JPH11127855A - 組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体 - Google Patents
組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体Info
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- JPH11127855A JPH11127855A JP29399497A JP29399497A JPH11127855A JP H11127855 A JPH11127855 A JP H11127855A JP 29399497 A JP29399497 A JP 29399497A JP 29399497 A JP29399497 A JP 29399497A JP H11127855 A JPH11127855 A JP H11127855A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 宿主大腸菌により生産することができるヒト
TNF−αに対する組換え型ヒトモノクローナル抗体、
並びに該組換え型抗体を構成するL鎖とH鎖をそれぞれ
コードするDNAの提供。 【解決手段】 配列番号1に示すアミノ酸配列(I)又
はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残基が付
加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒ
トTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のH鎖として
機能するH鎖、及び配列番号3に示すアミノ酸配列(I
I)又はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残
基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有
し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のL
鎖として機能するL鎖からなる組換え型抗ヒトTNF−
αヒトモノクローナル抗体、並びに該抗体のH鎖とL鎖
のアミノ酸配列をそれぞれコードするDNA。
TNF−αに対する組換え型ヒトモノクローナル抗体、
並びに該組換え型抗体を構成するL鎖とH鎖をそれぞれ
コードするDNAの提供。 【解決手段】 配列番号1に示すアミノ酸配列(I)又
はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残基が付
加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒ
トTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のH鎖として
機能するH鎖、及び配列番号3に示すアミノ酸配列(I
I)又はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残
基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有
し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のL
鎖として機能するL鎖からなる組換え型抗ヒトTNF−
αヒトモノクローナル抗体、並びに該抗体のH鎖とL鎖
のアミノ酸配列をそれぞれコードするDNA。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトTNF−αに
対する組換え型ヒトモノクローナル抗体、並びに該組換
え型抗体を構成するL鎖とH鎖をそれぞれコードするD
NAに関する。この組換え型抗体は、前記のL鎖とH鎖
をそれぞれコードするDNAを宿主大腸菌においてヒト
Fab 抗体の産生を行う発現ベクター中に遺伝子組換えに
より導入した発現ベクターを用いて、大腸菌により生産
されるものである。
対する組換え型ヒトモノクローナル抗体、並びに該組換
え型抗体を構成するL鎖とH鎖をそれぞれコードするD
NAに関する。この組換え型抗体は、前記のL鎖とH鎖
をそれぞれコードするDNAを宿主大腸菌においてヒト
Fab 抗体の産生を行う発現ベクター中に遺伝子組換えに
より導入した発現ベクターを用いて、大腸菌により生産
されるものである。
【0002】
【従来の技術】他の哺乳動物の抗体がその哺乳動物のB
リンパ球細胞により産生されるのと同様に、ヒト抗体は
ヒトのBリンパ球細胞が産生する。原理的には、目的と
するヒト抗体を産生するBリンパ球細胞を選別し、ハイ
ブリドーマ細胞として、目的とするモノクローナル抗体
をこのハイブリドーマ細胞を培養することで得ることが
できる。しかしながら、ヒト細胞を用いたこの種のハイ
ブリドーマ細胞作製の場合、細胞融合に利用されるヒト
抗体を産生するBリンパ球細胞試料等の充分な提供が望
めず、現実的ではない。そのため、幾つかの代替え技術
の開発が進められており、例えば、提供された元となる
ヒト抗体を産生するBリンパ球細胞にEpstein-Barrウイ
ルス(EBウイルス)を感染させ、不死化処理を施し、こ
の細胞を増殖させ、その細胞群から目的とするモノクロ
ーナル抗体を産生するB 細胞をクローニングする方法等
が適用される。
リンパ球細胞により産生されるのと同様に、ヒト抗体は
ヒトのBリンパ球細胞が産生する。原理的には、目的と
するヒト抗体を産生するBリンパ球細胞を選別し、ハイ
ブリドーマ細胞として、目的とするモノクローナル抗体
をこのハイブリドーマ細胞を培養することで得ることが
できる。しかしながら、ヒト細胞を用いたこの種のハイ
ブリドーマ細胞作製の場合、細胞融合に利用されるヒト
抗体を産生するBリンパ球細胞試料等の充分な提供が望
めず、現実的ではない。そのため、幾つかの代替え技術
の開発が進められており、例えば、提供された元となる
ヒト抗体を産生するBリンパ球細胞にEpstein-Barrウイ
ルス(EBウイルス)を感染させ、不死化処理を施し、こ
の細胞を増殖させ、その細胞群から目的とするモノクロ
ーナル抗体を産生するB 細胞をクローニングする方法等
が適用される。
【0003】但し、この不死化処理を施した細胞群から
シングルクローンを選別すること自体必ずしも成功する
ものでもなく、また、EBウイルスに感染した細胞の培養
により生産されるヒト抗体は、臨床応用に適合するもの
とするためには、該EBウイルスによる汚染を除くため、
煩雑な精製操作が不可欠なものとなる。あるいは、研究
目的の試薬として利用する場合にも、該EBウイルスによ
る汚染は不都合な場合が多く、更には、生産性自体決し
て高いものとはいえないのが現状である。これらの制約
から脱するために、元となるヒト抗体を産生するBリン
パ球細胞より、抗体遺伝子を採取し、宿主大腸菌におい
てヒトFab 抗体の産生を行う発現ベクターを利用して、
目的とする抗体遺伝子を組み込んだ菌株を用いて、組換
え型抗体を安定かつ大量に生産する技術が模索されてい
る。
シングルクローンを選別すること自体必ずしも成功する
ものでもなく、また、EBウイルスに感染した細胞の培養
により生産されるヒト抗体は、臨床応用に適合するもの
とするためには、該EBウイルスによる汚染を除くため、
煩雑な精製操作が不可欠なものとなる。あるいは、研究
目的の試薬として利用する場合にも、該EBウイルスによ
る汚染は不都合な場合が多く、更には、生産性自体決し
て高いものとはいえないのが現状である。これらの制約
から脱するために、元となるヒト抗体を産生するBリン
パ球細胞より、抗体遺伝子を採取し、宿主大腸菌におい
てヒトFab 抗体の産生を行う発現ベクターを利用して、
目的とする抗体遺伝子を組み込んだ菌株を用いて、組換
え型抗体を安定かつ大量に生産する技術が模索されてい
る。
【0004】ヒトTNF−α(tumor necrosis factor
α;腫瘍壊死因子α)は、主として活性化マクロファー
ジ細胞が産生する細胞障害活性をもつ蛋白質因子であ
る。特に、腫瘍細胞に対して際だった細胞障害活性を示
すものであるが、通常の免疫反応においても産生されて
おり、炎症性疾患においても、組織細胞の損傷を引き起
こす一つの要因として作用している。この内因性の蛋白
質因子に対する抗体が存在することは確認されており、
何らかの調節機構の一翼を担っていると考えられる。従
って、抗ヒトTNF−αヒト抗体も、他のヒト抗体と同
様に臨床応用の可能性について基礎的な検討がなされて
いる。その目的に適合する高い純度を有して、かつモノ
クローナル化された抗ヒトTNF−αヒト抗体の安定供
給が望まれている。しかしながら、現状では、他のヒト
抗体の多くと同様、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナ
ル抗体の充分な供給はなされておらず、遺伝子組換え技
術を用いた抗ヒトTNF−α組換え型ヒト抗体、その生
産方法の開発が望まれている。
α;腫瘍壊死因子α)は、主として活性化マクロファー
ジ細胞が産生する細胞障害活性をもつ蛋白質因子であ
る。特に、腫瘍細胞に対して際だった細胞障害活性を示
すものであるが、通常の免疫反応においても産生されて
おり、炎症性疾患においても、組織細胞の損傷を引き起
こす一つの要因として作用している。この内因性の蛋白
質因子に対する抗体が存在することは確認されており、
何らかの調節機構の一翼を担っていると考えられる。従
って、抗ヒトTNF−αヒト抗体も、他のヒト抗体と同
様に臨床応用の可能性について基礎的な検討がなされて
いる。その目的に適合する高い純度を有して、かつモノ
クローナル化された抗ヒトTNF−αヒト抗体の安定供
給が望まれている。しかしながら、現状では、他のヒト
抗体の多くと同様、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナ
ル抗体の充分な供給はなされておらず、遺伝子組換え技
術を用いた抗ヒトTNF−α組換え型ヒト抗体、その生
産方法の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の課題
を解決するもので、本発明の目的は、遺伝子組換え技術
を利用して、宿主大腸菌により生産することができるヒ
トTNF−αに対する組換え型ヒトモノクローナル抗体
を提供すること、並びに該組換え型抗体を構成するL鎖
とH鎖をそれぞれコードするDNAを提供することにあ
る。即ち、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生するヒトB
リンパ球細胞から、該ヒト抗体のcDNAを選別・採取
するとともに、このcDNAを大腸菌においてヒトFab
抗体の産生を行う発現ベクター中に遺伝子組換えにより
導入し、得られる形質転換菌の培養により目的とする、
ヒトTNF−αに対するヒトFab 抗体を得ることを目的
とするものである。
を解決するもので、本発明の目的は、遺伝子組換え技術
を利用して、宿主大腸菌により生産することができるヒ
トTNF−αに対する組換え型ヒトモノクローナル抗体
を提供すること、並びに該組換え型抗体を構成するL鎖
とH鎖をそれぞれコードするDNAを提供することにあ
る。即ち、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生するヒトB
リンパ球細胞から、該ヒト抗体のcDNAを選別・採取
するとともに、このcDNAを大腸菌においてヒトFab
抗体の産生を行う発現ベクター中に遺伝子組換えにより
導入し、得られる形質転換菌の培養により目的とする、
ヒトTNF−αに対するヒトFab 抗体を得ることを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的をもって、鋭意研究を進め、大腸菌においてFab 抗体
を産生する発現ベクターpFab-His2 にヒト抗体のL鎖及
びH鎖をコードする遺伝子を組換え導入することで、大
腸菌に組換え型ヒトFab 抗体を生産させることが可能で
あることを確認した。更に、好意により提供を受けた健
常人の血液試料からヒトBリンパ球細胞を分離し、EBウ
イルスを感染させ、不死化処理を施し、この細胞群を培
養して、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する細胞株を
選別することができた。次いで、前記の細胞株からヒト
抗体をコードするcDNA複数を採取し、その塩基配列
を解明するとともに、該cDNAを大腸菌の組換えFab
抗体発現系に組み込みヒトFab 抗体を生産させ、そのう
ちの一つが抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する菌株で
あることを見出した。即ち、大腸菌の組換えFab 抗体発
現系を利用して、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株からクローニングを行い、抗ヒトTNF−αヒト
モノクローナル抗体を産生する菌株を選別し、更には、
該クローンに組み込まれているcDNAが抗ヒトTNF
−αヒトFab抗体のL鎖及びH鎖をコードすることが判
った。これら一連の研究により得られた知見に基づき、
本発明を完成させるに至った。
的をもって、鋭意研究を進め、大腸菌においてFab 抗体
を産生する発現ベクターpFab-His2 にヒト抗体のL鎖及
びH鎖をコードする遺伝子を組換え導入することで、大
腸菌に組換え型ヒトFab 抗体を生産させることが可能で
あることを確認した。更に、好意により提供を受けた健
常人の血液試料からヒトBリンパ球細胞を分離し、EBウ
イルスを感染させ、不死化処理を施し、この細胞群を培
養して、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する細胞株を
選別することができた。次いで、前記の細胞株からヒト
抗体をコードするcDNA複数を採取し、その塩基配列
を解明するとともに、該cDNAを大腸菌の組換えFab
抗体発現系に組み込みヒトFab 抗体を生産させ、そのう
ちの一つが抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する菌株で
あることを見出した。即ち、大腸菌の組換えFab 抗体発
現系を利用して、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株からクローニングを行い、抗ヒトTNF−αヒト
モノクローナル抗体を産生する菌株を選別し、更には、
該クローンに組み込まれているcDNAが抗ヒトTNF
−αヒトFab抗体のL鎖及びH鎖をコードすることが判
った。これら一連の研究により得られた知見に基づき、
本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明の組換え型抗ヒトTNF−α
ヒトモノクローナル抗体は、配列番号1に示すアミノ酸
配列(I)又はこの配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸残基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列
を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体
のH鎖として機能するH鎖、及び配列番号3に示すアミ
ノ酸配列(II)又はこの配列において1もしくは複数の
アミノ酸残基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸
配列を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab
抗体のL鎖として機能するL鎖からなる、宿主大腸菌に
より産生される組換え型ヒトFab 抗体であり、より具体
的には、前記のH鎖及びL鎖をコードするDNAを大腸
菌においてFab 抗体の産生が可能な発現ベクター系に遺
伝子組換えにより導入した該組換え型抗ヒトTNF−α
ヒトFab 抗体発現ベクターにより形質転換された大腸菌
により生産される組換え型ヒトFab 抗体である。
ヒトモノクローナル抗体は、配列番号1に示すアミノ酸
配列(I)又はこの配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸残基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列
を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体
のH鎖として機能するH鎖、及び配列番号3に示すアミ
ノ酸配列(II)又はこの配列において1もしくは複数の
アミノ酸残基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸
配列を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab
抗体のL鎖として機能するL鎖からなる、宿主大腸菌に
より産生される組換え型ヒトFab 抗体であり、より具体
的には、前記のH鎖及びL鎖をコードするDNAを大腸
菌においてFab 抗体の産生が可能な発現ベクター系に遺
伝子組換えにより導入した該組換え型抗ヒトTNF−α
ヒトFab 抗体発現ベクターにより形質転換された大腸菌
により生産される組換え型ヒトFab 抗体である。
【0008】また、本発明の抗ヒトTNF−αヒトモノ
クローナル抗体のH鎖をコードするDNAは、配列番号
1に示すアミノ酸配列(I)又はこの配列において1も
しくは複数のアミノ酸残基が付加、欠失もしくは置換さ
れたアミノ酸配列を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノク
ローナルFab 抗体のH鎖として機能する抗体のH鎖をコ
ードするDNA、好ましくは配列番号2に示す塩基配列
で示されるcDNAである。一方、抗ヒトTNF−αヒ
トモノクローナル抗体のL鎖をコードするDNAは、配
列番号3に示すアミノ酸配列(II)又はこの配列におい
て1もしくは複数のアミノ酸残基が付加、欠失もしくは
置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒトTNF−αヒト
モノクローナルFab 抗体のL鎖として機能する抗体のL
鎖をコードするDNA、好ましくは配列番号4に示す塩
基配列で示されるcDNAである。なお、発現系におい
ては、前記のH鎖をコードするDNAとL鎖をコードす
るDNAは一対として、ヒトFab 抗体に翻訳されるもの
である。
クローナル抗体のH鎖をコードするDNAは、配列番号
1に示すアミノ酸配列(I)又はこの配列において1も
しくは複数のアミノ酸残基が付加、欠失もしくは置換さ
れたアミノ酸配列を有し、抗ヒトTNF−αヒトモノク
ローナルFab 抗体のH鎖として機能する抗体のH鎖をコ
ードするDNA、好ましくは配列番号2に示す塩基配列
で示されるcDNAである。一方、抗ヒトTNF−αヒ
トモノクローナル抗体のL鎖をコードするDNAは、配
列番号3に示すアミノ酸配列(II)又はこの配列におい
て1もしくは複数のアミノ酸残基が付加、欠失もしくは
置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒトTNF−αヒト
モノクローナルFab 抗体のL鎖として機能する抗体のL
鎖をコードするDNA、好ましくは配列番号4に示す塩
基配列で示されるcDNAである。なお、発現系におい
ては、前記のH鎖をコードするDNAとL鎖をコードす
るDNAは一対として、ヒトFab 抗体に翻訳されるもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の抗ヒトTNF−αヒトモ
ノクローナル抗体、そのH鎖及びL鎖をコードするDN
A、並びにそれらの調製方法についてより詳しく説明す
る。天然の抗体である免疫グロブリン(Ig)は、L鎖と
H鎖のヘテロ二量体が二対結合した4本鎖のポリペプチ
ドからなり、全体として、H鎖のC末端側のサブドメイ
ンであり、抗体活性はないが補体結合能を有する結晶性
のFc領域と、抗原結合部位を形成しており、H鎖の残部
とそれとジスルフィド結合により結合しているL鎖から
なる2つの等しいFab 領域からなりたっている。
ノクローナル抗体、そのH鎖及びL鎖をコードするDN
A、並びにそれらの調製方法についてより詳しく説明す
る。天然の抗体である免疫グロブリン(Ig)は、L鎖と
H鎖のヘテロ二量体が二対結合した4本鎖のポリペプチ
ドからなり、全体として、H鎖のC末端側のサブドメイ
ンであり、抗体活性はないが補体結合能を有する結晶性
のFc領域と、抗原結合部位を形成しており、H鎖の残部
とそれとジスルフィド結合により結合しているL鎖から
なる2つの等しいFab 領域からなりたっている。
【0010】本発明の組換え型ヒトFab 抗体は、前記の
Fab 領域部分に相当するもので、Fc領域を構成するH鎖
のC末端側のサブドメインを欠いたH鎖の残部とそれと
ジスルフィド結合により結合しているL鎖のみから構成
されている。従って、前記のアミノ酸配列(I)は、本
来のH鎖のC末端側のサブドメインを欠いた部分のペプ
チド鎖を示すものである。なお、アミノ酸配列(II)
は、L鎖全体のペプチド鎖を示すものである。
Fab 領域部分に相当するもので、Fc領域を構成するH鎖
のC末端側のサブドメインを欠いたH鎖の残部とそれと
ジスルフィド結合により結合しているL鎖のみから構成
されている。従って、前記のアミノ酸配列(I)は、本
来のH鎖のC末端側のサブドメインを欠いた部分のペプ
チド鎖を示すものである。なお、アミノ酸配列(II)
は、L鎖全体のペプチド鎖を示すものである。
【0011】一方、免疫グロブリンのH鎖には、γ鎖、
α鎖、μ鎖、δ鎖及びε鎖の5種が存在するが、本発明
の組換え型ヒトFab 抗体のH鎖は、μ鎖に分類されるも
のであり、同じく、L鎖には、κ鎖とλ鎖の2種が存在
するが、本発明の組換え型ヒトFab 抗体のL鎖は、κ鎖
に分類されるものである。この分類は、L鎖において、
その配列可変部分は、抗原に依存して主要部分のアミノ
酸配列が変化するが、残る定常部分はアミノ酸配列が保
存されており、この定常部分はκ鎖とλ鎖とでそれぞれ
特徴的であり、同一種内では一致することを利用して、
κ鎖であることの確認がなされる。また、H鎖において
も、その配列可変部分は、抗原に依存して主要部分のア
ミノ酸配列が変化するが、残る定常部分の各鎖の種類に
特徴的かつ普遍的なアミノ酸配列を利用して、その分類
がなされる。
α鎖、μ鎖、δ鎖及びε鎖の5種が存在するが、本発明
の組換え型ヒトFab 抗体のH鎖は、μ鎖に分類されるも
のであり、同じく、L鎖には、κ鎖とλ鎖の2種が存在
するが、本発明の組換え型ヒトFab 抗体のL鎖は、κ鎖
に分類されるものである。この分類は、L鎖において、
その配列可変部分は、抗原に依存して主要部分のアミノ
酸配列が変化するが、残る定常部分はアミノ酸配列が保
存されており、この定常部分はκ鎖とλ鎖とでそれぞれ
特徴的であり、同一種内では一致することを利用して、
κ鎖であることの確認がなされる。また、H鎖において
も、その配列可変部分は、抗原に依存して主要部分のア
ミノ酸配列が変化するが、残る定常部分の各鎖の種類に
特徴的かつ普遍的なアミノ酸配列を利用して、その分類
がなされる。
【0012】本発明では、健常人から提供された血液試
料から、リンパ球を分別し、EBウイルスを感染させ、ト
ランスフォ−ムした細胞株群を作製し、次いで、これか
ら、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体産生株1D
5 株(EBV transformed B lymphocytes oligo clone )
を選抜して、この細胞株を元となるBリンパ球細胞とし
て用いた。このヒト抗体を産生するBリンパ球細胞から
抽出した全RNAから、RT-PCR法を適用して、このL鎖
における、κ鎖とλ鎖の2種を分別するアミノ酸配列に
着目して、それぞれを選択的に増幅可能なPCR プライマ
ーを用いて、予めκ鎖とλ鎖の区別をして、それぞれの
cDNAを調製・増幅した。同じく、H鎖に関しても、
γ鎖とμ鎖に分類されるもののみを、それぞれ予め区別
するPCRプライマーを用いて、選択的にcDNAを調製
・増幅した。
料から、リンパ球を分別し、EBウイルスを感染させ、ト
ランスフォ−ムした細胞株群を作製し、次いで、これか
ら、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体産生株1D
5 株(EBV transformed B lymphocytes oligo clone )
を選抜して、この細胞株を元となるBリンパ球細胞とし
て用いた。このヒト抗体を産生するBリンパ球細胞から
抽出した全RNAから、RT-PCR法を適用して、このL鎖
における、κ鎖とλ鎖の2種を分別するアミノ酸配列に
着目して、それぞれを選択的に増幅可能なPCR プライマ
ーを用いて、予めκ鎖とλ鎖の区別をして、それぞれの
cDNAを調製・増幅した。同じく、H鎖に関しても、
γ鎖とμ鎖に分類されるもののみを、それぞれ予め区別
するPCRプライマーを用いて、選択的にcDNAを調製
・増幅した。
【0013】その結果得られる個々の種類のcDNA、
即ち、L鎖に関しては、κ鎖とλ鎖の2種、H鎖に関し
ても、γ鎖とμ鎖の2種について、その塩基配列をそれ
ぞれ解読するため、cDNAの両端をそれぞれ制限酵素
で切断した後、汎用のシークエンシングベクターにクロ
ーニングして、個々のクローンについて当該cDNA断
片の塩基配列を解読した。なお、その際、シークエンシ
ングベクターの既知塩基配列からシークエンシングを始
め、+鎖及び−鎖の双方の塩基配列を解読して、互いに
相補的であることを確認することで、読み間違いのない
ことを確かめた。この抗ヒトTNF−αヒトモノクロー
ナル抗体産生株1D5 株(EBV transformed B lymphocyte
s oligo clone )から、L鎖をコードするcDNAとし
て、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖をコー
ドするcDNAとして、γ鎖のものが1種、μ鎖のもの
が1種、それぞれ存在することが判明し、該1D5 株は実
際にオリゴクローンであったことが確認された。
即ち、L鎖に関しては、κ鎖とλ鎖の2種、H鎖に関し
ても、γ鎖とμ鎖の2種について、その塩基配列をそれ
ぞれ解読するため、cDNAの両端をそれぞれ制限酵素
で切断した後、汎用のシークエンシングベクターにクロ
ーニングして、個々のクローンについて当該cDNA断
片の塩基配列を解読した。なお、その際、シークエンシ
ングベクターの既知塩基配列からシークエンシングを始
め、+鎖及び−鎖の双方の塩基配列を解読して、互いに
相補的であることを確認することで、読み間違いのない
ことを確かめた。この抗ヒトTNF−αヒトモノクロー
ナル抗体産生株1D5 株(EBV transformed B lymphocyte
s oligo clone )から、L鎖をコードするcDNAとし
て、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖をコー
ドするcDNAとして、γ鎖のものが1種、μ鎖のもの
が1種、それぞれ存在することが判明し、該1D5 株は実
際にオリゴクローンであったことが確認された。
【0014】分離されたL鎖をコードするcDNA、具
体的には、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNA、具体的には、γ鎖のものが1
種、μ鎖のものが1種から、L鎖をコードするcDNA
とH鎖をコードするcDNAの各組み合わせについて、
大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベクターpFab-H
is2 にクローニングして、発現ベクターを作製した。図
1に示すとおり、発現ベクターpFab-His2 はすでに報告
されているヒトFab のファージディスプレー用発現ベク
ターpRPLS/Fab-I (特開平8−116978号公報等を
参照)を制限酵素Not I とEcoRI で切断してGene IIIを
除去した後、6個のヒスチジンをコードするDNA断片
を挿入したプラスミドである。図1に示す発現ベクター
pFab-His2のクローニングサイトを利用して、L鎖をコ
ードするcDNAは、制限酵素NheI とAsc I の間に、
H鎖をコードするcDNAは、制限酵素Sfi I 切断部位
とNot I 切断部位の間に、それぞれ置換挿入される。
体的には、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNA、具体的には、γ鎖のものが1
種、μ鎖のものが1種から、L鎖をコードするcDNA
とH鎖をコードするcDNAの各組み合わせについて、
大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベクターpFab-H
is2 にクローニングして、発現ベクターを作製した。図
1に示すとおり、発現ベクターpFab-His2 はすでに報告
されているヒトFab のファージディスプレー用発現ベク
ターpRPLS/Fab-I (特開平8−116978号公報等を
参照)を制限酵素Not I とEcoRI で切断してGene IIIを
除去した後、6個のヒスチジンをコードするDNA断片
を挿入したプラスミドである。図1に示す発現ベクター
pFab-His2のクローニングサイトを利用して、L鎖をコ
ードするcDNAは、制限酵素NheI とAsc I の間に、
H鎖をコードするcDNAは、制限酵素Sfi I 切断部位
とNot I 切断部位の間に、それぞれ置換挿入される。
【0015】この複数種の発現ベクターをそれぞれ宿主
大腸菌JM109 株に導入して、発現ベクター内のマーカー
遺伝子であるアンピシリン耐性遺伝子を用いて、アンピ
シリンプレート上でコロニーを形成させ、各クローンを
分離した。得られたコロニーから、無作為にコロニーを
拾い出し、培養してイソプロピル−1−チオ−β−D−
ガラクトシド(IPTG)を添加し、Fab 抗体産生を誘導し
た。その後、集菌し、凍結融解により菌体を破砕し、遠
心により不溶性画分を分離し、上清を採取した。Fab 抗
体は、可溶性蛋白質として、この上清に回収されてお
り、ヒトTNF−αに対する反応性を有するFab 抗体の
有無を調べた。
大腸菌JM109 株に導入して、発現ベクター内のマーカー
遺伝子であるアンピシリン耐性遺伝子を用いて、アンピ
シリンプレート上でコロニーを形成させ、各クローンを
分離した。得られたコロニーから、無作為にコロニーを
拾い出し、培養してイソプロピル−1−チオ−β−D−
ガラクトシド(IPTG)を添加し、Fab 抗体産生を誘導し
た。その後、集菌し、凍結融解により菌体を破砕し、遠
心により不溶性画分を分離し、上清を採取した。Fab 抗
体は、可溶性蛋白質として、この上清に回収されてお
り、ヒトTNF−αに対する反応性を有するFab 抗体の
有無を調べた。
【0016】前記の上清について、ヒトTNF−αを抗
原とし、検出用抗体として、Fab 特異的抗ヒトIgG 抗体
を用いてELISA 法で評価したところ、L鎖をコードする
cDNAとして、κ鎖3種類のうち、1 種類のものと、
H鎖をコードするcDNAとして、μ鎖1種類のものと
を組み合わせたクローンのみにヒトTNF−αに対する
反応性が確認された。上述した通り、この組み合わせに
ついても、無作為に拾い出した12個のコロニーに対し
て、前記の評価を行ったが、ヒトTNF−αに対する反
応性が明確に識別されるクローンが4 株存在していた。
このクローン4 株について、再度組換えベクター内に組
み込まれているκ鎖をコードするDNAとμ鎖をコード
するDNAの塩基配列のシークエンシングを行ったとこ
ろ、互いに一致しており、それぞれ、図4に示す塩基配
列(II)及び図3に示す塩基配列(I)であった。従っ
て、これらのクローン4株は、組換え型モノクローナル
抗体である抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体を産生する菌
株であり、該ヒトFab 抗体は、図3に示すとおり、H鎖
(μ鎖)として、塩基配列(I)のDNAから翻訳され
る前記のアミノ酸配列(I)を持ち、図4に示すとお
り、L鎖として、塩基配列(II)のDNAから翻訳され
る前記のアミノ酸配列(II)を持つものであることが判
明した。
原とし、検出用抗体として、Fab 特異的抗ヒトIgG 抗体
を用いてELISA 法で評価したところ、L鎖をコードする
cDNAとして、κ鎖3種類のうち、1 種類のものと、
H鎖をコードするcDNAとして、μ鎖1種類のものと
を組み合わせたクローンのみにヒトTNF−αに対する
反応性が確認された。上述した通り、この組み合わせに
ついても、無作為に拾い出した12個のコロニーに対し
て、前記の評価を行ったが、ヒトTNF−αに対する反
応性が明確に識別されるクローンが4 株存在していた。
このクローン4 株について、再度組換えベクター内に組
み込まれているκ鎖をコードするDNAとμ鎖をコード
するDNAの塩基配列のシークエンシングを行ったとこ
ろ、互いに一致しており、それぞれ、図4に示す塩基配
列(II)及び図3に示す塩基配列(I)であった。従っ
て、これらのクローン4株は、組換え型モノクローナル
抗体である抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体を産生する菌
株であり、該ヒトFab 抗体は、図3に示すとおり、H鎖
(μ鎖)として、塩基配列(I)のDNAから翻訳され
る前記のアミノ酸配列(I)を持ち、図4に示すとお
り、L鎖として、塩基配列(II)のDNAから翻訳され
る前記のアミノ酸配列(II)を持つものであることが判
明した。
【0017】なお、図3及び図4において、抗原のヒト
TNF−αとの結合に係わる相補性決定領域(complemen
tarity determining region; CDR) を配列中に表記し
た。この組換え型モノクローナル抗体である抗ヒトTN
F−αヒトFab 抗体を産生する菌株を作製する手順につ
いて、以下に具体的に述べる。
TNF−αとの結合に係わる相補性決定領域(complemen
tarity determining region; CDR) を配列中に表記し
た。この組換え型モノクローナル抗体である抗ヒトTN
F−αヒトFab 抗体を産生する菌株を作製する手順につ
いて、以下に具体的に述べる。
【0018】(1)全RNAの採取 健常人のリンパ球細胞をEBウイルスでトランスフォーム
した細胞群から、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株を選別した。このオリゴクローン;抗ヒトTNF
−αヒトモノクローナル抗体産生株1D5 株の細胞106 ce
lls から、市販の全RNA採取・精製キット;QIAGEN製
RNeasyを用いて、全RNAを採取した。なお、詳細な操
作手順は、該キットの標準プロトコールに従い、最終的
に全RNAを水50μl に抽出した液を得た。含まれる全
RNA量を、OD260 nm(波長260nmにおける吸光度;R
NA分子による吸収)値から算定したところ、58 ng/μ
lであった。
した細胞群から、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株を選別した。このオリゴクローン;抗ヒトTNF
−αヒトモノクローナル抗体産生株1D5 株の細胞106 ce
lls から、市販の全RNA採取・精製キット;QIAGEN製
RNeasyを用いて、全RNAを採取した。なお、詳細な操
作手順は、該キットの標準プロトコールに従い、最終的
に全RNAを水50μl に抽出した液を得た。含まれる全
RNA量を、OD260 nm(波長260nmにおける吸光度;R
NA分子による吸収)値から算定したところ、58 ng/μ
lであった。
【0019】(2)RT-PCR法によるL鎖をコードするc
DNAとH鎖をコードするcDNAの作製 前記(1)で調製した全RNAから逆転写反応により、
cDNAを作製し、次いで、PCR 法を応用して、L鎖を
コードするcDNAとH鎖をコードするcDNAをそれ
ぞれ独立に増幅した。このRT-PCR法の操作には、市販の
キット;宝酒造製のRNA PCR Kit を用い、具体的な操作
は該キットの標準プロトコールに準じた。先ず、添付さ
れる逆転写反応液20μl 当たり、全RNA抽出液2 μl
を用い、逆転写プライマーとして、ランダム9 mer のプ
ライマーを利用して、cDNAを調製した。
DNAとH鎖をコードするcDNAの作製 前記(1)で調製した全RNAから逆転写反応により、
cDNAを作製し、次いで、PCR 法を応用して、L鎖を
コードするcDNAとH鎖をコードするcDNAをそれ
ぞれ独立に増幅した。このRT-PCR法の操作には、市販の
キット;宝酒造製のRNA PCR Kit を用い、具体的な操作
は該キットの標準プロトコールに準じた。先ず、添付さ
れる逆転写反応液20μl 当たり、全RNA抽出液2 μl
を用い、逆転写プライマーとして、ランダム9 mer のプ
ライマーを利用して、cDNAを調製した。
【0020】PCR 増幅に用いたプライマーを下記表1に
示す。κ鎖をコードするcDNAのPCR 増幅には、5'側
プライマーとして、VK3aF5プライマーを、3'側プライマ
ーとして、VKC3プライマーをそれぞれ用いた。また、μ
鎖をコードするcDNAのPCR 増幅には、5'側プライマ
ーとして、VH3aF5プライマーとVH3bF5プライマーの二種
を混合したものを、3'側プライマーとして、FDM プライ
マーを、それぞれ用いた。それぞれ独立にPCR 反応を行
い、個別に選択的な増幅産物を得た。なお、PCR 反応
は、全液量100 μl とし、先に調製したcDNAに対し
て、増幅用プライマー量は各100pmol 用い、Touch down
PCR法のプロトコールに従い反応を行った。
示す。κ鎖をコードするcDNAのPCR 増幅には、5'側
プライマーとして、VK3aF5プライマーを、3'側プライマ
ーとして、VKC3プライマーをそれぞれ用いた。また、μ
鎖をコードするcDNAのPCR 増幅には、5'側プライマ
ーとして、VH3aF5プライマーとVH3bF5プライマーの二種
を混合したものを、3'側プライマーとして、FDM プライ
マーを、それぞれ用いた。それぞれ独立にPCR 反応を行
い、個別に選択的な増幅産物を得た。なお、PCR 反応
は、全液量100 μl とし、先に調製したcDNAに対し
て、増幅用プライマー量は各100pmol 用い、Touch down
PCR法のプロトコールに従い反応を行った。
【0021】
【表1】
【0022】得られたPCR 産物は、市販の精製キット;
QIAGEN製QIAquick PCR Purification Kit を用いて精製
し、TE緩衝液(10 mM トリス塩酸, pH 8.0/1 mM EDTA)
100μl で溶出回収した。
QIAGEN製QIAquick PCR Purification Kit を用いて精製
し、TE緩衝液(10 mM トリス塩酸, pH 8.0/1 mM EDTA)
100μl で溶出回収した。
【0023】得られたμ鎖をコードするcDNAのPCR
産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I
100 U/10μl を加え、50℃で3時間反応させた。次い
で、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Not I 100 U/10μ
l を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそれぞれ制
限酵素で切断した、μ鎖をコードするDNA断片は、0.
8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、約690 bp
近辺のバンドとして分離したものを切り出し回収した。
これを、市販の精製キット;QIAGEN製QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、μ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I
100 U/10μl を加え、50℃で3時間反応させた。次い
で、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Not I 100 U/10μ
l を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそれぞれ制
限酵素で切断した、μ鎖をコードするDNA断片は、0.
8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、約690 bp
近辺のバンドとして分離したものを切り出し回収した。
これを、市販の精製キット;QIAGEN製QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、μ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
【0024】同様に、得られたκ鎖をコードするcDN
AのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵
素Asc I 100 U/5 μl を加え、37℃で3時間反応させ
た。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Nhe I 10
0 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそ
れぞれ制限酵素で切断した、κ鎖をコードするDNA断
片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、
約660 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出し回
収した。これを、市販の精製キット;QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、κ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
AのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵
素Asc I 100 U/5 μl を加え、37℃で3時間反応させ
た。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Nhe I 10
0 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそ
れぞれ制限酵素で切断した、κ鎖をコードするDNA断
片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、
約660 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出し回
収した。これを、市販の精製キット;QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、κ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
【0025】(3)発現ベクターの構築並びに該発現ベ
クターの導入による形質転換大腸菌の作製 前記(2)で採取された、両端に制限酵素による切断を
施したμ鎖をコードするDNA断片とκ鎖をコードする
DNA断片は、大腸菌内でFab 抗体の発現に利用される
ベクター系;pFab-His2 ベクター内のそれぞれのクロー
ニングサイトに下記する手順で組み込んだ。即ち、κ鎖
(L鎖)をコードするcDNAを、制限酵素Nhe I 切断
部位とAsc I 切断部位の間に、μ鎖(H鎖)をコードす
るcDNAを、制限酵素Sfi I 切断部位とNot I 切断部
位の間に、それぞれ組み込んだ。組み込むDNA断片は
二種類あるので、先ず、κ鎖をコードするDNA断片を
組み込んだベクターを構築し、次いで、更にμ鎖をコー
ドするDNA断片を組み込み、二鎖の遺伝子がともに組
み込まれた発現ベクターを得た。なお、用いた発現ベク
ターpFab-His2 は、発明者らにより第45回日本ウイルス
学会総会アブストラクトp.71(1997)に報告されてい
る。図1に示すとおり、該発現ベクターpFab-His2 は、
マーカー遺伝子としてアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)
を有しており、H鎖並びにL鎖をコードするDNAを挿
入するクローニングサイトとして、二種のペクテート溶
解リーダー配列の下流に制限酵素Nhe I とAsc I の切断
部位及び制限酵素Sfi I とNot I の切断部位を持ち、こ
の遺伝子の発現は、tac プロモーター(Ptac)により行わ
れる。
クターの導入による形質転換大腸菌の作製 前記(2)で採取された、両端に制限酵素による切断を
施したμ鎖をコードするDNA断片とκ鎖をコードする
DNA断片は、大腸菌内でFab 抗体の発現に利用される
ベクター系;pFab-His2 ベクター内のそれぞれのクロー
ニングサイトに下記する手順で組み込んだ。即ち、κ鎖
(L鎖)をコードするcDNAを、制限酵素Nhe I 切断
部位とAsc I 切断部位の間に、μ鎖(H鎖)をコードす
るcDNAを、制限酵素Sfi I 切断部位とNot I 切断部
位の間に、それぞれ組み込んだ。組み込むDNA断片は
二種類あるので、先ず、κ鎖をコードするDNA断片を
組み込んだベクターを構築し、次いで、更にμ鎖をコー
ドするDNA断片を組み込み、二鎖の遺伝子がともに組
み込まれた発現ベクターを得た。なお、用いた発現ベク
ターpFab-His2 は、発明者らにより第45回日本ウイルス
学会総会アブストラクトp.71(1997)に報告されてい
る。図1に示すとおり、該発現ベクターpFab-His2 は、
マーカー遺伝子としてアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)
を有しており、H鎖並びにL鎖をコードするDNAを挿
入するクローニングサイトとして、二種のペクテート溶
解リーダー配列の下流に制限酵素Nhe I とAsc I の切断
部位及び制限酵素Sfi I とNot I の切断部位を持ち、こ
の遺伝子の発現は、tac プロモーター(Ptac)により行わ
れる。
【0026】(3-1) κ鎖をコードするDNA断片の組
み込み 導入ベクターpFab-His2 10μg/100 μl は、先ず、10×
NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Asc I 50 U/2.5μl を加
え、37℃で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液
11μl 、制限酵素Nhe I 50 U/5μl を加え、37℃で1時
間反応させた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-H
is2 に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを
用いた電気泳動により、3.5 kbp のバンドとして分離し
たものを切り出し回収した。これを、市販の精製キッ
ト;QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目
的とする3.5 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶
出回収した。
み込み 導入ベクターpFab-His2 10μg/100 μl は、先ず、10×
NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Asc I 50 U/2.5μl を加
え、37℃で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液
11μl 、制限酵素Nhe I 50 U/5μl を加え、37℃で1時
間反応させた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-H
is2 に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを
用いた電気泳動により、3.5 kbp のバンドとして分離し
たものを切り出し回収した。これを、市販の精製キッ
ト;QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目
的とする3.5 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶
出回収した。
【0027】得られたpFab-His2 に相当するDNA断片
90 ng/3 μl と前記のκ鎖をコードするDNA断片30 n
g/6 μl とを混合し、市販のライゲーションキット;宝
酒造製TaKaRa Ligation Kit Ver.2 のI液9μl を加
え、16℃で30分間ライゲーション反応を行った。ライゲ
ーション後、反応液に水18μl 、ベーリンガーマンハイ
ム製分子生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M
酢酸ナトリウム3.6 μl、エタノール80μl を加え、−3
0℃で15分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10
分間遠心した。この遠心により、目的とする環化された
ベクターは沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水
5μl に再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化さ
れたベクターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌
を培養することで、多量のプラスミドベクターを調製し
た。
90 ng/3 μl と前記のκ鎖をコードするDNA断片30 n
g/6 μl とを混合し、市販のライゲーションキット;宝
酒造製TaKaRa Ligation Kit Ver.2 のI液9μl を加
え、16℃で30分間ライゲーション反応を行った。ライゲ
ーション後、反応液に水18μl 、ベーリンガーマンハイ
ム製分子生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M
酢酸ナトリウム3.6 μl、エタノール80μl を加え、−3
0℃で15分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10
分間遠心した。この遠心により、目的とする環化された
ベクターは沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水
5μl に再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化さ
れたベクターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌
を培養することで、多量のプラスミドベクターを調製し
た。
【0028】具体的には、予め温めた環化したベクター
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;ライフテ
クノロジーズ製大腸菌コンピテントセルDH5 αF'T 50μ
l にelectropolation 法を適用して導入した。electrop
olation 法は、2 mm幅のキュベットを用い、電圧2.5 kV
の条件を用いた。通電後、大腸菌はキュベットから室温
にした培地 SOC (2% Bacto tryptone/0.5% Bacto yeast
extract/10 mM NaCl/2.5 mM KCl/10 mM MgSO4/10mM Mg
Cl2/20 mM Glucose) 1 mlで洗い出し・回収した。膜再
生のため、37℃で1時間振とう培養した。その後、37℃
に温めたSB(Super Broth )培地(Tryptone 30 g/l 、
Yeast extract 20 g/l、3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸(MOPS) 10 g/l 、pH 7.0)10 ml (アンピシリン:
50μg/ml添加)を加えた。この際、一部菌液それぞれ10
μl と100 μl を採取し、タイトレーションのためにプ
レートに播いた。残る菌液は、37℃で一夜振とう培養し
た。このタイトレーションの結果、コロニーサイズは、
7.7 ×103 であった。培養した菌体を回収し、市販のプ
ラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Kit を用い
てプラスミドを抽出し、TE緩衝液 100μl で溶出回収し
た。前記の培養菌体からの、目的とするプラスミドの回
収量は6μg であった。
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;ライフテ
クノロジーズ製大腸菌コンピテントセルDH5 αF'T 50μ
l にelectropolation 法を適用して導入した。electrop
olation 法は、2 mm幅のキュベットを用い、電圧2.5 kV
の条件を用いた。通電後、大腸菌はキュベットから室温
にした培地 SOC (2% Bacto tryptone/0.5% Bacto yeast
extract/10 mM NaCl/2.5 mM KCl/10 mM MgSO4/10mM Mg
Cl2/20 mM Glucose) 1 mlで洗い出し・回収した。膜再
生のため、37℃で1時間振とう培養した。その後、37℃
に温めたSB(Super Broth )培地(Tryptone 30 g/l 、
Yeast extract 20 g/l、3−モルホリノプロパンスルホ
ン酸(MOPS) 10 g/l 、pH 7.0)10 ml (アンピシリン:
50μg/ml添加)を加えた。この際、一部菌液それぞれ10
μl と100 μl を採取し、タイトレーションのためにプ
レートに播いた。残る菌液は、37℃で一夜振とう培養し
た。このタイトレーションの結果、コロニーサイズは、
7.7 ×103 であった。培養した菌体を回収し、市販のプ
ラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Kit を用い
てプラスミドを抽出し、TE緩衝液 100μl で溶出回収し
た。前記の培養菌体からの、目的とするプラスミドの回
収量は6μg であった。
【0029】(3-2) μ鎖をコードするDNA断片の組
み込み 回収されたκ鎖をコードするDNA断片が組み込まれた
プラスミドベクター2μg/100 μl に、先ず、10×NEB2
緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I 20 U/1μl を加え、50℃
で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、
制限酵素Not I20 U/2μl を加え、37℃で1時間反応さ
せた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-His2 +κ
鎖に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを用
いた電気泳動により、4.2 kbp のバンドとして分離した
ものを切り出し回収した。これを、市販の精製キット;
QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目的と
する4.2 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶出回
収した。
み込み 回収されたκ鎖をコードするDNA断片が組み込まれた
プラスミドベクター2μg/100 μl に、先ず、10×NEB2
緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I 20 U/1μl を加え、50℃
で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、
制限酵素Not I20 U/2μl を加え、37℃で1時間反応さ
せた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-His2 +κ
鎖に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを用
いた電気泳動により、4.2 kbp のバンドとして分離した
ものを切り出し回収した。これを、市販の精製キット;
QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目的と
する4.2 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶出回
収した。
【0030】得られたpFab-His2 +κ鎖に相当するDN
A断片80 ng/2 μl とμ鎖をコードするDNA断片30 n
g/2μl とを混合し、市販のライゲーションキット;Ta
KaRaLigation Kit Ver.2 のI液9μl を加え、16℃で3
0分間ライゲーション反応をさせた。ライゲーション
後、反応液に水8 μl 、ベーリンガーマンハイム製分子
生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M 酢酸ナト
リウム1.6 μl 、エタノール70μl を加え、−30℃で15
分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10分間遠心
した。この遠心により、目的とする環化されたベクター
は沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水5μl に
再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化されたベク
ターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌を培養す
ることで、多量のプラスミドベクターを調製した。
A断片80 ng/2 μl とμ鎖をコードするDNA断片30 n
g/2μl とを混合し、市販のライゲーションキット;Ta
KaRaLigation Kit Ver.2 のI液9μl を加え、16℃で3
0分間ライゲーション反応をさせた。ライゲーション
後、反応液に水8 μl 、ベーリンガーマンハイム製分子
生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M 酢酸ナト
リウム1.6 μl 、エタノール70μl を加え、−30℃で15
分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10分間遠心
した。この遠心により、目的とする環化されたベクター
は沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水5μl に
再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化されたベク
ターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌を培養す
ることで、多量のプラスミドベクターを調製した。
【0031】具体的には、予め温めた環化したベクター
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;大腸菌コ
ンピテントセルDH5 αF'T 50μl にelectropolation 法
を適用して導入した。electropolation 法は、2 mm幅の
キュベットを用い、電圧2.5kVの条件を用いた。通電
後、大腸菌はキュベットから室温にした培地SOC 1 mlで
洗い出し・回収した。膜再生のため、37℃で1時間振と
う培養した。その後、37℃に温めたSB培地10 ml (アン
ピシリン 50 μg/ml添加)を加えた。この際、一部菌液
それぞれ10μl と100 μl を採取し、タイトレーション
のためにプレートに播いた。残る菌液は、37℃で一夜振
とう培養した。
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;大腸菌コ
ンピテントセルDH5 αF'T 50μl にelectropolation 法
を適用して導入した。electropolation 法は、2 mm幅の
キュベットを用い、電圧2.5kVの条件を用いた。通電
後、大腸菌はキュベットから室温にした培地SOC 1 mlで
洗い出し・回収した。膜再生のため、37℃で1時間振と
う培養した。その後、37℃に温めたSB培地10 ml (アン
ピシリン 50 μg/ml添加)を加えた。この際、一部菌液
それぞれ10μl と100 μl を採取し、タイトレーション
のためにプレートに播いた。残る菌液は、37℃で一夜振
とう培養した。
【0032】このタイトレーションの結果、コロニーサ
イズは、1.1 ×104 であった。培養した菌体を回収し、
市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Ki
t を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 600μl で溶
出回収した。前記の培養菌体からの、目的とするプラス
ミド、即ち、κ鎖をコードするDNA断片及びμ鎖をコ
ードするDNA断片がともに組み込まれたベクターの回
収量は30μg であった。
イズは、1.1 ×104 であった。培養した菌体を回収し、
市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Ki
t を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 600μl で溶
出回収した。前記の培養菌体からの、目的とするプラス
ミド、即ち、κ鎖をコードするDNA断片及びμ鎖をコ
ードするDNA断片がともに組み込まれたベクターの回
収量は30μg であった。
【0033】(4)単一クローンの選別 前記(3)において作製したpFab-His2 にκ鎖をコード
するDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片がとも
に組み込まれたプラスミドを大腸菌JM109 株に導入し
て、形質転換株を作製し、当該発現ベクターから抗ヒト
TNF−αヒトFab 抗体を産生するクローンを採取し
た。
するDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片がとも
に組み込まれたプラスミドを大腸菌JM109 株に導入し
て、形質転換株を作製し、当該発現ベクターから抗ヒト
TNF−αヒトFab 抗体を産生するクローンを採取し
た。
【0034】具体的には、該発現ベクター1 ngを市販の
大腸菌JM109 株のコンピテントセル(東洋紡製)100 μ
l に加えた。次いで、30分間氷上に静置した後、42℃、
1 分間のヒートショックを加えた後、再び3分間氷上に
静置した。培地SOC を1 mlを加え、37℃で1時間振とう
培養した後、アンピシリンプレート上に各プレート当た
り、前記の培養菌液50μl ずつを播き、一晩培養しコロ
ニーを出現させた。翌日、前記のアンピシリンプレート
上、プレート1枚当たり数十〜百数十個のコロニーが出
現していた。
大腸菌JM109 株のコンピテントセル(東洋紡製)100 μ
l に加えた。次いで、30分間氷上に静置した後、42℃、
1 分間のヒートショックを加えた後、再び3分間氷上に
静置した。培地SOC を1 mlを加え、37℃で1時間振とう
培養した後、アンピシリンプレート上に各プレート当た
り、前記の培養菌液50μl ずつを播き、一晩培養しコロ
ニーを出現させた。翌日、前記のアンピシリンプレート
上、プレート1枚当たり数十〜百数十個のコロニーが出
現していた。
【0035】これらのクローンの抗ヒトTNF−αヒト
Fab 抗体の産生能を調べ、産生能の高い単一クローンを
選別するため、12個のコロニーを無作為に拾い出し、先
ず、それぞれSB培地2 ml(20 mM 塩化マグネシウム、ア
ンピシリン50μg/ml添加)中、37℃で6時間振とう培養
した。その後、発現を誘導するため、IPTGを終濃度0.05
mM となる量添加して、30℃で一晩振とう培養した。
Fab 抗体の産生能を調べ、産生能の高い単一クローンを
選別するため、12個のコロニーを無作為に拾い出し、先
ず、それぞれSB培地2 ml(20 mM 塩化マグネシウム、ア
ンピシリン50μg/ml添加)中、37℃で6時間振とう培養
した。その後、発現を誘導するため、IPTGを終濃度0.05
mM となる量添加して、30℃で一晩振とう培養した。
【0036】翌日、培養液から、大腸菌を遠心(1,500
× g、15分間)で集菌した。集めた大腸菌は、0.2 mlの
リン酸緩衝液(PBS) (1mg/mlリゾチーム、1×complet
e;ベーリンガー社製プロテアーゼ阻害剤カクテルを添
加)に懸濁し、室温で30分間放置した後、freezing-tha
wing(ドライアイス−エタノール液と37℃の温水に交互
に5分間ずつ浸す処理)を計4回繰り返して、菌体を破
砕した。遠心(エッペンドルフチューブ内で、15,000 r
pm、10分間)後、上清を回収した。産生される組換え型
ヒトFab 抗体は、可溶性であるため、この上清に回収さ
れる。市販のヒトTNF−α(生化学工業#200457、5
μg/ml)を抗原として用いて、該上清中に含まれる抗ヒ
トTNF−α抗体濃度をELISA 法で定量した。ELISA プ
レートは、ヒトTNF−α液を50μl/wellずつコーティ
ングし、翌日PBS −0.05% Tween20300μl/wellで3回
洗浄した後、各クローンから得た上清試料50μl ずつを
二連で反応させた。室温で1時間反応させた後、PBS −
0.05% Tween20 300μl/wellで3回洗浄して、未反応の
抗体を除去した。酵素標識抗体として、市販のペルオキ
シダーゼ標識抗ヒトIgG (Fab 特異的)抗体(SIGMA
製、#A 0293)をPBS −0.05% Tween20で1:1,000 に希
釈した溶液50μl/wellを加えて、反応させた。室温で1
時間反応させた後、PBS −0.05% Tween20 300μl/well
で3回洗浄して、未反応の酵素標識抗体を除去した。検
出には、標識のペルオキシダーゼ量を、市販の基質;ラ
イフテクノロジーズ製のTMB-ELISA を50μl/well加え、
室温で30分間放置後、650 nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーで測定した。発色量OD650 nmが0.3 以上を示
すものは、抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体の産生能が高
い陽性クローンと判定した。評価を試みた12個のコロニ
ーのうち、陽性クローン4個が存在していた。この4個
のクローンから、発現ベクターを再度抽出して、κ鎖を
コードするDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片
の存在を確認し、また、その塩基配列の再シークエンシ
ングを行ったところ、4つのクローンは当然のことなが
ら、全く同じ塩基配列であった。即ち、上述の塩基配列
(I)及び塩基配列(II)に示されるものであった。
× g、15分間)で集菌した。集めた大腸菌は、0.2 mlの
リン酸緩衝液(PBS) (1mg/mlリゾチーム、1×complet
e;ベーリンガー社製プロテアーゼ阻害剤カクテルを添
加)に懸濁し、室温で30分間放置した後、freezing-tha
wing(ドライアイス−エタノール液と37℃の温水に交互
に5分間ずつ浸す処理)を計4回繰り返して、菌体を破
砕した。遠心(エッペンドルフチューブ内で、15,000 r
pm、10分間)後、上清を回収した。産生される組換え型
ヒトFab 抗体は、可溶性であるため、この上清に回収さ
れる。市販のヒトTNF−α(生化学工業#200457、5
μg/ml)を抗原として用いて、該上清中に含まれる抗ヒ
トTNF−α抗体濃度をELISA 法で定量した。ELISA プ
レートは、ヒトTNF−α液を50μl/wellずつコーティ
ングし、翌日PBS −0.05% Tween20300μl/wellで3回
洗浄した後、各クローンから得た上清試料50μl ずつを
二連で反応させた。室温で1時間反応させた後、PBS −
0.05% Tween20 300μl/wellで3回洗浄して、未反応の
抗体を除去した。酵素標識抗体として、市販のペルオキ
シダーゼ標識抗ヒトIgG (Fab 特異的)抗体(SIGMA
製、#A 0293)をPBS −0.05% Tween20で1:1,000 に希
釈した溶液50μl/wellを加えて、反応させた。室温で1
時間反応させた後、PBS −0.05% Tween20 300μl/well
で3回洗浄して、未反応の酵素標識抗体を除去した。検
出には、標識のペルオキシダーゼ量を、市販の基質;ラ
イフテクノロジーズ製のTMB-ELISA を50μl/well加え、
室温で30分間放置後、650 nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーで測定した。発色量OD650 nmが0.3 以上を示
すものは、抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体の産生能が高
い陽性クローンと判定した。評価を試みた12個のコロニ
ーのうち、陽性クローン4個が存在していた。この4個
のクローンから、発現ベクターを再度抽出して、κ鎖を
コードするDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片
の存在を確認し、また、その塩基配列の再シークエンシ
ングを行ったところ、4つのクローンは当然のことなが
ら、全く同じ塩基配列であった。即ち、上述の塩基配列
(I)及び塩基配列(II)に示されるものであった。
【0037】従って、この4つのクローンは、遺伝子は
全く同じであり、同一の菌株であることになる。この一
つ E. coli JM109/p1D5-1 は、工業技術院生命工学工業
技術研究所に受託番号 FERM P-16443 として寄託されて
いる。この菌株中に保持されている抗ヒトTNF−αヒ
トFab 発現ベクターp1D5-1の概略図を図2に示す。
全く同じであり、同一の菌株であることになる。この一
つ E. coli JM109/p1D5-1 は、工業技術院生命工学工業
技術研究所に受託番号 FERM P-16443 として寄託されて
いる。この菌株中に保持されている抗ヒトTNF−αヒ
トFab 発現ベクターp1D5-1の概略図を図2に示す。
【0038】本発明の組換え型抗ヒトTNF−αヒトモ
ノクローナル抗体は、具体的には、上述するとおり該寄
託されている菌株により産生される組換え型抗体である
が、そのH鎖が前記アミノ酸配列(I)で示され、かつ
L鎖が前記アミノ酸配列(II)で示されるものである限
り、これ以外の菌株により産生されるものであっても同
じ反応性を示すものである。具体的には、前記の菌株中
に保持されている発現ベクターを抽出し、別の菌株の大
腸菌、例えば、JM101, JM105, HB101 株等に導入した形
質転換菌株によっても、同じく生産することができる。
更には、発現ベクター中に組換えられている遺伝子情
報、即ち、前記塩基配列(I)並びに塩基配列(II)の
みでなく、宿主大腸菌内で前記アミノ酸配列(I)並び
にアミノ酸配列(II)のペプチド鎖に翻訳される限り、
同じアミノ酸に翻訳される他のコドンに置き換えられて
いてもよい。この種の改変は、元となる塩基配列が判明
しているので、常法に従い、適宜等価なコドンに変換す
ることができ、対応するDNAは、いずれも700 bp以下
であるので、DNA合成法を適用することもでき、ある
いは、PCR 法を適用した改変導入の手段を用いることも
できる。
ノクローナル抗体は、具体的には、上述するとおり該寄
託されている菌株により産生される組換え型抗体である
が、そのH鎖が前記アミノ酸配列(I)で示され、かつ
L鎖が前記アミノ酸配列(II)で示されるものである限
り、これ以外の菌株により産生されるものであっても同
じ反応性を示すものである。具体的には、前記の菌株中
に保持されている発現ベクターを抽出し、別の菌株の大
腸菌、例えば、JM101, JM105, HB101 株等に導入した形
質転換菌株によっても、同じく生産することができる。
更には、発現ベクター中に組換えられている遺伝子情
報、即ち、前記塩基配列(I)並びに塩基配列(II)の
みでなく、宿主大腸菌内で前記アミノ酸配列(I)並び
にアミノ酸配列(II)のペプチド鎖に翻訳される限り、
同じアミノ酸に翻訳される他のコドンに置き換えられて
いてもよい。この種の改変は、元となる塩基配列が判明
しているので、常法に従い、適宜等価なコドンに変換す
ることができ、対応するDNAは、いずれも700 bp以下
であるので、DNA合成法を適用することもでき、ある
いは、PCR 法を適用した改変導入の手段を用いることも
できる。
【0039】また、本発明の組換え型ヒトFab 抗体は、
本来そのH鎖は、前記アミノ酸配列(I)のμ鎖であ
り、L鎖は、前記アミノ酸配列(I)のκ鎖であるが、
実質的にこのアミノ酸配列を保つものも、本発明の組換
え型ヒトFab 抗体に含まれる。具体的には、H鎖のC末
端が更に伸長されているもの、即ち、Fc領域に至る間の
アミノ酸配列が更に付加されたものであってもよく、ま
た、L鎖並びにH鎖において、その配列可変部分は、抗
原に依存するので保持されねばならないが、残る定常部
分のアミノ酸配列は、天然のヒト免疫グロブリンのμ鎖
並びにκ鎖においても許容されている範囲で種々の改変
が存在してもよい。これらの付加、欠失又は置換による
改変は、既に報告されている幾つかのヒト免疫グロブリ
ンの遺伝子情報を元にして容易に行うことができる。
本来そのH鎖は、前記アミノ酸配列(I)のμ鎖であ
り、L鎖は、前記アミノ酸配列(I)のκ鎖であるが、
実質的にこのアミノ酸配列を保つものも、本発明の組換
え型ヒトFab 抗体に含まれる。具体的には、H鎖のC末
端が更に伸長されているもの、即ち、Fc領域に至る間の
アミノ酸配列が更に付加されたものであってもよく、ま
た、L鎖並びにH鎖において、その配列可変部分は、抗
原に依存するので保持されねばならないが、残る定常部
分のアミノ酸配列は、天然のヒト免疫グロブリンのμ鎖
並びにκ鎖においても許容されている範囲で種々の改変
が存在してもよい。これらの付加、欠失又は置換による
改変は、既に報告されている幾つかのヒト免疫グロブリ
ンの遺伝子情報を元にして容易に行うことができる。
【0040】例えば、図4に示す本発明の組換え型ヒト
Fab 抗体のκ鎖のアミノ酸配列を基に、抗体の特異的な
反応性に関与する相補性決定領域(CDR) のアミノ酸配列
を保持する限り、それ以外の部分は、図5及び図6に示
す別種のヒト抗体のκ鎖のアミノ酸配列と対比・参照し
て、そこに存在するアミノ酸配列と一部を置き換えるこ
ともできる。
Fab 抗体のκ鎖のアミノ酸配列を基に、抗体の特異的な
反応性に関与する相補性決定領域(CDR) のアミノ酸配列
を保持する限り、それ以外の部分は、図5及び図6に示
す別種のヒト抗体のκ鎖のアミノ酸配列と対比・参照し
て、そこに存在するアミノ酸配列と一部を置き換えるこ
ともできる。
【0041】本発明の組換え型ヒトFab 抗体は、宿主大
腸菌により産生されるものであるので、汎用の手段によ
り容易に不純物、汚染蛋白質等の除去ができ、極めて純
度の高いものを得ることができる。実験試薬として利用
する際には、通常の抗体試料と同様に標準力価、あるい
は、標準濃度の溶液とするのがよい。また、臨床応用す
る際には、従来のヒト抗体と同様の精製を施した上で、
目的に応じた溶液組成物に調製するとよい。なお、生産
に用いる細胞が、大腸菌であるので、精製の操作は、従
来の医療用の組換え蛋白質の精製に利用される手法に準
じることができ、技術的な困難さは、動物細胞により生
産する際に較べて、格段に少ないものである。
腸菌により産生されるものであるので、汎用の手段によ
り容易に不純物、汚染蛋白質等の除去ができ、極めて純
度の高いものを得ることができる。実験試薬として利用
する際には、通常の抗体試料と同様に標準力価、あるい
は、標準濃度の溶液とするのがよい。また、臨床応用す
る際には、従来のヒト抗体と同様の精製を施した上で、
目的に応じた溶液組成物に調製するとよい。なお、生産
に用いる細胞が、大腸菌であるので、精製の操作は、従
来の医療用の組換え蛋白質の精製に利用される手法に準
じることができ、技術的な困難さは、動物細胞により生
産する際に較べて、格段に少ないものである。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の組換え型抗ヒトTNF−α
ヒトモノクローナル抗体、それに用いるκ鎖をコードす
るDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片とその遺
伝子情報、並びにこの組換え型ヒトモノクローナル抗体
を産生する大腸菌株の作製に関して、具体例を挙げて詳
しく説明する。
ヒトモノクローナル抗体、それに用いるκ鎖をコードす
るDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片とその遺
伝子情報、並びにこの組換え型ヒトモノクローナル抗体
を産生する大腸菌株の作製に関して、具体例を挙げて詳
しく説明する。
【0043】本例では、健常人から提供された血液試料
から、リンパ球を分別し、EBウイルスを感染させ、トラ
ンスフォ−ムした細胞株群を作製し、次いで、これか
ら、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体産生株1D
5 株(EBV transformed B lymphocytes oligo clone )
を選抜して、この細胞株を元となるBリンパ球細胞とし
て用いた。
から、リンパ球を分別し、EBウイルスを感染させ、トラ
ンスフォ−ムした細胞株群を作製し、次いで、これか
ら、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体産生株1D
5 株(EBV transformed B lymphocytes oligo clone )
を選抜して、この細胞株を元となるBリンパ球細胞とし
て用いた。
【0044】ヒト抗体においては、抗原結合部位に当た
る可変領域を除き、それ以外の部分は本質的に同一であ
ることが既に報告されており、その性質を利用して、本
例では、産生するBリンパ球細胞から抽出した全RNA
から、RT-PCR法を適用して、このL鎖における、κ鎖と
λ鎖の2種を分別するアミノ酸配列に着目して、それぞ
れを選択的に増幅可能なPCR プライマーを用いて、予め
κ鎖とλ鎖の区別をして、それぞれのcDNAを調製・
増幅した。同じく、H鎖に関しても、γ鎖とμ鎖に分類
されるもののみを、それぞれ予め区別するPCR プライマ
ーを用いて、選択的にcDNAを調製・増幅した。具体
的には、κ鎖とλ鎖をコードするcDNAをそれぞれ選
択的に増幅するためのプライマー、γ鎖とμ鎖をコード
するcDNAをそれぞれ選択的に増幅するためのプライ
マーは、それぞれ下記の表2と表3に示すものを用い
た。また、全RNAから逆転写によりcDNAを調製す
る際には、ランダム9 mer を用いた。
る可変領域を除き、それ以外の部分は本質的に同一であ
ることが既に報告されており、その性質を利用して、本
例では、産生するBリンパ球細胞から抽出した全RNA
から、RT-PCR法を適用して、このL鎖における、κ鎖と
λ鎖の2種を分別するアミノ酸配列に着目して、それぞ
れを選択的に増幅可能なPCR プライマーを用いて、予め
κ鎖とλ鎖の区別をして、それぞれのcDNAを調製・
増幅した。同じく、H鎖に関しても、γ鎖とμ鎖に分類
されるもののみを、それぞれ予め区別するPCR プライマ
ーを用いて、選択的にcDNAを調製・増幅した。具体
的には、κ鎖とλ鎖をコードするcDNAをそれぞれ選
択的に増幅するためのプライマー、γ鎖とμ鎖をコード
するcDNAをそれぞれ選択的に増幅するためのプライ
マーは、それぞれ下記の表2と表3に示すものを用い
た。また、全RNAから逆転写によりcDNAを調製す
る際には、ランダム9 mer を用いた。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】その結果、この抗ヒトTNF−αヒトモノ
クローナル抗体産生株1D5 株(EBVtransformed B lymph
ocytes oligo clone )から、L鎖をコードするcDN
Aとして、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNAとして、γ鎖のものが1種、μ鎖
のものが1種、それぞれ存在することが判明し、該1D5
株は実際にオリゴクローンであったことが確認された。
クローナル抗体産生株1D5 株(EBVtransformed B lymph
ocytes oligo clone )から、L鎖をコードするcDN
Aとして、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNAとして、γ鎖のものが1種、μ鎖
のものが1種、それぞれ存在することが判明し、該1D5
株は実際にオリゴクローンであったことが確認された。
【0048】分離されたL鎖をコードするcDNA、具
体的には、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNA、具体的には、γ鎖のものが1
種、μ鎖のものが1種から、L鎖をコードするcDNA
とH鎖をコードするcDNAの各組み合わせについて、
大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベクターpFab-H
is2 にクローニングして、それぞれ発現ベクターを作製
した。この複数種の発現ベクターをそれぞれ宿主大腸菌
JM109 株に導入して、用いた発現ベクター内のマーカー
遺伝子;アンピシリン耐性遺伝子を用いて、アンピシリ
ンプレート上でコロニーを形成させ、各クローンを分離
した。得られたコロニーから、無作為にコロニーを拾い
出し、培養してIPTGを添加し、Fab 抗体産生を誘導し
た。その後、集菌し、凍結融解により菌体を破砕し、遠
心により不溶性画分を分離し、上清を採取した。Fab 抗
体は、可溶性蛋白質として、この上清に回収されてお
り、ヒトTNF−αに対する反応性を有するFab 抗体の
有無を調べた。
体的には、λ鎖のものが1種、κ鎖のものが3種、H鎖
をコードするcDNA、具体的には、γ鎖のものが1
種、μ鎖のものが1種から、L鎖をコードするcDNA
とH鎖をコードするcDNAの各組み合わせについて、
大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベクターpFab-H
is2 にクローニングして、それぞれ発現ベクターを作製
した。この複数種の発現ベクターをそれぞれ宿主大腸菌
JM109 株に導入して、用いた発現ベクター内のマーカー
遺伝子;アンピシリン耐性遺伝子を用いて、アンピシリ
ンプレート上でコロニーを形成させ、各クローンを分離
した。得られたコロニーから、無作為にコロニーを拾い
出し、培養してIPTGを添加し、Fab 抗体産生を誘導し
た。その後、集菌し、凍結融解により菌体を破砕し、遠
心により不溶性画分を分離し、上清を採取した。Fab 抗
体は、可溶性蛋白質として、この上清に回収されてお
り、ヒトTNF−αに対する反応性を有するFab 抗体の
有無を調べた。
【0049】前記の上清について、ヒトTNF−αを抗
原とし、検出用抗体として、Fab 特異的抗ヒトIgG 抗体
を用いてELISA 法で評価したところ、L鎖をコードする
cDNAとして、κ鎖3種類のうち、1種類のものと、
H鎖をコードするcDNAとして、μ鎖1種類のものと
を組み合わせたクローンのみにヒトTNF−αに対する
反応性が確認された。この組換え型モノクローナル抗体
である抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体を産生する菌株を
作製する手順について、以下に具体的に述べる。
原とし、検出用抗体として、Fab 特異的抗ヒトIgG 抗体
を用いてELISA 法で評価したところ、L鎖をコードする
cDNAとして、κ鎖3種類のうち、1種類のものと、
H鎖をコードするcDNAとして、μ鎖1種類のものと
を組み合わせたクローンのみにヒトTNF−αに対する
反応性が確認された。この組換え型モノクローナル抗体
である抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体を産生する菌株を
作製する手順について、以下に具体的に述べる。
【0050】(1)全RNAの採取 健常人のリンパ球細胞をEBウイルスでトランスフォーム
した細胞群から、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株を選別した。このオリゴクローン;抗ヒトTNF
−αヒトモノクローナル抗体産生株1D5 株の細胞106 ce
lls から、市販の全RNA採取・精製キット;QIAGEN製
RNeasyを用いて、全RNAを採取した。なお、詳細な操
作手順は、該キットの標準プロトコールに従い、最終的
に全RNAを水50μl に抽出した液を得た。含まれる全
RNA量を、OD260 nm(波長260nmにおける吸光度;R
NA分子による吸収)値から算定したところ、58 ng/μ
lであった。
した細胞群から、抗ヒトTNF−αヒト抗体を産生する
細胞株を選別した。このオリゴクローン;抗ヒトTNF
−αヒトモノクローナル抗体産生株1D5 株の細胞106 ce
lls から、市販の全RNA採取・精製キット;QIAGEN製
RNeasyを用いて、全RNAを採取した。なお、詳細な操
作手順は、該キットの標準プロトコールに従い、最終的
に全RNAを水50μl に抽出した液を得た。含まれる全
RNA量を、OD260 nm(波長260nmにおける吸光度;R
NA分子による吸収)値から算定したところ、58 ng/μ
lであった。
【0051】(2)RT-PCR法によるL鎖をコードするc
DNAとH鎖をコードするcDNAの作製 前記(1)で調製した全RNAから逆転写反応により、
cDNAを作製し、次いで、PCR 法を応用して、L鎖を
コードするcDNAとH鎖をコードするcDNAをそれ
ぞれ独立に増幅した。このRT-PCR法の操作には、市販の
キット;宝酒造製のRNA PCR Kit を用い、具体的な操作
は該キットの標準プロトコールに準じた。先ず、添付さ
れる逆転写反応液20μl 当たり、全RNA抽出液2 μl
を用い、逆転写プライマーとして、ランダム9mer のプ
ライマーを利用して、cDNAを調製した。
DNAとH鎖をコードするcDNAの作製 前記(1)で調製した全RNAから逆転写反応により、
cDNAを作製し、次いで、PCR 法を応用して、L鎖を
コードするcDNAとH鎖をコードするcDNAをそれ
ぞれ独立に増幅した。このRT-PCR法の操作には、市販の
キット;宝酒造製のRNA PCR Kit を用い、具体的な操作
は該キットの標準プロトコールに準じた。先ず、添付さ
れる逆転写反応液20μl 当たり、全RNA抽出液2 μl
を用い、逆転写プライマーとして、ランダム9mer のプ
ライマーを利用して、cDNAを調製した。
【0052】κ鎖をコードするcDNAのPCR 増幅に
は、5'側プライマーとして、前述した表1のVK3aF5プラ
イマーを、3'側プライマーとして、表1のVKC3プライマ
ーを、また、μ鎖をコードするcDNAのPCR 増幅に
は、5'側プライマーとして、表1のVH3aF5プライマーと
VH3bF5プライマーの二種を混合したものを、3'側プライ
マーとして、表1のFDM プライマーを、それぞれ用い
た。それぞれ独立にPCR 反応を行い、個別に選択的な増
幅産物を得た。なお、PCR 反応は、全液量100 μl と
し、先に調製したcDNAに対して、増幅用プライマー
量は各100pmol 用い、Touch down PCR法のプロトコール
に従い反応を行った。
は、5'側プライマーとして、前述した表1のVK3aF5プラ
イマーを、3'側プライマーとして、表1のVKC3プライマ
ーを、また、μ鎖をコードするcDNAのPCR 増幅に
は、5'側プライマーとして、表1のVH3aF5プライマーと
VH3bF5プライマーの二種を混合したものを、3'側プライ
マーとして、表1のFDM プライマーを、それぞれ用い
た。それぞれ独立にPCR 反応を行い、個別に選択的な増
幅産物を得た。なお、PCR 反応は、全液量100 μl と
し、先に調製したcDNAに対して、増幅用プライマー
量は各100pmol 用い、Touch down PCR法のプロトコール
に従い反応を行った。
【0053】得られたPCR 産物は、市販の精製キット;
QIAGEN製QIAquick PCR Purification Kit を用いて精製
し、TE緩衝液(10 mM トリス塩酸, pH 8.0/1 mM EDTA)
100μl で溶出回収した。得られたμ鎖をコードするc
DNAのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制
限酵素Sfi I 100 U/10μl を加え、50℃で3時間反応さ
せた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Not I
100 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端を
それぞれ制限酵素で切断した、μ鎖をコードするDNA
断片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動によ
り、約690 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出
し回収した。これを、市販の精製キット;QIAGEN製QIAq
uick Gel Extraction Kit を用いて精製し、μ鎖をコー
ドするDNA断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
QIAGEN製QIAquick PCR Purification Kit を用いて精製
し、TE緩衝液(10 mM トリス塩酸, pH 8.0/1 mM EDTA)
100μl で溶出回収した。得られたμ鎖をコードするc
DNAのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制
限酵素Sfi I 100 U/10μl を加え、50℃で3時間反応さ
せた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Not I
100 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端を
それぞれ制限酵素で切断した、μ鎖をコードするDNA
断片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動によ
り、約690 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出
し回収した。これを、市販の精製キット;QIAGEN製QIAq
uick Gel Extraction Kit を用いて精製し、μ鎖をコー
ドするDNA断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
【0054】同様に、得られたκ鎖をコードするcDN
AのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵
素Asc I 100 U/5 μl を加え、37℃で3時間反応させ
た。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Nhe I 10
0 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそ
れぞれ制限酵素で切断した、κ鎖をコードするDNA断
片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、
約660 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出し回
収した。これを、市販の精製キット;QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、κ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
AのPCR 産物は、先ず、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵
素Asc I 100 U/5 μl を加え、37℃で3時間反応させ
た。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Nhe I 10
0 U/10μl を加え、37℃で3時間反応させた。両端をそ
れぞれ制限酵素で切断した、κ鎖をコードするDNA断
片は、0.8 %アガロースゲルを用いた電気泳動により、
約660 bp近辺のバンドとして分離したものを切り出し回
収した。これを、市販の精製キット;QIAquick Gel Ext
raction Kit を用いて精製し、κ鎖をコードするDNA
断片をTE緩衝液 20 μl で溶出回収した。
【0055】(3)発現ベクターの構築並びに該発現ベ
クターの導入による形質転換大腸菌の作製 前記(2)で採取された、両端に制限酵素による切断を
施したμ鎖をコードするDNA断片とκ鎖をコードする
DNA断片は、大腸菌内でFab 抗体の発現に利用される
ベクター系;pFab-His2 ベクター内のそれぞれのクロー
ニングサイトに下記する手順で組み込んだ。組み込むD
NA断片は二種類あるので、先ず、κ鎖をコードするD
NA断片を組み込んだベクターを構築し、次いで、更に
μ鎖をコードするDNA断片を組み込み、二鎖の遺伝子
がともに組み込まれた発現ベクターを得た。図1に示す
該発現ベクターpFab-His2 は、マーカー遺伝子としてア
ンピシリン耐性遺伝子(Ampr)を有しており、H鎖並び
にL鎖をコードするDNAを挿入するクローニングサイ
トとして、二種のペクテート溶解リーダー配列の下流に
制限酵素Nhe I とAsc I の切断部位及び制限酵素Sfi I
とNot I の切断部位を持ち、この遺伝子の発現は、tac
プロモーター(Ptac)により行われる。
クターの導入による形質転換大腸菌の作製 前記(2)で採取された、両端に制限酵素による切断を
施したμ鎖をコードするDNA断片とκ鎖をコードする
DNA断片は、大腸菌内でFab 抗体の発現に利用される
ベクター系;pFab-His2 ベクター内のそれぞれのクロー
ニングサイトに下記する手順で組み込んだ。組み込むD
NA断片は二種類あるので、先ず、κ鎖をコードするD
NA断片を組み込んだベクターを構築し、次いで、更に
μ鎖をコードするDNA断片を組み込み、二鎖の遺伝子
がともに組み込まれた発現ベクターを得た。図1に示す
該発現ベクターpFab-His2 は、マーカー遺伝子としてア
ンピシリン耐性遺伝子(Ampr)を有しており、H鎖並び
にL鎖をコードするDNAを挿入するクローニングサイ
トとして、二種のペクテート溶解リーダー配列の下流に
制限酵素Nhe I とAsc I の切断部位及び制限酵素Sfi I
とNot I の切断部位を持ち、この遺伝子の発現は、tac
プロモーター(Ptac)により行われる。
【0056】(3-1) κ鎖をコードするDNA断片の組
み込み 導入ベクターpFab-His2 10μg/100 μl は、先ず、10×
NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Asc I 50 U/2.5μl を加
え、37℃で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩
衝液11μl 、制限酵素Nhe I 50 U/5μl を加え、37℃
で1時間反応させた。この二種の制限酵素で切断した、
pFab-His2 に相当するDNA断片は、0.8 %アガロース
ゲルを用いた電気泳動により、3.5 kbp のバンドとして
分離したものを切り出し回収した。これを、市販の精製
キット;QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製
し、目的とする3.5 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μ
l で溶出回収した。
み込み 導入ベクターpFab-His2 10μg/100 μl は、先ず、10×
NEB2緩衝液11μl 、制限酵素Asc I 50 U/2.5μl を加
え、37℃で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩
衝液11μl 、制限酵素Nhe I 50 U/5μl を加え、37℃
で1時間反応させた。この二種の制限酵素で切断した、
pFab-His2 に相当するDNA断片は、0.8 %アガロース
ゲルを用いた電気泳動により、3.5 kbp のバンドとして
分離したものを切り出し回収した。これを、市販の精製
キット;QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製
し、目的とする3.5 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μ
l で溶出回収した。
【0057】得られたpFab-His2 に相当するDNA断片
90 ng/3 μl と前記のκ鎖をコードするDNA断片30 n
g/6 μl とを混合し、市販のライゲーションキット;宝
酒造製TaKaRa Ligation Kit Ver.2 のI液9μl を加
え、16℃で30分間ライゲーション反応を行った。ライゲ
ーション後、反応液に水18μl 、ベーリンガーマンハイ
ム製分子生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M
酢酸ナトリウム3.6 μl、エタノール80μl を加え、−3
0℃で15分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10
分間遠心した。この遠心により、目的とする環化された
ベクターは沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水
5μl に再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化さ
れたベクターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌
を培養することで、多量のプラスミドベクターを調製し
た。
90 ng/3 μl と前記のκ鎖をコードするDNA断片30 n
g/6 μl とを混合し、市販のライゲーションキット;宝
酒造製TaKaRa Ligation Kit Ver.2 のI液9μl を加
え、16℃で30分間ライゲーション反応を行った。ライゲ
ーション後、反応液に水18μl 、ベーリンガーマンハイ
ム製分子生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M
酢酸ナトリウム3.6 μl、エタノール80μl を加え、−3
0℃で15分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10
分間遠心した。この遠心により、目的とする環化された
ベクターは沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水
5μl に再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化さ
れたベクターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌
を培養することで、多量のプラスミドベクターを調製し
た。
【0058】具体的には、予め温めた環化したベクター
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;ライフテ
クノロジーズ製大腸菌コンピテントセルDH5 αF'T 50μ
l にelectropolation 法を適用して導入した。electrop
olation 法は、2 mm幅のキュベットを用い、電圧2.5 kV
の条件を用いた。通電後、大腸菌はキュベットから室温
にした培地 SOC(市販品、LIFE TECHNOLOGIES 社製)1
mlで洗い出し・回収した。膜再生のため、37℃で1時間
振とう培養した。その後、37℃に温めたSB培地10 ml
(アンピシリン:50μg/ml添加)を加えた。この際、一
部菌液それぞれ10μl と100 μl を採取し、タイトレー
ションのためにプレートに播いた。残る菌液は、37℃で
一夜振とう培養した。このタイトレーションの結果、コ
ロニーサイズは、7.7 ×103 であった。培養した菌体を
回収し、市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid
Midi Kit を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 100
μlで溶出回収した。前記の培養菌体からの、目的とす
るプラスミドの回収量は6μg であった。
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;ライフテ
クノロジーズ製大腸菌コンピテントセルDH5 αF'T 50μ
l にelectropolation 法を適用して導入した。electrop
olation 法は、2 mm幅のキュベットを用い、電圧2.5 kV
の条件を用いた。通電後、大腸菌はキュベットから室温
にした培地 SOC(市販品、LIFE TECHNOLOGIES 社製)1
mlで洗い出し・回収した。膜再生のため、37℃で1時間
振とう培養した。その後、37℃に温めたSB培地10 ml
(アンピシリン:50μg/ml添加)を加えた。この際、一
部菌液それぞれ10μl と100 μl を採取し、タイトレー
ションのためにプレートに播いた。残る菌液は、37℃で
一夜振とう培養した。このタイトレーションの結果、コ
ロニーサイズは、7.7 ×103 であった。培養した菌体を
回収し、市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid
Midi Kit を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 100
μlで溶出回収した。前記の培養菌体からの、目的とす
るプラスミドの回収量は6μg であった。
【0059】(3-2) μ鎖をコードするDNA断片の組
み込み 回収されたκ鎖をコードするDNA断片が組み込まれた
プラスミドベクター2μg/100 μl に、先ず、10×NEB2
緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I 20 U/1μl を加え、50℃
で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、
制限酵素Not I20 U/2μl を加え、37℃で1時間反応さ
せた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-His2 +κ
鎖に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを用
いた電気泳動により、4.2 kbp のバンドとして分離した
ものを切り出し回収した。これを、市販の精製キット;
QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目的と
する4.2 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶出回
収した。
み込み 回収されたκ鎖をコードするDNA断片が組み込まれた
プラスミドベクター2μg/100 μl に、先ず、10×NEB2
緩衝液11μl 、制限酵素Sfi I 20 U/1μl を加え、50℃
で1時間反応させた。次いで、10×NEB2緩衝液11μl 、
制限酵素Not I20 U/2μl を加え、37℃で1時間反応さ
せた。この二種の制限酵素で切断した、pFab-His2 +κ
鎖に相当するDNA断片は、0.8 %アガロースゲルを用
いた電気泳動により、4.2 kbp のバンドとして分離した
ものを切り出し回収した。これを、市販の精製キット;
QIAquick Gel Extraction Kit を用いて精製し、目的と
する4.2 kbp のDNA断片をTE緩衝液 50 μl で溶出回
収した。
【0060】得られたpFab-His2 +κ鎖に相当するDN
A断片80 ng/2 μl とμ鎖をコードするDNA断片30 n
g/2μl とを混合し、市販のライゲーションキット;Ta
KaRaLigation Kit Ver.2 のI液9μl を加え、16℃で3
0分間ライゲーション反応をさせた。ライゲーション
後、反応液に水8 μl 、ベーリンガーマンハイム製分子
生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M 酢酸ナト
リウム1.6 μl 、エタノール70μl を加え、−30℃で15
分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10分間遠心
した。この遠心により、目的とする環化されたベクター
は沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水5μl に
再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化されたベク
ターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌を培養す
ることで、多量のプラスミドベクターを調製した。
A断片80 ng/2 μl とμ鎖をコードするDNA断片30 n
g/2μl とを混合し、市販のライゲーションキット;Ta
KaRaLigation Kit Ver.2 のI液9μl を加え、16℃で3
0分間ライゲーション反応をさせた。ライゲーション
後、反応液に水8 μl 、ベーリンガーマンハイム製分子
生物学用ポリエチレングリコール1 μl 、3 M 酢酸ナト
リウム1.6 μl 、エタノール70μl を加え、−30℃で15
分間放置した。放置後、4 ℃、15,000 rpmで10分間遠心
した。この遠心により、目的とする環化されたベクター
は沈殿に回収される。沈殿物を風乾した後、水5μl に
再溶解して、50℃で5分間暖めた。この環化されたベク
ターで大腸菌を形質転換し、得られた組換え菌を培養す
ることで、多量のプラスミドベクターを調製した。
【0061】具体的には、予め温めた環化したベクター
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;大腸菌コ
ンピテントセルDH5 αF'T 50μl にelectropolation 法
を適用して導入した。electropolation 法は、2 mm幅の
キュベットを用い、電圧2.5kVの条件を用いた。通電
後、大腸菌はキュベットから室温にした培地 SOC(市販
品、LIFE TECHNOLOGIES 社製)1 mlで洗い出し・回収し
た。膜再生のため、37℃で1時間振とう培養した。その
後、37℃に温めたSB培地10 ml (アンピシリン 50 μg/
ml添加)を加えた。この際、一部菌液それぞれ10μl と
100 μl を採取し、タイトレーションのためにプレート
に播いた。残る菌液は、37℃で一夜振とう培養した。
液5μl を用いて、市販のコンピテントセル;大腸菌コ
ンピテントセルDH5 αF'T 50μl にelectropolation 法
を適用して導入した。electropolation 法は、2 mm幅の
キュベットを用い、電圧2.5kVの条件を用いた。通電
後、大腸菌はキュベットから室温にした培地 SOC(市販
品、LIFE TECHNOLOGIES 社製)1 mlで洗い出し・回収し
た。膜再生のため、37℃で1時間振とう培養した。その
後、37℃に温めたSB培地10 ml (アンピシリン 50 μg/
ml添加)を加えた。この際、一部菌液それぞれ10μl と
100 μl を採取し、タイトレーションのためにプレート
に播いた。残る菌液は、37℃で一夜振とう培養した。
【0062】このタイトレーションの結果、コロニーサ
イズは、1.1 ×104 であった。培養した菌体を回収し、
市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Ki
t を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 600μl で溶
出回収した。前記の培養菌体からの、目的とするプラス
ミド、即ち、κ鎖をコードするDNA断片及びμ鎖をコ
ードするDNA断片がともに組み込まれたベクターの回
収量は30μg であった。
イズは、1.1 ×104 であった。培養した菌体を回収し、
市販のプラスミド分離キット;QIAGEN Plasmid Midi Ki
t を用いてプラスミドを抽出し、TE緩衝液 600μl で溶
出回収した。前記の培養菌体からの、目的とするプラス
ミド、即ち、κ鎖をコードするDNA断片及びμ鎖をコ
ードするDNA断片がともに組み込まれたベクターの回
収量は30μg であった。
【0063】(4)単一クローンの選別 前記(3)において作製したpFab-His2 にκ鎖をコード
するDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片がとも
に組み込まれたプラスミドを大腸菌JM109 株に導入し
て、形質転換株を作製し、当該発現ベクターから抗ヒト
TNF−αヒトFab 抗体を産生するクローンを採取し
た。
するDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片がとも
に組み込まれたプラスミドを大腸菌JM109 株に導入し
て、形質転換株を作製し、当該発現ベクターから抗ヒト
TNF−αヒトFab 抗体を産生するクローンを採取し
た。
【0064】具体的には、該発現ベクター1 ngを市販の
大腸菌JM109 株のコンピテントセル(東洋紡製)100 μ
l に加えた。次いで、30分間氷上に静置した後、42℃、
1 分間のヒートショックを加えた後、再び3分間氷上に
静置した。培地 SOC(市販品、LIFE TECHNOLOGIES 社
製)1 mlを加え、37℃で1時間振とう培養した後、アン
ピシリンプレート上に各プレート当たり、前記の培養菌
液50μl ずつを播き、一晩培養しコロニーを出現させ
た。翌日、前記のアンピシリンプレート上、プレート1
枚当たり数十〜百数十個のコロニーが出現していた。
大腸菌JM109 株のコンピテントセル(東洋紡製)100 μ
l に加えた。次いで、30分間氷上に静置した後、42℃、
1 分間のヒートショックを加えた後、再び3分間氷上に
静置した。培地 SOC(市販品、LIFE TECHNOLOGIES 社
製)1 mlを加え、37℃で1時間振とう培養した後、アン
ピシリンプレート上に各プレート当たり、前記の培養菌
液50μl ずつを播き、一晩培養しコロニーを出現させ
た。翌日、前記のアンピシリンプレート上、プレート1
枚当たり数十〜百数十個のコロニーが出現していた。
【0065】これらのクローンの抗ヒトTNF−αヒト
Fab 抗体の産生能を調べ、産生能の高い単一クローンを
選別するため、12個のコロニーを無作為に拾い出し、先
ず、それぞれSB培地2 ml(20 mM 塩化マグネシウム、ア
ンピシリン50μg/ml添加)中、37℃で6時間振とう培養
した。その後、発現を誘導するため、IPTGを終濃度0.05
mM となる量添加して、30℃で一晩振とう培養した。
Fab 抗体の産生能を調べ、産生能の高い単一クローンを
選別するため、12個のコロニーを無作為に拾い出し、先
ず、それぞれSB培地2 ml(20 mM 塩化マグネシウム、ア
ンピシリン50μg/ml添加)中、37℃で6時間振とう培養
した。その後、発現を誘導するため、IPTGを終濃度0.05
mM となる量添加して、30℃で一晩振とう培養した。
【0066】翌日、培養液から、大腸菌を遠心(1,500
×g 、15分間)で集菌した。集めた大腸菌は、0.2 mlの
リン酸緩衝液(PBS) (1mg/mlリゾチーム、1×complet
e;ベーリンガー社製プロテアーゼ阻害剤カクテルを添
加)に懸濁し、室温で30分間放置した後、freezing-tha
wing(ドライアイス−エタノール液と37℃の温水に交互
に5分間ずつ浸す処理)を計4回繰り返して、菌体を破
砕した。遠心(エッペンドルフチューブ内で、15,000 r
pm、10分間)後、上清を回収した。産生される組換え型
ヒトFab 抗体は、可溶性であるため、この上清に回収さ
れる。市販のヒトTNF−α(生化学工業#200457、5
μg/ml)を抗原として用いて、該上清中に含まれる抗ヒ
トTNF−α抗体濃度をELISA 法で定量した。ELISA プ
レートは、ヒトTNF−α液を50μl/wellずつコーティ
ングし、翌日PBS −0.05% Tween20300μl/wellで3回
洗浄した後、各クローンから得た上清試料50μl ずつを
二連で反応させた。室温で1時間反応させた後、PBS −
0.05% Tween20 300μl/wellで3回洗浄して、未反応の
抗体を除去した。酵素標識抗体として、市販のペルオキ
シダーゼ標識抗ヒトIgG (Fab 特異的)抗体(SIGMA
製、#A 0293)をPBS −0.05% Tween20で1:1,000 に希
釈した溶液50μl/wellを加えて、反応させた。室温で1
時間反応させた後、PBS −0.05% Tween20 300μl/well
で3回洗浄して、未反応の酵素標識抗体を除去した。検
出には、標識のペルオキシダーゼ量を、市販の基質;ラ
イフテクノロジーズ製のTMB-ELISA を50μl/well加え、
室温で30分間放置後、650 nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーで測定した。発色量OD650 nmが0.3 以上を示
すものは、抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体の産生能が高
い陽性クローンと判定した。評価を試みた12個のコロニ
ーのうち、陽性クローン4個が存在していた。この4個
のクローンから、発現ベクターを再度抽出して、κ鎖を
コードするDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片
の存在を確認し、また、その塩基配列の再シークエンシ
ングを行ったところ、4つのクローンは当然のことなが
ら、全く同じ塩基配列であった。即ち、上述の塩基配列
(I)及び塩基配列(II)に示されるものであった。具
体的には、これらの4つのクローンが保有している発現
ベクターは、図2に概略図を示す抗ヒトTNF−αヒト
Fab 発現ベクターp1D5-1と同じものであった。従って、
この4つのクローンは、遺伝子は全く同じであり、同一
の菌株であることになる。
×g 、15分間)で集菌した。集めた大腸菌は、0.2 mlの
リン酸緩衝液(PBS) (1mg/mlリゾチーム、1×complet
e;ベーリンガー社製プロテアーゼ阻害剤カクテルを添
加)に懸濁し、室温で30分間放置した後、freezing-tha
wing(ドライアイス−エタノール液と37℃の温水に交互
に5分間ずつ浸す処理)を計4回繰り返して、菌体を破
砕した。遠心(エッペンドルフチューブ内で、15,000 r
pm、10分間)後、上清を回収した。産生される組換え型
ヒトFab 抗体は、可溶性であるため、この上清に回収さ
れる。市販のヒトTNF−α(生化学工業#200457、5
μg/ml)を抗原として用いて、該上清中に含まれる抗ヒ
トTNF−α抗体濃度をELISA 法で定量した。ELISA プ
レートは、ヒトTNF−α液を50μl/wellずつコーティ
ングし、翌日PBS −0.05% Tween20300μl/wellで3回
洗浄した後、各クローンから得た上清試料50μl ずつを
二連で反応させた。室温で1時間反応させた後、PBS −
0.05% Tween20 300μl/wellで3回洗浄して、未反応の
抗体を除去した。酵素標識抗体として、市販のペルオキ
シダーゼ標識抗ヒトIgG (Fab 特異的)抗体(SIGMA
製、#A 0293)をPBS −0.05% Tween20で1:1,000 に希
釈した溶液50μl/wellを加えて、反応させた。室温で1
時間反応させた後、PBS −0.05% Tween20 300μl/well
で3回洗浄して、未反応の酵素標識抗体を除去した。検
出には、標識のペルオキシダーゼ量を、市販の基質;ラ
イフテクノロジーズ製のTMB-ELISA を50μl/well加え、
室温で30分間放置後、650 nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーで測定した。発色量OD650 nmが0.3 以上を示
すものは、抗ヒトTNF−αヒトFab 抗体の産生能が高
い陽性クローンと判定した。評価を試みた12個のコロニ
ーのうち、陽性クローン4個が存在していた。この4個
のクローンから、発現ベクターを再度抽出して、κ鎖を
コードするDNA断片及びμ鎖をコードするDNA断片
の存在を確認し、また、その塩基配列の再シークエンシ
ングを行ったところ、4つのクローンは当然のことなが
ら、全く同じ塩基配列であった。即ち、上述の塩基配列
(I)及び塩基配列(II)に示されるものであった。具
体的には、これらの4つのクローンが保有している発現
ベクターは、図2に概略図を示す抗ヒトTNF−αヒト
Fab 発現ベクターp1D5-1と同じものであった。従って、
この4つのクローンは、遺伝子は全く同じであり、同一
の菌株であることになる。
【0067】なお、前記手順に準じて、残りの分離され
たL鎖をコードするcDNA、具体的には、λ鎖のもの
が1種、κ鎖のものが2種、H鎖をコードするcDN
A、具体的には、γ鎖のものが1種から、L鎖をコード
するcDNAとH鎖をコードするcDNAの各組み合わ
せについて、大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベ
クター系;pFab-His2 ベクターにクローニングして、そ
れぞれ組換えベクターを作製し、それぞれ宿主大腸菌JM
109 株に導入して、用いた発現ベクターpFab-His2 内の
マーカー遺伝子;アンピシリン耐性遺伝子を用いて、ア
ンピシリンプレート上でコロニーを形成させ、各クロー
ンを分離した。しかしながら、これらの組換え菌は、Fa
b 抗体を産生するものが存在したが、ヒトTNF−αに
対する反応性を前記の方法で評価したところ、いずれも
反応性を有するものではなかった。なお、同時に分離さ
れた残るκ鎖の2種について、参考のため、その塩基配
列並びにそこにコードされるアミノ酸配列を図5と図6
に示す。これらのκ鎖を有するFab 抗体は、ヒトTNF
−αに対する反応性を有するものではなかった。
たL鎖をコードするcDNA、具体的には、λ鎖のもの
が1種、κ鎖のものが2種、H鎖をコードするcDN
A、具体的には、γ鎖のものが1種から、L鎖をコード
するcDNAとH鎖をコードするcDNAの各組み合わ
せについて、大腸菌においてFab 抗体を産生する発現ベ
クター系;pFab-His2 ベクターにクローニングして、そ
れぞれ組換えベクターを作製し、それぞれ宿主大腸菌JM
109 株に導入して、用いた発現ベクターpFab-His2 内の
マーカー遺伝子;アンピシリン耐性遺伝子を用いて、ア
ンピシリンプレート上でコロニーを形成させ、各クロー
ンを分離した。しかしながら、これらの組換え菌は、Fa
b 抗体を産生するものが存在したが、ヒトTNF−αに
対する反応性を前記の方法で評価したところ、いずれも
反応性を有するものではなかった。なお、同時に分離さ
れた残るκ鎖の2種について、参考のため、その塩基配
列並びにそこにコードされるアミノ酸配列を図5と図6
に示す。これらのκ鎖を有するFab 抗体は、ヒトTNF
−αに対する反応性を有するものではなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明の組換え型抗ヒトTNF−αヒト
モノクローナル抗体は、宿主大腸菌により産生されるヒ
トFab 抗体であるので、大量かつ安定に生産でき、加え
て、汎用の手段により容易に不純物、汚染蛋白質等の除
去ができ、極めて純度の高いものとすることができる。
そのため、実験試薬としての利用、更には臨床応用に適
するものである。また、該ヒトFab 抗体のH鎖とL鎖を
それぞれコードするDNAは、宿主大腸菌による産生に
利用されるのは当然のことであるが、その塩基配列情報
に基づき、種々のプライマーの作製にも応用できる。
モノクローナル抗体は、宿主大腸菌により産生されるヒ
トFab 抗体であるので、大量かつ安定に生産でき、加え
て、汎用の手段により容易に不純物、汚染蛋白質等の除
去ができ、極めて純度の高いものとすることができる。
そのため、実験試薬としての利用、更には臨床応用に適
するものである。また、該ヒトFab 抗体のH鎖とL鎖を
それぞれコードするDNAは、宿主大腸菌による産生に
利用されるのは当然のことであるが、その塩基配列情報
に基づき、種々のプライマーの作製にも応用できる。
【0069】
配列番号:1 配列の長さ:223 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Gln Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg 1 5 10 15 Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Tyr 20 25 30 Gly Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val 35 40 45 Ala Val Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Asn Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val 50 55 60 Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr 65 70 75 80 Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys 85 90 95 Ala Lys Asp Ser Gly Asp Leu Ala Phe Asp Ile Trp Gly Gln Gly Thr 100 105 110 Met Val Thr Val Ser Ser Gly Ser Ala Ser Ala Pro Thr Leu Phe Pro 115 120 125 Leu Val Ser Cys Glu Asn Ser Pro Ser Asp Thr Ser Ser Val Ala Val 130 135 140 Gly Cys Leu Ala Gln Asp Phe Leu Pro Asp Ser Ile Thr Phe Ser Trp 145 150 155 160 Lys Tyr Lys Asn Asn Ser Asp Ile Ser Ser Thr Arg Gly Phe Pro Ser 165 170 175 Val Leu Arg Gly Gly Lys Tyr Ala Ala Thr Ser Gln Val Leu Leu Pro 180 185 190 Ser Lys Asp Val Met Gln Gly Thr Asp Glu His Val Val Cys Lys Val 195 200 205 Gln His Pro Asn Gly Asn Lys Glu Lys Asn Val Pro Leu Pro Val 210 215 220
【0070】配列番号:2 配列の長さ:669 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 CAA GTG CAG CTG GTG GAG TCT GGG GGA GGC GTG GTC CAG CCT GGG AGG 48 Gln Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg 1 5 10 15 TCC CTG AGA CTC TCC TGT GCA GCC TCT GGA TTC ACC TTC AGT AGC TAT 96 Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Tyr 20 25 30 GGC ATG CAC TGG GTC CGC CAG GCT CCA GGC AAG GGG CTG GAG TGG GTG 144 Gly Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val 35 40 45 GCA GTT ATA TCA TAT GAT GGA AGT AAT AAA TAC TAT GCA GAC TCC GTG 192 Ala Val Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Asn Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val 50 55 60 AAG GGC CGA TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG CTG TAT 240 Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr 65 70 75 80 CTG CAA ATG AAC AGC CTG AGA GCT GAG GAC ACG GCT GTG TAT TAC TGT 288 Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys 85 90 95 GCG AAA GAT TCC GGT GAC CTT GCT TTT GAT ATC TGG GGC CAA GGG ACA 336 Ala Lys Asp Ser Gly Asp Leu Ala Phe Asp Ile Trp Gly Gln Gly Thr 100 105 110 ATG GTC ACC GTC TCT TCA GGG AGC GCA TCC GCC CCA ACC CTT TTC CCC 384 Met Val Thr Val Ser Ser Gly Ser Ala Ser Ala Pro Thr Leu Phe Pro 115 120 125 CTC GTC TCC TGT GAG AAT TCC CCG TCG GAT ACG AGC AGC GTG GCC GTT 432 Leu Val Ser Cys Glu Asn Ser Pro Ser Asp Thr Ser Ser Val Ala Val 130 135 140 GGC TGC CTC GCA CAG GAC TTC CTT CCC GAC TCC ATC ACT TTC TCC TGG 480 Gly Cys Leu Ala Gln Asp Phe Leu Pro Asp Ser Ile Thr Phe Ser Trp 145 150 155 160 AAA TAC AAG AAC AAC TCT GAC ATC AGC AGC ACC CGG GGC TTC CCA TCA 528 Lys Tyr Lys Asn Asn Ser Asp Ile Ser Ser Thr Arg Gly Phe Pro Ser 165 170 175 GTC CTG AGA GGG GGC AAG TAC GCA GCC ACC TCA CAG GTG CTG CTG CCT 576 Val Leu Arg Gly Gly Lys Tyr Ala Ala Thr Ser Gln Val Leu Leu Pro 180 185 190 TCC AAG GAC GTC ATG CAG GGC ACA GAC GAA CAC GTG GTG TGC AAA GTC 624 Ser Lys Asp Val Met Gln Gly Thr Asp Glu His Val Val Cys Lys Val 195 200 205 CAG CAC CCC AAC GGC AAC AAA GAA AAG AAC GTG CCT CTT CCA GTG 669 Gln His Pro Asn Gly Asn Lys Glu Lys Asn Val Pro Leu Pro Val 210 215 220
【0071】配列番号:3 配列の長さ:214 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Glu Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Ala Thr Leu Ser Leu Ser Pro Gly 1 5 10 15 Glu Arg Ala Thr Leu Ser Cys Arg Ala Ser Gln Ser Val Ser Ser Tyr 20 25 30 Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Arg Leu Leu Ile 35 40 45 Tyr Asp Ala Ser Asn Arg Ala Thr Gly Ile Pro Val Arg Phe Ser Gly 50 55 60 Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Glu Pro 65 70 75 80 Glu Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys Leu Gln Arg Asp Asn Trp Pro Trp 85 90 95 Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys Arg Thr Val Ala Ala 100 105 110 Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln Leu Lys Ser Gly 115 120 125 Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Arg Glu Ala 130 135 140 Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser Gly Asn Ser Gln 145 150 155 160 Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Leu Ser 165 170 175 Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys His Lys Val Tyr 180 185 190 Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro Val Thr Lys Ser 195 200 205 Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210
【0072】配列番号:4 配列の長さ:642 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GAA ATT GTG ATG ACG CAG TCT CCA GCC ACC CTG TCT TTG TCT CCA GGG 48 Glu Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Ala Thr Leu Ser Leu Ser Pro Gly 1 5 10 15 GAA AGG GCC ACC CTC TCC TGC AGG GCC AGT CAG AGT GTT AGC AGC TAC 96 Glu Arg Ala Thr Leu Ser Cys Arg Ala Ser Gln Ser Val Ser Ser Tyr 20 25 30 TTA GCC TGG TAC CAA CAG AAA CCT GGC CAG GCT CCC AGG CTC CTC ATC 144 Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Arg Leu Leu Ile 35 40 45 TAT GAT GCA TCC AAC AGG GCC ACT GGC ATC CCA GTC AGG TTC AGT GGC 192 Tyr Asp Ala Ser Asn Arg Ala Thr Gly Ile Pro Val Arg Phe Ser Gly 50 55 60 AGT GGG TCT GGG ACA GAC TTC ACT CTC ACC ATC AGC AGC CTA GAG CCT 240 Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Glu Pro 65 70 75 80 GAA GAT TTT GCA GTT TAT TAC TGT CTT CAG CGT GAC AAC TGG CCG TGG 288 Glu Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys Leu Gln Arg Asp Asn Trp Pro Trp 85 90 95 ACG TTC GGC CAA GGG ACC AAG GTG GAA ATC AAA CGA ACT GTG GCT GCA 336 Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys Arg Thr Val Ala Ala 100 105 110 CCA TCT GTC TTC ATC TTC CCG CCA TCT GAT GAG CAG TTG AAA TCT GGA 384 Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln Leu Lys Ser Gly 115 120 125 ACT GCC TCT GTT GTG TGC CTG CTG AAT AAC TTC TAT CCC AGA GAG GCC 432 Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Arg Glu Ala 130 135 140 AAA GTA CAG TGG AAG GTG GAT AAC GCC CTC CAA TCG GGT AAC TCC CAG 480 Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser Gly Asn Ser Gln 145 150 155 160 GAG AGT GTC ACA GAG CAG GAC AGC AAG GAC AGC ACC TAC AGC CTC AGC 528 Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Leu Ser 165 170 175 AGC ACC CTG ACG CTG AGC AAA GCA GAC TAC GAG AAA CAC AAA GTC TAC 576 Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys His Lys Val Tyr 180 185 190 GCC TGC GAA GTC ACC CAT CAG GGC CTG AGC TCG CCC GTC ACA AAG AGC 624 Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro Val Thr Lys Ser 195 200 205 TTC AAC AGG GGA GAG TGT 642 Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210
【0073】配列番号:5 配列の長さ:642 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GAC ATC CAG TTG ACC CAG TCT CCT TCC ACC CTG TCT GCA TCT GTA GGA 48 Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ser Thr Leu Ser Ala Ser Val Gly 1 5 10 15 GAC AGA GTC ACC ATC ACT TGC CGG GCC AGT CAG AGT ATT AGT AGC TGG 96 Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Ser Ser Trp 20 25 30 TTG GCC TGG TAT CAG CAG AAA CCA GGG AAA GCC CCT AAG CTC CTG ATC 144 Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile 35 40 45 TAT AAG GCG TCT AGT TTA GAA AGT GGG GTC CCA TCA AGG TTC AGC GGC 192 Tyr Lys Ala Ser Ser Leu Glu Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly 50 55 60 AGT GGA TCT GGG ACA GAA TTC ACT CTC ACC ATC AGC AGC CTG CAG CCT 240 Ser Gly Ser Gly Thr Glu Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro 65 70 75 80 GAT GAT TTT GCA ACT TAT TAC TGC CAA CAG TAT AAT AGT TAT TCT CGG 288 Asp Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Asn Ser Tyr Ser Arg 85 90 95 ACG TTC GGC CAA GGG ACC AAG GTG GAA ATC AAA CGA ACT GTG GCT GCA 336 Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys Arg Thr Val Ala Ala 100 105 110 CCA TCT GTC TTC ATC TTC CCG CCA TCT GAT GAG CAG TTG AAA TCT GGA 384 Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln Leu Lys Ser Gly 115 120 125 ACT GCC TCT GTT GTG TGC CTG CTG AAT AAC TTC TAT CCC AGA GAG GCC 432 Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Arg Glu Ala 130 135 140 AAA GTA CAG TGG AAG GTG GAT AAC GCC CTC CAA TCG GGT AAC TCC CAG 480 Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser Gly Asn Ser Gln 145 150 155 160 GAG AGT GTC ACA GAG CAG GAC AGC AAG GAC AGC ACC TAC AGC CTC AGC 528 Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Leu Ser 165 170 175 AGC ACC CTG ACG CTG AGC AAA GCA GAC TAC GAG AAA CAC AAA GTC TAC 576 Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys His Lys Val Tyr 180 185 190 GCC TGC GAA GTC ACC CAT CAG GGC CTG AGC TCG CCC GTC ACA AAG AGC 624 Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro Val Thr Lys Ser 195 200 205 TTC AAC AGG GGA GAG TGT 642 Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210
【0074】配列番号:6 配列の長さ:214 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ser Thr Leu Ser Ala Ser Val Gly 1 5 10 15 Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Ser Ser Trp 20 25 30 Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile 35 40 45 Tyr Lys Ala Ser Ser Leu Glu Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly 50 55 60 Ser Gly Ser Gly Thr Glu Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro 65 70 75 80 Asp Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Asn Ser Tyr Ser Arg 85 90 95 Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys Arg Thr Val Ala Ala 100 105 110 Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln Leu Lys Ser Gly 115 120 125 Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Arg Glu Ala 130 135 140 Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser Gly Asn Ser Gln 145 150 155 160 Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Leu Ser 165 170 175 Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys His Lys Val Tyr 180 185 190 Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro Val Thr Lys Ser 195 200 205 Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210
【0075】配列番号:7 配列の長さ:660 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GAA ATT GTG TTG ACG CAG TCT CCA GAC TCC CTG GCT GTG TCT CTG GGC 48 Glu Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Asp Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly 1 5 10 15 GAG AGG GCC ACC ATC AAC TGC AAG TCC AGC CAG AGT GTT TTA TAC AGC 96 Glu Arg Ala Thr Ile Asn Cys Lys Ser Ser Gln Ser Val Leu Tyr Ser 20 25 30 TCC AAC AAG AAG AAC TAC CTA GCT TGG TAC CAG CAG AAA CCA GGA CAG 144 Ser Asn Lys Lys Asn Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln 35 40 45 CCT CCT AAG CTG CTC ATT TAC TGG GCA TCT ACC CGG GAA TCC GGG GTC 192 Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val 50 55 60 CCT GAC CGA TTC AGT GGC AGC GGG TCT GAG ACA GAT TTC ACC CTC ACC 240 Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Glu Thr Asp Phe Thr Leu Thr 65 70 75 80 ATC AGC AGC CTG CAG CCT GAA GAT GTG GCA GTT TAT TAC TGT CAG GAA 288 Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu Asp Val Ala Val Tyr Tyr Cys Gln Glu 85 90 95 TAT TAT ACT ATT CCT CGG ACT TTT GGC CAG GGG ACC AAG CTG GAG ATC 336 Tyr Tyr Thr Ile Pro Arg Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Leu Glu Ile 100 105 110 AAA CGA ACT GTG GCT GCA CCA TCT GTC TTC ATC TTC CCG CCA TCT GAT 384 Lys Arg Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp 115 120 125 GAC CAG TTG AAA TCT GGA GCT GCC TCT GTT GTG TGC CTG CTG AAT AAC 432 Asp Gln Leu Lys Ser Gly Ala Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn 130 135 140 TTC TAT CCC AGA GAG GCC AAA GTA CAG TGG AAG GTG GAT AAC GCC CTC 480 Phe Tyr Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu 145 150 155 160 CAA TCG GGT AAC TCC CAG GAG AGT GTC ACA GAG CAG GAC AGC AAG GAC 528 Gln Ser Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp 165 170 175 AGC ACC TAC AGC CTC AGC AGC ACC CTG ACG CTG AGC AAA GCA GAC TAC 576 Ser Thr Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr 180 185 190 GAG AAA CAC AAA CTC TAC GCC TGC GAA GTC ACC CAT CAG GGC CTG AGC 624 Glu Lys His Lys Leu Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser 195 200 205 TCG CCC GTC ACA AAG AGC TTC AAC AGG GGA GAG TGT 660 Ser Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210 215 220
【0076】配列番号:8 配列の長さ:220 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Glu Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Asp Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly 1 5 10 15 Glu Arg Ala Thr Ile Asn Cys Lys Ser Ser Gln Ser Val Leu Tyr Ser 20 25 30 Ser Asn Lys Lys Asn Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln 35 40 45 Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val 50 55 60 Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Glu Thr Asp Phe Thr Leu Thr 65 70 75 80 Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu Asp Val Ala Val Tyr Tyr Cys Gln Glu 85 90 95 Tyr Tyr Thr Ile Pro Arg Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Leu Glu Ile 100 105 110 Lys Arg Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp 115 120 125 Asp Gln Leu Lys Ser Gly Ala Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn 130 135 140 Phe Tyr Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu 145 150 155 160 Gln Ser Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp 165 170 175 Ser Thr Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr 180 185 190 Glu Lys His Lys Leu Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser 195 200 205 Ser Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys 210 215 220
【図1】Fab 抗体発現ベクターpFab-His2 の構造を示す
図。
図。
【図2】本発明の組換え型抗ヒトTNF−αヒトFab 抗
体の発現ベクターp1D5-1の構造を模式的に示す図。
体の発現ベクターp1D5-1の構造を模式的に示す図。
【図3】本発明の組換え型抗ヒトTNF−αヒトFab 抗
体のH鎖のアミノ酸配列(I)とそれをコードするcD
NAの塩基配列(I)を示す図。
体のH鎖のアミノ酸配列(I)とそれをコードするcD
NAの塩基配列(I)を示す図。
【図4】本発明の組換え型抗ヒトTNF−αヒトFab 抗
体のL鎖のアミノ酸配列(II)とそれをコードするcD
NAの塩基配列(II)を示す図。
体のL鎖のアミノ酸配列(II)とそれをコードするcD
NAの塩基配列(II)を示す図。
【図5】細胞株1D5 株(EBV transformed B lymphocyte
s oligo clone )から採取されたκ鎖をコードするcD
NA三種の一つの塩基配列及びそれがコードするアミノ
酸配列を示す図。
s oligo clone )から採取されたκ鎖をコードするcD
NA三種の一つの塩基配列及びそれがコードするアミノ
酸配列を示す図。
【図6】細胞株1D5 株(EBV transformed B lymphocyte
s oligo clone )から採取されたκ鎖をコードするcD
NA三種の他一つの塩基配列及びそれがコードするアミ
ノ酸配列を示す図。
s oligo clone )から採取されたκ鎖をコードするcD
NA三種の他一つの塩基配列及びそれがコードするアミ
ノ酸配列を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹腰 史子 神奈川県伊勢原市大住台3−9−1 ベル フララーズ大住台2−501
Claims (5)
- 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列(I)又
はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残基が付
加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒ
トTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のH鎖として
機能するH鎖、及び配列番号3に示すアミノ酸配列(I
I)又はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残
基が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有
し、抗ヒトTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のL
鎖として機能するL鎖からなる組換え型抗ヒトTNF−
αヒトモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 配列番号1に示すアミノ酸配列(I)又
はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残基が付
加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒ
トTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のH鎖として
機能する抗体のH鎖をコードするDNA。 - 【請求項3】 配列番号2に示す塩基配列で示されるc
DNAである請求項2記載のDNA。 - 【請求項4】 配列番号3に示すアミノ酸配列(II)又
はこの配列において1もしくは複数のアミノ酸残基が付
加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、抗ヒ
トTNF−αヒトモノクローナルFab 抗体のL鎖として
機能する抗体のL鎖をコードするDNA。 - 【請求項5】 配列番号4に示す塩基配列で示されるc
DNAである請求項4記載のDNA。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29399497A JPH11127855A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | 組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29399497A JPH11127855A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | 組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11127855A true JPH11127855A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17801875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29399497A Pending JPH11127855A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | 組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11127855A (ja) |
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-
1997
- 1997-10-27 JP JP29399497A patent/JPH11127855A/ja active Pending
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