一般的方法
本明細書に記載または参照される技術及び手順は、当業者によって従来の方法を用いて一般によく理解され、通常使用される、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、シリーズ Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.): PCR 2: A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylまたはeds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,及びAnimal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987))、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology: A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993−8)J.Wiley and Sons、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR: The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies: A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988−1989)、Monoclonal Antibodies: A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies: A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、ならびにCancer: Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)に記載の広く利用されている方法などである。
定義
本明細書で使用される、「予防」という用語には、個体において、特定の疾患、障害、または状態の発症または再発に対する予防を提供することが含まれる。個体は、特定の疾患、障害、もしくは状態に罹りやすい素因を有し、その影響を受けやすいか、または、かかる疾患、障害、もしくは状態の発病のリスクがあり得るが、まだ該疾患、障害、もしくは状態と診断されていない。
本明細書で使用される、特定の疾患、障害、または状態の発症の「リスクがある」個体は、検出可能な疾患または疾患の症状を有していてもいなくてもよく、検出可能な疾患または疾患の症状を本明細書に記載の治療方法の前に示していても示していなくてもよい。「リスクがある」とは、個体が、当技術分野で知られているように、特定の疾患、障害、または状態の発症と相関する測定可能なパラメータである1つ以上のリスク因子を有するということを意味する。これらのリスク因子を1つ以上有する個体は、これらのリスク因子を1つ以上有さない個体より、特定の疾患、障害、または状態の発症の確率が高い。
本明細書で使用される、「治療」という用語は、臨床病理の経過中に、治療される個体の自然経過を修正するように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果としては、特定の疾患、障害、または状態の進行速度の低減、病的状態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善が挙げられる。例えば、特定の疾患、障害、または状態に伴う1つ以上の症状が軽減または除去される場合に個体は順調に「治療される」。
「有効量」とは、所望の治療効果または予防効果を達成するために必要な用量及び期間で少なくとも有効な量を指す。有効量は、1回以上の投与でもたらすことができる。本明細書において有効量は、当該個体の病状、年齢、性別、及び体重などの要因、ならびに該個体において当該治療が所望の反応を誘発する能力に応じて変化し得る。有効量はまた、当該治療の有毒または有害作用を、治療に有益な効果が上回るものである。予防的使用については、有益な、または所望の結果としては、当該疾患、その合併症、及び該疾患の発症の過程で見られる中間の病理学的表現型の生化学的、組織学的、及び/または行動上の症状を含めた該疾患のリスクの除去もしくは低減、重症度の軽減、または発症の遅延などの結果が挙げられる。治療的使用については、有益な、または所望の結果としては、臨床結果、例えば、当該疾患に起因する1つ以上の症状の軽減、当該疾患の罹患者の生活の質の向上、当該疾患の治療に必要な他の薬剤の投薬量の低減、例えば標的化を介した別の薬剤の効果の増強、当該疾患の進行の遅延、及び/または生存の延長が挙げられる。薬物、化合物、または医薬組成物の有効量は、直接もしくは間接的に予防的または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床状況で理解されるように、薬物、化合物、または医薬組成物の有効量は、別の薬物、化合物、または医薬組成物と併せて達成されてもされなくてもよい。従って、「有効量」は、1つ以上の治療薬の投与に照らして検討され得るとともに、単一の薬剤は、1つ以上の他の薬剤と併せて所望の結果が達成され得るまたは達成される場合に、有効量で与えられると見なされ得る。
本明細書で使用される、別の化合物または組成物と「併せた」投与には、同時投与及び/または異なる時間での投与が含まれる。併せた投与はまた、同時処方としての投与または別々の組成物としての投与を包含し、異なる投薬回数や投与間隔、及び同じ投与経路や異なる投与経路の使用を含む。
治療、予防、またはリスクの低減の目的のための「個体」とは、ヒト、家畜及び農場の動物、ならびに動物園の動物、競技の動物、または愛玩動物、例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなどを含めた哺乳動物として分類される任意の動物を指す。好ましくは、該個体はヒトである。
「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書では「抗体」と互換的に使用される。「抗体」という用語は、本明細書では、最も広い意味で使用され、具体的にはモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷の抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び所望の生物活性を示すだけの抗体断片を含める。
基本的な4本鎖の抗体単位は、2本の同一の軽(L)鎖及び2本の同一の重(H)鎖からなるヘテロテトラマーの糖タンパク質である。VHとVLが一緒に対を形成することで、単一の抗原結合部位が形成される。異なるクラスの抗体の構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Ed.,Daniel P.Stites,Abba I.Terr and Tristram G.Parslow(eds.),Appleton & Lange,Norwalk,CT,1994,page 71及びChapter 6を参照されたい。
任意の脊椎動物種由来のL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明らかに異なる種類のうちの1つに割り当てることができる。それらの重鎖定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てることができる。5つのクラスの免疫グロブリン、すなわち、それぞれアルファ(「α」)、デルタ(「δ」)、イプシロン(「ε」)、ガンマ(「γ」)、及びミュー(「μ」)と指定された重鎖を有するIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがある。該γ及びαクラスは、該CH配列及び機能における比較的小さな差異を基にさらにサブクラス(アイソタイプ)に分けられる。例えば、ヒトは以下のサブクラスを発現する:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2。該サブユニット構造及び異なるクラスの免疫グロブリンの三次元形状は周知であり、例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,4th ed.(W.B.Saunders Co.,2000)に一般的に記載されている。
「自然抗体」は、通常、2本の同一の軽(L)鎖及び2本の同一の重(H)鎖からなる約150,000ダルトンのヘテロテトラマーの糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖と連結されているが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンのアイソタイプの重鎖により異なる。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的間隔の鎖内ジスルフィド架橋も有している。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、複数の定常ドメインがそれに続く。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)、その他端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第一の定常ドメインと揃えられ、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと揃えられている。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖の可変ドメイン間の界面を形成すると考えられている。
「単離」抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体は、その産生環境(例えば、天然または組み換え)の成分から確認、分離、及び/または回収されたものである。好ましくは、単離ポリペプチドは、その産生環境由来のすべての他の混入物質成分を伴わない。その産生環境由来の混入物質成分、例えば、組み換えトランスフェクト細胞に起因するものは、通常、抗体としての研究、診断、または治療的使用を妨げる物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク性または非タンパク性の溶質を含み得る。好ましい実施形態では、該ポリペプチドは、(1)例えば、ローリー法で測定される抗体の95重量%超まで、及びいくつかの実施形態では、99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用による少なくとも15残基のN末端または内部アミノ酸配列を得るのに十分な程度まで、または(3)クマシー・ブルー、もしくは、好ましくは銀染色を用いた非還元または還元条件下でのSDS−PAGEによる均質性まで精製される。単離抗体には、組み換えT細胞内のインサイチュの抗体が含まれるが、これは、該抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないためである。通常、しかしながら、単離ポリペプチドまたは抗体は、少なくとも1つの精製段階によって調製される。
本開示の抗CD33抗体などの抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」とは、該抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。該重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「VH」及び「VL」と呼ばれる場合がある。これらのドメインは、通常、(同じクラスの他の抗体と比較して)該抗体の最も変化しやすい部分であり、抗原結合部位を含む。
「可変」という用語は、該可変ドメインのある特定のセグメントが、抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体間で広範囲にて配列が異なるという事実を指す。該Vドメインは、抗原結合を媒介し、特定の抗体のその特定の抗原に対する特異性を決める。しかしながら、該可変性は、該可変ドメインの全範囲にわたって均一に分布しているわけではない。むしろ、これは該軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方で超可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、4つのFR領域を含み、主としてベータシート構造をとり、3つのHVRで接続され、これらが該ベータシート構造を接続する、及びいくつかの場合にはその一部を形成するループを形成する。各鎖のHVRは、該FR領域によってごく接近して、かつ他の鎖由来のHVRと結合しており、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,MD(1991)参照)。定常ドメインは、抗原に対する抗体の結合に直接関与しないが、様々なエフェクター機能、例えば、該抗体の抗体依存性細胞傷害性における関与を示す。
本明細書で使用される、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる本開示の抗CD33抗体などの抗体を指し、言い換えれば、該集団を構成する個々の抗体は、少量で存在する場合がある、起こり得る自然に生じる突然変異及び/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同じである。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、1つ以上の抗原部位に対して向けられる。いくつかの実施形態では、本開示のモノクローナル抗体は、二重特異性抗体であり得る。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を通常含むポリクローナル抗体調製物と対照的に、各モノクローナル抗体は、1つ以上の抗原部位上の単一の決定基に対するものである。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による該抗体の産生を必要とするとは解釈されない。例えば、本開示に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、ファージ提示技術(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1992)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2): 299−310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004)、Fellouse,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 101(34):12467−472(2004)、及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)参照、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein.,Nature,256:495−97(1975)、Hongo et al.,Hybridoma,14(3):253−260(1995),Harlow et al.,Antibodies: A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2d ed.1988)、Hammerling et al.,in: Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.,1981))、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号参照)、酵母提示技術(例えば、WO2009/036379A2、WO2010105256、WO2012009568、及びXu et al.,Protein Eng.Des.Sel.,26(10):663−70(2013)参照、ならびに、ヒト免疫グロブリン遺伝子座もしくはヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子の一部または全部を有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を産生する技術(例えば、WO 1998/24893、WO 1996/34096、WO 1996/33735、WO 1991/10741、Jakobovits et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature 362:255−258(1993)、Bruggemann et al.,Year in Immunol.7:33(1993)、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、及び第5,661,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779−783(1992)、Lonberg et al.,Nature 368:856−859(1994)、Morrison,Nature 368:812−813(1994)、Fishwild et al.,Nature Biotechnol.14:845−851(1996)、Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996)、ならびにLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65−93(1995)参照)を含めた様々な技術によって製造され得る。
「完全長抗体」、「無傷の抗体」、または「全抗体」という用語は、互換的に使用され、抗体断片の対語として、その実質的に無傷の形態での抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体を指す。具体的には、全抗体には、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を備えたものが含まれる。当該定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然配列の定常ドメイン)でも、そのアミノ酸配列バリアントでもよい。いくつかの場合では、該無傷の抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有していてもよい。
「抗体断片」は、無傷の抗体の部分、好ましくは、該無傷の抗体の抗原結合及び/または可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、二重特異性抗体(diabody)、直線状抗体(米国特許第5,641,870号、実施例2、Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057−1062(1995)参照)、一本鎖抗体分子、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
本開示の抗CD33抗体などの抗体のパパイン分解は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び残りの、容易に結晶化する能力を反映した記号である「Fc」断片を産生する。Fab断片は、全L鎖とともに、H鎖の可変領域ドメイン(VH)及び1本の重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)からなる。各Fab断片は、抗原結合に関しては一価であり、言い換えれば、それは単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理によって、異なる抗原結合活性を有し、依然として抗原を架橋可能な2つのジスルフィド結合されたFab断片におおむね相当する単一の大きなF(ab’)2断片が得られる。Fab’断片は、CH1ドメインのカルボキシ末端に、当該抗体のヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含めたいくつかのさらなる残基を有することによってFab断片とは異なる。Fab’−SHは、本明細書では、該定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離のチオール基を有するFab’の記号である。F(ab’)2抗体断片は、もともと、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片のその他の化学的結合も知られている。
Fc断片は、ジスルフィドで結合している両H鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列によって決まり、Fc受容体(FcR)によって認識もされる該領域は、特定の種類の細胞で見られる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この断片は、1つの重鎖可変領域ドメイン及び1つの軽鎖可変領域ドメインの密接な非共有結合性会合のダイマーからなる。これら2つのドメインの折り畳みが6つの超可変ループ(H及びL鎖から各々3ループ)を生じ、これらが抗原結合用のアミノ酸残基を与え、当該抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、全結合部位より親和性は低いものの、単一の可変ドメイン(または、抗原特異的な3つのHVRのみ含むFvの半分)でも、抗原を認識し、結合する能力を有する。
「sFv」または「scFv」とも略される「一本鎖Fv」は、1本のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、該sFvポリペプチドはさらに、該sFvが、抗原結合にとって望ましい構造を形成できるようにする、VH及びVLドメイン間のポリペプチドリンカーを含む。sFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照されたい。
抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体の「機能的断片」は、通常、当該無傷の抗体の抗原結合もしくは可変領域、または、FcR結合能を保持する、もしくは修飾されたFcR結合能を有する抗体のF領域を含めた無傷の抗体の部分を含む。抗体断片の例としては、直線状抗体、一本鎖抗体分子、及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。
「二重特異性抗体(diabody)」という用語は、VH及びVLドメイン間で短いリンカー(約5〜10)残基)により、該Vドメインの鎖内ではなく鎖間の対を達成し、それによって二価の断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片ができるように、sFv断片(前の段落参照)を構築することによって調製される小さい抗体断片を指す。二重特異性であるdiabodyは、2つの「交差する」sFv断片のヘテロダイマーであって、該2つの抗体のVH及びVLドメインは、異なるポリペプチド鎖上に存在する。diabodyは、例えば、EP 404,097、WO 93/11161、Hollinger et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 90:6444−48(1993)に詳細に記載されている。
本明細書で使用される、「キメラ抗体」とは、本開示の抗CD33抗体などの抗体(免疫グロブリン)であって、当該重鎖及び/または軽鎖の一部が、特定の種由来の、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である一方、該鎖(複数可)の残りが、別の種由来の抗体における、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である抗体、ならびに、所望の生物活性を示す限り、かかる抗体の断片を指す(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA,81:6851−55(1984))。本明細書における目的のキメラ抗体としては、PRIMATIZED(登録商標)抗体が挙げられ、該抗体の抗原結合領域は、例えば、目的の抗原でマカクサルに免疫を与えることによって産生される抗体由来である。本明細書で使用される、「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットで使用される。
本開示の抗CD33抗体などの非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、最小限の非ヒト免疫グロブリン由来の配列を含むキメラ抗体である。1つの実施形態では、ヒト化抗体は、レシピエントのHVR由来の残基が、非ヒト種、例えば、所望の特異性、親和性、及び/または能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類のHVR由来の残基(ドナー抗体)で置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基で置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見られない残基を含んでもよい。これらの修飾は、さらに結合親和性などの抗体性能を改良するために行ってもよい。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常は2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、その場合、非ヒト免疫グロブリン配列のものに対応する超可変ループのすべてもしくは実質的にすべて、ならびに該FR領域のすべてもしくは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列のものであるが、該FR領域は、結合親和性、異性化、免疫原性などの抗体性能を改良する1つ以上の個々のFR残基の置換を含んでもよい。該FRのこれらのアミノ酸置換の数は、通常、H鎖で6を超えず、L鎖では3を超えない。該ヒト化抗体は、任意に、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常はヒト免疫グロブリンのものも含む。さらなる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature 321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323−329(1988)、及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照されたい。例えば、Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma & Immunol.1:105−115(1998)、Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035−1038(1995)、Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428−433(1994)、ならびに米国特許第6,982,321号及び第7,087,409号も参照のこと。
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生された、本開示の抗CD33抗体などの抗体のものに対応するアミノ酸配列を有するもの、及び/または、本明細書に開示のヒト抗体の製造技術のいずれかを用いて製造されたものである。このヒト抗体の定義は、特定的に非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。ヒト抗体は、ファージ提示ライブラリを含めた当技術分野で既知の様々な技術を用いて産生することができる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。ヒトモノクローナル抗体の調製に同様に利用可能なのは、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86−95(1991)に記載の方法である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)も参照のこと。ヒト抗体は、抗原投与に反応してかかる抗体を産生するように改変されているが、その内因性遺伝子座は無効にされたトランスジェニック動物、例えば、免疫化ゼノマウス(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関する米国特許第6,075,181号及び第6,150,584号参照)に抗原を投与することによって調製することができる。例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって生成されるヒト抗体に関するLi et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA,103:3557−3562(2006)も参照のこと。別の方法として、ヒト抗体は、酵母ライブラリならびに例えば、WO2009/036379A2、WO2010105256、WO2012009568、及びXu et al.,Protein Eng.Des.Sel.,26(10):663−70(2013)に開示の方法を使用して調製することもできる。
本明細書で使用される場合、「超可変領域」、「HVR」、または「HV」という用語は、本開示の抗CD33抗体のものなどの抗体可変ドメインの領域であって、配列が超可変、及び/または、構造的に明確なループを形成する領域を指す。一般に、抗体は6つのHVR、すなわち、VHに3つ(H1、H2、H3)及びVLに3つ(L1、L2、L3)を含む。自然抗体では、H3及びL3が、6つのHVRの中で最大の多様性を示し、特にH3は、抗体に対する細かい特異性の付与において独自の役割を果たすと考えられている。例えば、Xu et al.,Immunity 13:37−45(2000)、Johnson and Wu in Methods in Molecular Biology 248:1−25(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003))を参照されたい。実際、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ抗体は、軽鎖の非存在下で機能性かつ安定である。例えば、Hamers−Casterman et al.,Nature 363:446−448(1993)及びSheriff et al.,Nature Struct.Biol.3:733−736(1996)を参照されたい。
複数のHVRの描写が使用されており、本明細書に包含される。いくつかの実施形態では、HVRは、配列多様性に基づくKabat相補性決定領域(CDR)の場合があり、最も一般的に用いられている(Kabat et al.、前出)。いくつかの実施形態では、該HVRは、ChothiaのCDRの場合がある。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置を指す(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901−917(1987))。いくつかの実施形態では、該HVRは、AbM HVRである場合がある。AbM HVRは、KabatのCDRとChothiaの構造的ループの中間を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。いくつかの実施形態では、該HVRは、「接触(contact)」HVRである場合がある。「接触(contact)」HVRは、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づいている。これらHVRの各々に由来する残基を以下に示す。
HVRは、以下の「拡張HVR」を含んでもよい:VLにおいて、24〜36または24〜34(L1)、46〜56または50〜56(L2)、及び89〜97または89〜96(L3)、ならびにVHにおいて、26〜35(H1)、50〜65または49〜65(好ましい実施形態)(H2)、及び93〜102、94〜102、または95〜102(H3)。該可変ドメインの残基は、EUまたはKabat et al.、前出、に従って、これら拡張HVRの定義の各々に対して番号付けられる。
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で定義されるHVR残基以外の可変ドメイン残基である。
「EUまたはKabatに従う可変ドメイン残基付番」または「EUまたはKabatに従うアミノ酸位置付番」という表現及びその変形は、EUまたはKabat et al.、前出、における抗体の編集(compilation)の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用される付番方式を指す。この付番方式を用いると、実際の線形アミノ酸配列が、当該可変ドメインのFRもしくはHVRの短縮、またはそれへの挿入に対応する、より少ない、または追加のアミノ酸を含む場合がある。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸の挿入(Kabatに従って、残基52a)、ならびに、重鎖FR残基82の後に、挿入された残基(例えば、Kabatに従って、残基82a、82b、及び82cなど)を含む場合がある。残基のEUまたはKabat付番は、「標準」Kabat番号配列の抗体の配列の相同領域でのアラインメントによって、所与の抗体に対して決定され得る。
該EUまたはKabat付番方式は、通常、可変ドメインの残基(おおむね軽鎖の残基1〜107及び重鎖の残基1〜113)(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest.5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))に言及する場合に用いられる。該「EUまたはKabat付番方式」または「EUインデックス」は、通常、免疫グロブリン重鎖定常領域における残基に言及する場合に用いられる(例えば、Kabat et al.、前出、に報告されたEUインデックス)。該「Kabatに従うEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基の番号を指す。本明細書で特に明記しない限り、抗体の可変ドメインの残基番号への言及は、Kabat付番方式による残基番号を意味する。本明細書で特に明記しない限り、抗体の定常ドメインの残基番号への言及は、EUまたはKabat付番方式による残基番号を意味する(例えば、米国特許公開第2010−280227号参照)。
本明細書で使用される、「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク由来のVLまたはVHフレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「由来の」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでも、既存のアミノ酸配列の変化を含んでもよい。いくつかの実施形態では、既存のアミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。既存のアミノ酸変化がVHに存在する場合、好ましいそれらの変化は、71H、73H、及び78Hのうちの3つ、2つ、または1つの位置のみで生じ、例えば、それらの位置での該アミノ酸残基は、71A、73T、及び/または、78Aであり得る。1つの実施形態では、該VLのアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において、最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、該ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列の下位群からである。一般に、該配列の下位群は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)に従う下位群である。該VLに関する例が含まれ、該下位群は、Kabat et al.、前出、に従う下位群カッパI、カッパII、カッパIII、またはカッパIVでよい。さらに、該VHに関しては、該下位群は、Kabat et al.、前出、に従う下位群I、下位群II、または下位群IIIでよい。
例えば、本開示の抗CD33抗体の特定の位置での「アミノ酸の修飾」は、特定の残基の置換もしくは欠失、または該特定の残基に隣接する少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入を指す。特定の残基に「隣接」する挿入とは、その1〜2残基以内の挿入を意味する。該挿入は、該特定の残基のN末端側でもC末端側でもよい。本明細書において好ましいアミノ酸の修飾は、置換である。
本開示の抗CD33抗体などの「親和性成熟」抗体とは、その1つ以上のHVRに1つ以上の変更があるものであって、それらの変更(複数可)を有さない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改良をもたらす変更のあるものである。1つの実施形態では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモルまたはピコモルですらある親和性を有する。親和性成熟抗体は、当技術分野で既知の手順によって産生される。例えば、Marks et al.,Bio/Technology 10:779−783(1992)は、VH及びVLドメインのシャフリングによる親和性成熟を記載している。HVR及び/またはフレームワーク残基のランダム変異導入法は、例えば、Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci.USA 91:3809−3813(1994)、Schier et al.Gene 169:147−155(1995)、Yelton et al.J.Immunol.155:1994−2004(1995)、Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310−9(1995)、及びHawkins et al,J.Mol.Biol.226:889−896(1992)によって記載されている。
本明細書で使用される、「特異的に認識する」または「特異的に結合する」という用語は、標的と抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体の間の引力や結合などの測定可能かつ再現可能な相互作用、すなわち、生体分子を含めた異種分子集団の存在下での該標的の存在の決定要因を指す。例えば、標的もしくはエピトープに特異的または優先的に結合する抗体、例えば、本開示の抗CD33抗体は、この標的もしくはエピトープに対して、これが他の標的や該標的の他のエピトープに結合するよりも大きな親和性、結合力で、より容易に、及び/または、より長い期間結合する抗体である。本定義を読むと、例えば、第一の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分)が、第二の標的に特異的または優先的に結合する場合もしない場合もあることも理解される。従って、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的結合を(含むことはできるが)必ずしも必要としない。標的に特異的に結合する抗体は、少なくとも約103M−1もしくは104M−1、時には約105M−1もしくは106M−1、他の例では約106M−1もしくは107M−1、約108M−1〜109M−1、または約1010M−1〜1011M−1もしくはそれ以上の結合定数を有し得る。様々なイムノアッセイ形式を用いて、特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体を選択するために通常用いられる。例えば、特定の免疫反応性を測定するために用いることができるイムノアッセイ形式及び条件の記載については、Harlow and Lane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New Yorkを参照されたい。
本明細書で使用される、CD33タンパク質と第二のタンパク質間の「相互作用」は、制限なく、タンパク質間相互作用、物理的相互作用、化学的相互作用、結合、共有結合、及びイオン結合を包含する。本明細書で使用される、当該抗体が当該2つのタンパク質間相互作用を中断、低減、または完全に除外する場合、抗体は、2つのタンパク質間の「相互作用を阻害する」。本開示の抗体またはその断片は、該抗体またはその断片が当該2つのタンパク質の1つに結合する場合に、2つのタンパク質間の「相互作用を阻害する」。
「アゴニスト」抗体または「活性化」抗体は、本開示のアゴニスト抗CD33抗体などの抗体であり、これは、該抗体が抗原に結合した後に該抗原の1つ以上の活性または機能を誘導する(例えば、増加させる)。
「遮断」抗体、「アンタゴニスト」抗体、または「阻害」抗体は、本開示の抗CD33抗体などの抗体であり、これは、該抗体が抗原に結合した後に1つ以上のリガンドに対する抗原結合を阻害もしくは低減し(例えば、減少させ)、及び/または、該抗体が抗原に結合した後、該抗原の1つ以上の活性もしくは機能を阻害または低減する(例えば、減少させる)。いくつかの実施形態では、遮断抗体、アンタゴニスト抗体、または阻害抗体は、1つ以上のリガンドに対する抗原結合、及び/または、該抗原の1つ以上の活性もしくは機能を実質的または完全に阻害する。
抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列のFc領域またはアミノ酸配列バリアントFc領域)に起因する生物活性を指し、該抗体のアイソタイプにより異なる。
本明細書において、「Fc領域」という用語は、天然配列のFc領域及びバリアントFc領域を含めた免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために用いられる。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は異なり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226の位置でのアミノ酸残基から、またはPro230から、そのカルボキシル末端まで伸長すると定義される。該Fc領域のC末端のリジン(EUまたはKabat付番方式に従う残基447)は、例えば、該抗体の産生もしくは精製の過程で、または、該抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え技術によって作り出すことによって、除去されてもよい。従って、無傷の抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、ならびにK447残基がある抗体とない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本開示の抗体に適した天然配列Fc領域としては、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4が挙げられる。
「天然配列Fc領域」は、天然に見られるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1のFc領域(非A及びAアロタイプ)、天然配列ヒトIgG2のFc領域、天然配列ヒトIgG3のFc領域、及び天然配列ヒトIgG4のFc領域、ならびにその天然に存在するバリアントが含まれる。
「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸の修飾、好ましくは1つ以上のアミノ酸置換によって、天然配列Fc領域とは異なるアミノ酸配列を含む。好ましくは、該バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域に対して少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、約1〜約10のアミノ酸置換、好ましくは、約1〜約5のアミノ酸置換を天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域に有する。本明細書において該バリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と好ましくは、少なくとも約80%の相同性、最も好ましくは、それと少なくとも約90%の相同性、より好ましくは、それと少なくとも約95%の相同性を有する。
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。好ましいFcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体ならびにこれら受容体の対立遺伝子多型及び選択的スプライスによる形態を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「抑制性受容体」)を含み、これらは主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(「ITAM」)をその細胞質ドメインに含む。抑制性受容体FcγRIIBは、免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(「ITIM」)をその細胞質ドメインに含む(例えば、M.Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)参照)。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991)、Capel et al.,Immunomethods 4:25−34(1994)、及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126: 330−41(1995)に概説されている。今後同定されるものを含め、他のFcRは、本明細書では「FcR」という用語によって包含される。FcRはまた、抗体の血清半減期を延長することもできる。
インビボでのFcRnへの結合及びヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウスもしくはトランスフェクトヒト細胞株、またはバリアントFc領域を有するポリペプチドが投与される霊長類においてアッセイすることができる。WO 2004/42072(Presta)は、FcRに対する結合が改良または減少された抗体バリアントを記載している。例えば、Shields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)も参照されたい。
ペプチド、ポリペプチド、または抗体配列に関して本明細書で使用される、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」及び「相同性」とは、当該配列を整列し、必要であればギャップを導入して最大限の配列同一性パーセントを得た後、配列同一性の一部として保存的置換を考慮せずに、特定のペプチドまたはポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一のアミノ酸残基の候補配列における割合を指す。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、当業者が備えている技術の範囲内にある様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどの公開されているコンピュータソフトウェアを用いて達成することができる。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大限のアラインメントを実現するのに必要な当技術分野で既知の任意のアルゴリズムを含め、アラインメントの比較のための適切なパラメータを決めることができる。
抗体をコードする「単離」核酸分子、例えば、本開示の抗CD33抗体は、同定された核酸分子であり、かつ、それが産生された環境では通常会合している少なくとも1つの混入核酸分子から分離された核酸分子である。好ましくは、該単離核酸は、当該産生環境で会合しているすべての成分との会合がない。本明細書におけるポリペプチド及び抗体をコードする単離核酸分子は、それが天然に見られる形態や状況以外の形態である。単離核酸分子は従って、細胞に天然に存在する本明細書におけるポリペプチド及び抗体をコードする核酸とは区別される。
本明細書で使用される、「ベクター」という用語は、核酸分子であって、それが結合している別の核酸を輸送することができる核酸分子を指すことを意図する。ベクターの一種は「プラスミド」であり、これは、さらなるDNA部分が中に結合され得る環状二本鎖DNAを指す。ベクターの別の種類はファージベクターである。ベクターのもう1つの種類がウイルスベクターであり、この場合、さらなるDNA部分が当該ウイルスゲノム中に結合され得る。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内で自己複製が可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込むことができ、それによって、宿主のゲノムとともに複製される。さらに、ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結された遺伝子の発現を指示することができる。かかるベクターは、本明細書では「組み換え発現ベクター」、または単に「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組み換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合プラスミドの形態である。プラスミドが最も一般的に用いられるベクターの形態であるため、本明細書では、「プラスミド」及び「ベクター」は互換的に用いられる場合がある。
本明細書で互換的に使用される、「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。該ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、もしくは塩基、及び/または、それらの類似体、または、DNAもしくはRNAポリメラーゼによって、もしくは合成反応によってポリマーに導入することができる任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含んでよい。ヌクレオチド構造に対する修飾がある場合には、該修飾は当該ポリマーの組織化の前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、例えば、標識への結合のような、合成後になされる修飾(複数可)を含んでもよい。修飾の他の種類としては、例えば、「キャップ」、類似体による1つ以上の天然に存在するヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間の修飾、例えば、非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)及び荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)でのもの、懸垂部分を含むもの、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply−L−リジンなど)、挿入剤(例えば、アクリジン、ソラレンなど)によるもの、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ボロン、酸化金属など)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された結合によるもの(例えば、アルファアノマー核酸など)、ならびに、該ポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態が挙げられる。さらに、糖に通常存在するヒドロキシル基のいずれもが、例えば、ホスホネート基、ホスフェート基で置換されても、標準的な保護基で保護されても、もしくはさらなるヌクレオチドに対するさらなる結合を作るように活性化されてもよく、または、固体もしくは半固体の支持体に結合されてもよい。5’及び3’末端のOHは、リン酸化することも、アミン置換することも、1〜20個の炭素原子の有機キャッピング基部分で置換することもできる。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基に誘導体化してもよい。ポリヌクレオチドはまた、当技術分野で一般に知られているリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態、例えば、2’−O−メチルリボース、2’−O−アリルリボース、2’−フルオロリボース、もしくは2’−アジドリボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロース、もしくはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、及び塩基性ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドを含むことができる。1つ以上のリン酸ジエステル結合が代替的な結合基によって置換され得る。これらの代替的な結合基としては、ホスフェートがP(O)S([チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO、もしくはCH2(「ホルムアセタール」)であって、各RまたはR’が独立して、H、または、任意にエーテル(−O−)結合を含む置換もしくは未置換アルキル(1−20C)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、もしくはアラルジル(araldyl)であるもので置換されている実施形態が挙げられるがこれらに限定されない。ポリヌクレオチドにおけるすべての結合が同一である必要はない。前述の説明は、RNA及びDNAを含めた本明細書で言及するすべてのポリヌクレオチドに適用される。
「宿主細胞」は、ポリヌクレオチド挿入物の導入のためのベクター(複数可)用の、レシピエントになることができる、またはレシピエントである個々の細胞もしくは細胞培養を含む。宿主細胞には、単一の宿主細胞の後代が含まれ、該後代は、自然、偶発、もしくは計画的突然変異のため、元の親細胞と完全に同一である必要はない場合がある(形態またはゲノムDNA相補体において)。宿主細胞には、インビボにおいて本開示のポリヌクレオチド(複数可)でトランスフェクトされた細胞が含まれる。
本明細書で使用される、「担体」には、使用される用量及び濃度でそれらに曝露される細胞もしくは哺乳動物に対して毒性がない、医薬的に許容される担体、賦形剤、または安定剤が含まれる。多くの場合、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。生理学的に許容される担体の例としては、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝剤、アスコルビン酸を含めた酸化防止剤、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン、親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリジン、グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含めた単糖類、二糖類、及び他の炭水化物、キレート剤、例えば、EDTA、糖アルコール、例えば、マンニトールもしくはソルビトール、塩形成性対イオン、例えば、ナトリウム、及び/または、ノニオン界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)が挙げられる。
本明細書で使用される、「約」という用語は、本技術分野の当業者に容易に知られるそれぞれの値に対する通常の誤差の範囲を指す。本明細書では、「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象にする実施形態を含む(及び示す)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」、ならびに「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数の指示を含む。例えば、an 「antibody」(「抗体」)への言及は、1つから多くの抗体、例えば、モル量への言及であり、当業者に既知のその等価物などを含む。
本明細書に記載の本開示の態様及び実施形態は、「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」態様及び実施形態を含むと理解される。
概要
本開示は、一部は、例えば、細胞表面のCD33レベルを低下させること及び/またはCD33に改善/向上された反応速度で結合することが可能な抗体を含めた、機能特性が1つ以上(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体に対して)改善及び/または向上された抗CD33抗体、かかる抗体の作製及び使用方法、かかる抗体を含む医薬組成物、かかる抗体をコードする核酸、ならびにかかる抗体をコードする核酸を含む宿主細胞に関する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、該抗体がCD33と1つ以上の天然のグリカンリガンド間の相互作用を阻害する能力に少なくとも一部起因する1つ以上の活性を有する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、該抗体が、CD33の分解、下方制御、開裂、受容体脱感作、及び/または、リソソーム標的化の誘導によって、CD33の細胞発現(例えば、細胞表面発現)を低減する能力に少なくとも一部起因する1つ以上の活性を有し得る。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、以下の特性の1つ以上を示す:a.ヒトCD33に対する解離定数(KD)が、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体のものよりも低い。b.初代ヒト樹状細胞などのヒト細胞に結合する。c.細胞表面のCD33レベルを、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体のものよりも低い半数効果濃度(EC50)で低下させる(例えば、インビトロにおいて、初代ヒト樹状細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させる)。d.例えば、KDを表面プラズモン共鳴またはBioLayer干渉法によって測定した際のヒトCD33に対する解離定数(KD)が、約8.57nM〜約4.1pMの範囲であり得る。及び/またはe.例えば、EC50をインビトロでフローサイトメトリーによって測定した場合の細胞表面のCD33レベルを、約151.1pM〜約4.1pMの範囲であり得る半数効果濃度(EC50)で低下させる(例えば、インビトロにおいて、初代ヒト樹状細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させる)。本明細書で開示される半数効果濃度(EC50)は、本開示の抗CD33抗体がCD33の細胞上もしくは細胞内の細胞レベルを、未処理の細胞のものの半分に低減する濃度、または、該抗体が細胞上のCD33に対する最大半量の結合を達成する濃度を指す。
有利には、本開示の抗CD33抗体は、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する対照抗CD33抗体)と比較して、より強力に(例えば、より低いEC50で)CD33の細胞表面発現を低下させる(例えば、およそ18倍まで)(実施例2参照)。さらに、有利には、本開示の抗CD33抗体は、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する対照抗CD33抗体)と比較して、CD33に対する親和性が高い(例えば、最大でおよそ25倍親和性が高い)(例えば、表面プラズモン共鳴で測定したKD値が低い)(例えば、実施例1及び3参照)。意外にも、CD33に対するより高い親和性は、細胞表面のCD33発現を低下させる能力または強さの増加と必ずしも相関しない(例えば、実施例2及び5参照)。
本開示のある特定の態様は、細胞上のCD33の細胞表面レベルを減少させる能力であって、1つ以上のCD33活性の低下、中和、防止、または抑制をもたらす能力の改善/向上を含めた、機能特性が1つ以上(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体に対して)改善及び/または向上された抗CD33抗体の同定に少なくとも一部基づいている。該CD33活性としては、制限なく、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、及び/または、ミクログリアの細胞増殖の低減、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、M2ミクログリア、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、及び/またはM2マクロファージによって誘導されるT細胞増殖の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/または、M2ミクログリアの生存の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/または、M2ミクログリアの増殖の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの遊走の阻害、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの1つ以上の機能の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの増殖の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの全体的な機能の低減、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、及び甲状腺癌から選択される異なる種類のがんに対する有益な免疫応答の阻害、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、本態性振戦、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、及び多発性硬化症から選択される異なる種類の神経障害に対する有益な免疫応答の阻害、腫瘍細胞上のCD33リガンドへの結合、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、好中球、及び/またはマクロファージ上のCD33リガンドへの結合、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上による腫瘍細胞殺傷の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞増殖活性の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上による腫瘍細胞殺傷の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞転移活性の阻害、1つ以上の炎症性受容体、例えば、CD86であって、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上で発現される受容体の調節された発現、免疫抑制樹状細胞、免疫抑制マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、免疫抑制好中球、及び制御性T細胞の1つ以上の、腫瘍への浸潤の増大、腫瘍、末梢血、またはその他のリンパ器官における腫瘍促進性骨髄/顆粒球免疫抑制性細胞数の増大、骨髄由来サプレッサー細胞の腫瘍促進性作用の強化、腫瘍殺傷能を有する腫瘍特異的Tリンパ球の活性の減少、腫瘍殺傷能を有する腫瘍特異的Tリンパ球の浸潤の減少、腫瘍増殖率の増大、腫瘍再発率の増大、抗腫瘍T細胞応答を調節する1つ以上の免疫療法であって、任意に、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4−1BB、CD27、GITR、PD−L1、CTLA4、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、HVEM、LIGHT、BTLA、VISTA、KIR、GAL9、TIM1、TIM3、TIM4、A2AR、LAG3、DR−5、CD39、CD70、TREM1、TREM2、Siglec−5、Siglec−7、Siglec−9、Siglec−11、SirpA、CD447、CSF−1受容体、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のタンパク質を標的とする免疫療法である該1つ以上の免疫療法、または、1つ以上の化学療法剤及び/または1つ以上のがんワクチンの有効性の低減が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CD33抗体でのがんの治療は、(i)腫瘍浸潤CD3+T細胞数の増大、(ii)非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞におけるCD33の細胞レベルの低減、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は、腫瘍浸潤細胞であるか、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+細胞は、血中に存在する、(iii)非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞数の低減、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は、腫瘍浸潤細胞であるか、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は、血中に存在する、(iv)1つ以上の細胞におけるPD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163、及び/またはCD206レベルの低減、任意に、この場合、該1つ以上の細胞は、非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)である、(v)固形腫瘍の腫瘍増殖率の低減、(vi)腫瘍体積の低減、(vii)1つ以上のPD−1阻害剤の有効性の向上、(viii)1つ以上のチェックポイント阻害剤療法及び/または免疫調節療法有効性の向上、任意に、この場合、該該1つ以上のチェックポイント阻害剤療法及び/または免疫調節療法は、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、LAG−3、またはそれらの任意の組み合わせの1つ以上を標的とする、(ix)1つ以上の化学療法剤の有効性の向上、任意に、この場合、該1つ以上の化学療法剤は、ゲムシタビン、カペシタビン、アントラサイクリン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、タキサン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、5−フルオロウラシル(5−FU)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、及びそれらの任意の組み合わせである、(x)非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の存在下でのT細胞増殖の増大、(xi)非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能の阻害、ならびに(xii)化学的または放射性毒素に複合化された場合の、固形腫瘍ならびに関連する血管におけるCD33発現免疫抑制非腫瘍形成性骨髄細胞及び/または非腫瘍形成性CD14発現細胞の殺傷の可能性がある。
いくつかの実施形態では、本開示の骨髄細胞としては、制限なく、CD45+CD14+骨髄細胞、CD14+骨髄細胞、及び骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の骨髄細胞は、非腫瘍形成性骨髄細胞である。免疫抑制細胞は、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)とも呼ばれることがある。ヒトにおいて、MDSCは、以下の組み合わせのマーカーの1つによって定義することができる。:(1)CD14+HLA−DR低/−、(2)CD14+IL4Rα+、(3)CD14+HLA−DR−IL4Rα+、(4)CD34+CD14+CD11b+CD33+、(5)CD11b+CD14+CD33+、(6)CD33+HLA−DR−、(7)Lin−HLA−DR−、(8)Lin−HLA−DR−CD33+、(9)Lin−HLA−DR−CD33+CD11b+、(10)Lin−CD33+CD11b+CD15+、(11)Lin−HLA−DR−CD33+CD11b+CD14−CD15+、(12)CD11b+CD14−CD33+、(13)CD11b+CD14−HLA−DR−CD33+CD15+、(14)CD33+HLA−DR−CD15+、(15)CD15+IL4Rα+、(16)CD11b+CD15+CD66b+、(17)CD15+FSC低SSC高、(18)CD15高CD33+、(19)CD11b+CD14−CD15+、(20)CD66b+SSC高、及び(21)CD11b+CD15+(Solito S et al.Annals of the NY Academy of Sciences,2014も参照のこと)。マウスでは、MDSCは、表面マーカーCD45+、CD11b+、Gr1+、及び/またはIl4Ra+の発現によって定義することができる。さらなる例示的な免疫抑制単球系統は、CD45+、CD11b+、Gr1低、及びCD45+、CD11c+である。
CD33タンパク質
1つの態様では、本開示は、本開示のCD33タンパク質内でエピトープなどの領域と相互作用するか、さもなければこれに結合する単離(例えば、モノクローナル)抗体などの抗体を提供する。いくつかの実施形態では、該抗体は、(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体に対して)改善/向上された反応速度で本開示のCD33タンパク質内でエピトープなどの領域と相互作用するか、さもなければこれに結合する。いくつかの実施形態では、該抗体は、対照抗体のものより(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体に対して)低い半数効果濃度(EC50)で樹状細胞などのヒト細胞のCD33タンパク質内で、エピトープなどの領域と相互作用するか、さもなければこれに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33タンパク質に結合し、CD33タンパク質に結合した後に1つ以上のCD33活性、例えば、細胞におけるCD33の発現と関連する活性を調節する。本開示のCD33タンパク質としては、制限なく、哺乳動物CD33タンパク質、ヒトCD33タンパク質、マウスCD33タンパク質、及びラットCD33タンパク質が挙げられる。
CD33は、様々に、CD33分子、Siglec3、Siglec−3、CD33抗原(Gp67)、P67、Gp67、シアル酸結合−Ig様レクチン3、骨髄細胞表面抗原CD33、またはFLJ00391と呼ばれる。
CD33は、制限なく、マクロファージ、樹状細胞、破骨細胞、単球、及びミクログリアなどの骨髄系統の細胞で主に発現される免疫グロブリン様受容体である。いくつかの実施形態では、CD33は、CD64と受容体シグナル伝達複合体を形成する。いくつかの実施形態では、CD33シグナル伝達は、PI3Kまたは他の細胞内シグナルの下流阻害をもたらす。骨髄細胞上では、Toll様受容体(TLR)シグナルがCD33活性の阻害にとって、例えば、感染応答の観点から重要である。TLR、例えば、マクロファージ及び樹状細胞で発現されるTLRはまた、病的炎症反応において重要な役割を果たす。
ヒトCD33のアミノ酸配列を配列番号1として以下に記載する。
いくつかの実施形態では、CD33は、シグナル配列を含む前駆タンパク質である。いくつかの実施形態では、CD33は、成熟タンパク質である。いくつかの実施形態では、該成熟CD33タンパク質は、シグナル配列を含まない。いくつかの実施形態では、該成熟CD33タンパク質は、細胞上で発現される。いくつかの実施形態では、該成熟CD33タンパク質は、制限なく、ヒト樹状細胞、ヒトマクロファージ、ヒト単球、ヒト破骨細胞、ヒト好中球、ヒトT細胞、ヒトTヘルパー細胞、ヒト細胞傷害性T細胞、ヒト顆粒球、及びヒトミクログリアを含めた細胞上、例えば、細胞表面で発現される。本開示の抗CD33抗体は、本明細書に開示の任意の細胞で発現される本開示のCD33タンパク質のいずれかと結合し得る。
本開示のCD33タンパク質、例えば、ヒトCD33は、制限なく、配列番号1のアミノ酸残基1〜17に位置するシグナル配列、配列番号1のアミノ酸残基19〜135に位置する細胞外免疫グロブリン様可変型(IgV)ドメイン、配列番号1のアミノ酸残基145〜228に位置するIg様C2型ドメイン、配列番号1のアミノ酸残基260〜282に位置する膜貫通ドメイン、配列番号1のアミノ酸残基338〜343に位置するITIMモチーフ1、及び配列番号1のアミノ酸残基356〜361に位置するITIMモチーフ2を含めたいくつかのドメインを含む。当業者であれば理解するように、本開示のドメインの始まり及び終わりの残基は、該ドメインの決定に使用されるコンピューターモデリングプログラムまたは方法に応じて異なり得る。
本開示のある特定の態様は、ヒトCD33、または、制限なく、哺乳動物CD33タンパク質及び他の種由来のCd33オルソログを含めたそのホモログに結合する抗CD33抗体を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体に対して)改善/向上された結合反応速度でヒトCD33またはそのホモログに結合する。
従って、本明細書で使用される、本開示の「CD33」タンパク質としては、制限なく、哺乳動物CD33タンパク質、ヒトCD33タンパク質、霊長類CD33タンパク質、マウスCD33タンパク質、及びラットCD33タンパク質が挙げられる。さらに、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33タンパク質、霊長類CD33中のエピトープと結合し得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に特異的に結合し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、pH依存的にCD33と結合し得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、中性pHでCD33に結合することができ、該CD33タンパク質から解離することなく内在化され得る。別の方法として、酸性pHで本開示の抗体は、それらが内在化されるとCD33から解離する場合があり、その後エンドソーム/リソソーム経路によって分解される。ある特定の実施形態では、抗CD33抗体は、pH5.5〜8.0、5.5〜7.5、5.5〜7.0、5.5〜6.5、5.5〜6.0、6.0〜8.0、6.5〜8.0、7.0〜8.0、7.5〜8.0、6.0〜7.5、6.0〜7.0、6.5〜7.5の範囲でCD33と結合する。ある特定の実施形態では、抗CD33抗体は、pH6.0未満、5.5未満、5.0未満、4.5未満、4.0未満、3.5未満、3.0未満、2.5未満、または2.0未満でCD33から解離する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、本開示の野生型CD33タンパク質、その天然に存在するバリアント、及び/またはその疾患バリアントに結合する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、ヒトCD33のバリアントであって、(C)ヌクレオチドの一塩基多型(SNP)rs3865444Cを含むバリアントと結合する。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルを低下させる、及び/またはCD33と結合もしくはこれと相互作用する本開示の抗体は、ヒトCD33のバリアントであって、(A)ヌクレオチドのSNP rs3865444を含むバリアントと結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33のバリアントであって、SNP rs3865444ACまたはrs3865444CCを含むバリアントと結合する。
いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルを低下させる、及び/またはCD33と結合もしくはこれと相互作用する本開示の抗体は、ヒトCD33のバリアントであって、GGヌクレオチド、AAヌクレオチド、またはAGヌクレオチドのSNP rs35112940を含むバリアントと結合する。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルを低下させる、及び/またはCD33と結合もしくはこれと相互作用する本開示の抗体は、ヒトCD33のバリアントであって、CC、CT、またはTT遺伝子型のSNP rs12459419を含むバリアントと結合する。ある特定の実施形態では、当該対象は、GGヌクレオチド、CGヌクレオチド、またはCCヌクレオチドのコードSNP、rs1803に対してホモ接合性またはヘテロ接合性を有する。
いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルを低下させる、及び/またはCD33と結合もしくはこれと相互作用する本開示の抗体は、制限なく、ヒト樹状細胞、ヒトマクロファージ、ヒト単球、ヒト破骨細胞、ヒト好中球、ヒトT細胞、ヒトTヘルパー細胞、ヒト細胞傷害性T細胞、ヒト顆粒球、及びヒトミクログリアを含めた細胞表面で発現されるCD33タンパク質と結合する。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルを低下させる、及び/またはCD33と結合もしくはこれと相互作用する本開示の抗体は、細胞表面で発現されるCD33タンパク質に結合し、表面発現されたCD33タンパク質に結合した後、少なくとも1つの本開示のCD33活性を調節(例えば、誘導または阻害)する。本開示のいくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33タンパク質に特異的に結合する。本開示のいくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、さらに、少なくとも1つのさらなるSiglecタンパク質に結合する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、該少なくとも1つのさらなるSiglecタンパク質の1つ以上の活性、または該少なくとも1つのさらなるSiglecタンパク質を発現する細胞の1つ以上の活性を調節する。
CD33リガンド
本開示のCD33タンパク質は、1つ以上のCD33リガンドと相互作用する(例えば、それに結合する)ことができる。
例示的なCD33リガンドとしては、制限なく、シアル酸、シアル酸含有糖脂質、シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−2,6結合シアル酸含有糖脂質、アルファ−2,6結合シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−2,3結合シアル酸含有糖脂質、アルファ−2,3結合シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−1酸性糖タンパク質(AGP)、CD24タンパク質、ガングリオシド(例えば、シアル化グリカンに結合したセラミドを含む糖脂質)、分泌されたムチン、赤血球で発現されるCD33リガンド、細菌細胞で発現されるCD33リガンド、アポトーシスを起こした細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍細胞で発現されるCD33リガンド、ウイルスで発現されるCD33リガンド、樹状細胞で発現されるCD33リガンド、神経細胞で発現されるCD33リガンド、グリア細胞で発現されるCD33リガンド、ミクログリアで発現されるCD33リガンド、アストロサイトで発現されるCD33リガンド、ベータアミロイド斑上のCD33リガンド、タウのもつれ上のCD33リガンド、病原タンパク質上のCD33リガンド、病原ペプチド上のCD33リガンド、マクロファージで発現されるCD33リガンド、ナチュラルキラー細胞で発現されるCD33リガンド、T細胞で発現されるCD33リガンド、Tヘルパー細胞で発現されるCD33リガンド、細胞傷害性T細胞で発現されるCD33リガンド、B細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍埋没免疫抑制樹状細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍埋没免疫抑制マクロファージで発現されるCD33リガンド、骨髄由来サプレッサー細胞で発現されるCD33リガンド、及び制御性T細胞で発現されるCD33リガンドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示のCD33リガンドはガングリオシドである。ガングリオシドは一般に、共通のラクト−セラミドコア及び1つ以上のシアル酸残基を共有する。
適切なガングリオシドリガンドのさらなる例を表Aに記載する。一般に、ガングリオシドは、糖鎖上に1つ以上のシアル酸(例えば、n−アセチルノイラミン酸、NANA)が結合したスフィンゴ糖脂質からなる分子である。
CD33抗体
本開示のある特定の態様は、1つ以上の改善及び/または向上された機能特性を含む抗CD33抗体に関する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対照抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)に対して、1つ以上の改善及び/または向上された機能特性を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33(例えば、ヒトCD33)に対する親和性が、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)のものより高い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対照抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)のものより低い半数効果濃度(EC50)で、樹状細胞などのヒト細胞に結合する。いくつかの実施形態では本開示の抗CD33抗体は、対照抗体(例えば、配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)のものより低い半数効果濃度(EC50)で、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル)を低下させる。
CD33の細胞レベルとは、制限なく、細胞表面のCD33レベル、細胞内のCD33レベル、及び合計のCD33レベルを指し得る。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルの低下は、細胞表面のCD33レベルの低下を含む。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面のCD33レベル)を低下させる本開示の抗CD33抗体は、以下の特性の1つ以上を有する:(1)1つ以上のCD33活性を阻害するまたは低下させる、(2)CD33のそのリガンドの1つ以上に対する結合を阻害または低下させる能力、(3)CD33発現細胞におけるCD33発現を低下させる能力、(4)CD33タンパク質と相互作用する、これに結合する、またはこれを認識する能力、(5)CD33タンパク質と特異的に相互作用するまたはこれに結合する能力、ならびに(6)本明細書で記載または企図される疾患もしくは障害の任意の態様を治療、改善、または予防する能力。
本開示の抗CD33抗体は、標的抗原(例えば、ヒトCD33)に対して、ナノモルまたはピコモルですらある親和性を有し得る。ある特定の実施形態では、該抗体の解離定数(KD)は、約0.001〜約100nMである。ある特定の実施形態では、該抗体のKDは、約0.01〜約10nMである。ある特定の実施形態では、該抗体のKDは、約0.202〜約8.57nMである。いくつかの実施形態では、該抗体のKDは、約100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、9.5nM、9nM、8.5nM、8nM、7.5nM、7nM、6.5nM、6nM、5.5nM、5nM、4.5nM、4nM、3.5nM、3nM、2.5nM、2nM、1.5nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、.05nM、.01nM、または.005nM以下である。いくつかの実施形態では、該抗体のKDは、約5.22nM未満である。いくつかの実施形態では、該抗体のKDは、約.001nM、.005nM、.01nM、.05nM、0.1nM、0.2nM、0.3nM、0.4nM、0.5nM、0.6nM、0.7nM、0.8nM、0.9nM、1nM、1.5nM、2nM、2.5nM、3nM、3.5nM、4nM、4.5nM、5nM、5.5nM、6nM、6.5nM、7nM、7.5nM、8nM、8.5nM、9nM、9.5nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、または90nM以上である。すなわち、該抗体のKDは、上限約100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、9.5nM、9nM、8.5nM、8nM、7.5nM、7nM、6.5nM、6nM、5.5nM、5nM、4.5nM、4nM、3.5nM、3nM、2.5nM、2nM、1.5nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、.05nM、.01nM、または.005nM、及び独立して選択される下限約.001nM、.005nM、.01nM、.05nM、0.1nM、0.2nM、0.3nM、0.4nM、0.5nM、0.6nM、0.7nM、0.8nM、0.9nM、1nM、1.5nM、2nM、2.5nM、3nM、3.5nM、4nM、4.5nM、5nM、5.5nM、6nM、6.5nM、7nM、7.5nM、8nM、8.5nM、9nM、9.5nM、10nM.20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、または90nMを有する親和性の範囲のいずれかであり得る。この場合、該下限は該上限より低い。いくつかの実施形態では、該抗体のKDは、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、約1nM、約900pM、約800pM、約700pM、約600pM、約500pM、約400pM、約300pM、約200pM、または約100pMのいずれかである。抗体の親和性を測定する様々な方法が当技術分野で既知であり、例えば、表面プラズモン共鳴またはBioLayer干渉法の使用が含まれる(例えば、下記実施例1参照)。いくつかの実施形態では、CD33に対するKDは、温度約25℃で測定される。いくつかの実施形態では、該CD33に対するKDは、温度約4℃で測定される。いくつかの実施形態では、該KDは、一価抗体(例えば、Fab)または完全長抗体を一価形態で用いて測定される。いくつかの実施形態では、該KDは、二価抗体及びモノマー組み換えCD33タンパク質を用いて測定される。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33に対する解離定数(KD)が、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)より低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、標的(例えば、ヒトCD33)に対するKDが、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)の該標的に対するKDより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、標的(例えば、ヒトCD33)に対するKDが、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)の該標的に対するKDより、少なくとも約1倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約12.5倍、少なくとも約15倍、少なくとも約17.5倍、少なくとも約20倍、少なくとも約22.5倍、少なくとも約25倍、少なくとも約27.5倍、少なくとも約30倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に対するKDが、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも9倍高い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に対するKDが、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも3倍高い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に対するKDが、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも3倍高い。いくつかの実施形態では、該親和性は、表面プラズモン共鳴で測定される。いくつかの実施形態では、該親和性は、温度約25℃で測定される。いくつかの実施形態では、該親和性は、温度約4℃で測定される。いくつかの実施形態では、該親和性は、下記実施例1に記載の実験的方法を用いて測定される。
本開示の抗CD33抗体は、ピコモル範囲の半数効果濃度(EC50)で(例えば、初代ヒト樹状細胞を用いてインビトロで測定した場合)、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル)を低下させ得る。ある特定の実施形態では、該抗体のEC50は、約0.1〜約500pMである。ある特定の実施形態では、該抗体のEC50は、約1〜約250pMである。ある特定の実施形態では、該抗体のEC50は、約4.1〜約151.1pMである。いくつかの実施形態では、該抗体のEC50は、約500pM、400pM、300pM、250pM、225pM、200pM、175pM、150pM、125pM、100pM、75pM、50pM、25pM、10pM、1pM、または0.5pM以下である。いくつかの実施形態では、該抗体のEC50は、約74.3pM未満である。いくつかの実施形態では、該抗体のEC50は、約0.1pM、0.5pM、1pM、10pM、25pM、50pM、75pM、100pM、125pM、150pM、175pM、200pM、225pM、250pM、300pM、または400pM以上である。すなわち、該抗体のEC50は、上限約500pM、400pM、300pM、250pM、225pM、200pM、175pM、150pM、125pM、100pM、75pM、50pM、25pM、10pM、1pM、または0.5pM、及び独立して選択される下限約0.1pM、0.5pM、1pM、10pM、25pM、50pM、75pM、100pM、125pM、150pM、175pM、200pM、225pM、250pM、300pM、または400pMを有する範囲のいずれかであり得る。この場合、該下限は該上限より低い。いくつかの実施形態では、該抗体のEC50は、約1pM、2pM、3pM、4pM、5pM、6pM、7pM、8pM、9pM、10pM、15pM、20pM、25pM、30pM、35pM、40pM、45pM、50pM、55pM、60pM、65pM、70pM、75pM、80pM、85pM、90pM、95pM、100pM、105pM、110pM、115pM、120pM、125pM、130pM、135pM、140pM、145pM、150pM、155pM、160pM、165pM、170pM、175pM、180pM、185pM、190pM、195pM、または200pMのいずれかである。抗体のEC50値を測定する様々な方法が当技術分野で既知であり、例えば、フローサイトメトリーによるものが含まれる(例えば、下記実施例2参照)。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒト樹状細胞を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒト単球を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒトマクロファージを用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、ヒトCD33をトランスフェクトした培養細胞を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約4℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約25℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約35℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約37℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、一価抗体(例えば、Fab)または完全長抗体を一価形態で用いて測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、Fc受容体結合の向上を示す定常領域を含む抗体を用いて測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、Fc受容体結合の低下を示す定常領域を含む抗体を用いて測定される。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)より低いEC50で(例えば、初代ヒト樹状細胞を用いてインビトロで測定して)、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル)を低下させる。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)のEC50より、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%低いEC50で、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル)を低下させる。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対照抗CD33抗体(例えば、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、ならびに配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体、及び/または配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む対照抗CD33抗体)のEC50より、少なくとも約1倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約12.5倍、少なくとも約15倍、少なくとも約17.5倍、少なくとも約20倍、少なくとも約22.5倍、少なくとも約25倍、少なくとも約27.5倍、少なくとも約30倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍低いEC50で、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル)を低下させる。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、EC50が、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも1.6倍低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、EC50が、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも1.05倍低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、EC50が、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも1.07倍低い。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、EC50が、配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する抗CD33抗体より少なくとも1.2倍低い。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒト樹状細胞を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒト単球を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、初代ヒトマクロファージを用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、ヒトCD33をトランスフェクトした培養細胞を用いてインビトロで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、フローサイトメトリーで測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約25℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約35℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、温度約37℃で測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、Fc受容体結合の向上を示す定常領域を含む抗体を用いて測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、Fc受容体結合の低下を示す定常領域を含む抗体を用いて測定される。いくつかの実施形態では、該EC50は、下記実施例2に記載の実験的方法を用いて測定される。
本明細書に記載の、もしくは当技術分野で既知の任意のインビトロでの細胞ベースのアッセイまたは適切なインビボモデルを用いて、CD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)の阻害を測定してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を、本明細書に記載の、もしくは当技術分野で既知の任意のインビトロでのアッセイまたは細胞ベースの培養アッセイを用いて、飽和抗体濃度において、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上阻害する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33の細胞表面クラスター化を阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、LCK及びFYNなどのSrcファミリーチロシンキナーゼによるTyr−340及びTyr−358のリン酸化の1つ以上の妨害、チロシン特異的タンパク質ホスファターゼSHP1及びSHP2の動員及びそれらへの結合、Dynamini−1に対するグアニンヌクレオチド交換因子として作用するPLC−ガンマ1の動員及びそれへの結合、SH2ドメイン含有タンパク質(例えば、Crkl)の動員及びそれへの結合、脾臓チロシンキナーゼSykの動員及びそれへの結合、SH3−SH2−SH3増殖因子受容体結合タンパク質2(Grb2)の動員及びそれへの結合、複数のSH2含有タンパク質の動員及びそれへの結合、プロテインキナーゼCによるSer−307及びSer−342のリン酸化、1つ以上の抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−13、IL−35、IL−16、TGF−ベータ、IL−1Ra、G−CSF、及びTNF、IFN−ベータ1a、IFN−ベータ1b、またはIL−6に対する可溶性受容体の単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアにおける調節された発現、細胞内カルシウム動員の減少、1つ以上の炎症性サイトカインIFN−a4、IFN−b、IL−1β、TNF−α、IL−6、IL−8、CRP、IL−20ファミリーメンバー、LIF、IFN−ガンマ、OSM、CNTF、GM−CSF、IL−11、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、CXCL10、IL−33、CRP、IL−33、MCP−1、及びMIP−1−ベータの単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアにおける調節された発現、C1qa、C1qB、C1qC、C1s、C1R、C4、C2、C3、ITGB2、HMOX1、LAT2、CASP1、CSTA、VSIG4、MS4A4A、C3AR1、GPX1、TyroBP、ALOX5AP、ITGAM、SLC7A7、CD4、ITGAX、PYCARD、CD14、CD16、HLA−DR、及びCCR2から選択される1つ以上のタンパク質の調節された発現、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のリン酸化の阻害、複数の細胞タンパク質におけるチロシンリン酸化の低減、C−Cケモカイン受容体7(CCR7)の調節された発現、CCL19及びCCL21発現細胞へのミクログリア細胞の走化性の阻害、ホスホイノシチド3−キナーゼの活性化、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、及び/または、ミクログリアの細胞増殖の低減、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、M2ミクログリア、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、及び/またはM2マクロファージによって誘導されるT細胞増殖の低減、破骨細胞産生の阻害、破骨細胞形成速度の低減、またはその両方、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの生存の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの増殖の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの遊走の阻害、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの1つ以上の機能の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの成熟の阻害、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの細胞死及びアポトーシスの増大、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの食作用活性の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの増殖の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの全体的な機能の低減、ITAM含有受容体のリン酸化、ITAMシグナル伝達を媒介するシグナル伝達分子のリン酸化、パターン認識受容体の活性化の低減、Toll様受容体の活性化の低減、損傷関連の細胞及びタンパク質の破片の除去の活性化の低減、CD33と1つ以上のそのリガンド間の相互作用、CD33とCD64などの補助受容体間の相互作用、アポトーシス性ニューロンの除去、神経組織破片の除去、機能不全シナプスの除去、非神経組織破片の除去、細菌もしくは他の異物の除去、病原タンパク質の除去、及び腫瘍細胞の除去から選択される1つ以上の種類の除去の阻害、アポトーシス性ニューロン、神経組織破片、非神経組織破片、細菌、他の異物、病原タンパク質、病原ペプチド、病原核酸、病原脂質、または腫瘍細胞の1つ以上の食作用の阻害、例えば、病原核酸がアンチセンスGGCCCC(G2C4)反復拡張RNAである病原核酸の除去の阻害、アミロイドベータ、アミロイドベータ斑、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその断片、タウ、IAPP、アルファ−シヌクレイン、TDP−43、FUSタンパク質、C9orf72(染色体9オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S−IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチドリピート(DPR)ペプチド、グリシン−アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン−プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン−アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン−アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、ならびにプロリン−アルギニン(PR)反復ペプチドから選択される病原タンパク質の除去の活性化、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、及び甲状腺癌から選択される異なる種類のがんに対する有益な免疫応答の阻害、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、本態性振戦、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、及び多発性硬化症から選択される異なる種類の神経障害に対する有益な免疫応答の阻害、ループス、急性及び慢性大腸炎、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、及び骨のパジェット病から選択される異なる種類の炎症及び感染症に対する有益な免疫応答の阻害、腫瘍細胞上のCD33リガンドへの結合、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、好中球、及び/またはマクロファージ上のCD33リガンドへの結合、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上による腫瘍細胞殺傷の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞増殖活性の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞転移活性の阻害、免疫抑制樹状細胞、免疫抑制マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、または制御性T細胞の促進、1つ以上のITAMモチーフ含有受容体、例えば、TREM1、TREM2、FcgR、DAP10、及びDAP12の阻害、モチーフD/Ex0−2YxxL/IX6−8YxxL/I(配列番号165)を含む1つ以上の受容体の阻害、1つ以上のパターン認識受容体(PRR)、例えば、病原体関連分子パターン(PAMP)を識別する受容体、及び損傷関連分子パターン(DAMP)を識別する受容体によるシグナル伝達の阻害、1つ以上のToll様受容体によるシグナル伝達の阻害、JAK−STATシグナル伝達経路の阻害、活性化B細胞核内因子カッパ軽鎖エンハンサー(NFκB)の阻害、PLCγ/PKC/カルシウム動員の阻害、PI3K/Akt、Ras/MAPKシグナル伝達の阻害、1つ以上の炎症性受容体、例えば、CD86であって、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上で発現される受容体の発現の低減、1つ以上のCD33依存性遺伝子の発現の増大、破壊されたCD33依存性遺伝子発現の正常化、ならびに1つ以上のITAM依存性遺伝子、例えば、NFAT転写因子の発現の低減を含めた1つ以上のCD33タンパク質の活性を阻害する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、腫瘍浸潤CD3+T細胞数の増大、CD14+骨髄細胞、例えば、腫瘍浸潤CD14+骨髄細胞及び血中に含まれるCD14+骨髄細胞におけるCD33の細胞レベルの低減、CD14+骨髄細胞、例えば、腫瘍浸潤CD14+骨髄細胞及び血中に含まれるCD14+骨髄細胞の数の低減、1つ以上の細胞、例えば、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)におけるPD−L1、PD−L2、B7−H7、B7−H3、CD200R、CD163、及び/またはCD206レベルの低減、固形腫瘍の腫瘍増殖率の低減、腫瘍体積の低減、1つ以上のPD−1阻害剤の有効性の向上:1つ以上のチェックポイント阻害剤療法及び/または免疫調節療法、例えば、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、LAG−3、またはそれらの任意の組み合わせの1つ以上を標的とするチェックポイント阻害剤療法及び/または免疫調節療法の有効性の向上、1つ以上の化学療法剤の有効性の向上、任意に、この場合、該1つ以上の化学療法剤は、ゲムシタビン、カペシタビン、アントラサイクリン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、タキサン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、5−フルオロウラシル(5−FU)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、オキサリプラチン(Elotaxin(登録商標))、ロイコボリン、テマゾラミド(temazolamide)(Temodar(登録商標))、及びそれらの任意の組み合わせであるもの、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の存在下でのT細胞増殖の増大、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能の阻害、ならびに化学的または放射性毒素に複合化された場合の、固形腫瘍ならびに関連する血管におけるCD33発現免疫抑制非腫瘍形成性骨髄細胞及び/または非腫瘍形成性CD14発現細胞の殺傷を含めた1つ以上のCD33タンパク質の活性を示す。
いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、本開示のCD33タンパク質と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害し、該1つ以上のCD33リガンドとしては、制限なく、赤血球で発現されるCD33リガンド、細菌細胞で発現されるCD33リガンド、アポトーシスを起こした細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍細胞で発現されるCD33リガンド、ウイルスで発現されるCD33リガンド、樹状細胞で発現されるCD33リガンド、神経細胞で発現されるCD33リガンド、グリア細胞で発現されるCD33リガンド、ミクログリアで発現されるCD33リガンド、アストロサイトで発現されるCD33リガンド、ベータアミロイド斑上のCD33リガンド、タウのもつれ上のCD33リガンド、病原タンパク質上のCD33リガンド、病原ペプチド上のCD33リガンド、マクロファージで発現されるCD33リガンド、ナチュラルキラー細胞で発現されるCD33リガンド、T細胞で発現されるCD33リガンド、Tヘルパー細胞で発現されるCD33リガンド、細胞傷害性T細胞で発現されるCD33リガンド、B細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍埋没免疫抑制樹状細胞で発現されるCD33リガンド、腫瘍埋没免疫抑制マクロファージで発現されるCD33リガンド、骨髄由来サプレッサー細胞で発現されるCD33リガンド、制御性T細胞で発現されるCD33リガンド、分泌されたムチン、シアル酸、シアル酸含有糖脂質、シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−2,6結合シアル酸含有糖脂質、アルファ−2,6結合シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−2,3結合シアル酸含有糖脂質、アルファ−2,3結合シアル酸含有糖タンパク質、アルファ−1酸性糖タンパク質(AGP)、CD24タンパク質、及びガングリオシドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、細胞表面で発現される本開示のCD33タンパク質に結合し、該裸の抗体は、該CD33タンパク質と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害する。いくつかの実施形態では、本CD33タンパク質に結合する本開示の抗CD33抗体は、該細胞表面上または該細胞の内部のこれらタンパク質との相互作用に利用できる効果的なCD33レベルを低下させることによって、該CD33タンパク質と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害する。いくつかの実施形態では、本CD33タンパク質に結合する本開示の抗CD33抗体は、CD33の分解を誘導することによって、該CD33タンパク質と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害する。
本明細書で使用される、CD33のレベルとは、CD33をコードする遺伝子の発現レベル、CD33をコードする1つ以上の転写産物の発現レベル、CD33タンパク質の発現レベル、及び/または細胞内及び/または細胞表面に存在するCD33タンパク質の量を指す場合がある。遺伝子発現、転写、翻訳、及び/またはタンパク質量もしくは局在化のレベルを測定するための当技術分野で既知の任意の方法を用いて、CD33のレベルが測定され得る。
さらに、本開示の抗CD33抗体は、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、がん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、原発性または特発性骨髄硬化、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、及び/またはインフルエンザ菌の予防、リスクの低減、または治療のために用いることができる。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上の免疫細胞の生存、成熟、機能、遊走、または増殖を誘導もしくは促進するために、それを必要とする個体において、または、制御性T細胞、腫瘍埋没免疫抑制樹状細胞、腫瘍埋没免疫抑制マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、急性骨髄性白血病(AML)細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞、及び/または慢性骨髄性白血病(CML)細胞の活性、機能、または生存を減少させるために、それを必要とする個体において、用いることができる。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、モノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面レベル、細胞内レベル、及び/または合計レベル)を低下させる。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の下方制御を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の開裂を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の内在化を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の脱落を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の分解を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33の脱感作を誘導する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化するリガンド模倣体の役割を果たす。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の細胞レベルの低下及び/またはCD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)の阻害の誘導の前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の分解を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の開裂を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の内在化を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の脱落を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33発現の下方制御を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、リガンド模倣体の役割を果たし、CD33の脱感作を誘導する前に、一時的にCD33を活性化する。
いくつかの実施形態では、本開示の単離抗CD33抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、モノクローナル抗体、多価抗体、またはキメラ抗体である。かかる抗体の例示的な説明は、本開示を通して見出される。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33、または、制限なく、哺乳動物CD33タンパク質を含めたそのホモログに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、ヒトCD33に結合し、他の種由来のCD33オルソログやホモログと交差反応しない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、細胞表面で発現される本開示のCD33タンパク質に結合し、該表面発現されたCD33タンパク質に結合した後に本開示の1つ以上のCD33活性を調節(例えば、誘導もしくは阻害)する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、不活性抗体である。
抗CD33抗体結合領域
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、立体構造エピトープと結合し得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、不連続CD33エピトープと結合し得る。いくつかの実施形態では、該不連続CD33エピトープは、2つ以上のペプチド、3つ以上のペプチド、4つ以上のペプチド、5つ以上のペプチド、6つ以上のペプチド、7つ以上のペプチド、8つ以上のペプチド、9つ以上のペプチド、または10以上のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上のペプチドを含むCD33エピトープと結合し得る。本明細書に開示するように、CD33エピトープは、配列番号1のアミノ酸配列の5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、もしくは20以上のアミノ酸残基、または、配列番号1のアミノ酸配列に対応する哺乳動物CD33タンパク質の5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、もしくは20以上のアミノ酸残基を含む1つ以上のペプチドを含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗CD33抗体によって結合されるCD33エピトープと同じまたは重複するヒトCD33のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗CD33抗体によって結合されるものと本質的に同じCD33エピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗CD33抗体の結合を競合的に阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号103のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗CD33抗体と、CD33への結合をめぐって競合する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、表3A〜3C、4A〜4C、5A〜5D、6A〜6D、7、及び8に記載の抗体のいずれかから選択される少なくとも1つの抗体の結合を競合的に阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの抗体の結合を競合的に阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、該抗CD33抗体が、該抗CD33抗体の非存在下でのCD33に対する結合と比較して、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体のCD33に対する結合を、約50%〜100%の範囲の量減少させる場合に、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体とCD33に対する結合をめぐって競合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、該抗CD33抗体が、該抗CD33抗体の非存在下でのCD33に対する結合と比較して、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体のCD33に対する結合を、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%減少させる場合に、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体とCD33に対する結合をめぐって競合する。いくつかの実施形態では、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体のCD33に対する結合を100%減少させる本開示の抗CD33抗体は、該抗CD33抗体が、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体のCD33に対する結合を本質的に完全に遮断することを示す。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体ならびにAB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、
AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体に対して抗CD33抗体が、10:1比、9:1比、8:1比、7:1比、6:1比、5:1比、4:1比、3:1比、2:1比、1:1比、0.75:1比、0.5:1比、0.25:1比、0.1:1比、0.075:1比、0.050:1比、0.025:1比、0.01:1比、0.0075: 比、0.0050:1比、0.0025:1比、0.001:比、0.00075:1比、0.00050:1比、0.00025:1比、0.0001:比、1:10比、1:9比、1:8比、1:7比、1:6比、1:5比、1:4比、1:3比、1:2比、1:0.75比、1:0.5比、1:0.25比、1:0.1比、1:0.075比、1:0.050比、1:0.025比、1:0.01比、1:0.0075比、1:0.0050比、1:0.0025比、1:0.001比、1:0.00075比、1:0.00050比、1:0.00025比、または1:0.0001比に対応する量で存在する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体の量と比較して、約1.5倍〜100倍の範囲の、または100倍を超える量過剰に存在する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体の量と比較して、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、または100倍過剰の量で存在する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、表3A〜3C、4A〜4C、5A〜5D、6A〜6D、7、及び8に記載の抗体のいずれかから選択される少なくとも1つの抗体によって結合されるCD33エピトープと同じまたはこれと重複するヒトCD33エピトープに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66から選択される少なくとも1つの抗体によって結合されるCD33エピトープと同じまたはこれと重複するヒトCD33エピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、表3A〜3C、4A〜4C、5A〜5D、6A〜6D、7、及び8に記載の抗体のいずれかから選択される少なくとも1つの抗体によって結合されるものと本質的に同じCD33エピトープに結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66から選択される少なくとも1つの抗体によって結合されるものと本質的に同じCD33エピトープに結合する。抗体が結合するエピトープの例示的なマッピング方法の詳細は、Morris(1996)“Epitope Mapping Protocols,” in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に示されている。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体とCD33への結合をめぐって競合する。
当技術分野で既知の任意の適切な競合アッセイまたはCD33結合アッセイ、例えば、BIAcore分析、ELISAアッセイ、またはフローサイトメトリーを用いて、抗CD33抗体が、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、AB−H66、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の抗体とCD33への結合をめぐって競合するかどうかが判断され得る。例示的な競合アッセイでは、固定化CD33または細胞表面でCD33を発現する細胞を、CD33(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)に結合する一次標識抗体、及びCD33への結合をめぐって該一次抗体と競合するその能力について試験される二次未標識抗体を含む溶液中でインキュベートする。該二次抗体は、ハイブリドーマ上清に存在し得る。対照として、固定化CD33またはCD33を発現する細胞を、該一次標識抗体を含むが二次未標識抗体を含まない溶液中でインキュベートする。CD33に対する該一次抗体の結合が可能な条件下でのインキュベート後、過剰な未結合抗体を除去し、固定化CD33またはCD33を発現する細胞と会合した標識の量を測定する。固定化CD33またはCD33を発現する細胞と会合した標識の量が対照試料に対して試験試料で実質的に減少している場合、該二次抗体がCD33への結合をめぐって該一次抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies: A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
抗CD33抗体の軽鎖及び重鎖可変領域
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)から選択される1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、または3つすべて)のHVRを含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、該HVR−H1は、式I:GX1X2X3TDYNX4H(配列番号152)の配列を含み、ここで、X1は、Y、A、またはVであり、X2は、TまたはAであり、X3は、F、E、またはHであり、X4は、L、F、Y、またはNである。いくつかの実施形態では、該HVR−H1は、配列番号105〜114から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該HVR−H2は、式II:FIYPX1NX2IX3G(配列番号153)の配列を含み、ここで、X1は、SまたはAであり、X2は、G、Q、R、またはVであり、X3は、TまたはRである。いくつかの実施形態では、該HVR−H2は、配列番号115〜120から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該HVR−H3は、式III:SX1VDYFDX2(配列番号154)の配列を含み、ここで、X1は、T、D、F、またはSであり、X2は、Y、D、またはLである。いくつかの実施形態では、該HVR−H3は、配列番号121〜126から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、式IのHVR−H1、式IIのHVR−H2、及び式IIIのHVR−H3を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む抗体ではない。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号105〜114から選択される配列を含むHVR−H1、配列番号115〜120から選択される配列を含むHVR−H2、及び配列番号121〜126から選択される配列を含むHVR−H3を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15、及びそれらの任意の組み合わせのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、(a)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H1アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H2アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H3アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H3の1つ以上を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNRITG(配列番号119)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNQITG(配列番号118)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、HVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)から選択される1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、または3つすべて)のHVRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域は、HVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、該HVR−L1は、式IV:X1X2SQX3VX4X5STYSYMH(配列番号155)の配列を含み、ここで、X1は、RまたはKであり、X2は、A、G、またはVであり、X3は、SまたはDであり、X4は、S、G、またはHであり、X5は、TまたはAである。いくつかの実施形態では、該HVR−L1は、配列番号127〜134から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該HVR−L2は、式V:YX1X2X3X4X5S(配列番号156)の配列を含み、ここで、X1は、A、V、またはEであり、X2は、S、V、またはFであり、X3は、N、A、Y、またはFであり、X4は、LまたはVであり、X5は、E、G、またはNである。いくつかの実施形態では、該HVR−L2は、配列番号135〜145から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該HVR−L3は、式VI:X1HSX2X3X4PLX5(配列番号157)の配列を含み、ここで、X1は、QまたはEであり、X2は、WまたはEであり、X3は、EまたはAであり、X4は、IまたはLであり、X5は、TまたはEである。いくつかの実施形態では、該HVR−l3は、配列番号146〜151から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域は、式IVのHVR−L1、式VのHVR−L2、及び式VIのHVR−L3を含み、該抗体は、RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域は、配列番号127〜134から選択される配列を含むHVR−L1、配列番号135〜145から選択される配列を含むHVR−L2、及び配列番号146〜151から選択される配列を含むHVR−L3を含み、該抗体は、RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域は、抗体AB−14.3、AB−14.4、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、またはAB−64.8、及びそれらの任意の組み合わせのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、(a)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L1アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L2アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L3アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L3の1つ以上を含み、該抗体は、RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)から選択される1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、または3つすべて)のHVRを含む重鎖可変領域、ならびにHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)から選択される1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、または3つすべて)のHVRを含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)を含み、該軽鎖可変領域は、HVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域ならびにRASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、式IのHVR−H1、式IIのHVR−H2、及び式IIIのHVR−H3を含み、該軽鎖可変領域は、式IVのHVR−L1、式VのHVR−L2、及び式VIのHVR−L3を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域ならびにRASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号105〜114から選択される配列を含むHVR−H1、及び配列番号115〜120から選択される配列を含むHVR−H2、及び配列番号121〜126から選択される配列を含むHVR−H3を含み、該軽鎖可変領域は、配列番号127〜134から選択される配列を含むHVR−L1、及び配列番号135〜145から選択される配列を含むHVR−L2、及び配列番号146〜151から選択される配列を含むHVR−L3を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域ならびにRASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15、及びそれらの任意の組み合わせのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3(表3A〜3Cに示す通り)を含む重鎖可変領域、ならびに抗体AB−14.3、AB−14.4、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、またはAB−64.8、及びそれらの任意の組み合わせのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3(表4A〜4Cに示す通り)を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3を含む重鎖可変領域ならびにHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含み、該抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15(表3A〜3C及び4A〜4Cに示す通り)のHVR−H1、HVR−H2、HVR−H3、HVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、(a)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H1アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H2アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−H3アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−H3の1つ以上を含み、該抗体は、GYTFTDYNLH(配列番号105)の配列を含むHVR−H1、FIYPSNGITG(配列番号115)の配列を含むHVR−H2、及びSTVDYFDY(配列番号121)の配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む抗体ではなく、該軽鎖可変領域は、(a)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L1アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)抗体B−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L2アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のHVR−L3アミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含むHVR−L3の1つ以上を含み、該抗体は、RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)の配列を含むHVR−L1、YASNLES(配列番号135)の配列を含むHVR−L2、及びQHSWEIPLT(配列番号146)の配列を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体ではない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNRITG(配列番号119)を含むHVR−H2、アミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNQITG(配列番号118)を含むHVR−H2、アミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号34〜72から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号59のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15の重鎖可変領域(表7に示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNRITG(配列番号119)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNQITG(配列番号118)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号77〜101から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該軽鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15の軽鎖可変領域(表8に示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号34〜72から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号77〜101から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号59のアミノ酸配列を含み、該軽鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該重鎖可変領域は、配列番号65のアミノ酸配列を含み、該軽鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15の重鎖可変領域(表7に示す通り)、及び抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15の軽鎖可変領域(表8に示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNRITG(配列番号119)を含むHVR−H2、アミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、アミノ酸配列GYTFTDYNLH(配列番号105)を含むHVR−H1、アミノ酸配列FIYPSNQITG(配列番号118)を含むHVR−H2、アミノ酸配列SDVDYFDY(配列番号122)を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域、ならびにアミノ酸配列RASQSVSTSTYSYMH(配列番号127)を含むHVR−L1、アミノ酸配列YASNLES(配列番号135)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列QHSWEIPLT(配列番号146)を含むHVR−L3を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号34、40、42、52、53、及び73〜76から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、またはAB−H66の重鎖可変領域(表7に示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号77、86、及び102から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、抗体AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、またはAB−H66の軽鎖可変領域(表8に示す通り)を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号34、40、42、52、53、及び73〜76から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに配列番号77、86、及び102から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、またはAB−H66の重鎖可変領域(表7に示す通り)、及び抗体AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、またはAB−H66の軽鎖可変領域(表8に示す通り)を含む。
本開示の抗体のいずれも、細胞株によって産生され得る。いくつかの実施形態では、該細胞株は、哺乳動物細胞株であり得る。ある特定の実施形態では、該細胞株は、ハイブリドーマ細胞株であり得る。他の実施形態では、該細胞株は、酵母細胞株であり得る。抗体産生に適する当技術分野で既知の任意の細胞株が、本開示の抗体の産生に使用され得る。抗体産生用の例示的な細胞株は、本開示を通して記載される。
いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、またはAB−H66から選択される抗CD33モノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号52のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.1のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.1のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号58のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.1のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.1のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.1のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.1または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.1のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.1のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.1のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.2のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.2のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号59のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.2のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.2のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.2のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.2または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.2のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.2のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.2のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.3の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.3の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.3の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.3のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.3の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.3のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.3の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.3の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.3の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号60のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.3のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.3のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.3のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.3の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.3の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.3の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.3または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.3のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.3のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.3のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.4の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.4の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.4の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.4のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.4の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.4のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.4の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.4の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.4の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号61のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.4のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.4のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.4のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.4の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.4の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.4の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.4または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.4のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.4のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.4のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.5の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.5の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.5の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.5のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.5の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.5のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.5の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.5の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.5の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号62のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.5のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.5のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.5のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.5の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.5の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.5の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.5または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.5のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.5のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.5のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.6の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.6の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.6の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.6のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.6の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.6のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.6の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.6の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.6の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号63のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.6のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.6のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.6のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.6の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.6の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.6の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.6または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.6のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.6のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.6のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.7の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.7の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.7の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.7のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.7の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.7のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.7の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.7の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.7の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号64のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.7のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.7のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.7のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.7の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.7の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.7の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.7または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.7のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.7のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.7のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.8のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.8のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号65のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.8のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.8のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.8のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.8または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.8のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.8のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.8のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.9の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.9の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.9の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.9のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.9の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.9のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.9の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.9の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.9の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号66のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.9のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.9のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.9のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.9の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.9の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.9の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.9または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.9のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.9のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.9のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.10の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.10の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.10の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.10のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.10の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.10のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.10の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.10の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.10の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号67のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.10のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.10のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.10のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.10の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.10の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.10の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.10または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.10のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.10のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.10のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.11のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.11のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.11の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号68のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.11のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.11のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.11のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.11の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.11または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.11のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.11のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.11のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.12の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.12の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.12の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.12のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.12の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.12のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.12の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.12の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.12の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号69のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.12のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.12のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.12のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.12の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.12の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.12の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.12または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.12のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.12のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.12のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.13の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.13の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.13の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.13のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.13の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.13のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.13の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.13の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.13の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号52のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.13のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.13のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.13のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.13の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.13の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.13の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.13または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.13のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.13のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.13のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.14の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.14の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.14の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.14のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.14の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.14のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.14の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.14の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.14の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号71のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.14のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.14のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.14のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.14の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.14の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.14の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.14または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.14のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.14のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.14のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.15の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含み、及び/または該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.15の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.15の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含み、該重鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.15のHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.15の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を備えたアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含み、該軽鎖可変ドメインは、抗体AB−64.1.15のHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.15の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.15の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.15の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体CD33または配列番号72のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VHは、(a)抗体AB−64.1.15のHVR−H1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.15のHVR−H2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.15のHVR−H3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.15の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含み、置換(例えば、該参照配列に対する保存的置換、挿入、または欠失)を含むが、その配列を含む該抗CD33抗体は、CD33への結合能を保持する。ある特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.15の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、抗体AB−64.1.15の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列または配列番号86のアミノ酸配列において置換され、挿入され、及び/または欠失している。ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、HVR外の領域(すなわち、FR領域)で生じる。いくつかの実施形態では、該置換、挿入、または欠失は、FR領域内で生じる。任意に、該抗CD33抗体は、抗体AB−64.1.15または配列番号86のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を備える。特定の実施形態では、該VLは、(a)抗体AB−64.1.15のHVR−L1のアミノ酸配列、(b)抗体AB−64.1.15のHVR−L2のアミノ酸配列、及び(c)抗体AB−64.1.15のHVR−L3のアミノ酸配列から選択される1、2、または3つのHVRを含む。
いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗CD33モノクローナル抗体AB−64.1.2である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、AB−64.1.2と本質的に同じCD33エピトープに結合する単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3を含む単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.2の軽鎖可変ドメインのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.2の重鎖可変ドメインのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3ならびに軽鎖可変ドメインのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む単離抗体である。
いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、抗CD33モノクローナル抗体AB−64.1.8である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、AB−64.1.8と本質的に同じCD33エピトープに結合する単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3を含む単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.8の軽鎖可変ドメインのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む単離抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、モノクローナル抗体AB−64.1.8の重鎖可変ドメインのHVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3ならびに軽鎖可変ドメインのHVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3を含む単離抗体である。
ある特定の実施形態では、該抗CD33抗体は、アンタゴニスト抗体である。ある特定の実施形態では、該抗CD33抗体は、アゴニスト抗体または不活性抗体である。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスのものである。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、IgGクラスのものであり、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプを有する。
さらなる抗CD33抗体、例えば、本開示のCD33タンパク質に特異的に結合する抗体は、当技術分野で既知の様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性及び/または生物活性について同定され、スクリーニングされ、及び/または特徴づけられ得る。
Fcガンマ受容体に結合可能な抗CD33抗体
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、Fcガンマ受容体と結合する能力を保持している。いくつかの実施形態では、かかる抗体が受容体活性化に対応する的確なエピトープ特異性を有する場合、それらは、それらが、例えば、該CD33受容体をクラスター化し、一時的に刺激できるようにする特徴を有し得る。いくつかの実施形態では、かかる抗体は、続いて、CD33の分解、CD33の脱感作、CD33の開裂、CD33の内在化、CD33の脱落、CD33の発現の下方制御、及び/またはCD33のリソソーム分解を誘導することによって、CD33の発現及び/または1つ以上のCD33タンパク質の活性の長期的阻害剤として作用し得る。
インビボにおいて、本開示の抗CD33抗体は、任意の1つ以上の多重潜在的機序によって、受容体をクラスター化し、CD33を一時的に活性化し得る。IgG2などのヒト抗体のいくつかのアイソタイプは、それらの固有の構造により、受容体をクラスター化する、または、クラスター化構造に受容体を保持する内因性の能力を有し、それによって、Fc受容体に結合することなくCD33などの受容体を一時的に活性化する(例えば、White et al.,(2015)Cancer Cell 27,138−148)。
いくつかの実施形態では、他の抗体は、隣接細胞上のFcg受容体に結合することによって、受容体(例えば、CD33)をクラスター化し得る。いくつかの実施形態では、該抗体のFcg受容体に対する該定常IgG Fc領域の結合は、該抗体の凝集をもたらす場合があり、該抗体は次に、それらがそれらの可変領域を介して結合する受容体を凝集させ得る(Chu et al(2008)Mol Immunol,45:3926−3933、及びWilson et al.,(2011)Cancer Cell 19,101−113)。いくつかの実施形態では、サイトカイン分泌、酸化的破壊、食作用の増加、及び抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)の増強を誘発しない抑制性Fcg受容体FcgR(FcgRIIB)に対する結合は、FcgRIIBに対する結合が悪い免疫反応効果と関連しないために、インビボでの好ましい抗体クラスター化方法である。
本開示の抗CD33抗体が受容体をクラスター化することができる他の機序がある。例えば、架橋している抗体断片(例えば、Fab断片)を用いて、上記の通りFcg受容体に結合するFc領域を備えた抗体と同様の方法で受容体(例えば、CD33)をクラスター化してもよい。いくつかの実施形態では、架橋された抗体断片(例えば、Fab断片)は、それらが細胞表面で受容体のクラスター化を誘導し、標的(例えば、CD33)上の適切なエピトープに結合する場合、一時的にアゴニスト抗体として機能し得る。
従って、いくつかの実施形態では、CD33タンパク質に結合する本開示の抗体は、例えば、それらがCD33の細胞レベルを低下させる前、1つ以上のCD33活性を阻害する前、及び/またはCD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害する前に、それらのエピトープが特異的にCD33に結合し、1つ以上のCD33活性を一時的に活性化することによるものである抗体を含み得る。いくつかの実施形態では、かかる抗体は、CD33上のリガンド結合部位に結合し、天然のリガンドの作用を一時的に模倣し得るか、またはリガンド結合部位ではない1つ以上のドメインに結合することによって、標的抗原を刺激してシグナルを伝達し得る。いくつかの実施形態では、かかる抗体は、リガンド結合を妨害しないであろう。いくつかの実施形態では、抗体がCD33のリガンド結合部位に結合するしないにかかわらず、該抗体は、続いて、CD33の分解、CD33の脱感作、CD33の開裂、CD33の内在化、CD33の脱落、CD33の発現の下方制御、及び/またはCD33のリソソーム分解を誘導することによって、CD33の発現及び/またはCD33タンパク質の1つ以上の活性の長期的阻害剤として作用し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CD33タンパク質の1つ以上の活性を一時的に誘導する抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、細胞で発現されるCD33タンパク質に結合した後に該1つ以上の活性を一時的に誘導する。いくつかの実施形態では、該CD33タンパク質は、細胞表面で発現される。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体によって一時的に誘導されるCD33タンパク質の該1つ以上の活性としては、制限なく、LCK及びFYNなどのSrcファミリーチロシンキナーゼによるTyr−340及びTyr−358のリン酸化、チロシン特異的タンパク質ホスファターゼSHP1及びSHP2の動員及びそれらへの結合、Dynamini−1に対するグアニンヌクレオチド交換因子として作用するPLC−ガンマ1の動員及びそれへの結合、SH2ドメイン含有タンパク質(例えば、Crkl)の動員及びそれへの結合、脾臓チロシンキナーゼSykの動員及びそれへの結合、SH3−SH2−SH3増殖因子受容体結合タンパク質2(Grb2)の動員及びそれへの結合、複数のSH2含有タンパク質の動員及びそれへの結合、プロテインキナーゼCによるSer−307及びSer−342のリン酸化、1つ以上の抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−13、IL−35、IL−16、TGF−ベータ、IL−1Ra、G−CSF、及びTNF、IFN−ベータ1a、IFN−ベータ1b、またはIL−6に対する可溶性受容体の単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/または、ミクログリアにおける調節された発現、細胞内カルシウム動員の減少、1つ以上の炎症性サイトカインであるIFN−a4、IFN−b、IL−1β、TNF−α、IL−6、IL−8、CRP、IL−20ファミリーメンバー、LIF、IFN−ガンマ、OSM、CNTF、GM−CSF、IL−11、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、CXCL10、IL−33、CRP、IL−33、MCP−1、及びMIP−1−ベータの単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアにおける調節された発現、C1qa、C1qB、C1qC、C1s、C1R、C4、C2、C3、ITGB2、HMOX1、LAT2、CASP1、CSTA、VSIG4、MS4A4A、C3AR1、GPX1、TyroBP、ALOX5AP、ITGAM、SLC7A7、CD4、ITGAX、PYCARD、CD14、CD16、HLA−DR、及びCCR2から選択される1つ以上のタンパク質の調節された発現、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のリン酸化の阻害、複数の細胞タンパク質におけるチロシンリン酸化の低減、C−Cケモカイン受容体7(CCR7)の調節された発現、CCL19及びCCL21発現細胞へのミクログリア細胞の走化性の阻害、ホスホイノシチド3−キナーゼの活性化、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、及び/または、ミクログリアの細胞増殖の低減、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、M2ミクログリア、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、及び/またはM2マクロファージによって誘導されるT細胞増殖の低減、破骨細胞産生の阻害、破骨細胞形成速度の低減、またはその両方、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/または、M2ミクログリアの生存の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/または、M2ミクログリアの増殖の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの遊走の阻害、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの1つ以上の機能の低減、好中球、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、マクロファージ、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ、M2マクロファージ、単球、破骨細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、顆粒球、ミクログリア、M1ミクログリア、活性化M1ミクログリア、及び/またはM2ミクログリアの成熟の阻害、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの細胞死及びアポトーシスの増大、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの食作用活性の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの増殖の低減、単球、マクロファージ、T細胞、樹状細胞、好中球、及び/またはミクログリアの全体的な機能の低減、ITAM含有受容体のリン酸化、ITAMシグナル伝達を媒介するシグナル伝達分子のリン酸化、パターン認識受容体の活性化の低減、Toll様受容体の活性化の低減、損傷関連の細胞及びタンパク質の破片の除去の活性化の低減、CD33と1つ以上のそのリガンド間の相互作用、CD33とCD64などの補助受容体間の相互作用、アポトーシス性ニューロンの除去、機能不全シナプスの除去、神経組織破片の除去、非神経組織破片の除去、細菌もしくは他の異物の除去、病原タンパク質の除去、及び腫瘍細胞の除去から選択される1つ以上の種類の除去の低減、アポトーシス性ニューロン、神経組織破片、非神経組織破片、細菌、他の異物、病原タンパク質、病原ペプチド、病原核酸、病原脂質、または腫瘍細胞の1つ以上の食作用の阻害、例えば、病原核酸がアンチセンスGGCCCC(G2C4)反復拡張RNAである病原核酸の除去の阻害、アミロイドベータ、アミロイドベータ斑、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその断片、タウ、IAPP、アルファ−シヌクレイン、TDP−43、FUSタンパク質、C9orf72(染色体9オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S−IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチドリピート(DPR)ペプチド、グリシン−アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン−プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン−アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン−アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、ならびにプロリン−アルギニン(PR)反復ペプチドから選択される病原タンパク質の除去の活性化、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、及び甲状腺癌から選択される異なる種類のがんに対する有益な免疫応答の阻害、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、本態性振戦、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、及び多発性硬化症から選択される異なる種類の神経障害に対する有益な免疫応答の阻害、ループス、急性及び慢性大腸炎、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、及び骨のパジェット病から選択される異なる種類の炎症及び感染症に対する有益な免疫応答の阻害、アポトーシス性ニューロン、神経組織破片、機能不全シナプス、非神経組織破片、細菌、他の異物、病原タンパク質、病原ペプチド、病原核酸、または腫瘍細胞の1つ以上の食作用の阻害、ここで、該病原核酸は、アンチセンスGGCCCC(G2C4)反復拡張RNAの場合があり、該病原タンパク質には、アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータ斑、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその断片、タウ、IAPP、アルファ−シヌクレイン、TDP−43、FUSタンパク質、C9orf72(染色体9オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S−IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチドリピート(DPR)ペプチド、グリシン−アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン−プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン−アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン−アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、ならびにプロリン−アルギニン(PR)反復ペプチドが含まれる場合があり、該腫瘍細胞は、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、及び甲状腺癌から選択されるがん由来の場合がある、腫瘍細胞上のCD33リガンドへの結合、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、好中球、及び/またはマクロファージ上のCD33リガンドへの結合、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上による腫瘍細胞殺傷の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞増殖活性の阻害、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、
または細胞傷害性T細胞の1つ以上の抗腫瘍細胞転移活性の阻害、免疫抑制樹状細胞、免疫抑制マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、または制御性T細胞の促進、1つ以上のITAMモチーフ含有受容体、例えば、TREM1、TREM2、FcgR、DAP10、及びDAP12の阻害、モチーフD/Ex0−2YxxL/IX6−8YxxL/I(配列番号165)を含む1つ以上の受容体の阻害、1つ以上のパターン認識受容体(PRR)、例えば、病原体関連分子パターン(PAMP)を識別する受容体、及び損傷関連分子パターン(DAMP)を識別する受容体によるシグナル伝達の阻害、1つ以上のToll様受容体によるシグナル伝達の阻害、JAK−STATシグナル伝達経路の阻害、活性化B細胞核内因子カッパ軽鎖エンハンサー(NFκB)の阻害、PLCγ/PKC/カルシウム動員の阻害、PI3K/Akt、Ras/MAPKシグナル伝達の阻害、1つ以上の炎症性受容体、例えば、CD86であって、ミクログリア、マクロファージ、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、または細胞傷害性T細胞の1つ以上で発現される受容体の調節された発現、1つ以上のCD33依存性遺伝子の発現の増大、破壊されたCD33依存性遺伝子発現の正常化、ならびに1つ以上のITAM依存性遺伝子、例えば、NFAT転写因子の発現の低減が挙げられ得る。本開示の抗CD33抗体は、当技術分野で既知の、及び本明細書に開示の任意の適切な技術またはアッセイを利用して、CD33タンパク質の1つ以上の活性を一時的に誘導するそれらの能力について試験され得る。かかる抗体が一時的に誘導する活性にかかわらず、かかる抗体は、続いて、CD33の分解、CD33の脱感作、CD33の開裂、CD33の内在化、CD33の脱落、CD33の発現の下方制御、及び/またはCD33のリソソーム分解を誘導することによって、CD33の発現及び/またはCD33タンパク質の1つ以上の活性の長期的阻害剤として作用し得る。いくつかの実施形態では、該CD33抗体は、Fc受容体に対する結合とは独立して、CD33タンパク質の1つ以上の活性を一時的に誘導する。
例示的な抗体のFcアイソタイプ及び修飾を以下の表Bに示す。いくつかの実施形態では、Fcガンマ受容体に結合することが可能な本開示の抗CD33抗体は、以下の表Bに記載のFcアイソタイプを有する。
表Cに記載のアイソタイプに加えて、理論に拘束されることを望むものではないが、ヒトのFcg受容体I、IIA、IIC、IIIA、IIIB及び/またはマウスのFcg受容体I、III、及びIVに結合するヒトIgG1もしくはIgG3アイソタイプ及びその変異体(例えば、Strohl(2009)Current Opinion in Biotechnology 2009、20:685−691)を備えた抗体は、一時的アゴニスト抗体としても作用し得ると考えられている。
いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスのものである。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該抗体は、該Fc領域内で、C127S、L234A、L234F、L235A、L235E、S267E、K322A、L328F、A330S、P331S、E345R、E430G、S440Yからなる群から選択される残基位置で、任意の組み合わせにて(残基位置はEUまたはKabat付番に従う)1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以降、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、または13個すべての)アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置E430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置L243A、L235A、及びP331Aでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置L243A、L235A、P331Aでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置K322A及びE430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置P331S及びE430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置A330S、P331S、及びE430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置K322A、A330S、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置K322A、P331S、及びE430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置A330S、P331S、及びE430Gでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置S267E及びL328Fでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置C127Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置E345R、E430G、及びS440Yでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、位置L243A、L235A、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。
ある特定の実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、IgG2アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、ヒトIgG2定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG2定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、抑制性Fc受容体と結合する。ある特定の実施形態では、該抑制性Fc受容体は、抑制性Fc−ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、V234A(Alegre et al.,(1994)Transplantation 57:1537−1543.31、Xu et al.,(2000)Cell Immunol,200:16−26)、G237A(Cole et al.(1999)Transplantation、68:563−571)、H268Q、V309L、A330S、P331S(US 2007/0148167、Armour et al.(1999)Eur J Immunol 29: 2613−2624、Armour et al.(2000)The Haematology Journal 1(Suppl.1):27、Armour et al.(2000)The Haematology Journal 1(Suppl.1):27)、C232S、及び/またはC233S(White et al.(2015)Cancer Cell 27,138−148)、S267E、L328F(Chu et al.,(2008)Mol Immunol,45:3926−3933)、M252Y、S254T、及び/またはT256Eから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。
いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、C127Sのアミノ酸置換を含む重鎖定常ドメインを備えたIgG2アイソタイプを有する。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う(White et al.,(2015)Cancer Cell 27,138−148、Lightle et al.,(2010)PROTEIN SCIENCE 19:753−762、及びWO2008079246)。
いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、C214Sのアミノ酸置換を含むカッパ軽鎖定常ドメインを備えたIgG2アイソタイプを有する。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う(White et al.,(2015)Cancer Cell 27,138−148、Lightle et al.,(2010)PROTEIN SCIENCE 19:753−762、及びWO2008079246)。
ある特定の実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、IgG1アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、マウスIgG1定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、ヒトIgG1定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG1定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、抑制性Fc受容体と結合する。ある特定の実施形態では、該抑制性Fc受容体は、抑制性Fc−ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、N297A(Bolt S et al.(1993)Eur J Immunol 23:403−411)、D265A(Shields et al.(2001)R.J.Biol.Chem.276,6591−6604)、D270A、L234A、L235A(Hutchins et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA,92:11980−11984、Alegre et al.,(1994)Transplantation 57:1537−1543.31、Xu et al.,(2000)Cell Immunol,200:16−26)、G237A(Alegre et al.(1994)Transplantation 57:1537−1543.31、Xu et al.(2000)Cell Immunol,200:16−26)、P238D、L328E、E233D、G237D、H268D、P271G、A330R、C226S、C229S、E233P、L234V、L234F、L235E(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185−1192)、P331S(Sazinsky et al.,(2008)Proc Natl Acad Sci USA 2008,105:20167−20172)、S267E、L328F、A330L、M252Y、S254T、T256E、N297Q、P238S、P238A、A327Q、A327G、P329A、K322A、及び/またはT394Dから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。
いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG2アイソタイプ重鎖定常ドメイン1(CH1)及びヒンジ領域を含む(White et al.,(2015)Cancer Cell 27,138−148)。ある特定の実施形態では、該IgG2アイソタイプCH1及びヒンジ領域は、アミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCP(配列番号166)を含む。いくつかの実施形態では、該抗体Fc領域は、S267Eのアミノ酸置換、L328Fのアミノ酸置換、もしくはその両方、及び/またはN297AもしくはN297Qのアミノ酸置換を含み、この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。
ある特定の実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、IgG4アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、ヒトIgG4定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG4定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、抑制性Fc受容体と結合する。ある特定の実施形態では、該抑制性Fc受容体は、抑制性Fc−ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、L235A、G237A、S228P、L236E(Reddy et al.,(2000)J Immunol,164:1925−1933)、S267E、E318A、L328F、M252Y、S254T、及び/またはT256Eから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。
ある特定の実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、ハイブリッドIgG2/4アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該Fcガンマ受容体結合抗体は、ヒトIgG2のEUもしくはKabat付番に従うアミノ酸118〜260、及びヒトIgG4のEUもしくはKabat付番に従うアミノ酸261〜447を含むアミノ酸配列を含む(WO 1997/11971、WO 2007/106585)。
ある特定の実施形態では、該抗体は、マウスIgG4定常領域を含む(Bartholomaeus,et al.(2014).J.Immunol.192,2091−2098)。
いくつかの実施形態では、該Fc領域はさらに、EUもしくはKabat付番に従うA330L、L234F、L235E、またはP331S、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のさらなるアミノ酸置換を含む。
ある特定の実施形態では、該抗体は、該Fc領域内で、C127S、L234A、L234F、L235A、L235E、S267E、K322A、L328F、A330S、P331S、E345R、E430G、S440Y、及びそれらの任意の組み合わせから選択される残基位置で、1つ以上のアミノ酸置換を含み、該残基の付番は、EUまたはKabat付番に従う。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G、L243A、L235A、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G及びK322Aでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G、A330S、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G、K322A、A330S、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G、K322A、及びA330Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E430G、K322A、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置S267E及びL328Fでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置C127Sでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置E345R、E430G、及びS440Yでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、残基位置の付番がEU付番に従う位置L243A、L235A、及びP331Sでアミノ酸置換を含む。
不活性抗体
本開示の抗CD33抗体の別のクラスには、不活性抗体が含まれる。本明細書で使用される、「不活性」抗体とは、それらの標的抗原(例えば、CD33)と特異的に結合するが、抗原機能を調節(例えば、低減/阻害または活性化/誘導)しない抗体を指す。例えば、CD33の場合、不活性抗体は、CD33の細胞レベルを調節せず、CD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)も調節せず、CD33タンパク質の1つ以上の活性も調節しない。いくつかの実施形態では、細胞表面でCD33をクラスター化する能力を有さない抗体は、それらが受容体活性化に対応するエピトープ特異性を有していても、不活性抗体であり得る。
いくつかの実施形態では、CD33タンパク質と結合する抗体としては、CD33と結合するが、それらのエピトープ特異性、または特性のため、CD33の細胞レベルを低下させず、及び/またはCD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害しない抗体が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、かかる抗体は、例えば、毒素(例えば、化学療法剤)を腫瘍細胞内に輸送するためのカーゴとして使用することができる。従って、いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、CD33と結合するが、CD33の細胞レベルを低下させることができず、CD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)も阻害することができず、CD33タンパク質の1つ以上の活性を誘発することもできない不活性抗体である。
細胞におけるCD33の細胞レベルを低下させるまたは低下させない抗体は、1つ以上のFcg受容体に対する結合の低下を示す不活性Fc領域と組み合わせることができる。かかるFc領域及び修飾の例を以下の表Dに示す。いくつかの実施形態では、不活性Fc領域を備えた抗体は、以下の表Dに記載のFcアイソタイプを有する。
抑制性抗CD33抗体
本開示の抗CD33抗体の第三のクラスには、1つ以上のCD33活性を遮断するか、さもなければ阻害する抗体が含まれる。いくつかの実施形態では、CD33タンパク質と結合する抗体は、CD33の細胞レベル(例えば、細胞表面のCD33レベル)を低下させ、CD33及び/または1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を阻害し、CD33タンパク質の1つ以上の活性を阻害する抗体を含む場合がある。かかる抗体は、CD33と1つ以上のCD33リガンド間の相互作用(例えば、結合)を妨げること、または、1つ以上のCD33リガンドの存在下でCD33の細胞外ドメインから該細胞の細胞質へのシグナル伝達を妨げることのいずれかによって、CD33タンパク質の1つ以上の活性を阻害する。抗体はまた、CD33の分解、CD33の脱感作、CD33の開裂、CD33の内在化、CD33の脱落、CD33の発現の下方制御、及び/またはCD33のリソソーム分解を誘導することにより、細胞表面のCD33レベルを低下させることによって、CD33タンパク質の1つ以上の活性を阻害することができる。いくつかの実施形態では、かかる抗CD33抗体は、一時的にCD33を活性化しない可能性がある。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、本開示の一時的アゴニスト抗CD33抗体のエピトープ特異性を有し得るが、Fcg受容体に結合することができず、ひいては、例えば、CD33を一時的にクラスター化すること及び活性化することができないFcドメインを有する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、以下の活性の1つ以上を有する:シアル酸含有糖脂質またはシアル酸含有糖タンパク質などの1つ以上のCD33リガンドに対するCD33タンパク質の結合を低下させる能力、サイトカインシグナル伝達サプレッサー(SOCS)タンパク質(例えば、SOCS3タンパク質)のCD33タンパク質に対する結合を低下させる能力、CD33タンパク質のプロテアソーム分解を増加させる能力、循環樹状細胞、マクロファージ、単球、T細胞、及び/またはミクログリアの表面でCD33の機能的発現を低下させる能力、LCK及びFYNなどのSrcファミリーチロシンキナーゼによるTyr−340及びTyr−358のリン酸化を減少させる能力、チロシン特異的タンパク質ホスファターゼSHP1及びSHP2の動員及びそれらへの結合を減少させる能力、Dynamin−1に対するグアニンヌクレオチド交換因子として作用するPLC−g1の動員及びそれへの結合を減少させる能力、Crklの動員及びそれへの結合を減少させる能力、脾臓チロシンキナーゼSykの動員及びそれへの結合を減少させる能力、SH3−SH2−SH3増殖因子受容体結合タンパク質2(Grb2)の動員及びそれへの結合を減少させる能力、複数のSH2含有タンパク質の動員及びそれへの結合を減少させる能力、細胞内カルシウム動員を増加させる能力、炎症性サイトカインIL−1β、IL−8、及びTNF−αの産生を調節する能力、ホスホイノシチド3−キナーゼの活性化を低下させる能力、単球、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、及び/または、ミクログリアの増殖を増大させる能力、単球、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの生存を増加させる能力、複数の細胞タンパク質のチロシンリン酸化を増加させる能力、単球、マクロファージ、樹状細胞、及び/またはミクログリアの食作用活性を増加させる能力、単球、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの細胞増殖を増加させる能力、ITAMシグナル伝達を媒介するシグナル伝達分子のリン酸化を増加させる能力、パターン認識受容体の機能を増加させる能力、Toll様受容体の機能を増加させる能力、損傷関連分子パターン(DAMP)受容体の機能を増加させる能力、C−Cケモカイン受容体7(CCR7)の発現を調節する能力、ならびに細胞及びタンパク質の破片の除去を増加させる能力。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上のFcg受容体に対する結合の減少を示すFc領域を有する。かかるFc領域及び修飾の例を以下の表Dに示す。いくつかの実施形態では、該抗体は、以下の表Dに記載するFcアイソタイプを有する。
Fcガンマ受容体に対する結合が減少した抗体のFcアイソタイプ
いくつかの実施形態では、Fcガンマ受容体に対する結合が減少した抗CD33抗体は、以下の表Cに記載のFcアイソタイプを有する。
ある特定の実施形態では、該抗CD33抗体は、IgG1アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該抗体は、マウスIgG1定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒトIgG1定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG1定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。
いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、N297A、N297Q(Bolt S et al.(1993)Eur J Immunol 23:403−411)、D265A、D270A、L234A、L235A(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185−1192)、C226S、C229S(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185−1192)、P238S(Davis et al.,(2007)J Rheumatol,34:2204−2210)、E233P、L234V(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185−1192)、P238A、A327Q、A327G、P329A(Shields RL.et al.,(2001)J Biol Chem.276(9):6591−604)、K322A、L234F、L235E(Hezareh,et al.,(2001)J Virol 75,12161−12168、Oganesyan et al.,(2008).Acta Crystallographica 64,700−704)、P331S(Oganesyan et al.,(2008)Acta Crystallographica 64,700−704)、T394D(Wilkinson et al.(2013)MAbs 5(3): 406−417)、A330L、M252Y、S254T、及び/またはT256Eから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。特定の実施形態では、該Fc領域はさらに、EUまたはKabat付番規則に従うグリシン236に対応する位置でアミノ酸が欠失している。
いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、EUまたはKabat付番規則に従うC220Sアミノ酸置換を含む重鎖定常領域を備えたIgG1アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該Fc領域はさらに、EUもしくはKabat付番規則に従うA330L、L234F、L235E、及び/またはP331Sから選択される1つ以上のさらなるアミノ酸置換を含む。ある特定の実施形態では、該抗CD33抗体は、IgG2アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、ヒトIgG2定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG2定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、P238S、V234A、G237A、H268A、H268Q、H268E、V309L、N297A、N297Q、V309L、A330S、P331S、C232S、C233S、M252Y、S254T、及び/またはT256Eから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う(Vafa O.et al.,(2014)Methods 65:114−126)。
ある特定の実施形態では、該抗CD33抗体は、IgG4アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、ヒトIgG4定常領域を含む。いくつかの実施形態では、該ヒトIgG4定常領域は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上の修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、該Fc領域は、1つ以上のアミノ酸置換(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に対して)を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上のアミノ酸置換は、E233P、F234V、L235A、G237A、E318A(Hutchins et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA,92:11980−11984)、S228P、L234A/F234A、L236E、S241P、L248E(Reddy et al.,(2000)J Immunol,164:1925−1933、Angal et al.,(1993)Mol Immunol.30(1):105−8、US 8614299 B2、Vafa O.et al.,(2014)Methods 65:114−126)、T394D、M252Y、S254T、T256E、N297A、及び/またはN297Qから選択される。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。いくつかの実施形態では、該抗体は、IgG4アイソタイプを有し、残基位置228でS228Pのアミノ酸置換、残基位置234でF234Aのアミノ酸置換、及び残基位置235でL235Aのアミノ酸置換を含む(残基位置はEU付番に従う)。
いくつかの実施形態では、該Fc領域はさらに、M252Y、S254T、及び/またはT256Eから選択される1つ以上のさらなるアミノ酸置換を含む。この場合、該アミノ酸位置は、EUまたはKabat付番規則に従う。
さらなるIgG変異
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のIgG1バリアントの1つ以上は、補体活性化を排除するため、アミノ酸位置がEUまたはKabat付番規則に従うA330Lの変異(Lazar et al.,(2006)Proc Natl Acad Sci USA,103:4005−4010)、または、L234F、L235E、及び/またはP331Sの変異の1つ以上(Sazinsky et al.,(2008)Proc Natl Acad Sci USA,105:20167−20172)と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のIgGバリアントは、ヒト血清中での該抗CD33抗体の半減期を延長するために1つ以上の変異と組み合わせてもよい(例えば、EUまたはKabat付番規則に従うM252Y、S254T、T256Eの変異)(Dall’Acqua et al.,(2006)J Biol Chem,281:23514−23524、及びStrohl e al.,(2009)Current Opinion in Biotechnology,20:685−691)。
いくつかの実施形態では、本開示のIgG4バリアントは、抗体安定性を向上させるため、EUまたはKabat付番規則に従うS228Pの変異(Angal et al.,(1993)Mol Immunol,30:105−108)、及び/または、Peters et al.,(2012)J Biol Chem.13、287(29):24525−33)に記載の1つ以上の変異と組み合わせてもよい。
二重特異性抗体
本開示のある特定の態様は、本開示のCD33タンパク質の1つ以上のドメイン及び第二の抗原に結合する二重特異性抗体に関する。二重特異性抗体の生成方法は、当技術分野で周知であり、本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本開示の二重特異性抗体は、本開示のCD33タンパク質の1つ以上のアミノ酸残基、例えば、ヒトCD33(配列番号1)の1つ以上のアミノ酸残基、または配列番号1のアミノ酸残基に対応するCD33タンパク質のアミノ酸残基に結合する。いくつかの実施形態では、本開示の二重特異性抗体は、第一の抗原及び第二の抗原を認識する。いくつかの実施形態では、該第一の抗原は、CD33タンパク質または天然に存在するそのバリアントである。いくつかの実施形態では、該第二の抗原もまた、CD33タンパク質または天然に存在するそのバリアントである。いくつかの実施形態では、該第二の抗原は、血液脳関門を通過する輸送を促進する抗原である(例えば、Gabathuler R.,Neurobiol.Dis.37(2010)48−57参照)。かかる第二の抗原としては、制限なく、トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR−1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマ単一ドメイン抗体、TMEM 30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn−B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、アンギオペプ(Angiopep)ペプチド、例えば、ANG1005(例えば、Gabathuler,2010参照)、ならびに血液脳関門内皮細胞で豊富な他の細胞表面タンパク質(例えば、Daneman et al.,PLoS One.2010 Oct 29、5(10):e13741参照)が挙げられる。いくつかの実施形態では、該第二の抗原は、制限なく、アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータ斑、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその断片、タウ、IAPP、アルファ−シヌクレイン、TDP−43、FUSタンパク質、C9orf72(染色体9オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S−IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチドリピート(DPR)ペプチド、グリシン−アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン−プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン−アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン−アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、ならびにプロリン−アルギニン(PR)反復ペプチドを含めた病原タンパク質である。いくつかの実施形態では、該第二の抗原は、制限なく、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4−1BB、CD27、GITR、PD−L1、CTLA4、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、HVEM、LIGHT、BTLA、CD38、TIGIT、VISTA、KIR、GAL9、TIM1、TIM3、TIM4、A2AR、LAG3、DR5、CD39、CD70、CD73、TREM1、TREM2、Siglec−5、Siglec−7、Siglec−9、Siglec−11、SirpA、CD47、CSF1受容体、CD3、及びホスファチジルセリンを含めた免疫細胞で発現される1つ以上のリガンド及び/またはタンパク質である。いくつかの実施形態では、該第二の抗原は、1つ以上の腫瘍細胞で発現されるタンパク質、脂質、多糖、または糖脂質である。
抗体断片
本開示のある特定の態様は、本開示のCD33タンパク質、天然に存在するCD33タンパク質のバリアント、及びCD33タンパク質の疾患バリアントの1つ以上に結合する抗体断片に関する。いくつかの実施形態では、該抗体断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、またはscFv断片である。
いくつかの実施形態では、該抗体断片は、第二のCD33抗体と組み合わせて、及び/または、アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータ斑、アミロイド前駆体タンパク質もしくはその断片、タウ、IAPP、アルファ−シヌクレイン、TDP−43、FUSタンパク質、C9orf72(染色体9オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S−IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチドリピート(DPR)ペプチド、グリシン−アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン−プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン−アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン−アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、及びプロリン−アルギニン(PR)反復ペプチド、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される病原タンパク質に特異的に結合する1つ以上の抗体と組み合わせて、または、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4−1BB、CD27、GITR、PD−L1、CTLA4、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、HVEM、LIGHT、BTLA、CD38、TIGIT、VISTA、KIR、GAL9、TIM1、TIM3、TIM4、A2AR、LAG3、DR5、CD39、CD70、CD73、TREM1、TREM2、CD47、CSF−1受容体、Siglec−5、Siglec−7、Siglec−9、Siglec−11、ホスファチジルセリン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される免疫調節タンパク質と結合する1つ以上の抗体と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体断片は、本開示の抗CD33抗体のいずれかと同じエピトープと結合する機能的断片であり得る。いくつかの実施形態では、該抗体断片は、本開示の抗CD33抗体または抗体断片の小型化された型であって、対応する完全長抗体と同じエピトープを有するが、はるかに小さい分子量を有する。かかる小型化された抗CD33抗体断片は、より良好な脳透過性及びより短い半減期を有する可能性があり、このことは、造影及び診断的有用性にとって有利である(例えば、Lutje S et al.,Bioconjug Chem.2014 Feb 19、25(2):335−41、Tavare R et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2014 Jan 21、111(3):1108−13、及びWiehr S et al.,Prostate.2014 May、74(7):743−55参照)。従って、いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体断片は、それらの対応する完全長抗体と比較して、良好な脳透過性を有し、及び/または、それらの対応する完全長抗体と比較して、短い半減期を有する。
抗体フレームワーク
本明細書に記載の抗体のいずれも、さらにフレームワークを含む。いくつかの実施形態では、該フレームワークは、ヒト免疫グロブリンフレームワークである。例えば、いくつかの実施形態では、抗体(例えば、抗CD33抗体)は、上記実施形態のいずれかのHVRを含み、さらに、アクセプターヒトフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークを含む。ヒト免疫グロブリンフレームワークは、ヒト抗体の一部であってもよいし、非ヒト抗体を、ヒトフレームワーク領域(複数可)で1つ以上の内因性フレームワークを置き換えることによってヒト化してもよい。ヒト化に用いてもよいヒトフレームワーク領域としては:「最良適合」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)参照)、特定の下位群の軽鎖または重鎖可変領域のヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992)、及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)参照)、ヒト成熟(体細胞変異した)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)参照)、ならびにFRライブラリのスクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678−10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611−22618(1996)参照)が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、VH FR1、VH FR2、VH FR3、及びVH FR4(表5A〜5Dに示す通り)から選択される1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つすべて)のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該VH FR1は、式VII:QVQLVQSGAEVKKPGX1SVKX2SCKAS(配列番号158)の配列を含み、ここで、X1は、AまたはSであり、X2は、VまたはIである。いくつかの実施形態では、VH FR1は、配列番号2〜4からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該VH Fr2は、配列番号5の配列を含む。いくつかの実施形態では、該VH FR3は、式VIII:X1AX2X3X4X5X6RX7TX8TVDX9X10X11STX12YMELSSLRSEDTAVYYCAR(配列番号159)の配列を含み、ここで、X1は、YまたはSであり、X2は、QまたはEであり、X3は、KまたはDであり、X4は、FまたはDであり、X5は、Q、F、E、またはTであり、X6は、G、D、またはHであり、X7は、VまたはAであり、X8は、MまたはLであり、X9は、T、N、またはQであり、X10は、SまたはPであり、X11は、TまたはAであり、X12は、VまたはAである。いくつかの実施形態では、VH FR3は、配列番号6〜19からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、VH FR4は、式IX:WGQGTLX1TVSS(配列番号160)の配列を含み、ここで、X1は、VまたはLである。いくつかの実施形態では、VH FR4は、配列番号20〜21からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、式VIIのVH FR1、配列番号5の配列を含むVH FR2、式VIIIのVH FR3、及び式IXのVH FR4を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号2〜4から選択される配列を含むVH FR1、配列番号5の配列を含むVH FR2、配列番号6〜19から選択される配列を含むVH FR3、及び配列番号20〜21から選択される配列を含むVH FR4を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のVH FR1、VH FR2、VH FR3、及びVH FR4(表7に示す通り)を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、VL FR1、VL FR2、VL FR3、及びVL FR4(表6A〜6Dに示す通り)から選択される1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つすべて)のフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、該VL FR1は、式X:X1IX2X3TQSPX4SLX5X6SX7GX8RX9TIX10C(配列番号161)の配列を含み、ここで、X1は、DまたはGであり、X2は、QまたはVであり、X3は、MまたはLであり、X4は、SまたはDであり、X5は、S、P、またはAであり、X6は、AまたはVであり、X7は、VまたはLであり、X8は、DまたはEであり、X9は、VまたはAであり、X10は、T、N、またはDである。いくつかの実施形態では、VL FR1は、配列番号22〜26からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該VL FR2は、式XI:WYQQKPGX1X2PKLLIK(配列番号162)の配列を含み、ここで、X1は、KまたはQであり、X2は、AまたはPである。いくつかの実施形態では、該VL FR2は、配列番号27〜28からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、該VL FR3は、式XII:GVPX1RFSGSGSGTDFTLTISSLQX2EDX3AX4YYC(配列番号163)の配列を含み、ここで、X1は、SまたはDであり、X2は、PまたはAであり、X3は、F、L、またはVであり、X4は、TまたはVである。いくつかの実施形態では、VL FR3は、配列番号29〜31からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、VL FR4は、式XIII:FGQGTKLEIX1(配列番号164)の配列を含み、ここで、X1は、KまたはEである。いくつかの実施形態では、VL FR4は、配列番号32〜33からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、式XのVL FR1、式XIのVL FR2、式XIIのVL FR3、及び式XIIIのVL FR4を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号22〜26から選択される配列を含むVL FR1、配列番号27〜28から選択される配列を含むVL FR2、配列番号29〜31から選択される配列を含むVL FR3、及び配列番号32〜33から選択される配列を含むVL FR4を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のVL FR1、VL FR2、VL FR3、及びVL FR4(表8に示す通り)を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、VH FR1、VH FR2、VH FR3、及びVH FR4(表5A〜5Dに示す通り)から選択される1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つすべて)のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域、ならびにVL FR1、VL FR2、VL FR3、及びVL FR4(表6A〜6Dに示す通り)から選択される1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つすべて)のフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、式VIIのVH FR1、配列番号5の配列を含むVH FR2、式VIIIのVH FR3、及び式IXのVH FR4を含む重鎖可変領域、ならびに、式XのVL FR1、式XIのVL FR2、式XIIのVL FR3、及び式XIIIのVL FR4を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、配列番号2〜4から選択される配列を含むVH FR1、配列番号5の配列を含むVH FR2、配列番号6〜19から選択される配列を含むVH FR3、及び配列番号20〜21から選択される配列を含むVH FR4を含む重鎖可変領域、配列番号22〜26から選択される配列を含むVL FR1、配列番号27〜28から選択される配列を含むVL FR2、配列番号29〜31から選択される配列を含むVL FR3、及び配列番号32〜33から選択される配列を含むVL FR4を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のVH FR1、VH FR2、VH FR3、及びVH FR4(表7に示す通り)を含む重鎖可変領域、ならびに抗体AB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、またはAB−64.1.15のVL FR1、VL FR2、VL FR3、及びVL FR4(表8に示す通り)を含む軽鎖可変領域を含む。
CD33活性
免疫関連タンパク質の調節された発現
いくつかの実施形態では、本開示のCD33抗体は、細胞で発現されたCD33タンパク質に結合すると、PD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206の発現を調節することができる。調節された(例えば、増加または減少した)発現は、制限なく、遺伝子発現の調節、転写発現の調節、またはタンパク質発現の調節を含み得る。遺伝子、転写産物(例えば、mRNA)、及び/またはタンパク質の発現を決定するには、当技術分野で知られている任意の方法を使用することができる。例えば、抗炎症性メディエーターの遺伝子発現レベルを決定するにはノーザンブロット分析を使用することができ、抗炎症性メディエーターの転写レベルを決定するにはRT−PCRを使用することができ、抗炎症性メディエーターのタンパク質レベルを決定するにはウェスタンブロット分析を使用することができる。
本明細書で使用される、PD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206は、本開示の抗CD33抗体で処理された対象の1つ以上の細胞におけるその発現が、該抗体で処理されていない対応する対象の1つ以上の細胞で発現されたPD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206の発現と比較して調節される(例えば、増加または減少する)場合、調節された発現を有し得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象の1つ以上の細胞におけるPD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206発現を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の1つ以上の細胞におけるPD−L1、PD−L2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206発現と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%調節することができる。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象の1つ以上の細胞におけるPD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206発現を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の1つ以上の細胞におけるPD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206発現と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍調節する。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、ならびにがん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、原発性または特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、ならびにインフルエンザ菌を含む、PD−L1、PD−L2、B7−H2、B7−H3、CD200R、CD163及び/またはCD206の異常なレベルに関連する状態及び/または疾患を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するのに有用である。
骨髄由来樹状細胞の抗原特異的T細胞増殖を誘導する能力の向上または正常化
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、細胞で発現されたCD33タンパク質に結合すると、骨髄由来樹状細胞の抗原特異的T細胞増殖を誘導する能力を向上及び/または正常化し得る。
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、対象の1つ以上の骨髄由来樹状細胞における抗原特異的T細胞増殖を誘導する骨髄由来樹状細胞の能力を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の1つ以上の骨髄由来樹状細胞における抗原特異的T細胞増殖を誘導する骨髄由来樹状細胞の能力と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%向上及び/または正常化し得る。他の実施形態では、アンタゴニスト抗CD33抗体は、対象の1つ以上の骨髄由来樹状細胞における抗原特異的T細胞増殖を誘導する骨髄由来樹状細胞の能力を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の1つ以上の骨髄由来樹状細胞における抗原特異的T細胞増殖を誘導する骨髄由来樹状細胞の能力と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍向上及び/または正常化し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、ならびにがん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、原発性または特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、ならびにインフルエンザ菌を含む、骨髄由来樹状細胞の抗原特異的T細胞増殖を誘導する能力の低下または調節不全に関連する状態及び/または疾患を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するのに有益である。
CD33発現細胞の増殖及び生存
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、細胞上に発現されたCD33タンパク質に結合すると、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞及びミクログリア細胞の増殖、生存及び/または機能を増大し得る。
ミクログリア細胞は、脳及び脊髄の常在マクロファージであるグリア細胞の一種であり、このため、中枢神経系(CNS)において能動免疫防御の一次及び主要形態として作用する。ミクログリア細胞は、脳内の総グリア細胞集団の20%を構成する。ミクログリア細胞は、CNSから斑、損傷ニューロン及び感染因子を絶えず除去している。脳及び脊髄は、大部分の病原体が脆弱な神経組織に到達するのを防いでいる血液脳関門として知られる一連の内皮細胞によって身体の他の部分から分離されている「免疫特権」器官と考えられている。感染因子が脳内に直接取り込まれるか、血液脳関門を通過した場合、ミクログリア細胞は、影響を受けやすい神経組織が損傷を受ける前に、迅速に反応して炎症を制限し、感染因子を破壊しなければならない。身体の他の部分からの抗体を利用できない(血液脳関門を通過できるほど小さい抗体はほとんどない)ため、ミクログリアは、異物を認識し、それらを飲み込み、T細胞を活性化させる抗原提示細胞として機能できなければならない。この過程は、致命的損傷の可能性を避けるために迅速に行われなければならないので、ミクログリア細胞は、CNS中の極めて小さな病的変化に対してでさえ非常に敏感である。ミクログリア細胞は、細胞外カリウムのわずかな変化にさえ反応する独特のカリウムチャネルを有することによって、この感度を部分的には達成する。
本明細書で使用される、本開示のマクロファージには、制限なく、M1マクロファージ、活性化M1マクロファージ及びM2マクロファージが含まれる。本明細書で使用される、本開示のミクログリア細胞には、制限なく、M1ミクログリア細胞、活性化M1ミクログリア細胞、及びM2ミクログリア細胞が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、樹状細胞、単球及び/またはマクロファージ上のCD80、CD83及び/またはCD86の発現を増加させ得る。
本明細書で使用される、マクロファージ、樹状細胞、単球、T細胞、好中球、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能は、本開示の抗CD33抗体で処理された対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能が、該抗体で処理されていない対応する対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、好中球、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能よりも大きくなる場合、発現の増加を伴い得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%増大し得る。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象の樹状細胞、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの増殖率、生存、及び/または機能と比較して少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍増大し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、ならびにがん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、原発性または特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、ならびにインフルエンザ菌を含む、樹状細胞、好中球、マクロファージ、単球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、T細胞、及び/またはミクログリアの増殖減少、生存、アポトーシス増加及び/または機能に関連する状態及び/または疾患を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するのに有益である。
免疫細胞のCD33依存性活性化
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、またはその両方の活性を増加させ得る。いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、制限なく、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、及び甲状腺癌などの固形腫瘍を含む腫瘍を含む、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、またはその両方の活性低下に関連する状態及び/または疾患を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するのに有益である。
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、T細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数の増加を誘導することができる。いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の存在下で、T細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数の増加を誘導する。
本明細書で使用される、T細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖率、生存、活性、及び/または数は、本開示の抗CD33抗体で処理された対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖率、生存、活性、及び/または数が、該抗体で処理されていない対応する対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖率、生存、活性、及び/または数よりも大きくなる場合、増加した率を伴い得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数のレベルと比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%増加させ得る。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数を、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象のT細胞、細胞傷害性T細胞、CD3+T細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、破骨細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、クッパー細胞、及び/またはミクログリア細胞の増殖、生存、活性、及び/または数のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍増加させ得る。
腫瘍関連免疫細胞のCD33依存性抑制
いくつかの実施形態では、本開示のアゴニスト抗CD33抗体は、CD14+骨髄細胞の活性の低下、増殖の減少、生存の減少、機能性の低下、腫瘍もしくはリンパ器官(例えば、脾臓及びリンパ節)への浸潤、数の減少、腫瘍増殖率の減少、腫瘍体積の減少、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能の低減もしくは阻害、及び/またはT制御性細胞もしくは抑制性腫瘍埋没免疫抑制性樹状細胞もしくは腫瘍関連マクロファージもしくは骨髄由来サプレッサー細胞のアポトーシスの促進を行い得る。いくつかの実施形態では、本開示のアゴニスト抗CD33抗体は、制限なく、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、甲状腺癌などのCD33を発現しない固形腫瘍、及び白血病細胞などのCD33を発現する血液腫瘍を含む腫瘍を含め、1つ以上の種類の免疫抑制性細胞の活性に関連する状態及び/または疾患を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するのに有益である。
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、CD14+骨髄細胞の数を減少させ、腫瘍増殖率を減少させ、腫瘍体積を減少させ、または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能を低減もしくは阻害し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象のCD14+骨髄細胞の数、腫瘍増殖率、腫瘍体積、または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能のレベルと比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%、対象のCD14+骨髄細胞の数を減少させ、腫瘍増殖率を減少させ、腫瘍体積を減少させ、または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能を低減もしくは阻害し得る。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、例えば、該抗体で処理されていない対応する対象のCD14+骨髄細胞の数、腫瘍増殖率、腫瘍体積、または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍、対象のCD14+骨髄細胞の数を減少させ、腫瘍増殖率を減少させ、腫瘍体積を減少させ、または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の分化、生存、及び/または1つ以上の機能を低減もしくは阻害し得る。
チェックポイント阻害療法の有効性の向上
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、及び/またはLAG3のうちの1つ以上を標的とする、PD−1阻害薬または療法などの1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性を向上し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、及び/またはLAG3のうちの1つ以上を標的とする、PD−1阻害薬または療法などの1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性を、かかる1つ以上の療法を受けている対象において、例えば、該抗体で処理されていないかかる1つ以上の療法を受けている対応する対象における、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、及び/またはLAG3のうちの1つ以上を標的とする、PD−1阻害薬または療法などの1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性レベルと比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%増大し得る。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、及び/またはLAG3のうちの1つ以上を標的とする、PD−1阻害薬または療法などの1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性を、かかる1つ以上の療法を受けている対象において、例えば、該抗体で処理されていないかかる1つ以上の療法を受けている対応する対象における、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、及び/またはLAG3のうちの1つ以上を標的とする、PD−1阻害薬または療法などの1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性レベルと比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍増大し得る。
化学療法剤の有効性の向上
いくつかの実施形態では、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体は、ゲムシタビン、カペシタビン、アントラサイクリン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、タキサン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、5−フルオロウラシル(5−FU)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、オキサリプラチン(Elotaxin(登録商標))、ロイコボリン、及び/またテモゾロミド(temozolmide)(Temodar(登録商標))などの1つ以上の化学療法剤の有効性を向上し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上の化学療法剤の有効性を、かかる1つ以上の療法を受けている対象において、例えば、該抗体で処理されていないかかる1つ以上の療法を受けている対応する対象における1つ以上の化学療法剤の有効性のレベルと比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも135%、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%増大し得る。他の実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上の化学療法剤の有効性を、かかる1つ以上の療法を受けている対象において、例えば、該抗体で処理されていないかかる1つ以上の療法を受けている対応する対象における1つ以上の化学療法剤の有効性のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、または少なくとも10倍増大し得る。
抗体の調製
本開示の抗CD33抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化及びキメラ抗体、ヒト抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及びF(ab’)2)、二重特異性及び多重特異性抗体、多価抗体、ヘテロ複合抗体、複合抗体、ライブラリ由来の抗体、修飾されたエフェクター機能を有する抗体、抗体部分を含む融合タンパク質、ならびに、抗体のグリコシル化バリアント、抗体のアミノ酸配列バリアント、及び共有結合的に修飾された抗体を含めた、抗原認識部位、例えば、本開示のCD33タンパク質のアミノ酸残基を有するエピトープを含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された構造を包含することができる。該抗CD33抗体は、ヒト、マウス、ラット、または任意の他の起源であり得る(キメラまたはヒト化抗体を含む)。
(1)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体、例えば、ポリクローナル抗CD33抗体は、関連する抗原及びアジュバントの複数回の皮下(sc)または腹腔内(ip)注射によって動物内で通常産生される。免疫化される種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、または大豆トリプシンインヒビターに対して、二官能性もしくは誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介して)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、またはR及びR1が独立して低級アルキル基であるR1N=C=NRを用いて、関連する抗原(例えば、本開示の精製もしくは組み換えCD33タンパク質)を結合させることが有用である場合がある。使用され得るアジュバントの例としては、フロイント完全アジュバント及びMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられる。当該免疫化プロトコルは、必要以上の実験を行うことなく当業者によって選択され得る。
動物は、所望の抗原、免疫原性複合体、もしくは誘導体に対して、例えば、100μg(ウサギ用)または5μg(マウス用)のタンパク質または複合体を3体積のフロイント完全アジュバントと組み合わせ、該溶液を複数の部位に皮内注射することによって免疫化される。1ヶ月後、該動物は、ペプチドもしくは複合体のフロイント完全アジュバント溶液の元の量の1/5〜1/10を複数の部位に皮下注射することによってブーストされる。7〜14日後、該動物から採血し、血清を抗体力価についてアッセイする。力価がプラトーに達するまで動物はブーストされる。複合体は、組み換え細胞培養中で、タンパク質融合として製造することもできる。さらに、ミョウバンなどの凝集剤も、免疫応答を高めるのに適している。
(2)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体、例えば、モノクローナル抗CD33抗体は、実質的に均質な抗体の集団、すなわち、該集団を構成する個々の抗体が、少量で存在する場合がある、起こり得る自然に生じる突然変異及び/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同じである集団から得られる。従って、修飾語「モノクローナル」は、個別の抗体の混合物ではない抗体の特徴を示す。
例えば、該モノクローナル抗CD33抗体は、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて製造される場合も、組み換えDNA法(米国特許第4,816,567号)によって製造される場合もある。
ハイブリドーマ法では、マウスまたは他の適切な宿主動物、例えば、ハムスターを、以上に記載の通りに免疫化し、免疫化に使用されたタンパク質(例えば、本開示の精製もしくは組み換えCD33タンパク質)に特異的に結合する抗体を産生する、または産生することが可能なリンパ球を誘発する。別の方法として、リンパ球をインビトロで免疫化してもよい。リンパ球をその後、ポリエチレングリコールなどの適切な融剤を用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
免疫剤は、通常、抗原性タンパク質(例えば、本開示の精製もしくは組み換えCD33タンパク質)またはその融合バリアントを含む。一般に、ヒト起源の細胞が望ましい場合には末梢血リンパ球(「PBL」)が用いられ、非ヒト哺乳動物起源が望ましい場合には脾臓またはリンパ節細胞が用いられる。該リンパ球をその後、ポリエチレングリコールなどの適切な融剤を用いて不死化細胞株と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する。Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,Academic Press(1986),pp.59−103。
不死化細胞株は、通常、形質転換哺乳動物細胞、とりわけ、げっ歯類、ウシ、またはヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が用いられる。このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、未融合の親骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1つ以上の物質を好ましくは含む適切な培地に播種し、増殖させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合、当該ハイブリドーマ用の培地は、通常、HGPRT欠損細胞の増殖を防ぐ物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む(HAT培地)。
好ましい不死化骨髄腫細胞は、効率よく融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベルの産生を支持し、HAT培地などの培地に感受性であるものである。これらの中でも、マウス骨髄腫株、例えば、MOPC−21及びMPC−11マウス腫瘍(Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,California USAより入手可能)、ならびにSP−2細胞及びその誘導体(例えば、X63−Ag8−653)(the American Type Culture Collection,Manassas,Virginia USAより入手可能)が好ましい。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培地を、抗原(例えば、本開示のCD33タンパク質)に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降またはインビトロ結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって測定される。
該ハイブリドーマ細胞が培養される培地は、所望の抗原(例えば、本開示のCD33タンパク質)に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイすることができる。好ましくは、該モノクローナル抗体の結合親和性及び特異性は、免疫沈降またはインビトロ結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合アッセイ(ELISA)によって測定され得る。かかる技術及びアッセイは、当技術分野で既知である。例えば、結合親和性は、Munson et al.,Anal.Biochem.,107:220(1980)のスキャチャード解析によって測定され得る。
所望の特異性、親和性、及び/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、当該クローンを限界希釈手順によってサブクローニングし、標準的な方法で増殖させてもよい(Goding、前出)。この目的に適した培地としては、例えば、D−MEMまたはRPMI−1640培地が挙げられる。加えて、該ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物の腫瘍として、インビボで増殖させてもよい。
該サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリン精製手順、例えば、プロテインA−セファロースクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、アフィニティークロマトグラフィー、及び上記の他の方法などによって、当該培地、腹水、または血清から適切に分離される。
抗CD33モノクローナル抗体はまた、組み換えDNA法、例えば、米国特許第4,816,567号に開示のものによって、及び上記の通り製造してもよい。該モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)容易に単離及び配列決定される。該ハイブリドーマ細胞は、かかるDNAの好ましい供給源として役立つ。単離されると、該DNAは発現ベクターに入れられ、これはその後、宿主細胞、例えば、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または他の場合には免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞にトランスフェクトされ、かかる組み換え宿主細胞でモノクローナル抗体を合成する。該抗体をコードするDNAの細菌での組み換え発現に関する総説としては、Skerra et al.,Curr.Opin.Immunol.,5:256−262(1993)及びPluckthun,Immunol.Rev.130:151−188(1992)が挙げられる。
ある特定の実施形態では、抗CD33抗体は、McCafferty et al.,Nature,348:552−554(1990)に記載の技術を用いて生成される抗体ファージライブラリから単離することができる。Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)は、それぞれ、ファージライブラリからのマウス及びヒト抗体の単離を記載した。その後の刊行物は、鎖シャフリングによる高親和性(ナノモル(「nM」)の範囲)ヒト抗体の産生(Marks et al.,Bio/Technology,10:779−783(1992))、ならびに、非常に大きなファージライブラリを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染及びインビボ組み換え(Waterhouse et al.,Nucl.Acids Res.,21:2265−2266(1993))を記載している。従って、これらの技術は、所望の特異性のモノクローナル抗体(例えば、本開示のCD33タンパク質に結合するもの)の単離用の従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術に代わる実行可能な手段である。
抗体またはその断片をコードするDNAはまた、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することによって(米国特許第4,816,567号、Morrison,et al.,Proc.Natl Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、または、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列のすべてもしくは一部を免疫グロブリンのコード配列に共有結合で結合することによって修飾されてもよい。通常、かかる非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインと置換されるか、または、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインと置換され、抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位及び異なる抗原に対する特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を形成する。
本明細書に記載のモノクローナル抗体(例えば、本開示の抗CD33抗体またはその断片)は、一価でよく、その調製は当技術分野で周知である。例えば、1つの方法は、免疫グロブリン軽鎖及び修飾された重鎖の組み換え発現を含む。該重鎖は、重鎖の架橋を防ぐため、一般にFc領域の任意の点で切断される。別の方法として、関連するシステイン残基を、架橋を防ぐために別のアミノ酸残基で置換してもよいし、削除してもよい。インビトロ法もまた、一価抗体を調製するためにふさわしい。抗体の断片、とりわけFab断片を産生するための抗体の消化を、当技術分野で既知の通常の技術を用いて達成することができる。
キメラまたはハイブリッド抗CD33抗体はまた、架橋剤を含むものを含めた合成タンパク質化学において既知の方法を用いてインビトロで調製され得る。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエーテル結合を形成することによって構築してもよい。この目的に適した試薬の例としては、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチリミデートが挙げられる。
(3)ヒト化抗体
本開示の抗CD33抗体またはその抗体断片には、さらにヒト化もしくはヒト抗体が含まれ得る。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、最小限の非ヒト免疫グロブリン由来の配列を含むキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその断片(例えば、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合サブ配列)である。ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含み、この中で、該レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDR由来の残基で置換されている。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が対応する非ヒト残基で置換される。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にも、取り込まれたCDRやフレームワーク配列にも見られない残基を含んでもよい。一般に、該ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常は2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、この中で、該CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、該FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。該ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、通常はヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部もまた含む。Jones et al.,Nature 321: 522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332: 323−329(1988)及びPresta,Curr.Opin.Struct.Biol.2: 593−596(1992)。
非ヒト抗体のヒト化方法は当技術分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、その中に導入された非ヒト起源からの1つ以上のアミノ酸残基を有する。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「取り込み」残基と呼ばれ、これらは通常、「取り込み」可変ドメインから取り込まれる。ヒト化は、基本的に、Winter and co−workers,Jones et al.,Nature 321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323−327(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534−1536(1988)の方法に従って、または、げっ歯類CDRもしくはCDR配列で対応するヒト抗体の配列を置換することによって行うことができる。従って、かかる「ヒト化」抗体は、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号)であって、ここでは、非ヒト種由来の対応する配列によって、無傷のヒト可変ドメインに実質的に満たないものが置換されている。実際には、ヒト化抗体は、通常、いくつかのCDR残基及び場合によりいくつかのFR残基が、げっ歯類抗体の類似部位由来の残基で置換されるヒト抗体である。
ヒト化抗体の製造に使用される軽鎖及び重鎖の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させるために非常に重要である。いわゆる「最良適合」法に従って、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリ全体に対してスクリーニングされる。該げっ歯類のものに最も近いヒト配列が次にヒト化抗体用のヒトフレームワーク(FR)として受容される。Sims et al.,J.Immunol.,151:2296(1993)、Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901(1987)。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定の下位群のすべてのヒト抗体のコンセンサス配列由来の特定のフレームワークを用いる。いくつかの異なるヒト化抗体に対して、同じフレームワークを使用してもよい。Carter et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 89:4285(1992)、Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)。
さらに、抗体は、抗原に対する高い親和性及び他の好適な生物学的特性を保持してヒト化されることが重要である。この目標を達成するため、好ましい方法によれば、ヒト化抗体は、親配列及びヒト化配列の3次元モデルを用いて、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析過程によって調製される。3次元免疫グロブリンモデルは、一般に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推定される3次元立体配座構造を図解して示すコンピュータープログラムが利用可能である。これらの表示を検査することで、候補免疫グロブリン配列の機能において、当該残基の可能性のある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原と結合する能力に影響する残基の分析が可能になる。このようにして、FR残基は、標的抗原(複数可)(例えば、本開示のCD33タンパク質)に対する親和性の増加などの所望の抗体特性が達成されるように、レシピエント及び取り込み配列から選択及び組み合わせることができる。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接かつ最も実質的に関与している。
様々な形態のヒト化抗CD33抗体が企図される。例えば、該ヒト化抗CD33抗体は、Fabなどの抗体断片でよく、これは任意に、1つ以上の細胞毒性薬(複数可)と複合化され、免疫複合体を生成する。代替的に、該ヒト化抗CD33抗体は、無傷の抗体、例えば、無傷のIgG1抗体でよい。
(4)抗体断片
ある特定の実施形態では、抗CD33抗体全体ではなく、抗CD33抗体断片を用いることに利点がある。断片サイズがより小さいと、急速なクリアランス及びより良好な脳透過性という効果がある。
抗体断片の産生に向けて、様々な技術が開発されている。従来、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク質分解を介して得られた(例えば、Morimoto et al.,J.Biochem.Biophys.Method.24:107−117(1992)、及びBrennan et al.,Science 229:81(1985)参照)。しかしながらこれらの断片は、例えば、本開示の抗CD33抗体をコードする核酸を用いて、今や組み換え宿主細胞によって直接産生することができる。Fab、Fv、及びscFv抗体断片はすべて、E.coliで発現すること及びE.coliから分泌させることができ、ひいては、大量のこれら断片の容易な産生が可能になる。抗CD33抗体断片はまた、上記で論じた抗体ファージライブラリから単離することもできる。別の方法として、Fab’−SH断片は、E.coliから直接回収することができ、化学的に結合してF(ab’)2断片を形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology 10:163−167(1992))。別の方法によれば、F(ab’)2断片は、組み換え宿主細胞培養から直接単離することができる。インビボ半減期が延長されたFab及びF(ab’)2抗体断片の産生は、米国特許第5,869,046号に記載されている。他の実施形態では、最適な抗体は、一本鎖Fv断片(scFv)である。WO 93/16185、米国特許第5,571,894号及び米国特許第5,587,458号を参照されたい。抗CD33抗体断片はまた、例えば、米国特許第5,641,870号に記載の「直線状抗体」でよい。かかる直線状抗体断片は、単一特異性でも二重特異性でもよい。
(5)二重特異性及び多特異性抗体
二重特異性抗体(BsAb)は、同一または別のタンパク質(例えば、本開示の1つ以上のCD33タンパク質)上のものを含め、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。別の方法として、BsAbの1つの部分は、標的CD33抗原に結合するアームとすることができ、もう一方は、第二のタンパク質に結合するアームと組み合わせることができる。かかる抗体は、完全長抗体または抗体断片に由来し得る(例えばF(ab’)2二重特異性抗体)。
二重特異性抗体の製造方法は当技術分野で既知である。完全長二重特異性抗体の従来の産生は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の共発現に基づいており、この場合、該2本の鎖は異なる特異性を有している。Millstein et al.,Nature,305:537−539(1983)。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな取り合わせのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、可能性がある10個の異なる抗体分子の混合物を産生し、そのうちの1つのみが正しい二重特異性構造を有する。通常アフィニティークロマトグラフィー段階で行われる正しい分子の精製は、かなり煩雑であり、製品収量は低い。同様の手順は、WO 93/08829及びTraunecker et al.,EMBO J.,10:3655−3659(1991)に開示されている。
異なる方法によれば、所望の結合特異性の抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合される。該融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとである。軽鎖の結合に必要な部位を含む、該融合物の少なくとも一方に存在する第一の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。該免疫グロブリン重鎖融合物及び、必要に応じて、該免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAが、別々の発現ベクターに挿入され、適切な宿主生物に同時にトランスフェクトされる。これは、該構築物に用いられる3つのポリペプチド鎖の不均等な比が最適収量をもたらす場合の実施形態では、3つのポリペプチド断片の相互の割合の調節において高い柔軟性を与える。しかしながら、少なくとも2本のポリペプチド鎖の等比での発現が高収量をもたらす場合、または、該比が特に重要でない場合に、2本または3本すべてのポリペプチド鎖に対するコード配列を1つの発現ベクターに挿入することは可能である。
この方法の好ましい実施形態では、該二重特異性抗体は、1つのアームに第一の結合特異性を備えたハイブリッド免疫グロブリン重鎖、及び他のアームにハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対(第二の結合特異性を与える)からなる。この非対称構造は、該二重特異性分子の半分のみの免疫グロブリン軽鎖の存在が、簡単な分離方法を与えるので、不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせからの所望の二重特異性化合物の分離を容易にすることが分かった。この方法は、WO 94/04690に開示されている。二重特異性抗体生成のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al.,Methods in Enzymology 121: 210(1986)を参照されたい。
WO 96/27011または米国特許第5,731,168号に記載の別の方法によれば、1対の抗体分子間の界面は、組み換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーの割合(%)を最大にするように改変することができる。好ましい界面は、抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第一の抗体分子の界面からの1つ以上の小さいアミノ酸側鎖が、より大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換えられる。該大きな側鎖(複数可)と同一または同様のサイズの代償的「空洞」は、大きなアミノ酸側鎖を小さなもの(例えば、アラニンまたはスレオニン)で置き換えることによって、第二の抗体分子の界面に作られる。これは、ホモダイマーなどの不要なその他の最終産物よりヘテロダイマーの収量を増加させる機序を与える。
抗体断片から二重特異性抗体を生成する技術は、文献に記載されている。例えば、二重特異性抗体は、化学結合を用いて調製することができる。Brennan et al.,Science 229:81(1985)は、無傷の抗体がタンパク質分解によって切断されてF(ab’)2断片を生成する手順を記載している。これらの断片は、ジチオール錯化剤亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元され、隣接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。生成された該Fab’断片は、次に、チオニトロベンゾエート(TNB)誘導体に変換される。該Fab’−TNB誘導体の1つは、次に該Fab’−TNB誘導体に再変換され、二重特異性抗体を形成する。産生された二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化のための薬剤として使用することができる。
Fab’断片は、E.coliから直接回収し、化学結合させて二重特異性抗体を形成してもよい。Shalaby et al.,J.Exp.Med.175: 217−225(1992)は、完全ヒト化二重特異性抗体F(ab’)2分子の産生を記載している。各Fab’断片は、E.coliから別々に分泌されインビトロで指令化学結合に供されて二重特異性抗体を形成した。このようにして形成された二重特異性抗体は、ErbB2受容体を過剰発現する細胞及び正常ヒトT細胞に結合すること、ならびにヒト細胞傷害性リンパ球のヒト乳房の腫瘍標的に対する溶解活性を誘発することが可能であった。
組み換え細胞培養から直接二価抗体断片を製造及び単離する様々な技術が記載されている。例えば、二価ヘテロダイマーがロイシンジッパーを用いて産生されている。Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)。Fos及びJunタンパク質由来のロイシンジッパーペプチドが、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結された。該抗体ホモダイマーは、ヒンジ領域で還元されてモノマーを形成し、その後再び酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成した。Hollinger et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA,90: 6444−6448(1993)によって記載された「diabody」技術は、二重特異性/二価抗体断片製造のための代替機序を提供した。該断片は、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。従って、1つの断片のVH及びVLドメインは、別の断片の相補的VL及びVHドメインと対にさせられ、それによって、2つの抗原結合部位を形成する。一本鎖Fv(sFv)ダイマーの使用による二重特異性/二価抗体断片製造のための別の戦略もまた報告されている。Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)参照。
二価を超える抗体もまた企図される。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt et al.,J.Immunol.147:60(1991)。
例示的な二重特異性抗体は、所与の分子(例えば、本開示のCD33タンパク質)上の2つの異なるエピトープに結合し得る。別の方法として、CD33シグナル伝達成分を標的とするアームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはB7)などの白血球、または、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、及びFcγRIII(CD16)などのIgGに対するFc受容体(FcγR)上の誘発分子に結合するアームと組み合わせ、細胞防御機構を、特定のタンパク質を発現する細胞に集中させてもよい。二重特異性抗体はまた、細胞毒性薬を特定のタンパク質を発現する細胞に局在化させるために用いられる場合もある。かかる抗体は、タンパク質結合アーム、及び細胞毒性薬または放射性核種キレート剤、例えば、EOTUBE、DPTA、DOTA、またはTETAと結合するアームを有する。目的の別の二重特異性抗体は、目的のタンパク質と結合し、さらに組織因子(TF)と結合する。
(6)多価抗体
多価抗体は、該抗体が結合する抗原を発現する細胞によって、二価抗体よりも速く内在化(及び/または異化)され得る。本開示の抗CD33抗体またはその抗体断片は、3つ以上の抗原結合部位の多価抗体(IgMクラス以外)(例えば、4価抗体)でもよく、これは、該抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組み換え発現によって容易に産生することができる。該多価抗体は、ダイマー化ドメイン及び3つ以上の抗原結合部位を含むことができる。好ましいダイマー化ドメインは、Fc領域またはヒンジ領域を含む。この状況では、該抗体は、Fc領域及び3つ以上の抗原結合部位を該Fc領域に対してアミノ末端に有するであろう。本明細書における好ましい多価抗体は、3つから約8つであるが、好ましくは4つの抗原結合部位を含む。該多価抗体は、少なくとも1つのポリペプチド鎖(及び好ましくは2つのポリペプチド鎖)を含み、該ポリペプチド鎖(複数可)は2つ以上の可変ドメインを含む。例えば、該ポリペプチド鎖(複数可)は、VD1−(X1)n−VD2−(X2)n−Fcを含む場合があり、この場合、VD1は第一の可変ドメインであり、VD2は第二の可変ドメインであり、FcはFc領域の1つのポリペプチド鎖であり、X1及びX2はアミノ酸またはポリペプチドを表し、nは0または1である。同様に、該ポリペプチド鎖(複数可)は、VH−CH1−柔軟なリンカー−VH−CH1−Fc領域鎖、またはVH−CH1−VH−CH1−Fc領域鎖を含み得る。本明細書での該多価抗体は、好ましくは、さらに、少なくとも2つの(好ましくは4つの)軽鎖可変ドメインポリペプチドを含む。本明細書での該多価抗体は、例えば、約2〜約8つの軽鎖可変ドメインポリペプチドを含み得る。ここで企図される軽鎖可変ドメインポリペプチドは、軽鎖可変ドメインを含み、任意に、さらにCLドメインを含む。該多価抗体は、CD33抗原ならびに、制限なく、さらなる抗原Aベータペプチド、抗原もしくはアルファシヌクレインタンパク質抗原、もしくはタウタンパク質抗原、もしくはTDP−43タンパク質抗原、もしくはプリオンタンパク質抗原、もしくはハンチンチンタンパク質抗原、もしくはグリシン−アラニン(GA)、グリシン−プロリン(GP)、グリシン−アルギニン(GR)、プロリン−アラニン(PA)、またはプロリン−アルギニン(PR)からなるジペプチドリピート、(DPRペプチド)を含めたRAN、翻訳産物抗原、インスリン受容体、インスリン様成長因子受容体、トランスフェリン受容体、または血液脳関門を通過する抗体輸送を促進する任意の他の抗原を認識し得る。
(7)ヘテロ複合抗体
ヘテロ複合抗体もまた、本開示の範囲に含まれる。ヘテロ複合抗体は、2つの共有結合した抗体(例えば、本開示の抗CD33抗体またはその抗体断片)からなる。例えば、該ヘテロ複合体における抗体の一方は、アビジンに結合することができ、他方はビオチンに結合することができる。かかる抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対して標的化させるために提案され、米国特許第4,676,980号、HIV感染症の治療に使用されている。国際公開第WO 91/00360号、第WO 92/200373号、及びEP 0308936。架橋剤を含むものを含めた合成タンパク質化学における既知の方法を用いて、該抗体がインビトロで調製され得ることが企図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いて、または、チオエーテル結合形成によって構築される。この目的のために適切な試薬の例としては、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチリミデート、ならびに、例えば米国特許第4,676,980号に開示のものが挙げられる。ヘテロ複合抗体は、任意の便宜的な架橋法を用いて製造され得る。適切な架橋剤は、当技術分野で周知であり、また、米国特許第4,676,980号に、複数の架橋技術とともに開示されている。
(8)エフェクター機能の操作
本開示の抗CD33抗体を修飾し、エフェクター機能を修飾すること、及び/または該抗体の血清半減期を延長することが望ましい場合もある。例えば、定常領域でのFc受容体結合部位を修飾し、または変異させ、ある特定のFc受容体、例えば、FcγRI、FcγRII、及び/またはFcγRIIIに対する結合親和性を除去、または低減してもよい。いくつかの実施形態では、該エフェクター機能は、該抗体のFc領域(例えば、IgGのCH2ドメイン内)のN−グリコシル化を除去することによって損なわれる。いくつかの実施形態では、該エフェクター機能は、PCT WO 99/58572及びArmour et al.,Molecular Immunology 40: 585−593(2003)、Reddy et al.,J.Immunology 164:1925−1933(2000)に記載のように、ヒトIgGの233〜236、297、及び/または327〜331などの領域を修飾することによって損なわれる。
該抗体の血清半減期を延長するため、例えば、米国特許第5,739,277号に記載の通り、抗体(とりわけ、抗体断片)にサルベージ受容体結合エピトープを組み込んでもよい。本明細書で使用される、「サルベージ受容体結合エピトープ」という用語は、IgG分子のインビボ血清半減期の増加に関与するIgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。
(9)その他のアミノ酸配列の修飾
本開示の抗CD33抗体、またはその抗体断片のアミノ酸配列の修飾もまた企図される。例えば、該抗体または抗体断片の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改良することが望ましい場合がある。該抗体または抗体断片のアミノ酸配列バリアントが、該抗体または抗体断片をコードする核酸に適切なヌクレオチドの変化を導入することによって、または、ペプチド合成によって調製される。かかる修飾としては、例えば、該抗体のアミノ酸配列内の残基からの削除、及び/またはそれへの挿入、及び/またはその置換が挙げられる。削除、挿入、及び置換の任意の組み合わせを行い、最終構築物が所望の特性(すなわち、本開示のCD33タンパク質と結合または物理的に相互作用する能力)を有するという条件で最終構築物に達する。該アミノ酸の変化はまた、該抗体の翻訳後過程も変更する場合があり、例えば、グリコシル化部位の数や位置を変更する。
Cunningham and Wells in Science,244:1081−1085(1989)によって記載されるように、突然変異誘発に好ましい位置である抗CD33抗体のある特定の残基または領域の有用な同定方法は、「アラニン走査突然変異誘発」と呼ばれる。ここでは、残基または標的残基の群を特定し(例えば、arg、asp、his、lys、及びgluなどの荷電残基)、中性または負に荷電したアミノ酸(最も好ましくはアラニンもしくはポリアラニン)で置換し、該アミノ酸と標的抗原の相互作用に影響を与える。該置換に対して機能的感受性を示すこれらアミノ酸位置を次に、さらなる、または他のバリアントを、置換部位で、もしくはそれに対して導入することによって絞り込む。従って、アミノ酸配列変異を導入する部位が予め決められる一方で、突然変異自体の性質を予め決める必要はない。例えば、所与の部位での突然変異の性能を分析するため、アラニン走査またはランダム突然変異誘発を標的コドンまたは領域で行い、発現された抗体バリアントを所望の活性についてスクリーニングする。
アミノ酸配列挿入には、1つの残基から、100以上の残基を含むポリペプチドに至る長さの範囲のアミノ(「N」)及び/またはカルボキシ(「C」)末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基の抗体、または細胞毒性ポリペプチドに融合された抗体が挙げられる。他の挿入による抗体分子のバリアントとしては、該抗体の血清半減期を延長する酵素またはポリペプチドに対する該抗体のN末端またはC末端への融合が挙げられる。
別の種類のバリアントは、アミノ酸置換バリアントである。これらのバリアントは、抗体分子中に、異なる残基で置換された少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換による突然変異誘発にとって最も重要な部位としては超可変領域が挙げられるが、FRの変更もまた企図される。保存的置換は、以下の表Dに「好ましい置換」という題目に分類して示す。かかる置換が生物活性の変化をもたらす場合、表D内の「例示的置換」で表されるより実質的な変化、または以下にさらに記載されるアミノ酸クラスを参照して紹介される場合及びスクリーニングされた産物である場合がある。
該抗体の生物学的特性における実質的な修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えば、シートもしくはらせん構造として、(b)標的部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)該側鎖のかさを維持する上でのそれらの影響が大幅に異なる置換を選択することによって達成される。天然に生じる残基は、共通の側鎖の特性を基にグループに分けられる:
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile、
(2)中性親水性:cys、ser、thr、
(3)酸性:asp、glu、
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg、
(5)鎖配向に影響する残基:gly、pro、及び
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
該抗体の適切な配座を維持することに関与しない任意のシステイン残基を同様に、通常はセリンで置換し、当該分子の酸化安定性を改良し、異常な架橋を防止してもよい。反対に、システイン結合(複数可)を該抗体に付加し、その安定性を改良してもよい(とりわけ、該抗体が抗体断片、例えば、Fv断片である場合)。
特に好ましい種類の置換型バリアントは、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗CD33抗体)の超可変領域の残基の1つ以上を置換することを含む。一般に、さらなる開発のために選択された、得られたバリアント(複数可)は、それらが生成される親抗体に対して改良された生物学的特性を有する。かかる置換型バリアントを生成するのに便利な方法は、ファージ提示を用いた親和性成熟を含む。簡潔には、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)を変異させ、各部位ですべての可能なアミノ置換を生成する。このようにして生成された抗体バリアントは、糸状ファージ粒子から、各粒子内にパッケージされたM13の遺伝子III産物に対する融合として一価の形式で提示される。該ファージ提示されたバリアントは、本明細書に開示の通りその後それらの生物活性(例えば、結合親和性)に対してスクリーニングされる。修飾用の候補超可変領域部位を特定するため、アラニン走査突然変異誘発を行い、抗原結合に大きく寄与する超可変領域部位を特定することができる。別の方法として、またはさらに、該抗原抗体複合体の結晶構造を解析し、該抗体と該抗原(例えば、本開示のCD33タンパク質)間の接触点を特定することが有益な場合がある。かかる接触残基及び隣接残基は、本明細書で詳述される手法による置換の候補である。かかるバリアントが生成されると、本明細書に記載の通り、バリアントのパネルはスクリーニングに供され、1つ以上の関連するアッセイにおいて優れた特性を備えた抗体が、さらなる開発のために選択され得る。親和性成熟を、例えば、WO2009/036379A2、WO2010105256、WO2012009568、及びXu et al.,Protein Eng.Des.Sel.,26(10):663−70(2013)に開示のものなどの酵母提示技術を使用して行ってもよい。
抗体の別の種類のアミノ酸バリアントは、抗体の元のグリコシル化パターンを改変する。改変とは、抗体に見られる1つ以上の炭水化物部分の欠失、及び/または抗体中に存在しない1つ以上のグリコシル化部位の付加を意味する。
抗体のグリコシル化は、通常、N結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型とは、炭水化物部分のアスパラギン残基の側鎖への結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素結合の認識配列である。従って、ポリペプチド内でのこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在により、潜在的なグリコシル化部位がもたらされる。O結合型グリコシル化とは、糖類であるN−アセイルガラクトサミン(aceylgalactosamine)、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つのヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンも使用され得る。
グリコシル化部位の抗体への付加は、(N結合型グリコシル化部位のための)上述のトリペプチド配列のうちの1つ以上を含むようにアミノ酸配列を改変することによって好都合に達成される。改変は、(O結合型グリコシル化部位のための)元の抗体の配列への1つ以上のセリンまたはスレオニン残基の付加、またはこれらの残基による置換によっても行われ得る。
抗IgE抗体のアミノ酸配列バリアントをコードする核酸分子は、当技術分野において既知の種々の方法によって調製される。これらの方法には、天然源からの単離(天然アミノ酸配列のバリアントの場合)、または抗体(例えば、本開示の抗CD33抗体)もしくは抗体断片の先に調製されたバリアントもしくは非バリアント型のオリゴヌクレオチドによる(または部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、及びカセット突然変異誘発による調製が挙げられるが、これらに限定されない。
(10)抗体複合体
本開示の抗CD33抗体またはその抗体断片は、検出可能なマーカー、毒素、または治療薬に複合化することができる。検出可能なマーカー、毒素、または治療薬などの分子を抗体に複合化させるには、当技術分野で知られている任意の好適な方法が使用され得る。
例えば、薬物複合化は、ある特定の腫瘍マーカー(例えば、理想的には腫瘍細胞中にのみ、または腫瘍細胞上にのみ見られるタンパク質)を特異的に標的にする抗体に、生物学的に活性な細胞毒性(抗がん)ペイロードまたは薬物をカップリングすることを伴う。抗体は、体内でこれらのタンパク質を追跡し、がん細胞の表面に結合する。抗体と標的タンパク質(抗原)との間の生化学的反応は、腫瘍細胞内でシグナルを誘発し、これにより、腫瘍細胞は、細胞毒とともに抗体を吸収し、または内在化させる。ADCが内在化されると、細胞毒性薬物が放出され、がんが殺傷される。該薬物は、この標的化により、理想的には、他の化学療法剤よりも副作用が低く、治療可能時間域がより広い。抗体の複合化手法は、当技術分野において既知である(例えば、Jane de Lartigue,OncLive July 5,2012、ADC Review on antibody−drug conjugates、及びDucry et al.,(2010).Bioconjugate Chemistry 21(1):5−13参照)。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、リシン、リシンA鎖、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メイタンシノイド、タキソール、臭化エチジウム、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、アクチノマイシン、ジフテリア毒素、Pseudomonas外毒素(PE)A、PE40、アブリン、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、ゲロニン、ミトゲリン、レトストリクトシン(retstrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン、キュリシン(curicin)、クロチン、カリケアミシン、Saponaria officinalis阻害剤、グルココルチコイド、アウリスタチン、オーロマイシン(auromycin)、イットリウム、ビスマス、コンブレスタチン、デュオカルマイシン、ドラスタチン、cc1065及びシスプラチンから選択される毒素に複合化され得る。
(11)他の抗体修飾
本開示の抗CD33抗体またはその抗体断片は、当技術分野において既知であり、容易に入手可能なさらなる非タンパク質性部分を含むようにさらに修飾され得る。好ましくは、抗体の誘導体化に好適な部分は、水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性に起因して、製造における利点を有し得る。該ポリマーは、任意の分子量のものであってもよく、分岐していても非分岐であってもよい。抗体に結合されるポリマーの数は様々でよく、1つを超えるポリマーが結合される場合、それらは同じ分子であっても異なる分子であってもよい。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/または種類は、制限なく、改善対象の抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が規定の条件下での療法において使用されるかどうかなどの考慮に基づいて、決定することができる。かかる技法及び他の好適な処方は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Alfonso Gennaro,Ed.,Philadelphia College of Pharmacy and Science(2000)に開示されている。
結合アッセイ及び他のアッセイ
本開示の抗CD33抗体は、抗原結合活性に関して、例えば、ELISA、表面プラズモン共鳴(SPR)、ウェスタンブロットなどの既知の方法によって試験することができる。
いくつかの実施形態では、競合アッセイを用いて本明細書に記載の抗体のいずれかと競合する抗体を特定する場合がある。いくつかの実施形態では、競合アッセイは、表3A〜3C、4A〜34、5A〜5D、6A〜6D、7、及び8に列挙される抗体、またはAB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、もしくはAB−H66から選択される抗体のうちのいずれかとCD33への結合をめぐって競合する抗体を特定するために使用され得る。ある特定の実施形態では、かかる競合抗体は、表3A〜3C、4A〜4C、5A〜5D、6A〜6D、7、及び8に列挙される抗体、またはAB−14.1、AB−14.2、AB−14.3、AB−14.4、AB−14.5、AB−14.6、AB−14.7、AB−14.8、AB−14.9、AB−14.10、AB−14.11、AB−63.4、AB−63.5、AB−63.6、AB−63.7、AB−63.8、AB−63.9、AB−63.10、AB−63.11、AB−63.12、AB−63.13、AB−63.14、AB−63.15、AB−63.16、AB−63.17、AB−63.18、AB−64.1、AB−64.2、AB−64.3、AB−64.4、AB−64.5、AB−64.6、AB−64.7、AB−64.8、AB−64.1.1、AB−64.1.2、AB−64.1.3、AB−64.1.4、AB−64.1.5、AB−64.1.6、AB−64.1.7、AB−64.1.8、AB−64.1.9、AB−64.1.10、AB−64.1.11、AB−64.1.12、AB−64.1.13、AB−64.1.14、AB−64.1.15、AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、もしくはAB−H66から選択される抗体のうちのいずれかが結合するものと同じエピトープ(例えば、線状または高次構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための具体的な例示的方法は、Morris(1996)“Epitope Mapping Protocols,” in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に提供されている。
例示的な競合アッセイにおいて、固定化されたCD33または細胞表面でCD33を発現する細胞は、CD33(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)に結合する一次標識抗体と、CD33への結合をめぐって一次抗体と競合する能力が試験される二次未標識抗体とを含む溶液中でインキュベートされる。該二次抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在し得る。対照として、固定化されたCD33またはCD33を発現する細胞が、該一次標識抗体を含むが、該二次未標識抗体を含まない溶液中でインキュベートされる。該一次抗体のCD33への結合を許容する条件下におけるインキュベーション後、過剰な未結合抗体を除去し、固定化されたCD33またはCD33を発現する細胞に関連する標識の量を測定する。固定化されたCD33またはCD33を発現する細胞に関連する標識の量が、対照試料と比較して試験試料中で実質的に低減される場合、それは、該二次抗体がCD33への結合をめぐって該一次抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
核酸、ベクター、及び宿主細胞
本開示の抗CD33抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載の組み換え方法及び組成物を使用して産生され得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体のうちのいずれかをコードするヌクレオチド配列を有する単離核酸を提供する。かかる核酸は、該抗CD33抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/またはVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/または重鎖)をコードし得る。いくつかの実施形態では、かかる核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)を提供する。いくつかの実施形態では、かかる核酸を含む宿主細胞もまた提供する。いくつかの実施形態では、該宿主細胞は、(1)該抗体のVLを含むアミノ酸配列及び該抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)該抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター及び該抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、それを形質導入されている)。いくつかの実施形態では、該宿主細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。
本開示の抗CD33抗体の作製方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、該抗CD33抗体をコードする核酸を含む本開示の宿主細胞を、該抗体の発現に好適な条件下で培養することを含む。いくつかの実施形態では、該抗体は、その後、該宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から回収される。
本開示の抗CD33抗体を組み換え産生するためには、該抗CD33抗体をコードする核酸を単離し、これを、宿主細胞におけるさらなるクローニング及び/または発現のために、1つ以上のベクター中に挿入する。かかる核酸は、従来の手順を使用して(例えば、該抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離され、配列決定され得る。
本開示の抗CD33抗体または本明細書に記載のそのポリペプチド断片(抗体を含む)のうちのいずれかをコードする核酸配列を含む好適なベクターには、制限なく、クローニングベクター及び発現ベクターが含まれる。好適なクローニングベクターは、標準的技法に従って構築してもよいし、当技術分野において入手可能な多数のクローニングベクターから選択してもよい。選択されるクローニングベクターは、使用しようとする宿主細胞に応じて変わり得るが、有用なクローニングベクターは、一般に、自己複製能を有し、特定の制限エンドヌクレアーゼの標的を1つ有する場合があり、及び/またはベクターを含むクローンの選択に用いることができるマーカーのための遺伝子を保持し得る。好適な例には、プラスミド及び細菌ウイルス、例えば、pUC18、pUC19、Bluescript(例えば、pBS SK+)及びその誘導体、mp18、mp19、pBR322、pMB9、ColE1、pCR1、RP4、ファージDNA、ならびにpSA3及びpAT28などのシャトルベクターが挙げられる。これらのクローニングベクター及び多くの他のクローニングベクターが、BioRad、Strategene及びInvitrogenなどの商業的供給業者から入手可能である。
発現ベクターは、一般に、本開示の核酸を含む複製可能なポリヌクレオチド構築物である。発現ベクターは、エピソームまたは染色体DNAの構成部分のいずれかとして、宿主細胞内で複製可能であり得る。好適な発現ベクターには、プラスミド、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスを含むウイルスベクター、コスミド及びPCT国際公開番号WO87/04462に記載の発現ベクター(複数可)が挙げられるが、これらに限定されない。ベクター構成要素は、一般に、シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、好適な転写調節エレメント(プロモーター、エンハンサー及びターミネーターなど)のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。発現(すなわち、翻訳)には、リボソーム結合部位、翻訳開始部位、及び終止コドンなどの1つ以上の翻訳調節エレメントも通常必要である。
目的の核酸を含むベクターは、エレクトロポレーション、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAEデキストランまたは他の物質を用いるトランスフェクション、微粒子銃、リポフェクション、及び感染(例えば、この場合のベクターはワクシニアウイルスなどの感染因子である)を含む、いくつかの適切な手段のいずれかによって、宿主細胞に導入することができる。導入ベクターまたはポリヌクレオチドの選択は、多くの場合、宿主細胞の特徴に依存する。いくつかの実施形態では、該ベクターは、本開示の抗CD33抗体をコードする1つ以上のアミノ酸配列を含む核酸を含む。
抗体をコードするベクターのクローニングまたは発現に好適な宿主細胞には、原核細胞または真核細胞が含まれる。例えば、本開示の抗CD33抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合には、細菌において産生され得る。細菌での抗体断片及びポリペプチドの発現については、(例えば、米国特許第5,648,237号、第5,789,199号、及び第5,840,523号、ならびにCharlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245−254(E.coli.における抗体断片の発現に関して記載されている))。発現後、該抗体を可溶性画分中の該細菌細胞のペーストから単離してもよく、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物もまた、抗体をコードするベクターに好適なクローニング宿主または発現宿主であり、これらには、グリコシル化経路が「ヒト化」されており、部分的または完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌株及び酵母株が含まれる(例えば、Gerngross,Nat.Biotech.22:1409−1414(2004)、及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210−215(2006))。
グリコシル化抗体の発現に好適な宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)から得ることもできる。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞及び昆虫細胞が挙げられる。特に、Spodoptera frugiperda細胞のトランスフェクション用に昆虫細胞とともに使用され得る、多数のバキュロウイルス株が同定されている。植物細胞培養物もまた、宿主として利用することができる(例えば、米国特許第5,959,177号、第6,040,498号、第6,420,548号、第7,125,978号、及び第6,417,429号(トランスジェニック植物で抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術について記載されている))。
脊椎動物細胞もまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長するように適合された哺乳動物細胞株が、有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40により形質転換したサル腎臓CV1株(COS−7)、ヒト胚性腎臓株(293細胞または例えばGraham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載の293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980)に記載のTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562)、例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68(1982)に記載のTRI細胞、MRC 5細胞、及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR−CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ならびにY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株が挙げられる。抗体産生に好適なある特定の哺乳動物宿主細胞株の総説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255−268(2003)を参照されたい。
医薬組成物
本開示の抗CD33抗体は、該抗CD33抗体を適切な医薬的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることによって、種々の治療投与向けの製剤に組み込むことができ、また、固体、半固体、液体または気体形態の製剤へと製剤化され得る。かかる製剤の例には、制限なく、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア、及びエアロゾル剤が挙げられる。医薬組成物は、所望の製剤に応じて、動物またはヒト投与のための医薬組成物を製剤化するために一般的に使用されるビヒクルである、医薬的に許容される無毒性の希釈剤の担体を含み得る。該希釈剤は、その組み合わせの生物学的活性に影響を与えないように選択される。かかる希釈剤の例には、制限なく、蒸留水、緩衝水、生理食塩水、PBS、リンゲル液、デキストロース溶液、及びハンクス液が挙げられる。本開示の医薬組成物または製剤は、他の担体、補助剤、または非治療的無毒性非免疫原性安定剤、賦形剤などをさらに含み得る。該組成物はまた、生理学的条件に近似させるためのさらなる物質、例えば、pH調製剤及び緩衝剤、毒性調整剤、湿潤剤ならびに界面活性剤を含み得る。
本開示の医薬組成物はまた、種々の安定化剤のうちのいずれか、例えば、抗酸化剤などを含み得る。医薬組成物がポリペプチドを含む場合、該ポリペプチドは、ポリペプチドのインビボ安定性を向上させるか、さもなければその薬理学的特性を向上させる(例えば、ポリペプチドの半減期を延長させる、その毒性を低減する、及び溶解性または取り込みを向上させる)種々の周知の化合物と複合化され得る。かかる修飾剤または錯化剤の例には、制限なく、硫酸、グルコン酸、クエン酸、及びリン酸が挙げられる。組成物のポリペプチドはまた、それらのインビボ属性を向上させる分子と複合化され得る。かかる分子には、制限なく、炭水化物、ポリアミン、アミノ酸、他のペプチド、イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン)、及び脂質が含まれる。
様々な種類の投与に適した製剤のさらなる例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Company,Philadelphia,PA,17th ed.(1985)に見出すことができる。薬物送達のための方法の簡潔な総説については、Langer,Science 249:1527−1533(1990)を参照されたい。
経口投与の場合、有効成分は、カプセル剤、錠剤、及び散剤などの固形の剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤、及び懸濁剤などの液体の剤形で投与することができる。有効成分(複数可)は、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、デンプン、セルロースまたはセルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、サッカリンナトリウム、タルク、炭酸マグネシウムなどの不活性成分及び粉末状担体とともに、ゼラチンカプセルに封入することができる。所望の色、味、安定性、緩衝能、分散性または他の既知の所望の特徴をもたらすために添加され得るさらなる不活性成分の例は、赤色酸化鉄、シリカゲル、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化チタン、及び食用白色インクである。同様の希釈剤を使用して圧縮錠を作製することができる。錠剤及びカプセル剤の両方は、数時間にわたって薬剤の連続放出を提供する徐放性製品として製造することができる。圧縮錠には、任意の不快な味をマスキングし、錠剤を大気から保護するために糖衣もしくはフィルムコーティングを施してもよいし、胃腸管における選択的崩壊用に腸溶コーティングしてもよい。経口投与用の液体の剤形は、患者の許容性を高めるために、着色料及び矯味矯臭剤を含むことができる。
非経口投与に好適な製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び該製剤を対象となるレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる水性及び非水性の等張性無菌注射剤と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び防腐剤を含むことができる水性及び非水性の無菌懸濁液とが含まれる。
医薬組成物を製剤化するために使用される該成分は、好ましくは高純度のものであり、潜在的に有害な汚染物質を実質的に含まない(例えば、少なくとも全国食品(NF)グレード、一般には少なくとも分析グレード、より典型的には少なくとも医薬品グレード)。さらに、インビボ使用を意図した組成物は、通常無菌である。所与の化合物を使用前に合成する必要がある場合には、得られる生成物は、典型的に、その合成または精製プロセス中に存在し得る、あらゆる潜在的な毒物、特に、あらゆる内毒素を実質的に含まない。非経口投与用の組成物もまた、無菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で作製される。
製剤は、脳または中枢神経系で保持され、安定化するように最適化され得る。該薬剤が頭蓋区画内に投与される場合、該薬剤がその区画内に保持され、拡散せず、または血液脳関門を通過しないことが望ましい。安定化技法には、分子量の増加を達成するための架橋、多量体化、またはポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、中性タンパク質担体などの基への連結が含まれる。
保持を増加させるための他の方策には、本開示の抗CD33抗体を生分解性または生体分解可能なインプラント中に封じ込めることが含まれる。治療的活性薬剤の放出速度は、ポリマーマトリックスを介した輸送速度及びインプラントの生分解速度によって制御される。該ポリマーバリアを通過する薬物の輸送はまた、化合物の溶解性、ポリマーの親水性、ポリマーの架橋度、該ポリマーバリアの該薬物に対する透過性を高めるような吸水時の該ポリマーの膨張、該インプラントの形状などにより影響を受ける。該インプラントは、埋込部位として選択された領域の大きさ及び形状に相応する寸法のものである。インプラントは、粒子、シート、パッチ、プラーク、繊維、マイクロカプセルなどであってよく、選択された挿入部位に適合する任意の大きさまたは形状であってよい。
インプラントは、モノリシック、すなわち、該活性薬剤が該ポリマーマトリックス全体に均一に分布されていてもよいし、カプセル化されてもよく、この場合、活性薬剤のリザーバが該ポリマーマトリックスにカプセル化される。使用されるポリマー組成物の選択は、投与部位、所望の治療期間、患者の耐性、治療対象の疾患の性質などによって変化する。ポリマーの特徴には、埋込部位での生分解性、目的の薬剤との適合性、カプセル化の容易性、生理学的環境での半減期が含まれる。
使用され得る生分解性ポリマー組成物は、分解時にモノマーなどの生理学的に許容される分解生成物を生じる有機エステルまたはエーテルであり得る。無水物、アミド、オルトエステルなどを、単独でまたは他のモノマーと組み合わせて使用することができる。該ポリマーは縮合ポリマーであろう。該ポリマーは、架橋されていても架橋されていなくてもよい。特に重要なのは、ホモポリマーまたはコポリマーのいずれかのヒドロキシ脂肪族カルボン酸のポリマー、及び多糖である。目的のポリエステルには、D−乳酸、L−乳酸、ラセミ乳酸、グリコール酸、ポリカプロラクトン、及びこれらの組み合わせのポリマーが含まれる。L−乳酸またはD−乳酸を使用すると、ゆっくり生分解するポリマーが得られる一方、ラセミ体では分解が実質的に増大する。グリコール酸と乳酸のコポリマーは特に重要であり、生分解速度がグリコール酸の乳酸に対する比により制御される。最も迅速に分解されるコポリマーは、ほぼ同量のグリコール酸と乳酸を有し、いずれかのホモポリマーはより分解しにくい。グリコール酸の乳酸に対する比は、インプラントの脆性にも影響し、大きい形状には、可撓性のより大きいインプラントが望ましい。目的の多糖は、アルギン酸カルシウム及び官能化セルロースであり、特に、非水溶性であり分子量が約5kD〜500kDであることなどを特徴とするカルボキシメチルセルロースエステルである。生分解性ヒドロゲルを本開示のインプラントに使用してもよい。ヒドロゲルは、通常、液体を吸収する能力を特徴とするコポリマー材料である。使用することができる例示的な生分解性ヒドロゲルは、Heller in:Hydrogels in Medicine and Pharmacy,N.A.Peppes ed.,Vol.III,CRC Press,Boca Raton,Fla.,1987,pp 137−149に記載されている。
薬剤の用量
本開示の抗CD33抗体を含む本開示の医薬組成物は、既知の方法に従って、例えば、ボーラスとしてもしくはある期間にわたる連続注入による静脈内投与、筋肉内、腹腔内、脳髄内、頭蓋内、脊髄内、皮下、関節内、髄液内、髄腔内、経口、局所または吸入経路によって、該抗体での治療を必要とする個体、好ましくはヒトに投与され得る。
本開示の医薬組成物の用量及び所望の薬物濃度は、想定される具体的な用途に応じて変化し得る。適切な用量または投与経路の決定は、当業者が備えている技能の十分に範囲内である。動物実験は、ヒト治療に対する有効量を決定するための信頼性の高い指針を提供する。有効量の種間スケーリングは、Mordenti,J.and Chappell,W.“The Use of Interspecies Scaling in Toxicokinetics,” In Toxicokinetics and New Drug Development,Yacobi et al.,Eds,Pergamon Press,New York 1989,pp.42−46に記載の原則に従って実施することができる。
本開示の抗CD33抗体のうちのいずれかのインビボ投与について、通常の用量は、投与経路に応じて、1日あたり個体の体重1kgあたり約10ng〜約100mgまでまたはそれ以上、好ましくは約1mg/kg/日〜10mg/kg/日で変化し得る。数日またはそれより長い期間の反復投与について、治療は、治療される疾患、障害、または状態の重症度に応じて、症状の所望の抑制が達成されるまで継続される。
例示的な投薬レジメンは、約2mg/kgの初回用量の抗CD33抗体を投与し、続いて、約1mg/kgの週1回の維持用量を隔週で投与することを含み得る。医師が達成しようとする薬物動態減衰のパターンに応じて、他の投薬レジメンが有用である場合もある。例えば、週1〜21回の個体への投薬が本明細書において企図される。ある特定の実施形態では、約3μg/kg〜約2mg/kgの範囲(約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約100μg/kg、約300μg/kg、約1mg/kg、及び約2/mg/kgなど)での投薬を用いることができる。ある特定の実施形態では、投薬頻度は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、週1回、2週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、もしくは月1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、またはそれより長い。治療の経過は、従来の技法及びアッセイによって容易に観察される。投薬レジメンは、投与される抗CD33抗体を含め、使用される用量とは関係なく、経時的に変えてもよい。
特定の抗CD33抗体の用量は、該抗CD33抗体の投与を1回以上受けている個体で経験的に決定され得る。抗CD33抗体の漸増用量が個体に投与される。抗CD33抗体の有効性を評価するために、本開示の疾患、障害、または状態(例えば、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、外傷性脳損傷、脊髄損傷、長期抑圧、アテローム動脈硬化性血管疾患、及び正常老化の望しくない症状)のうちのいずれかの臨床症状が観察され得る。
本開示の抗CD33抗体の投与は、例えば、レシピエントの生理学的状態、投与の目的が治療的であるか予防的であるか、及び当業者に既知の他の因子に応じて、連続的または断続的であり得る。抗CD33抗体の投与は、予め選択された期間にわたって本質的に連続的になされてもよいし、一連の間隔を空けた投与であってもよい。
具体的な用量及び送達の方法に関する指針は、文献に提供されており、例えば、米国特許第4,657,760号、第5,206,344号、または第5,225,212号を参照されたい。異なる処方が異なる治療及び異なる疾患に有効であり、特定の器官または組織の治療を意図した投与が別の器官または組織への投与とは異なる方法で送達される必要があり得ることは、本開示の範囲内である。さらに、用量は、1回以上の別個の投与によって、または連続注入によって投与され得る。数日またはそれより長い期間の反復投与について、治療は、状態に応じて、疾患症状の所望の抑制が生じるまで継続される。しかしながら、他の投薬レジメンが有用な場合もある。この療法の経過は、従来の技法及びアッセイによって容易に観察される。
治療用途
本明細書で開示されるように、本開示の抗CD33抗体は、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、ならびにがん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性もしくは特発性骨髄線維症、原発性もしくは特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、及び/またはインフルエンザ菌を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するために使用され得る。いくつかの実施形態では、該CD33抗体は、アゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、不活性抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、アンタゴニスト抗体である。
いくつかの実施形態では、本開示は、CD33の細胞レベルを低下させ、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用を阻害し、またはその両方を行う、治療有効量の本開示の抗体を、それを必要とする個体に投与することによって、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、がん、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性もしくは特発性骨髄線維症、原発性もしくは特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、及び/またはインフルエンザ菌を予防し、そのリスクを低下させ、または治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、CD33の細胞レベルを低下させ、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用を阻害し、またはその両方を行う、治療有効量の本開示の抗体を、それを必要とする個体に投与することによって、がんを予防し、そのリスクを低下させ、または治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、該抗体は、以下から選択される1つ以上のCD33活性を阻害する:(a)免疫抑制性樹状細胞、免疫抑制性マクロファージ、免疫抑制性好中球、非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞、及び制御性T細胞のうちの1つ以上の増殖、成熟、遊走、分化、及び/または機能性の促進、(b)免疫抑制性樹状細胞、免疫抑制性マクロファージ、免疫抑制性好中球、非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ及び制御性T細胞のうちの1つ以上の腫瘍への浸潤の増大、(c)末梢血または他のリンパ器官の腫瘍における腫瘍促進性骨髄/顆粒球免疫抑制性細胞及び/または非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞数の増大、(d)腫瘍殺傷能力を有する腫瘍特異的Tリンパ球の活性化の低減、(e)腫瘍殺傷能力を有する腫瘍特異的Tリンパ球の浸潤の低減、(f)腫瘍体積の増大、(g)腫瘍増殖率の増大、(h)転移の増大、(i)腫瘍再発率の増大、(j)1つ以上のPD−1リガンドの発現の増大、(k)抗腫瘍T細胞応答を調節する1つ以上の免疫療法の有効性の低減、任意に、この場合、1つ以上の免疫療法は、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4−1BB、CD27、GITR、PD−L1、CTLA4、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、HVEM、LIGHT、BTLA、CD38、TIGIT、VISTA、KIR、GAL9、TIM1、TIM3、TIM4、A2AR、LAG3、DR5、CD39、CD70、CD73、TREM1、TREM2、Siglec−5、Siglec−7、Siglec−9、Siglec−11、SirpA、CD47、CSF−1受容体、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のタンパク質を標的とする免疫療法であるか、1つ以上のがんワクチンの免疫療法である、ならびに(l)1つ以上の化学療法剤の有効性の低減。任意に、この場合、該1つ以上の化学療法剤は、ゲムシタビン、カペシタビン、アントラサイクリン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、タキサン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、5−フルオロウラシル(5−FU)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、オキサリプラチン(Elotaxin(登録商標))、ロイコボリン、テモゾロミド(temozolmide)(Temodar(登録商標))、及びこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、該抗体は、以下から選択される1つ以上の活性を示す:(a)腫瘍浸潤CD3+T細胞数の増大、(b)非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞におけるCD33の細胞レベルの低減、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は腫瘍浸潤細胞であるか、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は血中に存在する、(c)非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞数の低減、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は腫瘍浸潤細胞であるか、任意に、この場合、該非腫瘍形成性CD14+骨髄細胞は血中に存在する、(d)1つ以上の細胞におけるPD−L1レベルの低減、任意に、この場合、該1つ以上の細胞は、非腫瘍形成性骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)である、(e)固形腫瘍の腫瘍増殖率の低減、(f)腫瘍体積の低減、(g)1つ以上のPD−1阻害剤の有効性の向上、(h)1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法の有効性の向上、任意に、この場合、該1つ以上のチェックポイント阻害療法及び/または免疫調節療法は、CTL4、アデノシン経路、PD−L1、PD−L2、OX40、TIM3、LAG3、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を標的とする、(i)1つ以上の化学療法剤の有効性の向上、任意に、この場合、該1つ以上の化学療法剤は、ゲムシタビン、カペシタビン、アントラサイクリン、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、タキサン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、5−フルオロウラシル(5−FU)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、オキサリプラチン(Elotaxin(登録商標))、ロイコボリン、テモゾロミド(temozolmide)(Temodar(登録商標))、及びこれらの任意の組み合わせである、ならびに(j)化学的または放射性毒素に複合化された場合の、固形腫瘍ならびに関連する血管におけるCD33発現免疫抑制性骨髄細胞及び/または非腫瘍形成性CD14発現細胞の殺傷。
本明細書で開示されるように、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上の免疫細胞(例えば、自然免疫細胞または適応免疫細胞)の生存、成熟、機能性、遊走、または増殖を誘導及び/または促進するためにも使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、CD33の細胞レベルの低下、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用の阻害、またはその両方をもたらす治療有効量の本開示の抗体を個体に投与することによって、それを必要とする個体において、1つ以上の免疫細胞の生存、成熟、機能性、遊走、もしくは増殖を誘発し、または促進する方法を提供する。いくつかの実施形態では、該1つ以上の免疫細胞は、樹状細胞、マクロファージ、ミクログリア、好中球、T細胞、Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、該抗体は、アゴニスト抗CD33抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、最初はアゴニストとして作用し、次いで長期アンタゴニスト抗体として作用する、本開示の一過性アゴニスト抗CD33抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、不活性抗CD33抗体である。いくつかの実施形態では、該抗体は、アンタゴニスト抗CD33抗体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の細胞(例えば、細胞表面、細胞内、または全体の)レベルを低下させる。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の分解を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の切断を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の内在化を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の脱落を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33発現の下方制御を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化し、次いで、その分解を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化し、次いで、その切断を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化し、次いで、その内在化を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化し、次いで、その脱落を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33発現を一時的に活性化し、次いで、その下方制御を誘導する。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33を一時的に活性化し、次いで、その発現の低下を誘導する。ある特定の実施形態では、該個体は、一塩基多型(SNP)rs3865444 CCまたはACを有するCD33バリアント対立遺伝子を有する。ある特定の実施形態では、該個体は、一塩基多型(SNP)2459419 CCまたはCTを有するCD33バリアント対立遺伝子を有する。
本明細書で開示されるように、本開示の抗CD33抗体は、さらに、制御性T細胞、腫瘍埋没免疫抑制性樹状細胞、腫瘍埋没免疫抑制性マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、急性骨髄性白血病(AML)細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞、及び/または慢性骨髄性白血病(CML)細胞の活性、機能性または生存を低下させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、CD33と結合し、またはCD33と相互作用する治療有効量の抗体を個体に投与することによって、それを必要とする個体において、制御性T細胞、腫瘍埋没免疫抑制性樹状細胞、腫瘍埋没免疫抑制性マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞、腫瘍関連マクロファージ、急性骨髄性白血病(AML)細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞、または慢性骨髄性白血病(CML)細胞の活性、機能性または生存を低下させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、該抗体は、アンタゴニスト抗体、不活性抗体、またはアゴニスト抗体から選択される。いくつかの実施形態では、該抗体は、本開示の単離抗CD33抗体または抗CD33抗体複合体である。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体複合体は、検出可能なマーカー、毒素、または治療薬に複合化された抗CD33抗体を含む。
本明細書で開示されるように、本開示の抗CD33抗体は、1つ以上の細胞におけるCD33の細胞レベルの低下、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用の阻害、またはその両方をインビトロまたはインビボでもたらすために使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の本開示の単離抗CD33抗体を個体に投与することによって、それを必要とする個体において、1つ以上の細胞におけるCD33の細胞レベルの低下、CD33と1つ以上のCD33リガンドとの間の相互作用の阻害、またはその両方をもたらす方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体は、インビボで、CD33の細胞レベルを低下させる。
本明細書で開示されるように、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、及びマクロファージ、及び/または細胞株を含む1つ以上の細胞におけるCD33の細胞レベルを低下させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の本開示の抗CD33抗体を個体に投与することによって、それを必要とする個体において、1つ以上の細胞におけるCD33の細胞レベルを低下させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、該1つ以上の細胞は、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、及びマクロファージならびにこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、インビボでCD33の細胞レベルを低下させる。CD33の細胞レベルは、制限なく、細胞表面のCD33レベル、細胞内のCD33レベル、及び合計のCD33レベルを指す場合がある。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルの低下は、細胞表面のCD33レベルの低下を含む。本明細書で使用される、細胞表面のCD33レベルは、本明細書に記載のまたは当技術分野で既知の任意のインビトロセルベースアッセイまたは好適なインビボモデルによって測定され得る。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルの低下は、細胞内のCD33レベルの低下を含む。本明細書で使用される、細胞内のCD33レベルは、本明細書に記載のまたは当技術分野で既知の任意のインビトロセルベースアッセイまたは好適なインビボモデルによって測定され得る。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルの低下は、合計のCD33レベルの低下を含む。本明細書で使用される、合計のCD33レベルは、本明細書に記載のまたは当技術分野で既知の任意のインビトロセルベースアッセイまたは好適なインビボモデルによって測定され得る。いくつかの実施形態では、該抗CD33抗体は、CD33の分解、CD33の切断、CD33の内在化、CD33の脱落、及び/またはCD33発現の下方制御を誘導する。いくつかの実施形態では、CD33の細胞レベルは、インビトロセルアッセイを利用して、初代細胞(例えば、樹状細胞、骨髄由来樹状細胞、単球、ミクログリア、T細胞、及びマクロファージ)または細胞株にて測定される。
本開示の他の態様は、抗CD33抗体による治療のために、それを必要とする対象を選択する方法に関し、該方法は、a.該対象から試料(例えば、血液試料)を得ること、b.該対象に存在するCD33対立遺伝子を検出すること、及びc.CD33と結合し、またはCD33と相互作用する該抗体による治療のために該対象を選択することを含み、該対象は1つ以上のCD33対立遺伝子を有し、ここで、該1つ以上のCD33対立遺伝子は、rs3865444AC及びrs3865444CCからなる群から選択される。本開示の他の態様は、CD33と結合し、またはCD33と相互作用する抗体に対する、それを必要とする対象の応答性を評価する方法に関し、該方法は、a.抗CD33抗体を該対象に投与する前に、該対象から得た血液試料中の非腫瘍形成性骨髄細胞におけるCD45+及びCD14+の発現レベルを測定すること、b.治療有効量の該抗体を該対象に投与すること、ならびにc.該抗CD33抗体の投与後に、該対象から得た血液試料中の非腫瘍形成性骨髄細胞におけるCD45+及びCD14+の発現レベルを測定することを含み、ここで、該抗CD33抗体の投与後の非腫瘍形成性骨髄細胞におけるCD45+CD14+のレベル低下は、該対象が該薬剤に応答性であることを示す。血液試料などの試料を得るには、任意の好適な方法を使用することができる。さらに、SNP解析などの、CD33バリアント及び/または対立遺伝子を検出する任意の既知の方法を使用できることが理解されよう。いくつかの実施形態では、応答性を評価する方法は、1つ以上の追加の治療有効量の該抗体を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、該個体は、CD33のバリアントを有する。いくつかの実施形態では、該バリアントには、制限なく、(a)SNP rs3865444AC、(b)SNP rs3865444CC、(c)SNP rs35112940GG、AA、AG、及び(d)SNP rs12459419CC、CTまたはTT、及びこれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の多型が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、抗CD33抗体または二重特異性抗CD33抗体を、パターン認識受容体に結合する抗体、Toll様受容体に結合する抗体、損傷関連分子パターン(DAMP)受容体に結合する抗体、及び/またはサイトカインに結合する抗体もしくはインターロイキンに対する抗体と共投与することをさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する少なくとも1つの抗体、及び/または1つ以上の標準的もしくは試験的抗がん療法を該個体に施すことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、該抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、抗PD−L1抗体、抗CTLA4抗体、抗PD−L2抗体、抗PD−1抗体、抗B7−H3抗体、抗B7−H4抗体、及び抗HVEM抗体、抗B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA)抗体、抗キラー細胞抑制受容体(KIR)抗体、抗GAL9抗体、抗TIM3抗体、抗A2AR抗体、抗LAG−3抗体、抗ホスファチジルセリン抗体、抗CD27抗体、抗TNFa抗体、抗Siglec−5抗体、抗Siglec−7抗体、抗Siglec−9抗体、抗Siglec−11抗体、アンタゴニスト抗TREM1抗体、アンタゴニスト抗TREM2抗体、ならびにこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、該1つ以上の標準的または試験的抗がん療法は、放射線療法、細胞傷害性化学療法、標的化療法、イマチニブ療法、トラスツズマブ療法、エタネルセプ療法、養子細胞移入(ACT)療法、キメラ抗原受容体T細胞移入(CAR−T)療法、ワクチン療法、及びサイトカイン療法から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、抑制性サイトカインに特異的に結合する少なくとも1つの抗体を該個体に投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、抑制性サイトカインに特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、該抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抑制性サイトカインに特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、抗CCL2抗体、抗CSF−1抗体、抗IL−2抗体、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する少なくとも1つのアゴニスト抗体を個体に投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する該少なくとも1つのアゴニスト抗体は、該抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する該少なくとも1つのアゴニスト抗体は、アゴニスト抗CD40抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アゴニスト抗ICOS抗体、アゴニスト抗CD28抗体、アゴニスト抗TREM1抗体、アゴニスト抗TREM2抗体、アゴニスト抗CD137/4−1BB抗体、アゴニスト抗CD27抗体、アゴニスト抗グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質GITR抗体、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、少なくとも1つの刺激性サイトカインを個体に投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの刺激性サイトカインは、該抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの刺激性サイトカインは、IFN−a4、IFN−b、IL−1β、TNF−α、IL−6、IL−8、CRP、IL−20ファミリーメンバー、LIF、IFN−ガンマ、OSM、CNTF、GM−CSF、IL−11、IL−12、IL−17、IL−18、IL−23、CXCL10、IL−33、CRP、IL−33、MCP−1、MIP−1−ベータ、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、対象または個体は、哺乳動物である。哺乳動物には、制限なく、飼育動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、ならびにげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれる。いくつかの実施形態では、該対象または個体は、ヒトである。
認知症
認知症は、これまでに障害のなかった人において、正常な老化から予想され得るものを越える全体的認知能力の重大な損失として現れる非特異的症候群(すなわち、一連の徴候及び症状)である。認知症は、固有の全体的な脳損傷の結果として、変化しないこともある。その代わりに、認知症は、進行性である場合もあり、身体の損傷または疾患によって長期的な減退がもたらされる。認知症は、高齢者集団においてはるかに一般的にみられるが、65歳以前に発症することもある。認知症によって影響を受ける認知領域には、制限なく、記憶、注意持続時間、言語、及び問題解決が含まれる。一般に、個体が認知症と診断されるまでには、少なくとも6ヶ月間、症状が存在する必要がある。
認知症の例示的な形態には、制限なく、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、意味性認知症、及びレビー小体型認知症が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、認知症を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体は、認知症を有する個体において、1つ以上のCD33活性を調節し得る。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症(FTD)は、脳の前頭葉の進行性変性から生じる状態である。この変性は、時間の経過とともに側頭葉に進むことがある。罹患率では、FTDは、アルツハイマー病(AD)に次いで、初老期認知症症例の20%を占める。FTDの臨床的特徴には、記憶障害、行動異常、人格変化、及び言語障害が含まれる(Cruts,M.&Van Broeckhoven,C.,Trends Genet.24:186−194(2008)、Neary,D.,et al.,Neurology 51:1546−1554(1998)、Ratnavalli,E.,Brayne,C.,Dawson,K.&Hodges,J.R.,Neurology 58:1615−1621(2002))。
FTD症例のかなりの部分が常染色体顕性遺伝するが、症状は、たとえ1つの家族であっても、行動障害を伴うFTDから、原発性進行性失語まで、大脳皮質基底核神経節変性症までの範囲にわたることがある。FTDは、ほとんどの神経変性疾患と同様に、罹患脳における特定のタンパク質凝集の病理学的存在によって特徴づけることができる。歴史的に、FTDに関する最初の記載は、神経原線維変化またはピック球における異常にリン酸化されたタウタンパク質の神経細胞内蓄積の存在を認めたものである。微小管関連タンパク質タウの因果的役割は、いくつかの家族において、タウタンパク質をコードする遺伝子の変異を特定することによって裏付けられた(Hutton,M.,et al.,Nature 393:702−705(1998)。しかしながら、FTD脳の大部分は、異常にリン酸化されたタウの蓄積を示さず、ユビキチン(Ub)及びTAR DNA結合タンパク質(TDP43)に対して免疫反応性を示す(Neumann,M.,et al.,Arch.Neurol.64:1388−1394(2007))。Ub封入体(FTD−U)を有するこれらのFTD症例の大部分は、プログラニュリン遺伝子に変異を持つことが示された。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、FTDを予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、FTDを有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
アルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は、認知症の最も一般的な形態である。この疾患に治療法はなく、進行するにつれて悪化し、最終的には死に至る。ほとんどの場合、ADは、65歳を越えた人において診断される。しかしながら、あまり一般的ではない早期発症型のアルツハイマー病は、かなり早い時期に発症することがある。
アルツハイマー病の一般的症状には、近時事象の想起困難などの行動症状、認知症状、混乱、易刺激性及び攻撃性、気分変動、言語障害、ならびに長期の記憶喪失が含まれる。疾患が進行するにつれて、身体機能が失われ、最終的に死に至る。アルツハイマー病は、完全に明らかになるまでに未知の可変時間量で発症し、何年も診断未確定で進行する場合がある。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、アルツハイマー病を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、アルツハイマー病を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
パーキンソン病
パーキンソン病は、特発性もしくは原発性パーキンソニズム低運動性硬直症候群(HRS)、または振戦麻痺とも呼ばれることがあり、運動系制御に影響を与える神経変性脳障害である。脳内におけるドーパミン産生細胞の進行性死がパーキンソン病の主要な症状を引き起こす。ほとんどの場合、パーキンソン病は、50歳を越えた人において診断される。パーキンソン病は、ほとんどの人で特発性(原因不明)である。しかしながら、遺伝的要因もこの疾患に関与している。
パーキンソン病の症状には、制限なく、手、腕、脚、顎、及び顔の振戦、四肢及び胴の筋強剛、運動の遅さ(運動緩慢)、姿勢反射障害、歩行困難、神経精神障害、発語または行動の変化、うつ病、不安、疼痛、精神病、認知症、幻覚、ならびに睡眠障害が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、パーキンソン病を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、パーキンソン病を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
本明細書で使用される、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または運動ニューロン疾患またはルーゲーリッグ病は、互換的に使用され、急速に進行する衰弱、筋萎縮及び痙攣、筋痙性、発話困難(構音障害)、嚥下困難(嚥下障害)、ならびに呼吸困難(呼吸障害)を特徴とする様々な病因を有する消耗性疾患を指す。
プログラニュリンがALSに関与し(Schymick,JC et al.,(2007)J Neurol Neurosurg Psychiatry.、78:754−6)、TDP−43などのタンパク質に起因するALSによって生じる損傷を再保護する(Laird,AS et al.,(2010).PLoS ONE 5:e13368)ことが示されている。pro−NGFがp75を介して脊髄損傷後の乏突起膠細胞及び皮質脊髄ニューロンの死を誘導することも実証された(Beatty et al.,Neuron(2002),36,pp.375−386、Giehl et al,Proc.Natl.Acad.Sci USA(2004),101,pp 6226−30)。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、ALSを予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、筋萎縮性側索硬化症を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
ハンチントン病
ハンチントン病(HD)は、ハンチンチン遺伝子(HTT)の常染色体優性変異によって引き起こされる遺伝性神経変性疾患である。ハンチンチン遺伝子内のサイトカイン−アデニン−グアニン(CAG)のトリプレットリピートが増加すると、該遺伝子によってコードされたハンチンチンタンパク質(Htt)の変異体が産生される。この変異ハンチンチンタンパク質(mHtt)は、毒性であり、ニューロン死に関与する。ハンチントン病の症状は、35〜44歳の間に現れるのが最も一般的であるが、あらゆる年齢で発生し得る。
ハンチントン病の症状には、制限なく、運動機能障害、発作様不規則運動(舞踏病)、異常な眼球運動、バランス障害、発作、咀嚼困難、嚥下困難、認知障害、発語変化、記憶障害、思考困難、不眠、疲労、認知症、人格変化、うつ病、不安、及び強迫的行動が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、ハンチントン病(HD)を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、ハンチントン病を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
タウパチー病
タウパチー病またはタウオパチーは、脳内における微小管関連タンパク質タウの凝集によって引き起こされる神経変性疾患の一種である。アルツハイマー病(AD)が最もよく知られたタウパチー病であり、タウタンパク質がニューロン内で不溶性神経原線維変化(NFT)の形態で蓄積することを伴う。他のタウパチー病及び障害には、進行性核上性麻痺、ボクサー認知症(慢性外傷性脳症)、染色体17に連鎖する前頭側頭型認知症パーキンソニズム、Lytico−Bodig病(グアムのパーキンソン−認知症複合症候群)、神経原線維変化優性認知症、神経節膠腫及び神経節細胞腫、髄膜血管腫症、亜急性硬化性全脳炎、鉛脳症、結節性硬化症、ハレルフォルデン・スパッツ病、リポフスチン症、ピック病、皮質基底核変性症、嗜銀顆粒病(AGD)、ハンチントン病、ならびに前頭側頭葉変性症が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、タウパチー病を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、タウパチー病を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
多発性硬化症
多発性硬化症(MS)は、散在性硬化症または散在性脳脊髄炎と呼ばれることもある。MSは、脳及び脊髄の軸索を覆う脂質性ミエリン鞘が損傷を受けて、脱髄及び瘢痕化ならびに広範な徴候及び症状が生じる炎症性疾患である。MSは、脳及び脊髄の神経細胞が互いに有効的に情報伝達を行う能力に影響を及ぼす。神経細胞は、ミエリンと呼ばれる絶縁性物質内にある軸索と呼ばれる長い線維に沿って活動電位と呼ばれる電気信号を送ることによって情報を伝達している。MSでは、身体自体の免疫系がミエリンを攻撃し、これに損傷を与える。ミエリンが失われると、軸索は、シグナル伝達を有効的に行うことができなくなる。MS発症は、通常、若年成人で起こり、女性でより一般的である。http://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_sclerosis − cite_note−pmid18970977−1
MSの症状には、制限なく、感覚欠如または打診痛などの感覚変化、感覚減退及び感覚異常などの刺痛またはしびれ感、筋力低下、クローヌス、筋痙攣、移動困難、運動失調などの協調及びバランス困難、構音障害などの発語障害、または嚥下障害などの嚥下困難、眼振、視神経炎(眼閃を含む)、及び複視などの視覚問題、疲労、急性もしくは慢性の疼痛、ならびに膀胱及び腸管障害、様々な程度の認知障害、うつ病または気分不安定の感情症状、通常の周辺温度よりも高い温度に曝されることにより現存する症状が憎悪するウートホフ現象、ならびに頸部を曲げると背中から下方に電気が走ったような感覚があるレルミット徴候が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体を投与することで、多発性硬化症を予防し、そのリスクを低下させ、及び/または治療することができる。いくつかの実施形態では、抗CD33抗体を投与することで、多発性硬化症を有する個体において、1つ以上のCD33活性が調節され得る。
がん
本開示のさらなる態様は、治療有効量の本開示の単離抗CD33抗体を、それを必要とする個体に投与することによって、がんを予防し、そのリスクを低下させ、または治療する方法を提供する。本開示の単離抗体はいずれも、これらの方法で使用され得る。いくつかの実施形態では、該単離抗体は、本開示のアゴニスト抗体である。他の実施形態では、該単離抗体は、本開示のアンタゴニスト抗体である。他の実施形態では、該単離抗体は、本開示の不活性抗体である。他の実施形態では、該単離抗体は、本開示の抗体複合体である。
本明細書で開示されるように、腫瘍微小環境は、Tリンパ球、マクロファージ及び骨髄/顆粒球系統の細胞を含む不均質な免疫浸潤を含むことが知られている。腫瘍中の制御性T細胞、腫瘍埋没免疫抑制性骨髄細胞、及び/またはM2−マクロファージの存在及び活性は、予後不良に関連する。対照的に、細胞傷害性T細胞の存在及び活性は、がん療法に有益である。細胞傷害性T細胞の活性を直接的または間接的に向上させ、様々な免疫抑制性細胞の数及び活性を低下させる療法は、大きな治療上の利益をもたらすことが期待される。重要な前臨床試験では、免疫抑制性細胞を標的とする薬物(例えば、CSF1/CSF1R遮断抗体)と、細胞傷害性T細胞を活性化する免疫チェックポイント遮断抗体との間の相乗効果が示されており、これは、個々の療法が十分に効果的でない腫瘍モデルにおいて、両方の細胞型を操作することが効果的であることを示している(Zhu Y、Cancer Res.2014 Sep 15、74(18):5057−69)。従って、いくつかの実施形態では、骨髄細胞、T細胞のサブセット、及び腫瘍関連免疫細胞上に発現しているCD33を遮断することは、有益な抗腫瘍免疫応答を刺激し、これにより治療上の抗腫瘍免疫応答をもたらし得る。
いくつかの実施形態では、がんを予防し、そのリスクを低下させ、またはがんを有する個体を治療するための方法は、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する少なくとも1つの抗体を個体に投与することをさらに含む。抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する抗体の例には、制限なく、抗PD−L1抗体、抗CTLA4抗体、抗PD−L2抗体、抗PD−1抗体、抗B7−H3抗体、抗B7−H4抗体、及び抗HVEM抗体、抗BTLA抗体、抗GAL9抗体、抗TIM3抗体、抗A2AR抗体、抗LAG−3抗体、抗ホスファチジルセリン抗体、ならびにこれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する少なくとも1つの抗体は、本開示のアンタゴニスト抗CD33抗体と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって予防または治療されるがんには、制限なく、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮扁平上皮細胞癌)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、及び肺扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌及び消化管間質癌を含む胃(gastricまたはstomach)癌、膵臓癌、膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、尿路癌、ヘパトーマ、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸癌、大腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓(kidneyまたはrenal)癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌、陰茎癌、黒色腫、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、末端黒子型黒色腫、結節性黒色腫、多発性骨髄腫及びB細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、及び移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症に関連した異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、脳及び頭頸部癌、ならびに関連する転移が含まれる。いくつかの実施形態では、該がんは、大腸癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、非小細胞肺癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、腎細胞癌、膀胱癌、卵巣癌、黒色腫、乳癌、胃癌、及び肝細胞癌から選択される。いくつかの実施形態では、該がんは、トリプルネガティブ乳癌である。いくつかの実施形態では、該がんは、早期がんであっても末期がんであってもよい。いくつかの実施形態では、該がんは、原発性腫瘍であり得る。いくつかの実施形態では、該がんは、上記の種類のがんのいずれかに由来する、第2の部位の転移性腫瘍であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CD33抗体は、制限なく、膀胱癌、乳癌、結腸及び直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、ならびに甲状腺癌を含む癌を予防し、そのリスクを低下させ、または治療するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の本開示の抗CD33抗体を個体に投与することによって、がんを予防し、そのリスクを低下させ、またはがんを有する個体を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、該方法は、抑制性免疫チェックポイント分子に特異的に結合する少なくとも1つの抗体、及び/または別の標準的もしくは試験的抗がん療法を個体に施すことをさらに含む。いくつかの実施形態では、抑制性免疫チェックポイント分子に特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、本開示の抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抑制性免疫チェックポイント分子に特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、抗PD−L1抗体、抗CTLA4抗体、抗PD−L2抗体、抗PD−1抗体、抗B7−H3抗体、抗B7−H4抗体、及び抗HVEM抗体、抗B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA)抗体、抗キラー細胞抑制受容体(KIR)抗体、抗GAL9抗体、抗TIM3抗体、抗A2AR抗体、抗LAG−3抗体、抗ホスファチジルセリン抗体、抗CD27抗体、ならびにこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、該標準的または試験的抗がん療法は、放射線療法、細胞傷害性化学療法、標的療法、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、養子細胞移入(ACT)、キメラ抗原受容体T細胞移入(CAR−T)、ワクチン療法、及びサイトカイン療法から選択される1つ以上の療法である。
いくつかの実施形態では、該方法は、抑制性サイトカインに特異的に結合する少なくとも1つの抗体を個体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抑制性サイトカインに特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、本開示の抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抑制性サイトカインに特異的に結合する該少なくとも1つの抗体は、抗CCL2抗体、抗CSF−1抗体、抗IL−2抗体及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、該方法は、刺激性免疫チェックポイントタンパク質に特異的に結合する少なくとも1つのアゴニスト抗体を個体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する該少なくとも1つのアゴニスト抗体は、本開示の抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する該少なくとも1つのアゴニスト抗体は、アゴニスト抗CD40抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アゴニスト抗ICOS抗体、アゴニスト抗CD28抗体、アゴニスト抗CD137/4−1BB抗体、アゴニスト抗CD27抗体、アゴニスト抗グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質GITR抗体、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、該方法は、少なくとも1つの刺激性サイトカインを個体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの刺激性サイトカインは、本開示の抗CD33抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの刺激性サイトカインは、TNF−α、IL−6、IL−8、CRP、IL−20ファミリーメンバー、LIF、OSM、CNTF、IL−11、IL−12、IL−17、IL−8、CRP、IFN−α、IFN−β、IL−2、IL−18、GM−CSF、G−CSF、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
キット/製造品
本開示はまた、本明細書に記載の抗CD33抗体またはその機能性断片を含むキット及び/または製造品を提供する。本開示のキット及び/または製造品は、本開示の精製された抗体を含む1つ以上の容器を含み得る。いくつかの実施形態では、該キット及び/または製造品は、本開示の方法に従って使用するための説明書をさらに含む。
いくつかの実施形態では、これらの説明書は、本開示の任意の方法に従って、認知症、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、那須・ハコラ病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、ループス、急性及び慢性大腸炎、関節リウマチ、創傷治癒、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肥満症、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性散在性脳脊髄炎、肉芽腫性疾患、サルコイドーシス、加齢に伴う病気、発作、脊髄損傷、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身性感染症、ループス、関節炎、多発性硬化症、低骨密度、骨粗鬆症、骨形成、大理石骨病、骨のパジェット病、ならびにがん、例えば、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、肺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、線維肉腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、原発性または特発性骨髄硬化症、骨髄由来腫瘍、CD33を発現する腫瘍、甲状腺癌、感染症、CNSヘルペス、寄生虫感染症、トリパノソーマ感染症、クルージ感染症、Pseudomonas aeruginosa感染症、Leishmania donovani感染症、B群Streptococcus感染症、Campylobacter jejuni感染症、Neisseria meningiditis感染症、I型HIV、ならびにインフルエンザ菌から選択される疾患、障害、または損傷を予防し、そのリスクを低下させ、それを有する個体を治療するための本明細書に記載の抗CD33抗体の投与に関する説明を含む。
いくつかの実施形態では、該説明書は、例えば、個体において、組織試料において、または細胞において、CD33タンパク質を検出する方法の説明を含む。該キット及び/または製造品は、治療に適した個体の選択を、該個体が疾患を有するかどうか、及び該疾患の段階の判断に基づいて行うための説明をさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、該キット及び/または製造品は、本開示の別の抗体(例えば、抑制性チェックポイント分子に特異的に結合する少なくとも1つの抗体、抑制性サイトカインに特異的に結合する少なくとも1つの抗体、及び/または刺激性チェックポイントタンパク質に特異的に結合する少なくとも1つのアゴニスト抗体)及び/または少なくとも1つの刺激性サイトカインをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、該キット及び/または製造品は、本開示の任意の方法に従って、該抗体及び/または刺激性サイトカインを本明細書に記載の抗CD33抗体と組み合わせて使用するための説明書、本明細書に記載の抗CD33抗体を、抗体及び/または刺激性サイトカインと組み合わせて使用するための説明書、または本明細書に記載の抗CD33抗体と抗体及び/または刺激性サイトカインとを使用するための説明書をさらに含み得る。
該説明書は、一般に、目的の治療のための用量、投与計画及び投与経路に関する情報を含む。当該容器は、単位用量、バルク包装(例えば、複数回用量包装)または分割単位用量でもよい。本開示のキット及び/または製造品に付属される説明書は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キットに含まれる書面)上に書かれた説明書であるが、機械可読な説明書(例えば、磁気または光学式記憶ディスク上に保持された説明書)も許容される。
ラベルまたは添付文書は、その組成物が、例えば、本開示の疾患を治療するために使用されることを示す。本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実施するための説明書が提供されてもよい。
本開示のキット及び/または製造品は、好適な包装がなされる。好適な包装には、バイアル、ボトル、ジャー、軟包装(例えば、密閉されたMylarまたはプラスチックバッグ)などが含まれるが、これらに限定されない。特定の装置、例えば、吸入器、経鼻投与装置(例えば、アトマイザー)またはミニポンプなどの注入装置と組み合わせて使用するためのパッケージも企図される。キット及び/または製造品は、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、該容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであってよい)。該容器も同様に、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、該容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、本明細書に記載の抗CD33抗体である。該容器は、第2の医薬的活性薬剤をさらに含んでもよい。
キット及び/または製造品は、必要に応じて、緩衝剤及び説明的情報などの追加の構成要素を備えてもよい。通常、キットは、容器と、その容器上または容器に付属するラベルまたは添付文書(複数可)とを含む。
診断用途
本開示の単離抗体(例えば、本明細書に記載の抗CD33抗体)は、診断的実用性も有し得る。従って、本開示は、個体におけるまたは個体由来の組織試料におけるCD33タンパク質の検出などの診断目的のために、本開示の抗体またはその機能性断片を使用する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、該個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、該個体は、本開示の疾患、障害もしくは損傷を患っているヒト患者、またはその発症のリスクのあるヒト患者である。いくつかの実施形態では、該診断方法は、生検試料、組織、または細胞などの生体試料中のCD33タンパク質を検出することを伴う。本明細書に記載の抗CD33抗体を該生体試料に接触させ、抗原に結合した抗体を検出する。例えば、生検試料は、疾患関連細胞を検出及び/または定量するために、本明細書に記載の抗CD33抗体で染色され得る。該検出法は、抗原に結合した抗体の定量を含み得る。生体試料中の抗体検出は、免疫蛍光顕微鏡法、免疫細胞化学、免疫組織化学、ELISA、FACS分析、免疫沈降、またはマイクロポジトロン放出断層撮影を含む、当技術分野で既知の任意の方法で行われ得る。ある特定の実施形態では、該抗体は、例えば、18Fで放射性標識され、その後、マイクロポジトロン放出断層撮影分析を利用して検出される。抗体結合はまた、ポジトロン放出断層撮影(PET)、X線コンピュータ断層撮影、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)、コンピュータ断層撮影(CT)、及びコンピュータ体軸断層撮影(CAT)などの非侵襲性技法によって、患者において定量され得る。
他の実施形態では、本開示の単離抗体(例えば、本明細書に記載の抗CD33抗体)は、例えば、前臨床疾患モデル(例えば、非ヒト疾患モデル)から採取した脳試料のミクログリアを検出及び/または定量するために使用され得る。従って、本開示の単離抗体(例えば、本明細書に記載の抗CD33抗体)は、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、アテローム動脈硬化性血管疾患、那須・ハコラ病、または多発性硬化症などの神経系疾患または損傷のモデルにおける治療後の治療応答を対照と比較して評価するのに有用であり得る。
本開示は、以下の実施例を参照することによって、さらに十分に理解されるであろう。しかしながら、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示全体にわたるすべての引用は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
実施例1:マウス抗CD33抗体のヒト化、及びかかるヒト化バリアントの親和性測定
以下の実施例の目的は、親マウスCD33抗体のヒト化バリアントを生成すること、及びそれらヒト化抗体のCD33に対する親和性を測定することであった。親マウスの抗CD33抗体は、EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVKLSHGKSLEWIGFIYPSNGITGYNQKFKNKATLTVDNSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARSTVDYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号103)の配列を含む重鎖可変領域、及びDIVLTQSPASLAVSLGQRATMSCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQHSWEIPLTFGAGTKLELK(配列番号104)の配列を含む軽鎖可変領域を含んでいた。配列番号103の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号104の配列を含む軽鎖可変領域を含む上記マウスCD33抗体は、マウス抗CD33抗体2F5.1であり、WO2016/201388に開示されている。
この親マウスCD33抗体(マウス抗CD33抗体2F5.1)を、このマウス抗体に配列が最も近いヒト生殖細胞系列のフレームワークにこの親マウス抗体のCDRをグラフトすることによってヒト化した。1つ以上のフレームワークの復帰変異を備えた抗体もまた生成した。合計88個のヒト化抗体を産生した。親マウス抗CD33抗体の重鎖可変領域(配列番号103)及び軽鎖可変領域(配列番号104)を含むキメラ抗体も作製し、比較基準(キメラAb)として用いた。キメラAbのバリアントであるキメラAb#2もまた作製し、ここでは、VH−FR3に変異を導入し、予測N結合型グリコシル化部位を除去した。キメラAb#2は、重鎖可変領域
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVKLSHGKSLEWIGFIYPSNGITGYNQKFKNKATLTVDTSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARSTVDYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号167)、及び配列番号104の軽鎖可変領域を含んでいた。
これらヒト化抗体のヒトCD33に対する親和性(KD)は、各抗体に関して、ForteBioアッセイのBioLayer干渉法により、標準的な技術に従って測定した(Estep et al.(2013) MAbs 5(2):270−8)。簡潔には、Fabを、パパイン分解により各抗体について生成し、CD33に対するこれら抗体のモノマーの親和性を以下の通りに測定した。すなわち、ヒトCD33をセンサー先端に固定化し、各Fabを100nM含むアッセイ緩衝液中で180秒間インキュベートして結合速度を測定し、その後、先端をアッセイ緩衝液に180秒間移し、解離速度を測定した。アッセイは室温で行った。
これら88個のヒト化抗体の大部分は、親マウス抗体の3倍以内の親和性を示した(データは示さない及び表1内)。これらヒト化抗体の8種(AB−H2、AB−H9、AB−H14、AB−H15、AB−H63、AB−H64、AB−H65、及びAB−H66)のデータを下記表1に示す。
これら88個のヒト化抗体の10種(AB−H1、AB−H3、AB−H6、AB−H11、AB−H22、AB−H24、AB−H26、AB−H63、AB−H64、及びAB−H71)に関する親和性パラメータを、より感度の高い技術である表面プラズモン共鳴(BIAcore)により、別の実験で測定し、キメラAb及びキメラAb#2と比較した。BIAcore測定は、以下の通りに行った。すなわち、C1チップの表面にヒトCD33を固定化し、Fabを300秒間注入して結合を観察し、その後ランニング緩衝液中で900秒間流し、解離を観察した。Fabを5つの濃度、すなわち、高濃度の27nM及び3倍連続希釈で測定した。結果を下記表2に示す。これら10種のヒト化抗体は、1.13nM〜6.02nMの範囲の親和性を有し、キメラAbの4倍以内であった。
実施例2:ヒト化抗体を用いたCD33の細胞表面下方制御
以下の実施例の目的は、これらのヒト化抗CD33抗体(実施例1に記載の通り)が、初代ヒト樹状細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させることができるかどうかを調べることであった。
単球を、RosetteSep(商標)単球単離抗体カクテル(StemCell Technologies)を用いて健常ヒトドナーの血液から単離した。この単離単球を、100ng/mLのGM−CSF及び100ng/mLのIL−4(Peprotech)で樹状細胞に分化させた。樹状細胞を24ウェルのプレートに、1mL当たり200,000細胞で、または、6ウェルのディッシュに、2mL中500,000細胞で、10%Hyclone FBS、2mMグルタミン、pen/strep、及び非必須アミノ酸を加えたRPMIに播種した。抗CD33抗体、またはアイソタイプの対照抗体をこれらのウェルに加え、37℃で24時間、5%CO2にてインキュベートした。細胞表面の受容体発現は、FACS分析により、標準的技術に従って検出した。簡潔には、細胞を抗CD33−FITCクローンHIM3−4とともに氷上暗所にて30分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液(PBS+2%FBS、2mM EDTA)で2回洗浄し、フローサイトメトリーをBD FACS Cantoにて行った。データを、FlowJoソフトウェア(Ashland,OR)を用いて分析し、CD33の表面発現を、抗体の非存在下での発現に対する受容体発現のパーセントとして計算した。
88個のヒト化抗体すべてが細胞表面のCD33レベルを低下させることが可能であったが、それらは様々な効力を示し、多くの抗体は、細胞表面のCD33の低減において親抗体よりはるかに効果が低かった。このことは、これらの抗体の親和性が親抗体の3〜4倍以内であったことから意外であった。調べた抗体のすべてのうち、AB−H64が最も効果があった。これら10種のヒト化抗体(AB−H1、AB−H3、AB−H6、AB−H11、AB−H22、AB−H24、AB−H26、AB−H63、AB−H64、及びAB−H71)の比較を図1に示す。
これらの抗体の各々による半数効果濃度(EC
50)及び最大の下方制御を下記表3に要約する。これらの抗体のすべてが同様の結合親和性を有するものの、細胞表面のCD33レベルを低下させるそれらの能力には幅があり、AB−H64が最も効果のある抗体であった。従って、親和性以外の特性が、抗体のその細胞表面受容体を内在化する能力に寄与している。
これらヒト化抗体が親マウス抗体と比較して、細胞表面のCD33レベルの低減に関して様々な効力を示した一方で、これらヒト化抗体の8種が意外にも比較基準の抗体より高い効力を示した。これら8種の抗体のデータを下記表4に示す。これらの抗体のうち、AB−H63及びAB−H64が、細胞表面のCD33の下方制御に最も効果があった。
キメラAb#2を同様に、細胞表面CD33を低下させるその能力について評価した。データを上記表3に要約する。親抗体と比較して、キメラAbであるキメラAb#2は、意外にも、CD33の下方制御において効力が低かった。これら抗体間の唯一の差は、キメラAbではVH−FR3にN結合型グリコシル化部位が存在することである。AB−H64では、このN結合型グリコシル化部位が同様にVH−FR3に保持されており、これは、この抗体においてFabのグリコシル化がCD33の内在化におけるその効力に寄与し得ることを示唆している。
実施例3:ヒト化抗体の親和性成熟、及びかかる親和性成熟抗体の特性
本実施例の目的は、親和性成熟抗CD33抗体を生成し、特徴づけることであった。
親和性成熟は、3種のヒト化抗体、すなわち、AB−H14、AB−H63、及びAB−H64にて、酵母提示により行った。簡潔には、これら3種のヒト化抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドにおける残基を突然変異させ、酵母で発現させた。可溶性組み換えヒトCD33タンパク質に対する結合が改善された変異体を発現する酵母細胞を、数回のFACSソーティングを介して選択した。
合計11種の親和性成熟クローンをAB−H14系統から選択し、15種の親和性成熟クローンをAB−H63系統から選択し、8種のクローンをAB−H64系統から選択した。これら抗体の重鎖可変領域HVR配列を下記表9A〜9Cに示す。これら抗体の軽鎖可変領域HVR配列は下記表10A〜10Cに示す。これら抗体の重鎖フレームワーク領域を下記表11A〜11Dに示す。これら抗体の軽鎖フレームワーク領域は下記表12A〜12Dに示す。これら抗体の重鎖可変領域配列を下記表13に示す。これら抗体の軽鎖可変領域配列は下記表14に示す。
AB−H64及びそのバリアント(表5)のヒトCD33に対する親和性を、上記実施例1に記載の方法に従い、Fortebioアッセイで測定した。
ヒト化抗体AB−H64由来の親和性成熟抗体(AB−64.1〜AB−64.8)は、表5Aに示す通り、ForteBioによって測定して、3〜12倍の親和性の改善を示した。
別の実験では、より感度の高いBIAcore技術によって測定して、ヒト化抗体AB−H64由来の親和性成熟抗体の親和性パラメータを測定し、上記実施例1に記載の方法に従って、キメラAbのものと直接比較した。これら親和性成熟抗体は、キメラAbと比較して15〜443倍の親和性の改善を示し、AB−H64と比較して20〜586倍の親和性の改善を示した。表5Bに示す。
これらの親和性成熟抗体を、細胞表面のCD33レベルを低減するそれらの能力について特徴づけた。初代ヒト樹状細胞上のCD33の低減に関するAB−H64及びそのバリアント(表6A)の半数効果濃度(EC
50)を上記実施例2に記載の方法に従って測定した。
これら親和性成熟抗体の大部分が、親抗体と比較して効力の実質的な改善を示した。意外にも、親和性が最も高くはない抗体であったAB−64.1が、CD33レベルの低下に最も効果的であった。
別の実験では、20〜50倍の適度な親和性の改善を示した2種のバリアントであるAB−64.1及びAB−64.7、ならびに215〜340倍のより大きな親和性の改善を示した2種のバリアントであるAB−64.6及びAB−64.7を、上記実施例2に記載の方法に従って、細胞表面のCD33レベルを低下させるそれらの能力について、親ヒト抗体であるAB−H64及びキメラAbと直接比較した。データを図2に示し、その半数効果濃度(EC
50)及び最大CD33低下を表6Bに要約する。
意外にも、H64系統の抗体の場合、最も親和性が高いCD33抗体が、細胞表面のCD33レベルを最大限に低下させるのに最も効果的というわけではなかった。これら親和性成熟抗体のうち、中等度の親和性の改善を有するAB−64.1及びAB−64.2が、最善の最大CD33低下を示した。これら親和性成熟抗体のすべてがキメラAbまたはヒト化抗体AB−H64と比較して、細胞表面のCD33の低下において効力の増加を示した。これら親和性成熟抗体のすべてのうち、AB−64.1(及びそのバリアントAB−64.1.2)は、一貫して、キメラAb及びヒト化抗体AB−H64と比較して、効力の最善の向上を示した。
実施例4:さらなるアミノ酸修飾を備えた抗体に関する親和性及びEC50値の評価
本実施例の目的は、潜在的な製造上の障害となる配列を除去するように設計されたさらなるアミノ酸修飾が、抗体のCD33に対する親和性、または細胞表面のCD33レベルを低下させる能力のいずれかに影響を与えるかどうかを判断することであった。
さらなるアミノ酸修飾をAB−64.1で生成し、得られた抗体(AB−64.1.1〜AB−64.1.15)の親和性をForteBioアッセイによって測定した(実施例1の方法参照)(下記表7)。これらの抗体のうちの2つ、64.1.2及び64.1.8の親和性パラメータをBIAcoreによる別の実験で測定し、それらを親抗体であるAB−64.1、親ヒト化抗体であるAB−H64、及びキメラAbと直接比較した。データを上記表5Bに示す。
HVR−H2配列を、
(配列番号115)から、
(配列番号119)、
(配列番号118)、または
(配列番号120)へ修飾することは、親和性に実質的な影響を与えず、これらの変化を含む抗体のK
D測定値は、親抗体AB−64.1の3倍以内であった。
VH FR3配列を
へ修飾することもまた、親和性に実質的な影響を与えず、これらの変化を含む抗体のK
D測定値もまた、親抗体AB−64.1の3倍以内であった。
これらのさらなるアミノ酸修飾を備えた抗体を、細胞表面のCD33レベルを低下させるそれらの能力について同様に調べた。表8は、0.16μg/mLのAB−64.1及びそのバリアントで24時間処理した後に、初代ヒト樹状細胞の表面に残存するCD33のパーセンテージを示す。
HVR−H2配列を、
(配列番号115)から、
(配列番号119)、
(配列番号118)、または
(配列番号120)へ修飾することは、これら抗体が細胞表面のCD33を低下させる能力に実質的な影響を与えず、これらの修飾を含む抗体とのインキュベーション後の細胞表面に残存するCD33のパーセントは、親抗体AB−64.1の5%以内であった。
VH FR3配列を
へ修飾することもまた、これら抗体が細胞表面のCD33を低下させる能力に実質的な影響を与えず、これらの修飾を含む抗体とのインキュベーション後の細胞表面に残存するCD33のパーセントは、親抗体AB−64.1の5%以内であった。
別の実験では、2種のバリアント、AB−64.1.2及びAB−64.1.8のCD33を低下させる能力を評価し、その親抗体AB−64.1、そのヒト化親抗体AB−H64、及びキメラAbと比較した。上記表6Bは、半数効果濃度(EC50)及びこれら抗体への24時間の曝露後の初代ヒト樹状細胞の表面での最大CD33低下を示す。
HVR−H2配列を、
(配列番号115)から、
(配列番号119)または
(配列番号118)へ修飾することは、これら抗体が細胞表面のCD33を低下させる能力に実質的な影響を与えず、これらの修飾を含む抗体のEC
50は、親抗体AB−64.1の2倍以内であり、これらの修飾を含む抗体とのインキュベーション後の細胞表面のCD33の最大の低下は、親抗体AB−64.1の5%以内であった。
VH FR3配列を
へ修飾することもまた、これら抗体が細胞表面のCD33を低下させる能力に実質的な影響を与えず、これらの修飾を含む抗体のEC
50は、親抗体AB−64.1の2倍以内であり、これらの修飾を含む抗体とのインキュベーション後の細胞表面のCD33の最大の低下は、親抗体AB−64.1の5%以内であった。
AB−64.1.2は、AB−64.1.8と比較して、効力の増大及び細胞表面のCD33の最大低下の増大の両方を示した。AB−64.1.2では、VH−FR3において可能性のあるN結合型グリコシル化部位が保持される一方、AB−64.1.8ではそれが除去されており、Fabのグリコシル化が、この抗体の細胞表面CD33を低減する能力に寄与し得ることを示唆する。その親系統抗体との比較において、AB−64.1.2は、その親抗体AB−64.1と比較して、細胞表面CD33の低減において同様の効力を有し、その親ヒト抗体AB−H64と比較して、効力が1.5倍増加し、キメラAbと比較して、効力が4.6倍増加した。
実施例5:AB−H14及びAB−H63の親和性成熟
AB−H14及びその親和性成熟バリアント(表15)ならびにAB−H63及びその親和性成熟バリアント(表16)のヒトCD33に対する親和性を、上記実施例1に記載の方法に従ってForteBioアッセイにより測定した。
ヒト化抗体AB−H14及びAB−H63由来の親和性成熟抗体はそれぞれ、10〜14倍及び3〜13倍の親和性の改善を示した。
これら親和性成熟抗体を、初代樹状細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させるそれらの能力について、上記実施例2に記載の方法に従って特徴づけた。
AB−H14及びそのバリアントならびにAB−H63及びそのバリアントによる半数効果濃度(EC
50)及び最大CD33下方制御をそれぞれ、表17及び表18に示す。これら親和性成熟抗体の大部分は、親抗体と比較して効力に実質的な改善を示した。しかしながら、意外にも、H64系統の抗体で観察されたように、最も親和性が高いCD33抗体が必ずしも細胞表面のCD33レベルを最大限に低下させるのに最も効果的というわけではなかった。
実施例6:CD33抗体がCD33への結合をめぐってCD33リガンドと競合する能力の特徴づけ
本実施例の目的は、CD33抗体が、CD33上のリガンド結合部位を認識し、CD33受容体に対するリガンド結合と競合することができるかどうかを調べることであった。
親和性成熟抗体AB−64.1ならびにそのバリアント2種、AB−64.1.2及びAB−64.1.8を、CD33への結合をめぐってCD33リガンドと競合するそれらの能力について、赤血球(RBC)固着アッセイを標準的なプロトコル(Kelm,et al.,Current Biology,1994)に従って評価した。赤血球は、シアル酸を含む糖タンパク質で高度に修飾されている。従って、固定化CD33へのRBC結合を遮断する抗体の能力を使用してリガンド干渉を測定した。簡潔には、96ウェルのImmunolonプレートを5μg/mLのCD33−Fcで一夜コートし、その後PBSで洗浄し、結合緩衝液(0.25%BSA及び1mM CaCl2含有PBS)で1時間ブロックした。CD33抗体を加え、穏やかに揺動しながら室温で1時間インキュベートした。未結合の抗体を除去した後、RBCを各ウェルに3.0×106細胞/mLで加え、室温で1時間インキュベートした。その後、未結合のRBCをPBSで3回洗浄することで注意深く除去し、その後、各ウェルに水を加え、結合したRBCの低張溶解を誘導した。プレートを−80℃に10分間移した後、37℃に15分間移した。結合したRBCの定量をペルオキシダーゼ活性として、TMBを加え、その後2N硫酸を加えて反応を停止させて測定した。シグナルは、450nmで検出した。データは、抗体がない状態でのプレート結合CD33−FcへのRBC結合のパーセンテージとして算出した。結果を図3に示す。
実施例7:内在化CD33抗体に対するFc領域の影響の特徴づけ
本実施例の目的は、CD33抗体が初代骨髄細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させる能力に対するFcの影響をインビトロ及びインビボで評価することであった。
抗体のFc領域は、細胞表面で発現するFcγ受容体と相互作用することができ、内生的にCD33を発現する骨髄細胞もまた複数のFcγ受容体を発現する。従って、これら抗体のFc及び細胞表面Fcγ受容体間の異なるヒトIgGアイソタイプの相互作用の影響、これら抗体のクラスター化能力、ならびに受容体を内在化する抗体の能力の影響を調べた。
AB−64.1可変領域及び異なるヒトIgGバリアントを含む抗体を生成した。調べたFcには、すべてのFcγ受容体に結合するIgG1、S267E及びL328Fの変異を含み、CD32B及びCD32AのR131バリアントへの結合の向上を示すIgG1 SELF、CD32Aにのみ実質的な結合を示すIgG2、L234A、L235A、及びP332Sの変異を含むIgG1 LALAPS、ならびにIgG1 N297Aを含めた。後2者のFcバリアントは、Fcγ受容体のいずれにもほとんど結合を示さなかった。5種の抗体すべてを実施例1に記載の方法に従い、初代ヒト樹状細胞における細胞表面のCD33レベルを低下させるそれらの能力について評価した。データを図4に示し、表19は、これら抗体による半数効果濃度(EC
50)及び最大CD33下方制御を要約する。
調べたFcバリアントのすべてが、互いに2倍以内のEC50でCD33のレベルを低下させた。さらに、ヒトIgG1、ヒトIgG2、及びヒトIgG1 SELFは、同様のCD33の最大低下を示した。意外にも、Fcγ受容体に結合しないこれら2種のFcは、最大受容体下方制御の実質的な低下を示し、いくつかのFcγ受容体相互作用が、初代ヒト樹状細胞における細胞表面のCD33レベルの最大低下に必要であることを示唆する。
これらAB−64.1のFcバリアントを同様に、骨髄細胞におけるCD33レベルを低下させるそれらの能力についてインビボで評価した。ある実験では、ヒト化NSGマウス(hu−NSG)を用いた。これらのマウスにヒトCD34+造血幹細胞を移植し、これらマウスをJackson Laboratoryから購入し、移植後16週で使用した。マウスに、AB−64.1 huIgG1、AB−64.1 huIgG2、AB64.1 huIgG1LALAPS、または対照抗体を0日目に10mg/kgで単回腹腔内投与を施し、血液試料を1日目(投与後24時間)、6日目、14日目、及び21日目に採取し、FACS分析用に処理した。
簡潔には、血液試料を第一にACK溶解緩衝液中で5分間インキュベートして赤血球を溶解し、その後冷FACS緩衝液(PBS、2%FBS、2mM EDTA)で十分に洗浄した。この手順を2回繰り返した。細胞をその後、冷FACS緩衝液中、抗ヒトCD45−APC−Cy7、抗マウスCD45−FITC、抗ヒトCD3−PE−Cy7、抗ヒトCD14−Pacific Blue、抗ヒトCD11b−PerCP−Cy5.5、抗CD33−PE、抗Siglec−7−APC、及び生体染料(ThermoFisher、カタログ番号L34957)の存在下、30分間、氷上にてFcブロック溶液の存在下インキュベートし、その後、冷FACS緩衝液で2回洗浄した。細胞を4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液にて固定した。染色された細胞を、BD FACS Fortessaサイトメーター(Becton Dickinson,San Jose,CA)にて捕捉し、データをFlowJoソフトウェア(Ashland,OR)で分析した。CD33発現のレベルをhuCD45+huCD14+細胞集団にて判断し、CD33レベルを、対照抗体を投与したマウス由来の試料に対して正規化した。
単回投与のAB−64.1 huIgG1、AB−64.1 huIgG2、またはAB−64.1 huIgG1 LALAPSを施したhu−NSGマウスでは、図5に示す通り、循環骨髄細胞上のCD33レベルは、すべての群で24時間以内に実質的に低減された。それらのCD33レベルは、AB−64.1 huIgG1、AB−64.1 huIgG2、またはAB−64.1 huIgG1 LALAPS群間で統計的に差はなく、CD33の低下は少なくとも2週間維持された。21日目までに、すべての群におけるCD33のレベルが対照レベルに戻った。
別の実験で、AB−64.1Fcバリアントがインビボで免疫細胞上のCD33レベルを低下させる能力を免疫応答性ヒトCD33トランスジェニックC57BL/6マウスにて評価した。これらのマウスは、ヒト免疫細胞で観察されるものと同様のレベルで、骨髄細胞にてヒトCD33を発現する。マウスに単回腹腔内注入のAB−64.1 huIgG1、AB−64.1 huIgG2、AB−64.1 huIgG1 LALAPS、または対照抗体を0日目に10mg/kg投与し、血液試料を1日目(投与後24時間)、3日目、及び6日目に採取し、FACS分析用に処理した。マウスを21日目に屠殺し、血液及び脾臓をFACS分析用に処理した。
簡潔には、血液試料を第一にACK溶解緩衝液中で5分間インキュベートして赤血球を溶解し、その後冷FACS緩衝液(PBS、2%FBS、2mM EDTA)で十分に洗浄した。この手順を2回繰り返した。脾臓試料は、セルストレーナーを通して破砕し、その後赤血球をACK溶解緩衝液で溶解し、続いて冷FACS緩衝液で十分に洗浄した。細胞をその後、冷FACS緩衝液中、抗マウスCD3−Pacific Blue、抗マウスNK1.1−APC−Cy7、抗マウスCD11b−PerCP−Cy5.5、抗マウスGr1−PE−Cy7、抗CD33−PE、抗Siglec−7−APC、及び生体染料(ThermoFisher、カタログ番号L34957)の存在下、30分間、氷上にてFcブロック溶液の存在下インキュベートし、その後、冷FACS緩衝液で2回洗浄した。細胞を4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液にて固定した。染色された細胞を、BD FACS Fortessaサイトメーター(Becton Dickinson,San Jose,CA)にて捕捉し、データをFlowJoソフトウェア(Ashland,OR)で分析した。CD33発現のレベルをマウスCD11b+マウスGr1+細胞集団にて判断し、CD33レベルを、対照抗体を投与したマウス由来の試料に対して正規化した。
単回投与のAB−64.1 huIgG1、AB−64.1 huIgG2、またはAB−64.1 huIgG1 LALAPSを施したヒトCD33トランスジェニックマウスでは、図6Aに示す通り、循環骨髄細胞上のCD33レベルは、24時間以内に実質的に低減された。その減少の程度は、これらCD33抗体を投与された群間で同様であった。6日目までに、循環骨髄細胞におけるCD33レベルはすべての群で対照レベルに戻った。対照的に、21日目では、図6Bに示す通り、循環血液細胞のCD33レベルは対照レベルであったが、脾臓の骨髄細胞におけるCD33受容体レベルは、対照処理マウスと比較して実質的に低下した。従って、組織常在性の免疫細胞でのCD33発現の回復は、循環細胞でのものより遅いと思われ、組織常在細胞でのCD33の代謝回転がより遅いことを示唆する。
Fcγ受容体結合がほとんどないFcバリアントは、CD33レベルを低下させる能力が、初代ヒト樹状細胞上、インビトロで、インビボで、ヒト及びマウスFcγ受容体の両方を発現するヒト化マウスならびにマウスFcγ受容体のみを発現する免疫応答性ヒトCD33トランスジェニックマウスの両方において低かった一方で、huIgG1 LALAPSは、Fcγ受容体結合能があるアイソタイプと同程度にCD33レベルを低下させた。
実施例8:異なるFcバリアントを有するCD33抗体のADCC活性
本実施例の目的は、AB−64.1抗体のFcバリアントがCD33発現細胞上でADCC(抗体依存性細胞傷害)を誘導する能力を評価するためであった。ADCCは、抗体のFc領域とエフェクター細胞で発現されるFcγ受容体の間の相互作用に高度に依存することが示されている。
AB−64.1抗体の4種の異なるヒトFcバリアントをADCCについて評価した:野生型IgG1、IgG2、IgG1 SELF、及びIgG1 LALAPS。ADCCは、2種の異なる標的細胞株、すなわち、HL60細胞及びU937細胞を用いて調べた。HL60及びU937細胞の両方がCD33を発現し、U937細胞はHL60細胞より高いレベルでCD33を発現した(データは示さず)。ADCCアッセイは、ADCC Reporter Bioassay(Promega)を用い、製造業者の使用説明書に従って、3つの異なるエフェクター:標的比、すなわち、6:1、10:1、及び25:1を用いて行った。簡潔には、標的細胞を第一に10μg/mlの抗体でオプソニン化し、その後、エフェクター細胞を加え37℃で5%CO2にて6時間インキュベートした。ADCC活性は、ルシフェラーゼアッセイ試薬を添加して定量化し、プレートは照度計(Biotek)で読み取った。陽性対照としてこのアッセイに含めたのは、WO2012/045752に開示のCD33抗体であるクローン280−31−01(mut)であり、これは強力なADCC活性を有することが示されている。ADCCアッセイの結果を図7に示す。
HL60細胞及びU937細胞の両方、ならびに3つのエフェクター:標的比のすべてにおいて、陽性対照抗体はADCCを誘導した。AB−64.1のFcバリアント抗体のうち、野生型ヒトIgG1のFcのみが統計的に有意なADCCの増加を誘導したが、高発現細胞株であるU937においてのみ、より高いE:T比でのみであり、誘導されたADCCレベルは、バックグラウンドの2倍未満であった。従って、AB−64.1はほとんどADCCを誘導しない。
実施例9:異なるFcバリアントによるCD33抗体のCDC活性
本実施例の目的は、AB−64.1抗体のFcバリアントがCD33発現細胞においてCDC(補体依存性細胞傷害)を誘導する可能性を評価することであった。CDCは、そのFc領域を介して補体に有効に結合し、これを活性化することができる抗体でオプソニン化されている標的によって開始される。従って、抗体がCDCを誘導する能力は、そのアイソタイプに依存する。すなわち、ヒトIgG1及びIgG1 SELFは、概してCDCの誘導に優れている一方、IgG2及びIgG1 LALAPSは、概してCDCの誘導に劣る。
AB−64.1抗体の5種の異なるFcバリアントを、CDCを誘導する可能性について評価した:野生型ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG1 SELF、ヒトIgG1 LALAPS、及びヒトIgG1 N297A。CDCの可能性は、CD33発現細胞株U937における補体活性化、すなわち、C3b沈着を測定することによって調べた。簡潔には、U937細胞を10μg/mlのCD33または対照抗体とともに30分間氷上でインキュベートした。プール補体ヒト血清(Innovative Research)を最終濃度20%で加え、細胞を37℃で2時間インキュベートした。細胞を冷FACS緩衝液(PBS、2%FBS、2mM EDTA)で一度洗浄し、その後Fcブロック溶液の存在下、氷上にて抗C3b−APC及び生存染料(ThermoFisher、カタログ番号L34957)とともに30分間インキュベートした。細胞を冷FACS緩衝液で2回洗浄し、その後4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液で固定した。染色された細胞を、BD FACS Fortessaサイトメーター(Becton Dickinson,San Jose,CA)にて捕捉し、データをFlowJoソフトウェア(Ashland,OR)で分析した。C3b沈着のレベルを、U937細胞上のC3bのMFIで判断し、沈着を対照抗体で処理した細胞由来の試料に対して正規化した。結果を図8に示す。
意外にも、調べたAB−64.1バリアントのうち、IgG1 N297Aアイソタイプのみが対照処理試料と比較して有意に高い補体活性化を誘導した。IgG1アイソタイプもIgG1 SELFアイソタイプもバックグラウンドレベルを超えるCDC活性を誘導しなかった。従って、AB−64.1は、ほとんどCDCを誘導しない。
実施例10:CD33内在化抗体による脳ミクログリアにおけるCD33レベルの下方制御
本実施例の目的は、脳のミクログリアにおけるCD33のレベルを低下させるCD33抗体の能力を調べることであった。
ヒトIgG2のFcにてAB−64.1抗体(AB−64.1.2−huG2)を生成し、実施例7に記載のヒトCD33トランスジェニックマウスの脳ミクログリア及び循環細胞においてCD33を下方制御するその能力を評価した。これらのマウスは、ヒトSiglec−7トランスジェニックでもある。0日目、マウスに、単回投与のAB−64.1.2−huG2(2mg/kg、10mg/kg、または40mg/kg)、または対照抗体(40mg/kg)を施し、1日目、3日目、6日目、10日目、14日目、20日目、及び28日目にマウスを屠殺し、血液及び脳をフローサイトメトリーによる分析用に収穫した。
脳をHBSSに入れ、ダウンス型ホモジナイザーで機械的に解離させ、その後、Percoll(GE Healthcare)を30%まで加えた。この懸濁液を70%Percoll層に重層し、550gで30分間遠心した。濃縮されたミクログリアを2相の界面から収穫し、その後HBSSで洗浄し、抗マウスCD11b Pacific Blue(BioLegend)、抗マウスCD45 PE−Cy7(eBioscience)、抗ヒトCD33 PE(eBioscience)、抗ヒトSiglec−7APC(BioLegend)、及び生存染料により、Fcブロックの存在下で染色し、その後フローサイトメトリーで分析した。ミクログリアをCD45intCD11b+細胞としてゲーティングした。血液は屠殺時にヘパリン化チューブに採取し、4℃にて、2,000gで10分間遠心した。その細胞ペレットを3mMのEDTAを含むPBSにボルテックスにより再懸濁し、その後赤血球を1mLのACK緩衝液で氷上にて10分間溶解し、続いて500gで10分間遠心した。細胞を抗マウスCD11b Pacific Blue、抗マウスGr1 PE−Cy7(BioLegend)、抗マウスLy6G APC(BioLegend)、抗マウスLy6C AF488(BioLegend)、抗ヒトCD33 PE、抗ヒトSiglec−7APC、及び生存染料により、Fcブロックの存在下で染色し、フローサイトメトリーで分析した。好中球をCD11b高Ly6G+細胞としてゲーティングし、単球はLy6C高Ly6G−CD33+細胞としてゲーティングした。結果を図9に示す。
単回投与のAB−64.1.2−huG2を2mg/kg、10mg/kg、または40mg/kgで施すことにより、投与後24時間(1日目)以内にミクログリアでのCD33が実質的に低下した。最も強い効果は、10mg/kg及び40mg/kgで認められ、ミクログリアでのCD33のレベルは、1日目にはほとんど検出できなかった(図9A)。40mg/kg投与群では、CD33の強い下方制御は、28日目まで持続した一方、10mg/kg群では、受容体レベルは14日目まで低いままであり、その後28日目までに対照レベルに戻った。2mg/kgでの投与はCD33発現の低下をもたらしたが、その効果は、より高用量の場合よりも弱く、かつ短期的であった。この抗体は、ミクログリアのヒトSiglec−7のレベルに対していずれの用量レベルにおいても影響はなかった(図9B)。循環好中球では、AB−64.1.2−huG2の2mg/kg、10mg/kg、または40mg/kgでの投与により、投与後1日でCD33が約50%下方制御された(図9C)。循環単球では、CD33レベルは1日目に3つの用量群すべてでほぼ完全に消失した(図9D)。従って、循環好中球及び単球では、調べた最低用量である2mg/kgで最大下方制御が認められた。両方の細胞型で、CD33受容体レベルは、40mg/kg群で28日目まで低いままであり、10mg/kg群ではCD33レベルは28日目までに対照レベルに戻り、2mg/kg群ではCD33の下方制御はより短期的であった。従って、単球及び好中球でのCD33の下方制御の持続性は、用量反応作用を示し、ミクログリアで認められたものと同様であった。
これらの結果は、AB−64.1.2−huG2は、脳のミクログリア及び循環CD33発現細胞の両方においてCD33発現を強く低下させること示す。ミクログリアにおいて最大CD33下方制御が10mg/kgの用量で認められたという所見は、約0.1%の循環抗体が血液脳関門を通過するのみであること(Pudoslo,et al. PNAS 1994)から予想外であった。これらの結果は、本抗体がCD33を下方制御する効力を強調する。本抗体によるCD33の下方制御の持続性もまた、10mg/kgまたは40mg/kgでの単回投与後、ミクログリア、単球、及び好中球におけるCD33レベルが少なくともそれぞれ、14日または28日間回復しなかったことと同様に意外であった。対照的に、親抗体であるAB−64.1により10mg/kgで処理されたこれらの同じマウスでは、循環CD33+細胞でのCD33の下方制御は、投与後6日未満持続した(図6A)。従って、親和性に影響を与えないさらなるアミノ酸修飾が、この抗体によるCD33下方制御のインビボでの持続性に影響を与えた可能性がある。
配列
特に断りのない限り、すべてのポリペプチド配列はN末端からC末端を示す。
親マウス抗体重鎖可変領域:
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVKLSHGKSLEWIGFIYPSNGITGYNQKFKNKATLTVDNSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARSTVDYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号103)
親マウス抗体軽鎖可変領域:
DIVLTQSPASLAVSLGQRATMSCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQHSWEIPLTFGAGTKLELK(配列番号104)
受容体モチーフ:
D/Ex0−2YxxL/IX6−8YxxL/I(配列番号165)
IGg2のCH1及びヒンジ領域:
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCP(配列番号166)
AB−64.1 huIgG1 完全長抗体配列:
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号176)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号197)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.2 huIgG1 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号177)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号198)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.8 huIgG1 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号178)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号199)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1 huIgG2 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号179)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号200)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.2 huIgG2 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号180)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号201)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.8 huIgG2 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号181)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号202)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1 huIgG1 LALAPS 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号182)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNGITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号203)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.2 huIgG1 LALAPS 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号183)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNRITGYAQKFQGRATLTVDNSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号204)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)
AB−64.1.8 huIgG1 LALAPS 完全長抗体配列
重鎖:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号184)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKISCKASGYTFTDYNLHWVRQAPGQGLEWIGFIYPSNQITGYAQKFQGRATLTVDNSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSDVDYFDYWGQGTLLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号205)
軽鎖:
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASQSVSTSTYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQHSWEIPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号185)