JP2020525309A - 積層造形プロセス用の放射線硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、積層造形プロセス用の放射線硬化性組成物に関し、この組成物は、成分A1として、ウレタン部分を含まず、少なくとも1,000の分子量Mwを有する(メタ)アクリレート成分と、成分Bとして光開始剤と、成分Cとして赤色、黄色、若しくは橙色の染料、又はこれらの組み合わせと、成分Dとして350〜420nmの範囲の光吸収帯を有する青色の染料と、任意選択的に成分Eとして安定剤と、を含む。本発明は更に、積層造形プロセスにおける放射線硬化性組成物からのエラストマー系3次元物品の製造方法及び得られたエラストマー系3次元物品に関する。

Description

本発明は、積層造形プロセスで使用することができる放射線硬化性組成物に関する。
放射線硬化性組成物は、とりわけ歯科及び歯科矯正分野において、例えばブラケットの固定のために更に使用することができる、透明かつエラストマー系3次元物品の製造に特に有用である。
歯科矯正治療において、ブラケットは患者の歯の上に正確に配置する必要がある。いわゆる位置決めトレイは、この目的のために有用なツールであり得る。
このような位置決めトレイ又は移送トレイは、基本的にブラケットが配置された位置に成形型を有する患者の顎の印象からなる。そのため、ブラケットをこれらの成形型に入れ、このように患者の口腔内に移され得る。
ブラケットを含むこのようなトレイが患者の口腔内に取り付けられると、ブラケットは歯上に自動的に正確に位置付けられる。
この手順は、例えば、米国特許出願公開第2015/0313687(A1)号(Blees et al.)の背景技術セクションに記載されている。
これらのトレイは、典型的には、ブラケットが上に置かれる患者の口腔のモデルから始まる時間がかかる手順で製造される。
それは、患者の顎のモデルの製造及び歯モデルの舌側へのブラケットの位置決めから始まる。
次いで、モデル上にスペーサを適用し、その上に深絞り箔を真空形成することによって、外側シェルが製造される。
次いで、スペーサを取り外し、外側シェルを透明熱硬化性シリコーンで充填することにより、外側シェルが印象トレイのように作用する。
次いで、混合されたシリコーンペーストを有する外側シェルをモデル上に戻して取り付け、熱硬化させる。
これにより、透明かつエラストマー系である内側シェルを形成するシリコーンが凝固し、これにより、ブラケットを引取るように処理することができる。このような透き通った位置決めトレイの写真を図1に示す。
使用中、透き通った位置決めトレイは、歯の舌側に患者の口腔用の全ブラケットを収容する。
次の工程では、歯科矯正医が透き通った位置決めトレイを使用して、患者の顎に全てのブラケットを一度に取り付けることで、時間を節約し、ブラケットの正確な取り付けを可能にすることができる。
ブラケットは、典型的には、その表面上に、歯科矯正医によって光硬化され得る接着剤又はセメント層を含有する。
これは、患者の口腔内にブラケットを有する透き通った位置決めトレイを取り付けた後、施術者が、従来の歯科用硬化光を使用して、透き通った位置決めトレイの材料を通してブラケット上に配置された接着剤を硬化させることを意味する。
光は、ブラケットが歯の舌側表面上に固定されるまで、外側シェル及び内側シェルを通って光が照射されるように適用される。
この方法に従って得ることができる肯定的な結果にもかかわらず、簡略化された方法が望まれていることが明らかになる。
米国特許第6,855,748号(Hatton)は、追加の(メタ)アクリレートを含有することができ、かつレーザー開始ステレオリソグラフィ手順に使用することができる、多官能性ヒドロキシル化合物と組み合わせたオキセタン化合物及びエポキシ化合物を含有するUV硬化性組成物について記載している。
米国特許出願公開第2014/0035202(A1)号(Southwell et al.)は、放射線硬化性樹脂組成物及びそれらを使用する高速3Dイメージングプロセスについて記載している。樹脂は、オキセタン及び(メタ)アクリレート並びにカチオン性及びフリーラジカル光開始剤と組み合わせた脂環式エポキシドに基づく。
好適なフリーラジカル光開始剤の1つの部類は、化学線を吸収してフリーラジカルを生成することができるイオン性染料対イオン化合物を含む。
国際公開第2014/078537(A1)号(Dentsply)は、人工歯、義歯、スプリント、ベニア、インレー、オンレー、コーピング、フレームパターン、クラウン、ブリッジなどの歯科用製品を製造するための3D製作材料システムについて記載している。DLP手順を使用する。
材料は(メタ)アクリレート系であり、顔料を含有することができる。
国際公開第2015/073301(A1)号(Chang)は、3Dプリントされた着色された多着色部材を製造するための、例えばSLAによる3Dカラープリントに関するが、過剰硬化を避けるために染料を扱わない。
米国特許出願公開第2007/0205528(A1)号(Patel et al.)及び米国特許出願公開第2007/0256781(A1)号(Johnson et al.)は、染料を含有することができるが、ラピッドプロトタイピング技術についての光硬化性組成物を記載しているが、詳細な解像度の問題を扱っていない。
国際公開第2014/078537(A1)号(Sun et al.)では、歯科用製品を製造するための3次元製作材料系が記載されている。3次元歯科補綴物を作製するための組成物は、(メタ)アクリレート、無機充填材、有機充填材、シリコーン−アクリル系ゴム耐衝撃性変性剤、顔料及び光開始剤の混合物を含む。
国際公開第2013/153183(A2)号(Wachter et al.)では、光造形(stereolithography)により歯科用部材を製造するための複合樹脂組成物及び方法が記載されている。複合樹脂組成物は、複合樹脂をベースとした歯科用成形部品のSLA製造のために、a)少なくとも1種の多反応性バインダー、b)400nm未満の波長で吸収極大を有する第1の光重合開始剤、c)少なくとも400nmの吸収極大を有する第2の光重合開始剤、及びd)400nm未満の波長で吸収極大を有する吸収剤を含有する。
米国特許出願公開第2008/0287564(A1)号(Klare et al.)では、PNP法又は光造形法により医療用製品、特にアダプティブな(adaptive)イヤーピース、耳形成術用部材、シェル又は耳部分(ear part)を製造するための、生体適合性の低粘度放射線硬化性配合物であって、侵入深さに対する臨界エネルギーが、少量のフェノチアジン又はDPPHなどの嫌気性阻害剤を添加することによって調整される、配合物が記載されている。
米国特許出願公開第2014/0072712(A1)号(Xu)では、10〜95重量%の重合性成分及び3〜25重量%の非反応性ワックス成分を含む、3次元プリントシステムで使用するための不透明インクが記載されている。
積層造形技術(特に、ステレオリソグラフィ3Dプリントプロセスを使用して)で加工されて、高表面解像度を有する透明エラストマー系3次元物品を得ることができる放射線硬化性組成物が必要とされている。
特に、放射線硬化性組成物は、歯科又は歯科矯正分野で使用することができるエラストマー系3次元物品を製造するのに好適である必要がある。
更に、3Dプリントプロセス中に3次元物品の製造を検査及び/又は制御する可能性を高めることが望ましい場合がある。
更に、可能な場合、放射線硬化性組成物は、例えば、患者の口腔内における歯科状況の口内スキャンから得られるデータから、いわゆる透き通った位置決めトレイ(CPT)の製造を可能にする必要がある。
このような透き通った位置決めトレイは、特に420〜500nmの領域内で十分な弾性、半透明であるべきであり、(メタ)アクリレート成分を含有する歯科用接着剤又は歯科用セメント組成物などの他の歯科又は歯科矯正装具及び材料から取り外すのが容易である必要がある。
上記目的のうちの1つ以上は、本明細書に記載の本発明によって達成することができる。
一実施形態では、本発明は、請求項及び本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを特徴とし、この組成物は、
−ウレタン部分を含まず、好ましくは少なくとも1,000の分子量Mwを有する(メタ)アクリレート成分と、
−光開始剤と、
−赤色、橙色、黄色の染料、又はこれらの組み合わせと、
−350〜420nmの範囲の吸収帯を示す青色の染料と、
−任意選択的に安定剤と、を含む。
別の実施形態では、本発明は、放射線硬化工程を含む積層造形プロセスにおいて放射線硬化性組成物Iを処理することにより、請求項及び本明細書に記載の透明エラストマー系3次元物品の製造方法に関する。
本発明はまた、請求項及び本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを放射線硬化させて得られる透明エラストマー系3次元物品に関する。
本発明の更なる態様は、請求項及び本明細書に記載の放射線硬化性組成物I及び放射線硬化性組成物IIを含む、部材のキットに関する。
本発明はまた、放射線硬化性組成物Iから得られた硬化エラストマー系3次元物品を通して光を照射することによって、放射線硬化性組成物Bを硬化させる方法を扱う。
別段の定義のない限り、本明細書では、以下の用語は、以下に記載の意味を有する。
「固化性(hardenable)成分又は材料」又は「重合性成分」は、放射線誘導重合によって光開始剤の存在下で硬化又は固化させることができる任意の成分である。固化性成分は、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含有し得る。重合性基の典型例としては、例えば(メチル)アクリレート基中に存在するビニル基等の不飽和炭素基が挙げられる。
「光開始剤」は、放射線、特に光(300〜700nmの波長)の存在下で、固化性組成物の硬化プロセスを始めさせる又は開始させることができる物質である。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合させることで分子量を増加させ得る、重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する化学式により特徴付けることができる任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に算出することができる。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(すなわち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のいずれかを指す短縮語である。
「硬化(curing)、固化(hardening)又は凝固(setting)反応」は、互換的に使用され、組成物の粘度及び硬度等の物性が、個々の成分間の化学反応によって経時的に変化する反応を指す。
用語「歯科用又は歯科矯正用物品」は、歯科又は歯科矯正分野において、特に歯科修復物、歯科矯正装置、歯模型及びこれらの部材を製造するために使用される任意の物品を意味する。
歯科用物品の例としては、クラウン、ブリッジ、インレー、オンレー、ベニア、前装、コーピング、クラウンブリッジフレームワーク、インプラント、橋脚歯、歯科用ミリングブロック、モノリシックな歯科修復物及びこれらの部材が挙げられる。
歯科矯正用物品の例としては、ブラケット、頬面管、クリート及びボタン、並びにこれらの部材が挙げられる。
歯科用物品又は歯科矯正用物品は、患者の健康に有害な成分を含有してはならず、したがって、歯科用物品又は歯科矯正用物品から移動可能な有害な及び毒性の成分を含まない。
「透明物品」は、人間の目で検査した場合、透明な物品、特に500nmの波長を有する光について1mmの路長に対して少なくとも40%の光透過率を有する物品である。
したがって、このような透明材料のプレートレット(1mm厚)を通し、像を見ることができる。
「赤色の染料」は、人間の目で赤色の外観を有する染料である。
「黄色の染料」は、人間の目で黄色の外観を有する染料である。
「橙色の染料」は、人間の目で橙色の外観を有する染料である。
「積層造形」又は「3Dプリント」は、3次元物品を作製するために使用される放射線硬化工程を含む方法を意味する。積層造形技術の例は、コンピュータ制御下で材料の連続層が形成される、ステレオリソグラフィ(SLA)である。物品はほとんど全ての形状(shape又はgeometry)とすることができ、3次元モデル又は他の電子データソースから製造される。
「周囲条件」は、本明細書に記載の組成物が、貯蔵及び取扱い中に通常さらされる条件を意味する。周囲条件は、例えば、圧力900〜1100mbar、温度10〜40℃及び相対湿度10〜100%としてもよい。実験室では、周囲条件は通常、20〜25℃及び1000〜1025mbarに調整される。
組成物が特定の成分を本質的な特徴として含有しない場合、この組成物は該成分を「本質的又は実質的に含まない」。したがって、この成分は、それだけで、又は他の成分若しくは他の成分の含有物質との組み合わせでのいずれによっても、組成物に意図的に添加されない。特定の成分を本質的に含まない組成物は、通常はその成分を全く含有しない。しかしながら、時には、例えば用いられる原料中に含まれる不純物のために、少量の該成分が存在するのを回避できないこともある。
本明細書で使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つの(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び「1つ又は複数の(one or more)」は、互換的に使用される。「含む(comprise)」又は「含有する(contain)」という用語及びそれらの変形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲で記載される場合、限定的な意味を有さない。また、本明細書において、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
用語に「(s)」を付加することは、その用語が単数形及び複数形を含む必要があることを意味する。例えば、「添加剤(additive(s))」という用語は、1種の添加剤及び複数(例えば2種、3種、4種等)の添加剤を意味する。
特に指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている、例えば下に記載するもの等の含有物質(ingredient)の量、物性の測定値を表す全ての数は、全ての例で「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。
用語「含む(comprise)」は、用語「本質的に〜からなる(consist essentially of)」及び「〜からなる(consist of)」を含むものとする。
当該技術分野による透き通った位置決めトレイの写真を示す。 本明細書に記載の着色放射線硬化性組成物から得られた試験片の写真を示す。 非着色放射線硬化性組成物から得られた試験片の写真を示す。 本明細書に記載の着色放射線硬化性組成物から得られた透き通った位置決めトレイの写真を示す。
本明細書に記載の組成物は、いくつかの有利な特性を有することが見出された。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、積層造形プロセス、特にいわゆるSLAプロセスにおける製造材料としてのプロセスであり得る。
赤色、橙色、又は黄色の染料、特に蛍光染料の存在により、積層造形プロセス中の3次元物品の製造は、例えば青色光を使用して容易に検査することができる。
更に、本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、様々な問題を解決するのに役立つ。
積層造形プロセスにおいて、特にSLAプロセスにおいて、「過剰硬化」の問題を解決する必要がある。これは、重合が光に曝露されるエリアでのみ正確に起こるわけではなく、幾分広いエリアで起こるため、積層造形プロセスにおける詳細精度が失われるという事実により、光誘起重合の詳細精度が十分ではない可能性があることを意味する。
本明細書に記載の青色の染料と組み合わせた赤色、橙色、又は黄色の染料の使用は、積層造形プロセスにおいて良好なプリント精度に寄与し、良好な詳細解像度を有する着色エラストマー系物品が得られることが見出された。
このようなエラストマー系物品はまた、放射線硬化性歯科用接着剤又は歯科用セメントを硬化するための歯科分野において典型的に使用される波長範囲での光の透過を可能にするのに十分に透明である必要がある。
これは、歯科矯正分野において特に有用であり、このようにすることで、歯科用接着剤又は歯科用セメントの放射線を、例えば、透き通った位置決めトレイ内に配置され得る歯科矯正用ブラケットの表面上に配置できるからである。
本明細書に示唆されるように、青色の染料と、赤色の染料、橙色の染料及び/又は黄色の染料から選択される更なる染料と、を組み合わせることにより、この必要性にも対処する。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを硬化させて得られるエラストマー系物品は、420〜500nmの波長範囲で十分に透明である。
更に、放射線硬化性組成物Iの硬化後に得られ、別の放射線硬化性組成物の放射線硬化に使用されるエラストマーは、硬化後に他の放射線硬化性組成物から容易に除去される必要がある。
また、本明細書に記載の硬化性組成物から得られたエラストマー系3次元物品は、他の(メタ)アクリレート含有組成物の表面に付着しないことも見出された。すなわち、エラストマー系3次元物品は、歯科用接着剤及び歯科用セメントを含む(メタ)アクリレート複合物品又は組成物の表面から容易に取り外すことができる。
これは、エラストマー系3次元物品及び(メタ)アクリレート複合物品の両方の物品が同一の架橋化学に基づいているため、驚くべきことである。
その代わりに、別の(メタ)アクリレート物品の表面上に配置されている放射線硬化性(メタ)アクリレート組成物の硬化により、その放射線硬化性(メタ)アクリレート組成物が他の(メタ)アクリレート物品と接着することが予想されるであろう。
好ましい実施形態によれば、本発明は、本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを硬化させ、その後、エラストマー系透明3次元物品を取り外すことで得られるエラストマー系透明3次元物品を通して光を照射することによって、接着剤又はセメント状の歯科用組成物の光硬化を可能にする。
これまでの知識では、積層造形プロセス後に、例えば、良好な弾性回復及び良好な破断点伸び率(elongation at brake)などの良好なエラストマー特性を示す、3Dプリント可能なSLA樹脂は市販されていない。
したがって、本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、透き通った位置決めトレイの製作に特に有用である。より少ない労力で透き通った位置決めトレイを製造することができる。
更に、歯科矯正又は歯科分野での使用とは別に、本発明は、それを通して光硬化プロセスが、例えば、製造プロセスチェーン内の任意の部分を形状決定、固定、又は硬化するために行われる必要がある3Dプリント可能な組成物が所望される任意の手順のための解決策を提供する。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iから得られる透明エラストマー系3Dプリントされた物品は、フィッティング、衝撃吸収剤、シールなどの技術部材を製造にも使用できる。
本発明は、放射線硬化工程を含む積層造形プロセスにおいて使用するための放射線硬化性組成物Iに関する。
特定の実施形態では、本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、典型的には、以下の特性:
a)粘度:23℃で200Pas未満;
b)pH値:湿らせたpH感受性紙と硬化性組成物を接触させた場合6〜8;
c)光透過率:500nmの波長を有する光を使用して1mmの路長に対して少なくとも40%;
d)350〜420nmの範囲の波長を有する光での放射線硬化性;
e)外観:透明;
f)色:赤色、橙色、又は黄色、を単独で又は組み合わせて満たす。
特定の実施形態では、次の特徴の組み合わせ:a)、c)及びd)、又はe)及びf)が時々望ましい。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、成分A1として、ウレタン部分を含まない1種以上の(メタ)アクリレート成分を含む。
成分A1の性質及び構造は、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
成分A1は、以下の特徴:
a)少なくとも2又は3又は4つの(メタ)アクリレート部分を含むこと;
b)ポリアルキレンオキシド骨格を含むこと;
c)分子量(Mw):1,000〜20,000g/mol;又は2,000〜15,000g/mol;又は3,000〜10,000g/mol;
d)(メタ)アクリレート部分が結合しているポリエーテル骨格を含むこと;
e)粘度:23℃で0.1〜100Pas又は1〜50Pas、を単独で又は組み合わせて特徴付けられ得る。
特徴a)及びb)、又はa)、b)及びc)、又はa)、d)及びe)の組み合わせが時々好ましい場合がある。
一実施形態によれば、成分A1は、少なくとも2つの(メタ)アクリレート部分が結合しているポリアルキレンオキシド骨格を含む。
このような成分は、ゴム弾性組成物を製造するのに好適である。
成分A1の平均モル重量(Mw)は、典型的には1,000〜20,000の範囲である。
この範囲の分子量は、弾性、破断点伸び率、ヤング率及び/又は弾性率などの特性を改善するのに役立ち得る。
反応性末端基、例えばOH基含有ポリアルキレンオキシド、のモル質量の測定における好適な方法としては、末端基の滴定が挙げられる。
成分A1を表す好ましいものとしては、以下を含み、
R−[(CH−(CHR’)−O]−[(CH−(CHR”)−O]−(CH−(CHR”)−R
ここで、
n=1〜6、好ましくは1〜4、特に1であり、
m=1〜6、好ましくは1〜4、特に3であり、
k,l=2〜500、好ましくは4〜250、特に10〜200であり、
R’,R”=H、メチル、エチルから独立して選択され、好ましくはR’=R”=Hであり、
R=CH=CH−C(O)−O−又はCH=C(CH)−C(O)−O−であり、
記号k及びlによってインデックス付けされた括弧付き表示は、規則的又は不規則的に交互に又はブロック形態で配置され得る。
成分A1のポリアルキレンオキシド骨格を形成し得る適切なポリエーテル又はポリエーテル基は、例えば、反応性水素原子を有する出発化合物と、アルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン若しくはエピクロロヒドリン、又はこれらのうちの2つ以上の混合物との反応により、当業者に既知の方法で製造されてもよい。
特に好適なのは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド若しくはテトラヒドロフランの重付加、又は好適な出発化合物及び好適な触媒を用いた前述の化合物のうちの2つ以上の混合物の重付加により得ることができるポリエーテル化合物である。
アルキレンオキシド、いわゆるポリエーテルを有する少なくとも2つのヒドロキシル基を有する低分子量多官能性アルコールの反応生成物もまた、ポリオールとして使用されてもよい。アルキレンオキシドは好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。好適なポリオールは例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール又はヘキサンジオール異性体と、次のアルキレンオキシド:エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はテトラヒドロフランなどのブチレンオキシドのうちの1つ以上との反応生成物である。更に、ポリエーテルポリオールを形成する、グリセロール、トリメチロールエタン若しくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール若しくは糖アルコール、又はこれらのうちの2つ以上の混合物などの多官能性アルコールと、前述のアルキレンオキシドとの反応生成物もまた好適である。
好適な出発化合物は例えば、水、エチレングリコール、1,2−若しくは1,3−プロピレングリコール、1,4−若しくは1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、マニトール、ソルビトール、又はこれらのうちの2つ以上の混合物である。
特に好適なのは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド若しくはテトラヒドロフランの重付加、又は好適な出発化合物及び好適な触媒を用いた前述の化合物のうちの2つ以上の混合物の重付加により得ることができるようなポリエーテル化合物である。
例えば、強酸、例えばフッ化ホウ素エーテラートの存在下で、10:1〜1:1、好ましくは4:1のモル比で、テトラヒドロフラン及びエチレンオキシドの共重合によって調製されるポリエーテルポリオールもまた好適である。
成分A1の具体例としては、(メタ)アクリレート化エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレン/プロピレンオキシドコポリマー、エチレンオキシド/テトラヒドロフランコポリマー、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
成分A1は、典型的には、以下の量で存在する:
−下限:少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60重量%;
−上限:最大95、又は最大90、又は最大85重量%;
−範囲:50〜95、又は55〜90、又は60〜85重量%;
(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
一実施形態によれば、放射線硬化性組成物Iは、成分A2として、ウレタン部分を有する(メタ)アクリレート成分を更に含む。
ウレタン部分を有する(メタ)アクリレート成分を添加することは、曲げ強さ及び/又は破断点伸び率などの硬化した組成物の物性を改善するのに役立ち得る。
成分A2は、以下の特徴:
a)少なくとも2又は3又は4つの(メタ)アクリレート部分を含むこと;
b)分子量(Mw):200〜1,000g/mol、又は300〜800g/mol;
c)(メタ)アクリレート部分がウレタン部分を介して結合しているC〜C20直鎖又は分枝鎖アルキル部分を含むこと;
d)粘度:23℃で0.1〜100Pas又は1〜50Pas、を単独で又は組み合わせて特徴付けられ得る。
特徴a)及びb)、又はb)及びc)、又はa)及びd)の組み合わせが時々好ましい場合がある。
ウレタン(メタ)アクリレートは、当業者に既知の多くの方法によって得ることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、典型的には、NCO−末端化合物と、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、好ましくはヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピルメタクリレートなどの好適な単官能性(メタ)アクリレートモノマーとを反応させることによって得られる。
例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させてイソシアネート−末端ウレタンプレポリマーを形成することができ、その後これを、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートと反応させる。これらの種類の反応は、室温又は高温で、任意選択的に、スズ触媒、三級アミンなどの触媒の存在下で行われてもよい。
イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するために用いることができるポリイソシアネートは、少なくとも2つの遊離イソシアネート基を有する任意の有機イソシアネートであり得る。脂肪族脂環式、芳香族、及び芳香脂肪族(araliphatic)イソシアネートが含まれる。
アルキル及びアルキレンポリイソシアネート、シクロアルキル及びシクロアルキレンポリイソシアネートなどの既知のポリイソシアネートのいずれか、並びにアルキレン及びシクロアルキレンポリイソシアネートなどの組み合わせを用いることができる。
好ましくは、式X(NCO)を有するジイソシアネートを使用することができ、ここで、Xは2〜12個のC原子を有する脂肪族炭化水素基、5〜18個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜16個のC原子を有する芳香族炭化水素基、及び/又は7〜15個のC原子を有する芳香脂肪族炭化水素基を表す。
好適なポリイソシアネートの例としては、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、4,4’メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナト)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート(diisocycanate)、メタ−及びパラ−テトラメチルキシレンジイソシカネート、1,4−フェニレンジイソシカネート、2,6−及び2,4−トルエンジイソシカネート、1,5−ナフチレンジイソシカネート、2,4’及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシカネート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
例えばカルボジイミド基、アロファネート基、イソシアヌレート基、及び/又はビウレット基を含有する、ポリウレタン化学で知られている高官能性ポリイソシアネート又はその他の変性ポリイソシアネートを使用することも可能である。特に好ましいイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソシアヌレート構造を有する高官能性ポリイソシアネートである。
イソシアネート末端ウレタン化合物は、(メタ)アクリレートでキャップされて、ウレタン(メタ)アクリレート化合物が生成される。一般に、末端ヒドロキシル基を有し、アクリル部分又はメタクリル部分も有する任意の(メタ)アクリレート型キャッピング剤を用いることができ、メタクリル部分を有するのが好ましい。
好適なキャッピング剤の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート及び/又はトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。特に好ましいのは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及び/又は2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)である。
イソシアネート基とイソシアネート基に対して反応する化合物との当量比は、1.1:1〜8:1、好ましくは1.5:1〜4:1である。
イソシアネート重付加反応は、ポリウレタン化学的に既知の触媒、例えばジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物、又はジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン触媒の存在下で行うことができる。更に、合成は、溶融物中、又はプレポリマー調製前若しくはプレポリマー調製中に添加され得る好適な溶媒中の両方で行うことができる。好適な溶媒は、例えば、アセトン、2−ブタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、酢酸エチル、エチレン及びプロピレングリコールのアルキルエーテル、並びに芳香族炭化水素である。溶媒として酢酸エチルを使用することが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの好適な例としては、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(例えば、Plex 666−1、Rohm)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(UDMA)、1,4及び1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(bezene)から誘導されたウレタン(メタクリレート)(例えば、欧州特許第0934926(A1)号に記載される)及びこれらの混合物が挙げられる。
好適なウレタンジメタクリレートは、例えば、以下の式によって特徴付けることができる。
[式中、
は水素原子又はメチル基であり、
は1〜8個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレン基である]、又は
成分A2の具体例としてはまた、ジ(アクリルオキシエチル)ジメチレンジウレタン、ジ(メタアクリルオキシエチル)−ジメチレンジウレタン、ジ(アクリルオキシエチル)テトラメチレンジウレタン、ジ(メタアクリルオキシエチル)−テトラメチレンジウレタン、ジ(アクリルオキシエチル)−トリメチルヘキサメチレンジウレタン、及びジ(メタクリルオキシエチル)−トリメチルヘキサンメチレンジウレタン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
一実施形態によれば、以下の式のウレタンジメタクリレートが好ましい。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物中に存在し得る他の好適なウレタン(メタ)アクリレートは、以下のように特徴付けられる。
−構造A−(−S1−U−S2−MA)を有し、ここで、
−Aは少なくとも1単位を含むコネクタ要素であり、
−S1は互いに接続された少なくとも4単位を含むスペーサ基であり、
−S2は互いに接続された少なくとも4単位を含むスペーサ基であり、
−A、S1及びS2の単位はCH−、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
−N=、−CR−から独立して選択され、
ここで、R及びRは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから独立して選択され、これらの単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖、分枝鎖、又は環状構造を形成することができ、
−Uはスペーサ基S1及びS2を接続するウレタン基であり、
−MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
−nは3〜6である。
一実施形態によれば、ウレタン(メタ)アクリレートは、構造によって表され、
A−(−S1−U−S2−MA)
ここで、
−Aは少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20単位を含むコネクタ要素であり、
−S1は互いに接続された単位で構成され、かつ少なくとも4、5、6、7、8、9、又は10単位を含むスペーサ基であり、
−S2は互いに接続され単位で構成され、かつ少なくとも4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、又は25単位を含むスペーサ基であり、
−Uはスペーサ基S1及びS2を接続するウレタン基であり、
−MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
−nは3〜6、又は4〜6、又は5〜6である。
Aが環状構造を有し、少なくとも6単位を含むことが好ましい場合がある。
S1が直鎖又は分枝鎖構造を有し、少なくとも4又は6単位を含むことが更に好ましい場合がある。
S2が直鎖又は分枝鎖構造を有し、少なくとも6又は8単位を含むことが更に好ましい場合がある。
Aは環状構造を有し、少なくとも約6単位を含み、S1は直鎖構造を有し、少なくとも約4単位を含み、S2は直鎖構造を有し、少なくとも約8単位を含み、Uはウレタン基である、ウレタン(メタ)アクリレートがまた好ましい場合がある。
S1及びS2を接続するウレタン基の原子も(メタ)アクリル基の原子もスペーサ基S1又はS2に属していない。したがって、ウレタン基の原子は、スペーサ基S1又はS2の単位としてカウントされない。
コネクタ要素の性質及び構造は、特に限定されない。コネクタ要素は、飽和(二重結合なし)又は不飽和(少なくとも1つ又は2つの二重結合)単位、芳香族又はヘテロ芳香族単位(N、O及びSを含む原子を含有する芳香族構造)を含有することができる。
環状構造を有するコネクタ要素Aの具体例としては、以下が挙げられる。
環状構造ではなく分枝鎖構造を有するコネクタ要素Aの具体例としては、以下が挙げられる。
点線はスペーサ基S1への結合を示す。
スペーサ基S1又はS2の性質及び構造は、いずれも特に限定されない。
スペーサ基は互いに接続された単位で構成される。典型的な単位としては、CH−、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
−N=、−CR−が挙げられ、ここで、R及びRは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから独立して選択される。
これらの単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖、分枝鎖、又は環状構造を形成することができる。
S1の構造はS2の構造と同一であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、S1の構造はS2とは異なる。特定の実施形態では、S1中に存在する単位の数は、S2中に存在する単位の数以下である。
特定の実施形態では、S1は飽和炭化水素構造を有し得る。
別の特定の実施形態では、S2は飽和炭化水素構造を有し得る。
S1の有用なスペーサ基の典型的な例としては、以下が挙げられる。
点線は基A又は基Uのいずれかへの化学結合を示す。
S2の有用なスペーサ基の典型的な例としては、以下が挙げられる。
点線は(メタ)アクリレート基又は基Uのいずれかへの化学結合を示す。本発明により計数される単位の数は、括弧内に示される。
固化性成分(B)の具体例としては、以下が挙げられる。
更なる好適なウレタン(メタ)アクリレートは、α,ω−末端ポリ(メタ)アクリラートジオール(例えば、欧州特許第1242493(B1)号に記載される)に基づくか、又はポリエステル、ポリエーテル、ポリブタジエン、若しくはポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート(例えば、米国特許第6,936,642(B2)号に記載される)であってもよい。
成分A2が存在する場合には、典型的には、以下の量で存在する:
−下限:少なくとも1、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%;
−上限:最大40、又は最大35、又は最大30重量%;
−範囲:1〜40、又は5〜35、又は10〜30重量%;
(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
一実施形態によれば、放射線硬化性組成物は、成分A1及び成分A2を含み、成分A1は成分A2上に過剰に存在する。
成分A2の分子量は、典型的には、成分A1の分子量よりも低い。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、成分Bとして1種以上の光開始剤を含む。
光開始剤の性質及び構造はいずれも、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
光開始剤は、典型的には以下の特徴:
−300〜450nmの波長範囲、好ましくは380〜420nmの範囲内の光吸収帯を示す;
−溶解性:23℃で100gのトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDMA)中に少なくとも2g、のうちの1つ以上で特徴付けられ得る。
光開始剤は、典型的には、青色スペクトル範囲内、例えば350〜450nmの範囲内の光を吸収する。
光開始剤は、本明細書に記載の硬化性樹脂組成物の放射線硬化性成分中で可溶性である必要がある。
光開始剤は、350〜450nmの波長を有する光エネルギーに曝露されたときに、重合するためのフリーラジカルを生成することができる。
2つのラジカルが開裂によって生成される一成分系である部類の光開始剤は、特に有用であることが判明した。
このタイプによる光開始剤の例は、典型的には、ベンゾインエーテル、アセトフェノン、ベンゾイルオキシム又はアシルホスフィンから選択される部分を含有する。
光開始剤の特に好適な部類としては、例えば米国特許第4,737,593号(Elrich et al.)に記載されているアシルホスフィンオキシドの部類が挙げられる。
このようなアシルホスフィンオキシドは、一般式
(R−P(=O)−C(=O)−R10
(式中、各Rは個々に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキル等のヒドロカルビル基であってもよく、そのいずれもがハロ−、アルキル−、若しくはアルコキシ基で置換されていてもよく、又は2つのR基が結合してリン原子と共に環を形成することができ、R10はヒドロカルビル基、S−、O−、若しくはN−含有5若しくは6員複素環基、又は−Z−C(=O)−P(=O)−(R基であり、式中、Zは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はフェニレン等の二価のヒドロカルビル基を表す)のものである。
好ましいアシルホスフィンオキシドは、R及びR10基が、フェニル、又は低級アルキル−若しくは低級アルコキシ−置換フェニルであるものである。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するこのような基を意味する。
例示的なUV開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン(例えば、商品名「IRGACURE(商標)184」でCiba Specialty Chemicals Corp.(Tarrytown,NY)より入手可能)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(例えば、商品名「IRGACURE(商標)2529」でCiba Specialty Chemicals Corp.より入手可能)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(例えば、商品名「DAROCURE(商標)D111」でCiba Specialty Chemicals Corp.より入手可能)及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(例えば、商品名「IRGACURE(商標)819」でCiba Specialty Chemicals Corp.より入手可能)が挙げられる。
最も好ましくは、アシルホスフィンオキシドは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE(商標)819、Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,NY)である。
第三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。例示的な第三級アミンとしては、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。
400nmを超え、1200nmまでの波長で照射されたときにフリーラジカル開始が可能な市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの25:75重量混合物(IRGACURE(商標)1700,Ciba Specialty Chemicals)、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(IRGACURE(商標)369,Ciba Specialty Chemicals)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(IRGACURE(商標)784 DC,Ciba Specialty Chemicals)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの1:1重量混合物(DAROCUR(商標)4265,Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN(商標)LR8893X,BASF Corp.,Charlotte,NC)が挙げられる。
α、β−トリケトン部分を含む、又はα−ジケトンジアルキルケタール部分を含む光開始剤もまた有用である。
光開始剤は、典型的には、以下の量で存在する:
−下限量(lower amount):少なくとも0.01、又は少なくとも0.05、又は少なくとも0.1重量%;
−上限量(Upper amount):最大5、又は最大3、又は最大2重量%;
−範囲:0.01〜5、又は0.01〜3重量%、又は0.01〜2重量%;
(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物は、成分Cとして1種以上の赤色、橙色、黄色の染料、又はこれらの組み合わせを含む。
成分Cの性質及び構造は、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
赤色の染料は、光吸収帯を有し、好ましくは550〜600nmの波長範囲内で光吸収極大を示す。
橙色の染料は、光吸収帯を有し、好ましくは480〜550nmの波長範囲内で光吸収極大を示す。
黄色の染料は、光吸収帯を有し、好ましくは460〜480nmの波長範囲内で光吸収極大を示す。
染料はまた、赤色、橙色、又は黄色の蛍光染料、すなわち、光を照射した場合に蛍光を示す染料であってもよい。
一実施形態によれば、成分Cは、以下の特徴:
a)溶解性:23℃で100gのトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDMA)中に少なくとも0.1g;
b)460〜600nmの範囲の光吸収帯を有し、
c)500〜650nmの範囲の蛍光帯を有し、
d)ペリレン部分を含む、
のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる。
特徴a)及びb)、又はa)、b)及びc)、又はa)、b)、c)及びd)の組み合わせが時々好ましい場合がある。
本明細書に記載の赤色、橙色、又は黄色の染料を添加することは、特に表面の詳細に関して、プリント精度を改善するのに役立ち得る。
更に、赤色、橙色、又は黄色の染料が380〜420nmの範囲内の光を吸収する場合に有利であり得る。このような光吸収は、良好なプリント精度に更に寄与し得る。
特に、人間の目に見えるスペクトルにおいて蛍光を示す染料の存在は、積層造形プロセス、特にSLAプロセス中の3次元物品の容易な検査及び制御を可能にする。
赤色の染料の好適な例としては、575nmで吸収極大を有するLumogen(商標)F Red 300(BASF)及びFluoreszenzrot 94720(Kremer)が挙げられる。
橙色の染料の好適な例としては、526nmで吸収極大を有するFluoreszenzorange 94738(Kremer)が挙げられる。
黄色の染料の好適な例としては、474nmで吸収極大を有するFluoreszenzgelb 94700(Kremer)が挙げられる。
赤色の染料は、典型的には、以下の量で存在する:
−下限:少なくとも0.001、又は少なくとも0.003、又は少なくとも0.005重量%;
−上限:最大1、又は最大0.5、又は最大0.1重量%;
−範囲:0.001〜1、又は0.003〜0.5、又は0.005〜0.1重量%;
(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物は、成分Dとして1種以上の青色の染料を含む。
成分Dの性質及び構造は、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
青色の染料はまた、青色の蛍光染料、すなわち、光を照射した場合に蛍光を示す赤色の染料であってもよい。
青色の染料は、光吸収帯を有し、好ましくは350〜420nmの波長範囲内で光吸収極大を示す。
必要に応じて、青色の染料は、以下の特徴:
a)溶解性:23℃で100gのTEGMA中に少なくとも0.1g;
b)350〜420nmの波長範囲内で光吸収帯を有する;
c)440〜550nmの範囲の蛍光帯を有する;
d)440〜500nmの波長範囲内で光吸収帯を有さない;
e)テレフタレート部分を含むこと、
のうちの少なくとも1つ以上で更に特徴付けられる。
特徴a)及びb)、又はa)、b)及びc)の組み合わせが時々好ましい場合がある。
青色の染料は、典型的には、300〜450nmの波長範囲内、すなわち、UV領域に関する範囲内の光吸収帯を有する。
このような吸収は、積層造形技術に使用される装置の光の発光帯に本質的に対応する又は重なり合うため、有利であり得る。
典型的には、青色の染料は、光開始剤もまた光吸収を示す、電磁スペクトルの同一範囲内の光吸収帯を示す。
青色の染料は、典型的には、有機溶媒中に可溶性であり、また放射線硬化性組成物中にも可溶性である。
一実施形態によれば、青色の染料は、テレフタレート部分を含み、よってテレフタレート染料として特徴付けることができる。
青色の染料の好適な例としては、Lumilux(商標)Blue(Honeywell)及びTinuvin(商標)326(Ciba)が挙げられる。
青色の染料は、典型的には、以下の量で存在する:
−下限:少なくとも0.01、又は少なくとも0.04、又は少なくとも0.08重量%;
−上限:最大0.1、又は最大0.5、又は最大1重量%;
−範囲:0.01〜1、又は0.04〜0.5重量%、又は0.08〜0.1重量%
(ここでの重量%は、硬化性組成物全体の重量に対する重量%である。)。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物はまた、成分Eとして安定剤を含んでもよい。
安定剤は、硬化性組成物の貯蔵寿命を延ばし、望ましくない副反応の防止に役立ち、硬化性組成物中に存在する放射線硬化性成分の重合プロセスを調整することができる。
1種又は複数の安定剤を硬化性組成物に添加することは、製造する3次元物品の表面の精度又は細部の解像度を向上させるのに更に役立ち得る。
特に、安定剤を本明細書に記載の硬化性組成物に添加することは、望ましくない散乱効果を弱める又は防止することによってSLAプロセスの解像度及び精度を高めるだけでなく、硬化性組成物の貯蔵寿命を延ばすのに役立ち得ることが分かった。
使用可能な安定剤は、多くの場合、フェノール部分を含む。
使用可能な安定剤の特定の例としては、p−メトキシフェノール(MOP)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノール(BHT:Ionol)、フェノ−チアジン、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル基(TEMPO)及びこれらの混合物が挙げられる。
安定剤が存在する場合、下記の量で存在する:
−下限量:少なくとも0.001、又は少なくとも0.005、又は少なくとも0.01重量%;
−上限量:最大0.02、又は最大0.05、又は最大0.5、最大1重量%;
−範囲:0.001〜1又は0.005〜0.05重量%;
(ここでの重量%は、硬化性組成物全体の重量に対する重量%である。)。
一実施形態によれば、放射線硬化性組成物Iは、
−成分A1((メタ)アクリレート):50〜95又は55〜90重量%;
−成分A2(ウレタン(メタ)アクリレート):0〜40又は1〜40重量%;
−成分B(光開始剤):0.01〜5又は0.01〜3重量%;
−成分C(赤色、橙色、又は黄色の染料):0.001〜1又は0.003〜0.5重量%;
−成分D(青色の染料):0.01〜1又は0.04〜0.5重量%;
−成分E(安定剤):0.001〜1又は0.005〜0.05重量%;
を含む。(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
本明細書に記載の組成物は、それぞれの成分を、特に保存光条件下で混合することによって製造され得る。必要に応じて、スピードミキサーを使用することができる。
典型的には、成分A1は最初に提供される。他の成分は所望に応じて添加される。
貯蔵中、本明細書に記載の組成物は、典型的には、好適な包装装置内で包装される。
本明細書に記載の硬化性組成物は典型的には、容器内で貯蔵される。好適な容器(container)としては、容器(vessel)、フォイルバッグ(foil bag)、カートリッジ等が挙げられる。
各容器の容積は特に限定されないが、典型的には10〜200,000ml又は500〜10,000mlの範囲内である。
本明細書に記載の硬化性組成物Iはまた、硬化性組成物I及び使用説明書を含む部材のキットとして提供することもできる。
使用説明書は典型的には、硬化性組成物が使用される必要がある条件を記載している。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、透明3次元物品を製造するために使用することができる。
放射線硬化性組成物Iを硬化させて得られる透明3次元物品は、典型的には、以下の特徴:
a)引張強度:ISO/DIN 53504(2015−8)に従って0.5〜50MPa又は1.0〜30MPa;
b)破断点伸び率:ISO/DIN 53504(2015−8)に従って10〜1000%又は50〜500%;
c)ショア硬度A:ISO/DIN 53505(2000−8)に従って30〜90;
d)光透過率:450〜600nmの範囲の波長を有する光を使用して1mmの路長に対して少なくとも50%;
e)水接触角:≦100°;
f)硬化した(メタ)アクリレートの表面に対して粘着性がない;
g)色:人間の目では赤色、橙色、又は黄色、を単独で又は組み合わせて特徴付けることができる。
透明3次元物品は、ゴム弾性であり、赤色を有する。
特徴b)及びd)、又はb)、d)及びe)、又はb)、d)、e)及びf)の組み合わせが時々好ましい場合がある。
以下に概説されるような水接触角は、特に、3次元物品が湿った環境又は湿潤環境において成形型として使用される場合に有益であり得る。
一実施形態によれば、透明3次元物品は歯科矯正用物品又は歯科用物品の形状を有する。
一実施形態によれば、透明3次元物品は歯科用物品であり、歯牙印象の形状を有する。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、放射線硬化工程、特にSLAプロセスを含む積層造形プロセスにおいて放射線硬化性組成物Iを処理することによって、透明エラストマー系3次元物品を製造するのに特に有用である。
その結果、透明エラストマー系3次元物品が得られる。
このような方法は、典型的には、下記の工程を含む:
・放射線硬化性組成物の層を表面上に提供する工程と、
・製造される3次元物品の一部となる放射線硬化性組成物の層の複数部材を放射線硬化させる工程と、
・前の層の放射線硬化された表面と接触している、放射線硬化性組成物の更なる層を提供する工程と、
・3次元物品が得られるまで前の工程を繰り返す工程。
このような方法は、放射線硬化性材料の表面に放射線を適用する工程を含み、放射線は、製造する物品の一部を後に形成する表面の部材のみに適用される。
放射線は、例えばレーザー光線を用いることにより、又はマスク画像の投影により、適用することができる。物品のより迅速な製造が可能であるため、マスク画像の投影に基づいた光造形法(MIP−SL)が場合によっては好ましい。
MIP−SL法は以下のように記述することができる。
i.製造する物品の3次元デジタルモデルを用意する。
ii.3次元デジタルモデルを、一連の水平面によってスライスする。
iii.それぞれの薄いスライスを、2次元のマスク画像に変換する。
iv.次に、マスク画像を、ビルドプラットフォーム(例えば、バットの形状を有する)に配置されている放射線硬化性材料の表面に、放射線源を利用して投影する。
v.放射線硬化性材料は、曝露されている領域のみが硬化される。
vi.放射線硬化性材料又は硬化された材料の層を含むビルドプラットフォームを、放射線源に対して動かし、前の工程で生成された硬化された材料の層と接触している放射線硬化性材料の新しい層を設ける。
vii.工程(iv)〜(vi)を、所望の物品が形成されるまで繰り返す。
放射線硬化性材料へのマスク画像の投影は、バットの向きに対し、下向き又は上向きのいずれでも実施可能である。
必要な放射線硬化性材料がより少ないため、上向き法を用いるのが有益であり得る。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物は、上向きの投影法を用いてマスク画像投影光造形法において処理するのに特に有用であることが分かった。
透明3次元物品は、特定の形状を有し、透明3次元物品を製造するために使用される放射線硬化性組成物Iとは異なる放射線硬化性組成物IIの型、支持体、又はカバーとして機能し得る。
放射線硬化性組成物IIは放射線によって硬化され、放射線は、放射線硬化性組成物Iから製造された透明3次元物品を通して照射される。
特に、方法は以下のように記述することができる。
方法は、
a)本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを提供する工程と、
b)組成物を硬化させる放射線を使用して、積層造形プロセスにおいて放射線硬化性組成物Iを処理して、外側及び内側を有する透明3次元物品を得る工程と、
c)放射線硬化性組成物IIを透明3次元物品の内側に置く工程と、
d)透明3次元物品の外側から光を照射することによって、放射線硬化性組成物IIを光硬化する工程と、
e)任意選択的に透明3次元物品を光硬化した組成物IIから取り外す工程と、を含む。
放射線硬化工程b)及び光硬化工程d)は、典型的には、異なる波長で行われる。
放射線硬化工程b)は、典型的には、350〜420nmの波長範囲内で行われる。
光硬化工程d)は、典型的には、430〜500nmの波長範囲内で行われる。
放射線硬化性組成物IIは、透明3次元物品を製造するために使用される放射線硬化性組成物Iとは異なる。
放射線硬化性組成物IIは、典型的には、以下の特徴:
−(メタ)アクリレート成分の量及び性質;
−フィラー含有量;
−不透明度;
−粘度、を単独で又は組み合わせて、放射線硬化性組成物Iとは異なる。
放射線硬化性組成物IIは、典型的には、
−放射線硬化性成分、特に(メタ)アクリレート部分を含む放射線硬化性成分と、
−光開始剤、特にα−ジケトン部分を含む光開始剤と、
−任意選択的にフィラーと、を含む。
α−ジケトン部分を含む光開始剤の例としては、ベンゾフェノン、キサントン、又はキノンから選択される部分が挙げられる。
例としては、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオンが挙げられる。
このような光開始剤は、典型的には、脂肪族アミンと組み合わせて使用される。
一実施形態によれば、放射線硬化性組成物Bは、歯科用セメント、歯科用接着剤、又は歯科用(流動性)複合材料から選択される。
好適な歯科用セメントの例は、米国特許第8,236,871(B2)号(Hecht et al.)に記載されている。
本発明はまた、透明位置決めトレイを製造する方法に関し、この方法は、
−本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iを提供する工程と、
−患者の歯科状況の少なくとも一部に関するパーソナライズデータセットを提供する工程と、
−放射線工程を含む積層造形プロセスにおける放射線硬化性組成物Iの処理のためにパーソナライズデータセットを使用して、外側表面及び内側表面(内側表面は歯科状況の表面に対応する)を有する透明位置決めトレイの形状を有する3次元物品を得る工程と、を含む。
この方法は、歯科矯正用ブラケットを3次元物品の内側表面と接触させて置く工程を更に含んでもよい。歯科矯正用ブラケットは、典型的には、放射線硬化性組成物の層を含む。
本発明はまた、歯科矯正用ブラケットを患者の口腔内の歯の表面に固定する方法に関する。
このような方法は、患者の口腔内に歯科矯正用ブラケットを収容する透明位置決めトレイを置く工程を更に含んでもよい。
この方法は、透明位置決めトレイの外側表面から、放射線硬化性組成物の層を含む歯科矯正用ブラケットに光を照射する工程を更に含んでもよい。
この方法工程は、典型的には、歯科矯正用ブラケット上に配置されている放射線硬化性組成物を硬化させ、それによって歯科状況に属する歯の表面に歯科矯正用ブラケットを固定する。
この方法は、患者の口腔から透明位置決めトレイを取り外す工程を更に含んでもよい。
本発明は更に、
−350〜420nmの範囲の波長を有する放射線を適用することにより放射線硬化性である本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iと、
−放射線硬化性組成物Iとは異なり、420〜500nmの範囲の波長を有する放射線を適用することにより放射線硬化性である放射線硬化性組成物IIと、を含む部材のキットに関する。
このような部材のキットは、放射線硬化性組成物IIに基づいて、それから透明型又は透明カバーが積層造形プロセスによって製造されている放射線硬化性組成物Iを用いて、3次元硬化物品を製造するのに特に有用である。
一実施形態によれば、キットは、
−典型的には、包装装置内に含まれる本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iと、
−放射線硬化性歯科用接着剤又はセメントの層を含む歯科矯正用ブラケットと、を含む。
本発明の歯科用組成物中で使用される全ての成分は、十分に生体適合性とされ、すなわち、この組成物は、生体組織内で、有毒反応、有害反応又は免疫反応を引き起こさない。
本明細書に記載の放射線硬化性組成物Iは、典型的には、以下の成分:
−5重量%を超える量のカチオン性硬化性成分と;
−1重量%を超える又は0.1重量%を超える量の無機顔料と;
−5重量%超の量のマトリックスの屈折率とは0.5超異なる屈折率を有するフィラー粒子と;
を単独で又は組み合わせて含まない(ここでの重量%は、組成物全体の重量に対する重量%である。)。
このように、本明細書に記載の硬化性組成物は、上記成分のいずれか又は全てを本質的に含まない。
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明に対する様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなるであろう。上述の明細書、実施例及びデータによって、本発明に関する組成物の製造及び使用並びに方法の説明を提供するものである。本発明は、本明細書に開示された実施形態には限定されない。当業者であれば、本発明の多くの代替的実施形態が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく実施できることを理解するであろう。
以下の実施例は、本発明を説明するために与えられる。
特に指示がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、特に指示がない限り、全ての実験は周囲条件(23℃、1013mbar)で実施した。
方法
粘度
所望であれば、粘度は、プレート−プレートシステム(直径20mm)及びスリット0.2mmを有するPhysica Rheometer MCR 301装置を使用して測定することができる。粘度値(Pas)は、各剪断速度(10 1/s〜100 1/sから始まる)毎に23℃で記録することができる。
pH値の測定方法
必要に応じて、pH値の測定は、当業者に既知の手段で実施することができる。例えば、脱イオン水中に樹脂を分散させることができ、Metrohm(商標)826等の機器を使用することができる。
光透過率の測定方法
必要に応じて、光透過率(コントラスト比モード)は、Color i7積分球分光測色計(spherical spectrophotometer)(x−rite Inc.(Grand Rapids,MI,USA)から入手可能)を用いて測定することができる。
試験片を、以下のおおよその寸法:直径30±0.5mm及び厚さ1±0.05mmを有するシリンダ形状にプリントし、本明細書に記載の通り処理する。
測定用の分光計パラメータは、D65イルミナント(光源;日光;6,500K)及び10°観測者である。白及び黒の背景色は以下の通り測定する:黒の背景色では積分球は閉じているためColor i7のセンサでは光が検出されない。白色(又は100%D65光)としては、積分球とColor i7のセンサの間に何もない状態で測定が必要である。サンプルの測定では、積分球とColor i7のレンズとの間のサンプルホルダに試験片を置く。これにより試験片を積分球の開口部の真正面に置く。
透過率(%T)は、450、470、及び500nmの波長でソフトウェアColor iControl V7.5.10を使用して計算する。
光吸収帯の測定方法
必要に応じて、光吸収スペクトルは、分光測色計Spectramax 190(Molecular Devices LLC.(Sunnyvale,CA,USA)から入手可能)を使用して測定することができる。キュベットとして、Microtest 96−Well 370μl Clear Plate(BD Biosciences(Franklin Lakes,NJ,USA)から入手可能)などのマルチキュベットを使用する。200μlの言及されている樹脂溶液を、96キュベットのうちの1つに入れ、Spectromax 190内に置く。200nm〜800nmの間のスペクトルを1nm単位で記録する。
積層造形プロセス
室温(23℃)及び50%湿度でDLP/SLA 3Dプリンタ(Rapid Shape S30)中で組成物を使用して(VAT重合)試験片を生成し、得られたプリントされたエラストマーの詳細精度を確認した。
以下のパラメータを適用した:
−LEDランプを使用した光重合:405nm、
−50mW/cm
−分離間隙:2.5mm、
−光曝露時間:20〜0.5秒、
−層厚:50μm。
後処理
試験片をイソプロパノールで充填された超音波浴中で5分間洗浄し、Visio(商標)Beta器具(3M Oral Care)を使用して、真空なしで7分間プログラム2を適用して後処理した。
詳細精度を決定する方法
以下のプロトコールを使用して、得られた3次元物品を目視検査することにより、プリンティング精度を判定することができる。2.75×の倍率で双眼メガネルーペを使用して(Fa Fino)、白い背景色(白色の印刷用普通紙)の前で、通常の室内照明において3次元物品を検査した。
ショア硬度
ショア硬度は、試験片の硬化の24時間後にDIN 53505(2000−8)に従って決定することができる。プラスチック箔シートで被覆された金属成形型(円筒状15×6mm)に配合物を充填し、Visio(商標)Beta(3M)装置にてプログラム2で真空なしでプレス及び硬化させることによって試験片を調製する。
引張強度及び破断点伸び率
引張強度及び伸び率を決定するために、プラスチック箔シートで被覆された金属成形型(2×2×25mm)に配合物を充填し、Visio(商標)Beta(3M)装置にてプログラム2で真空なしでプレス及び硬化させる。試験手順はDIN 53505(2015−8)に従う。
水接触角
必要に応じて、水接触角は、国際公開第2014/130603号(3M)の40頁に記載されているように決定することができる。
べたつき
従来のElipar(商標)S 10光硬化装置(最大ピーク450nm、3M Oral Care)を使用して、20秒の硬化時間で歯科モデル内の歯の上に適用した後、材料を光硬化させることによって、成形型を調製した。
次いで、成形型を光硬化性セメントRelyX(商標)Unicem 2 Automix(A2)(3M Oral Care)で充填した。
その直後、成形型内のセメントを、赤色成形型を通してElipar(商標)S10の光に20秒間曝露した。これにより、硬化エラストマーを通したセメントの良好な硬化性を示すRelyX(商標)Unicem 2材料の即時硬化をもたらした。
べたつきは、光硬化性組成物Yからなる成形型における光硬化された材料Xのサンプルの接着性を目視及び手作業で検査することによって決定することができる。
材料
組成物の調製
全ての組成物は、それぞれの成分を組み合わせ、電磁攪拌器を使用して組成物を2時間撹拌することによって製造された。
組成
全ての量は、重量部で与えられる。
結果
実施例1:
組成物1は有意な過剰硬化なしで十分な解像度を達成した(図2)。
組成物2は同一条件下で許容できない過剰硬化を示した(図3)。
実施例2
実施例3:
組成物3からの配合物を使用してSTLファイルを使用して、透き通った位置決めトレイ(CPT)のサンプルを製造した。
製造、後処理及び洗浄を、実施例2の手順に従って実施した。
結果を図4に示す。CPTは目視検査時に非常に高い詳細精度(++)を示した。

Claims (15)

  1. 積層造形プロセス用の放射線硬化性組成物であって、前記組成物は、
    成分A1として、ウレタン部分を含まず、少なくとも1,000の分子量Mwを有する(メタ)アクリレート成分と、
    成分Bとして光開始剤と、
    成分Cとして赤色、黄色、若しくは橙色の染料、又はこれらの組み合わせと、
    成分Dとして350〜420nmの範囲の光吸収帯を有する青色の染料と、
    任意選択的に成分Eとして安定剤と、を含む、放射線硬化性組成物。
  2. 前記組成物が、以下の特徴:
    粘度:23℃で200Pas未満;
    pH値:湿らせたpH感受性紙と前記硬化性組成物を接触させた場合6〜8;
    光透過率:500の波長を有する光を使用して1mmの路長に対して少なくとも40%;
    350〜420nmの範囲の波長を有する光での放射線硬化性;
    外観:透明;
    色:赤色、黄色、又は橙色、
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート成分が、以下の特徴:
    少なくとも2つの(メタ)アクリレート部分を含むこと;
    ポリアルキレンオキシド骨格を含むこと;
    分子量(Mw):1,000〜20,000g/mol;
    前記(メタ)アクリレート部分が結合しているポリエーテル骨格を含むこと;
    粘度:23℃で0.1〜100Pas、
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる、請求項1又は2に記載の放射線硬化性組成物。
  4. 前記赤色、橙色、又は黄色の染料が、以下の特徴:
    溶解性:23℃でトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに可溶性;
    460〜600nmの範囲の光吸収帯を有すること;
    ペリレン部分を含むこと、
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物。
  5. 前記青色の染料が、以下の特徴:
    溶解性:23℃でトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに可溶性;
    テレフタレート部分を含むこと、
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線硬化性。
  6. 前記組成物が、成分A2として、ウレタン部分を含む追加の(メタ)アクリレート成分を含み、成分A1は、成分A2と比較してより多い量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物。
  7. エラストマー系3次元物品の製造方法であって、放射線硬化工程を含む積層造形プロセスにおいて、請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を処理する工程を含み、前記放射線硬化工程は、好ましくは350〜420nmの範囲の波長を有する光を使用する、製造方法。
  8. 前記エラストマー系3次元物品が、歯科矯正用物品又は歯科用物品の形状を有し、前記歯科用物品は、好ましくは歯牙印象の形状を有する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物をその硬化状態で含む、エラストマー系3次元物品。
  10. 以下の特徴:
    引張強度:ISO/DIN 53504(2015−8)に従って0.5〜50MPa;
    破断点伸び率:ISO/DIN 53504(2015−8)に従って10〜1000%;
    ショア硬度A:ISO/DIN 53505(2000−8)に従って30〜90;
    光透過率:450〜600nmの範囲の波長を有する光を使用して1mmの路長に対して少なくとも50%;
    水接触角:≦100°;
    硬化した(メタ)アクリレートの表面に対して粘着性がない;
    色:赤色、橙色、又は黄色、
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴づけられる、請求項9に記載のエラストマー系3次元物品。
  11. 放射線硬化性組成物IIを硬化させる方法であって、
    a)放射線硬化性組成物Iを準備する工程であって、前記放射線硬化性組成物Iは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物である、工程と、
    b)前記組成物Iを硬化させる放射線を使用して、積層造形プロセスにおいて前記放射線硬化性組成物Iを処理して、外側及び内側を有する透明エラストマー系3次元物品を得る工程と、
    c)前記放射線硬化性組成物IIを前記透明3次元物品の前記内側に置く工程と、
    d)前記透明3次元物品の前記外側から前記放射線硬化性組成物IIを光硬化する工程と、を含み、
    前記放射線硬化性組成物IIは前記放射線硬化性組成物Iとは異なる、方法。
  12. 工程b)及び工程d)における前記硬化が、異なる波長で行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記放射線硬化工程b)が350〜420nmの範囲の波長で行われ、
    前記放射線硬化工程d)は430〜500nmの範囲の波長で行われる、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記放射線硬化性組成物IIが、歯科用セメント、歯科用接着剤、又は歯科用複合材料から選択される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物である、放射線硬化性組成物Iと、
    前記放射線硬化性組成物Iとはその化学組成が異なり、430〜500nmの範囲の波長内で放射線硬化性である放射線硬化性組成物IIと、
    を含む、部材のキット。
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