JP2020531426A - オリゴヌクレオチドのアフィニティー精製のためのオルトエステル組成物 - Google Patents

オリゴヌクレオチドのアフィニティー精製のためのオルトエステル組成物 Download PDF

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Abstract

RNAおよびDNAなどのオリゴヌクレオチドを精製するための化合物および方法。アフィニティータグを含むオルトエステルリンカーと標的オリゴヌクレオチドを反応させて、オルトエステルオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを生成し、これに精製法を行って、短縮化オリゴヌクレオチドなどの不純物から標的オリゴヌクレオチドを分離する。次いで、オルトエステルリンカーを穏やかな条件下で除去して、標的オリゴヌクレオチドを高純度で生じさせることができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月18日に出願された米国仮特許出願第62/547,687号の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により組み込まれる。
本開示は、RNAおよびDNAなどの生体高分子の精製のための化合物および方法に関する。
固相合成は、カスタムオリゴヌクレオチド配列(例えば、カスタムRNAおよびDNA)、カスタムペプチド、カスタムオリゴ糖および様々な代謝物を調製するために使用することができる極めて有用なツールである。オリゴヌクレオチドの化学合成は一般に逐次的に行われ、その場合、成長鎖の一端が固体表面に結合され、繰返しの合成サイクルを使用して反応性ヌクレオチドモノマーが逐次縮合される。これらのヌクレオチドモノマーは、反応性リン基、例えばホスホルアミダイト、H−ホスホネートまたは当技術分野において周知の他の反応性のリン基もしくは修飾基を含み、ビルディングブロックは、保護された2’−デオキシヌクレオシド(dA、dC、dGおよびT)、保護されたリボヌクレオシド(A、C、GおよびU)または保護された化学修飾ヌクレオシドから誘導される。典型的な望ましいオリゴヌクレオチド生成物は、隣接するヌクレオチドの5’ヒドロキシルと3’ヒドロキシルとの間にヌクレオチド間結合を含む。しかし、隣接するヌクレオチド上のヒドロキシル基のいずれかの間に非天然のヌクレオチド間結合を形成することが望ましい場合もある。この合成を達成するために、合成サイクルの第1のステップは一般に、表面に結合されたヌクレオシドとの保護されたモノマーの反応または表面上のヒドロキシル基との保護されたモノマーの反応である。表面上のヒドロキシル基は、切断可能なユニバーサルリンカーまたは切断可能でない表面結合の一部のいずれかであり得る。表面上のヒドロキシルとの反応性リン基の最初のカップリングの後、通常続くステップは、未反応のヒドロキシル基のキャッピング、次いで、反応性リン中間体の酸化を含む。ある修飾リン基が使用されているある条件下では、酸化試薬が修飾リン基、例えばホスホロチオエート、ボラノホスホネートまたはホスホルアミデートを生成する場合特に、キャッピングの前に酸化する必要がある場合がある。最終ステップは通常、次の保護されたヌクレオチドモノマーとカップリングするヒドロキシル基のデブロッキングである。この最終ステップにおいて除去される保護基は一般にジメトキシトリチル基(DMT)である。しかし、多くの他の保護基、例えば、9−フェニルキサンチル基(ピキシル)、ベンズヒドリルオキシ−ビス(トリメチルシリルオキシ)シリル(BZH)などが当技術分野において周知である。鎖の構築が完了すると、所望の生成物が固相から放出され、脱保護され、さらなる生物学的応用において利用される。
オリゴヌクレオチド生成物は、より短い短縮化(truncated)配列、および所望の生成物とは異なる配列を有する配列を含むべきではなく、その理由は、副生成物が存在すると、in vitro実験またはin vivo実験において使用されたとき、望まれない効果がもたらされる恐れがあるからである。望ましいオリゴヌクレオチド合成は、完成した合成組成物が標的オリゴヌクレオチド生成物のみを含むように、選ばれたオリゴヌクレオチドを定量的収率で与えるであろう。しかし、化学的方法は一般に定量的収率未満になり、通常、収率95%〜99%の範囲内である。粗反応混合物は多くの場合、所望のオリゴヌクレオチドおよび短縮化配列または失敗配列の混合物を含み、クリーンなオリゴヌクレオチド目標生成物を得るために精製を必要とする。
粗合成生成物から所望のオリゴヌクレオチド生成物を精製する最も一般的な方法は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)である。しかし、より短いオリゴヌクレオチド配列からの標的全長オリゴヌクレオチドの単離は多くの場合、労力および時間がかかるクロマトグラフィー条件を必要とする。より長いオリゴヌクレオチド、例えば100個以上のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドの場合、HPLC溶離勾配は、各溶離に2〜3時間かかることがあり、このプロセスは、許容されるレベルの純度を得るために、正確な回収および分画分析を必要とする。さらに、そのようなクロマトグラフ法は多くの場合、非常に小さい粒径および十分な理論段を有する固定相を必要とする。
標準的なオリゴヌクレオチド合成法において、失敗配列は、アセチル基または他の酸に安定な反応性官能基でキャッピングされ、全長オリゴヌクレオチドは、ジメトキシトリチル基、9−フェニルキサンチル基(ピキシル)、ベンズヒドリルオキシ−ビス(トリメチルシリルオキシ)シリル(BZH)または他の周知の基を5’ヒドロキシル位に含む。合成サイクル完了時のオリゴヌクレオチド分子の5’ヒドロキシル上の化学基によって全長オリゴヌクレオチド生成物を失敗配列から区別することができると研究者らは提案している。ジメトキシトリチル基のような基はアセチル基よりもはるかに疎水性であるため、この違いを理論的に使用して、逆相HPLCなどのクロマトグラフ法を使用して、キャッピングされた失敗生成物から全長オリゴヌクレオチド生成物を分離することができる(J.Chrom.326,293−299;1985)。しかし、HPLC精製のためのDMTの使用にはいくつかの欠点がある。ヌクレオチドが固体担体上にある間は、DMT基は有利な平衡状態のために容易に除去されるが、固体担体からのオリゴヌクレオチドの除去後は、DMT基は除去がはるかに困難であり、強酸条件および長い反応時間を必要とする。残念ながら、溶液中のDMT基の除去に必要な条件は、精製オリゴヌクレオチドが分解されて、最終的に純度が著しく失われる可能性がある。DNAの場合、そのような条件は、プリン塩基に対して特に過酷であり、その結果、グリコシド結合が切断される。RNAの場合、酸への曝露はよりいっそう問題となり、その理由は、そのような曝露によりヌクレオチド間結合が直接切断され、ヌクレオチド間結合の異性化が触媒されて、5’−3’および5’−2’結合されたRNA生成物の混合物が生じる可能性があるからである。
したがって、高純度のオリゴヌクレオチドを生成する、オリゴヌクレオチドの穏やかで有効な精製のための方法および化合物が必要とされている。本開示は、穏やかな条件下で切断可能であり、オリゴヌクレオチド生成物の純度もしくは完全性に対する全体的な効果がほとんどまたは全くないアフィニティータグを使用してオリゴヌクレオチドを精製するための方法および化合物を提供する。この化合物は、近づくことができるヒドロキシル基を含む新たに合成された生体高分子および生物学的に活性な代謝物と反応することもできる。このアフィニティータグを使用して、生体高分子または代謝物を精製することができる。
本方法および本化合物のこれらおよび他の特徴ならびに利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
1つの態様において、本開示は、標的オリゴヌクレオチドを精製する方法を提供する。この方法は、
1.固体担体上で標的オリゴヌクレオチドを合成し、標的オリゴヌクレオチドおよび短縮化オリゴヌクレオチドを含む混合物を得るステップ;
2.標的オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させ、それによってオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを生成するステップであり、コンジュゲーション時にオルトエステルリンカーがアフィニティータグを含むか、またはコンジュゲーション反応後の第2の反応でアフィニティータグをオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートと反応させる、ステップ;
3.オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよび短縮化オリゴヌクレオチドを、固体担体から切断するステップ;
4.クロマトグラフィーカラムまたはアフィニティーキャプチャー担体上に、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよび短縮化オリゴヌクレオチドをローディングし、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを、アフィニティータグによりアフィニティーキャプチャー担体に結合させるステップ;
5.カラムまたはアフィニティーキャプチャー担体から、短縮化オリゴヌクレオチドを洗い落とすステップ;および
6.標的オリゴヌクレオチドからオルトエステルリンカーを切断し、クロマトグラフィーカラムまたはアフィニティーキャプチャー担体から標的オリゴヌクレオチドを溶離し、それによって精製された標的オリゴヌクレオチドを放出させるステップ
を含む。
この方法において、アフィニティータグは、オルトエステルリンカー内の1個もしくは複数の基であってもよく、またはアフィニティータグは、リンカーによりオルトエステルリンカーに結合されている。
これらの方法のいずれかにおいて、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが固体担体から切断される前または後に、第2の反応が実施される。
これらの方法のいずれかにおいて、オルトエステルリンカーは、標的オリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルに結合されていてもよく、またはオルトエステルリンカーは、標的オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルに結合されている。
本開示において提供される方法のいずれかにおいて、アフィニティータグは、フルオラスタグ、疎水性タグ、ビオチンタグ、グルタチオンタグ、マルトースタグ、アリールボロン酸タグ、ポリヒスチジンペプチドタグ、ポリスルフヒドリルタグ、シクロデキストリンタグ、アダマンタンタグ、ポリアミンタグ、マレイミドタグ、アルキンタグ、アジドタグ、ヒドラジドタグ、アミノタグ、ジオールタグ、チオールタグまたはそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を含み得る。
本方法は、オリゴリボヌクレオチド(RNA)を含む標的オリゴヌクレオチドにより実施することができる。このRNAは、チオノカルバメート(TC)保護基、ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)保護基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)保護基、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)保護基、ピバロイルオキシメチル(PivOM)保護基および2−シアノエトキシメチル(CEM)保護基から選択される2’−ヒドロキシル保護基を含み得る。RNAは、リン保護基、核酸塩基保護基またはそれらの組合せをさらに含み得る。RNAにおいて、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させる前に、リン保護基が脱保護されてもよい。RNAにおいて、標的オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させた後に、核酸塩基保護基および任意選択的にリン保護基が脱保護されてもよい。これらの方法において、固体担体からのオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートの切断、ならびに核酸塩基保護基および任意選択的にリン保護基の脱保護が、単一の反応で実施されてもよい。このRNAは、少なくとも70個のヌクレオチドを含み得る。
本開示において提供される精製方法のいずれかにおいて、オルトエステルリンカーは、式(Ia):
(式中、R、R’、R’’およびR’’’のそれぞれは、独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物であり、ただし、Rは水素であってもよい)
の化合物であってもよい。
式(Ia)の化合物において、Rは、HまたはC〜Cアルキルであってもよく、R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立してアリールまたは置換アリールであってもよい。式(Ia)の化合物において、Rは、HまたはCHであってもよく、R’、R’’、R’’’は、フェニルまたは置換フェニルであってもよい。式(Ia)の化合物において、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも1つは、疎水性タグ、部分的疎水性タグ、フルオラスタグまたは部分的フルオラスタグであってもよい。
本開示において提供される精製方法のいずれかにおいて、オルトエステルリンカーは、式(Ib):
(式中、AfTgはアフィニティータグであり、R、R’、R’’は、それぞれ独立してAfTg−LもしくはC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;
Lは、共有結合であるか、またはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子、またはS−S、NR、NR−CO、−CO−NR−、NR−CO−NR、CO(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖である)
の化合物であってもよい。
本開示において提供される精製方法のいずれかにおいて、オルトエステルリンカーは、式(I)
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルもしくは任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;RおよびRはHであり;Xは、H、メチルまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
の化合物であってもよい。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物中のR、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロ置換カルボシクリル、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルである。
本開示において提供される精製方法において、アフィニティータグは、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグであってもよい。本開示による精製方法において、アフィニティータグは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換カルボシクリルであってもよい。
いくつかの実施形態において、精製方法は、以下のオルトエステルリンカーにより実施される:
さらなる態様において、本開示は、オリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートであって、前記オリゴヌクレオチドは、その5’末端または3’末端に、式(IV)
(式中、波線と結ばれた酸素は、オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端の酸素であり;
、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12アリールアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
の部分を含み、ただし、前記部分が、
ではない、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを提供する。
式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートには、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換アリール、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルである化合物が含まれる。さらなる実施形態において、式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートには、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つがフルオラスタグであり、Rを含む残りのR基がHである化合物が含まれる。さらなる実施形態において、式(IV)のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートには、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも2つがフルオラスタグである化合物が含まれる。
式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートには、n=0であり、アフィニティータグが、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグである化合物が含まれる。
いくつかの実施形態において、式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート内のオリゴヌクレオチドはオリゴリボ核酸(RNA)を含む。
オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのいくつかの実施形態において、式(IV)の部分は、
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Zは、それぞれ独立してCR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;nは、0、1または2である)
からなる群から選択される。
式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのいくつかの実施形態において、部分は、
(式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、マレイミド、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
である。
式(IV)の部分を有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのいくつかの実施形態において、前記部分は、
からなる群から選択される。
本開示のさらなる態様は、式(Id)
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの任意の組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物であり、ただし、R基〜R基のうちの2つのR基は、
に示される環状オルトエステルと共に縮合環を形成せず、
Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換(halosubsituted)メチルであり;nは、0または1であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
のオルトエステルリンカーに関する。
式(Id)のオルトエステルリンカーは、
(式中、R11は、H、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、CR、O、S、NR、NRCO、CONRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1であり、R11はアフィニティータグを含む)
の構造を有してもよい。
式(Id)のオルトエステルリンカーは、構造:
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、HまたはCHである。Zは、それぞれ独立してCR、O、S、NRCO、CONRまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1である)
を有してもよい。
式(Id)のオルトエステルリンカーのいずれかは、アフィニティータグが、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグであるアフィニティータグを有してもよい。
式(Id)のオルトエステルリンカーのいくつかには、nが0であり、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも2つが、それぞれ独立してC〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルまたは任意の置換等価物であり、R、R、R、R、RおよびRのうちのすべての残りのR基がHであり、ただし、Hではない2つのR基は、互いに結合して環状オルトエステルと共に縮合環を形成しない化合物が含まれる。式(Id)のオルトエステルリンカーのいくつかには、R、R、R、R、RまたはRのうちの1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換アリールである化合物が含まれる。
本開示のさらなる態様は、構造:
(式中、Zは、CH、O、S、NRまたはNRCO(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルである)であり;Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Xは、H、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノであり;mは、0〜12の整数であり;nは、1または2である)
を有するフルオラスオルトエステルリンカーを含む。
本開示のさらなる態様は、
から選択される構造を有するオルトエステルリンカーを含む。
本開示のさらなる態様は、式(IIIa):
(式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;Xは、H、CH、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノであり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
のオルトエステルリンカーを含む。
式(IIIa)のオルトエステルリンカーは、以下の化合物:
であってもよい。
本方法および本化合物のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
固体担体上でのオリゴヌクレオチドの典型的な化学合成を示す図である。 全長配列および複数の失敗配列を含む粗オリゴヌクレオチド混合物のダイオードアレイ検出器(DAD)スペクトルを示す図であり、図中、全長配列が最大ピークである。 オリゴヌクレオチドの典型的な化学合成を示す図であり、ここで、全長オリゴヌクレオチドがその5’末端上にジメトキシトリチル(DMT)保護基を持つ間、短縮化配列または失敗配列の5’ヒドロキシルがアセチル保護基でキャッピングされ、全長オリゴヌクレオチドの5’位におけるDMT基の特異的除去およびオルトエステルリンカーの領域特異的な付加が可能になった。 5’−3’および5’−2’結合されたRNA生成物の混合物を生じるRNAのヌクレオチド間結合の酸切断およびヌクレオチド間結合の異性化を示す図である。 非環状オルトエステルリンカーによるオリゴヌクレオチドの保護を示す図であり、ここで、アフィニティータグは、オルトエステルの中心炭素に結合されたR基上に位置し、またはオルトエステルのすべてのR基上に位置し、2つのアフィニティータグを有するオルトエステルコンジュゲートオリゴヌクレオチドを与える。 環状オルトエステルによるオリゴヌクレオチドの保護およびオルトエステル保護基の酸促進切断を示す図である。 フルオラスアフィニティータグを含むオルトエステルリンカーを使用する、オリゴヌクレオチドの精製ワークフローを示す図である。このワークフローは4ステッププロセスを示し、ここで、オリゴヌクレオチドがまず、フルオロ置換オルトエステルリンカーとコンジュゲートし、次いで、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分が脱保護され、固体担体から切断され、次いで、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが、フルオラスアフィニティータグを使用して、HPLCまたは固相抽出カラムのいずれかにより精製される。最後のステップにおいて、フルオロ置換オルトエステルリンカーがオリゴヌクレオチドから切断され、所望の精製生成物オリゴヌクレオチドを与える。 オリゴヌクレオチドの精製のためにオルトエステル保護基およびクロマトグラフ分離を使用する精製戦略を示す図である。
定義される専門用語
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定するためのものではないと理解されるべきである。定義される用語は、本教示の技術分野において一般に理解され、かつ受け入れられている定義される用語の技術的意味および科学的意味を補うものである。
アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環などに関して、「置換等価物」、例えば、「置換アルキル」、「置換ヘテロアルキル」、「置換アルケニル」、「置換ヘテロアルケニル」、「置換アルキニル」、「置換ヘテロアルキニル」、「置換アリール」、「置換ヘテロアリール」および「置換複素環」と呼ばれる「置換」という用語は、1個または複数の水素原子がそれぞれ独立して非水素置換基で置き換えられているアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環をそれぞれ意味する。典型的な置換基には、これらに限定されないが、−X、−R、−O−、=O、−OR、−SR、−S−、−NR、−N、=NR、−CX、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO、=N、−N、−NHC(=O)R、−NHS(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NRR−S(=O)O−、−S(=O)OH、−S(=O)R、−OS(=O)OR、−S(=O)NR、−S(=O)R、−OP(=O)(OR)、−P(=O)(OR)、−P(=O)(O−)、−P(=O)(OH)、−P(O)(OR)(O−)、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O−、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(=NR)NRR(ここで、各Xは、独立してハロゲン:F、Cl、BrまたはIであり;各Rは、独立してH、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環または保護基である)が含まれる。アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基も同様に置換されていてもよい。炭素原子の数が置換基に対して指定されているとき、炭素原子の数は、(特に記載のない限り)置換基ではなく、基について言及している。例えば、C1−4置換アルキルは、例えば4個を超える炭素原子を有する基で置換され得るC1−4アルキルを指す。
本明細書において使用される「アフィニティー対」という用語は、抗原と抗体との間、酵素と基質との間、または受容体とリガンドとの間または疎水性化合物と疎水性樹脂との間のものなどのような強くかつ/もしくは特異的な生物学的または化学的親和性相互作用を介して互いに会合する一対の分子または物質を指す。不溶性担体に共有結合された、またはゲル内に固定されたこれらの物質のいずれかが、比較的純粋でないサンプルから相互作用する物質の単離を可能にする吸着剤として機能し得る。物質を分離、単離または精製するために不溶性担体またはゲルの使用と共にアフィニティー対のこの種類の会合性相互作用を使用する技法は、アフィニティーキャプチャーと呼ばれる。この技法は通常、不溶性担体に結合されているアフィニティー対の他のメンバーとの会合性相互作用を介して所望のアフィニティータグ付き生体分子を不溶性担体上またはゲル上に保持し、不純物、または液相中でタグ付けされていない望まれない副生成物を溶離することを意味する。不溶性材料の濾過および濾液からの分離と、その後の不溶性担体からの所望の精製生体分子の溶離または切断によりアフィニティーキャプチャーが実施されてもよく、アフィニティー対の非限定的な例には、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、グルタチオン/GST、マルトース/MBP(マルトース結合タンパク質)、ジオール/アリールボロン酸、ニッケルまたはコバルト/ヒスチジンまたはチオール、ククルビツリル/アダマンタン、シクロデキストリン/アダマンタン、フルオロアルキル/フルオロアルキルおよびトリチル/C18樹脂が含まれる。
本明細書において使用される「アフィニティータグ」という用語は、固有特性を利用したアフィニティータグに結合された標的分子(例えば、オリゴヌクレオチド)の単離または分離を可能にする固有特性(例えば疎水性、親水性、極性、電荷、親フッ素性など)を有するアフィニティー対の一メンバーまたは部分を指してもよい。アフィニティー対は、アフィニティータグおよびアフィニティータグとの特異的結合能を有する認識部分を含む。アフィニティータグは、標的分子内に(例えば、置換基として)存在してもよく、またはリンカー(例えば、オルトエステルリンカー)を介して標的分子に結合されていてもよい。アフィニティータグはまた、固体担体上に共有結合的に捕捉されていてもよい。アフィニティータグの非限定的な例には、フルオラスアフィニティータグ、疎水性タグ、ビオチンタグ、シクロデキストリンタグ、アダマンタンタグ、マルトースまたはポリアミンタグ、荷電タグなどが含まれる。アフィニティータグはまた、任意選択的に保護された化学官能基であってもよく、これは、新たに結合された標的分子の単離または分離を可能にする固有特性(例えば疎水性、親水性、極性、電荷、親フッ素性など)を与える分子上の1つの特定の化学官能基と選択的に反応し、またはこれは、固相またはアフィニティーキャプチャー媒体に結合された1つの特定の化学官能基と選択的に反応する。官能性化学タグの非限定的な例には、マレイミドタグ、アルキンタグ、アジドタグ、ヒドラジドタグ、アミノタグ、ジオールタグおよびチオールタグが含まれる。
本明細書において使用される「認識部分」という用語は、アフィニティー対の第2のメンバーを指し、これは、アフィニティータグと特異的に相互作用する。
本明細書において使用される「疎水性タグ」という用語は、疎水性置換基または炭素に富む疎水性置換基の組合せを指す。置換基の疎水性は、その分配係数(logP)の値により決定、測定または計算することができる。物質の分配係数(logP)は、2種類の混和しない溶媒におけるその溶解度の比、通常はオクタノール:水を定義する。この値が測定されるのではなく、計算されるとき、これはcLogPと呼ばれる。疎水性タグは、少なくとも3のcLogPを有し、または2つ、3つもしくは4つの「部分的疎水性タグ」の組合せは、少なくとも3のcLogPの総合的な値を有する。疎水性タグの非限定的な例には、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、炭素環およびアリール、トリチル、脂質、ステロイド、アダマンタンが含まれる。疎水性タグの疎水性を高めるためにフルオロ置換基またはフルオロで置換された基を使用することができる。疎水性タグは、少なくとも6個の炭素原子を含む。疎水性タグを含むオルトエステルリンカーは、その4個のR基のうちの1つの上にそれぞれ位置する1つ、2つ、3つまたは4つの疎水性タグを有するオルトエステルリンカーを含む。疎水性オルトエステルリンカーはまた、「部分的疎水性タグ」を有する(すなわち、それぞれ6個未満の炭素を有する)オルトエステルリンカーを含むが、互いに組み合わせられたときは少なくとも6個の炭素を含む。
本明細書において使用される「フルオラスタグ」という用語は、過フッ素化(perlfluorinated)置換基もしくはフッ素化置換基または過フッ素化置換基もしくはフッ素化置換基の組合せ、例えばフルオロ置換C〜C24アルキル、フルオロ置換C〜C24アルケニル、フルオロ置換C〜C24アルキニル、フルオロ置換カルボシクリルおよびフルオロ置換アリールを指す。フルオラスタグは、少なくとも7個のフッ素原子および3個の炭素原子を含む。フルオラスタグを含むオルトエステルリンカーは、その4個のR基のうちの1つの上にそれぞれ位置する1つ、2つ、3つまたは4つのフルオラスタグを有するオルトエステルリンカーを含む。フルオラスオルトエステルリンカーはまた、「部分的フルオラスタグ」を有する、すなわち、7個未満のフルオラス原子および3個未満の炭素を有するオルトエステルリンカーを含むが、これは、互いに組み合わせられたときは少なくとも7個のフッ素原子および少なくとも3個の炭素を含み、すべて一緒に組み合わせられたとき52個のフッ素原子を超えない。「フルオラスタグ」は、「疎水性タグ」として働くことができて、フルオラス媒体ではなく疎水性媒体を使用して単離することができる。
「クロマトグラフ法」という用語は、固定相および移動相または固定相を通過もしくは横断する溶離液の使用を含む、1つまたは複数の化合物を分離する方法を指す。クロマトグラフ法の非限定的な例には、フルオラスアフィニティー精製、高性能液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーが含まれる。
「フルオラスアフィニティー精製」という用語は、フッ素化材料(例えば、フッ素化もしくは過フッ素化吸着材またはフッ素化もしくは過フッ素化樹脂)を分離媒体として利用して、フルオラスアフィニティータグを有する標的分子を精製するための、親和性に基づく方法を指す。この方法は、フルオラスタグと、フッ素化材料、例えばフッ素化吸着材との間の強い親和性に基づいている。
「アルキル」という用語は、好ましくは1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個または24個の炭素を有する、直鎖または分岐鎖のアルキルを指す。そのようなアルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。いくつかの実施形態において、アルキル基はシクロアルキル基であってもよい。
アルキル基は、上で定義した通り、非置換であっても、置換されていてもよい。「ハロ置換アルキル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。非限定的な例には、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、クロロメチルなどが含まれる。ハロ置換アルキル基は、上で定義した通り、非置換であっても、置換されていてもよい。「フルオロ置換アルキル」という用語は、1個または複数のフッ素原子で置換されたアルキル基を指す。
「アルケニル」という用語は、好ましくは2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個または24個の炭素を有し、1個または複数の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素を指す。アルケニル基の非限定的な例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、iso−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニルおよび2−ブテニルが含まれる。アルケニル基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。「ハロ置換アルケニル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルケニル基を指す。「フルオロ置換アルケニル」という用語は、1個または複数のフッ素原子で置換されたアルケニル基を指す。
「アルキニル」という用語は、好ましくは2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個または24個の炭素を有し、1個または複数の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素を指す。アルキニル基には、これらに限定されないが、エチニル、プロピニルおよびブチニルが含まれる。アルキニル基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。「ハロ置換アルキニル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルキニル基を指す。「フルオロ置換アルキニル」という用語は、1個または複数のフッ素原子で置換されたアルキニル基を指す。
「炭素環」または「カルボシクリル」は、飽和(すなわち、シクロアルキル)、部分不飽和(例えば、シクロアルケニル(cycloakenyl)、シクロアルカジエニルなど)または単環として3個〜7個の炭素原子を、二環として7個〜12個の炭素原子を、多環として最大約20個の炭素原子を有する芳香族環を指す。単環式炭素環は、3個〜6個の環原子を、さらにより典型的には5個または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]もしくは[6,6]系として配列された7個〜12個の環原子を、あるいはビシクロ[5,6]もしくは[6,6]系またはスピロ縮合環として配列された9個もしくは10個の環原子を有する。単環式炭素環の非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニルおよびフェニルが含まれる。ビシクロ炭素環の非限定的な例にはナフチルが含まれる。
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、1個または複数の炭素原子がヘテロ原子、例えばO、NまたはSで置き換えられたアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基をそれぞれ指す。アルキル基内、アルケニル基内またはアルキニル基内の任意の炭素をヘテロ原子(O、NまたはS)で独立して置き換えることができて、これは、第1の炭素、末端炭素または内部炭素を意味する。例えば、親分子に結合されているアルキル基の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、−OCHなど)、アミンアルキル(例えば、−NHCH、−N(CHなど)またはチオアルキル基(例えば、−SCH)である。親分子に結合されていないアルキル基の非末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、−CHCH−O−CHなど)、アルキルアミン(例えば、−CHNHCH、−CHN(CHなど)またはチオアルキルエーテル(例えば、−CH−S−CH)である。アルキル基の末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、ヒドロキシアルキル基(例えば、−CHCH−OH)、アミノアルキル基(例えば、−CHNH)またはアルキルチオール基(例えば、−CHCH−SH)である。ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基またはヘテロアルキニル基は、例えば、1個〜24個の炭素原子を有することができる。C〜Cヘテロアルキル基は、1個〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキル基を意味する。「置換ヘテロアルキル」、「置換ヘテロアルケニル」または「置換ヘテロアルキニル」は、「置換」の定義において定義した通り1個または複数の水素原子が非水素置換基で置き換えられた、本明細書において定義されたヘテロアルキル、ヘテロアルケニルまたはヘテロアルキニルを意味する。
「アリール」という用語は、当技術分野において一般に理解されるように、単環として3個〜7個の炭素原子を、二環として7個〜12個の炭素原子を、多環として最大約20個の炭素原子を有する非置換または置換芳香族炭素環式置換基、例えばフェニル、ナフチル、アントラシル、インダニルなどを指す。アリールという用語は、ヒュッケル則にしたがって、平面状で4n+2個の電子を含む環状置換基に適用されるものと理解される。アリール基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。「ハロ置換アリール」という用語は、1個もしくは複数のハロゲン原子またはハロゲン含有置換基で置換されたアリールを指す。「フルオロ置換アリール」という用語は、1個もしくは複数のフッ素原子またはフッ素含有置換基で置換されたアリールを指す。
「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端炭素原子に結合された水素原子のうちの1つがアリール基で置き換えられた非環状アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基には、これらに限定されないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが含まれる。アリールアルキル基は、6個〜24個の炭素原子を含み得、例えば、アルキル炭素原子およびアリール炭素原子は合計で6個〜24個の炭素原子になり得る。アリール基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。
「カルボニル」という用語は、酸素に二重結合された炭素を含む置換基を指す。そのような置換基の例には、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、カーボネートおよびカルバメートが含まれる。カルボニル基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。
「アミノ」という用語は、任意の窒素含有部分を指す。アミノ基の非限定的な例は、NH−(一級)、RHN−(二級)およびRN(三級)(ここで、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環式またはヘテロアリールである)である。RHN−基およびRN基は、上で定義した通り、非置換であっても、置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、単環式もしくは二環式の5員環系または6員環系を指し、ここで、ヘテロアリール基は不飽和であり、ヒュッケル則を満たす。ヘテロアリール基の非限定的な例には、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリニル、キナゾリニルなどが含まれる。ヘテロアリール基は、上で定義した通り、非置換であっても、置換されていてもよい。
「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、O、NおよびSから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む単環式部分、二環式部分または三環式部分を指す。ヘテロシクリル基は任意選択的に、1個または複数の二重結合を含む。ヘテロシクリル基には、これらに限定されないが、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニルおよびベンゾオキサジニルが含まれる。単環式の飽和または部分飽和の環系の非限定的な例は、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、チオモルホリン−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テトラヒドロチアジアジン−イル、モルホリン−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イルおよび1,2,5−オキサチアジン−4−イルである。複素環式基は、上で定義した通り、非置換であっても、1個または複数の適した置換基で置換されていてもよい。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
「ヌクレオチド」は、リン酸基、糖基および複素環式塩基を含む核酸(DNAもしくはRNAまたはそれらのアナログかを問わない)のサブユニット、ならびにそのようなサブユニットのアナログを指す。他の基(例えば、保護基)がヌクレオチドの(1つまたは複数の)任意の成分に結合され得る。「ヌクレオシド」または「ヌクレオシド部分」は、糖基および複素環式塩基を含む核酸サブユニット、ならびにそのようなサブユニットのアナログを指す。
「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語は、既知のプリン塩基およびピリミジン塩基、例えば、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)またはウラシル(U)だけでなく、修飾された他の複素環式塩基も含む部分を含むことが意図される。ピリミジン、プリン、複素環式塩基および修飾複素環式塩基は、本明細書において「核酸塩基」と呼ばれる。そのような修飾には、メチル化プリン類もしくはピリミジン類、アシル化プリン類もしくはピリミジン類、アルキル化複素環または他の複素環が含まれる。そのような修飾には、例として、ジアミノプリンおよびその誘導体、イノシンおよびその誘導体、アルキル化プリン類もしくはピリミジン類、アシル化プリン類もしくはピリミジン類、チオール化プリン類もしくはピリミジン類などが含まれ、または保護基、例えばアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、イソブチリル、ベンゾイル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、フェノキシアセチル、ジメチルホルムアミジン、ジブチルホルムアミジン、N,N−ジフェニルカルバメートなどの付加が含まれる。加えて、「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語には、従来のリボース糖およびデオキシリボース糖だけでなく、他の糖も含む部分が含まれる。修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドはまた、糖部分に対する修飾、例えば、ヒドロキシル基のうちの1つもしくは複数がハロゲン原子もしくは脂肪族基で置き換えられる、またはエーテル、アミンなどとして官能化される修飾を含む。修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドはまた、ヌクレオチド間結合または主鎖部分に対する修飾を含む。「アナログ」は、模倣体、誘導体であるとして、類似の構造を有するとして、または他の同様の用語として文献において認識されている構造的特徴を有する分子を指し、例えば、非天然の(通常、天然に存在しない)ヌクレオチド、2’−修飾ヌクレオシドなどの非天然のヌクレオチド模倣体を取り込んでいるポリヌクレオチド、ペプチド核酸、オリゴマーヌクレオシドホスホネート、および保護基または結合基などの置換基が付加された任意のポリヌクレオチドが含まれる。
「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチド間結合により結合されている複数のヌクレオシド部分サブユニットを含む化合物を指す。したがって、この用語は、複数のヌクレオチド部分サブユニットまたは残基を含む化合物も指す。オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシドもしくはデオキシリボヌクレオシドまたはそれらの混合物を含み得る。オリゴヌクレオチドは、天然および/または非天然のヌクレオシド、ヌクレオシドアナログおよび修飾ヌクレオシドを含み得る。
本明細書において使用される「リンカー」という用語は、任意選択的に置換基で置換された、または他の原子が散在する、−(CHR’)a−Wb−(CHR’)c−Vd−(CHR’)e−(式中、WおよびVは、独立して−O−、−S−または−NR’−であり;R’は、Hまたは(C〜C)アルキルであり;a、b、c、dおよびeは、独立して0〜10、好ましくは0〜6、または好ましくは0〜3の整数であり、a、b、c、dおよびeの合計は、好ましくは2〜6の整数である)により表されるヒドロカルビル鎖(例えば、(C〜C12)アルキレン、(C〜C12)アルケニレン、(C〜C12)アルキニレン)を指す。ヒドロカルビル鎖は、−O−R’’、−O−CO−R’’、−NR’−R’’、−NR’−CO−R’’、−CO−NR’−R’’、−CO−R’’またはそれらの組合せ(式中、R’およびR’’は、独立してHまたは(C〜C)ヒドロカルビルである)が散在していてもよい。
「オルトエステルリンカー」という用語は、オリゴヌクレオチドなどの生体高分子に結合することができるオルトエステル化合物を指す。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーはアフィニティータグを含む。
「オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート」という用語は、オルトエステルリンカーとのオリゴヌクレオチド酸素の反応から生じる生成物を指す。
「フルオラスオルトエステル」という用語は、少なくとも1つのフルオラスタグを含むオルトエステルを指す。
「チオノカルバメート保護基」は、窒素を有するチオノカルボニルおよびチオノカルボニル炭素原子に結合された酸素を含む保護基:−O−C(S)N−を指す。
「電子吸引基」という用語は、反応中心から電子を引き離す化学基を指す。電子吸引基(EWG)の非限定的な例は、ハロゲン基(例えば、フッ素および塩素)、ハロアルキル基(例えば、CHCl、CFなど)、ニトリル基(−RCN)、カルボニル基(−COR)、スルホニル基(−SOR)、アンモニウム基(N)およびニトロ基(−NO)である。
「短縮化配列」または「短縮化オリゴヌクレオチド」という用語は、標的全長オリゴヌクレオチドより長さが短いオリゴヌクレオチド配列を指す。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、さらに、それらの通常の意味に加えて、「実質的な」または「実質的に」という用語は、当業者にとって許容される限度内または程度を意味する。例えば、「実質的に相殺される(substantially cancelled)」は、相殺が許容されると当業者がみなすことを意味する。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、さらに、その通常の意味に加えて、「およそ」および「約」という用語は、当業者にとって許容される限度内または量を意味する。「約」という用語は一般に、示した数値の±15%を指す。例えば、「約10」は、8.5〜11.5の範囲を示し得る。例えば、「およそ同じ」は、比較されている項目が同じであると当業者がみなすことを意味する。
本開示において、数値範囲は、範囲を定める数値を含む。化学構造および化学式は、例示目的で伸長または拡大されている場合があることが認識されるべきである。
構造中の原子の数の範囲が示される場合(例えば、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニルなど)は常に、部分範囲内の炭素原子のいずれかによって、または示した範囲内に入る炭素原子の任意の個々の数によって置換基が記述されることが具体的に企図される。例として、1個〜24個の炭素原子(例えば、C〜C24)、1個〜6個の炭素原子(例えば、C〜C)、1個〜4個の炭素原子(例えば、C〜C)、1個〜3個の炭素原子(例えば、C〜C)または2個〜24個の炭素原子(例えば、C〜C24)の範囲の記述を使用したアルキル基などの基の記載は、適宜、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個および24個の炭素原子のいずれか、ならびにそれらの任意の部分範囲(例えば、適宜、1個〜2個の炭素原子、1個〜3個の炭素原子、1個〜4個の炭素原子、1個〜5個の炭素原子、1個〜6個の炭素原子、1個〜7個の炭素原子、1個〜8個の炭素原子、1個〜9個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、1個〜11個の炭素原子、1個〜12個の炭素原子、1個〜13個の炭素原子、1個〜14個の炭素原子、1個〜15個の炭素原子、1個〜24個の炭素原子、2個〜3個の炭素原子、2個〜4個の炭素原子、2個〜5個の炭素原子、2個〜6個の炭素原子、2個〜7個の炭素原子、2個〜8個の炭素原子、2個〜9個の炭素原子、2個〜10個の炭素原子、2個〜11個の炭素原子、2個〜12個の炭素原子、2個〜13個の炭素原子、2個〜14個の炭素原子、2個〜15個の炭素原子、2個〜16個の炭素原子、3個〜4個の炭素原子、3個〜5個の炭素原子、3個〜6個の炭素原子、3個〜7個の炭素原子、3個〜8個の炭素原子、3個〜9個の炭素原子、3個〜10個の炭素原子、3個〜11個の炭素原子、3個〜12個の炭素原子、3個〜13個の炭素原子、3個〜14個の炭素原子、3個〜15個の炭素原子、3個〜16個の炭素原子、3個〜17個の炭素原子、3個〜18個の炭素原子、3個〜19個の炭素原子、3個〜20個の炭素原子、3個〜21個の炭素原子、3個〜22個の炭素原子、3個〜23個の炭素原子および/または3個〜24個の炭素原子)を有するアルキル基を包含し、それらを具体的に記載する。
他に定義されていない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する当業者に一般に理解されるような同じ意味を有する。
様々な実施形態を説明する前に、本開示の教示は、記載されている特定の実施形態に限定されず、したがって、もちろん変化し得ると理解されるべきである。また、本教示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定するためのものではないと理解されるべきである。
本明細書に開示されている通り、値の範囲がいくつかが記載されている。その範囲の上限と下限との間に挟まれたそれぞれの値は、文脈により特に明確に定められていない限り、下限の単位の10分の1まで同じく具体的に開示されているものと理解される。記載の範囲内の任意の記載の値または挟まれた値と、その記載の範囲内のその他の任意の記載の値または挟まれた値との間のさらに狭い範囲それぞれは、本発明に包含される。これらのさらに狭い範囲の上限および下限が範囲内に独立して含まれても入らなくてもよく、記載の範囲内で何らかの具体的に除外された限定を受けるさらに狭い範囲内に上下限のいずれかが含まれる、いずれも含まれない、または両方が含まれる各範囲も本発明に包含される。記載の範囲が上下限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる上下限のいずれかまたは両方を除く範囲も本発明に含まれる。
他に定義されていない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する当業者に一般に理解されるような同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料も本教示の実施または試験において使用することができるが、いくつかの例示的な方法および材料をここで説明する。
本明細書において言及されるすべての特許および特許公報は、参照により明示的に組み込まれる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、文脈により特に明確に定められていない限り、単数および複数両方の指示対象を含む。したがって、例えば、「部分(a moiety)」は、1つの部分および複数の部分を含む。
RNA、DNAまたはキメラなどのオリゴヌクレオチドを精製するために使用することができる方法および化合物が提供される。本方法は、オルトエステルリンカーとのオリゴヌクレオチドのコンジュゲーション、および例えば、クロマトグラフ分離またはアフィニティーキャプチャーを使用した、得られたオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートの精製を含む。本方法および本化合物は、短縮化配列または失敗配列から全長オリゴヌクレオチドを分離するのに特に有用である。本方法は、同様のサイズのオリゴヌクレオチドの高分割を提供し、望まれない副生成物からのオリゴヌクレオチドの迅速な分離が可能になる。本方法の別の利点は、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが塩基に安定であり、オリゴヌクレオチドからオルトエステルが切断するリスクなしに塩基性条件下でオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートの合成操作が可能になることである。分離媒体(ゲルまたは樹脂)上でオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのアフィニティー精製を実施した後、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを弱酸性条件下で切断し、精製オリゴヌクレオチドを高収率で放出させることができる。本方法は、固相オリゴヌクレオチド合成において調製されたオリゴヌクレオチドを含む、様々な合成法により調製されたオリゴヌクレオチドを精製するのに有効である。
精製されるオリゴヌクレオチドは、天然物から得られても、合成法を使用して調製されてもよい。合成オリゴヌクレオチドは、当技術分野において既知の任意の方法を使用して調製されてもよい。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、固相オリゴヌクレオチド合成を介して調製される。そのような実施形態において、合成は、固体担体上で行われる。固体担体は一般に、試薬および溶媒の自由な通過を可能にするカラム内の2つのフィルター間に保持される。
いくつかの実施形態において、合成は、平面状の表面上で行われる。いくつかの実施形態において、合成は、非平面状の表面上で行われる。そのような実施形態において、合成は、実質的に固体の実質的に滑らかな表面上で行われる。表面に関して本明細書において使用される「実質的に固体の」という用語は、オリゴヌクレオチド合成が起こる担体の表面上の(1つまたは複数の)部位が、担体の表面を越える、担体の本体内へのオリゴヌクレオチド合成の関連する試薬および化学薬品の拡散、吸収または浸透に対して耐性があることを意味する(そのような拡散および浸透を許し、したがって、担体の本体内でオリゴ合成が起こる市販のポリマーオリゴ合成装置担体とは対照的)。表面に関して本明細書において使用される「実質的に滑らかな」という用語は、オリゴヌクレオチド合成が起こる担体の表面上の(1つまたは複数の)部位がせいぜい表面的に不規則であり、したがって、不規則性が存在したとしても、試薬を表面に均一に適用したり、表面上で混合したり、または表面から除去したりすることができる速さに実質的に影響するような程度ではないことを意味する(試薬の適用および除去を遅くする孔および不規則性を含む市販の「制御された孔ガラス」オリゴ合成装置担体とは対照的に)。実質的に固体の実質的に滑らかな表面は、平坦である必要はなく、例えば、平坦な表面、管、円柱、凹凸の配列およびこれらの要素の組合せ、ならびに上述の属性を有する表面部分を与える他の設計が含まれるであろう。例えば、実質的に固体の実質的に滑らかな表面は、インクジェット印刷ヘッドによって扱うことができる表面(または表面の部分)である。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、制御された孔ガラスなどの固体担体、またはポリマー担体、例えばポリスチレン(PS)担体に結合されている。適した固体担体は、場合によってはポリマー性であり、様々な形態および組成を有することができ、天然に存在する材料、合成的に修飾された天然に存在する材料または合成材料から誘導することができる。適した担体材料の例には、これらに限定されないが、多糖、例えばアガロース(例えば、PharmaciaからSepharose(登録商標)として市販されているもの)およびデキストラン(例えば、同じくPharmaciaからSephadex(登録商標)およびSephacryl(登録商標)という商品名で市販されているもの)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー、シリカ、テフロン、ガラスなどが含まれる。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホルアミダイト法を使用して調製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成法は、5’DMT保護基を有する担体結合されたヌクレオシドを含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成法は、3’−DMT保護基を有する担体結合されたヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成法は、5’シリル保護基を有する担体結合されたヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成法は、酸化除去可能な保護基を有する担体結合されたヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成は、脱トリチル化、ヌクレオシドホスホルアミダイトモノマーとの担体結合されたヌクレオシドのカップリング、未反応の5’ヒドロキシル基のキャッピングおよびホスホルアミダイト酸化のステップを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成は自動化されている。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、本発明の方法を実施する前に脱トリチル化される。
ある実施形態において、本発明は、オリゴヌクレオチドを精製する方法を提供する。この方法は、固体担体上でオリゴヌクレオチドを合成するステップ;オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させて、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを生成するステップであり、オルトエステルリンカーがアフィニティータグを含む、ステップ;合成のために使用された固体担体からオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを切断するステップ;クロマトグラフ法またはアフィニティーキャプチャー法を使用してオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを単離するステップ;およびオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートからオルトエステルリンカーを切断し、それによって精製オリゴヌクレオチドを放出させるステップを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、アフィニティータグおよびアルコキシル脱離基を含むオルトエステルリンカーとオリゴヌクレオチドを反応させるステップを含む。この反応は、オルトエステルリンカーに結合されたオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを生成し、ここで、オルトエステルリンカーは、アフィニティータグに結合されている。アフィニティータグは望ましいことに、1種または複数種の不純物からオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを分離するための精製法において利用することができる構造特性および/または官能基特性を有する。例えば、いくつかの実施形態において、フルオラスアフィニティークロマトグラフィーを使用して、1種または複数種の不純物からオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを分離することができる。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは環状オルトエステルである。いくつかの実施形態において、環状オルトエステルは5員環状オルトエステルである。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは6員環状オルトエステルである。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは7員環状オルトエステルである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーはフルオラスオルトエステルである。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、少なくとも1個のフッ素原子、少なくとも2個のフッ素原子、少なくとも3個のフッ素原子、少なくとも4個のフッ素原子、少なくとも5個のフッ素原子、少なくとも6個のフッ素原子、少なくとも7個のフッ素原子、少なくとも8個のフッ素原子、少なくとも9個のフッ素原子、少なくとも10個のフッ素原子、少なくとも11個のフッ素原子、少なくとも12個のフッ素原子、少なくとも13個のフッ素原子、少なくとも14個のフッ素原子、少なくとも15個のフッ素原子、少なくとも17個のフッ素原子、少なくとも19個のフッ素原子、少なくとも21個のフッ素原子、少なくとも23個のフッ素原子もしくは少なくとも25個のフッ素原子または最大でも52個を超えないフッ素原子を含む。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式RC(OR’)(OR’’)(OR’’’)、
(式中、R、R’、R’’およびR’’’のそれぞれは、独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、ハロ置換アルケニル、ハロ置換アルキニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物である。Rは水素であってもよい)
の化合物(Ia)である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ia)(式中、R、R’、R’’およびR’’’のそれぞれは、独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物であり、ただし、Rは水素であってもよい)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ia)(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立してアリールまたは置換アリールである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはCHであり、R’、R’’、R’’’はすべて、フェニルまたは置換フェニルである。
いくつかの実施形態において、R’、R’’およびR’’’のうちの1つは脱離基であり、電子吸引基「EWG」、例えばトリフルオロアルキル基、ハロゲン(例えば、塩素)基またはシアノエチル基を含み得る。いくつかの実施形態において、R、R’、R’’およびR’’’は、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ia)(式中、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも1つは、疎水性タグまたは部分的疎水性タグであり、Rs基の残りは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも2つは、疎水性タグまたは部分的疎水性タグであり、Rs基の残りは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物である。
オルトエステルリンカーが、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも1つまたは2つが疎水性タグまたは部分的疎水性タグである式(Ia)の化合物である実施形態において、疎水性タグは、F、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子が任意選択的に散在する、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C24炭化水素鎖を指す。単独でまたは合わせて、疎水性タグまたは部分的疎水性タグの合計は、少なくとも3のcLogP値を有する。いくつかの実施形態において、R、R’、R’’およびR’’’の間で共有される炭素原子の総数は50個以下である。いくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rは、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカー化合物(Ia)は、
(式中、SGは、各フェニル基上に独立して存在するもしくは存在しない0個、1個、2個、3個、4個または5個の置換基であり、ハロゲン基、NO基、メチル基およびメトキシ基から独立して選択される)の2種類の構造から選択される。
好ましくは、置換フェニル基のうちの少なくとも2つは同じである。
好ましい実施形態において、SGは、3個のフェニル基上に存在しない。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ia)(式中、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも1つは、フルオラスタグまたは部分的フルオラスタグであり、他のRs基の残りは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物である)の化合物である。
フルオラスタグは、フッ素原子で部分的または完全に(パーフルオロ)置換されている、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されている、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が任意選択的に散在する、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C24炭化水素鎖を指す。フルオラスタグにおいて、R、R’、R’’およびR’’’の間で共有される炭素の総数は少なくとも3個であり、フッ素原子の総数は少なくとも7個である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、化合物(Ia)(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立してC〜C12フルオロアルキルである)である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカー化合物(Ia)は、
の化合物の構造を有する。
式中、nは、1〜5から選択される整数である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、少なくとも1つのアフィニティータグ(AfTg)を含む。いくつかの実施形態において、アフィニティータグ(AfTg)は、上述のオルトエステルリンカーのR基の化学構造の一部または全体であってもよい(例えば、疎水性タグまたはフルオラスタグ)。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグ(AfTg)は、疎水性タグまたはフルオラスタグではなく、例えばビオチンタグ、マルトースタグ、アダマンタンタグまたは化学官能性タグであり、共有結合を介して直接またはリンカーLを介して間接的にオルトエステルリンカーに結合されていてもよい。これらの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ib)
(式中、R、R’、R’’は、それぞれ独立してAfTg−Lであるか、またはO、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子で、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基で任意選択的に置換された、およびそれらが任意選択的に散在する、直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖であり;Lは、共有結合であるか、またはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖である)
の化合物である。
いくつかの実施形態において、Lは、F、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖であり、R、R’およびR’’は、それぞれ独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物である。Rは水素であってもよい。いくつかの実施形態において、R’およびR’’のうちの1つは脱離基であり、電子吸引基EWG、例えばトリフルオロアルキル(例えば、CHCF)基またはシアノエチル基を含み得る。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ib)(式中、AfTgはアフィニティータグであり、R、R’、R’’は、それぞれ独立してAfTg−LまたはC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;Lは、共有結合であるか、またはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が、またはS−S、NR、NR−CO、−CO−NR−、NR−CO−NR、CO(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Ic)(式中、オルトエステルリンカーのR’基、R’’基およびR’’’基のうちの2つは、炭素−炭素結合を介して互いに結合されており、
に示される環状オルトエステルを形成する)の化合物である。
オルトエステルリンカー化合物(Ia)がオリゴヌクレオチドと反応すると、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート(IVa)が得られる。
(式中、R、R’およびR’’のうちの少なくとも1つは、疎水性タグまたはフルオラスタグであり、
R、R’およびR’’は、それぞれ独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、ハロ置換アルケニル、ハロ置換アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物であり;好ましくは、R’および/またはR’’は、疎水性タグまたはフルオラスタグであり、Rは、Hまたはメチルであり;
Xは、H、OH、F、保護されたヒドロキシル、O−メトキシまたはO−MOE(メトキシエトキシ)であり;
Bは、保護された、または保護されていない核酸塩基である)。
オルトエステルリンカー(Ib)がオリゴヌクレオチドと反応すると、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート(IVb)が得られる。
(式中、AfTgはアフィニティータグであり;
Lは、共有結合であるか、またはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖であり;
RおよびR’は、それぞれ独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、ハロ置換アルケニル、ハロ置換アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物であり;
Xは、H、OH、F、保護されたヒドロキシル、O−メトキシまたはO−MOE(メトキシエトキシ)であり、Bは、保護された、または保護されていない核酸塩基である)。
好ましい実施形態において、RはHであり、R’は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物である。
いくつかの実施形態において、アフィニティー精製が、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを単離または精製するために使用される。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、オリゴヌクレオチドの5’−ヒドロキシルと反応し、それによってオリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルに結合する。したがって、いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、オリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルに結合されている。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルと反応し、それによってオリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルに結合する。したがって、いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルに結合されている。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、ヌクレオチド塩基上に存在するヒドロキシル基に結合されている。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドはオリゴリボヌクレオチド(RNA)である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドはオリゴデオキシリボヌクレオチド(DNA)である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも15ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも50ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも70ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも75ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも100ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも125ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも150ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約15ヌクレオチド長〜約500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約40ヌクレオチド長〜約300ヌクレオチド長である。
同じアフィニティー対のアフィニティータグおよび認識部分は、生体分子もしくは生体高分子または不溶性担体に交換可能に結合させることができて、この選択は、コンジュゲーション反応の容易さならびに生体分子からのタグの脱保護および切断に使用される条件の適合性に基づいて行われる。これを考慮して、当業者は、アフィニティー対のどのメンバーを生体分子および固体担体に結合させるか決めることができる。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはフルオラスアフィニティータグである。フルオラスアフィニティータグの非限定的な例には、フッ素化置換基、例えばフルオロ置換アルキル置換基、フルオロ置換ヘテロアルキル置換基、フルオロ置換アルケニル置換基、フルオロ置換アルキニル置換基、フルオロ置換カルボシクリル置換基、フルオロ置換ヘテロシクリル置換基およびフルオロ置換アリール置換基が含まれる。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、フルオラスアフィニティータグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、フルオラスアフィニティータグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、フルオラスアフィニティー精製が、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたフルオラスタグコンジュゲートを単離または精製するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグは疎水性タグである。疎水性アフィニティータグの非限定的な例には、フッ素化基、トリチル、ステロイド、脂質、長いアルキル飽和鎖または不飽和鎖、例えばオクタデシル置換基およびカルボシクリルを含む分子が含まれる。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、疎水性アフィニティータグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、疎水性アフィニティータグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、疎水性アフィニティー精製が、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合された疎水性タグコンジュゲートを単離または精製するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはビオチンタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、ビオチンタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、ビオチンタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、アビジンまたはストレプトアビジンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたビオチンコンジュゲートを捕捉するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはグルタチオンタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、グルタチオンタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、グルタチオンタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(tranferase)(GST)が固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたグルタチオン(gluthathione)コンジュゲートを捕捉するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはマルトースタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、マルトースタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、マルトースタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、マルトース結合タンパク質が固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたマルトースコンジュゲートを捕捉するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはアリールボロン酸タグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、アリールボロン酸タグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、アリールボロン酸タグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、ジオール含有分子が固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたアリールボロン酸コンジュゲートを捕捉するために使用される。いくつかの実施形態において、アフィニティータグはジオール含有化合物であり、アリールボロン酸誘導体は固体担体に結合されている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはポリヒスチジンペプチドタグである。ポリヒスチジンペプチドタグの非限定的な例には、イミダゾリル置換基、例えばイミダゾールおよびヒスチジンが含まれる。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、ポリヒスチジンペプチドタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、ポリヒスチジンペプチドタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)精製が、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたヒスチジンまたはイミダゾリルコンジュゲートを単離または精製するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはポリスルフヒドリルタグである。ポリスルフヒドリルタグの非限定的な例には、システインおよびジチオトレイトールなどの置換基が含まれる。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、ポリスルフヒドリルタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、ポリスルフヒドリルタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)精製が、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたポリスルフヒドリルコンジュゲートを単離または精製するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはマレイミドタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、マレイミドタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、マレイミドタグに直接(R基として)またはリンカーLを介して間接的に結合されており、オリゴヌクレオチドにも結合されている。いくつかの実施形態において、スルフヒドリル含有分子が固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたマレイミドコンジュゲートを捕捉するために使用される。いくつかの実施形態において、アフィニティータグはスルフヒドリル含有化合物であり、マレイミド誘導体は固体担体に結合されている。別の実施形態において、アフィニティータグはスルフヒドリル含有化合物であり、アルファ−ハロカルボニル誘導体は固体担体に結合されている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはアダマンタンタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、アダマンタンタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、アダマンタンに直接またはリンカーLを介して結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、ククルビツリルまたはシクロデキストリンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたアダマンタンコンジュゲートを捕捉するために使用される。他の実施形態において、アフィニティー精製のためにシクロデキストリン化合物またはククルビツリル化合物がオルトエステルリンカーに結合されており、アダマンタンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはアジドタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、アジドタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、リンカーLを介してアジドに結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、アルキンまたはシクロオクチンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたアジドコンジュゲートを捕捉するために使用される。別の実施形態において、アジド部分が、固体担体またはゲルに結合されており、アルキンまたはシクロオクチンが、オルトエステルリンカーに直接または間接的に結合されている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはシクロオクチンタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、シクロオクチンタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、リンカーLを介してシクロオクチンに結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、ニトロンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたシクロオクチンコンジュゲートを捕捉するために使用される。別の実施形態において、シクロオクチン部分が、固体担体またはゲルに結合されており、ニトロン含有化合物が、オルトエステルリンカーに直接または間接的に結合されている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはアルケニルタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、アルケニルタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、リンカーLを介してアルケンに結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、共役ジエンが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、ディールス−アルダー型反応([4+2]環化付加)においてオリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたアルケンコンジュゲートを捕捉するために使用される。別の実施形態において、アルケン含有化合物が、固体担体またはゲルに結合されており、共役ジエンが、オルトエステルリンカーに直接または間接的に結合されている。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグはアミノタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、アミノタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、リンカーLを介してアミンに結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの活性化エステルが固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたアミノコンジュゲートを捕捉するために使用される。
いくつかの実施形態において、アフィニティータグは、ヒドラジドタグまたはオキシアミンタグである。いくつかの実施形態において、オルトエステルは、ヒドラジドタグまたはオキシアミンタグとオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして働く。言い換えれば、オルトエステル(すなわち、オルトエステルリンカー)は、リンカーLを介してヒドラジドまたはオキシアミンに結合されており、オリゴヌクレオチドに結合されている。いくつかの実施形態において、アルデヒドまたはケトン含有化合物が固相に結合されており、またはゲルに埋め込まれており、オリゴヌクレオチド−オルトエステル結合されたヒドラジドまたはオキシアミンコンジュゲートを捕捉するために使用される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドはリン保護基を含み、それによってオリゴヌクレオチドのリン部分はリン保護基に結合されている。いくつかの実施形態において、リン部分は、リン酸、ホスホルアミダイトまたはH−ホスホネート基である。いくつかの実施形態において、リン保護基は、メチル基またはシアノエチル基(例えば、ベータ−シアノエチル基)である。メチル基は、例えば、チオフェノールまたはジナトリウム2−カルバモイル−2−シアノエチレン−1,1−ジチオレートを使用して除去することができる。シアノエチル基は、例えば、非求核性アミンまたはヒンダードアミン、例えばジエチルアミン、t−ブチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)を使用して除去することができる。いくつかの実施形態において、この方法は、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させる前に、オリゴヌクレオチドのリン保護基を脱保護するステップを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させた後に、核酸塩基保護基および任意選択的にリン保護基を脱保護するステップを含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、核酸塩基保護基を含む。オリゴヌクレオチド内の任意の核酸塩基が核酸塩基保護基を含み得る。いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、アセチル、イソブチリル、ベンゾイルなどである。例えば、保護された核酸塩基は、N−ベンゾイル−A、N−イソブチリル−A、N−アセチル−C、N−イソブチリル−CまたはN−イソブチリル−Gであってもよい。いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、オリゴヌクレオチドをポリアミンに接触させることにより除去される。いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、オリゴヌクレオチドを1,2−ジアミノエタンなどのジアミンと接触させることにより除去される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドを1,2−ジアミノエタンに室温で2時間曝露すると、核酸塩基が脱保護される。いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、フェノキシアセチル、t−ブチルフェノキシアセチル、ジメチルホルムアミジン、ジメチルアセトアミジンなどである。いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させる前に除去される。
いくつかの実施形態において、核酸塩基保護基は、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させた後に除去される。
いくつかの実施形態において、固体担体からのオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートの切断、ならびに核酸塩基保護基および任意選択的にリン保護基の脱保護は、同時にかつ/または同じ反応で実施される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2’−ヒドロキシル保護基を含むオリゴリボヌクレオチド(RNA)である。いくつかの実施形態において、2’−ヒドロキシル保護基はチオノカルバメート(TC)保護基である。いくつかの実施形態において、2’−ヒドロキシル保護基は、ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)保護基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)保護基、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)保護基、ピバロイルオキシメチル(PivOM)保護基または2−シアノエトキシメチル(CEM)保護基である。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの合成は、(スクシネートリンカーもしくはUniversal Supportリンカー(例えば、Glen Research UnySupport)、またはUnyLinkerなどの)塩基不安定性リンカーにより固相に結合された3’末端ヌクレオチドを含む固相(例えば、CPG)上で実施される。合成サイクルは、5’−OH保護基(例えば、トリチルまたはDMT)の脱保護、活性化剤(acitvator)の存在下のホスホルアミダイトのカップリング、塩基不安定性保護基(例えば、アセチル保護基)による未反応のヒドロキシル基のキャッピング、亜リン酸トリエステル(phoshitetriester)結合のリン酸トリエステル結合への酸化を含む。
新たに合成されたオリゴヌクレオチド、DNA、RNAまたは修飾オリゴヌクレオチドは、固体担体上で合成される。得られる全長生成物は、デブロッキングステップにおいて最終保護基を除去することにより、アフィニティータグを含むオルトエステルリンカーを結合するために調製される。その保護基は、文献において周知の様々な基であり得、最も典型的にはDMT、ピキシルまたはBZHであり得る。オリゴヌクレオチドの合成は3’から5’方向に起こり得、ここで最終保護基は、得られたオリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルから除去され、またはこの合成は、5’から3’方向に起こり得、ここで最終保護基は、得られたオリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルから除去される。この時点で、新たに合成されたオリゴヌクレオチドからリン保護基を任意選択的に除去することができる。短縮化配列のヒドロキシルは、合成中に例えばアセテート保護基でキャッピングされており、したがってオルトエステルリンカーと反応することができないため、アフィニティータグを含むオルトエステルリンカーは、全長生成物および全長生成物のみのヒドロキシル基と反応する。ヒドロキシル基は、trans−オルトエステル化触媒として弱酸を使用して実施されてもよい最終のデブロッキングステップにおいて遊離された。全長オリゴヌクレオチドとのオルトエステルリンカーのコンジュゲーションは典型的には、高誘電率溶媒(例えば、アセトニトリル、DMF、ジオキサン、THF、炭酸プロピレンなど)中、室温でまたは最高95℃のより高い温度で実施され、酸溶液(無水溶媒、例えばアセトニトリル中の酸)が、約0.001M〜約0.1Mの、好ましくは約0.02Mの濃度で反応物に加えられ(例えば、ペルフルオロヘプタン酸またはヘプタフルオロ酪酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、2−ジクロロプロピオン、2 3−ジクロロプロピオン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、2−(トリフルオロメチル)安息香酸、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナン酸および4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン酸)、反応は、オルトエステルリンカーの反応性に応じて約15分間〜約12時間行われる。
様々な保護基、核酸塩基保護基および存在する場合はTCまたはPivOMなどの塩基不安定性2’−ヒドロキシル保護基を任意選択的に除去するために、おそらくはリンカーを、典型的にはオリゴヌクレオチドを固体担体に結合するスクシネートリンカーまたはunylinkerを切断するために、得られたオルトエステルリンカー−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびタグなし短縮化オリゴヌクレオチドをここで様々な塩基性アミン(アンモニア、水酸化アンモニウム、メチルアミン、エチレンジアミンなど)で処理することができる。
全長オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよびタグなし短縮化配列(粗サンプル)は、固体担体から、バッファー中に、典型的には0.2Mリン酸ナトリウム、0.6M塩化ナトリウム(pH7.4)および10%ジメチルホルムアミド(ローディングバッファー)を含むバッファー中に溶離される。
次いで、遊離された粗オリゴヌクレオチドは、アフィニティー対を利用したクロマトグラフ分離または固相抽出カラム(例えば、カートリッジ)を使用して精製することができる。アフィニティータグに結合された全長オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよびタグなし短縮化配列を含む粗オリゴヌクレオチドサンプルは、ローディングバッファーを使用して、捕捉部分を含む樹脂またはビーズまたはポリマー材料で充填されたカラム上またはカートリッジ上にローディングされる。全長オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートに結合されたアフィニティータグは、樹脂またはビーズに埋め込まれた捕捉部分に−親和性によりまたは共有結合的に−結合し、タグなし短縮化配列が洗浄バッファー、通常0.01Mリン酸ナトリウムバッファー(pH=7.4)を使用してカラムまたはカートリッジから溶出される間、樹脂上またはビーズ上に保持される。
次いで、カラムまたはカートリッジに弱酸溶液(切断バッファー)、例えば3.0M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)を加え、これを室温で30分間〜3時間そのままにすることによって、オルトエステルリンカーを全長オリゴヌクレオチドコンジュゲートから切断することができる。オリゴヌクレオチドを合成するために、ACE、CEM、TBDMSもしくはTOMまたはその他などの非塩基不安定性2’−ヒドロキシル保護基を有するモノマーが使用された場合−それらの非塩基不安定性2’−ヒドロキシル保護基(例えば、TBDMS、TOMまたはCEM)の脱保護は、全長オリゴヌクレオチドからのオルトエステルリンカーの切断の前(アフィニティーキャプチャー材料が化学的脱保護処理に対して耐性がある場合)または後にフッ化物イオンにより実施することができる。あるいは、ACEなどの酸不安定性2’−ヒドロキシル保護基が使用される場合、これらの基の脱保護は、全長オリゴヌクレオチドからのオルトエステルリンカーの切断中に行うことができる。オルトエステルリンカーの切断後、次いで、溶離液のpHが約7に戻るまで洗浄バッファーを使用して、切断バッファーがカラムから除去される。吸着された精製全長オリゴヌクレオチドは、DNase/RNaseを含まない水中の10%アセトニトリルを使用して、樹脂またはビーズから溶離される。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーのコンジュゲーションは、酸の存在下、合成カラム上で実施される。オルトエステル−オリゴヌクレオチドのコンジュゲーションに続いて、合成固相(例えば、CPG)からのオリゴヌクレオチド−オルトエステルコンジュゲートの切断ならびに様々なオリゴヌクレオチド保護基(RNAが合成されるとき、リン保護基、核酸塩基保護基および2’O−ヒドロキシル保護基)の脱保護が実施される。
オリゴヌクレオチド(すなわち、モノマー組成物)を合成するために使用される化学に応じて、保護基の脱保護は、塩基または塩基性試薬(例えば、1,2−ジアミノエタン、アンモニア、水酸化アンモニウムなど)を室温でまたはより高い温度で使用して実施される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの合成は、切断可能な非塩基不安定性リンカー(例えば、光切断可能なリンカー)により結合された3’末端ヌクレオチドを含む固相上で達成される。この実施形態において、伸長中のオリゴヌクレオチド上の未反応の5’ヒドロキシル基のキャッピングは、非塩基不安定性試薬(例えば、Unicap)を使用して達成され、この試薬は、脱保護すると、短縮化オリゴヌクレオチド配列上に遊離ヒドロキシル基ではなくリン酸基を残す。そのような実施形態において、アミン塩基によるリン保護基およびヌクレオチド保護基の脱保護は、固相に依然として結合された、しかし、オルトエステルリンカーとのコンジュゲーションに利用可能な5’末端ヒドロキシル基のみを有する脱保護されたオリゴヌクレオチドを与える。オルトエステルリンカーと、固相に依然として結合されているがヌクレオチドおよびリンが脱保護されたオリゴヌクレオチドとのコンジュゲーションに続いて、オリゴヌクレオチドを固相から切断し、アフィニティー精製を行って、所望の全長オルトエステル−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを単離することができる。最後に、オルトエステルリンカーが、弱酸性溶液(pH=5〜6)中の精製全長オリゴヌクレオチドから切断され、アフィニティー分離媒体から溶離される。
2’−ヒドロキシル保護基は、任意の適した条件を使用して除去することができる。いくつかの実施形態において、TC保護基またはPivOM保護基は、オリゴリボヌクレオチドを1,2−ジアミノエタンなどのジアミンと接触させることにより2’−ヒドロキシルから除去される。いくつかの実施形態において、PivOM保護基は、オリゴリボヌクレオチドをアンモニアまたはアルキルアミンと接触させることによりオリゴリボヌクレオチドから除去される。いくつかの実施形態において、オリゴリボヌクレオチドをジアミン、アンモニアまたはアルキルアミンと接触させると、同時に2’−ヒドロキシル基が脱保護され、固体担体からオリゴリボヌクレオチドが切断される。いくつかの実施形態において、ACE保護基は、オリゴリボヌクレオチドを酸と接触させることにより除去される。いくつかの実施形態において、ACE保護基およびオルトエステルリンカーは同時に除去される。いくつかの実施形態において、2’−ヒドロキシル保護基は、TBDMS保護基またはTOM保護基であり、フッ化物を含む組成物とオリゴリボヌクレオチドを接触させることにより除去される。TBDMS保護基またはTOM保護基は、オリゴリボヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを単離した後、およびオルトエステルリンカーを切断する前に、切断すると同時に、または切断した後に除去することができる。
いくつかの実施形態において、2’−ヒドロキシル保護基は、オリゴリボヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを単離する前に除去される。いくつかの実施形態において、2’−ヒドロキシル保護基は、オリゴリボヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを単離した後に除去される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1,2−ジアミノエタンで処理され、その結果、同時に保護基が、オリゴヌクレオチドから除去され、オリゴリボヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが、固体担体から切断される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、リン保護基または核酸塩基保護基を含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、リン保護基および核酸塩基保護基を含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、リン保護基、核酸塩基保護基および2’−ヒドロキシル保護基を含むRNAである。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1,2−ジアミノエタンで処理され、それによって2’−OH保護基(例えば、TCまたはPivOM)が、オリゴヌクレオチドから除去され、同時にオリゴリボヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが、合成固体担体から切断される。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカー(Ia)のR’基、R’’基およびR’’’基のうちの2つは、炭素−炭素結合を介して互いに結合されており、式(I)の化合物に示される5員環、6員環または7員環環状オルトエステルを形成する。
(式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニルまたは置換アリールであり、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはHではなく;Xは、H、メチルまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含み;好ましくは、R、RおよびRはHである)
nが2であるとき、オルトエステルリンカー部分は、以下の構造に示される7員環環状オルトエステルを形成し、R基〜R基のいずれかとして、それぞれ独立して定義される別の炭素上の2個の別のR基R’およびR’を有する:
いくつかの実施形態において、式(I)のオルトエステルリンカーにおいて、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルもしくは任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;RおよびRはHであり;Xは、H、メチルまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む。
いくつかの実施形態において、式(I)のオルトエステルリンカーにおいて、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロ置換カルボシクリル、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(Id)
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの任意の組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物であり、ただし、R基〜R基のうちの2つのR基は、
(式中、Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
に示される環状オルトエステルと共に縮合環を形成しない)
の化合物である。
式(Id)のオルトエステルリンカーには、nが0であり、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも2つが、それぞれ独立してC〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルまたは任意の置換等価物であり、R、R、R、R、RおよびRのうちのすべての残りのR基がHであり、ただし、Hではない2つのR基は、互いに結合して環状オルトエステルと共に縮合環を形成しない化合物が含まれる。
式(Id)のオルトエステルリンカーには、R、R、R、R、RまたはRのうちの1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換アリールである化合物が含まれる。
式(Id)のオルトエステルリンカーにおいて、アフィニティータグは、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグであってもよい。
アフィニティータグ(AfTg)は、R基(R、R、R、R、R、R、R)の化学構造の一部もしくは全体であってもよく、または
に示されるリンカーLを介してオルトエステルに結合されていてもよい。
式中、AfTgはアフィニティータグであり、Lは、共有結合であり、あるいはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子が、またはNR−R、−NR−CO−R、−CO−NR−R、−CO−R(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、RおよびRはHである)の化合物である。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、RおよびRはHである)の化合物である。好ましくは、nは0である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニルまたは置換アリールであり、すべての他のR、R、R、R、RおよびRはHであり;R、RおよびRはHであり;Xは、Hまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)の化合物である。
いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、Rはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも2つはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも3つはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも4つはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも5つはアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RまたはRのそれぞれはアフィニティータグを含む。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロヘテロアルキルまたはフルオロ置換アリールである)の化合物である。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換アリールである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、RまたはRは、1個または複数のヘテロ原子を含むC〜C24アルキルである)の化合物である。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は酸素である。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は窒素である。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、異なるヘテロ原子の組合せである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、RはHである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、RおよびRはHであり、RはC〜C24アルキルである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、RおよびRは水素であり、Rは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキルまたはC〜C24アリールアルキルおよび置換等価物である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、RおよびRは水素である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、RまたはRのうちの1つはメチルである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、RまたはRのうちの1つはハロゲンである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、Xは水素である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、Xはハロ置換アルキルである)の化合物である。いくつかの実施形態において、ハロ置換アルキルは、CF、CFH、CFH、CCl、CClHまたはCClHである。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、XはCFである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、Xは、Cl、F、SOH、NO、SO10、CHSO10、COR10、CHCOR10、NO、CHCNまたはカルボニルであり、R10は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、nは0である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、R、R、RまたはRは、置換基
(式中、Wはフルオロ置換アルキル基であり、mは1〜12である)である)の化合物である。いくつかの実施形態において、フルオロ置換アルキルは、1個〜25個のフッ素原子を含む。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、R、R、RまたはRにおいて、置換基
(式中、Wはハロ置換アルキル基であり、mは1〜12である)を含む式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、この置換基は、1個〜14個の別のフッ素原子を含む。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、R、R、R、R、RまたはRにおいて、置換基
(式中、mは0〜6である)を含む式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、RおよびRは水素である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、R、R、R、R、RまたはRにおいて、置換基
を含む式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、RおよびRは水素である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、R、R、R、R、RまたはRにおいて、置換基
(式中、mは0〜6である)を含む式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、RおよびRは水素である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、RまたはR、RおよびRはHであり、RまたはRは、1個または複数のヘテロ原子を任意選択的に含むC〜C24フルオロアルキルであり;XはCFであり;nは、0または1である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(I)(式中、R、R、RまたはR、RおよびRはHであり、RまたはRは、1個または複数のヘテロ原子を任意選択的に含むC〜C24アルキルであり;XはCFであり;nは、0または1である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11は、H、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24置換アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24置換アルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、C〜C24置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、CR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり;Z’は、それぞれ独立してOおよびSから選択され;Xは、H、CHまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2である)である。いくつかの実施形態において、R11はアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R11はアフィニティータグである。好ましくはnは0である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11は、H、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24置換アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24置換アルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、C〜C24置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、CR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである。Xは、H、CHまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2である)である。いくつかの実施形態において、R11はアフィニティータグを含む。好ましくはnは0である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11は、H、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、CR、O、S、NR、NRCO、CONRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1であり、R11はアフィニティータグを含む)である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、HまたはCHである。Zは、それぞれ独立してCR、O、S、NRCO、CONRまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1である)である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11は、H、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24置換アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24置換アルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、C〜C24置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Xは電子吸引基であり;nは、0、1または2である)である。いくつかの実施形態において、R11はアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態において、R11は、少なくとも4個のフッ素原子で任意選択的に置換されたC〜C12アルキルである。いくつかの実施形態において、Xは、CF、CFH、CFH、Br、Cl、F、SOH、NO、CNまたはカルボニルである。いくつかの実施形態において、Xは、Br、Cl、F、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24置換アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24置換アルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、C〜C24置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、それぞれ独立してCR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、ただし、R11およびR12は、サイクルを一緒に形成せず;Z’は、それぞれ独立してOおよびSから選択され;Xは、Br、Cl、F、モノ、ビスまたはトリスハロ置換メチルであり;Xは、ビニル、アセチレン、フェニルまたは任意の置換等価物であり;nは、0、1または2である)である。いくつかの実施形態において、Xは、CF、CFH、CFH、Br、Cl、F、SOH、NO、CNまたはカルボニルである。いくつかの実施形態において、R11およびR11はアフィニティータグを含み、またはアフィニティータグである。好ましくはnは0である。
適したオルトエステルリンカーには、
の構造のうちの1つを有するオルトエステルリンカーが含まれる。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、Zは、CH、O、S、NRまたはNRCO(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルである)であり;Rは、H、メチル、エチル.n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Xは、H、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノ−であり;mは、0〜12の整数であり;nは、1または2である)
の構造を有するフルオラスオルトエステルリンカーである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
(式中、Rは、H、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;Xは電子吸引基であり;mおよびnのそれぞれは、独立して1、2、3または4である)
である。
別の実施形態において、本発明は、式(II)
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニル、置換アリール、置換ヘテロアリールまたは置換ヘテロシクリルであり;Yは脱離基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
のオルトエステルリンカーを提供する。好ましくは、RはHである。
いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、CF−(CF−(CR1213−Z−(CR1415(式中、Zは、O、S、SO、NH、NHCO、CONHまたはCR1617であり;(CR1213)、(CR1415)および(CR1617)のそれぞれは、独立してC〜Cアルキレン、ハロ置換C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、ハロ置換C〜Cアルケニレン、C〜Cアルキニレン、ハロ置換C〜Cアルキニレン、CH−CH−O−またはCH−CH−NH−であり;mは、1または2であり;pは、0、1または2であり;qは、0〜7の整数である)である。
いくつかの実施形態において、脱離基YはO−Y’であり、式HO−Y’のアルコールから誘導される。いくつかの実施形態において、Y’はC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Y’は、置換C〜Cアルキル、好ましくはハロ置換アルコールである。いくつかの実施形態において、Y’は、ビニル、アセチレン、フェニルまたは任意の置換等価物であり、ここで(1個または複数の)置換基は電子吸引基EWGである。いくつかの実施形態において、Y’は、メチル、エチルまたは任意の置換等価物であり、ここで置換基は、ハロ、シアノまたはニトロである。いくつかの実施形態において、式HO−Y’のアルコールは、約8〜約15の、好ましくは約9〜13のpKaを有する。
いくつかの実施形態において、式HO−Y’のアルコールは、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2−ジフルオロエタノール、2,2−ジクロロエタノール、2−メトキシエタノール、ヒドロキシアセトアルデヒド、2−プロペン−1−オール、2−シリルエタノール、1−ヒドロキシ−2−プロピン、2−クロロエタノール、2−フルオロエタノール、3−ブテニルアルコール、3−ブチン−1−オール、2−ブチン−1−オール、2,3−ブタジエン−1−オール、1−クロロ−2−プロパノール、1−フルオロ−2−プロパノール、2−シアノエタノール、2−(メチルチオ)エタン−1−オール、2−ブテン−1−オール、2−クロロ−1−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−クロロ−1−プロパノール、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、2,2−ジフルオロエタノール、3−フルオロ−1−プロパノール、2−メチル−3−ブチン−1−オール、2,2−ジクロロエタノール、4−ペンテン−2−オール、3−クロロ−1−プロパノール、4−ペンチン−2−オール、2−フルオロ−1−プロパノール、2−メチレン−1−ブタノール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、1−クロロ−1−プロパノール、1−シクロプロペン−1−メタノール、2−フルオロ−1−プロパノール、2−シクロプロペン−1−メタノール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1−ペンテン−4−イン−3−オール、3,4−ペンタジエン−2−オール、2−メチル−2,3−ブタジエン−1−オール、3−ペンチン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、4−メチル−1−ペンテン−3−オール、4−ペンチン−1−オール、3,4−ペンタジエン−1−オール、2−ペンチン−1−オール、3−メチル−2−メチレン−1−ブタノール、3−ヒドロキシ−2−メチルプロパナール、3−メチル−2−ブテン−2−オール、3−ヒドロキシブタナール、2−シクロプロペン−1−オール、3−ヒドロキシブタナール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−(1−メチルエトキシ)エタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、α−メチルシクロプロパンメタノール、3−メチル−4−ペンテン−2−オール、3−メトキシ−1−プロパノール、2−メチル−1−ペンテン−3−オール、1−エトキシエタノール、3−ペンチン−1−オール、3−ペンチン−1−オール、2−ペンテン−1−オール、4−ヒドロキシブタナール、4−ヒドロキシブタナール、2−ヒドロキシブタナール、2−ペンテン−3−オール、2,3−ジメチル−3−ブテン−1−オール、3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル、3−メチレン−2−ペンタノール、2−エチル−3−ブテン−1−オール、3,4−ジメチル−2−ペンタノール、2−クロロ−2−プロパノール、1−(メチルジオキシ)エタノール、2−エチル−3−ブチン−1−オール、ベンゼンメタノール、2−(エチルチオ)エタノール、3−エトキシ−1−プロパノール、1−クロロ−3−フルオロ−2−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2−3−ヒドロキシ−ブタノン、2−メチル−1−ヘキサノール、2−(エテニルオキシ)エタノール、2,2−ジメチル−3−ブテン−1−オール、4−メチル−4−ペンテン−2−オール、2−プロポキシエタノール、3−ヒドロキシブタンニトリル、2−フルオロ−2−プロペン−1−オール、2,4−ジメチル−1−ペンタノール、1−メトキシ−1−プロパノール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1−オール、3−クロロ−2−プロペン−1−オール、3−ペンテン−1−オール、2,4−ペンタジイン−1−オール、2,2−ジメチル−3−ブチン−1−オール、2−エチル−2,3−ブタジエン−1−オール、3−クロロ−2−プロピン−1−オール、1,1−ジフルオロ−2−プロパノール、1,5−ヘキサジイン−3−オール、2,3−ヘキサジエン−1−オール、2−ペンテン−2−オール、1−メトキシ−1,2−エタンジオール、2−メチレン−3−ブチン−1−オール、2−(クロロメトキシ)エタノール、α−メチル−1−シクロプロペン−1−メタノール、2−ヒドロキシブタンチアール、1−クロロ−2−メチル−1−プロパノール、3−(メチルチオ)−1−プロパノール、1−ヘキシン−3−オール、3−クロロ−2−ブタノール、1,5−ヘキサジエン−3−オール、5−ヘキシン−1−オール、1−クロロ−2−ブタノール、1−メチルシクロプロパンメタノール、4−ペンテン−2−イン−1−オール、5−ヒドロキシペンタナール、4−メチル−3−ペンテン−2−オール、1−ヘキセン−3−オール、1−ヒドロキシ−2−ブタノン、3,4−ヘキサジエン−1−オール、3−クロロ−2−メチル−1−プロパノール、2−メトキシ−1−ブタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、5−ヘキシン−3−オール、3−メトキシ−2−ブタノール、2−メチル−1,4−ペンタジエン−3−オール、2−メチル−1−ペンテン−4−イン−3−オール、4,5−ヘキサジエン−3−オール、2−(メチルチオ)−1−プロパノール、2,5−ヘキサジイン−1−オール、2−(ヒドロキシメチル)ブタナール、3−フルオロ−2−ブタノール、2−(ヒドロキシメチル)−2−プロペナール、2−エテニル−3−ブテン−1−オール、1−(エチルチオ)エタノール、2−シクロブテン−1−メタノール、2−ヒドロキシ−3−ブテナール、2−(1−メチルエチル)−3−ブテン−1−オール、1−シクロプロペン−1−エタノール、1−フルオロ−2−ブタノール、3−フルオロ−2−メチル−1−プロパノール、1−(1−メチルエトキシ)エタノール、3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−オン、3−ヘキシン−2−オール、4−エトキシ−1−ブタノール、4−フルオロ−1−ブタノール、5−ヘキセン−2−オール、2−ヘキシン−1−オール、4−クロロ−1−ブタノール、3−ヘキシン−1−オール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−クロロ−2−ブタノール、4−メチル−2,3−ペンタジエン−1−オール、2,4−ペンタジエン−1−オール、3−プロポキシ−1−プロパノール、2−メチレン−1−ペンタノール、2,4−ペンタジエン−1−オール、2−ペンテン−4−イン−1−オール、2−メチル−4−ペンテン−1−オール、1−(メチルチオ)−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンチン−1−オール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)−1−ブタノール、2−クロロ−1−ブタノール、4,4−ジメチル−1−ペンチン−3−オール、4,5−ヘキサジエン−1−オール、3−メチル−4−ペンテン−1−オール、3−メチレン−1−ペンタノール、2,4−ヘキサジイン−1−オール、2−(2−ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒド、4,5−ヘキサジエン−2−オール、3−メチル−2−メチレン−3−ブテン−1−オール、2−メチル−3,4−ペンタジエン−1−オール、2−シクロプロピリデンエタノール、4−ヒドロキシ−3−メチルブタナール、4−3−メチレン−ペンテン−2−オール、2,3−ヘプタジエン−1−オール、2,5−ヘプタジイン−1−オール、3−メチル−4−ペンチン−1−オール、2−メチル−4−ペンチン−1−オール、1−シクロブテン−1−メタノール、2−フルオロ−1−ブタノール、3,4−ヘプタジエン−1−オール、4−フルオロ−2−ブタノール、2−(1−メチルエチル)−2,3−ブタジエン−1−オール、4−メチル−3−メチレン−2−ペンタノール、3−ヒドロキシ−2−メチルブタンニトリル、1−1−メトキシ−2−メチル−プロパノール、3−エチル−3,4−ペンタジエン−2−オール、1−メチル−2−シクロプロペン−1−メタノール、3−ヘキセン−1−オール、2−クロロ−2−メチル−1−プロパノール、4−ヒドロキシブタンニトリル、2−チイランメタノール、3−クロロ−1−ブタノール、2−ヘキセン−1−オール、3−メトキシ−1−ブタノール、5−ヘキセン−2−イン−1−オール、2−(エテニルチオ)エタノール、2−フルオロ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンテン−1−オール、3−ヘプチン−1−オール、3−(エチルチオ)−1−プロパノール、2−[(1−メチルエチル)チオ]エタノール、4−メトキシ−2−ブタノール、4−ヘキシン−2−オール、1−メトキシ−2−ブタノール、3,3−ジフルオロ−1−プロパノール、3−フルオロ−1−ブタノール、2−クロロ−1−メトキシエタノール、2,3,5−ヘキサトリエン−1−オール、2−(ヒドロキシメチル)ブタンニトリル、2,4,6−ヘプタトリイン−1−オール、1−フルオロ−3−メチル−2−ブタノール、2−シクロブテン−1−オール、2−ブトキシエタノール、2−クロロ−2,2−ジフルオロエタノール、2−オキシランメタノール、1−クロロ−3−ブテン−2−オール、1−プロポキシ−2−プロパノール、3−ヘプテン−1−オール、2−プロポキシ−1−プロパノール、2−(プロピルチオ)エタノールまたは3−シクロペンテン−1−メタノールである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、R、R、R、R、RまたはRは、1個または複数のヘテロ原子を含むC〜C24アルキルである)の化合物である。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は酸素である。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子はNである。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、異なるヘテロ原子の組合せである。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、RはHである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、R、R、RまたはRのうちの1つ、R、RおよびRはHであり、RまたはRのうちの他の1つは、C〜C24アルキルまたはC〜C24ヘテロアルキルである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、R、R、RおよびRは水素であり、Rは、C〜C24アルキルまたはC〜C24ヘテロアルキルである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、nは0である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(II)(式中、R、RおよびRはHであり、Rは、C〜C24アルキルまたはC〜C24ヘテロアルキルであり;nは、0または1である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(III)
(式中、XおよびXのそれぞれは、独立してHまたは電子吸引基であり;mは、1または2であり;nは、4〜12の範囲の整数である)
のオルトエステルリンカーを提供する。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、XまたはXは、H、CHまたはCFである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、XおよびXは、H、CHまたはCFである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、XおよびXはCFである)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、mは1である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、nは、6〜12の整数である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(III)(式中、nは、8〜12の整数である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(IIIa)
(式中、Xは、H、F、保護されたアミノ基、保護されたカルボン酸、Cアルケニル基またはC置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;Xは、H、CHまたはCFであり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、式(IIIa)(式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;Xは、H、CH、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノ−であり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)の化合物である。
いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、
である。
本発明のオルトエステルリンカーは、任意の適した方法を使用して調製することができる。いくつかの実施形態において、オルトエステルリンカーは、酸の存在下、1,2−ジオール、1,3−ジオールまたは1,4−ジオールをアルコールと反応させることにより生成される。いくつかの実施形態において、酸は準化学量論的な量で使用される。いくつかの実施形態において、酸はブレンステッド酸である。いくつかの実施形態において、酸はルイス酸である。特定の実施形態において、酸は、(例えば、約0.2M以下の濃度の)希鉱酸である。いくつかの実施形態において、アルコールは、約30℃〜約120℃の沸点を有する。したがって、いくつかの実施形態において、アルコールは、約30℃〜約120℃、約30℃〜約110℃、約30℃〜約100℃、約30℃〜約95℃、約30℃〜約90℃、約30℃〜約85℃、約30℃〜約80℃、約30℃〜約75℃、約30℃〜約70℃、約30℃〜約65℃、約30℃〜約60℃、約30℃〜約55℃、約30℃〜約50℃、約35℃〜約120℃、約40℃〜約120℃、約45℃〜約120℃、約50℃〜約120℃、約55℃〜約120℃、約60℃〜約120℃、約40℃〜約100℃、約50℃〜約100℃、約40℃〜約90℃または約40℃〜約80℃の沸点を有する。
別の実施形態において、本発明は、式(IV)
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニル、置換アリール、置換ヘテロアリールまたは置換ヘテロシクリルであり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)の部分を含むオリゴヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート)を提供する。好ましくは、RはHである。
nが2であるとき、オルトエステルリンカー部分は、以下の構造に示される7員環環状オルトエステルを形成し、R基〜R基のいずれかとして、それぞれ独立して定義される別の炭素上の2個の別のR基R’およびR’を有する:
式(IV)の部分において、波線と結ばれた酸素は、オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端の酸素である。
式(IV)の部分(moity)において、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであってもよく、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12アリールアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであってもよく;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含み;ただし、前記部分は、
ではない。
これらのオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのいくつかにおいて、n=0であり、アフィニティータグは、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグである。
これらのオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートには、オリゴヌクレオチドがオリゴリボ核酸(RNA)を含むものが含まれる。
オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートにおいて、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロ置換アリール、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルであってもよい。
オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートにおいて、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはフルオラスタグであってもよく、Rを含む残りのR基はHであってもよい。
オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートにおいて、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも2つはフルオラスタグであってもよい。
オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートにおいて、式(IV)の部分は、
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Zは、それぞれ独立してCR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;nは、0、1または2である)
からなる群から選択されてもよい。
式(IV)の部分は、
(式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、マレイミド、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
の構造を有してもよい。
式(IV)の部分は、
からなる群から選択されてもよい。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、5’位においてオルトエステルリンカーに結合されている。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、3’位においてオルトエステルリンカーに結合されている。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドはリボ核酸(RNA)である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドはデオキシリボ核酸(DNA)である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも50ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも75ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも100ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも125ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも150ヌクレオチド長である。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、式(IV)(式中、R、R、RまたはRは、ヘテロ原子を含むC〜C24アルキルである)の部分を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は酸素である。
いくつかの実施形態において、nは0である。
いくつかの実施形態において、RはHである。
いくつかの実施形態において、RはHである。
いくつかの実施形態において、R、RおよびRは水素であり、Rは、C〜C24アリールアルキルまたは置換等価物である。
いくつかの実施形態において、R、RおよびRはHであり、Rは、C〜C24アルキルまたは置換アルキルである。
いくつかの実施形態において、R、RおよびRはHであり、Rは、1個または複数のヘテロ原子を任意選択的に含むC〜C24アルキルであり;nは、0または1である。
いくつかの実施形態において、Rは、C〜C24アルキルまたはヘテロアルキルであり、少なくとも9個のフッ素原子を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、部分
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニル、置換アリール、置換ヘテロアリールまたは置換ヘテロシクリルであり;Xは、H、F、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシルまたはアルコキシアルキルであり;nは、0、1または2であり;Bはヌクレオシド塩基であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、部分
(式中、Rは、H、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;Xは、H、F、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシルまたはアルコキシアルキルであり;mおよびnのそれぞれは、独立して0、1または2であり;Bはヌクレオシド塩基である)
を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、部分
(式中、Rは、H、C〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;Xは、H、F、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシルまたはアルコキシアルキルであり;Bはヌクレオシド塩基である)
を含む。
別の実施形態において、本開示は、式(IV)
の部分を含むオリゴヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート)を合成する方法を提供する。
この方法は、オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと接触させて、式(IV)(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換C〜C24アルキル、置換C〜C24アルケニル、置換C〜C24アルキニル、置換アリール、置換ヘテロアリールまたは置換ヘテロシクリルであり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)の部分を含むオリゴヌクレオチドを生成するステップを含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドを、酸の存在下、オルトエステルリンカーと反応させる。いくつかの実施形態において、この反応は酸触媒交換反応である。いくつかの実施形態において、酸はブレンステッド酸である。いくつかの実施形態において、酸はルイス酸である。いくつかの実施形態において、酸は、鉱酸、例えば塩酸、硫酸または硝酸である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドを、約0.2M以下の酸濃度の鉱酸の存在下、オルトエステルと反応させる。いくつかの実施形態において、酸は、有機酸、例えば酢酸、またはその誘導体、例えばジ−もしくはトリ−クロロ酢酸、ギ酸、安息香酸、トルエンスルホン酸およびトリフル酸である。いくつかの実施形態において、酸は、酢酸ナトリウム(pH=5.5)、BF・EtO、SiO、モンモリロナイト−K10、モンモリロナイト−KSFまたはAmberlyst−15である。
いくつかの実施形態において、以下の例示的な例に示す通り酸触媒反応を経由してカップリングされた後、デブロッキングステップにより最終のヌクレオチドシントン上で遊離されるヒドロキシル基とオルトエステルリンカーが反応する。
いくつかの実施形態において、モノマーシントンのブロッキング基のうちの1つにオルトエステルリンカーが存在し、以下の例示的な例に示す通り最終のカップリングステップにおいて、その独特のモノマーシントンが使用される。
特定の実施形態において、以下の例に示す通り、オルトエステルリンカーがオリゴヌクレオチドに結合された後、アフィニティータグがこのリンカーに結合される。以下でR基により表されるアフィニティータグは、脱保護および固体担体からの切断の前にオリゴヌクレオチドに結合され得るか、または脱保護および固体担体からの切断の後にオルトエステルリンカーに結合され得る。R基は、任意のアフィニティータグであり得る。いくつかの実施形態において、R基は、フルオロ置換アルキル置換基、フルオロ置換アルケニル置換基、フルオロ置換アルキニル置換基およびフルオロ置換アリール置換基から選択されるアフィニティータグである。いくつかの実施形態において、R基は、オレフィンメタセシス、環化付加反応(例えば、ディールス−アルダー反応、4+1環化付加、3+2環化付加、ノルボルネン環化付加、オキサノルボルナジエン環化付加)、クリックケミストリー(例えば、テトラゾールフォトクリックケミストリー、銅触媒クリックケミストリー、歪み促進型クリックケミストリー)、鈴木クロスカップリング、シュタウディンガーライゲーション、マイケル付加、クアドリシクランライゲーション、テトラジンライゲーションまたは酸化カップリングを使用してオルトエステルリンカーに結合され得る。当技術分野において周知の他のコンジュゲーションスキームを使用して、アフィニティータグをオルトエステルリンカー部分に結合することができる。これらのコンジュゲーションの非限定的な例には、N−ヒドロスクシンアミド(NHS)部分または他の活性化エステルとのアミン末端部分の反応、アルファ−ハロカルボニル含有部分とのチオール末端部分の反応などが含まれる。
特定の実施形態において、オルトエステルリンカーは、保護基との反応がブロックされている化学的部分(例えば、チオール、アミン、アルコールなど)を含む。オルトエステルリンカーの結合後、保護基は除去することができて、化学的部分は、固相上の別の化学的部分と共有結合的および特異的に反応することができる。
オルトエステル保護基を除去するために、任意の適した方法を使用してオリゴヌクレオチドが脱保護されてもよい。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、酸を使用して脱保護される。いくつかの実施形態において、酸は触媒量(すなわち、準化学量論的な量)である。いくつかの実施形態において、酸はブレンステッド酸である。いくつかの実施形態において、酸はルイス酸である。いくつかの実施形態において、酸は、鉱酸、例えば塩酸、硫酸または硝酸である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、約0.2M以下の酸濃度の鉱酸の存在下、脱保護される。いくつかの実施形態において、酸は、有機酸、例えば酢酸、ギ酸、安息香酸、トルエンスルホン酸およびトリフル酸である。いくつかの実施形態において、酸は、BF・EtO、SiO、モンモリロナイトK10、モンモリロナイト−KSFまたはAmberlyst−15である。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、弱酸性条件下で脱保護される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、約3以上のpHにおいて脱保護される。したがって、いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、約3以上、約3.5以上、約4以上、約4.5以上、約5以上、約5.5以上、約6以上、約6.5以上または約7以上のpHにおいて脱保護される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約3〜約7のpHにおいて脱保護される。したがって、いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約3〜約7、約3.5〜約7、約4〜約7、約4.5〜約7、約5〜約7、約5.5〜約7、約6〜約7、約3〜約6.5、約3〜約6、約3〜約5または約4〜約6のpHにおいて脱保護される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド生成物は、オルトエステルの除去後、少なくとも約60%の純度を有する。したがって、いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド生成物は、オルトエステルの除去後、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%または少なくとも約99.99%の純度を有する。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド生成物は、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下または約0.01%以下の量の1種または複数種の不純物を含む。
本開示のオリゴヌクレオチドは、任意の適したクロマトグラフ法を使用して精製することができる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、フルオラスアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、カラムクロマトグラフィーを使用して精製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、液体クロマトグラフィー(例えば、高圧液体クロマトグラフィー)を使用して精製される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、フルオラスアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される。フルオラスアフィニティークロマトグラフィーは、フッ素化化合物が、他のフッ素化化合物に対する親和性を有する傾向があるという親フッ素性の概念を利用する。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、フルオラスタグを含むオルトエステルに結合されている。オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、フルオラスカラムを通過する。フルオラスカラムは一般に、フッ素化有機基が結合されているポリマー樹脂を含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートはカラムに強く結合する一方、標識されていない不純物(例えば、短縮化配列または失敗した配列)はカラムと相互作用せず、カラムを通過する。その後の洗浄では、フルオラスカラムとの親フッ素性相互作用の強度のために、フッ素化オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートはカラムから放出されない。すべての不純物がカラムから除去された後、オルトエステル保護基からのオリゴヌクレオチドの切断を経て、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートがカラムから放出される。オリゴヌクレオチドは弱酸性条件下で一般に切断され、これにより、オリゴヌクレオチドとフルオラスカラムとの間の相互作用が破壊される。次いで、適切な溶媒を使用してオリゴヌクレオチドがカラムから溶離され、精製オリゴヌクレオチドが得られる。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して精製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オルトエステルリンカーに結合されており、精製のためにHPLCシステムに導入される。オルトエステルオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、少なくとも1種の不純物を含む混合物としてHPLCに一般に導入される。いくつかの実施形態において、本方法は、同様のサイズの不純物からのオリゴヌクレオチド生成物の分離を可能にする。少なくとも1種の不純物は、任意のタイプのものであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の不純物は、オリゴヌクレオチド合成中に生成された短縮化配列または失敗配列である。いくつかの実施形態において、オルトエステルオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、逆相HPLCを使用して精製される。そのような実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、逆相カラム(例えば、CまたはC18炭化水素カラム)上で精製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、順相HPLCカラム上で精製される。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、HPLCシステムから回収され、脱保護されて、所望のオリゴヌクレオチドを与える。HPLCシステムは、インジェクター、ポンプ、HPLCカラムおよび検出器を備え得る。いくつかの実施形態において、検出器は、吸光度検出器(例えば、UV/VISまたはPDA)、示差屈折率検出器、散乱検出器(例えば、蒸発または多角度)、質量分析計、伝導度検出器、蛍光検出器、化学発光検出器、旋光検出器または電気化学検出器である。いくつかの実施形態において、HPLCシステムは、三連四重極LC−MS、Orbitrap LC−MS、イオントラップLC−MSまたはTOF LC−MSである。いくつかの実施形態において、精製方法は、部分的または完全に自動化されている。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートは、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート上にアフィニティー部分を結合する化合物を含むカートリッジを使用して精製される。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、マルチプレックス合成プラットホーム上で合成され、オリゴヌクレオチドの単離は、マルチプレックス精製プラットホーム上で並行して実施される。
いくつかの実施形態において、マルチプレックス合成または精製プラットホームは、4個、12個、48個、96個、192個または384個のオリゴヌクレオチド合成の精製を並行して実施することを可能にする。
本発明のいくつかの化合物は不斉中心を含み得、したがって、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物ならびに個々のジアステレオマーとして存在し得る。別の不斉中心が、分子上の様々な置換基の性質に応じて存在し得る。そのような不斉中心はそれぞれ独立して2種の光学異性体を生じ、混合物中の可能性のある光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、純粋な化合物または部分的に精製された化合物として、本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物のすべてのそのような異性体型を包含することを意図する。
図1を参照すると、これは、固体担体上でのオリゴヌクレオチドの典型的な化学合成の概略図である。典型的な望ましいオリゴヌクレオチド生成物は、隣接するヌクレオチドの5’ヒドロキシルと3’ヒドロキシルとの間にヌクレオチド間結合を含む。この合成を達成するために、合成サイクルの第1のステップは一般に、表面に結合されたヌクレオシドとの保護されたモノマーの反応または表面上のヒドロキシル基との保護されたモノマーの反応である。表面上のヒドロキシル基は、切断可能なユニバーサルリンカーまたは切断可能でない表面結合の一部のいずれかであり得る。表面上のヒドロキシルとの反応性リン基の最初のカップリングの後、通常続くステップは、未反応のヒドロキシル基のキャッピング、次いで、反応性リン中間体の酸化を含む。ある修飾リン基が使用されているある条件下では、酸化試薬が修飾リン基、例えばホスホロチオエート、ボラノホスホネートまたはホスホルアミデートを生成する場合特に、キャッピングの前に酸化する必要がある場合がある。最終ステップは通常、次の保護されたヌクレオチドモノマーとカップリングするヒドロキシル基のデブロッキングである。この最終ステップにおいて除去される保護基は一般にジメトキシトリチル基(DMT)である。しかし、多くの他の保護基、例えば、9−フェニルキサンチル基(ピキシル)、ベンズヒドリルオキシ−ビス(トリメチルシリルオキシ)シリル(BZH)などが当技術分野において周知である。鎖の構築が完了すると、所望の生成物が固相から放出され、脱保護され、さらなる生物学的応用において利用される。
図2を参照すると、これは、固体担体上での化学合成において得られた粗オリゴヌクレオチド混合物のダイオードアレイ検出器(DAD)スペクトルを示す。この混合物は、全長標的オリゴヌクレオチドおよび合成の副生成物である複数の失敗短縮化オリゴヌクレオチドを含む。図2に示す通り、全長標的オリゴヌクレオチドが最大ピークである。
図3を参照すると、これは、オリゴヌクレオチドの典型的な化学合成の概略図であり、ここで、全長オリゴヌクレオチドがその5’末端上にジメトキシトリチル(DMT)保護基を持つ間、短縮化配列または失敗配列の5’ヒドロキシルがアセチル保護基でキャッピングされ、全長オリゴヌクレオチドの5’位におけるDMT基の特異的除去およびオルトエステルリンカーの領域特異的な付加が可能になった。
図4を参照すると、これは、5’−3’および5’−2’結合されたRNA生成物の混合物を生じるRNAのヌクレオチド間結合の酸切断およびヌクレオチド間結合の異性化の概略図である。
図5を参照すると、これは、非環状オルトエステルリンカーによりオリゴヌクレオチドを保護する概略図である。上のパネルにおいて、アフィニティータグは、オルトエステルリンカーの中心炭素に結合されたR基上に位置する。このオルトエステルリンカーとのオリゴヌクレオチドの反応は、1つのアフィニティータグを有するオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを与える。下のパネルにおいて、アフィニティータグは、オルトエステルリンカーの3個すべてのR基上に位置する。この反応は、2つのアフィニティータグを有するオルトエステルリンカーコンジュゲートオリゴヌクレオチドを与える。
図6を参照すると、上のパネルは、環状オルトエステルによるオリゴヌクレオチドの保護の概略図である。下のパネルは、オルトエステル保護基の酸促進切断の概略図である。
図7を参照すると、これは、フルオラスアフィニティータグを含むオルトエステルリンカーを使用する、オリゴヌクレオチドの精製ワークフローの概略図である。このワークフローは4ステッププロセスを示し、ここで、オリゴヌクレオチドがまず、ステップaにおいてフルロロ置換オルトエステルリンカーとコンジュゲートする。ステップbにおいて、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分が脱保護され、固体担体から切断される。ステップcにおいて、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが、フルオラスアフィニティータグを使用して、HPLCまたは固相抽出カラムのいずれかにより精製される。ステップdにおいて、フルオロ置換オルトエステルリンカーがオリゴヌクレオチドから切断され、所望の精製生成物オリゴヌクレオチドを与える。
図8を参照すると、これは、アフィニティータグを使用することによりオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを精製するためにオルトエステル保護基およびクロマトグラフ分離を使用する精製戦略を示す。
本開示を読むことで当業者には明らかになるであろう通り、本明細書において説明および例示される個々の実施形態のそれぞれは、本教示の範囲または趣旨から逸脱することなく他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離することができる、またはそれらと容易に組み合わせることができる別々の成分および特徴を有する。記載された任意の方法を、記載された事象の順番で、または論理的に可能なその他の任意の順番で行うことができる。
[実施例1]
2−メトキシ−4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−1,3−ジオキソランの合成。3−[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ]−1,2−プロパンジオール(1eq.、BOC Sciences)をトリフルオロトルエン(Aldrich)に2Mの濃度で溶解した。丸底フラスコ内で、オルトギ酸トリメチル(3eq.、Aldrich)を無水シクロヘキサン(Aldrich)に3.5Mの濃度で溶解した。触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)をTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。撹拌しながら3−[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ]−1,2−プロパンジオールのトリフルオロトルエン溶液を加え、フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。3時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=130〜135℃)により精製し、表題化合物を単離収率94%で得た。
[実施例2]
4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソラン。丸底フラスコ内で、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)オルトギ酸(50g、161mmol、SynQuest Laboratories)および3−[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ]−1,2−プロパンジオール(25g、57mmol、Wako Chemicals)を800mLの無水シクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。トリフルオロトルエン(Aldrich)を5mLずつ、溶液が透明になるまで加えた(30mL)。触媒量のp−トルエンスルホン酸(Aldrich)をTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、トリフルオロエタノールを65℃の沸点で共沸蒸留により除去した。3時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却した。反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留物を減圧下、分別蒸留(0.05mmHgにおいてb.p.=95〜100℃)により精製し、表題化合物を単離収率74%で得た。
[実施例3]
2−メトキシ−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−1,3−ジオキソランの合成。5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデカン−1,2−ジオール(25g、61mmol、1eq.、Shanghai Chemhere Co.,Ltd.)を300mLのシクロヘキサン/トリフルオロトルエン(Aldrich)の90/10(vol/vol)混合物に2Mの濃度で溶解した。オルトギ酸トリメチル(9g、85mmol、1.4eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=120〜130℃)により精製し、表題化合物を単離収率64%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、451.1m/z)により確認した。
[実施例4]
4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソランの合成。丸底フラスコ内で、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)オルトギ酸(1.4eq.、48mmol、15g、SynQuest Laboratories)および5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデカン−1,2−ジオール(14g、34mmol、1eq.、Shanghai Chemhere Co.,Ltd.)を240mLの無水シクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。得られた溶液はわずかに濁っており、トリフルオロトルエン(Aldrich)を溶液が透明になるまで滴加した(5mL)。触媒量のp−トルエンスルホン酸(Aldrich)をTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、トリフルオロエタノールを65℃の沸点で共沸蒸留により除去した。1時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却した。反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(0.05mmHgにおいてb.p.=85〜104℃)により精製し、表題化合物を単離収率44%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、519.1、520.1m/z)により確認した。
[実施例5]
2−メトキシ−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)−1,3−ジオキソランの合成。5,5,6,6,7,7,8,8,8−ノナフルオロオクタン−1,2−ジオール(1eq.、65mmol、20g、Polyorg Inc.(レミンスター、MA))を300mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(27.5g、260mmol、4eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=89〜105℃)により精製し、表題化合物を単離収率32%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、351.1m/z)により確認した。
[実施例6]
4−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソランの合成。5,5,6,6,7,7,8,8,8−ノナフルオロオクタン−1,2−ジオール(20g、65mmol、1eq.、Polyorg Inc.(レミンスター、MA))を200mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。トリス(2,2,2−トリフルオロエチ)オルトギ酸(60g、195mmol、3.0eq.、SynQuest Laboratories)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、トリフルオロエタノールを65℃の沸点で共沸蒸留により除去した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(0.1mmHgにおいてb.p.=99〜116℃)により精製し、表題化合物を単離収率20%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、419.1m/z)により確認した。
[実施例7]
4−(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソランの合成。1H,1H,2H,3H,3H−ペルフルオロヘプタン−1,2−ジオール(25g、85mmol、1eq.、SynQuest Laboratories,Inc.(アラチュア、FL))を250mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(18g、170mmol、2.0eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを65℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、トリフルオロエタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=105〜110℃)により精製し、表題化合物を単離収率39%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、405.0m/z)により確認した。
[実施例8]
4,5−ビス(((3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル)オキシ)メチル)−2−メトキシ−1,3−ジオキソランの合成。(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−メタノール(10g、62mmol、Combi−Blocks,Inc.(サンディエゴ、CA))を200mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。水素化ナトリウム(10g、Aldrich、95%)をフラスコに加え、混合物を30分間加熱還流し、次いで、室温まで徐冷した。1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−5−ヨードペンタン(42.7g、124mmol、Oakwood Chemical(エスティル、SC))をフラスコに加え、反応物を2時間加熱還流した。反応物を室温まで冷却し、過剰の塩基を塩化アンモニウムの添加により中和し、溶媒をロータリーエバポレーターで減圧下で蒸発させた。粗混合物をジクロロメタンに溶解し、重炭酸ナトリウム、続いて水および塩水で抽出した。ジクロロメタン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルおよびヘキサンを使用してシリカゲルで出発材料から生成物を精製した。風袋を量ったフラスコ内で生成物分画を蒸発させ、20.6gの黄色の粘性オイル(収率≒60%)を得た。このオイルを200mLのメタノールに溶解し、氷/水浴中で0℃まで冷却した。最終濃度が9%になるまで撹拌しながら濃HSOを滴加し、反応物を2時間撹拌した。反応物を室温まで昇温させ、指示薬としてpH紙を使用しながらトリエチルアミンを加え、酸を中和した。メタノールを蒸発乾固し、酢酸エチルおよびヘキサンを使用してシリカゲルで生成物を精製し、13.6gの精製された1,4−ビス((3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル)オキシ)ブタン−2,3−ジオールを得た。
1,4−ビス((3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル)オキシ)ブタン−2,3−ジオール(26.5mmol、13.6g)を150mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(5.6g、53mmol、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=185〜190℃)により精製し、表題化合物を単離収率61%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、557.2m/z)により確認した。
[実施例9]
2−メトキシ−4,5−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)−1,3−ジオキソランの合成。Laurent,P.ら(Journal of Fluorine Chemistry,62(2−3),161−71;1993)によって記載された方法により、1,1,1,2,2,3,3,4,4,9,9,10,10,11,11,12,12,12−オクタデカフルオロ−6,7−ドデカンジオールを調製した。ジオール(12g、22.8mmol)を120mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(4.8g、45.6mmol、2.0eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。残留混合物を減圧下、分別蒸留(10mmHgにおいてb.p.=162〜173℃)により精製し、表題化合物を単離収率52%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、569.1m/z)により確認した。
[実施例10]
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロ−N−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ウンデカンアミドの合成。ヘプタデカフルオロウンデカン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との3−アミノプロパン−1,2−ジオール(Aldrich)の反応により、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデカンアミドを調製した。
ヘプタデカフルオロウンデカン酸(10.0g、20.3mmol)、p−ニトロフェノール(2.8g、20.3mmol)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.2g、20.3mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(250mg)を350mLの無水ジオキサンに溶解した。反応物を室温で一晩撹拌し、次いで、蒸発させてオイルを生成した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、(9:1で開始する)ヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離しながら生成物を精製した。生成物4−ニトロフェニル4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデカノエートを収率90+%で単離した。
4−ニトロフェニル4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデカノエート(10g、16.3mmol)、3−アミノプロパン−1,2−ジオール(1.4g、16.3mmol)、トリエチルアミン(1.7g、16.3mmol)をジクロロメタン200mLおよび80mLのN,N−ジメチルホルムアミドの混合物に溶解した。反応物を室温で3時間撹拌した。塩化メチレンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより反応混合物を精製し、生成物が単離収率87%で生じた。
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデカンアミド(8.6g、15.2mmol)を100mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(3.2g、30.4mmol、2.0eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留混合物を精製し、表題化合物を単離収率60%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、608.0m/z)により確認した。
[実施例11]
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−N−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ノナンアミドの合成。実施例10のために記載の通り、3−(ペルフルオロヘキシル)プロピオン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との3−アミノプロパン−1,2−ジオール(Aldrich)の反応により、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナンアミドを調製した。
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナンアミド、10.0g、21.5mmolを120mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(4.6g、43.0mmol、2.0eq、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製し、表題化合物を収率71%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、508.1m/z)により確認した。
[実施例12]
4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−N−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヘキサンアミドの合成。実施例10のために記載の通り、2H,2H,3H,3H−ペルフルオロヘキサン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との3−アミノプロパン−1,2−ジオール(Aldrich)の反応により、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサンアミドを調製した。
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサンアミド(10.0g、31.7mmol)を160mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(6.7g、63.4mmol、2.0eq、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留混合物を精製し、表題化合物を単離収率55%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、358.1m/z)により確認した。
[実施例13]
N−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−3−(ペルフルオロフェニル)プロペンアミドの合成。実施例10のために記載の通り、3−(ペンタフルオロフェニル)プロピオン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との3−アミノプロパン−1,2−ジオール(Aldrich)の反応により、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(ペルフルオロフェニル)プロパンアミドを調製した。
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(ペルフルオロフェニル)プロパンアミド(10.0g、32.0mmol)を160mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。オルトギ酸トリメチル(6.8g、64.0mmol、2.0eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製し、表題化合物を単離収率78%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、355.1m/z)により確認した。
[実施例14]
N,N’−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル)ビス(メチレン))ビス(3−(ペルフルオロフェニル)プロパンアミド)の合成。3−(ペンタフルオロフェニル)プロピオン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との1,4−ジアミノブタン−2,3−ジオール(Chemspace、リガ、ラトビア)の反応により、N,N’−(2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジイル)ビス(3−(ペルフルオロフェニル)プロパンアミド)を調製した。
4−ニトロフェニル3−(ペルフルオロフェニル)プロパノエート(20g、55.4mmol)、1,4−ジアミノブタン−2,3−ジオール(3.3g、27.7mmol)およびトリエチルアミン(5.6g、55.4mmol)をジクロロメタン250mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド100mLの混合物に溶解した。反応物を室温で3時間撹拌した。塩化メチレン中のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより反応混合物を精製し、生成物を単離収率82%で得た。
N,N’−(2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジイル)ビス(3−(ペルフルオロフェニル)プロパンアミド)(10.0g、17.7mmol)を100mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解し、その結果、濁った溶液になり、次いで、トリフルオロトルエン(Aldrich)を滴加することにより、この溶液を透明にした。オルトギ酸トリメチル(3.8g、35.4mmol、2.0eq.、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留混合物を精製し、表題化合物を単離収率41%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、607.2m/z)により確認した。
[実施例15]
N,N’−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル)ビス(メチレン))ビス(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタンアミド)の合成。実施例14のために記載の反応条件を使用して、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタン酸のニトロフェニルエステル(SynQuest Laboratories,Inc.、アラチュア、FL)との1,4−ジアミノブタン−2,3−ジオール(Chemspace、リガ、ラトビア)の反応により、N,N’−(2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジイル)ビス(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタンアミド)を調製した。
N,N’−(2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジイル)ビス(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタンアミド)(10.0g、15.0mmol)を100mLのシクロヘキサン(Aldrich)に溶解した。トリフルオロトルエン(Aldrich)を滴加することにより、この溶液を透明にした。オルトギ酸トリメチル(3.2g、30.0mmol、2.0eq、Aldrich)を触媒量のAmberlyst 15(H型、Aldrich)およびTeflon被覆磁気撹拌子と共にフラスコに加えた。フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。4時間後、メタノール共沸混合物がさらに蒸留されないことから、反応が完了したとみなし、フラスコを室温まで冷却した。Amberlyst樹脂を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残留混合物を精製し、表題化合物を単離収率64%で得た。この生成物を、H NMRにおける特徴的なピークおよびESI/TOF質量分析における分子イオン(M+1、711.1m/z)により確認した。
[実施例16]
4−(クロロメチル)−2−メトキシ−1,3−ジオキソランの合成。Nguyen−Ba N.ら(抗ウイルス化合物、米国特許第5,789,394(A)号、1998年8月4日)によって記載された方法により、4−(クロロメチル)−2−メトキシ−1,3−ジオキソランを単離収率94%で調製した。
[実施例17]
S−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)エタンチオエートの合成。Polster J.ら(J.Agric.Food Chem.,63,1419−1432;2015)によって記載された方法により、S−(2,3−ジヒドロキシプロピル)エタンチオエートを調製した。Teflon被覆磁気撹拌子を入れた丸底フラスコ内で、ジオール(10.21g、68mmol)をシクロヘキサン(Aldrich)に0.7Mの濃度で溶解した。オルトギ酸トリメチル(1.5eq、Aldrich)および触媒量のp−トルエンスルホン酸(5mol%、Aldrich)を丸底フラスコに加え、フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。2時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却し、続いてロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。(9:1ヘキサン:酢酸エチル中の1%トリエチルアミンでコンディショニングした)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、(9:1ヘキサン:酢酸エチルから開始した)ヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離しながら生成物を精製した。表題化合物を収率72%で単離した。この生成物を、Hおよび13C NMRにおける特徴的なピークおよび正モードESI/TOF質量分析における分子イオン([M−OMe]、161.0m/z)により確認した。
[実施例18]
1,2−ビス((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファンの合成。Polster J.ら(J.Agric.Food Chem.,63,1419−1432;2015)によって記載された方法により、(2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタンチオールを調製した。Teflon被覆磁気撹拌子を入れた丸底フラスコ内で、チオール(3.00g、20mmol)をEtOAc(Aldrich)に0.33Mの濃度で溶解した。この溶液にNaI(54mg、0.36mmol、Aldrich)および30% H(4.0mL、36mmol、Aldrich)を加え、混合物を23℃で0.5時間撹拌した。飽和水性チオ硫酸ナトリウム100mLの添加により反応を停止した。混合物を酢酸エチル(Aldrich)で150mLずつ3回抽出した。合わせた有機抽出物を150mLの飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム(Aldrich)で乾燥し、ロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより、(9:1から開始する)ヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離することにより粗残留物を精製した。表題化合物を収率78%で単離した。この生成物を、1Hおよび13C NMRにおける特徴的なピークならびに正モードESI/TOF質量分析における分子イオン([M−OMe]、267.0m/z)により確認した。
[実施例19]
2−メトキシ−4−((フェニルジスルファニル(phenyldisulfaneyl))メチル)−1,3−ジオキソランの合成。Hunter R.ら(Journal of Organic Chemistry,71,8268−8271;2006)によって記載された方法により、3−(フェニルジスルファニル)プロパン−1,2−ジオールを調製した。Teflon被覆磁気撹拌子を入れた丸底フラスコ内で、ジオール(102mg、0.47mmol)をシクロヘキサン(Aldrich)に0.1Mの濃度で溶解した。オルトギ酸トリメチル(1.5eq、Aldrich)およびp−トルエンスルホン酸(Aldrich)を丸底フラスコに加え、フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。3時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却し、続いてロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、(ヘキサンから開始する)ヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離しながら生成物を精製した。表題化合物を収率68%で単離した。この生成物を、1Hおよび13C NMRにおける特徴的なピークならびに正モードESI/TOF質量分析における分子イオン([M−OMe]、227.0m/z)により確認した。
[実施例20]
1−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−1H−ピロールの合成。Teflon被覆磁気撹拌子を入れた丸底フラスコ内で、3−(1H−ピロール−1−イル)プロパン−1,2−ジオール(5.0g、35.4mmol、Aurum Pharmatech)をシクロヘキサン(Aldrich)に0.2Mの濃度で溶解した。オルトギ酸トリメチル(1.5eq、Aldrich)および触媒量のp−トルエンスルホン酸(5mol%、Aldrich)を丸底フラスコに加え、フラスコにDean−Stark蒸留ヘッドを取り付けた。反応物をゆっくり加熱して還流し、メタノールを45℃の沸点で共沸蒸留により除去した。3時間後、反応が完了し、フラスコを室温まで冷却し、続いてロータリーエバポレーターで減圧で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、(純粋なヘキサンから開始する)ヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離しながら生成物を精製した。表題化合物を収率66%で単離した。この生成物を、Hおよび13C NMRにおける特徴的なピークならびに正モードESI/TOF質量分析における分子イオン([M+H]、183.1m/z)により確認した。
[実施例21]
1−((2R,4S,5R)−4−ヒドロキシ−5−(((4−((((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファニル(disulfaneyl))メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの合成。3’−dT−CPG(Glen Research)20mgをジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(Glen Research)100μLで1分間、2回処理し、続いてアセトニトリル5mLで処理し、窒素流で乾燥させた。1,2−ビス((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファンオルトエステル(45μL)、アセトニトリル(45μL、Aldrich)およびジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(10μL、Glen Research)を3’−dT−CPGに加えた。混合物を60℃で1時間加熱した。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。3’−dT−CPG−オルトエステルコンジュゲートを28%濃水酸化アンモニウム(100μL)で、23℃で2時間処理した。得られた濾液をSavant speedvacで、減圧下で濃縮し、水500μLに溶解し、ESI/TOF質量分析法([M−OMe]、477.1m/z)により分析した。
[実施例22]
1,2−ビス((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファン:dTコンジュゲート、Sulfolink捕捉および放出。3’−dT−CPG(Glen Research)30mgを100μLのジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(Glen Research)で1分間、2回、続いてアセトニトリル5mLで処理し、窒素流で乾燥させた。1,2−ビス((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファンオルトエステル(45μL)、アセトニトリル(45μL、Aldrich)およびジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(10μL、Glen Reseach)を3’−dT−CPGに加えた。混合物を60℃で1時間加熱した。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。dT−CPG:オルトエステルコンジュゲートを、重炭酸アンモニウム(200mM)(pH8.0)中で調製した50mM TCEP(200μL、Aldrich)溶液で23℃で1時間処理した。還元されたチオール含有コンジュゲートを脱保護し、濃水酸化アンモニウム(100μL、Aldrich)による23℃で1時間の処理によりCPGから放出させた。Savant speedvac内で1時間の濾液の濃縮に続いて、残留物を50mMトリス.HCl 200μL、5mM EDTA(pH8.5)に溶解した。Sulfolink樹脂(ThermoFisher)300μLを使用して、この溶液を23℃で12時間インキュベートした。樹脂を50mMトリス.HCl 200μL、5mM EDTA(pH8.5)、続いてアセトニトリル8mLで洗浄した。20%v/v水性ギ酸100μLを使用して23℃で60分間インキュベートすることにより、生成物3’−dTを樹脂から放出させた。得られた濾液をSavant speedvacで濃縮し、ESI/TOF質量分析法(M+H、m/z243.1)により分析した。
[実施例23]
1−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−1H−ピロール:PTAD:RNAコンジュゲート。10mgの20mer RNA−CPGをジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(Glen Research)100μLで1分間、2回処理し、続いてアセトニトリル5mLで処理し、窒素流で乾燥させた。45μLの1−((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−1H−ピロールおよび5μLのジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(Glen Research)を20mer RNA CPGに加え、混合物を70℃で2時間加熱した。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。乾燥したCPGをアセトニトリル中の0.2M 4−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオン(PTAD)(Aldrich)100μLで30秒間処理した。PTAD溶液を除去し、CPGを乾燥ACN8mLで洗浄し、窒素流下で乾燥した。20mer RNA−CPG−オルトエステル−PTADコンジュゲートをニートのエチレンジアミンで、23℃で2時間処理し、続いてCPGを乾燥アセトニトリル3mLですすいだ。切断された20mer RNA:オルトエステル:PTADコンジュゲートを0.1M酢酸アンモニウムバッファー(pH=6.9)0.3mLを使用して溶離し、デコンボリューションしたESI/TOF質量分析法(M=6763.86m/z)により分析し、1個のピロロオルトエステル(pyrrolo orthoester)および2個のPTAD分子の付加が示された。
[実施例24]
固体担体上で新たに合成されたオリゴヌクレオチドとの1,3−ジオキサランオルトエステルリンカーおよび1,4−ジオキサランオルトエステルリンカーの結合のための一般的な手順。
新たに合成されたオリゴヌクレオチド、DNA、RNAまたは修飾オリゴヌクレオチドは、固体担体上で合成される。得られる全長生成物は、デブロッキングステップにおいて最終保護基を除去することにより、オルトエステルリンカーを結合するために調製される。その保護基は、文献において周知の様々な基であり得、最も典型的にはDMT、ピキシルまたはBZHであり得る。オリゴヌクレオチドの合成は3’から5’方向に起こり得、ここで最終保護基は、得られたオリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルから除去され、またはこの合成は、5’から3’方向に起こり得、ここで最終保護基は、得られたオリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルから除去される。この時点で、新たに合成されたオリゴヌクレオチドからリン保護基を任意選択的に除去することができる。アフィニティータグ(AT)に結合された1,3−ジオキサランオルトエステルリンカーまたは1,4−ジオキサランオルトエステルリンカーを、trans−オルトエステル化触媒として弱酸を使用する最終のデブロッキングステップにおいて遊離されたヒドロキシ基と反応させる。TCまたはPivOMなどの様々な保護基を任意選択的に除去するために、おそらくは固体担体結合を切断するために、オルトエステルリンカー−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含む得られたアフィニティータグをここで様々な塩基性アミンで処理することができる。次いで、遊離されたオリゴヌクレオチドを、アフィニティータグを利用したクロマトグラフ分離または固相抽出カラムを使用して精製することができる。次いで、オルトエステルリンカーを、任意の別の酸不安定性保護基、例えばACEと共に弱酸を使用して除去することができて、次いで、精製オリゴヌクレオチドを、様々な試薬、例えば、TOMまたはTBDMSなどのフッ化物イオンを使用して任意選択的にさらに脱保護することができる。
[実施例25]
TCホスホルアミダイトを使用して調製された21ヌクレオチドRNAとの2−メトキシ−4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−1,3−ジオキソランの結合。
デオキシチミジンを含む制御された孔ガラス(CPG;Prime Synthesis Aston、PA)上のTCホスホルアミダイトを使用し、ATKA 100 DNA/RNA合成装置(General Electric)および12mlカラムを使用して21−ヌクレオチドのオリゴリボヌクレオチドを合成し、所望の粗オリゴリボヌクレオチド(5’−GUGUCAGUACAGAUGAGGCCT−3’、配列番号1)を含む6.5gのCPGを得た。およそ、CPGのローディングに基づいて1マイクロモルの粗オリゴヌクレオチド、30mgを、ハイスループットDNA/RNA合成カラム(Biosearch Technologies,Inc.、Novato、CA)に入れた。100マイクロリットルの2−メトキシ−4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−1,3−ジオキソラン(オルトエステル)を、80マイクロリットルの無水アセトニトリルおよび20マイクロリットルの無水ジクロロメタン中のジクロロ酢酸の3%wt/wt溶液(Glen Research)と混合した。オルトエステル溶液をカラムに加え、60℃に1時間加熱した。カラムを無水アセトニトリル(1ml)ですすぎ、次いで、200マイクロリットルのニートの無水エチレンジアミンをカラムに加え、2時間反応させた。アセトニトリル(1ml)を使用してカラムからエチレンジアミンを洗い落とし、次いで、300マイクロリットルの水中の0.1M酢酸アンモニウムバッファー(pH7.0)を使用してカラムからRNAを除去した。逆相C−18カラムおよびAgilent Technologies 1260 Infinity LC(20分で0% Bから50% Bまでの勾配を使用;A:水中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、B:30/70(vol/vol)水/アセトニトリル中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)を使用して、HPLC分析によりオルトエステルリンカー変換の収率を決定した。この反応は、全長生成物からオルトエステルリンカーを含む生成物への55%の変換を示した。
[実施例26]
TCホスホルアミダイトを使用して調製された100ヌクレオチドRNAとの2−メトキシ−4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−1,3−ジオキソランの結合
保護されたウリジン−2’−OTC(Prime Synthesis Aston、PA)を含むCPG上のTCホスホルアミダイトを使用し、ATKA 100 DNA/RNA合成装置(General Electric)および12mlカラムを使用して100−ヌクレオチドのオリゴリボヌクレオチドを合成し、所望の粗オリゴリボヌクレオチド(5’−CUU GCC CCA CAG GGC AGU AAG UUU UAG AGC UAG AAA UAG CAA GUU AAA AUA AGG CUA GUC CGU UAU CAA CUU GAA AAA GUG GCA CCG AGU CGG UGC UUU U−3’、配列番号2)を含む6.8gのCPGを得た。およそ、CPGのローディングに基づいて1マイクロモルの粗オリゴヌクレオチド、40mgを、ハイスループットDNA/RNA合成カラム(Biosearch Technologies,Inc.、Novato、CA)に入れた。100マイクロリットルの2−メトキシ−4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−1,3−ジオキソラン(オルトエステル)を、80マイクロリットルの無水アセトニトリルおよび20マイクロリットルの無水ジクロロメタン中のジクロロ酢酸の3%wt/wt溶液(Glen Research)と混合した。オルトエステル溶液をカラムに加え、60℃に1時間加熱した。カラムを無水アセトニトリル(1ml)ですすぎ、次いで、200マイクロリットルのニートの無水エチレンジアミンをカラムに加え、2時間反応させた。アセトニトリル(1ml)を使用してカラムからエチレンジアミンを洗い落とし、次いで、300マイクロリットルの水中の0.1M酢酸アンモニウムバッファー(pH7.0)を使用してカラムからRNAを除去した。逆相C−18カラムおよびAgilent Technologies 1260 Infinity LC(20分で0% Bから50% Bまでの勾配を使用;A:水中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、B:30/70(vol/vol)水/アセトニトリル中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)を使用して、HPLC分析によりオルトエステルリンカー変換の収率を決定した。この反応は、全長生成物からオルトエステルリンカーを含む生成物への25%の変換を示した。
[実施例27]
TCホスホルアミダイトを使用して調製された100ヌクレオチドRNAとの4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソランの結合。
保護されたウリジン−2’−OTC(Prime Synthesis Aston、PA)を含むCPG上のTCホスホルアミダイトを使用し、ATKA 100 DNA/RNA合成装置(General Electric)および12mlカラムを使用して100−ヌクレオチドのオリゴリボヌクレオチドを合成し、所望の粗オリゴリボヌクレオチド(5’−CUU GCC CCA CAG GGC AGU AAG UUU UAG AGC UAG AAA UAG CAA GUU AAA AUA AGG CUA GUC CGU UAU CAA CUU GAA AAA GUG GCA CCG AGU CGG UGC UUU U−3’、配列番号2)を含む6.8gのCPGを得た。およそ、CPGのローディングに基づいて1マイクロモルの粗オリゴヌクレオチド、40mgを、ハイスループットDNA/RNA合成カラム(Biosearch Technologies,Inc.、Novato、CA)に入れた。100マイクロリットルの4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソラン(オルトエステル)を、80マイクロリットルの無水アセトニトリルおよび20マイクロリットルの無水ジクロロメタン中のジクロロ酢酸の3%wt/wt溶液(Glen Research)と混合した。オルトエステル溶液をカラムに加え、60℃に1時間加熱した。カラムを無水アセトニトリル(1ml)ですすぎ、次いで、200マイクロリットルのニートの無水エチレンジアミンをカラムに加え、2時間反応させた。アセトニトリル(1ml)を使用してカラムからエチレンジアミンを洗い落とし、次いで、300マイクロリットルの水中の0.1M酢酸アンモニウムバッファー(pH7.0)を使用してカラムからRNAを除去した。逆相C−18カラムおよびAgilent Technologies 1260 Infinity LC(20分で0% Bから50% Bまでの勾配を使用;A:水中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、B:30/70(vol/vol)水/アセトニトリル中の0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)を使用して、HPLC分析によりオルトエステルリンカー変換の収率を決定した。この反応は、全長生成物からオルトエステルリンカーを含む生成物への52%の変換を示した。
[実施例28]
オルトエステルリンカーとのフルオラスアフィニティータグの2ステップ結合
30mgの3’−RNA−CPGをジクロロメタン中の3%ジクロロ酢酸(Glen Research)100μLで1分間、2回処理し、続いてアセトニトリル8mLで処理し、窒素流で乾燥させた。45μLの1,2−ビス((2−メトキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ジスルファンオルトエステル、アセトニトリル(Aldrich)45uLおよびジクロロメタン中の3%ジクロロ酢酸(Glen Research)10μLを遊離5’ヒドロキシル基を有する3’−RNA−CPGに加え、混合物を60℃で1時間加熱する。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。RNA−CPG:オルトエステルコンジュゲートを、200mM重炭酸アンモニウム(pH8.0)中で調製した50mM TCEP(Aldrich)溶液200μLで23℃で1時間処理する。次いで、CPG上の還元されたチオール含有RNAコンジュゲートを、アセトニトリル中10mMの濃度の1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルヨージド(Aldrich)の溶液を使用してインキュベートする。次いで、ニートのエチレンジアミン100uLによる23℃で5時間の処理によりコンジュゲートを脱保護し、CPGから放出させ、続いて8mLのアセトニトリルで洗浄する。0.1M酢酸アンモニウムバッファー(pH=6.9)0.3mLを使用してフッ素化−RNAコンジュゲートをCPG樹脂から溶離し、デコンボリューションしたESI/TOF質量分析法により分析する。
[実施例29]
フルオラスアフィニティータグを有するオリゴヌクレオチドのカートリッジ精製または固相抽出カラム精製
30mgの100mer RNA−CPGをジクロロメタン中の3%トリクロロ酢酸(Glen Research)100uLで1分間、2回処理し、続いてアセトニトリル(Aldrich)8mLで処理し、窒素流で乾燥させた。80μLの4−(((3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)オキシ)メチル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3−ジオキソラン、アセトニトリル80μLおよび40μLのジクロロメタン中の3%ジクロロ酢酸(Glen Research)を100mer RNA CPGに加え、混合物を75℃で15分間加熱した。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。次に、CPGをニートのエチレンジアミン(Aldrich)0.5mLで40℃で1時間処理した。残液を除去後、CPGをアセトニトリル8mLで洗浄し、続いて窒素流で乾燥させた。5%v/vジメチルホルムアミド(Aldrich)を含む1mLの10%w/v塩化ナトリウムを使用してフルオラスオルトエステル:RNAコンジュゲートをCPGから溶離した。
「Fluoro−pak II」カートリッジ(Berry&Associates)を、アセトニトリル1mL、続いて0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0、Glen Research)1mL、および5%v/vジメチルホルムアミド(Aldrich)を含む1mLの10%w/v塩化ナトリウムの添加によりコンディショニングした。溶離されたフルオラスオルトエステル:1滴あたりおよそ2秒の速度で樹脂から押し出されるシリンジ1本分の空気を使用して、バッファーが樹脂の上部に到達するまでRNAコンジュゲートをこのカートリッジの上部にシリンジで加えた。樹脂を100mM酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)中の10%アセトニトリル(v/v)で2mLずつ2回洗浄し、続いて100mM酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)中の12.5%アセトニトリル(v/v)で2mLずつ2回洗浄した。1mLの0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH5.5)中の80% MeOH(v/v)を使用してフルオラスオルトエステル:RNAコンジュゲートを樹脂から溶離した。溶離された分画をSavant speedvacで濃縮乾固し、0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(pH5.5)212μLに溶解し、23℃でインキュベートさせた。1時間後、アセトニトリル38μLを反応溶液に加え、別のコンディショニングしたFluoro−pak IIカートリッジを通過させ、続いて1mLの100mM酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)中の12.5%アセトニトリル(v/v)を通過させた。2つの分画を合わせ、Savant speedvacで蒸発乾固して、アフィニティー精製された100mer RNA 0.7mgを生成した。
この手順は、フリットおよびバルクフルオラス樹脂を含むプレートを使用する6、12、24、48、96、384または1536ウェルのマイクロタイターフォーマットに拡張される。真空マニホールドを使用して、回収または廃棄されるすべての溶液を樹脂を介して吸引することができる。このプロセスは、実験室用ロボット;Agilent Bravo Workstation上で自動化できることが示されている。
本開示を鑑み、本方法は、本教示にしたがって実施することができることに留意されたい。さらに、様々な成分、材料、構造およびパラメータは、単に説明および例として記載されており、限定的な意味では記載されていない。本開示を鑑み、本教示は、添付の特許請求の範囲内に留まりながら他の用途において実施することができて、これらの用途を実施するための成分、材料、構造および装置を決定することができる。

Claims (43)

  1. 標的オリゴヌクレオチドを精製する方法であって、
    固体担体上で前記標的オリゴヌクレオチドを合成し、前記標的オリゴヌクレオチドおよび短縮化オリゴヌクレオチドを含む混合物を得るステップ;
    前記標的オリゴヌクレオチドをオルトエステルリンカーと反応させ、それによってオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを生成するステップであり、前記オルトエステルリンカーがコンジュゲーション時にアフィニティータグを含むか、または前記コンジュゲーション反応後の第2の反応で前記アフィニティータグを前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートと反応させる、ステップ;
    前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよび前記短縮化オリゴヌクレオチドを、前記固体担体から切断するステップ;
    クロマトグラフィーカラムまたはアフィニティーキャプチャー担体上に、前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートおよび前記短縮化オリゴヌクレオチドをローディングし、前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートを、前記アフィニティータグにより前記アフィニティーキャプチャー担体に結合させるステップ;
    前記カラムまたは前記アフィニティーキャプチャー担体から、前記短縮化オリゴヌクレオチドを洗い落とすステップ;および
    前記標的オリゴヌクレオチドから前記オルトエステルリンカーを切断し、前記クロマトグラフィーカラムまたは前記アフィニティーキャプチャー担体から前記標的オリゴヌクレオチドを溶離し、それによって精製された標的オリゴヌクレオチドを放出させるステップ
    を含む、方法。
  2. 前記アフィニティータグが、前記オルトエステルリンカー内の1個または複数の基であるか、または前記アフィニティータグが、リンカーにより前記オルトエステルリンカーに結合されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートが前記固体担体から切断される前または後に、前記第2の反応が実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記オルトエステルリンカーが、前記標的オリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルに結合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記オルトエステルリンカーが、前記標的オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシルに結合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記アフィニティータグが、フルオラスタグ、疎水性タグ、ビオチンタグ、グルタチオンタグ、マルトースタグ、アリールボロン酸タグ、ポリヒスチジンペプチドタグ、ポリスルフヒドリルタグ、シクロデキストリンタグ、アダマンタンタグ、ポリアミンタグ、マレイミドタグ、アルキンタグ、アジドタグ、ヒドラジドタグ、アミノタグ、ジオールタグ、チオールタグまたはそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記標的オリゴヌクレオチドがオリゴリボヌクレオチド(RNA)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記RNAが、チオノカルバメート(TC)保護基、ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)保護基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)保護基、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)保護基、ピバロイルオキシメチル(PivOM)保護基および2−シアノエトキシメチル(CEM)保護基から選択される2’−ヒドロキシル保護基を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記RNAが、リン保護基、核酸塩基保護基またはそれらの組合せをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記オリゴヌクレオチドを前記オルトエステルリンカーと反応させる前に、前記リン保護基が脱保護される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記標的オリゴヌクレオチドを前記オルトエステルリンカーと反応させた後に、前記核酸塩基保護基および任意選択的に前記リン保護基が脱保護される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記固体担体からの前記オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートの前記切断、ならびに前記核酸塩基保護基および任意選択的に前記リン保護基の前記脱保護が、単一の反応で実施される、請求項7に記載の方法。
  13. 前記RNAが、少なくとも70個のヌクレオチドを含む、請求項7に記載の方法。
  14. 前記オルトエステルリンカーが、式(Ia):
    (式中、R、R’、R’’およびR’’’のそれぞれは、独立してC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環または任意の置換等価物であり、ただし、Rは水素であってもよい)
    の化合物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. Rが、HまたはC〜Cアルキルであり、R’、R’’、R’’’が、それぞれ独立してアリールまたは置換アリールである、請求項14に記載の方法。
  16. Rが、HまたはCHであり、R’、R’’、R’’’が、フェニルまたは置換フェニルである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記オルトエステルリンカーが、式(Ia)の化合物であり、R、R’、R’’およびR’’’のうちの少なくとも1つが、疎水性タグ、部分的疎水性タグ、フルオラスタグまたは部分的フルオラスタグである、請求項14に記載の方法。
  18. 前記オルトエステルリンカーが、式(Ib):
    (式中、AfTgはアフィニティータグであり、R、R’、R’’は、それぞれ独立してAfTg−LもしくはC〜C24アルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24アルキニル、ハロ置換C〜C24アルキル、ハロ置換C〜C24アルケニル、ハロ置換C〜C24アルキニル、カルボシクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;
    Lは、共有結合であるか、またはF、Cl、Br、IまたはC〜Cアルキルで任意選択的に置換されており、O、S、Nから独立して選択されるヘテロ原子、またはS−S、NR、NR−CO、−CO−NR−、NR−CO−NR、CO(式中、R、Rは、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルである)から独立して選択される基が任意選択的に散在する直鎖、分岐鎖、単環式もしくは多環式の飽和、部分不飽和または不飽和のC〜C12炭化水素鎖である)
    の化合物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記オルトエステルリンカーが、式(I)
    (式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立してH、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルもしくは任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず;RおよびRはHであり;Xは、H、メチルまたは電子吸引基であり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
    の化合物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  20. 、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロ置換カルボシクリル、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記アフィニティータグが、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記オルトエステルリンカーが、
    である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記アフィニティータグが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換カルボシクリルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  24. オリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲートであって、前記オリゴヌクレオチドは、その5’末端または3’末端に、式(IV)
    (式中、波線と結ばれた酸素は、前記オリゴヌクレオチドの前記5’末端または前記3’末端の酸素であり;
    、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12アリールアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、任意の置換等価物またはそれらの組合せであり;nは、0、1または2であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
    の部分を含み、ただし、前記部分が、
    ではない、オリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  25. n=0であり、前記アフィニティータグが、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグである、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  26. 前記オリゴヌクレオチドがオリゴリボ核酸(RNA)を含む、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  27. 、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニル、フルオロ置換アリール、フルオロ置換ヘテロアルキル、フルオロ置換ヘテロアルケニル、フルオロ置換ヘテロアルキニルまたはフルオロ置換ヘテロシクリルである、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  28. 、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つがフルオラスタグであり、Rを含む残りのR基がHである、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  29. 、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも2つがフルオラスタグである、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド。
  30. 前記部分が、
    (式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、H、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Zは、それぞれ独立してCR、O、SまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;nは、0、1または2である)
    からなる群から選択される、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  31. 前記部分が、
    (式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、マレイミド、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
    である、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  32. 前記部分が、
    からなる群から選択される、請求項24に記載のオリゴヌクレオチド−オルトエステルリンカーコンジュゲート。
  33. 式(Id)
    (式中、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、C〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、任意の置換等価物またはそれらの任意の組合せであり、ただし、炭素の総数は24個を超えず、残りのR、R、R、R、R、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロまたはヘテロ置換等価物、C〜C12カルボシクリルまたはヘテロシクリルおよび置換等価物であり、ただし、R基〜R基のうちの2つのR基は、
    に示される環状オルトエステルと共に縮合環を形成せず、
    Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1であり、R、R、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含む)
    のオルトエステルリンカー。
  34. 前記アフィニティータグが、少なくとも3のcLogP値を有するフルオラスタグまたは疎水性タグである、請求項33に記載のオルトエステルリンカー。
  35. nが0であり、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも2つが、それぞれ独立してC〜C24アルキル、C〜C24ヘテロアルキル、C〜C24アルケニル、C〜C24ヘテロアルケニル、C〜C24アルキニル、C〜C24ヘテロアルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリルまたは任意の置換等価物であり、R、R、R、R、RおよびRのうちのすべての残りのR基がHであり、ただし、Hではない2つのR基は、互いに結合して前記環状オルトエステルと共に縮合環を形成しない、請求項33に記載のオルトエステルリンカー。
  36. 、R、R、R、RまたはRのうちの1つが、フルオロ置換アルキル、フルオロ置換アルケニル、フルオロ置換アルキニルまたはフルオロ置換アリールである、請求項33に記載のオルトエステルリンカー。
  37. 構造:
    (式中、R11は、H、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり;Rは、HまたはCHである。Zは、CR、O、S、NR、NRCO、CONRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1であり、R11はアフィニティータグを含む)
    を有する、請求項33に記載のオルトエステルリンカー。
  38. 構造:
    (式中、R11およびR12は、それぞれ独立してH、C〜C23アルキル、C〜C23ヘテロアルキル、C〜C23置換アルキル、C〜C23アルケニル、C〜C23ヘテロアルケニル、C〜C23置換アルケニル、C〜C23アルキニル、C〜C23ヘテロアルキニル、C〜C23置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ただし、R11およびR12のうちの少なくとも1つはアフィニティータグを含むものとし;Rは、HまたはCHである。Zは、それぞれ独立してCR、O、S、NRCO、CONRまたはNRであり、RおよびRは、それぞれ独立してH、C〜Cアルキルであるか、またはRおよびR11もしくはRおよびR12は、Nと共に複素環を一緒に形成し;Xは、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルであり;nは、0または1である)
    を有する、請求項33に記載のオルトエステルリンカー。
  39. nが0であり、ZがOである、請求項37または38に記載のオルトエステル。
  40. 構造:
    (式中、Zは、CH、O、S、NRまたはNRCO(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルである)であり;Rは、H、メチル、エチル.n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり;Xは、H、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノ−であり;mは、0〜12の整数であり;nは、1または2である)
    を有するフルオラスオルトエステルリンカー。
  41. から選択される構造を有するオルトエステルリンカー。
  42. 式(IIIa):
    (式中、Xは、H、F、アジド、保護されたスルフヒドリル、保護されたポリスルフヒドリル、ポリヒスチジン、保護されたアミノ基、保護されたヒドラジド基、保護されたオキシアミン基、シクロオクチン、共役ジエン、Cアルケニル基、C置換アルケニル基、Cアルキニル基またはC置換アルキニル基であり;R18およびR19は、それぞれ独立してH、F、C1−3ヘテロアルキルまたはC1−3置換アルキルであり;Xは、H、CH、F、Cl、Br、またはモノ、ビスもしくはトリスハロ置換メチルまたはシアノ−であり;nは、1または2であり;mは、0〜12の範囲の整数である)
    のオルトエステルリンカー。
  43. である、請求項42に記載のオルトエステルリンカー。
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