JP2020512548A - 皮膜形成アミンの判定方法 - Google Patents

皮膜形成アミンの判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020512548A
JP2020512548A JP2019550878A JP2019550878A JP2020512548A JP 2020512548 A JP2020512548 A JP 2020512548A JP 2019550878 A JP2019550878 A JP 2019550878A JP 2019550878 A JP2019550878 A JP 2019550878A JP 2020512548 A JP2020512548 A JP 2020512548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
formula
water
organic amine
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019550878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6891970B2 (ja
Inventor
ユーリア ヤスペル
ユーリア ヤスペル
カースツィン ジムメル
カースツィン ジムメル
バヒェ アンドレ デ
バヒェ アンドレ デ
ヴォルフガンク ハーター
ヴォルフガンク ハーター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Publication of JP2020512548A publication Critical patent/JP2020512548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6891970B2 publication Critical patent/JP6891970B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N31/00Investigating or analysing non-biological materials by the use of the chemical methods specified in the subgroup; Apparatus specially adapted for such methods
    • G01N31/22Investigating or analysing non-biological materials by the use of the chemical methods specified in the subgroup; Apparatus specially adapted for such methods using chemical indicators
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/40Concentrating samples
    • G01N1/405Concentrating samples by adsorption or absorption
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/40Concentrating samples
    • G01N1/4077Concentrating samples by other techniques involving separation of suspended solids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/18Water
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/40Concentrating samples
    • G01N1/4077Concentrating samples by other techniques involving separation of suspended solids
    • G01N2001/4088Concentrating samples by other techniques involving separation of suspended solids filtration
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/77Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator
    • G01N21/78Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator producing a change of colour

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明は、有色錯体を検出することにより、表面上の皮膜形成アミンを判定する方法に関する。また、本発明は、皮膜形成アミンを検出するための、吸収体材料の使用にも関する。また、本発明は、皮膜形成アミンを判定することができる要素を含むパーツキットにも関する。

Description

本発明は、有色錯体を検出することにより、表面上の皮膜形成アミンを判定する方法に関する。また、本発明は、皮膜形成アミンを検出するための、吸収体材料の使用にも関する。また、本発明は、皮膜形成アミンを検出するための、試験クーポンの使用にも関する。また、本発明は、皮膜形成アミンを判定することができる要素を含むパーツキットにも関する。
含水システム、具体的には、蒸気発生器、例えば発電プラントの蒸気発生器の水回路および蒸気回路は、水と接触する表面の腐食およびスケールによる損傷を防止するために、水処理添加剤を必要とする。
皮膜形成アミンをベースとする有機水添加剤は、優れた水/蒸気サイクル処理を実現する。これは、運転停止中に防食が必要であり、水と接触している部品および乾燥した状態の部品の双方を保護しなければならないような、サイクル・モードで運転しているプラントに特に当てはまる。皮膜形成アミンは、少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニル基を有することを特徴とする。皮膜形成アミンは、金属または金属酸化物表面と腐食媒体との間に保護層を形成する。処理の有効性管理は、これまで、水サイクルの水相中または水−蒸気サイクルの復水中の残留皮膜形成アミンの測定のみによってなされており、これは、表面の完全な保護についての間接的に証明するものと考えられている。しかしながら、タービン翼上やドラム内面上など、水−蒸気サイクルのさまざまな表面上に皮膜形成アミンが存在することを直接的に証明することが求められている。
水を噴霧することによって示される表面の疎水性は、表面上に皮膜形成アミンが存在することを定性的に評価するために利用することができる。疎水性試験または液滴試験は、非常に簡易で使いやすい。疎水性表面の場合、液滴は、典型的な円形を有する。疎水性は、接触角の測定によって定量化することができる。しかしながら、この方法は、プラントの検査には適さない(Pensini,E.、Cuoq,F.、van Lier,R.、Hater,W.、Kraft,P.、Halthur,T.:Laboratory Investigations for the Replacement of Cyclohexylamine by 2−(Diethylamino)ethanol in Film Forming Amine Product Formulations;Proceedings of the JIE 2016、Poitiers、刊行予定)。具体的には、この試験は、特に多孔質材料、例えば酸化鉄層を有する表面上、または粗面上では、必ずしも疎水性を示すとは限らない。さらに、この試験は、皮膜形成アミンに対して選択的ではない。
WO03/036260は、ポリマーである担体に結合した1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−カルボン酸(HOBT)に関する。この固定化HOBTは、アミンを検出および分離するために、アシル化反応またはスルホニル化反応によるアミンの誘導体化または変性を行うために使用することができる。この文献は、少なくとも1種の直鎖状または分岐状の非環式C12〜C22炭化水素基を有する本発明によるアミンとは異なるアミンを判定する方法に関する。
US2006/057022は、微生物による食品の腐敗を判定する方法に関する。食品は、いくらかのタンパク質またはアミンを含有し得る。アミンの存在は、キサンテン色素、アゾ色素、またはヒドロキシル官能性トリフェニルメタン色素によって検出することができる。検出されるアミンは、プトレシン(ブタン−1,4−ジアミン)、カダベリン(ペンタン−1,5−ジアミン)、ヒスタミン(2−(1H−イミダゾール−4−イル)エタンアミン)、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、インドール、スペルミン、およびスペルミジンから選択される。
WO2006/079167は、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、硝酸エステル、または酸化剤から選択された分析物の存在を試験するための装置に関する。しかしながら、本発明によるアミンの判定には言及していない。
GB994051は、例えば、ボイラー給水、復水、および冷却水などの水中のアミンの判定に関する。水中のアミン濃度は、スルホンフタレイン類の化合物である指示薬によって検出される。
したがって、完全な皮膜形成を確認するために、表面上の少なくとも1種の皮膜形成アミンを定性的および定量的に判定するための簡易かつ選択的な方法を提供することが、本発明の目的である。試験は、管の切断など、表面サンプルの採取を必要とせずに、プラントの検査時に利用できるべきである。
驚くべきことに、本発明の根底をなす課題は、表面が、12〜22個の炭素原子を有する少なくとも1つの直鎖状または分岐状非環状炭化水素基を有する少なくとも1種の皮膜形成有機アミンを保護量で含有するかどうかを判定する方法であって、表面からサンプルを採取するステップと、少なくとも1種の皮膜形成有機アミンの存在についてサンプルを分析するステップとを含む、方法によって解決される。
本発明による方法および以下に記載するその特定の実施形態は、以下の点のうち1つ以上の点について有利である。
・大きな技術上の努力なしに、直接その場での評価が可能である。
・本発明の方法は、発色試薬または蛍光物質を用いた、表面上の保護層の存在/不存在に関する直接試験である。
・本方法は、低濃度の皮膜形成アミンに対して感度を有する。
・本方法は、はっきり目に見える着色をもたらすため、簡易な用途に適している。最も簡易な例では、表面上の皮膜形成アミンの保護層の存在を肉眼で検出することができる。
・本方法は、酸化鉄およびその色による悪影響を受けない。
・本方法は、安全な化学物質のみを使用する。
・本方法は、皮膜形成アミンの定量的測定も可能にする。
・本方法は、水サイクルまたは蒸気サイクルに組み込まれた試験クーポンを用いて、水中の皮膜形成アミンの存在を判定するために、間接的に実施してもよい。
・試験クーポンは、アクセスが容易であり、容易に交換することができる。
また、本発明は、皮膜形成アミンを検出するための、セルロース、変性セルロース、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選択された吸収体材料の使用にも関する。
また、本発明は、試験クーポンの表面上に皮膜形成アミンを堆積させるために十分な時間にわたり水サイクルまたは蒸気サイクルに組み込まれた試験クーポンの使用にも関する。皮膜形成アミンが堆積した試験クーポンを取り出したあと、その試験クーポンの表面を上記および下記に記載の皮膜形成アミンを検出するための方法で検査する。
また、本発明は、皮膜形成アミンを判定することができる要素を含むパーツキットにも関する。
今回、驚くべきことに、特定の物体の表面、具体的には水/蒸気サイクル構造の表面上に、少なくとも1種の皮膜形成アミンの保護層が存在するかどうかを直接試験によって検出できることが判明した。水/蒸気サイクルのすべての表面上の完全な皮膜形成とそれらの表面から直接採取したサンプル中の皮膜形成アミンの判定との間には、十分な相関関係があることが判明した。
具体的には、標準条件下で表面サンプルを採取し、少なくとも1種の皮膜形成アミンの保護層の存在/不存在を肉眼で判断することを可能にする、簡易な発色反応を実施することが可能である。本発明の方法によれば、とりわけ、表面を吸収体材料に密着させて、皮膜形成アミンの吸収体材料への移動を行ない、溶媒で抽出することによって、吸収した吸収体材料からアミンを抜き出し、その抽出物に、皮膜形成アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加することにより、簡易な標準試験を実施することが可能である。有色錯体の形成が生じた場合、その表面は、十分な量の皮膜形成アミンを含有する。特定の実施形態では、前処理したワイプに表面を接触させ、既定の量の溶媒で抽出し、既定の量の発色試薬、例えばローズベンガルを添加する。有色錯体の発生は、表面が十分に保護されていることを示す。別の実施形態では、いかなる皮膜形成アミン、または水を含有する皮膜形成アミンもしくは皮膜形成アミンを含有する水にも事前に暴露されていない試験クーポンを水が流れている水/蒸気サイクル内の適切な位置に組み込む。試験クーポンの表面上に皮膜形成アミンを堆積させるのに十分な時間が経過したあと、試験クーポンを水/蒸気サイクルから取り出す。試験クーポンの表面を溶媒で洗浄し、皮膜形成アミンを含むこの溶媒に、皮膜形成アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加することによって、この表面を抽出する。有色錯体の形成が生じた場合、その表面は、十分な量の皮膜形成アミンを含有する。
本発明の方法によれば、保護量の少なくとも1種の皮膜形成有機アミンが存在するということは、その皮膜形成有機アミンが試薬と有色錯体を形成することを意味する。結果として、皮膜形成アミンは、金属または金属酸化物表面と腐食媒体、例えば、酸素、二酸化炭素、炭酸などとの間に保護層を形成する。皮膜形成有機アミンと試薬とが有色錯体を形成する場合、これは、金属または金属酸化物表面を保護するのに十分な量の皮膜形成有機アミンが存在することを意味する。皮膜形成有機アミンと試薬とが有色錯体を形成しない場合、これは、皮膜形成有機アミンの量が保護層を形成するには少なすぎるか、または皮膜形成有機アミンが全く存在しないことを意味する。したがって、試験は陰性であり、金属または金属酸化物表面と腐食性物質との間に保護層は存在しない。
本発明に関して、表面からサンプルを採取するということは、その表面に自由にアクセスできるとき、例えば、水−蒸気サイクルの場合であれば、休止中または停止中、例えばプラントの検査中に、サンプルを採取することができることを意味する。例えば管を切断するなど、破壊的な方法で表面サンプルを採取することによって、表面に損傷を与える必要はない。
本発明の好適な実施形態では、サンプルを採取するために、吸収体材料を表面に密着させて、この支持体に、上記および下記に定義する、好ましくは式(I)のものである少なくとも1種の有機アミンを移動させる。
別の実施形態では、上記および下記に定義する、好ましくは式(I)のものである少なくとも1種の皮膜形成有機アミンの存在について、試験クーポンの表面を分析する。
本発明に関して、吸収体材料および支持体という用語は、同意語として使用される。
本発明に関して、表面とは、皮膜形成有機アミンの少なくとも1つの層によって一般に保護され得るすべての表面を意味する。
本発明のさらなる好適な実施形態では、表面は、水サイクルまたは蒸気サイクルの、水または蒸気が接触する表面である。一般に、水サイクルまたは蒸気サイクルは、プラントにおいて見られる。特定の実施形態では、タービン翼の表面またはドラムの内面もしくは外面の水もしくは蒸気が接触する表面が使用される。
本発明の別の実施形態では、試験クーポンは、水サイクルまたは蒸気サイクル中に存在する上記および下記に定義する少なくとも1種の有機アミンを吸収するのに十分な時間にわたり、水サイクルまたは蒸気サイクル内に組み込まれる。
本発明に関して、十分な時間という用語は、水サイクルまたは蒸気サイクルの、水または蒸気が接触する表面上の少なくとも1種の有機皮膜形成アミンの量を示す、ある量の少なくとも1種の有機皮膜形成アミンを試験クーポンの表面上に堆積させるのにかかる時間を意味する。これは、試験クーポンの表面上の少なくとも1種の有機皮膜形成アミンの量と水サイクルまたは蒸気サイクルの表面上の少なくとも1種の有機皮膜形成アミンの量との間に定常状態(平衡)が達成されるのにかかる時間である。
一般に、試験クーポンを水または蒸気サイクル内に組み込む時間は、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週間である。
測定ごとに各試験クーポンの設置期間が等しく、水流量が同様であれば、吸着の示度は、水中の皮膜形成アミン濃度の相対的尺度となる。したがって、この示度が高いほど、水中の皮膜形成アミン濃度が高いことになる。
別の好適な実施形態では、試験クーポンは、上記および下記に定義する少なくとも1種の有機皮膜形成アミンを吸収することができる材料で作られている。好ましくは、試験クーポンは、水/蒸気サイクル中で不活性であり、かつ少なくとも1種の有機アミンに対しても不活性である材料で作られている。より好ましくは、試験クーポンは、水/蒸気サイクル中に使用されている材料で作られている。特に、試験クーポンは、鋼、ステンレス鋼、または銅で作られている。
本発明に関して、鋼とは、鉄と炭素およびその他の元素との合金である。鋼の炭素含有量は、単純な鉄−炭素合金では0.002%〜2.14重量%である。このような値は、マンガン、クロム、ニッケル、鉄、タングステン、炭素などの合金元素によって異なる。
本発明に関して、ステンレス鋼とは、クロム含有量が最低10.5質量%の合金鋼である。
試験クーポンは、主として、水/蒸気サイクルのすべての位置および部分に設置することができる。好ましくは、試験クーポンは、水/蒸気サイクルのサンプリング・ライン内に位置づけられる。
原則として、試験クーポンの形状は重要ではない。したがって、試験クーポンは、例えば、長方形、正方形、または円形の形状を有してもよい。水または蒸気サイクル中に組み込んだ際に水および/または蒸気と接触する試験クーポンの表面積は、好ましくは5mm〜1mの範囲、より好ましくは10mm〜0.25mの範囲である。
好適な実施形態では、アミンは、式(I):
−(NR−NR (I)
Figure 2020512548
[式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、
は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
は、C〜C−アルカンジイルであり、
、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
の化合物である。
さらなる好適な実施形態では、本発明による方法は、上記および下記に記載される式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、その有色錯体を検出するステップとを含む。
本発明のさらなる好適な実施形態は、表面上の式(I)
−(NR−NR (I)
[式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、
は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
は、C〜C−アルカンジイルであり、
、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
の少なくとも1種の有機アミンを判定する方法であって、
i)式(I)の少なくとも1種の有機アミンを溶媒a)を含む吸収体材料に移動させるステップと、
ii)溶媒a)と同じまたは異なる第2の溶媒b)で、その吸収体材料から式(I)のアミンを抽出して、溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む抽出物を得るステップと、
iia)場合により、その抽出物を濾過するステップと、
iii)場合により、得られた抽出物のpH値を調整するステップと、
iv)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
v)その有色錯体を検出するステップと、
を含む、方法である。
本発明の別の実施形態は、表面上の式(I)
−(NR−NR (I)
[式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、
は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
は、C〜C−アルカンジイルであり、
、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
の少なくとも1種の有機アミンを判定する方法であって、
溶媒c)を用いて、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンの表面から式(I)の少なくとも1種の有機アミンを洗浄して、溶媒c)および式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含む抽出物を得るステップと、
viia)場合により、得られた抽出物を濾過するステップと、
viib)場合により、得られた抽出物のpH値を調整するステップと、
viii)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
ix)その有色錯体を検出するステップと、
を含む、方法である。
当然ながら、本発明には、試験クーポンに吸収された有機アミンをまず上記で定義した吸収体材料に移動させてから、上述のように吸収体材料から有機アミンを抽出することができることも含まれる。参照により組み込まれる前述の手段を参照する。
本発明に関して、皮膜形成アミンという表現は、式(I)
−(NR−NR (I)
[式中、R、R2、、R、R、およびnは、上記または下記に定義する意味のうちの1つを有する]の有機アミンを指す。
式(I)に関連して、Rは、好ましくは、12〜22個の炭素原子を有する線状、すなわち直鎖の炭化水素基、とりわけ、12〜22個の炭素原子を有する飽和直鎖状炭化水素基、または12〜22個の炭素原子および1、2、3、または4個のC=C−二重結合、とりわけ1または2個のC=C−二重結合を有する不飽和直鎖状炭化水素基である。好ましくは、Rは、16〜20個の炭素原子を有する。具体的には、Rは、16〜20個の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、特に、16〜20個の炭素原子を有する飽和直鎖状炭化水素基、または16〜20個の炭素原子および1または2個のC=C−二重結合を有する不飽和直鎖状炭化水素基である。特に、Rは、18個の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、特に、18個の炭素原子を有する飽和直鎖状炭化水素基、または18個の炭素原子および1個のC=C−二重結合を有する不飽和直鎖状炭化水素基であり、特に好適なRは、18個の炭素原子および1個のC=C−二重結合を有する不飽和直鎖状炭化水素基である。
基の例には、限定するものではないが、ラウリル(n−ドデシル)、ミリスチル(n−テトラデシル)、セチル(n−ヘキサデシル)、マルガリル(n−ヘプタデシル)、ステアリル(n−オクタデシル)、アラキジル(n−エイコサニル)、ベヘニル(n−ドコセニル)、パルミトレイル(9−ヘキサデセン−1−イル)、オレイル(9−ヘキサデセン−1−イル)、11−オクタデセン−1−イル、9,12−オクタデカジエン−1−イル、および9,12,15−オクタデカトリエン−1−イル、ならびにそれらの混合物、例えば、牛脂アルキル(主に直鎖状C16/C18アルキルからなる直鎖状アルキルの混合物)、およびココアルキル(主にC12〜C18アルキルからなる直鎖状アルキルの混合物)がある。極めて特殊な実施形態では、Rはオレイルであり、これはC1835基を意味する。
式(I)に関連して、C〜C−アルカンジイルは、2、3、または4個の炭素原子を有する二価の飽和炭化水素基を含むものと理解され、これは、直鎖状でも分岐状でもよいが、好ましくは直鎖状である。したがって、Rは、エタンジイル、プロパンジイル、またはブタンジイルである。Rは、とりわけ、1,2−エタンジイルまたは1,3−プロパンジイルであり、特に1,3−プロパンジイルである。
式(I)に関連して、C〜C−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、例えば、CH、C、n−プロピル、CH(CH、n−ブチル、CH(CH)−C、CH−CH(CH、およびC(CHを意味する。したがって、R、R、およびRは、独立して、水素、CH、C、n−プロピル、CH(CH、n−ブチル、CH(CH)−C、CH−CH(CH、およびC(CHから選択される。とりわけ、R、R、およびRは、独立して、水素、CH、C、n−プロピル、およびCH(CHから選択され、特に水素である。
式(I)に関連して、nは、好ましくは0、1、または2、とりわけ1である。
nが0である特定の式(I)のアミンの例は、オクタデシルアミン、オレイルアミン、牛脂アミンである。
nが1または2である特定の式(I)のアミンの例は、N−オレイル−1,3−ジアミノエタン、N−牛脂−1,3−ジアミノプロパン、1−ココアルキル−1,3−ジアミノプロパン、ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−[3−(ココアルキルアミノ)プロピル]プロパン−1,3−ジアミン(=ココアルキルジプロピレントリアミン)、N−[3−(牛脂アルキルアミノ)プロピル]プロパン−1,3−ジアミン(=牛脂アルキルジプロピレントリアミン)、N−[3−[3−(ココアルキルアミノ)プロピルアミノ]プロピル]プロパン−1,3−ジアミン(=ココアルキルトリプロピレンテトラミン)、およびN−[3−[3−(牛脂アルキルアミノ)プロピル­アミノ]プロピル]プロパン−1,3−ジアミン(=牛脂アルキルトリプロピレンテトラミン)である。nが1または2である適切な式(I)のアミンは、市販されており、例えば、AkzoNobel社のDuomeen(商標)ブランドの製品、例えば、Duomeen(商標)T、Duomeen(商標)OおよびDuomeen(商標)C、AkzoNobel社のTriameen(商標)ブランドの製品、例えば、Triameen(商標)TおよびTriameen(商標)C、Archem社のDinoram(商標)ブランドの製品、例えば、Dinoram(商標)OおよびInipol(商標)DSがある。
nが3である特定の式(I)のアミンの例は、AkzoNobel社のTetrameen(商標)ブランドの製品、例えば、Tetrameen(商標)Tとして市販されている。
、Rおよび/またはRが−(C2m−2O)−Hであり、このときmが1、2、3、または4であり、pが1、2、3、または4である特定の式(I)のアミンの例は、アルコキシル化脂肪族アミンである。
アルコキシル化脂肪族アミンは、一般的な方法で、例えば、相当する第一級または第二級脂肪族アミンを少なくとも1種のアルキレンオキシドと反応させることによって、調製することができる。アルコキシル化に第一級脂肪族アミンを使用する場合、得られる生成物は、窒素原子に結合した2つのポリエーテル鎖を有する。特定の実施形態では、天然の脂肪族アミンをベースとする脂肪族アミン混合物がアルコキシル化に使用される。動物性脂肪に基づくアミンは、例えば、オレイン酸アミン、パルミチン酸アミン、ステアリン酸アミン、ミリスチン酸アミン、およびリノール酸アミンの混合物を含む。適切な第一級脂肪族アミンは、例えば、牛脂、ヤシ油、大豆油、パーム核油に由来するアミン、オレイルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、およびそれらの混合物である。アルコキシル化に適した脂肪族アミンは市販されており、例えば、Ethomeen C/12、Ethomeen C/15、Ethomeen C/25、Berol 398としてのヤシ油アミン、またはEthomeen T/12、Ethomeen T/12 LC、Ethomeen T/15、Ethomeen T/25、Ethoduomeen T/13、Ethoduomeen T/22、Ethoduomeen T/25としての牛脂アミン、またはBerol 302、Ethomeen O/12、Ethomeen O/12 LC、Ethomeen OV/17、Ethomeen OV/22としてのオレイルアミンがある。アルコキシル化に適したアルキレンオキシドは、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、およびそれらの混合物である。
特定の実施形態は、エトキシル化脂肪族アミンであり、好ましくは、エトキシル化牛脂アミン、エトキシル化ヤシ油アミン、エトキシル化大豆油アミン、エトキシル化オレイルアミン、エトキシル化デシルアミン、エトキシル化ドデシルアミン、エトキシル化トリデシルアミン、およびエトキシル化テトラデシルアミンである。
好適なエトキシル化脂肪族アミンは、3〜15個のEOを有するエトキシル化牛脂アミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化ヤシ油アミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化オレイルアミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化ドデシルアミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化トリデシルアミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化テトラデシルアミン、4〜15個のEOを有するエトキシル化ヘキサデシルアミン、3〜15個のEOを有するエトキシル化オクタデシルアミン、およびそれらの混合物である。
nが1であり、R、R、および/またはRがヒドロキシエチルである特定の式(I)のアミンの例は、Akzo Nobel社からEtoduomeen Tシリーズ、例えば、Ethoduomeen T/13、Ethoduomeen T/22、Ethodumeen T/25として市販されている。特定の例は、トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンである。
nが0であり、R、R、およびRがヒドロキシエチルである特定の式(I)のアミンの例は、Akzo Nobel社からEthomeen Tシリーズ、例えば、Ethomeen C/12、Ethomeen C/15、Ethomeen C/25、Ethomeen T/12、Ethomeen T/12 LC、Ethomeen T/15、Ethomeen T/25、Ethomeen O/12、Ethomeen O/12 LC、Ethomeen OV/17、Ethomeen OV/22として市販されている。
ステップi)
本発明による方法のステップi)では、式(I)の少なくとも1種の有機アミンは、溶媒a)を含む吸収体材料に移動される。
この吸収体材料は、水−蒸気サイクルのさまざまな表面、例えばタービン翼上やドラム内面上を拭くのに適した吸収性ワイプ材料である。さらに、この吸収体材料は、式(I)の少なくとも1種の有機アミンを吸収することができる。
また、本明細書中で使用する「吸収体」という用語は、繊維、紙、および板紙も含み、広葉樹材、針葉樹材、または広葉樹材と針葉樹材との組み合わせに由来する繊維などのセルロースパルプ繊維の織布を含有する、通常は多孔質のシート状構造物を指す。場合により、繊維の少なくとも一部は、合成繊維であってもよく、および/または非木質の草木植物、例えば、麻、ジュート、亜麻、またはサイザル麻から形成されてもよい。さらに、吸収体は、従来の添加剤、例えば、ガラス繊維、無機フィラー、サイジング剤、歩留向上剤、および補強ポリマーを含んでもよい。
吸収体材料は、セルロース、変性セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選択される。
本明細書で使用する「セルロース」という用語は、繰り返し単位(C10)として(1−4)−結合β−グルコース部分を含む、一般式(C10(式中、変数nは、繰り返し単位の平均数である)の直鎖状長鎖多糖を指す。セルロースは、通常は、主にリグニンおよびヘミセルロースと共に植物の細胞壁中に存在する天然物である。
本発明の方法で使用するセルロース製品に含まれるセルロースは、繰り返し単位として、β−グルコース部分に加えて、他のヘキソース部分、例えば、β−ガラクトース部分またはα−グルコース部分を含んでいてもよい。好ましくは、セルロース製品のセルロースは、そのセルロースに含まれる繰り返し単位の総平均数nに対して、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、とりわけ少なくとも99%のβ−グルコース部分からなる。さらに、セルロースの繰り返し単位の一部またはすべては、例えば、そのヒドロキシル基を部分もしくは完全エーテル化またはエステル化することによって誘導体化されていてもよい。しかしながら、本発明の好適な実施形態によれば、セルロースのヒドロキシル基のうち10%未満、好ましくは5%未満、とりわけ1%未満が誘導体化されている。
好適な実施形態では、吸収体材料は、α−セルロースの量が少なくとも95%のセルロースである。
上述のように、セルロースの繰り返し単位の一部またはすべては、例えば、そのヒドロキシル基を部分もしくは完全エーテル化またはエステル化することによって誘導体化されていてもよい。適切な変性セルロースは、セルロースエステル、およびセルロースエーテル、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースである。
適切な吸収体材料は、VWR International GmbH社、Machery−Nagel GmbH & Co.KG社、Satorius stedim社、Merck milipore Lts社から市販されている。一般に、吸収体材料は、少なくとも1種の溶媒a)を含む。溶媒a)は、式(I)の少なくとも1種の有機アミンを吸収体材料に移動させることができる。
少なくとも1種の溶媒a)は、好ましくは、少なくとも1種の水混和性有機溶媒と水との混合物から選択され、この少なくとも1種の水混和性有機溶媒の重量部は、溶媒a)の総重量に対し少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%である。
特定の実施形態では、少なくとも1種の溶媒a)は、水を含有しない。
少なくとも1種の溶媒a)は、20℃での蒸気圧が最大45 hPa、好ましくは20℃での蒸気圧が最大10 hPaの1種以上の有機溶媒を含む、またはそのような1種以上の有機溶媒からなる。
少なくとも1種の水混和性有機溶媒は、イソプロパノール、炭酸プロピレン、エチレングリコール、およびブタノールから選択される。とりわけ、少なくとも1種の水混和性有機溶媒は、イソプロパノールおよび炭酸プロピレンから選択される。
好適な実施形態では、少なくとも1種の溶媒a)は、水とイソプロパノールとの混合物であり、イソプロパノールの重量部は、溶媒a)の総重量に対し、少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%である。特定の実施形態では、イソプロパノールは水を含有しない。
別の好適な実施形態では、少なくとも1種の溶媒a)は、水と炭酸プロピレンとの混合物であり、炭酸プロピレンの重量部は、溶媒a)の総重量に対し、少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%である。特定の実施形態では、炭酸プロピレンは水を含有しない。
別の好適な実施形態では、吸収体は、適切な量の溶媒a)を含む。
ステップii)またはステップvi)
本発明による方法のステップii)では、式(I)の少なくとも1種の有機アミンは、溶媒a)が炭酸プロピレンを除外するという条件で、溶媒a)と同じまたは異なる第2の溶媒b)で吸収体材料から抽出される。
本発明による方法のステップvi)では、式(I)の少なくとも1種の有機アミンは、溶媒c)を用いて、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンの表面から洗浄される。
好適な実施形態では、ステップii)で使用する溶媒b)は、重量比が70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の水と少なくとも1種の水混和性有機溶媒との混合物から選択される。
溶媒b)中の少なくとも1種の水混和性有機溶媒は、好ましくは、イソプロパノール、エタノール、アセトン、ブタノン 酢酸エチル、酢酸メチル、エチレングリコール、ブタノール、溶媒a)、およびそれらの混合物から選択されるが、ただし溶媒a)は炭酸プロピレンを除外するものとする。とりわけ、溶媒b)は、溶媒a)が炭酸プロピレンを除外するという条件で、溶媒a)である。
特に好適な実施形態では、少なくとも1種の溶媒b)は、炭酸プロピレン含有量が溶媒b)の総量に対し、1重量%未満、とりわけ0.5重量%未満である。極めて特殊な実施形態では、少なくとも1種の溶媒b)は、炭酸プロピレンを含まない。
好適な実施形態では、溶媒b)は、水とイソプロパノールとの混合物であり、水:イソプロパノールの重量比は、70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の範囲である。
式(I)の有機アミンを抽出したあと、溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む抽出物が得られる。
好適な実施形態では、ステップvi)で使用する溶媒c)は、重量比が70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の水と少なくとも1種の水混和性有機溶媒との混合物から選択される。
溶媒c)中の少なくとも1種の水混和性有機溶媒は、好ましくは、イソプロパノール、エチレングリコール、ブタノール、エタノール、アセトン、ブタノン 酢酸エチル、酢酸メチル、エチレングリコール、および混合物から選択される。
とりわけ、溶媒c)は溶媒b)である(ただし、炭酸プロピレンは除外する)。
特に好適な実施形態では、少なくとも1種の溶媒c)は、炭酸プロピレン含有量が溶媒c)の総量に対し、1重量%未満、とりわけ0.5重量%未満である。極めて特殊な実施形態では、少なくとも1種の溶媒c)は、炭酸プロピレンを含まない。
好適な実施形態では、溶媒c)は、水とイソプロパノールとの混合物であり、水:イソプロパノールの重量比は、70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の範囲である。
試験片の表面から式(I)の有機アミンを洗浄したあと、溶媒c)および式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含む抽出物が得られる。
好ましくは、ステップii)の抽出は、振盪を行わずに実施する。好ましくは、ステップii)の抽出は、少なくとも1分間、好ましくは少なくとも2分間実施する。
好ましくは、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンは、溶媒c)と密着させる。具体的には、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンは、溶媒c)に浸漬する。溶媒c)の量は、試験クーポンの表面を溶媒c)が充分に覆うように選択する。溶媒c)の量は、試験クーポンの表面積に依存する。
好ましくは、ステップvi)における洗浄は、振盪下で、または超音波浴で実施される。好ましくは、ステップvi)における洗浄は、少なくとも1分間、好ましくは少なくとも2分間実施する。
ステップiia)またはステップviia)
ステップii)で得られた抽出物は、場合により、ステップiia)で濾過される。
ステップvi)で得られた抽出物は、場合により、ステップviia)で濾過される。
フィルター材料は、好ましくは、変性セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF、ポリアミド、例えばナイロン、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン(PP)から選択される。
適切な変性セルロースは、セルロースエステル、およびセルロースエーテル、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース、好ましくは、酢酸セルロースおよびセルロースエステルである。
好適な実施形態では、フィルター材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
ステップiia)におけるフィルター材料の孔径は、好ましくは1μm未満、とりわけ0.5μm未満、好ましくは0.2μm未満である。
好ましくは、ステップii)で得られた抽出物は、ステップiia)で濾過される。
ステップiii)またはステップviib)
溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む、ステップii)またはiia)で得られた抽出物のpH値は、場合により、好ましくは1.8〜3.5の範囲、より好ましくは2.3〜3.0の範囲に調整される。pH値の調整は、少なくとも1種の酸によって実施する。
溶媒c)および式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含む、ステップvi)またはviia)で得られた抽出物のpH値は、場合により、好ましくは1.8〜3.5の範囲、より好ましくは2.3〜3.0の範囲に調整される。pH値の調整は、少なくとも1種の酸によって実施する。
この酸は、無機酸、無機酸の水溶液、有機酸、または有機酸の水溶液である場合に好ましいことが判明した。無機酸または有機酸の特定の例は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、クエン酸である。特に好適なものは、弱有機酸、好ましくは、酢酸およびクエン酸である。
ステップiv)またはステップviii)
ステップiii)では、溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む抽出物であって、pH値が好ましくは1.8〜3.5の範囲、より好ましくは2.3〜3.0の範囲の抽出物が得られる。
ステップviia)では、溶媒c)および式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含む抽出物であって、pH値が好ましくは1.8〜3.5の範囲、より好ましくは2.3〜3.0の範囲の抽出物が得られる。
式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加する。この試薬は、キサンテン系を含む化合物である。具体的には、この試薬は、式(II)
Figure 2020512548
[式中、
およびRは、互いに独立して、Hまたはハロゲンであり、
は、H、ハロゲン、およびNOから選択される]
の化合物である。
特定の実施形態では、試薬は、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、フルオレセイン、およびベンガルローズから選択され、ベンガルローズが好適である。
一般に、化合物(II)は、抽出物中の式(I)の有機アミンの量に対して少なくとも等モルとなる量を使用する。
式(I)の有機アミンと試薬、とりわけ式(II)の化合物との有色錯体が形成される。
ステップv)またはステップix)
試薬と式(I)の有機アミンとによって形成された、得られた有色錯体は、測光測定によって検出される。適切な検出器は、主に当業者に周知であり、例えば、Hach Lange GmbH社のFotometer DR6000がある。
測光測定は、光に暴露した際に電気信号を生成する(いくつかのタイプの)装置である光検出器に基づく。この技術の簡易な応用には、周囲光条件に基づく照明器具のオン・オフ切り替え、およびある地点の入射光の総量を測定するために使用する露出計が含まれる。
また、本発明は、皮膜形成アミンを検出するための、吸収体材料の使用にも関する。
また、本発明の方法の要素を包装し、組み合わせ構成物、例えばパーツキットとして使用することも可能である。したがって、本発明は、式(I)の有機アミンを判定することができる要素を含むパーツキットにも関する。
本発明の一実施形態では、パーツキットは、個別の要素として、組み合わせて使用するための1)吸収体材料、2)溶媒a)、3)溶媒b)、4)フィルター材料、および5)試薬を含む。このキットは、式(I)の有機アミンを判定するために使用することができる要素を1つ以上またはすべて含んでいてもよい。また、吸収体材料が溶媒a)をすでに含んでいてもよい。キットとして2個を超える要素が提供される実施例では、それらの要素は、すでに組み合わせられていてもよく、したがって、バイアル、瓶、缶、パウチ、袋、またはキャニスターなどの単一の容器に包装されている。他の実施形態では、キットの2個以上の要素は、個別に包装されていてもよく、すなわち、あらかじめ配合されていなくてもよい。したがって、キットは、1つ以上の個別の容器、例えばバイアル、缶、瓶、パウチ、袋、またはキャニスターなどを含み、それぞれの容器に、式(I)の有機アミンを判定するための個別の要素が入っていてもよい。
また、本発明は、表面積が規定されている場合の表面上の式(I)の有機アミンの定量的判定であって、
i)式(I)の少なくとも1種の有機アミンを溶媒a)を含む吸収体材料に移動させるステップと、
ii)溶媒a)と同じまたは異なる第2の溶媒b)で、その吸収体材料から式(I)のアミンを抽出して、溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む抽出物を得るステップと、
iia)場合により、その抽出物を濾過するステップと、
iii)場合により、得られた抽出物のpH値を好ましくは1.8〜3.5、より好ましくは2.3〜3.0の範囲に調製するステップと、
iv)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
v)有色錯体を検出し、その有色錯体の濃度を検出するステップと、
vi)その濃度と規定の表面積を積分して、式(I)の有機アミンを定量的に判定するステップと、を含み、
有機アミン、吸収体材料、溶媒a)、溶媒b)が上記に定義したとおりである、表面上の式(I)の有機アミンの定量的判定にも関する。
また、本発明は、試験クーポンの表面積が規定されている場合の試験クーポン表面上の式(I)の有機アミンの定量的判定であって、
vii)溶媒b)を用いて、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンの表面から式(I)の少なくとも1種の有機アミンを洗浄するステップと、
viiia)場合により、式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含有する溶媒b)を濾過するステップと、
viiib)場合により、式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含有する溶媒b)のpH値を好ましくは1.8〜3.5、より好ましくは2.3〜3.0の範囲に調整するステップと、
ix)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
x)有色錯体を検出するステップと、
xi)その濃度と規定の表面積を積分して、式(I)の有機アミンを定量的に判定するステップと、を含み、
有機アミンおよび溶媒b)は上記に定義したとおりである、試験クーポン表面上の式(I)の有機アミンの定量的判定にも関する。
本発明は、下記の実施例によって、より詳細に説明される。
Analytik:
Fotometer Hach DR2500
一般手順:
1.吸収体材料(3×6cm)(Machery−Nagel GmbH & Co.KG社(デューレン、ドイツ):MN 6161/4、セルロース)をイソプロパノール:水の比率が80:20の水とイソプロパノールの混合溶液で湿潤させる。
2.この吸収体材料でボイラー/金属表面を拭く。吸収体材料の表面にアミンが吸収される。
3.この吸収した吸収体材料を10mlのシリンジに入れ、そのシリンジで10mlのイソプロパノール溶液(イソプロパノール:水の比率が20:80)を吸引する。
4.このシリンジを開口部を下にしてビーカーに入れ、振盪せずに2分間放置する。
5.シリンジフィルター(Minisart SRP 15 PTFE)を取り付け、溶液をシリンジから押し出して、25mlの1インチ丸型キュベットに入れる。
6.有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬(ローズベンガルを、例えば、ブタン−2−オール、およびクエン酸や酢酸などの弱有機酸の混合物からなる水溶液である緩衝液に溶解させたもの)を添加する。ピンク色になった場合、試験は陽性である。
試験1:溶媒混合物:イソプロパノールおよび水
較正手順:
1.2gの皮膜形成アミンを計って100mlのフラスコに入れ、イソプロパノールを入れて満たす。
2.この溶液0.1mlをイソプロパノールととも100mlのフラスコに入れる。
3.さまざまな体積(0.125ml、0.25ml、0.5ml、1ml、2ml、3ml、3.75ml)の原液を25mlの1インチキュベットに入れてから、そのキュベットに特定の体積までイソプロパノールを注ぎ(20:80溶液の場合5ml、15:85溶液の場合3.75m、0:100溶液の場合0mlのIPA)、その後、水を加えて25mlにする。
4.試薬(ローズベンガルを、例えば、ブタン−2−オール、およびクエン酸や酢酸などの弱有機酸の混合物からなる水溶液である緩衝液に溶解させたもの)を添加し、2分後に吸光度を測定する。
Figure 2020512548
イソプロパノールおよび水:ブランク値:試薬を含む溶媒(ローズベンガルを、例えば、ブタン−2−オール、およびクエン酸や酢酸などの弱有機酸の混合物からなる水溶液である緩衝液に溶解させたもの):560nm。
皮膜形成アミンは、オレイルプロピレンジアミン(Arkema Group社製のDinoram O)とする。
さまざまな溶媒・水混合物でのアミン−試薬錯体の吸光度の結果を表1にまとめる。上述と同様の手順を実施した。有色錯体は、肉眼で認めることができる。
Figure 2020512548
試験2:鉄の存在下
溶液:3.5ppmのオレイルプロピレンジアミンおよび微粉化した黄色味を帯びた酸化鉄赤色顔料(Bayferrox 110M)をイソプロパノールに加えたもの
シリンジ:10ml(プラスチック)
フィルター:白(PTFE、0.45μm)、Satorius社
鉄:Bayferrox 110M
1.オレイルプロピレンジアミンとBayferrox 110Mとのさまざまな溶液を作製した。
2.作製した溶液5mlをシリンジフィルターおよびシリンジに通して3回リンスした。
3.次に、この溶液を25mlの1インチ丸型キュベットに移した。
4.20mlの脱イオン水および試薬(ローズベンガルを、例えば、ブタン−2−オール、およびクエン酸や酢酸などの弱有機酸の混合物からなる水溶液である緩衝液に溶解させたもの)を添加した。光度計で吸光度を測定した。
結果を表2にまとめる。鉄は、この手順を妨げなかった。
Figure 2020512548
試験3:さまざまな表面
さまざまな金属の表面(193.2cm(外側)および全表面347.8cm(内側および外側))を、オレイルプロピレンジアミン、第一級牛脂アミンをベースとする第三級エトキシル化アミン、モノエタノールアミン、およびジエチルエタノールアミンを含む水溶液で24時間処理した。続いて、上述と同様の手順を実施した。すべての表面において、オレイルプロピレンジアミンを検出することが可能であった。
銅表面(99.9% Cu、0.015% P)での結果を表3にまとめる。
Figure 2020512548
炭素鋼表面(E235、No:1.0308)での結果を表4にまとめる。
Figure 2020512548
排熱回収ボイラー(HRSG)を備えるコンバインド・サイクル・ガス・タービン(CCGT)設計プラントは、皮膜形成アミン(オレイルプロピレンジアミン)に基づく化学処理を施して水−蒸気サイクルを運転している。
鋼片(寸法:75×9.5×1.6mm、短辺の中央に5.5mmの穴あり、材料:ST37、材料コード:1.1010)をプラントの複数のサンプリング・ラインに設置した。プラント条件に暴露した試験クーポンは、それぞれのサンプル地点に連続的なサンプル流量を流す管を挿入したサンプル容器に入れて、吊り下げておいた。試験クーポンは、サンプリング温度(25℃および大気圧)で実際のHRSGサンプル水流に5週間暴露したあと、評価のために取り出した。
取り出した試験クーポンを10mlのイソプロパノール溶液(イソプロパノール:水の比率は20:80である)で洗浄した。有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬(ローズベンガルを、例えば、ブタン−2−オール、およびクエン酸や酢酸などの弱有機酸の混合物からなる水溶液である緩衝液に溶解させたもの)を添加する。ピンク色になった場合、試験は陽性である。
表5は、標準的な光度計(5cmキュベット)で得られた吸光度を示している。
Figure 2020512548

Claims (25)

  1. 表面が、12〜22個の炭素原子を有する少なくとも1つの直鎖状または分岐状非環状炭化水素基を有する少なくとも1種の皮膜形成有機アミンを保護量で含有するかどうかを判定する方法であって、表面からサンプルを採取するステップと、少なくとも1種の皮膜形成有機アミンの存在についてサンプルを分析するステップとを含む、方法。
  2. サンプルを採取するために、吸収体材料を表面に密着させて、この支持体に、請求項1に記載の少なくとも1種の有機アミンを移動させる、請求項1に記載の方法。
  3. 試験クーポンの表面が、請求項1に記載の少なくとも1種の皮膜形成有機アミンの存在について分析される、請求項1に記載の方法。
  4. 表面が、水サイクルまたは蒸気サイクルの、水または蒸気が接触する表面である、請求項1、2、または3に記載の方法。
  5. 試験クーポンが、水サイクルまたは蒸気サイクル中に存在する請求項1に記載の少なくとも1種の有機アミンを吸収するのに十分な時間にわたり、水サイクルまたは蒸気サイクル内に組み込まれる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 試験クーポンが、請求項1に記載の少なくとも1種の有機アミンを吸収することができる材料で作られており、好ましくは、試験クーポンが、鋼、ステンレス鋼、または銅で作られている、請求項5に記載の方法。
  7. アミンが式(I):
    −(NR−NR (I)
    [式中、
    nは、0、1、2、3、または4であり、
    は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
    は、C〜C−アルカンジイルであり、
    、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
    の化合物である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 分析が、先行する請求項に記載の式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、有色錯体を検出するステップとを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 表面上の式(I)
    −(NR−NR (I)
    [式中、
    nは、0、1、2、3、または4であり、
    は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
    は、C〜C−アルカンジイルであり、
    、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
    の少なくとも1種の有機アミンを判定するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法であって、
    vi)式(I)の少なくとも1種の有機アミンを溶媒a)を含む吸収体材料に移動させるステップと、
    vii)溶媒a)と同じまたは異なる第2の溶媒b)で、吸収体材料から式(I)のアミンを抽出して、溶媒b)、式(I)の少なくとも1種の有機アミン、および場合により溶媒a)を含む抽出物を得るステップと、
    iia)場合により、抽出物を濾過するステップと、
    viii)場合により、得られた抽出物のpH値を調整するステップと、
    ix)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
    x)有色錯体を検出するステップと、
    を含む、方法。
  10. 表面上の式(I)
    −(NR−NR (I)
    [式中、
    nは、0、1、2、3、または4であり、
    は、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の非環式炭化水素基であり、
    は、C〜C−アルカンジイルであり、
    、R、Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、または−(C2m−2O)−H(式中、mは、1、2、3、または4であり、pは、1、2、3、または4である)である]
    の少なくとも1種の有機アミンを判定するための、請求項1および3から8のいずれか一項に記載の方法であって、
    vi)溶媒c)を用いて、水サイクルまたは蒸気サイクルから取り出した試験クーポンの表面から式(I)の少なくとも1種の有機アミンを洗浄して、溶媒c)および式(I)の少なくとも1種の有機アミンを含む抽出物を得るステップと、
    viia)場合により、得られた抽出物を濾過するステップと、
    viib)場合により、得られた抽出物のpH値を調整するステップと、
    viii)式(I)の少なくとも1種の有機アミンと有色錯体を形成することができる試薬を添加するステップと、
    ix)有色錯体を検出するステップと、
    を含む、方法。
  11. ステップi)で使用される溶媒a)が、少なくとも1種の水混和性有機溶媒と水との混合物から選択され、少なくとも1種の水混和性有機溶媒の重量部が、溶媒a)の総重量に対して少なくとも80%、特に好ましくは、溶媒a)の総重量に対して少なくとも90%である、請求項9に記載の方法。
  12. ステップi)において、溶媒a)が、20℃での蒸気圧が最大45hPa、好ましくは20℃での蒸気圧が最大10hPaの1つ以上の有機溶媒を含む、またはそのような1つ以上の有機溶媒からなる、請求項9または11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 少なくとも1種の水混和性有機溶媒が、イソプロパノール、炭酸プロピレン、エチレングリコール、およびブタノールから選択され、特に、少なくとも1種の水混和性有機溶媒が、イソプロパノールおよび炭酸プロピレンから選択される、請求項9、11、または12に記載の方法。
  14. ステップii)で使用する溶媒b)が、水と少なくとも1種の水混和性有機溶媒との重量比70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の混合物から選択される、請求項9または11から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ステップii)における少なくとも1種の水混和性有機溶媒が、イソプロパノール、エタノール、アセトン、ブタノン 酢酸エチル、酢酸メチル、エチレングリコール、ブタノール、溶媒a)、およびそれらの混合物から選択され、特に、溶媒b)が溶媒a)である、請求項14に記載の方法。
  16. ステップvi)で使用する溶媒c)が、水と少なくとも1種の水混和性有機溶媒との重量比70:30〜90:10、好ましくは75:25〜85:15の混合物から選択される、請求項10に記載の方法。
  17. ステップvi)における少なくとも1種の水混和性有機溶媒が、イソプロパノール、エチレングリコール、ブタノール、エタノール、アセトン、ブタノン 酢酸エチル、酢酸メチル、エチレングリコール、および混合物から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 吸収体材料が、セルロース、変性セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選択される、請求項2、4、9、および11から15のいずれか一項に記載の方法。
  19. ステップiia)またはviia)におけるフィルターが、変性セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF、ポリアミドから選択され、好ましくは、フィルターの孔径が1μm未満である、請求項9から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. ステップiv)またはviii)における試薬が、キサンテン基の化合物であり、特に、式(II)
    Figure 2020512548
    [式中、
    およびRは、互いに独立して、Hまたはハロゲンであり、
    は、H、ハロゲン、およびNOから選択される]
    の化合物である、請求項9から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. ステップiv)またはviii)における試薬が、式(II)
    [式中、
    は、ヨウ素であり、
    は、ヨウ素であり、
    は、塩素である]
    の化合物である、請求項9から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 式(I)中のRが16〜20個の炭素原子を有し、好ましくは、式(I)中のRが飽和直鎖状炭化水素基、または1、2、または3個のC=C二重結合を有する不飽和直鎖状炭化水素基であり、特に、Rがオレイル基(C1835)である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  23. ステップiii)またはviib)において、ステップii)、vi)、iia)、またはviia)で得られる抽出物のpH値が1.8〜3.5に調整される、請求項9から21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 請求項1、7、または22に記載の式(I)の少なくとも1種の有機アミンを検出するための、請求項9および18に記載の吸収体材料の使用。
  25. 個別の要素として、組み合わせて使用するためのA)請求項2、9、または18に記載の吸収体材料、B)請求項9、11から13のいずれか一項に記載の溶媒a)、C)請求項9、10、14、または15のいずれか一項に記載の溶媒b)、D)請求項8から10、20、または21のいずれか一項に記載の試薬を含む、パーツキット。
JP2019550878A 2017-03-28 2018-03-12 皮膜形成アミンの判定方法 Active JP6891970B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP17163345.6 2017-03-28
EP17163345 2017-03-28
PCT/JP2018/009406 WO2018180408A1 (en) 2017-03-28 2018-03-12 Method for the determination of film forming amines

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020512548A true JP2020512548A (ja) 2020-04-23
JP6891970B2 JP6891970B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=58605997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019550878A Active JP6891970B2 (ja) 2017-03-28 2018-03-12 皮膜形成アミンの判定方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11320383B2 (ja)
EP (1) EP3602036A4 (ja)
JP (1) JP6891970B2 (ja)
CN (1) CN110462396B (ja)
TW (1) TWI735757B (ja)
WO (1) WO2018180408A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021520494A (ja) * 2018-04-03 2021-08-19 フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 液体中の膜形成アミンの測定方法および測定装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11619590B2 (en) * 2020-02-03 2023-04-04 Taylor Water Technologies Llc Method and composition for detecting and quantifying filming amines in liquids
CN116298123B (zh) * 2023-03-20 2023-10-17 安徽瑞柏新材料有限公司 一种具有自清洁功能的醋酸甲酯纯度检测装置

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB994051A (en) * 1960-11-30 1965-06-02 Houseman And Thompson Ltd Method for determining the amine content in aqueous liquids
JPS63302980A (ja) * 1987-05-15 1988-12-09 フォード モーター カンパニー 金属基材上に防食被覆を付与する方法および該防食被覆基材から成る物品
JPH0514736B2 (ja) * 1985-06-29 1993-02-25 Ihara Chemical Ind Co
EP0562210A1 (en) * 1992-03-23 1993-09-29 Faborga S.A. Method for the determination of polyamines
JPH066643B2 (ja) * 1987-03-21 1994-01-26 カール・フロイデンベルク 加硫促進剤
US5858798A (en) * 1996-07-12 1999-01-12 Nalco Chemical Company Method and apparatus for detecting amines and ammonia by fluorescence
JPH11323579A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Toshiba Corp クリーンルーム内の湿度調整方法
JP2001116280A (ja) * 1999-10-12 2001-04-27 Matsushita Refrig Co Ltd 空気調和機
JP2001510572A (ja) * 1997-07-16 2001-07-31 ザ ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,リプリゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービス 食品品質指示薬装置
JP2002504678A (ja) * 1998-02-21 2002-02-12 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 表面分析のための蛍光染料の使用
WO2003036260A2 (en) * 2001-10-25 2003-05-01 University Of Maryland, Baltimore County Amine detection method and materials
WO2006079167A1 (en) * 2005-01-25 2006-08-03 System Two Pty Ltd Testing device
JP2008513739A (ja) * 2004-09-13 2008-05-01 フード クオリティー センサー インターナショナル, インコーポレイテッド 食物品質インジケータ
JP2008249573A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Miura Co Ltd 水溶性アミン化合物の検出方法
JP2011513741A (ja) * 2008-03-05 2011-04-28 サントル ナシオナル デチュード スパシアル 固体基材上の少なくとも1つのプロトン化基を含む分子を検出および定量する方法
CN102062728A (zh) * 2010-12-13 2011-05-18 武汉大学 一种十八胺浓度测定方法
JP2015175551A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 栗田工業株式会社 蒸気復水系処理剤の注入方法及び蒸気発生プラント

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2570922B2 (ja) 1991-07-02 1997-01-16 三菱電機株式会社 変換符号化器
US5248494A (en) * 1992-06-10 1993-09-28 Young Pharmaceuticals Inc. Method of reducing anthralin induced inflammation and staining
JP3218700B2 (ja) 1992-06-22 2001-10-15 ソニー株式会社 固体撮像素子の欠陥検出方法及び固体撮像装置
JP3698384B2 (ja) 1997-10-20 2005-09-21 竹本油脂株式会社 産業資材用合成繊維の処理方法
DE60114792T2 (de) 2000-03-24 2006-08-03 Pohang University Of Science & Technology, Pohang Verfahern zur herstellung molekularer schichten mit hoher dichte an primären amingruppen auf festen trägern
JP2008116280A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Toyobo Co Ltd 放射性ヨウ素捕集材およびその捕集方法
JP4947586B2 (ja) 2007-05-14 2012-06-06 株式会社菊川鉄工所 ベルトサンダ
CA2706436A1 (en) * 2007-11-20 2009-09-03 3M Innovative Properties Company Environmental sampling articles and methods
US9588090B2 (en) * 2013-04-11 2017-03-07 Swan Analytische Instrumente Ag Method for the determination of film-forming amines

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB994051A (en) * 1960-11-30 1965-06-02 Houseman And Thompson Ltd Method for determining the amine content in aqueous liquids
JPH0514736B2 (ja) * 1985-06-29 1993-02-25 Ihara Chemical Ind Co
JPH066643B2 (ja) * 1987-03-21 1994-01-26 カール・フロイデンベルク 加硫促進剤
JPS63302980A (ja) * 1987-05-15 1988-12-09 フォード モーター カンパニー 金属基材上に防食被覆を付与する方法および該防食被覆基材から成る物品
EP0562210A1 (en) * 1992-03-23 1993-09-29 Faborga S.A. Method for the determination of polyamines
US5858798A (en) * 1996-07-12 1999-01-12 Nalco Chemical Company Method and apparatus for detecting amines and ammonia by fluorescence
JP2001510572A (ja) * 1997-07-16 2001-07-31 ザ ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,リプリゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービス 食品品質指示薬装置
JP2002504678A (ja) * 1998-02-21 2002-02-12 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 表面分析のための蛍光染料の使用
JPH11323579A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Toshiba Corp クリーンルーム内の湿度調整方法
JP2001116280A (ja) * 1999-10-12 2001-04-27 Matsushita Refrig Co Ltd 空気調和機
WO2003036260A2 (en) * 2001-10-25 2003-05-01 University Of Maryland, Baltimore County Amine detection method and materials
JP2008513739A (ja) * 2004-09-13 2008-05-01 フード クオリティー センサー インターナショナル, インコーポレイテッド 食物品質インジケータ
WO2006079167A1 (en) * 2005-01-25 2006-08-03 System Two Pty Ltd Testing device
JP2008249573A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Miura Co Ltd 水溶性アミン化合物の検出方法
JP2011513741A (ja) * 2008-03-05 2011-04-28 サントル ナシオナル デチュード スパシアル 固体基材上の少なくとも1つのプロトン化基を含む分子を検出および定量する方法
CN102062728A (zh) * 2010-12-13 2011-05-18 武汉大学 一种十八胺浓度测定方法
JP2015175551A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 栗田工業株式会社 蒸気復水系処理剤の注入方法及び蒸気発生プラント

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ALBERT MILUN: "Determination of Traces of Fatty Amines in Water", ANAL CHEM, vol. 28, no. 7, JPN6021005277, 1 July 1956 (1956-07-01), pages 1204 - 1205, XP055094695, ISSN: 0004494521, DOI: 10.1021/ac60115a047 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021520494A (ja) * 2018-04-03 2021-08-19 フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 液体中の膜形成アミンの測定方法および測定装置
JP7126560B2 (ja) 2018-04-03 2022-08-26 フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 液体中の膜形成アミンの測定方法および測定装置
US11474045B2 (en) 2018-04-03 2022-10-18 Framatome Gmbh Method and device for the determination of film forming amines in a liquid

Also Published As

Publication number Publication date
CN110462396B (zh) 2022-09-30
US11320383B2 (en) 2022-05-03
JP6891970B2 (ja) 2021-06-18
TWI735757B (zh) 2021-08-11
EP3602036A1 (en) 2020-02-05
EP3602036A4 (en) 2021-02-17
WO2018180408A1 (en) 2018-10-04
TW201842332A (zh) 2018-12-01
CN110462396A (zh) 2019-11-15
US20210123867A1 (en) 2021-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6891970B2 (ja) 皮膜形成アミンの判定方法
CN103026207B (zh) 评估产出流体中的化学品的方法
WO2014166542A1 (en) Method for the determination of film-forming amines
KR100257951B1 (ko) 스팀 생성 시스템에서의 진단 목적용 휘발성 트레이서
US5266493A (en) Monitoring boric acid in fluid systems
US20230204516A1 (en) Testing H2S Scavengers Polymerization Factors
Hater et al. The chemistry and properties of organic boiler feedwater additives based on film-forming amines and their use in steam generators
US5858798A (en) Method and apparatus for detecting amines and ammonia by fluorescence
CN110231337A (zh) 一种食品中铅含量的检测方法
CN106093078B (zh) 一种鉴别天然牛磺酸和合成牛磺酸的方法
WO2020023587A1 (en) Methods for determining residual surfactant concentrations in oil and water phases
WO2021246367A1 (en) Method for providing corrosion protection to a pressurized water-steam system
CN106353247A (zh) 造纸机腐蚀监测系统和方法
RU2662056C2 (ru) Способ обнаружения утечки гидразина и несимметричного димитилгидразина из технических средств хранения и транспортирования
US20160377586A1 (en) Hardness-measuring composition, hardness-measuring reagent kit, hardness measurement method, and fouling prevention method for hardness-measuring device
Sarmadi et al. The high performance of diethylhydroxylamine in comparison with hydrazine for the removal of dissolved oxygen from boilers of power plant
CN105738338A (zh) 一种基于氨基硅烷化氧化锌的水敏感荧光毛细管及其制备方法和应用
Waite et al. Chemical analysis in amine system operations
CN115754035A (zh) 一种核电站用分散剂的定量检测方法
Al Kindi et al. New Test Method for Measurement of Water-Soluble Corrosion Inhibitor Residual in Oil Samples for Low Water-Cut Oil Systems
Acid STP150A-EB/Jul. 1956
RU2613304C2 (ru) Способ определения наличия гидразинных и аминных горючих ракетных топлив
Türkmen et al. Determination of Field Chemicals: Corrosion Inhibitor (CI) and Kinetic Hydrate Inhibitor (KHI) in Produced Water
CALATAYUD Fluorimetric method for nitrite determination with proflavine
Huang et al. A Paper-Based Ratiometric Fluorescent Sensor for Nh3 Detection in Gaseous Phase: Real-Time Monitoring of Chilled Chicken Freshness

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6891970

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250