JP2021001285A - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、複合材料、及びエポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、複合材料、及びエポキシ樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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優希 中村
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秀行 片木
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Kazumasa Fukuda
和真 福田
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Kei Togasaki
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Abstract

【課題】破壊靭性と曲げ弾性率のバランスに優れる硬化物を作製可能なエポキシ樹脂組成物及びその製造方法、当該エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、並びに当該硬化物を用いた複合材料を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂組成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、ゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂のゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、を含有する。【選択図】なし

Description

本開示は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、複合材料、及びエポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、省エネルギー化の流れから、電子材料、産業機器、航空宇宙等の分野で使用される材料において、セラミック、金属等からより軽量な樹脂材料への変換が進んでいる。
樹脂材料を金属の代替材として適用するうえでは、樹脂材料単体では耐熱性及び強度に対する要求を満足できないことが多いため、フィラー、繊維等の無機材料と樹脂材料とを組み合わせた複合材料を用いることが一般的である。特に、炭素繊維を樹脂と組み合わせた複合材料である炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic、CFRP)は、軽量化と高強度化の両立を図ることができる有望な材料として着目されており、近年では航空機の駆体にも採用されている。
航空機等へCFRPの適用を拡大するにあたってはさらなる高強度化、特に開口モード破壊靭性(Gic)の向上が望まれている。そこで、熱可塑性樹脂に比べて強度及び耐熱性の面で優れるエポキシ樹脂等の反応硬化系の樹脂の利用が検討されている。
開口モード破壊靭性は、例えばメソゲン構造を有するエポキシ樹脂を使用することで飛躍的に増大する(例えば、特許文献1参照)。これは破壊時の分子間凝集力に起因すると考えられ、応力緩和が働くことにより亀裂の進展を抑制することが可能となると考えられる。
特開2014−122337号公報
しかしながら、これまで、メソゲン構造を有するエポキシ樹脂を用いた場合、優れた破壊靭性は得られるものの、十分な曲げ弾性率を得ることが困難であった。そこで、弾性率の向上を図って、メソゲン構造を有するエポキシ樹脂にメソゲン構造を有しないエポキシ樹脂等を混合すると、十分な破壊靭性が得られにくいという問題があった。このように、航空機等へのCFRPの適用において望まれる破壊靭性と曲げ弾性率とを高いレベルで両立させることは困難であった。
上記事情に鑑み、本開示は、破壊靭性と曲げ弾性率のバランスに優れる硬化物を作製可能なエポキシ樹脂組成物及びその製造方法、当該エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、並びに当該硬化物を用いた複合材料の提供を課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、
下記条件で測定されるゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂の下記条件で測定されるゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、
を含有するエポキシ樹脂組成物:
エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
周波数:1Hz
歪み:2%
アルミ製コーン直径:12mm
試料台とコーンとの距離:0.5mm
<2> 前記メソゲン構造が下記一般式(1)で表されるメソゲン構造を含む、<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
一般式(1)中、Xは単結合、又は下記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
群(A)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
<3> 前記一般式(1)で表される構造が、下記一般式(3)及び一般式(4)からなる群より選択される少なくとも1つである、<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
一般式(3)及び一般式(4)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
<4> 前記第1のエポキシ樹脂が、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体化反応生成物である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<5> 前記多量体化反応生成物が、少なくとも2つのメソゲン構造と、前記少なくとも2つのメソゲン構造の間に配置される芳香環を含む2価の基と、を有する多量体を含む、<4>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<6> 前記第2のエポキシ樹脂が、メソゲン構造を有しないエポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<7> 前記第2のエポキシ樹脂のゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂のゲルタイムより15分以上短く、前記第2のエポキシ樹脂が、グリシジルオキシ基を3つ以上有するエポキシ化合物を成分とする、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<8> さらに硬化剤を含有する、<1>〜<7>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
<10> 偏光顕微鏡を用いた観察において、海島相分離構造が観察される、<9>に記載のエポキシ樹脂硬化物。
<11> <9>又は<10>に記載のエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む複合材料。
<12> 前記強化材が炭素材料を含む、<11>に記載の複合材料。
<13> メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、
下記条件で測定されるゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂の下記条件で測定されるゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、
を混合することを含む、エポキシ樹脂組成物の製造方法:
エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
周波数:1Hz
歪み:2%
アルミ製コーン直径:12mm
試料台とコーンとの距離:0.5mm
本開示によれば、破壊靭性と曲げ弾性率のバランスに優れる硬化物を作製可能なエポキシ樹脂組成物及びその製造方法、当該エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、並びに当該硬化物を用いた複合材料が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
≪エポキシ樹脂組成物≫
エポキシ樹脂組成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、下記条件で測定されるゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂の下記条件で測定されるゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、を含有する:
エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
周波数:1Hz
歪み:2%
アルミ製コーン直径:12mm
試料台とコーンとの距離:0.5mm
本開示のエポキシ樹脂組成物によれば、破壊靭性と曲げ弾性率のバランスに優れる硬化物を作製可能である。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
メソゲン構造を有するエポキシ樹脂を、弾性率を高めるために他のエポキシ樹脂と混合すると、硬化させるときにこれらのエポキシ樹脂がランダムに共重合することで配向性が低下してしまい、破壊靭性が大幅に低下しやすいと考えられる。一方、本開示のエポキシ樹脂組成物では、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、これに混合される第2のエポキシ樹脂と、の硬化時の反応速度差が比較的大きいため、これらがランダムに共重合することが抑制され、ブロック共重合してポリドメイン化する。この結果、第1のエポキシ樹脂を含む部分における分子の配向性が維持されやすいと考えられる。また、ポリドメイン化によって応力が好適に緩和されることも、良好な破壊靭性に寄与していると推察される。
さらに、本開示のエポキシ樹脂組成物によれば、複合材料に使用する場合に、強化材と樹脂との界面強度にも優れる傾向にある。これは、上述のように硬化物がポリドメイン化されているため、強化材と樹脂が一軸配向することが抑制され、強化材と樹脂の相互作用が促進されることが一因と推測される。
本開示において「エポキシ化合物」とは、分子中にエポキシ基を有する化合物を意味する。
本開示において「エポキシ樹脂」とは、複数のエポキシ化合物を集合体として捉える概念であって硬化していない状態のものを意味する。当該集合体は、例えばエポキシ化合物の単量体の集合体であってもよく、エポキシ化合物の単量体が重合したものの集合体であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
本開示において、「第1のエポキシ樹脂」とは、特定のメソゲン構造(特定のメソゲン骨格)を有するエポキシ化合物の集合体を表す。「第1のエポキシ樹脂」は当該特定のメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体、重合体(多量体、共重合体等)、又はこれらの組み合わせ、の集合体であってよい。
本開示において、「第2のエポキシ樹脂」とは、第1のエポキシ樹脂の成分であるエポキシ化合物とは異なる特定の構造(骨格)を有するエポキシ化合物の集合体であって、ゲルタイムが第1のエポキシ樹脂のゲルタイムとは15分以上異なるエポキシ樹脂を表す。「第2のエポキシ樹脂」は、当該エポキシ化合物の単量体、重合体(多量体、共重合体等)、又はこれらの組み合わせ、の集合体であってよい。
本開示において、「エポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂」とは、当該エポキシ化合物として、特定の構造を有するエポキシ化合物の単量体、前記単量体の重合体(多量体、共重合体等)、又はこれらの組み合わせを主成分とするエポキシ樹脂であり(当業者に理解されるように、合成に伴う添加剤、副産物等は含まれる可能性がある)、骨格の異なるエポキシ化合物を複数種混合させて調製される混合物を意図するものではない。
以下、本開示のエポキシ樹脂組成物の各成分について詳述する。
<第1のエポキシ樹脂>
本開示のエポキシ樹脂組成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂を含有する。
メソゲン構造とは、これを有するエポキシ化合物の反応物であるエポキシ樹脂が液晶性を発現する可能性のある構造を意味する。メソゲン構造は、具体的には、ビフェニル構造、フェニルベンゾエート構造、シクロヘキシルベンゾエート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、ターフェニル構造、アントラセン構造、これらの誘導体、これらのメソゲン構造の2つ以上が結合基を介して結合した構造等が挙げられる。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂は、このエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物中に高次構造を形成することができる。ここで、高次構造とは、その構成要素が配列してミクロな秩序構造を形成した高次構造体を含む構造を意味し、例えば結晶相及び液晶相が相当する。このような高次構造体の存在の有無は、偏光顕微鏡によって判断することができる。すなわち、高次構造体の存在の有無は、クロスニコル状態での観察において、偏光解消による干渉縞が見られることで判別可能である。この高次構造体は、通常はエポキシ樹脂組成物の硬化物中に島状に存在してドメイン構造を形成しており、その島の一つが一つの高次構造体に対応する。この高次構造体の構成要素自体は、一般には共有結合により形成されている。
硬化した状態で形成される高次構造としては、ネマチック構造とスメクチック構造とが挙げられる。ネマチック構造とスメクチック構造は、それぞれ液晶構造の一種である。ネマチック構造は分子長軸が一様な方向を向いており、配向秩序のみをもつ液晶構造である。これに対し、スメクチック構造は配向秩序に加えて一次元の位置の秩序を持ち、層構造を有する液晶構造である。秩序性はネマチック構造よりもスメクチック構造の方が高い。従って、硬化物の熱伝導性及び破壊靭性の観点からは、スメクチック構造の高次構造を形成することがより好ましい。
硬化物中にスメクチック構造が形成されているか否かは、硬化物のX線回折測定により判断できる。X線回折測定は、例えば、スペクトリス株式会社のX線回折装置(商品名:「Empyrean」)を用いて行うことができる。本開示では、CuKα1線を用い、管電圧45kV、管電流40mA、2θ=1°〜30°の範囲でX線回折測定を行ったとき、2θ=2°〜10°の範囲に回折ピークが現れる場合に、硬化物中にスメクチック構造が形成されていると判断する。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂は、硬化したときに高次構造を形成し易い。このため、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を含まないエポキシ樹脂と比べ、硬化物の破壊靭性により優れる傾向にある。
メソゲン構造は、下記一般式(1)で表される構造であってもよい。
一般式(1)中、Xは単結合、又は下記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
群(A)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
一般式(1)で表されるメソゲン構造において、Xが上記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基である場合、当該連結基は、下記群(Aa)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基であることが好ましく、群(Aa)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を有し、かつ少なくとも1つの環状構造を有する連結基であることがより好ましい。
群(Aa)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
硬化物中に高次構造を形成し易い観点からは、一般式(1)で表されるメソゲン構造は、下記一般式(2)で表されるメソゲン構造を含むことが好ましい。
一般式(2)中、Xは単結合、又は前記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
一般式(2)で表されるメソゲン構造の好ましい例としては、下記一般式(3)又は一般式(4)で表されるメソゲン構造が挙げられる。
一般式(3)又は一般式(4)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。また、R〜Rのうちの2個〜4個が水素原子であることが好ましく、3個又は4個が水素原子であることがより好ましく、4個すべてが水素原子であることがさらに好ましい。R〜Rのいずれかが炭素数1〜3のアルキル基である場合、R及びRの少なくとも一方が炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
第1のエポキシ樹脂は、下記一般式(1−m)で表される構造を有するエポキシ化合物を含んでもよい。
一般式(1−m)において、X、Y及びnの定義及び好ましい例は、上述した一般式(1)におけるX、Y及びnの定義及び好ましい例と同様である。
硬化物中に高次構造を形成する観点からは、一般式(1−m)で表されるエポキシ化合物は、下記一般式(2−m)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましい。
一般式(2−m)において、X、Y及びnの定義及び好ましい例は、一般式(1−m)におけるX、Y及びnの定義及び好ましい例と同様である。
一般式(1−m)で表されるエポキシ化合物は、下記一般式(3−m)又は一般式(4−m)で表される構造を有するエポキシ化合物であることがより好ましい。
一般式(3−m)及び一般式(4−m)において、R〜Rの定義及び好ましい例は、一般式(3)及び一般式(4)のR〜Rの定義及び好ましい例と同様である。
第1のエポキシ樹脂は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体化反応生成物であることが好ましい(以下、第1のエポキシ樹脂における、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体化反応生成物を、単に「多量体化反応生成物」ともいう)。本開示において、エポキシ化合物の多量体化反応生成物とは、エポキシ化合物を多量体化する反応の生成物を表し、未反応の単量体が存在する場合には当該単量体及び多量体(二量体、三量体等)を含有する混合物を意味する。多量体化反応生成物中に存在する多量体は、2つ以上のメソゲン構造を有する。2つ以上のメソゲン構造を有するエポキシ化合物は、1つのメソゲン構造を有するエポキシ化合物と比べて硬化前の粘度が低く、取扱い性に優れる傾向にある。第1のエポキシ樹脂は、メソゲン構造を1つ有するエポキシ化合物及びメソゲン構造を2つ以上有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体は、少なくとも2つのメソゲン構造と、前記少なくとも2つのメソゲン構造の間に配置される芳香環を含む2価の基と、を有する多量体を含むことが好ましい。この場合、当該少なくとも2つのメソゲン構造と当該芳香環を含む2価の基とは直接連結していてもよく、連結基を介して連結していてもよい。
2つのメソゲン構造の間に配置される2価の芳香族基としては、例えば、フェニレン基、2価のビフェニル基、及びナフチレン基が挙げられる。フェニレン基としては下記一般式(5A)で表される構造が挙げられ、2価のビフェニル基としては下記一般式(5B)で表される構造が挙げられ、ナフチレン基としては下記一般式(5C)で表される構造が挙げられる。

一般式(5A)、一般式(5B)、及び一般式(5C)において、*は隣接する原子との結合位置を表す。隣接する原子としては酸素原子、窒素原子等が挙げられる。R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。mはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表す。pはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。
及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
mはそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0〜1の整数であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。pはそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0〜1の整数であることがより好ましい。
一般式(5A)で表される構造の中でも、下記一般式(5a)で表される構造が好ましく、一般式(5B)で表される構造の中でも、下記一般式(5b)で表される構造が好ましい。一般式(5C)で表される構造の中でも、下記一般式(5c−1)及び一般式(5c−2)で表される構造が好ましい。このような構造を有する多量体は、分子のスタッキング性が高く、高次構造をより形成し易いと考えられる。
一般式(5a)、一般式(5b)、一般式(5c−1)、及び一般式(5c−2)において、R、R、m、及びpの定義及び好ましい例は、一般式(5A)、一般式(5B)、及び一般式(5C)のR、R及びm、及びpの定義及び好ましい例と同様である。*は隣接する原子との結合位置を表す。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体は、下記一般式(1−A)一般式(1−B)、又は一般式(1−C)で表される構造を有するエポキシ化合物であってもよい。


一般式(1−A)、一般式(1−B)、及び一般式(1−C)において、X、Y及びnの定義及び好ましい例は、一般式(1)のX、Y及びnの定義及び好ましい例と同様である。また、R、R、m、及びpの定義及び好ましい例は、一般式(5A)、一般式(5B)、及び一般式(5C)のR、R、m、及びpの定義及び好ましい例と同様である。Zはそれぞれ独立に、−O−又は−NH−を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
硬化物中に高次構造を形成する観点からは、一般式(1−A)で表される構造を有するエポキシ化合物は、下記一般式(2−A)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましく、一般式(1−B)で表される構造を有するエポキシ化合物は、下記一般式(2−B)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましく、一般式(1−C)で表される構造を有するエポキシ化合物は、下記一般式(2−C)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましい。

一般式(2−A)、一般式(2−B)、及び一般式(2−C)において、X、Y、n、m、p、R、R、及びZの定義及び好ましい例は、一般式(1−A)、一般式(1−B)、及び一般式(1−C)のX、Y、n、m、p、R、R及びZの定義及び好ましい例と同様である。*は隣接する原子との結合部位を表す。
一般式(1−A)で表される構造を有するエポキシ化合物としては、下記一般式(3−A−1)〜一般式(3−A−4)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有するエポキシ化合物が挙げられる。
一般式(1−B)で表される構造を有するエポキシ化合物としては、下記一般式(3−B−1)〜一般式(3−B−4)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有するエポキシ化合物が挙げられる。
一般式(1−C)で表される構造を有するエポキシ化合物としては、下記一般式(3−C−1)〜一般式(3−C−4)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有するエポキシ化合物が挙げられる。
一般式(3−A−1)〜(3−A−4)、一般式(3−B−1)〜(3−B−4)、及び一般式(3−C−1)〜(3−C−4)において、R、R、m、p、及びZの定義及び好ましい例は、一般式(1−A)、一般式(1−B)、及び一般式(1−C)のR、R、m、p及びZの定義及び好ましい例と同様である。R〜Rの定義及び好ましい例は、一般式(3)又は一般式(4)のR〜Rの定義及び好ましい例と同様である。*は隣接する原子との結合部位を表す。
多量体化反応生成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、の反応生成物であってもよい。また、多量体化反応生成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、の反応生成物であってもよい。
〔多量体化反応生成物の調製方法〕
多量体化反応生成物を調製する方法は、特に制限されない。例えば、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、を反応させて、多量体化反応生成物を得てもよい。メソゲン構造を有するエポキシ化合物としては、例えば、一般式(1−m)で表される構造を有するエポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物は特に制限されず、エポキシ基と反応しうる官能基を有する芳香族化合物であることが好ましい。
エポキシ基と反応しうる官能基としては、水酸基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられる。エポキシ基と反応しうる官能基を有する芳香族化合物中の、当該エポキシ基と反応しうる官能基の数は1つであっても2つ以上であってもよく、2つであることが好ましい。また、官能基は芳香環に直結していても直結していなくてもよく、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖等のアルキレンオキサイド鎖、アルキル鎖などを介して芳香環に連結されていてもよい。
硬化物中にスメクチック構造を形成する観点からは、エポキシ基と反応しうる官能基を有する芳香族化合物は、1つのベンゼン環に2つの水酸基が結合した構造を有するジヒドロキシベンゼン化合物、1つのベンゼン環に2つのアミノ基が結合した構造を有するジアミノベンゼン化合物、ビフェニル構造を形成する2つのベンゼン環にそれぞれ1つの水酸基が結合した構造を有するジヒドロキシビフェニル化合物、ビフェニル構造を形成する2つのベンゼン環にそれぞれ1つのアミノ基が結合した構造を有するジアミノビフェニル化合物、1つのナフタレン環に2つの水酸基が結合した構造を有するジヒドロキシナフタレン化合物及び1つのナフタレン環に2つのアミノ基が結合した構造を有するジアミノナフタレン化合物からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定芳香族化合物とも称する)であることが好ましい。
ジヒドロキシベンゼン化合物としては、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、これらの誘導体等が挙げられる。
ジアミノベンゼン化合物としては、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、これらの誘導体等が挙げられる。
ジヒドロキシビフェニル化合物としては、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、これらの誘導体等が挙げられる。
ジアミノビフェニル化合物としては、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、2,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、これらの誘導体等が挙げられる。
ジヒドロキシナフタレン化合物としては、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、これらの誘導体等が挙げられる。
ジアミノナフタレン化合物としては、1,2−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、これらの誘導体等が挙げられる。
特定芳香族化合物の誘導体としては、特定芳香族化合物のベンゼン環又はナフタレン環に炭素数1〜8のアルキル基等の置換基が結合した化合物が挙げられる。特定芳香族化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の官能基当量は特に制限されない。反応の効率性の観点からは、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の官能基当量(官能基がアミノ基である場合は活性水素の当量)は65g/eq〜200g/eqであることが好ましく、70g/eq〜150g/eqであることがより好ましく、75g/eq〜100g/eqであることがさらに好ましい。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、を反応させて多量体化反応生成物を得る方法は、特に制限されない。具体的には、例えば、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて用いる上記メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、必要に応じて用いる反応触媒と、を溶媒中に溶解し、加熱しながら撹拌することで、多量体化反応生成物を得ることができる。
または、例えば、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、必要に応じて用いる反応触媒と、を溶媒を用いずに混合し、加熱しながら撹拌することで、多量体化反応生成物を得ることができる。
溶媒は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、を溶解でき、かつこれらの化合物が反応するのに必要な温度にまで加温できる溶媒であれば、特に制限されない。具体的には、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
溶媒の量は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、必要に応じて用いる反応触媒と、を反応温度において溶解できる量であれば特に制限されない。反応前の原料の種類、溶媒の種類等によって溶解性が異なるものの、例えば、仕込み固形分濃度が20質量%〜60質量%となる量であれば、反応後の溶液の粘度が好ましい範囲となる傾向にある。
反応触媒の種類は特に限定されず、反応速度、反応温度、貯蔵安定性等の観点から適切なものを選択できる。具体的には、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。反応触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化物の耐熱性の観点からは、反応触媒としては有機リン化合物が好ましい。
有機リン化合物の好ましい例としては、有機ホスフィン化合物、有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体などが挙げられる。なかでも、有機ホスフィン化合物とキノン化合物とを付加してなる化合物が好ましい。
有機ホスフィン化合物として具体的には、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキルアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等が挙げられる。
キノン化合物として具体的には、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等が挙げられる。
有機ボロン化合物として具体的には、テトラフェニルボレート、テトラ−p−トリルボレート、テトラ−n−ブチルボレート等が挙げられる。
反応触媒の量は、特に制限されない。反応速度及び貯蔵安定性の観点からは、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物との合計質量100質量部に対し、0.1質量部〜1.5質量部であることが好ましく、0.2質量部〜1質量部であることがより好ましい。
多量体化反応生成物を得るための合成は、少量スケールであればフラスコ、大量スケールであれば合成釜等の反応容器を使用して行うことができる。具体的な合成方法は、例えば以下の通りである。まず、メソゲン構造を有するエポキシ化合物、及び必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物を反応容器に投入し、必要に応じて溶媒を入れ、オイルバス又は熱媒により反応温度まで加温し、メソゲン構造を有するエポキシ化合物及び必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物を溶解する。そこにエポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物を投入し、次いで必要に応じて反応触媒を投入し、反応を開始させる。次いで、必要に応じて減圧下で溶媒を留去することで、多量体化反応生成物が得られる。
反応温度は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物及び必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物のエポキシ基と、エポキシ基と反応しうる官能基と、の反応が進行する温度であれば特に制限されない。反応温度は例えば100℃〜180℃の範囲であることが好ましく、100℃〜150℃の範囲であることがより好ましい。反応温度を100℃以上とすることで、反応が完結するまでの時間をより短くできる傾向にある。一方、反応温度を180℃以下とすることで、ゲル化する可能性を低減できる傾向にある。
多量体化反応生成物を得るための合成において、原料となるエポキシ化合物(すなわち、メソゲン構造を有するエポキシ化合物、及び必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物)と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の配合比は、特に制限されない。例えば、エポキシ基の当量数(A)と、エポキシ基と反応しうる官能基の当量数(B)との比(A:B)が10:10〜10:0.01の範囲となる配合比としてもよい。硬化物の破壊靭性及び耐熱性の観点からは、比(A:B)が10:5〜10:0.1の範囲となる配合比が好ましい。
多量体化反応生成物の取り扱い性の観点からは、エポキシ基の当量数(A)と、エポキシ基と反応しうる官能基の当量数(B)との比(A:B)は10:1.6〜10:3.0の範囲となる配合比が好ましく、10:1.8〜10:2.9の範囲となる配合比がより好ましく、10:2.0〜10:2.8の範囲となる配合比がさらに好ましい。
曲げ弾性率と破壊靭性を効果的に両立する観点からは、エポキシ基の当量数(A)と、エポキシ基と反応しうる官能基の当量数(B)との比(A:B)は10:1.0〜10:3.0の範囲となる配合比が好ましく、10:1.4〜10:2.6の範囲となる配合比がより好ましく、10:1.6〜10:2.4の範囲となる配合比がさらに好ましい。
多量体化反応生成物中のメソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体の構造は、例えば、合成に使用したメソゲン構造を有するエポキシ化合物と、必要に応じて用いる当該メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、の反応より得られると推定される多量体の分子量と、UV及びマススペクトル検出器を備える液体クロマトグラフを用いて実施される液体クロマトグラフィーにより求めた目的化合物の分子量と、を照合させることで決定することができる。
液体クロマトグラフィーは、例えば、株式会社日立製作所製の「LaChrom II C18」を分析用カラムとして使用し、グラジエント法を用いて、溶離液の混合比(体積基準)をアセトニトリル/テトラヒドロフラン/10mmol/l酢酸アンモニウム水溶液=20/5/75からアセトニトリル/テトラヒドロフラン=80/20(開始から20分)を経てアセトニトリル/テトラヒドロフラン=50/50(開始から35分)と連続的に変化させて測定を行う。また、流速を1.0ml/minとして行う。UVスペクトル検出器では280nmの波長における吸光度を検出し、マススペクトル検出器ではイオン化電圧を2700Vとして検出する。
エポキシ樹脂組成物は、多量体化反応生成物として、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体及び多量体の両方を含有することが好ましい。エポキシ樹脂組成物中にメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体と多量体とが適切な割合で存在していると、硬化前の取扱い性により優れる傾向にある。また、硬化する際の架橋密度が高く維持されることから、耐熱性に優れるエポキシ樹脂硬化物が得られる傾向にある。メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体と多量体の割合は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物と、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物と、必要に応じて用いられる前記メソゲン構造を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物と、の配合比等の反応条件によって調節することができる。
多量体化反応生成物中のメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の含有割合は、多量体化反応生成物全体の50%以下であることが好ましく、49%以下であることがより好ましく、48%以下であることがさらに好ましい。多量体化反応生成物中のメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の含有割合が50%以下であると、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の含有割合が50%を超えるエポキシ樹脂に比べて、昇温時に粘度が下がりやすく、取り扱い性に優れる傾向にある。その理由は明らかではないが、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の割合が多量体化反応生成物全体の50%以下であると、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の含有割合が50%を超える場合に比べ、エポキシ樹脂の溶融温度以下の温度での結晶の析出がより抑制されるためと推測される。
固有粘度(すなわち、溶融時の粘度)の低減の観点からは、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の割合は、多量体化反応生成物全体の35%以上であることが好ましく、37%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
本開示において、多量体化反応生成物中のメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体の含有割合は、例えば、液体クロマトグラフにより得られるチャートから算出することができる。より具体的には、液体クロマトグラフにより得られるチャートにおける、多量体化反応生成物を構成する全ての成分に由来するピークの合計面積に占めるメソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体に由来するピークの面積の割合(%)として求める。具体的には、測定対象の多量体化反応生成物の280nmの波長における吸光度を検出し、多量体化反応生成物を構成する全てのピークの合計面積と、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体に相当するピークの面積とから、下記式により算出する。
メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体に由来するピークの面積の割合(%)=(メソゲン構造を有するエポキシ化合物の単量体に由来するピークの面積/多量体化反応生成物を構成する全ての成分に由来するピークの合計面積)×100
液体クロマトグラフィーは、試料濃度を0.5質量%とし、移動相にテトラヒドロフランを用い、流速を1.0ml/minとして行う。測定は、例えば、株式会社日立製作所製の高速液体クロマトグラフ「L6000」と、株式会社島津製作所のデータ解析装置「C−R4A」を用いて行うことができる。カラムとしては、例えば、東ソー株式会社製のGPCカラムである「G2000HXL」及び「G3000HXL」を用いることができる。
第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されない。低粘度化の観点からは、エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は500〜3000であることが好ましく、700〜2500であることがより好ましく、800〜2000であることがさらに好ましい。
本開示において、重量平均分子量(Mw)は液体クロマトグラフィーにより得られる値とする。
液体クロマトグラフィーは、試料濃度を0.5質量%とし、移動相にテトラヒドロフランを用い、流速を1.0ml/minとして行う。検量線はポリスチレン標準サンプルを用いて作成し、それを用いてポリスチレン換算値で重量平均分子量(Mw)を測定する。測定は、例えば、株式会社日立製作所の高速液体クロマトグラフ「L6000」と、株式会社島津製作所のデータ解析装置「C−R4A」を用いて行うことができる。カラムとしては、例えば、東ソー株式会社のGPCカラムである「G2000HXL」及び「G3000HXL」を用いることができる。
第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されない。流動性、硬化物の熱伝導性、破壊靭性と曲げ弾性率の両立等の観点からは、245g/eq〜500g/eqであることが好ましく、250g/eq〜450g/eqであることがより好ましく、260g/eq〜400g/eqであることがさらに好ましい。本開示において、エポキシ当量は、過塩素酸滴定法により測定する。
<第2のエポキシ樹脂>
本開示のエポキシ樹脂組成物は、第2のエポキシ樹脂を含有する。第2のエポキシ樹脂のゲルタイムは、第1のエポキシ樹脂のゲルタイムとは15分以上異なる、すなわち、第1のエポキシ樹脂のゲルタイムよりも15分以上短いか、15分以上長い。
第2のエポキシ樹脂は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分としていてもよく、メソゲン構造を有しないエポキシ化合物を成分としていてもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物中に、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂が2種以上存在する場合、いずれか1種を第1のエポキシ樹脂とし、他の1種を第2のエポキシ樹脂として、これらの2種のエポキシ樹脂のゲルタイムに15分以上の差があれば、本開示のエポキシ樹脂組成物の範囲に含まれるものとする。すなわち、これらのメソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂のうち、いずれを第1のエポキシ樹脂としてもよく、いずれかを第1のエポキシ樹脂とした場合に、ゲルタイムが15分以上異なるエポキシ樹脂が存在する場合、本開示のエポキシ樹脂組成物の範囲に含まれる。
本開示において、ゲルタイムの測定は以下の方法で行う。
エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
周波数:1Hz
歪み:2%
アルミ製コーン直径:12mm
試料台とコーンとの距離:0.5mm
より具体的には、例えば以下の方法で行う。
アルミカップ中で、エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で混合する。この混合物を、180℃に加熱したホットプレートに載せ、金属製のスパチュラで90秒間撹拌する。レオメータ(例えば、MCR102、Anton Paar製)を、周波数1Hz、歪み2%に設定し、直径12mmのアルミ製コーンを用いて、以下のようにゲルタイムを測定する。90℃に設定した試料台に、上記のように得られた混合物を置いて溶解させ、試料台とコーン間との距離を0.5mmに設定する。その後、90℃から1.7℃/分で昇温し、150℃で等温保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
第1のエポキシ樹脂のゲルタイムと、第2のエポキシ樹脂のゲルタイムと、の差は15分以上であり、20分以上であってもよく、25分以上であってもよい。第1のエポキシ樹脂のゲルタイムと、第2のエポキシ樹脂のゲルタイムと、の差の上限は特に制限されず、50分以下であってもよく、40分以下であってもよい。
流動性、成形性等の観点から、第1のエポキシ樹脂のゲルタイムは、例えば、40分〜80分であってもよく、50分〜70分であってもよい。例えば、第1のエポキシ樹脂のゲルタイムが50分〜70分である場合、第2のエポキシ樹脂のゲルタイムは、20分以上55分未満であってもよく、25分〜50分であってもよく、30分〜45分であってもよい。同様に、第1のエポキシ樹脂のゲルタイムが50分〜70分である場合、第2のエポキシ樹脂のゲルタイムは、65分を超え100分以下であってもよく、65分を超え95分以下であってもよく、65分を超え90分以下であってもよい。
第1のエポキシ樹脂、及び第2のエポキシ樹脂のゲルタイムを調整する方法としては、例えば、エポキシ樹脂の分子量を調節する方法、エポキシ樹脂の官能基数を調節する方法、エポキシ樹脂の官能基の種類を調整する方法等が挙げられる。エポキシ樹脂の分子量は低いほどゲルタイムが短くなる傾向にある。また、エポキシ樹脂の官能基数が多いほどゲルタイムが短くなる傾向にある。また、例えば、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂と比べて、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂ではゲルタイムが短くなる傾向にある。
第2のエポキシ樹脂のエポキシ基数は、2以上であることが好ましく、ゲルタイムを小さくする観点からは、3以上であることがより好ましく、3であってもよい。
第2のエポキシ樹脂は、官能基としてグリシジルオキシ基を有することが好ましい。特に、第2のエポキシ樹脂は2つ以上のグリシジルオキシ基を有することが好ましく、ゲルタイムを小さくする観点からは、3つ以上のグリシジルオキシ基を有することがより好ましく、3つのグリシジルオキシ基を有することがさらに好ましい。
破壊靭性と曲げ弾性率の好適なバランスの観点からは、第2のエポキシ樹脂は、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル構造等の、芳香環を含む構造を有することが好ましい。
好適な第2のエポキシ樹脂としては、例えば、ベンゼン環と3つのグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂(例えば、商品名:EXA7190;DIC株式会社製)等が挙げられる。
好ましい一実施形態において、エポキシ樹脂組成物は、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体化反応生成物と、グリシジルオキシ基を3つ以上有するエポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂と、を含有していてもよい。当該グリシジルオキシ基を3つ以上有するエポキシ化合物はベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環を有していてもよい。
<第1のエポキシ樹脂及び第2のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂>
本開示のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂は、第1のエポキシ樹脂、及び第2のエポキシ樹脂に加えて、その他のエポキシ樹脂を含んでいてもいなくてもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物中に、少なくとも1種類のメソゲン構造を有するエポキシ樹脂を含む3種類以上のエポキシ樹脂が存在する場合、1種類のメソゲン構造を有するエポキシ樹脂を第1のエポキシ樹脂とし、ゲルタイムが当該第1のエポキシ樹脂のゲルタイムとは15分以上異なるエポキシ樹脂を第2のエポキシ樹脂とする。このとき、第1のエポキシ樹脂及び第2のエポキシ樹脂に相当しないエポキシ樹脂が含まれていてもよい。
第1のエポキシ樹脂及び第2のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、第1のエポキシ樹脂及び第2のエポキシ樹脂に該当しない、置換又は非置換のベンゼン環及び2つ以上のグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、置換又は非置換のナフタレン環及び2つ以上のグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、メソゲン構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が、第1のエポキシ樹脂、及び第2のエポキシ樹脂に加えて、その他のエポキシ樹脂を含有する場合、破壊靭性と曲げ弾性率のバランスを好適なものとする観点からは、エポキシ樹脂組成物の全量に対するその他のエポキシ樹脂の含有率は、30質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。
<硬化剤>
エポキシ樹脂組成物は、さらに硬化剤を含有してもよい。硬化剤は、エポキシ樹脂と硬化反応を生じることができる化合物であれば、特に制限されない。硬化剤の具体例としては、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂組成物の硬化物中に高次構造を形成する観点からは、硬化剤としては、アミン硬化剤又はフェノール硬化剤が好ましく、アミン硬化剤がより好ましい。アミン硬化剤としては、芳香環及びアミノ基を有するアミン硬化剤が好ましく、アミノ基が芳香環に直接結合しているアミン硬化剤がより好ましく、芳香環に直接結合しているアミノ基を2つ以上有するアミン硬化剤がさらに好ましい。芳香環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。
アミン硬化剤として具体的には、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジアミノフェニルベンゾエート、1,5−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、トリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアート等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物の硬化物中にスメクチック構造を形成する観点からは3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びトリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアートが好ましく、低吸水率及び高破壊靭性の硬化物を得る観点からは3,3’−ジアミノジフェニルスルホンがより好ましい。
フェノール硬化剤としては、低分子フェノール化合物、及び低分子フェノール化合物をメチレン鎖等で連結してノボラック化したフェノールノボラック樹脂が挙げられる。低分子フェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等の単官能フェノール化合物、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の2官能フェノール化合物、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3官能フェノール化合物などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物における硬化剤の含有量は特に制限されない。硬化反応の効率性の観点からは、エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の官能基の当量数(アミン硬化剤の場合は活性水素の当量数)と、エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数との比(官能基の当量数/エポキシ基の当量数)が0.3〜3.0となる量であることが好ましく、0.5〜2.0となる量であることがより好ましく、0.8〜1.3となる量であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じてエポキシ樹脂と硬化剤以外のその他の成分を含んでもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物は、硬化触媒、フィラー等を含んでもよい。硬化触媒の具体例としては、多量体化反応生成物の合成に使用しうる反応触媒として例示した化合物が挙げられる。
〔エポキシ樹脂組成物の粘度〕
エポキシ樹脂組成物の粘度は、特に制限されず、エポキシ樹脂組成物の用途に応じて選択できる。取り扱い性の観点から、エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度は200Pa・s以下であることが好ましく、100Pa・s以下であることがより好ましく、20Pa・s以下であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度は、レオメータ(例えば、MCR−301、アントンパール社製)により振動モードで測定することができる。例えば、直径12mmの平行平板部レートを用い、周波数1Hz、ギャップ0.2mm、ひずみ800%の条件で測定することができる。
〔エポキシ樹脂組成物の用途〕
エポキシ樹脂組成物の用途は特に制限されず、例えば、航空機、宇宙船等に用いる繊維強化複合材料(FRP)の製造に好適に用いることができる。
また、本開示のエポキシ樹脂組成物は、繊維強化複合材料の製造において、熱可塑性樹脂の粒子をプリプレグの表面領域に局在させる等の工程を省略した製造方法にも好適に用いることができる。
≪エポキシ樹脂硬化物≫
本開示のエポキシ樹脂硬化物は、前述の本開示のエポキシ樹脂組成物の硬化物である。エポキシ樹脂組成物を硬化させるときの条件は特に制限されず、含有するエポキシ樹脂、硬化剤等の各成分の種類、配合割合などに応じて適宜調整することができる。例えば、エポキシ樹脂組成物を硬化させるときの条件は、130℃〜200℃において、1時間〜10時間の条件としてもよい。
エポキシ樹脂組成物を硬化させる際には、エポキシ樹脂組成物を撹拌しながら硬化反応を進行させることが好ましい。硬化反応中に撹拌を行うことで、相分離構造が好適に得られやすい傾向にある。撹拌条件は、例えば、真空撹拌機(シンキー製真空ミキサー・あわとり練太郎ARV−310)を用いて、真空下で回転数2000回毎分(rpm)で30分間の撹拌としてもよい。
〔相分離構造〕
エポキシ樹脂硬化物では、偏光顕微鏡を用いた観察において、海島相分離構造が観察されていることが好ましい。この海島相分離構造は、第1のエポキシ樹脂を含む部分が硬化されてなるドメインと、第2のエポキシ樹脂を含む部分が硬化されてなるドメインと、からなるポリドメイン構造を表している。このような相分離構造が観察されるエポキシ樹脂硬化物では、破壊靭性と曲げ弾性率のバランスが好適に得られやすい傾向にある。
〔高次構造〕
エポキシ樹脂硬化物は、破壊靭性の観点から、少なくとも一部において、スメクチック構造又はネマチック構造を形成していることが好ましく、スメクチック構造を形成していることが好ましい。
〔ガラス転移温度〕
エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度は130℃以上であることが好ましく、140℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。ガラス転移温度の上限は特に制限されず、例えば180℃であってもよい。
硬化物のガラス転移温度は、例えば、以下のように測定することができる。硬化物を短冊状に切り出して試験片を作製し、引張りモードによる動的粘弾性測定を行う。測定条件は、周波数10Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.1%とし、得られた温度‐tanδ関係図において、tanδが最大となる温度を、ガラス転移温度とみなせばよい。評価装置には、例えば、RSA−G2(ティー・エイ・インスツルメント社)を用いることができる。
〔曲げ弾性率〕
エポキシ樹脂硬化物の23℃における曲げ弾性率は3.0GPa以上であることが好ましく、3.1GPa以上であることがより好ましく、3.2GPa以上であることがさらに好ましい。上記曲げ弾性率の上限は特に制限されず、例えば5.0GPaであってもよい。
硬化物の曲げ弾性率は、JIS K7171(2016)に基づいて3点曲げ測定によって測定することができる。具体的には、後述する実施例に記載された方法で測定することができる。
〔破壊靭性〕
エポキシ樹脂硬化物の破壊靭性値は1.2MPa・m1/2以上であることが好ましく、1.3MPa・m1/2以上であることがより好ましく、1.4MPa・m1/2以上であることがさらに好ましく、1.5MPa・m1/2以上であることが特に好ましく、1.6MPa・m1/2以上であることが極めて好ましい。上記破壊靭性の上限は特に制限されず、例えば3.0MPa・m1/2であってもよい。
硬化物の破壊靭性値は、ASTM D5045に基づいて3点曲げ測定を行うことで測定することができる。具体的には、後述する実施例に記載された方法で測定することができる。
≪複合材料≫
本開示の複合材料は、本開示のエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む。
<強化材>
複合材料に含まれる強化材の材質は特に制限されず、複合材料の用途等に応じて選択できる。強化材として具体的には、炭素材料、ガラス、芳香族ポリアミド系樹脂(例えば、ケブラー(登録商標))、超高分子量ポリエチレン、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、マイカ、シリコン等が挙げられる。強化材の形状は特に制限されず、繊維状、粒子状(フィラー)等が挙げられる。複合材料の強度の観点からは、強化材は炭素材料であることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。複合材料に含まれる強化材は、1種でも2種以上であってもよい。
複合材料の形態は、特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂硬化物を含む少なくとも1つの硬化物含有層と、強化材を含む少なくとも1つの強化材含有層とが積層された構造を有するものであってもよい。
次に本開示の実施形態を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いたエポキシ樹脂を以下に示す。
・エポキシ樹脂1:後述のように合成したエポキシ樹脂(ゲルタイム:57.0分)
・エポキシ樹脂2:ベンゼン環と3つのグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 EXA7190、DIC社)(ゲルタイム:31.0分)
・エポキシ樹脂3:ナフタレン型エポキシ樹脂(商品名:HP4032、DIC株式会社)(ゲルタイム:54.0分)
・エポキシ樹脂4:トリグリシジルアミノフェノール(商品名:jER630、三菱ケミカル株式会社)(ゲルタイム:46.5分)
・エポキシ樹脂5:ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YL6121、三菱ケミカル株式会社)(ゲルタイム:68.5分)
なお、ゲルタイムの測定は以下のように行った。
アルミカップ中で、エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で混合する。この混合物を、180℃に加熱したホットプレートに載せ、金属製のスパチュラで90秒間撹拌する。レオメータ(例えば、MCR102、Anton Paar製)を、周波数1Hz、歪み2%に設定し、直径12mmのアルミ製コーンを用いて、以下のようにゲルタイムを測定する。90℃に設定した試料台に、上記のように得られた混合物を置いて溶解させ、試料台とコーン間との距離を0.5mmに設定する。その後、90℃から1.7℃/分で昇温し、150℃で等温保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
〔エポキシ樹脂1の合成〕PP007の合成
500mlの三口フラスコに、(4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、下記構造式(1)の化合物)を50質量部加えた。さらに、三口フラスコに合成溶媒(シクロヘキサノン)を80質量部添加した。三口フラスコに冷却管及び窒素導入管を設置し、溶媒に漬かるように撹拌羽を取り付けた。この三口フラスコを120℃のオイルバスに浸漬し、撹拌を開始した。エポキシ化合物が溶解し、透明な溶液になったことを確認した後、1,5−ジヒドロキシナフタレンを8質量部、反応触媒(トリn−ブチルホスフィンの1,4−ベンゾキノン誘導体(TBP2))を0.5質量部添加し、120℃のオイルバスで加熱を継続した。3時間加熱を継続した後に、反応溶液からシクロヘキサノンを減圧留去し、残渣を室温(25℃)まで冷却することにより、エポキシ樹脂1(PP007)を得た。
〔エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物の作製〕
アルミカップに表1に示す2種類のエポキシ樹脂を秤量し、180℃に加熱したホットプレートで撹拌混合してエポキシ樹脂混合物を得た。次に、樹脂製容器にエポキシ樹脂混合物を秤量し、100℃に加熱したオーブンに投入し、30分間放置した。その後、オーブンから取り出し、あらかじめ秤量した硬化剤を投入し、ヘラを用いて撹拌混合した。十分に混合できたら100℃のオーブンに再度投入し、2分間放置した。その後、真空撹拌機(シンキー製真空ミキサー・あわとり練太郎ARV−310)に投入し、真空下、回転数2000回毎分(rpm)で30分間撹拌混合して樹脂混合物を得た。その後、離型剤QZ−13により離型処理を施したステンレスシャーレ(直径50mm)に樹脂混合物を流し込み、オーブンに再度投入し、レベリングを行った後に、箱型オーブンにより150℃/4h(2℃/min)の条件で硬化処理を行った。得られた硬化物を回転研磨機(リファインテック製、リファインポリッシャーRPO−128K)にて表面を研磨して所定の厚みに整えた後、試料加工機(BUEHLER製、アイソメットLS)にて各種測定に応じたサイズに切断した。
[相分離構造の観察]
偏光顕微鏡を用いて、得られた硬化物を観察し、海島相分離構造の有無を確認した。
[高次構造の観察]
スペクトリス株式会社のX線回折装置(商品名:「Empyrean」)を用いて、エポキシ樹脂硬化物の高次構造を観察した。CuKα1線を用い、管電圧45kV、管電流40mA、2θ=1°〜30°の範囲でX線回折測定を行ったとき、2θ=2°〜10°の範囲に回折ピークが現れる場合に、硬化物中にスメクチック構造が形成させると判断した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
試験片のガラス転移温度は、引張りモードによる動的粘弾性測定を行って算出した。測定条件は、周波数10Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.1%とした。得られた温度−tanδ関係図において、tanδが最大となる温度を、ガラス転移温度とみなした。評価装置には、RSA−G2(ティー・エイ・インスツルメント社)を用いた。
[破壊靭性値の測定]
エポキシ樹脂硬化物の破壊靭性の指標として、破壊靭性値(MPa・m1/2)を用いた。試験片として、3.75mm×7.5mm×33mmの直方体に切り出したエポキシ樹脂硬化物を用いた。試験片の破壊靭性値は、ASTM D5045に基づいて3点曲げ測定を行って算出した。評価装置には、インストロン5948(インストロン社)を用いた。
[曲げ弾性率の測定]
エポキシ樹脂硬化物の弾性の指標として、23℃での曲げ弾性率(GPa)を求めた。試験片として、2mm×5mm×50mmの短冊状に切り出したエポキシ樹脂硬化物を用いた。試験片の曲げ弾性率は、JIS K7171(2016)に基づいて3点曲げ測定を行って算出した。評価装置には、テンシロン(株式会社エー・アンド・デイ)を用いた。
成分の配合比、及び評価結果を表1に示す。表1中、「−」は成分を配合しないことを意味する。「相分離構造」の評価において、Aは相分離構造が形成されていたことを示し、Bは相分離構造が形成されていなかったことを示す。また、「高次構造」の評価において、Aは高次構造が形成されていたことを示し、Bは高次構造が形成されていなかったことを示す。
表1からわかるように、実施例で作製したエポキシ樹脂硬化物では、曲げ弾性率及び破壊靭性のバランスが良好であった。
また、高次構造の観察において、実施例1のエポキシ樹脂組成物の硬化物ではスメクチック構造が形成されていることが確認された。

Claims (13)

  1. メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、
    下記条件で測定されるゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂の下記条件で測定されるゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、
    を含有するエポキシ樹脂組成物:
    エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
    周波数:1Hz
    歪み:2%
    アルミ製コーン直径:12mm
    試料台とコーンとの距離:0.5mm
  2. 前記メソゲン構造が下記一般式(1)で表されるメソゲン構造を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。

    一般式(1)中、Xは単結合、又は下記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。

    群(A)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
  3. 前記一般式(1)で表される構造が、下記一般式(3)及び一般式(4)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。

    一般式(3)及び一般式(4)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
  4. 前記第1のエポキシ樹脂が、メソゲン構造を有するエポキシ化合物の多量体化反応生成物である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記多量体化反応生成物が、少なくとも2つのメソゲン構造と、前記少なくとも2つのメソゲン構造の間に配置される芳香環を含む2価の基と、を有する多量体を含む、請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記第2のエポキシ樹脂が、メソゲン構造を有しないエポキシ化合物を成分とするエポキシ樹脂である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記第2のエポキシ樹脂のゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂のゲルタイムより15分以上短く、前記第2のエポキシ樹脂が、グリシジルオキシ基を3つ以上有するエポキシ化合物を成分とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. さらに硬化剤を含有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
  10. 偏光顕微鏡を用いた観察において、海島相分離構造が観察される、請求項9に記載のエポキシ樹脂硬化物。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む複合材料。
  12. 前記強化材が炭素材料を含む、請求項11に記載の複合材料。
  13. メソゲン構造を有するエポキシ化合物を成分とする第1のエポキシ樹脂と、
    下記条件で測定されるゲルタイムが、前記第1のエポキシ樹脂の下記条件で測定されるゲルタイムとは15分以上異なる、第2のエポキシ樹脂と、
    を混合することを含む、エポキシ樹脂組成物の製造方法:
    エポキシ樹脂と、3,3−ジアミノジフェニルスルホンと、を当量比が1:1、かつ総量が7.5gとなる量で配合し、180℃で90秒間撹拌する。レオメータを用いて、下記条件で、90℃から1.7℃/分で昇温後、150℃で保持する。90℃からの昇温を開始してから、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1を下回るまでの経過時間をゲルタイムとする。
    周波数:1Hz
    歪み:2%
    アルミ製コーン直径:12mm
    試料台とコーンとの距離:0.5mm
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