JP2020508876A - 運搬デバイスおよびコイルを運搬するための方法 - Google Patents

運搬デバイスおよびコイルを運搬するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、コイル(4)を運搬するための運搬デバイス(2、50、56、88)であって、シャシ(8)と、シャシ(8)に対して高さ調節可能であるコイル支持部(10)とを有するコイル運搬カート(6)を備える、運搬デバイス(2、50、56、88)に関する。コイル(4)の安全な運搬を可能にするために、本発明によれば、運搬デバイス(2、50、56、88)は、コイル支持部(10)に対して運搬対象のコイル(4)を押圧するためのクランプユニット(22)を有する可動固定デバイス(12)を有し、クランプユニット(22)は、コイル支持部(10)に対して高さ調節可能であり、コイル(4)のコイル穴(42)内に少なくとも部分的に挿入されることが可能であり、固定デバイス(12)は、コイル支持部(10)に対してまたはコイル運搬カート(6)のシャシ(8)に対して固定され、コイル支持部(10)は、切欠部(40)を有し、クランプユニット(22)は、切欠部(40)内に少なくとも部分的に下げられ得る。さらに、本発明は、かかる運搬デバイス(2、50、56、88)の使用と、かかる運搬デバイス(2、50、56、88)を有するコイル加工システム(70、118)と、コイル(4)を運搬するための方法とに関する。

Description

本発明は、コイルを運搬するための運搬デバイスと、かかる運搬デバイスの使用と、かかる運搬デバイスを有するコイル加工システムと、コイルを運搬するための方法と、に関する。
金属工業では、金属ストリップまたは金属ワイヤなどの圧延製品をバンドルとして、すなわち巻き上げられた状態で運搬することが慣例的である。かかる巻き上げられた圧延製品のバンドルは、技術業界的にはコイルとも呼ばれる。
コイルの運搬のために、例えばコイル運搬カートが使用される場合があり、これは、上にコイルが配置され得るコイル支持部を取り付けられる。
巻き上げられた圧延製品において高強度および/または大きな厚さを有するコイルは、コイル運搬カートのコイル支持部から跳ね上がる傾向を、またはコイル支持部から落下する傾向を有し得る。なぜならば、コイルは、その材料剛直性により(らせん)ばねのように挙動してしまうからである。コイルが跳ねることは、コイルの近傍にいる人に怪我を負わせるリスクを、および/または機器の構成要素を損傷させるリスクを有する。
特に運搬中におけるコイルの跳ねを防ぐために、圧延製品が巻き上げられた後のコイルが、1つ以上のストラッピングバンドで引き締められることが可能である。
さらに、コイルの品質をモニタリングするために、サンプリングステーションにおいてコイルからサンプルを採取する方法が知られている。
このサンプリングのために、コイルは、通常はサンプリングステーション内で部分的に巻き出される。存在するストラッピングバンドが、最初に取り除かれなければならない。サンプリング後に、残りのコイルは完全に巻き上げられて、典型的には1つ以上のストラッピングバンドで(再度)締め上げられる。
存在するストラッピングバンドが、サンプリングステーションの上流に位置する別個のバンド除去ステーションにおいて取り除かれると、跳ね上がる傾向を有するコイルがバンド除去ステーションからサンプリングステーションへの運搬中に跳ね上がるという危険性が生ずる。同様に、跳ね上がる傾向を有するコイルは、サンプリングステーションの下流に位置するストラッピングステーションにおいて(再度)ストラップ固定された場合に、サンプリングステーションからストラッピングステーションへの運搬中に特定の環境下において跳ね上がる場合がある。
さらに、わずかな幅および大きな直径を有し、運搬中にコイル軸が水平方向に配向されるようにコイル運搬カート上に載置された状態で運搬されるコイルの場合には、運搬中に、特に移動の開始時および/または運搬カートの制動時に、コイルが転倒する高い危険性が存在する。したがって、大きな直径を有するかかる幅狭コイルの運搬は、コイル近傍の人が怪我を負うリスクおよび/または機器構成要素が損傷を被るリスクを同様に有する。
特許文献1により、コイル運搬カートおよび高さ調節可能コイル支持部を有する、コイルの運搬用の運搬デバイスが知られている。可動固定デバイスが、コイル支持部に対して運搬対象のコイルを押圧するための高さ調節可能クランプユニットを実現し、このクランプユニットは、コイルのコイル穴内に少なくとも部分的に導入され得る。
独国特許出願公開第102011080410号明細書
本発明が解決しようとする1つの問題は、コイルの安全な運搬を可能にすることである。
本発明によれば、この問題は、請求項1に記載の運搬デバイスにより、請求項6に記載のコイル加工システムにより、請求項8に記載の使用により、および請求項10に記載の方法により解決される。
本発明による運搬デバイス、本発明によるコイル加工システム、本発明による使用、および本発明による方法の有利な修正形態は、従属請求項および以下の明細書のそれぞれの主題である。
コイルを運搬するための本発明による運搬デバイスは、コイル運搬カートを備える。コイル運搬カートは、シャシと、シャシに対して高さ調節可能なコイル支持部と、を有する。さらに、本発明による運搬デバイスは、コイル支持部に対して運搬対象のコイルを押圧するためのクランプユニットを有する可動固定デバイスを備え、クランプユニットは、コイル支持部に対して高さ調節可能であり、コイルのコイル穴内に少なくとも部分的に挿入されることが可能である。
コイル運搬カートの支援により、運搬対象のコイルは、コイル運搬カートのコイル支持部上に載置された状態で、ある位置から別の位置へと駆動され得る。
可動固定デバイス、特にそのクランプユニットは、コイルの運搬中にコイル支持部に対してコイルを固定するために、すなわちコイル支持部に対するコイルの位置においてコイルをしっかりと保持するために使用され得る。
クランプユニットの支援によりコイル支持部に対して運搬対象のコイルを押圧することにより、コイルとコイル支持部との間にフォースロックを形成することが可能となる。
コイル支持部に対して運搬対象のコイルを押圧することにより、コイルは、転倒および/または跳ねから確実に保護され得る。したがって、運搬デバイスは、特に跳ねおよび/または転倒の傾向を有するコイルを運搬するために使用され得るが、かかるコイルの運搬に限定されない。
さらに、運搬デバイスは、所定の直径のコイルを運搬することに限定されず、種々の直径のコイルを運搬することが可能である。
運搬対象のコイルは、クランプユニットの支援によりコイル支持部に対して固定され得るため、さらにコイルは、特にコイルが跳ねる傾向を有する場合であっても、コイル運搬カート上での運搬中に1つ以上のストラッピングバンドで囲まれる必要がない。
さらに、クランプユニットの支援により、コイル加工ステーションにて、コイル加工ステーションのコイルレシーバに対してコイルを押圧することが可能となる。これにより、特にコイルが跳ねる傾向を有しストラッピングバンドでストラッピングされない場合でも、コイル加工ステーションにおけるコイルの安全な加工が可能となる。
コイル運搬カートは、好ましくは鉄道貨車である。換言すれば、コイル運搬カートは、好ましくはレール上を移動することが可能である。
有利には、コイル運搬カートはホイールを備え、コイル運搬カートは、これらのホイール上を移動し得る。さらに有利には、コイル運搬カートは、ホイールを駆動するための駆動ユニット、特に電気モータを有する。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、コイル運搬カートは、コイル支持部を駆動するための、特にコイル支持部を上下させるための駆動ユニットを備える。この駆動ユニットは、例えばリフトシリンダ、特に油圧リフトシリンダであってもよい。油圧リフトシリンダは、概してコンパクトおよび頑丈である利点を有する。
さらに、固定デバイスはクランプユニットを駆動するための、特にクランプユニットを上下させるための固有の駆動ユニットを有することが有利である。この駆動ユニットは、例えばリフトシリンダ、特に油圧リフトシリンダであってもよい。
好ましい様式では、クランプユニットは、線形的に移動し得る。コイル運搬カートは、例えばガイド要素、特に摺動ガイドを有してもよく、クランプユニットは、このガイド要素によりコイル運搬カートのコイル支持部に対して線形的に稼働な様式で取り付けられる。かかるガイド要素は、例えばコイル支持部もしくはシャシの一部であってもよく、またはコイル支持部もしくはシャシに対して固定されてもよい。
さらに、クランプユニットは、旋回により可動であることが基本的に可能である。具体的には、クランプユニットは、相互旋回セクションを有してもよい。
固定デバイス、特にクランプユニットを駆動するための固定デバイスの駆動ユニットは、コイル支持部に対してまたはコイル運搬カートのシャシに対して固定される。これにより、運搬デバイスのコンパクト設計が可能となる。なぜならば、この場合に、固定デバイス用の別個のカートおよび前記同期デバイスが省略可能となるからである。したがって、固定デバイスの移動性は、具体的にはコイル運搬カートの移動性により確保され得る。
固定デバイスが、コイル運搬カートのシャシに対して固定される場合には、運搬デバイスは、好ましくはクランプユニットおよびコイル支持部の移動を同期させるための同期デバイスを備える。有利には、この同期デバイスは、コイル支持部およびクランプユニットが同期的に、すなわち同一の速度および同一の移動方向で移動するように、クランプユニットを駆動させるための駆動ユニットとコイル支持部を駆動するための駆動ユニットとを作動させるように設計される。クランプユニットおよび/またはコイル支持部の位置のモニタリングのために、同期デバイスは、1つ以上の位置センサを有してもよい。
固定デバイスが、コイル支持部に対して固定される場合には、コイル支持部が上下する間に、クランプユニットは、固定デバイスの駆動ユニットによりコイル支持部に対して上下されない限りにおいて、好ましくはコイル支持部と同一の高さだけ移動する。この場合に、同期デバイスは、クランプユニットおよびコイル支持部の移動を同期させるために原則的に不要となる。
本発明の1つの好ましい実施形態では、クランプユニットは、クランプセクションと、クランプセクションに対して接合されたベースセクションとを有する。クランプセクションは、具体的にはベースセクションと単体ピースとして形成され得る。さらに、クランプセクションおよびベースセクションは、好ましくは相互に対して垂直に配向される。さらに、クランプセクションは、好ましくはコイル支持部の長手方向に延在する。
固定デバイスの前述の駆動ユニットは、クランプユニットに、特にクランプユニットのベースセクションに少なくとも部分的に組み込まれ得る。
クランプユニットは、コイル支持部内に、特にそのクランプセクションの少なくとも一部内に少なくとも部分的に下げられ得る。クランプユニットは、例えばコイルが跳ねるまたは転倒する傾向を有さないなどの理由により、特にコイル支持部に対する運搬対象のコイルの押圧が不要である場合には、コイル支持部内に下げられ得る。かかる場合には、運搬対象のコイルのコイル穴内にクランプユニットを導入すること、またはコイル支持部に対してコイルを押圧することは不要となり、これによりコイル運搬全体の時間効率性がより高められ得る。
コイル支持部は、切欠部を有し、クランプユニットは、この切欠部内に少なくとも部分的に下げられ得る。特に好ましくは、クランプユニットは、クランプユニットの上方側部がコイル支持部の上方側部と同一平面内に位置するように、コイル支持部内に下げられることが可能である。
本発明の1つの有利な実施形態では、クランプユニットは、摩擦低減ユニットを備えることが提供される。有利には、摩擦低減ユニットは、特にコイルの巻上げおよび/または巻出しの時にコイルとクランプユニットとの間の摩擦抵抗を低減させるための役割を果たす。摩擦低減ユニットは、摩擦低減手段として例えば1つ以上のローラを備えてもよい。有利には、これらのローラは、回転可能に取り付けられる。
好ましくは、摩擦低減ユニットは、クランプユニットのクランプセクションの下方側部上に、具体的にはクランプユニットのベースセクションから距離をおいたクランプセクションの端部に位置する。
さらに、クランプユニットは、コイル穴に対して押圧するための丸形押圧表面を有してもよい。クランプユニットの押圧表面の丸みにより、この押圧表面の押圧力は、運搬対象のコイルのより広い面積に対して作用することが可能となる(平坦押圧表面に比較して)。このようにすることで、凹凸部の形態などの、クランプユニットによるコイルに対する損傷が回避され得る、または少なくとも軽減され得る。
好ましい様式では、丸形押圧表面は、クランプユニットのクランプセクションの下方側部上に、特にクランプユニットのベースセクションから距離をおいたクランプセクションの端部に位置する。
さらに、コイル支持部は、複数の担持歯を備えてもよく、コイルは、これらの複数の担持歯上に配置されることが可能である。有利には、担持歯は、コイル支持部の長手方向中心面に向かって斜角をつけられる。このようにすることで、担持歯は、運搬対象のコイルをコイル支持部上において安定化させ得る。
コイル支持部の長手方向中心面は、コイル支持部の長手方向に対して平行な平面を意味し、コイル支持部は、この平面に対して鏡像対称で形成される。「担持歯は、コイル支持部の長手方向中心面に向かって斜角をつけられる」という表現は、特定の担持歯の上方側部が、長手方向中心面に対して斜角をつけられ、さらに長手方向中心面に向かって対面することを意味するものとして解釈することが可能である。
冒頭で述べたように、本発明は、コイル加工システムに関する。
本発明によるコイル加工システムは、第1のコイル加工ステーションおよび第2のコイル加工ステーションを備える。さらに、本発明によるコイル加工システムは、2つのコイル加工ステーションのうちの一方から2つのコイル加工ステーションのうちの他方へとコイルを運搬するための上述の種類の少なくとも1つの運搬デバイス、すなわち本発明による少なくとも1つの運搬デバイスを備える。
コイル加工システムは、1つ以上のコイルを加工するためのシステムを意味する。さらに、コイルの加工は、コイルを用いたまたはコイルに対する1つ以上のプロセス/方法ステップの実施を意味する。コイルの加工は、例えばコイルの計量、コイルのサンプリング、コイルのパッケージング、コイルのストラッピング、および/またはコイルからのストラッピングバンドの除去を伴い得る。
コイル加工システムは、具体的にはコイルストラッピングシステム、すなわちコイルをストラッピングするためのシステムであってもよい。さらに、コイル加工システムは、例えばコイルパッケージングシステム、すなわちパッケージング材料でコイルを包装するためのシステムであってもよい。
本発明の1つの好ましい実施形態では、コイル加工システムは、コイルサンプリングシステム、すなわちコイルからサンプルを採取する(コイルのサンプリング)ためのシステムである。この場合に、2つのコイル加工ステーションのうちの一方は、サンプリングステーションであることが賢明である。このサンプリングステーションは、有利にはコイルからサンプルを採取するために使用され得るシャーまたはプラズマトーチなどの切断デバイスを備える。
サンプリングシステムは、コイルのサンプリングに限定されない。コイルのサンプリングに加えて、コイルは、とりわけサンプリングシステムにて計量されても、および/または1つ以上のストラッピングバンドで囲まれてもよい。
コイル加工システムの2つの前述のコイル加工ステーションのうちの他方は、例えば送達ステーション、回収ポイント、計量ステーション、バンド除去ステーション、またはストラッピングステーションなどであってもよい。
コイル加工ステーションのうちの一方が、ストラッピングステーションである場合には、これは、具体的にはコイルの外周部をストラッピングするための周囲ストラッピングステーションか、またはコイルのコイル穴を通してコイルをストラッピングするための穴ストラッピングステーションであってもよい。さらに、ストラッピングステーションは、コイルのコイル穴を通してコイルをストラッピングすることおよびコイルの外周部をストラッピングすることの両方を目的として使用され得る、組み合わされたストラッピングステーションであってもよい。
さらに、コイルサンプリングシステムを通過するコイルは、サンプリングされる必要は必ずしもない。例えば、コイルは、コイル穴を通したおよび/または外周部の周囲におけるストラッピングを受けるために、および/または計量されるために、サンプリングされることなくコイルサンプリングシステムを通過してもよい。
2つの前述のコイル加工ステーションに加えて、コイル加工システムは、1つ以上のさらなるコイル加工ステーションをさらに有してもよい。
コイル加工システムの各コイル加工ステーションは、好ましくはコイルレシーバを備え、加工対象のコイルは、このコイルレシーバ上に降ろされ得る。さらに、各コイル加工ステーションは、押さえつけローラを有する旋回アームなどの1つ以上の押さえつけデバイスを備えてもよい。かかる押さえつけデバイスは、各コイル加工ステーションのコイルレシーバ上に加工対象のコイルを固定するために使用され得る。
コイル加工システムは、上述の種類の複数の運搬デバイスを有し、運搬デバイスは、コイル加工システムの種々の領域において使用され得る。
本発明による使用では、上述の運搬デバイス、すなわち本発明による運搬デバイスは、コイル加工システム、特に上述のコイル加工システムにおいてコイルを運搬するために使用される。このプロセスにおいて、コイルは、運搬デバイスによりコイル加工システムの第1のコイル加工ステーションからコイル加工システムの第2のコイル加工ステーションへと運搬される。
代替的にはまたは追加的には、運搬デバイスは、コイル加工システムの第2のコイル加工ステーションから第1のコイル加工ステーションへとコイルを運搬するために使用され得る。
コイルの運搬中に、コイルは、有利には運搬デバイスのコイル支持部上に載置される。さらに、コイルの運搬中に、運搬デバイスのクランプユニットは、コイルのコイル穴内に導入されることが提供され得る。さらに、コイルは、クランプユニットの支援により運搬中に、コイル支持部に対して押圧されてもよい。
代替的には、クランプユニットは、コイルの運搬中にコイルのコイル穴内に導入されないことが可能である。クランプユニットは、コイルの運搬中に、コイル支持部内に、特にその切欠部内に例えば少なくとも部分的に下げられ得る。
さらに、本発明は、冒頭で述べたようにコイルを運搬するための方法に関する。
本発明による方法では、コイルは、運搬デバイスの支援によりコイル加工システムの第1のコイル加工ステーションから第2のコイル加工ステーションへと運搬される。
この方法において使用される運搬デバイスは、上述の運搬デバイス、すなわち本発明による運搬デバイスである。さらに、本方法に関連して述べられる以下のデバイス要素は、具体的には前述のデバイス要素であってもよい。
本発明による方法は、
運搬デバイスのコイル運搬カートが、第1のコイル加工ステーションに位置するコイルまで駆動され、運搬デバイスのクランプユニットが、このプロセスの間にすなわちコイルまで駆動する間にコイルのコイル穴内に導入され、
コイル穴内に導入されたクランプユニットが、コイルに対して押圧するまで下げられ、
運搬デバイスのコイル支持部が、コイルがコイル支持部に対して載置されるまで上げられ、
コイル支持部およびクランプユニットが、コイルがコイル支持部に対して載置されており、クランプユニットがコイルを押圧すると、同期的に上げられ、
コイル支持部に対して載置されたコイルが、コイル運搬カートにより第2のコイル加工ステーションへと運搬され、コイルが、このプロセスの間にすなわち運搬されている間に、クランプユニットによりコイル支持部に対して押圧される、
ことを提供する。
運搬されるコイルは、例えば熱延ストリップコイル、特に熱延鋼ストリップコイルであってもよい。さらに、コイルは、任意には第1のコイル加工ステーションから第2のコイル加工ステーションへの運搬中に少なくとも1つのストラッピングバンドでストラッピングされてもよい。
コイル運搬カートがコイルまで駆動される前に、クランプユニットの高さ位置は、好ましくはコイル運搬カートの水平方向変位の最中にクランプユニットがコイル穴内に導入され得るように調節される。
コイル支持部が上がることにより、最初にコイルが載置されている第1のコイル加工ステーションのコイルレシーバからのコイルの引上げが可能となる。
コイル支持部およびクランプユニットの同期的引上げは、これらの2つの要素が同一速度で上げられるコイル支持部およびクランプユニットの移動を意味する。
好ましくは、コイルが第2のコイル加工ステーションに到達しているときに、コイル支持部およびクランプユニットは、コイルが第2のコイル加工ステーションのコイルレシーバに対して載置されるまで同期的にすなわち同一速度で下げられる。次いで、コイル支持部が好ましくは下げられる。本発明の1つの有利な実施形態では、コイル支持部が下げられる間に、コイルは、クランプユニットにより第2のコイル加工ステーションのコイルレシーバに対して押圧される。
さらに、コイルが第1のコイル加工ステーションに位置する間に、コイルに対して、特にその外周部に対して押圧する第1のコイル加工ステーションの押さえつけデバイスが、クランプユニットがコイルに対して押圧する場合に、コイルから除去されることが提供され得る。押さえつけデバイスが除去される場合には、コイルの跳ね上がりは、人または機器に対する危険が回避され得るようにクランプユニットによって防止され得る。
本発明の一変形実施形態では、コイルが第2のコイル加工ステーションに到達しているときに、クランプユニットは、第2のコイル加工ステーションの押さえつけデバイスがコイルに対して、特にその外周部に対して押圧する場合にのみコイルから引き上げられる。
コイルが、第2のコイル加工ステーションのコイルレシーバ上に降ろされると、コイル運搬カートは、コイルから離れるように駆動され得る。その後、クランプユニットは、コイル支持部の切欠部内に少なくとも部分的に下げられ得る。次に、クランプユニットが下げられた状態のコイル運搬カートは、コイルまで再度駆動され得る。
さらに、コイル支持部は、コイルがコイル支持部に対して載置されるまで上げられ得る。次いで、コイル支持部上に載置されたコイルは、コイル運搬カートの支援により、第2のコイル加工ステーションから離れるように、具体的には第1のコイル加工ステーションへと戻るように、または別のコイル加工ステーションへと運搬され得る。
しかし、コイルから離れるようにコイル運搬カートを駆動することおよびコイル支持部内にクランプユニットを下げることは、第2のコイル加工ステーションから離れるようにコイルを運搬することが可能となるために、絶対に必要なわけではない。
さらに、第1のコイル加工ステーションから第2のコイル加工ステーションへのコイルの運搬中に、コイル支持部内に少なくとも部分的に予めクランプユニットを下げることが、基本的に可能である。
本発明の有利な実施形態のここまで示した説明は、各従属請求項に表される、時として複数の特徴へと組み合わされる多数の特徴を含む。しかし、これらの特徴は、個別のものとして見てもよく、有利なさらなる組合せへと組み立てられてもよい。具体的には、これらの特徴は、いずれの場合においても個々に、または本発明による運搬デバイス、本発明によるコイル加工システム、本発明による使用、および本発明による方法との任意の適切な組合せにおいて組み合わされてもよい。さらに、方法的特徴が、対応するデバイスユニットの属性として理解されてもよい。
特定の用語が、明細書または特許請求の範囲において単数でまたは数字との関連において使用されるが、本発明の範囲は、これらの用語に関して単数または特定の数字に限定されるべきではない。
本発明の上述の属性、特徴、および利益、ならびにこれらの実現される様式は、図との関連においてより詳細に説明される本発明の例示の実施形態の以下の説明との関連においてより明確になり理解可能となる。これらの例示の実施形態は、本発明を説明する役割を果たし、そこに示される特徴の組合せに対して機能的特徴に関しても本発明を限定しない。さらに、このために、各例示の実施形態の適切な特徴は、単独で明白なものとして見られても、1つの例示の実施形態から除去されても、別の例示の実施形態を補完するためにその例示の実施形態内に配置されても、または請求項の中の任意の1つと組み合わされてもよい。
運搬デバイスのコイル支持部が下げられた状況における、第1の変形実施形態の運搬デバイスと運搬デバイスに対して載置されたコイルとの側面図である。 コイル支持部が上げられた状況における、図1の運搬デバイスと運搬デバイスに対して載置されたコイルとの側面図である。 図1および図2の運搬デバイスの正面図である。 コイルを運搬するための第2の変形実施形態の運搬デバイスの正面図である。 図4の運搬デバイスの側面図である。 運搬デバイスのクランプユニットがコイル支持部内に下げられた状況における、第3の変形実施形態の運搬デバイスと運搬デバイスに対して載置されたコイルとの側面図である。 図6の運搬デバイスと運搬デバイスに対して載置されたコイルとの上面図である。 コイルを運搬するための運搬デバイス用の1つの可能な変形実施形態のコイル支持部とクランプユニットとの三次元図である。 コイルを運搬するための運搬デバイス用の1つの可能な変形実施形態のシャシの三次元図である。 コイル加工システムの上面図である。 図10のコイル加工システムのバンド除去ステーションの側面図である。 図10のコイル加工システムのサンプリングステーションの側面図である。 図10のコイル加工システムの周囲ストラッピングステーションの側面図である。 別のコイル加工システムの上面図である。
図1は、コイルを運搬するための第1の変形実施形態の運搬デバイス2の側面図を示す。運搬デバイス2の支援により運搬されることとなるコイル4が、同様に図1に示される。
運搬デバイス2は、シャシ8およびコイル支持部10を有するコイル運搬カート6を備える。さらに、運搬デバイス2は、固定デバイス12を備える。
コイル運搬カート6は、4つの回転可能に取り付けられたホイール14を備え、これらのホイール14は、コイル運搬カート6のシャシ8上に取り付けられる。これらのホイール14により、コイル運搬カート6は、レールトラック上を移動することが可能となる。
前述のコイル支持部10は、複数の担持歯16を備える。図1に示すように、運搬対象のコイル4は、コイル支持部10に対して、またはより厳密にはその担持歯16に対して載置され、コイル4は、コイル軸18がコイル支持部10の長手方向20に対して平行に配向されるようにコイル支持部10に対して載置される。
前記固定デバイス12は、コイル支持部10に対して運搬対象のコイル4を押圧するためのクランプユニットを備える。このクランプユニット22は、クランプセクション24を有し、クランプセクション24は、コイル支持部10の長手方向20に対して平行に配向される。さらに、クランプユニット22は、クランプセクション24に対して接合されたベースセクション26と、クランプセクション24に対して接合された摺動セクション28と、を有する。ベースセクション26および摺動セクション28は共に、クランプユニット22のクランプセクション24に対して垂直に配向される。
コイル支持部10は、シャシ8に対して高さ調節可能である。換言すれば、コイル支持部10の高さ位置が、シャシ8に対して移動され得る。
さらに、コイル運搬カート6は、コイル支持部10を上下させるための駆動ユニット30を備える。本例の実施形態では、この駆動ユニット30は、引上げロッド32(図2を参照)を有する油圧リフトシリンダとして設計される。シャシ8に対してコイル支持部10を上げるためには、前記駆動ユニット30の引上げロッド32は延伸される。他方で、シャシ8に対してコイル支持部10を下げるためには、駆動ユニット30の引上げロッド32は収縮される。
さらに、クランプユニット22は、コイル支持部10に対して高さ調節可能である。すなわち、クランプユニット22の高さ位置が、コイル支持部10に対して移動され得る。
固定デバイス12は、クランプユニット22を上下させるための駆動ユニット34を備える。この駆動ユニット34もまた、引上げロッド36を有する油圧リフトシリンダとして設計される。さらに、固定デバイス12の駆動ユニット34、またはより厳密にはその引上げロッド36は、クランプユニット22のベースセクション26に組み込まれる。コイル支持部10に対してクランプユニット22を上げるためには、固定デバイス12の駆動ユニット34の引上げロッド36は延伸される。他方で、コイル支持部10に対してクランプユニット22を下げるためには、この駆動ユニット34の引上げロッド36は収縮される。
本例の実施形態では、固定デバイス12、またはより厳密にはその駆動ユニット34が、コイル支持部10に対して固定される。さらに、コイル支持部10は摺動ガイド38を有し、クランプユニット22の前述の摺動セクション28は、この摺動ガイド38により案内され、クランプユニット22は、この摺動ガイド38により線形変位可能な様式で取り付けられる。
さらに、コイル支持部10は切欠部40を備え、クランプユニット22のクランプセクション24は、コイル支持部10に対するコイル4の押圧が不要な場合にはこの切欠部40内に下げられ得る。
図1では、コイル支持部10は、シャシ8に対して最下位置にある。この状態で、コイル運搬カート6の駆動ユニット30の引上げロッド36は、可能な限り収縮される。さらに、クランプユニット22のクランプセクション24は、運搬対象のコイル4のコイル穴42内に導入され、コイル支持部10に対してコイル4を押圧する。
図2は、図1の運搬デバイス2の別の側面図である。
この図においても、運搬対象のコイル4は、運搬デバイス2のコイル支持部10に対して載置される。さらに、クランプユニット22は、運搬対象のコイル4のコイル穴42内に導入され、運搬デバイス2のコイル支持部10に対してコイル4を押圧する。
図1に示す運搬デバイス2の状態に比較して、図2では、コイル支持部10は上げられている。したがって、コイル支持部10は、図1の場合よりもシャシ8に対してより高い位置に位置する。したがって、コイル運搬カート6の前述の駆動ユニット30、またはより厳密には、その引上げロッド36は図1の場合よりもさらに延伸される。
図3は、図1および図2の運搬デバイス2の正面図を示す。
図3に示すように、クランプユニット22は、丸形押圧表面44を有し、クランプユニット22は、この丸形押圧表面44により運搬対象のコイルのコイル穴に対して押圧され得る。前記丸形押圧表面44は、クランプユニット22のクランプセクション24の下方側部46上に位置する。
さらに、図3に示すように、前述の担持歯16は、コイル支持部10の長手方向中心面48に向かって斜角をつけられる。このようにすることで、担持歯16は、運搬対象のコイルをコイル支持部10の長手方向20に対して横軸方向おいて、コイル支持部10上に安定化させる。
以下の例の実施形態の説明は、前出の例の実施形態とは異なる点に主にとどめられ、同一である特徴および機能に関しては前出の例の実施形態を参照とする。基本的に同一であるおよび/または対応する要素は、実施可能である限りにおいて同一の参照番号で示され、言及されない特徴が、再度の説明を伴わずに以下の例の実施形態において採用されている。
図4は、コイルを運搬するための第2の変形実施形態の運搬デバイス50の正面図を示す。
この運搬デバイス50のクランプユニット22は、摩擦低減ユニット52を備える。摩擦低減ユニット52は、コイルがコイル支持部10に対して載置されているときに回転されるべきであり、クランプユニット22がコイルを押圧する場合に、運搬対象のコイルとクランプユニット22との間の摩擦抵抗を低減させるための役割を果たす。コイル支持部10上に載置されたコイルの回転は、例えばコイルの巻上げおよび巻出しの最中などに、特にコイルのサンプリングの途中に行われ得る。
本例の実施形態では、摩擦低減ユニット52は、摩擦低減手段として複数の回転可能に取り付けられたローラ54を備える。これらのローラ54は、クランプユニット22のクランプセクション24の下方側部46上に配置される。
図5は、図4の運搬デバイス50の側面図を示す。
図5に示すように、摩擦低減ユニット52のローラ54は、クランプユニット22のベースセクション26から距離をおいたクランプセクション24の端部に位置する。
図6は、コイルを運搬するための第3の変形実施形態の運搬デバイス56の側面図を示す。
この運搬デバイス56では、固定デバイス12、特にその駆動ユニット34が、コイル支持部10上ではなくコイル運搬カート6のシャシ8上に取り付けられる。さらに、コイル支持部10は、クランプユニット22用の摺動ガイドを有さない。代わりに、シャシ8は、クランプユニット22用の摺動ガイド58を有する。
クランプユニット22のベースセクション26は、シャシ8の摺動ガイド58により導かれ、この摺動ガイド58の支援により線形変位可能な様式で取り付けられる。したがって、図6の運搬デバイス56では、固定デバイス12の駆動ユニット34が組み込まれたベースセクション26が、前出の例の実施形態のクランプユニット22の摺動セクション28の機能を同時に実施する。したがって、別個の摺動セクションは、本例の実施形態ではクランプユニット22に対して設けられない。
さらに、図6の運搬デバイス56は、クランプユニット22およびコイル支持部10の同期的移動のための同期デバイス(図示略)を備える。
図6に示す運搬デバイス56の状態では、クランプユニット22は、運搬対象のコイル4のコイル穴42内に導入されない。代わりに、クランプユニット22、またはより厳密にはそのクランプセクション24が、特にクランプセクション24の上方側部60がコイル支持部10の上方側部62と同一平面内に位置するように、コイル支持部10の切欠部40内に下げられる。この場合に、運搬対象のコイル4は、コイル支持部10およびクランプセクション24の上方側部60に対して載置される。
さらに、運搬対象のコイル4の幅64は、本例の実施形態では実質的にコイル支持部10の全長にわたって延在する。
図7は、図6の運搬デバイス56とそのコイル支持部10上に載置されたコイル4との上面図を示す。
図8は、コイルを運搬するための運搬デバイス用の1つの可能な変形実施形態のコイル支持部10とクランプユニット22との三次元図を示す。
コイル支持部10は、摺動セクション66を有し、この摺動セクション66は、シャシの摺動ガイド内に設置され得る。
さらに、コイル支持部10は、摺動ガイド38を有する。クランプユニット22、またはより厳密にはそのベースセクション26は、この摺動ガイド38を通り導かれ、摺動ガイド38により線形変位可能な様式で取り付けられる。
図8のクランプユニット22では、ベースセクション26は、前出の例の実施形態のクランプユニット22の摺動セクション28の機能を同時に実施する。したがって、別個の摺動セクションは、本例の実施形態ではクランプユニット22のために設けられない。
さらに、図8では、コイル支持部10の切欠部40が示され、クランプユニット22、またはより厳密にはそのクランプセクション24は、この切欠部40内に下げられ得る。
図9は、コイルを運搬するための運搬デバイス用の1つの可能な変形実施形態のシャシ8の三次元図を示す。
シャシ8は、コイル支持部を案内するための摺動ガイド68を備える。摺動ガイド68は、具体的には図8のコイル支持部10の摺動セクション66などのコイル支持部の摺動セクションを受けるために設計される。
さらに、4つの回転可能に取り付けられたホイール14が、シャシ8上に取り付けられ、シャシ8は、このホイール14によりレールトラック上を移動し得る。しかし、図9では、これらの4つのホイール14のうちの3つのみが(少なくとも部分的に)示される。
図10は、本例の実施形態ではコイルサンプリングシステムである、コイル加工システム70の上面図を示す。
このコイル加工システム70は、8つのコイル加工ステーション72〜86を備える。基本的に、異なる個数のコイル加工ステーションを有するコイル加工システム70の実施形態がさらに可能である。
本例の実施形態では、コイル加工ステーション72〜86は、第1の送達ステーション72、第2の送達ステーション74、バンド除去ステーション76、サンプリングステーション78、周囲ストラッピングステーション80、計量ステーション82、穴ストラッピングステーション84、および回収ポイント86である。個々のコイル加工ステーション72〜86は、図10に示す順序で必ずしも配置される必要はない。
さらに、コイル加工システム70は、運搬デバイス88を備え(図10では見えない)、この運搬デバイス88は、コイル加工システム70のレールトラック90(図12を参照)上を移動することが可能であり、設計に関しては前述の運搬デバイス2、50、56のうちの1つに対応する。
図10では、各コイル加工ステーション72〜86は、例えばコイル4などにより占められる。基本的に、コイル加工ステーション72〜86のうちのいくつかのみが、コイル4により同時に占められることが可能である。
以降では、各コイル4がコイル加工システム70内で加工される方法を、このコイル4に関して例として説明する。このコイル4は、周囲ストラッピングにより、すなわちコイル4の外周部の周りに延在する結束ストラップにより囲まれるものとする。
コイル4は、クレーンなどの運搬システム(図示略)の支援によりコイル加工システム70へと運搬され、第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74にて降ろされる。
コイル加工システム70の前述の運搬デバイス88により、コイル4は、第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74からバンド除去ステーション76へと以下で説明する様式で運搬される。
最初に、運搬デバイス88のクランプユニット22の高さ位置は、コイル運搬カート6の水平方向変位時にクランプユニット22がコイル4のコイル穴42内に導入され得るように、調節される。
運搬デバイス88のコイル運搬カート6は、第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74に位置するコイル4まで駆動され、運搬デバイス88のクランプユニット22は、コイル4のコイル穴42内に導入される。
コイル穴42内に導入されたクランプユニット22は、クランプユニット22がコイル4を押圧するまで下げられる。次いで、運搬デバイス88のコイル支持部10は、コイル4がコイル支持部10に対して載置されるまで上げられる。クランプユニット22の高さ位置は、このプロセスにおいて変化しない。次に、コイル支持部10およびクランプユニット22は、同期的に上げられる。
次いで、コイル支持部10に対して載置されたコイル4は、コイル運搬カート6によりバンド除去ステーション76へと運搬され、コイル4は、運搬中にクランプユニット22によりコイル支持部10に対して押圧される。
コイル4が、バンド除去ステーション76に到達すると、コイル支持部10およびクランプユニット22は、コイル4がバンド除去ステーション76のコイルレシーバ92に対して載置されるまで同期的に下げられる(図11を参照)。次いで、コイル支持部10は下げられ、一方でコイル支持部10を下げる最中に、コイル4は、クランプユニット22によりバンド除去ステーション76のコイルレシーバ92に対して押圧される。
バンド除去ステーション76で、コイル4の周囲ストラッピングが除去される。
この後に、コイル4は、運搬デバイス88によりバンド除去ステーション76からサンプリングステーション78へと運搬される。サンプリングステーション78で、サンプルがコイル4から採取される。
次いで、コイル4は、運搬デバイス88によりサンプリングステーション78から周囲ストラッピングステーション80へと運搬される。ここで、コイル4は、周囲ストラッピングを受ける。
この後に、コイル4は、周囲ストラッピングステーション80から計量ステーション82へと運搬され、コイル4が計量される。
計量後に、コイル4は、運搬デバイス88により計量ステーション82から穴ストラッピングステーション84へと運搬され、コイル4は、そのコイル穴42を通したストラッピングを受ける。
次いで、コイル4は、運搬デバイス88により穴ストラッピングステーション84から回収ポイント86へと運搬される。ここで、コイル4は、クレーンなどの運搬システム(図示略)の支援によりコイル加工システム70から離れるように運搬される。
コイル加工ステーション72〜86のうちの1つから次のコイル加工ステーション72〜86へのコイル4のそれぞれの運搬は、第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74からバンド除去ステーション76への運搬中に上述と同様の様式で行われる。
図11は、図10のコイル加工システム70のバンド除去ステーション76の側面図を示す。
バンド除去ステーション76は、コイル4からのストラッピングバンドの除去のためのバンド除去デバイス94を備える。さらに、本例におけるバンド除去ステーション76は、押さえつけローラ100が固定された旋回アーム98を有する押さえつけデバイス96を備える。
図11では、加工対象のコイル4が、バンド除去ステーション76の前述のコイルレシーバ92上に降ろされている。さらに、運搬デバイス88のコイル支持部10は、コイル4から距離をおくように下げられている。
さらに、図11では、コイル4は、コイル4のコイル穴42内に導入されるクランプユニット22によりコイルレシーバ92に対して押圧される。これにより、コイル4の周囲ストラッピングの危険性のない除去が可能となる。なぜならば、クランプユニット22の支援により、周囲ストラッピングの除去時におけるコイル4の跳ねが防止されるからである。したがって、バンド除去ステーション76の前述の押さえつけデバイス96は、別のコイル4を運搬するための周囲ストラッピングの除去の最中に運搬デバイス88が使用されない限りにおいては、基本的には省略され得る。
図12は、図10のコイル加工システム70のサンプリングステーション78の側面図を示す。
サンプリングステーション78は、第1の押さえつけデバイス102および第2の押さえつけデバイス104を備え、これらの押さえつけデバイスはそれぞれ、旋回アーム98と旋回アーム98に対して固定された押さえつけローラ100とを有する。さらに、サンプリングステーション78は、第3の押さえつけデバイス106を備え、この第3の押さえつけデバイス106は、線形変位可能な押さえつけローラ100を備える。
さらに、サンプリングステーション78は、コイル4からサンプルを分離させるための可動切断デバイス108を備える。本例の実施形態では、切断デバイス108は、プラズマトーチとして設計される。
さらに、図12は、前述のレールトラック90を示し、運搬デバイス88は、このレールトラック90上を移動し得る。
図12で、コイル4は、2つの下方ローラ112を有するサンプリングステーション78のコイルレシーバ110上に降ろされている。サンプリングのためのコイル4の巻出しおよび再度の巻上げのために、コイル4は、コイルレシーバ110の下方ローラ112上で回転され得る。
図12では、運搬デバイス88のコイル支持部10は、コイル4から距離をおくように下げられる。さらに、コイル4は、第1の押さえつけデバイス102により下方ローラ112に対して押圧される。代替的にはまたは追加的には、コイル4は、他の2つの押さえつけデバイス104、106のうちの少なくとも一方により下方ローラ112に対して押圧され得る。
さらに、図12では、運搬デバイス88のクランプユニット22は、コイル支持部10内に下げられる。押さえつけデバイス102、104、106の代替または追加として、クランプユニット22は、下方ローラ112に対してコイル4を押圧するために使用され得る。
図13は、図10のコイル加工システム70の周囲ストラッピングステーション80の側面図を示す。
周囲ストラッピングステーション80は、コイル4の外周部にてコイル4をストラッピングするためのストラッピングデバイス114を備える。さらに、周囲ストラッピングステーション80は、コイルレシーバ116を備える。
図13では、コイル4は、周囲ストラッピングステーション80のコイルレシーバ116上に降ろされている。さらに、コイル4は、コイル4のコイル穴42内に導入される運搬デバイス88のクランプユニット22によりコイルレシーバ116に対して押圧される。運搬デバイス88のコイル支持部10は、コイル4から距離をおくように下げられる。
運搬対象のコイルを運搬デバイス88のコイル支持部10に対して押圧することが不要である場合には、クランプユニット22は、コイル支持部10内に下げられる(または下げられた状態に留まる)ことが可能であり、コイルは、コイル支持部10上に載置されたクランプユニット22が下げられた状態において、コイル加工ステーション72〜86のうちの1つからコイル加工ステーション72〜86のうちの他の1つへと運搬される。
コイル加工システム70内においてサンプリングされず、単にストラッピングされ、場合によってはさらに計量されるに過ぎない予定のコイルが、第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74にて降ろされている場合に、このコイルは、運搬デバイス88により第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74から周囲ストラッピングステーション80または穴ストラッピングステーション84へと直接運搬され得る。
さらに、1つ以上のストラッピングバンドにより囲まれないコイルは、サンプリングされるためにコイル加工システム70内に導入されることが可能である。この場合に、コイルは、運搬デバイス88により第1の送達ステーション72または第2の送達ステーション74からサンプリングステーション78へと直接、すなわちバンド除去ステーション76にて途中で停止せずに運搬され得る。
さらに、コイル加工システム70は、上述の種類の複数の運搬デバイスを備えることが可能である。これらは、コイル加工システム70の種々の領域で採用され得る。例えば、前述の運搬デバイス88は、第1の送達ステーション72からサンプリングステーション78へのコイルの運搬のために使用され得る一方で、追加の運搬デバイスが、サンプリングステーション78から回収ポイント86への同コイルの運搬のために使用され得る。
図14は、同様にコイルサンプリングシステムである別のコイル加工システム118の上面図を示す。
このコイル加工システム118は、4つのコイル加工ステーション72、76、78、80を備える。本例の実施形態では、コイル加工ステーション72、76、78、80は、送達ステーション72、バンド除去ステーション76、周囲ストラッピングステーション80、およびサンプリングステーション78である。それぞれのコイル加工ステーション72、76、78、80は、図14に示す順序で必ずしも配置される必要はない。したがって、例えば、バンド除去ステーション76および周囲ストラッピングステーション80は、交換可能である。
さらに、コイル加工システム118は、運搬デバイス(図14では見えない)を備え、この運搬デバイスは、設計に関して前述の運搬デバイス2、50、56のうちの1つと対応する。
クレーンなどの運搬システム(図示略)の支援により、コイル加工システム118内で加工されることとなるコイル4が、送達ステーション72へと運搬されそこに降ろされる。
コイル加工システム118の運搬デバイスにより、コイル4は、図10に関連して上述した様式にしたがって、送達ステーション72からサンプリングステーション78の方向に運搬され、一方で任意にはサンプリングステーション78へ向かう途中で、コイル4を囲むストラッピングバンドが、バンド除去ステーション76において除去される。
サンプリングステーション78でサンプリングされた後に、コイル4は、コイル加工システム118の運搬デバイスによりサンプリングステーション78からストラッピングステーション80へと逆方向に運搬され、ストラッピングステーション80にてコイル4がストラッピングされる。
ストラッピングステーション80から、コイル4は、コイル加工システム118の運搬デバイスにより送達ステーション72へと運搬される。そこで、コイル4は、前述の運搬システムによりコイル加工システム118から外に運搬される。したがって、送達ステーション72は、コイル加工システム118の回収ポイントとしての役割を同時に果たす。
原則的に、サンプリングステーション78は、その固有のバンド除去デバイスを備え得る。かかる場合には、コイル加工システム118のバンド除去ステーション76は、基本的に省略され得る。
本発明を好ましい例の実施形態によりより厳密に詳細に図示および説明したが、本発明は、開示された例によって限定されず、他の変形例が、本発明の保護範囲から逸脱することなくこれらの実施形態から導出され得る。
2 運搬デバイス
4 コイル
6 コイル運搬カート
8 シャシ
10 コイル支持部
12 固定デバイス
14 ホイール
16 担持歯
18 コイル軸
20 長手方向
22 クランプユニット
24 クランプセクション
26 ベースセクション
28 摺動セクション
30 駆動ユニット
32 引上げロッド
34 駆動ユニット
36 引上げロッド
38 摺動ガイド
40 切欠部
42 コイル穴
44 押圧表面
46 下方側部
48 長手方向中心面
50 運搬デバイス
52 摩擦低減ユニット
54 ローラ
56 運搬デバイス
58 摺動ガイド
60 上方側部
62 上方側部
64 幅
66 摺動セクション
68 摺動ガイド
70 コイル加工システム
72 送達ステーション
74 送達ステーション
76 バンド除去ステーション
78 サンプリングステーション
80 周囲ストラッピングステーション
82 計量ステーション
84 穴ストラッピングステーション
86 回収ポイント
88 運搬デバイス
90 レールトラック
92 コイルレシーバ
94 バンド除去デバイス
96 押さえつけデバイス
98 旋回アーム
100 押さえつけローラ
102 押さえつけデバイス
104 押さえつけデバイス
106 押さえつけデバイス
108 切断デバイス
110 コイルレシーバ
112 下方ローラ
114 ストラッピングデバイス
116 コイルレシーバ
118 コイル加工システム

Claims (13)

  1. コイル(4)を運搬するための運搬デバイス(2、50、56、88)であって、シャシ(8)と、前記シャシ(8)に対して高さ調節可能であるコイル支持部(10)と、を有するコイル運搬カート(6)を備える、運搬デバイス(2、50、56、88)において、
    可動固定デバイス(12)は、前記コイル支持部(10)に対して運搬対象の前記コイル(4)を押圧するためのクランプユニット(22)を有し、前記クランプユニット(22)は、前記コイル支持部(10)に対して高さ調節可能であり、且つ前記コイル(4)のコイル穴(42)内に少なくとも部分的に挿入されることが可能であり、前記固定デバイス(12)は、前記コイル支持部(10)に対してまたは前記コイル運搬カート(6)の前記シャシ(8)に対して固定され、前記コイル支持部(10)は、切欠部(40)を有し、前記クランプユニット(22)は、前記切欠部(40)内に少なくとも部分的に下げられ得る、ことを特徴とする、運搬デバイス(2、50、56、88)。
  2. 前記クランプユニット(22)は、前記コイル(4)の巻上げおよび/または巻出しの時に、前記コイル(4)と前記クランプユニット(22)との間の摩擦抵抗を低減させるための摩擦低減ユニット(52)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)。
  3. 前記摩擦低減ユニット(52)は、摩擦低減手段として1つ以上のローラ(54)を備えることを特徴とする、請求項2に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)。
  4. 前記クランプユニット(22)は、前記コイル穴(42)に対して押圧するための丸形押圧表面(44)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)。
  5. 前記コイル支持部(10)は、複数の担持歯(16)を備え、前記コイル(4)は、前記複数の担持歯(16)上に配置されることが可能であり、前記担持歯(16)は、前記コイル支持部(10)の長手方向中心面(48)に向かって斜角をつけられることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)。
  6. 第1のコイル加工ステーション(72〜86)と、第2のコイル加工ステーション(72〜86)と、前記2つのコイル加工ステーション(72〜86)のうちの一方から前記2つのコイル加工ステーション(72〜86)のうちの他方へとコイル(4)を運搬するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つの運搬デバイス(2、50、56、88)と、を有する、コイル加工システム(70、118)。
  7. 前記コイル加工システム(70、118)は、コイルサンプリングシステムであり、前記2つのコイル加工ステーション(72〜86)のうちの一方が、切断デバイス(108)を備えたサンプリングステーション(78)であり、前記2つのコイル加工ステーション(72〜86)のうちの他方が、送達ステーション(72、74)、回収ポイント(86)、計量ステーション(82)、バンド除去ステーション(76)、またはストラッピングステーション(80、84)であることを特徴とする、請求項6に記載のコイル加工システム(70、118)。
  8. コイル加工システム(70、118)において、特にコイルサンプリングシステムにおいてコイル(4)を運搬するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)の使用であって、前記コイル(4)は、前記運搬デバイス(2、50、56、88)を用いて前記コイル加工システム(70、118)の第1のコイル加工ステーション(72〜86)から前記コイル加工システム(70、118)の第2のコイル加工ステーション(72〜86)へと運搬される、使用。
  9. 前記コイル(4)の運搬中に、
    前記コイル(4)は、前記運搬デバイス(2、50、56、88)の前記コイル支持部(10)上に載置されることと、
    前記運搬デバイス(2、50、56、88)の前記クランプユニット(22)は、前記コイル(4)のコイル穴(42)内に導入されることと、
    前記コイル(4)は、前記クランプユニット(22)の支援により前記コイル支持部(10)に対して押圧されることと、
    を特徴とする、請求項8に記載の使用。
  10. コイル(4)を運搬するための方法であって、前記コイル(4)は、請求項1から5のいずれか一項に記載の運搬デバイス(2、50、56、88)の支援によりコイル加工システム(70、118)の第1のコイル加工ステーション(72〜86)から第2のコイル加工ステーション(72〜86)へと運搬される、方法において、
    前記運搬デバイス(2、50、56、88)のコイル運搬カート(6)が、前記第1のコイル加工ステーション(72〜86)に位置する前記コイル(4)まで駆動され、前記運搬デバイス(2、50、56、88)のクランプユニット(22)が、前記コイル(4)のコイル穴(42)内に導入され、
    前記コイル穴(42)内に導入された前記クランプユニット(22)は、前記コイル(4)に対して押圧するまで下げられ、
    前記運搬デバイス(2、50、56、88)のコイル支持部(10)は、前記コイル(4)が前記コイル支持部(10)に対して載置されるまで上げられ、
    前記コイル(4)が前記コイル支持部(10)に対して載置されており、前記クランプユニット(22)が前記コイル(4)を押圧すると、前記コイル支持部(10)および前記クランプユニット(22)は、同期的に上げられ、
    前記コイル支持部(10)に対して載置された前記コイル(4)は、前記コイル運搬カート(6)を用いて前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)へと運搬され、前記コイル(4)は、前記クランプユニット(22)により前記コイル支持部(10)に対して押圧される、方法。
  11. 前記コイル(4)が前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)に到達すると、前記コイル支持部(10)および前記クランプユニット(22)は、前記コイル(4)が前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)のコイルレシーバ(92、110、116)に対して載置されるまで同期的に下げられ、次いで、前記コイル支持部(10)は下げられ、前記コイル支持部(10)が下げられる間に、前記コイル(4)は、前記クランプユニット(22)により前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)の前記コイルレシーバ(92、110、116)に対して押圧されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記コイル(4)が前記第1のコイル加工ステーション(72〜86)に位置する間に、前記コイル(4)に対して押圧する前記第1のコイル加工ステーション(72〜86)の押さえつけデバイス(96、102〜106)は、前記クランプユニット(22)が前記コイル(4)に対して押圧するときに、前記コイル(4)から除去されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記コイル(4)が前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)に到達したときに、前記クランプユニット(22)は、前記第2のコイル加工ステーション(72〜86)の押さえつけデバイス(96、102〜106)が前記コイル(4)に対して押圧する場合にのみ前記コイル(4)から引き上げられることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
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