JP2020189827A - 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法 - Google Patents

9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法 Download PDF

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仁郎 中谷
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Abstract

【課題】9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を高収率で生産できる製造方法を提供する。【解決手段】9−フルオレノンと特定のアニリン類を縮合反応させて得られた反応液をアルカリ水で中和後、溶媒を混合し、晶析させる一般式(2)で示される9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法。(式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法に関し、さらに詳しくは、工業的に有用な9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法に関するものである。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物は、高分子化学の分野で広く用いられる化合物であり、特に、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂の原料として有用である。この化合物を含むポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂は、電子情報材料、光学材料、複合材料など、工業用途として多岐にわたる分野で使用されている。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造法として、特許文献1では、9−フルオレノンとアニリンを反応させる際、反応により生成した水を反応系より除去しつつ反応を行い、極性の低い溶媒、例えばトルエン、キシレンなどで再結晶させている。
特許文献2では、芳香族ケトンとアニリンを反応させて得られた粗9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物に、低級脂肪族ケトンを添加して溶解させ、次いで不溶解物を分離した後、トルエンを添加し、再結晶させている。
特許文献3、4では、芳香族ケトンとアニリンを反応させて得られた粗9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物をトルエンに溶解させ、再結晶させている。しかし、特許文献1、2、3、4に記載された方法で得られる9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の収率は、十分ではなかった。また、特許文献1、2、3、4では、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物のアミノ基の両隣の水素がいずれも置換されていないもの(後述する一般式(1)に示す構造式で置換基R1、R2が両方とも水素であるもの)が例示されているのみで、アミノ基の両隣の水素の少なくともの1つが置換された9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の例示がない。
非特許文献1では、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の一般式(1)に示す構造式で置換基R1および/またはR2がメチル基やエチル基である9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の合成法が開示されている。ここでは、反応させるアニリン類とそのアニリン類塩酸塩を9−フルオレノンに対し、同時に大過剰量用いて、リフラックス条件の高温で反応を行っていた。しかし、この方法では、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の収率が70%(9−フルオレノン基準)以下と低いものであり、工業的に十分ではなかった。
特開昭62−149650号公報 特開平03−204842号公報 特開平03−215455号公報 特開2009−102252号公報
Polymer,2005,Vol.46,p.5278−5283
本発明の目的は、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を高収率で生産できる製造方法を提供することにある。
本発明の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法は、9−フルオレノンと下記一般式(1)
Figure 2020189827
(式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)
で示されるアニリン類を縮合反応させて得られた反応液をアルカリ水で中和後、水、アルコール類、低級脂肪族ケトン類から選ばれた少なくとも一つを含む溶媒を混合し、晶析させる一般式(2)
Figure 2020189827
(式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)
で示される9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を製造することを特徴とする。
本発明の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法は、9−フルオレノンと一般式(1)で示されるアニリン類を縮合反応させて得られた反応液をアルカリ水で中和後、水、アルコール類、低級脂肪族ケトン類から選ばれた少なくとも一つを含む溶媒を混合し、晶析させることにより、高収率で9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を製造することができる。本発明の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法は工業的に優れた製造方法である。本発明の製造方法により得られた9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物は、電子情報材料、光学材料、複合材料などで使用することができる。
以下に本発明を詳細に記載する。
本発明で製造する9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物は、一般式(2)で表され、9−フルオレノンと下記一般式(1)で示されるアニリン類を縮合反応させることにより製造される。
Figure 2020189827
Figure 2020189827
(式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)
式中、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルから選ばれる少なくとも一つである。また、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルから選ばれる少なくとも一つである。
一般式(1)で示されるアニリン類の具体例としては、例えばオルト−トルイジン、オルト−エチルアニリン、オルト−イソプロピルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2−メチル−6−エチルアニリン、2−メチル−6−イソプロピルアニリン、2−エチル−6−イソプロピルアニリンが挙げられる。
一般式(2)で示される9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物は、結晶性であり、4−アミノフェニル基のアミノが結合する炭素に隣接する少なくとも1つの炭素に結合する水素が炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基に置換されている。9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物として、例えば9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−イソプロピル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−5−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−5−イソプロピル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−5−イソプロピル−4−アミノフェニル)フルオレンが挙げられる。
本発明の縮合反応で用いるアニリン類は、9−フルオレノンのモル数に対し、2.0〜30モル倍、より好ましくは、3.0モル倍から15モル倍である。アニリン類を2.0モル倍以上にすることにより、所望の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を製造することができる。またアニリン類を30モル倍以下にすることにより、反応液から未反応のアニリン類を除去する労力を少なくすることができる。
縮合反応は、酸触媒の存在下で行われる。酸触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸等のプロトン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、三塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化スズ(IV)、塩化鉄(III)、フッ化アンチモン(V)、塩化アンチモン(V)、三塩化りん、五塩化りん、オキシ塩化りん、四塩化チタン、三塩化チタン、バナジルクロライド(VOCl2)、塩化ジルコニウム、塩化ハフニウム、テトライソプロポキシチタン、トリフルオロメタンスルフォン酸スカンジウム(III)、三塩化ニオブおよび五塩化ニオブなどのルイス酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、吉草酸、メタンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、活性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸が例示される。また、酸触媒を、アニリン類の塩として使用してもよい。
本発明で使用する酸触媒の量は、9−フルオレノンのモル数に対し、0.1〜10モル倍であり、より好ましくは、0.5〜3モル倍である。酸触媒を0.5モル倍以上使用することにより、縮合反応を効率的に進めることができる。また、酸触媒を10モル倍以下使用することにより、後工程で中和に用いるアルカリ量を低減することができる。なお、アニリン類の塩として同量の酸を使用してもよい。
本発明の縮合反応では、アニリン類を溶媒として用いてもよいし、縮合反応を阻害しない限り、極性溶媒を用いても良い。極性溶媒としては、アルコール系溶媒、エステル系溶媒またはアミド系溶媒が用いられる。アルコール系溶媒としては、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノールおよび1−ヘキサノールなどの1級アルコール類、イソプロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノールおよび3−ヘプタノールなどの2級アルコール類、ターシャリーブタノール、ターシャリーペンタノール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルおよび酢酸イソブチルなどが挙げられる。
アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
中でも好ましく用いられる溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンである。
溶媒の使用量は、9−フルオレノンの質量に対して、1〜20質量倍であり、より好ましくは、2〜10質量倍である。
本発明の縮合反応において、水が副生するが、これを除去しながら反応させることが好ましい。この目的で反応系内に共沸溶媒を共存させて、連続的に副生水を除去する方法が好ましく用いられる。共沸溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられるが、トルエンが好ましく用いられる。この共沸溶媒の使用量は、9−フルオレノンの質量に対し、0.5〜10質量倍が好ましい。
縮合反応は、酸素を含まない不活性雰囲気下で行うことが好ましい。具体的には、実質的に酸素を含まない窒素ガスを反応系内に通気させることで行うことができる。酸素存在下で行うと、アニリン類が酸化され、着色し、これが、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物に残存してしまうことがある。
反応温度は、80〜200℃である。より好ましくは、120〜180℃である。80℃より低いと反応完結に長時間を要することになり、200℃をよりも反応温度が高いと、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物にさらに9−フルオレノンが反応した二量体が生成し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の収率が低下することになる。
反応時間は、反応温度に依存するが、好ましくは3〜100時間、より好ましくは5〜80時間である。反応終点は、9−フルオレノンが完全に消費され、中間体である9−フルオレノンにアニリン1分子が縮合したイミン体の残存量が反応液の液クロマトグラフィー分析で、アニリン類を除く全体の10面積%以下、より好ましくは、2.0面積%以下となる時点と設定できる。
反応終了後、反応液をアルカリで中和し、生成した油相と水相を分液し、得られた油相から9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を取得することができる。
用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム水溶液または、水酸化カリウム水溶液が用いられ、中和で生じた塩を水相側へ抽出し、除去することができる。
用いるアルカリ量は、縮合反応で用いた酸触媒と同じ当量あるいはそれ以上であれば問題ない。
本発明は、得られた油相に水、アルコール類、低級脂肪族ケトン類から選ばれた少なくとも一つを含む溶媒を混合し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を晶析させることで、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を高収率で取得する。
本発明において、アルコール類は、炭素数1〜6のアルコール、および/または炭素数2〜3のグリコールであり、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノールおよび1−ヘキサノールなどの1級アルコール類、イソプロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、およびシクロヘキサノールなどの2級アルコール類、ターシャリーブタノール、ターシャリーペンタノール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、である。
低級脂肪族ケトン類は、炭素数3〜9の脂肪族ケトンであり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、メチルブチルケトンが挙げられる。好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンである。
本発明において、使用する溶媒量は、9−フルオレノンの質量に対し、0.5〜30質量倍、好ましくは、1.0〜5質量倍である。
晶析後、得られたスラリーを固液分離することで、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物が高収率で得られる。得られた結晶表面に晶析母液が付着していることがあることから、得られた9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物に十分リンス液をかけて洗浄する、あるいは溶媒でリスラリー洗浄することで高純度の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物を得ることができる。
リンスおよびリスラリーの溶媒としては、アルコール系溶媒、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒またはアミド系溶媒を使用してもよいが、好ましくは、アルコール系溶媒または炭化水素系溶媒が用いられる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが例示され、炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレンが例示される。リスラリーは、室温で行ってもよいし、溶媒がリフラックスする温度まで、上げてもよい。
使用するリンス液量は、9−フルオレノンの質量に対し、0.1〜10質量倍であり、リスラリーで用いられるリスラリー液量は、1.0〜30質量倍が好ましく用いられる。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに制限されるものではない。なお、本明細書において得られる9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の分析値は、次の方法により測定した。
(化学純度)
以下の条件の液体クロマトグラフィー(島津製作所製CLASS−VP)により、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物のピーク面積の分率(HPLC area%)を測定し、化学純度とした。
・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm
・カラム温度: 40℃
・移動相: 0.1%(v/v)リン酸水溶液を組成(A)、アセトニトリルを組成(B)とし、下記のグラジエントに示した組成(A/B)で変化させた。
・グラジエント
時間(分) 組成(A/B)
0 60/40
10 45/55
15 20/80
25 20/80
30 60/40
40 60/40
・流量: 1ml/min
・注入量: 10μl
・検出: UV 254nm
・分析時間: 40分
・分析サンプル調製:サンプル0.02gを秤量し、アセトニトリル約40mlに希釈
ただし、上記の分析条件に基づく分析結果と同じ結果が得られる限り、この分析条件に限定されるものではない。
(実施例1)
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、9−フルオレノンを14.4g(0.08モル)、オルト−トルイジンを112.1g(1.05モル)およびトルエン57.6g(4質量倍/9−フルオレノン)を仕込んだ。窒素パージ攪拌下、溶液を15℃以下に冷却し、35%塩酸 25.0g(0.24モル)を滴下した。発熱が収まった後、液温90〜110℃に昇温し、系中の水とトルエンを共沸させた。留出が収まった後、さらにトルエン 14.4g(1質量倍/9−フルオレノン)を投入し、再度系中の水とトルエンを共沸させながら、液温を130〜140℃まで昇温し、22時間撹拌しながら熟成することにより縮合反応を行った。
縮合反応後、反応液を冷却し、50℃で17質量%苛性ソーダ水 56.4gを投入し、反応液を中和した。下層から水相を払出し、取得した油相にイソプロパノール 21,6gと水 10.8gを投入し、9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレンを晶析させた。得られたスラリーを室温まで冷却し、固液分離を行った。得られたケークに2−プロパノール 21.6gをリンスし、粗9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレンを得た。これをトルエン 43.2gでリフラックス下、1時間、リスラリーを行い、室温に冷却後、ろ過し、得られたケークにトルエン 7.2gでリンスを行った。これを温度60℃、減圧度 0.01kPa以下で一晩真空乾燥した。9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン 28.0g(収率 93%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、98.8%であった。
(実施例2)
実施例1において、オルト−トルイジン 112.1gを、2−エチルアニリン 127.8gに、反応時間を62時間変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。
9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン 25.4g(収率 78%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、99.2%であった。
(実施例3)
実施例1において、35%塩酸 25.0g(0.24モル)を、トリフルオロメタンスルフォン酸 36.0g(0.24モル)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。
9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン 28.3g(収率 94%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、98.5%であった。
(比較例1)
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、9−フルオレノンを14.4g(0.08モル)、オルト−トルジジンを112.1g(1.05モル)およびトルエン 57.6g(4質量倍/9−フルオレノン)を仕込んだ。窒素パージ攪拌下、溶液を15℃以下に冷却し、35%塩酸 25.0g(0.24モル)を滴下した。発熱が収まった後、液温90〜110℃に昇温し、系中の水とトルエンを共沸させた。留出が収まった後、さらにトルエン 14.4g(1質量倍/9−フルオレノン)を投入し、再度系中の水とトルエンを共沸させながら、液温を130〜140℃まで昇温し、20時間撹拌しながら熟成することにより縮合反応を行った。
縮合反応後、反応液を冷却し、50℃で17質量%苛性ソーダ水 56.4gを投入し、反応液を中和した。下層から水相を払出し、取得した油相を液温100〜110℃、減圧度4〜8kPaで減圧濃縮し、結晶を析出させた。これに液温90℃で、水 10.8gを、液温75℃で2−プロパノール 21.6gを投入し、スラリーを得た。このスラリーを室温まで冷却し、固液分離を行った。得られたケークに2−プロパノール 21.6gをリンスし、粗9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレンを得た。これをトルエン 43.2gでリフラックス下、1時間、リスラリーを行い、室温に冷却後、ろ過し、得られたケークにトルエン 7.2gでリンスを行った。これを温度60℃、減圧度 0.01kPa以下で一晩真空乾燥した。9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン 24.7g(収率 82%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、97.8%であった。
(比較例2)
比較例1において、オルト−トルイジン 112.1gを2−エチルアニリン 127.8gに、反応時間を62時間変更した以外は、比較例1と同様に反応を行った。
9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン 20.3g(収率 62%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、98.9%であった。
(比較例3)
比較例1において、35%塩酸 25.0g(0.24モル)を、トリフルオロメタンスルフォン酸 36.0g(0.24モル)に変更した以外は、比較例1と同様に反応を行った。
9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン 24.1g(収率 80%/9−フルオレノン)を取得した。液体クロマトグラフィー分析による化学純度は、98.0%であった。

Claims (2)

  1. 9−フルオレノンと下記一般式(1)
    Figure 2020189827
    (式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)
    で示されるアニリン類を縮合反応させて得られた反応液を、アルカリ水で中和後、水、アルコール類、低級脂肪族ケトン類から選ばれた少なくとも一つを含む溶媒を混合し、晶析させる一般式(2)
    Figure 2020189827
    (式中、R1は、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表し、R2は、水素、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも一つを表す。)
    で示される9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法。
  2. 前記溶媒がアルコール類である請求項1に記載の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022097609A1 (ja) * 2020-11-06 2022-05-12 東レ・ファインケミカル株式会社 9,9-ビス(3,5-ジアルキル-4-アミノフェニル)フルオレン化合物の製造方法

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