沿って、連続的に変化している。この回折格子8のピッチ間隔tの積算の変化は、スケール2における計測方向X1の座標に対して3次の多項式で近似可能で、かつトラック方向Y1の座標に対して2次の多項式で近似可能に設定されている。
なお、本例では、回折格子8のピッチ間隔tの積算の変化を計測方向X1の座標に対して3次の多項式で表した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、計測方向X1の座標に対して4次以上の高次の多項式に近似するように、回折格子8のピッチ間隔tの変化を設定してもよい。また、トラック方向Y1の座標に対して2次の多項式で表した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、トラック方向Y1の座標に対して3次以上の高次の多項式に近似するように、回折格子8のピッチ間隔tの変化を設定してもよい。
なお、近似の範囲は、変位検出装置1に要求する計測精度によって種々に設定されるものである。すなわち、変位検出装置1に高い精度を要求する場合、後述する検出した絶対位置の誤差が、変位演算部4が検出した相対位置情報の一周期の範囲内に収まることが好ましい。
[検出ヘッド]
図1及び図2に示すように、検出ヘッド3は、回折格子8の格子のピッチを検出する変位検出部9を有している。
図2は、変位検出部9の構成を示す概略構成図である。
図2に示すように、変位検出部9は、光源20と、レンズ11と、第1の反射部12と、第2の反射部13と、第1のミラー14と、第2のミラー16と、ビームスプリッタ17と、第1の受光部18と、第2の受光部19と、を有している。
光源20は、スケール2の計測面2aに対して略垂直に配置されている。光源20としては、可干渉性光源が望ましく、例えばガスレーザ、半導体レーザダイオード、スーパールミネッセンスダイオードや発光ダイオード等が挙げられる。
なお、本例では、光源20を変位検出部9内に配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源20は、光ファイバによって変位検出部9の外部に設けた光源から光を供給する構成であってもよい。また、これをさらに脱着可能な構成とすることで、変位検出装置1から離れた場所での光源のメンテナンスが可能となり、作業性が向上する。
また、光源20とスケール2との間には、レンズ11が配置されている。このレンズ11は、光源20から照射された光Lを任意の径に集光している。レンズ11は、使用する波長領域によって色消し対策を施したものを用いてもよい。レンズ11に色消す対策を施すことで、光源20の波長変動によって焦点距離の変動を受けにくくすることができる。その結果、より安定した変位計測を行うことが可能となる。
光源20から照射された光Lは、レンズ11を介してスケール2の回折格子8の任意のスポットOに照射される。
回折格子8に照射された光Lは、回折格子8によって1回目の回折(反射)がなされる。これにより、回折格子8に照射された光Lは、回折格子8によって、正の次数を有する1回目の回折が行われた回折光(以下、「1回回折光」という)L1と、負の次数を有する1回回折光−L1に分けられる。
第1の反射部12と、第2の反射部13は、光源20を間に挟むようにして、第1の計測方向X1に沿って配置されている。この第1の反射部12及び第2の反射部13としては、例えばプリズムや複数のミラーから構成される。
第1の反射部12には、回折格子8によって1回回折された正の次数を有する1回回折光L1が入射し、第2の反射部13には、回折格子8によって1回回折された負の次数を有する1回回折光−L1が入射する。第1の反射部12は、入射した1回回折光L1を第1の反射部12内で2回反射させて再び回折格子8のスポットOに反射する。また、第2の反射部13は、入射した1回回折光−L1を第2の反射部13内で2回反射させて再び回折格子8のスポットOに反射する。
なお、本例では、第1の反射部12及び第2の反射部13として、プリズムを用いて、それぞれの反射部内に1回回折光L1、−L1を2回反射させた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の反射部12及び第2の反射部13として、一枚のミラーを用いて、入射した1回回折光L1、−L1を1回反射させて再び回折格子8へ戻すようにしてもよい。
第1の反射部12によって再び回折格子8へ入射した正の次数を有する1回回折光L1は、回折格子8によって2回目の回折が行われ、正の次数を有する2回目の回折が行われた回折光(以下、「2回回折光」という)L2として回折格子8から出射される。また、第2の反射部13によって再び回折格子8へ入射した負の次数を有する1回回折光−L1は、回折格子8によって2回目の回折が行われ、負の次数を有する2回回折光−L2として回折格子8から出射される。
第1のミラー14と、第2のミラー16は、光源20を間に挟むようにして、計測方向X1に沿って配置されている。第1のミラー14には、正の次数を有する2回回折光L2が入射し、第2のミラー16には、負の次数を有する2回回折光−L2が入射する。そして、第1のミラー14は、入射した2回回折光L2をビームスプリッタ17に反射し、第2のミラー16は、入射した2回回折光−L2をビームスプリッタ17に反射する。
光源20における回折格子8と反対方向である上方には、ビームスプリッタ17が配置されている。このビームスプリッタ17は、第1のミラー14及び第2のミラー16から反射された2つの2回回折光L2、−L2を重ね合わせて干渉光を得る。さらに、ビームスプリッタ17は、干渉光を第1の干渉光Ld1と第2の干渉光Ld2の2つに分割し、出射する。そして、このビームスプリッタ17における第1の干渉光Ld1の出射口には、第1の受光部18が設けられており、ビームスプリッタ17における第2の干渉光Ld2の出射口には、第2の受光部19が設けられている。
変位検出部9における第1の受光部18及び第2の受光部19は、変位演算部4に接続されている。
第1の受光部18では、干渉光Ldを受信し、光電変換することで、Acos(4KΔx+δ)の干渉信号が得られる。Aは、干渉の振幅であり、Kは2π/tで示される波数である。また、Δxは、検出ヘッド3の計測方向X1の移動量を示しており、δは、初期位相を示している。
ここで、本例の変位検出装置1の変位検出部9では、光源20から照射された光Lを回折格子8によって正の次数の1回回折光L1と、負の次数の1回回折光−L1に分けている。さらに、回折格子8によって2回の回折(2K)を行い、ビームスプリッタ17によって2つの2回回折した回折光L2、−L2を重ね合わせている(2K+2K=4K)。そのため、上述した干渉信号のようにxの移動量に4Kをかけることになる。
よって、回折格子8と変位検出部9が計測方向X1に相対的に移動することによって、回折格子8の1ピッチ(1t)あたり、4つの波、すなわち4回の光の明暗が第1の受光部18によって得ることができる。これにより、高分解能の変位検出が可能となる。
なお、第2の受光部19によって得られる信号は、第1の受光部18によって得られる干渉信号に対して90度位相が異なっている。これにより、sin信号とcos信号を得ることができる。そして、このsin信号とcos信号は、変位演算部4に出力される。
[移動検出部]
また、移動検出部10は、スケール2に接続されており、スケール2におけるトラック方向Y1に移動した際の変化を検出する。移動検出部10は、外部の検出装置である。この移動検出部10としては、例えば、磁気式や静電容量式の検出装置、またはレーザ干渉計等のその他各種の検出装置を用いることができる。移動検出部10は、移動量演算部5に接続させている。移動量演算部5は、移動検出部10で得られた信号をもとにスケール2のトラック方向への移動量を演算する。
さらに、移動検出部10として側長装置の例を示したが、これに限定されるものではない。移動検出部10は、例えば、スケール2を駆動させるためにつけられているステッピングモータのカウント値やリニアモータへのパルス数や定点カメラの画像データ等でもよい。
[変位演算部]
変位演算部4では、変位検出部9から送られてきた信号を、デジタル変換すると共に内挿し、インクリメンタル情報に変換する。そして、変位演算部4は、図示しないカウンタによってインクリメンタル情報のパルス数をカウントすることにより、干渉光強度が上述の何周期分変化したのかを計測する。これにより、変位演算部4は、変位検出部9における変位量を演算する。
上述したように、回折格子8のピッチ間隔tの積算の変化は、スケール2における計測方向X1の座標に対して3次の多項式で近似可能に設定され、スケール2におけるトラック方向Y1の座標に対して2次の多項式で近似可能に設定されている。そのため、検出ヘッド3を計測方向X1に移動させたときの変位演算部4における出力値(変位量)fx(x、y)は、下記式1で表すことができる。
[式1]
fx(x、y)=A+Bx+Cx+Dx+Exy+Fy
なお、xは、計測方向X1の座標を示しており、yは、トラック方向Y1の座標を示している。また、A,B,C,D,E,Fは、式1の係数を示している。
また、検出ヘッド3をトラック方向Y1に移動させたときの変位演算部4における出力値(変位量)fy(x、y)は、下記式2で表すことができる。
[式2]
fy(x、y)=G+Hy+Iy+Jxy+Kxy
なお、G,H,I,J,Kは、式2の係数を示している。
[比較演算部]
変位演算部4及び移動量演算部5は、比較演算部6及び絶対位置演算部7に接続されている。比較演算部6には、変位演算部4から検出ヘッド3におけるスケール2に対する変位量が出力され、移動量演算部5から検出ヘッド3におけるトラック方向Y1への移動量が出力される。比較演算部6は、変位演算部4と移動量演算部5から出力された情報を比較演算する。
[絶対位置演算部]
絶対位置演算部7には、比較演算部6が接続されている。そして、絶対位置演算部7は、比較演算部6が演算した情報に基づいてスケール2に対する検出ヘッド3の計測方向X1への絶対位置を算出し、出力する。
[回折格子の製造方法]
次に、図3を参照して回折格子8の製造方法について説明する。
本例の回折格子8は、例えば、図3に示す露光装置200を用いて製造される。露光装置200は、2つの光束を用いて干渉露光方式により感光性の材料(以下、「感光材料」という)の表面に干渉パターンを露光する装置である。そして、感光材料210の表面に露光された干渉パターンが回折格子8となる。
図3に示すように、露光装置200は、可干渉光源である光源201と、分配器202と、第1のミラー204と、第2のミラー205と、第1のレンズ206と、第2のレンズ207と、第3のレンズ208と、第4のレンズ209とから構成されている。
光源201には、可干渉光源として、例えばレーザダイオードやスーパールミネッセンスダイオード、ガスレーザ、固体レーザ、発光ダイオード等が挙げられる。
光源201から出射した光束Laは、分配器202によって第1の光束Lb1と、第2の光束Lb2と分けられる。第1の光束Lb1は、第1のミラー204に入射し、第2の光束Lb2は、第2のミラー205に入射する。
第1のミラー204とスケール2の間には、第1のレンズ206と、第2のレンズ207が配置されている。また、第2のミラー205とスケール2の間には、第3のレンズ208と、第4のレンズ209が配置されている。
第1のミラー204に入射した第1の光束Lb1は、第1のミラー204によって反射され、第1のレンズ206及び第2のレンズ207を介して感光材料210の表面に入射する。また、第2のミラー205に入射した第2の光束Lb2は、第2のミラー205によって反射され、第3のレンズ208及び第4のレンズ209を介して感光材料210表面に入射する。
なお、第1の光束Lb1は、第1のレンズ206及び第2のレンズ207によって波面が平面な平面波に変換されて感光材料210に入射する。また、第2の光束Lb2は、第3のレンズ208及び第4のレンズ209によって波面が第1の光束Lb1の波面に対して所定の収差を有する平面波に変換されて感光材料210に入射する。第1の光束Lb1と第2の光束Lb2が重なり合い、所望の周期を有する干渉縞パターンが感光材料210の表面に形成される。そして、感光材料210の表面が干渉縞パターンに沿って露光されることで、回折格子8が形成される。
なお、図3に示す露光装置200では、第2の光束Lb2の平面波の波面に収差を持たせた例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1の光束Lb1の平面波の波面及び第2の光束Lb2の平面波の波面の両方に所定の収差を持たせてもよい。
また、回折格子8の形成方法としては、上述した露光装置200を用いた方法に限定されるものではなく、例えば、レーザビームを絞り感光材料210の表面にスリットを1本ずつ形成してもよく、その他各種の方法を用いてもよい。
次に、本例の変位検出装置を用いた絶対位置の検出動作について図1、図2、図4〜図6を参照して説明する。図4は、変位演算部4が演算した変位量とトラック方向Y1の座標位置との関係を示すグラフである。
まず、図1、図2に示すように、まず、スケール2が外部に設けた駆動装置によってトラック方向Y1に沿って所定の量だけ移動する。なお、スケール2を移動させた例を説明したが、検出ヘッド3をステール2に対してトラック方向Y1へ移動させてもよい。この場合、移動検出部10は、検出ヘッド3に接続される。
そして、検出ヘッド3は、変位検出部9を用いてsin信号とcos信号からなるリサージュ信号を変位演算部4に出力する。次に、変位演算部4は、送られてきた信号に基づいて変位量を演算する。そして、変位演算部4は、演算した変位量を比較演算部6へ出力する。
また、移動検出部10は、スケール2におけるトラック方向Y1への移動量を検出し、検出した信号を移動量演算部5に出力する。そして、移動量演算部5は、移動検出部10からの信号に基づいて検出ヘッド3におけるスケール2に対するトラック方向Y1への移動量を演算する。次に、移動量演算部5は、演算した検出ヘッド3におけるスケール2に対するトラック方向Y1への移動量を比較演算部6へ出力する。
ここで、上述した式2及び図4に示すように、変位演算部4が演算した変位量は、トラック方向Y1の座標位置に対して2次の近似式で変化している。また、変位演算部4が演算した変位量とトラック方向Y1の座標位置との関係は、検出ヘッド3がスケール2に対する計測方向X1のある位置(x1、x2,x3)に対して変化している。
図5は、トラック方向Y1の座標位置と変位演算部4が演算した変位量の2階微分量との関係を示すグラフである。
図5に示すように、変位演算部4が演算した変位量におけるトラック方向Y1の2階微分量は、検出ヘッド3がスケール2に対する計測方向X1のある位置(x1,x2,x3)毎に、変化する。
比較演算部6は、変位演算部4から入力された情報を移動量演算部5から入力された情報に基づいて2階微分量を演算する。次に、比較演算部6は、演算した2階微分量を絶対位置演算部7へ出力する。
図6は、計測方向X1の計測位置と変位検出部の2階微分量の関係を示すグラフである。
図6に示すように、検出ヘッド3がトラック方向Y1へ移動した際の変位検出部9の変位量の2階微分量は、計測方向X1の計測位置(座標)に比例する一次関数で表すことができる。そのため、2階微分量によって、計測方向X1の計測位置が一意的に決定される。
また、絶対位置演算部7には、2階微分量とスケール2の計測位置との関係を示す情報が予め格納されている。そのため、絶対位置演算部7は、比較演算部6が演算した2階微分量に基づいて検出ヘッド3におけるスケール2の計測方向X1の絶対位置を演算し、出力する。これにより、本例の変位検出装置1を用いた検出ヘッド3における計測方向X1の絶対位置の検出動作が完了する。
本例の変位検出装置1によれば、原点マークや原点信号によらずに、スケール2に対する計測方向X1の絶対位置を検出することができる。さらに、一つの変位検出部9によって絶対位置を検出することができるため、変位検出装置1の部品点数を削減することが可能となり、変位検出装置1の小型化を図ることもできる。
次に、図7を参照して、インクリメンタル情報と絶対位置情報との関係について説明する。
図7は、インクリメンタル情報と絶対位置情報との関係を示すグラフである。
図7に示すように、光の干渉信号の周期がピッチ間隔tの1/4になるため、インクリメンタル情報の1周期は、約250nmとなる。ここで、変位演算部4は、周期的な信号をA/D変換して、例えば分割数2500で分割し、分解能0.1nmで演算する。そのため、本例の変位演算部4は、インクリメンタル情報の1周期分、すなわち250nm内であれば、分解能0.1nmの絶対位置の情報を持っていることになる。そして、変位演算部4では、この情報を連続的に加算することで、相対位置情報を演算している。
しかしながら、電源が切れた場合や、回折格子8に異物が付着した場合等において、信号の加算が途切れると、元の位置が分からなくなる、という不具合を有している。これに対し、本例では、検出ヘッド3をトラック方向Y1へ移動させることで、スケール2に対する検出ヘッド3の計測方向X1の絶対位置を算出している。
また、絶対位置演算部7は、演算した絶対位置情報に基づいて、インクリメンタル情報の1周期毎に、例えば、1番地P1、2番地P2、3番地P3という番地を付けることができる。そして、絶対位置演算部7は、演算した絶対位置情報に基づいて、現在の位置がインクリメンタル情報の何番地であるかを判別する。例えば、図7に示すように、絶対位置情報がQである場合、現在の位置は、インクリメンタル情報の2番地P2の1周期内であることが分かる。
なお、上述したように、回折格子8のピッチ間隔tは、計測方向X1に沿って連続的に変化している。そのため、インクリメンタル情報の1周期分の長さも変化する。しかしながら、演算した絶対位置情報により、回折格子8に対する計測方向X1の位置が分かるため、ピッチ間隔tの変化量も分かる。そのため、絶対位置演算部7は、インクリメンタル情報の1周期分の長さをピッチ間隔tの変化量に応じて補正するようにしてもよい。
なお、絶対位置演算部7は、演算した絶対位置情報を出力する絶対位置の上位の桁の変位情報とし、相対位置情報のインクリメンタル情報を出力する絶対値の下位の桁の変位情報としてもよい。ここで、上位の桁としては、例えば少なくとも最上位の桁とする。
次に、図8を参照して変位検出部の第1の変形例について説明する。
図8は、変位検出部の第1の変形例を示す概略構成図である。
上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1では、変位検出部として図3に示すような回折格子8の回折を利用した変位検出部を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すモアレ式の変位検出部30を適用してもよく、その他各種の変位検出部を適用してもよい。
図8に示す変位検出部30は、不図示の検出ヘッドに設けられる光源33と、光源33から照射された光を受光する受光部34と、光源33と受光部34の間に介在される主尺35と、副尺38とを有している。
主尺35は、光源33と共に不図示の検出ヘッドに取り付けられている。主尺35には、一定のピッチ間隔で形成された複数のスリットS3が設けられている。複数のスリットS3は、主尺35における光源33が照射される一面と平行をなし、かつ計測方向X1と直交する方向に延在している。光源33から照射された光は、複数のスリットS3を通過して副尺38に入射する。
副尺38は、主尺35よりも受光部34側に配置されている。この副尺38には、複数のスリットS4が設けられている。このスリットS4は、主尺35における光源33が照射される一面と平行をなし、かつ計測方向X1と直交する方向に延在している。副尺38におけるスリットS4の間隔tは、第1の実施の形態例の回折格子8と同様に、計測方向X1及びトラック方向Y1に沿って連続的に変化している。また、ピッチ間隔tの積算の変化は、副尺38における計測方向X1の座標に対して3次以上の多項式、トラック方向Y1の座標に対して2次以上の多項式に設定されている。また、光源33から照射され、主尺35を通過した光りは、複数のスリットS4を通過して、受光部34に入射する。
主尺35と副尺38は、不図示の支持部材により、計測方向X1に沿って相対的に移動可能に支持されている。
受光部34は、光源33から照射され、主尺35及び副尺38を通過した光りが入射する。そして、受光部34は、光が主尺35及び副尺38を通過する際に形成された干渉縞を受光することで、副尺38のピッチを検出している。
この第1の変形例にかかる変位検出部30を用いても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図9を参照して変位検出部の第2の変形例について説明する。
図9は、変位検出部の第2の変形例を示す概略構成図である。
上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1の変位検出部9では、光源20から出射した光Lを回折格子8によって正の次数を有する1回回折光L1と、負の次数を有する1回回折光−L1に分けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、光源20から出射した光Lをビームスプリッタによって2つの光LA,LBに分ける変位検出部300を適用してもよい。なお、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1の変位検出部9と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9に示す変位検出部300は、光源20と、レンズ301と、第1の反射部302と、第2の反射部303と、第1のミラー304と、第2のミラー306と、ビームスプリッタ307と、第1の波長板308と、第2の波長板309と、受光部310を有している。
光源20から出射された光Lは、レンズ301に入射する。レンズ301は、入射した光Lを任意の径に集光する。なお、このレンズ301は、図2に示す変位検出部9のレンズ11と同一の構成を有している。レンズ301の出射側には、ビームスプリッタ307が配置されている。レンズ301によって集光された光Lは、ビームスプリッタ307に入射する。
ビームスプリッタ307は、光Lを第1の光LAと、第2の光LBに分割する。ビームスプリッタ307における第1の光LAが出射する側には、第1のミラー304が配置されており、第2の光LBが出射する側には、第2のミラー306が配置されている。そして、第1のミラー304は、ビームスプリッタ307から出射した第1の光LAを回折格子8のスポットOに向けて反射する。また、第2のミラー306は、ビームスプリッタ307から出射した第2の光LBを回折格子8のスポットOに向けて反射する。
回折格子8に照射された第1の光LA及び第2の光LBは、回折格子8によって1回目の回折(反射)が行われる。これにより、回折格子8に照射された第1の光LAは、回折格子8によって1回目の回折が行われ、第1の1回回折光LA1となる。また、回折格子8に照射された第2の光LBは、回折格子8によって1回目の回折が行われ、第2の1回回折光LB1となる。
第1の反射部302と第2の反射部303は、ビームスプリッタ307を間に挟むようにして配置されている。また、第1の反射部302と回折格子8との間には、第1の波長板308が配置されており、第2の反射部303と回折格子8との間には、第2の波長板309が配置されている。第1の波長板308と第2の波長板309は、それぞれ1/4波長板から構成されている。
回折格子8によって反射及び回折された第1の1回回折光LA1は、第1の波長板308を通過して第1の反射部302に入射される。第1の反射部302は、入射された第1の1回回折光LA1を再び回折格子8のスポットOに向けて反射する。このとき、第1の1回回折光LA1における回折格子8から第1の反射部302へ入射する光路と、第1の反射部302から回折格子8へ反射される光路は、重なり合っている。
また、回折格子8によって反射及び回折された第2の1回回折光LB1は、第2の波長板309を通過して第2の反射部303に入射される。第2の反射部303は、入射された第2の1回回折光LB1を再び回折格子8のスポットOに向けて反射する。このとき、第2の1回回折光LB1における回折格子8から第2の反射部303へ入射する光路と、第2の反射部303から回折格子8へ反射される光路は、重なり合っている。
さらに、第1の反射部302と回折格子8との間の光路上や、第2の反射部303と回折格子8との間の光路上に、レンズを設けてもよい。
なお、この第2の変形例にかかる変位検出部300においても、上述した図3に示す変位検出部9,10と同様に、回折格子8から第1の反射部302又は第2の反射部303へ入射する光路と、第1の反射部302又は第2の反射部303から回折格子8へ反射される光路は、重なり合わないようにしてもよい。すなわち、第1の反射部302及び第2の反射部303を、例えばプリズムや複数のミラーから構成し、第1の1回回折光LA1及び第2の1回回折光LB1を第1の反射部302及び第2の反射部303で複数回反射させるようにしてもよい。
第1の反射部302によって再び回折格子8へ入射した第1の1回回折光LA1は、回折格子8によって2回目の回折が行われ、第1の2回回折光LA2として、回折格子8から出射される。また、第2の反射部303によって再び回折格子8へ入射した第2の1回回折光LB1は、回折格子8によって2回目の回折が行われ、第2の2回回折光LB2として、回折格子8から出射される。
第1の2回回折光LA2は、第1のミラー304によって反射され、ビームスプリッタ307へ入射する。第2の2回回折光LB2は、第2のミラー306によって反射され、ビームスプリッタ307へ入射する。ビームスプリッタ307は、第1の2回回折光LA2と第2の2回回折光LB2を重ね合わせて、干渉光Ldを得る。干渉光Ldは、ビームスプリッタ307から出射し、受光部310に入射する。受光部310は、変位演算部4に接続されている。
受光部310の構成は、図2に示す変位検出部9の第1の受光部18及び第2の受光部19と同様の構成を有しているため、ここではその説明は省略する。その他の構成は、図2に示す変位検出部9と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出部300によっても、上述した図2に示す変位検出部9と同様の作用効果を得ることができる。
このように、本発明の変位検出装置における変位検出部としては、第1の変形例にかかる変位検出部30及び第2の変形例にかかる変位検出部300のように、様々な変位検出部を適用できるものである。
次に、図10及び図12を参照して本発明の第2の実施の形態例にかかる変位検出装置について説明する。
図10は、第2の実施の形態例にかかる変位検出装置40の構成を示す概略構成図、図11A及び図11Bは、第2の実施の形態例にかかる変位検出装置40の変位検出部を示す概略構成図である。
この第2の実施の形態例にかかる変位検出装置40が、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と異なる点は、検出ヘッド3をトラック方向Y1へ移動させる揺動機構を設けた点である。そのため、ここでは、揺動機構について説明し、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図10及び図11Aに示すように、変位検出装置40は、スケール2と、検出ヘッド3と、検出ヘッド3に設けられた変位検出部9と、検出ヘッド3に接続された変位演算部4と、移動量演算部5と、比較演算部6と、絶対位置演算部7と、移動検出部10と、を備えている。また、変位検出装置40は、検出ヘッド3に接続された揺動機構21を有している。この第2の実施の形態例では、移動検出部10は、検出ヘッド3に装着されている。
図11Aに示すように、変位検出部9には、揺動機構21が接続されている。図11A及び図11Bに示すように、揺動機構21は、変位検出部9をトラック方向Y1に沿って所定の移動量で揺動させる。揺動機構21としては、例えば、ピエゾ素子、モータ、ばね、磁力や静電気力による駆動方法が考えられる。また、揺動機構21は、常に駆動させる必要はなく、絶対位置情報を求めるときにのみ駆動させ、絶対位置が検出されたらその駆動を止めるようにしてもよい。
また、上述した例では、揺動機構21を変位検出部9に接続して変位検出部9全体をトラック方向Y1へ揺動させる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、揺動機構21を光源20に設け、光源20をトラック方向Y1に移動させることで、光源20の焦点Oがトラック方向Y1に移動するようにしてもよい。
図10に示すように、移動検出部10は、検出ヘッド3に接続されている。移動検出部10は、揺動機構21により変位検出部9が移動した量を検出し、移動情報を移動量演算部5に出力する。そして、移動量演算部5は、移動検出部10から送られてきた信号に基づいて検出ヘッド3におけるトラック方向Y1への移動量を演算する。
移動検出部10としては、例えば、レーザ変位計、静電気容量式変位計や接触式電気μメータ等が適用される。
また、移動検出部10を検出ヘッド3に装着した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、揺動機構21に移動検出部10を接続し、揺動機構21の駆動量を検出してもよい。具体的には、揺動機構21がピエゾ素子の場合、移動検出部10は、その電圧値を検出する。または、揺動機構21がモータの場合では、移動検出部10は、そのステッピング量を検出し、揺動機構21が電磁石の場合では、移動検出部10は、その電流値を検出する。
また、本例の変位検出装置40によれば、回折格子8に異物が付着し、変位検出部9が一時的に検出信号を失っても、検出ヘッド3をトラック方向Y1へ移動させることで、検出ヘッド3の絶対位置を演算することができ、検出誤差が生じることなく正確な絶対位置を検出することができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる変位検出装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出装置40によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図12を参照して本発明の第3の実施の形態例にかかる変位検出装置について説明する。
図12は、第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50の構成を示す概略構成図である。
この第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50は、第1の計測方向X1の変位と、スケールの計測面と平行をなし、第1の計測方向X1と直交する第2の計測方向(トラック方向)Y1の変位を検出するものである。すなわち、第2の実施の形態例にかかる変位検出装置50は、2次元(平面)の変位及び位置を検出することができる変位検出装置である。なお、ここでは、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図12に示すように、変位検出装置50は、スケール52と、検出ヘッド53と、第1の変位検出部59と、トラック方向変位検出部60と、第1の変位検出部59に接続された第1の変位演算部54と、トラック方向変位検出部60に接続されたトラック方向変位演算部55と、比較演算部56と、絶対位置演算部57とを備えている。
スケール52は、略平板状に形成されているスケール52の計測面52aには、第1の計測方向X1に沿って間隔tを開けて第1の目盛に相当する複数の第1のスリットS1と、第2の計測方向Y1に沿って間隔sを開けて第2の目盛に相当する複数の第2のスリットS2が形成されている。複数の第1のスリットS1によって第1の回折格子が形成され、複数の第2のスリットS2によって第2の回折格子が形成されている。
すなわち、この第3の実施の形態例にかかるスケール42は、第1の計測方向X1と第2の計測方向Y1の2方向にそれぞれ格子ベクトルを有する回折格子である。
第1の回折格子におけるピッチ間隔tは、第1の実施の形態例にかかる回折格子8と同一であるため、その説明は省略する。
第2の回折格子におけるピッチ間隔sは、第2の計測方向Y1に沿って等間隔に形成されている。
検出ヘッド53は、第1の変位検出部59と、トラック方向変位検出部60とを有している。第1の変位検出部59及びトラック方向変位検出部60の構成は、第1の実施の形態例にかかる変位検出部9と同一であるため、その説明は省略する。
第1の変位検出部59は、第1の変位演算部54に接続されており、トラック方向変位検出部60は、トラック方向変位演算部55に接続されている。第1の変位検出部59が得たリサージュ信号は、第1の変位演算部54に出力され、トラック方向変位検出部60が得たリサージュ信号は、トラック方向変位演算部55に出力される。
なお、トラック方向変位検出部60は、第1の実施の形態例にかかる移動検出部10に対応し、トラック方向変位演算部55は、第1の実施の形態例にかかる移動量演算部5に対応している。そして、トラック方向変位演算部55は、トラック方向変位検出部60の検出信号に基づいて、検出ヘッド53の第2の計測方向Y1の変位量を演算する。
第1の変位演算部54及びトラック方向変位演算部55は、比較演算部56に接続されている。そして、比較演算部56は、絶対位置演算部57に接続されている。
この第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50では、検出ヘッド53が第2の計測方向Y1へ移動すると、比較演算部56は、第1の変位演算部54が演算した変位量を、トラック方向変位演算部55が演算した変位量に基づいて微分し、2階微分量を演算する。次に、比較演算部56は、演算した2階微分量を絶対位置演算部57へ出力する。そして、絶対位置演算部57は、入力された2階微分量に基づいて検出ヘッド53における第1の計測方向X1の絶対位置を演算する。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる変位検出装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出装置50によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
この第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50によれば、第1の変位検出部59とトラック方向変位検出部60で検出ヘッド53における第1の計測方向X1の絶対位置と、第2の計測方向Y1の相対位置を検出することができる。
[光源の変形例]
次に、光源まわりの変形例について図13及び図14を参照して説明する。
図13は、光源周りの変形例を示す概略構成図である。
また、上述した第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50では、第1の変位検出部59及びトラック方向変位検出部60にそれぞれ光源20を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、第1の変位検出部59とトラック方向変位検出部60に対して、1つの光源401と、レンズ402と、光ファイバ403を設ける。光ファイバ403として、マルチモードファイバでもよく、あるいはシングルモードファイバや偏光保持ファイバを適用してもよい。
1つの光源401から出射された光は、レンズ402によって集光されて、光ファイバ403へ入射される。また、光ファイバ403は、分岐部403aと、第1の出射端403bと、第2の出射端403cとを有している。すなわち、光ファイバ403の出射端側は、2つに分岐している。そして、第1の出射端403bには、第1の偏光板404が臨み、第2の出射端403cには、第2の偏光板405が臨むように配置されている。
光ファイバ403は、入射した光を分岐部403aで2つに分岐させ、第1の変位検出部59及びトラック方向変位検出部60まで導光する。2つに分岐した光のうち一方は、第1の出射端403bから出射し、第1の偏光板404を通過して第1の変位検出部59へ照射される。また、2つに分岐した光のうち残りの他方は、第2の出射端403cから出射し、第2の偏光板405を通過してトラック方向変位検出部60へ照射される。
このように、第1の変位検出部59及びトラック方向変位検出部60に対して1つの光源401から光を照射させることで、光源401の温度変化や長期的な特性の変化をそれぞれの変位検出部59,60において同一に共有させることができる。その結果、第1の変位検出部59とトラック方向変位検出部60とで、光源の違いから生じる誤差をなくすことができ、安定して変位検出が可能になる。また、
また、図13では、光ファイバ403内で光を複数に分岐させた例を説明したが、これに限定されるものではなく、ビームスプリッタ等を用いて光源401から出射した光を複数に分岐させてもよい。なお、分岐させる数は、2つに限定されるものではなく、変位検出部が3つ、あるいは4つ以上設けられている場合は、分岐させる数は、設けられた変位検出部の数に合わせて適宜設定されるものである。
図14は、図13に示す要部を拡大して示す説明図である。
図14に示すように、光ファイバ403の入射口側には、入射側フェルール407が設けられ、光ファイバ403の出射口側には、出射側フェルール408が設けられている。入射側フェルール407における光Lが入射する入射端面407aは、光軸に対して傾斜している。また、出射側フェルール408における光Lが出射する出射端面408aは、入射端面407aと同様に、光軸に対して傾斜している。
また、出射端面408aには、出射端面408aには、光ファイバ403から出射した光Lが光学系によって反射された戻り光Lrが入射する。そして、戻り光Lrは、出射端面408aによって反射される。なお、出射端面408aは、光学系における光の使用する可能領域αの外側へ戻り光Lrを反射させる。これにより、戻り光Lrが再び光学系へ入射され、実際に使用される光と干渉することを防ぐことができる。なお、ここでいう光学系は、変位検出部59に設けた各種部品や回折格子8を指す。
なお、図14では、出射端面408aを光軸に対して傾斜させた例を説明したが、これに限定されるものではない。従来から実施されているように、例えば、出射端面408aに反射防止膜を施したり、出射側フェルールとして反射の少ない透過性のある硝子フェルールを用いたりすることで、戻り光Lrが再び光学系へ入射されることを防いでもよい。
なお、図13及び図14に示す光ファイバの構成は、図8に示す第2の変形例にかかる変位検出部30や図9に示す第3の変形例にかかる変位検出部300や、後述する他の実施形態にかかる変位検出装置70,500,600にも適用できるものである。
次に、図15を参照して本発明の第4の実施の形態例にかかる変位検出装置について説明する。
図15は、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70の構成を示す概略構成図である。
この第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70は、第3の実施の形態例に係る変位検出装置50に第2の変位検出部を設けたものである。そのため、ここでは、第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図15に示すように、変位検出装置70は、スケール72と、検出ヘッド73と、第1の変位検出部82と、トラック方向変位検出部83と、第2の変位検出部84と、第1の変位演算部74と、トラック方向変位演算部75と、第2の変位演算部76とを有している。さらに、変位検出装置70は、比較演算部77と、差動比較演算部78と、第1の絶対位置演算部80と、第2の絶対位置演算部81とを有している。
スケール72、比較演算部77及び第1の絶対位置演算部80の構成は、第2の実施の形態例にかかる変位検出装置40のスケール42、比較演算部46及び絶対位置演算部47と同様であるため、その説明は、省略する。
図15に示すように、第2の変位検出部84は、第1の変位検出部82に対して第2の計測方向Y1に沿って所定の間隔Dを開けて配置されている。第2の変位検出部84は、第2の変位演算部76に接続されている。第2の変位検出部84及び第2の変位演算部76の構成は、第1の変位検出部82及び第1の変位演算部74と同様であるため、その説明は省略する。また、第1の変位検出部82、第1の変位演算部74、第2の変位検出部84及び第2の変位演算部76は、第1のスリットS1のピッチ間隔tの変位を検出し、第1の計測方向X1の相対位置情報を演算する。トラック方向変位検出部83及びトラック方向変位演算部75は、第2のスリットS2のピッチ間隔sの変位を検出し、第2の計測方向Y1の相対位置情報を演算する。
第1の変位演算部74と第2の変位演算部76は、差動比較演算部78に接続されている。そして、差動比較演算部78は、第2の絶対位置演算部81に接続されている。そして、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70は、第1の計測方向X1の絶対位置だけでなく、第2の計測方向Y1の絶対位置を検出することができる。なお、第1の計測方向X1の絶対位置の検出方法は、第3の実施の形態例にかかる変位検出装置40と同様であるため、その説明は省略する。ここでは、第2の計測方向Y1の絶対位置の検出方法について説明する。
上述したように、第1の回折格子のピッチ間隔tの積算は、スケール72における第1の計測方向X1の座標に対して3次の多項式で近似可能に設定され、第2の回折格子のピッチ間隔sの積算は、スケール72における第2の計測方向Y1の座標に対して2次の多項式で近似可能に設定されている。そして、検出ヘッド73を第2の計測方向Y1に移動させたときの第1の変位演算部74の出力値(変位量)fy(x、y)は、上記式2で表すことができる。このとき、第2の変位検出部84に着目すると、第2の変位演算部76の出力値(変位量)は、下記3で表すことができる。
[式3]
fy(x、y+D)=G+H(y+D)+I(y+D)+Jx(y+D)+Kx(y+D)
図16は、第2の計測方向と第1の変位検出部及び第2の変位検出部の変位量、及び第1の変位検出部の変位量と第2の変位検出部の変位量の差分の関係を示すグラフである。
図16に示すように、第1の変位検出部82の変位量と第2の変位検出部84の変位量の差分は、第2の計測方向Y1の座標(計測位置)yに比例する一次関数で表すことができる。そのため、差分によって、第2の計測方向Y1の計測位置が一意的に決定される。
すなわち、差動比較演算部78は、第1の変位演算部74が演算した変位量と、第2の変位演算部76が演算して変位量の差分を演算する。そして、差動比較演算部78は、演算して差分を第2の絶対位置演算部81に出力する。第2の絶対位置演算部81には、第1の変位演算部74が演算した変位量と、第2の変位演算部76が演算して変位量の差分と、第2の計測方向Y1の計測位置との関係を示す情報が予め格納されている。そのため、第2の絶対位置演算部81は、差動比較演算部78が演算した差分に基づいて検出ヘッド73におけるスケール72の第2の計測方向Y1の絶対位置を演算し、出力する。これにより、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70を用いた検出ヘッド3における第2の計測方向Y1の絶対位置の検出動作が完了する。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる変位検出装置1及び第3の実施の形態例にかかる変位検出装置50と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出装置70によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
また、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70では、第1の計測方向X1の相対位置を検出する第1の変位検出部82の変位量を微分することで、第1の計測方向X1の絶対位置を算出した例を説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、検出ヘッド73が第2の計測方向Y1へ移動した際に、第1の変位演算部74が演算した変位量と、第2の変位演算部76が演算した変位量の差分を、差動比較演算部78で演算する。次に、演算した差分を、トラック方向変位演算部75が演算した第2の計測方向Y1の相対位置情報に基づいて微分する。なお、演算した微分量は、第1の計測方向X1の計測位置に比例する。そのため、演算した微分量に基づいて第1の計測方向X1の絶対位置を演算してもよい。
さらに、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70によれば、第1の変位検出部82と第2の変位検出部84の検出信号に基づいて、第1の計測方向X1に対する検出ヘッド73の傾きを検出することができる。
また、上述したように、第1の変位演算部74が演算した変位量と、第2の変位演算部76が演算した変位量の差分は、第2の計測方向Y1の計測位置に対して比例している。そのため、何らかの不具合により、トラック方向変位検出部83から信号が出力されなくなっても、第1の変位演算部74が演算した変位量と、第2の変位演算部76が演算した変位量の差分の変化から、検出ヘッド73に対するスケール72の第2の計測方向Y1への移動を検出することができる。
次に、図17及び図18を参照して本発明の第5の実施の形態例にかかる変位検出装置について説明する。
図17は、第5の実施の形態例にかかる変位検出装置500の構成を示す概略構成図である。図18は、第5の実施の形態例にかかる変位検出装置500のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。
この第5の実施の形態例にかかる変位検出装置500は、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1に補正部501とメモリ502を設けたものである。そのため、ここでは、補正部501及びメモリ502について説明し、第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図17に示すように、補正部501は、絶対位置演算部7に接続されている。補正部501には、絶対位置演算部7からスケール2に対する検出ヘッド3の絶対位置が入力される。メモリ502は、絶対位置演算部7と補正部501に接続されている。そして、補正部501は、入力された絶対位置と、メモリ502に格納されている補正データに基づいて絶対位置の補正を行い、補正された絶対位置を出力する。
図18に示すように、メモリ502には、補正値テーブルが記憶されている。補正値テーブルは、スケール2の絶対位置に応じて補正部501で用いる補正値を規定している。ここで、スケール2のピッチ間隔tの積算の変化は、スケール本体の厚みのムラや作成時における計測面2aに対する研磨ムラ等によって、上述した2次の多項式の近似式である式1に対して誤差が発生する。そのため、メモリ502には、この誤差を解消するための補正値が予め格納されている。
そして、補正部501は、スケール2に対する検出ヘッド3の絶対位置に応じて補正値テーブルから補正値を取得する。補正部501は、取得した補正値を絶対位置演算部7が演算した絶対位置に加算し、補正する。
これにより、上述した式1で近似できないような微少な誤差も補正することができ、より精度の高い変位検出を行うことができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる変位検出装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出装置500によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図19〜図21を参照して本発明の第6の実施の形態例にかかる変位検出装置について説明する。
図19は、第6の実施の形態例にかかる変位検出装置600の構成を示す概略構成図である。図20は、第6の実施の形態例にかかる変位検出装置600の第1のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。図21は、第6の実施形態例にかかる変位検出装置の第2のメモリに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。
この第6の実施の形態例にかかる変位検出装置600は、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70に補正部601と、第1のメモリ602と、第2のメモリ603を設けたものである。また、この補正部601は、第5の実施の形態例にかかる変位検出装置500の補正部501と同様のものである。そのため、ここでは、補正部601、第1のメモリ602及び第2のメモリ603について説明し、第4の実施の形態例にかかる変位検出装置70と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図19に示すように、補正部601は、第1の絶対位置演算部80及び第2の絶対位置演算部81に接続されている。また、第1のメモリ602及び第2のメモリ603は、第1の絶対位置演算部80及び第2の絶対位置演算部81と、補正部601に接続されている。補正部601には、第1の絶対位置演算部80から第1の計測方向X1の絶対位置と、第2の絶対位置演算部81から第2の計測方向Y1の絶対位置が入力される。
図20に示すように、第1のメモリ602には、第1の計測方向X1の補正値テーブルが記憶されている。第1の計測方向X1の補正値テーブルは、スケール72の第1の計測方向X1の絶対位置と第2の計測方向Y1の絶対位置に応じて、第1の計測方向X1の補正値を規定する。
また、図21に示すように、第2のメモリ603には、第2の計測方向Y1の補正値テーブルが記憶されている。第2の計測方向Y1の補正値テーブルは、スケール72の第1の計測方向X1の絶対位置と第2の計測方向Y1の絶対位置に応じて、第2の計測方向Y1の補正値を規定する。
図19に示すように、補正部601は、入力されたスケール72に対する検出ヘッド73の第1の計測方向X1及び第2の計測方向Y1の絶対位置に応じて、第1のメモリ602及び第2のメモリ603から第1の計測方向X1の補正値と、第2の計測方向Y1の補正値を取得する。そして、補正部601は、取得した補正値を第1の絶対位置演算部80及び第2の絶対位置演算部81が演算した絶対位置に加算し、補正する。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる変位検出装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する変位検出装置600によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる変位検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図22〜図26を参照してスケールの変形例について説明する。
図22〜図26に示すスケールは、第1の計測方向X1及び第2の計測方向Y1に沿って第1の格子ベクトルM1と第2の格子ベクトルN1の2つの格子ベクトルを持った回折格子を有するスケールである。
図22Aは、第1の変形例にかかるスケールの拡大平面図、図22Bは、第1の変形例にかかるスケールの拡大断面図である。
図22Aに及び図22B示すように、第1の変形例にかかるスケール100は、基板101の一面から略垂直に突出する略円柱状の複数の突起102が設けられている。複数の突起102は、第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に沿ってそれぞれ間隔を開けて格子状に配置されている。
図23Aは、第2の変形例にかかるスケールの拡大平面図、図23Bは、第2の変形例にかかるスケールの拡大断面図である。
図23A及び図23Bに示すように、第2の変形例にかかるスケール110は、基板111の一面から略円柱状に窪んだ複数の凹部112が設けられている。複数の凹部112は、第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に沿ってそれぞれ間隔を開けて格子状に配置されている。また、このスケール110では、複数の凹部112の間に形成された隙間が格子のスリットとなる。
図24Aは、第3の変形例にかかるスケールの拡大平面図、図24Bは、第3の変形例にかかるスケールの拡大断面図である。
図24A及び図24Bに示すように、第3の変形例にかかるスケール120は、基板121の一面から略垂直に突出する略四角柱状の複数の突起122が設けられている。複数の突起122は、第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に沿ってそれぞれ間隔を開けて格子状に配置されている。
図24Aに示すように、複数の突起122は、対向する2つの側面部の面方向が第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に対して傾斜している。
図25Aは、第4の変形例にかかるスケールの拡大平面図、図24Bは、第4の変形例にかかるスケールの拡大断面図である。
図25A及び図25Bに示すように、第4の変形例にかかるスケール130は、基板131の一面から略垂直に突出する略四角柱状の複数の突起132が設けられている。複数の突起132は、第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に沿ってそれぞれ間隔を開けて格子状に配置されている。
図25Aに示すように、複数の突起132は、対向する2つの側面部の面方向がそれぞれ第1の格子ベクトルM1及び第2の格子ベクトルN1に沿って配置されている。
図26は、第5の変形例にかかるスケールの拡大断面図である。
なお、上述する第1の変形例、第3の変形例及び第4の変形例にかかるスケール100、120及び130は、突起102、122、132の断面形状が矩形状に形成されている。しかしながら、突起102、122、132の断面形状は、矩形状に限定されるものではない。例えば、図26に示すスケール140は、基板141の一面から断面形状が正弦波状に形成された突起142が突出している。
また、スケール140の突起142の表面には、反射膜143が形成されている。反射膜143の材質としては、例えば金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)等が挙げられる。この反射膜143を儲けることで回折効率を上げることができる。なお、第1〜第4の変形例にかかるスケール100〜130においても表面に反射膜を設けてもよい。
さらに、スケール140の反射膜143上には、保護層144が形成されている。保護層144の材質としては、二酸化ケイ素(SiO)、カーボン(C)、MgF(フッ化マグネシウム)やTi(チタン)等が挙げられる。そして、保護層144は、例えば蒸着、スパッタ、CVD等によって形成される。この保護層144を設けることで、スケールの取り扱い性の向上を図ることができる。また、第1〜第4の変形例にかかるスケール100〜130においても表面に保護層を設けてもよい。
また、上述したスケール100〜140の基板101〜141の材質としては、セラミック、ガラス、金属や樹脂等が用いられる。また、上述したスケール100〜140の突起102、122,132,142及び凹部112は、例えば、クロムなどの金属膜をエッチングして形成してもよく、あるいはシリコンやエポキシ樹脂等でインプリントして形成してもよい。また、上述したスケール100〜140の突起102、122,132,142及び凹部112は、写真乾板などのゼラチン質であってもよい。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態例では、変位検出装置として、光学式の変位検出装置を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、磁気式の変位検出装置にも適用できるものである。
1,40,50,70,500,600…変位検出装置、 2,42,72…スケール、 2a,42a,72a…計測面、 3,43、73…検出ヘッド、 4,44,74…第1の変位演算部、 5…移動量演算部、 6,46,77…比較演算部、 7,47,80…絶対位置演算部(第1の絶対位置演算部)、 8…回折格子、 9,59,82…第1の変位検出部、 10…移動検出部、21…揺動機構、 60,83…トラック方向変位検出部、 45,75…トラック方向変位演算部、 76…第2の変位検出部、 76…第2の変位演算部、 78…差動比較演算部、 81…第2の絶対位置演算部、 501,601…補正部、 502,602,603…メモリ、 X1…計測方向(第1の計測方向)、 Y1…トラック方向(第2の計測方向)、 t,s…ピッチ間隔

Claims (7)

  1. スケールと、
    前記スケールに設けられ計測方向に沿ってピッチの間隔の積算が3次以上の次数の多項式に近似可能で、かつ前記計測方向と直交し前記スケールの計測面と平行をなすトラック方向に沿ってピッチの間隔の積算が2次以上の次数の多項式に近似可能に変化する目盛と、
    前記スケールの計測面に対向して配置され、前記目盛の変位を検出する変位検出部と、
    前記変位検出部が検出した前記目盛の変位に基づいて、前記目盛の前記スケールに対する変位量を演算する変位演算部と、
    前記変位検出部における前記スケールに対する前記トラック方向への移動を検出する移動検出部と、
    前記移動検出部が検出した信号をもとに前記変位検出部における前記スケールに対する前記トラック方向への変位量を演算する移動量演算部と、
    前記変位検出部又は前記スケールが前記トラック方向へ移動した際に、前記変位演算部が演算した変位量を、前記移動量演算部が演算した前記スケールに対する前記トラック方向への移動量に基づいて微分し、前記トラック方向への2階微分量を演算する比較演算部と、
    前記比較演算部が演算した2階微分量に基づいて前記スケールに対する前記計測方向の絶対位置を演算し、出力する絶対位置演算部と、
    を備えた変位検出装置。
  2. 前記目盛は、第1の目盛であり、
    前記スケールには、前記トラック方向に沿って等間隔のピッチを有する第2の目盛が設けられ、
    前記スケールの計測面に対向して配置され、前記第2の目盛の変位を検出するトラック方向変位検出部と、
    前記トラック方向変位検出部が検出した前記第2の目盛の変位に基づいて、前記トラック方向への前記スケールに対する変位量を演算するトラック方向変位演算部と、を備え、
    前記比較演算部は、前記トラック方向変位演算部が演算した前記トラック方向への前記スケールに対する変位量に基づいて、前記変位演算部が演算した変位量を微分する
    請求項1に記載の変位検出装置。
  3. 前記トラック方向変位検出部は、前記移動検出部であり、前記トラック方向変位演算部が前記移動量演算部である
    請求項2に記載の変位検出装置。
  4. 前記スケールの計測面に対向して配置され、前記変位検出部から前記トラック方向に所定の間隔を開けて配置され、前記目盛の変位を検出する第2の変位検出部と、
    前記第2の変位検出部が検出した前記目盛の変位に基づいて、前記目盛の前記スケールに対する変位量を演算する第2の変位演算部と、
    を更に備えた請求項1〜3のいずれかに記載の変位検出装置。
  5. 前記変位検出部及び前記第2の変位検出部が前記トラック方向へ移動した際、前記変位演算部が演算した変位量と、前記第2の変位演算部が演算した変位量の、単位変位当たりの差分を算出する差動比較演算部と、
    前記差動比較演算部が演算した前記差分と、前記トラック方向変位演算部が演算した前記トラック方向への前記スケールに対する移動量に基づいて前記スケールの前記トラック方向に対する絶対位置を演算し、出力する第2の絶対位置演算部と、
    を更に備えた請求項4に記載の変位検出装置。
  6. 前記変位検出部を前記トラック方向に沿って所定の移動量で揺動させる揺動機構を備えた
    請求項1に記載の変位検出装置。
  7. 前記絶対位置に応じた補正値を規定する補正値テーブルが記憶されたメモリと、
    前記絶対位置演算部が演算した前記絶対位置を、前記補正値テーブルが規定する前記補正値を用いて補正する補正部をさらに備えた
    請求項1〜6のいずれかに記載の変位検出装置。
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