JP2021003722A - 溶接構造部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた疲労強度を有する溶接構造部材を提供する。【解決手段】溶接構造部材31は、ベース部材32、接合部材34、溶接ビード36、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39を有する。ベース部材32は、平面42aを有する第1板状部42を含む。接合部材34は、平面42aに突き当てられた突き当て面44a、並びに突き当て面44aから平面42aに交差する方向に延びる第1面44bおよび第2面44cを有する第2板状部44を含む。溶接ビード36は、突き当て面44aの第1面44b側の縁部に沿って延び、ベース部材32と接合部材34とを接合する。第1補剛ビード38は、溶接ビード36から見て第2板状部44とは反対側において、溶接ビード36に対して略平行に延びるように平面42a上に設けられる。第2補剛ビード39は、溶接ビード36から離れた位置において平面42a上に設けられる。【選択図】 図7

Description

本発明は、溶接構造部材に関する。
近年、自動車の燃費向上のために、車体の軽量化が進められている。そして、車体の軽量化を実現するために、高強度の薄鋼板同士を溶接した溶接構造部材が車体材料として用いられている。
車体の構成部材として用いられる溶接構造部材には、優れた疲労強度が求められる。しかしながら、高強度薄鋼板を用いた場合でも溶接構造部材の疲労強度を十分に向上させることは難しい。そこで、従来、溶接構造部材の疲労強度を向上させるための種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1に開示された隅肉アーク溶接継手は、金属部材同士を接合するための隅肉ビードと、該隅肉ビードに重なるように形成された補剛用ビードとを備えている。特許文献1には、上記のように形成された補剛用ビードによって、溶接継手の疲労強度を向上させることができることが記載されている。
国際公開第2013/157557号
しかしながら、本発明者らの種々の検討の結果、上記のように隅肉ビードと補剛用ビードとを重ねて形成した場合、ビード同士が重なる部分において応力集中が生じるおそれがあることが分かった。この場合には、応力集中部において疲労強度が低下することが考えられる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、優れた疲労強度を有する溶接構造部材を提供することを目的としている。
本発明は、下記の溶接構造部材を要旨とする。
(1)平面を有する第1板状部を含み、かつ金属からなるベース部材と、
前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する第2板状部を含み、かつ金属からなる接合部材と、
前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビードと、
前記溶接ビードから見て前記第2板状部とは反対側において前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビードに対して略平行に延びる第1補剛ビードと、
前記溶接ビードから離れた位置において前記ベース部材の前記平面上に設けられる第2補剛ビードとを備える、溶接構造部材。
(2)前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とした場合に、
前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
前記第1補剛ビードは、前記第2板状部の前端部と前記溶接ビードとの境界部の近傍の剛性を向上させ、
前記第2補剛ビードは、前記第1補剛ビードによる剛性の向上効果を高める、上記(1)に記載の溶接構造部材。
(3)前記ベース部材の前記平面に直交する方向から見て、前記第2補剛ビードは、前記第1補剛ビードの延伸方向に対して直交する方向に延びる、上記(1)または(2)に記載の溶接構造部材。
(4)前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とした場合に、
前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
前記溶接ビードの前端よりも後方に、前記直交する方向に延びる複数の前記第2補剛ビードが設けられ、
前記直交する方向における前記第2補剛ビードの長さは、前記後方側に位置する前記第2補剛ビードほど長い、上記(3)に記載の溶接構造部材。
(5)前記第2補剛ビードは、前記第2板状部から見て前記溶接ビードとは反対側において、前記突き当て面の前記第2面側の縁部に対して略平行に延びる、上記(1)または(2)に記載の溶接構造部材。
(6)前記第1補剛ビードの長さと前記第2補剛ビードの長さとは略等しい、上記(5)に記載の溶接構造部材。
(7)前記ベース部材の前記平面に直交する方向から見て、前記第1補剛ビードと前記第2補剛ビードとは、前記突き当て面の前記第2面側の縁部を対称軸として線対称となる位置に設けられている、上記(5)または(6)に記載の溶接構造部材。
本発明によれば、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができる。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。 図2は、解析モデルの左右方向における中央部を示す平面図である。 図3は、補剛ビードを有する解析モデルを示す平面図である。 図4は、解析結果を示す図である。 図5は、図3の解析モデルに別の補剛ビードを追加した構成を有する解析モデルを示す平面図である。 図6は、解析結果を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。 図8は、ベース部材および接合部材を示す正面図である。 図9は、ベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビードおよび補剛ビードを、ベース部材の平面に対して直交する方向に投影した図である。 図10は、本発明の変形例を示す図である。 図11は、本発明の変形例を示す図である。 図12は、本発明の変形例を示す図である。 図13は、本発明の変形例を示す図である。 図14は、本発明の変形例を示す図である。 図15は、本発明の変形例を示す図である。 図16は、本発明の変形例を示す図である。 図17は、本発明の変形例を示す図である。 図18は、本発明の変形例を示す図である。 図19は、本発明の変形例を示す図である。 図20は、本発明の変形例を示す図である。 図21は、本発明の変形例を示す図である。 図22は、本発明の変形例を示す図である。
(本発明者らによる検討)
本発明者らは、溶接構造部材の疲労強度を向上させるために、種々の検討を行なった。具体的には、溶接構造部材の解析モデルを作成してFEM解析を行なうことによって、溶接構造部材の疲労強度についての検討を行なった。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。図1に示すように、解析モデル10は、第1方向D1に延びるベース部材12、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる接合部材14、およびベース部材12と接合部材14とを接合する溶接ビード16を備えている。ベース部材12および接合部材14はそれぞれ、開断面形状を有している。以下の説明では、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図2は、解析モデル10の左右方向における中央部を示す平面図である。図2に示すように、解析モデル10の平面視において、溶接ビード16は、接合部材14の外面に沿って設けられている。以下の説明では、平面視において、第1方向(左右方向)D1に直交する方向を前後方向とする。なお、本明細書において平面視とは、ベース部材の上面(平面)に対して直交する方向から見ることを意味する。
図1に示すように、ベース部材12には、複数の穴12a〜12gが形成されている。また、前後方向において穴12gに対向する位置にも穴12hが形成されている。接合部材14には、2つの穴14a,14bが形成されている。図1および図2に示すように、溶接ビード16の両端は、接合部材14の前端部14c,14dよりも前方に突出している。
なお、本発明者らのこれまでの研究により、解析モデル10では、接合部材14を上方に引っ張った場合に、接合部材14の前端部14c,14dと溶接ビード16との境界部18a,18bの近傍において、最大主応力の値が大きくなり易いことが分かっている。このため、解析モデル10と同様の構成を有する溶接構造部材では、上記境界部18a,18bの近傍において亀裂が発生し易いと考えられる。したがって、溶接構造部材の疲労強度を向上させるためには、境界部18a,18bの近傍の剛性を向上させ、境界部18a,18bの近傍に生じる応力を低減させることが重要である。このような観点から、本発明者らは、以下に説明する解析を行なった。なお、以下の説明では、境界部18a,18bの近傍において最大主応力の値が大きくなり易い部分を応力集中部ともいう。
以下に、解析モデル10の詳細な構成を示す。
(ベース部材)
厚み:2.6mm
上下方向(第2方向D2)の長さ:50mm
左右方向(第1方向D1)の長さ:300mm
前後方向(第1方向D1および第2方向D2に直交する方向)の長さ:150mm
穴12b,12cの中心間距離:230mm
穴12a,12dの中心間距離:230mm
穴12f,12gの中心間距離:230mm
穴12e,12hの中心間距離:230mm
穴12b,12aの中心間距離:100mm
穴12c,12dの中心間距離:100mm
上面13から穴12f,12g,12e,12hの中心までの上下方向の距離:25mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(接合部材)
厚み:2.6mm
上下方向の長さ:80mm
左右方向の長さ:70mm
前後方向の長さ:80mm
穴14aの位置:側壁部15aの中央
穴14bの位置:側壁部15bの中央
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(溶接ビード)
幅WB(図2参照):4.3mm
高さ(上下方向の長さ):5.0mm
接合部材の前端部から前方へ突出する部分の長さLB(図2参照):13.7mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
FEM解析では、ベース部材12の複数の穴12a〜12hに固定治具(剛体)を配置してベース部材12を固定するとともに、接合部材14の穴14a,14bに円柱状の部材(剛体)を通し、その部材を介して接合部材14を上方(ベース部材12から離れる方向)に2.0kNの力で引っ張った。そして、解析モデル10において、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力を求めた。その結果、最大主応力の最大値は、830MPaであった。なお、解析モデル10は、左右対称形状を有しているので、境界部18aの近傍の応力集中部に生じる最大主応力と、境界部18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力は等しい。
さらに、本発明者らは、図3に示す解析モデル10aを作成した。解析モデル10aは、上述の解析モデル10に対して、接合部材14の外側(左右方向において溶接ビード16から見て接合部材14とは反対側)でかつベース部材12の上面13に、溶接ビード16に対して平行に延びる(すなわち、前後方向に延びる)一対の補剛ビード20を形成した構成を有している。この解析モデル10aを用いて、上述の解析と同様に、接合部材14を上方に2.0kNの力で引っ張り、上記境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力を求めた。なお、本発明者らは、前後方向における補剛ビード20の中心位置Pが異なる複数の解析モデル10aを作成して、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力を求めた。補剛ビード20の形状は直方体とし、接合部材14と補剛ビード20との左右方向における距離dは5.3mmとした。
以下に、補剛ビード20の詳細な構成を示す。
(補剛ビード)
幅W1(左右方向の長さ):5.0mm
高さ(上下方向の長さ):2.0mm
前後方向の長さL1:32.0mm
距離d:5.3mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
図4は、解析結果を示す図である。具体的には、図4は、補剛ビード20の中心位置Pと境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値との関係を示す。なお、図4において、補剛ビード20の中心位置Pは、接合部材14の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離で示す。位置Pが正の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも前方の位置であることを意味し、位置Pが負の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも後方の位置であることを意味する。
図4に示した解析結果から、接合部材14の前端部14c,14dごとに、溶接ビード16から見て接合部材14とは反対側に、溶接ビード16に対して略平行に延びるように補剛ビード20を形成することによって、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値を、補剛ビードを有していない解析モデル10における最大主応力の最大値(830MPa)よりも十分に小さくすることが可能になることが分かった。これは、補剛ビード20によって境界部18a,18bの近傍の応力集中部の剛性が向上したからだと考えられる。
本解析では、補剛ビード20の中心位置Pが前端部14c,14d(位置P)よりも前方に10mmの位置よりも後方に位置付けられている場合に、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値を十分に小さくすることができた。また、補剛ビード20の中心位置Pが前端部14c,14d(位置P)から後方に7mm離れている場合に、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値が最も小さくなった。
上記の結果を踏まえて、本発明者らは、上記の補剛ビード20に加えて、別の補剛ビードを設けることを検討した。具体的には、図5に示すように、上述の解析モデル10aに対してさらに、溶接ビード16から離れた位置に一対の補剛ビード22を形成した解析モデル10bを作成し、上述の解析と同様の条件で解析を行った。
なお、解析モデル10bにおいて、各補剛ビード20の中心位置P(図3参照)は、補剛ビード20のみが存在する場合に、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値が最も小さくなる条件である、前端部14c,14d(位置P:図3参照)から後方に7mm離れた位置とした。各補剛ビード22は、補剛ビード20の延伸方向(前後方向)に対して直交する方向(左右方向)に、かつ補剛ビード20から接合部材14の外側に向かって延びるように形成した。各補剛ビード22の形状は直方体とし、幅W2は、5.0mmに設定し、高さは2.0mmに設定した。本解析では、前後方向における補剛ビード22の中心位置Pおよび左右方向における補剛ビード22の長さL2が異なる複数の解析モデル10bを作成して、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力を求めた。長さL2は、5.0mm、10.0mm、および15.0mmに設定した。
図6に解析結果を示す。なお、図6は、補剛ビード22の中心位置Pと境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値との関係を示す図である。なお、図6において、補剛ビード22の中心位置Pは、接合部材14(図5参照)の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離で示す。位置Pが正の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも前方の位置であることを意味し、位置Pが負の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも後方の位置であることを意味する。また、図6においては、上述の解析モデル10aを用いた解析における最大主応力の最大値の最小値(769MPa)を点線で示している。
図6に示した解析結果から、補剛ビード20に加えて、溶接ビード16から離れた位置に補剛ビード22を設けることによって、境界部18a,18bの近傍の応力集中部に生じる最大主応力の最大値を、解析モデル10aにおける最大主応力の最大値の最小値よりもさらに小さくすることが可能になることが分かった。これは、補剛ビード20に加えて補剛ビード22を適切な位置に形成することによって、補剛ビード20による剛性の向上効果をさらに高めることができたからだと考えられる。
なお、本解析では、補剛ビード22の長さL2が長いほど、応力集中部に生じる最大主応力の最大値が小さくなった。このことから、補剛ビード22の長さL2を長くすることによって、応力集中部の剛性を高くすることができ、応力集中部に生じる最大主応力を小さくできることが分かった。
一方で、本解析では、補剛ビード22の長さL2が長くなるほど、応力集中部に生じる最大主応力の最大値が最小値を示すときの補剛ビード22の中心位置Pが後方側に移動した。これは、寸法の大きい補剛ビード22を応力集中部の近くに形成すると、応力集中部の周辺の剛性が高くなる一方で、応力集中部の剛性が、その周辺の剛性に比べて相対的に低くなるからだと考えられる。言い換えると、寸法の大きい補剛ビード22を応力集中部に近付け過ぎると、補剛ビード22を形成することによる応力集中部の変形抑制効果が小さくなるからだと考えられる。
以上のことから、寸法が大きい補剛ビード22を形成する場合には、補剛ビード22を応力集中部から若干遠ざけることが好ましいことが分かる。例えば、溶接ビード16の前端部よりも後方において、左右方向に延びる補剛ビード22を複数形成する場合には、後方側に位置する補剛ビード22ほど、寸法(例えば、長さ)を大きくすることが好ましいと考えられる。
本発明者らは、上述の解析結果から、補剛ビード22の長さL2と、応力集中部の最大主応力の最大値が最小値を示すときの補剛ビード22の中心位置Pとの関係を整理した。その結果、下記の(1)式が得られた。
P=−0.04L2+0.2L2−5 ・・・(1)
なお、上記式において、Pは、境界部18a,18bの近傍の応力集中部の最大主応力の最大値が最小値を示すときの補剛ビード22の中心位置を表し、L2は、補剛ビード22の長さ(mm)を表す。なお、補剛ビード22の中心位置は、接合部材14(図5参照)の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離(mm)で示す。また、上記の(1)式において、中心位置Pが正の値で示される場合には、中心位置Pが位置Pよりも前方の位置であることを意味し、中心位置Pが負の値で示される場合には、中心位置Pが位置Pよりも後方の位置であることを意味する。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
(本発明の実施形態の説明)
以下、本発明の実施形態に係る溶接構造部材について図面を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。
図7に示すように、溶接構造部材31は、第1方向D1に延びるベース部材32と、第2方向D2に延びる接合部材34と、ベース部材32と接合部材34とを接合する溶接ビード36と、第1補剛ビード38と、第2補剛ビード39とを備えている。第1補剛ビード38および第2補剛ビード39は、溶接ビード36から離隔して形成されている。
溶接ビード36、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39はそれぞれ、例えば、アーク溶接によって形成される。なお、溶接ビード36、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39の材料としては、公知の種々の溶接材料を用いることができる。
なお、図7に示した例では、第2方向D2が第1方向D1に対して直交しているが、第2方向D2が第1方向D1に対して傾斜していてもよい。すなわち、本実施形態では、接合部材34は、ベース部材32に対して直交するようにベース部材32に溶接されているが、接合部材34が、ベース部材32に対して傾斜するようにベース部材32に溶接されてもよい。なお、以下においては、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図8は、ベース部材32および接合部材34を示す正面図である。なお、図8においては、溶接ビード36、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39の図示は省略している。図7および図8に示すように、ベース部材32は、第1板状部42を含む。第1板状部42は、平面42aを有する。なお、本実施形態では、第1板状部42のみによってベース部材32が構成されているが、ベース部材が、第1板状部42に加えて他の形状を有する部分(例えば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、ベース部材32が、図1に示したベース部材12と同様の形状を有していてもよい。
図8に示すように、接合部材34は、第2板状部44を含む。第2板状部44は、ベース部材32の平面42aに突き当てられた突き当て面44a、並びに突き当て面44aから平面42aに交差する方向(本実施形態では、第2方向D2)に延びる第1面44bおよび第2面44cを有する。第1面44bおよび第2面44cは、互いに平行に設けられる。なお、本実施形態では、第2板状部44のみによって接合部材34が構成されているが、接合部材が、第2板状部44に加えて他の形状を有する部分(例えば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、接合部材が、図1に示した接合部材14と同様の形状を有していてもよい。
ベース部材32および接合部材34の材料としては、例えば、鋼等の種々の金属材料を用いることができる。具体的には、例えば、ベース部材32および接合部材34の材料として、引張強度が270MPa以上の鋼板を用いることができる。特に、溶接構造部材31の強度を十分に確保するためには、例えば、ベース部材32および接合部材34の材料として高強度鋼板(例えば、引張強度が590MPa以上の鋼板)が用いられる。溶接構造部材31の強度をより向上させるためには、ベース部材32および接合部材34として用いられる鋼板の引張強度は、780MPa以上であることが好ましく、980MPa以上であることがより好ましく、1180MPa以上であることがさらに好ましい。また、ベース部材32および接合部材34としては、さらに高強度の鋼板(例えば、引張強度が1500MPa以上の鋼板)を用いることもできる。本実施形態では、ベース部材32および接合部材34として薄板が用いられる。本実施形態では、ベース部材32の第1板状部42の厚みおよび接合部材34の第2板状部44の厚みはそれぞれ、例えば4.5mm以下であり、自動車の足回り部材として使用される鋼板の厚みと同程度である。本実施形態では、第1板状部42および第2板状部44の厚みはそれぞれ、例えば、0.8mm〜4.5mmの範囲に設定される。
図9は、ベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード36、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39を、ベース部材32の平面42a(図8参照)に対して直交する方向(本実施形態では、第2方向D2)に投影した図である。なお、本実施形態では、図9に示すように、溶接ビード36の延伸方向における突き当て面44aの端部46a,46bごとに、前後方向を規定する。具体的には、突き当て面44aの端部46aを基準とした場合、該端部46aから溶接ビード36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。また、突き当て面44aの端部46bを基準とした場合、端部46bから溶接ビード36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。
図7および図9に示すように、溶接ビード36は、ベース部材32の平面42aと接合部材34とを接合する。本実施形態では、ベース部材32と接合部材34とは、溶接ビード36によって隅肉溶接されている。溶接ビード36は、突き当て面44aの第1面44b側の縁部に沿って前後方向に延びるように形成されている。
突き当て面44aの端部46aを基準として、溶接ビード36は、端部46aよりも前方に突出している。同様に、突き当て面44aの端部46bを基準として、溶接ビード36は、端部46bよりも前方に突出している。本実施形態では、溶接ビード36のうち、端部46aを基準として、端部46aよりも前方に突出する部分の長さLBは、例えば、20mm以下である。溶接ビード36のうち、端部46bを基準として、端部46bよりも前方に突出する部分の長さについても同様である。
なお、本実施形態では、1本の溶接ビード36によってベース部材32と接合部材34とが接合されているが、複数本のビードによってベース部材32と接合部材34とが接合されていてもよい。
第2板状部44の厚み方向(左右方向)において、第1補剛ビード38は、溶接ビード36から見て、第2板状部44とは反対側に設けられる。また、第1補剛ビード38は、ベース部材32の平面42a上において、溶接ビード36に対して略平行に延びるように形成される。言い換えると、第1補剛ビード38は、溶接ビード36に沿って直線状に延びるように形成される。本実施形態では、溶接ビード36と第1補剛ビード38とが接触しないように、左右方向における第1補剛ビード38と突き当て面44aとの距離d(図9参照)は、例えば5.3mm以上に設定されることが好ましい。
第1補剛ビード38は、第2板状部44の前端部と溶接ビード36との境界部の近傍の応力集中部の剛性を向上できる位置に形成される。なお、境界部の近傍とは、例えば、平面視において、境界部を中心とする半径10mm以内の領域を意味する。本実施形態では、例えば、左右方向において溶接ビード36から見て第2板状部44とは反対側の領域のうち、応力集中部の剛性を向上できる位置をFEM解析によって求め、求めた位置に、溶接ビード36に対して略平行に延びるように第1補剛ビード38を形成する。
なお、第1補剛ビード38によって応力集中部の剛性が向上することは、例えば、以下のようにして確認することができる。まず、第1補剛ビード38を有する溶接構造部材の解析モデル(以下、第1補剛モデルと記載する。)と、第1補剛モデルから第1補剛ビード38を取り除いた解析モデル(以下、基準モデルと記載する。)とを作成する。作成した2つの解析モデルにおいて、第2板状部44を第1板状部42の平面42aに直交する方向に引っ張り、上記応力集中部に生じる最大主応力の最大値を求める。そして、第1補剛モデルの応力集中部の最大主応力の最大値が、基準モデルの応力集中部の最大主応力の最大値よりも小さくなっていれば、第1補剛ビード38によって応力集中部の剛性が向上したと判断する。
なお、第1補剛ビード38による剛性の向上効果が確実に得られるように、左右方向における第1補剛ビード38と突き当て面44aとの距離d(図9参照)は、20mm以下に設定されることが好ましく、16mm以下に設定されることがより好ましい。
第2補剛ビード39は、溶接ビード36から離れた位置において、ベース部材32の平面42a上に設けられる。第2補剛ビード39は、第1補剛ビード38による剛性の向上効果を高めることができる位置に形成される。本実施形態では、例えば、溶接ビード36から離れた領域のうち、第1補剛ビード38による剛性の向上効果を高めることができる位置をFEM解析によって求め、求めた位置に、第2補剛ビード39を形成する。
なお、第2補剛ビード39を形成することによって、第1補剛ビード38による剛性の向上効果が高まることは、例えば、以下のようにして確認することができる。まず、上述の第1補剛モデルに対して第2補剛ビード39を形成した解析モデル(以下、第2補剛モデルと記載する。)を作成する。第1補剛モデルおよび第2補剛モデルにおいて、第2板状部44を第1板状部42の平面42aに直交する方向に引っ張り、上記応力集中部に生じる最大主応力の最大値を求める。そして、第2補剛モデルの応力集中部の最大主応力の最大値が、第1補剛モデルの応力集中部の最大主応力の最大値よりも小さくなっていれば、剛性の向上効果が高まったと判断する。
本実施形態では、第2補剛ビード39は、第2板状部44の厚み方向(左右方向)において、第1補剛ビード38から見て、第2板状部44とは反対側に設けられる。また、本実施形態では、第2補剛ビード39は、ベース部材32の平面42aに直交する方向から見て、第1補剛ビード38の延伸方向(前後方向)に対して直交する方向(左右方向)に延びるように設けられている。なお、本実施形態では、前後方向における第1補剛ビード38の長さが、左右方向における第2補剛ビード39の長さよりも長いが、第1補剛ビード38の長さが第2補剛ビード39の長さよりも短くてもよく、第1補剛ビード38の長さと第2補剛ビード39の長さとが等しくてもよい。
なお、第1補剛ビード38の長さおよび第2補剛ビード39の長さはそれぞれ、例えば、10.0mm以上に設定され、14.0mm以上に設定されることが好ましい。また、第1補剛ビード38の長さおよび第2補剛ビード39の長さはそれぞれ、50.0mm以下に設定されることが好ましい。第1補剛ビード38の幅および第2補剛ビード39の幅はそれぞれ、例えば、5.0〜9.0mmに設定される。
以上のように、本実施形態に係る溶接構造部材31では、第1補剛ビード38を形成することによって、第2板状部44の前端部と溶接ビード36との境界部の近傍の応力集中部の剛性を向上させることができる。さらに、第2補剛ビード39を形成することによって、第1補剛ビード38による剛性の向上効果を高めることができる。これにより、上記応力集中部において大きな応力が発生することを抑制することができ、溶接構造部材31の疲労強度を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、第2補剛ビード39の前後方向における中心が端部46aよりも後方に位置している。しかしながら、溶接構造部材の構成によっては、第2補剛ビードの前後方向における中心が、突き当て面の端部よりも前方に位置していてもよい。なお、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39の形成位置は、上述したように、解析モデルを用いて決定することができる。
上述の実施形態では、1つの第1補剛ビード38および1つの第2補剛ビード39を有する溶接構造部材31について説明したが、補剛ビードの数は、上述の例に限定されない。例えば、図10に示す溶接構造部材31Aのように、突き当て面44aの端部46bの近傍にも同様に、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39を形成してもよい。
上述の実施形態では、接合部材34が、平面視において直線状に延びる第2板状部44を有する場合について説明したが、第2板状部44の形状は上述の例に限定されない。
図11は、本発明のその他の実施形態に係る溶接構造部材31Bのベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード36、一対の第1補剛ビード38および一対の第2補剛ビード39を、ベース部材32の平面42a(図7参照)に対して直交する方向に投影した図である。なお、図11に示す溶接構造部材31Bが上述の溶接構造部材31と異なるのは、接合部材34の第2板状部44が平面視においてV字形状を有している点、溶接ビード36が平面視においてV字状に延びるように形成されている点、一対の第1補剛ビード38を有している点、および一対の第2補剛ビード39を有している点である。
本実施形態では、上記のように、第2板状部44が平面視においてV字形状を有しているので、突き当て面44aも、平面視においてV字形状を有している。溶接ビード36は、接合部材34(第2板状部44)の外面に沿ってV字状に延びるように設けられている。
本実施形態では、図11に示すように、上記突き当て面44aの一対の端部(溶接ビード36の延伸方向における端部)ごとに、上述の実施形態と同様に前後方向を定義して、上記一対の端部に対してそれぞれ第1補剛ビード38および第2補剛ビード39が形成される。これにより、第2板状部44の両端部と溶接ビード36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。その結果、溶接構造部材31Bの疲労強度を向上させることができる。
上述の実施形態では、第1補剛ビード38に接続されるように第2補剛ビード39を形成する場合について説明したが、第1補剛ビード38および第2補剛ビード39の位置関係は、上述の例に限定されない。
例えば、図12に示す溶接構造部材31Cのように、第2補剛ビード39を第1補剛ビード38から離れた位置に形成してもよい。また、例えば、図13に示す溶接構造部材31Dのように、左右方向において第2板状部44から見て溶接ビード36とは反対側に第2補剛ビード39を形成してもよい。また、例えば、図14および図15に示す溶接構造部材31E,31Fのように、第2板状部44の両側に第2補剛ビード39を形成してもよい。
図9に示した溶接構造部材31では、第1補剛ビード38に対して1本の第2補剛ビード39が設けられているが、図16に示す溶接構造部材31Gのように、第1補剛ビード38に対して、第1補剛ビード38の延伸方向に直交する方向に延びる複数の第2補剛ビード39が設けられてもよい。
なお、上述したように、寸法の大きい補剛ビードを応力集中部の近くに形成すると、応力集中部の周辺の剛性が高くなる一方で、応力集中部の剛性が、その周辺の剛性に比べて相対的に低くなるおそれがある。このため、溶接ビード36の前端よりも後方に複数の第2補剛ビード39を形成する場合には、本実施形態に係る溶接構造部材31Gのように、後方側に位置する第2補剛ビード39ほど長さが長くなるように、複数の第2補剛ビード39を形成することが好ましい。ただし、溶接構造部材の構成によっては、図17に示す溶接構造部材31Hのように、前方側の第2補剛ビード39の長さを、後方側の第2補剛ビード39よりも長くしてもよい。
なお、図16および図17に示すように複数の第2補剛ビード39を形成する場合も、図12の溶接構造部材31Cと同様に、第1補剛ビード38から離れた位置に第2補剛ビード39を形成してもよく、図14の溶接構造部材31Eと同様に、第2板状部44の両側に第2補剛ビード39を形成してもよい。また、図13の溶接構造部材31Dと同様に、左右方向において第2板状部44から見て第1補剛ビード38とは反対側に複数の第2補剛ビード39を形成してもよい。
上述の実施形態では、第1補剛ビード38の延伸方向に対して直交する方向に延びるように第2補剛ビード39が形成されているが、第2補剛ビード39の延伸方向は上述の例に限定されない。例えば、図18に示す溶接構造部材31Iのように、第1補剛ビード38から見て溶接ビード36とは反対側において、第1補剛ビード38に対して略平行に延びるように第2補剛ビード39が形成されてもよい。
また、例えば、図19に示す溶接構造部材31Jのように、第2板状部44から見て溶接ビード36とは反対側において、突き当て面44aの第2面44c(図8参照)側の縁部に対して略平行に延びるように第2補剛ビード39が形成されてもよい。なお、図19に示した例では、第1補剛ビード38の長さが第2補剛ビード39の長さよりも長いが、図20に示す溶接構造部材31Kのように、第1補剛ビード38の長さが第2補剛ビード39の長さよりも短くてもよく、図21に示す溶接構造部材31Lのように第1補剛ビード38の長さと第2補剛ビード39の長さとが略等しくてもよい。なお、本明細書において、第1補剛ビードの長さと第2補剛ビードの長さとが略等しいとは、第1補剛ビードの設計上の長さ(狙いの寸法)と第2補剛ビードの設計上の長さ(狙いの寸法)とが等しいことを意味する。第1補剛ビードの設計上の長さと第2補剛ビードの設計上の長さとが等しい場合、第1補剛ビードの長さおよび第2補剛ビードの長さの比は、例えば、0.9〜1.1の範囲内であることが好ましい。
なお、詳細な説明は省略するが、前後方向において、第1補剛ビード38の中心が第2補剛ビード39の中心よりも前方に位置してもよいし、後方に位置してもよい。また、例えば、図22に示す溶接構造部材31Mのように、ベース部材32の平面42a(図8参照)に直交する方向から見て、第1補剛ビード38と第2補剛ビード39とが、突き当て面44aの第2面44c(図8参照)側の縁部を対称軸として線対称となる位置に設けられてもよい。なお、本明細書において、第1補剛ビードと第2補剛ビードとが、突き当て面の第2面側の縁部を対称軸として線対称となる位置に設けられるとは、平面視において、上記第2面側の縁部を中心として第2補剛ビード39を反転させた場合に、反転後の第2補剛ビード39の少なくとも一部と第1補剛ビード38の形成領域とが重なることを意味する。
また、上述の実施形態では、第1補剛ビード38の前端が突き当て面44aの端部よりも前方に位置し、第1補剛ビード38の後端が突き当て面44aの端部よりも後方に位置しているが、第1補剛ビードの前端が、突き当て面の端部よりも後方に位置していてもよく、第1補剛ビードの後端が、突き当て面の端部よりも前方に位置していてもよい。
また、上述の実施形態では、第2補剛ビード39の少なくとも一部が、第1補剛ビード38の前端よりも後方で第1補剛ビード38の後端よりも前方に設けられているが、第1補剛ビード38による剛性向上効果を高めることができるのであれば、第2補剛ビード39の後端が第1補剛ビード38の前端よりも前方に位置していてもよく、第2補剛ビード39の前端が第1補剛ビード38の後端よりも後方に位置していてもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、上述の解析モデル10と同様に、接合部材が平面視においてU字形状を有している場合にも、上記突き当て面の端部ごとに前後方向を定義して、本発明を適用できる。
本発明によれば、優れた疲労強度を有する溶接構造部材が得られる。したがって、本発明に係る溶接構造部材は、たとえば、車体の構成部材として好適に用いることができる。
10,10a,10b 解析モデル
12,32 ベース部材
14,34 接合部材
16,36 溶接ビード
20,22 補剛ビード
38 第1補剛ビード
39 第2補剛ビード
31,31A〜31M 溶接構造部材

Claims (7)

  1. 平面を有する第1板状部を含み、かつ金属からなるベース部材と、
    前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する第2板状部を含み、かつ金属からなる接合部材と、
    前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビードと、
    前記溶接ビードから見て前記第2板状部とは反対側において前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビードに対して略平行に延びる第1補剛ビードと、
    前記溶接ビードから離れた位置において前記ベース部材の前記平面上に設けられる第2補剛ビードとを備える、溶接構造部材。
  2. 前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とした場合に、
    前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
    前記第1補剛ビードは、前記第2板状部の前端部と前記溶接ビードとの境界部の近傍の剛性を向上させ、
    前記第2補剛ビードは、前記第1補剛ビードによる剛性の向上効果を高める、請求項1に記載の溶接構造部材。
  3. 前記ベース部材の前記平面に直交する方向から見て、前記第2補剛ビードは、前記第1補剛ビードの延伸方向に対して直交する方向に延びる、請求項1または2に記載の溶接構造部材。
  4. 前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とした場合に、
    前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
    前記溶接ビードの前端よりも後方に、前記直交する方向に延びる複数の前記第2補剛ビードが設けられ、
    前記直交する方向における前記第2補剛ビードの長さは、前記後方側に位置する前記第2補剛ビードほど長い、請求項3に記載の溶接構造部材。
  5. 前記第2補剛ビードは、前記第2板状部から見て前記溶接ビードとは反対側において、前記突き当て面の前記第2面側の縁部に対して略平行に延びる、請求項1または2に記載の溶接構造部材。
  6. 前記第1補剛ビードの長さと前記第2補剛ビードの長さとは略等しい、請求項5に記載の溶接構造部材。
  7. 前記ベース部材の前記平面に直交する方向から見て、前記第1補剛ビードと前記第2補剛ビードとは、前記突き当て面の前記第2面側の縁部を対称軸として線対称となる位置に設けられている、請求項5または6に記載の溶接構造部材。
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