JP2015114456A - 表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルム及び偏光板の製造方法 - Google Patents

表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルム及び偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面を有機溶剤で処理し、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを製造する方法において、上記有機溶剤がフィルム中に残る濃度(残留溶剤濃度)の増加、及び位相差の過度な低下を抑制する。
【解決手段】延伸されているシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムを、実質的に溶質を含まず、接触によりシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤で処理し、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを製造する方法において、上記有機溶剤を塗布する溶剤塗布工程、及び溶剤塗布工程を経た上記フィルムを、有機溶剤を塗布するときの温度より少なくとも10℃高い温度を有するゾーンに通す乾燥工程を備え、さらに上記溶剤塗布工程を経た後、上記の乾燥工程に入るまでの時間を10秒以下とすることを特徴とする表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法、及びポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムと上記のシクロオレフィン系樹脂フィルムとが接着剤を介して貼合されている偏光板の製造方法に関するものである。
偏光板は通常、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムの片面又は両面に接着剤を介して、透明樹脂フィルム、例えば、トリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系のフィルムを積層した構成となっている。これを、必要により光学補償フィルム、位相差フィルムなど、他の光学フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わせたものが、液晶表示装置の構成部品となる。
液晶表示装置は、液晶テレビ、液晶モニター、パーソナルコンピュータなど、薄型の表示画面として、用途が急拡大している。特に液晶テレビの市場拡大は著しく、また低コスト化の要求も非常に強い。液晶テレビ用の偏光板は従来から、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの両面にトリアセチルセルロースフィルムを水系接着剤で積層したものが主流であり、その偏光板の片面に粘着剤を介して位相差フィルムが積層されていた。偏光板に積層される位相差フィルムには、ポリカーボネート系樹脂フィルムの延伸加工品やシクロオレフィン系樹脂フィルムの延伸加工品などが使用されているが、液晶テレビ用には、高温における位相差ムラの非常に少ないシクロオレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムが多用されている。偏光板と延伸シクロオレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムとの貼合品については、生産性の向上や製品コストの低減のため、構成する部品点数を減らしたり製造プロセスを簡略化したりする改良が進められている。例えば、特許第 3807511号公報(特許文献1)には、位相差機能を有するシクロオレフィン系(ノルボルネン系)樹脂フィルム/偏光フィルム/トリアセチルセルロースフィルムの積層構成が開示されている。
ポリビニルアルコール系偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの貼合に水系接着剤を用いた場合、両者の接着力が必ずしも十分でなく、例えば、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの界面で剥離してしまうことがあった。そこで、接着力を向上させるため、シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面を改質する方法が開示されている。例えば、特開2012-177890 号公報(特許文献2)には、接触によってシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤と接触によってシクロオレフィン系樹脂に実質的な変化を与えない有機溶剤との混合物で実質的に溶質を含まない混合有機溶剤と接触させ、シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面を処理し、ポリビニルアルコール系偏光フィルムに接着剤を介して貼合し、偏光板を製造する方法も開示されている。
特許第3807511号公報(特開平8−43812号公報) 特開2012−177890号公報
シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面を有機溶剤で処理する方法において、処理によっては、残留溶剤としてフィルム中に残る有機溶剤の濃度(残留溶剤濃度)が増加したり、位相差が過度に低下したりするといった問題があった。
本発明の目的は、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造する方法において、フィルム中の残留溶剤濃度の増加及び位相差の過度な低下を抑制することにある。
研究の結果、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面を有機溶剤で処理する際に、有機溶剤を塗布するときの温度より少なくとも10℃高い温度を有するゾーンに通す乾燥工程を経ること、また有機溶剤を塗布した後、乾燥工程に入るまでの時間を10秒以下にするのが有効であることが見出された。
すなわち本発明では、延伸されているシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムに、実質的に溶質を含まず、接触によりこのシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤を塗布する溶剤塗布工程、及び溶剤塗布工程を経た上記のフィルムを、有機溶剤を塗布するときの温度より少なくとも10℃高い温度を有するゾーンに通す乾燥工程を備え、さらに先の溶剤塗布工程を経た後、上記の乾燥工程に入るまでの時間を10秒以下とすることを特徴とする表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法が提供される。
この製造方法において、乾燥工程を経た後のフィルムの残留溶剤濃度は、700ppm 以下であることが好ましい。
本発明ではまた、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面改質された面に、接着剤を介して、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムを貼合する偏光板の製造方法も提供される。
本発明によれば、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを製造する方法において、フィルム中の残留溶剤濃度の増加、及び位相差の低下を抑制することができる。
本発明では、延伸されているシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムを、実質的に溶質を含まず、接触によりシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤で処理し、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムとする。また、得られたシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面改質された面に、接着剤を介して、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムを貼合し、偏光板とする。以下、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムを「シクロオレフィン系樹脂フィルム」と呼ぶことがある。本発明により製造されるシクロオレフィン系樹脂フィルム及び偏光板について、順に説明する。
[シクロオレフィン系樹脂フィルム]
シクロオレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、熱可塑性シクロオレフィン系樹脂とも呼ばれる。このシクロオレフィン系樹脂は、上記したシクロオレフィンの開環重合体や2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、シクロオレフィンと、鎖状オレフィンや、ビニル基のような重合性二重結合を有する芳香族化合物などとの付加重合体であってもよい。またシクロオレフィン系樹脂には、極性基が導入されていてもよい。
シクロオレフィンと、鎖状オレフィン及び/又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体を用いる場合、鎖状オレフィンとしては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは、50モル%以下であってもよいが、好ましくは15〜50モル%程度とされる。特に、シクロオレフィン、鎖状オレフィン、及びビニル基を有する芳香族化合物の三元共重合体を用いる場合、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは、上記したように比較的少ない量とすることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%である。
シクロオレフィン系樹脂フィルムには、市販されているシクロオレフィン系樹脂を適宜用いることができ、例えば、ドイツの TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH にて生産され、日本ではポリプラスチック(株)から販売されている“TOPAS ”、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア”(ZEONOR)及び“ゼオネックス”(ZEONEX)、三井化学(株)から販売されている“アペル”(以上、いずれも商品名)などを挙げることができる。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとするためには、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の方法が適宜用いられる。また、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40 ”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノアフィルム”、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”(以上、いずれも商品名)など、予め製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの市販品を用いてもよい。
本発明では、シクロオレフィン系樹脂フィルムとして延伸されているものを用いるが、これは一軸延伸されたものであっても、二軸延伸されたものであってもよい。フィルムの延伸方向は、長手方向(機械方向:MD)でもよいし、短手方向(垂直方向:TD)でもよいし、任意の角度に対する斜め方向でもよい。延伸倍率は、通常 1.1〜5倍、好ましくは 1.1〜3倍である。この延伸によって位相差を付与し、位相差フィルムとすることができる。その面内位相差値は、適用される液晶セルの種類に合わせて適宜設定すればよいが、一般には30nm以上とするのが好ましい。面内位相差値の上限は、特に限定されないが、例えば300nm程度までで十分である。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、薄いほうが好ましいものの、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向にある。一方、フィルムが厚すぎると透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりする傾向にある。このような観点から、シクロオレフィン系樹脂フィルムの厚さは、通常5〜200μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは15〜100μm である。
[表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法]
本発明では、シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面に、実質的に溶質を含まない有機溶剤を塗布する工程を行った後、塗布した有機溶剤を乾燥させる工程を行い、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを製造する。なお、この乾燥させる工程は、フィルムに有機溶剤を塗布するときの温度より、少なくとも10℃高い温度を有するゾーンに通すことにより行われる。以下、上記したシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面に、実質的に溶質を含まない有機溶剤を塗布する工程を「溶剤塗布工程(i)」と、塗布した有機溶剤を乾燥させる工程を「乾燥工程(ii)」とそれぞれ呼ぶことがある。
ここで、本発明で使用する実質的に溶質を含まない有機溶剤とは、塗布する溶剤中の固形分が0.1 %以下であり、かつ、シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面に塗布し、乾燥又は揮発した後、そのフィルム表面に、シクロオレフィン系樹脂とは異なる成分を有する層を形成しないことを意味する。溶剤中の固形分としては、有機溶剤を繰り返し使用することによって、有機溶剤中に溶解するシクロオレフィン系樹脂、及び/又はシクロオレフィン系樹脂中に含まれる添加剤を除く。また、有機溶剤を繰り返し利用する場合は、塗布した溶剤が乾燥又は揮発した後のフィルム表面にシクロオレフィン系樹脂及び/又はシクロオレフィン系樹脂中に含まれる添加剤が残っていてもよい
溶剤塗布工程(i)では、上記のように実質的に溶質を含まず、接触によりシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤を塗布し、フィルムの表面を改質する。このフィルム表面を改質する処理を、本明細書では「溶剤処理」と呼ぶことがある。
溶剤塗布工程(i)で用いる塗布法は、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法など、公知の方法が採用できる。処理する面は、シクロオレフィン系樹脂フィルムの片面であっても両面であってもよいが、偏光フィルムに貼合される面には、この処理が施されるようにする。
シクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤とは、シクロオレフィン系樹脂を溶解又は膨潤させるもの、若しくは形状や外観に変化を与えるものであり、実質的に溶質を含まないものあればよく、例えば、ジクロロメタンやクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素系溶剤、トルエンやキシレンのような芳香族系溶剤、メチルイソブチルケトンやシクロヘキサノンのようなケトン系溶剤、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル系溶剤、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサンのような炭化水素系溶剤、イソプロパノールやn−ブタノールのようなアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及び酢酸ブチルのようなエステル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶剤を併用する場合には、好ましいシクロオレフィン系樹脂フィルムの溶解度となるよう調整すればよい。
本発明では、シクロオレフィン系樹脂フィルムが過度に侵食されないように溶剤処理することが肝要であり、過度に侵食されないことの指標として、溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムのヘイズ値を採用する。シクロオレフィン系樹脂フィルム表面の侵食が進めば、偏光フィルムへの接着力は向上するものの、シクロオレフィン系樹脂フィルムの光学性能を損なうことになる。そこで、処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムのヘイズ値が0.5%を超えないように溶剤処理する。このときのヘイズ値は、0.3%を超えないように、さらには 0.2%を超えないようにすることが一層好ましい。ヘイズ値は、JIS K 7136:2000 「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に規定されており、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で定義される値である。
また、溶剤処理によって侵食が進むと、フィルムの位相差がキャンセルされ、面内位相差値が低下する傾向にある。そこで、シクロオレフィン系樹脂フィルムが延伸されて面内位相差値が付与されている場合には、溶剤処理によるシクロオレフィン系樹脂フィルムの面内位相差値の変化量を、過度に侵食されないことの指標とするのも有効である。具体的には、シクロオレフィン系樹脂フィルムが、溶剤処理前に30nm以上の面内位相差値を有する場合に、溶剤処理後の面内位相差値が、溶剤処理前の面内位相差値よりも 1.3nmを超えて下回らないように、換言すれば、溶剤処理前の面内位相差値に対する溶剤処理後の面内位相差値の低下量(溶剤処理前の面内位相差値−溶剤処理後の面内位相差値で求められる値)が 1.3nm以下となるように、溶剤処理を行うことが好ましい。溶剤処理前の面内位相差値に対する溶剤処理後の面内位相差値の低下量は、1.2nm以下、とりわけ1.1nm以下となるようにするのが一層好ましい。
面内位相差値の低下量が大きいと、得られる偏光板を液晶表示装置に適用したときに、表示特性に影響を与える可能性がある。溶剤処理に脂環式炭化水素を単独で用いる場合には、この面内位相差値の低下量がやや大きくなる傾向にあるので、この面からも脂環式炭化水素に実質的な変化を与えない有機溶剤を混合して用いるのが好ましい。この脂環式炭化水素に実質的な変化を与えない有機溶剤は、使用するフィルムに合わせて適宜選択すればよい。
フィルムの面内位相差値Reは、そのフィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny 、厚さをdとして、以下の式(I)で定義される値であり、市販の各種位相差計を用いて測定することができる。
Re=(nx−ny)×d (I)
溶剤処理に、シクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤とシクロオレフィン系樹脂に実質的な変化を与えない有機溶剤との混合有機溶剤を用いる場合は、溶剤処理された後のシクロオレフィン系樹脂フィルムのヘイズ値や面内位相差値を考慮して、混合比率を決定すればよい。
上記の乾燥工程(ii)では、フィルムに有機溶剤を塗布するときの温度より、少なくとも10℃高い温度に設定されたゾーンを通すことにより、有機溶剤を乾燥させる。一方、フィルムの変形を防ぐ観点から、シクロオレフィン系樹脂フィルムのガラス転移点以下の温度で乾燥することが好ましい。
有機溶剤の塗布量や揮発性によっては、溶剤塗布工程(i)の後、乾燥工程(ii)に入る前に揮発する場合もある。有機溶剤が乾燥工程(ii)に入る前に揮発する場合、見かけ上は有機溶剤が揮発してフィルム表面が乾燥しているように見えるが、フィルムの内部では、経時とともに有機溶剤がフィルム表層から深部へと浸透するため、乾燥工程に入るまでの時間が長くなるほど、フィルムの深部まで浸透した有機溶剤の除去が困難となり、フィルム中に残留してしまう。また、侵食が過度に進んでしまうため、位相差の低下量も大きくなる。そこで、溶剤塗布工程(i)の後、乾燥工程(ii)に入るまでの時間を短くすることで、フィルム内部における有機溶剤の過度な浸透を防ぐことができ、フィルム中の残留溶剤濃度の増加、及び位相差低下を抑制することができる。溶剤塗布工程(i)から乾燥工程(ii)に入るまでの時間は、好ましくは10秒以下であり、より好ましくは8秒以下、さらに好ましくは6秒以下である。一方で、溶剤を塗布した直後に乾燥工程に入ると、フィルムの表面には、溶剤処理が施されるものの、接着力を向上させる効果は小さくなる。このため、溶剤塗布工程から乾燥工程に入るまでの時間は、1秒以上とすることが好ましい。
乾燥工程を経た後、フィルム中における残留溶剤濃度は、好ましくは700ppm以下であり、より好ましくは600ppm以下であり、さらに好ましくは500ppm以下である。残留溶剤濃度がppmより高いと、残留溶剤によるクラックがフィルムに発生する可能性がある。
本発明では、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムに、接着剤を介して上記の表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを保護フィルムとして貼合し、偏光板とする。表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムは、偏光フィルムの両面に貼合してもよいし、片面に貼合してもよい。偏光フィルムの片面に上記のシクロオレフィン系樹脂フィルムを貼合した場合は、その反対面に別の熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを、やはり接着剤を介して貼合するのが好ましい。以下、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを偏光フィルムの片面に貼合する場合、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを「第一の保護フィルム」と、また他の熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを「第二の保護フィルム」と、それぞれ呼ぶことがある。以下、本発明により製造される偏光板の各構成部材について説明する。
[偏光フィルム]
本発明に用いられる偏光フィルムは、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向しているものである。二色性色素の吸着前、吸着中、又は吸着後に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸することにより、その二色性色素を延伸方向に配向させることができる。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%であり、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなども使用し得る。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000の範囲内、好ましくは1,500〜5,000の範囲内である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、従来公知の適宜の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば10〜150μm 程度である。
偏光フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、及びこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て、製造される。
また、偏光フィルムの製造に際し、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前に行ってもよいし、染色処理工程中に行ってもよいし、染色処理工程の後で行ってもよい。一軸延伸を染色処理工程の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理工程の前に行ってもよいし、ホウ酸処理工程中に行ってもよい。もちろん、これら複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸は、周速の異なる離間したロール間を通すことにより行ってもよいし、熱ロールで挟む方式で行ってもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することによって行われる。二色性色素としては、具体的にはヨウ素や二色性有機染料などが用いられる。二色性有機染料には、 C.I. DIRECT RED 39 などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料が包含される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常 0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり通常、 0.5〜20重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色に供される水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常 20〜1,800秒間である。
一方、二色性色素として二色性有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-4重量部以上、好ましくは1×10-3重量部以上であり、また水100重量部あたり、通常10重量部以下、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは1×10-2重量部以下である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。二色性色素として二色性有機染料を用いる場合、染色に供される染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800 秒間である。
ホウ酸処理工程は、二色性色素により染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬させることにより行われる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。上記した染色処理工程における二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、この工程で用いるホウ酸水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。この場合、ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常 0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常 60〜1,200秒間、好ましくは150〜600秒間、さらに好ましくは200〜400秒間である。ホウ酸水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
続く水洗処理工程では、上記したホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、例えば、水に浸漬することによって水洗処理する。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃であり、浸漬時間は、通常1〜120秒間である。水洗処理後は通常、乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、例えば、熱風乾燥機や遠赤外線ヒータなどを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒間、好ましくは120〜600秒間である。
以上のようにして、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光フィルムを作製することができる。この偏光フィルムの厚さは、5〜40μm 程度とすることができる。
表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムは、以下に詳述されるような接着剤を用いて偏光フィルムに貼着される。両者の貼着にあたり、接着性を向上させるために、偏光フィルム及び/又はそれに貼合される表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの接着表面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。以下、偏光フィルムと表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムとの貼着に用いられる接着剤について説明する。
[接着剤]
偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの貼着には、接着剤が用いられる。このために用いる接着剤は、両者に対して接着力を発現するものであればよく、例えば、接着剤成分を水に溶解又は分散させた水系の接着剤や、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性接着剤が挙げられる。偏光フィルムの表面が親水性であることを考慮すると、接着剤成分を水に溶解又は分散させた水系の接着剤が好ましい。水系接着剤は、硬化後の接着剤層を薄くできる観点からも好ましい。水系接着剤の主成分となる接着剤成分には、ポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂などがある。
水系接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、そのポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。接着剤に用いるポリビニルアルコール系樹脂は、適度の重合度を有していることが好ましく、例えば、4重量%濃度の水溶液としたときに、粘度が4〜50mPa・secの範囲内、さらには6〜30mPa・secの範囲内にあることがより好ましい。
接着剤に用いるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、特に制限されないが、一般には80モル%以上であることが好ましく、さらには90モル%以上であることがより好ましい。接着剤に用いるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が低いと、得られる接着剤層の耐水性が不十分になりやすい傾向にある。
接着剤には、変性されたポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。好適な変性ポリビニルアルコール系樹脂として、アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂、アニオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂、カチオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。このような変性されたポリビニルアルコール系樹脂を用いれば、接着剤層の耐水性を向上させる効果が得られやすい。
アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール骨格を構成する水酸基のほかに、アセトアセチル基(CH3COCH2CO−)を有するものであり、その他の基、例えばアセチル基などを有していてもよい。このアセトアセチル基は、典型的にはポリビニルアルコールを構成する水酸基の水素原子が置換された状態で存在する。アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールをジケテンと反応させる方法により、製造することができる。アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、反応性の高い官能基であるアセトアセチル基を有することから、接着剤層の耐久性を向上させるうえで好ましい。
アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂におけるアセトアセチル基の含有量は、 0.1モル%以上であれば特に制限はない。ここでいうアセトアセチル基の含有量とは、ポリビニルアルコール系樹脂における水酸基、アセトアセチル基、及びその他のエステル基(アセチル基など)の合計量に対するアセトアセチル基のモル分率を%で表示した値であり、「アセトアセチル化度」と呼ぶことがある。ポリビニルアルコール系樹脂におけるアセトアセチル化度が 0.1モル%を下回ると、接着剤層の耐水性を向上させる効果が必ずしも十分でなくなる。ポリビニルアルコール系樹脂におけるアセトアセチル化度は、 0.1〜40モル%程度、さらには1〜20モル%、とりわけ2〜7モル%であることが好ましい。アセトアセチル化度が40モル%を超えると、耐水性の向上効果が小さくなる。
アニオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール骨格を構成する水酸基のほかに、アニオン性基、典型的にはカルボキシル基(−COOH)又はその塩を含有するものであり、そのほかの基、例えばアセチル基などを有していてもよい。アニオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、アニオン性基(典型的にはカルボキシル基)を有する不飽和単量体を酢酸ビニルに共重合させ、次いでケン化する方法により、製造することができる。一方、カチオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール骨格を構成する水酸基のほかに、カチオン性基、典型的には3級アミノ基又は4級アンモニウム基を含有するものであり、そのほかの基、例えばアセチル基などを有していてもよい。カチオン変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、カチオン性基(典型的には3級アミノ基又は4級アンモニウム基)を有する不飽和単量体を酢酸ビニルに共重合させ、次いでケン化する方法により、製造することができる。
本発明に用いられる接着剤はもちろん、上記した変性ポリビニルアルコール系樹脂を2種以上含むものであってもよく、また、未変性のポリビニルアルコール系樹脂(具体的には、ポリ酢酸ビニルの完全又は部分ケン化物)及び上記した変性ポリビニルアルコール系樹脂の両方を含むものであってもよい。
接着剤を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、市販品の中から適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、高いケン化度を有するポリビニルアルコールであって、(株)クラレから販売されている“PVA-117H”や、日本合成化学工業(株)から販売されている“ゴーセノール NH-20”、アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコールであって、日本合成化学工業(株)から販売されている“ゴーセファイマーZ”シリーズ、アニオン変性されたポリビニルアルコールであって、(株)クラレから販売されている“KL-318”及び“KM-118”や、日本合成化学工業(株)から販売されている“ゴーセナール T-330”、カチオン変性されたポリビニルアルコールであって、(株)クラレから販売されている“CM-318”や、日本合成化学工業(株)から販売されている“ゴーセファイマー K-210”(以上、いずれも商品名)などを挙げることができる。
接着剤におけるポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、特に制限されないが、水溶液の形で用いるので、水100重量部に対し、ポリビニルアルコール系樹脂が1〜20重量部の範囲内となるようにするのが好ましく、なかでも1〜15重量部、さらには1〜10重量部、とりわけ2〜10重量部の範囲内となるようにするのがより好ましい。水溶液におけるポリビニルアルコール系樹脂の濃度が小さすぎると、接着性が低下しやすい傾向にあり、一方でその濃度が大きすぎると、得られる偏光板の光学特性が低下しやすい傾向にある。この接着剤に用いられる水は、純水、超純水、水道水などであることができ、特に制限されないが、形成される接着剤層の均一性及び透明性を保持する観点からは、純水又は超純水が好ましい。また、メタノールやエタノール等のアルコールを接着剤水溶液に加えることもできる。
ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水系接着剤には、架橋剤を含有させることができる。架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂に対して反応性を有する官能基を有する化合物であればよく、従来からポリビニルアルコール系接着剤において用いられているものを特に制限なく使用できる。架橋剤となりうる化合物を官能基別に掲げると、イソシアナト基(−NCO)を分子内に少なくとも2個有するイソシアネート化合物;エポキシ基(橋かけの−O−)を分子内に少なくとも2個有するエポキシ化合物;モノ−又はジ−アルデヒド類;有機チタン化合物;マグネシウム、カルシウム、鉄、ニッケル、亜鉛、及びアルミニウムのような二価又は三価金属の無機塩;グリオキシル酸の金属塩;メチロールメラミンなどがある。
架橋剤となるイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとのアダクト体、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物などが挙げられる。
架橋剤となるエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンのジ−又はトリ−グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸との反応物であるポリアミドポリアミンにエピクロロヒドリンを反応させて得られる水溶性のポリアミドエポキシ樹脂などが挙げられる。
架橋剤となるモノアルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどが挙げられ、ジアルデヒド類の具体例としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒドなどが挙げられる。
架橋剤となる有機チタン化合物は、マツモトファインケミカル(株)から各種のものが販売されている。同社の有機チタン化合物に係るホームページ(インターネット <URL : http://www.m-chem.co.jp/products/products1.html>、平成25年12月11日検索)から、本発明に好適に用いられる水溶性有機チタン化合物を、その示性式、同社がいう化学名、同社の商品名の順に掲げると、次のようなものがある。
[(CH3)2CHO]2Ti[OCH2CH2N(CH2CH2OH)2]2 :同社がいう化学名「チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)」、同社の商品名“オルガチックス TC-400”、
(HO)2Ti[OCH(CH3)COO-]2 (NH4 +)2:同社がいう化学名「チタンラクテートアンモニウム塩、同社の商品名“オルガチックス TC-300”、
(HO)2Ti[OCH(CH3)COOH]2 :同社がいう化学名「チタンラクテート」、同社の商品名“オルガチックス TC-310”及び“オルガチックス TC-315”。
また、グリオキシル酸の金属塩は、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であるのが好ましく、例えば、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウム、グリオキシル酸マグネシウム、グリオキシル酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの架橋剤のなかでも、上記した水溶性のポリアミドエポキシ樹脂をはじめとするエポキシ化合物や、アルデヒド類、メチロールメラミン、グリオキシル酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩などが好適に用いられる。
架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂とともに水に溶解して接着剤を形成していることが好ましい。ただ、以下に述べるとおり、水溶液中での架橋剤量はわずかでよいので、水に対して例えば、少なくとも 0.1重量%程度の溶解度を有するものであれば、架橋剤として使用できる。もちろん、一般に水溶性と呼ばれる程度の水に対する溶解度を有する化合物のほうが、本発明に用いる架橋剤としては好適である。
架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の種類などに応じて適宜設計されるものであるが、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常5〜60重量部程度、好ましくは10〜50重量部である。この範囲で架橋剤を配合すると、良好な接着性が得られる。先述のとおり、接着剤層の耐久性を向上させるためには、アセトアセチル基変性されたポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられるが、この場合にも、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、架橋剤を5〜60重量部、さらには10〜50重量部の割合で配合することが好ましい。架橋剤の配合量が多くなりすぎると、架橋剤の反応が短時間で進行し、接着剤が早期にゲル化する傾向にあり、その結果、ポットライフが極端に短くなって工業的な使用が困難になる。
接着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、シランカップリング剤、可塑剤、帯電防止剤、微粒子など、従来公知の適宜の添加剤を配合することもできる。
水系接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合、適当な接着剤の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系接着剤に好適に用いられる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を偏光フィルムと保護フィルムの接着剤に用いることは、例えば、特開 2005-070140号公報、特許第 4432487号公報及び特開 2005-208456号公報に記載されて公知である。
偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの貼着には、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性接着剤を用いることもできる。「活性エネルギー線硬化性化合物」とは、活性エネルギー線の照射により硬化し得る化合物を意味する。活性エネルギー線硬化性化合物は、カチオン重合性のものであってもよいし、ラジカル重合性のものであってもよい。カチオン重合性化合物の例として、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、分子内に少なくとも1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物などを挙げることができる。また、ラジカル重合性化合物の例として、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物などを挙げることができる。なお、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を意味する。
この貼着に用いる活性エネルギー線硬化性化合物は、少なくともエポキシ化合物を含むことが好ましく、これにより、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの間で良好な密着性を示すようになる。
エポキシ化合物は、耐候性や屈折率、カチオン重合性などの観点から、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物を主成分とすることが好ましい。分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物として、脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物などが例示できる。このような硬化性接着剤に好適に用いられるエポキシ化合物は、例えば、特許第 4306270号公報で詳細に説明されているが、ここでも概略を説明することとする。
脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテルは、芳香族ポリオールを触媒の存在下、加圧下で芳香環に選択的に水素化反応を行うことにより得られる核水添ポリヒドロキシ化合物を、グリシジルエーテル化したものであることができる。芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェールF、及びビスフェノールSのようなビスフェノール型化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、及びヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂のようなノボラック型樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、及びポリビニルフェノールのような多官能型の化合物などが挙げられる。これら芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより、グリシジルエーテルとすることができる。このような脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテルのなかでも好ましいものとして、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルであることができる。より具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール若しくはグリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する化合物である。ここで、「脂環式環に結合したエポキシ基」とは、下式(I)で示される構造における橋かけの酸素原子−O−を意味し、式中、nは2〜5の整数である。
Figure 2015114456
この式(I)における (CH2)n 中の1個又は複数個の水素原子を取り除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物が、脂環式エポキシ化合物となり得る。また、脂環式環を形成する (CH2)n 中の1個又は複数個の水素原子は、メチル基やエチル基のような直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。
以上のようなエポキシ化合物のなかでも、脂環式エポキシ化合物、すなわち、エポキシ基の少なくとも1個が脂環式環に結合している化合物が好ましく、とりわけ、オキサビシクロヘキサン環〔上記式(I)においてn=3のもの〕やオキサビシクロヘプタン環〔上記式(I)においてn=4のもの〕を有するエポキシ化合物は、硬化物の弾性率が高く、偏光フィルムと保護フィルムの間で良好な接着性を与えることから、より好ましく用いられる。以下に、脂環式エポキシ化合物の具体的な例を掲げる。ここでは、まず化合物名を挙げ、その後、それぞれに対応する化学式を示すこととし、化合物名とそれに対応する化学式には同じ符号を付す。
A:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
B:3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
C:エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
D:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル) アジペート、
E:ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、
F:ジエチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、
G:エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、
H:2,3,14,15−ジエポキシ−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン、
I:3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
J:4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、
K:リモネンジオキサイド、
L:ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、
M:ジシクロペンタジエンジオキサイドなど。
Figure 2015114456
硬化性接着剤において、エポキシ化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、硬化性接着剤は、上記のエポキシ化合物に加え、オキセタン化合物を含有してもよい。オキセタン化合物を添加することにより、硬化性接着剤の粘度を低くし、硬化速度を速めることができる。
オキセタン化合物は、分子内に少なくとも1個のオキセタン環(4員環エーテル)を有する化合物であって、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}メチル〕ベンゼン(キシリレンビスオキセタンとも呼ばれる)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルへキシルオキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどを挙げることができる。これらのオキセタン化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、東亞合成(株)から販売されている、“アロンオキセタン OXT-101”、“アロンオキセタン OXT-121”、“アロンオキセタン OXT-211”、“アロンオキセタン OXT-221”、“アロンオキセタン OXT-212” (以上、いずれも商品名)などを挙げることができる。オキセタン化合物の配合量は特に限定されないが、活性エネルギー線硬化性化合物全体を基準に、通常50重量%以下、好ましくは10〜40重量%である。
硬化性接着剤が、エポキシ化合物やオキセタン化合物等のカチオン重合性化合物を含む場合、その硬化性接着剤には通常、光カチオン重合開始剤が配合される。光カチオン重合開始剤を使用すると、常温での接着剤層の形成が可能となるため、偏光フィルムの耐熱性や膨張による歪を考慮する必要が減少し、密着性良く偏光フィルムと保護フィルムを貼合できる。また、光カチオン重合開始剤は、光で触媒的に作用するため、これを硬化性接着剤に混合しても、硬化性接着剤は保存安定性や作業性に優れる。
光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、又は電子線のような活性エネルギー線の照射によりカチオン種又はルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物の重合反応を開始させるものである。光カチオン重合開始剤は、いずれのタイプのものであってもよいが、具体例を挙げれば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩;鉄−アレーン錯体などがある。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなど。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなど。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4,4′−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど。
また、鉄−アレーン錯体としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなど。
上記の光カチオン重合開始剤は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、日本化薬(株)から販売されている“カヤラッド PCI-220”及び“カヤラッド PCI-620”、ダウ・ケミカル社から販売されている“UVI-6990”、ダイセル・サイテック(株)から販売されている“UVACURE 1590”、(株)ADEKAから販売されている“アデカオプトマー SP-150”及び“アデカオプトマー SP-170”、日本曹達(株)から販売されている“CI-5102”、“CIT-1370”、“CIT-1682”、“CIP-1866S”、“CIP-2048S”及び“CIP-2064S”、 みどり化学(株)から販売されている“DPI-101”、“DPI-102”、“DPI-103”、“DPI-105”、“MPI-103”、“MPI-105”、“BBI-101”、“BBI-102”、“BBI-103”、“BBI-105”、“TPS-101”、“TPS-102”、“TPS-103”、“TPS-105”、“MDS-103”、“MDS-105”、“DTS-102”及び“DTS-103”、ローディア社から販売されている“PI-2074”(以上、いずれも商品名)などを挙げることができる。
これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。これらのなかでも、特に芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械的強度を与え、また偏光フィルムと保護フィルムの間の良好な密着性を有する硬化物を与えることができるため、好ましく用いられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ化合物やオキセタン化合物を包含するカチオン重合性化合物の合計100重量部に対して、通常 0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜6重量部である。光カチオン重合開始剤の配合量が少ないと、硬化が不十分になり、機械的強度や偏光フィルムと保護フィルムの間の接着性を低下させる傾向にある。一方、光カチオン重合開始剤の配合量が多すぎると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、得られる接着剤層の耐久性能が低下する可能性がある。
また、硬化性接着剤は、上記のエポキシ化合物とともに、あるいはエポキシ化合物及びオキセタン化合物とともに、ラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有してもよい。(メタ)アクリル系化合物を併用することにより、接着剤層の硬度や機械的強度を高める効果が期待でき、さらには硬化性接着剤の粘度や硬化速度などの調整がより一層容易に行えるようになる。
(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーや、官能基を有する化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーなどを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合、(メタ)アクリレートモノマーが2種以上であってもよいし、(メタ)アクリレートオリゴマーが2種以上であってもよいし、もちろん、(メタ)アクリレートモノマーの1種以上と(メタ)アクリレートオリゴマーの1種以上とを併用してもよい。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
上記の(メタ)アクリレートモノマーには、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーがある。
単官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとして、カルボキシル基含有の(メタ)アクリレートモノマーを用いてもよい。カルボキシル基含有の単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、1−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、1−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]コハク酸、4−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリメリット酸などが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート類、水添ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、 ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート類などが代表的である。
2官能(メタ)アクリレートモノマーのより具体的な例を挙げれば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物〔化学名:2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどがある。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートが代表的なものであり、その他、3官能以上のハロゲン置換ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
一方、(メタ)アクリレートオリゴマーには、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーなどがある。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとは、分子内にウレタン結合(−NHCOO−)及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。具体的には、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化反応生成物や、ポリオール類をポリイソシアネートと反応させて得られる末端イソシアナト基含有ウレタン化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する(メタ)アクリレートモノマーとのウレタン化反応生成物などであり得る。
上記したウレタン化反応に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
かかる水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとのウレタン化反応に供されるポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水素添加して得られるジイソシアネート(例えば、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネートなど)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジベンジルベンゼントリイソシアネート等のジ−又はトリ−イソシアネート、及び、上記のジイソシアネートを多量化させて得られるポリイソシアネートなどが挙げられる。
また、ポリイソシアネートとの反応により末端イソシアナト基含有ウレタン化合物とするために用いられるポリオール類としては、芳香族、脂肪族及び脂環式のポリオールのほか、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどを使用することができる。脂肪族及び脂環式のポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、上記したポリオール類と多塩基性カルボン酸又はその無水物との脱水縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸又はその無水物の例を、無水物でありうるものに「(無水)」を付して表すと、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸などがある。
ポリエーテルポリオールは、ポリアルキレングリコールのほか、上記したポリオール類又はジヒドロキシベンゼン類とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオールなどであり得る。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとは、分子内にエステル結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物である。具体的には、(メタ)アクリル酸、多塩基性カルボン酸又はその無水物、及びポリオールを用いた脱水縮合反応により得ることができる。脱水縮合反応に用いられる多塩基性カルボン酸又はその無水物の例を、無水物でありうるものに「(無水)」を付して表すと、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などがある。また、脱水縮合反応に用いられるポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得ることができ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有している。付加反応に用いられるポリグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
硬化性接着剤に(メタ)アクリル系化合物を配合する場合、その量は、活性エネルギー線硬化性化合物全体の量を基準に、20重量%以下、さらには10重量%以下とすることが好ましい。(メタ)アクリル系化合物の配合量が多くなると、偏光フィルムと保護フィルムとの間の密着性を低下させる傾向にある。
硬化性接着剤が上記のような(メタ)アクリル系化合物などのラジカル重合性化合物を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤が配合されることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリル系化合物などのラジカル重合性化合物の重合を開始できるものであればよく、従来公知のものを用いることができる。光ラジカル重合開始剤の具体例を挙げれば、アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系開始剤;ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル系開始剤;4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤;その他、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノンなどがある。
光ラジカル重合開始剤の配合量は、(メタ)アクリル系化合物などのラジカル重合性化合物100重量部に対して、通常 0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜6重量部である。光ラジカル重合開始剤の量が少ないと、硬化が不十分になり、機械的強度や偏光フィルムと保護フィルムとの接着性が低下する傾向にある。また、光ラジカル重合開始剤の量が多すぎると、硬化性接着剤中の活性エネルギー線硬化性化合物(エポキシ化合物を含むカチオン重合性の硬化性化合物及び(メタ)アクリル系化合物などのラジカル重合性化合物)が相対的に少なくなり、得られる接着剤層の耐久性能が低下する可能性がある。
硬化性接着剤は、必要に応じてさらに光増感剤を含有することができる。光増感剤を配合することにより、カチオン重合及び/又はラジカル重合の反応性が高まり、接着剤層の機械的強度や偏光フィルムと保護フィルムとの間の接着性を向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。光増感剤のより具体的な例を挙げると、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントンや2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノンや2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドンやN−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物などがある。これらの光増感剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。光増感剤は、活性エネルギー線硬化性化合物全体を100重量部として、 0.1〜20重量部の割合で配合するのが好ましい。
硬化性接着剤には、高分子に通常使用されている公知の高分子添加剤を添加することもできる。例えば、フェノール系やアミン系のような一次酸化防止剤、イオウ系の二次酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、又はベンゾエート系のような紫外線吸収剤などが挙げられる。
さらに硬化性接着剤は、必要に応じて溶剤を含んでもよい。溶剤は、硬化性接着剤を構成する成分の溶解性を考慮して適宜選択される。一般的な溶剤の例を挙げると、n−ヘキサンやシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びn−ブタノールのようなアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのようなエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、及びブチルセロソルブのようなセロソルブ類;塩化メチレンやクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類などがある。溶剤の配合割合は、成膜性などの加工上の目的による粘度調整などの観点から適宜決定される。
[第二の保護フィルム]
前記のとおり、偏光フィルムの一方の面に表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを第一の保護フィルムとして貼合した場合、偏光フィルムの反対側の面には、別の熱可塑性樹脂からなる第二の保護フィルムを貼合することができる。熱可塑性樹脂からなる第二の保護フィルムも、偏光フィルムに接着剤を介して貼合される。第二の保護フィルムは、例えば、酢酸セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂など、当分野において従来から保護フィルムの形成材料として広く用いられている適宜の材料で構成することができる。量産性や接着性の観点から、これらのなかでも酢酸セルロース系樹脂フィルムを第二の保護フィルムとして用いることが好ましい。表面処理層を設けることの容易性及び光学特性の観点からも、酢酸セルロース系樹脂フィルムが第二の保護フィルムとして好ましく用いられる。
酢酸セルロース系樹脂フィルムは、セルロースの部分又は完全酢酸エステル化物からなるフィルムであって、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルムなどが挙げられる。このような酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、適宜の市販品、例えば、富士フイルム(株)から販売されている“フジタック TD80 ”、“フジタック TD80UF”及び“フジタック TD80UZ”、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UEW”(以上、いずれも商品名)などを用いることができる。
第二の保護フィルムと偏光フィルムとの貼合に用いる接着剤は、特に限定されず、先に偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムの貼着に用いる接着剤として掲げた各種のものを同様に用いることができるが、上記したシクロオレフィン系樹脂フィルムに用いられる接着剤と同じものを用いるほうが好ましい。接着剤を用いたこれらのフィルムの貼着にあたっては、接着性を向上させるために、第二の保護フィルム及び/又はそれに貼合される偏光フィルムの接着面に、前記した接着性向上のための表面処理を適宜施してもよい。第二の保護フィルムを酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成し、水系接着剤を用いて偏光フィルムに貼着する場合には、その酢酸セルロース系樹脂フィルムに施す好ましい表面処理の一つとして、ケン化処理を挙げることができる。ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液にフィルムを浸漬することによって行われる。
第二の保護フィルムは、薄いほうが好ましいものの、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向にあり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりする傾向にある。このような観点からすると、第二の保護フィルムの厚さは、それを酢酸セルロース系樹脂で構成する場合、通常10〜200μm、好ましくは 20〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。
第二の保護フィルムは、偏光フィルムに貼着する面と反対側の面に、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、及び反射防止処理等の表面処理が施されていてもよい。
[偏光板の製造方法]
本発明においては、前記した溶剤塗布工程(i)及び乾燥工程(ii)の工程を経た表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを、接着剤を介して、その溶剤処理面が貼合面となるように偏光フィルムに貼合し、偏光板を製造することができる。また、偏光フィルムの片面にのみ表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを貼合する場合は、偏光フィルムの他面に、前記した別の熱可塑性樹脂からなる保護フィルム(第二の保護フィルム)を、接着剤を介して貼合する。以下、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを接着剤を介してその溶剤処理面が貼合面となるように偏光フィルムに貼合する工程を「第一貼合工程 (iii)」と、偏光フィルムに表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルム(第一の保護フィルム)が貼合された面と反対側の面に、接着剤を介して第二の保護フィルムを貼合する工程を「第二貼合工程(iv)」とそれぞれ呼ぶことがある。
上記の第一貼合工程 (iii)では、有機溶剤で処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを、その処理面が貼合面となるように、接着剤を介して偏光フィルムに貼合する。ここでの貼合には、一般に知られている貼合方法を採用すればよく、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などによって、偏光フィルム及び/又はそこに貼合される表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの接着面に接着剤を塗布し、両者を重ね合わせる方法が採用できる。ここで流延法とは、被塗布物であるフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤を塗布した後、偏光フィルムと表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムをニップロールなどにより挟んで貼り合わせる。また、フィルム間に接着剤を滴下した後、ロールなどで加圧して均一に押し広げる方法を採用する場合、用いるロールの材質は金属やゴムなどであることができ、2本のロールの間を通すときに用いる各ロールは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
偏光フィルムに接着剤を介して表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを貼合した後、水系接着剤を用いる場合は乾燥することにより、また硬化性接着剤を用いる場合は活性エネルギー線を照射することにより接着剤層を硬化させる。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行うことができる。その処理温度は、通常40〜100℃の範囲内であり、好ましくは60〜100℃の範囲内である。また、乾燥時間は、通常20〜1,200 秒間である。一方、活性エネルギー線照射に用いる活性エネルギー線は、紫外線、電子線、X線、可視光線などであることができるが、一般には紫外線が好ましく用いられる。活性エネルギー線は、接着剤層を硬化させるのに必要な強度及び量で照射すればよい。
偏光フィルムの表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムが貼合された面とは反対側の面に、別の熱可塑性樹脂からなる保護フィルム(第二の保護フィルム)を貼合する場合は、さらに上記の第二貼合工程(iv)が行われる。この工程では、上記した第一貼合工程 (iii)と同様の方法が採用できる。第二貼合工程(iv)は、上記した第一貼合工程(iii) と同時に行われることが好ましい。
乾燥又は硬化後に得られる接着剤層の厚さは、通常0.01〜5μm程度であるが、水系接着剤を用いた場合は1μm 以下とすることができる。一方、硬化性接着剤を用いた場合でも、2μm 以下とするのが好ましい。接着剤層が薄すぎると、接着が不十分になるおそれがあり、一方で接着剤層が厚すぎると、偏光板の外観不良を生じる可能性がある。
[偏光板]
こうして得られる偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムの両面又は片面に、前記の接着剤を介して表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムが貼合されたものであり、このシクロオレフィン系樹脂フィルムが、その溶剤処理面で貼合されることで偏光フィルムとの接着力が高められたものとなる。この接着力は、0.5N/25mm 以上である。
また、偏光フィルムの片面に表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルム(第一の保護フィルム)を貼合し、偏光フィルムの他方の面に熱可塑性樹脂からなる保護フィルム(第二の保護フィルム)を貼合して偏光板とする場合においても、第一の保護フィルムと偏光フィルムとの接着力は、0.5N/25mm 以上である。上記のいずれの偏光板においても、この接着力は、0.7N/25mm 以上、さらには0.8N/25mm 以上であることが一層好ましい。
ここで、上記の接着力は、以下のようにして測定される値である。まず、これまで説明したように、偏光フィルムの片面に表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを、偏光フィルムの他方の面に別の熱可塑性樹脂からなり、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムよりも偏光フィルムに対する接着力が大きい第二の保護フィルムを、それぞれ接着剤を介して貼合し、さらに必要であれば接着剤を乾燥又は硬化させて偏光板を作製する。
次に、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルム側に粘着剤層を設けて粘着剤付き偏光板とし、この粘着剤付き偏光板から幅25mm×長さ約200mmの試験片を裁断した後、その粘着剤面をガラス板に貼合して、ガラス板に対する粘着剤の接着力を十分に高める。その後、引張り試験機を用いて、試験片の長さ方向一端(幅25mmの一辺)の第二の保護フィルムと偏光フィルムとをつかみ、温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下、クロスヘッドスピード(つかみ移動速度)200mm/分で、JIS K 6854-1:1999 「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第1部:90度はく離」に準拠した90°剥離試験を行う。このときの平均剥離力(単位はN/25mm)を、表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの偏光フィルムに対する接着力とする。
この接着力は、小さすぎると、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムの界面で剥離してしまい、偏光板を液晶セルに貼った後、不具合があった際に偏光板を一旦剥がす、いわゆるリワークの必要が生じた場合に、上記のシクロオレフィン系樹脂フィルムだけが液晶セル上に残ってしまうことがある。一方、この接着力は大きいほど好ましいものの、それを大きくしようとすると、有機溶剤によるシクロオレフィン系樹脂フィルムの処理(侵食)が過度になり、シクロオレフィン系樹脂フィルムのヘイズ値を高めるなど、光学特性を損なうことになる。そこで、シクロオレフィン系樹脂フィルムのヘイズ値をはじめとする光学特性を維持したまま、溶剤処理を行い、シクロオレフィン系樹脂フィルムの偏光フィルムに対する接着力を高めることが重要である。
本発明により得られる偏光板は、偏光フィルムに貼合されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの偏光フィルムとは反対側の面に、粘着剤層を設けることができる。この粘着剤層は、この偏光板の液晶セルへの貼合、他の機能性フィルム、例えば位相差フィルムへの貼合、その他の層への貼合に用いることができる。粘着剤には、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとしたものを用いることができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性や凝集力を保持し、接着性にも優れ、さらには耐候性や耐熱性などを有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれなどの剥離問題を生じないものを選択して用いることが好ましい。アクリル系粘着剤においては、メチル基やエチル基やブチル基などの炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどからなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、さらに好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用である。
粘着剤層の形成は、例えば、トルエンや酢酸エチルのような有機溶剤に上記したベースポリマーをはじめとする粘着剤組成物を溶解又は分散させて10〜40重量%の溶液を調製し、プロテクトフィルム上に粘着剤層を形成しておき、それを偏光板上に移着することで粘着剤層を形成する方式などにより、行うことができる。粘着剤には上記したベースポリマーのほか、架橋剤を配合するのが一般的である。さらに、液晶セルへの貼合を意図する場合は、シランカップリング剤を配合することも好ましい。粘着剤層の厚さは、その接着力などに応じて決定されるが、通常は1〜50μm の範囲である。
粘着剤には必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉等の無機粉末などからなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが配合されていてもよい。紫外線吸収剤には、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。また、フィルムの面内位相差値及び厚さ方向位相差値は、王子計測機器(株)製の位相差測定装置“KOBRA-21ADH (測定方式:回転検光子法)”を用い、波長559nmの単色光で測定した値である。
[製造例1]偏光フィルムの作製
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μm のポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100 の水溶液に30℃で浸漬して染色した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に 56.5℃で浸漬して、ホウ酸処理を行った。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している厚さ約30μm の偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
[製造例2]接着剤組成物の調製
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール〔商品名“ゴーセファイマー Z-200”、日本合成化学工業(株)製、4%水溶液の粘度=12.4mPa・sec、ケン化度=99.1モル%〕を純水に溶解し、10%濃度の水溶液を調製した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール水溶液と、架橋剤となるグリオキシル酸ナトリウムとを、前者:後者の固形分重量比が 1:0.1となるように混合し、さらに水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが 2.5部となるように純水で希釈して、接着剤組成物を調製した。
[対照例]
(A)保護フィルム
厚さ25μm の延伸シクロオレフィン系樹脂フィルム〔商品名“ゼオノアフィルム”、日本ゼオン(株)製、面内位相差値=90nm、厚さ方向位相差値=79nm〕の片面に、コロナ処理を施して、一方の保護フィルムとした。また、厚さ40μm の酢酸セルロース系樹脂フィルム〔商品名“KC4UEW”、コニカミノルタオプト(株)製〕の片面にコロナ処理を施して、もう一方の保護フィルムとした。
(B)偏光板の作製
製造例1で作製した偏光フィルムの両面に、製造例2で調製した接着剤組成物を23℃の雰囲気下で塗布し、一方の接着剤塗布面には、上記のコロナ処理された延伸シクロオレフィン系樹脂フィルムを、他方の接着剤塗布面には、上記のコロナ処理された酢酸セルロース系樹脂フィルムを、それぞれのコロナ処理面が偏光フィルムとの貼合面となるように貼付装置〔フジプラ(株)製の“LPA3301 ”〕を用いて貼合した。これを80℃で5分乾燥して、偏光板を作製した。
(C)接着力の評価
上で作製した偏光板のシクロオレフィン系樹脂フィルム表面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面にアクリル系粘着剤シートを貼合した。得られた粘着剤付き偏光板を幅25mm、長さ約200mmの試験片に裁断し、その粘着剤面をソーダガラスに貼合した後、オートクレーブ中、圧力5kgf/cm2、温度50℃で20分間の加圧処理を行い、さらに、温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。この状態で、万能引張り試験機〔(株)島津製作所製の“AG-1”〕を用いて、試験片の長さ方向一端(幅25mmの一辺)の酢酸セルロース系樹脂フィルムと偏光フィルムをつかみ、温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下、クロスヘッドスピード(つかみ移動速度)200mm/分で、90°剥離試験(JIS K 6854-1:1999 「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第1部:90度はく離」に準拠する)を行い、シクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力を評価した。結果を表1に示した。
[実施例1]
厚さ25μm の延伸シクロオレフィン系樹脂フィルム〔商品名“ゼオノアフィルム”、日本ゼオン(株)製、面内位相差値=90nm、厚さ方向位相差値=79nm〕の片面に、塗工機〔第一理化(株)製のバーコーター〕を用いて、キシレン:メチルイソブチルケトン=3:7(体積比)で混合した有機溶剤を23℃の雰囲気下で塗工した。溶剤塗布後、乾燥炉に入れて40℃で乾燥した。このとき、溶剤塗布後から乾燥炉に入れるまでの時間は2.3秒であった。
得られた溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムについて、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフィーにより、すなわち、ヘッドスペース部で固体試料(ここでは溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルム中の有機溶剤)を気化させ、得られる気相をガスクロトマトグラフィー部で分析する手法によって、残留溶剤濃度を測定した。
ヘッドスペース−ガスクロマトグラフィーにおいて、ヘッドスペース部は Agilent社製の“G1888” とし、密封容器に封入された溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムをその中に入れて140℃で30分間保持した後、気相を採取して、ガスクロマトグラフィー部に導入した。ガスクロマトグラフィー部は Agilent社製の“6850シリーズ GS” とし、そこにカラムとして VARIAN 社製の“CP-PoraBOND” を配置し、そのカラムだけの状態で90℃にて2分間保持し、次に30℃/分の昇温速度で240℃まで加熱し、続いてその温度で10分間保持した後、上のヘッドスペース部で採取された気相を導入し、分析を行った。
残留溶剤濃度は、シクロオレフィン系樹脂に変化を与える溶剤であるキシレンの残留濃度について、以下の方法により求めた。まず、実施例1で使用したのと同じ延伸シクロオレフィン系樹脂フィルムにキシレン単体を塗布し、乾燥炉に入れるまでの時間を変更したサンプルをいくつか作成した。次に、そのサンプルについて、上記と同様にヘッドスペース−ガスクロマトグラフィーによる測定を行い、その残留濃度とピーク面積値の関係から検量線を作成した。この検量線を用い、分析結果のピーク面積値より残留溶剤濃度を求めた。分析結果のピーク面積値より、実施例1における残留濃度は、50ppmであった。
また、溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムについて面内位相差値を測定し、処理前の値(90nm)からの変化(処理前よりも位相差値が低下している場合をマイナスとする)を求めたところ、その差は−0.3nm であった。
以下の実施例及び比較例においても、溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムについて、この例と同様に、キシレンの残留溶剤、及び面内位相差値の測定を行った。残留溶剤濃度を表1の「残留溶剤濃度」の欄に、溶剤処理前後における面内位相差値の変化量を表1の「Re変化」の欄に、それぞれ示した。
こうして溶剤処理された延伸シクロオレフィン系樹脂フィルムの溶剤処理面にコロナ処理を施してから偏光フィルム片面への貼合に供し、偏光フィルムのもう一方の面には対照例と同じコロナ処理された酢酸セルロース系樹脂フィルムを貼合し、その他は対照例と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板のシクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力を対照例の(C)と同様の方法で評価し、結果を表1に示した。
[実施例2]
溶剤塗布から乾燥炉に入れるまでの時間を 2.7秒に変更したこと以外は、実施例1と同様に溶剤処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製し、評価した。溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムの残留溶剤、面内位相差値の変化、及び偏光板とした後のシクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力の結果を表1にまとめた。
[実施例3]
溶剤塗布から乾燥炉に入れるまでの時間を 3.6秒に変更したこと以外は、実施例1と同様に溶剤処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製し、評価した。溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムの残留溶剤、面内位相差値の変化、及び偏光板とした後のシクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力の結果を表1にまとめた。
[実施例4]
溶剤塗布から乾燥炉に入れるまでの時間を 5.4秒に変更したこと以外は、実施例1と同様に溶剤処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製し、評価した。溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムの残留溶剤、面内位相差値の変化、及び偏光板とした後のシクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力の結果を表1にまとめた。
[比較例1]
溶剤塗布から乾燥炉に入れるまでの時間を 10.8秒に変更したこと以外は、実施例1と同様に溶剤処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製し、評価した。溶剤処理後のシクロオレフィン系樹脂フィルムの残留溶剤、面内位相差値の変化、及び偏光板とした後のシクロオレフィン系樹脂フィルムと偏光フィルムとの間の接着力の結果を表1にまとめた。
Figure 2015114456
表1に示すとおり、溶剤処理を行わないシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いた対照例では、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムの間の接着力が低い。一方、塗工から乾燥炉に入れるまでの時間を 10.8秒とした比較例1では、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムの間の接着力は高まるものの、残留溶剤濃度が 780ppmであり、位相差の低下量が 1.4nmと高いことから、シクロオレフィン系樹脂フィルムの従来の性能を満足できない。これに対し、塗工から乾燥炉に入れるまでの時間を 2.3秒〜5.4秒 とした実施例1〜4では、シクロオレフィン系樹脂フィルムにおける残留溶剤濃度を 400ppm以下、また位相差の低下量を 0.9nm以下と低い値に保ったまま、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムの間の接着力を高めることができる。

Claims (3)

  1. 延伸されているシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムに、実質的に溶質を含まず、接触により該シクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤を塗布する溶剤塗布工程、及び
    前記溶剤塗布工程を経た前記フィルムを、有機溶剤を塗布するときの温度より少なくとも10℃高い温度を有するゾーンに通す乾燥工程を備え、
    前記溶剤塗布工程を経た後、前記乾燥工程に入るまでの時間を10秒以下とすることを特徴とする
    表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記乾燥工程を経た後の前記フィルムは、700ppm 以下の残留溶剤濃度を有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって製造された表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面改質された面に、接着剤を介して、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムを貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
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