JP2020197379A - ガス検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス検出装置においては、多種類のガスを検出できることが好ましい。【解決手段】検出対象ガスとの接触により出力が変化するガス検出層とガス検出層を加熱するヒーター層とを有するガスセンサと、判別部と、を備え、判別部は、ヒーター層の温度が第1温度の場合におけるガスセンサの出力の変化を示す第1波形と、ヒーター層の温度が第1温度と異なる第2温度の場合におけるガスセンサの出力の変化を示す第2波形と、に基づいて検出対象ガスの種類を判別する、ガス検出装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、ガス検出装置に関する。
従来、3種類のガス種を判別するガス検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2011−149754号公報
ガス検出装置においては、多種類のガスを検出できることが好ましい。
本発明の第1の態様においては、ガス検出装置を提供する。ガス検出装置は、ガスセンサと判別部とを備える。ガスセンサは、検出対象ガスとの接触により出力が変化するガス検出層と、ガス検出層を加熱するヒーター層と、を有する。判別部は、ヒーター層の温度が第1温度の場合におけるガスセンサの出力の変化を示す第1波形と、ヒーター層の温度が第1温度と異なる第2温度の場合におけるガスセンサの出力の変化を示す第2波形と、に基づいて検出対象ガスの種類を判別する。
判別部は、第1波形と第2波形とに基づいて少なくとも3種類の検出対象ガスを判別してよい。
判別部は、第1波形の予め定められた第1期間における出力値の変化率に基づいて、検出対象ガスの種類を判別してよい。
判別部は、第2波形における出力値が予め定められた基準値に収束するか否かに基づいて、検出対象ガスの種類を判別してよい。
判別部は、第2波形に極小値が存在するか否かに基づいて、検出対象ガスの種類を判別してよい。
判別部は、第1波形と、第2波形と、ヒーター層の温度が第1温度および第2温度と異なる第3温度の場合における、ガスセンサの出力の変化を示す第3波形と、に基づいて検出対象ガスの種類を判別してよい。
判別部は、第1波形または第2波形に基づいて第2波形の予め定められた第2期間を制御してよい。
ガス検出層は、ヒーター層により間欠的なタイミングで加熱されてよい。判別部は、第1波形および第2波形の少なくとも一方に基づいて間欠的なタイミングを制御してよい。
ガス検出層は、第2温度に設定されたヒーター層により第1周期で加熱されてよい。判別部は、第1周期の何れかの検出タイミングにおいて、第2波形の予め定められた第2期間におけるガスセンサの出力が予め定められた第1基準値に収束した場合、第1波形と第2波形とに基づいて検出対象ガスの種類を判別してよい。
ガス検出層は、第1温度に設定されたヒーター層により第2周期で加熱されてよい。判別部は、第2周期の何れかの検出タイミングにおいて、第1波形の予め定められた第1期間における出力値の変化率が予め定められた第2基準値以上である場合、第1波形と第2波形とに基づいて、検出対象ガスの種類を判別してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の一つの実施形態に係る監視対象300を示す図である。 本発明の一つの実施形態に係るガス検出装置100の一例を示す図である。 ガスセンサ10の断面の一例を示す図である。 ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の一例を示す図である。 ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスAについて示す図である。 ガスセンサ10のガス検出層96の電気抵抗の変化を定電圧により測定する場合の回路の一例を示す図である。 ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスBについて示す図である。 ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスCについて示す図である。 判別部20による検出対象ガスの判別のフローチャートを示す図である。 ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例を4つのガス種について示す図である。 第1期間ta1、第3期間ta3および第2期間ta2におけるガスA〜Dの波形の傾向をまとめた図である。 ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の他の一例を示す図である。 ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の他の一例を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る監視対象300を示す図である。本例の監視対象300は、ガス検出装置100および電気装置200を備える。監視対象300は、例えば工場、プラント等である。電気装置200は、例えば工場、プラント等に設置されたボイラーや空調設備等、電気の供給により動作する装置である。ガス検出装置100は、監視対象300において、例えば電気装置200の(ボイラーからの)燃料ガス漏洩による可燃性ガスや不完全燃焼ガスのガス成分を検出する。また、災害防止の観点から、ガス検出装置100は監視対象300において、過剰発熱に起因する揮発ガス成分を検出してもよい。当該揮発ガス成分は、電気装置200の過剰発熱に起因して発火する前に発生する成分であってよい。
図2は、本発明の一つの実施形態に係るガス検出装置100の一例を示す図である。ガス検出装置100は、ガスセンサ10および判別部20を備える。ガスセンサ10は、ガス検出層96およびヒーター層86を有する。ヒーター層86は、ガス検出層96を加熱する。
ガスセンサ10の出力は、検出対象ガスとの接触により変化する。ガスセンサ10は、低消費電力のガスセンサであることが好ましい。本例のガスセンサ10は、半導体製造技術で微細に加工されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)ガスセンサである。ガスセンサ10は、シリコン等の半導体基板上に形成されていてよい。
本例のガス検出装置100は、電源部30をさらに備える。電源部30は、ガスセンサ10に電力を供給する。電源部30は、電池であってよい。電源部30は、商用電源であってもよい。ガスセンサ10がMEMSガスセンサ等の低消費電力のセンサであれば、電池からでも長期間にわたって電力を供給できる。ガスセンサ10が電池駆動可能であれば、ガスセンサ10を様々な監視対象300に容易に設けることができる。電源部30は、監視対象300の他の装置にも電力を供給してよい。
ガス検出層96をヒーター層86により加熱すると、ガスセンサ10の出力は加熱時間の経過とともに変化する。ヒーター層86の温度が第1温度の場合におけるガスセンサ10の出力の変化を示す波形を第1波形とする。ヒーター層86の温度が第2温度(第1温度と異なる)の場合におけるガスセンサ10の出力の変化を示す波形を第2波形とする。第1波形および第2波形については後述する。判別部20は、当該第1波形および当該第2波形に基づいて検出対象ガスの種類を判別する。
図3は、ガスセンサ10の断面の一例を示す図である。ガスセンサ10は、ガス検出層96およびヒーター層86を有する。本例のガスセンサ10は、半導体基板80、薄膜積層部81、絶縁層85およびガス感知部90をさらに有する。半導体基板80は、一例としてシリコン(Si)基板である。半導体基板80には、他の領域よりも基板厚が小さいダイヤフラム88が設けられている。ダイヤフラム88は、半導体基板80を貫通して設けられていてよい。
薄膜積層部81は、半導体基板80の上面に積層されている。本例の薄膜積層部81は、熱酸化膜82、窒化膜83および酸化膜84を有する。熱酸化膜82は、半導体基板80の上面を熱酸化して形成されてよい。本例の熱酸化膜82は、酸化シリコン(SiO)膜である。
窒化膜83は、例えばプラズマCVD法により、熱酸化膜82の上面に積層される。本例の窒化膜83は、窒化シリコン(Si)膜である。酸化膜84は、例えばプラズマSVD法により、窒化膜83の上面に積層される。本例の酸化膜84は、酸化シリコン(SiO)膜である。薄膜積層部81は、ダイヤフラム構造の支持層および熱絶縁層として機能する。
ヒーター層86は、薄膜積層部81の上面に形成される。ヒーター層86は、白金、金およびニッケルの少なくともいずれかと、クロムおよびタングステンの少なくともいずれかとを含む膜である。本例のヒーター層86は、酸化膜84の上面において、ガス感知部90の下方に設けられている。ヒーター層86は、例えばスパッタ法により成膜される。
絶縁層85は、例えばスパッタ法により薄膜積層部81の上面に形成される。絶縁層85は、ヒーター層86を覆って設けられている。本例の絶縁層85は、酸化シリコン(SiO)膜である。
ガス感知部90は、絶縁層85の上面に設けられている。ガス感知部90は、半導体基板80の上面視でヒーター層86と重なる範囲に設けられてよい。ガス感知部90がヒーター層86と重なる範囲に設けられることで、ヒーター層86はガス感知部90を効率よく加熱できる。また、ダイヤフラム88は半導体基板80の上面視で、少なくともガス感知部90およびヒーター層86の少なくとも一方と重なる範囲に形成されてよい。ダイヤフラム88が設けられることで、ヒーター層86からの熱が半導体基板80に逃げることが抑制される。また、ダイヤフラム88が設けられることで、ヒーター層86からの熱の拡散が、ダイヤフラム88が設けられない場合よりも速くなる。このため、ヒーター層86はガス感知部90を効率よく加熱できる。
ガス感知部90は、選択燃焼層98、ガス検出層96、電極94および接合層92を有する。接合層92は、絶縁層85の上面に部分的に形成される。ガス感知部90は、1つのガス検出層96に対して2つの接合層92を有してよい。接合層92は、スパッタ法により形成されてよい。本例の接合層92は、タンタルまたはチタンを含む材料で形成されている。
電極94は、接合層92の上面に形成される。電極94は、スパッタ法により形成されてよい。本例の電極94は、白金または金を含む材料で形成されている。接合層92は、電極94と絶縁層85とを接続する。接合層92は、電極94よりも薄い膜であってよい。例えば、接合層92の厚さは50nmであり、電極94の厚さは200nmである。
ガス検出層96は、一方の電極94の上面から、他方の電極94の上面まで延在して設けられている。2つの電極94の間において、ガス検出層96は絶縁層85の上面に接して設けられてよい。ガス検出層96は、スパッタ法により形成されてよい。本例のガス検出層96は、アンチモン(Sb)をドープした酸化スズ(SnO)膜である。ガスセンサ10は、2つの電極94の間におけるガス検出層96の抵抗値を検出することで、対象ガスを検知する。
ガス検出層96は、ガス成分が存在しない雰囲気においては表面に酸素(O)が負電荷吸着している。ガス検出層96の表面に酸素(O)が負電荷吸着すると、ガス検出層96中のキャリア電子が少なくなる。このため、ガス検出層96の電気抵抗値は高くなる。一方で、特定のガス成分が存在すると、ガス検出層96の表面に吸着していた酸素(O)が当該ガス成分と反応してガス検出層96中のキャリア電子が増大する。このため、ガス検出層96の電気抵抗値は低くなる。ヒーター層86は、それぞれのガス検出層96における吸着酸素とガス成分との反応を促進すべく、ガス検出層96を加熱する。
選択燃焼層98は、ガス検出層96を覆って設けられている。選択燃焼層98は、特定のガス成分をガス検出層96まで通過させ、可燃性ガス等の雑ガスを燃焼して除去する。また、選択燃焼層98は触媒を担持している。選択燃焼層98に含まれる触媒の種類を選択することで、ガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)と感度よく反応するガス成分を選択できる。
本例の選択燃焼層98は、酸化アルミニウム(Al)に触媒を担持させた焼結材である。選択燃焼層98は、スクリーン印刷法によりガス検出層96の全体を覆うように塗布した後、例えば500℃で1時間以上焼成することで形成されてよい。選択燃焼層98を形成した後、半導体基板80の下面をエッチングして、ダイヤフラム88を形成する。選択燃焼層98は、ガス検出層96の上面を覆うように塗布されてもよい。
図4は、ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の一例を示す図である。ヒーター層86の温度は、複数設定されてよい。本例においては、ヒーター層86の温度は第1温度Tp1、および、第1温度Tp1よりも温度の高い第2温度Tp2の2種類に設定される。第1温度Tp1および第2温度Tp2は、検出対象ガスの種類に応じて設定されてよい。
ガス感知部90の外側から選択燃焼層98を通りガス検出層96へ向かう検出対象ガスおよび雑ガスは、選択燃焼層98において燃焼する。雑ガスとは、監視対象300に定常的に存在するガスを指す。ヒーター層86によりガス感知部90が加熱されると、検出対象ガスおよび雑ガスの選択燃焼層98における燃焼が促進される。選択燃焼層98における検出対象ガスの燃焼については後述する。
検出対象ガスおよび雑ガスの選択燃焼層98における燃焼は、ガス感知部90がヒーター層86の温度が高いほど促進されやすい。第2温度Tp2は第1温度Tp1よりも高いので、ヒーター層86が第2温度Tp2に設定された場合の方が、第1温度Tp1に設定された場合よりも選択燃焼層98における燃焼が促進される。このため、検出対象ガスおよび雑ガスが選択燃焼層98において同じ時間燃焼された場合、残留する検出対象ガスおよび雑ガスは、第2温度Tp2の場合よりも第1温度Tp1の場合の方が多くなりやすい。
検出対象ガスがメタン(CH)、一酸化炭素(CO)、水素(H)およびイソブタン(C10)のいずれかである場合、第1温度Tp1は60℃以上350℃以下であってよい。第1温度Tp1は、例えば250℃である。検出対象ガスがメタン(CH)、一酸化炭素(CO)、水素(H)およびイソブタン(C10)のいずれかである場合、第2温度Tpは350℃以上460℃以下であってよい。第2温度Tp2は、例えば430℃である。
第1温度Tp1および第2温度Tp2の継続期間は、それぞれ予め定められた第1期間ta1および第2期間ta2であってよい。第1期間ta1および第2期間ta2は、検出対象ガスの種類および濃度の少なくとも一方に応じて設定されてよい。第1期間ta1および第2期間ta2は、検出対象ガスの濃度が高いほど長くしてよく、当該濃度が低いほど短くしてもよい。第1期間ta1は、第1温度Tp1および第2温度Tp2の少なくとも一方に応じて決定されてもよい。第2期間ta2は、第2温度Tp2および第1温度Tp1の少なくとも一方に応じて決定されてもよい。
第1期間ta1と第2期間ta2は等しくてよく、異なっていてもよい。図4の例においては、第1期間ta1と第2期間ta2は等しい。図4の例における期間T1は、第1期間ta1と第2期間ta2との合計である。第1期間ta1と第2期間ta2とは、共に50ms以上500ms以下であってよく、50ms以上1000ms以下であってもよい。第1期間ta1および第2期間ta2は、例えば200msである。
第1期間ta1と第2期間ta2は連続であってよく、間欠的であってもよい。図4の例においては、期間T1に含まれる第1期間ta1と第2期間ta2はこの順に連続であり、当該第2期間ta2と次の(後の時間の)期間T1における第1期間ta1とは間欠的である。図4において、当該第2期間ta2と当該第1期間ta1との間隔がT2で示されている。期間T1に含まれる第1期間ta1と第2期間ta2との間に、間隔T2よりも短い所定の間隔が設けられていてもよい。
なお、期間T1に含まれる第1期間ta1と第2期間ta2は、第2期間ta2、第1期間ta1の順に連続であってもよい。この場合、当該第1期間ta1と次の(後の時間の)期間T1における第2期間ta2とは間欠的であってもよい。期間T1に含まれる第2期間ta2と第1期間ta1との間に、間隔T2よりも短い所定の間隔が設けられていてもよい。
間隔T2は、検出対象ガスの種類に応じて設定されてよい。間隔T2は、第1期間ta1および第2期間ta2の少なくとも一方に応じて設定されてもよい。本例においてヒーター層86の温度は、周期(T1+T2)で間欠的にTp1およびTp2に設定されている。
図5Aは、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスAについて示す図である。ガスAは、例えばメタン(CH)である。図5Aには、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係がガスAの4つの濃度(第1濃度〜第4濃度)について示されている。ガスAの濃度は、第1濃度、第2濃度、第3濃度、第4濃度の順に高い。第1濃度の場合が細かい破線で、第2濃度の場合が一点鎖線で、第3濃度の場合が粗い破線で、第4濃度の場合が二点鎖線で、それぞれ示されている。
本例において、第1濃度は300ppm以上700ppm以下であり、第2濃度は800ppm以上1200ppm以下であり、第3濃度は1500ppm以上2500ppm以下であり、第4濃度は3000ppm以上5000ppm以下である。第1濃度〜第4濃度は、例えばそれぞれ順に500ppm、1000ppm、2000ppmおよび4000ppmである。
図5Aにおいて、ガスが空気の場合についてのガスセンサ10の加熱時間と出力の関係が実線で合わせて示されている。空気とは、窒素(N)および酸素(O)を体積比で約4:1の割合で含む混合気体であってよい。また図5Aにおいて、ガスが空気の場合のガスAの濃度は、ガスセンサ10によって検出不可能なほど微少である。
図5Aにおいて、ヒーター層86の加熱開始時刻を時刻0とする。また、第1温度Tp1での加熱終了時刻、且つ、第2温度Tp1での加熱開始時刻を時刻t1とする。また、第2温度での加熱終了時刻を時刻t2とする。なお、図4に示される第1期間ta1および第2期間ta2は、それぞれ時刻0からt1までの長さ、および、時刻t1からt2までの長さである。
第1期間ta1において、ヒーター層86の温度が第1温度Tp1の場合におけるガスセンサ10の出力波形を第1波形42とする。本例の第1波形42は、検出対象ガスがガスAである場合のガスセンサ10の出力波形である。第2期間ta2において、ヒーター層の温度が第2温度Tp2の場合におけるガスセンサ10の出力波形を第2波形44とする。本例の第2波形44は、検出対象ガスがガスAである場合のガスセンサ10の出力波形である。
第1期間ta1において、ヒーター層86の温度が第1温度Tp1の場合におけるガスセンサ10の出力波形を波形52とする。波形52は、検出対象ガスが空気である場合のガスセンサ10の出力波形である。第2期間ta2において、ヒーター層の温度が第2温度Tp2の場合におけるガスセンサ10の出力波形を波形54とする。波形54は、検出対象ガスが空気である場合のガスセンサ10の出力波形である。
ガスセンサ10の出力は、検出対象ガスの可燃性成分の濃度と、監視対象300における酸素(O)等の他のガス濃度により定まる。ガスセンサ10の出力の時間波形の形状は、同一の加熱条件で駆動した場合でも、接触するガスの種類に応じて変化する。
検出対象ガスに可燃性成分(例えばメタン(CH))が含まれる場合、ガス検出層96がヒーター層86により加熱されると、当該成分とガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)とが反応する。このため、ガス検出層96の電気抵抗が低下しやすい。このため、2つの電極94の間に流れる電流が定電流の場合、ガスセンサ10の出力は低下しやすい。また、検出対象ガスに含まれる可燃性成分の濃度が高いほど、当該成分と反応する吸着酸素の量が増加するので、ガス検出層96の電気抵抗の低下量が大きくなりやすい。このため、ガスセンサ10の出力の低下量が大きくなりやすい。
図5A、並びに後述する図6および7に示される例においては、2つの電極94の間に定電流を流すことにより、ガス検出層96の電気抵抗の変化がガスセンサ10の出力の変化として測定されている。ガス検出層96の電気抵抗の変化は、定電圧により測定されてもよい。
図5Bは、ガスセンサ10のガス検出層96の電気抵抗の変化を定電圧により測定する場合の回路の一例を示す図である。当該回路においては、定電圧源110、電圧計120、負荷抵抗Rssおよびガスセンサ10が図5Bに示されるように接続される。定電圧源110は、定電圧Eを発生する。ガスセンサ10の2つの電極94の間のセンサ抵抗(ガス検出層96の抵抗)をRsとする。負荷抵抗Rssは、センサ抵抗Rsに流れる電流を監視するために設けられる。負荷抵抗Rssの抵抗値は、固定される。電圧計120は、負荷抵抗Rssの両端の電圧を測定する。
2つの電極94の一方は、負荷抵抗Rssの一方の端子と接続される。電圧Eは、2つの電極94の他方と負荷抵抗Rssの他方の端子との間に印加される。即ち、定電圧Eは直列に接続されたセンサ抵抗Rsと負荷抵抗Rssの両端に印加される。
負荷抵抗Rssの両端に印加される電圧Vssは、定電圧Eが、センサ抵抗Rsと負荷抵抗Rssとの比で按分された値となる。センサ抵抗Rsおよび負荷抵抗Rssに流れる電流をIとすると、以下の式が成り立つ。
Figure 2020197379
定電圧Eおよび負荷抵抗Rssは既知であるので、電圧Vssを測定すれば(1)、(2)式よりセンサ抵抗Rsを算出できる。即ち、図5Bの回路によりセンサ抵抗Rsの変化を電圧Vssの変化として検出できる。検出対象ガスの可燃性成分(例えばメタン(CH))とガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)とが反応してガス検出層96の抵抗(センサ抵抗Rs)が低下した場合、電圧Vssは増加する。
また、検出対象ガスに含まれる可燃性の成分とガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)とが反応しやすい温度は、当該成分によって異なる。当該成分と吸着酸素とは、ガス検出層96の温度が高いほど反応しやすい。このため、ガスセンサ10の出力はガス検出層96の温度が高いほど低下しやすい。
さらに、検出対象ガスに含まれる可燃性の成分が選択燃焼層98で燃焼しやすい温度も、検出対象ガスに含まれる当該成分によって異なる。当該成分は、選択燃焼層98の温度が高いほど燃焼しやすい。このため、当該成分は選択燃焼層98の温度が高いほどガス検出層96に届きにくくなる。このため、ガスセンサ10の出力は選択燃焼層98の温度が高いほど検出対象ガスが空気の場合の出力に近くなる。
時刻0におけるガスセンサ10の出力をMXとする。時刻0においては、検出対象ガスに含まれる可燃性成分とガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)との反応が開始していないので、出力MXは検出対象ガスの種類にかかわらず等しくなりやすい。
検出対象ガスがガスAの場合、第1期間ta1が開始するとガスAに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応が促進されるので、ガスセンサ10の出力は低下し始める。ガスセンサ10の出力は、時刻t1cにおいて所定の下限値MNA(第4濃度の場合)に収束し、時刻t1c以降は下限値MNAで横ばいとなる。
また、第2期間ta2が開始すると、ガスAに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応がさらに促進されるので、ガスセンサ10の出力はさらに低下し始める。ガスAに含まれる可燃性成分は、第2温度Tp2において選択燃焼層98で燃焼除去されにくいので、第2期間ta2においてガスセンサ10の出力は波形54(空気の場合)の出力値(第1基準値S1(後述))に漸近しにくい。ガスセンサ10の出力は時刻t2cにおいて下限値MNAとは異なる所定の下限値に収束し、時刻tc2以降は当該下限値で横ばいとなる。
検出対象ガスが空気の場合、空気に含まれる雑ガス等の可燃性成分の量は微少である。この場合、ガス検出層96の表面に吸着した酸素(O)と反応する当該可燃性成分が微少であるので、検出対象ガスにメタン(CH)等の可燃性成分が含まれる場合と比較してガス検出層96の電気抵抗は低下しにくい。第2期間ta2において、空気に含まれる雑ガス等の可燃性成分は燃焼し尽くされやすいので、波形54は所定の下限値に収束する。波形54のこの下限値を第1基準値S1とする。図5Aに、第1基準値S1が示されている。
図6は、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスBについて示す図である。ガスBは、例えば一酸化炭素(CO)である。図6には、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係がガスBの4つの濃度(第1濃度〜第4濃度)について示されている。本例においても、ガスBの濃度は、第1濃度、第2濃度、第3濃度、第4濃度の順に高い。また図5Aと同様に、ガスが空気の場合についてのガスセンサ10の加熱時間と出力の関係が、実線で合わせて示されている。
本例において、第1濃度は10ppm以上50ppm以下であり、第2濃度は60ppm以上140ppm以下であり、第3濃度は250ppm以上350ppm以下であり、第4濃度は400ppm以上600ppm以下である。第1濃度〜第4濃度は、例えばそれぞれ順に30ppm、100ppm、300ppmおよび500ppmである。
検出対象ガスがガスBの場合、第1期間ta1が開始するとガスBに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応が促進されるので、ガスセンサ10の出力は低下し始める。ガスセンサ10の出力は時刻t1c'において所定の下限値MNB(第4濃度の場合)に収束し、時刻t1c'以降は下限値MNBで横ばいとなる。なお、下限値MNBは、下限値NMAと異なっていてよい。
また、第2期間Ta2が開始すると、ガスBに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応がさらに促進されるので、ガスセンサ10の出力はさらに低下し始め、時刻t2mにおいて極小値を示す。ガスBに含まれる可燃性の成分は、第2温度Tp2においては選択燃焼層98で燃焼しやすいので、当該成分はガス検出層96まで届きにくい。このため、第2期間ta2においてガスセンサ10の出力は波形54(空気の場合)の出力値(第1基準値S1)に漸近しやすい。
図7は、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例をガスCについて示す図である。ガスCは、例えば水素(H)である。図7も、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係がガスCの4つの濃度(第1濃度〜第4濃度)について示されている。本例においても、ガスCの濃度は、第1濃度、第2濃度、第3濃度、第4濃度の順に高い。また図5Aおよび図6と同様に、ガスが空気の場合についてのガスセンサ10の加熱時間と出力の関係が、実線で合わせて示されている。
本例において、第1濃度は300ppm以上700ppm以下であり、第2濃度は800ppm以上1200ppm以下であり、第3濃度は1500ppm以上2500ppm以下であり、第4濃度は3000ppm以上5000ppm以下である。第1濃度〜第4濃度は、例えばそれぞれ順に500ppm、1000ppm、2000ppmおよび4000ppmである。
検出対象ガスがガスCの場合、第1期間ta1が開始するとガスCに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応が促進されるので、ガスセンサ10の出力は低下を始める。本例において、ガスセンサ10の出力は第1期間ta1の間、継続的に低下し続ける。時刻t1におけるガスセンサ10の出力をMNC(第4濃度の場合)とする。
なお、ガスセンサ10の出力は、第1期間ta1において所定の下限値に収束してもよい。この場合、ガスセンサ10の出力が当該下限値に収束する時刻をt1'(0<t1'<t1)とすると、ガスセンサ10の出力は時刻0から時刻t1'未満の間、継続的に低下している。この時刻0から時刻t1'未満の間におけるガスセンサ10の所定の出力を、MNC(第4濃度)としてもよい。また、この場合、ガスCの濃度は上述した収束した下限値に基づいて決定されてよい。
第2期間ta2が開始すると、ガスCに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応がさらに促進される。このため、ガスセンサ10の出力はさらに低下を始め、時刻t2m'において極小値を示す。ガスCに含まれる可燃性の成分は、第2温度Tp2において選択燃焼層98で燃焼しやすいので、当該成分はガス検出層96まで届きにくい。このため、第2期間ta2においてガスセンサ10の出力は波形54(空気の場合)の出力値(第1基準値S1)に漸近しやすい。
判別部20(図2参照)は、第1波形42と第2波形44とに基づいて検出対象ガスの種類を判別する。図5A、図6および図7における説明から明らかなように、第1波形42および第2波形44は検出対象ガスの種類により異なる。このため、判別部20は、第1波形42と第2波形44とに基づいて検出対象ガスの種類を判別できる。本例においては、判別部20は第1波形42と第2波形44とに基づいて、少なくとも3種類の検出対象ガス(ガスA、BおよびC)を判別する。
判別部20は、第2波形44における出力値が予め定められた第1基準値Sに収束するか否かに基づいて、検出対象ガスの種類を判別してよい。第1基準値Sは、上述した通り、検出対象ガスが空気の場合におけるガスセンサ10の出力の収束値である。図5Aにおいて説明したように、第2波形44における出力値が第1基準値S1に収束しない場合、判別部20は検出対象ガスがガスA(例えばメタン(CH))であると判別できる。
判別部20は、第2波形44に極小値が存在するか否かに基づいて、検出対象ガスの種類を判別してもよい。図5Aにおいて説明したように、第2波形44が所定時間(本例においては時刻tc2)以上で横ばいとなり極小値が存在しない場合、判別部20は検出対象ガスがガスA(例えばメタン(CH))であると判別できる。
判別部20は、第1波形42の第1期間ta1における出力値の変化率に基づいて、検出対象ガスの種類を判別してもよい。図7において説明したように、検出対象ガスがガスCの場合、第1期間ta1においてガスセンサ10の出力は下限値に収束しない。このため、出力MXから出力MNCへの出力値の変化率((MX−MNC)/MX)は、ガスAの場合の変化率((MX−MNA)/MX)、および、ガスBの場合の変化率((MX−MNB)/MX)よりも大きい蓋然性が高い。このため、判別部20は第1波形42の第1期間ta1における出力値の変化率に基づいて、検出対象ガスの種類を判別できる。
図8は、判別部20による検出対象ガスの判別のフローチャートを示す図である。ステップS200において判別部20は、1つの検出タイミングにおける時刻t2のガスセンサ10の出力が、第1基準値S1(空気の場合におけるガスセンサ10の出力の収束値)よりも低下しているかを判定する。ガスセンサ10の出力が、空気の場合の出力よりも低下していると判定された場合、判別部20は検出対象ガスをガスA(例えばメタン(CH))と判別する。この場合、判別部20は検出対象ガスの判別を終了する。ガスセンサ10の出力が空気の場合の出力よりも低下していると判定されない場合、ステップS202に進む。
ステップS202において判別部20は、上述した1つの検出タイミングの次の検出タイミングにおける時刻t1において、ガスセンサ10の出力が空気の場合の出力よりも低下しているかを判定する。ガスセンサ10の出力が、空気の場合の出力よりも低下していると判定された場合、ステップS204に進む。ガスセンサ10の出力が、空気の場合の出力よりも低下していると判定されない場合、判別部20は検出対象ガスには検出したいガス成分が含まれない(ガスなし)と判別する。この場合、判別部20は検出対象ガスの判別を終了する。
ステップS204において、判別部20は期間ta1におけるガスセンサ10の出力が所定の下限値に収束するかを判定する。ガスセンサ10の出力が所定の下限値に収束すると判定された場合、判別部20は検出対象ガスをガスB(例えば一酸化炭素(CO))と判別する。ガスセンサ10の出力が所定の下限値に収束しないと判定された場合、判別部20は検出対象ガスをガスC(例えば水素(H))と判別する。判別部20は、間欠的な検出タイミングごとに、図8に示されるフローチャートに沿って検出対象ガスの種類を判別してよい。
判別部20は、第1波形42に基づいて第2期間ta2を制御してよい。上述したとおり、ステップS204において(第1期間ta1において)検出対象ガスがガスC(例えば水素(H))と判別された場合、判別部20は検出対象ガスの判別を終了する。この場合、第2期間ta2は監視対象300に含まれる雑ガスを燃焼除去し得る長さであればよい。このため、判別部20は第2期間ta2を、雑ガスを燃焼除去し得る長さに制御してよい。判別部20は、検出対象ガスがガスCであると判別した場合の第2期間ta2を、ガスC以外のガスであると判別した場合の第2期間ta2よりも短縮してよい。判別部20は、第1期間ta1において検出対象ガスがガスCであると判別した場合、当該第1期間ta1に続く第2期間ta2を短縮してよい。当該第2期間ta2は、60ms以上90ms以下であってよい。当該第2期間ta2は、例えば90msである。
判別部20は、第2波形44に基づいて第2期間ta2を制御してもよい。上述したとおり、検出対象ガスがガスB(例えば一酸化炭素(CO))またはC(例えば水素(H))の場合、第2期間ta2においてガスセンサ10の出力は第1基準値S1に漸近する。時刻t2(図6および7参照)において、判別部20は、監視対象300に含まれるガスBまたはCをガスセンサ10が検出するか否かに基づいて、検出対象ガスが空気のみであるか否かを判別してよい。ガスセンサ10がガスBまたはCを検出した場合、判別部20は監視対象300にガスBまたはCが残留していると判定する。この場合、判別部20は残留しているガスBまたはCが燃焼除去されるよう、第2期間ta2を延長してよい。判別部20は、ガスセンサ10がガスBおよびCを検出した場合も、第2期間ta2を延長してよい。
判別部20は、第1波形42および第2波形44の少なくとも一方に基づいて、ガス検出層96の間欠的な加熱タイミングを制御してよい。ガス検出層96の間欠的な加熱タイミングとは、周期(T1+T2)(図4参照)を指す。図4に示される間欠的な加熱タイミングの例において、判別部20が1つの検出タイミングにおいて検出対象ガスの種類を判別した場合、当該検出タイミングにおいて検出対象ガスとガス検出層96に吸着した酸素(O)とが反応する。このため、ガス検出層96に吸着していた酸素(O)はガス検出層96からいったん分離する。判別部20が、当該検出タイミングの次の検出タイミングにおいて検出対象ガスの種類を判別するためには、ガス検出層96に再び所定量の酸素(O)が吸着する必要がある。ガス検出層96に再び所定量の酸素(O)が吸着していない場合、次の検出タイミングにおいて、第1波形42および第2波形44の少なくとも一方の波形が、ガス検出層96に所定量の酸素(O)が吸着した場合の波形と異なる場合がある。この場合、判別部20は検出対象ガスの種類を判別できない場合がある。このため、判別部20は検出対象ガスの種類を判別できない場合、判別部20は周期(T1+T2)を増大させてよい。
図9Aは、ガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例を4つのガス種について示す図である。図9Aには、ガスA、BおよびCに加えて、ガスDの場合のガスセンサ10の加熱時間と出力の関係の一例も合わせて示さていれる。ガスDの種類は、ガスA、BおよびCの何れとも異なる。ガスDは、例えばイソブタン(C10)である。図9Aには、ガスA,BおよびCについては、それぞれ図5A、図6および図7における第4濃度の場合が示されている。
ガスDの濃度は、ガスセンサ10の特性に応じて設定されてよい。本例においてガスDの濃度は、3000ppm以上5000ppm以下である。ガスDの濃度は、例えば4000ppmである。
また本例は、加熱時間に第3期間ta3をさらに有する点で図5A、図6および図7における例と異なる。本例の第3期間ta3は、第1期間ta1と第2期間ta2との間に設けられる。第3期間Ta3において、ヒーター層86の温度は第3温度Tp3に設定される。第3温度Tp3は、検出対象ガスの種類に応じて設定されてよい。第3温度Tp3は、第1温度Tp1よりも高く第2温度Tp2よりも低い。第3温度Tp3は、300℃以上400℃以下であってよい。第3温度Tp3は、例えば350℃である。
第3期間ta3において、ヒーター層86の温度が第3温度Tp3の場合におけるガスセンサ10の出力の変化を検出対象ガス(本例ではガスA〜D)について示す波形を、第3波形46とする。第3期間ta3において、ヒーター層86の温度が第3温度Tp3の場合におけるガスセンサ10の出力の変化を空気について示す波形を、波形56とする。
検出対象ガスがガスDの場合、第1期間ta1が開始するとガスDに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応が促進されるので、ガスセンサ10の出力はガスA、BおよびCと同様に低下し始める。第1期間ta1において、ガスセンサ10の出力は所定の下限値に収束する。
第3期間ta3が開始すると、ガスA〜Dのそれぞれについて、各ガスに含まれる可燃性成分とガス検出層96の吸着酸素との反応がさらに促進される。このため、ガスA〜Dのそれぞれについて、ガスセンサ10の出力は第1期間ta1で収束していた下限値からさらに低下を始める。
検出対象ガスがガスAおよびDの場合、第3期間ta3においてガスセンサ10の出力は所定の下限値に収束する。図9Aにおいて、検出対象ガスがガスDの場合のこの下限値がMNDで、下限値MNDとなる時刻がt3c'で、それぞれ示されている。検出対象ガスがガスBおよびCの場合、第3期間ta3においてガスセンサ10の出力は極小値を示す。図9Aにおいて、この極小値となる時刻がt3cで示されている。ガスBの場合の当該時刻と、ガスCの場合の当該時刻は異なっていてもよい。ガスBおよびCに含まれる可燃性成分は、第3温度Tp3において選択燃焼層98で燃焼しやすいので、当該成分はガス検出層96まで届きにくい。このため、第3期間ta3においてガスセンサ10の出力は極小値を示した後、波形54(空気の場合)の出力値(第1基準値S1)に向けて増加傾向となりやすい。
検出対象ガスがガスDの場合、第3期間ta3に続いて第2期間ta2が開始するとガスDに含まれる可燃性成分とガス検出層96への吸着酸素との反応が再度促進される。このため、ガスセンサ10の出力は再度低下し始め、時刻t2m''において極小値MND2を示す。ガスDに含まれる可燃性成分は、第2温度Tp2においては選択燃焼層98で燃焼しやすいので、当該成分はガス検出層96まで届きにくい。このため、第2期間ta2においてガスセンサ10の出力は波形54(空気の場合)の出力値(第1基準値S1)に漸近しやすい。
図9Bは、第1期間ta1、第3期間ta3および第2期間ta2におけるガスA〜Dの波形の傾向をまとめた図である。判別部20(図2参照)は、第1波形42、第2波形44および第3波形46に基づいて検出対象ガスの種類を判別してよい。第1期間ta1、第3期間ta3および第2期間ta2にわたるガスA〜Dの波形の形状は、ガスA〜Dのそれぞれについて異なる。例えば、第1期間ta1および第3期間ta3において低下安定傾向の波形となった(所定の下限値に収束した)後、第2期間ta2において極小値を示す波形となった場合、判別部20は検出対象ガスの種類をガスD(例えばイソブタン(C10))と判別できる。また、例えば第1期間ta1、第3期間ta3および第2期間ta2の全てについて低下安定傾向の波形となった(所定の下限値に収束した)場合、判別部20は検出対象ガスの種類をガスA(例えばメタン(CH))と判別できる。また、例えば第1期間ta1において低下安定傾向の波形となった(所定の下限値に収束した)後、第3期間ta3および第2期間ta2において極小値を示す波形となった場合、判別部20は検出対象ガスの種類をガスB(例えば一酸化炭素(CO))と判別できる。また、例えば第1期間ta1において低下傾向の波形となった(所定の下限値に収束しなかった)後、第3期間ta3および第2期間ta2において極小値を示す波形となった場合、判別部20は検出対象ガスの種類をガスC(例えば水素(H))と判別できる。
図10は、ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の他の一例を示す図である。本例において、ガス検出層96は第2温度Tp2に設定されたヒーター層86により第1周期TT1で間欠的に加熱される。また本例において、判別部20は間欠的な検出タイミング(第1周期TT1)のそれぞれにおいて検出対象ガスの種類を判別する。第2温度Tp2の継続期間は、第2期間ta2である。図10において第2期間ta2は、加熱時間の早い方からta2_1、ta2_2・・・ta2_N−1、ta2_Nと示されている。
本例においては、間欠的な検出タイミングのそれぞれにおけるガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束するまでは、ヒーター層86の温度は第1温度Tp1に設定されない。第1基準値S1は、検出対象ガスが空気の場合のガスセンサ10の出力値である(図5A、図6および図7参照)。
本例において、判別部20は間欠的な検出タイミングごとに第2波形44を取得し、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束するかを間欠的なタイミングごとに判定する。判別部20は、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束するかの判定を、図5A、図6および図7に示される時刻t2のタイミングで行ってよい。
判別部20が、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束していないと判定した場合、監視対象300には検出対象ガスおよび雑ガスの少なくとも一方が残留している蓋然性が高い。この場合、次の検出タイミングにおいて、判別部20は検出対象ガスの種類を正確に検出できない可能性がある。この場合、検出対象ガスおよび残留ガスの少なくとも一方が燃焼除去されるよう、次の検出タイミングにおいても第2期間ta2を継続する。図10における第2期間ta2_1〜ta2_N−2が、この第2期間ta2に該当する。
判別部20が、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束したと判定した場合、監視対象300に含まれる検出対象ガスおよび残留ガスが燃焼除去された蓋然性が高い。この場合、判別部20は、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束したと判定された検出タイミングの次の検出タイミングにおいて、第1期間ta1を設定する。図10において、第2期間ta2_N−1が、ガスセンサ10の出力が第1基準値S1に収束した検出タイミングであり、第2期間ta2_Nが、第1期間ta1が設定される検出タイミングである。本例においては、判別部20は第1期間ta1および第2期間ta2_Nの検出タイミングにおいて、第1波形42と第2波形44とに基づいて検出対象ガスの種類を判別する。
図11は、ガスセンサ10のヒーター層86の温度と時間との関係の他の一例を示す図である。本例において、ガス検出層96は第1温度Tp1に設定されたヒーター層86により第2周期TT2で間欠的に加熱される。また本例において、判別部20は間欠的な検出タイミング(第2周期TT2)のそれぞれにおいて検出対象ガスの種類を判別する。第1温度Tp1の継続期間は、例えば第1期間ta1である。図11において第1期間ta1は、加熱時間の早い方からta1_1、ta1_2・・・ta1_N−1、ta1_Nと示されている。なお、第2周期TT2は第1周期TT1と等しくてよく、異なっていてもよい。
本例においては、間欠的な検出タイミングのそれぞれにおいて、ガスセンサ10の出力値の変化率が予め定められた第2基準値S2以上となるまでは、ヒーター層86の温度は第2温度Tp2に設定されない。第2基準値S2は、図7において説明した出力MXから出力MNCへの出力値の変化率((MX−MNC)/MX)に所定のマージンを加減算して設定されてよい。
本例において、判別部20は間欠的なタイミングごとに第1波形42を取得し、ガスセンサ10の出力の変化率が第2基準値S2以上となるかを間欠的なタイミングごとに判定する。判別部20は、ガスセンサ10の出力の変化率が第2基準値S2以上となるかの判定を、間欠的なタイミングごとに、図5A、図6および図7に示される時刻t1のタイミングで行ってよい。
判別部20が、ガスセンサ10の出力の変化率が第2基準値S2以上であると判定した場合、監視対象300に含まれる検出対象ガスはガスC(例えば水素(H))である蓋然性が高い。この場合、判別部20は検出対象ガスがガスCであると判定し、検出対象ガスの判別を終了する(図8におけるステップS204)。このため、判別部20はガスCを検出した検出タイミングにおいて、第1期間ta1に続いて第2期間ta2を設定する必要が無い。このため、判別部20は、検出対象ガスがガスCであると判別する間は、第1期間ta1を継続してよい。この場合、監視対象300に含まれる雑ガスは、第1温度Tp1においては燃焼除去されにくいので、監視対象300に雑ガスは残りやすい。図11における第1期間ta1_1〜ta1_N−1が、この第2期間ta2に該当する。
判別部20が、ガスセンサ10の出力の変化率が第2基準値S2未満であると判定した場合、監視対象300に含まれる検出対象ガスはガスC(例えば水素(H))ではない蓋然性が高い。この場合、判別部20は検出対象ガスがガスCではないと判定し、検出対象ガスの種類の判別を継続する。この場合、判別部20は第1期間ta1に続いて第2期間ta2を設定して検出対象ガスの種類を判別する。図11における第1期間ta1_Nが、この第1期間ta1に該当する。本例においては、判別部20は第1期間taNおよび第2期間ta2の検出タイミングにおいて、第1波形42と第2波形44とに基づいて検出対象ガスの種類を判別する。
なお、第1期間ta1と第2期間ta2は、間欠的に交互に設定されてもよい。第1期間ta1と第2期間ta2は、間欠的にランダムに設定されてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・ガスセンサ、20・・・判別部、30・・・電源部、42・・・第1波形、44・・・第2波形、46・・・第3波形、52・・・波形、54・・・波形、56・・・波形、80・・・半導体基板、81・・・薄膜積層部、82・・・熱酸化膜、83・・・窒化膜、84・・・酸化膜、85・・・絶縁層、86・・・ヒーター層、88・・・ダイヤフラム、90・・・ガス感知部、92・・・接合層、94・・・電極、96・・・ガス検出層、98・・・選択燃焼層、100・・・ガス検出装置、110・・・定電圧源、120・・・電圧計、200・・・電気装置、300・・・監視対象

Claims (10)

  1. 検出対象ガスとの接触により出力が変化するガス検出層と、前記ガス検出層を加熱するヒーター層と、を有するガスセンサと、
    判別部と、
    を備え、
    前記判別部は、
    前記ヒーター層の温度が第1温度の場合における前記ガスセンサの出力の変化を示す第1波形と、
    前記ヒーター層の温度が前記第1温度と異なる第2温度の場合における前記ガスセンサの出力の変化を示す第2波形と、
    に基づいて前記検出対象ガスの種類を判別する、ガス検出装置。
  2. 前記判別部は、前記第1波形と前記第2波形とに基づいて少なくとも3種類の前記検出対象ガスを判別する、請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 前記判別部は、前記第1波形の予め定められた第1期間における出力値の変化率に基づいて、前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1または2に記載のガス検出装置。
  4. 前記判別部は、前記第2波形における出力値が予め定められた第1基準値に収束するか否かに基づいて、前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  5. 前記判別部は、前記第2波形に極小値が存在するか否かに基づいて、前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1から4のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  6. 前記判別部は、
    前記第1波形と、前記第2波形と、
    前記ヒーター層の温度が前記第1温度および前記第2温度と異なる第3温度の場合における、前記ガスセンサの出力の変化を示す第3波形と、
    に基づいて前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1から4のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  7. 前記判別部は、前記第1波形または前記第2波形に基づいて前記第2波形の予め定められた第2期間を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  8. 前記ガス検出層は、前記ヒーター層により間欠的なタイミングで加熱され、
    前記判別部は、前記第1波形および前記第2波形の少なくとも一方に基づいて間欠的な前記タイミングを制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  9. 前記ガス検出層は、前記第2温度に設定された前記ヒーター層により第1周期で加熱され、
    前記判別部は、前記第1周期の何れかの検出タイミングにおいて、前記第2波形の予め定められた第2期間における前記ガスセンサの出力が予め定められた第1基準値に収束した場合、前記第1波形と前記第2波形とに基づいて前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1から7のいずれか一項に記載のガス検出装置。
  10. 前記ガス検出層は、前記第1温度に設定された前記ヒーター層により第2周期で加熱され、
    前記判別部は、前記第2周期の何れかの検出タイミングにおいて、前記第1波形の予め定められた第1期間における出力値の変化率が予め定められた第2基準値以上である場合、前記第1波形と前記第2波形とに基づいて、前記検出対象ガスの種類を判別する、請求項1から7のいずれか一項に記載のガス検出装置。
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