JP2020506916A - 活動性乾癬性関節炎の治療のための抗tnf抗体、組成物、及び方法 - Google Patents

活動性乾癬性関節炎の治療のための抗tnf抗体、組成物、及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、活動性乾癬性関節炎(active Psoriatic Arthritis、PsA)の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、抗TNF抗体を利用する組成物及び方法に関する。

Description

本発明は、活動性乾癬性関節炎(active Psoriatic Arthritis、PsA)の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(heavy chain、HC)及び配列番号37を含む軽鎖(light chain、LC)を有する抗TNF抗体を利用する組成物及び方法に関する。
TNFαは、17kDのタンパク質サブユニットの可溶性ホモ三量体である。TNFの膜結合型の26kDの前駆体形態もまた存在する。
単球又はマクロファージ以外の細胞もTNFαを生成する。例えば、ヒト非単球腫瘍細胞株はTNFα並びにCD4+及びCD8+末梢血Tリンパ球を生成し、いくつかの培養されたT及びB細胞株もTNFαを生成する。
TNFαは、軟骨及び骨の分解、接着分子の誘導、血管内皮細胞で凝血促進活性を誘導する、好中球及びリンパ球の接着を増大させる、並びにマクロファージ、好中球及び血管内皮細胞からの血小板活性化因子の放出を刺激するなどの組織損傷をもたらす炎症誘発作用を引き起こす。
TNFαは、感染、免疫障害、腫瘍性病態、自己免疫病態及び移植片対宿主病態に関連している。TNFαと癌及び感染性病態との関連は、宿主の異化状態に関連していることが多い。癌患者は、通常食欲不振に関連する体重減少に悩まされる。
癌及び他の疾患に関連する大幅な衰弱は、「悪液質」として知られる。悪液質は、悪性腫瘍の成長に応答する、進行性の体重減少、食欲不振、及び除脂肪体重の持続的衰えを含む。悪液質状態は、多くの癌罹患率及び死亡率の原因となる。TNFαが、癌、感染性病態及び他の異化状態における悪液質に関与するという証拠がある。
TNFαは、発熱、倦怠感、食欲不振、及び悪液質を含む、グラム陰性敗血症及び内毒素ショックにおいて中心的な役割を果たすと考えられている。内毒素は、単球/マクロファージ生成並びにTNFα及び他のサイトカインの分泌を強く活性化する。TNFα及び他の単球由来サイトカインは、内毒素に対する代謝及び神経ホルモン応答を媒介する。ヒトボランティアへの内毒素投与は、発熱、頻脈、増加した代謝速度、及びストレスホルモン放出など、インフルエンザのような症状を伴う急性疾患をもたらす。TNFαの循環が、グラム陰性敗血症に罹患した患者において増加する。
したがって、TNFαは、炎症性疾患、自己免疫疾患、ウイルス、細菌及び寄生虫感染、悪性腫瘍、並びに/又は神経変性疾患に関連付けられており、関節リウマチ及びクローン病などの疾患における特定の生物学的治療に有用な標的である。TNFαに対するキメラモノクローナル抗体(cA2)を用いた非盲検試験における有益な作用が、炎症の抑制、並びに関節リウマチ及びクローン病における再発後の良好な再処置と共に報告されている。cA2を用いた無作為の二重盲検プラセボ対照試験における有益な結果も、関節リウマチにおいて炎症の抑制と共に報告されている。
他の研究者は、インビトロで中和活性を有した組換えヒトTNFに特異的なmAbを説明している。これらのmAbのうちのいくつかが、ヒトTNFのエピトープをマッピングし、酵素イムノアッセイを開発するため、また組換えTNFの精製を補助するために使用された。しかしながら、これらの研究は、免疫原性、低特異性、及び/又は薬学的不適性により、ヒトにおけるインビボ診断又は治療用途に使用することができるTNF中和抗体を生成するための基礎を提供しない。
TNFに対する中和抗血清又はmAbは、ヒト以外の哺乳動物において、実験的内毒素血症及び菌血症における致死的攻撃後の有害な生理学的変化を抑止し、死亡を阻止することが示されている。この作用は、例えば、げっ歯類致死率アッセイ及び霊長類病理モデル系において示されている。
hTNFの推定受容体結合座位が開示されており、TNFのアミノ酸11〜13、37〜42、49〜57及び155〜157からなるTNFαの受容体結合座位が開示されている。
非ヒト哺乳類、キメラ、ポリクローナル(例えば、抗血清)、及び/又はモノクローナル抗体(Mab)並びに断片(例えば、タンパク質分解消化又はその融合タンパク質生成物)は、場合によっては、ある特定の疾患を処置する試みのために調査されている有力な治療薬である。しかしながら、かかる抗体又は断片は、ヒトに投与された場合、免疫応答を誘発する場合がある。かかる免疫応答は、血液循環からの抗体又は断片の免疫複合媒介クリアランスをもたらし、反復投与を、治療に不適なものとし得、それにより、患者に対する治療的利益が低減し、抗体又は断片の再投与が制限される。例えば、非ヒト部分を含む抗体又は断片の反復投与は、血清病及び/又はアナフィラキシーをもたらし得る。これら及び他の問題を回避するために、当該技術分野において周知のように、キメラ化及びヒト化を含む、かかる抗体及びその部分の免疫原性を低減するための多くのアプローチが取られてきた。しかしながら、これら及び他のアプローチは尚も、多少の免疫原性、低親和性、低結合活性を有する、又は細胞培養、スケールアップ、生成及び/若しくは低収率における問題を伴う抗体又は断片をもたらし得る。したがって、かかる抗体又は断片は、治療用タンパク質としての製造又は使用にあまり理想的には適していない可能性がある。
したがって、これらの問題のうちのもう1つを克服する抗TNF抗体又は断片、並びに既知の抗体又はその断片の改善を提供する必要性がある。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、静脈内(intravenous、IV)注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、健康評価質問表障害指標スコア(Health Assessment Questionnaire Disability Index score、HAQ−DI)=−0.60±0.53標準偏差(standard deviation、SD)、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、36項目ショートフォーム健康調査身体サマリースコア(36-item Short-Form Health Survey Physical Summary score、SF−36PCS)=8.65±7.60SD、及び36項目ショートフォーム健康調査精神成分サマリースコア(36-item Short-Form Health Survey Mental Component Summary score、SF−36MCS)=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、静脈内(IV)注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、MTXと共に、又はMTXなしで投与され、組成物は、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、MTXと共に、又はMTXなしで投与され、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成し、方法は、前述の前、同時、又は後に、(a)検出可能な標識又はレポーター、TNF拮抗薬、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌薬、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、エリスロポエチン、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬、成長ホルモン、ホルモン補充薬、放射性医薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、ぜんそく薬、β作動薬、吸入ステロイド、エピネフリン若しくは類似薬、サイトカイン、又はサイトカイン拮抗薬のうちの少なくとも1つから選択される、有効量の少なくとも1つの化合物又はタンパク質を含む少なくとも1つの組成物を投与することを更に含む。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、静脈内(IV)注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、修正総van der Heijdeシャープスコア(total modified van der Heijde-Sharp score、vdH−S)=−0.36±0.144標準誤差(Standard error、SE)におけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、静脈内(IV)注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、MTXと共に、又はMTXなしで投与され、抗TNF抗体は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、静脈内(IV)注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む組成物を提供し、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、MTXと共に、又はMTXなしで投与され、組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、MTXと共に、又はMTXなしで投与され、組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、抗TNF抗体で処置された患者は、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成し、方法は、前述の前、同時、又は後に、(a)検出可能な標識又はレポーター、TNF拮抗薬、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌薬、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、エリスロポエチン、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬、成長ホルモン、ホルモン補充薬、放射性医薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、ぜんそく薬、β作動薬、吸入ステロイド、エピネフリン若しくは類似薬、サイトカイン、又はサイトカイン拮抗薬のうちの少なくとも1つから選択される、有効量の少なくとも1つの化合物又はタンパク質を含む少なくとも1つの組成物を投与することを更に含む。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療又は予防において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、IV注入を介して投与され、以下の表における応答からなる群から選択される臨床応答を誘発する。
Figure 2020506916
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療又は予防において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、IV注入を介して投与され、処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療又は予防において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成する。
本発明は、活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療又は予防において使用するための配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体を提供し、前述の抗TNF抗体は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成し、前述の65%以上の患者が、50%以上の処置差(プラセボと比較して改善)で、処置の14週目にACR20を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成する。
本発明は、TNF関連状態を治療するための方法を提供し、TNF関連状態は、活動性乾癬性関節炎であり、方法は、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する安全かつ有効量の単離された哺乳類抗TNF抗体を含む組成物を投与することを含み、前述の組成物は、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で、IV注入を介して投与され、処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成し、前述の65%以上の患者が、50%以上の処置差(プラセボと比較して改善)で、処置の14週目にACR20を達成する。
ハイブリドーマ細胞上清中のTNV mAbが組換えTNF受容体へのTNFα結合を阻害する能力のアッセイを示すグラフ表示を示す。既知量のTNV mAbを含有する様々な量のハイブリドーマ細胞上清を、固定濃度(5ng/mL)の125I標識TNFαと共にプレインキュベートした。混合物を、組換えTNF受容体/IgG融合タンパク質p55−sf2で予めコーティングされた96ウェルのOptiplateに移した。mAbの存在下でp55受容体に結合したTNFαの量は、未結合の材料を洗い流し、γ計数器を使用して計数した後に決定した。これらの実験において8つのTNV mAb試料を試験したが、簡潔化のため、DNA配列分析により、他のTNV mAbのうちの1つと同一であることを示したmAbのうちの3つ(セクション5.2.2を参照のこと)は、ここに示されていない。各試料を二重に試験した。示される結果は、2つの独立した実験を代表する。 TNV mAb重鎖可変領域のDNA配列を示す。示される生殖系列遺伝子は、DP−46遺伝子である。「TNVs」は、示される配列がTNV14、TNV15、TNV148、及びTNV196の配列であることを示す。TNV配列の最初の3つのヌクレオチドは、翻訳開始Metコドンを定義する。TNV mAb遺伝子配列中の点線は、ヌクレオチドが生殖系列配列中のものと同じであることを示す。TNV配列の最初の19のヌクレオチド(下線付き)は、可変領域をPCR増幅するために使用されたオリゴヌクレオチドに対応する。成熟mAbで始まるアミノ酸翻訳(一文字表記)は、生殖系列遺伝子についてのみ示される。生殖系列アミノ酸翻訳における3つのCDRドメインは、太字で示され、下線付きである。TNV148(B)と標識された行は、示される配列がTNV148及びTNV148Bの両方に関することを示す。生殖系列DNA配列(CDR3)中のギャップは、知られていないか又は生殖系列遺伝子に存在しない配列のためである。TNV mAb重鎖は、J6結合領域を使用する。 TNV mAb重鎖可変領域のDNA配列を示す。示される生殖系列遺伝子は、DP−46遺伝子である。「TNVs」は、示される配列がTNV14、TNV15、TNV148、及びTNV196の配列であることを示す。TNV配列の最初の3つのヌクレオチドは、翻訳開始Metコドンを定義する。TNV mAb遺伝子配列中の点線は、ヌクレオチドが生殖系列配列中のものと同じであることを示す。TNV配列の最初の19のヌクレオチド(下線付き)は、可変領域をPCR増幅するために使用されたオリゴヌクレオチドに対応する。成熟mAbで始まるアミノ酸翻訳(一文字表記)は、生殖系列遺伝子についてのみ示される。生殖系列アミノ酸翻訳における3つのCDRドメインは、太字で示され、下線付きである。TNV148(B)と標識された行は、示される配列がTNV148及びTNV148Bの両方に関することを示す。生殖系列DNA配列(CDR3)中のギャップは、知られていないか又は生殖系列遺伝子に存在しない配列のためである。TNV mAb重鎖は、J6結合領域を使用する。 TNV mAb軽鎖可変領域のDNA配列を示す。示される生殖系列遺伝子は、ヒトκ生殖系列可変領域遺伝子のVg/38Kファミリーの代表的なメンバーである。TNV mAb遺伝子配列中の点線は、ヌクレオチドが生殖系列配列中のものと同じであることを示す。TNV配列の最初の16のヌクレオチド(下線付き)は、可変領域をPCR増幅するために使用されたオリゴヌクレオチドに対応する。成熟mAbのアミノ酸翻訳(一文字表記)は、生殖系列遺伝子についてのみ示される。生殖系列アミノ酸翻訳における3つのCDRドメインは、太字で示され、下線付きである。TNV148(B)と標識された行は、示される配列がTNV148及びTNV148Bの両方に関することを示す。生殖系列DNA配列(CDR3)中のギャップは、知られていないか又は生殖系列遺伝子に存在しない配列のためである。TNV mAb軽鎖は、J3結合領域を使用する。 TNV mAb重鎖可変領域の推定アミノ酸配列を示す。示されるアミノ酸配列(一文字表記)は、非クローン化PCR生成物及びクローン化PCR生成物の両方から決定されたDNA配列から推定された。分泌シグナル配列(シグナル)、フレームワーク(FW)、及び相補性決定領域(CDR)ドメインに分割したアミノ配列が示される。DP−46生殖系列遺伝子のアミノ酸配列は、各ドメインの上の行に示されている。点線は、TNV mAbにおけるアミノ酸が生殖系列遺伝子と同一であることを示す。TNV148(B)は、示される配列がTNV148及びTNV148Bの両方に関することを示す。「TNV」は、異なる配列が示されない限り、示される配列が全てのTNV mAbに関することを示す。生殖系列配列(CDR3)中の破線は、配列が知られていないか又は生殖系列遺伝子に存在しないことを示す。 TNV mAb軽鎖可変領域の推定アミノ酸配列を示す。示されるアミノ酸配列(一文字表記)は、非クローン化PCR生成物及びクローン化PCR生成物の両方から決定されたDNA配列から推定された。分泌シグナル配列(シグナル)、フレームワーク(FW)及び相補性決定領域(CDR)ドメインに分割したアミノ配列が示される。Vg/38K型軽鎖生殖系列遺伝子のアミノ酸配列は、各ドメインの上の行に示される。点線は、TNV mAbにおけるアミノ酸が生殖系列遺伝子と同一であることを示す。TNV148(B)は、示される配列がTNV148及びTNV148Bの両方に関することを示す。「All」は、示される配列がTNV14、TNV15、TNV148、TNV148B、及びTNV186に関することを示す。 rTNV148B発現C466細胞を作製するために使用された重鎖及び軽鎖発現プラスミドの概略図を示す。p1783は重鎖プラスミドであり、p1776は軽鎖プラスミドである。rTNV148B可変及び定常領域コードドメインは、黒色のボックスで示される。J−Cイントロンの免疫グロブリンエンハンサは、灰色のボックスで示される。関連する制限部位が示される。Ab遺伝子の転写が時計方向に進むように配向されたプラスミドが示される。プラスミドp1783の長さは19.53kbであり、プラスミドp1776の長さは15.06kbである。両プラスミドの完全なヌクレオチド配列は既知である。p1783の可変領域コード配列は、BsiWI/BstBI制限断片を置き換えることにより、別の重鎖可変領域配列に容易に置き換えることができる。p1776の可変領域コード配列は、SalI/AflII制限断片を置き換えることにより、別の可変領域配列に置き換えることができる。 5つのrTNV148B生成細胞株の成長曲線分析のグラフ表示を示す。30mlの容量中に1.0×10細胞/mlの生存細胞密度を有するように、T75フラスコ内のI5Q+MHX培地に細胞を播種することにより、0日目に培養を開始した。これらの研究に使用された細胞培養物は、トランスフェクション及びサブクローニングが行われるため、連続培養であった。その後、Tフラスコ内の細胞を十分に再懸濁し、0.3mlの培養物のアリコートを取り出した。成長曲線研究は、細胞計数が1.5×10細胞/ml未満に低下したときに終了した。アリコート中の生細胞数をトリパン(typan)ブルー排除により決定し、残りのアリコートは後のmAb濃度決定のために保管された。ヒトIgGのELISAが、同じ時に全ての試料アリコートに対して行われた。 様々なMHX選択物濃度の存在下での細胞成長速度の比較のグラフ表示を示す。細胞サブクローンC466A及びC466Bを、無MHX培地(IMDM、5%FBS、2mMグルタミン)に解凍し、更に2日間培養した。次いで、両細胞培養物を、MHXなし、0.2×MHX又は1×MHXのいずれかを含有した3つの培養に分割した。1日後、新しいT75フラスコに、1×10細胞/mlの開始密度で培養物を播種し、細胞を1週間、24時間間隔で計数した。最初の5日間の倍加時間は、SOP PD32.025の式を使用して計算し、バーの上に示す。 2つのrTNV148B生成細胞株からの経時的なmAb生成の安定性のグラフ表示を示す。トランスフェクション及びサブクローニングを行った後、連続培養にあった細胞のサブクローンを使用して、24ウェル培養皿中での長期連続培養を開始した。MHX選択物を伴う又は伴わないI5Q培地中で細胞を培養した。細胞を、4〜6日毎に培養物を分けることにより連続して継代して、新たな生存培養物を維持し、同時に前の培養物を消耗させた。消耗した細胞上清のアリコートは、培養物が消耗した直後に回収し、mAb濃度が決定されるまで保管した。ヒトIgGのELISAが、同じ時に全ての試料アリコートに対して行われた。 実施例4の対照と比較した、本発明の抗TNF抗体に応答した関節炎マウスモデルマウスTg197の体重変化を示す。約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき9つの処置群のうちの1つに割り当て、DulbeccoのPBS(D−PBS)、又は1mg/kg若しくは10mg/kgのいずれかの本発明の抗TNF抗体(TNV14、TNV148、若しくはTNV196)の単回腹腔内ボーラス用量で処置した。体重を投与前からの変化として分析したとき、10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究を通してD−PBS処置動物よりも一貫して高い体重増加を示した。この体重増加は、3〜7週目で有意であった。10mg/kgのTNV148で処置した動物も、研究の7週目に有意な体重増加を達成した。 実施例4に示す関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、3週目から始まり、残りの研究全体を通して(7週目)D−PBS対照群よりも低かった。1mg/kgのTNV14で処置した動物及び1mg/kgのcA2で処置した動物は、D−PBS処置群と比較したとき、3週目以降のAIにおいて有意な減少を示すことができなかった。各々を類似の用量の他のものと比較したとき(10mg/kgのTNV14、148、及び196と比較した10mg/kgのcA2)、10mg/kgの処置群の間に有意差はなかった。1mg/kgの処置群を比較したとき、1mg/kgのTNV148は、1mg/kgのcA2よりも3、4及び7週で有意に低いAIを示した。1mg/kgのTNV148も、1mg/kgのTNV14処置群よりも3及び4週目で有意に低かった。TNV196は研究の6週目までAIにおいて有意な減少を示したが(D−PBS処置群と比較したとき)、TNV148はこの研究の終了時に有意のままであった唯一の1mg/kg処置群であった。 実施例4に示す関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、3週目から始まり、残りの研究全体を通して(7週目)D−PBS対照群よりも低かった。1mg/kgのTNV14で処置した動物及び1mg/kgのcA2で処置した動物は、D−PBS処置群と比較したとき、3週目以降のAIにおいて有意な減少を示すことができなかった。各々を類似の用量の他のものと比較したとき(10mg/kgのTNV14、148、及び196と比較した10mg/kgのcA2)、10mg/kgの処置群の間に有意差はなかった。1mg/kgの処置群を比較したとき、1mg/kgのTNV148は、1mg/kgのcA2よりも3、4及び7週で有意に低いAIを示した。1mg/kgのTNV148も、1mg/kgのTNV14処置群よりも3及び4週目で有意に低かった。TNV196は研究の6週目までAIにおいて有意な減少を示したが(D−PBS処置群と比較したとき)、TNV148はこの研究の終了時に有意のままであった唯一の1mg/kg処置群であった。 実施例4に示す関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、3週目から始まり、残りの研究全体を通して(7週目)D−PBS対照群よりも低かった。1mg/kgのTNV14で処置した動物及び1mg/kgのcA2で処置した動物は、D−PBS処置群と比較したとき、3週目以降のAIにおいて有意な減少を示すことができなかった。各々を類似の用量の他のものと比較したとき(10mg/kgのTNV14、148、及び196と比較した10mg/kgのcA2)、10mg/kgの処置群の間に有意差はなかった。1mg/kgの処置群を比較したとき、1mg/kgのTNV148は、1mg/kgのcA2よりも3、4及び7週で有意に低いAIを示した。1mg/kgのTNV148も、1mg/kgのTNV14処置群よりも3及び4週目で有意に低かった。TNV196は研究の6週目までAIにおいて有意な減少を示したが(D−PBS処置群と比較したとき)、TNV148はこの研究の終了時に有意のままであった唯一の1mg/kg処置群であった。 実施例5の対照と比較した、本発明の抗TNF抗体に応答した関節炎マウスモデルマウスTg197の体重変化を示す。約4週齢のTg197研究マウスを体重に基づき8つの処置群のうちの1つに割り当て、対照品(D−PBS)、又は3mg/kgの抗体(TNV14、TNV148)(0週目)の腹腔内ボーラス投与で処置した。注射は1、2、3及び4週目に全ての動物において繰り返された。群1〜6は、試験品の有効性に関して評価された。群7及び8の動物から得られた血清試料は、2、3及び4週目のTNV14又はTNV148の免疫応答誘導及び薬物動態クリアランスに関して評価された。 関節炎指数に基づく実施例5の疾患の重症度の進行を表すグラフである。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、2週目から始まり、残りの研究全体を通して(5週目)D−PBS対照群よりも有意に低かった。1mg/kg又は3mg/kgのcA2で処置した動物及び3mg/kgのTNV14で処置した動物は、d−PBS対照群と比較したときに、研究を通して任意の時点でAIにおいて任意の有意な減少を達成することができなかった。3mg/kgのTNV148で処置した動物は、d−PBS処置群と比較したとき、3週目から始まり、5週目まで継続する有意な減少を示した。10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究の4及び5週目でより低い用量の両cA2(1mg/kg及び3mg/kg)と比較したとき、AIにおいて有意な減少を示し、また3〜5週目でTNV14で処置した動物よりも有意に低かった。3mg/kgの処置群のいずれかの間に有意差はなかったようだが、3mg/kgのTNV14で処置した動物に関するAIは、ある時点で10mg/kgよりも有意に高く、一方TNV148で処置した動物は、10mg/kgのcA2で処置した動物と有意に異ならなかった。 関節炎指数に基づく実施例5の疾患の重症度の進行を表すグラフである。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、2週目から始まり、残りの研究全体を通して(5週目)D−PBS対照群よりも有意に低かった。1mg/kg又は3mg/kgのcA2で処置した動物及び3mg/kgのTNV14で処置した動物は、d−PBS対照群と比較したときに、研究を通して任意の時点でAIにおいて任意の有意な減少を達成することができなかった。3mg/kgのTNV148で処置した動物は、d−PBS処置群と比較したとき、3週目から始まり、5週目まで継続する有意な減少を示した。10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究の4及び5週目でより低い用量の両cA2(1mg/kg及び3mg/kg)と比較したとき、AIにおいて有意な減少を示し、また3〜5週目でTNV14で処置した動物よりも有意に低かった。3mg/kgの処置群のいずれかの間に有意差はなかったようだが、3mg/kgのTNV14で処置した動物に関するAIは、ある時点で10mg/kgよりも有意に高く、一方TNV148で処置した動物は、10mg/kgのcA2で処置した動物と有意に異ならなかった。 関節炎指数に基づく実施例5の疾患の重症度の進行を表すグラフである。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、2週目から始まり、残りの研究全体を通して(5週目)D−PBS対照群よりも有意に低かった。1mg/kg又は3mg/kgのcA2で処置した動物及び3mg/kgのTNV14で処置した動物は、d−PBS対照群と比較したときに、研究を通して任意の時点でAIにおいて任意の有意な減少を達成することができなかった。3mg/kgのTNV148で処置した動物は、d−PBS処置群と比較したとき、3週目から始まり、5週目まで継続する有意な減少を示した。10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究の4及び5週目でより低い用量の両cA2(1mg/kg及び3mg/kg)と比較したとき、AIにおいて有意な減少を示し、また3〜5週目でTNV14で処置した動物よりも有意に低かった。3mg/kgの処置群のいずれかの間に有意差はなかったようだが、3mg/kgのTNV14で処置した動物に関するAIは、ある時点で10mg/kgよりも有意に高く、一方TNV148で処置した動物は、10mg/kgのcA2で処置した動物と有意に異ならなかった。 実施例6の対照と比較した、本発明の抗TNF抗体に応答した関節炎マウスモデルマウスTg197の体重変化を示す。約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき6つの処置群のうちの1つに割り当て、3mg/kg又は5mg/kgのいずれかの抗体(cA2又はTNV148)の単回腹腔内ボーラス投与で処置した。この研究は、D−PBS及び10mg/kgのcA2対照群を利用した。 実施例6に示す関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。全ての処置群が初期の時点で多少の保護を示し、5mg/kgのcA2及び5mg/kgのTNV148は、1〜3週目にAIにおいて有意な減少を示し、全ての処置群が2週目で有意な減少を示した。実験の後期に、5mg/kgのcA2で処置した動物は多少の保護を示し、4、6及び7週目で有意に減少した。低用量(3mg/kg)のcA2及びTNV148は両方とも、6週目で有意な減少を示し、全ての処置群が7週目で有意な減少を示した。研究の終わりで(8週目)有意な減少を維持することができた処置群はなかった。任意の時点で処置群のいずれかの間(食塩水対照群は除く)に有意差はなかった。 実施例7の対照と比較した、本発明の抗TNF抗体に応答した関節炎マウスモデルマウスTg197の体重変化を示す。TNV148(ハイブリドーマ細胞に由来する)及びrTNV148B(トランスフェクトした細胞に由来する)の単回腹腔内投与の有効性を比較するために。約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき9つの処置群のうちの1つに割り当て、DulbeccoのPBS(D−PBS)、又は1mg/kgの抗体(TNV148、rTNV148B)の単回腹腔内ボーラス投与で処置した。 実施例7に示す関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、4週目から始まり、残りの研究全体を通して(8週目)D−PBS対照群よりも低かった。TNV148で処置した群及び1mg/kgのcA2で処置した群は両方とも、4週目でAIにおける有意な減少を示した。以前の研究(P−099−017)は、TNV148が単回の1mg/kgの腹腔内ボーラス後の関節炎指数の減少にわずかにより効果的であることを示したが、この研究では、両バージョンのTNV抗体で処置した群からのAIがわずかに高いことを示した。1mg/kgのcA2で処置した群(6週目を除く)は、10mg/kgのcA2群と比較したとき、有意に増加せず、TNV148で処置した群は、7及び8週目で有意に高かったが、1mg/kgのcA2、1mg/kgのTNV148及び1mg/kgのTNV148Bの間には研究の任意の時点でAIにおいて有意差はなかった。 活動性乾癬性関節炎(PsA)を有する対象において静脈内投与されたSimponi(ゴリムマブ)の試験のための研究デザインの図を示す。
本発明は、配列番号1、2、及び3の重鎖可変CDR領域の全て、並びに/若しくは配列番号4、5、及び6の軽鎖可変CDR領域の全てを含む、単離された組換え及び/又は合成抗TNFヒト、霊長類、げっ歯類、哺乳類、キメラ、ヒト化若しくはCDR移植された抗体、及びそれに対するTNF抗イディオタイプ抗体、並びに少なくとも1つの抗TNF抗体又は抗イディオタイプ抗体をコード化する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む組成物及びコード核酸分子を提供する。本発明は、診断用及び治療用組成物、方法、並びにデバイスを含む、かかる核酸及び抗体、並びに抗イディオタイプ抗体の作製及び使用方法を更に含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「抗腫瘍壊死因子α抗体」、「抗TNF抗体」、「抗TNF抗体部分」若しくは「抗TNF抗体断片」、及び/又は「抗TNF抗体変異体」などは、本発明の抗体中に組み込まれ得る、重鎖若しくは軽鎖のうちの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)若しくはそのリガンド結合部分、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はこれらの任意の部分、あるいはTNF受容体又は結合タンパク質の少なくとも一部分などであるが、これらに限定されない免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含む分子を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。かかる抗体は、任意選択的に、特定のリガンドに更に影響を及ぼし、これらに限定されないが、かかる抗体は、インビトロで、その場で、及び/又はインビボで、少なくとも1つのTNF活性若しくは結合、又はTNF受容体活性若しくは結合を調節、減少、増加、拮抗、作動、軽減、緩和、遮断、阻害、抑止、及び/又は干渉する。非限定的な例として、本発明の好適な抗TNF抗体、特定された部分又は変異体は、少なくとも1つのTNF又はその特定された部分、変異体若しくはドメインに結合することができる。好適な抗TNF抗体、特定された部分又は変異体はまた、任意選択的に、RNA、DNA、若しくはタンパク質合成、TNF放出、TNF受容体シグナル伝達、膜TNF切断、TNF活性、TNF生成、及び/又は合成などであるがこれらに限定されない、TNF活性又は機能のうちの少なくとも1つに影響を及ぼすこともできる。「抗体」という用語は、更に、抗体、その消化断片、特定された部分、及び変異体を包含することを意図し、これには抗体模倣薬が挙げられるか、又は抗体の構造及び/若しくは機能を模倣する抗体の部分若しくはその特定断片若しくは一部分を含み、単鎖抗体及びその断片が挙げられる。機能断片としては、哺乳類のTNFに結合する抗原結合断片が挙げられる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)及びF(ab’)(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再集合による)、Fv又はscFv(例えば、分子生物学的技術による)断片が挙げられるがこれらに限定されない、TNF又はその部分に結合することができる抗体断片が、本発明に包含される(例えば、上記のColligan,Immunologyを参照のこと)。
かかる断片は、当該技術分野において既知であるように、及び/又は本明細書に記載されるように、酵素切断、合成又は組換え技術により生成することができる。抗体は、1つ以上の終止コドンが自然な終止部位の上流に導入された抗体遺伝子を使用して、様々な切断型でも生成され得る。例えば、F(ab’)重鎖部分をコード化する遺伝子の組み合わせは、重鎖のCHドメイン及び/又はヒンジ領域をコード化するDNA配列を含むよう設計することができる。抗体の様々な部分を従来の技術により化学的に結合することができ、又は遺伝子工学技術を用いて隣接タンパク質(contiguous protein)として調製することができる。
本明細書で使用するとき、「ヒト抗体」という用語は、実質的にタンパク質の全ての部分(例えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、C1、C2、C3)、ヒンジ(V、V))が軽微な配列の変化又は変異だけで実質的にヒトにおいて非免疫原性である抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなど)、及び他の哺乳類動物を指定された抗体は、かかる種、亜属、属、亜科、及び科の特異的抗体を指定する。更に、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含む。このような変化又は変異は、任意選択的に、また好ましくは、非改変抗体に比べて、ヒト又は他の種における免疫原性を保持するか又は低下させる。したがって、ヒト抗体は、キメラ又はヒト化抗体とは異なる。ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物、又は原核若しくは真核細胞により生成され得ることが指摘される。更に、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体では見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域を接続する2〜約8個のグリシン又は他のアミノ酸残基などのリンカーペプチドを含み得る。このようなリンカーペプチドは、ヒト由来のものとみなされる。
また、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル、好ましくはヒト又はヒト化抗体である、二重特異的、異種特異的、異種結合性、又は類似の抗体を使用してもよい。この場合では、結合特異性のうち一方は少なくとも1つのTNFタンパク質に対するものであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。二重特異的抗体の製造方法は、当該技術分野において既知である。従来、二重特異的抗体の組換え体生成は、2種の免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づくが、ここで2本の重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello、Nature、305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせのために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の可能な混合物を生成し、これらのうち1種のみが正しい二重特異的構造を有する。正しい分子の精製(通常アフィニティクロマトグラフィ工程により行われる)は、かなり面倒であり、生成物の収率は低い。類似する手順が、例えば、国際公開第93/08829号、米国特許第6,210,668号、同第6,193,967号、同第6,132,992号、同第6,106,833号、同第6,060,285号、同第6,037,453号、同第6,010,902号、同第5,989,530号、同第5,959,084号、同第5,959,083号、同第5,932,448号、同第5,833,985号、同第5,821,333号、同第5,807,706号、同第5,643,759号、同第5,601,819号、同第5,582,996号、同第5,496,549号、同第4,676,980号、国際公開第91/00360号、国際公開第92/00373号、欧州特許第03089号、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)、Suresh et al.,Methods in Enzymology121:210(1986)に開示されており、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法及び組成物において有用である抗TNF抗体(TNF抗体とも称される)は、TNFへの高親和性結合、並びに任意選択的にかつ好ましくは低毒性を有することによって、任意選択的に特徴付けられ得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレームワークなどの個々の構成要素が、個々に及び/又は集合的に、任意選択的にまた好ましくは低い免疫原性を有する、本発明の抗体、その特定された断片、又は変異体が本発明において有用である。本発明で使用することができる抗体は、任意選択的に、症状の測定可能な緩和並びに低い及び/又は許容できる毒性を備えて、長期間患者を治療する能力によって特徴付けられる。低い若しくは許容される免疫原性、及び/又は高い親和性、並びに他の好適な特性は、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、本明細書では、治療される患者の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有意にHAHA、HACA、若しくはHAMA応答が増加する、及び/又は治療される患者において低い力価(二重抗原酵素イムノアッセイで測定したとき約300未満、好ましくは約100未満)が増加することとして定義される(Elliott et al.,Lancet 344:1125−1127(1994)、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
有用性:本発明の単離核酸は、細胞、組織、器官又は動物(哺乳類及びヒトを含む)において測定し、又は作用して、免疫障害若しくは疾患、循環器障害若しくは疾患、感染性、悪性及び/若しくは神経性障害又は疾患のうちの少なくとも1つから選択されるがこれらに限定されない、少なくとも1つのTNF状態を診断、監視、調節、処置、緩和、発生を予防するのを助ける、又はその症状を低減するために使用され得る、少なくとも1つの抗TNF抗体又はその特定された変異体を生成するために使用され得る。
かかる方法は、症状、作用、又は機序のかかる調節、処置、緩和、予防、若しくは低減を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に、少なくとも1つの抗TNF抗体を含む有効量の組成物又は薬学的組成物を投与することを含み得る。有効量は、本明細書に記載される、又は関連分野で既知である、既知の方法を使用して行い決定するとき、単回(例えば、ボーラス)、複数回、若しくは持続投与あたり約0.001〜500mg/kgの量、又は単回、複数回、若しくは持続投与あたり0.01〜5000μg/mLの血清濃度を達成する量、又はこの中の任意の有効範囲若しくは値を含み得る。引用文献。本明細書で引用する全ての刊行物又は特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本発明の時点での最高水準を示し、かつ/又は本発明の説明及び使用可能性を提供する。刊行物は、任意の科学刊行物若しくは特許公報、又は全ての記録された電子若しくは印刷型式を含む、任意の媒体形式で利用可能な他の任意の情報を指す。以下の文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる:Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(1987−2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994−2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997−2001)。
本発明の抗体:配列番号1、2、及び3の重鎖可変CDR領域の全て、並びに/又は配列番号4、5、及び6の軽鎖可変CDR領域の全てを含む、本発明の少なくとも1つの抗TNF抗体は、任意選択的に、当該技術分野において周知であるように、細胞株、混合細胞株、不死化細胞又は不死化細胞のクローン集団により生成され得る。例えば、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(1987−2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994−2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997−2001)を参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
ヒトTNFタンパク質又はその断片に特異的なヒト抗体は、単離された及び/若しくはTNFタンパク質、又はそれらの一部分(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原性抗原に対して生じ得る。他の特定の又は一般的な哺乳類抗体も同様に生じ得る。免疫原性抗原の調製及びモノクローナル抗体の生成は、任意の好適な技術を使用して行うことができる。
1つのアプローチでは、ハイブリドーマは、好適な不死化細胞株(例えば、Sp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、>243、P3X63Ag8.653、Sp2SA3、Sp2MAI、Sp2SS1、Sp2SA5、U937、MLA144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH3T3、HL−60、MLA144、NAMAIWA、NEURO2Aなどであるがこれらに限定されない骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマ(heteromylomas)、その融合生成物、又はそれらに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において既知の任意の他の好適な細胞株を融合させることにより生成される。例えば、www.atcc.org、www.lifetech.com.などを参照のこと。単離若しくはクローニングされた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃、又は他の免疫若しくはB細胞含有細胞などであるがこれらに限定されない抗体生成細胞、あるいは組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、藻類、原核生物、両生類、昆虫類、爬虫類、魚類、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA,rDNA、ミトコンドリアDNA若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本鎖、二本鎖若しくは三本鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの組み合わせのような、内因性若しくは異種の核酸のいずれかとして、重鎖若しくは軽鎖定常若しくは可変若しくはフレームワーク若しくはCDR配列を発現する任意の他の細胞を有する。例えば、上記のAusubel及びColligan,Immunology chapter2を参照されたく、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫化されたヒト又は他の好適な動物の末梢血、又は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意の他の好適な宿主細胞も、本発明の抗体、特定された断片又はその変異体をコード化する異種若しくは内因性の核酸を発現するために使用され得る。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞は、選択的培養条件又は他の好適な既知の方法を使用して単離され、限界希釈若しくは細胞選別又は他の既知の方法によってクローニングされ得る。所望の特異性を有する抗体を生成する細胞は、好適なアッセイ(例えばELISA)によって選択することができる。
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する(例えば、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブラリであるがこれに限定されない、例えば、Cambridge antibody Technologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdeen,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkeley,CA、Ixsys。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB91/01134号、国際出願PCT/GB92/01755号、国際出願PCT/GB92/002240号、国際出願PCT/GB92/00883号、国際出願PCT/GB93/00605号、米国特許出願公開第08/350260号(5/12/94)、国際出願PCT/GB94/01422号、国際出願PCT/GB94/02662号、国際出願PCT/GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号、国際出願PCT/US94/1234号、国際公開第92/18619号、国際公開第96/07754号、(Scripps)、欧州特許第614 989号(MorphoSys)、国際公開第95/16027号(BioInvent)、国際公開第88/06630号、国際公開第90/3809号(Dyax)、米国特許第4,704,692号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号、国際公開第89/06283号、欧州特許第371 998号、欧州特許第550 400号、(Xoma)、欧州特許第229 046号、国際出願PCT/US91/07149号、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質−米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州特許第590 689号(Ixsys、現在はApplied Molecular Evolution(AME)、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)か、又は当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される、ヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニック動物の免疫化に依存する(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901−907(1997)、Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95−118(1996)、Eren et al.,Immunol.93:154−161(1998)(各々は、参照により全体が組み込まれる)、並びに関連する特許及び出願)方法を含むがこれらに限定されない、必要な特異性の抗体を生成又は単離する他の好適な方法を使用することができる。かかる技術には、リボソームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937−4942(May 1997)、Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130−14135(Nov.1998))、単一細胞抗体生成技術(例えば、選択リンパ球抗体方法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wen et al.,J.Immunol.17:887−892(1987)、Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848(1996))、ゲルマイクロドロップレット(gel microdroplet)、及びフローサイトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:333−337(1990)、One Cell Systems,Cambridge,MA、Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155−163(1995)、Kenny et al.,Bio/Technol.13:787−790(1995))、B細胞選択物(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125−134(1994)、Jonak et al.,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Netherlands(1988))が挙げられるが、これらに限定されない。
非ヒト抗体又はヒト抗体を工学的処理又はヒト化するための方法も同様に使用でき、当該技術分野において周知である。一般に、ヒト化又は工学処理された抗体は、例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、又は他の哺乳動物などであるがこれらに限定されない、非ヒトの供給源からの1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒトアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と呼ばれ、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変領域、定常領域又は他のドメインから採取される。既知のヒトIg配列が開示されており、例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi、www.atcc.org/phage/hdb.html、www.sciquest.com/、www.abcam.com/、www.antibodyresource.com/onlinecomp.html、www.public.iastate.edu/〜pedro/research_tools.html、www.mgen.uni−heidelberg.de/SD/IT/IT.html、www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby05.htm、www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html、www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/、www.path.cam.ac.uk/〜mrc7/mikeimages.html、www.antibodyresource.com/、mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html.www.immunologylink.com/、pathbox.wustl.edu/〜hcenter/index.html、www.biotech.ufl.edu/〜hcl/、www.pebio.com/pa/340913/340913.html、www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/、www.m.ehime−u.ac.jp/〜yasuhito/Elisa.html、www.biodesign.com/table.asp、www.icnet.uk/axp/facs/davies/links.html、www.biotech.ufl.edu/〜fccl/protocol.html、www.isac−net.org/sites_geo.html、aximt1.imt.uni−marburg.de/〜rek/AEPStart.html、baserv.uci.kun.nl/〜jraats/links1.html、www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/、www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/public/INTRO.html、www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html、imgt.cnusc.fr:8104/、www.biochem.ucl.ac.uk/〜martin/abs/index.html、antibody.bath.ac.uk/、abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html、www.unizh.ch/〜honegger/AHOseminar/Slide01.html、www.cryst.bbk.ac.uk/〜ubcg07s/、www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm、www.path.cam.ac.uk/〜mrc7/humanisation/TAHHP.html、www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html、www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html、www.cryst.bioc.cam.ac.uk/〜fmolina/Web−pages/Pept/spottech.html、www.jerini.de/fr_products.htm、www.patents.ibm.com/ibm.html.Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health(1983)である(各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
このようなインポートされた配列は、免疫原性を減少させるため、あるいは、当該技術分野において既知のように、結合、親和性、オン速度、オフ速度、結合活性、特異性、半減期、又は他の好適な任意の特性を低減、増強又は改変するために使用することができる。一般に、非ヒト若しくはヒトCDR配列の一部又は全ては、可変及び定常領域の非ヒト配列がヒト若しくは他のアミノ酸に置き換えられる間も維持される。抗体はまた、任意選択的に、抗原に対する高い親和性及び他の好ましい生物学的特性を保持したままで、ヒト化され得る。この目的を達成するために、任意選択的に、ヒト化抗体を、親配列及びヒト化配列の3次元モデルを使用した、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析プロセスによって調製することが可能である。3次元免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補の免疫グロブリン配列について、可能性の高い3次元立体構造を図示及び表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、候補の免疫グロブリン配列の機能における残基の役割として可能性の高いものの分析、即ち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能となる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増大など、望ましい抗体特性が達成されるように、コンセンサス配列及びインポート配列から、FR残基を選択し組み合わせることができる。一般的に、CDR残基は抗原結合に対する影響において、直接的かつ最も実質的に関与している。本発明の抗体のヒト化又は工学的処理は、Winter(Jones et al.,Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992)、Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、US96/18978号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号、国際公開第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号、欧州特許第229246号(各々、参照により全体が明細書に組み込まれ、その中に引用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の既知の方法を使用して行うことができる。
抗TNF抗体はまた、任意選択的に、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である、ヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類など)の免疫化により生成することもできる。ヒト抗TNF抗体を生成する細胞をかかる動物から単離し、本明細書に記載される方法などの好適な方法を使用して不死化してもよい。
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニックマウスは、既知の方法によって生成することができる(例えば、これらに限定されないが、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,825号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovitsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/24884号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、Kucherlapateらの欧州特許第0463 151(B1)号、Kucherlapateらの欧州特許第0710 719(A1)号、Suraniらの米国特許第5,545,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Bruggemannらの欧州特許第0438 474(B1)号、Lonbergらの欧州特許第0814 259(A2)号、Lonbergらのイギリス特許第2 272 440(A)号、Lonberg et al.Nature 368:856−859(1994)、Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579−591(1994)、Green et al,Nature Genetics 7:13−21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics15:146−156(1997)、Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6287−6295(1992)、Tuaillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA90(8)3720−3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65−93(1995)、及びFishwald et al.,Nat Biotechnol 14(7):845−851(1996)、これらはそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。一般に、これらのマウスは、機能的に再配列された、又は機能的な再配列を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン遺伝子座からのDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含む。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を分断又は欠失させて、内因性遺伝子によりコード化されている抗体を産生する動物の能力を除去することができる。
類似のタンパク質又は断片への特異的結合についての抗体のスクリーニングは、ペプチドディスプレイライブラリを使用して首尾よく達成することができる。この方法は、望ましい機能又は構造を持つ個々のメンバーについてペプチドの多数の試料採集をスクリーニングすることを伴う。ペプチドディスプレイライブラリの抗体スクリーニングは、当該技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3〜5000個以上のアミノ酸であり、頻繁には5〜100個のアミノ酸長、多くは約8〜25個のアミノ酸長であり得る。ペプチドライブラリを作成する直接的化学合成方法に加えて、いくつかの組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又は細胞の、表面上のペプチド配列のディスプレイが関与している。各バクテリオファージ又は細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列を含有する。このような方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。ペプチドのライブラリを作成するための他のシステムは、インビトロ化学合成及び組換え方法の両方の局面を有する。国際公開第92/05258号、同第92/14843号、及び同第96/19256号を参照されたい。また、米国特許第5,658,754号及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリ、ベクター、及びスクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad,CA)及びCambridge Antibody Technologies(Cambridgeshire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enzonに譲渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号、Dyaxに譲渡された同第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された同第5427908号、同第5580717号、Cambridge antibody Technologiesに譲渡された同第5885793号、Genentechに譲渡された同第5750373号、Xomaに譲渡された同第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417号、Colligan(上記)、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたく、上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の抗体はまた、かかる抗体を乳中に生成するヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸をコード化する少なくとも1つの抗TNF抗体を使用して調製することもできる。かかる動物は、既知の方法を使用して提供することができる。例えば、これらに限定されないが、米国特許第5,827,690号、同第5,849,992号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994,616号、同第5,565,362号、同第5,304,489号などを参照されたい(それらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明の抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、かかる抗体、特定された部分又は変異体を生成するトランスジェニック植物及び培養された植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供するために、少なくとも1つの抗TNF抗体コード核酸を使用して更に調製することができる。非限定的な例として、例えば、誘導プロモータを使用して、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく使用して大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95−118(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系において生成されるか、又は天然源から精製されるタンパク質に等しい生物学的活性を有する、商業生成レベルで哺乳類タンパク質を発現するために使用されてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999)及びその中で引用される文献を参照のこと。抗体はまた、タバコ種子及びポテト塊茎を含む、一本鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含むトランスジェニック植物種子からも大量に生成されてきた。例えば、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101−109(1998)及びその中で引用される文献を参照のこと。したがって、本発明の抗体はまた、既知の方法により、トランスジェニック植物を使用して生成することもできる。例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct.,1999),Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522−7(1995)、Ma et al.,Plant Physiol.109:341−6(1995)、Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994)、及びその中で引用される文献も参照されたい。また、限定されないが、一般に抗体の植物発現についても参照のこと。上記文献の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の抗体は、広範囲にわたる親和性(K)でヒトTNFに結合することができる。好ましい実施形態では、本発明の少なくとも1つのヒトmAbは、任意選択的にヒトTNFに高い親和性で結合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトTNFを約10−7M以下、例えば0.1〜9.9(又はその中の任意の範囲若しくは値)X10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13又はその中の任意の範囲若しくは値など(ただしこれらに限定されない)のKで結合することができる。
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験的に決定することができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody−Antigen Interactions,」In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,NY(1984);Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992);及び本明細書に記述される方法を参照されたい)。特定の抗体抗原相互作用の測定される親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なり得る。したがって、親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、K、K、K)の測定は、好ましくは、抗体及び抗原の標準化溶液、並びに本明細書で記載される緩衝剤などの標準化緩衝剤を用いて行われる。
核酸分子。配列番号1、2、3、4、5、6、7、8のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸の少なくとも70〜100%をコード化するヌクレオチド配列、特定された断片、変異体若しくはそれらのコンセンサス配列、又はこれらの配列のうちの少なくとも1つを含む寄託ベクターなどの本明細書に提供される情報を使用して、配列番号1、2、及び3の重鎖可変CDR領域の全て並びに/又は配列番号4、5、及び6の軽鎖可変CDR領域の全てを含む少なくとも1つの抗TNF抗体をコード化する本発明の核酸分子は、本明細書に記載されるか、又は当該技術分において既知の方法を使用して得ることができる。
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくは任意の他の形態のようなRNAの形態、又はクローニングにより得られる若しくは合成的に生成されるcDNA及びゲノムDNAが挙げられるがこれらに限定されないDNAの形態、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。DNAは、3本鎖、2本鎖若しくは1本鎖、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。DNA又はRNAの少なくとも1本の鎖の任意の部分は、センス鎖としても知られるコード鎖であってもよいし、又はアンチセンス鎖と呼ばれる、非コード鎖であってもよい。
本発明の単離された核酸分子は、任意選択的に1つ以上のイントロンを有するオープンリーディングフレーム(ORF)、例えば、これらに限定されないが、少なくとも1つの重鎖(例えば、配列番号1〜3)若しくは軽鎖(例えば、配列番号4〜6)のCDR1、CDR2、及び/又はCDR3のような、少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定された部分を含む核酸分子、抗TNF抗体若しくは可変領域のコード配列(例えば、配列番号7、8)を含む核酸分子、並びに上述の核酸分子とは実質的に異なるが、遺伝コードの縮重により、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である少なくとも1つの抗TNF抗体を尚もコード化するヌクレオチド配列を含む核酸分子を含み得る。当然のことながら、遺伝コードは、当該技術分野において周知である。したがって、当業者には、本発明の特定の抗TNF抗体をコード化する、かかる縮重核酸変異体を生成することは、日常的であろう。例えば、上記のAusubelらを参照されたく、かかる核酸変異体は、本発明に含まれる。本発明の単離核酸分子の非限定的な例としては、それぞれHC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、LC CDR3、HC可変領域及びLC可変領域をコード化する核酸の非限定的な例に対応する、配列番号10、11、12、13、14、15が挙げられる。
本明細書に示されるように、抗TNF抗体をコード化する核酸を含む本発明の核酸分子は、それ自体で抗体断片のアミノ酸配列をコード化するもの、全抗体若しくはその一部のコード配列、抗体、断片若しくは部分のコード配列、並びに追加の配列、例えば、少なくとも1つのイントロンなど、前述の追加のコード配列を伴って、又は伴わずに、非コード5’及び3’配列、例えば、スプライシング及びポリアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性)を含む、転写、mRNAプロセシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列を含むがこれに限定されない追加の非コード配列と共に、少なくとも1つのシグナルリーダー若しくは融合ペプチドのコード配列、更なるアミノ酸、例えば、更なる機能性を提供するアミノ酸をコード化する追加のコード配列を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、抗体をコード化する配列は、抗体断片又は部分を含む融合された抗体の精製を促進するペプチドをコード化する配列などのマーカー配列に融合させることができる。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド。本発明は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドに対して、選択的なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離核酸を提供する。したがって、本実施形態のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び/又は定量化するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドを使用して、蓄積されたライブラリにおける部分又は完全長クローンを同定、単離、又は増幅することができる。いくつかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離された、又はそうでなければヒト若しくは哺乳類の核酸ライブラリからのcDNAに相補的な、ゲノム配列又はcDNA配列である。
好ましくは、cDNAライブラリは、完全長配列の少なくとも80%、好ましくは完全長配列の少なくとも85%又は90%、及びより好ましくは完全長配列の少なくとも95%を含む。cDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるために正規化してよい。相補的な配列に対して低減した配列同一性を持つ配列と共に使用される、ストリンジェンシーが低度又は中度のハイブリダイゼーション条件が典型的であるが、排他的ではない。ストリンジェンシーが中度及び高度の条件は、任意選択的に、より高い同一性を持つ配列に対して使用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性を持つ配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オーソロガス又はパラロガス配列を同定するために利用できる。
任意選択的に、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載されているポリヌクレオチドによってコード化される抗体の少なくとも一部をコード化することになる。本発明のポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコード化するポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼーションのために利用可能な核酸配列を包含する。例えば、上記のAusubel、上記のColliganを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
核酸の構築。本発明の単離核酸は、当技術分野にて周知のように、(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、又はこれらの組み合わせを使用して作製することができる。
核酸は、本発明のポリヌクレオチドに加えて、首尾よく配列を含むことができる。例えば、1つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニングサイトを核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。また、翻訳可能な配列を挿入して、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手段を提供する。本発明の核酸(コード配列を除く)は、任意選択的に、本発明のポリヌクレオチドのクローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプター又はリンカーである。
追加の配列をかかるクローニング及び/又は発現配列に付加して、クローニング及び/又は発現におけるそれらの機能を最適化し、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができるか、又は細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善することができる。クローン化ベクター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野において周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照のこと。)
核酸を構築するための組換え方法。RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組み合わせのような本発明の単離核酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング手順を用いて生物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対して厳しい条件下で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDNAライブラリ内の望ましい配列を同定するために使用される。RNAの単離、並びにcDNA及びゲノムライブラリの構築は、当業者には周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照のこと。)
核酸のスクリーニング及び単離方法。本明細書で開示されているような、本発明のポリヌクレオチドの配列に基づいたプローブを用いて、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることができる。プローブを使用して、同じ又は異なる生体内の相同遺伝子を単離するため、ゲノムDNA又はcDNA配列にハイブリダイズさせることができる。当業者であれば、アッセイに様々な度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることができ、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかがストリンジェントであり得ることを理解するであろう。ハイブリダイゼーションのための条件が厳しくなるにつれて、二重鎖形成が生じるために、プローブと標的との間の相補性の程度が大きくなるはずである。ストリンジェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドのような部分的に変性する溶媒の存在、のうちの1つ以上によって制御され得る。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%〜50%の範囲内でのホルムアミド濃度の操作により反応溶液の極性を変えることにより首尾よく変更される。検出可能な結合のために必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーに従って変化する。相補性の程度は、最適には100%、又は70〜100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プローブ及びプライマー内のわずかな配列変動は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーを低下させることで補償できるということを理解すべきである。
RNA又はDNAの増幅方法は当該技術分野において周知であり、本明細書で紹介する教示及び指針に基づいて、過度の実験なしに、本発明に従って使用可能である。
DNA又はRNA増幅の既知の方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、Mullisらの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号、Taborらの同第4,795,699号及び同第4,921,794号、Innisの同第5,142,033号、Wilsonらの同第5,122,464号、Innisの同第5,091,310号、Gyllenstenらの同第5,066,584号、Gelfandらの同第4,889,818号、Silverらの同第4,994,370号、Biswasの同第4,766,067号、Ringoldの同第4,656,134号を参照されたい)、及び二本鎖DNA合成のためのテンプレートとして標的配列に対してアンチセンスRNAを使用するRNA媒介増幅(Malekらの米国特許第5,130,238号、商標名NASBAを持つ)が挙げられるが、これらに限定されない(これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて、ゲノムDNA又はcDNAライブラリから直接、本発明のポリヌクレオチド及び関連する遺伝子の配列を増幅することができる。PCR及び他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、発現すべきタンパク質をコード化する核酸配列をクローニングする、サンプル中の所望のmRNAの存在を検出するため、核酸の配列決定のため、又は他の目的のためのプローブとして用いるための核酸を作製するのに有用であり得る。インビトロ増幅方法によって当業者を導くのに十分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook及び上記のAusubel並びにMullisら米国特許第4,683,202号(1987)、及びInnis,et al.,PCR Protocols A Guide to Methods and Applications,Eds.,Academic Press Inc,San Diego,CA(1990)に見られる。ゲノムPCR増幅用の市販キットは当該技術分野において既知である。例えば、Advantage−GC Genomic PCR Kit(Clontech)を参照されたい。加えて、例えば、T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)を用いて、長いPCR産物の収率を改善することができる。
核酸を構築するための合成方法。本発明の単離核酸は、既知の方法による直接化学合成によっても調製可能である(例えば、上記のAusubelらを参照)。化学合成は、一般に、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、又は1本鎖をテンプレートとして使用するDNAポリメラーゼとの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な1本鎖オリゴヌクレオチドを生成する。当業者であれば、DNAの化学合成は約100以上の塩基の配列に限定され得るものの、より長い配列は、より短い配列の連結反応によって得ることができることを認識するであろう。
組換え発現カセット。本発明は、本発明の核酸を含む組換え発現カセットを更に提供する。本発明の核酸配列、例えば本発明の抗体をコード化するcDNA又はゲノム配列を用いて、少なくとも1つの所望の宿主細胞に導入できる組換え発現カセットを構築することができる。組換え発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞においてポリヌクレオチドの転写を導く、転写開始調節配列に機能的に連結される、本発明のポリヌクレオチドを含む。異種及び非異種(すなわち、内因性)プロモータの両方を使用して、本発明の核酸の発現を導くことができる。
いくつかの実施形態では、プロモータ、エンハンサ、又は他の要素として機能する単離核酸を、本発明のポリヌクレオチドの発現を上方又は下方調節するために、本発明のポリヌクレオチドの非異種形の適切な位置(上流、下流、又はイントロン内)に導入することができる。例えば、インビボ又はインビトロで、突然変異、欠失及び/又は置換により、内因性プロモータを変えることができる。
ベクター及び宿主細胞。本発明は、本発明の単離核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子工学処理された宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗TNF抗体の生成にも関する。例えば、上記のSambrookら、上記のAusubelらを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主の増殖についての選択マーカーを含有するベクターに結合することができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスである場合は、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでこれをパッケージングし、その後、宿主細胞内に形質導入することができる。
DNA挿入物は、適切なプロモータに機能的に連結されるべきである。発現コンストラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソーム結合部位を更に含む。構築により発現する成熟した転写産物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるべきmRNAの開始時の翻訳開始部位及び終了時に適切に位置付けられた終止コドン(例えば、UAA、UGA、又はUAG)を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現では、UAA及びUAGが好ましい。
発現ベクターは、好ましくは、しかし任意選択的に、少なくとも1つの選択マーカーを含む。かかるマーカーは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号、同第4,656,134号、同第4,956,288号、同第5,149,636号、同第5,179,017号、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸又はグルタミンシンセターゼ(GS、米国特許第5,122,464号、同第5,770,359号、同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びに大腸菌及び他の細菌又は原核生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシリン抵抗性遺伝子を含むが、これらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分野において既知である。好適なベクターは、当事者にとって容易に明白となるであろう。宿主細胞へのベクターコンストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染又は他の既知の方法により影響を受け得る。かかる方法については、上記のSambrook、第1〜4章及び第16〜18章、上記のAusubel、第1、9、13、15、16章など、当該技術分野において記載されている。
本発明の少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含み得る。例えば、追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペプチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくとも1つのその断片の最終調製前に、かかる領域を除去することができる。かかる方法は、上記のSambrook、第17.29〜17.42章及び第18.1〜18.74章、上記のAusubel、第16、17及び18章など、多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている。
当業者であれば、本発明のタンパク質をコード化する核酸の発現に利用可能な多数の発現系について精通している。
代替的に、本発明の核酸は、本発明の抗体をコード化する内因性DNAを含む宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細胞中で発現させることができる。このような方法は、米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に記載されているように、当該技術分野において周知であり、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗体、その特定された部分又は変異体の産生にとって有用な細胞培養の一例は哺乳動物細胞である。哺乳類細胞系は、単層の細胞の形を取ることが多いが、哺乳類細胞の懸濁液又はバイオリアクターも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現可能な多くの好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS−1(例えばATCC CRL1650)、COS−7(例えばATCC CRL−1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL−10)、CHO(例えばATCC CRL1610)、及びBSC−1(例えばATCC CRL−26)細胞株、Cos−7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0−Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、American Type Culture Collection,Manassas,Va(www.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞には、骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系起源の細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞はP3X63Ag8.653細胞(ATCC登録番号CRL−1580)及びSP2/0−Ag14細胞(ATCC登録番号CRL−1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653又はSP2/0−Ag14細胞である。
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモータ(例えば、後期又は初期SV40プロモータ、CMVプロモータ(米国特許第5,168,062号、同第5,385,839号)、HSV tkプロモータ、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)プロモータ、EF−1αプロモータ(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒト免疫グロブリンプロモータ、エンハンサ、及び/又はリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定されない、発現制御配列のうちの1つ以上を含み得る。例えば、上記のAusubelら、上記のSambrookらを参照されたい。本発明の核酸又はタンパク質の生成に有用な他の細胞は既知であり、並びに/あるいは例えば、American Type Culture Collectionの細胞株及びハイブリドーマのカタログ(www.atcc.org)又は他の既知の若しくは商業的供給源から入手可能である。
真核宿主細胞が利用されるとき、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague,et al.,J.Virol.45:773−781(1983))。加えて、当該技術分野において既知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列をベクター内に組み込むことができる。
抗体の精製。抗TNF抗体は、プロテインA精製、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ及びレクチンクロマトグラフィが挙げられるがこれらに限定されない周知の方法により、組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィ(「HPLC」)を精製に利用することもできる。例えば、Colligan、Current Protocols in Immunology又はCurrent Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY(1997−2001)の、例えば、第1、4、6、8、9、10章を参照されたく、それぞれは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の抗体には、天然に精製された生成物、化学合成処置の生成物、並びに例えば、酵母、高等植物、昆虫及び哺乳類細胞を含む、真核宿主から組換え技法により生成された生成物が含まれる。組換え生成処置に用いられる宿主に応じて、本発明の抗体は、グリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが好ましい。かかる方法は、上記のSambrook、セクション17.37−17.42、上記のAusubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のColligan,Protein Science、第12〜14章などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載されており、全てが参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗TNF抗体
配列番号1、2、及び3の重鎖可変CDR領域の全て並びに/又は配列番号4、5、及び6の軽鎖可変CDR領域の全てを含む本発明の単離された抗体は、任意の好適なポリヌクレオチドによってコード化される本明細書で開示される抗体のアミノ酸配列、又は任意の単離又は調製された抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片は、ヒトTNFに結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を部分的又は実質的に中和する。少なくとも1つのTNFタンパク質又は断片の少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ましくは実質的に中和する抗体又はその特定された部分若しくは変異体は、タンパク質又は断片に結合し、それによりTNFのTNF受容体への結合を通して、又は他のTNF依存性又は媒介型機序を通して媒介される活性を阻害することができる。本明細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて約20〜120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%又はそれ以上、TNF依存性活性を阻害することができる抗体を指す。TNF依存性活性を阻害する抗TNF抗体の能力は、好ましくは、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つの好適なTNFタンパク質又は受容体アッセイによって評価される。本発明のヒト抗体は、任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgDなど)又はアイソタイプのものであってもよく、κ又はλ軽鎖を含み得る。一実施形態において、ヒト抗体は、IgG重鎖又は規定された断片、例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のうちの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、本明細書に記載され、かつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgA)及びIgM(例えば、γ1、γ2、γ3、γ4)導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウス又は他のトランスジェニック非ヒト哺乳動物を用いることによって調製され得る。別の実施形態において、抗ヒトTNFヒト抗体は、IgG1重鎖及びIgG1軽鎖を含む。
本発明の少なくとも1つの抗体は、少なくとも1つのTNFタンパク質、サブユニット、断片、部分、又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1つの特定のエピトープに結合する。この少なくとも1つのエピトープは、前述のタンパク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことができ、このエピトープは好ましくは、前述のタンパク質の少なくとも1つの細胞外、可溶性、親水性、外部、又は細胞質部分から構成されている。少なくとも1つの特定されたエピトープは、配列番号9の隣接アミノ酸の特定された部分全体に対する少なくとも1〜3個のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸配列の任意の組み合わせを含むことができる。
一般に、本発明のヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及び少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。非限定的な例として、抗体又は抗原結合部分若しくは変異体は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3及び/又は配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3のうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態では、抗体又は抗原結合断片は、対応するCDR1、2、及び/又は3のアミノ酸配列(例えば、配列番号1、2、及び/又は3)を有する少なくとも1つの重鎖CDR(即ち、CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む抗原結合領域を有することができる。別の特定の実施形態において、抗体又は抗原結合部分若しくは変異体は、対応するCDR1、2、及び/又は3のアミノ酸配列(例えば、配列番号4、5、及び/又は6)を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(即ち、CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む抗原結合領域を有することができる。好ましい実施形態において、抗体又は抗原結合断片の3つの重鎖CDR及び3つの軽鎖CDRは、本明細書に記載される、mAb TNV148、TNV14、TNV15、TNV196、TNV118、TNV32、TNV86のうちの少なくとも1つの対応するCDRのアミノ酸配列を有する。かかる抗体は、組換えDNA技術の従来技術を使用して抗体をコード化する(すなわち、1つ以上の)核酸分子を調製し発現させることによって、又は任意の他の好適な方法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、CDR、フレームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
抗TNF抗体は、規定されたアミノ酸配列を有する重鎖又は軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、好ましい実施態様において、抗TNF抗体は、任意選択的に配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び/又は任意選択的に配列番号8のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含む。ヒトTNFに結合し、規定された重鎖又は軽鎖可変領域を含む抗体は、好適な方法、例えば、当該技術分野において既知でありかつ/又は本明細書に記載される、ファージディスプレイ(Katsube,Y.,et al.,Int J Mol.Med,1(5):863−868(1998))又はトランスジェニック動物を採用する方法など、好適な方法を使用して調製することができる。例えば、機能的に再配列されたヒト免疫グロブリン重鎖導入遺伝子と、機能的な再配列を受けることが可能なヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座からのDNAを含む導入遺伝子と、を含むトランスジェニックマウスを、ヒトTNF又はその断片で免疫化して抗体の生成を誘発することができる。所望する場合、抗体生成細胞を単離することができ、本明細書に記載されるように、かつ/又は当該技術分野において既知であるように、ハイブリドーマ又は他の不死化抗体生成細胞を調製することができる。代替的に、抗体、特定された部分又は変異体は、好適な宿主細胞内で、コード核酸又はその一部分を使用して発現させることができる。
本発明はまた、本明細書に記載されるアミノ酸配列と実質的に同じである配列内のアミノ酸を含む抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関する。好ましくは、かかる抗体又は抗原結合断片及びかかる鎖若しくはCDRを含む抗体は、高い親和性(例えば、Kが約10−9M以下)で、ヒトTNFに結合することができる。本明細書に記載されている配列と実質的に同じであるアミノ酸配列には、保存的アミノ酸置換、並びにアミノ酸欠失及び/又は挿入を含む配列が挙げられる。保存的アミノ酸置換は、第1のアミノ酸のものに類似する化学的及び/又は物理的特性(例えば、電荷、構造、極性、疎水性/親水性)を持つ第2のアミノ酸で、第1のアミノ酸を置換することを指す。保存的置換は、1個のアミノ酸を、以下の群内の別のアミノ酸で置き換えることを含む:リジン(K)、アルギニン(R)及びヒスチジン(H);アスパラギン酸塩(D)及びグルタミン酸塩(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、スレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、D、及びE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、及びグリシン(G);F、W、及びY;C、S、及びT。
アミノ酸コード。本発明の抗TNF抗体を構成するアミノ酸は、略されることが多い。アミノ酸表記は、その1文字コード、その3文字コード、名称、又は3つのヌクレオチドコドン(複数可)によりアミノ酸を表記することにより示すことができ、当該技術分野においてよく理解されている(Alberts,B.,et al.,Molecular Biology of The Cell,Third Ed.,Garland Publishing,Inc.,New York,1994を参照のこと)。
Figure 2020506916
本発明の抗TNF抗体は、本明細書で特定されるように、自然突然変異又はヒトによる操作のいずれかによる、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を含み得る。
当然のことながら、当業者が行い得るアミノ酸置換の数は、上述のものを含む数多くの要因に依存する。一般的に言えば、任意の所与の抗TNF抗体、断片又は変異体についてのアミノ酸置換、挿入、又は欠失の数は、本明細書で特定されるように、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、例えば、1〜30、又はこの中の任意の範囲若しくは値を超えない。
機能上不可欠である本発明の抗TNF抗体内のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発などの、当該技術分野において既知の方法により特定することができる(例えば、上記のAusubel、第8,15章;Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1989))。後者の手順では、分子内の各残基毎に1つのアラニン置換変異が導入される。次いで、結果として得られた突然変異分子は、例えば、少なくとも1つのTNF中和活性などがあるがこれに限定されない生物学的活性について試験される。抗体結合にとってきわめて重要である部位もまた、結晶化、核磁気共鳴又は光親和性標識などの構造分析によって特定することができる(Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:899−904(1992)及びde Vos,et al.,Science 255:306−312(1992))。
本発明の抗TNF抗体は、配列番号1、2、3、4、5、6のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸のうちの1個〜全てから選択された、少なくとも1つの部分、配列又は組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
抗TNF抗体は更に、任意選択的に、配列番号7、8のうちの少なくとも1つの、隣接アミノ酸の70〜100%の少なくとも1つのポリペプチドを含み得る。
一実施形態において、免疫グロブリン鎖又はその一部分(例えば、可変領域、CDR)のアミノ酸配列は、配列番号7、8のうちの少なくとも1つの対応する鎖のアミノ酸配列と、約70〜100%の同一性(例えば、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは値)を有する。例えば、軽鎖可変領域のアミノ酸配列を、配列番号8の配列と比較することができ、又は重鎖CDR3のアミノ酸配列を配列番号7と比較することができる。好ましくは、70〜100%のアミノ酸同一性(すなわち、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは値)は、当該技術分野において既知であるように、好適なコンピュータアルゴリズムを用いて決定される。
代表的な重鎖及び軽鎖可変領域の配列は、配列番号7、8に示されている。本発明の抗体又はその特定された変異体は、本発明の抗体から任意の数の隣接アミノ酸残基を含み得、その数は、抗TNF抗体における隣接残基数の10〜100%からなる整数の群から選択される。任意選択的に、隣接アミノ酸のこの部分列は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、又はそれ以上のアミノ酸長、又はその中の任意の範囲若しくは値である。更に、かかる部分列の数は、少なくとも2、3、4、又は5などの、1〜20からなる群から選択される任意の整数であり得る。
当業者には理解されるように、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物活性抗体が含まれている。生物学的活性抗体は、天然(非合成)、内因性又は関連する及び既知の抗体のものの、少なくとも20%、30%又は40%、及び好ましくは少なくとも50%、60%又は70%、及び最も好ましくは少なくとも80%、90%又は95%〜1000%の比活性を有する。酵素活性及び基質特異性のアッセイ及び定量化測定の方法は、当業者には周知である。
別の態様では、本発明は、有機部分の共有結合により修飾される、本明細書に記載されるヒト抗体及び抗原結合断片に関する。かかる修飾は、改善された薬物動態特性(例えば、増大した、インビボでの血清半減期)を有する抗体又は抗原結合断片を生成することができる。有機部分は、直鎖又は分枝鎖親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であることができる。特定の実施形態では、親水性ポリマー基は、分子量が約800〜約120,000ダルトンであって、ポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー又はポリビニルピロリドンであり得、また、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基は、約8〜約40の炭素原子を含み得る。
本発明の修飾された抗体及び抗原結合断片は、直接的又は間接的に抗体に共有結合される、1つ以上の有機部分を含み得る。本発明の抗体又は抗原結合断片に結合される各有機部分は、独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。本明細書で使用するとき、「脂肪酸」という用語は、モノカルボン酸及びジカルボン酸を含む。本明細書で使用するとき、「親水性ポリマー基」という用語は、オクタンよりも水に対する溶解度が高い有機ポリマーを意味する。例えば、ポリリシンは、オクタンよりも水に対する溶解度が高い。よって、ポリリシンの共有結合により修飾された抗体は、本発明に包含される。本発明の抗体を修飾するために好適な親水性ポリマーは、直線状又は分岐状であり得、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ−ポリエチレングリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、及びポリビニルピロリドンを含む。好ましくは、本発明の抗体を修飾する親水性ポリマーは、個別の分子体として、約800〜約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG5000及びPEG20,000を使用することができ、下付き文字は、ポリマーの平均分子量(ダルトン)である。親水性ポリマー基は、1〜約6個のアルキル基、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基で置換することができる。脂肪酸又は脂肪酸エステル基で置換される親水性ポリマー類は、好適な方法を利用することによって調製することができる。例えば、アミン基を含むポリマーを、脂肪酸又は脂肪酸エステルのカルボン酸塩に連結させることができ、脂肪酸又は脂肪酸エステル上の活性化カルボン酸塩(例えば、N,N−カルボニルジイミダゾールで活性化されている)をポリマー上のヒドロキシル基に連結させることができる。
本発明の抗体を修飾するために好適な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和されてもよいし、又は1つ以上の不飽和単位を含有してもよい。本発明の抗体を修飾するのに好適な脂肪酸としては、例えば、n−ドデカン酸塩(C12、ラウリン酸塩)、n−テトラデカン酸塩(C14、ミリスチン酸塩)、n−オクタデカン酸塩(C18、ステアリン酸塩)、n−エイコサン酸塩(C20、アラキジン酸塩)、n−ドコサン酸塩(C22、ベヘン酸)、n−トリアコンタン酸塩(C30)、n−テトラコンタン酸塩(C40)、シス−Δ9−オクタデカン酸塩(C18、オレイン酸塩)、全てのシス−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエン酸塩(C20、アラキドン酸塩)、オクタンジオン酸、テトラデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸、ドコサンジオン酸などが挙げられる。好適な脂肪酸エステルは、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基を含む、ジカルボン酸のモノエステルを含む。低級アルキル基は、1〜約12個、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含み得る。
修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、1つ以上の修飾剤と反応させるなど、好適な方法を使用して調製することができる。本明細書で使用されるとき、「修飾剤」という用語は、活性化基を含む好適な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を意味する。「活性化基」とは、適切な条件下で第2の化学基と反応し、これにより修飾剤と第2の化学基との間に共有結合を形成することのできる、化学部分又は官能基である。例えば、アミン反応性活性化基は、トシル酸塩、メシル酸塩、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)などの求電子性基、N−ヒドロキシスクシニミジルエステル(NHS)などを含む。チオール類と反応可能な活性化基としては、例えば、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)などが挙げられる。アルデヒド官能基は、アミン−又はヒドラジド−含有分子と連結することができ、また、アジド基は、三価リン基と反応してホスホルアミデート又はホスホルイミド結合を形成することができる。分子中に活性化基を導入するための好適な方法が、当該技術分野において既知である(例えば、Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,CA(1996)を参照されたい)。活性化基は、有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接的に、又はリンカー部分、例えば二価のC〜C12基(ここで、1つ以上の炭素原子が酸素、窒素、又は硫黄などのヘテロ原子で置換され得る)を介して結合され得る。好適なリンカー部分は、例えば、テトラエチレングリコール、−(CH−、−NH−(CH−NH−、−(CH−NH−及び−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−NH−を含む。リンカー部分を含む修飾剤は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えば、モノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノへキサン)を脂肪酸と反応させることにより、遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間のアミド結合を形成することによって生成可能である。Boc保護基を、トリフルオロ酢酸(TFA)処理により生成物から除去して、記載されているように別のカルボン酸塩に連結し得る一級アミンを露出させることができ、あるいは、これを無水マレイン酸と反応させ、結果として得られた生成物を環化させて脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生成することができる。(例えば、参照により教示の全体が本明細書に組み込まれる、Thompsonらの国際公開第92/16221号を参照のこと。)
本発明の修飾された抗体は、ヒト抗体又は抗原結合断片を修飾剤と反応させることによって生成することができる。例えば、有機部分は、アミン反応性修飾剤、例えば、PEGのNHSエステルを採用することによって、非部位特異的方法で抗体に結合させることができる。抗体又は抗原結合断片のジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元することによって、修飾されたヒト抗体又は抗原結合断片を調製することもできる。このとき、還元された抗体又は抗原結合断片をチオール反応性修飾剤と反応させて、本発明の修飾された抗体を生産することが可能である。本発明の抗体の特定の部位に結合される有機部分を含む修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、逆タンパク質分解(Fisch et al.,Bioconjugate Chem.,3:147−153(1992)、Werlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411−417(1994)、Kumaran et al.,Protein Sci.6(10):2233−2241(1997)、Itoh et al.,Bioorg.Chem.,24(1):59−68(1996)、Capellas et al.,Biotechnol.Bioeng.,56(4):456−463(1997))及びHermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,CA(1996)に記載される方法などの好適な方法を使用して調製することができる。
抗Tnf抗体組成物に対する抗イディオタイプ抗体。モノクローナル又はキメラ抗TNF抗体に加えて、本発明は、本発明のかかる抗体に特異的な抗イディオタイプ(抗Id)抗体にも関する。抗Id抗体は、一般に別の抗体の抗原結合領域に関連する固有の決定基を認識する抗体である。抗Idは、Id抗体源と同じ種及び遺伝子型の動物(例えばマウス株)を、抗体又はそのCDR含有領域により免疫化することによって調製することができる。免疫化された動物は、免疫化抗体のイディオタイプ決定基を認識し、かつそれに応答し、抗Id抗体を生成する。抗Id抗体はまた、更に別の動物で免疫応答を誘導する「免疫原」として使用され得、いわゆる抗−抗Id抗体を生成する。
抗Tnf抗体組成物。本発明はまた、本明細書に記載され、かつ/又は当該技術分野において既知であるように、非自然発生組成物、混合物、又は形態で提供される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又はそれ以上のその抗TNF抗体を含む、少なくとも1つの抗TNF抗体組成物も提供する。かかる組成物は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8の隣接アミノ酸の70〜100%、又はその特定される断片、ドメイン若しくは変異体からなる群から選択される抗TNF抗体のアミノ酸配列の少なくとも1つ又は2つの完全長、C及び/若しくはN末端欠失変異体、ドメイン、断片、又は特定される変異体を含む非自然発生組成物を含む。好ましい抗TNF抗体組成物は、配列番号1、2、3、4、5、6の70〜100%の抗TNF抗体、又はその特定された断片、ドメイン若しくは変異体の、少なくとも1つのCDR又はLBR含有部分として少なくとも1つ又は2つの完全長、断片、ドメイン、又は変異体を含む。更に好ましい組成物は、配列番号1、2、3、4、5、6の70〜100%、又は特定された断片、ドメイン若しくはその変異体のうちの少なくとも1つを40〜99%含む。このような組成物の百分率は、当該技術分野において既知であるように、又は本明細書に記載されるように、重量、体積、濃度、容量モル濃度、あるいは液体若しくは乾燥溶液、混合物、懸濁液、エマルション、又はコロイドとしての容量モル濃度によるものである。
本発明の抗TNF抗体組成物は更に、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に対する少なくとも1つの抗TNF抗体を含み、任意選択的に、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、TNF抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体若しくは断片、それらの融合タンパク質、又は小分子TNF拮抗薬などであるが、これらに限定されない)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサルジン)、筋弛緩剤、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔剤、鎮静剤、局所麻酔剤、神経筋遮断剤、抗菌剤(例えば、アミノグリコシド、抗真菌剤、駆虫薬、抗ウイルス剤、カルバペネム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗菌剤)、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉剤、鎮咳剤、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝固薬、エリスロピエチン(例えば、エポエチンα)、フィルグラスチム(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳薬、毛様筋調節薬、アルキル化剤、抗代謝剤、有糸分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁病薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経作動薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく薬、β作動薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害薬、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン又は類似薬、ドルナーゼα(Pulmozyme)、サイトカイン又はサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つを更に含む、任意の好適かつ有効量の組成物又は薬学的組成物のうちの少なくとも1つを含み得る。かかるサイトカインの非限定的な例としては、IL−1〜IL−23のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。好適な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)を参照されたく、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
このような抗癌剤又は抗感染薬はまた、本発明の少なくとも1つの抗体と関連、結合、同時処方、又は併用される毒素分子も含み得る。毒素は、病態細胞又は組織を選択的に死滅させるように、任意選択的に作用することができる。病態細胞は、癌細胞又は他の細胞であり得る。このような毒素は、これらに限定するものではないが、例えば、リシン、ジフテリア毒素、ヘビ毒素、又は細菌毒素の少なくとも1つから選択される、毒素の少なくとも1つの機能的細胞毒性ドメインを含む、精製若しくは組換え毒素又は毒素断片であり得る。毒素という用語はまた、ヒト及び他の哺乳類において、死に至り得る毒素性ショックを含む、任意の病態をもたらし得る任意の自然発生するか、突然変異若しくは組換え細菌又はウイルスによって生成される内毒素及び外毒素の両方を含む。かかる毒素には、腸管毒素原性大腸菌熱不安定性エンテロトキシン(LT)、熱安定性エンテロトキシン(ST)、赤痢菌細胞毒素、アエロモナス属エンテロトキシン、毒素性ショック症候群毒素−1(TSST−1)、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)、B(SEB)、又はC(SEC)、連鎖球菌エンテロトキシンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。かかる細菌は、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌(例えば血清型0157の株:H7)、Staphylococcus種(例えば、Staphylococcus aureus、Staphylococcus pyogenes)、Shigella種(例えば、Shigella dysenteriae、Shigella flexneri、Shigella boydii、及びShigella sonnei)、Salmonella種(例えば、Salmonella typhi、Salmonella cholera−suis、Salmonella enteritidis)、Clostridium種(例えば、Clostridium perfringens、Clostridium dificile、Clostridium botulinum)、Camphlobacter種(例えば、Camphlobacter jejuni、Camphlobacter fetus)、Heliocbacter種(例えば、Heliocbacter pylori)、Aeromonas種(例えば、Aeromonas sobria、Aeromonas hydrophila、Aeromonas caviae)、Pleisomonas shigelloides、Yersinia enterocolitica、Vibrio種(例えば、Vibrio cholerae、Vibrio parahemolyticus)、Klebsiella種、Pseudomonas aeruginosa、並びにStreptococciの種の株が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Stein,ed.,INTERNAL MEDICINE,3rd ed.,pp1−13,Little,Brown and Co.,Boston,(1990)、Evans et al.,eds.,Bacterial Infections of Humans:Epidemiology and Control,2d.Ed.,pp239−254,Plenum Medical Book Co.,New York(1991)、Mandell et al,Principles and Practice of Infectious Diseases,3d.Ed.,Churchill Livingstone,New York(1990)、Berkow et al,eds.,The Merck Manual,16th edition,Merck and Co.,Rahway,N.J.,1992、Wood et al,FEMS Microbiology Immunology,76:121−134(1991)、Marrack et al,Science,248:705−711(1990)を参照のこと(これらの文献の内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明の抗TNF抗体化合物、組成物又は混合物は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどであるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なくとも1つを含み得る。薬学的に許容できる助剤が好ましい。かかる滅菌溶液を調製する非限定的な例及びその方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA),1990などであるが、これに限定されない。当該技術分野において周知、又は本明細書に記載されるように、抗TNF抗体、断片、又は変異体組成物の投与方法、溶解度、及び/又は安定性に好適な薬学的に許容される担体を、日常的に選択することができる。
本組成物において有用な薬学的賦形剤及び添加剤は、これらに限定されないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及びオリゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してよく、単独で又は組み合わせて1〜99.99重量%又は容量%含まれる。典型的なタンパク質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)などの血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどを含む。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成要素には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいアミノ酸の1つはグリシンである。
本発明に使用するのに好適な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなどの単糖類、乳糖、ショ糖、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化物賦形剤は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
抗TNF抗体組成物は、緩衝剤又はpH調整剤も含み得、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が挙げられる。本組成物における使用に好ましい緩衝剤は、クエン酸塩などの有機酸塩である。
加えて、本発明の抗TNF抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20」及び「TWEEN80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)などのポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
本発明による抗TNF抗体、部分又は変異体組成物における使用に好適なこれら及び追加の既知の薬学的賦形剤及び/又は添加剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Science&Practice of Pharmacy」、19th ed.,Williams&Williams,(1995)、及び「Physician’s Desk Reference」、52nd ed,Medical Economics,Montvale,NJ(1998)に列挙されており、これらの開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。好ましい担体又は賦形剤材料は、炭水化物(例えば、単糖類及びアルジトール類)並びに緩衝剤(例えば、クエン酸塩)又は高分子試薬である。
製剤。上述したとおり、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸緩衝剤である安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに薬学的に許容される製剤中に少なくとも1つの抗TNF抗体を含む薬学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希釈剤中に、少なくとも1つの既知の、すなわち少なくとも1つのフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール、又はそれらの混合物からなる群から任意選択的に選択される保存剤を含有する。当該技術分野において既知であるように、0.001〜5%、又は0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又はその中の任意の範囲若しくは値などであるがこれらに限定されない、その中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃度又は混合物が使用され得る。非限定的な例としては、保存剤無添加、0.1〜2%m−クレゾール(例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0%)、約0.1〜3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001〜0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.001〜2.0%フェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%のアルキルパラベン(複数可)(例えば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
上述のとおり、本発明は、包装材と、任意選択的に水性希釈剤中に処方された緩衝剤及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗TNF抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を提供し、この包装材は、かかる溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記したラベルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された少なくとも1つの抗TNF抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を含む第2のバイアルと、を含む製品を更に含み、この包装材は、少なくとも1つの抗TNF抗体を水性希釈剤において再構成して、24時間以上にわたって保持することができる溶液を形成するように患者に指示するラベルを含む。
本発明により使用される少なくとも1つの抗TNF抗体は、本明細書に記載されるか、又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニック調製物から生成することを含む組換え手段によって生成され得るか、又は他の生物源から精製され得る。
本発明の製品中に含まれる、少なくとも1つの抗TNF抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、再構成時に約1.0μg/mL〜約1000mg/mLの範囲の濃度が得られる量で含まれるが、これより低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、これらの濃度は意図される送達ビヒクルによって決まり、例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方法とは異なる。
好ましくは、水性希釈剤は任意選択的に、薬学的に許容できる保存剤を更に含む。好ましい保存剤には、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。製剤中で使用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに十分な濃度である。このような濃度は選択された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存剤エンハンサは、任意選択的にかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知の濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐容性の緩衝剤を添加して、改善されたpH制御を提供する。製剤は、約pH4〜約pH10、及び好ましくは約pH5〜約pH9の範囲、及び最も好ましくは約6.0〜約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲を対象にすることができる。好ましくは、本発明の製剤は、約6.8〜約7.8のpHを有する。好適な緩衝剤には、リン酸塩緩衝剤を含み、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、特にリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)を含む。
他の添加剤、例えばTween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及びPEG(ポリエチレングリコール)などの、薬学的に許容される可溶化剤、又はポリソルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluronic(登録商標)ポリオールなどの非イオン性界面活性剤、他のブロックコポリマー、並びにEDTA及びEGTAなどのキレート剤を製剤又は組成物に任意選択的に添加することで、凝集を低減させることができる。これらの添加物は、製剤を投与するためにポンプ又はプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。薬学的に許容できる界面活性剤の存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
本発明の製剤は、少なくとも1つの抗TNF抗体と、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗TNF抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定量の少なくとも1つの抗TNF抗体を、所望の濃度のタンパク質及び保存剤を提供するのに十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2のバイアルで再構成される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗TNF抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在利用可能なものよりも便利な治療レジメンを提供することができる。
特許請求される本製品は、即時から24時間以上の期間にわたる投与に有用である。したがって、本発明により特許請求される製品は、患者に大きな利益を提供する。本発明の製剤は、任意選択的に、約2〜約40℃の温度で安全に保管し、タンパク質の生物学的活性を長期間保持することができ、したがって包装ラベルは、溶液が6、12、18、24、36、48、72、又は96時間以上の期間にわたって保持及び/又は使用することができることを示すことができる。保存されている希釈剤を使用する場合には、このようなラベルに最高1〜12か月、半年、1年半及び/又は2年までの使用を含むことができる。
本発明の少なくとも1つの抗TNF抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及び任意選択的に保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルで再構成される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗TNF抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルは、いずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルで再構成される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗TNF抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又は他のかかる機関及び施設に提供することによって、患者に対し間接的に提供することができる。この場合の透明溶液は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってよく、この大きな容器からより少量の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアルに移し、かつ薬局又は診療所により顧客及び/又は患者に提供できる。
これらの単一バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、BD Pens、BD Autojector(登録商標)、Humaject(登録商標)、NovoPen(登録商標)、B−D(登録商標)Pen、AutoPen(登録商標)、及びOptiPen(登録商標)、GenotropinPen(登録商標)、Genotronorm Pen(登録商標)、Humatro Pen(登録商標)、Reco−Pen(登録商標)、Roferon Pen(登録商標)、Biojector(登録商標)、iject(登録商標)、J−tip Needle−Free Injector(登録商標)、Intraject(登録商標)、Medi−Ject(登録商標)などの溶液送達用のペン型インジェクタデバイスが挙げられ、例えば、Becton Dickensen(Franklin Lakes,NJ,www.bectondickenson.com)、Disetronic(Burgdorf,Switzerland,www.disetronic.com)、Bioject,Portland,Oregon(www.bioject.com)、National Medical Products,Weston Medical(Peterborough,UK,www.weston−medical.com)、Medi−Ject Corp(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又は開発されている。併用バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、HumatroPen(登録商標)などの、再構成された溶液を送達するためのカートリッジ内で凍結乾燥された薬物を再構成するためのペン型インジェクタシステムが挙げられる。
ここで特許請求される製品は、包装材を含む。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、製品を使用することができる条件を提供する。本発明の包装材は、少なくとも1つの抗TNF抗体を水性希釈剤において再構成して溶液を形成し、2〜24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイアル製品に使用する、という指示を患者に提供する。単一バイアルの溶液製品の場合、ラベルは、この溶液が2〜24時間又はそれ以上にわたって使用できることを示す。ここで特許請求される製品は、ヒト用薬学的製品用途に有用である。
本発明の製剤は、少なくとも1つの抗TNF抗体及び選択された緩衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸塩緩衝剤を混合することを含むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗体と緩衝剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに十分な量の水中で所望の緩衝剤と組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される安定又は保存製剤は、透明な溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及び賦形剤を含有する第2のバイアルで再構成される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗TNF抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液のいずれかの少なくとも1つの抗TNF抗体は、当該技術分野において周知のように、SC若しくはIM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋め込み、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、又は当該技術分野において周知であり当業者により理解される他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明により患者に投与することができる。
治療用途。本発明はまた、当該技術分野において既知である、又は本明細書に記載されるように、本発明の少なくとも1つの二重インテグリン抗体を使用して、細胞、組織、器官、動物、又は患者における少なくとも1つのTNF関連疾患を調節又は処置するための方法も提供する。
本発明はまた、肥満、免疫関連疾患、循環器疾患、感染症、悪性疾患又は神経学的疾患のうち少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、細胞、組織、器官、動物又は患者における少なくとも1つのTNF関連疾患を調節又は処置するための方法も提供する。
本発明はまた、関節リウマチ、若年性、全身性発症若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、胃潰瘍、血清反応陰性関節症、変形性関節炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性血管炎/ヴェグナー肉芽腫症、サルコイドーシス、精巣炎/精管切除修復術、アレルギー性/アトピー性疾患、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺炎、移植、器官移植拒絶反応、移植片対宿主病、全身性炎症反応症候群、敗血症症候群、グラム陽性菌敗血症、グラム陰性菌敗血症、培養陰性敗血症、真菌敗血症、好中球減少性発熱、尿性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線暴露、急性膵炎、成人呼吸窮迫症候群、関節リウマチ、アルコール性肝炎、慢性炎症性病変、サルコイドーシス、クローン病変、鎌状赤血球貧血症、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏性反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、ぜんそく、じん麻疹、全身性アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、任意の器官又は組織の移植片拒絶反応、腎移植拒絶反応、心臓移植拒絶反応、肝臓移植拒絶反応、膵臓移植拒絶反応、肺移植拒絶反応、骨髄移植(BMT)拒絶反応、皮膚同種移植拒絶反応、軟骨移植拒絶反応、骨移植片拒絶反応、小腸移植拒絶反応、胎児胸腺移植拒絶反応、副甲状腺移植拒絶反応、任意の器官又は組織の異種移植拒絶反応、同種移植拒絶反応、抗受容体過剰反応、グレーブス病、レイノー病、B型インスリン抵抗性糖尿病、ぜんそく、重症筋無力症、抗体媒介性細胞障害、III型過剰反応、全身性エリテマトーデス、POEMS症候群(多発性神経障害、臓器肥大、内分泌障害、単クローン性免疫グロブリン血症、及び皮膚症状症候群)、多発性神経障害、臓器肥大、内分泌障害、単クローン性免疫グロブリン血症、皮膚症状症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合性結合組織病、特発性アジソン病、真性糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、血管炎、MI後心臓切開術症候群、IV型免疫過剰、接触性皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植拒絶反応、細胞内生物による肉芽腫、薬物過敏、代謝性/特発性ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、α−1−アンチトリプシン欠乏症、糖尿病性網膜症、橋本甲状腺炎、骨粗鬆症、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性血球貪食性リンパ組織球症、皮膚科学的状態、乾癬、脱毛症、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒性、子癇前症、okt3療法、抗cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法(例えば、無力症、貧血、悪液質などが挙げられるがこれらに限定されない)、慢性サリチル酸塩中毒などのうちの少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない、細胞、組織、器官、動物、又は患者における少なくとも1つの免疫関連疾患を調節又は治療するための方法も提供する。例えば、Merck Manual,12th〜17th Editions,Merck&Company,Rahway,NJ(1972,1977,1982,1987,1992,1999),Pharmacotherapy Handbook,Wells et al.,eds.、Second Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(1998,2000)を参照されたく、それぞれは参照することにより全体が組み込まれる。
本発明は、心機能不全症候群(cardiac stun syndrome)、心筋梗塞、うっ血性心不全、卒中、虚血発作、出血、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、糖尿病性動脈硬化性疾患、高血圧、動脈性高血圧、腎血管性高血圧、失神、ショック、心血管系の梅毒、心不全、肺性心、原発性肺高血圧、不整脈、心房異所性拍動、心房粗動、心房細動(持続性又は発作性)、還流後症候群、心肺バイパス炎症応答、無秩序型又は多源性心房頻脈、規則的狭QRS頻脈(regular narrow QRS tachycardia)、固有不整脈(specific arrythmias)、心室細動、ヒス束不整脈(His bundle arrythmias)、房室ブロック、脚ブロック、心筋虚血性疾患、冠動脈疾病、狭心症、心筋梗塞、心筋症、拡張型うっ血性心筋症、拘束型心筋症、心臓弁膜症、心内膜炎、心膜疾患、心臓腫瘍、大動脈瘤及び末梢動脈瘤、大動脈切開、大動脈の炎症、腹部大動脈及びその分岐の閉塞、末梢血管障害、閉塞性動脈障害、末梢アテローム性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、機能性末梢動脈障害、レイノー現象及び疾患、先端チアノーゼ、紅痛症、静脈性疾患、静脈血栓症、静脈瘤、動静脈瘻、リンパ浮腫、脂肪性浮腫、不安定狭心症、再灌流傷害、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、虚血再灌流傷害などのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、細胞、組織、器官、動物又は患者における循環器疾患の調節又は処置するための方法も提供する。かかる方法は、少なくとも1つの抗TNF抗体を含む有効量の組成物又は薬学的組成物を、かかる調節、処置又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に投与することを、任意選択的に含み得る。
本発明はまた、急性又は慢性細菌感染、細菌、ウイルス及び真菌感染を含む急性及び慢性寄生又は感染プロセス、HIV感染/HIV神経障害、髄膜炎、肝炎(A、B又はCなど)、敗血症性関節炎、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、大腸菌0157:h7、溶血性尿毒症性症候群/塞栓性血小板減少性紫斑病、マラリア、デング出血熱、リーシュマニア症、ハンセン病、中毒性ショック症候群、連鎖球菌筋炎、ガス壊疽、結核菌、マイコバクテリウム−アビウム−イントラセルラーレ、ニューモシスティスカリニ肺炎、骨盤内炎症性疾患、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ、ライム病、a型インフルエンザ、エプスタイン−バーウイルス、ウイルス関連血球貪食症候群、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎などのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、細胞、組織、器官、動物又は患者において少なくとも1つの感染症を調節又は処置するための方法も提供する。
本発明はまた、白血病、急性白血病、急性リンパ球性白血病(ALL)、B細胞、T細胞又はFAB ALL、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、直腸結腸癌、膵臓癌、鼻咽頭癌、悪性組織球増殖症、悪性の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、固形腫瘍、腺癌、肉腫、悪性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌関連骨吸収、癌関連骨痛などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない、細胞、組織、器官、動物、又は患者における少なくとも1つの悪性疾患を調節又は治療するための方法も提供する。
本発明はまた、神経変性疾患、多発性硬化症、片頭痛、エイズ痴呆症候群、脱髄疾患、例えば、多発性硬化症及び急性横断性脊髄炎、錐体外路及び小脳障害、例えば、皮質脊髄系の病変、大脳基底核の障害若しくは小脳障害、多動性運動障害、例えば、ハンチントン舞踏病及び老年性舞踏病、薬剤誘発性運動障害、例えば、CNSドーパミン受容体を遮断する薬物により誘発されるもの、運動低下性運動障害、例えば、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、小脳の構造病変、脊髄小脳変性症、例えば、脊髄性運動失調症、フリードライヒ失調症、小脳皮質変性症、多系統変性症(Mencel、Dejerine−Thomas,Shi−Drager及びMachado−Joseph)、全身性疾患(レフスム病、無βリポタンパク血症、運動失調症、毛細血管拡張症、及びミトコンドリア多系統障害)、脱髄性コア障害(demyelinating core disorder)、例えば、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎及び運動単位’の障害、例えば、神経性筋委縮症(前角細胞変性症、例えば、筋萎縮性側索硬化症、乳児脊髄性筋萎縮症及び若年性脊髄性筋萎縮症)、アルツハイマー病、中年層のダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、レヴィー小体型の老人性痴呆症、ウェルニッケコルサコフ症候群、慢性アルコール中毒、クロイツフェルト−ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎、ハレルフォルデン−スパッツ病、並びにボクサー認知症などのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、細胞、組織、器官、動物又は患者における少なくとも1つの神経学的疾患を調節又は処置するための方法も提供する。かかる方法は、任意選択的に、少なくとも1つのTNF抗体又は特定された部分又は変異体を含む有効量の組成物又は薬学的組成物を、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に対し投与する工程を含むことができる。例えば、Merck Manual,16th Edition,Merck&Company,Rahway,NJ(1992)を参照のこと。
本発明のいずれの方法も、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に、少なくとも1つの抗TNF抗体を含む有効量の組成物又は薬学的組成物を投与することを含み得る。かかる方法は、任意選択的に、かかる免疫疾患の処置のための同時投与又は併用療法を更に含み得、この少なくとも1つの抗TNF抗体、特定された部分又はその変異体の投与は、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、TNF抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体若しくは断片、その融合タンパク質、又は低分子TNF拮抗薬などであるが、これらに限定されない)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗菌薬)、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンα)、フィルグラスチム(例えば、G−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳薬、毛様筋麻痺薬、アルキル化剤、抗代謝剤、有糸分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁病薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経作動薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく薬、β作動薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類似体、ドルナーゼα(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つの前に、同時に、及び/又は後に投与することを更に含む。好適な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)を参照されたく、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物、併用療法、同時投与、デバイス及び/又は方法(本発明の少なくとも1つの抗体、その特定された部分及び変異体を更に含む)に好適なTNF拮抗薬は、抗TNF抗体、その抗原結合断片、及びTNFに特異的に結合する受容体分子、TNF合成、TNF放出、若しくは標的細胞に対するその作用を阻止及び/又は阻害する化合物、例えば、サリドマイド、テニダプ、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、ペントキシフィリン及びロリプラム)、A2bアデノシン受容体作動薬、及びA2bアデノシン受容体エンハンサ、TNF受容体シグナル伝達を阻止及び/又は阻害する化合物、例えば、マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ阻害剤、膜TNF切断を遮断及び/又は阻害する化合物、例えば、メタロプロテイナーゼ阻害剤、TNF活性を遮断及び/又は阻害する化合物、例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、カプトプリル)、並びにTNF生成及び/又は合成を遮断及び/又は阻害する化合物、例えば、MAPキナーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「腫瘍壊死因子抗体」、「TNF抗体」、「TNFα抗体」又は「断片」などは、インビトロ、その場で、及び/又は好ましくはインビボで、TNFα活性を減少、遮断、阻害、抑止又は干渉する。例えば、本発明の好適なTNFヒト抗体は、TNFαに結合することができ、抗TNF抗体、その抗原結合断片、及びTNFαに特異的に結合する特定された変異体又はそのドメインを含む。好適なTNF抗体又は断片は、TNF RNA、DNA、又はタンパク質合成、TNF放出、TNF受容体シグナル伝達、膜TNF切断、TNF活性、TNF生成及び/又は合成を減少、遮断、抑止、干渉、阻止、及び/又は阻害することもできる。
キメラ抗体cA2は、A2と呼ばれる高親和性中和マウス抗ヒトTNFαIgG1抗体の抗原結合可変領域及びヒトIgG1のκ免疫グロブリンの定常領域からなる。ヒトIgG1Fc領域は、同種の抗体のエフェクター機能を改善し、循環血清半減期を増加させ、抗体の免疫原性を減少させる。キメラ抗体cA2の結合活性及びエピトープの特異性は、マウス抗体A2の可変領域に由来する。特定の実施形態において、マウス抗体A2の可変領域をコード化する核酸の好ましい供給源は、A2ハイブリドーマ細胞株である。
キメラA2(cA2)は、天然及び組換え両方のヒトTNFαの細胞傷害性作用を用量依存的に中和する。キメラ抗体cA2と組換えヒトTNFαとの結合アッセイから、キメラ抗体cA2の親和性定数は、1.04×1010−1であると計算された。競合阻害によるモノクローナル抗体の特異性及び親和性を決定するための好ましい方法は、Harlow,et al.,antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1988、Colligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,New York,(1992−2000)、Kozbor et al.,Immunol.Today,4:72−79(1983)、Ausubel et al.,eds.Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York(1987−2000)、及びMuller,Meth.Enzymol.,92:589−601(1983)に見ることができ、これらの参照文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態において、マウスモノクローナル抗体A2は、c134Aと呼ばれる細胞株によって生成される。キメラ抗体cA2は、c168Aと呼ばれる細胞株によって生成される。
本発明において使用することができるモノクローナル抗TNF抗体の更なる例は、当該技術分野において記載されている(例えば、米国特許第5,231,024号、Moller,A.et al.,Cytokine2(3):162−169(1990)、米国出願第07/943,852号(1992年9月11日出願)、Rathjen,et al.、国際公開第91/02078号(1991年2月21日公開)、Rubin,et al.、EPO特許公開第0 218 868号(1987年4月22日公開)、Yone,et al.、EPO特許公開第0 288 088号(1988年10月26日)、Liang,et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.137:847−854(1986)、Meager,et al.,Hybridoma6:305−311(1987)、Fendly et al.,Hybridoma6:359−369(1987)、Bringman,et al.,Hybridoma6:489−507(1987)及びHirai,et al.,J.Immunol.Meth.96:57−62(1987)を参照のこと。これらの参照文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
TNF受容体分子。本発明に有用な好ましいTNF受容体分子は、TNFαに高い親和性で結合し(例えば、Feldmannら、国際公開第92/07076号(1992年4月30日公開)、Schall et al.,Cell61:361−370(1990)、及びLoetscher et al.,Cell61:351−359(1990)を参照のこと。これらの参照文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、任意選択的に低い免疫原性を有するものである。特に、55kDa(p55TNF−R)及び75kDa(p75TNF−R)のTNF細胞表面受容体は、本発明において有用である。受容体の細胞外ドメイン(ECD)又はその機能的部分を含むこれらの受容体の切断型(例えば、Corcoran et al.,Eur.J.Biochem.223:831−840(1994)を参照のこと)も本発明において有用である。ECDを含むTNF受容体の切断型は、尿及び血清中で、30kDa及び40kDaのTNFα阻害結合タンパク質として検出されでいる(Engelmann,H.et al.,J.Biol.Chem.265:1531−1536(1990))。TNF受容体多量体分子及びTNF免疫受容体融合分子、並びにそれらの誘導体及び断片又は部分は、本発明の方法及び組成物において有用であるTNF受容体分子の更なる例である。本発明に使用することができるTNF受容体分子は、症状の良好〜優れた緩和及び低毒性で患者を長期間処置する能力を特徴とする。低い免疫原性及び/又は高い親和性並びに他の未定義の特性は、得られる治療結果に寄与し得る。
本発明において有用なTNF受容体多量体分子は、ポリエチレングリコール(PEG)などの、1つ以上のポリペプチドリンカー又は他の非ペプチドリンカーを介して連結された2つ以上のTNF受容体のECDの全て又は機能的部分を含む。多量体分子は、多量体分子の発現をもたらすための分泌タンパク質のシグナルペプチドを更に含むことができる。これらの多量体分子及びそれらの生成方法は、米国出願第08/437,533号(1995年5月9日出願)に記載されており、その内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法及び組成物において有用なTNF免疫受容体融合分子は、1つ以上の免疫グロブリン分子の少なくとも一つの部分及び1つ以上のTNF受容体の全て又は機能的部分を含む。これらの免疫受容体融合分子は、モノマー又はヘテロ若しくはホモ多量体として集合させることができる。免疫受容体融合分子はまた、一価であっても多価であってもよい。かかるTNF免疫受容体融合分子の例は、TNF受容体/IgG融合タンパク質である。TNF免疫受容体融合分子及びそれらの生成方法は、当該技術分野において記載されている(Lesslauer et al.,Eur.J.Immunol.21:2883−2886(1991)、Ashkenazi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:10535−10539(1991)、Peppel et al.,J.Exp.Med.174:1483−1489(1991)、Kolls et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:215−219(1994)、Butler et al.,Cytokine6(6):616−623(1994)、Baker et al.,Eur.J.Immunol.24:2040−2048(1994)、Beutlerら、米国特許第5,447,851号及び米国出願第08/442,133号(1995年5月16日出願)、これらの参照文献の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。免疫受容体融合分子の生成方法は、Caponら、米国特許第5,116,964号、Caponら、米国特許第5,225,538号及びCapon et al.,Nature337:525−531(1989)にも見ることができ、これらの参照文献は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
TNF受容体分子の機能的等価物、誘導体、断片、又は領域は、本発明に使用することができるTNF受容体分子に機能的に類似するのに十分な大きさ及び配列のものである(例えば、TNFαに高い親和性で結合し、低い免疫原性を有する)、TNF受容体分子の部分、又はTNF受容体分子をコード化するTNF受容体分子配列の部分を指す。TNF受容体分子の機能的等価物はまた、本発明に使用することができるTNF受容体分子に機能的に類似する(例えば、TNFαに高い親和性で結合し、低い免疫原性を有する)修飾されたTNF受容体分子も含む。例えば、TNF受容体分子の機能的等価物は「SILENT」コドン、又は1つ以上のアミノ酸置換、欠失、若しくは付加(例えば、1個の酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸の代わりに用いるか、又は同じ若しくは異なる疎水性アミノ酸をコード化する1つのコドンを、疎水性アミノ酸をコード化する別のコドンの代わりに用いる)を含有し得る。Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Assoc.and Wiley−Interscience,New York(1987−2000)を参照のこと。
サイトカインは、いかなる既知のサイトカインも包含する。例えば、CopewithCytokines.comを参照されたい。サイトカイン拮抗薬としては、任意の抗体、断片若しくは模倣薬、任意の可溶性受容体、断片若しくは模倣薬、任意の低分子拮抗薬、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
治療処置。本発明のいずれの方法も、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に、少なくとも1つの抗TNF抗体を含む安全かつ有効量の組成物又は薬学的組成物を投与することを含む、TNF媒介疾患を治療するための方法を含み得る。かかる方法は、任意選択的に、かかる免疫疾患の処置のための同時投与又は併用療法を更に含み得、この少なくとも1つの抗TNF抗体、特定された部分又はその変異体の投与は、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、TNF抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体若しくは断片、その融合タンパク質、又は低分子TNF拮抗薬などであるが、これらに限定されない)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗菌薬)、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンα)、フィルグラスチム(例えば、G−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳薬、毛様筋麻痺薬、アルキル化剤、抗代謝剤、有糸分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁病薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経作動薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく薬、β作動薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類似体、ドルナーゼα(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つの前に、同時に、及び/又は後に投与することを更に含む。
本明細書で使用するとき、「安全」という用語は、それが本発明の抗TNF抗体(例えば、抗TNF抗体ゴリムマブ)を有する組成物、用量、投与レジメン、治療、又は方法に関する場合、標準治療又は他の抗TNF剤などの別の比較基準と比較した有害事象(adverse event、AE)及び重篤有害事象(serious adverse event、SAE)の許容可能な頻度及び/又は許容可能な重症度伴う、有利なリスク対効果比を指す。有害事象とは、医薬製品を投与された患者における好ましくない医療上の出来事である。具体的には、安全は、それが本発明の抗TNF抗体を有する組成物、用量、投与レジメン、治療、又は方法に関連する場合、例えば、注入反応、検査所見の肝胆汁性異常、TBを含む感染、及び悪性腫瘍を含む有害事象の許容可能な頻度及び/又は許容可能な重症度を指す。
本明細書で使用するとき、「有効性」及び「有効」という用語は、組成物、用量、投与レジメン、治療、又は方法の文脈において本明細書で使用する場合、本発明の抗TNF抗体(例えば、抗TNF抗体ゴリムマブ)を有する特定の組成物、用量、投与量、治療、又は方法の有効性を指す。有効性は、本発明の薬剤に応答した、疾患の経過中の変化に基づいて測定され得る。例えば、本発明の抗TNF抗体は、治療されている障害の重篤度を反映する少なくとも1つの指標において改善、好ましくは持続的な改善を引き起こすのに十分な量及び時間で、対象に投与される。その治療の量及び時間が十分であるかどうかを判定するために、対象の病気、疾患又は病状の程度を反映する様々な指標が評価され得る。そのような指標には例えば、疾患重篤度、症状、又は対象となっている障害の発現についての、臨床的に認識されている指標が含まれる。改善の程度は、一般に、医師又は他の適切に訓練された個人によって決定され、彼らは、徴候、症状、生検、又は臨床症状の改善を示す他の試験結果、又は疾患活動性の任意の他の尺度に基づき決定することができる。例えば、本発明の抗TNF抗体は、乾癬性関節炎(PsA)に関連する患者の状態の改善を達成するために投与され得る。PsAに関する患者の状態の改善は、例えば、健康評価質問表障害指標スコア(HAQ−DI)、腱付着部炎評価、指炎評価、36項目ショートフォーム健康調査身体サマリースコア(SF−36PCS)、及び/又は36項目ショートフォーム健康調査精神成分サマリースコア(SF−36MCS)を含む1つ又は2つ以上の基準を使用して評価され得る。HAQ−DIは、8つの機能領域(身支度、起床、食事、歩行、衛生、伸展、握力、及び日常生活活動)におけるタスクの達成で人が感じる困難の程度を評価する20問の計器である。腱付着部炎は、例えば、左及び右肘外側上顆、左及び右肘内側上顆、並びに左及び右アキレス腱付着部を含む腱付着部に局所的圧力を加えることによる疼痛の有無を評価することによって評価され得る。指炎は、両手及び両足における存在及び重症度について評価され得る。SF−36は、スコアリングされた8つの多項目スケールからなる質問票であり、SF−36PSA及びSF−36MCSは、異なる疾患の相対的な負担と異なる治療の相対的利益との比較を可能にするSF−36から導かれるサマリースコアである。
典型的には、病態の治療は、組成物中に含有される比活性に応じて、平均して、合計、1用量あたり患者1kgあたり少なくとも約0.01〜500ミリグラムの範囲の少なくとも1つの抗TNF抗体、好ましくは単回又は複数回投与あたり患者1kgあたり少なくとも約0.1〜100ミリグラムの範囲の抗体の、少なくとも1つの抗TNF抗体組成物の安全かつ有効な量又は投与量を投与することによって達成される。代替的に、有効な血清濃度は、単回又は複数回投与あたり0.1〜5000μg/mlの血清濃度を含み得る。好適な投与量は、医療実践者には既知であり、当然のことながら、具体的な疾患状態、投与される組成物の比活性、及び処置を受けている具体的な患者に依存する。場合によっては、望ましい治療量を得るために、反復投与、即ち、特定の監視された量又は定量の反復個別投与を提供することが必要となる場合があり、この場合、個別投与は、望ましい日用量又は作用が得られるまで繰り返される。
好ましい用量は、任意選択的に、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、及び/若しくは100〜500mg/kg/投与、又はその任意の範囲、値若しくは分画を含むか、あるいは単回若しくは複数回投与あたり0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、及び/若しくは5000μg/mlの血清濃度、又はその任意の範囲、値、若しくは分画を得るように含み得る。
代替的に、投与される用量は、特定の薬剤の薬物動態特徴並びにその投与方法及び経路、レシピエントの年齢、健康及び体重、症状の性質及び程度、同時処置の種類、処置頻度、並びに所望の作用などの既知の因子により異なり得る。活性成分の投与量は、通常、体重1キログラムあたり約0.1〜100ミリグラムであり得る。通常、投与あたり1キログラムあたり0.1〜50、好ましくは0.1〜10ミリグラム又は徐放性形態が、望ましい結果を得るために有効である。
非限定的な例として、ヒト又は動物の処置は、単回、注入又は反復投与を使用して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日目のうちの少なくとも1日に、又は代替的に若しくは追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、若しくは52週目のうちの少なくとも1週に、又は代替的に若しくは追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20年目のうちの少なくとも1年に、又はこれらの任意の組み合わせで、1日あたり0.1〜100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgの、本発明の少なくとも1つの抗体の1回又は周期的な投与量として提供され得る。
体内投与に好適な剤形(組成物)は、一般に、1単位又は容器あたり約0.1ミリグラム〜約500ミリグラムの活性成分を含有する。これらの薬学的組成物において、活性成分は、組成物の総重量に基づいて、通常、約0.5〜99.999重量%の量で存在する。
非経口投与には、抗体は、薬学的に許容される非経口ビヒクルと合わせて、又は別途供給される、溶液、懸濁液、エマルション若しくは凍結乾燥粉末として、処方することができる。かかるビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液及び1〜10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び固定油などの非水性ビヒクルを使用することもできる。ビヒクル又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性を維持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール;化学安定性に関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、既知の又は好適な技術によって滅菌される。
好適な薬学的担体は、この分野での標準的参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記載されている。
代替的投与。薬学的に有効な量の、本発明による少なくとも1つの抗TNF抗体を投与するために、本発明により、多くの既知の及び開発された投与方法を使用することができる。以下の記述では経肺投与が使用されているが、本発明に従って他の投与方式を使用して、好適な結果を得てもよい。
本発明のTNF抗体は、担体中で、溶液、エマルション、コロイド若しくは懸濁液として、又は乾燥粉末として、吸入によるか、又は本明細書に記載される若しくは当該技術分野において既知である他の方法による投与に好適な様々なデバイス及び方法のいずれかを使用して、送達することができる。
非経口製剤及び投与。非経口投与用製剤は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物に由来する油、水素化ナフタレンなどを含有し得る。注射用の水性又は油性懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、水溶液、又は無菌注射液、又は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であってもよい。使用可能なビヒクル又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが可能であり、通常の溶媒又は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では、天然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、モノグリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油及び脂肪酸を使用することができる。非経口投与は当該技術分野において既知であり、従来の注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針注入デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザー穿孔機デバイスが挙げられるが、これらに限定されず、これらは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
代替的送達。本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内又は経皮手段による少なくとも1つの抗TNF抗体の投与に関する。少なくとも1つの抗TNF抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内、又は静脈内)又は任意の他の投与、特に、液体溶液若しくは懸濁液の形態で使用するために、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されない半固体形態で、膣若しくは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定されない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻剤若しくはエアロゾル、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されない形態で、鼻腔内に、あるいは皮膚構造を改変するか、又は経皮パッチ中の薬物濃度を増加させるかのいずれかのために、ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Junginger,et al.In「Drug Permeation Enhancement」;Hsieh,D.S.,Eds.,pp.59−90(Marcel Dekker,Inc.New York1994、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペプチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又はエレクトロポレーションなどの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシスなどの皮膚を通して荷電薬物の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入などの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を可能にする酸化剤を用いて、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系などであるが、これらに限定されない、経皮的に、調製することができる(上記の刊行物及び特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
経肺/鼻腔内投与。経肺投与のためには、好ましくは、少なくとも1つの抗TNF抗体組成物は、肺の下気道又は洞に達するのに有効な粒径で送達される。本発明により、少なくとも1つの抗TNF抗体は、吸入により治療薬を投与するための、当該技術分野において既知の様々な吸入又は鼻腔内デバイスのいずれかにより送達することができる。患者の洞腔又は肺胞内にエアロゾル化した製剤を被着させることができるこれらのデバイスとしては、定量吸入器、ネブライザー、乾燥粉末発生器、噴霧器などが挙げられる。抗体の経肺又は鼻腔内投与を目的とするのに好適な他のデバイスも、当該技術分野において既知である。かかるデバイスは全て、エアロゾル中の抗体を分配するための投与に好適な製剤を使用することができる。このようなエアロゾルは、溶液(水性及び非水性の両方)又は固体粒子のいずれかで構成されることができる。Ventolin(登録商標)定量吸入器のような定量吸入器は、典型的には噴射ガスを使用し、吸気中の作動を必要とする(例えば、国際公開第94/16970号、国際公開第98/35888号を参照のこと)。Turbuhaler(商標)(Astra)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、Diskus(登録商標)(Glaxo)、Spiros(商標)吸入器(Dura)、Inhale Therapeuticsにより市販されているデバイス、及びSpinhaler(登録商標)パウダー吸入器(Fisons)などの乾燥粉末吸入器は、混合粉末の呼吸作動を使用する(米国特許第4668218号(Astra)、欧州特許第237507号(Astra)、国際公開第97/25086号(Glaxo)、国際公開第94/08552号(Dura)、米国特許第5458135号(Inhale)、国際公開第94/06498号(Fisons)、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。AERx(商標)(Aradigm)、Ultravent(登録商標)ネブライザー(Mallinckrodt)、及びAcorn II(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)などのネブライザー(米国特許第5404871号(Aradigm)、国際公開第97/22376号)(上記の参考文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)は、溶液からエアロゾルを生じさせるのに対し、定量吸入器、乾燥粉末吸入器などは、小粒子エアロゾルを発生させる。市販の吸入デバイスのこれらの具体例は、本発明の実施に好適な特定のデバイスを代表するものとして意図されており、本発明の範囲を制限するものとして意図されているものではない。好ましくは、少なくとも1つの抗TNF抗体を含む組成物は、乾燥粉末吸入器又は噴霧器によって送達される。本発明の少なくとも1つの抗体を投与するための吸入デバイスには、複数の望ましい特徴が存在する。例えば、吸入デバイスによる送達は、有利に信頼性が高く、再現可能であり、かつ正確である。吸入デバイスは任意選択的に、良好な呼吸のために、例えば、約10μm未満、好ましくは約1〜5μmの小さな乾燥粒子を送達することができる。
スプレーでのTNF抗体組成物の投与。TNF抗体組成物タンパク質を含むスプレーは、少なくとも1つの抗TNF抗体の懸濁液又は溶液に加圧下でノズルを通過させることにより生じさせることができる。ノズルの大きさ及び構成、適用される圧力並びに液体供給速度は、所望の出力及び粒径を達成するように選定することができる。例えば、キャピラリー又はノズルフィードと共に電界により電気スプレーを作製することができる。有利なことに、噴霧器により送達される少なくとも1つの抗TNF抗体組成物タンパク質の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μm、最も好ましくは約2μm〜約3μmの範囲の粒径を有する。
噴霧器と共に使用するのに好適な少なくとも1つの抗TNF抗体組成物タンパク質の製剤は、典型的には、水溶液中に、例えば、0.1、0.2.、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90又は100mg/mL又はmg/gmであるがこれらに限定されない、1mL若しくはmg/gmの溶液あたり約0.1mg〜約100mg、又はその中の任意の範囲若しくは値の少なくとも1つの抗TNF抗体組成物タンパク質の濃度で抗体組成物タンパク質を含む。この製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、及び好ましくは亜鉛などの薬剤を含み得る。この製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質又は炭水化物などの抗体組成物タンパク質を安定化させるための賦形剤又は薬剤も含み得る。抗体組成物タンパク質の処方において有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが挙げられる。抗体組成物タンパク質の処方において有用な典型的な炭水化物としては、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、グルコースなどが挙げられる。抗体組成物タンパク質製剤はまた、エアロゾル形成時の溶液の霧化により引き起こされる抗体組成物タンパク質の表面誘発性の凝集を低減又は阻止することができる界面活性剤も含み得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール、並びにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルのような様々な従来の界面活性剤を使用することができる。量は一般に、製剤の0.001〜14重量%の範囲にわたる。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。TNF抗体又は特定された部分若しくは変異体などのタンパク質の製剤には、当該技術分野において既知の更なる薬剤もまた製剤中に含むことができる。
ネブライザーによるTNF抗体組成物の投与。抗体組成物タンパク質は、ジェットネブライザー又は超音波ネブライザーなどのネブライザーにより投与することができる。典型的には、ジェットネブライザーでは、オリフィスを通して高速の空気ジェットを作り出すのに圧縮空気供給源を使用する。ガスがノズルを超えて膨脹する際に低圧領域が作り出され、それが液体リザーバに接続された毛細管を通して抗体組成物タンパク質の溶液を引き出す。毛細管からの液体流は、それが管を出る際に不安定な糸状体及び液滴に剪断されてエアロゾルを作り出す。ある範囲の構成、流速及びバッフル型を、所定のジェットネブライザーからの所望の性能の特徴を達成するのに使用することができる。超音波ネブライザーにおいては、高周波電気エネルギーを使用して、典型的には圧電変換器を使用して、振動性の機械的エネルギーを作り出す。このエネルギーが、直接又はカップリング液を通じてのいずれかで抗体組成物タンパク質の製剤に伝播されて、抗体組成物タンパク質を含むエアロゾルを作り出す。有利なことに、ネブライザーにより送達される抗体組成物タンパク質の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μm、最も好ましくは約2μm〜約3μmの範囲の粒径を有する。
ジェット又は超音波いずれかのネブライザーでの使用に好適な少なくとも1つの抗TNF抗体の製剤は、典型的には、溶液1mLあたり約0.1mg〜約100mgの少なくとも1つの抗TNF抗体タンパク質の濃度を含む。この製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、及び好ましくは亜鉛などの薬剤を含み得る。この製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質、又は炭水化物などの少なくとも1つの抗TNF抗体組成物タンパク質の安定化のための賦形剤又は薬剤も含み得る。少なくとも1つの抗TNF抗体組成物タンパク質の処方において有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが挙げられる。少なくとも1つの抗TNF抗体の処方において有用な典型的な炭水化物としては、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、グルコースなどが挙げられる。少なくとも1つの抗TNF抗体製剤はまた、エアロゾル形成時に溶液の霧化により引き起こされる少なくとも1つの抗TNF抗体の表面誘発性の凝集を低減又は阻止し得る界面活性剤も含み得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール、並びにポリオキシエチレンソルビタル脂肪酸エステルのような様々な従来の界面活性剤を使用することができる。量は、一般に製剤の0.001〜4重量%の範囲である。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。抗体タンパク質などのタンパク質の製剤には、当該技術分野において既知の更なる薬剤もまた製剤中に含むことができる。
定量吸入器によるTNF抗体組成物の投与。定量吸入器(MDI)では、噴射剤、少なくとも1つの抗TNF抗体及び任意の賦形剤又は他の添加剤が、液化圧縮ガスを含む混合物としてキャニスター内に収容される。絞り弁の作動により、好ましくは、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μm、最も好ましくは約2μm〜3μmの範囲のサイズの粒子を含有するエアロゾルとしての混合物が放出される。ジェット粉砕、噴霧乾燥、臨界点凝結などを含む、当業者に既知の様々な方法により生成された抗体組成物タンパク質の製剤を用いることにより、所望のエアロゾル粒径を得ることができる。好ましい定量吸入器としては、3M又はGlaxoにより製造されかつヒドロフルオロカーボン噴射剤を使用するものが挙げられる。
定量吸入器デバイスで使用するための少なくとも1つの抗TNF抗体の製剤は、一般に、少なくとも1つの抗TNF抗体を、例えば、界面活性剤の助けを借りて噴射剤中に懸濁した非水性溶媒中の懸濁液として含有する微粉を含む。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、HFA−134a(ヒドロフルオロアルカン−134a)、HFA−227(ヒドロフルオロアルカン−227)などが挙げられる、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、又は炭化水素のような本目的上使用される任意の従来の物質であることができる。好ましくは、噴射剤はヒドロフルオロカーボンである。界面活性剤は、少なくとも1つの抗TNF抗体を噴射剤中の懸濁液として安定化させる、活性薬剤を化学的分解に対して保護するなどのために選択することができる。好適な界面活性剤には、ソルビタントリオレエート、ダイズレシチン、オレイン酸などが挙げられる。場合によっては、エタノールなどの溶媒を使用する溶液エアロゾルが好ましい。タンパク質の処方のための当該技術分野で既知の更なる薬剤を薬剤中に含んでもよい。
当業者は、本発明の方法が、本明細書に記載されないデバイスを介する少なくとも1つの抗TNF抗体組成物の経肺投与により達成され得ることを認識するであろう。
経口製剤及び投与。経口のための製剤は、腸壁の浸透性を人工的に増加させるためのアジュバント(例えば、レゾルシノール、並びにポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤)の同時投与、並びに酵素的分解を阻害するための酵素阻害剤(例えば、膵トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFF)及びトラシロール)の同時投与による。経口投与のための固体型剤形の活性成分化合物は、ショ糖、乳糖、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントガム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成ポリマー、及びグリセリドなどの、少なくとも1つの添加物と混合することができる。これらの剤形はまた、他の種類(複数可)の添加剤、例えば、不活性希釈剤、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、パラベンなど)、保存剤(ソルビン酸、アスコルビン酸、α−トコフェロールなど)、抗酸化剤(システインなど)、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味剤、着香剤、香料なども含有し得る。
錠剤及び丸剤は腸溶コーティング調製物に更に加工することができる。経口投与のための液体調製物には、医学的用途に許容できるエマルション、シロップ、エリキシル剤、懸濁剤及び溶液調製物が挙げられる。これらの調製物は、その分野で通例に使用される不活性希釈剤、例えば水を含有することができる。リポソームはインスリン及びヘパリンの薬物送達系としても記述されている(米国特許第4,239,754号)。より最近では、混合アミノ酸の人工的ポリマーのミクロスフェア(プロテイノイド)が、医薬品を送達するために使用されている(米国特許第4,925,673号)。更に、米国特許第5,879,681号及び米国特許第5,5,871,753号に記載される担体化合物が、生物学的活性薬剤を経口で送達するのに使用されることは、当該技術分野において既知である。
粘膜製剤及び投与。粘膜表面を通る吸収のため、少なくとも1つの抗TNF抗体を投与するための組成物及び方法は、複数のサブミクロン粒子と、粘膜付着性巨大分子と、生物活性ペプチドと、エマルション粒子の粘膜付着を達成することにより粘膜表面を通る吸収を促進する水性連続相と、を含む、エマルションを含む(米国特許第5,514,670号)。本発明のエマルションの適用に好適な粘膜表面には、角膜、結膜、口腔内、舌下、鼻、膣、肺、胃、腸、及び直腸投与経路を挙げることができる。膣又は直腸投与のための製剤、例えば坐薬は、賦形剤として、例えば、ポリアルキレングリコール、ワセリン、カカオバターなどを含有し得る。鼻内投与のための処方は固体であってよく、賦形剤として、例えば乳糖を含有することができ、又は水性若しくは油性溶液の点鼻薬であることができる。口腔内投与のために、賦形剤として、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、αデンプン(pregelinatined starch)などが挙げられる(米国特許第5,849,695号)。
経皮製剤及び投与。経皮投与のために、少なくとも1つの抗TNF抗体を、リポソーム若しくはポリマーナノ粒子、微小粒子、マイクロカプセル又はミクロスフェア(特に明示しない限り、集合的に微小粒子と称する)などの送達デバイス中にカプセル化する。ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマーなどのポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物及びポリホスファゼンなどの合成ポリマー、並びにコラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミン及び他のタンパク質などの天然ポリマー、アルギン酸塩及び他の多糖類並びにそれらの組み合わせから作製される微小粒子を含む多くの好適なデバイスが既知である(米国特許第5,814,599号)。
長時間投与及び製剤。本発明の化合物を、単回投与により、長期間にわたり、例えば、1週〜1年間、被験体に送達することが時折望ましい場合がある。様々な徐放、デポー又は埋め込み剤形を利用することができる。例えば、剤形は、体液において溶解度が低い化合物の薬学的に許容される非毒性塩、例えば、(a)リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンモノ−又はジスルホン酸、ポリガラクツロン酸などの多塩基酸との酸付加塩、(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどの多価金属カチオン、又は例えば、N,N’−ジベンジル−エチレンジアミン若しくはエチレンジアミンから形成された有機カチオンを有する塩、あるいは(c)(a)及び(b)の組み合わせ、例えば、タンニン酸亜鉛塩を含有し得る。加えて、本発明の化合物、又は好ましくは前述したものなどの比較的不溶性の塩を、注射に好適な、例えばゴマ油と共に、例えば、モノステアリン酸アルミニウムゲルなどのゲル中に処方することができる。とりわけ好ましい塩は、亜鉛塩、亜鉛タンニン酸塩、パモ酸塩などである。別の種類の注射用徐放デポー製剤は、例えば米国特許第3,773,919号に記載されるポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーなどのゆっくりと分解する非毒性の非抗原性ポリマー中にカプセル化されるために分散された化合物又は塩を含有する。化合物、又は好ましくは上述したものなどの比較的不溶性の塩は、特に動物での使用のために、コレステロールマトリックスのシラスティックペレット中に処方することもできる。更なる徐放デポー又は埋め込み製剤、例えば、ガス又は液体リポソームは、文献(米国特許第5,770,222号、及び「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」,J.R.Robinson ed.,Marcel Dekker,Inc.,N.Y.,1978)で既知である。
本発明を全般的に記述したことから、同様物は、具体的説明として提供されるが制限することを意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
実施例1:哺乳類細胞におけるTNF抗体のクローニング及び発現。
典型的な哺乳類発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する少なくとも1つのプロモータ要素、抗体コード配列、並びに転写の終結及び転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。付加的な要素には、エンハンサ、コザック配列並びにRNAスプライシングのためのドナー及びアクセプタ部位に隣接している介在配列が含まれる。高効率の転写は、SV40からの初期及び後期プロモータ、レトロウイルス、例えば、RSV、HTLVI、HIVIからの長端末反復(long terminal repeats、LTRS)、及びサイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)の初期プロモータで達成することができる。しかしながら、細胞要素を使用することもできる(例えば、ヒトアクチンプロモータ)。本発明の実施において使用するのに好適な発現ベクターとしては、例えば、pIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSN若しくはpLNCX(Clonetech Labs,Palo Alto,CA)、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)又はpcDNA3.1/Hygro(+/−)(Invitrogen)、PSVL及びPMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)並びにpBC12MI(ATCC67109)などのベクターが挙げられる。使用することができる哺乳類の宿主細胞には、ヒトHela293、H9及びJurkat細胞、マウスNIH3T3及びC127細胞、Cos1、Cos7及びCV1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞及びチャイニーズハムスター卵巣(Chinese hamster ovary、CHO)細胞が含まれる。
代替的に、遺伝子を、染色体に組み込まれた遺伝子を含有する安定した細胞株において発現させることができる。dhfr、gpt、ネオマイシン又はハイグロマイシンなどの選択マーカーとの共トランスフェクションは、トランスフェクトされた細胞の特定及び単離を可能にする。
トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコード化された抗体を発現するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、目的の遺伝子の数百又は更には数千のコピーを有する細胞株を開発するのに有用である。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphy,et al.,Biochem.J.227:277−279(1991)、Bebbington,et al.,Bio/Technology10:169−175(1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳類細胞を選択的培地中で成長させ、最も高い耐性を有する細胞が選択される。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた増幅遺伝子(複数可)を含有する。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びNSO細胞が抗体の生成に使用されることが多い。
発現ベクターpC1及びpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強いプロモータ(LTR)(Cullen,et al.,Molec.Cell.Biol.5:438−447(1985))に加え、CMVエンハンサ(Boshart,et al.,Cell41:521−530(1985))の断片を含有する。例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI及びAsp7l8を伴う複数のクローニング部位は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターは更に、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化及び終結シグナルを含有する。
CHO細胞におけるクローニング及び発現。ベクターpC4は、TNF抗体の発現に使用される。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。このプラスミドは、SV40初期プロモータの制御下でマウスDHFR遺伝子を含有する。これらのプラスミドでトランスフェクトされる、ジヒドロ葉酸活性を欠くチャイニーズハムスター卵巣細胞又は他の細胞は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択的培地(例えば、α−MEM、Life Technologies,Gaithersburg,MD)中で細胞を成長させることによって選択することができる。メトトレキサート(MTX)に耐性の細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、十分に文書化されている(例えば、F.W.Alt,et al.,J.Biol.Chem.253:1357−1370(1978)、J.L.Hamlin and CMa,Biochem.et Biophys.Acta1097:107−143(1990)及びM.J.Page and M.A.Sydenham,Biotechnology9:64−68(1991)を参照のこと)。増大したMTX濃度において成長した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素であるDHFRの過剰生成により、薬物に対する耐性を発達させる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子に連結されている場合、通常、共増幅され、過剰発現される。このアプローチを使用して、増幅遺伝子(複数可)の1,000を超えるコピーを有する細胞株を開発することができることが、当該技術分野において知られている。続いて、メトトレキサートを回収する際、宿主細胞の1つ以上の染色体(複数可)に組み込まれた増幅遺伝子を含有する細胞株が得られる。
プラスミドpC4は、目的の遺伝子を発現するために、ラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)の強いプロモータ(Cullen,et al.,Molec.Cell.Biol.5:438−447(1985))に加え、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)の即初期遺伝子のエンハンサ(Boshart,et al.,Cell41:521−530(1985))から単離された断片を含有する。プロモータの下流は、遺伝子の組み込みを可能にするBamHI、XbaI及びAsp718制限酵素切断部位である。これらのクローニング部位の後に、プラスミドは、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン及びポリアデニル化部位を含有する。他の高効率のプロモータ、例えば、ヒトβアクチンプロモータ、SV40初期若しくは後期プロモータ、又は他のレトロウイルス、例えばHIV及びHTLVIからの長末端反復も発現のために使用することができる。ClontechのTet−Off及びTet−On遺伝子発現系、並びに類似の系を使用して、哺乳類細胞において調節された方法で、TNFを発現させることができる(M.Gossen,and H.Bujard,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:5547−5551(1992))。mRNAのポリアデニル化のために、例えば、ヒト成長ホルモン又はグロビン遺伝子からの他のシグナルも使用することができる。染色体に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定した細胞株は、gpt、G418又はハイグロマイシンなどの選択マーカーとの共トランスフェクションの際に選択することもできる。最初に1つを超える選択マーカー、例えばG418、に加えてメトトレキサートを使用するのが有利である。
このプラスミドpC4を制限酵素で消化した後に、当該技術分野において既知の手順により、子ウシ腸ホスファターゼを使用して脱リン酸化する。次に、ベクターは1%アガロースゲルから単離される。
次に、単離された可変及び定常領域コードDNA及び脱リン酸化ベクターをT4DNAリガーゼでライゲートする。次に、大腸菌HB101又はXL−1Blue細胞を形質転換し、例えば、制限酵素分析を使用して、プラスミドpC4に挿入された断片を含有する細菌を特定する。
トランスフェクションには、活性DHFR遺伝子が欠損しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が使用される。5μgの発現プラスミドpC4は、リポフェクチンを使用して、0.5μgのプラスミドpSV2−neoで共トランスフェクトされる。プラスミドpSV2−neoは、優性の選択マーカーである、G418を含む一群の抗生物質に対して耐性を付与する酵素をコード化するTn5からのneo遺伝子を含有する。1μg/mlのG418で補充したαーMEMに細胞を播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、ハイブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)中の、10、25又は50ng/mlのメトトレキサート+1μg/mlのG418で補充したαーMEMに播種する。約10〜14日後、単一クローンをトリプシン処理した後、異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用して、6ウェルペトリ皿又は10mLフラスコに播種する。次に、最高濃度のメトトレキサートで成長させているクローンを、更に高い濃度のメトトレキサート(1mM、2mM、5mM、10mM、20mM)を含む新しい6ウェルプレートに移す。100〜200mMの濃度で成長するクローンが得られるまで同じ手順を繰り返す。所望の遺伝子生成物の発現は、例えば、SDS−PAGE及びウエスタンブロットによって、又は逆相HPLC分析によって分析される。
実施例2:トランスジェニックマウスを使用する、ヒトTNFと反応する高親和性ヒトIgGモノクローナル抗体の生成。
要約。ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子を含有するトランスジェニックマウスを使用して、1つ以上のTNF媒介性疾患の処置のための、TNF作用を阻害するために治療的に使用することができる高親和性の完全ヒトモノクローナル抗体を生成する。重鎖及び軽鎖両方のヒト可変及び定常領域抗体導入遺伝子を含有する(CBA/JxC57/BL6/J)Fハイブリッドマウスをヒト組換えTNFで免疫化する(Taylor et al.,Intl.Immunol.6:579−591(1993)、Lonberg,et al.,Nature368:856−859(1994)、Neuberger,M.,Nature Biotech.14:826(1996)、Fishwild,et al.,Nature Biotechnology14:845−851(1996))。いくつかの融合物が完全ヒトTNF反応性IgGモノクローナル抗体の1つ以上のパネルを生み出した。完全ヒト抗TNF抗体を更に特徴付けする。全てはIgG1κである。かかる抗体は、およそ1×10〜9×1012の親和性定数を有することが分かった。これらの完全ヒトモノクローナル抗体の予期せぬ高親和性により、それらはTNF関連疾患、病態、又は障害における治療用途のための好適な候補となる。
略語。BSA−ウシ血清アルブミン、Co−二酸化炭素、DMSO−ジメチルスルホキシド、EIA−酵素イムノアッセイ、FBS−ウシ胎児血清、H−過酸化水素、HRP−西洋わさびペルオキシダーゼ、ID−皮内(interadermal)、Ig−免疫グロブリン、TNF−組織壊死因子α、IP−腹腔内、IV−静脈内、Mab−モノクローナル抗体、OD−光学密度、OPD−oフェニレンジアミン二塩酸塩、PEG−ポリエチレングリコール、PSA−ペニシリン、ストレプトマイシン、アンホテリシン、RT−室温、SQ−皮下、v/v−単位容量あたりの容量、w/v−単位容量あたりの重量。
材料及び方法
動物。ヒト抗体を発現することができるトランスジェニックマウスは、当該技術分野において既知であり、(例えば、GenPharm International,San Jose,CA、Abgenix,Freemont,CA、及びその他)から市販されており、ヒト免疫グロブリンを発現するが、マウスIgM又はIgκを発現しない。例えば、かかるトランスジェニックマウスは、V(D)J結合、重鎖クラススイッチ及び体細胞突然変異を受けてヒト配列免疫グロブリンのレパートリーを生成する、ヒト配列導入遺伝子を含有する(Lonberg,et al.,Nature368:856−859(1994))。軽鎖導入遺伝子は、例えば、部分的に、生殖系列ヒトVκ領域のほぼ半分を含む酵母人工染色体クローンに由来し得る。加えて、重鎖導入遺伝子は、ヒトμ及びヒトγ1の両方(Fishwild,et al.,Nature Biotechnology14:845−851(1996))並びに/又はγ3定常領域をコード化することができる。適切な遺伝子型系統由来のマウスを免疫化及び融合プロセスにおいて使用して、TNFに対する完全ヒトモノクローナル抗体を生成することができる。
免疫化。1つ以上の免疫化スケジュールは、抗TNFヒトハイブリドーマを生成するために使用することができる。以下の例示的な免疫化プロトコル後に、最初のいくつかの融合を行うことができるが、他の類似の既知のプロトコルを使用することもできる。数匹の14〜20週齢の雌及び/又は外科的に去勢した雄のトランスジェニックマウスに対して、最終容量100〜400μl(例えば、200)で等量のTITERMAX又は完全フロイントアジュバントで乳化した1〜1000μgの組換えヒトTNFをIP又はIDに接種する。各マウスはまた、任意選択的に、2SQ部位の各々に100μLの生理学的生理食塩水中1〜10μgを受けることもできる。その後、マウスは、1〜7、5〜12、10〜18、17〜25及び/又は21〜34日後にIP(1〜400μg)及びSQ(1〜400μgx2)により等量のTITERMAX又は完全フロイントアジュバントで乳化したTNFで、免疫化され得る。抗凝固薬なしで12〜25及び25〜40日後に眼窩後穿刺によってマウスを出血させることができる。次に、血液を室温で1時間凝固させ、血清を回収し、既知の方法によりTNF EIAアッセイを使用して滴定する。反復注射が力価の増加を生じなければ、融合を行う。その際、マウスに、100μLの生理学的生理食塩水に希釈した1〜400μgのTNFの最終IVブースター注射を与えることができる。3日後、マウスを頸椎脱臼により安楽死させ、脾臓を無菌的に除去し、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン及び0.25μg/mLのアンホテリシンB(PSA)を含有する、10mLの冷リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中に浸漬することができる。PSA−PBSで脾臓を無菌灌流することにより、脾細胞を採取する。細胞を冷PSA−PBS中で1回洗浄し、トリパンブルー染料排除を使用して計数し、25mMへペスを含有するRPMI1640培地に再懸濁する。
細胞融合。既知の方法により、例えば、当該技術分野において既知である、1:1〜1:10のマウス骨髄腫細胞対生脾臓細胞比率で融合を行うことができる。非限定的な例として、脾臓細胞及び骨髄腫細胞は一緒にペレット化することができる。次に、30秒かけてペレットを37℃でゆっくり1mLの50%(w/v)PEG/PBS溶液(PEG分子量1,450、Sigma)に再懸濁することができる。次いで、1分かけて25mMへペスを含有する10.5mLのRPMI1640培地(37℃)をゆっくり添加することによって、融合を停止させることができる。融合細胞を5分間500〜1500rpmで遠心分離する。その後、細胞をHAT培地(25mMへペス、10%胎児クローンI血清(Hyclone)、1mMピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミン、10μg/mLのゲンタマイシン、2.5%Origen培養サプリメント(Fisher)、10%653調整RPMI1640/へペス培地、50μM2−メルカプトエタノール、100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、及び16μMチミジンを含有するRPMI1640培地)に再懸濁した後、15の96ウェル平底組織培養プレートに200μL/ウェルで平板培養する。次に、7〜10日間、5%CO及び95%空気を含有する加湿した37℃のインキュベータにプレートを配置する。
マウス血清におけるヒトIgG抗TNF抗体の検出。固相EIAを使用して、ヒトTNFに特異的なヒトIgG抗体についてマウス血清をスクリーニングすることができる。簡潔に、PBS中2μg/mLのTNFで一晩プレートをコーティングすることができる。0.02%(v/v)Tween20を含有する0.15M生理食塩水で洗浄した後、ウェルをPBS中1%(w/v)BSA、200μL/ウェルで、室温で1時間遮断することができる。プレートを直ちに使用するか、又は後に使用するために−20℃で凍結する。マウス血清希釈物を、50μL/ウェルでTNFコーティングしたプレート上で、室温で1時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSA−PBS中に1:30,000で希釈したFc特異的の50μL/ウェルHRP標識ヤギ抗ヒトIgGで、室温において1時間プローブする。プレートを再度洗浄することができ、100μL/ウェルのクエン酸塩−リン酸塩基質溶液(0.1Mクエン酸及び0.2Mリン酸ナトリウム、0.01%H及び1mg/mL OPD)を15分かけて室温で添加する。次に、25μL/ウェルで反応停止溶液(4N硫酸)を添加し、自動プレート分光光度計により490nmでODを読み取る。
ハイブリドーマ上清における完全ヒト免疫グロブリンの検出。好適なEIAを使用して、完全ヒト免疫グロブリンを分泌する成長陽性ハイブリドーマを検出することができる。簡潔に、96ウェルのポップアウトプレート(VWR、610744)を、4℃で一晩、炭酸ナトリウム緩衝剤中10μg/mLのヤギ抗ヒトIgG Fcでコーティングすることができる。プレートを洗浄し、37℃で1時間、1%BSA−PBSで遮断し、直ちに使用するか、又は−20℃で凍結する。未希釈ハイブリドーマ上清を、プレート上で、37℃において1時間インキュベートする。プレートを洗浄し、1%BSA−PBS中に1:10,000で希釈したHRP標識ヤギ抗ヒトκで、37℃において1時間プローブする。次に、上述のように、プレートを基質溶液と共にインキュベートする。
完全ヒト抗TNF反応性の決定。上記のハイブリドーマは、好適なRIA又は他のアッセイを使用してTNFに対する反応性について同時にアッセイすることができる。例えば、上記のように、上清をヤギ抗ヒトIgG Fcプレート上でインキュベートし、洗浄した後、室温で1時間、1ウェルあたり適切な計数で、放射線標識されたTNFを用いてプローブする。ウェルをPBSで2回洗浄し、好適な計数器を使用して、結合した放射線標識されたTNFを定量化する。
ヒトIgG1κ抗TNF分泌ハイブリドーマを細胞培養において拡張し、限定希釈により系列的にサブクローニングすることができる。結果として得られたクローン集団を拡張し、凍結培地(95%FBS、5%DMSO)中で凍結保存し、液体窒素中で保管する。
アイソタイプ。抗体のアイソタイプの決定は、特定の滴定に対するマウス免疫血清をスクリーニングするために使用されたものと類似の形式のEIAを使用して達成することができる。上述のように96ウェルプレート上にTNFをコーティングすることができ、2μg/mLの精製された抗体を、室温で1時間プレート上でインキュベートすることができる。プレートを洗浄し、1%BSA−PBS中に1:4000で希釈したHRP標識ヤギ抗ヒトIgG又はHRP標識ヤギ抗ヒトIgGで、室温で1時間プローブする。プレートを再度洗浄し、上述のように基質溶液と共にインキュベートする。
ヒトTNFによるヒト抗ヒトTNF抗体の結合動態。抗体の結合特徴は、例えば、TNF捕捉EIA及びBIAcore技術を使用して好適に評価することができる。精製されたヒトTNF抗体の段階的濃度は、上述のように、アッセイにおいて、2μg/mLのTNFでコーティングされたEIAプレートへの結合について評価することができる。その後、相対結合効率を示す片対数プロットとしてODを表すことができる。
定量的結合定数は、例えば、以下のように、又は任意の他の既知の好適な方法によって得ることができる。BIAcore CM−5(カルボキシメチル)チップをBIAcore2000ユニットに配置する。HBS緩衝剤(0.01M HEPES、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005% v/v P20界面活性剤、pH7.4)を、安定したベースラインが得られるまで、5μl/分でチップのフローセル上に流す。200μLの水中15mgのEDC(N−エチル−N’−(3−ジメチル−アミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)の溶液(100μL)を、200μLの水中2.3mgのNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド)の100μLの溶液に添加する。結果として得られた溶液の40μLをチップ上に注入する。6μLのヒトTNFの溶液(10mM酢酸ナトリウム中15μg/mL、pH4.8)をチップ上に注入し、約500RUの増加をもたらす。緩衝剤をTBS/Ca/Mg/BSA泳動緩衝剤(20mMトリス、0.15M塩化ナトリウム、2mM塩化カルシウム、2mM酢酸マグネシウム、0.5%トリトンX−100、25μg/mL BSA、pH7.4)に変更し、一晩チップ上に流してそれを平衡化し、全ての未反応のコハク酸エステルを加水分解又はキャップする。
33.33、16.67、8.33、及び4.17nMで泳動緩衝剤中に抗体を溶解する。流量を30μL/分に調整し、器具の温度を25℃に調整する。1つはTNFが固定化され(試料)、2つ目は非誘導化フローセル(ブランク)である、2つのフローセルを動態実行に使用する。各抗体濃度を120μL、フローセル上に30μL/分で注入し(会合相)、続いて360秒間連続して緩衝剤を流す(解離相)。各30μLの2Mチオシアン酸グアニジンを2回順次注入することにより、チップの表面を再生する(組織壊死因子α/抗体複合体の解離)。
データの分析は、当該技術分野において既知であるBIA評価3.0又はCLAMP2.0を使用して行われる。各抗体濃度について、ブランクセンソグラムを試料センソグラムから減ずる。解離(k,sec−1)及び会合(k,mol−1sec−1)の両方についてグローバルフィットを行い、解離定数(K,mol)を算出する(k/k)。抗体親和性が十分に高いため、捕捉された抗体のRUが100超である場合、抗体の追加希釈が実行される。
結果と考察
抗ヒトTNFモノクローナル抗体の生成。いくつかの融合を行い、ヒトTNFに特異的な数十の抗体を生み出す各融合物を15のプレート(1440ウェル/融合物)に播種する。これらのうち、いくつかは、ヒト及びマウスIg鎖の組み合わせからなることがわ分かる。残りのハイブリドーマは、ヒト重鎖及び軽鎖のみからなる抗TNF抗体を分泌(secret)する。ヒトハイブリドーマの全てがIgG1κであることが予想される。
ヒト抗ヒトTNF抗体の結合動態。ELISA分析は、これらのハイブリドーマのほとんど又は全てからの精製された抗体が、濃度依存的にTNFに結合することを確認する。図1〜2は、これらの抗体の相対的結合効率の結果を示す。この場合、抗体のその同族抗原(エピトープ)に対する結合活性度を測定する。TNFを直接EIAプレートに結合すると、タンパク質の変性を引き起こし得、見かけ上の結合親和性は、未変性タンパク質への結合を反映することができないことに留意するべきである。50パーセントの結合が広範な濃度にわたって見られる。
定量的結合定数はヒト抗体のBIAcore分析を使用して得られ、ヒトモノクローナル抗体のいくつかが1×10−9〜7×10−12の範囲のKを有して非常に高い親和性であることを明らかにする。
結論。
いくつかの融合は、ヒトTNFで免疫化されるヒト可変及び定常領域抗体導入遺伝子を含有するハイブリッドマウスからの脾細胞を利用して行われる。IgG1κアイソタイプのいくつかの完全ヒトTNF反応性IgGモノクローナル抗体のセットを生成する。完全ヒト抗TNF抗体を更に特徴付けする。生成された抗体のうちのいくつかは、1×10〜9×1012の親和性定数を有する。これらの完全ヒトモノクローナル抗体の予期せぬ高親和性により、それらは、TNF依存疾患、病態又は関連状態における治療用途に好適なものとなる。
実施例3:ヒトTNFαに反応性のヒトIgGモノクローナル抗体の生成。
要約。重鎖及び軽鎖両方のヒト可変及び定常領域抗体導入遺伝子を含有する(CBA/JxC57BL/6J)Fハイブリッドマウス(1〜4)を組換えヒトTNFαで免疫化した。GenTNVと命名された1つの融合が、固定化された組換えヒトTNFαに結合する完全ヒトIgG1κモノクローナル抗体を8つ生み出した。特定直後、8つの細胞株は、更に特徴付けするためにMolecular Biologyに譲渡された。これらMabは配列が完全にヒトであるため、それらはヒトにおけるcA2(Remicade)よりも免疫原性が低いと予想される。
略語。BSA−ウシ血清アルブミン、Co−二酸化炭素、DMSO−ジメチルスルホキシド、EIA−酵素イムノアッセイ、FBS−ウシ胎児血清、H−過酸化水素、HC−重鎖、HRP−西洋わさびペルオキシダーゼ、ID−皮内(interadermal)、Ig−免疫グロブリン、TNF−組織壊死因子α、IP−腹腔内、IV−静脈内、Mab−モノクローナル抗体、OD−光学密度、OPD−oフェニレンジアミン二塩酸塩、PEG−ポリエチレングリコール、PSA−ペニシリン、ストレプトマイシン、アンホテリシン、RT−室温、SQ−皮下、TNFα−腫瘍壊死因子α、v/v−単位容量あたりの容量、w/v−単位容量あたりの重量。
序論。ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子を含有するトランスジェニックマウスを利用して、組換えヒトTNFαに特異的な完全ヒトモノクローナル抗体を生成した。cA2(Remicade)は、血清半減期が増加し、免疫原性に関する副作用が減少する利益を有して、TNFα媒介性疾患に関与する炎症性プロセスを治療的に阻害するために使用されるため、これらの固有の抗体を使用することができると期待される。
材料及び方法。
動物ヒト免疫グロブリンを発現するが、マウスIgM又はIgκを発現しないトランスジェニックマウスは、GenPharm Internationalにより開発されてきた。これらのマウスは、V(D)J結合、重鎖クラススイッチ、及び体細胞突然変異を受けて抗原特異的ヒト免疫グロブリン(1)のレパートリーを生成する、機能性ヒト抗体導入遺伝子を含有する。軽鎖導入遺伝子は、部分的に、生殖系列ヒトVκ遺伝子座のほぼ半分を含む酵母人工染色体クローンに由来する。いくつかのVH遺伝子に加えて、重鎖(HC)導入遺伝子は、ヒトμ及びヒトγ1(2)、並びに/又はγ3定常領域の両方をコード化する。本明細書に記載されるモノクローナル抗体を生成するための免疫化及び融合プロセスにおいて、HCo12/KCo5遺伝子型系統由来のマウスを使用した。
ヒトTNFαの精製。セファロース4B(Pharmacia)に連結されたTNFα受容体−Fc融合タンパク質(p55−sf2)(5)を充填したカラムを使用して、アフィニティクロマトグラフィにより、ヒトTNFαを、C237A細胞からの組織培養上清から精製した。細胞上清を、その容量の9分の1の10xDulbeccoのPBS(D−PBS)と混合し、4mL/分で4℃においてカラムを通過させた。次に、PBSでカラムを洗浄し、0.1Mクエン酸ナトリウム、pH3.5でTNFαを溶出し、2MトリスHCl、pH8.5で中和した。精製されたTNFαは、10mMトリス、0.12M塩化ナトリウム、pH7.5に緩衝剤交換され、0.2umのシリンジフィルタを通して濾過された。
免疫化。約16週齢の雌のGenPharmマウスを、0、12及び28日目に等量のTitermaxアジュバントで乳化した合計100μgのTNFα(ロットJG102298又はJG102098)で、IP(200μL)及びID(尾の付け根にて100μL)により免疫化した。抗凝固薬なしで21及び35日目に眼窩後方穿刺によりマウスを出血させた。血液を室温で1時間凝固させ、血清を回収し、TNFα固相EIAアッセイを使用して滴定した。28日目の注射後、マウスを7週間休ませた後に、GenTNVと命名された融合を行った。その後、TNFαに対して1:160の特定のヒトIgG力価を有するマウスに、100μLの生理学的生理食塩水で希釈した50μgのTNFαの最終IVブースター注射を与えた。3日後、マウスを頸椎脱臼により安楽死させ、脾臓を無菌的に除去し、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン及び0.25μg/mLのアンホテリシンB(PSA)を含有する、10mLの冷リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中に浸漬した。PSA−PBSで脾臓を無菌灌流することにより、脾細胞を採取した。細胞を冷PSA−PBS中で1回洗浄し、Coulter計数器を使用して計数し、25mMへペスを含有するRPMI1640培地に再懸濁した。
細胞株。Cell Biology Services(CBS)グループは、97年5月14日に、Centocor’s Product Developmentグループから非分泌マウス骨髄腫融合パートナー653を受け取った。細胞株を、10%(v/v)FBS(Cell Culture Labs)、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM NEAA、2mM L−グルタミン(全てJRH Biosciencesから)で補充したRPMI培地(JRH Biosciences)中で拡張し、95%FBS及び5%DMSO(Sigma)中で凍結保存した後、CBSの蒸気相液体窒素冷凍庫に保管した。細胞バンクは無菌であり(Quality Control Centocor,Malvern)、マイコプラズマ(Bionique Laboratories)がなかった。細胞は融合まで対数増殖期培養物内で維持された。融合前に、それらをPBS中で洗浄し、計数し、トリパンブルー染料排除により生存率を決定した(95%超)。
ヒトTNFαは、組換え細胞株により生成され、C237Aと命名され、CentocorのMolecular Biologyで生成された。細胞株を、5%(v/v)FBS(Cell Culture Labs)、2mM L−グルタミン(全てJRH Biosciencesから)及び0.5:g/mLのマイコフェノール酸で補充したIMDM培地(JRH Biosciences)中で拡張し、95%FBS及び5%DMSO(Sigma)中で凍結保存した後、CBS(13)の蒸気相液体窒素冷凍庫に保管した。細胞バンクは無菌であり(Quality Control Centocor,Malvern)、マイコプラズマ(Bionique Laboratories)がなかった。
細胞融合。細胞融合は、1:1の比率の653マウス骨髄腫細胞及びマウス生脾臓細胞を使用して行った。簡潔に、脾臓細胞及び骨髄腫細胞を一緒にペレット化した。30秒間かけてペレットを37℃でゆっくり1mLの50%(w/v)PEG/PBS溶液(PEG分子量1,450g/モル、Sigma)に再懸濁した。1分かけて10.5mLのRPMI培地(添加剤なし)(JRH)(37℃)をゆっくり添加することにより、融合を停止させた。融合細胞を5分間750rpmで遠心分離した。次いで、細胞をHAT培地(10%ウシ胎児血清(JRH)、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L−グルタミン、10μg/mLゲンタマイシン、2.5%Origen培養サプリメント(Fisher)、50μM2−メルカプトエタノール、1%653調整RPMI培地、100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、及び16μMチミジンを含有するRPMI/HEPES培地)に再懸濁した後、5つの96ウェル平底組織培養プレートにおいて200μL/ウェルで平板培養した。次に、7〜10日間、5%CO及び95%空気を含有する加湿した37℃のインキュベータにプレートを配置した。
マウス血清におけるヒトIgG抗TNFα抗体の検出。固相EIAを使用して、ヒトTNFαに特異的なヒトIgG抗体についてマウス血清をスクリーニングした。簡潔に、PBS中1μg/mLのTNFαで一晩プレートをコーティングした。0.02%(v/v)Tween20を含有する0.15M生理食塩水で洗浄した後、ウェルをPBS中1%(w/v)BSA、200μL/ウェルで、室温で1時間遮断した。プレートは、直ちに使用するか、又は後に使用するために−20℃で凍結されるかのいずれかであった。マウス血清を、50μL/ウェルで、室温で1時間、2倍階段希釈法で、ヒトTNFαコーティングされたプレート上でインキュベートした。プレートを洗浄した後、1%BSA−PBS中に1:30,000で希釈したFc特異的(Accurate)の50μL/ウェルのHRP標識ヤギ抗ヒトIgGで、室温において1時間プローブした。プレートを再度洗浄し、100μL/ウェルのクエン酸塩−リン酸塩基質溶液(0.1Mクエン酸及び0.2Mリン酸ナトリウム、0.01%H及び1mg/mL OPD)を15分かけて室温で添加した。次いで、25μL/ウェルで反応停止溶液(4N硫酸)を添加し、自動プレート分光光度計を使用して490nmでODを読み取った。
ハイブリドーマ上清における完全ヒト免疫グロブリンの検出。GenPharmマウスは、マウス及びヒト免疫グロブリン鎖の両方を生成することができるため、2つの別個のEIAアッセイを使用して、ヒト軽鎖及びヒト重鎖の両方の存在について成長陽性ハイブリドーマクローンを試験した。プレートを上述のようにコーティングし、未希釈のハイブリドーマ上清を37℃で1時間、プレート上でインキュベートした。プレートを洗浄し、37℃で1時間、1%BSA−HBSS中で1:10,000に希釈したHRP抱合ヤギ抗ヒトκ(Southern Biotech)抗体、又は1%BSA−HBSS中で1:30,000に希釈したHRP抱合ヤギ抗ヒトIgG Fc特異的抗体のいずれかでプローブした。次に、上述のように、プレートを基質溶液とともにインキュベートした。抗ヒトκ及び抗ヒトIgG Fc EIA形式の両方で陽性シグナルをもたらさなかったハイブリドーマクローンは廃棄された。
アイソタイプ。抗体のアイソタイプの決定は、特定の滴定に対するマウス免疫血清をスクリーニングするために使用されたものと類似の形式のEIAを使用して達成した。4ΕCで一晩、炭酸ナトリウム緩衝剤中10:g/mLのヤギ抗ヒトIgG(H+L)でEIAプレートをコーティングし、上記のように遮断した。24ウェル培養物からの純粋な上清を、室温で1時間、プレート上でインキュベートした。プレートを洗浄し、1%BSA−PBS中に1:4000で希釈したHRP標識ヤギ抗ヒトIgG、IgG、IgG又はIgG(Binding Site)で、室温で1時間プローブした。プレートを再度洗浄し、上述のように基質溶液とともにインキュベートした。
結果及び考察。完全ヒト抗ヒトTNFαモノクローナル抗体の生成。組換えヒトTNFαタンパク質で免疫化されたGenPharmマウスから、GenTNVと命名された融合を1回行った。この融合から、196の成長陽性ハイブリッドがスクリーニングされた。ヒトTNFαと反応性の完全ヒトIgG抗体を分泌した8つのハイブリドーマ細胞株を特定した。これらの8つの細胞株はそれぞれ、ヒトIgG1κアイソタイプの免疫グロブリンを分泌し、限界希釈により全てを2回サブクローニングして、安定した細胞株を得た(90%超均質)。細胞株名及びそれぞれのCコード表記を表1に列挙する。細胞株の各々は、液体窒素中に保管された12−バイアル研究細胞バンクにおいて凍結された。
8つの細胞株のそれぞれの24ウェル培養皿のウェルから回収した親細胞は、トランスフェクション及び更なる特徴付けのために、1999年2月18日にMolecular Biologyグループに引き渡された。
Figure 2020506916
結論。
GenTNV融合は、Centocorで調製された組換えヒトTNFαで免疫化されたヒト可変及び定常領域抗体導入遺伝子を含有するハイブリッドマウスからの脾細胞を利用して行われた。IgG1κアイソタイプの8つの完全ヒトTNFα反応性IgGモノクローナル抗体を生成した。更なる特徴付け及び開発のために、親細胞株をMolecular Biologyグループに移した。これらの新しいヒト抗体のうちの1つは、Remicadeと比較して、免疫原性及びアレルギー型合併症が減少する潜在的な利益を有して、抗炎症に有用である可能性がある。
参考文献
Taylor,et al.,International Immunology 6:579−591(1993)。
Lonberg,et al.,Nature 368:856−859(1994)。
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Fishwild,et al.,Nature Biotechnology 14:845−851(1996)。
Scallon,et al.,Cytokine 7:759−770(1995)。
実施例4:ヒト抗TNFα抗体を発現する細胞株のクローニング及び調製。
要約。TNV表記の8つのヒトモノクローナル抗体(mAb)のパネルは、明らかに高結合活性で固定化されたヒトTNFαに結合することが認められた。8つのmAbのうちの7つは、組換えTNF受容体へのヒトTNFαの結合を効率的に遮断することを示した。7つのmAbをコード化するDNAの配列分析は、全てのmAbがヒトV領域を有していることを確認した。DNA配列は、3対のmAbが互いに同一であり、そのため8つのmAbの元のパネルがTNV14、TNV15、TNV148、及びTNV196で表される4つの別個のmAbのみを含有していることも明らかにした。mAbの推定アミノ酸配列の分析及びインビトロTNFα中和データの結果に基づいて、mAb TNV148及びTNV14を更なる研究のために選択した。
TNV148重鎖の位置75(フレームワーク3)のプロリン残基がデータベース検索中同じサブグループの他のヒト抗体のその位置に見られなかったため、それを既知の生殖系列フレームワークe配列と一致させるために、部位特異的DNA突然変異誘発を行って、その位置にセリン残基をコード化した。セリン修飾mAbはTNV148Bと表記された。TNV148B及びTNV14の重鎖及び軽鎖可変領域をコード化するPCR増幅DNAを、別のヒトmAb(12B75)の最近クローニングされた重鎖及び軽鎖遺伝子に基づいた(国際公開第02/12500号として公開された、IL−12Antibodies,Compositions,Methods and Usesと題される、2000年10月7日出願の米国特許出願第60/236,827号、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、新しく調製した発現ベクター内にクローニングした。
P3X63Ag8.653(653)細胞又はSp2/0−Ag14(Sp2/0)マウス骨髄腫細胞を、それぞれの重鎖及び軽鎖発現プラスミドでトランスフェクトし、高レベルの組換えTNV148B及びTNV14(rTNV148B及びrTNV14)mAbを生成する細胞株について2回のサブクローニングによりスクリーニングした。経時的なmAb生成の成長曲線及び安定性の評価は、653トランスフェクタントクローンC466D及びC466Cが使用済培養物において安定して約125:g/mlのrTNV148B mAbを生成し、一方Sp2/0トランスフェクタント1.73−12−122(C467A)が使用済培養物において安定して約25:g/mlのrTNV148B mAbを生成したことを示した。同様の分析が、Sp2/0トランスフェクタントクローンC476Aが使用済培養物において18:g/mlのrTNV14を生成したことを示した。
序論。ヒトTNFα免疫化GenPharm/Medarexマウス(HCo12/KCo5遺伝子型)由来の8つのmAbのパネルは、ヒトTNFαに結合しかつ完全ヒトIgG1κアイソタイプを有することを前に示した。単純な結合アッセイを使用して、TNFαが組換えTNF受容体に結合するのを遮断する能力を評価することにより、本発明の例示的なmAbがTNFα中和活性を有する可能性があるかどうかを決定した。これらの結果、DNA配列結果、及びmAbのいくつかのインビトロ特徴付けに基づいて、更に特徴付けされるmAbとしてTNV148が選択された。
TNV148mAbをコード化するDNA配列をクローニングし、好適な定常領域をコード化する遺伝子発現ベクター内に合うように修飾し、十分に特徴付けされた653及びSp2/0マウス骨髄腫細胞内に導入し、結果として得られたトランスフェクトされた細胞株を、元のハイブリドーマ細胞株の40倍のmAbを生成するサブクローンが特定されるまでスクリーニングした。
材料及び方法。
試薬及び細胞。TRIZOL試薬はGibco BRLから購入した。プロテイナーゼKはSigma Chemical Companyから得た。逆転写酵素はLife Sciences,Inc.から得た。Taq DNAポリメラーゼはPerkin Elmer Cetus又はGibco BRLのいずれかから得た。制限酵素はNew England Biolabsから購入した。QIA quick PCR Purification KitはQiagenから得た。QuikChange Site−Directed Mutagenesis KitはStratageneから購入した。Wizardプラスミドミニプレップキット及びRNasinはPromegaからであった。OptiplatesはPackardから得た。125IodineはAmershamから購入した。カスタムオリゴヌクレオチドはKeystone/Biosource Internationalから購入した。この作業で使用したオリゴヌクレオチドの名称、識別番号、及び配列を表2に示す。
表2.TNV mAb遺伝子をクローニング、工学処理、又は配列決定するために使用されたオリゴヌクレオチド
オリゴヌクレオチド5’14s及びHuH−J6によりコード化されるアミノ酸を配列の上に示す。「M」アミノ酸残基は翻訳開始コドンを表す。オリゴヌクレオチド5’14s及びHuH−J6の下線付き配列は、それぞれ、BsiWI及びBstBI制限部位を示す。HuH−J6の斜線はエクソン/イントロン境界に対応する。配列がマイナス鎖に対応するオリゴヌクレオチドは、3’−5’配向で書かれていることに留意する。
Figure 2020506916
653マウス骨髄腫細胞の凍結バイアルを1つ得た。バイアルをその日に解凍し、Tフラスコ中のIMDM、5%FBS、及び2mMグルタミン(培地)中で拡張させた。これらの細胞は、本明細書に記載される抗TNF DNAで2〜3週間後にトランスフェクトされるまで、連続培養において維持された。解凍した5日後に培養物のいくつかを採取し、遠心分離によりペレット化し、95%FBS、5%DMSOに再懸濁し、30のバイアルに等分し、凍結し、後に使用するために保管した。同様に、Sp2/0マウス骨髄腫細胞の凍結バイアルを1つ得た。バイアルを解凍し、上述のように新しい凍結物(freeze-down)を調製し、凍結バイアルをCBCの冷凍庫ボックスAA及びAB内で保管した。これらの細胞を解凍し、本明細書に記載される全てのSp2/0トランスフェクションに使用した。
受容体へのTNFの結合の阻害のためのアッセイ。TNV mAbを含有するハイブリドーマ細胞上清を使用して、mAbが組換えTNF受容体融合タンパク質p55−sf2への125I標識TNFαの結合を遮断する能力についてアッセイした(Scallon et al.(1995)Cytokine7:759−770)。37℃で1時間インキュベートする間に、PBS中0.5:g/mLで50:lのp55−sf2をOptiplateに添加してウェルをコーティングした。PBS/0.1%BSAを希釈剤として使用して、8つのTNV細胞上清の系列希釈を、96ウェル丸底プレートにおいて調製した。抗IL−18mAbを含有する細胞上清が陰性対照として含まれ、cA2(抗TNFキメラ抗体、Remicade、米国特許第5,770,198号、参照により全体が本明細書に組み込まれる)でスパイクされた同じ抗IL−18上清が陽性対照として含まれた。最終TNFα濃度が5ng/mlとなるように、125I標識TNFα(58:Ci/:g,D.Shealy)を100:lの細胞上清に添加した。混合物を室温で1時間プレインキュベートした。コーティングされたOptiplatesを洗浄して未結合のp55−sf2を除去し、50:lの125I−TNFα/細胞上清混合物をOptiplatesに移した。室温で2時間後、PBS−Tweenで3回、Optiplatesを洗浄した。100:lのMicroscint−20を添加し、TopCount γ計数器を使用して結合したcpmを決定した。
V遺伝子の増幅及びDNA配列分析。RNAの調製のために、ハイブリドーマ細胞をPBSで1回洗浄した後にTRIZOL試薬を添加した。7×10〜1.7×10の細胞を1mlのTRIZOLに再懸濁した。200μlのクロロホルムの添加後に管を激しく振った。試料を4℃で10分間遠心分離した。水相を新しいmicrofuge管に移し、等量のイソプロパノールを添加した。管を激しく振り、室温で10分間インキュベートした。次に、試料を4℃で10分間遠心分離した。ペレットを1mlの70%エタノールで1回洗浄し、真空乾燥機で短時間乾燥させた。RNAペレットを40μlのDEPC処理水で再懸濁した。RNA調製物の品質は、1%アガロースゲル中で0.5μlを分画することによって決定された。使用するまで、RNAを−80℃の冷凍庫に保管した。
重鎖及び軽鎖のcDNAを調製するために、11.5μlの容量に3μlのRNA及び1μgのオリゴヌクレオチド119(重鎖)又はオリゴヌクレオチド117(軽鎖)のいずれか(表1を参照のこと)を含む混合物を調製した。この混合物を水浴中で70℃で10分間インキュベートした後、氷上で10分間冷却した。2.5μlの10×逆転写酵素緩衝剤、10μlの2.5mM dNTP、1μlの逆転写酵素(20単位)、及び0.4μlのリボヌクレアーゼ阻害剤RNasin(1単位)から構成される別個の混合物を調製した。13.5μlのこの混合物を、11.5μlの冷RNA/オリゴヌクレオチド混合物に添加し、反応物を42℃で40分間インキュベートした。その後、使用するまでcDNA合成反応物を−20℃の冷凍庫に保管した。
未精製の重鎖及び軽鎖のcDNAをテンプレートとして使用して、可変領域コード配列をPCR増幅した。重鎖DNAの増幅をプライムする能力について、5つのオリゴヌクレオチド対(366/354、367/354、368/354、369/354、及び370/354、表1)を同時に試験した。軽鎖DNAの増幅をプライムする能力について、2つのオリゴヌクレオチド対(362/208及び363/208)を同時に試験した。総容量50μlにおいて2単位のPLATINUM(商標)高忠実度(HIFI)Taq DNAポリメラーゼを使用して、PCR反応を行った。各反応物は、2μlのcDNA反応物、10ピコモルの各オリゴヌクレオチド、0.2mMのdNTP、5μlの10XHIFI緩衝剤、及び2mMの硫酸マグネシウムを含んでいた。熱サイクラープログラムは、95℃で5分間、続いて(94℃で30秒間、62℃で30秒間、68℃で1.5分間)を30サイクルであった。その後、68℃で10分間の最終インキュベーションが行われた。
直接DNA配列決定のためのPCR生成物を調製するために、製造業者のプロトコルに従い、QIAquick(商標)PCR Purification Kitを使用してそれらを精製した。50μlの減菌水を使用してスピンカラムからDNAを溶出させた後、真空乾燥機を使用して10μlの容量まで乾燥させた。次に、総容量20μlの、1μlの精製されたPCR生成物、10μMオリゴヌクレオチドプライマー、4μlのBigDye Terminator(商標)ready reaction mix、及び14μlの減菌水でDNA配列決定反応物を設定した。オリゴヌクレオチド対367/354で作製された重鎖PCR生成物は、オリゴヌクレオチドプライマー159及び360を用いて配列決定された。オリゴヌクレオチド対363/208で作製された軽鎖PCR生成物は、オリゴヌクレオチド34及び163を用いて配列決定された。配列決定の熱サイクラープログラムは、25サイクルの(96℃で30秒間、50℃で15秒間、60℃で4分間)、続いて4℃で一晩であった。反応生成物は、ポリアクリルアミドゲルを介して分画され、ABI377DNAシーケンサを使用して検出された。
アミノ酸を変更するための部位特異的変異誘発。TNV148mAbにおいてPro75をセリン残基に置き換えるために、TNV148重鎖可変領域DNA配列の単一ヌクレオチドを変更した。相補的オリゴヌクレオチド399及び400(表1)を設計し、製造業者により説明されるように、QuikChange(商標)部位特異的突然変異誘発法を使用して、この変更を起こさせた。15%ポリアクリルアミドゲルにより2つのオリゴヌクレオチドを最初に分画し、主要バンドを精製した。10ng又は50ngのいずれかのTNV148重鎖プラスミドテンプレート(p1753)、5μlの10X反応緩衝剤、1μlのdNTPミックス、125ngのプライマー399、125ngのプライマー400及び1μlのPfu DNAポリメラーゼを使用して、突然変異誘発反応物を調製した。減菌水を添加して、総容量を50μlにした。次に、95℃で30秒間、その後、95℃で30秒間、55℃で1分間、64℃で1分間、そして68℃で7分間のサイクルを14回繰り返し、続いて30℃で2分間(1サイクル)インキュベートするようにプログラムされた熱サイクラーにおいて、反応ミックスをインキュベートした。これらの反応物は、変異原性オリゴヌクレオチドを、他の点では同一の新しく合成されたプラスミドに組み込むように設計された。元のTNV148プラスミドを除去するために、元のメチル化プラスミドのみを切断する1μlのDpnIエンドヌクレアーゼを添加した後、試料を37℃で1時間インキュベートした。次に、1μlの反応物を使用して、標準的な熱ショック方法によりEpicurian Coli XL1−Blueスーパーコンピテント大腸菌を形質転換し、LB−アンピシリン寒天プレート上で平板培養した後に形質転換された細菌を特定した。製造業者により説明されるWizard(商標)キットを使用して、プラスミドミニプレップを調製した。Wizard(商標)カラムから試料を溶出した後、エタノールでプラスミドDNAを沈殿させてプラスミドDNAを更に精製し、その後20μlの減菌水に再懸濁した。次に、DNA配列分析を行って、所望の塩基変更を有するプラスミドクローンを特定し、他の塩基変更が不注意にTNV148コード配列内に導入されなかったことを確認した。セクション4.3に記載される同じパラメータを使用して、1μlのプラスミドを、3μlのBigDyeミックス、1μlのpUC19フォワードプライマー、及び10μlの減菌水で調製されたサイクル配列決定反応物に供した。
12B75遺伝子からの発現ベクターの構築。いくつかの組換えDNA工程を行って、前にクローニングされた12B75コード重鎖及び軽鎖遺伝子のゲノムコピーから、それぞれ、新しいヒトIgG1発現ベクター及び新しいヒトκ発現ベクターを調製した(これは、国際公開第02/12500号として公開された、IL−12Antibodies,Compositions,Methods and Usesと題される、2000年10月7日出願の米国特許出願第60/236,827号に開示され、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。最終ベクターは、任意の適切に設計されたPCR増幅可変領域で、既存の可変領域配列の簡単な一工程置換を可能にするように設計された。
プラスミドp1560の12B75重鎖遺伝子を修飾するために、プロモータ及び可変領域を含有する6.85kbのBamHI/HindIII断片をp1560からpUC19に移してp1743を作製した。p1560と比較してサイズがより小さいこのプラスミドは、製造業者のプロトコルに従い、翻訳開始部位のすぐ上流に固有のBsiWIクローニング部位を導入するための、QuikChange(商標)突然変異誘発の使用(オリゴヌクレオチドBsiWI−1及びBsiWI−2を使用する)を可能にした。結果として得られたプラスミドはp1747と呼ばれた。BstBI部位を可変領域の3’端に導入するために、5’オリゴヌクレオチドプライマーはSalI及びBstBI部位で設計された。このプライマーをpUCリバースプライマーとともに使用してp1747から2.75kbの断片を増幅した。次に、この断片を12B75可変領域の自然に生じるSalI部位及びHindIII部位にクローニングして戻し、それにより固有のBstB1部位を導入した。p1750と表記される結果として得られた中間ベクターは、BsiWI及びBstBI端を有する可変領域断片を受容することができた。定常領域も12B75遺伝子に由来する重鎖ベクターのバージョンを調製するために、p1750のBamHI−HindIIIインサートは、HindIII部位の下流にEcoRI部位を有するためにpBR322に移された。次に、結果として得られたプラスミドp1768を、HindIII及びEcoRIで消化し、p1560からpBCに大きなBamHI−BamHI断片をクローニングすることによって得られたサブクローンであるp1744からの5.7kbのHindIII EcoRI断片にライゲートした。次に、結果として得られたプラスミドp1784は、BsiWI及びBstBI端を有するTNV Ab cDNA断片のベクターとして使用された。追加の作業は、12B75遺伝子からのIgG1定常領域を含み、12B75重鎖J−Cイントロンをどの程度含有するかによって互いに異なる、発現ベクターp1788及びp1798を調製するために行われた。
プラスミドp1558の12B75軽鎖遺伝子を修飾するために、12B75プロモータ及び可変領域を含有する5.7kbのSalI/AflII断片を、p1558からプラスミドL28のXhoI/AflII部位に移した。この新しいプラスミドp1745は、突然変異誘発工程のためのより小さなテンプレートを提供した。オリゴヌクレオチド(C340salI及びC340sal2)を使用して、QuikChange(商標)突然変異誘発により、可変領域の5’端に固有のSalI制限部位を導入した。結果として得られた中間ベクターp1746は、可変領域断片がクローニングされ得る固有のSalI及びAflII制限部位を有していた。p1746にクローニングされた任意の可変領域断片は、軽鎖遺伝子の3’半分と結合されることが好ましいであろう。この目的のために使用され得る12B75軽鎖遺伝子の3’半分からの制限断片を調製するために、オリゴヌクレオチドBAHN−1及びBAHN−2を互いにアニールして、制限部位BsiW1、AflII、HindII、及びNotIを含有し、KpnI及びSacI部位にライゲートされ得る端部を含有する二本鎖リンカーを形成した。このリンカーをpBCのKpnI部位とSacI部位との間にクローニングして、プラスミドp1757を得た。p1558をAflIIで消化した後、HindIIIで部分的に消化することにより生成された、12B75軽鎖定常領域を含有する7.1kbの断片を、p1757のAflII部位とHindII部位との間にクローニングしてp1762を得た。この新しいプラスミドは、遺伝子の2つの半分をつなぐ、プロモータ及び可変領域を含有するBsiWI/AflII断片が移され得るBsiWI及びAflIIの固有の部位を含有していた。
発現プラスミドのcDNAクローニング及びアセンブリ。DNA端部を更に埋めるために、全てのRT−PCR反応物(上記を参照のこと)をKlenow酵素で処理した。重鎖PCR断片を制限酵素BsiWI及びBstBIで消化した後、プラスミドL28(12B75系中間ベクターp1750はまだ調製されていなかったため、L28を使用した)のBsiWI部位とBstBI部位との間にクローニングした。クローニングされたインサートのDNA配列分析は、結果として得られたコンストラクトが正しく、PCR増幅中に誤差が導入されなかったことを示した。これらのL28プラスミドコンストラクト(TNV14、TNV15、TNV148、TNV148B、及びTNV196)に割り当てられた識別番号を表3に示す。
TNV14、TNV148、及びTNV148B重鎖のBsiWI/BstBIインサートは、L28ベクターから新しく調製された中間ベクターp1750に移された。これらの中間プラスミドに割り当てられた識別番号を表2に示す。このクローニング工程及び後続の工程は、TNV15及びTNV196には行われなかった。次に、可変領域は、2つの異なるヒトIgG1発現ベクター内に移された。制限酵素EcoRI及びHindIIIを使用して、可変領域を、Centocorの以前使用されたIgG1ベクターp104内に移した。Gm(f+)アロタイプのIgG1をコード化する、結果として得られた発現プラスミドは、p1781(TNV14)、p1782(TNV148)、及びp1783(TNV148B)と表記された(表2を参照のこと)。可変領域はまた、12B75(GenPharm)遺伝子に由来するIgG1定常領域の上流にもクローニングされた。G1m(z)アロタイプのIgG1をコード化するこれらの発現プラスミドも表3に列記される。
表3.様々な重鎖及び軽鎖プラスミドのプラスミド識別番号。
L28ベクター又はpBCベクターは、初期のAb cDNAクローンを表す。これらのプラスミドのインサートは、中間プラスミドを作製するために不完全な12B75系ベクターに移された。1つの追加の移動工程により、線形化された後に細胞に導入されたか、又は細胞のトランスフェクション前にmAb遺伝子インサートを精製するために使用されたかのいずれかであった最終発現プラスミドがもたらされた。ND=実施せず。
Figure 2020506916
軽鎖PCR生成物を制限酵素SalI及びSacIIで消化した後、プラスミドpBCのSalI部位とSacII部位との間にクローニングした。1つのアミノ酸で異なる2つの異なる軽鎖バージョンは、p1748及びp1749と表記された(表2)。DNA配列分析により、これらのコンストラクトが正しい配列を有することが確認された。次に、p1748及びp1749のSalI/AflII断片を、中間ベクターp1746のSalI部位とAflII部位との間にクローニングして、それぞれp1755及びp1756を作製した。次に、軽鎖遺伝子のこれらの5’等分を、BsiWI/AflII断片をp1755及びp1756から新しく調製されたコンストラクトp1762に移すことにより遺伝子の3’等分に結合し、それぞれ最終発現プラスミドp1775及びp1776を作製した(表2)。
細胞のトランスフェクション、スクリーニング及びサブクローニング。合計15のマウス骨髄腫細胞のトランスフェクションを様々なTNV発現プラスミドで行った(結果及び考察セクションの表3を参照のこと)。これらのトランスフェクションは、(1)宿主細胞がSp2/0又は653であるか、(2)重鎖定常領域がCentocorの以前のIgG1ベクター又は12B75重鎖定常領域でコード化されたか、(3)mAbがTNV148B、TNV148、TNV14、又は新しいHC/LCの組み合わせであったか、(4)DNAが、線形化プラスミド又は精製されたAb遺伝子インサートであるかどうか、及び(5)重鎖遺伝子における完全なJ−Cイントロン配列が存在又は不在であるかどうかにより区別された。加えて、トランスフェクションのいくつかは、多数のクローンをスクリーニングすることができる可能性を増大させるために繰り返された。
Sp2/0細胞及び653細胞は各々、前に記載された標準条件下で(Knight DM et al.(1993)Molecular Immunology 30:1443−1453)、エレクトロポレーションにより重鎖及び軽鎖DNA(それぞれ8〜12:g)の混合物でトランスフェクトされた。トランスフェクション番号1、2、3、及び16に関して、トランスフェクション前に制限酵素で消化することにより、適切な発現プラスミドが線形化された。例えば、SalI及びNotI制限酵素は、それぞれTNV148B重鎖プラスミドp1783及び軽鎖プラスミドp1776を線形化するために使用された。残りのトランスフェクションに関して、BamHIで重鎖プラスミドを、そしてBsiWI及びNotIで軽鎖プラスミドを消化することにより、mAb遺伝子のみを含有するDNAインサートをプラスミドベクターから分離した。次に、アガロースゲル電気泳動及びQiex精製樹脂により、mAb遺伝子インサートを精製した。精製された遺伝子インサートでトランスフェクトされた細胞は、選択マーカー源として、3〜5:gのPstI線形化pSV2gptプラスミド(p13)で同時にトランスフェクトされた。エレクトロポレーション後に、96ウェル組織培養皿中のIMDM、15%FBS、2mMグルタミン中に細胞を播種し、5%COのインキュベータにおいて37℃でインキュベートした。2日後、等量のIMDM、5%FBS、2mMグルタミン、2X MHX選択物(1X MHX=0.5:g/mlのマイコフェノール酸、2.5:g/mlのヒポキサンチン、50:g/mlのキサンチン)を添加し、コロニーが形成される間、更に2〜3週間プレートをインキュベートした。
コロニーを有するウェルから回収された細胞上清を、記載されるようにELISAによりヒトIgGについてアッセイした。簡潔に言うと、ポリクローナルヤギ抗ヒトIgG Fc断片でコーティングされた96ウェルEIAプレート内で、様々な希釈の細胞上清をインキュベートした後、アルカリホスファターゼ抱合ヤギ抗ヒトIgG(H+L)及び適切な色基質を使用して結合ヒトIgGを検出した。細胞上清において測定された同じ精製されたmAbを標準として使用した標準曲線は、上清中のヒトIgGの定量化を可能にするために各EIAプレートに含まれた。最もヒトIgGを生成しているように見えたそれらのコロニー中の細胞を、使用済培養物における更なる生成判断のために24ウェルプレート内に継代し、生成が最も高い親クローンを特定した。
生成が最も高い親クローンをサブクローニングして、生成がより高いサブクローンを特定し、より均質な細胞株を調製した。96ウェル組織培養プレートに、IMDM、5%FBS、2mMグルタミン、1X MHXの、ウェルあたり1つの細胞又はウェルあたり4つの細胞を播種し、コロニーが現れるまで、12〜20日間、5%COインキュベータにおいて37℃でインキュベートした。ウェルあたり1つのコロニーを含有するウェルから細胞上清を回収し、上述のようにELISAにより分析した。選択したコロニーを24ウェルプレートに継代し、培養物を消耗させた後、それらの上清におけるヒトIgGレベルを定量化することにより、生成が最も高いサブクローンを特定した。このプロセスは、選択された初回のサブクローンを2回目のサブクローニングに供したときに繰り返された。2回目の最良のサブクローンを開発の細胞株として選択した。
細胞サブクローンの特徴付け。2回目の最良のサブクローンを選択し、成長曲線を行って、mAbの生成レベル及び細胞成長特徴を評価した。T75フラスコに、30mlのIMDM、5%FBS、2mMグルタミン、及び1X MHX(又は無血清培地)中1×10細胞/mlで播種した。300μlのアリコートを24時間間隔で取り出し、生細胞密度を測定した。生細胞数が1×10細胞/ml未満になるまで分析を継続した。回収された細胞上清のアリコートは、存在する抗体の濃度についてアッセイされた。標準としてrTNV148B又はrTNV14JG92399を使用して、ELISAアッセイを行った。ポリクローナルヤギ抗ヒトIgG FcでコーティングされたELISAプレート上で試料を1時間インキュベートし、結合mAbを、1:1000希釈のアルカリホスファターゼ抱合ヤギ抗ヒトIgG(H+L)で検出した。
様々な量のMHX選択物の存在下での成長速度を比較する目的のため、2つの細胞株について異なる成長曲線分析も行われた。細胞株C466A及びC466Bを、無MHX培地(IMDM、5%FBS、2mMグルタミン)に解凍し、更に2日間培養した。その後、両細胞培養物を、MHXなし、0.2X MHX、又は1X MHX(1X MHX=0.5:g/mlのマイコフェノール酸、2.5:g/mlのヒポキサンチン、50:g/mlのキサンチン)のいずれかを含有する3つの培養物に分けた。1日後、新しいT75フラスコに、1×10細胞/mlの開始密度で培養物を播種し、細胞を1週間、24時間間隔で計数した。mAb生成のためのアリコートは回収されなかった。SOP PD32.025に提供される式を使用して、これらの試料についての倍加時間を算出した。
経時的なmAb生成の安定性を評価するために、追加の研究が行われた。MHX選択物を有する、又は有さないのいずれかで、24ウェルプレート中のIMDM、5%FBS、2mMグルタミン中で培養物を成長させた。培養物がコンフルエントになったら、新しい培養物に分割し、その後、古い培養物は消耗させた。この時に、上清のアリコートを取り出し、4℃で保管した。55〜78日の期間にわたって、アリコートを取り出した。この期間の終了時に、上に概説するように、抗ヒトIgG Fc ELISAにより、存在する抗体の量について上清を試験した。
結果及び考察。
組換え受容体へのTNF結合の阻害。
ハイブリドーマ細胞上清に含有される8つのTNV mAbが、受容体へのTNFα結合を阻害することができるかどうかを決定するために、簡単な結合アッセイが行われた。ヒトIgGの標準ELISA分析により、それぞれの細胞上清におけるTNV mAbの濃度を最初に決定した。次に、組換えp55TNF受容体/IgG融合タンパク質p55−sf2をEIAプレート上にコーティングし、様々な量のTNV mAbの存在下で、125I標識TNFαをp55受容体に結合させた。図1に示すように、8つのTNV mAbのうちの1つ(TNV122)を除く全てが、p55受容体へのTNFαの結合を効率的に遮断した。実際、TNV mAbは、陰性対照ハイブリドーマ上清にスパイクされたcA2陽性対照mAbよりもTNFα結合を阻害するのにより有効であるように見えた。これらの結果は、TNV mAbが細胞系アッセイ及びインビボでTNFαの生物活性を遮断するであろう可能性が高く、したがって、追加の分析が必要であることを示すと解釈された。
DNA配列の分析。
RNAがヒトmAbをコード化することの確認。
受容体結合アッセイにおいてTNFα遮断活性を示した7つのTNV mAb(TNV14、TNV15、TNV32、TNV86、TNV118、TNV148、及びTNV196)を特徴付ける際の最初の工程として、これらのmAbを生成する7つのハイブリドーマ細胞株から全RNAを単離した。次に、各RNA試料を使用して、各mAbの完全なシグナル配列、完全な可変領域配列、及び定常領域配列の一部を含むヒト抗体重鎖又は軽鎖cDNAを調製した。次に、これらのcDNA生成物をPCR反応で増幅させ、最初に断片をクローニングすることなくPCR増幅DNAを直接配列決定した。配列決定した重鎖cDNAは、マウスに存在する5つのヒト生殖系列遺伝子のうちの1つであるDP−46と>90%同一であった(図2)。同様に、配列決定した軽鎖cDNAは、マウスに存在するヒト生殖系列遺伝子のうちの1つと100%又は98%のいずれかと同一であった(図3)。これらの配列結果は、cDNAに転写され配列決定されたRNA分子がヒト抗体重鎖及びヒト抗体軽鎖をコード化したことを確認した。可変領域がシグナル配列コード配列の5’端にマッピングされるオリゴヌクレオチドを使用してPCR増幅されたため、シグナル配列の最初の数個のアミノ酸は元のTNV翻訳生成物の実際の配列ではない可能性があるが、組換えTNV mAbの実際の配列を表すことに留意するべきである。
固有の中和mAb。
各mAbの重鎖及び軽鎖両方の可変領域全体のcDNA配列の分析は、TNV32がTNV15と同一であり、TNV118がTNV14と同一であり、TNV86がTNV148と同一であることを明らかにした。受容体結合アッセイの結果は、DNA配列分析と一致していた、即ち、TNV86及びTNV148の両方が、TNF結合の遮断においてTNV118及びTNV14の両方よりも約4倍良好であった。したがって、後続の作業は、4つの固有のTNV mAbである、TNV14、TNV15、TNV148、及びTNV196にのみ焦点を当てた。
4つのmAbの関連性
DNA配列結果は、4つのTNV mAbの重鎖をコード化する遺伝子が全て互いに高度に相同であり、全てが同じ生殖系列遺伝子DP−46に由来するように見えることを明らかにした(図2)。加えて、重鎖CDR3配列の各々は非常に類似し、同じ長さのものであるため、そしてそれらが全てJ6エクソンを使用するため、それらは明らかに、単一のVDJ遺伝子再配列事象から生じ、この後に各mAbを固有のものにする体細胞変化が続いた。DNA配列分析は、4つのmAbにおいて2つの別個の軽鎖遺伝子のみが存在したことを明らかにした(図3)。TNV14及びTNV15における軽鎖可変領域コード配列は、互いに同一であり、ヒトκ鎖のVg/38Kファミリーの代表的な生殖系列配列と同一である。TNV148及びTNV196軽鎖コード配列は、互いに同一であるが、2つのヌクレオチド位置での生殖系列配列が異なる(図3)。
4つのmAbの推定アミノ酸配列は、実際のmAbの関連性を明らかにした。4つのmAbは、4つの別個の重鎖(図4)を含有するが、別個の軽鎖は2つのみである(図5)。TNV mAb配列と生殖系列配列との間の差異は、大半はCDRドメインに限定されていたが、mAb重鎖のうちの3つもフレームワーク領域において生殖系列配列とは異なっていた(図4)。DP−46生殖系列コードAbフレームワーク領域と比較して、TNV14は同一であり、TNV15は1つのアミノ酸が異なり、TNV148は2つのアミノ酸が異なり、TNV196は3つのアミノ酸が異なっていた。
cDNAのクローニング、部位特異的変異誘発、及び最終発現プラスミドのアセンブリ。cDNAのクローニング。PCR増幅可変領域のDNA配列に基づいて、クローニングされるコード配列を発現ベクター内に適応させる目的のため、新しいオリゴヌクレオチドは別のPCR増幅を行うように命じられた。重鎖の場合、この2回目のPCRの生成物は制限酵素BsiWI及びBstBIで消化され、プラスミドベクターL28(表2に示されるプラスミド識別番号)にクローニングされた。軽鎖の場合、2回目のPCR生成物はSalI及びAflIIで消化され、プラスミドベクターpBCにクローニングされた。次に、個々のクローンを配列決定して、それらの配列が、潜在的に異種の分子集団の各位置での最も豊富なヌクレオチドを明らかにするPCR生成物の直接配列決定から得られた前回の配列と同一であることを確認した。
TNV148を変更するための部位特異的変異誘発。mAb TNV148及びTNV196は、TNFα生理活性の中和において、次に最良のmAb(TNV14)よりも4倍強力であることが一貫して観察された。しかしながら、上述のように、TNV148及びTNV196重鎖フレームワーク配列は、生殖系列フレームワーク配列とは異なる。TNV148重鎖配列と他のヒト抗体との比較は、多くの他のヒトmAbがフレームワーク1の位置28でIle残基を含有し(成熟配列のみ計数)、一方でフレームワーク3の位置75でのPro残基は、その位置では稀なアミノ酸であったことを示した。
TNV196重鎖の類似の比較は、フレームワーク3で生殖系列配列とは異なる3つのアミノ酸がヒトmAbにおいて希であり得ることを示唆した。これらの差異は、ヒトに投与された場合、TNV148及びTNV196を免疫原性にする可能性があった。TNV148は、関心のアミノ酸残基を1個しか有しておらず、この残基はTNFα結合に重要ではないと考えられているため、部位特異的変異誘発技術を使用して、生殖系列Ser残基が位置75でPro残基の代わりにコード化されるように、TNV148重鎖コード配列(プラスミドp1753の)の単一のヌクレオチドを変更した。結果として得られたプラスミドはp1760と呼ばれた(表2を参照のこと)。結果として得られた遺伝子及びmAbは、それを元のTNV148遺伝子及びmAbと区別するためにTNV148Bと呼ばれた(図5を参照のこと)。
最終発現プラスミドのアセンブリ。ゲノム断片として前にクローニングされた12B75重鎖及び軽鎖遺伝子に基づいた新しい抗体発現ベクターを調製した。異なるTNV発現プラスミドが調製されたが(表2を参照のこと)、それぞれの場合において、5’フランキング配列、プロモータ、及びイントロンエンハンサは、それぞれの12B75遺伝子に由来した。軽鎖発現プラスミドに関して、完全なJ−Cイントロン、定常領域コード配列、及び3’フランキング配列も12B75の軽鎖遺伝子に由来した。最終生成細胞株(p1781及びp1783、以下を参照のこと)をもたらした重鎖発現プラスミドに関して、ヒトIgG1定常領域コード配列は、Centocorの前に使用された発現ベクター(p104)に由来した。重要なことには、ここで報告される最終生成細胞株は、元のハイブリドーマ由来TNV mAb(G1m(z))とは異なるアロタイプ(Gm(f+))のTNV mAbを発現する。これは、GenPharmマウスに由来する12B75重鎖遺伝子はCH1ドメインのC末端部でArg残基をコード化するが、CentocorのIgG1発現ベクターp104はその位置でLys残基をコード化するためである。J−Cイントロン、完全定常領域コード配列、及び3’フラランキング配列が12B75重鎖遺伝子に由来する他の重鎖発現プラスミド(例えば、p1786及びp1788)を調製したが、これらの遺伝子でトランスフェクトされた細胞株を生成細胞株として選択しなかった。ベクターは、最終発現プラスミドをもたらすであろう後のPCR増幅V領域の一工程クローニングを可能にするように慎重に設計された。
PCR増幅可変領域cDNAは、L28又はpBCベクターから、プロモータ領域及びJ−Cイントロンの一部を提供する中間段階の12B75系ベクターに移された(プラスミド識別番号に関しては表2を参照のこと)。次に、抗体遺伝子の5’半分を含有する制限断片を、これらの中間段階のベクターから、それぞれの遺伝子の3’半分を提供する最終発現ベクターに移して、最終発現プラスミド(プラスミド識別番号に関しては表2を参照のこと)を形成した。
細胞のトランスフェクション及びサブクローニング。発現プラスミドは、制限消化によって線形化されたか、又は各プラスミド中の抗体遺伝子インサートがプラスミド骨格鎖から精製されたかのいずれかであった。Sp2/0及び653マウス骨髄腫細胞は、エレクトロポレーションにより重鎖DNA及び軽鎖DNAでトランスフェクトされた。15の異なるトランスフェクションを行い、そのほとんどは、Abによって規定されるように固有であり、遺伝子が線形化された全プラスミド又は精製された遺伝子インサート上にあるかどうかにかかわらずAb遺伝子の特定の特徴であり、宿主細胞株であった(表4に要約される)。マイコフェノール酸に耐性のクローンからの細胞上清を、ヒトIgGの存在についてELISAによりアッセイし、精製されたrTNV148Bを参照標準曲線として使用して定量化した。
生成が最も高いrTNV148B細胞株
rTNV148Bトランスフェクション2からの、生成が最高の653親株のうちの10(使用済24ウェル培養物において5〜10:g/mlを生成)をサブクローニングして、生成がより高い細胞株についてスクリーニングし、より均質な細胞集団を調製した。親株2.320、2.320−17、及び2.320−20のサブクローンのうちの2つは、使用済24ウェル培養物において約50:g/mlを生成し、これは、それらの親株に対して5倍の増加であった。サブクローニングした株2.320−17及び2.320−20の2回目のサブクローニングがもたらした。
各mAbをコード化する重鎖及び軽鎖プラスミドの識別番号を示す。精製されたmAb遺伝子インサートで行われたトランスフェクションの場合、gpt選択マーカーの供給源としてプラスミドp13(pSV2gpt)が含まれた。重鎖定常領域は、Remicadeをコード化するために使用された同じヒトIgG1発現ベクター(「旧」)又は12B75(GenPharm/Medarex)重鎖遺伝子内に含有される定常領域(「新規」)のいずれかによりコード化された。H1/L2は、TNV14重鎖及びTNV148軽鎖で構成される「新規」mAbを指す。プラスミドp1783及びp1801は、それらの重鎖遺伝子がJ−Cイントロンをどの程度含有するかによってのみ異なる。細胞クローンの遺伝子名の最初の数字を定義するトランスフェクション番号は、右側に示される。本明細書に記載されるrTNV148B生成細胞株C466(A、B、C、D)及びC467Aは、それぞれトランスフェクション番号2及び1に由来した。rTNV14生成細胞株C476Aはトランスフェクション番号3に由来した。
Figure 2020506916
使用済の24ウェル培養上清でのELISAアッセイは、これらの2回目のサブクローンが全て98〜124:g/mlを生成したことを示し、これは初回のサブクローンに対して少なくとも2倍の増加であった。これらの653細胞株は、表5に示されるように、Cコード表記が割り当てられた。
rTNV148Bトランスフェクション1からの生成が最高のSp2/0親株のうちの3つをサブクローニングした。親株1.73の2回のサブクローニングは、使用済24ウェル培養物において25:g/mlを生成したクローンの特定につながった。このSp2/0細胞株は、C467Aと表記された(表5)。
生成が最も高いrTNV14細胞株
rTNV14トランスフェクション3からの生成が最高のSp2/0親株のうちの3つを1回サブクローニングした。サブクローン3.27−1は、生成が19:g/mlであり、使用済の24ウェル培養物において最も高い生産体であることが分かった。この細胞株は、C476Aと表記された(表5)。
表5.選択された生成細胞株及びそれらのCコードの要約。
元のクローン名の最初の1桁は、細胞株がどのトランスフェクションに由来するかを示す。本明細書に報告されるCコード細胞株の全てが制限酵素で線形化された重鎖及び軽鎖全プラスミドでのトランスフェクションに由来した。
Figure 2020506916
サブクローニングされた細胞株の特徴付け
細胞株成長特徴をより慎重に特徴付けし、大規模でmAb生成レベルを決定するために、T75培養物を使用して成長曲線分析を行った。結果は、細胞株の4つのC466シリーズの各々が1.0×10〜1.25×10細胞/mlのピーク細胞密度及び110〜140:g/mlの最大mAb蓄積レベルに達したことを示した(図7)。対照的に、生成が最高のSp2/0サブクローンC467Aは、2.0×10細胞/mlのピーク細胞密度及び25:g/mlの最大mAb蓄積レベルに達した(図7)。成長曲線分析は、rTNV14生成細胞株C476Aに対して行われなかった。
更なる成長曲線分析を行って、異なる濃度のMHX選択物における成長速度を比較した。この比較は、MHXの不在下で培養されたC466細胞が、通常量のMHX(1X)で培養された同じ細胞よりも速く成長しているように思われる近年の観測によって促された。マイコフェノール酸などの化合物の細胞傷害性濃度は桁違いで測定される傾向にあるため、より低い濃度のMHXを使用することにより、mAb生成の安定性を犠牲にすることなく細胞の倍加時間を大幅に速くし得ることが可能であると考えられた。細胞株C466A及びC466Bは、MHXなし、0.2X MHX、又は1X MHXのいずれかで培養された。生細胞の計数は、7日間、24時間間隔で行われた。結果により、MHX濃度依存性細胞成長率が明らかになった(図8)。細胞株C466Aは、1X MHXにおいて25.0時間の倍加時間を示したが、MHXなしではわずか20.7時間の倍加時間を示した。同様に、細胞株C466Bは、1X MHXにおいて32.4時間の倍加時間を示したが、MHXなしではわずか22.9時間の倍加時間を示した。重要なことには、0.2X MHXにおける両細胞株の倍加時間は、1X MHXよりもMHXなしで観測されたものとより類似していた(図8)。この観測は、倍加時間が重要なパラメータであるバイオリアクターにおいて、増強された細胞性能がより少ないMHXを使用することにより実現され得る可能性を示す。しかしながら、安定性試験結果(以下を参照のこと)は、細胞株C466DがMHXの不在下でも少なくとも60日間、rTNV148Bを安定して生成することが可能であることを示唆するが、安定性試験はまた、MHXの不在と比較して、細胞がMHXの存在下で培養されたとき、より高いmAb生成レベルも示した。
約60日の期間にわたって様々な細胞株からのmAbの生成を評価するために、MHX選択物を含有する又は含有しない、いずれかの培養物で安定性試験を行った。細胞株の全てが高mAb生成を維持したわけではなかった。培養のちょうど2週間後、クローンC466Aの生成は研究開始時よりも約45%少なかった。クローンC466Bからの生成も大幅に低下したように思われた。しかしながら、クローンC466C及びC466Dは、かなり安定した生成を維持し、C466Dは最も高い絶対生成レベルを示した(図9)。
結論
ヒトTNFαに対する8つのヒトmAbの初期パネルから、タンパク質配列及びTNF中和効力を含むいくつかの基準に基づいて、TNV148B並びにTNV14が好ましいものとして選ばれた。100:g/ml超のrTNV148B及び19:g/ml超のrTNV14を生成する細胞株を調製した。
実施例5:単回ボーラス注射を使用した抗TNF抗体及び対照を使用した関節炎マウスの研究
約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき9つの処置群のうちの1つに割り当て、DulbeccoのPBS(D−PBS)、又は1mg/kg若しくは10mg/kgのいずれかの本発明の抗TNF抗体(TNV14、TNV148、若しくはTNV196)の単回腹腔内ボーラス用量で処置した。
結果:体重を投与前からの変化として分析したとき、10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究を通してD−PBS処置動物よりも一貫して高い体重増加を示した。この体重増加は、3〜7週目で有意であった。10mg/kgのTNV148で処置した動物も、研究の7週目に有意な体重増加を達成した。(図10を参照のこと)。
図11A〜Cは、関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、3週目から始まり、残りの研究全体を通して(7週目)D−PBS対照群よりも低かった。1mg/kgのTNV14で処置した動物及び1mg/kgのcA2で処置した動物は、D−PBS処置群と比較したとき、3週目以降のAIにおいて有意な減少を示すことができなかった。各々を類似の用量の他のものと比較したとき(10mg/kgのTNV14、148及び196と比較した10mg/kgのcA2)、10mg/kgの処置群の間に有意差はなかった。1mg/kgの処置群を比較したとき、1mg/kgのTNV148は、1mg/kgのcA2よりも3、4及び7週で有意に低いAIを示した。1mg/kgのTNV148も、1mg/kgのTNV14処置群よりも3及び4週目で有意に低かった。TNV196は研究の6週目までAIにおいて有意な減少を示したが(D−PBS処置群と比較したとき)、TNV148はこの研究の終了時に有意のままであった唯一の1mg/kg処置群であった。
実施例6:複数ボーラス投与として抗TNF抗体及び対照を使用した関節炎マウスの研究
約4週齢のTg197研究マウスを体重に基づき8つの処置群のうちの1つに割り当て、対照品(D−PBS)、又は3mg/kgの抗体(TNV14、TNV148)(0週目)の腹腔内ボーラス投与で処置した。注射は1、2、3及び4週目に全ての動物において繰り返された。群1〜6は、試験品の有効性に関して評価された。群7及び8の動物から得られた血清試料は、2、3及び4週目のTNV14又はTNV148の免疫応答誘導及び薬物動態クリアランスに関して評価された。
結果:体重を投与前からの変化として分析したとき、有意差は認められなかった。10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究を通してD−PBS処置動物よりも一貫して高い体重増加を示した。(図12を参照のこと)。
図13A〜Cは、関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、2週目から始まり、残りの研究全体を通して(5週目)D−PBS対照群よりも有意に低かった。1mg/kg又は3mg/kgのcA2で処置した動物及び3mg/kgのTNV14で処置した動物は、d−PBS対照群と比較したときに、研究を通して任意の時点でAIにおいて任意の有意な減少を達成することができなかった。3mg/kgのTNV148で処置した動物は、d−PBS処置群と比較したとき、3週目から始まり、5週目まで継続する有意な減少を示した。10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究の4及び5週目でより低い用量の両cA2(1mg/kg及び3mg/kg)と比較したとき、AIにおいて有意な減少を示し、また3〜5週目でTNV14で処置した動物よりも有意に低かった。3mg/kgの処置群のいずれかの間に有意差はなかったようだが、3mg/kgのTNV14で処置した動物に関するAIは、ある時点で10mg/kgよりも有意に高く、一方TNV148で処置した動物は、10mg/kgのcA2で処置した動物と有意に異ならなかった。
実施例7:単回腹腔内ボーラス投与として抗TNF抗体及び対照を使用した関節炎マウスの研究
約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき6つの処置群のうちの1つに割り当て、3mg/kg又は5mg/kgのいずれかの抗体(cA2又はTNV148)の単回腹腔内ボーラス投与で処置した。この研究は、D−PBS及び10mg/kgのcA2対照群を利用した。
体重を投与前からの変化として分析したとき、全ての処置は似たような体重増加を達成した。3又は5mg/kgのTNV148又は5mg/kgのcA2のいずれかで処置した動物は、研究の早期(2及び3週目)に体重量が有意に増加した。TNV148で処置した動物のみが後の時点において有意な体重増加を維持した。3及び5mg/kgのTNV148で処置した動物はどちらも、7週目で有意を示し、3mg/kgのTNV148で処置した動物は注射の8週間後に尚も有意に上昇した。(図14を参照のこと)。
図15は、関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。全ての処置群が初期の時点で多少の保護を示し、5mg/kgのcA2及び5mg/kgのTNV148は、1〜3週目にAIにおいて有意な減少を示し、全ての処置群が2週目で有意な減少を示した。実験の後期に、5mg/kgのcA2で処置した動物は多少の保護を示し、4、6及び7週目で有意に減少した。低用量(3mg/kg)のcA2及びTNV148は両方とも、6週目で有意な減少を示し、全ての処置群が7週目で有意な減少を示した。研究の終わりで(8週目)有意な減少を維持することができた処置群はなかった。任意の時点で処置群のいずれかの間(食塩水対照群は除く)に有意差はなかった。
実施例8:抗TNF抗体と修飾された抗TNF抗体との間の単回腹腔内ボーラス投与として抗TNF抗体及び対照を使用した関節炎マウスの研究
TNV148(ハイブリドーマ細胞に由来する)及びrTNV148B(トランスフェクトした細胞に由来する)の単回腹腔内投与の有効性を比較するために。約4週齢のTg197研究マウスを性別及び体重に基づき9つの処置群のうちの1つに割り当て、Dulbecco=のPBS(D−PBS)又は1mg/kgの抗体(TNV148、rTNV148B)の単回腹腔内ボーラス投与で処置した。
体重を投与前からの変化として分析したとき、10mg/kgのcA2で処置した動物は、研究を通してD−PBS処置動物よりも一貫して高い体重増加を示した。この体重増加は、1週目及び3〜8週目で有意であった。1mg/kgのTNV148で処置した動物も、研究の5、6、及び8週目に有意な体重増加を達成した。(図16を参照のこと)。
図17は、関節炎指数に基づく疾患の重症度の進行を表す。10mg/kgのcA2で処置した群の関節炎指数は、4週目から始まり、残りの研究全体を通して(8週目)D−PBS対照群よりも低かった。TNV148で処置した群及び1mg/kgのcA2で処置した群は両方とも、4週目でAIにおける有意な減少を示した。以前の研究(P−099−017)は、TNV148が単回の1mg/kgの腹腔内ボーラス後の関節炎指数の減少にわずかにより効果的であることを示したが、この研究では、両バージョンのTNV抗体で処置した群からのAIがわずかに高いことを示した。1mg/kgのcA2で処置した群(6週目を除く)は、10mg/kgのcA2群と比較したとき、有意に増加せず、TNV148で処置した群は、7及び8週目で有意に高かったが、1mg/kgのcA2、1mg/kgのTNV148及び1mg/kgのTNV148Bの間には研究の任意の時点でAIにおいて有意差はなかった。
実施例9:活動性乾癬性関節炎の治療のための抗TNF抗体
梗概
活動性乾癬性関節炎(PsA)を有する対象における、静脈内投与された抗TNFαモノクローナル抗体、ゴリムマブの多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験
SIMPONI(登録商標)(ゴリムマブ)は、免疫グロブリンG1(IgG1)重鎖アイソタイプ(G1m[z]アロタイプ)及びκ軽鎖アイソタイプを有する完全ヒトモノクローナル抗体である。ゴリムマブは、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する。ゴリムマブの分子量は、149,802〜151,064ダルトンの範囲である。ゴリムマブは、高い親和性及び特異性を有するヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に結合し、TNFα生物活性を中和する。
目的及び仮説
主目的
この研究の主目的は、PsAの徴候及び症状の低減を評価することによって、活動性乾癬性関節炎(PsA)を有する対象におけるゴリムマブ2mg/kgのIV投与の有効性を評価することである。
副次的目的
副次的目的は、IVゴリムマブについて以下を評価することである。
・乾癬皮膚病変、身体機能、健康関連の生活の質、及び他の健康結果の改善に関連する有効性
・構造損傷の進行の阻害
・安全性
・薬物動態(PK)、薬力学(PD)、及び免疫原性
仮説
研究の主目的に対処するために、統計的仮説(代替仮説)は、ゴリムマブ2mg/kgが、主要有効性エンドポイントに基づき、活動性PsAを有する対象の徴候及び症状を低減する際に、プラセボよりも統計的に優れていることである。
この研究の一次エンドポイントは、14週目に米国リウマチ学会基準(ACR20と呼ばれる)におけるベースラインからの20%の改善を達成する対象の割合である。このエンドポイントは、規制当局及び臨床的PsAコミュニティによって十分に受け入れられているために選択された。
研究デザインの概要
これは、活動性PsAを有する対象におけるプラセボと比較したIVゴリムマブの有効性及び安全性の3相多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対象研究である。約440人の対象が、約90の治験実施機関で無作為化される。対象は、0、4、12、及び20週目にゴリムマブ2mg/kg又はプラセボIV注入を受けるように無作為に割り当てられる。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる。それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、メトトレキサート(MTX)用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。24週目に、プラセボ注入を受けた全ての対象は、交差し、ゴリムマブIV注入を受け始める。
ゴリムマブIV処置群の対象は、ゴリムマブIV注入を受け続ける。データベースロック(Database lock、DBL)は、24及び60週目に予定されている。対象は、最後の研究処置投与後に少なくとも8週間、有害事象(AE)及び重篤有害事象(SAE)に関して調査される。研究の終了は、最後の対象が60週目の訪問を完了する時として定義される。
対象集団
研究に適格な対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも6か月間、PsAを有する18歳以上の男性又は女性であり、スクリーニング時にCASPAR基準を満たす。対象は、スクリーニング及びベースラインにおいて活動性疾患の症状(5つ以上の腫脹関節及び5つ以上の圧痛関節)を有し、0.6mg/dL以上のC反応性タンパク質(CRP)レベルを有しなければならない。対象は、生物製剤で処置されていてはならない。対象は、研究中にMTX処置を継続してもよい。
適格対象のためのスクリーニングは、研究薬剤の投与前6週間以内に実施される。
対象はまた、組み入れ及び除外基準を満たさなければならない。
投与量及び投与
初回スクリーニング訪問では、研究に適格である可能性があると考えられる全ての対象から、研究に登録するために、プロトコル指定の組み入れ及び除外基準に従って、インフォームドコンセントが得られる。無作為化訪問では、対象は再評価され、全ての指定された組み入れ及び除外基準が満たされた場合、対象は、ゴリムマブIV注入又はプラセボIV注入のいずれかを受けるように無作為化される。無作為化は、地理的領域及びベースラインのメトトレキサート(MTX)使用(はい又はいいえ)によって階層化される。
研究薬剤の第1の注入前に、対象は、以下の2つの処置群のうちの1つに1:1の比で無作為に割り当てられる。
群1(n=220):対象は、0、4、12、及び20週目にIVプラセボ注入を受ける。対象は、24週目にIVゴリムマブ2mg/kgに切り替え、24、28週目、及びその後q8wに投与を受ける。
群2(n=220):対象は、0、4週目、及びその後q8wにIVゴリムマブ2mg/kgを受ける。対象は、盲検を維持するために、24週目にIVプラセボ注入を受ける。
16週目に、腫脹関節数及び圧痛関節数の両方におけるベースラインからの5%未満の改善を有する群I及びIIにおける全ての対象が、早期離脱(early escape、EE)に入る。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる:それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。
全ての注入は、30±10分間かけて完了する。
有効性評価/エンドポイント
この研究のために選択された有効性評価は、PsAの治療のための治療用生物学的薬剤の以前の試験において確立された。本研究のために選択された患者報告アウトカム(patient reported outcome、PRO)は、PsAにおける他の研究に関する医療文献及び適用可能なUS/EU規制ガイダンス文書で受け入れられている臨床的に関連する測定値と一致する。
乾癬性関節炎及び乾癬応答評価は、以下を含む。
・対象の疼痛評価
・対象の疾患の包括的評価
・医師の疾患の包括的評価
・関節評価
・健康評価質問表の障害指標(HAQ−DI)
・乾癬の面積及び重症度指標(Psoriasis Area and Severity Index、PASI)
・手及び足のX線評価
・36項目ショートフォーム健康調査(SF−36)
・指炎評価
・腱付着部炎評価
・Bath強直性脊椎炎疾患活動性指標(BASDAI)
・修正されたNAPSI
・皮膚科学的生活の質指標(DLQI)
・慢性疾患療法の機能評価(FACIT)−疲労
・労働生産性に関する質問票(WLQ)
・生産性VAS
・EuroQol−5D(EQ−5D)質問票
主エンドポイント
この研究の主エンドポイントは、14週目にACR20応答を達成する対象の割合である。
研究は、14週目のACR20を有する対象の割合が、プラセボ群と比較してゴリムマブ群において有意により大きいことが実証された場合、陽性であると考えられる。
主要セカンダリーエンドポイント
以下の主要な二次分析エンドポイントは、以下に指定されるような重要度順で列挙される。
・14週目のHAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化。
・14週目にACR50応答を有する患者の割合。
・14週目にPASI75応答を達成する対象の割合(ベースラインの3%以上のBSA乾癬関与を有する)。
・24週目の修正総van der Heijdeシャープスコア(vdH−S)スコアにおけるベースラインからの変化。
薬物動態評価
血液試料を選択された訪問で収集して、PsAを有する成人対象におけるIVゴリムマブのPKを評価する。研究薬剤がその訪問で投与される場合、薬物動態試料は、IV注入ラインとは異なる腕から採取されるべきである。0、4、12、20、36、及び52週目に、血清ゴリムマブ濃度のための2つの試料が収集され、一方の試料は、注入直前に収集され、他方は、注入の終了の1時間後に収集される。残りの訪問の各々について、血清ゴリムマブ濃度のための1つの試料のみが収集され、これは、研究薬剤の注入がその訪問で投与される場合、注入直前に収集されるべきである。無作為PK試料は、14週目と20週目の訪問の間の集団PK分析のために採取され(14週目又は20週目の訪問時以外)、この無作為試料は、研究薬剤注入の少なくとも24時間前又は後に収集されなければならない。
適用可能な時点で、ゴリムマブ濃度及びゴリムマブに対する抗体の両方の測定のための血清が、同じ採血から得られる。
免疫原性評価
PsAを有する成人対象におけるゴリムマブの免疫原性を評価するために、ゴリムマブに対する抗体の検出のための血清試料が、時間及びイベントスケジュールに従って収集される。
バイオマーカー評価
バイオマーカー試料は、臨床転帰における個人間変動の分子的理解を得るために収集され、これは、薬物に異なる応答を示す集団サブグループを同定するのに役立ち得る。バイオマーカー試料はまた、新たな問題に対処するのに役立つために、かつ将来のより安全な、より効果的な、かつ最終的に個別化された療法の開発を可能にするために使用されてもよい。
薬理ゲノム学的(DNA)評価
ゲノム試験は、疾患又は薬剤に対する反応と特定の遺伝子との関連に関して調査するために行われる。ゴリムマブ又はこの薬物が開発された疾患に関連するDNA研究のみが行われる。ゲノムの幅広い薬理ゲノム学的及び/又はエピジェネティクス試験は、同意が得られた対象において本研究で行われる。この研究のこの部分に参加している対象は、別個のインフォームドコンセントに署名しなければならない。更に、対象は、試験の他の側面への参加、又は試験への今後の参加に影響を与えることなく、随時、そのような同意を撤回することができる。
薬理ゲノム学的血液試料は、必要に応じて(地方規制が許可する場合)、薬理ゲノム学的研究を可能にするために収集される。薬理ゲノム学的研究への対象の参加は、任意選択的である。
安全性評価
他の抗TNFα剤の安全プロファイル、並びにこれまでのゴリムマブ安全データに基づき、対象となるいくつかのAEが特定され、この研究において監視及び評価される。これらには、注入反応、検査所見の肝胆汁性異常、TBを含む感染、及び悪性腫瘍が挙げられる。
統計的方法
対象ベースライン、人口統計、及びベースラインの比較可能性を評価するために、疾患特性データは、処置群によって要約される。
2値分類データ(例えば、ACR20応答を有する対象の割合)は、階層化が用いられるとき、カイ二乗検定又はコクラン・マンテル・ヘンツェル(Cochran Mantel Haenszel、CMH)検定を使用して分析される。分散分析(ANOVA)を使用して、連続データが分析される。エンドポイントが非ガウスであると見なされる場合、ファン・デル・ヴェルデン正規スコアが利用される。全ての有効性分析は、治療企図原理に基づく。したがって、対象は、彼らが実際に受ける処置に関係なく無作為化された処置に従って分析される。
全ての統計的検定は、0.05(両側)のアルファレベルで実施される。データの表及びグラフ要約の両方が利用される。
集団セット
有効性及び対象ベースライン分析は、特に明記しない限り、治療企図集団(即ち、無作為化された全ての対象)を利用する。有効性分析に含まれる対象は、割り当てられた処置を受けるかどうかにかかわらず、彼らの割り当てられた処置群に従って要約される。
安全性及びPK分析は、試験処置の少なくとも1回の投与を受けた全ての対象を含む。
エンドポイント分析
主エンドポイント分析
主エンドポイントは、14週目にACR20応答を達成する対象の割合である。
関節炎の徴候及び症状の低減は、処置群間の14週目のACR20応答を有する対象の割合を比較することによって評価される。ベースラインMTX使用によって階層化されたCMH検定(はい又はいいえ)は、この分析のために0.05の有意水準で実施される。
対象が14週目に少なくとも1つのACR成分のデータを有する場合に、欠測ACR成分を帰属させるために、欠測を直前の値で補完する(last observation carried forward、LOCF)手順が使用される。対象が14週目に全てのACR成分のデータを有しない場合、対象は、非応答者と見なされる。加えて、治療失敗規則が適用される。
主要セカンダリーエンドポイント(複数可)分析
以下の主要二次分析は、以下に指定されるような重要度順で実施される。
1.14週目のHAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
2.14週目にACR50応答を有する対象の割合が要約され、処置群間で比較される。
3.14週目にPASI75応答を達成する対象の割合(ベースラインの3%以上の体表面積の乾癬関与を伴う)が要約され、処置群間で比較される。
4.24週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
主エンドポイントと主要セカンダリーエンドポイントとの間のタイプIのエラーを維持するために、エンドポイントは、順次試験される。主エンドポイントが分析される。それが統計的に有意である場合、以前の主要セカンダリーエンドポイントが統計的に有意である場合、主要セカンダリーエンドポイントは、上記の順序で比較される。以前の主要セカンダリーエンドポイントが統計的に有意でない場合、更なる比較が行われることはない。公称P値が提供される。
安全性分析の概要
日常的な安全性評価が実施される。注入反応及びTBを含む感染を含む、AE、SAE、及び適度に関連するAEの発生及びタイプが、処置群によって要約される。NCI CTCAE毒性等級に基づく異常な検査室パラメータ(血液学及び化学)を有する対象の数が、要約される。加えて、ANA及び抗dsDNA抗体を有する対象の数、並びにゴリムマブに対する抗体との注入反応の関係が、要約される。
全ての安全性分析は、研究薬剤の少なくとも1回の投与を受けた全ての対象の集団を使用して実施される。分析は、対象が実際に受けた処置を使用して実施される。
加えて、データを要約/提示するために、グラフデータ表示(例えば、線プロット)及び対象リストも使用され得る。
Figure 2020506916
Figure 2020506916
序論
化学名及び構造
SIMPONI(登録商標)(ゴリムマブ)は、免疫グロブリンG(IgG)1重鎖アイソタイプ(G1m[z]アロタイプ)及びκ軽鎖アイソタイプを有するヒトモノクローナル抗体(mAb)である。ゴリムマブは、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する。ゴリムマブの分子量は、149,802〜151,064ダルトンの範囲である。ゴリムマブは、解剖治療化学(Anatomical Therapeutic Chemical)(ATC)分類法に従い、TNFα阻害剤に分類される(ATCコード:L04AB06)。ゴリムマブは、可溶性及び膜貫通形態の両方の腫瘍壊死因子α(TNFα)に高い親和性で結合し、TNFα生理活性を阻害する。他のTNFスーパーファミリーリガンドに対する結合は観察されなかった。特に、ゴリムマブは、ヒトリンホトキシンに結合しないか、又はそれを中和しない。TNFαは、自己会合して生物活性ホモトリマーを形成し、タンパク質分解によって細胞表面から急速に放出される膜貫通タンパク質として、主に活性化単球、マクロファージ、及びT細胞によって合成される。TNFαのp55又はp75TNF受容体のいずれかへの結合は、受容体細胞質ドメインのクラスター化をもたらし、シグナル伝達を開始する。腫瘍壊死因子は、様々な刺激に応答して産生され、続いて、カスケード依存性アポトーシス経路並びに転写因子核因子(NF)−κB及び活性化因子タンパク質−1(AP−1)の活性化による炎症応答を促進する、主要なセンチネルサイトカインとして同定されている。腫瘍壊死因子はまた、胚中心における免疫細胞の組織におけるその役割を通して免疫応答を調節する。TNFの発現の上昇は、関節リウマチ(RA)などの慢性炎症性疾患、並びに乾癬性関節炎(PsA)及び強直性脊椎炎(AS)などの脊椎関節症に関連しており、これらの疾患に特徴的である関節性炎症及び構造損傷の重要なメディエーターである。
乾癬性関節炎
乾癬性関節炎は、乾癬に関連する慢性炎症性、通常はリウマチ因子(RF)陰性関節炎である。一般白人集団における乾癬の有病率は、約2%である。約6%〜39%の乾癬患者がPsAを発症する。
乾癬性関節炎は、30〜55歳の年齢の間がピークであり、男性及び女性に等しく影響を及ぼす。乾癬性関節炎は、末梢関節、中軸骨格、仙腸関節、爪、及び腱付着部を含み、乾癬皮膚病変に関連する。半数を超えるPsA患者が、X線でびらんの兆候があり得、患者の最大40%が重度のびらん性関節症を発症する。乾癬性関節炎は、機能障害、生活の質の低下、及び死亡率の増加をもたらす。
炎症性サイトカインの主要な供給源である、T細胞と単球/マクロファージとの間の相互作用は、PsAの病因における役割を果たす。TNFαのレベルの増加は、関節流体及び組織において、及びPsA患者における乾癬皮膚病変において検出されている。
乾癬性関節炎におけるTNFαの役割
TNFαは、幅広い機能活性を呈する主要な炎症メディエーターと見なされる。TNFαの過剰産生は、RA及びクローン病患者において実証されるように、炎症に関連する疾患プロセスをもたらす。炎症性サイトカインの主要な供給源である、T細胞と単球/マクロファージとの間の相互作用は、PsAの病因における役割を果たす。7,22TNFαのレベルの増加は、関節流体及び組織において、及びPsA患者における乾癬皮膚病変において検出されている。24,26抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブによる処置は、48時間以内の、活動性PsA患者における乾癬表皮におけるT細胞数並びに滑膜組織におけるT細胞数及びマクロファージ数の有意な低減をもたらすことが報告されている。17インフリキシマブ処置はまた、劇的な臨床的皮膚及び関節応答と並行してPsA患者における滑膜組織における血管新生成長因子も有意に低減した。32
インフリキシマブ、SCゴリムマブ、アダリムマブ、及びセルトリズマブペゴルを含む、TNFを標的とする生物学的治療は、許容可能な安全性プロファイルを維持しながら、活動性PsAを有する対象における関節炎及び乾癬の迅速かつ有意な改善を誘発することが示されている。エタネルセプト、アダリムマブ、及びセルトリズマブペゴルは、SC注射によって週2回、週1回、又は2〜4週間毎に投与される。ゴリムマブは、SC注射によって毎月投与される。インフリキシマブは、0、2、6週目、及びその後8週間毎に、診療所環境でIV注入として投与される。
PsAにおけるSCゴリムマブの第3相研究(C0524T08)では、現在又は以前のDMARD又はNSAID療法にもかかわらずPsAを有する405人の対象を、SCプラセボ、ゴリムマブ50mg q4w、又は100mg q4wを受けるように無作為化した。ゴリムマブによる処置は、9%(プラセボ)と比較して51%(ゴリムマブ50mg)という14週目にACR20応答を達成する患者の割合によって実証されるように、徴候及び症状の改善をもたらした。24週目に、ゴリムマブ50mg群は、PsAについての修正された総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの平均変化によって測定されるように、プラセボよりも有意に少ない放射線損傷を有した。ゴリムマブ100mg群は、24週目のプラセボと比較してより少ない放射線損傷を示したが、差は、統計的有意性に達しなかった。24週目に以前に見られたPsA対象における臨床的改善は、256週目まで維持された。24週目まで、全てのゴリムマブ処置及びプラセボ処置患者のそれぞれの65%及び59%が、有害事象を有した。ゴリムマブ群で最も頻繁に報告された有害事象は、鼻咽頭炎及び上気道感染であった。重篤有害事象(SAE)が、プラセボ処置患者の6%と比べて全てのゴリムマブ処置患者の2%に対して報告された。
PsAの病態生理学におけるTNFαの正確な役割は未だ不明確であるが、TNFα阻害がこの疾患において主要な治療効果を有するという大きく、かつ増加する一連の証拠が既に存在する。
研究の全体的な根拠
この研究は、活動性PsAの治療において、0及び4週目で、次いで8週間毎(q8w、MTXあり又はなし)に、30分間にわたってIV注入を介して投与された2mg/kgゴリムマブの安全性及び有効性を評価する。
SCゴリムマブの安全性及び有効性を考慮して、IVゴリムマブが、他の抗TNFα剤と一致する許容可能な安全性プロファイルを有して有効であることを証明することができたと仮定された。静脈内(IV)ゴリムマブは、RAの治療に対するゴリムマブIVの承認における第3相研究の治療のためのゴリムマブIVの承認の基礎を形成したRAにおける第3相研究(CNTO148ART3001)で明確に研究されている。CNTO148ART3001研究は、同時MTX療法にもかかわらず活動性RAを有する患者において0、4週目、及びそのq8wに、30±10分にわたって投与されたゴリムマブ2mg/kg注入のIV投与の有効性及び安全性の無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、2群研究であった。MTXにもかかわらず活動性RAを有する対象を0、4週目、及びq8w(MTXあり)で24週目まで2mg/kgが投与されたプラセボ注入(MTXあり)又はIVゴリムマブのいずれかを受けるように無作為化した。24週目から始まり、全ての対象に100週目までIVゴリムマブを投与した。IVゴリムマブは、RA徴候及び症状、身体機能、及び健康関連の生活の質の改善、並びに構造損傷の進行の阻害に実質的な利益を提供したことが実証された。
RAの治療において静脈内投与されたゴリムマブ(CNTO148ART3001)は、強固な有効性、及び注入反応の発生率が低い許容可能な安全性プロファイルを実証した。この提案された第3相研究は、活動性PsA対象の治療におけるIVゴリムマブの有効性及び安全性を実証するように設計されている。
現在入手可能なIV抗TNFα剤は、免疫原性及び注入反応に対する制限を有し、IVゴリムマブを用いた提案されている30±10分間の注入と比較して、より長い注入時間(60〜120分)を有するため、PsA対象におけるIV投与経路が評価されている。
患者はまた、より頻繁なSC投与ではなく、q8w IVゴリムマブの維持投与スケジュールを好む場合がある。したがって、IVゴリムマブは、PSA患者にとって現在利用可能な治療選択肢への重要な追加であり得る。
この研究の投与レジメンは、0及び4週目、次いでq8w(MTXあり又はなし)に、30±10分間にわたってIV注入を介して投与された2mg/kgのゴリムマブである。
目的及び仮説
目的
主目的
この研究の主目的は、PsAの徴候及び症状の低減を評価することによって、活動性PsAを有する対象におけるゴリムマブ2mg/kgのIV投与の有効性を評価することである。
副次的目的
副次的目的は、IVゴリムマブについて以下を評価することである。
・乾癬皮膚病変、身体機能、健康関連の生活の質、及び他の健康結果の改善に関連する有効性
・構造損傷の進行の阻害
・安全性
・薬物動態(PK)、薬力学(PD)、及び免疫原性
仮説
研究の主目的に対処するために、統計的仮説(代替仮説)は、ゴリムマブ2mg/kgが、主要有効性エンドポイントに基づき、活動性PsAを有する対象の徴候及び症状を低減する際に、プラセボよりも統計的に優れていることである。この研究の一次エンドポイントは、14週目に米国リウマチ学会基準(ACR20と呼ばれる)におけるベースラインからの20%の改善を達成する対象の割合である。このエンドポイントは、規制当局及び臨床的PsAコミュニティによって十分に受け入れられているために選択された。
研究デザイン及び根拠
試験デザインの概要
これは、活動性PsAを有する対象におけるプラセボと比較したIVゴリムマブの有効性及び安全性の3相多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対象研究である。約440人の対象が、約90の治験実施機関で無作為化される。対象は、0、4、12、及び20週目にゴリムマブ2mg/kg又はプラセボIV注入を受けるように無作為に割り当てられる。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる。それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。
24週目に、プラセボ注入を受けた全ての対象は、交差し、24、28週目、及びその後q8wで52週目までゴリムマブIV注入を受け始める。ゴリムマブIV処置群の対象は、24週目にプラセボ注入を受けて、盲検を維持し、28週目、及びその後q8wで52週目までゴリムマブIV注入を受け続ける。データベースロック(Database lock、DBL)は、24及び60週目に予定されている。
対象は、最後の研究処置投与後に少なくとも8週間、AE及びSAEに関して調査される。研究の終了は、最後の対象が60週目の訪問を完了する時として定義される。
図18に、研究デザインの図が示される。
研究デザインの根拠
試験母集団
標的研究集団は、スクリーニング時に乾癬性関節炎に関する分類基準(CASPAR)27を満たす、少なくとも6か月間活動性PsAを有する、生物製剤を摂取していない対象である。
処置群、投与量、及び用量投与間隔
対象は、以下のような2つの処置群のうちの1つに、0週目に無作為化される。
・群1(n=220):IVプラセボ注入
・群2(n=220):IVゴリムマブ2mg/kg
対象は、0、4、12、及び20週目にゴリムマブ2mg/kg又はプラセボIV注入を受けるように無作為に割り当てられる。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる。それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。24週目に、プラセボ注入を受けた全ての対象は、交差し、24、28週目、及びその後q8wで52週目までゴリムマブIV注入を受け始める。ゴリムマブIV処置群の対象は、24週目にプラセボ注入を受けて、盲検を維持し、28週目、及びその後q8wで52週目までゴリムマブIV注入を受け続ける。
研究フェーズ及び治療期間
この研究では、スクリーニング、二重盲検プラセボ対照、積極的治療、及び安全性フォローアップの4つのフェーズがある。最大6週間のスクリーニングフェーズは、スクリーニング研究評価を実施し、研究適格性を判断するのに十分な時間を可能にする。研究の第2のフェーズは、0週目から24週目までの二重盲検プラセボ対照フェーズである。研究の第3のフェーズは、24週目から52週目までの積極的治療フェーズである。研究の第4のフェーズは、安全性フォローアップフェーズであり、研究薬剤の最後の投与から8週間である。安全性フォローアップは、ゴリムマブの半減期の約5倍に相当する期間にわたって対象を監視することを可能にする。各対象の最初の処置割り当ては、60週間の試験全体にわたって施設及び対象に対して盲検化されている。この期間は、PsAに対する維持療法としてのIVゴリムマブの有効性及び安全性を実証するのに十分な時間を提供する。
この研究は、最後の対象が最後の予定された訪問(60週目の訪問)を完了すると終了する。
研究対照、無作為化、及び盲検
無作為化は、処置群に対する対象の評価における偏りを最小限に抑え、既知及び未知の対象属性(例えば、人口統計学的及びベースライン特性)が処置群にわたって均等にバランスがとれるようにする可能性を高め、かつ処置群にわたる統計的比較の妥当性を高めるために使用される。加えて、この研究の2つの群は、地理的領域及びベースラインMTX使用(はい又はいいえ)に基づき階層化される。
個々の対象及び治験責任医師は、研究期間にわたって盲検化されたままである。盲検処置は、データ収集中及び臨床的エンドポイントの評価中の潜在的な偏りを低減するために使用される。2つのDBLは、24及び60週目の研究のために計画されている。第1のDBLは、全ての対象が24週目の訪問を完了した後、又は彼らの研究への参加を終了した後に行われる。第2のDBLは、全ての対象が60週目の訪問を完了した後、又は彼らの研究への参加を終了した後のいずれかに行われる。データベースは、24週目にロックされ、その後、サマリーレベルデータは、選択された治験依頼者関係者に対して非盲検化される。限定された治験依頼者関係者は、データ分析及びデータレビューのために、このDBLで非盲検化される。24週目のDBLに対する非盲検対象レベルデータへのアクセスを有する治験依頼者関係者の識別は、非盲検化前に文書化される。全ての施設関係者及び対象は、60週目のDBLが行われるまで、非盲検薬剤師を除いて、処置割り当てに対して盲検化されたままである。
有効性評価
この研究のために選択された有効性評価は、PsAの治療のための治療用生物学的薬剤の以前の試験において確立された。このために選択された患者報告アウトカム(PRO)は、PsAにおける他の研究に関する医療文献及び適用可能なUS/EU規制ガイダンス文書で受け入れられている臨床的に関連する測定値と一致する。
乾癬性関節炎及び乾癬応答評価は、以下を含む。
・対象の疼痛評価
・対象の疾患の包括的評価
・医師の疾患の包括的評価
・関節評価(腫脹関節数及び圧痛関節数)
・健康評価質問表の障害指標(HAQ−DI)
・乾癬の面積及び重症度指標(Psoriasis Area and Severity Index、PASI)
・手及び足のX線写真
・36項目ショートフォーム健康調査(SF−36)
・指炎評価
・腱付着部炎評価
・Bath強直性脊椎炎疾患活動性指標(BASDAI)
・修正されたNAPSI
・皮膚科学的生活の質指標(DLQI)
・慢性疾患療法の機能評価(FACIT)−疲労
・労働生産性に関する質問票(WLQ)
・生産性VAS
・EuroQol−5D(EQ−5D)質問票
対象集団
研究に適格な対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも6か月間、PsAと診断された18歳以上の男性又は女性であり、スクリーニング時にCASPAR基準を満たす。適格名対象のためのスクリーニングは、試験薬の投与前6週間以内に実施される。この研究に対象を登録するための組み入れ及び除外基準は、以下の2つのサブセクションに記載される。以下の組み入れ又は除外基準について疑問がある場合、治験責任医師は、この研究に対象を登録する前に適切な治験依頼者担当者に相談しなければならない。
組み入れ基準
可能性のある対象はそれぞれ、この研究に登録されるために以下の基準の全てを満たさなければならない。
1.対象は、18歳以上の男性又は女性でなければならない。
2.対象は、スクリーニングで実施される身体検査、病歴、バイタルサイン、及び12誘導心電図(ECG)に基づき、医学的に安定でなければならない。この判定は、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
3.対象は、スクリーニングで実施される臨床検査室試験に基づき、医学的に安定でなければならない。肝臓酵素又は血液学を含む血清化学パネルの結果が正常な基準範囲外である場合、対象は、治験責任医師が異常又は正常からの逸脱が臨床的に有意ではないか、又は研究中の集団に対して適切かつ妥当であると判断した場合にのみ含まれ得る。この判定は、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。組み入れ基準番号5b及び番号18に記載される試験について、結果は、組み入れ基準番号5b及び番号18において許容される適格性範囲内でなければならない。
4.研究薬剤の初回投与の少なくとも6か月前にPsAを有しており、スクリーニング時にCASPAR基準を満たしていること。
5.以下によって定義されるように、活動性PsAと診断されていること。
a.スクリーニング及びベースラインにおいて5つ以上の腫脹関節及び5つ以上の圧痛関節
及び
b.スクリーニング時のC反応性タンパク質(CRP)≧0.6mg/dL。
6.PsAサブセット:DIP関節障害、リウマチ結節が存在しない多発性関節炎、離断性関節炎、非対称性末梢関節炎、又は末梢関節炎を伴う脊椎炎のうちの少なくとも1つを有すること。
7.活動性尋常性乾癬を有するか、又は尋常性乾癬の文書化された履歴を有すること。
8.現在又は以前のDMARD及び/又はNSAID療法にもかかわらず、活動性PsAを有すること。DMARD療法は、DMARDを少なくとも3か月間服用すること、又はDMARD不耐性の証拠として定義される。NSAID療法は、NSAIDを少なくとも4週間服用すること、又はNSAID不耐性の証拠として定義される。
9.無作為化の前に、女性は、以下のいずれかでなければならない。
・妊娠する可能性がないこと;初経前ではないこと;閉経後(少なくとも12か月の無月経を有する45歳超)ではないこと;永久的に不妊ではないこと(例えば、卵管閉塞、子宮摘出、両側卵管切除);又はそうでなければ妊娠不能ではないこと。
・妊娠する可能性があり、かつ臨床研究に参加している対象に対する受胎調節方法の使用に関する地方条例に従う受胎調節の非常に効果的な方法:例えば、避妊の経口、注射、又は埋め込み式ホルモン方法の確立された使用を実施していること;子宮内避妊用具(IUD)又は子宮内システムの配置;バリア法:殺精子フォーム/ゲル/フィルム/クリーム/坐剤付きのコンドーム、又は殺精子フォーム/ゲル/フィルム/クリーム/坐剤付きの閉塞キャップ(ペッサリー若しくは子宮頚部/円蓋キャップ);男性パートナーの断種(精管切除したパートナーは、その対象の唯一のパートナーであるべきである);真の禁欲(これが対象の好ましく、かつ通常の生活習慣と一致する場合)。
10.妊娠する可能性のある女性は、スクリーニング時に陰性血清妊娠試験(β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン[β−HCG])、及び無作為化前の0週目に陰性尿妊娠試験を受けなければならない。
11.女性は、研究中、及び研究薬物の最後の投与を受けた後4か月間、妊娠しないか、又は生殖補助の目的で卵子(卵子、卵母細胞)を提供しないと同意しなければならない。
12.妊娠する可能性のある女性との性行為に積極的であり、精管切除を受けていない男性は、研究中、及び研究薬剤の最後の投与を受けた後4か月間、受胎調節のバリア法、例えば、殺精子フォーム/ジェル/フィルム/クリーム/坐剤付きのコンドーム、又は殺精子フォーム/ジェル/フィルム/クリーム/座薬付きの閉塞キャップ(ペッサリー若しくは子宮頚部/円蓋キャップ)を有するパートナーのいずれかを使用することに同意しなければならない。また、男性は全員、研究中及び研究薬剤の最後の投与を受けた後4か月間、精液を提供してはならない。
13.以下の結核(tuberculosis、TB)スクリーニング基準に従って適格であると考えられること:
a.スクリーニング前に、潜在性又は活動性TBの履歴がないこと。潜在性TBの履歴を有し、潜在性TBの治療を現在受けている対象については例外が認められ、研究薬剤の初回投与前に潜在性TBのための治療を開始するか、又は研究薬剤の初回投与前5年以内に潜在性TBのための適切な治療を完了したという文書を有すること。
b.医療履歴及び/又は身体的検査の際に活動性TBを示唆する徴候又は症状を有しないこと。
c.活動性TBを有する人と最近密接な接触がなかったこと、又はそのような接触があった場合は、TB専門医師に紹介して追加評価を受け、保証された場合は、研究薬剤の初回投与前に、潜在性TBのための適切な治療を受けること。
d.研究薬剤の初回投与前6週間以内に、陰性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有するか、又は活動性TBが除外され、潜在性TBのための適切な治療が研究薬剤の初回投与前に開始されている、新たに同定された陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有すること。QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験がその国において承認/登録されていないか、又はツベルクリン皮膚検査(TST)が現地の保健機関によって命じられている場合、研究薬剤の初回投与前6週間以内に、陰性TST、又は活動性TBが除外され、潜在性TBのための適切な治療が研究薬剤の初回投与前に開始されている、新たに同定された陽性TSTが更に必要とされる。
i.持続的に不確定なQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有する対象は、潜在的TBが除外され、彼らの胸部X線写真がTB(活動性又は陳旧性、非活動性TB)を示唆する異常を示さず、対象が治験責任医師によって判断されるようなTBの更なる危険因子を有しない場合、潜在性TBのための治療なしに登録され得る。
ii.QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験及びTSTは、潜在性TBの履歴及び潜在性TBのための進行中の治療、又は上記のように十分な治療を完了したという文書を有する対象に対しては、スクリーニング時に必要とされない。上記のように十分な治療を完了したという文書を有する対象は、潜在性TBのための更なる治療を開始する必要はない。
e.研究薬剤の初回投与前3か月以内に撮影され、適格な有資格放射線科医によって読み取られた胸部X線写真(後−前像)を有し、現在の活動性TB又は陳旧性、非活動性TBの兆候がないこと。
14.MTXを使用する場合、対象は、研究薬剤の初回投与の少なくとも3か月前に25mg/週を超えない用量で治療を開始しなければならず、MTXに起因する重大な毒性副作用を有してはいけない。メトトレキサートの投与経路及び用量は、研究薬剤の初回投与前少なくとも4週間、安定であるべきである。MTXを現在使用していない場合、研究薬剤の初回投与前少なくとも4週間、MTXを受けていてはならない。
15.NSAID又はPsAのための他の鎮痛剤を使用する場合、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、安定な用量でなければならない。NSAID又はPsAのための他の鎮痛剤を使用していない場合、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間前、NSAID又はPsAのための他の鎮痛剤を受けていてはならない。
16.経口コルチコステロイドを使用する場合、対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、≦10mgのプレドニゾン/日に相当する安定用量でなければならない。現在、経口コルチコステロイドを使用していない場合、対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、経口コルチコステロイドを受けていてはならない。
17.研究中に長時間の日光曝露を回避しなければならず、日焼け室又は他の紫外線源を使用してはならない。
18.以下のパラメータ内のスクリーニング検査結果を有すること:
a.ヘモグロビン≧8.5g/dL
b.白血球≧3.5×10/μL
c.好中球≧1.5×10/μL
d.血小板≧100×10/μL
e.血清クレアチニン≦1.5mg/dL
f.AST、ALT、及びアルカリホスファターゼのレベルは、試験を実施する実験室のULN範囲の1.5倍以内でなければならない。
19.対象は、このプロトコルに指定された禁止事項及び制限事項を守る意思があり、それが可能でなければならない。
20.それぞれの対象は、各自が研究の目的とそれに必要な手順を理解し、研究に参加する意思があることを示す、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する必要がある。
21.各対象は、研究のために任意選択的なDNA試料を提供することに合意する場合(地域の規制により認められている場合)、別個のインフォームドコンセントフォームに署名しなければならない。任意選択的なDNA研究試料に対して承諾を拒否しても、この研究のへの参加から対象を除外することはない。
22.初回の研究薬剤投与前2週間以内、及び研究期間全体にわたって、アーユルヴェーダ療法医学、漢方薬(複数可)、及び鍼治療を含む補完医療の使用を控える意思があること。
除外基準
以下の基準のうちのいずれかを満たす任意の潜在的な対象は、この研究の参加から除外される:
1.RA、AS、全身性エリテマトーデス、又はライム病が挙げられるがこれらに限定されない、ゴリムマブ療法の利益の評価を混乱させる可能性がある他の炎症性疾患を有する場合。
2.研究に登録されている間、又は研究薬剤の最後の投与を受けた後4か月以内に、妊娠、授乳、又は妊娠若しくは父親になることを計画している場合。
3.インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、及びセルトリズマブペゴルが挙げられるがこれらに限定されない、TNFαを低減するために標的とされる任意の生物学的薬剤を使用していた場合。
4.トシリズマブをこれまでに受けていた場合。
5.クロラムブシル、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、又は他のアルキル化剤を含む、細胞毒性薬物をこれまでに使用していた場合。
6.ナタリズマブ、エファリズマブ、又はB若しくはT細胞を枯渇させる薬剤(例えば、リツキシマブ、アレムツズマブ、若しくはビシリズマブ)をこれまでに受けていた場合。
7.アレファセプトをこれまでに受けていた場合。
8.アバタセプトをこれまでに受けていた場合。
9.トファシチニブ又は任意の他のヤヌスキナーゼ阻害剤(Janus kinase inhibitor、JAK)の阻害剤をこれまでに受けていた場合。
10.ウステキヌマブをこれまでに受けていた場合。
11.抗IL17療法(例えば、ブロダルマブ、イキセキズマブ、及びセクキヌマブ)をこれまでに受けていた場合。
12.ヒト免疫グロブリン又はゴリムマブ若しくはその賦形剤に対する既知のアレルギー、過敏症、又は不耐性。
13.研究薬剤の初回投与前4週間以内に、MTX以外の任意の全身性免疫抑制薬又はDMARDを受けていた場合。これらの分類の薬剤としては、スルファサラジン(SSZ)、ヒドロキシクロロキン(HCQ)、アザチオプリン、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、金、及びペニシラミンが挙げられるが、これらに限定されない。
14.研究薬剤の初回投与前4週間以内にレフルノミドを受けているか(薬物消失手順を受けることに関係なく)、又は研究薬剤の初回投与前3か月以内にレフルノミドを受けており、薬物排除手順を受けていない場合。
15.研究薬剤の初回投与前4週間以内に、乾癬又は皮膚評価に影響を及ぼし得る任意の全身性薬剤/治療(注射可能なコルチコステロイド、レチノイド、1,25ジヒドロキシビタミンD3及び類似体、プソラレン、スルファタラジン、ヒドロキシ尿素、フマル酸誘導体、又は光線療法が挙げられるが、これらに限定されない)を受けていた場合。
16.任意の研究薬剤の初回投与前2週間以内に、乾癬又は皮膚評価に影響を及ぼし得る局所用薬剤/治療(コルチコステロイド、アントラリン、カルシポトリエン、局所用ビタミンD誘導体、レチノイド、タザロテン、メトキサレン、トリメチルプソラレン、ピメクロリムス、及びタクロリムスが挙げられるが、これらに限定されない)を使用していた場合。
17.研究薬剤の初回投与前4週間の間に、副腎皮質ホルモンを含む、硬膜外、関節内、IM、又はIVコルチコステロイドを受けていた場合。
18.現在リチウムを受けているか、又は研究薬剤の初回投与前4週間以内にリチウムを受けていた場合。
19.研究薬剤の初回投与前3か月以内、研究中、又は研究薬剤の最後の投与後3か月以内に、任意の生ウイルス又は細菌ワクチン接種を受けていたか、又は受けることが予想される場合。
20.慢性腎感染症、慢性胸部感染症(例えば、気管支拡張症)、副鼻腔炎、再発性尿路感染症(例えば、再発性腎盂腎炎)、開放、排膿、若しくは感染した皮膚創傷、又は潰瘍が挙げられるがこれらに限定されない、慢性又は再発性の感染症の履歴があるか又は進行中である場合。
21.感染した関節プロテーゼの履歴を有するか、又はそのプロテーゼが除去若しくは置き換えされていない場合、関節プロテーゼの疑いのある感染のための抗生物質をこれまでに受けていた場合。
22.研究薬剤の初回投与前2か月以内に、深刻な感染症(肝炎、肺炎、敗血症、若しくは腎盂腎炎が挙げられるが、これらに限定されない)を有していたか、又は感染のために入院していたか、又は感染のためのIV抗生物質で治療されていた場合。
23.スクリーニング前に、ヒストプラスマ症又はコクチジオイデス真菌症を含む、活動性肉芽腫性感染症の履歴を有する場合。潜在性TBの履歴を有する適格性に関する情報については組み入れ基準を参照のこと。
24.12か月間のスクリーニングのうちに、Bacille Calmette Guerin(BCG)ワクチン接種を有していた場合。
25.悪性腫瘍又はTBを含む現在の活動性感染症を示唆する異常を示す、研究薬剤の初回投与前3か月以内の胸部X線写真を有する場合。
26.スクリーニング前6か月以内に、非結核性抗酸菌症又は日和見感染症(例えば、サイトメガロウイルス、ニューモシスティス症、アスペルギロシス症)を有していた場合。
27.研究薬剤の初回投与前2か月以内に、帯状ヘルペス感染症を有するか、又は有していた場合。
28.対象は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性の履歴を有するか、又はスクリーニング時にHIV検査結果が陽性である。
29.B型肝炎感染症を有する場合。対象は、B型肝炎ウイルス(HBV)のスクリーニングを受けなければならない。少なくとも、これには、HBsAg(HBV表面抗原)、抗HBs(HBV表面抗体)、及び抗HBC合計(HBVコア抗体合計)のための試験が含まれる。
30.スクリーニング前に6か月の差で、2つの陰性HCV RNA試験結果を有し、かつスクリーニング時に第3の陰性HCV RNA試験結果を有しない限り、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体に対して血清陽性である対象。
31.重度、進行性、又は制御されていない腎臓、肝臓、血液、胃腸、内分泌、肺、心臓、神経系、脳、又は精神疾患の現在の徴候又は症状を有する場合。
32.医学的に制御された無症候性CHFを含む、同時のうっ血性心不全(CHF)の履歴を有する場合。
33.移植器官を有する場合(研究薬剤の初回投与前3か月を超えた角膜移植を除く)。
34.リンパ腫を含むリンパ増殖性疾患の既知の履歴、あるいは異常な大きさ若しくは位置のリンパ節腫脹、臨床的に有意な脾腫、又は意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症などの可能性のあるリンパ増殖性疾患を示唆する徴候及び症状既知を有する場合。
35.多発性硬化症又は視神経炎などの既知の脱髄疾患の履歴を有する場合。
36.対象は、スクリーニング前5年以内に悪性腫瘍の履歴を有する場合(例外は、最初の研究薬剤投与前少なくとも3か月間、再発の兆候なしで治療された皮膚の扁平上皮及び基底細胞癌、並びに外科的に治療された子宮頸部の上皮内癌である)。
37.対象は、計画された研究薬剤の初回投与前に、任意の許可されない療法、併用療法を受けていた。
38.対象は、5半減期又は3か月のどちらかより長い方のうちに治験薬(治験ワクチンを含む)を受けているか、又は計画された研究薬剤の初回投与前3か月以内に侵襲的治験医療デバイスを使用していたか、又は治験研究に現在登録されている。
39.対象は、治験責任医師の意見によって、参加が対象の利益を最優先にしていない(例えば、健康状態を損なう)か、又はプロトコル指定の評価を妨げる、制限する、若しくは混乱させ得るような任意の状況を有する。
40.対象は、スクリーニング前1か月以内に大手術(例えば、全身麻酔を必要とする)を受けていたか、又は手術から完全に回復していないか、又は対象が研究に参加することが予想される期間中、若しくは研究薬剤投与の最後の投与後1か月以内に手術を予定している。
41.不十分な忍容性、又は静脈への容易なアクセスが欠いているため、複数の静脈穿刺を受けることができないこと、又は受ける意思がない場合。
42.過去3か月以内に、薬物乱用(薬物又はアルコール)の問題があったことが既知である場合。
43.対象は、治験責任医師又は研究施設の指示に従って提案された研究又は他の研究に直接関与している、治験責任医師又は研究施設の雇用者、並びにこの雇用者又は治験責任医師の家族である。
禁止及び制限
潜在的な対象は、参加に適格であるために、研究の間に以下の禁止及び制限を順守する意思があり、かつそれが可能でなければならない。
1.妊娠する可能性がある異性との性行為に積極的な女性、及び子供の父親になることが可能な男性の両方が、非常に効果的な避妊方法を使用し、研究期間中、及び研究薬剤の最後の投与後4か月間、避妊の使用を継続することに同意しなければならない。
2.以下の薬物の使用は、IV研究薬剤投与と同時に許可されない。
・TNFαの低減を標的とした生物学的薬剤(インフリキシマブ、SCゴリムマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、yisaipu、CT−P13[Remsima(登録商標)]、及びアダリムマブが挙げられるが、これらに限定されない)。
・IL−1ra(アナキンラ)
・トシリズマブ、又はIL−6若しくはIL−6受容体を標的とする任意の他の生物製剤
・トファシチニブ又は任意の他のJAK阻害剤
・B細胞枯渇剤(例えば、リツキシマブ)
・シクロホスファミド、クロラムブシル、ナイトロジェンマスタードなどの細胞毒性薬物、又は
・他のアルキル化剤
・アバタセプト
・ウステキヌマブ
・抗IL−17剤(例えば、ブロダルマブ、セクキヌマブ、及びイキセキズマブ)
・治験薬
3.以下の薬物の使用は許可されない:SSZ、HCQ、アザチオプリン、経口シクロスポリンA、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、経口又は非経口金を含む、全身性免疫抑制薬又はDMARD(MTX以外)。唯一の例外は、16週目の早期離脱に適格な対象に対するSSZ、HCQ、又はレフルノミドの使用である。
4.研究中に生ウイルス又は生細菌ワクチン接種を受けないことに同意しなければならない。対象はまた、研究薬剤の最後の投与を受けた後3か月間、生ワクチンを受けないことにも同意しなければならない。12か月間のスクリーニングのうちに、Bacille Calmette Guerin(BCG)ワクチン接種を有していてはならない。
5.この研究のための研究薬剤以外の治験医療デバイス又は治験薬を受けないことに同意しなければならない。
6.アスピリン及び選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)−2阻害剤を含むNSAID、並びに他の鎮痛剤で治療された対象は、研究が行われている国で承認された通常の市販用量を受けるべきである。NSAID及び他の鎮痛剤の処方は、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、及び24週目まで調節されるべきではなく、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ変更され得る。24週目の後から52週目まで、単回用量の減少が許可される。そうでなければ、NSAID及び他の鎮痛剤の処方は、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ変更され得る。16週目に、早期離脱に適格な対象は、NSAIDの単回開始、又は彼らのNSAID用量の増加を有し得る。
カプサイシン及びジクロフェナクを含む局所鎮痛剤の使用が許可される。
7.経口コルチコステロイドで治療された対象は、彼らの研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、1日あたり10mg以下のプレドニゾンに相当する安定用量を受け、この用量を24週目まで受け続けるべきである。24週目の後及び52週目まで、経口コルチコステロイドの単回用量の減少が許可される。そうでなければ、経口コルチコステロイドの用量及び種類は、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ、治験責任医師の裁量で変更され得る。16週目に、早期離脱に適格な対象は、彼らの経口コルチコステロイド用量の単回開始又は増加を有し得る(10mg/日のプレドニゾンの最大総用量又は同等)。
コルチコステロイドの硬膜外、IM、又はIV投与は、研究薬剤の初回投与前4週間以内には許可されず、研究全体を通してPsAの治療のために許可されない。PsA以外の兆候のための研究中の硬膜外、IM、及びIVコルチコステロイドの使用を避けるために、あらゆる試みが行われるべきである。PsA以外の兆候のための長期(2週間超)の経口又はIVコルチコステロイドは、研究全体を通して許可されない。PsA以外の兆候に使用される短期(≦2週間)の経口、IV、IM、又は硬膜外コルチコステロイドは、治療医師の意見によって適切な代替物がない状況に限定されるべきである。
関節内ステロイドは、研究薬剤の初回投与前4週間以内に投与されるべきではない。特に研究の最初の24週間の間、関節内コルチコステロイド注射を避ける試みが行われなければならない。しかしながら、必要であれば、対象は、60週間の研究の間、2つ以下の影響を受けた部位に最大2つの関節内、腱鞘、又は嚢のコルチコステロイド注射を受けてもよい。
8.伝統的な医学(例えば、漢方、鍼治療、アーユルヴェーダ療法医学)が挙げられるがこれらに限定されない、PsA疾患活動性又は評価に影響を及ぼし得る補完療法の使用は、60週目まで禁止されている。
処置割り付け及び盲検化
適格な対象は、盲検様式で、0週目に一定用量のゴリムマブ2mg/kg又はプラセボを受けるために、自動ウェブ応答システム(IWRS)を使用して無作為に割り当てられる。処置群への対象割り当ては、2つの処置群のうちの1つに1:1の比で、階層化ブロック無作為化法を使用して行われる。層別因子は、地理的領域及びベースラインMTX使用(はい又はいいえ)である。これにより、ベースラインMTX使用と、各地理的領域内の対象の数に対する相対的な処置バランスを確実にする。
ゴリムマブに割り当てられた対象は、52週目まで2mg/kgを受ける。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる。それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。
プラセボに割り当てられた対象は、24週目にゴリムマブ2mg/kgに交差し、24、28週目、及びq8wで52週目までゴリムマブ2mg/kgを受ける。ゴリムマブIV処置群の対象は、同じ用量でゴリムマブIV注入を受け続ける。加えて、ゴリムマブIV処置群の対象は、盲検を維持するために、24週目にIVプラセボを受ける。対象及び治験研究施設は、研究全体を通して最初の割り当てられた処置群に盲検化されたままである。
通常の状況下では、盲検は、60週間のDBLまで個々の対象に対して解除されるべきではない。そうでない場合には、対象の治療ステータスを知ることによって特定の緊急治療/一連の対処が示され得る場合に限り、盲検は解除されるべきである。緊急時には、治験責任医師は、IWRSからの処置の同一性を決定してもよい。治験責任医師は、可能であれば治験依頼者又はその被指名人に連絡して、具体的な状況について検討することが推奨される。治験依頼者又はその被指名人との電話連絡は、毎日24時間、週7日間可能である。盲検が解除された場合、治験依頼者には可及的速やかに通知しなければならない。非盲検化の日付及び理由は、施設関係者によってeCRF及びソースドキュメントに文書化されなければならない。治験責任医師はまた、研究施設又は治験依頼者関係者に対して、研究処置割り当てを明らかにしないようにアドバイスされる。
処置割り当てが非盲検化されていた対象は、予定された評価のために戻り続けることが予想される。更なる研究薬剤投与は、研究責任医師によって検討されるべきである。24週目のDBLにおいて、対象が研究になおも参加している間に、データは、限定された治験依頼者関係者に対して分析のために非盲検化される。非盲検対象レベルデータへのアクセスを有する治験依頼者関係者の識別は、非盲検化前に文書化される。治験研究施設及び対象は、60週目のデータベースがロックされた後まで、最初の処置割り当てに対して盲検化されたままである。
処置割り当て(即ち、研究薬剤血清濃度、研究薬剤に対する抗体、処置割り当て、及び研究薬剤調製/説明責任データ)を潜在的に非盲検化し得るデータは、特別に注意して取り扱われ、これにより、非盲検化の前に、そのようなデータは、データクリーニングの目的でデータ管理スタッフ、並びに妥当な場合、ゴリムマブに対する薬物動態及び抗体分析を実施する目的で臨床薬理学代表者、及び独立した薬物監査を実施する目的で品質保証代表者のみが入手可能である。
所与の対象の処置割り当ては、規制報告要件を満たすために、治験依頼者、IRB/EC、及び施設関係者に対して非盲検化されてもよい。
投与量及び投与
投与レジメン及び盲検化
研究薬剤の第1の注入前に、対象は、以下の2つの処置群のうちの1つに1:1の比で無作為に割り当てられる。
群I(n=220):対象は、0、4、12、及び20週目にIVプラセボ注入を受ける。対象は、24週目にIVゴリムマブ2mg/kgに交差し、24、28週目、及びその後q8wに投与を受ける。
群II(n=220):対象は、0、4週目、及びその後q8wにIVゴリムマブ2mg/kgを受ける。対象は、盲検を維持するために、24週目にIVプラセボ注入を受ける。
注記:全ての注入は、30±10分間かけて完了する。
早期離脱
16週目に、腫脹関節数及び圧痛関節数の両方におけるベースラインからの5%未満の改善を有する群I及びIIにおける全ての対象が、二重盲検様式で早期離脱に入る。16週目に、早期離脱対象である全ての対象は、治験者によって選択されるような、以下の併用薬介入のうちの1つが認められる。それらのコルチコステロイド用量(最大総用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX用量(最大総用量25mg/週)、若しくはNSAID用量の増加、又はNSAID、コルチコステロイド(最大用量プレドニゾン10mg/日若しくは同等)、MTX(最大用量25mg/週)、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(最大投与量20mg/日)の開始。安定用量のこれらの薬剤への滴定は、24週目の訪問までに早期離脱対象である対象に対して完了されるべきである。
研究薬剤投与及びタイミング
全てのベースライン後訪問は、指示された週±4日に行われ得る4週目、12週目、14週目、16週目、及び24週目の訪問を除き、研究全体を通して指定された週±7日に行われ得る。推奨される許容可能な時間帯が順守できない場合、治験依頼者には、訪問を予定に入れる前に連絡しなければならない。
研究前及び同時療法
24週目まで、又は以下のセクションで指定されるように、対象の併用薬を安定した状態に保持するためにあらゆる努力をするべきである。併用薬用量は、低減され得るか、又は投薬治療は、異常な検査値、副作用、併発症、又は外科処置の性能を理由に一時的に中断され得るが、変化及び変化の理由は、対象の医療記録に明確に文書化されるべきである。
対象は、早期離脱に適格な対象についての16週目を除いて、研究中にPsAのための任意の新たな治療を開始するべきではない。
併用薬レビューは、時間及びイベントスケジュールにおいて特定された研究訪問において行われる。
メトトレキサート
対象は、安定用量のMTXを服用して研究に入ることが許可される。
対象がMTXを使用している場合、治療は、研究薬剤の初回投与の少なくとも3か月前に開始されているべきである。MTXの投与経路及び25mg以下/週の用量は、研究薬剤の初回投与前少なくとも4週間、安定であるべきである。この研究でMTXを服用した全ての対象は、少なくとも5mgの経口葉酸塩又は5mgの葉酸を毎週受けることが推奨される。
MTXによる治療を受けていない対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも4週間、治療を中断していなければならず、60週目までMTXを受けてはならない。(SIMPONI IV(golimumab)Clinical Protocol CNTO148PSA3001 Amendment 2 45 Approved,29 June 2016)16週目の早期離脱に適格な対象に対して例外が認められる。16週目に、早期離脱に適格な対象は、彼らのMTX用量を開始し得るか、又はその単回増加を有し得る(25mg/週の最大総用量)。
MTXを開始する対象について、安定用量への滴定は、24週目の訪問までに完了されるべきである。MTXを受けている対象については、研究の60週目までこの薬剤の安定用量及び投与経路を維持するために、あらゆる努力をするべきである。しかしながら、MTXの用量は、毒性の場合に減少し得る。MTX毒性の場合の用量調節に関するガイドラインは、Trial Center Fileに含まれる。
コルチコステロイド
PsAのために経口コルチコステロイドで治療された対象は、研究薬剤の初回投与前少なくとも2週間、1日あたり≦10mgのプレドニゾンに相当する安定用量を受け、この用量を60週目まで受け続けるべきである。ベースラインにおいて経口コルチコステロイドで治療されていない対象は、研究薬剤の初回投与の少なくとも2週間前に経口コルチコステロイドを中断していなければならず、彼らは、60週目まで経口コルチコステロイドを受けてはならない。
16週目の早期離脱に適格な対象に対して例外が認められる。16週目に、早期離脱に適格な対象は、彼らの経口コルチコステロイド用量を開始し得るか、又はその単回増加を有し得る(10mg/日のプレドニゾンの最大総用量又は同等)。
24週目の後及び60週目まで、経口コルチコステロイドの単回用量の減少が許可される。そうでなければ、経口コルチコステロイドの用量及び種類は、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ、治験責任医師の裁量で変更され得る。
PsAの治療のためのコルチコステロイドの静脈内、筋肉内、又は硬膜外投与は、研究全体を通して許可されない。
PsA以外の兆候のための長期(2週間超)の経口又はIVコルチコステロイドは、研究全体を通して許可されない。PsA以外の兆候に使用される短期(≦2週間)の経口、IV、IM、又は硬膜外コルチコステロイドは、治療医師の意見によって適切な代替物がない状況に限定されるべきである。コルチコステロイドの吸入、耳、眼、鼻腔内、及び粘膜送達の他の経路は、研究の過程全体を通して許可される。
特に研究の最初の24週間の間、関節内コルチコステロイド注射を避ける試みが行われなければならない。しかしながら、必要であれば、対象は、60週間の研究の間、2つ以下の影響を受けた部位に最大2つの関節内、腱鞘、又は嚢のコルチコステロイド注射を受けてもよい。単一関節における重度の圧痛又は腫脹の場合、対象は、関節内コルチコステロイド注射を受ける前に感染症について評価されることが提案される。
非ステロイド性抗炎症薬及び他の鎮痛剤
安定用量のNSAID及び他の鎮痛剤の使用が許可される。
アスピリン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を含むNSAID、並びに他の鎮痛剤で治療された対象は、研究が行われている国で承認されている通常の市販用量を受けるべきであり、研究薬剤の初回投与の少なくとも2週間前に安定用量を服用しているべきである。24週目まで、NSAID及び他の鎮痛剤の用量及び種類は、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ変更され得る。
16週目の早期離脱に適格な対象に対して例外が認められる。16週目に、早期離脱に適格な対象は、彼らのNSAID用量を開始し得るか、又はその単回増加を有し得る。NSAIDを開始する対象について、安定用量への滴定は、24週目の訪問までに完了されるべきである。
24週目の後及び60週目まで、単回用量の減少が許可される。そうでなければ、NSAID及び他の鎮痛剤の処方は、対象が許容できない副作用を生じた場合にのみ変更され得る。
カプサイシン及びジクロフェナクを含む局所鎮痛剤の使用が許可される。
この試験では、アスピリンは、心臓血管又は脳血管疾患のために処方された低用量アスピリンを除いて、NSAIDと見なされる。
疾患修飾性抗リウマチ薬/全身性免疫抑制薬
MTXを除いて、疾患修飾性抗リウマチ薬/全身性免疫抑制薬は、研究薬剤の初回投与の少なくとも4週間前に中断されなければならず、60週目まで禁止されている。これらのDMARDとしては、SSZ、HCQ、金製剤、ペニシラミン、及びレフルノミドが挙げられるが、これらに限定されない。対象が研究薬剤の初回投与前3か月以内にレフルノミドを受けた場合、対象は、薬物排除手順を受けていなければならない。
早期離脱に適格な対象に対して例外が認められる。16週目に、早期離脱に適格な対象は、SSZ(最大用量3g/日)、HCQ(最大用量400mg/日)、又はレフルノミド(20mg/日の最大用量)の単回開始を有し得る。SSQ、HCQ、又はレフルノミドを開始する対象について、安定用量への滴定は、24週目の訪問までに完了されるべきである。
60週目まで禁止された全身性免疫抑制薬としては、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、及びアザチオプリンが挙げられるが、これらに限定されない。(Systemic SIMPONI IV(golimumab)Clinical Protocol CNTO148PSA3001 Amendment 2 47 Approved,29 June 2016)免疫抑制薬は、コルチコステロイドを指さない。
生物学的薬剤、細胞毒性薬物、又は治験薬
生物学的薬剤(例えば、SCゴリムマブ、アナキンラ、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、アレファセプト、エファリズマブ、リツキシマブ、ナタリズマブ)、細胞毒性剤(例えば、クロラムブシル、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、他のアルキル化剤)、又は治験薬の使用は、60週間の研究中に許可されない。これらの薬剤のいずれかが使用される場合、対象は、更なる研究薬剤の注入から中断される。
補完療法
アーユルヴェーダ療法医学、漢方薬、又は鍼治療などの非薬物療法を含む補完療法の使用は、60週間の研究中に許可されない。
局所療法及び紫外線B光
乾癬に対する局所用薬剤/治療(例えば、コルチコステロイド角質溶解薬[研究全体を通して許可されるサリチル酸シャンプーを除く]、コールタール[研究全体を通して許可されるコールタールシャンプーを除く]、アントラリン、ビタミンD3類似体、又は局所用タロリムス、及びレチノイド)の同時使用は、24週目まで許可されない。
対象は、研究訪問前の午前中にサリチル酸及びタール含有シャンプーを使用するべきではない。非薬用シャンプーは、訪問の日に使用され得る。
24週目の注入後、病巣内コルチコステロイドを含む局所療法が、高及び超高効力コルチコステロイド(クラスI及びII)を除いて使用され得る。UVB又は日焼けベッドは、60週目まで許可されない。対象は、研究中に長時間の日光曝露を避けることが奨励されるべきである。
乾癬の全身療法
乾癬に対する全身療法の同時使用(例えば、紫外線A[PUVA]とソラレン、全身性レチノイド、シクロスポリン、又はタクロリムス)は、60週目まで許可されない。全身性抗乾癬療法の使用は、研究薬剤の初回投与の少なくとも4週間前に中断されなければならない。
研究評価
研究手順
概論
妊娠する可能性がある女性に対してのみ、治験責任医師によって必要と判断されるか、又は地方規制によって必要とされる場合、追加の血清又は尿妊娠試験が実施されて、対象の研究への参加中の任意の時点で妊娠がないことを確証することができる。また、追加のTB試験は、治験責任医師によって必要と判断されるか、又は地方規制によって必要とされる場合に実施され得る。
全ての訪問別PRO評価は、その訪問に対して任意の試験、手順、又は他の相談前に実施されて、対象の認識に影響を及ぼすことを防止するべきである。更なる詳細については、PROユーザマニュアルを参照する。
ロジスティック的に実行不可能でない限り、時間及びイベントスケジュールにおいて指定された順序で全ての他の評価を実施するためにあらゆる努力をするべきであり、可能であれば、同じ個人(複数可)は、各訪問において評価を実施するべきである。
薬物動態マーカーの分析のための血清及び全血(遺伝子発現分析用)は、全ての対象から収集される。0及び24週目に、DNA分析のための全血試料は、研究の任意選択的な薬理ゲノム学的(DNA)要素に参加することに同意した対象からのみ収集される。DNA分析のための血液試料は、地方規制によって許可された場合にのみ収集される。薬理ゲノム学的研究のための血液試料の収集及び取り扱いに関する詳細については、Laboratory Reference Manual for the Pharmacogenomics Sample Collection and Shipment Proceduresを参照のこと。DNA抽出に失敗した場合、対象から代替の薬理ゲノム学的血液試料が要求され得る。署名されたインフォームドコンセントは、代替試料を得るために必要とされる。
各対象からのこの研究で収集される全血量は、主要な研究のために約253mLであり、任意選択的なDNA試験のために20mLである。
反復又は予定されていない試料は、安全上の理由で、又は試料に関する技術的問題のために採取され得る。
スクリーニングフェーズ
書面によるインフォームドコンセントが得られた後、かつ無作為化前6週間の期間内に、全てのスクリーニング評価が実施される。スクリーニング訪問は、1回を超える訪問に分割され得る。例えば、インフォームドコンセントを得た後、治験責任医師は、最初の訪問において全ての検査室試験を完了する。次いで、対象が中央検査室試験結果によって判定されたように研究に適格である場合にのみ、対象は、スクリーニング手順の残りの部分に戻る。組み入れ基準の全てを満たし、かつ除外基準のいずれも満たさない対象が、研究に登録される。各対象について、研究の時間及びイベントスケジュールに順守するためにあらゆる努力をするべきである。対象は、研究の任意選択的な薬理ゲノム学的研究要素に参加するために、別個の書面の薬理ゲノム学的インフォームドコンセントを提供しなければならない。
妊娠する可能性のある女性は、スクリーニング時に陰性血清妊娠試験、及び無作為化前に陰性尿妊娠試験を受けなければならない。妊娠する可能性がある女性及び子供の父親になることが可能な男性の両方が、非常に効果的な避妊方法を使用し、研究期間中及びその後4か月間、避妊の使用を継続することに同意しなければならない。各対象によって使用される避妊法(複数可)は、文書化されなければならない。
12誘導ECGは、いかなる理由でも研究中に対象がECGを必要とする場合、最初の研究薬剤投与前のECGが、変化を検出するための比較のために利用可能であることを確実にするために、スクリーニング時に現地で実施される。
胸部X線検査(後−前[PA])は、対象が、TBを含む悪性又は現在の活動性感染症を示唆するいかなる異常も有さないことを確実にするために、スクリーニング時に実施される。研究薬剤の初回投与の最大3か月前に撮影された胸部X線が使用され得る。
対象は、TBのための試験を受けなければならず、彼らの病歴評価は、TBの履歴、又は活動性TBを有する個人への既知の職業性又は他の個人的曝露に関する特定の質問を含んでいなければならない。対象は、胸部X線検査結果及びツベルクリン皮膚又は他のTB試験に対する応答を含む、TBの過去の試験に関して質問されるべきである。
陰性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果(及びQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験が承認/登録されていないか、又はTSTが現地の保健機関によって命じられている国における陰性のTST結果)を有する対象は、無作為化前の手順を継続する資格がある。新たに同定された陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験(又はTST)結果を有する対象は、活動性TBを除外するための評価を受け、第1の用量の研究薬剤の投与前に潜在性TBのための適切な治療を開始しなければならない。活動性TBの兆候がない潜在性TBのための治療を現在受けている対象、又は潜在性TBの履歴を有し、かつ研究薬剤の初回投与前5年以内に潜在性TBのための適切な治療を完了しているという文書を有する対象については、例外が認められる。これらの対象は、スクリーニング中にQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験(又はTST)で再試験される必要はない。潜在性TBのための適切な治療は、免疫不全患者に対する現地の国のガイドラインに従って定義される。免疫不全患者に対する現地の国のガイドラインが存在しない場合、米国ガイドラインに従わなければならないか、又は対象は、研究から除外されなければならない。以前の抗TB治療の妥当性を検証し、適切な文書を提供することは、治験責任医師の責任である。
第1のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果が不確定である対象は、試験を繰り返すべきである。第2のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果も不確定である場合、対象は、潜在的TBが除外され、彼らの胸部X線写真がTB(活動性又は陳旧性、非活動性TB)を示唆する異常を示さず、対象が治験責任医師によって判断されるようなTBの更なる危険因子を有しない場合、潜在性TBのための治療なしに登録され得る。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
再試験
異常スクリーニング検査室血液試験及び除外につながるCRPレベルの再試験は、スクリーニング期間中に予定されていない訪問を使用して1回のみ許可される(適格性を再評価するために)。
治療フェーズ
治療フェーズは、プラセボ対照及び積極的治療フェーズを含む。0週目に、適格な対象は、2つの処置:ゴリムマブIV2mg/kg又はプラセボIVのうちの1つを受けるように無作為に割り当てられる。
有効性
乾癬性関節炎応答評価
関節評価
68個の関節の各々が圧痛に関して評価され、66個の関節の各々が腫脹に関して評価される(股関節は、腫脹に関して除外される)。全ての関節は、時間及びイベントスケジュールに示されるように、訪問時に検査される。
関節評価を実施するのに十分な訓練及び経験を有する独立した関節評価者(IJA)は、全関節評価並びに指炎及び腱付着部炎評価を実施するために各研究施設において指定される。対象のベースライン関節評価を実施する同一のIJAはまた、52週目までの全ての後続の訪問において、その対象に関する関節評価も実施するべきであることが強く推奨される。
治験依頼者は、各施設における最初の対象のスクリーニング前に、各施設の指定されたIJAのための訓練を提供する。補助IJAは、対象の研究訪問のための関節評価を実施する前に、訓練を完了しなければならない。
IJAが過去3年以内の以前の臨床研究において、治験依頼者によって訓練され、この訓練の適切な文書(証明書)が存在する場合、その訓練は、この研究に十分であると見なされる。しかしながら、試験の開始前の反復訓練が奨励される。各IJAの訓練の文書は、研究施設で維持されるべきである。
施設で関節評価を実施している全てのIJAは、研究施設においてデリゲーションログ上に列挙されなければならず、各訪問においてソースドキュメントに文書化されるべきである。
24週目の後、関節評価者は、もはや独立している必要はない。しかしながら、関節評価者は、研究中に変更されるべきではないことが推奨される。
評価不可能な関節
関節は、関節を評価することが物理的に不可能である場合にのみ(即ち、ギプスによりアクセス不可能な関節、切断により存在しない関節、アクセスを不可能にするように変形した関節)、IJAによって「評価不可能」と指定されるべきである。他の全ての場合において、IJAは、圧痛及び腫脹に関して各関節を評価するべきである(股関節は、腫脹に関して除外される)。これは、以前の手術を可視的に示すいかなるもの(例えば、瘢痕)、又は彼らが有し得る対象の以前の関節処置/注射の認識(例えば、対象が研究参加前にIJAの患者であった場合)にかかわらず、完了されるべきである。
米国リウマチ学会レスポンス
米国リウマチ学会レスポンスは、複数の疾患評価基準の改善の数値測定として提示される。例えば、ACR20応答10は、以下のように定義される。
1.腫脹関節数(66個の関節)及び圧痛関節数(68個の関節)の両方におけるベースラインからの20%以上の改善、
並びに
2.以下の5つの評価のうちの3つにおけるベースラインからの20%以上の改善:
・患者の疼痛評価(VAS)
・患者の疾患活動性の包括的評価(VAS)
・医師の疾患活動性の包括的評価(VAS)
・患者のHAQ−DIによって測定された身体機能の評価
・CRP
ACR50、ACR70、及びACR90は、ベースラインからの改善閾値がそれぞれ50%、70%、及び90%であることを除いて、同様に定義される。
指炎評価
指炎の存在及び重症度は、0〜3のスコアリングシステム(0−指炎なし、1−軽度の指炎、2−中程度の指炎、及び3−重篤な指炎)を使用して両手及び両足において評価される。15,16
IJAは、全ての指炎評価を実施する。治験依頼者は、指炎評価訓練を提供する。この訓練の文書は、研究施設の訓練ファイル内に維持される。
腱付着部炎評価
腱付着部炎は、Leeds腱付着部炎指標(Leeds Enthesitis Index、LEI)を使用して評価される。18LEIは、PsAを有する対象における腱付着部炎を評価するために開発され、以下の腱付着部に局所的圧力を加えることによって疼痛の有無を評価する。
・肘外側上顆、左及び右
・肘内側上顆、左及び右
・アキレス腱付着部、左及び右
IJAは、全ての腱付着部炎評価を実施する。治験依頼者は、腱付着部炎評価訓練を提供する。この訓練の文書は、研究施設の訓練ファイル内に維持される。
撮像評価
修正総van der Heijdeシャープ(vdH−s)スコアは、手のDIP関節の追加、並びにペンシルインカップ及び全体的な骨溶解変形の評価によって、PsA放射線損傷評価の目的のために修正された元のvdH−Sスコア28である。関節びらんスコアは、手の40個の関節及び足の12個の関節におけるびらん重症度の要約である。各手関節は、関与する表面積に応じて、びらんなしを示す0から関節骨の半分超からの骨の広範な損失を示す5までスコアリングされる。足関節の各側面は、このスケールで等級分けされるため、足関節に対する最大びらんスコアは、10である。したがって、最大びらんスコアは、320である。関節裂隙狭小化(JSN)スコアは、手の40個の関節及び足の12個の関節におけるJSNの重症度を要約する。JSNの評価は、0〜4にスコアリングされ、0は、JSNなしを示し、4は、関節裂隙の完全な損失、骨性強直症、又は完全な脱臼を示す。したがって、最大JSNスコアは、208であり、528は、PsAに対する考え得る最悪の修正総vdH−Sスコアである。
手(後前)及び足(前後)の単一のX線検査は、不要なX線を最小限に抑えるために訪問時に実施され、対象は、組み入れ及び除外基準が確認され、対象が研究に入る資格があると思われた後に撮影された手及び足のベースラインX線写真を有することが推奨される。ベースラインX線写真は、無作為化の前に撮影されなければならない。これらのX線検査は、無作為化の約2週間前に実施されて、X線写真の品質に関するいかなる潜在的な問題にも対処する時間を考慮することが示唆される。EEに適格な対象は、16週目及び24週目に収集されたX線写真を有する。EEに適格ではない対象は、24週目に撮影されたX線写真を有する。全ての対象は、52週目に撮影されたX線写真を有する。全てのX線写真は、対象の予定された訪問の±2週間に撮影される。
52週目の前に研究薬剤を永続的に中止する対象については、手及び足のX線検査は、研究薬剤の中止時に実施されるべきである。手及び足のこれらのX線検査は、過去6週間以内に別のX線写真のセットが得られた場合には実施される必要はない。
X線写真は、中央の独立した読み取り者によって評価される。2つの読み取りキャンペーンが存在し、読み取りキャンペーン1は、0週目、16週目(早期離脱に入った対象について)、及び24週目(及び/又は24週目の前の研究薬剤中断訪問)を含み、読み取りキャンペーン2は、0週目、24週目、及び52週目のデータ、又は24週目の後であるが52週目の前の研究薬剤中断訪問を含む。
X線写真の取得に関する詳細な情報は、撮像マニュアルに提供される。
健康評価質問表の障害指標
対象の機能状態は、HAQ−DIによって評価される。13この20問の計器は、8つの機能領域(身支度、起床、食事、歩行、衛生、伸展、握力、及び日常生活活動)におけるタスクの達成で人が感じる困難の程度を評価する。各機能領域における応答は、困難なしを示す0からその領域内でタスクを実行することが不可能であることを示す3までスコアリングされる(即ち、より低いスコアは、より良好な機能を示す)。評価の特性は、評価されており、PsAにおけるその妥当性が決定されている。19また、対象の疾患の変化に応答することが示されている。22PsAにおいて、0.30のスコアの減少は、有意義な改善を示すと決定されている。21
最小疾患活動性
PsA最小疾患活動性(MDA)基準は、PsAで使用される7つの結果尺度の複合体である。対象は、7つの結果尺度のうちの5つを満たした場合、MDAを達成することと分類される:圧痛関節数1以下;腫脹関節数1以下;乾癬活動性及び重症度指数1以下又は身体表面積3以下;15以下の患者の疼痛ビジュアルアナログスケール(VAS)スコア;20以下の患者の包括的疾患活動性VASスコア;健康評価質問表(HAQ)スコア0.5以下;及び圧痛腱付着部点1以下。
36項目ショートフォーム健康調査
医学的アウトカム研究健康指標SF−36質問票は、Rand Health Insurance Experimentの一部として開発され、8つの多項目スケールからなる。
・健康問題による身体機能の制限;
・身体健康問題による日常的役割の活動の制限;
・身体の痛み;
・全般的な精神的健康状態(心理的苦痛及び健康);
・個人的又は感情的問題による日常的役割の活動の制限;
・身体的又は精神的健康問題による社会的機能の制限;
・活力(エネルギー及び疲労);
・全般的な健康状態の認識。
これらのスケールは、0〜100にスコアリングされ、より高いスコアは、より良好な健康を示す。別のアルゴリズムは、身体成分サマリー(PCS)及び精神成分サマリー(MCS)の2つのサマリースコアを得る。これらのサマリースコアはまた、より高いスコアがより良好な健康を示してスケーリングされるが、一般的な米国の集団基準に基づき、スコアを50の平均及び10の標準偏差に変換するために線形変換が実施されるノルムベースのシステムを使用してスコアリングされる。34SF−36によって測定される概念は、任意の年齢、疾患、又は処置群に特有ではなく、異なる疾患の相対的な負担と異なる治療の相対的利益との比較を可能にする。33
乾癬応答評価
乾癬の面積及び重症度指標
PASIは、乾癬病変の重症度及び療法に対するそれらの応答を評価及び等級分けするために使用されるシステムである。12PASIは、0〜72の範囲であり得る数値スコアを生成する。PASI50応答は、ベースラインからのPASIスコアの50%以上の改善として定義され、PASI75及びPASI90は、同様に定義される。
ベースラインにおける対象のPASI評価を実施した医師又は被指名人が、全ての後続の訪問においてもその対象に対してPASIを実施するべきであることを確実にするために、あらゆる努力をするべきである。治験依頼者は、PASI訓練を提供する。この訓練の文書は、施設の訓練ファイル内に維持される。
エンドポイント
主エンドポイント
この研究の主エンドポイントは、14週目にACR20応答を達成する対象の割合である。
研究は、14週目のACR20を有する対象の割合が、プラセボ群と比較してゴリムマブ群において統計的に有意により大きいことが実証された場合、陽性であると考えられる。
主要セカンダリーエンドポイント
以下の主要セカンダリーエンドポイントは、以下に指定されるような重要度順で列挙される。
1.14週目のHAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化。
2.14週目にACR50応答を達成する患者の割合。
3.14週目にPASI75応答を達成する対象の割合(ベースラインの3%以上のBSA乾癬関与を有する)。
4.24週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化。
他のセカンダリーエンドポイント
制御されたセカンダリーエンドポイント(多様性に対するタイプIエラー率の制御を伴う)。
以下の制御されたセカンダリーエンドポイントは、主エンドポイント及び主要セカンダリーエンドポイントに加えて分析され、以下に指定されるような重要度順で列挙される。
1.ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における、14週目の腱付着部炎スコアにおけるベースラインからの変化。
2.ベースラインにおいて指炎を有する対象における、14週目の指炎スコアにおけるベースラインからの変化。
3.14週目のSF−36PCSにおけるベースラインからの変化。
4.24週目にACR50応答を達成する患者の割合。
5.14週目にACR70応答を達成する患者の割合。
6.14週目のSF−36MCSにおけるベースラインからの変化。
多様性を制御するために、主エンドポイント及び全ての主要セカンダリーエンドポイントが統計的有意性を達成したときにのみ、上記のエンドポイントが、上記の順序に従って順次試験される。そうでなければ、公称P値が提供される。
他のセカンダリーエンドポイントは、以下を含む
主エンドポイント、主要セカンダリーエンドポイント、及び制御されたセカンダリーエンドポイントに加えて、以下のエンドポイントが評価される。
徴候及び症状の低減並びに身体機能に関連したエンドポイント
1.2週目にACR20応答を達成する患者の割合。
2.経時的に、ACR20、ACR50、ACR70、及びACR90応答を達成する対象の割合。
3.経時的なACR応答の成分におけるベースラインからの変化。
4.経時的に、ACR応答の各成分において≧20%、≧50%、≧70%、及び≧90%の改善を達成する対象の割合。
5.経時的なHAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化。
6.経時的に、HAQ−DIスコアにおいてPsA対象に対する臨床的に有意義な改善(0.3以上の改善)を達成する対象の割合。
7.経時的な、ベースラインにおいて指炎を有する対象における指炎のベースラインからの変化、及び指炎がある指を有する対象の割合。
8.経時的な、ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における腱付着部炎スコアにおけるベースラインからの変化、及び腱付着部炎を有する対象の割合。
9.24週目にACR20応答を達成した対象における、52週目にACR応答を達成する対象の割合。ACR50、70、及び90応答者に対する同様のエンドポイントも評価される。
10.24週目にHAQ−DI応答を達成した対象における、52週目にHAQ−DI応答を達成する対象の割合(HAQ−DIスコアの0.3以上の改善を達成する対象)。
11.経時的なMDAを達成する対象の割合。
皮膚疾患に関連したエンドポイントは、以下を含む
1.ベースラインにおいて3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象については、全体的に、かつベースラインMTX使用によって、経時的にベースラインからのPASIの50%以上、75%以上、90%以上、及び100%の改善を達成する対象の割合。
2.ベースラインにおいて3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象については、経時的なPASIのベースラインからの改善。
3.ベースラインにおいて3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象については、経時的にPASI75及びACR20応答の両方を達成する対象の割合。
4.ベースラインにおいて3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象については、経時的にPASI50及び5以上のDLQIの改善の両方を達成する対象の割合。
5.ベースラインにおいて3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象については、経時的にPASI75及び修正されたPsARC応答の両方を達成する対象の割合。
関節構造損傷に関連するエンドポイントは、以下を含む
構造損傷エンドポイントについては、2つの読み取りキャンペーンが存在し、読み取りキャンペーン1は、24週目における分析に寄与し、読み取りキャンペーン2は、52週目における分析に寄与する。
1.24週目に0以下の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化を有する対象の割合。
2.24週目及び52週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化。
3.0週目から24週目、24週目から52週目の修正総vdH−Sスコアにおける変化。24週目及び52週目の領域(手、足)による修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化。
4.24週目及び52週目の損傷の種類(びらん及びJSN)による修正vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化。
5.ベースライン、24週目、及び52週目に関節損傷のない状態(0の修正総vdH−Sスコア、0のびらんスコア、又は0のJSNスコア)を維持している対象の数。
6.24週目及び52週目に0以下又は0.5以下の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化を有する対象の数。
健康関連の生活の質に関連したエンドポイントは、以下を含む
1.経時的なSF−36のPCSスコア及びMCSスコアにおけるベースラインからの変化。
2.経時的なSF−36スケールにおけるベースラインからの変化。
3.経時的に、5以上のSF−36PCSスコア改善を達成する対象の割合。
4.経時的に、5以上のSF−36MCSスコア改善を達成する対象の割合。
対象の完了/脱退
完了
対象は、研究の60週目に評価を完了した場合、研究を完了したと見なされる。いかなる理由でも研究処置を早期に中断する対象は、研究を完了したとは見なされない。
研究処置の中断
対象の研究処置が治療レジメンの終了前に中断されなければならない場合、これは、研究からの対象の自動脱退をもたらさない。
対象が52週目に、又はその前に研究薬剤投与を中断する場合、その対象は、特定の有効性及び最終的な安全性のための訪問に戻らなければならない。
以下のいずれかが生じる場合、研究薬剤投与は、永久的に中止されなければならない。
・研究期間内、又は最後の研究薬剤投与後4か月以内の妊娠及び計画された妊娠。
・人工呼吸器補助を必要とする喘鳴及び/若しくは呼吸困難を伴う気管支けいれんをもたらす反応、又は研究薬剤投与後に生じる症候性低血圧。
・研究薬剤の注入の1〜14日後に生じる、発熱及び/又は発疹を伴う筋肉痛及び/又は関節痛をもたらす反応(血清病を示唆し、他の認識された臨床的症候群の徴候及び症状を表すものではない)。これらは、掻痒、顔、手、又は唇の浮腫、嚥下障害、じんま疹、咽頭炎、及び/又は頭痛を含む他の事象を伴う場合がある。
・日和見感染症。
・非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍。
・CHF。
・脱髄疾患。
・対象は、以下のTBスクリーニング基準に従って不適格であると見なされる。
−活動性TBの診断が行われる。
−潜在性TBのための治療を受けている対象は、この治療を早期に中断するか、又は治療に不適合である。
−対象は、フォローアップ評価質問及び/若しくは身体検査に基づき活動性TBを示唆する症状を有するか、又は活動性TBを有する人と最近密接に接触していて、追加の評価を受け続けることができないか、若しくは続けない。
−継続評価を受ける対象は、活動性TBが除外され得、潜在性TBのための適切な治療が、研究薬剤の次の投与前に開始され、完了まで継続され得ない限り、現在の活動性TBの兆候を有する胸部X線写真、及び/又は陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果(及び/又はQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験が承認/登録されていないか、若しくはTSTが現地の保健機関によって命じられている国における陽性のTST結果)を有する。持続的に不確定なQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有する対象は、潜在的TBが除外され、彼らの胸部X線写真がTB(活動性又は陳旧性、非活動性TB)を示唆する異常を示さず、対象が治験責任医師によって判断されるようなTBの更なる危険因子を有しない場合、潜在性TBのための治療なしに継続し得る。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。−潜在性TBのための治療を受けている対象は、この治療を早期に中断するか、又は治療に不適合である。
・プロトコル禁止薬剤の開始
・治験責任医師又は治験依頼者のメディカルモニターは、安全性の理由から、それが対象の最善の利益であると確信している。
深刻な感染症を発症する対象については、研究薬剤投与の中断が考慮されなければならない。
研究からの脱退
以下の理由のいずれかで、対象は、研究から脱退させられる。
・追跡不能
・同意の撤回
・死亡
対象が追跡不能である場合、対象に接触し、中断/脱退の理由を決定するために、研究施設関係者によってあらゆる合理的な努力が注がれなければならない。追跡のために取られる手段は、文書化されなければならない。
対象が研究を完了する前に脱退する場合、脱退の理由は、eCRF及びソースドキュメントに文書化されるべきである。脱退した対象に割り当てられた研究薬剤は、別の対象に割り当てられなくてもよい。脱退する対象は、置き換えられない。対象が処置終了前に研究薬剤投与から中断した場合、処置後評価が得られるべきである。
主要な研究にとどまる一方での、任意選択的な研究試料の収集への参加の脱退
対象は、研究にとどまる一方で、任意選択的な研究試料について同意を撤回し得る。そのような場合、任意選択的な研究試料は破壊される。試料破壊プロセスは、上記のように進む。
今後の研究における試料の使用からの脱退
対象は、研究のための試料の使用に対する同意を撤回し得る。そのような場合、試料は、それらがもはや臨床研究に必要とされなくなった後に破壊される。研究のための試料保持の詳細は、任意選択的な研究試料についての主要ICF及び別個のICFに提示される。
統計的方法
連続変数、並びに別個の変数の計数及び割合に対するn、平均、SD、中央値、IQ範囲、最小値、及び最大値などの単純な記述要約統計は、大部分のデータを要約するために使用される。
ベースラインにおけるMTX使用(はい/いいえ)によって階層化されたカイ二乗検定又はコクラン・マンテル・ヘンツェル(CMH)は、特に明記しない限り、処置に応答する対象の割合などのカテゴリー変数を比較するために使用される。一般に、因子としてMTX療法のベースライン使用を伴うANOVAは、特に明記しない限り、連続変数を分析するために使用される。全ての統計的検定は、α=0.05(両側)で実施される。エンドポイントが非ガウス、例えば、vdH−Sにおけるベースラインからの変化であると見なされる場合、ファン・デル・ヴェルデン正規スコアが利用される。統計分析に加えて、グラフデータ表示(例えば、線プロット)及び対象リストもまた、データを要約/提示するために使用され得る。
有効性及び対象ベースライン分析は、特に明記しない限り、治療企図集団(即ち、無作為化された全ての対象)を利用する。有効性分析に含まれる対象は、割り当てられた処置を受けるかどうかにかかわらず、彼らの割り当てられた処置群に従って要約される。
安全性及びPK分析は、試験処置の少なくとも1回の投与を受けた全ての対象を含む。
対象情報
対象の人口統計学的データ(例えば、年齢、人種、性別、身長、体重)及びベースライン疾患特性(例えば、疾患の持続時間、関節数、及びCRP)は、処置群によって要約される。
試料サイズ決定
試料サイズ推定値は、生物製剤のウステキヌマブ(治験依頼者によって開発された抗IL12/23モノクローナル抗体)を用いた治験依頼者の直近のPsA研究からのデータに基づく。活動性PsAを有する対象におけるウステキヌマブの第3相研究(CNTO1275PSA3001)は、最小CRP基準を含み、より現在に近いPsA集団を表す。CNTO1275PSA3001研究のACR20応答速度は、プラセボ、ウステキヌマブ45mg、及び90mgの処置群のそれぞれに対して24週目に22.8%、42.4%、及び49.5%であった。各処置群に220人で合計440人の対象は、カイ二乗検定を使用して、0.05の両側有意水準で、ゴリムマブ2mg/kg群における40%のACR20応答及びプラセボ群における20%の応答を仮定すると、14週目の処置群間の応答者の割合の有意差を検出するために99%の検出力を確実にする(表6)。
Figure 2020506916
また、各シナリオについてシミュレーションが実施されて、24週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化の有意差を検出するための検出力を計算した(表7)。
24週目に、極端な異常値を除外した修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの平均(標準偏差)の変化は、CNTO1275PSA3001研究において、プラセボ、ウステキヌマブ45mg、及び90mgの処置群でそれぞれ、0.92(2.15)、0.28(1.94)、及び0.17(1.446)であった。プラセボ群において0.9、ゴリムマブ2mg/kg群において0.35、及び各処置群に対して2の標準偏差の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの平均変化を仮定すると、440人の対象(即ち、1群当たり220人)が、0.05の有意水準(両側)で有意差を検出するために90.7%の検出力をもたらす。
Figure 2020506916
暫定分析
暫定分析は計画されていない。しかしながら、独立したデータ監視委員会(DMC)が安全性データを定期的にレビューして、対象の安全性を監視する。
有効性分析
主エンドポイント分析
主エンドポイントは、14週目にACR20応答を達成する対象の割合である。
関節炎の徴候及び症状の低減は、処置群間の14週目のACR20応答を達成する対象の割合を比較することによって評価される。ベースラインMTX使用によって階層化されたコクラン・マンテル・ヘンツェル(CMH)検定(はい又はいいえ)は、この分析のために0.05の有意水準(両側)で実施される。
この一次有効性分析では、全ての無作為化された対象からのデータは、彼らの受けた実際の処置にかかわらず、彼らの割り当てられた処置群に従って分析される。対象が14週目に少なくとも1つのACR成分のデータを有する場合に、欠測ACR成分を割り振るために、欠測を直前の値で補完する(LOCF)手順が使用される。対象が14週目に全てのACR成分のデータを有さない場合、対象は、非応答者と見なされる。加えて、治療失敗規則が適用される。
修正された分析セット及び異なるルールによる感度分析が実施され得る。
加えて、サブグループ分析は、人口統計的特性、ベースライン疾患特性、及びベースライン薬剤による主有効性エンドポイントにおける一貫性を評価するために実施される。サブグループと処置群との間の相互作用試験も、必要に応じて提供される。
主要な二次分析
以下の主要な二次分析は、以下に指定されるような重要度順で実施される。
1.14週目のHAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
2.14週目にACR50応答を達成する対象の割合が要約され、処置群間で比較される。
3.14週目にPASI75応答を達成する対象の割合(ベースラインの3%以上のBSA乾癬関与を伴う)が要約され、処置群間で比較される。
4.24週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
2つの処置群(1つの統計的比較)のみが存在するため、各有効性エンドポイント内の多様性を調節する必要はない。
多様性に対するタイプIエラー率を制御するために、第1の主要セカンダリーエンドポイントは、主エンドポイントが0.05の有意水準(両側)で統計的有意性を達成した場合にのみ試験される。後続の主要セカンダリーエンドポイントは、主エンドポイント及び先行する主要セカンダリーエンドポイント(複数可)が、0.05の有意水準(両側)で統計的に有意である場合にのみ試験される。
24週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化の主要セカンダリーエンドポイントについて、ベースラインの修正総vdH−Sスコアを有する全ての無作為化された対象を含む修正されたITT集団は、分析に含まれる。多重代入法は、欠測データのために24週目のX線写真スコアを帰属させるために使用される。対象が24週目の前に早期離脱又は中断したかどうかにかかわらず、24週目のX線写真データを使用した感度分析も実施される。
他の計画された有効性分析
制御されたセカンダリーエンドポイント分析(多様性に対するタイプIエラー率の制御を伴う)
以下の有効性分析は、一次及び主要な二次分析に加えて実施される。
1.ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における、14週目の腱付着部炎スコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
2.ベースラインにおいて指炎を有する対象における、14週目の指炎スコアにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
3.14週目のSF−36PCSにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
4.24週目にACR50応答を有する対象の割合が要約され、処置群間で比較される。
5.14週目にACR70応答を達成する対象の割合が要約され、処置群間で比較される。
6.14週目のSF−36MCSにおけるベースラインからの変化が要約され、処置群間で比較される。
多様性を制御するために、主エンドポイント及び主要セカンダリーエンドポイントが統計的有意性を達成したときにのみ、上記の分析が、上記の順序に従って順次実施される。そうでなければ、公称P値が提供される。
他のセカンダリーエンドポイントの分析は、以下を含む
徴候及び症状の低減並びに身体機能に関連した分析
以下のエンドポイントは、処置群によって要約される。要約は、エンドポイントの訪問が指定されていない場合、52週目まで経時的である。処置群間の比較は、24週目の前及び24週目の訪問時に行われる。
1.2週目にACR20応答を達成する対象の割合が、処置群によって要約され、群間で比較される。
2.24週目に、ACR20、ACR50、ACR70、及びACR90応答を達成した対象の割合。要約は、ベースラインMTX使用及び全体によって行われる。加えて、これらのエンドポイントはまた、帰属なしで観察されたデータを使用して要約される。
3.ACR応答の成分におけるベースラインからの変化率が、処置群間で14週目及び24週目に比較され、経時的に要約される。
4.HAQ−DIスコアにおけるベースラインからの変化が、経時的に各処置群について要約され、24週目に処置群間で比較される。
5.HAQ−DI応答者の割合(HAQ−DIスコアの≧0.3の改善を達成する対象)が、経時的に各処置群について要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
6.ベースラインにおいて指炎を有する対象における指炎のベースラインからの変化率、及び指炎がある指を有する対象の割合が、経時的に各処置群について要約され、24週目に処置群間で比較される。
7.ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における腱付着部炎スコアにおけるベースラインからの変化率、及び腱付着部炎を有する対象の割合が、経時的に各処置群について要約され、24週目に処置群間で比較される。
8.24週目に応答者である対象における、52週目にACR20応答者である対象の割合が、処置群によって要約される。同様の要約が、ACR50、70、及び90応答者について実施される。
9.24週目に応答者である対象における、52週目にHAQ−DI応答者である対象(HAQ−DIスコアの≧0.3の改善を達成する対象)の割合が、処置群によって要約される。
10.MDAを達成する対象の割合が、経時的に各処置群について要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
皮膚疾患に関連した分析は、以下を含む
以下の分析が実施される。
1.ベースラインにおける≧3%のBSA乾癬皮膚関与を有する対象について、ベースラインからのPASIにおける≧50%、≧75%、≧90%、及び100%の改善を達成する対象の割合が、全体的に、かつベースラインMTX使用によって、経時的に各処置群について経時的に要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
2.ベースラインにおける≧3%のBSA乾癬皮膚関与を有する対象について、PASIにおけるベースラインからの改善率が、経時的に各処置群について要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
3.ベースラインにおける3%以上のBSA乾癬皮膚関与を有する対象について、PASI75及びACR20応答の両方を達成する対象の割合が、経時的に各処置群について要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
関節構造損傷に関連する分析は、以下を含む
24週目の分析は、読み取りキャンペーン1からのデータに対して実施され、52週目の分析は、読み取りキャンペーン2からのデータに対して実施される。
以下の分析が実施される。
1.24週目に0以下の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化を有した対象の割合が要約され、処置群間で比較される。
2.24週目及び52週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化が、処置群によって、かつ早期離脱状態によって要約される。
3.24週目及び52週目の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化が、処置群間で比較される。
4.0週目〜24週目及び24週目〜52週目の修正総vdH−Sスコアにおける変化が、処置群によって、かつ早期離脱状態によって要約される。
5.領域(手、足)による修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化は、処置群によって要約され、24週目及び52週目に処置群間で比較される。
6.損傷の種類(びらん及びJSN)による修正vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化が、処置群によって要約され、24週目及び52週目に処置群間で比較される。
7.関節損傷のない状態(0の修正総vdH−Sスコア、0のびらんスコア、又は0のJSNスコア)を維持している対象の数が、処置群によって要約され、24週目及び52週目に処置群間で比較される。
8.0以下又は0.5以下の修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化を有する対象の数が、処置群によって要約され、24週目及び52週目に処置群間で比較される。
9.24週目及び52週目における修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化の累積経験分布関数が提示される。
10.24週目及び52週目における読み取り者による修正総vdH−Sスコア、びらんスコア、及びJSNスコアにおけるベースラインからの変化が、処置群によって要約される。
健康関連の生活の質に関連した分析は、以下を含む
以下の分析が実施される。
1.24週目のSF−36のPCSスコア及びMCSスコアにおけるベースラインからの変化が、処置群間で比較される。
2.SF−36のPCSスコア及びMCSスコアにおけるベースラインからの変化が、経時的に各処置群について要約される。
3.SF−36スケールにおけるベースラインからの変化が、経時的に各処置群について要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
4.≧5のSF−36PCSスコアの改善を達成する対象の割合が、経時的に要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
5.≧5のSF−36MCSスコアの改善を達成する対象の割合が、経時的に要約され、14及び24週目に処置群間で比較される。
エンドポイントの基準
研究は、14週目のACR20を有する対象の割合が、プラセボ群と比較してゴリムマブ群において統計的に有意により大きいことが実証された場合、陽性であると考えられる。
研究薬物情報
研究薬物の物理的記述
ゴリムマブ
IV投与のための50mgのゴリムマブ最終バイアル化製品(Final Vialed Product、FVP)は、4mLのI型ガラスバイアル瓶内でCNTO148IgGを含有する単回使用の滅菌溶液として供給される。各バイアル瓶は、pH5.5のヒスチジン、ソルビトール、及びポリソルベート80の水性媒体中に12.5mg/mLゴリムマブの4mL溶液を含有する。防腐剤は存在しない。
プラセボ
生理食塩水は、単回使用注入バッグ内でIV注入用の滅菌液体として供給される。防腐剤は存在しない。
メトトレキサート
メトトレキサート(経口又は注射可能)は、治験依頼者によって供給されず、むしろ商業薬剤から取得されなければならない。
早期離脱のために処方される薬剤
メトトレキサート、NSAID、コルチコステロイド、スルファラジン、ヒドロキシクロロキン、及びレフルノミドは、治験依頼者によって供給されず、むしろ商業薬剤から取得されなければならない。
調製、取り扱い、及び保存
研究施設では、ゴリムマブ溶液のバイアル瓶は、凍結されず、2℃〜8℃(35.6°F〜46.4°F)において固定された冷蔵庫に保存され、光から保護されなければならない。製品の激しい振とうは、回避されるべきである。投与前に、製品は、粒子状物質及び変色に関して視覚的に検査されるべきである。変色、可視粒子、又は他の異質粒子が溶液中に観察される場合、製品は、使用されるべきではない。
ガラスバイアル瓶内の研究薬剤は、使用できる状態である。研究薬剤IV注入は、非盲検薬剤師又は他の適切に認定及び公認された関係者によって、対象の体重に従って調製される。薬剤師又は他の適切に認定及び公認された関係者は、適切な数のバイアル瓶を使用して必要な量の研究薬剤を調製する。
無菌手順は、研究材料の調製及び投与中に使用されなければならない。直射日光への曝露は、調製及び投与中に回避されるべきである。
結果及び結論
活動性乾癬性関節炎を有する成人患者における静脈内ゴリムマブに関する24週目までの有効性及び安全性
導入:GO−VIBRANT研究は、活動性PsAを有する成人患者(生物製剤を摂取していない)における静脈内(IV)ゴリムマブの安全性及び有効性を評価するようにデザインされた3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。生物製剤を摂取していない活動性PsA患者を、0、4週目(wk)、及びその後8週間毎にIVゴリムマブ2mg/kg、又はwk0、4、12、及び20にプラセボでwk24にゴリムマブに交差に無作為化した(1:1)。主エンドポイントは、wk14におけるACR20応答であった。多様性が制御されたエンドポイントは、ACR50、ACR70、PASI75、HAQ−DIにおけるベースラインからの変化、腱付着部炎、指炎、wk14のSF−36PCS/MCSスコア、ACR50、及びwk24の修正総vdH−S(構造損傷)スコアにおけるベースラインからの変化を含んだ。有効性分析は、無作為化処置に基づき、wk24までの有害事象(AE)が報告される。治験責任医師は、wk60まで盲検化されている。
結果:480人の患者を無作為化した(プラセボ:239人、ゴリムマブ:241人)。研究は、その主エンドポイント及び制御されたセカンダリーエンドポイントの全てを満たした。wk14に、プラセボに対してゴリムマブ患者の有意により大きい割合が、ACR20を達成した(75.1%対21.8%)。加えて、ゴリムマブ処置は、wk14に、ベースラインHAQ−DIスコアからの有意な変化(−0.60対−0.12)、ACR50(43.6%対6.3%)、PASI75(59.2%対13.6%)、ACR70(24.5%対2.1%)、腱付着部炎及び指炎におけるベースラインからの有意な変化(それぞれ−1.8対−0.8及び−7.8対−2.8,)、SF−36PCS及びSF−36MCSスコアにおけるベースラインからの変化(それぞれ8.65対2.69及び5.33対0.97)をもたらした(全てp<0.001)。wk24に、プラセボ患者に対してゴリムマブ患者の有意により大きい割合が、ACR50を達成した(53.5%対6.3%、p<0.001)。wk24に、修正総vdH−Sスコアにおけるベースラインからの変化によって測定されるように、プラセボに対して、ゴリムマブ患者についての構造損傷の進行が著しく少なかった(−0.36対1.95、P<0.001)。ACR20は、早ければwk2にプラセボよりもゴリムマブで有意に高く(45.6%対7.5%;p<0.001)、ゴリムマブ患者の27.0%(対4.2%のプラセボ)が、Wk14までに最小疾患活動性を達成した。ゴリムマブ対プラセボ処置患者における実質的な差により、ACR20に対して処置する必要があった数は、wk14の事後分析において1.9であった(表)。Wk24まで、ゴリムマブ患者の46.3%及びプラセボ患者の40.6%が、1以上のAEを有し、それぞれ患者の2.9%対3.3%が、1以上の重篤AEを有した。最も一般的な治療下で発現したタイプのAEは、感染症であり(ゴリムマブ患者の20.0%対プラセボ患者の13.8%)、3つのみが深刻であった。日和見感染症又は結核の症例は、wk24まで報告されなかった。2つの死亡、2つの悪性腫瘍、及び1つの脱髄事象が報告された。注入反応の速度は、2%未満で低かった。深刻又は重篤なものはなかった。
結論:活動性PsAを有する対象について、IVゴリムマブは、疾患活動性及び身体機能、皮膚乾癬のクリアランス、指炎及び腱付着部炎の低減、HRQoL、及び構造的進行の阻害の臨床的に有意義かつ驚くほどに有意な改善を実証した。ゴリムマブはまた、wk24まで良好な耐容性を示し、安全性プロファイルは、SCゴリムマブを含む他の抗TNF療法と一致した。
Figure 2020506916
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以上の教示に照らして、本発明の数多くの修正及び変形形態が可能であり、したがって、これらは添付の特許請求の範囲内に入るものである。
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Claims (10)

  1. 活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、組成物であって、前記組成物が、IV注入を介して投与され、処置の14週目に、前記抗TNF抗体で処置された患者が、HAQ−DI=−0.60±0.53SD、腱付着部炎=−1.87±1.75SD、指炎=−7.8±8.57SD、SF−36 PCS=8.65±7.60SD、及びSF−36 MCS=5.33±9.95SDからなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準におけるベースラインからの平均変化を達成する、組成物。
  2. 前記抗TNF抗体が、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で投与されるように、前記組成物が投与される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物をメトトレキサート(MTX)と共に、又はメトトレキサートなしで投与することを更に含む、請求項1〜2に記載の組成物。
  4. 活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、組成物であって、前記組成物が、IV注入を介して投与され、処置の24週目に、前記抗TNF抗体で処置された患者が、vdH−S=−0.36±0.144SEにおけるベースラインからの平均変化を達成する、組成物。
  5. 前記抗TNF抗体が、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で投与されるように、前記組成物が投与される、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記組成物をメトトレキサート(MTX)と共に、又はメトトレキサートなしで投与することを更に含む、請求項4〜5に記載の組成物。
  7. 活動性乾癬性関節炎の安全かつ有効な治療において使用するための、配列番号36を含む重鎖(HC)及び配列番号37を含む軽鎖(LC)を有する、少なくとも1つの単離された哺乳類抗TNF抗体であって、前記抗TNF抗体が、静脈内(IV)注入を介して投与され、前記処置を受けている患者の65%以上が、処置の14週目にACR20を達成する、抗TNF抗体。
  8. 前記患者の65%以上が、50%以上の処置差(プラセボと比較して改善)で、処置の14週目にACR20を達成する、請求項7に記載の抗TNF抗体。
  9. 前記抗体が、0及び4週目に、次いでその後8週間毎(q8w)に、30±10分にわたって2mg/kgの用量で投与される、請求項7〜8に記載の抗TNF抗体。
  10. 前記抗体が、メトトレキサート(MTX)と共に、又はメトトレキサートなしで投与される、請求項7〜8に記載の抗TNF抗体。
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