JP2020194067A - 定着装置及び定着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性に優れ、高品位のトナー画像が得られる定着装置とそれを用いた定着方法を提供する。【解決手段】本発明の定着装置は、定着部材を有する定着装置であって、前記定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、かつ、前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、定着装置及び定着方法に関する。さらに詳しくは、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性に優れ、高品位のトナー画像が得られる定着装置と定着方法に関する。
従来、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録用紙に転写し、転写されたトナー像を加熱定着することで、記録用紙上に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。
このような電子写真方式の画像形成装置を構成する電子写真用部材においては、表面に離型性を求められる部材が多く、例えば、トナーの転写性とクリーニング性が求められる感光体、トナーの転写性が求められる中間転写体、溶融トナーが付着したメディアの分離性が求められる定着部材等が挙げられ、その中でも、特に溶融トナーが粘着性を有するために、定着部材に離型性を付与する要求が顕著である。
定着装置においては、加熱された定着部材と、トナーが転写済みのメディアとが圧着され、加熱及び加圧処理により、メディア上でトナーの定着は行われるが、その工程の後では、定着部材とメディアを分離する必要がある。
この定着部材とメディアとの分離性を確保するためには、定着部材の表層としてテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が現在広く用いられており、それに加え、分離爪やメディアの吸引、メディア先頭端部へのエア吹き付け等の補助手段等を加えることにより、分離性を高めている。
しかしながら、現在、適用されている定着方法では、今後の印刷のより一層の高速化や、省エネルギーやコストダウンを目的とした補助手段レス、分離が困難なコシのない薄紙等のメディア種の拡大等の要望に対しては、いまだ不充分である。加えて、顧客損失に直結するマシンのダウンタイムを削減するために、部材のパーマネント化が求められており、このような状況に鑑み、定着部材とメディアとの分離性を高めるための、定着部材表層の改良が試みられている。
上記問題に対し、定着部を構成する定着ロールの作製方法として、円筒又は円柱基材上にフッ素系樹脂を被覆する方法で、フッ素系樹脂の加熱焼成時に、基材とフッ素系樹脂層の外側に配した面転写部材との間で、フッ素系樹脂層を加圧し、面転写部材の表面に微小の凹凸形状をフッ素系樹脂層表面に形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。提案されている方法によれば、所望の表面粗さを備え、安定なフッ素系樹脂被膜を定着基材上に形成することができるとされている。
しかしながら、特許文献1には、圧痕形成部材を用いて凹凸形状を形成する方法に関しては一切言及がなされていない。また、特許文献1で開示されている方法は、定着部材の製造段階で、その表面に粗さを付与であり、定着装置の機構に関するものではない。また、熱可塑性樹脂により構成されている定着部材表面に形成される粗さ構造は、定着部材を繰り返し使用することにより、定着工程での熱や圧力をうけて、微小な凹凸構造が徐々に消滅していくため、耐久性に乏しいという問題がある。
また、定着部材と、当該定着部材に圧接して定着ニップを形成する加圧部材と、前記定着部材外周上に表層が特定サイズの砥粒を均一に備えた回転可能で定着部材を荒し部材と、当該荒し部材を前記定着部材に対して接離可能な脱着手段とを有する定着装置において、転写材が厚紙の時には、定着前に前記荒し部材で前記定着部材が荒らされている状態になっていることを特徴とした定着装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。当該方法によれば、厚紙を定着させる時に、定着ローラー表面についた紙によるひっかき傷や分離爪跡等がグロスむらとして画像に目立ってしまうという問題を解消することができるとされている。
しかしながら、特許文献2には、圧痕形成部材を用いて凹凸形状を形成する方法に関しては一切言及がなされていない。また、特許文献2で開示されている方法は、多数の擦過傷を付けることによって、既に付いた傷を上書きする方法であり、滑らかで浅い凹形状を付与することができない。また、当該方法は、定着部材表層を削る方法であるため、定着部材の寿命が短くなり、また傷にトナー成分が埋没することによる分離性や画質の低下を引き起こす懸念がある。
特開平9−277378号公報 特開2009−294453号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性に優れ、高品位のトナー画像が得られる定着装置と定着方法を提供することである。
本発明は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、定着部材を有する定着装置であって、前記定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成することができる表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする定着装置により、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性に優れ、高品位のトナー画像が得られる定着装置を得ることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.定着部材を有する定着装置であって、
前記定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、かつ、
前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする定着装置。
2.前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂が、少なくともフッ素系樹脂であることを特徴とする第1項に記載の定着装置。
3.前記定着部材が、少なくとも、基材、弾性層及び前記熱可塑性樹脂層を、この順で有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の定着装置。
4.前記圧痕形成部材が、回転部材であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の定着装置。
5.前記圧痕形成部材が有する表面に角部を有していない凸部構造が、半球形の凸部構造であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の定着装置。
6.前記圧痕形成部材の表面が、金属、ガラス、セラミックス、及び樹脂から選ばれる材料により構成されていることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の定着装置。
7.前記圧痕形成部材が、搬送されている定着部材に対し、従動又は等周速で回転駆動されていることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の定着装置。
8.前記圧痕形成部材が、定着部材に常時圧着されていることを特徴とする第7項に記載の定着装置。
9.前記圧痕形成部材が、定着部材に対して圧着と離間の切り替えが可能な機能を有していることを特徴とする第7項に記載の定着装置。
10.第1項から第9項までのいずれか一項に記載の定着装置を用いて、トナー画像を定着することを特徴とする定着方法。
本発明によれば、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性に優れ、高品位のトナー画像が得られる定着装置と定着方法を提供することができる。
本発明で規定する構成からなる定着部材の技術的特徴とその効果の発現機構は、以下のように推察される。
本発明の定着装置においては、トナーを定着する部材であり、表層に熱可塑性樹脂層を有する定着部材に対し、その表面に凸構造を有する圧痕形成部材を圧着させることにより、定着部材の最表層に凹構造を形成することにより、画像形成時に、定着部材とトナー画像との分離性を向上させるものである。
本発明でいう圧痕形成部材は、トナーを定着する無端状ベルトやローラー等の定着部材に対して、従動又は等周速で圧着駆動し、その部材の表面に、角部、例えば、鋭角の突起物を有さない凸部構造を有し、その凸部構造を、定着部材の表面と圧着して転写することで、定着部材表面に滑らかな表面に角部を有していない凹形状を多数形成する部材である。このような構成をとることにより、定着部材表面に適切な表面形状が形成及び維持されることになり、高い定着後のトナー画像との分離性を保つことができる。
本発明において、本発明に係る圧痕形成部材により、定着部材の表面に凹構造が形成されることにより、定着工程の分離ニップ出口で定着されるトナー表面と定着部材との接触面積が減少して付着力が低下するため、容易に分離が進行する。但し、繰り返し使用すると、熱可塑性樹脂表面に形成された凹形状は潰れてゆき効果が失われるが、刻印部材で凹形状を再生する機構を設けることによって、高い分離性を維持することが可能となる。
本発明の圧痕形成部材を具備した定着装置の構成においては、その他の特徴は、分離性以外の品質も低下しないことである。つまり、滑らかで浅い凹形状を定着部材表面に多数刻印することによって、圧力が高い定着ニップ中央部では弾性層の効果もあって密着化が進み、通常通りの定着が進む。定着部材との密着着性が不十分であると、定着温度が上がったり、画像荒れが発生したりするが、本発明においてはこのような現象の発生はない。また、定着工程の圧力が減少するニップ出口では、定着部材の凹形状が復活するため、分離性が向上する。刻印される凹形状が滑らかで浅いことは、表層の亀裂や摩耗、トナーの固着やフィルミングの点でも有利である。
本発明に係る熱可塑性樹脂より構成される最表層を有する定着部材の構成の一例を示す概略断面図 本発明に係る熱可塑性樹脂層を有する無端ベルト状の定着部材の構成の一例を示す概略図 本発明に係る半球形の凸部構造を有する圧痕形成部材の基本構成の一例を示す模式図 本発明に係る半球形の凸部構造を有するローラー方式の圧痕形成部材(実施形態1)の一例を示す概略図 本発明に係る半球形の凸部構造を有するローラー方式の圧痕形成部材(実施形態1)の製造方法の一例を示す概略図 実施形態1の圧痕形成部材を用い、定着部材へ凹形状の圧痕を形成する方法の一例を示す概略図 本発明に係る半球形の凸部構造を有する無端ベルト方式の圧痕形成部材(実施形態2)の構成の一例を示す概略図 本発明に適用可能な画像形成装置の全体構成の一例を示す概略図 画像形成装置において、ローラー方式の圧痕形成部材(実施形態1)を具備した定着部材の構成の一例を示す概略図 定着部における分離性の効果を説明するための模式図 画像形成装置において、無端ベルト方式の圧痕形成部材(実施形態2)を具備した定着部材の構成の一例を示す概略図
本発明の定着装置は、定着部材を有し、前記定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施形態としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が、少なくともフッ素系樹脂であることが、より優れた分離性を得ることができる点で好ましい。
また、圧痕形成部材が、回転部材であることが、連続して定着部材表面に凹形状を形成することができる点で好ましい。
また、圧痕形成部材が有する凸部の形状が、半球形の凸部構造であることが、定着部材表面に分離性に優れた特性を備え、連続した曲面を有する凹部を形成することができる点で好ましい。
また、圧痕形成部材の表面が、金属、ガラス、セラミックス、及び樹脂から選ばれる材料により構成されていることが、耐久性(耐摩耗性)に優れ、所望の形状を備えた凸部を安定して形成することができる点で好ましい。
また、圧痕形成部材が、搬送されている定着部材に対して従動又は等周速で回転駆動されていることが、安定して着部材表面に凹形状を形成することができる点で好ましい。
また、圧痕形成部材が、定着部材に常時圧着されていることが、連続定着操作時に、すでに形成した凹部の形状の復元による形状の消滅を防止することができる点で好ましい。
また、前記圧痕形成部材が、定着部材に対して圧着と離間の切り替えが可能な機能を有していることが、必要な時期に定着部材表面に凹形状を形成することにより、定着部材の劣化等を防止し、効率の良いトナー定着を行うことができる点で好ましい。
以下、本発明の定着装置及び定着方法について、図を交えて詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
本発明の定着装置は、少なくとも定着部材を有し、当該定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備していることを特徴とする。
以下、本発明に係る定着部材及び圧痕形成部材の詳細について説明する。
《定着部材》
本発明においては、定着部材の最表層を構成する熱可塑性樹脂層が、熱可塑性樹脂として少なくともフッ素系樹脂であることが好ましい。さらに、本発明に係る定着部材が、少なくとも、基材、弾性層及び熱可塑性樹脂層をこの順で有することが好ましい形態である。
[定着部材の基本構成]
図1に、本発明に係る熱可塑性樹脂より構成される最表層を有する定着部材の構成の一例で、基材、弾性層及び熱可塑性樹脂層により構成されている例について説明する。
図1に、本発明の定着部材1の一例は、基材2上に弾性層3及び熱可塑性樹脂層4を有する代表的な構成を示してある。
本発明に係る定着部材の形態は、例えば、ローラー状又は無端ベルト状であり、定着部材を構成する最表層が熱可塑性樹脂層である公知の定着部材を挙げることができる。
本発明に係る定着部材の形態としては、例えば、ローラー状の定着部材であれば、金属製の円筒の外周面に上記の弾性層3及び熱可塑性樹脂層4が担持されてなる定着スリーブである。
図2に、本発明に係る熱可塑性樹脂層を有する無端ベルト状の定着部材の構成の一例を示す。
図2の(a)は、本発明に係る熱可塑性樹脂層を有する無端ベルト状の定着ベルト1の構成の一例を示す模式図であり、図2の(b)は図2の(a)で示される定着ベルト1に記載の領域Aを拡大した概略断面図である。
定着ベルト1は、図2の(b)で示すように、基材2、弾性層3及び熱可塑性樹脂層4をこの順で積層してなる無端状のベルトである。
なお、定着部材は、弾性層及び最表層の間に接着機能を有する接着層を有していてもよい。
[定着部材の構成材料]
以下、定着部材を構成する基材、弾性層及び最表層の詳細について説明する。
〔基材〕
定着部材を構成する基材2は、例えば、無端ベルト状の定着部材である場合、耐熱性を有するフレキシブル性を有する樹脂(耐熱性樹脂)で構成される。本発明でいう「耐熱性」とは、電子写真方式の画像形成で、トナー画像の記録媒体への定着に上記定着部材を用いる際の温度、例えば、150〜220℃の温度範囲において、変形することなく、十分に安定して所期の物性を発現することを意味する。
上記耐熱性樹脂は、定着部材の上記の使用温度において実質的な変性及び変形を生じない樹脂から適宜に選ばれ、1種でも、2種以上併用してもよい。
本発明に適用可能な耐熱性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げることができる。その中でも、耐熱性の観点から、ポリイミドが好ましい。
ポリイミドは、例えば、その前駆体であるポリアミド酸を200℃以上で加熱すること、又は触媒を用いることによる脱水及び環化(イミド化)反応を進めることによって得ることができる。ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを溶媒に溶解し、混合及び加熱による重縮合反応によって製造してもよいし、市販品を用いてもよい。上記ジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物の例としては、特開2013−25120号公報の段落(0123)〜(0130)に記載の化合物を挙げることができる。
耐熱性樹脂は、本発明に係る定着部材の基材を構成する主要材料であり、その含有量は、基材を形成するのに十分な量であればよい。基材における耐熱性樹脂の含有量は、基材作製時における成形性の観点から、基材全体積の40〜100体積%であることが好ましい。
基材2は、本発明が目的とする効果が得られる範囲においては、耐熱性樹脂以外の成分を更に含んでいてもよい。例えば、基材の構成材料として、耐熱性樹脂の他に、フィラーを含有していてもよい。当該フィラーは、例えば、基材の硬さ、伝熱性及び導電性の少なくとも一つの性能向上に寄与する成分である。当該フィラーは、1種でも、2種以上でもよく、フィラーの一例としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ナノカーボン及び黒鉛等が挙げられる。
本発明において、基材におけるフィラーの含有量は、多すぎると、基材の靱性が低くなって定着部材の定着性及び分離性が低くなることがあり、また、少なすぎると、例えば適度な導電性の付与などのフィラーによる所望の効果が不十分となることがある。このような観点から、基材におけるフィラーの含有量は、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、上記の観点から、上記基材における上記フィラーの含有量の上限は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
〔弾性層〕
本発明に係る定着部材1を構成する弾性層3は、定着ニップ部(後述の図6で示すB領域)における定着部材1の表面と、未定着のトナー画像Tを担持する記録媒体Pとの接触性の向上に寄与する弾性を有する層であり、例えば、弾性材料で構成される。
本発明に適用可能な弾性材料の一例としては、弾性樹脂材料を挙げることができ、その例には、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー及びゴム材料が含まれる。中でも、上記弾性材料は、所期の弾性特性の他に耐熱性の観点から、シリコーンゴムであることが好ましい。
上記シリコーンゴムは、1種でも2種以上併用してもよい。本発明に適用が可能なシリコーンゴムとしては、例えば、ポリオルガノシロキサン又はその加熱硬化物、特開2009−122317号公報に記載の付加反応型シリコーンゴム等を挙げることができる。
当該ポリオルガノシロキサンの例としては、特開2008−255283号公報に記載の、両末端がトリメチルシロキサン基で封鎖され、側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサンが代表例として挙げることができる。
弾性層3の厚さは、例えば、伝熱性及び弾性を十分に発現させる観点から、5〜500μmの範囲内であることが好ましく、50〜350μmの範囲内であることがより好ましい。
上記弾性層3は、本発明が目的とする効果を得ることができる範囲内において、上記の弾性樹脂材料以外の成分を更に含んでいてもよい。例えば、弾性層は、上記弾性材料の他に、弾性層の伝熱性を高めるための伝熱性フィラーを含んでいてもよい。当該フィラーの材料の例には、シリカ、金属ケイ素、アルミナ、亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボン及び黒鉛が含まれる。上記フィラーの形態は、限定されず、例えば、球状粉末、不定形粉末、扁平粉末又は繊維状である。
弾性層を構成する弾性材料における弾性樹脂材料の含有量は、伝熱性と弾性とを両立させる観点から、弾性層全体積に60〜100体積%の範囲内であることが好ましく、75〜100体積%であることがより好ましく、80〜100体積%であることがさらに好ましい。
〔熱可塑性樹脂層:最表層〕
本発明の定着部材の最表層を構成する熱可塑性樹脂層(以下、単に最表層ともいう。)においては、その熱可塑性樹脂の一つが、フッ素系樹脂であることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本発明において、定着部材の最表層を構成する熱可塑性樹脂としては、必要な耐熱性と離型性を備えていれば特に制限はなく、例えば、ビニル系熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等)、ポリスチレン系熱可塑性樹脂(例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等)、ポリプロピレン、ポリアセタール、アクリル系熱可塑性樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体等)、ポリカーボネート、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、フッ素系熱可塑性樹脂(例えば、トリフルオロクロロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂(PFA)、パーフルオロポリエーテル化合物(PFPE)等)を挙げることができる。
熱可塑性樹脂に求められる耐熱性としては、トナーの低温定着化の観点からは、連続150℃程度以上で高い離型性を求められる点から、フッ素系樹脂であることが特に好ましい。
(フッ素系樹脂)
本発明に係る熱可塑性樹脂層において、熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂であることが好ましく、フッ素系樹脂の例としては、上記のように、ペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロポリエーテル化合物(PFPE)等を挙げることができる。より好ましくは、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体であるペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂(PFA)である。具体的には、フィルム状又はチューブ状のペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂(PFA)であり、例えば、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のソフトPFAをチューブ状に成形したものを適用することができる。
[圧痕形成部材]
本発明の定着装置においては、熱可塑性樹脂層を有する定着部材に対し、圧力をかけて圧着させることにより、当該最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする。
本発明に係る圧痕形成部材としては、回転部材であることが好ましい形態であり、定着部材、例えば、シームレスベルト状の無端ベルトの駆動と連動して、圧痕形成部材を回転させることにより、効率よく、定着部材上に凹形状の圧痕を形成することができる。
本発明においては、圧痕形成部材が有する凸部が、表面に角部がない凸部構造であることを特徴とする。本発明でいう表面に角部がない凸部構造とは、連続した曲面を有する形状で、角部、具体的には鋭角部形状を有していない形状、好ましくは、半真球形や半楕円球形等の立体的な構造であることが好ましい。
図3に、本発明に係る半球形の凸部構造を有する圧痕形成部材の基本構成の一例を示す。
図3の(a)に記載の圧痕形成部材5は、基材6上に被覆層7を形成し、被覆層7の表面に、表面に角部がない連続した曲面を有する半球形の凸部8を複数個有する構成である。凸部の構成材料としては、特に制限はないが、金属、ガラス、セラミックス及び樹脂から選ばれる材料により構成されていることが好ましい。
本発明に係る圧痕形成部材5においては、基材6、被覆層7及び凸部8は、それぞれ異なる材料で構成してもよい。また、すべての構成材料を同一とし一体成型により作製してもよい。
本発明に係る凸部は、表面に角部がない連続した曲面を有する形状の凸部構造であることを特徴とするが、その形態としては、図3に示すように、凸部8の幅Wとしては、特に制限はないが、5〜200μmの範囲内であり、より好ましくは10〜200μmの範囲内であり、更に好ましくは40〜100μmの範囲内である半球形構造、例えば、半真球形構造又は半楕円球形構造であることが好ましい。また、凸部8の高さHとしては、特に制限はないが、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲内であり、より好ましくは5〜30μmの範囲内であり、特に好ましくは、10〜20μmの範囲内である。
また、凸部8間の間隔Gは、特に制限はないが、20〜1000μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜500μmの範囲内であり、より好ましくは100〜300μmの範囲内である。
凸部8の高さHに対する幅Wの比率(W/H、アスペクト比)は、おおむね、2〜20の範囲内であり、好ましくは2〜10の範囲内であり、更に好ましくは4〜8の範囲内であるが、目的に応じて適宜設定することが好ましい。
また、図3の(b)に示すように、本発明に係る圧痕形成部材5を、基材6単独で構成し、凸部8も基材6と同一材料、例えば、金属材料で構成する一体成型法により形成してもよい。
〔実施形態1:ローラー方式〕
本発明に係る圧痕形成部材の形状としては、定着部材に当接して、最表層に凹形状の圧痕を形成することができる方法であれば特に制限はないが、一つの形態としては円筒状のローラー方式であることが好ましい。
図4は、本発明に係る半球形の凸部構造を有するローラー方式で円筒形の圧痕形成部材(実施形態1)の一例を示す概略構成図である。
図4の(a)は、図3の(a)の構成に対応する円筒形の圧痕形成部材5の断面図であり、基材6として、中空の円筒形の金属製の芯金を用い、芯金の外周部に表面に多数の凸部8を有する被覆層7を形成している構成である。
また、図4の(b)で示す円筒形の圧痕形成部材5は、図3の(b)の構成に対応する円筒形の圧痕形成部材5の断面図であり、単一の材料、例えば、金属材料を用い、基材6と凸部8を同一材料で一体成型で構成している。
図4の(c)は、上記図4の(a)で示した圧痕形成部材5の斜視図である。
次いで、円筒形のローラー方式の圧痕形成部材の製造方法の一例を説明する。
図5は、前記図4の(a)及び(c)で説明した本発明に係る半球形の凸部構造を有するローラー方式の圧痕形成部材の製造方法の一例を示す概略図で、被覆層7及び凸部8として同一材料を用い、一体成型方法で製造する一例を示してある。
図5の(a)で示すように、基材6、例えば、金属製の円筒形の芯金の外周部に、例えば、金属製の芯金の内面側に、所定のパターンの凹部構造を有するマスク部材Mを用い、被覆層7の膜厚に相当する間隙を設けて設置する。形成したこの間隙内に、被覆層7及び凸部8を形成する材料、例えば、樹脂材料を注入し、注入した樹脂材料の硬化処理(例えば、加熱処理、紫外線照射等)を行って、被覆層7及び凸部8を硬化する。
次いで、所望の硬度に硬化したことを確認した後、図5の(b)で示すように、マスク部材Mを取り外して、表面に多数の凸部8を有する圧痕形成部材5を得ることができる。
また、被覆層7上に凸部8を形成する方法としては、その他にも、例えば、インクジェット・プリント法による成型法や、特開2010−94679号公報に記載のローラー表面にエンボス部を形成する方法や、被覆層に対しブラスト処理による梨地加工法や、物理的に表面にしわ構造を形成するシボ加工法や、形成した被覆層に対し、エッチング等の方法で円柱状の凸部を表面に形成した後、円柱状の凸部に対しブラスト加工で円柱部の表面端部を丸める加工を施して、表面に角部がない連続した曲面を有する半円球形状の半球形の凸部構造を形成する方法も挙げることができる。
さらに、例えば、国際公開第2016/190076号に記載されているような、金属、ガラス、又はセラミックの微粒子を用い、三次元プリンターを用いて焼結やレーザー加工法により立体成型する方法も適用することができる。
(圧痕形成部材の構成材料)
〈基材〉
実施形態1に係る円筒形の基材6の構成材料として、特に制限はないが、金属製の芯金で構成する場合には、アルミニウム、鉄及びSUS等を挙げることができる。また、樹脂材料で樹脂製ロールを形成する場合には、例えば、PC(ポリカーボネート)、PI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PS,PPE等の樹脂材料を挙げることができ、これらはさらにガラス繊維やカーボン繊維が併用されている構成であってもよい。
(被覆層及び凸部)
被覆層及び凸部は、好ましくは同一材料で、一体成型されていることが好ましく、構成材料としては、金属、ガラス、セラミックス、及び樹脂から選ばれる材料により構成されていることが好ましい。
金属材料としては、上記基材を構成する材料と同様の材料であるアルミニウム、鉄及びSUS等を挙げることができる。
また、ガラス材料としては、例えば、ソーダ灰ガラス、ホウケイ酸カラス、鉛ガラス、結晶化ガラス、石英ガラス等を挙げることができる。
また、樹脂材料としては、例えば、PC(ポリカーボネート)、PI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PS,PPE等の樹脂材料を挙げることができるが、この中では、耐久性(耐摩耗性)の観点からポリイミドが好ましい。
(定着部材への凹形状の圧痕形成方法)
次いで、上記説明した円筒形の圧痕形成部材を用いて、定着装置を構成している定着部材1の表面に凹形状の圧痕を形成する方法について説明する。
図6は、実施形態1であるローラー方式の圧痕形成部材を用い、連続搬送する定着部材の熱可塑性樹脂層表面に凹形状の圧痕を形成する方法の一例を示し、図6の(a)は側面図、図6の(b)は、凹形状の圧痕を形成した定着部材の上面図である。
定着装置の全体構成については、後述する図8及び図9で説明するが、図6の(a)で示すように、連続搬送している図1で説明した基材2、弾性層3及び熱可塑性樹脂層4から構成されている定着部材である定着ベルト1の熱可塑性樹脂層4の表面部に、図4で示した構成の表面に凸部8を有するローラー方式の圧痕形成部材5を所定の圧力10、具体的には、熱可塑性樹脂層4に凸部8が完全に埋没する条件で押しつけ、熱可塑性樹脂層4の表面に、図6の(b)で示すような複数の凹形状の圧痕9を連続的に形成する。
この際、圧痕形成部材5は、連続的に搬送している定着ベルト1に対して従動又は等周速で回転駆動されていることが、高い精度で凹形状の圧痕9を安定して所定の位置に形成することができる点で好ましい。
〔実施形態2:無端ベルト方式〕
本発明に係る圧痕形成部材の他の形状としては、定着部材に当接して、最表層に凹形状の圧痕を、シームレスベルト状の無端ベルトを用いて形成する方法も好ましいい実施形態の一つである(実施形態2)。
図7に、本発明に係る半球形の凸部構造を有する無端ベルト方式の圧痕形成部材(実施形態2)の構成と凹形状の圧痕の形成方法の一例を示す。
図7において、無端ベルト方式の圧痕形成部材5Bは、シームレスベルト状の基材6B上に被覆層7と、定着部材に圧力をかけてその最表層に凹形状の圧痕を形成する凸部8が多数形成されている。
無端ベルト方式の圧痕形成部材5Bは、加圧ローラー11及びサポートローラー12により保持され、張力を掛けた状態で矢印方向に回転している。
一方、図1に示す構成からなる連続搬送する定着ベルト1の熱可塑性樹脂層4の表面に、加圧ローラー11を介して無端ベルト方式の圧痕形成部材5Bの凸部8を当接させ、熱可塑性樹脂層4の表面に、凹形状の圧痕9を連続的に形成する。
この時、この際、無端ベルト方式の圧痕形成部材5Bの搬送速度は、連続的に搬送している定着ベルト1に対して従動又は等周速で駆動されていることが、高い精度で凹形状の圧痕9を安定して所定の位置に形成することができる点で好ましい。
《定着方法》
次いで、本発明の定着装置を組み込んだ画像形成装置の全体概要と、そこに組み込む
本発明の圧痕形成部材を具備した定着装置について説明する。
〔画像形成装置〕
はじめに、代表的な画像形成装置の全体構成概要について、図を交えて説明する。
本発明に適用可能な画像形成装置は、未定着のトナー画像を担持する記録媒体に、本発明の圧痕形成部材を具備し、定着部材に凹形状の圧痕を形成して、トナー画像を加熱加圧により定着させる電子写真方式の画像形成装置である。
代表的な画像形成装置の一例について、図を交えて説明する。
図8は、本発明に適用可能な画像形成装置の全体構成の一例を示す概略図である。
図8に示す画像形成装置15は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置であり、主には、自動原稿搬送部20、スキャナー部30、画像形成部40、給紙部50、記憶部(不図示)、操作表示部(不図示)、制御部100等を備えて構成される。
自動原稿搬送部20は、原稿Dを載置する載置トレイや原稿Dを搬送する機構及び搬送ローラー等を備えて構成され、原稿Dを所定の搬送路に搬送する。
スキャナー部30は、光源や反射鏡等の光学系を備えて構成され、所定の搬送路を搬送された原稿D又はプラテンガラスに載置された原稿Dに光源を照射し、反射光を受光する。また、スキャナー部30は、受光した反射光を電気信号に変換して制御部100に出力する。
画像形成部40は、イエロー作像部Y、マゼンタ作像部M、シアン作像部C、ブラック作像部K、中間転写ベルトV、定着装置F等を備えて構成される。
その他には、感光体ドラム41、帯電装置42、露光装置43、現像装置44、一次転写ローラー45、中間転写ベルトV、二次転写ローラー46等を有するが、その詳細な構成の説明は省略する。
本発明の定着部材を具備する定着装置Fは、図8に示すように、主には、用紙Pの下面側に配置される加熱搬送ローラー(搬送ローラー、F1)と、上面側に配置される定着ローラー(第1ローラー、F2)及び定着ローラーF2の上方に配置される加熱ローラー(第2ローラー、F3)と、本発明に係る定着部材である定着ベルト1等、を備えて構成されている。定着装置Fは、加熱搬送ローラーF1及び定着ローラーF2を加熱して圧接することにより形成されたニップ部に用紙Pを通過させることで用紙Pを加熱及び加圧して、転写されたトナー像を用紙Pに定着させるとともに、当該用紙Pを搬送方向下流側に搬送する。この定着装置Fの構成において、定着ベルト1の所望の位置に、定着部材である定着ベルトF4上に凹形状の圧痕を形成する本発明に係る圧痕形成部材が配置されている。その詳細は、後述の図9及び図10で説明する。
加熱搬送ローラーF1は、ゴムにより円筒状に形成され、加熱ローラーF3と同様、内部に高出力ヒーターを備えている。加熱搬送ローラーF1は、用紙Pの搬送方向に対して順方向に回転し、搬送されてきた用紙Pの非定着面を加熱及び加圧する。
本発明の定着部材及び圧痕形成部材を具備する定着装置では、定着部材の形態に応じた構成を有する公知の定着装置と同様に構成することができる。例えば、定着部材が上記定着ベルトである場合では、定着装置は、それを用いる構成、つまり二軸張架ベルト定着やパッド押圧ベルト定着、IHベルト定着などを実現する公知の構成を有することが好ましい。
本発明において適用可能な画像形成装置の詳細につては、例えば、特開2017−173445号公報、同2017−194550号公報、同2018−4714号公報、同2018−5016号公報、同2018−25691号公報、同2018−25691号公報、同2018−36449号公報、同2018−36587号公報、同2018−54758号公報、同2018−66768号公報等に記載されている画像形成装置や定着装置を参照することができる。
〔定着装置A:実施形態1〕
次いで、定着部材及び圧痕形成部材を具備する定着装置Fの全体構成について、図を交えて説明する。
図9に、前記図8で説明した画像形成装置15において、ローラー方式の圧痕形成部材5(実施形態1)を具備した定着部材Fの構成の一例を示す。
図9に示す定着部材Fは、図8で説明したように、加熱搬送ローラー(搬送ローラー、F1)と、上面側に配置される定着ローラー(第1ローラー、F2)及び定着ローラーF2の上方に配置される加熱ローラー(第2ローラー、F3)とで構成され、第1ローラーF2と第2ローラーF3間に定着ベルト1が架設されている。
一方、記録媒体P上に形成されたトナー画像Tは、矢印方向(紙面の右側方向)に搬送され、搬送ローラーF1と第1ローラーF2間に形成されているニップBを通過しながら、加圧・加熱され、定着ベルト1とトナー画像面が会合することで、トナー画像Tが記録媒体P上に定着さされる。
本発明の定着方法では、ニップB位置の上流側に、定着ベルト1を挟持する形態で、本発明に係る半球形の凸部構造を有する圧痕形成部材5とそれに対向する位置にサポートローラー13が配置され、前記図6で説明した方法により、圧痕形成部材5を定着ベルト1上に圧着させて、定着ベルトを構成する熱可塑性樹脂層(不図示)に、凹形状の圧痕9を形成する。凹形状の圧痕9を形成した定着ベルト1は、ニップBの定着領域で、トナー画像Tを記録媒体P上に定着する。本発明の定着装置を適用することにより、定着処理後の定着ベルト(定着部材1)とトナー画像Tとの分離性が良好となる。
本発明においては、図9で示すように、圧痕形成部材5が定着ベルト1に常時圧着されている形態であることが好ましい。また、圧痕形成部材5が定着ベルト1に対して圧着と離間の切り替えが可能な機能を有し、凹形状の圧痕9の形成を必要とするときに、圧痕形成部材5と定着ベルト1とを圧着させる方法であってもよく、必要に応じてそれぞれの方法を選択することができる。
次に、本発明の定着装置を用いた画像形成方法において、定着ベルト1とトナー画像の分離性が向上するメカニズムについて、図を交えて説明する。
図10は、実施形態1の定着部における分離性の効果を説明するための模式図である。
図10の(a)で示す図は、前述の図9において、ニップBのaで示した位置における定着ベルト1と記録媒体Pに保持されているトナー画像Tの状態を示した図であり、この段階では、定着ベルト1とトナー画像Tは会合する直前であり、定着ベルト1には、凹形状の圧痕9がその形状が保持されている状態である。
次いで、前述の図9におけるニップBのbで示した位置になると、搬送ローラーF1と第1ローラーF2により加圧され、定着ベルト1に形成されている凹形状の圧痕9は弾性層3の効果により、その形状が消失し、定着ベルト1の熱可塑性層4とトナー画像Tが密着することにより、優れた定着性を得ることができる。
次いで、トナーの定着が完了した後の図9で示すニップBのcで示した位置に移動すると、ニップでの圧力が解放されることにより、図10の(c)で示すように、定着ベルト1の凹形状の圧痕9が復元し、その結果、トナー画像Tとの接触面積が低下することにより、より安定して、定着ベルト1とトナー画像Tとを分離することができ、良好分離性(離間性)を得ることができ、傷等の発生のない高品質のトナー画像を得ることができる。
〔定着装置B:実施形態2〕
図11に、前記図8で示した画像形成装置において、図7でその一例を示した無端ベルト方式の圧痕形成部材5B(実施形態2)を具備した定着部材の構成の一例を示す。
図11に示す定着部材Fは、図8で説明したように、加熱搬送ローラー(搬送ローラー、F1)と、上面側に配置される定着ローラー(第1ローラー、F2)及び定着ローラーF2の上方に配置される加熱ローラー(第2ローラー、F3)とで構成され、第1ローラーF2と第2ローラーF3間に定着ベルト1が架設されている。
一方、記録媒体P上に形成されたトナー画像Tは、矢印方向(紙面の右側方向)に搬送され、搬送ローラーF1と第1ローラーF2間に形成されているニップBを通過しながら、加圧・加熱され、定着ベルト1とトナー画像面が会合することで、トナー画像Tが記録媒体P上に定着さされる。
本発明の定着方法では、ニップB位置の上流側に、定着ベルト1を挟持する形態で、本発明に係る半球形の凸部構造を有する圧痕形成部材5Bとそれに対向する位置にサポートローラー13が配置され、前記図7で説明した方法により、圧痕形成部材5Bを定着ベルト1に圧着させて、定着ベルト1を構成する熱可塑性樹脂層(不図示)に、凹形状の圧痕9を形成する。凹形状の圧痕9を形成した定着ベルト1は、ニップBの定着領域で、トナー画像Tを記録媒体P上に定着する。本発明の定着装置を適用することにより、定着処理後の定着ベルト(定着部材1)とトナー画像Tとの分離性が良好となる。
本発明においては、図11で示すように、圧痕形成部材5Bが定着ベルト1に常時圧着されている形態であることが好ましい。また、圧痕形成部材5Bが定着ベルト1に対して圧着と離間の切り替えが可能な機能を有し、凹形状の圧痕9の形成を必要とするときに、圧痕形成部材5Bと定着ベルト1とを圧着させる方法であってもよく、必要に応じてそれぞれの方法を選択することができる。
《トナー》
本発明の定着部材は、電子写真方式の画像形成装置のトナー画像の定着に用いる。
本発明に適用可能な静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」という。)では、離型剤としてワックスを含有していれば、特に制限はなく、例えば、ワックス(離型剤)の他に、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、外添剤等により構成されている。
本発明に適用可能なトナーは、トナー母体粒子とその表面に付着している外添剤とによって構成されているトナー粒子である一成分現像剤であってもよいし、トナー粒子とこれを担持するキャリア粒子とを有する二成分現像剤であってもよい。
本発明に適用可能なトナーの詳細な構成とその製造方法に関しては、例えば、特開2018−155912号公報、特開2018−180279号公報、特開2018−205642号公報、特開2019−003101号公報、特開2019−015924号公報、特開2019−015977号公報、特開2019−035906号公報等に記載されている内容を参照することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。
《定着ベルトの製造》
ポリアミド酸と、それに対して8質量%のカーボンブラックとを含有するワニスを円筒金型の外側に回転塗布し、次いで300〜450℃で乾燥させてイミド化して、内径99mm、長さ360mm、厚み70μmの円筒形のポリイミド管状物(基材ベルト)を製造した。上記ポリアミド酸は、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの脱水縮合による重合物である。
次いで、上記基材ベルトの内側に、外径99mmのステンレス製の円筒状の芯金を密着させ、当該基材ベルトの外側に、厚さ30μmのPFAチューブを内周面上に保持する円筒金型を被せ、このようにして上記芯金と上記円筒金型を同軸で保持するとともに、両者の間にキャビティを形成した。次いで、当該キャビティにシリコーンゴム材料を注入し、加熱硬化して、厚さ200μmのシリコーンゴムによる弾性層を作製した。
上記シリコーンーンゴムのゴム硬度(タイプA)は30°であり、引張強度は1.5MPaであり、熱伝導率は0.7W/(m・K)であり、伸びは250%である。
《圧痕形成部材》
〔圧痕形成部材1の作製〕
下記の方法に従って、図4の(a)及び(c)に記載の構成からなるローラー状の圧痕形成部材1を、図5に記載の方法に従って作製した。
アルミニウム製の芯金6(長さ370mm、厚さ5mm、直径の22mmの中空構造)を準備し、芯金6よりも直径で2mm太い金属製のマスクMを芯金が中心となるようにして被せ、底蓋を設置した。この金属マスクMには、深さが15μm、幅が100μmの楕円形の凹部構造が、200μmの間隔で規則正しく配置されている。
次いで、マスクMと芯金6の間隙部に、図5の(a)で示すように、凸部8及び被覆層7の形成材料として、ポリアミド酸(3,3′、4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの脱水縮合による重合物)を注入し、350℃で加熱乾燥させて、イミド化し、ポリイミドより構成される被覆層を形成した。
次いで、金属製のマスクMを取りはずし、図5の(b)に記載の構成からなる円筒形の圧痕形成部材1を作製した。圧痕形成部材1の被覆層7の表面には、高さHが15μm、幅Wが100μm、間隔Gが200μmで配置されている楕円半球形の凸部8が、図4の(b)で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材2の作製〕
圧痕形成部材1の作製において、マスクMとして、深さが10μm、幅が50μmの楕円形の凹部構造が、100μmの間隔で規則正しく配置されているマスクMに変更した以外は同様にして、圧痕形成部材2を作製した。
上記作製した圧痕形成部材2の被覆層7の表面には、高さHが10μm、幅Wが50μm、間隔Gが100μmで配置されている楕円半球形の凸部8が、図4の(c)で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材3の作製〕
アルミニウム製の芯金6(長さ370mm、厚さ5mm、直径の22mmの中空構造)を準備し、芯金6よりも直径で2mm太い金属金型を芯金が中心となるようにして被せ、底蓋を設置した。この金属金型には、深さが10μm、幅が50μmの楕円形の凹部構造が、100μmの間隔で規則正しく配置されている。
次いで、金属金型と芯金6の間隙部に、図5の(a)で示すように、凸部8及び被覆層7の形成材料として、芯金6と同一材料である溶融したアルミニウムを注入、固化したのち、金属金型を外して、図4の(b)で示す構成のアルミニウム単一材料で作製した圧痕形成部材3を作製した。なお、圧痕形成部材3を作製した後、その表面に精密研磨加工を施した。
上記作製した圧痕形成部材3の表面には、アルミニウムで構成されている高さHが10μm、幅Wが50μm、間隔Gが100μmで配置されている楕円半球形の凸部8が、図4の(c)で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材4の作製〕
圧痕形成部材1の作製において、マスクMとして、深さが15μm、幅が15μmの半球形の凹部構造が、50μmの間隔で規則正しく配置されているマスクMに変更した以外は同様にして、圧痕形成部材4を作製した。
上記作製した圧痕形成部材4の被覆層7の表面には、高さHが15μm、幅Wが15μm、間隔Gが50μmで配置されている半球形の凸部8が、図4の(c)で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材5の作製〕
圧痕形成部材1の作製において、マスクMとして、深さが10μm、幅が50μmの四角錘状の凹部構造が、100μmの間隔で規則正しく配置されているマスクMに変更した以外は同様にして、圧痕形成部材5を作製した。
上記作製した圧痕形成部材5の被覆層7の表面には、高さHが20μm、幅Wが300μm、間隔Gが150μmで配置されている四角錘状の凸部8が、図4の(c)で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材6の作製〕
図7で示す構成の無端ベルト状の圧痕形成部材6を作製した。
内径33mm、長さ120mm、厚み70μmのポリイミド樹脂からなるベルト状基材の内側に、外径33mmのステンレス製の円筒状の芯金を密着させた。次いで、ベルト基材の外側に、深さが15μm、幅が100μmの楕円形の凹部構造が、200μmの間隔で規則正しく配置されている円筒金型を被せ、このようにして芯金と円筒金型を同軸で保持するとともに、両者の間にキャビティ(間隙)を形成した。次いで、キャビティ内にポリアミド酸(3,3′、4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの脱水縮合による重合物)を注入し、350℃で加熱乾燥させて、イミド化し、ポリイミドより構成される被覆層及び凸部を形成した。
圧痕形成部材6は、ポリイミドの単一素材で構成されている。
圧痕形成部材6の被覆層の表面には、高さHが15μm、幅Wが100μm、間隔Gが200μmで配置されているポリイミドから構成されている楕円半球形の凸部8が、図7で示すように複数列規則正しく配列されている。
〔圧痕形成部材8の作製〕
圧痕形成部材7の作製において、マスクMとして、深さが10μm、幅が50μmの楕円形の凹部構造が、100μmの間隔で規則正しく配置されているマスクMに変更した以外は同様にして、圧痕形成部材8を作製した。
上記作製した圧痕形成部材8の被覆層7の表面には、高さHが10μm、幅Wが50μm、間隔Gが100μmで配置されているポリイミドから構成されている楕円半球形の凸部8が、図4の(c)で示すように複数列規則正しく配列されている。
《定着装置の作製》
〔定着装置1〕
既知の方法に従い、図9に記載の構成で、加熱搬送ローラー(搬送ローラー、F1)と、上面側に配置される定着ローラー(第1ローラー、F2)及び定着ローラーF2の上方に配置される加熱ローラー(第2ローラー、F3)とで構成され、第1ローラーF2と第2ローラーF3間に、上記作製した最表層に熱可塑性樹脂層を有する定着ベルトが架設されている。
上記構成の定着装置において、上記作製した圧痕形成部材1をサポートロールで保持しながらニップBの上流側に配置して、ローラー方式の圧痕形成部材を具備した定着装置1を作製した。
〔定着装置2〜5の作製〕
上記定着装置1の作製において、圧痕形成部材1を、それぞれ圧痕形成部材2〜5に変更した以外は同様にして、定着装置2〜5を作製した。
〔定着装置6〕
既知の方法に従い、図11記載の構成で、加熱搬送ローラー(搬送ローラー、F1)と、上面側に配置される定着ローラー(第1ローラー、F2)及び定着ローラーF2の上方に配置される加熱ローラー(第2ローラー、F3)とで構成され、第1ローラーF2と第2ローラーF3間に、上記作製した最表層に熱可塑性樹脂層を有する定着ベルトが架設されている。
上記構成の定着装置において、上記作製した圧痕形成部材6をサポートロールで保持しながらニップBの上流側に配置して、無端ベルト方式の圧痕形成部材6を具備した定着装置6を作製した。
〔定着装置7の作製〕
上記定着装置6の作製において、圧痕形成部材6を、圧痕形成部材7に変更した以外は同様にして、定着装置7を作製した。
〔定着装置8の作製〕
上記定着装置1の作製において、圧痕形成部材1を取り除いた以外は同様にして、定着装置8を作製した。
《画像形成装置の作製》
〔画像形成装置1〕
フルカラー複写機「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ株式会社製)内の定着装置に、上記作製した圧痕形成部材1を具備した定着装置1を装着した画像形成装置1を用い、駆動方法として、定着ベルトの速度に従動して、ローラー状の圧痕形成部材1を従動させ(駆動方法Aという。)、定着ベルト上に凹形状の圧痕を形成しながら、画像を作成する画像形成装置1を作製した。
〔画像形成装置2〜4〕
上記画像形成装置1の作製において、定着装置1に代えて、それぞれ定着装置2〜4を用いた以外は同様にして、画像形成装置2〜4を作製した。
〔画像形成装置5〕
上記画像形成装置2の作製において、駆動方法として、定着ベルトの速度と等周速で駆動して、ローラー状の圧痕形成部材2を従動させ(駆動方法Bという。)、定着ベルト上に凹形状の圧痕を形成しながら、画像を作成する画像形成装置5を作製した。
〔画像形成装置6〕
上記画像形成装置2の作製において、駆動方法として、定着ベルトの速度に対し、+10%の回転速度で駆動して、ローラー状の圧痕形成部材2を従動させ(駆動方法Cという。)、定着ベルト上に凹形状の圧痕を形成しながら、画像を作成する画像形成装置6を作製した。
〔画像形成装置7〕
上記画像形成装置2の作製において、駆動方法として、定着ベルトの速度に対し、−10%の回転速度で駆動して、ローラー状の圧痕形成部材2を従動させ(駆動方法Dという。)、定着ベルト上に凹形状の圧痕を形成しながら、画像を作成する画像形成装置7を作製した。
〔画像形成装置8〜11〕
上記画像形成装置1の作製において、定着装置1に代えて、定着装置5〜8を用いた以外は同様にして、画像形成装置8〜11を作製した。
《画像形成装置により作成した画像評価》
上記作製した各画像形成装置を用いて画像出力し、下記の評価を行った。
〔分離性の評価〕
本複写機「bizhub PRESS C1070」には分離補助装置として、ニップ出口において記録媒体の先端と定着ベルトの間にエアブローを行う装置が備えられているが、分離性の評価時においては、それを無効化した。
(初期分離性の評価)
A4の普通紙として、mondi社製のカラーコピー用紙(坪量:90g/m)、出力画像として、画像の先端に1mm刻みで任意の余白を有するシアン、マゼンタ2層のべた画像(red)を出力し、定着ベルトに巻き付きがなく通紙できる先端余白を求めた。
○:先端余白2mm以下で上記ベタ画像の巻き付きなく通紙が可能である
△:先端余白2mm超、4mm以下で上記ベタ画像の巻き付きがなく通紙が可能であり、実用上問題ない
×:先端余白4mm以下で上記ベタ画像の巻き付きがあり通紙が不可能である
(連続印刷後の分離性の評価)
各画像形成装置を用い、A4普通紙(コニカミノルタ社製 Jペーパー)のY、M、C、Bkの各単色画像を、10%の帯状画像として、1000枚連続して印刷した後、上記初期分離性の評価方法及び評価ランクと同様にして、定着ベルトとの分離性を評価した。
(画像の荒れの評価)
各画像形成装置を用い、A4普通紙(コニカミノルタ社製 Jペーパー)のY、M、C、Bkの各単色画像を、10%の帯状画像として、1000枚連続して印刷した後、用紙として、王子製紙社製の「POD グロスコート128」を用いて、シアンのベタ画像を出力し、得られたシアンベタ画像について、下記の評価基準に従って、画像の荒れの評価を行った。
〇:均一なベタ画像で、圧痕形成部材の凸部構造に起因する残痕の発生は認められない
×:不均一なベタ画像で、圧痕形成部材の凸部構造に起因する残痕の発生が認められる
以上により得られた結果を、表Iに示す。
Figure 2020194067
表Iに記載の結果より明らかなように、本発明の凸部構造を有する圧痕形成部材を具備した定着装置は、初期及び連続印刷した後でも、定着ベルトとトナー画像間での分離性に優れ、安定した高品位のトナー画像が得られるとがわかる。
1 定着部材(定着ベルト)
2、6、6B 基材
3 弾性層
4 熱可塑性樹脂層
5 圧痕形成部材(ローラー方式)
5B 圧痕形成部材(無端ベルト方式)
7、7A 被覆層
8 凸部
10 圧力
11 加圧ローラー
12 サポートローラー
15 画像形成装置
20 自動原稿搬送部
30 スキャナー部
40 画像形成部
41 感光体ドラム
42 帯電装置
43 露光装置
44 現像装置
45 一次転写ローラー
46 二次転写ローラー
47、48 クリーニング装置
50 給紙部
100 制御部(領域設定部、移動量設定部、ローラー制御部)
B ニップ
D 用紙
F 定着装置
F1 加熱搬送ローラー(搬送ローラー)
F2 定着ローラー(第1ローラー)
F3 加熱ローラー(第2ローラー、加熱部)
G 間隙
H 高さ
M マスク部材
P 記録媒体
T トナー画像
V 中間転写ベルト
W 幅

Claims (10)

  1. 定着部材を有する定着装置であって、
    前記定着部材が、最表層として熱可塑性樹脂層を有し、かつ、
    前記定着部材に圧力をかけて前記最表層に凹形状の圧痕を形成する表面に角部を有していない凸部構造を有する圧痕形成部材を具備することを特徴とする定着装置。
  2. 前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂が、少なくともフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材が、少なくとも、基材、弾性層及び前記熱可塑性樹脂層を、この順で有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記圧痕形成部材が、回転部材であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記圧痕形成部材が有する表面に角部を有していない凸部構造が、半球形の凸部構造であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記圧痕形成部材の表面が、金属、ガラス、セラミックス、及び樹脂から選ばれる材料により構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記圧痕形成部材が、搬送されている定着部材に対し、従動又は等周速で回転駆動されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記圧痕形成部材が、定着部材に常時圧着されていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記圧痕形成部材が、定着部材に対して圧着と離間の切り替えが可能な機能を有していることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の定着装置を用いて、トナー画像を定着することを特徴とする定着方法。
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