JP2021002052A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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悦夫 久米
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敬之 名田
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Satoshi Iwata
智 岩田
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【課題】偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れる偏光板の製造方法を提供する。【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素又は二色性染料が吸着配向している偏光フィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型接着剤により、熱可塑性樹脂から形成される保護フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、前記保護フィルムを水と接触させる工程(a)、前記工程(a)を経た保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルム上に、紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層を形成する工程(b)、前記接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させて積層フィルムを得る工程(c)、及び前記積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程(d)を備えることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板の製造方法に関するものである。
液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示装置には、偏光フィルムが用いられている。
偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素または二色性染料が吸着配向してなるものが広く用いられており、通常は保護フィルムと貼り合わされて偏光板とされている。例えば特開2008−287207号公報(特許文献1)には、偏光フィルムに透明保護フィルムをそのまま活性エネルギー線硬化型接着剤を介して貼合し、この接着剤を硬化させて偏光板を製造する方法が開示されている。しかし、これらの接着強度は、必ずしも十分ではなく、剥れなどが生じることがあった。
特開2008−287207号公報、特に段落0098等
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、偏光フィルムと熱可塑性樹脂から形成される保護フィルムとの接着性に優れる偏光板の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素又は二色性染料が吸着配向している偏光フィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型接着剤により、熱可塑性樹脂から形成される保護フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、
前記保護フィルムを水と接触させる工程(a)、
前記工程(a)を経た保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルム上に、紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層を形成する工程(b)、
前記接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させて積層フィルムを得る工程(c)、及び
前記積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程(d)
を備えることを特徴とする偏光板の製造方法を提供する。
上記の製造方法において、保護フィルムを水と接触させる工程(a)の前に、保護フィルムを加熱する工程(a−1)を含むことができる。
また上記の紫外線硬化型接着剤は、接着剤層を形成する前に加熱されることができる。さらに、この紫外線硬化型接着剤は、カチオン重合型のエポキシ系接着剤であることが好ましく、このエポキシ系接着剤は、分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。このエポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂に加えて光カチオン重合開始剤を含むことができる。
本発明において、保護フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂であることが好ましい。また本発明における保護フィルムは、保護フィルムを水と接触させる工程の後における含水率が、0.2〜5重量%であることが好ましい。
本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる保護フィルム、特にアクリル系樹脂からなる保護フィルムを水と接触させることよって、偏光フィルム及び保護フィルムの接着性に優れる偏光板を提供することができる。本発明により得られる偏光板は、液晶表示装置に好適に用いることができる。
本発明は、偏光フィルムに紫外線硬化型接着剤を用いて熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、保護フィルムを水と接触させる工程、保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルムの片面に、紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を形成する工程、接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させて積層フィルムを得る工程、及び積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程を備えることを特徴とする。
[偏光板]
本発明の製造方法により得られる偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、熱可塑性樹脂からなる保護フィルムが紫外線硬化型接着剤により貼合された構成を有する。
〔偏光フィルム〕
本発明に用いられる偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなるものであり、具体的にはポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向しているものである。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂には、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体の例としては、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有するアクリルアミドなどが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上であり、98モル%以上であるのが好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒドで変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール及びポリビニルブチラールなども用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000程度であり、1500〜5000程度であるのが好ましい。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、従来公知の適宜の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は、例えば10〜150μm程度である。
偏光フィルムは、通常、上記したようなポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、及びこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て製造される。
また、偏光フィルムの製造に際し、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前に行なってもよいし、染色処理工程中に行なってもよいし、染色処理工程の後に行なってもよい。一軸延伸を染色処理工程の後に行なう場合、一軸延伸は、ホウ酸処理工程の前に行なってもよいし、ホウ酸処理工程中に行なってもよい。もちろん、これら複数の段階で一軸延伸を行なうことも可能である。一軸延伸は、周速の異なるロール間で延伸してもよいし、熱ロールを用いて延伸してもよい。また、大気中で延伸を行なう乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行なう湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
染色処理工程では、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素により染色するが、例えば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させることによって行なわれる。二色性色素としては、例えば、ヨウ素、二色性染料などが用いられる。二色性染料には、例えば、C.I.DIRECT RED 39 などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾ化合物などからなる二色性直接染料が包含される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させて染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1800秒である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させて染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部、好ましくは1×10-3〜1重量部であり、さらに好ましくは1×10-3〜1×10-2重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、またこの水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1800秒である。
ホウ酸処理工程は、二色性色素により染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬することにより行なわれる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。上記の染色処理工程において二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸処理工程に用いるホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。この場合、ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常60〜1200秒、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
続く水洗処理工程では、ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムから余分なホウ酸やヨウ素等の薬剤を除去するが、例えば、フィルムを水に浸漬させることによって行われる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃であり、浸漬時間は、通常1〜120秒である。水洗処理の後、フィルムに乾燥処理が施されて偏光フィルムが得られる。乾燥処理には、例えば、熱風乾燥機、遠赤外線ヒータなどを用いることができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、乾燥時間は、通常60〜600秒、好ましくは120〜600秒である。
得られた偏光フィルムの厚さは、通常5〜40μmの範囲内であることが好ましく、5〜30μmであるのがより好ましい。
〔保護フィルム〕
本発明に用いられる保護フィルムは、偏光フィルムを物理的・化学的に保護するためのフィルムであり、熱可塑性樹脂から構成されるものである。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアクリレート及びポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ジアセチルセルロース及びトリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂など、透明高分子材料が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂は、本発明により得られる偏光板において、偏光フィルムと保護フィルムとの接着性が効果的に向上することから好適であり、アクリル系樹脂が特に好適である。なお、熱可塑性樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤などの添加剤を含有させることができる。熱可塑性樹脂は、キャスト法又は押出し法などの公知の方法により製膜し、保護フィルムとすることができる。
上記のシクロオレフィン系樹脂とは、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のシクロオレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂である。シクロオレフィン系樹脂は、単一のシクロオレフィンを用いた開環重合体の水素添加物や2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、シクロオレフィンと、鎖状オレフィン及び/又はビニル基を有する芳香族化合物などとの付加共重合体であってもよい。また、主鎖あるいは側鎖に極性基が導入されているものも有効である。
市販の熱可塑性シクロオレフィン系樹脂としては、Topas Advanced Polymers GmbH社製で、ポリプラスチックス(株)から販売されている“Topas”、JSR(株)から販売されている“アートン”(ARTON )(登録商標)、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”(登録商標)(以上、いずれも商品名)などがあり、これらを好適に用いることができる。
また、上記したアクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル系樹脂を好適に用いることができる。メタクリル酸メチル系樹脂とは、樹脂全量を100重量%としたときにメタクリル酸メチルに由来する構造単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチルに由来する構造単位は、樹脂全体において、好ましくは70重量%以上含まれる。また、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体であってもよい。
メタクリル酸メチル系樹脂は、上記のとおり、樹脂中にメタクリル酸メチルに由来する構造単位を50重量%以上含むものであれば、メタクリル酸メチルと、これに共重合し得る単量体との共重合体であってもよい。メタクリル酸メチルと共重合し得る単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸及びアクリル酸等の不飽和酸;クロロスチレン及びブロモスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキルスチレン等の置換スチレン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどを挙げることができる。かかる単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記のメタクリル酸メチル系樹脂には、ゴム状重合体を添加してもよい。ゴム状重合体の添加により、アクリル系樹脂フィルムが柔軟なものとなる。これにより、フィルム成形する際に張力をかけながらフィルムを巻き取る作業において、フィルムの一部に応力が集中してフィルム端部にクラックが入る又はフィルムが切断されるという問題を回避できるため、フィルムを収率よく製造することが可能となる。また、偏光フィルムとの貼合時においても、フィルムに生じる割れが抑制でき、フィルムが切断される問題が回避されるため、フィルムの取扱いが容易になる。
ゴム状重合体としては、アクリル系多層構造重合体、ゴム成分にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体などが挙げられる。アクリル系多層構造重合体は、内部にゴム弾性の層又はエラストマーの層を有し、さらに最外層として硬質層を有する多層構造体である。ゴム弾性の層又はエラストマーの層は、例えば、ゴム状重合体全体の重量として20〜60重量%とすることができる。アクリル系多層構造重合体は、最内層として硬質層をさらに有する構造であってもよい。
ゴム弾性の層又はエラストマーの層は、ガラス転移点(Tg)が25℃未満のアクリル系重合体からなる層である。ゴム弾性の層又はエラストマーの層を形成するアクリル系重合体は、低級アルキル(メタ)アクリレート、低級アルコキシ(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和単量体の1種以上を、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルシンナメートなどの多官能単量体とともに重合することにより得られる架橋重合体である。
硬質層とは、Tgが25℃以上のアクリル系重合体からなる層である。このようなアクリル系重合体としては、炭素数1〜4個のアルキル基を有するアルキルメタクリレートの単独重合体、及びこのアルキルメタクリレートを主成分とし、他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の共重合可能な単官能単量体と共重合させた共重合体などが挙げられる。また、硬質層を形成するアクリル系重合体は、この単官能単量体にさらに多官能単量体を加えて重合させた架橋重合体であってもよい。このようなアクリル系重合体としては、例えば、特公昭55-27576 号公報、特開平6-80739号公報及び特許第987868号公報に記載のものを挙げることができる。
ゴム成分にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体は、ゴム成分由来の構造単位を5〜80重量%含有する(したがって、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を95〜20重量%含有する)ことが好ましい。ゴム成分として、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系ゴム;ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル系ゴム;及びエチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴム等を用いることができる。ゴム成分として、2種以上の成分を使用してもよい。エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、なかでもアクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレートなどのアクリル系不飽和単量体が好ましく用いられる。かかるグラフト共重合体として、特開昭55-147514号公報や特公昭47-9740号公報に記載のものを用いることができる。
以上のようなアクリル系樹脂からなる保護フィルムは、後述する保護フィルムを水と接触させる工程を施すと、接着性が向上するという効果を発現しやすい傾向にある。
上記のセルロース系樹脂とは、セルロースの部分エステル化物又は完全エステル化物を意味し、例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、及びそれらの混合エステルなどを挙げることができる。より具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。なかでも、トリアセチルセルロースが接着性と入手しやすさから、好適である。
セルロース系樹脂フィルムは、市販品を入手することができ、例えば、富士フィルム(株)製の“フジタック(登録商標)TD80”、“フジタック(登録商標)TD80UF”及び“フジタック(登録商標)TD80UZ”、コニカミノルタ(株)製の“KC8UX2M”及び“KC8UY”(以上、いずれも商品名)などが挙げられる。
保護フィルムは、偏光板の薄型軽量化の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下であり、また好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上である。本発明の製造方法においては、例えば、長尺状の保護フィルムがロールに巻き取られているロール状保護フィルムが用いられる。
〔紫外線硬化型接着剤〕
保護フィルム及び偏光フィルム間に介在する接着剤層の形成に用いられる接着剤には、通常、水系接着剤及び紫外線硬化型接着剤が挙げられるが、本発明では紫外線硬化型接着剤を使用する。
紫外線硬化型接着剤としては、その硬化様式により分類するとラジカル重合型接着剤、カチオン重合型接着剤などを挙げることができ、硬化成分の化学種により分類するとアクリル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤などを挙げることができる。本発明では、これらのいずれを用いてもよく、またこれら2種以上の混合物を用いてもよいが、取り扱い易さ、得られる接着強度などの観点から、カチオン重合型のエポキシ系接着剤が好適に用いられる。ここで、エポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を有し、エポキシ基の開環を伴う重合反応により硬化する化合物又はポリマーのことを言い、この分野での慣例に従い、モノマーであってもエポキシ樹脂と称する。
紫外線硬化型接着剤に含有されるエポキシ樹脂としては、耐候性、屈折率及びカチオン重合性などの観点から、分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂が好適に用いられる。分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂としては、水素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。
水素化エポキシ樹脂は、芳香族エポキシ樹脂を触媒の存在下、加圧条件で選択的に核水素化反応を行なうことにより得ることができる。芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェールFジグリシジルエーテル及びビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂及びヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル及びエポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ樹脂などが挙げられる。なかでも、水素化エポキシ樹脂として、水素化されたビスフェノールAグリシジルエーテルを用いることが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂とは、脂環式環に結合しているエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ樹脂を意味する。脂環式環に結合しているエポキシ基とは、下式(I)に示すように、エポキシ基(−O−)の2本の結合手が脂環式環を構成する2個の炭素原子(通常は隣り合う炭素原子)にそれぞれ直接結合していることを意味する。下式(I)において、mは2〜5の整数である。
Figure 2021002052
上記式(I)における(CH2)m中の水素原子を1個又は複数個の取り除いた形の基を有する化合物が、脂環式エポキシ樹脂となることができる。脂環式環を構成する水素は、メチル基やエチル基などの直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。なかでも、エポキシシクロペンタン構造〔上記式(I)においてm=3のもの〕や、エポキシシクロヘキサン構造〔上記式(I)においてm=4のもの〕を有するエポキシ樹脂は、偏光フィルムと保護フィルムとの接着強度に優れる接着剤を与えることから好ましく用いられる。以下に、脂環式エポキシ樹脂の具体的な例を掲げる。ここでは、まず化合物名を挙げ、その後、それぞれに対応する化学式を示すこととし、化合物名とそれに対応する化学式には同じ符号を付す。
A:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
B:3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
C:エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
D:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル) アジペート、
E:ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、
F:ジエチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、
G:エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、
H:2,3,14,15−ジエポキシ−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン、
I:3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
J:4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、
K:リモネンジオキサイド、
L:ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、
M:ジシクロペンタジエンジオキサイドなど。
Figure 2021002052
なかでも、エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)は、入手が比較的容易あるなどの理由から好ましい。
また、上記した脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを挙げることができる。より具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;並びに、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等の脂肪族多価アルコールのモノグリシジルエーテルなどが挙げられる。
本発明において、エポキシ樹脂は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
各エポキシ樹脂のエポキシ基の量を示す尺度としてエポキシ当量がある。エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量であり、数値が低い方が、官能基量が多いと判断できる。エポキシ当量の測定方法は、精秤したエポキシ樹脂試料をクロロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、0.1mol/L過塩素酸酢酸標準液によって電位差滴定する。過塩素酸−酢酸標準液の滴加が行われると、過塩素酸と臭化テトラエチルアンモニウムが反応して臭化水素を生成する。生成された臭化水素はエポキシ基と反応する。全てのエポキシ基が反応して臭化水素が過剰になったところを終点検出してエポキシ当量を測定する。
本発明で使用するエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常30〜3000g/当量、好ましくは50〜1500g/当量の範囲内である。エポキシ当量が30g/当量を下回ると硬化後の接着剤層の可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする可能性がある。一方で、3000g/当量を超えると、接着剤に含有される他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
本発明においては、上記のように、エポキシ樹脂は、その硬化様式がカチオン重合のものが好ましい。そのため、紫外線硬化型接着剤は、光カチオン重合開始剤を含むことが好ましい。光カチオン重合開始剤は、紫外線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させる。いずれのタイプのカチオン重合開始剤が用いられてもよい。
光カチオン重合開始剤を添加し、紫外線を照射して接着剤を硬化させる方法は、常温での硬化が可能となり、偏光フィルムの熱による色相変化が起き難い点、また保護フィルムと偏光フィルムとを高い接着強度で接合できる点で有利である。光カチオン重合開始剤は、光で触媒的に作用するため、これをエポキシ樹脂に混合しても、接着剤は保存安定性及び作業性に優れる。
光カチオン重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩、鉄−アレーン錯体などを挙げることができる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなどが挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
鉄−アレーン錯体としては、例えば、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなどが挙げられる。
これら光カチオン重合開始剤の市販品は、容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、日本化薬(株)製の“カヤラッド(登録商標) PCI-220”、“カヤラッド(登録商標) PCI-620”、ダウ・ケミカル社製の“UVI−6990”、(株)ADEKA製の“アデカオプトマー(登録商標) SP-150 ”、“アデカオプトマー(登録商標) SP-170 ”日本曹達(株)製の“CI−5102”、“CIT−1370”、“CIT−1682”、“CIP−1866S”、“CIP−2048S”、“CIP−2064S”みどり化学(株)製の“DPI−101”、“DPI−102”、“DPI−103”、“DPI−105”、“MPI−103”、“MPI−105”、“BBI−101”、“BBI−102”、“BBI−103”、“BBI−105”、“TPS−101”、“TPS−102”、“TPS−103”、“TPS−105”、“MDS−103”、“MDS−105”、“DTS−102”、“DTS−103”、ローディア社製の“PI−2074”などを挙げることができる。なかでも、日本曹達(株)製の“CI−5102”は、好ましい光カチオン重合開始剤の一つである。
上記の光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも、特に芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械的強度及び接着強度を有する硬化物を与えることができるため、好ましく用いられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1重量部以上、また好ましくは15重量部以下である。この光カチオン重合開始剤の配合量が 0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、機械的強度又は接着強度が低下する傾向にある。また、光カチオン重合開始剤の配合量が20重量部を超えると、硬化物中のイオン性物質が増加することによって硬化物の吸湿性が高くなり、偏光板の耐久性能が低下する可能性がある。
光カチオン重合開始剤を用いる場合、紫外線硬化型接着剤は、必要に応じ、さらに光増感剤を含有することができる。光増感剤を使用することで、カチオン重合の反応性が向上し、硬化物の機械的強度及び接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。具体的な例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、及び2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、及び2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、及びN−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;及び、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物などを挙げることができる。ただし、これらに限定されるものではない。これらの光増感剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。光増感剤は、紫外線硬化型接着剤100重量部中、0.1〜20重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
紫外線硬化型接着剤は、オキセタンやビニルエーテル、ポリオールなど、カチオン重合を促進させる化合物をさらに含有してもよい。
オキセタンとは、分子内に4員環エーテルを有する化合物である。オキセタンの例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどを挙げることができる。これらオキセタンの市販品は、容易に入手することが可能であり、例えば、いずれも商品名で、東亞合成(株)製の“アロンオキセタン(登録商標) OXT-101”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-121”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-211”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-221”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-212”などを挙げることができる。オキセタンは、紫外線硬化型接着剤中、通常5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%の割合で含有される。
ビニルエーテルとしては、ビニル基を分子内に一つ有する単官能のビニルエーテル、及びビニル基を分子内に二つ以上有する多官能のビニルエーテルを使用することができる。また、必要に応じ、水酸基、カルボキシル基、エポキシなどのような、ビニル基と異なる他の官能基を含有したものも使用可能である。
単官能のビニルエーテルの具体例としては、プロピルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジシクロペンタンジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、アセトキシエチルビニルエーテル、アセトキシブチルビニルエーテル、アセチルシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、アセチルジエチレングリコールモノビニルエーテルを挙げることができる。また、水酸基を有するビニルエーテルの具体例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテルを挙げることができる。エポキシ基を有するビニルエーテルとしては、グリシジロキシエチルビニルエーテル、グリシジロキシブチルビニルエーテル、グリシジルシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、グリシジルジエチレングリコールモノビニルエーテルなどを挙げることができる。
2官能のビニルエーテルの具体例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、水添ビスフェノールAジビニルエーテルなどが挙げられる。これらジビニルエーテル化合物の中でも、アルカンジオール又はオリゴアルキレングリコールのジビニルエーテルが好ましく、とりわけ、入手が容易などの理由から好ましいものを挙げると、ジエチレングリコールジビニルエーテルがある。
3官能のビニルエーテルの具体例としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールプロパンエトキシレートトリビニルエーテルなどが挙げられる。
上記のポリオールは、フェノール性水酸基以外の酸性基が分子中に存在しないものが好ましい。このようなポリオールとしては、例えば、水酸基以外の官能基を有しないポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物、ポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。これらのポリオールの分子量は、通常48以上、好ましくは62以上、さらに好ましくは100以上、また好ましくは1000以下である。ポリオールは、紫外線硬化型接着剤中、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で含有される。
紫外線硬化型接着剤はさらに、本発明の効果を損なわない限り、その他の添加剤、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、増感剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤などを含有することができる。またイオントラップ剤としては、例えば、粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、カルシウム系、及びチタン系等の無機化合物及びこれらの混合物が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
〔偏光板の製造方法〕
本発明の偏光板の製造方法は、以下の工程(a)〜工程(d)を備えることを特徴とする。
(a)保護フィルムを水と接触させる工程、
(b)保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルムの片面に、紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を形成する工程、
(c)接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させることにより積層フィルムを得る工程、及び
(d)積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程。
本明細書中において、保護フィルムを水と接触させる工程(a)を「工程(a)」と、保護フィルムの片面に、紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を形成する工程(b)を「工程(b)」と、接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを貼合することにより積層フィルムを得る工程(c)を「工程(c)」と、積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程(d)を「工程(d)」とそれぞれ呼ぶことがある。各工程について詳細に説明する。
〔工程(a)〕
工程(a)では、保護フィルムを水と接触させる。この工程は、例えば、保護フィルムを加湿した槽の中を通過させ、蒸気を吹き付け、又はスプレーなどで水を吹き付けたりするように、大気中で行う方法で行ってもよいし、保護フィルムを水に浸漬するように水中で行う手法で行ってもよい。この工程により、例えば、保護フィルムの含水率を調整することができる。保護フィルムの含水率を調整する場合は、偏光板の製造環境の温度及び湿度の空気中(雰囲気下)において、保護フィルム中の水分量が、その雰囲気中で平衡に達した状態の含水率(平衡含水率)よりも高くなるように行うことが好ましい。工程(a)は、後述する工程(d)よりも前の段階で行われればよく、最初に行ってもよいし、工程(b)又は工程(c)の後に行ってもよいが、工程(b)の前に行うことが好ましい。なお、工程(a)を、工程(b)又は工程(c)の後に行う場合は、工程(a)を大気中で行うことが好ましい。
工程(a)によって、偏光フィルム及び保護フィルムの接着性が改善された偏光板を得ることができる。この効果は、保護フィルムがアクリル樹脂フィルムであるときにより顕著となる。
工程(a)を大気中で行う場合は、25〜80℃の温度において行うことが好ましく、25〜50℃で行うことがより好ましく、30〜50℃で行うことがさらに好ましい。温度が80℃を超えると、保護フィルム、紫外線硬化型接着剤又は偏光フィルムが熱により劣化する可能性がある。また温度が25℃未満であると、保護フィルムの含水率が向上しにくくなる。また、工程(a)を大気中で行う場合は、相対湿度60〜90%の雰囲気下で行うことが好ましく、相対湿度70〜90%の雰囲気下で行うのがより好ましい。相対湿度が60%未満であると保護フィルムの含水率が向上しにくくなる。一方で、相対湿度が90%を越えると、保護フィルム上に水滴が付着し、これが原因となって保護フィルムに水滴痕が残るなどの不具合が発生したり、過剰な水分が接着剤の硬化に影響を与える可能性がある。
工程(a)を大気中で行う場合における処理時間は、0.2秒以上であることが好ましく、1秒以上であることがより好ましく、5秒以上であることがさらに好ましい。また、処理時間は、1時間以下であることが好ましく、10分以下であることがより好ましく、5分以下であることがさらに好ましい。処理時間が0.2秒未満であると、接着剤と偏光フィルムとの接着性が十分に向上しない傾向にあり、また1時間を超えると、生産性が低下する傾向にある。
本発明の製造方法は、工程(a)の前に、さらに熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを加熱する工程(a−1)を含んでいてもよい。以下、熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを加熱する工程(a−1)を「工程(a−1)」と呼ぶことがある。
工程(a−1)は、保護フィルム表面の凸凹を均一にする目的で行う。フィルムを加熱する温度は、保護フィルムを構成する樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度であるのが好ましく、ガラス転移点より5〜45℃低い温度で行うことがより好ましい。温度が低すぎると、表面を均一化する効果を得られにくい傾向にあり、またガラス転移点を超える温度では、フィルムが伸びることから製造装置においてフィルムを搬送するのが困難となることがある。また、加熱時間は、0.2秒以上であることが好ましく、1秒以上であることがより好ましく、5秒以上であることがさらに好ましい。また、加熱時間は、1時間以下であることが好ましく、10分以下であることがより好ましく、5分以下であることがさらに好ましい。保護フィルムの加熱は、フィルムの種類や製造環境によっても異なるため、採用する保護フィルムに応じて適宜の温度、時間で行えばよい。保護フィルムの加熱は通常、保護フィルムを水と接触させない非接触の条件下、例えば相対湿度20%以下の雰囲気下で行う。
保護フィルムを加熱する方法は、例えば、ロール状の保護フィルムから引き出された長尺の保護フィルムを順次、加熱された槽内を通過させる方法、長尺の保護フィルムに送風機などを用いて加熱した空気を吹き付ける方法などを挙げることができる。工程(a−1)を行う場合は、保護フィルムを水と接触させる前に行うことが好ましい。工程(a−1)を行うことで、保護フィルムの面質を向上させることができ、表面が均質な面質の偏光板を得ることができる。
本発明の製造方法は、上記の工程(a−1)を行う場合、この工程(a−1)の後に、保護フィルムを水と接触させる工程(a)を行う。
以上に説明した工程(a)を経た保護フィルムの含水率は、通常0.2〜5重量%であり、好ましくは0.4〜2重量%、さらに好ましくは0.6〜1.6重量%である。この含水率は、工程(a−1)の実施によらず、工程(a)を行った後の範囲となる。
この保護フィルムの含水率は、光透過法により測定した水分測定値(赤外線水分率計を用いて測定した値)に基づき算出した換算値である。本明細書において、保護フィルムの含水率は、以下のようにして算出される。まず工程(a)の条件の異なる保護フィルムを数種準備し、これらの保護フィルムについて光透過法により測定し、次いで、これらの保護フィルムの含水率を乾燥重量法(105℃で1時間乾燥させて乾燥前後の重量差により含水率を求める)により求め、光透過法による測定値と乾燥重量法による含水率とで検量線を作成する。保護フィルムの含水率は、光透過法による測定値を作成した検量線と照らし合わせることにより、含水率が算出される。
赤外線水分率計としては、例えば、倉敷紡績(株)製の拡散反射型赤外線膜厚計(RX−300)や(株)チノー製の赤外線多成分計(IMシリーズ IRMA1100S)などを使用することができる。
〔工程(b)〕
工程(b)では、工程(a)を経た保護フィルム及び/又は偏光フィルムの片面に、紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を形成する。工程(a)を経た保護フィルムは、上記のとおり、通常0.2〜5重量%の含水率である。接着剤層は、保護フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面に形成されてもよいし、偏光フィルムにおける保護フィルムとの貼合面に形成されてもよいし、双方に形成されてもよいが、本発明の製造方法では、保護フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面に接着剤層を形成することが好ましい。接着剤の塗工は、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。各塗工方式には、各々最適な粘度範囲があるため、溶剤を用いて接着剤の粘度調整を行なうことも有用な技術である。溶剤には、偏光フィルムの光学性能を低下させることなく接着剤を良好に溶解するものが好ましく用いられる。溶剤の具体例としては、特に制限されないが、例えば、トルエン等の炭化水素、酢酸エチル等のエステルなどの有機溶剤が挙げられる。
工程(b)において、紫外線硬化型接着剤は、塗布する前に加熱されていてもよい。紫外線硬化型接着剤を加熱すると、粘度が下がるため被着体に塗布しやすくなり、また接着剤を硬化させた後は被着体との接着性が向上するため、好ましい。接着剤を塗布した後に加熱することもでき、この場合は、接着剤を硬化させた後は被着体との接着性を向上させることができる。
なお、接着剤層の形成に先立ち、保護フィルム又は偏光フィルム接着剤層形成面に、コロナ処理、プラズマ処理、プライマ処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が実施されてもよい。
〔工程(c)〕
工程(c)では、工程(b)において形成された接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを貼合させて積層フィルムを得る。積層フィルムは、偏光フィルムの片面又は両面に保護フィルムが積層された構成であることができる。偏光フィルムの両面に保護フィルムを積層する場合、2枚の保護フィルムは、同じものであってもよいし異なるものであってもよい。また、偏光フィルムの一方の面には保護フィルムが積層され、偏光フィルムの他方の面には光学補償フィルムが積層された構成であることもできる。
〔工程(d)〕
工程(d)では、上記の工程(c)で得られる積層フィルムに紫外線を照射する。紫外線の照射により、紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層を硬化させる。紫外線の光源は、波長400以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどを用いることができる。
紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層への光照射強度は、紫外線硬化型接着剤の組成ごとに決定されるものであり、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜500mW/cmであることが好ましい。光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、反応時間が長くなりすぎ、 500mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱及び紫外線硬化型接着剤の重合時の発熱により、接着剤の黄変や偏光フィルムの劣化を生じる可能性がある。紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層への光照射時間は、紫外線硬化型接着剤の組成ごとに制御されるものであって特に制限されないが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が 10〜5000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。紫外線硬化型接着剤への積算光量が 10mJ/cm2未満であると、重合開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤層の硬化が不十分となる可能性がある。一方で 5000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上に不利なものとなる傾向がある。
紫外線照射による接着剤層の硬化は、偏光フィルムの偏光度、透過率及び色相、並びに保護フィルム及び光学補償フィルムの透明性といった偏光板の諸機能が低下しない条件で行なうことが好ましい。硬化後の接着剤層の厚さは、通常50μm以下であり、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
以上の工程(a−1)、工程(a)〜工程(d)は通常、クリーンルーム内で行われる。
また、以上の工程(b)〜工程(d)は通常、温度20℃〜27℃、相対湿度40%〜62%の環境下で行われる。
以上説明した製造方法により、偏光板を製造することができる。この偏光板は、偏光フィルムの片面のみに保護フィルムが貼合された構成でもよいし、偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼合された構成でもよい。
偏光フィルムの片面のみに保護フィルムが積層された偏光板は、偏光フィルムの保護フィルムが貼合された面とは反対側の面に、光学補償フィルムを積層することができる。偏光フィルムと光学補償フィルムとを貼合するための接着剤は、例えば接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を含有する水系接着剤のような紫外線硬化型接着剤とは異種の接着剤であってもよいし、紫外線硬化型接着剤であってもよい。偏光フィルムと保護フィルムとの貼合に用いる紫外線硬化型接着剤と同じ接着剤を用いると、生産効率の向上及び原材料種の削減を図ることができる。
光学補償フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂;ポリアクリレート及びポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂からなる光学補償フィルムを挙げることができる。
セルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムとしては、例えば、上記のセルロース系樹脂フィルムに位相差調整機能を有する化合物を含有させたフィルム;セルロース系樹脂フィルム表面に位相差調整機能を有する化合物を塗布したフィルム;セルロース系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸して得られるフィルムなどが挙げられる。市販のセルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムとしては、例えば、富士フィルム(株)製の“WV FILM ワイドビューEA80”、コニカミノルタオプト(株)製の“KC4FR−1”、“KC4HR−1”(以上、いずれも商品名)などが挙げられる。
セルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムの厚さは、特に制限されないが、20〜90μmの範囲内であることが好ましく、30〜90μmの範囲内であることがより好ましい。厚さが20μm未満である場合には、フィルムの取扱いが難しく、一方、厚さが90μmを超える場合には、加工性に劣る傾向があり、また得られる偏光板の薄型軽量化において不利となる傾向がある。
シクロオレフィン系樹脂からなる光学補償フィルムとしては、例えば一軸延伸又は二軸延伸されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを挙げることができる。大型液晶テレビ用液晶パネル、特に垂直配向(VA)モードの液晶セルを備える液晶パネルに本発明により得られる偏光板を用いる場合には、光学補償フィルムとして、シクロオレフィン系樹脂フィルムの延伸品が光学特性及び耐久性の点からも好適である。
延伸されたシクロオレフィン系樹脂からなる光学補償フィルムの厚さは、厚すぎると加工性に劣る傾向があり、また透明性の低下や偏光板の薄型軽量化が困難になるという傾向がある。したがって、フィルムの厚さは20〜80μm程度であるのが好ましい。
なお、光学補償フィルムは、接着剤層の形成に先立ち、保護フィルム及び偏光フィルムと同様に、接着剤層形成面に、コロナ処理、プラズマ処理、プライマ処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が実施されてもよい。
以上に説明した偏光板は、液晶セルとの貼合などのために用いられる粘着剤層(又は接着剤層)が形成されてもよい。粘着剤層は、保護フィルム又は偏光フィルムにおける保護フィルムが積層される面とは反対側の面に形成することができる。また、偏光フィルムにおける保護フィルムが積層される面とは反対側の面に、保護フィルム又は光学補償フィルムを積層し、この上に粘着剤層(又は接着剤層)を形成してもよい。さらに、偏光フィルム上、偏光フィルム上に積層された保護フィルム、又は光学補償フィルム上に、光学機能性フィルムを積層し、この光学機能性フィルム上に粘着剤層(又は接着剤層)を形成することもできる。
この粘着剤層に用いられる粘着剤としては、従来公知の適宜の粘着剤を用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。なかでも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性などの観点から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。粘着剤層は、このような粘着剤を、例えば有機溶剤溶液とし、それを基材フィルム(例えば保護フィルム、偏光フィルムなど)上にダイコーターやグラビアコーターなどによって塗布し、乾燥させて設けることができる。また、離型処理が施されたプラスチックフィルム(セパレートフィルムと呼ばれる)上に形成されたシート状粘着剤を基材フィルムに転写する方法によっても設けることができる。粘着剤層の厚さは、一般に2〜40μmの範囲内であることが好ましい。
光学機能性フィルムは、偏光フィルム上、偏光フィルム上に積層された保護フィルム、又は光学補償フィルム上に、粘着剤層を介して積層することができる。光学機能性フィルムとしては、例えば、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム;ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光を反射する反射型偏光フィルム;ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム;シクロオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム;表面反射防止機能付きフィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。
基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、それぞれ商品名で、富士フィルム(株)から販売されている“WVフィルム”、JX日鉱日石エネルギー(株)から販売されている“NHフィルム”、“NRフィルム”などが挙げられる。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品としては、それぞれ商品名で、例えば3M社製、日本では住友スリーエム(株)から入手できる“DBEF”、“APF”などが挙げられる。また、シクロオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品としては、それぞれ商品名で、例えばJSR(株)から販売されている“アートンフィルム”(「アートン」は同社の登録商標)、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”(登録商標)、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノアフィルム”(登録商標)などが挙げられる。
〔液晶表示装置〕
本発明によって製造される偏光板は、液晶表示装置に好適に用いられる。液晶表示装置は液晶パネルを備えるものである。この液晶パネルは、液晶セルとその液晶セルの片面又は両面に積層される偏光板とを備えるものであり、液晶セル及び偏光板は上述のとおり、粘着剤層を介して貼合される。液晶パネルが、本発明によって製造される偏光板を液晶セルの一方の面にのみ備える場合、液晶セルの他方の面に設ける偏光板については、従来公知の適宜の偏光板を用いることができる。液晶表示装置が備える液晶パネルにおいて、液晶セルの前面側(液晶表示装置における視認側であって、バックライトとは反対側)に設けられる偏光板は、例えば、防眩処理、ハードコート処理、反射防止処理が施された偏光板などであってもよい。
液晶表示装置において、液晶パネル以外の構成については、従来公知の液晶表示装置の適宜の構成を採用することができ、例えば、バックライト、光拡散板及び液晶パネルをこの順で備える構成、及びバックライト、光拡散板、光拡散シート及び液晶パネルをこの順で備える構成を挙げることができる。
本発明の製造方法によれば、工程(a)で水と接触した後の保護フィルムに水分が吸収されるが、工程(c)では水分を吸収した保護フィルムが接着剤層を介して偏光フィルムと積層されることとなる。この保護フィルムに吸収された水分が、接着剤層を形成する紫外線硬化型接着剤や偏光フィルムに作用して接着力が向上するものと考えられる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、重量基準である。
以下の例において、保護フィルムの含水率は、光透過法により測定した水分測定値(赤外線水分率計を用いて測定した値)に基づき算出した換算値である。具体的には、あらかじめ、温度23℃、相対湿度60%の環境下で所定の時間保管した保護フィルムと、温度23℃、相対湿度90%の環境下で所定の時間保管した保護フィルムとを、それぞれ数種準備し、これらの保護フィルムの光透過法による測定値と乾燥重量法による含水率とで、検量線を作成した。次に、実施例では、接水工程後における保護フィルムの光透過法での測定値を検量線と照らし合わせて含水率を算出し、比較例では、接着剤層の形成前(温度23℃、相対湿度60%)における保護フィルムの光透過法での測定値を検量線と照らし合わせて含水率を算出した。なお、赤外線水分率計としては、(株)チノー製の赤外線多成分計(IMシリーズ IRMA1100S)を用いた。
〔製造例1:保護フィルムの作製〕
内容積5Lのガラス製の反応容器に、イオン交換水1700部、炭酸ナトリウム0.7部、過硫酸ナトリウム0.3部を仕込み、窒素気流下で撹拌し、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム〔花王(株)の製品“ペレックス(登録商標) OT-P”〕4.46部、イオン交換水150部、メチルメタクリレート150部、及びアリルメタクリレート0.3部を仕込んだ。その後、撹拌温度を75℃に昇温し、150分間撹拌した。
続いて、ブチルアクリレート689部、スチレン162部、及びアリルメタクリレート17部の混合物と、過硫酸ナトリウム0.85部、“ペレックス(登録商標)OT-P”7.4部及びイオン交換水50部の混合物とを、90分間にわたり添加し、さらに90分間重合を続けた。重合完了後、さらにメチルアクリレート326部及びエチルアクリレート14部の混合物と、過硫酸ナトリウム0.34部を溶解させたイオン交換水30部とを、30分間にわたって添加した。添加終了後、さらに60分間保持し重合を完了した。得られた反応生成物を0.5%塩化アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。これを温水にて5回洗浄後、乾燥してアクリル系多層重合体を得た。
メタクリル酸メチル/アクリル酸メチルの重合比が96/4であり、屈折率が1.49である共重合体80部に、上で作製したアクリル系多層重合体を20部添加したアクリル系組成物を、ヘンシェルミキサーで混合し、ベント式の一軸押出機(スクリュー径65mm)にて溶融混練した。押出樹脂温度260℃にて押出成形を行ない、押し出された樹脂が80℃に設定した弾性ロールに圧着されるように、ロールユニット(弾性ポリシングロール3本、横型ロール)を介して厚さ80μmである保護フィルムを作製した。なお、押出成形には、リップ幅1400mmでリップ間隔1mmのTダイを使用した。
〔製造例2:偏光フィルムの作製〕
平均重合度約2400、ケン化度 99.9モル%以上のポリビニルアルコールからなる厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100で水温が30℃の水溶液に浸漬した。
その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100で水温が56.5℃の水溶液に浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを製造した。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行ない、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
〔製造例3:紫外線硬化型接着剤の調製〕
紫外線硬化型接着剤として、カチオン重合型のエポキシ系接着剤を用いた。その調製にあたり、接着剤に含まれる硬化性成分(A)及び光カチオン重合開始剤(B)には以下のものを使用した。
(A)接着剤に含まれる硬化性成分
(a1)脂環式エポキシ樹脂:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:ダイセル化学工業(株)から入手、商品名“セロキサイド(登録商標) 2021P”、表1では(a1)と記載する。
(a2)脂肪族エポキシ樹脂:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル:ナガセケムケックス(株)から入手、商品名“デナコール(登録商標) EX-121”、 表1では(a2)と記載する。
(a3)ビニルエーテル:ジエチレングリコールジビニルエーテル:日本カーバイド工業(株)から入手、表1では(a3)と記載する。
上記した3種類の硬化性成分は、カチオン重合型のものであり、それぞれ次式の構造を有する化合物である。
Figure 2021002052
(B)光カチオン重合開始剤
トリアリールスルホニウム塩系光カチオン重合開始剤:50%プロピレンカーボネート溶液の形でサンアプロ(株)から入手、商品名“CPI-100P”。
上記した脂環式エポキシ樹脂(a1)70部、脂肪族エポキシ樹脂(a2)15部、及びビニルエーテル(a3)15部を配合し、さらに上に示した光カチオン重合開始剤を固形分として4.5部混合した後、脱泡し、光硬化性接着剤液を調製した。調製した接着剤について、 Anton Paar 社製の回転式粘弾性測定装置“Physica MCR 301” を用い、温度25℃における粘度を測定した。この結果を表1に示した。
〔実施例1〕
製造例1で得られた保護フィルムを温度40℃に設定され、相対湿度90%に加湿された恒温恒湿熱オーブン内に1時間入れた〔工程(a)〕。この工程の後における保護フィルムの含水率は、1.2%であった。引き続き、保護フィルムの表面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に、製造例3で得られた紫外線硬化型接着剤を塗布し、接着剤層を形成した〔工程(b)〕。また、これと並行してシクロオレフィン系樹脂フィルム〔日本ゼオン(株)の商品名“ゼオノアフィルム”(登録商標)〕の片面に、製造例3で得られた紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を形成した〔工程(b)〕。その後、23℃の環境下で、製造例2で得られた偏光フィルムの両面に、保護フィルム及びシクロオレフィン系樹脂フィルムを、接着剤層を介してそれぞれ貼合し、アクリル樹脂フィルム/接着剤層/偏光フィルム/接着剤層/シクロオレフィン系樹脂フィルムからなる積層フィルムを得た〔工程(c)〕。次いでシクロオレフィン系樹脂フィルム面より紫外線を照射して接着剤層を硬化させて、偏光板を作製した〔工程(d)〕。
〔実施例2〕
製造例1で得られた保護フィルムを、温度30℃に設定され、相対湿度60%に加湿された恒温恒湿熱オーブン内に20秒間入れた〔工程(a)〕以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。保護フィルムの含水率は0.8%であった。
〔比較例1〕
製造例1で得られた保護フィルムを、温度95℃に設定された恒温オーブン内に60秒間入れた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。オーブンから取り出した後の保護フィルムの含水率は、0.1%であった。なお、恒温オーブン内の相対湿度は10%未満である。
〔比較例2〕
製造例1で得られた保護フィルムを、加温処理せず、工程(a)も行わなかった以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。オーブンから取り出した後の保護フィルムの含水率は、0.3%であった。
〔偏光板の180度はく離試験〕
上記した実施例及び比較例で作製した偏光板について、保護フィルムと偏光フィルムとの間のはく離強さを以下のようにして測定した。作製した偏光板を、作製後300時間静置し、200mm×25mmの大きさに裁断して試験片とした。製造例1で得られた保護フィルムと偏光フィルムとの間のはく離強さの測定は、製造例1で得られた保護フィルムの露出面にアクリル系の粘着剤層を設け、その粘着剤層を介してガラス板に貼合し、偏光フィルムと製造例1で得られた保護フィルムの間にカッターの刃を入れて切欠を入れ、保護フィルムを長さ方向に端から30mm剥がし、その剥がした部分を試験機のつかみ部でつかんだ。この状態の試験片を、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気中、 JIS K 6854-2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度はく離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均はく離力を求めた。この結果を表1に示した。
〔表1〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 No. 硬化成分 含水率 保護フィルム 180度はく離強さ (部) 調整条件 の含水率 (N/25mm)
(a1) (a2) (a3) (温度×湿度) (処理時間) (重量%) 保護フィルム
/偏光フィルム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━実施例1 70 15 15 40℃×90%RH 60分 1.2 1.5 実施例2 70 15 15 30℃×60%RH 20秒 0.8 1.3 ────────────────────────────────────────比較例1 70 15 15 − − 0.1 0.7 比較例2 70 15 15 − − 0.3 0.7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━〔表1の脚注〕
硬化成分
(a1):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業(株)の“セロキサイド2021P”。
(a2):1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)の“デナコールEX-121”。
(a3):ジエチレングリコールジビニルエーテル、日本カーバイド工業(株)から入手したもの。
180度はく離強さは、保護フィルムと偏光フィルムとの間のはく離強さである。
各実施例及び比較例で180度はく離試験を行った後のはく離された保護フィルム及び偏光フィルムについて、FT−IR装置(Varian社製「640−IR」)により、それぞれのはく離面の赤外吸収スペクトルを測定し、接着剤が残っているか否かを調べた。
その結果、実施例1及び実施例2は、保護フィルム側には接着剤が残っておらず、偏光フィルム側にのみ接着剤が残っていた。このことから、はく離は接着剤層と保護フィルムとの間で起こったものと考えられる。また、比較例1及び比較例2は、偏光フィルム側には接着剤が残っておらず、保護フィルム側にのみ接着剤が残っていた。このことから、はく離は接着剤層と偏光フィルムとの間で起こったものと考えられる。
表1の結果から、保護フィルムに工程(a)を行なった実施例1及び2では、180度はく離試験において良好な接着性を示している。一方で、保護フィルムに工程(a)を行わなかった比較例1及び2では、実施例1及び2に比較して接着性が低くなっている。このことから、保護フィルム、特にアクリル系樹脂フィルムに対して接水処理を行うと、偏光フィルム及び保護フィルム間における接着性が向上するという効果が得られることが確認できる。

Claims (9)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素又は二色性染料が吸着配向している偏光フィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型接着剤により、熱可塑性樹脂から形成される保護フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、
    前記保護フィルムを水と接触させる工程(a)、
    前記工程(a)を経た保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルム上に、紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層を形成する工程(b)、
    前記接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させて積層フィルムを得る工程(c)、及び
    前記積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程(d)
    を備えることを特徴とする偏光板の製造方法。
  2. 前記保護フィルムを水と接触させる工程(a)の前に、前記保護フィルムを加熱する工程(a−1)を含む請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記紫外線硬化型接着剤は、接着剤層を形成する前に加熱される請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記紫外線硬化型接着剤は、エポキシ系接着剤である請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記エポキシ系接着剤は、分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂を含む請求項4に記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記エポキシ系接着剤は、前記エポキシ樹脂に加えて光カチオン重合開始剤を含む請求項4に記載の偏光板の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  8. 前記工程(a)の後における前記保護フィルムの含水率が、0.2〜5重量%である請求項7記載の偏光板の製造方法。
  9. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素又は二色性染料が吸着配向している偏光フィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型接着剤により、熱可塑性樹脂から形成される保護フィルムを貼合して偏光板を製造する方法であって、
    含水率が0.2〜5重量%である保護フィルム及び偏光フィルムから選ばれる少なくとも一つのフィルム上に、紫外線硬化型接着剤からなる接着剤層を形成する工程(b)、
    前記接着剤層を介して保護フィルム及び偏光フィルムを積層させて積層フィルムを得る工程(c)、及び
    前記積層フィルムに紫外線を照射して接着剤層を硬化させる工程(d)
    を備えることを特徴とする偏光板の製造方法。
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