JP2021004463A - 仮設足場における妻側先行手摺 - Google Patents

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Abstract

【課題】楔緊結式の仮設足場における妻側先行手摺を提供する。【解決手段】一対の支柱(1,1)の基準楔受手段(2P)に横架材(3)を緊結することにより架設した楔緊結式の仮設足場の妻側において、妻側先行手摺における水平材の両端部に回動自在に枢結されることにより下方で相互に交差する一対の斜材(8)(8)は、基準楔受手段の上方に位置する上位楔受手段(2U)と下方に位置する下位楔受手段(2D)の間にわたって延びる長尺ロッド(9)を備え、長尺ロッドの上端部の係止手段(10)を上位楔受手段(2U)に係止すると共に下端部の楔緊結手段(11)を下位楔受手段(2D)に緊結した状態で、横架材(3)を横断する横断部位に該横架材の外側に向けて偏位する迂回部(17)を屈曲形成しており、一対の長尺ロッド(9)(9)により一対の支柱の中心を連結する補強ブレース構造体(18)を構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、楔緊結式の仮設足場における妻側先行手摺に関する。
従来、楔緊結式の仮設足場は、上下方向に間隔をあけてフランジ等から成る楔受手段を固設した支柱が使用されており、一対の支柱を建物の遠近方向(妻方向)に1組として立設すると共に、多数組の支柱を建物に沿う方向(桁方向)に間隔をあけて列設することにより構築される。
妻方向に関して、1組の支柱は、前記楔受手段に楔緊結される横架材を架設することにより連結される。桁方向に関して、多数組の支柱は、前記楔受手段に楔緊結される連結材(布材)により連結される。そこで、桁方向に間隔をあけて配置される横架材に足場板の両端部のフック金具を搭載することにより、作業床が形成される。
ところで、仮設足場の構築に関しては、作業者の安全のため、手摺先行工法が推奨されている。手摺先行工法によれば、上層階の作業床を設置する前に、下層階の作業床の上で作業者が上層階用の先行手摺を取付け、その後、上層階の作業床を設置し、同様の作業を下層階から上層階に向けて繰り返すことにより、各階の作業床の桁側に取付けられる。この場合の先行手摺は、桁側先行手摺である。
支柱に固設されたフランジ等から成る楔受手段は、支柱の外周に位置して、妻方向に臨む楔孔と、桁方向に臨む楔孔を備えている。従って、妻方向に臨む楔孔に楔部材を打ち込むことにより、横架材が緊結され、該横架材に足場板を搭載することにより作業床が形成される。
桁側先行手摺は、桁方向に隣接する一対の支柱の間に配置される水平材と、該水平材の両端部に回動自在に枢結されると共に下方で相互に交差させられる一対の斜材により構成されている。
下層階の作業床から上方に位置する支柱の楔受手段に向けて水平材を臨ませ、斜材を交差させるように回動すると、該斜材の上端部に設けられた係止手段が前記楔受手段に係止される。斜材の下端部には楔緊結手段が設けられており、上層階の設置が予定されている作業床の高さに位置する支柱の楔受手段に緊結することができる。
上層階の設置が予定されている作業床の高さに位置する楔受手段は、妻方向に臨む楔孔には横架材が緊結されるが、桁方向に臨む楔孔は遊休状態とされているので、これを利用することにより斜材の下端部の楔緊結手段を緊結することができる。
ところが、妻側にも先行手摺を設置する場合、桁側の先行手摺と同様の方法により設置することはできない。上層階の設置が予定されている作業床の高さに位置する楔受手段の妻方向に臨む楔孔は、横架材が緊結されるため、これを利用することにより斜材の下端部の楔緊結手段を緊結することができないからである。
特開2010−203137号公報 特開2010−229700号公報
特許文献1は、妻側先行手摺に関して、上層階の設置が予定されている作業床の高さに位置する楔受手段の妻方向に臨む楔孔は、横架材を緊結する構成とせずに、該楔孔に先行手摺の斜材の下端部に固設した固定シューを緊結するように構成されており、該固定シューの上に足場板のフック金具を搭載する技術を提案している。しかしながら、特許文献1の場合、妻方向の一対の支柱は、従来のような横架材により連結されていないので、足場構築体の剛性の点に新たな問題を提起する。
特許文献2は、妻側先行手摺に関して、上層階の設置が予定されている作業床の高さに位置する楔受手段の妻方向に臨む楔孔に対し、従来のように横架材を緊結させ、先行手摺の斜材の下端部に設けた係止フックを該横架材に係止する技術を提案している。しかしながら、特許文献2の場合、斜材の下端部は、係止フックを横架材に係止させているだけで遊動可能なため、作業者の安全を目的とする構造的安定性の点に問題がある。
本発明は、楔緊結式の仮設足場における妻側先行手摺として、上記のような問題を提起することがなく、更に、妻方向における一対の支柱の連結に関して、補強ブレース構造を形成することができるように構成したものを提供することを課題としている。
そこで、本発明が手段として構成したところは、楔緊結式の仮設足場において、足場板のフック金具を搭載する横架材を一対の支柱に架設する妻側に位置して設置される妻側先行手摺であり、支柱の上下方向に間隔をあけて固設された楔受手段のうち、前記横架材が緊結される基準楔受手段と、該基準楔受手段の上方に位置する上位楔受手段と、下方に位置する下位楔受手段に関して、妻側先行手摺は、上位楔受手段に臨んで一対の支柱の間に配置される水平材と、該水平材の両端部に回動自在に枢結されると共に下方で相互に交差させられる一対の斜材とから成り、水平材の両端部と斜材の上端部の何れか一方に設けられた係止手段を上位楔受手段に係止するように構成され、前記斜材は、上位楔受手段と下位楔受手段の間にわたって延びる長尺ロッドの下端部に設けられた楔緊結手段を下位楔受手段に緊結自在とするように構成されており、水平材の下方で交差させられた斜材の長尺ロッドは、横架材を横断する横断部位に位置して該横架材の外側に向けて偏位する迂回部を形成して成る点にある。
この際、横架材の上部に沿って幅木を立設した仮設足場の場合、長尺ロッドの迂回部は、横架材の外側に向けて偏位する第1迂回部と、前記幅木の外側に向けて偏位する第2迂回部を連設したものとして構成される。
長尺ロッドの迂回部の上端から前記係止手段に向けて延びる上側ロッド部と、下端から前記楔緊結手段に向けて延びる下側ロッド部は、一対の支柱の間において該支柱の外径を区成範囲とする空間の内部に配置されるように形成されている。
本発明の実施形態によれば、前記楔受手段は、妻側に位置する一対の支柱の中心を結ぶ線上に位置する妻側連結用の楔孔を含む複数の楔孔を支柱の周方向に列設しており、前記横架材を妻側連結用の楔孔に緊結する構成において、前記斜材における長尺ロッドの上端部に設けた係止手段を上位楔受手段の妻側連結用の楔孔に係止すると共に、長尺ロッドの下端部に設けた楔緊結手段を下位楔受手段の妻側連結用の楔孔に緊結することにより、交差配置された長尺ロッドにより一対の支柱の中心を連結する補強ブレース構造体が形成されるように構成している。
更に別の実施形態によれば、前記係止手段を上位楔受手段の妻側連結用の楔孔に係止すると共に、長尺ロッドの下端部の楔緊結手段を下位楔受手段の妻側連結用の楔孔に緊結した状態で、前記係止手段と楔緊結手段を結ぶ直線が足場板のフック金具を横断する構成において、前記長尺ロッドの長手方向の中途部を一方の支柱に向けて屈折した屈折部を形成することにより、前記フック金具を回避した位置で横架材を横断する回避部を形成させ、該回避部に前記迂回部を形成している。
本発明によれば、仮設足場の妻側に位置して妻側先行手摺6を取付けた状態で、斜材8、8を構成する一対の長尺ロッド9、9は、一方の支柱1の上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xと、他方の支柱1の下位楔受手段2Dの妻側連結用の楔孔2xの間において、一対の支柱1、1の中心同士を連結することができる。
このため、妻側先行手摺6は、それ自体として、水平材7と斜材8、8の全てが軸方向に安定した構造体を構成することができるので、作業床Fの上を往来する作業者の安全向上に大きく貢献する。
しかも、妻側先行手摺6は、交差させられた斜材8、8の長尺ロッド9、9により、一対の支柱1、1の中心同士を連結する補強ブレース構造体18を形成し、該補強ブレース構造体18は、上位楔受手段2Uと下位楔受手段2Dにまたがって楔横架材3の上下方向に延びる長い距離にわたり形成されるため、仮設足場の妻側構築部分の剛性を高めることに大きく寄与する。
本発明の妻側先行手摺を設置するための楔緊結式の仮設足場を示しており、(A)は妻側を示す斜視図、(B)は楔受手段を示す拡大図である。 仮設足場の妻側に対して本発明の第1実施形態に係る妻側先行手摺を設置するための準備状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る妻側先行手摺を設置した状態を示す斜視図である。 妻側先行手摺の設置方法を示しており、(A)は斜材の係止手段を上位楔受手段に係止する前の状態を示す斜視図、(B)は係止した状態を示す斜視図、(C)は斜材の楔緊結手段を下位楔受手段に緊結する前の状態を示す斜視図、(D)は緊結した状態を示す斜視図である。 図3のA−A矢視図であり、(A)は全体図、(B)は部分拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る妻側先行手摺を示しており、(A)は正面図、(B)はB−B矢視図である。 本発明の第3実施形態に係る妻側先行手摺を示す正面図である。 図7のC−C矢視図である。 本発明の第4実施形態に係る妻側先行手摺を示す正面図である。 図9のD−D矢視図である。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
(仮設足場の妻側)
図1は、楔緊結式の仮設足場における妻側を示している。支柱1は、上下方向に間隔をあけてフランジから成る楔受手段2を固設しており、妻方向Xに間隔をあけて一対の支柱1、1を1組として立設すると共に、図示省略しているが、多数組の支柱を桁方向Yに間隔をあけて列設することにより、足場が構築されている。
フランジから成る楔受手段2は、妻方向Xに関して支柱1、1の中心を結ぶ線上に位置する妻側連結用の楔孔2x、2xと、桁方向Yに関して支柱1、1の中心を結ぶ線上に位置する桁側連結用の楔孔2y、2yを備えている。
図示省略しているが、桁方向Yに列設された多数組の支柱は、相互に連結材(布材)により連結され、連結材の両端部は、前記桁側連結用の楔孔2yに楔部材を打ち込むことにより緊結される。
図1に示すように、妻方向Xの一対の支柱1、1は、作業床Fの設置が予定された高さ位置において、横架材3を架設することにより連結される。
そこで、図示の作業床Fを上層階として、先に設置された下層階の作業床から、作業者により作業床Fのための安全柵ないし安全手摺としての妻側先行手摺が取付けられる。
この際、妻側先行手摺は、上下方向に等間隔をあけて配置された楔受手段2に関して、横架材3が緊結される楔受手段を基準楔受手段2Pとし、その上方に位置する楔受手段を上位楔受手段2Uとし、下方に位置する楔受手段を下位楔受手段2Dとして、上位楔受手段2Uと下位楔受手段2Dに対して取付けられる。
図示実施形態の場合、上位楔受手段2Uは、基準楔受手段2Pから2つ目(つまり1つ飛び)の上方に位置する楔受手段が選択され、下位楔受手段2Dは、基準楔受手段2Pから1つ目の下方に位置する楔受手段が選択されている。
従って、基準楔受手段2Pから上位楔受手段2Uまでの高さ方向の距離L1と、基準楔受手段2Pから下位楔受手段2Dまでの高さ方向の距離L2は、L1>L2(具体的にはL1=L2×2)とされている。
図2に示すように、横架材3は、両端に固設された連結金具により基準楔受手段2Pを挟持した状態で、妻側連結用の楔孔2xに楔部材を打ち込むことにより緊結される。従って、妻方向Xの一対の支柱1、1は、相互に中心を結ぶ線Pに沿って、横架材3により連結される。
(第1実施形態)
図1ないし図5に示す第1実施形態の場合、一対の支柱1、1の妻方向Xの間隔S1(支柱の中心間の距離)は、標準幅寸法W1とされた足場板4を2枚並設することにより、作業床Fを設けることができるように設計されている。
従って、図2に示すように、横架材3に足場板4のフック金具5を搭載することにより、幅寸法W1×2の作業床Fが形成される。
妻側先行手摺6は、上位楔受手段2U、2Uに臨んで一対の支柱1、1の間に配置される水平材7と、該水平材7の両端部に回動自在に枢結されると共に下方で相互に交差させられる一対の斜材8、8により構成されている。
斜材8は、一方の支柱1における上位楔受手段2Uと他方の支柱1における下位楔受手段2Dの間にわたって延びる長尺ロッド9と、該長尺ロッド9の上端部の係止手段10と、該長尺ロッド9の下端部の楔緊結手段11を備えている。
これにより、図2に示すように、長尺ロッド9、9をほぼ起立姿勢とした状態で水平材7の両端部における前記係止手段10を上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xの上部に臨ませた状態から、図3に示すように、水平材7の下方で交差するように回動させると、前記係止手段10が上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xに係止され、その状態で、前記楔緊結手段11を下位楔受手段2Dの妻側連結用の楔孔2xに緊結することができるように構成されている。
この際、長尺ロッド9、9は、図2に鎖線で示すように、一方の支柱1の上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xと、他方の支柱1の下位楔受手段2Dの妻側連結用の楔孔2xを相互に結ぶ線Q、Qに沿って配置することを目的としており、線Q、Qは、支柱1、1の中心に向けられている。
図示実施形態の場合、前記係止手段10は、図4(A)(B)に示すように、長尺ロッド9の上端部9aに溶接等で固着された爪付き金具12を備え、該上端部9aと爪付金具12を水平材7の両端に固設されたブラケット13に枢軸14を介して枢結することにより構成されている。従って、図4(A)に示すように、長尺ロッド9をほぼ起立姿勢として、爪付き金具12の爪片12aを上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xの上部に臨ませた状態から、図示矢印のように回動すると、図4(B)に示すように、爪片12aが前記楔孔2xに対して下側に回り込むように挿通係止される。
前記楔緊結手段11は、図4(C)(D)に示すように、長尺ロッド9の下端部9bに溶接等で斜め下向きに固着された上下顎部15a、15bを有するシュー金具15を備え、上下顎部15a、15bに楔部材16を摺動自在に挿通することにより構成されている。従って、図4(C)に示すように、楔部材16を上動させた状態で、交差方向に向けて長尺ロッド9、9を回動させながら、シュー金具15の上下顎部15a、15bの間に下位楔受手段2Dの妻側連結用の楔孔2xを進入させた状態で、図4(D)に示すように、楔部材16を下向きに打ち込むと、該楔部材16を介してシュー金具15が前記楔孔2xに緊結される。
上述のように線L2、L2に沿って長尺ロッド9、9配置可能とするために、図2、図3及び図5に示すように、水平材7の下方で交差させられる長尺ロッド9、9は、横架材3を横断する横断部位に位置して、該横架材3の外側に向けて偏位する迂回部17を屈曲形成している。迂回部17は、図5に示すように、横架材3の外周面に沿うほぼ弓状の湾曲形状に形成されることが好ましい。
このようにして、図3に示すように取付けられた妻側先行手摺6において、斜材8、8を構成する一対の長尺ロッド9、9は、上述のように支柱1、1の中心に向けられた線Q、Qに沿って配置される。
この際、前記長尺ロッド9、9の迂回部17の上端から前記係止手段10に向けて延びる上側ロッド部9aと、下端から前記楔緊結手段11に向けて延びる下側ロッド部9bは、一対の支柱1、1の間において該支柱1の外径を区成範囲とする空間Sの内部に配置されるように形成されており、これにより、一対の支柱1、1の中心を連結する補強ブレース構造体18が形成され、この補強ブレース構造体18は、上位楔受手段2Uと下位楔受手段2Dにまたがり、楔横架材3の上下方向に延びる長い距離にわたり形成される。
このため、妻側先行手摺6は、水平材7と斜材8、8の全てが軸方向に安定した構造体を構成することにより、作業床Fの上を往来する作業者の安全向上に大きく貢献する。
しかも、妻側先行手摺6は、斜材8、8を構成する一対の長尺ロッド9、9により、上位楔受手段2Uと下位楔受手段2Dにまたがって楔横架材3の上下方向に延びる長い距離にわたる補強ブレース構造体18を構成し、一対の支柱1、1の中心同士を連結するものであるから、仮設足場の妻側構築部分の剛性を高めることに大きく寄与する。
図示実施形態の場合、係止手段10は、斜材8、8の長尺ロッド9の上端部に設けられ、水平材7に対して斜材8、8を交差させる方向に回動しながら爪片12aを上位楔受手段2Uの楔孔2xに対して挿通係止させるように構成されているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、係止手段10は、水平材7の両端部に設けた下向きの金具により形成し、該金具を上位楔受手段2Uの楔孔2xに挿着するように構成しても良い。要するに、係止手段10は、水平材7の両端部と斜材8、8の上端部のうち、何れか一方に設ければ良く、上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xに係止させられるものであれば良い。
(第2実施形態)
図6に示す第2実施形態の場合、一対の支柱1、1の妻方向Xの間隔S2(支柱の中心間の距離)は、標準幅寸法W1とされた足場板4を1枚搭載することにより、作業床Fを設けることができるように設計されている。
従って、妻側先行手摺6は、第1実施形態の場合に比して、水平材7並びに斜材8、8が短いものに形成されている。
その他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
(第3実施形態)
図7及び図8に示す第3実施形態の場合、一対の支柱1、1の妻方向Xの間隔S3(支柱の中心間の距離)は、標準幅寸法W1とされた足場板4の1枚と、標準幅寸法よりも幅狭の幅寸法W2とされた足場板4aの2枚を並設することにより、作業床Fを設けることができるように設計されている。
従って、妻側先行手摺6は、第1実施形態の場合に比して、水平材7並びに斜材8、8が短いものに形成されている。
第3実施形態の場合、上述のように長尺ロッド9の上端の係止手段10を係止する一方の支柱1の上位楔受手段2Uの妻側連結用の楔孔2xと、長尺ロッド9の下端の楔緊結手段11を緊結する他方の支柱1の下位楔受手段2Dの妻側連結用の楔孔2xを相互に結ぶ線Qを設定したとき、該線Qは、足場板4、4aの相互に隣接して配置されたフック金具5を横断するため、長尺ロッド9を該線Qに沿って配置しようとしても、フック金具5に干渉してしまい、配置することができない。
そこで、長尺ロッド9、9は、少なくともフック金具5に干渉する側に位置する一方の長尺ロッド9Lの長手方向の中途部を一方の支柱1に向けて(つまり妻方向Xに向けて)屈折することにより屈折部19を形成しており、これによりフック金具5を回避した位置で横架材3を横断する回避部20を形成し、この回避部20を横架材3の外側に向けて偏位するように湾曲形状に屈曲させることにより上記の迂回部17を形成している。
図例の場合、他方の長尺ロッド9Rにも屈折部19を形成しているが、該長尺ロッド9Rには必ずしも屈折部19を形成しなくても良い。
その他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
(第4実施形態)
図9及び図10に示す第3実施形態の場合、仮設足場は、横架材3の上部に沿って幅木21が立設されている。
そこで、この場合、長尺ロッド9の迂回部17は、横架材3の外側に向けて偏位する第1迂回部17aと、前記幅木21の外側に向けて偏位する第2迂回部17bを連設したものとして形成されている。
従って、第1迂回部17a及び第2迂回部17bは、外側に偏位させられることにより横架材3及び幅木21に干渉することはなく、第2迂回部17bの上端から係止手段10に向けて延びる上側ロッド部9aと、第1迂回部17aの下端から楔緊結手段11に向けて延びる下側ロッド部9bのそれぞれを、一対の支柱1、1の間において該支柱1の外径を区成範囲とする空間Sの内部に配置することができるように構成されている。
図示実施形態の場合、一方の長尺ロッド9Lの第2迂回部17bを軸方向の長い範囲にわたり形成し、他方の長尺ロッド9Rを短い範囲に形成しているが、これに限定されるものではない。
その他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
1 支柱
2 楔受手段
2P 基準楔受手段
2U 上位楔受手段
2D 下位楔受手段
2x 妻側連結用の楔孔
2y 桁側連結用の楔孔
3 横架材
4 足場板
5 フック金具
6 妻側先行手摺
7 水平材
8 斜材
9、9L、9R 長尺ロッド
9a 上側ロッド部
9b 下側ロッド部
10 係止手段
11 楔緊結手段
12 爪付き金具
13 ブラケット
14 枢軸
15 シュー金具
15a 上顎部
15b 下顎部
16 楔部材
17 迂回部
17a 第1迂回部
17b 第2迂回部
18 補強ブレース構造体
19 屈折部
20 回避部
21 幅木

Claims (5)

  1. 楔緊結式の仮設足場において、足場板のフック金具を搭載する横架材を一対の支柱に架設する妻側に位置して設置される妻側先行手摺であり、
    支柱の上下方向に間隔をあけて固設された楔受手段のうち、前記横架材(3)が緊結される基準楔受手段(2P)と、該基準楔受手段の上方に位置する上位楔受手段(2U)と、下方に位置する下位楔受手段(2D)に関して、
    妻側先行手摺は、上位楔受手段(2U)に臨んで一対の支柱の間に配置される水平材(7)と、該水平材の両端部に回動自在に枢結されると共に下方で相互に交差させられる一対の斜材(8)(8)とから成り、水平材(7)の両端部と斜材(8)(8)の上端部の何れか一方に設けられた係止手段(10)を上位楔受手段(2U)に係止するように構成され、
    前記斜材(8)は、上位楔受手段(2U)と下位楔受手段(2D)の間にわたって延びる長尺ロッド(9)の下端部に設けられた楔緊結手段(11)を下位楔受手段(2D)に緊結自在とするように構成されており、
    水平材(7)の下方で交差させられた斜材の長尺ロッド(9)は、横架材(3)を横断する横断部位に位置して該横架材の外側に向けて偏位する迂回部(17)を形成して成ることを特徴とする仮設足場における妻側先行手摺。
  2. 前記横架材(3)の上部に沿って幅木(21)を立設した仮設足場において、
    前記長尺ロッド(9)の迂回部(17)は、横架材(3)の外側に向けて偏位する第1迂回部(17a)と、前記幅木(21)の外側に向けて偏位する第2迂回部(17b)を連設して成ることを特徴とする請求項1に記載の仮設足場における妻側先行手摺。
  3. 前記長尺ロッド(9)(9)の迂回部(17)の上端から前記係止手段(10)に向けて延びる上側ロッド部(9a)と、下端から前記楔緊結手段(11)に向けて延びる下側ロッド部(9b)は、一対の支柱の間において該支柱の外径を区成範囲とする空間(S)の内部に配置されるように形成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮設足場における妻側先行手摺。
  4. 前記楔受手段(2)は、妻側に位置する一対の支柱の中心を結ぶ線上に位置する妻側連結用の楔孔(2x)を含む複数の楔孔を支柱の周方向に列設しており、前記横架材(3)を妻側連結用の楔孔(2x)に緊結する構成において、
    前記斜材(8)における長尺ロッド(9)の上端部に設けた係止手段(10)を上位楔受手段(2U)の妻側連結用の楔孔(2x)に係止すると共に、長尺ロッド(9)の下端部に設けた楔緊結手段(11)を下位楔受手段(2D)の妻側連結用の楔孔(2x)に緊結することにより、交差配置された長尺ロッド(9)(9)により一対の支柱の中心を連結する補強ブレース構造体(18)が形成されるように構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の妻側先行手摺。
  5. 前記係止手段(10)を上位楔受手段(2U)の妻側連結用の楔孔(2x)に係止すると共に、長尺ロッド(9)の下端部の楔緊結手段(11)を下位楔受手段(2D)の妻側連結用の楔孔(2x)に緊結した状態で、前記係止手段と楔緊結手段を結ぶ直線(L2)が足場板のフック金具(5)を横断する構成において、
    前記長尺ロッド(9)の長手方向の中途部を一方の支柱に向けて屈折した屈折部(19)を形成することにより、前記フック金具(5)を回避した位置で横架材(3)を横断する回避部(20)を形成させ、該回避部に前記迂回部(17)を形成して成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の妻側先行手摺。
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