JP2020193672A - 免震構造及び免震構造の設計方法 - Google Patents

免震構造及び免震構造の設計方法 Download PDF

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【課題】免震構造に用いる相対変形制御機構の設置位置の自由度を高める。【解決手段】上部構造15、下部構造13、及び上部構造15及び下部構造13の間の免震層11を有する建物の免震構造であって、免震層11は、上部構造15及び下部構造13の一方に属する突出部21と、上部構造15及び下部構造13の他方に属し、突出部21の中心と同じ中心を有し、突出部21との間に間隔を設けて突出部21を囲繞する囲繞部22とを有する過大変形制御機構20と、過大変形制御機構20の外側に設けられた免震装置12とを備え、突出部21の外周面又は囲繞部22の内周面は、外周面及び内周面の最短距離が等しくなるように割り付けられた複数の平面を有する。【選択図】図1

Description

本発明は免震構造及び免震構造の設計方法に関する。
建物の上部構造と下部構造との間に免震装置を備えた免震構造が知られている。例えば免震装置の一つである積層ゴムは、大きな地震が発生した場合には水平方向に動いて、上部構造の揺れを長周期化してゆっくりした揺れとする。
また、免震構造には、免震装置のフェイルセーフ機構として、上部構造及び下部構造の過度な相対変位を制御する相対変形制御機構が設けられることがある(例えば特許文献1参照)。この相対変形制御機構は、免震層の柱部及び免震用基礎の間に設けられた免震装置と、上部構造の突設基礎に支持された緩衝材とを有する。柱部及び緩衝材の間には、所定の長さのクリアランスが設けられている。相対変形制御機構は、上部構造及び下部構造が水平方向に大きくずれた場合に、柱部と突設基礎とを緩衝材を介して当接させることにより、上部構造及び下部構造の過大な変位を抑えつつ、緩衝材によって柱部と突設基礎との衝突による衝撃力を緩和する。また、地震により上部構造及び下部構造があらゆる方向に動く可能性があるため、突設基礎を、柱部を囲む形状とすることが好ましい。
特開2018−71651号公報
しかし、上記した相対変形制御機構においては、建物の構造や敷地の制約により、免震装置の周囲に制御機構の設置スペースを確保することが困難な場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、免震構造に用いる相対変形制御機構の設置位置の自由度を高めることを目的とする。
上記課題を解決する免震構造は、上部構造、下部構造、及び前記上部構造及び前記下部構造の間の免震層を有する建物の免震構造であって、前記免震層は、前記上部構造及び前記下部構造の一方に属する突出部と、前記上部構造及び前記下部構造の他方に属し、前記突出部の中心と同じ中心を有し、前記突出部との間に間隔を設けて前記突出部を囲繞する囲繞部とを有する変形防止機構と、前記変形防止機構の外側に設けられた免震装置とを備え、前記突出部の外周面又は前記囲繞部の内周面は、前記外周面及び前記内周面の最短距離が等しくなるように割り付けられた複数の平面を有する。
上記構成によれば、変形防止機構の外側に免震装置が設けられるため、変形防止機構が設置される位置が免震装置の周囲に限定されず、その設置位置の自由度を高めることができる。また、突出部又は囲繞部には平面が設けられるので、取り扱いが容易な平板状の緩衝部を有効に用いることができる。
上記免震構造について、前記囲繞部に設けた緩衝部により、前記囲繞部の前記内周面を構成することが好ましい。
上記構成によれば、上部構造及び下部構造が水平方向に大きくずれることによって突出部及び囲繞部が衝突するとき、それらの間に緩衝部が介在することにより、衝突による衝撃力を緩和することができる。
上記免震構造について、前記突出部に設けた緩衝部により、前記突出部の前記外周面を構成することが好ましい。
上記構成によれば、上部構造及び下部構造が水平方向に大きくずれることによって突出部及び囲繞部が衝突するとき、それらの間に緩衝部が介在することにより、衝突による衝撃力を緩和することができる。
上記免震構造について、前記免震層は、複数の前記変形防止機構を備え、前記複数の前記変形防止機構は、前記建物の剛心を中心とする所定半径の円周上に設けられることが好ましい。
上記構成によれば、上部構造又は下部構造に対し剛心を中心とした捩れる方向の力が加わったとしても、突出部と囲繞部とを衝突させることによって、上部構造及び下部構造の捩れ方向の変位を抑制することができる。
上記課題を解決する免震構造の設計方法は、上部構造、下部構造、及び前記上部構造及び前記下部構造の間の免震層を有する建物の免震構造の設計方法であって、免震装置の位置の外側で、前記上部構造及び前記下部構造の一方に属する突出部、前記免震層に設けられ前記上部構造及び前記下部構造の他方に属し前記突出部を囲繞する囲繞部を有する変形防止機構の位置を決定し、同じ中心軸の前記突出部及び前記囲繞部において、クリアランスが予め決定した許容変位量内に収まるように、前記突出部の外周面又は前記囲繞部の内周面に所定の大きさの平面を割り付ける。
上記構成によれば、突出部及び囲繞部について、予め設定されたクリアランスを維持しながら、突出部又は囲繞部に対し複数の平面を割り付けることができる。
本発明によれば、免震構造に用いる相対変形制御機構の設置位置の自由度を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る免震構造であって、免震構造に用いられる過大変位制御装置の位置における構成を示す模式図。 同実施形態に係る免震構造の構成を示す平面図。 同実施形態の過大変位制御装置の囲繞部の平面図。 同実施形態に係る免震構造に設けられる過大変位制御装置の斜視図。 本発明の第2実施形態に係る過大変位制御装置の構成を示す図。 同実施形態の過大変位制御装置の一部断面図。 本発明の変形例に係る過大変位制御装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係る過大変位制御装置の一部断面図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る免震構造について説明する。
図1は、建物100の免震層11に設けられた免震構造10の模式図、図2は建物の免震層11を模式的に示した平面図である。免震層11は下部構造13と上部構造15との間に設けられている。本実施形態の免震構造10は、中間層免震タイプであり、下部構造13は建物100の下部であって、上部構造15は建物の上部である。
免震構造10は、免震装置12、ダンパー19、及び過大変形制御機構20を備える。免震装置12は、建物全体を支持しながら、地震動を上部構造15に伝達しにくくする装置であり、例えば、複数の板状のゴム材と鋼材とを交互に重ねた積層ゴムである。免震装置12は、下部構造13に設けられた下側柱部14と、上部構造15に設けられた上側柱部16との間に設置されている。ダンパー19は、上部構造15の揺れ幅を小さくする減衰機能を有する。例えば、ループ状の鋼材を塑性変形又は幾何的変形させることにより建物100の振動を減衰させる鋼材ダンパー19Aを用いる。鋼材ダンパー19Aは、下部構造13に設けられた下側柱部17と、上部構造15に設けられた上側柱部18との間に設けられている。なお、過大変形制御機構20は、変形防止機構に対応する。
また、図2に示すように、ダンパー19として、オイル(流体)の抵抗により上部構造15及び下部構造13の建物100の振動を減衰させるオイルダンパー19Bを併用する。オイルダンパー19Bも、下部構造13に設けられた下側柱部(図示略)と、上部構造15に設けられた上側柱部(図示略)との間に設けられている。
過大変形制御機構20は、上部構造15の梁104に設けられた突出部21と、下部構造13に設けられた囲繞部22とを備えている。過大変形制御機構20は、免震装置12又はダンパー19の機能では補えないほどの巨大地震等で水平方向の過大揺れが発生した場合、又は免震装置12又はダンパー19の損傷が生じる等、それらの機能が十分発揮できなくなった場合のフェイルセーフ機構として機能する。突出部21の先端面は、下部構造13に対して離間している。突出部21の先端と囲繞部22との間には、クリアランスC(間隔)が設けられている。建築基準法等に規定されるレベルの地震動が建物100に加わり、下部構造13に対して上部構造15が水平方向に大きく変位する場合には、突出部21はクリアランスC内で移動する。一方、巨大地震が発生した場合には、突出部21の先端は、囲繞部22に衝突する。これにより、上部構造15が下部構造13に対して過度に変位することを抑制することができる。
図2に示すように、免震装置12は、免震層11の4つの隅部に設けられた下側柱部14に設置されている。また、隅部の間であって、図2中X方向に並ぶ下側柱部14にも、複数の免震装置12が設けられている。また、鋼材ダンパー19Aは、免震層11をX方向を2分割した場合の左側領域と、右側領域とに設けられている。また、免震装置12の間の複数の位置には、オイルダンパー19Bがそれぞれ設けられている。
また、免震層11には、過大変形制御機構20が複数設けられている。図2では1対の過大変形制御機構20が設けられている。これらの過大変形制御機構20は、突出部21が、建物100の剛心101を中心とする円周102上に位置するように配置されている。これにより、建物100に地震動が加わった場合に、上部構造15及び下部構造13が剛心101を中心に捩れるように相対的に変位したとしても、突出部21と囲繞部22とが回転方向の異なる位置で当接する。例えば、上部構造15に、下部構造13に対して図2中時計回り方向に回転するような力が加わった場合、図2中左側の過大変形制御機構20の突出部21はY方向に移動して囲繞部22の内周面のうちY方向奥側で当接し、図2中右側の過大変形制御機構20の突出部21は反Y方向に移動して囲繞部22の内周面のうちY方向手前側で当接する。これにより、上部構造15及び下部構造13の捩れ方向の変位を抑えることができる。
図3及び図4を参照して、過大変形制御機構20について詳細に説明する。図3に示すように、囲繞部22は、平面視において環状に形成された環状部23と、緩衝部24とを有している。環状部23は、コンクリート等で形成される。この環状部23の内側面25は、複数の平面をつなぎ合わせて構成されており、平面視において正多角形状(本実施形態では、正十五角形)で構成されている。本実施形態では、環状部23の外周面26は複数の平面をつなぎ合わせて構成されているが、この形状は特に限定されるものではない。
環状部23の内側面25を構成する各平面には、緩衝部24がそれぞれ設けられている。緩衝部24は、基板27と、所定の厚みを有する平板状のゴム材28とを備えている。緩衝部24の基板27は、締結部材29(図4参照)により環状部23に取り付けられ、更に環状部23の内側面25との隙間にはモルタル等が充填される。これらの緩衝部24の突出部21側の側面により、複数の平面を有する囲繞部22の内周面が構成される。そして、各緩衝部24は、平面視において正多角形の各辺の一部をなす。
囲繞部22の内周面を構成する複数の平面の数は以下のように決定される。まず、建物100の敷地や屋外設置物等を考慮して上部構造15及び下部構造13の許容変位量が決定され、この許容変位量とに基づき突出部21と環状部23とのクリアランスCの長さが決定される。また、平面視において、突出部21及び環状部23の中心軸を円の中心とし、半径差がクリアランスCの長さの同心円を設定する。この同心円の内円が、平面視における突出部21の外周面に対応し、外円が、平面視における環状部23の内周面に対応する。さらに、緩衝部24の大きさ(幅)に基づき、外円に平面を割り付けて、環状部23の内側面25に設ける平面の数を決定する。なお、複数の平面の幅は等しいものとする。このように設計された突出部21及び囲繞部22の配置に基づいて、過大変形制御機構20が構築される。例えば、突出部21の直径が500mm、環状部23の内径(外円の直径)が2118mmとする。更に、緩衝部24としては、横幅370mm、縦540mm、厚さ9mmの金属プレートに、横幅270mm、縦300mm、厚さ100mmのゴム材を取り付けたものを用いる。そして、緩衝部24を、所定の間隔(例えば50mm〜100mmの範囲内の値)を空けて等間隔で配置する場合、環状部23の内径に基づいて算出される外円の全周を、間隔と緩衝部24の幅とを加算した長さで除算して、平面の数を「15」とする。
図4に示すように、突出部21は、上部構造15の梁104(図2参照)に支持された支持部30と、支持部30よりも囲繞部22側に位置する先端部35とを有する。支持部30は、円柱部33と、円柱部33の外周面から突出する第1補強板31と、第1補強板31に対して垂直となるように設けられた第2補強板32とを有する。第1補強板31は、先端部35に近い部分の張り出し量が小さくなるようなテーパ形状である。
先端部35は、鉛直方向であるZ方向において、囲繞部22の位置とほぼ同じ位置に設けられている。先端部35の断面形状は円形である。突出部21は、複数の鋼材から形成されているが、コンクリート等によって形成されていてもよい。先端部35の水平方向の断面における中心は、環状部23の水平方向における中心と一致している。
(作用)
次に、免震構造の作用について説明する。
建物100に大きな地震動が加わると、免震装置12が水平方向に移動して、上部構造15の揺れを下部構造13の揺れに比べて長周期化する。これにより、上部構造15は大きくゆっくりと水平方向に変位する。さらに、上部構造15及び下部構造13の相対変位量が大きくなることにより先端部35が囲繞部22に衝突することで、上部構造15及び下部構造13が過度に変位することを抑制する。このとき、突出部21は、緩衝部24に線状に接触する。また、先端部35が囲繞部22に衝突しても、先端部35と環状部23との間に緩衝部24が介在することにより、衝突のエネルギーを吸収し、建物100に加わる衝撃力を小さくする。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)突出部21及び囲繞部22から構成される過大変形制御機構20は、免震装置12とは異なる位置に設けられるため、過大変形制御機構20の設置位置の自由度を高めることができる。また、囲繞部22の内周面を、正多角形状とし、取り扱いが容易な複数の緩衝部24から構成したため、過大変形制御機構20を構築しやすい。
(2)上部構造15及び下部構造13が水平方向に大きくずれることによって突出部21及び囲繞部22が衝突するとき、それらの間に緩衝部24が介在することにより、衝突による衝撃力を緩和することができる。
(3)緩衝部24は、囲繞部22の内側面25を構成する平面に設けられるため、曲面に緩衝部を設ける場合に比べ、緩衝部24を囲繞部22に取り付けるための作業を容易とすることができる。
(4)複数の過大変形制御機構20は、突出部21が、剛心101を中心とする円周102上に位置するように配置されているため、上部構造15又は下部構造13に剛心を中心とした捩れる方向の力が加わったとしても、突出部21と囲繞部22が衝突するので上部構造15及び下部構造13の捩れ方向の変位を抑制することができる。
(5)囲繞部22の内周面の数を決定する際、突出部21及び囲繞部22のクリアランスCの長さの同心円を設定し、その同心円の外円に複数の平面を割り付ける。このため、予め設定されたクリアランスCを維持しながら、囲繞部22に複数の平面を割り付けることができる。
(第2実施形態)
次に、免震構造の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、突出部21の形状及び緩衝部24の位置が第1実施形態と異なり、突出部21側に緩衝部を設けた構成とした。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5に示すように、突出部21は、断面が正多角形状を有している。本実施形態では、突出部21は8つの平面を有しており、その断面は、正八角柱形状をなしている。また、突出部21は、外側面36の各辺に設けられた緩衝部24を備えている。緩衝部24は、直方体又は立方体であるが、第1実施形態における緩衝部24に比べ、突出部21の外周方向に沿った幅Wが小さいことが好ましい。緩衝部24の各平面によって突出部21の外周面が形成される。囲繞部22は、平面視においてその内側面25及び外周面26が円形状に形成されている。
図6に示すように、突出部21の先端部35は、鉛直方向Zにおいて緩衝部24とほぼ同じ位置に設けられている。緩衝部24と囲繞部22の間には、クリアランスCが設けられている。
突出部21の複数の平面図の数は、以下のように決定される。まず、第1実施形態と同様に突出部21と環状部23とのクリアランスCの長さが決定される。また、平面視において、突出部21及び環状部23の配置位置に、半径差がクリアランスCの長さの同心円を設定する。この同心円の内円が、平面視における突出部21の外周面に対応し、外円が、平面視における環状部23の内周面に対応する。さらに、緩衝部24の大きさ(幅)に基づき、内円に平面を割り付けて、突出部21の外周面の平面の数を決定する。
(作用)
次に、免震構造の作用について説明する。上部構造15及び下部構造13の相対変位量が過度に大きくなることにより先端部35が囲繞部22に衝突しても、先端部35と環状部23との間に緩衝部24が介在することにより、衝突のエネルギーを吸収することができる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の(2),(4)に記載の効果に加えて以下の効果が得られる。
(6)突出部21及び囲繞部22から構成される過大変形制御機構20は、免震装置12とは異なる位置に設けられるため、過大変形制御機構20の設置位置の自由度を高めることができる。また、突出部21の外周面を、正多角形状とし、取り扱いが容易な複数の緩衝部24から構成したため、過大変形制御機構20を構築しやすい。
(7)突出部21の外周面の数を決定する際、突出部21及び囲繞部22のクリアランスCの長さの同心円を設定し、その同心円の内円に複数の平面を割り付ける。このため、予め設定されたクリアランスCを維持しながら、突出部21に複数の平面を割り付けることができる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図7に示すように、突出部21の周囲に、複数の支持部50から構成される囲繞部22を設けてもよい。支持部50は、立方体形状、直方体形状に形成され、突出部21を中心とした略円周上に、所定間隔毎に配置されている。この支持部50は、コンクリート及び鋼材の少なくとも一方から形成されていてもよい。支持部50のうち、突出部21側には基板27に設けられた緩衝部24が設けられている。この態様においても、上部構造15及び下部構造13が過度に変位して、突出部21及び囲繞部22が衝突する場合に、緩衝部24により衝突のエネルギーを吸収することができる。また、囲繞部22の内周面を、正多角形状とし、取り扱いが容易な複数の緩衝部24から構成したため、過大変形制御機構20を構築しやすい。
・図8に示すように、突出部21を下部構造13側に設け、囲繞部22を上部構造15に設けてもよい。この態様においても、上部構造15及び下部構造13が過度に変位して、突出部21及び囲繞部22が衝突する場合に、緩衝部24により衝突のエネルギーを吸収することができる。
・第1実施形態では、環状部23の内側面25を曲面としてもよい。この態様において、突出部21及び環状部23の中心軸を円の中心とし、半径差がクリアランスCの長さの同心円を設定する。さらに、緩衝部24の大きさ(幅)に基づき、外円に平面を割り付けて、緩衝部24の数を決定する。そして、環状部23の内側面25に、緩衝部24を取り付け、緩衝部24と環状部23の内側面25の隙間にモルタルを充填する。また、環状部23の外周面26を複数の平面で構成したが、外周面26を曲面から構成してもよい。
・第2実施形態では、突出部21の外側面36を複数の平面から構成したが、外側面36を曲面にしてもよい。そして、この突出部21の外側面36に緩衝部24を設け、緩衝部24と突出部21の外側面36との間にモルタルを充填してもよい。
・第2実施形態では、環状部23の内側面25を曲面で構成したが、複数の平面で構成してもよい。また、環状部23の外周面26を複数の平面で構成してもよい。この態様であっても、少なくとも突出部21の外周面は複数の平面で構成されるため、環状部23の構築や、緩衝部24の取付作業にかかる手間を軽減することが可能となる。
・上記各実施形態では、免震装置を、積層ゴムとしたが、大きな地震が発生した場合に、建物を支持しながら滑りを生じさせるすべり支承、建物を支持しながら転がりを生じさせる転がり支承等のその他の装置を用いてもよい。
・上記各実施形態では、突出部21は、鉛直方向Zに延出する第1補強板31と、鉛直方向Zに延出するとともに第1補強板31に対して直交する面を有する第2補強板32とを有する構成としたが、これ以外の構成であってもよい。例えば、突出部21は、上部構造15又は下部構造13から突出する断面円形状又は断面矩形状の柱部であってもよい。
・上記各実施形態では、1対の過大変形制御機構20を免震層11に設けたが、単数でもよく、3つ以上でもよい。
・上記実施形態では、免震層11において、過大変形制御機構20を、突出部21及び囲繞部22の少なくとも一方が、剛心101を中心とする円周102上に位置するように配置したが、これ以外の位置に配置してもよい。この場合であっても、過大変形制御機構20の設置位置は、免震装置12の設置位置に制約を受けにくいため、自由度が高められる。
・上記各実施形態では、囲繞部22又は突出部21に緩衝部24を設けたが、緩衝部24を省略してもよい。この態様であっても、突出部21及び囲繞部22を衝突させることにより、上部構造15及び下部構造13の水平方向における過大な変位を抑制することができる。
・上記各実施形態では、免震構造を、中間層免震の建物100に適用したが、基礎免震の建物に適用してもよい。この場合、下部構造は基礎に対応し、上部構造は基礎の上の建物部分に対応する。基礎免震の場合であっても、免震装置12が擁壁の近くに配置される場合等には、免震装置12の周囲にスペースを確保しにくいことがある。上記免震構造によれば、過大変形制御機構20の設置位置は免震装置の位置に大きく制約を受けないため、その自由度を高めることができる。
10…免震構造、11…免震層、12…免震装置、13…下部構造、14…下側柱部、15…上部構造、16…上側柱部、19…鋼材ダンパー、19…オイルダンパー、19…ダンパー、19A…鋼材ダンパー、19B…オイルダンパー、20…過大変形制御機構、21…突出部、22…囲繞部、23…環状部、24…緩衝部、25…内側面、26…外周面、27…基板、28…ゴム材、29…締結部材、30…支持部、31…第1補強板、32…第2補強板、33…円柱部、35…先端部、36…外側面、100…建物、101…剛心、102…円周、104…梁。

Claims (5)

  1. 上部構造、下部構造、及び前記上部構造及び前記下部構造の間の免震層を有する建物の免震構造であって、
    前記免震層は、
    前記上部構造及び前記下部構造の一方に属する突出部と、前記上部構造及び前記下部構造の他方に属し、前記突出部の中心と同じ中心を有し、前記突出部との間に間隔を設けて前記突出部を囲繞する囲繞部とを有する変形防止機構と、
    前記変形防止機構の外側に設けられた免震装置とを備え、
    前記突出部の外周面又は前記囲繞部の内周面は、前記外周面及び前記内周面の最短距離が等しくなるように割り付けられた複数の平面を有する
    免震構造。
  2. 前記囲繞部に設けた緩衝部により、前記囲繞部の前記内周面を構成する
    請求項1に記載の免震構造。
  3. 前記突出部に設けた緩衝部により、前記突出部の前記外周面を構成する
    請求項1の免震構造。
  4. 前記免震層は、複数の前記変形防止機構を備え、
    前記複数の変形防止機構は、前記建物の剛心を中心とする所定半径の円周上に設けられる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造。
  5. 上部構造、下部構造、及び前記上部構造及び前記下部構造の間の免震層を有する建物の免震構造の設計方法であって、
    免震装置の位置の外側で、前記上部構造及び前記下部構造の一方に属する突出部、前記免震層に設けられ前記上部構造及び前記下部構造の他方に属し前記突出部を囲繞する囲繞部を有する変形防止機構の位置を決定し、
    同じ中心軸の前記突出部及び前記囲繞部において、クリアランスが予め決定した許容変位量内に収まるように、前記突出部の外周面又は前記囲繞部の内周面に所定の大きさの平面を割り付ける
    免震構造の設計方法。
JP2019100076A 2019-05-29 2019-05-29 免震構造及び免震構造の設計方法 Active JP7279515B2 (ja)

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JP2018071651A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 株式会社大林組 免震構造

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