JP2020188594A - 永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機 - Google Patents

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啓 武田
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明和 柴田
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哲也 田所
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Abstract

【課題】高速域においても制御が容易な永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機を提供する。【解決手段】電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔13が形成された回転子3と,磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石14と,を備えた永久磁石式回転電機において,回転子は,回転子の回転中心と永久磁石の周方向中央部とを結ぶ線をd軸とし,d軸と電気角で直交する軸をq軸としたとき,q軸上に第1スリット11が形成され,かつ,第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部16を有し,回転子の最外周面の円弧角度をθ1,ブリッジ部の外周面の円弧角度をθ2とした場合,θ2/θ1≦0.5である。【選択図】図2

Description

本発明は,回転子に永久磁石を備える永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機に関する。
永久磁石式回転電機はエアコン,冷蔵庫,あるいは食品ショーケースなどにおける圧縮機等様々な技術分野に適用されている。従来,永久磁石式回転電機においては,電機子巻線となる固定子巻線に集中巻が採用されるとともに,界磁にはネオジム磁石などの高磁束密度な永久磁石が採用され,小形・高効率化が図られている。しかしながら,小形・高効率化による出力密度の増加に伴い,鉄心の非線形磁気特性(磁気飽和)の影響が顕著になり,集中巻の採用と相俟って,空間高調波磁束成分の増加に伴う鉄損,脈動トルクおよび電磁加振力等が増大している。
これらの課題を解決するために,例えば特許文献1に記載のように回転子の極間部(q軸)に凹部を有する永久磁石式回転電機が提案されている。この特許文献1に記載の技術によれば,極間部が空隙となるため,固定子が作る回転磁界の磁束による影響(電機子反作用の影響)が抑制される。すなわち,永久磁石の起磁力と固定子による回転磁界の磁束との積にほぼ比例するトルクが安定し,高調波磁束による鉄損,脈動トルクおよび電磁加振力の低減が可能となる。
国際公開第2017/042886号
上記特許文献1に記載の技術では,1000min-1から3000min-1といった中・低速域においては,永久磁石式回転電機を高効率に制御できる。しかしながら,7000min-1から8000 min-1といった高速域においては,q軸磁束によって永久磁石の起磁力分布が歪み易い。特に,上記特許文献1のように回転子の外周面に大きな凹部があると,永久磁石の起磁力分布が歪んだ場合に,高調波磁束による脈動トルクおよび電磁加振力が増加して,振動・騒音が増大する可能性がある。さらに,高速域においては,回転子に凹部を設けることで生じる薄肉部に対して大きな遠心力が加わるため,この薄肉部の機械的強度が不足する可能性がある。つまり,上記特許文献1のような永久磁石式回転電機では,高速域において,騒音が増大したり,信頼性が低下したりする。
そこで本発明の目的は,高速域においても制御が容易な永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために,本発明は,電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,を備えた永久磁石式回転電機において,前記回転子は,前記回転子の回転中心と前記永久磁石の周方向中央部とを結ぶ線をd軸とし,前記d軸と電気角で直交する軸をq軸としたとき,前記q軸上に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,前記回転子の最外周面の円弧角度をθ1,前記ブリッジ部の外周面の円弧角度をθ2とした場合,θ2/θ1≦0.5であることを特徴とする。
また,電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,を備えた永久磁石式回転電機において,前記回転子は,隣り合う前記永久磁石挿入孔同士の間に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,前記回転子の最外周面と,前記ブリッジ部の外周面と,を接続する中間外周面は,前記第1スリットの周方向端面より,なだらかに形成されていることを特徴とする。
本発明によれば,高速域においても制御が容易な永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機を提供できる。
上記した以外の課題,構成および効果は,以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る永久磁石式回転電機の断面図である。 本発明の実施例1に係る永久磁石式回転電機の回転子鉄心形状を示す断面図である。 各種回転電機構造における特性結果を示す表である。 本発明の実施例2に係る圧縮機の断面図である。 各種回転電機構造における圧縮機の性能・騒音試験結果を示す表である。 本発明の実施例3に係る永久磁石式回転電機の回転子鉄心形状を示す断面図である。
以下,本発明の実施例を図1〜図6を用いて説明する。各図中において,参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。また,各実施例の永久磁石式回転電機は,6極の回転子と,9スロットの固定子から構成される。すなわち,回転子の極数と固定子のスロット数の比が2:3である。回転子の極数,固定子のスロット数,ならびにこれらの比は,各実施例における値に限らず,他の値でも,各実施例と同様の効果を得ることができる。例えば,回転子の極数は,4極あるいは8極や10極等としても良い。なお,各実施例における永久磁石式回転電機は,永久磁石が回転子鉄心に埋設される,いわゆる埋込磁石型の回転電機である。
以下の説明において,「軸方向」とは回転子の回転軸方向を示し,「径方向」とは回転子の径方向を示し,「周方向」とは回転子の周方向を示す。
<実施例1>
図1は本実施例における永久磁石式回転電機1の断面図である。図1に示した通り,永久磁石式回転電機1は,固定子2と,固定子2の内側に所定の隙間を介して回転可能に配置された回転子3から構成されている。この回転子3にはシャフトの固定部を具備した回転子支持部材(図示せず)が設けられている。固定子2は,固定子鉄心6が軸方向に積層されて構成され,コアバック5と,コアバック5から径方向内側へ向けて突出した複数のティース4とを有する。複数のティース4は周方向に等間隔に配列されている。周方向に隣り合うティース4間にはスロット7が形成され,このスロット7にはティース4を取り囲むように集中巻の電機子巻線8が巻装されている。すなわち,電機子巻線8は,固定子2の中心から径方向内側に向かって配置される複数のティース4の軸心周りに巻装され,周方向に,三相巻線のU相巻線8a,V相巻線8b,W相巻線8cが相互に空隙を介して配置される。
ここで,本実施例の永久磁石式回転電機1は6極9スロットであり,スロットピッチθsは電気角で120度(機械角で40度)となる。また,固定子2の中心部に,円柱状のシャフト(図示せず)を貫通するシャフト孔15が形成されている。本実施例の永久磁石式回転電機1においては,三相巻線8a〜8cからなる電機子巻線8に三相交流電流を流すと,回転磁界が発生する。この回転磁界によって永久磁石14および回転子鉄心12に働く電磁力により,回転子3が回転する。
なお,永久磁石式回転電機1が動作する時に固定子鉄心6および回転子鉄心12に発生する渦電流損などの鉄損を低減するために,固定子鉄心6および回転子鉄心12は,珪素鋼板などの磁性鋼板からなる薄板を複数積層した積層体によって構成することが好ましい。
図2は本発明の実施例1による永久磁石式回転電機1の回転子鉄心の断面図である。
図2において,回転子3は,その中心にシャフト孔15を形成した回転子鉄心12が積層されて構成され,外周側表面の近傍に略直線形状の永久磁石挿入孔13が複数,形成される。複数の永久磁石挿入孔13にはそれぞれ,例えば希土類のネオジムからなる永久磁石14が挿入される。ここでは,永久磁石14の磁極がつくる磁束の方向,つまり永久磁石14の長手方向中心(周方向中央部)と回転子3の回転中心(回転軸中心)とを結ぶ線をd軸(磁束軸)とし,それと電気的に直交する軸(永久磁石間の軸)をq軸と定義する。
図2のような断面において,回転子鉄心12の一磁極当たり,一枚の永久磁石14が設けられる。永久磁石14の断面形状は,永久磁石挿入孔13と同様に細長い長方形状であり,その長手方向はd軸に対して幾何的に直角方向に伸びている。回転子3の回転子鉄心12には,隣接する永久磁石14の極間のq軸上において,軸方向に貫通する孔である第1スリット11が設けられている。
ここで,第1スリット11の形状について説明する。第1スリット11は,永久磁石14(永久磁石挿入孔13)の周方向端面と略平行に対向する二つの直線部11b,11cと,これら二つの直線部の内周側端部を結ぶ内周側曲線部11aと,これら二つの直線部の外周側端部を結ぶ外周側曲線部11dと,を有している。この第1スリット11を設けることにより,q軸磁束が抑制され,磁石の渦電流損が低減される。
また,内周側曲線部11aは,隣り合う永久磁石孔の最近接部間を結ぶ(q軸の両側に位置して対向する二つの永久磁石14の内周側磁極面のうち,q軸に近い側の端部間を結ぶ)仮想線(図2の点線X)に沿うような位置にある。なお,内周側曲線部11aが仮想線よりも外周側に位置するようにすれば,回転子3が高速回転して遠心力が高まる場合でも,応力の影響を緩和できる。
さらに,二つの直線部11b,11cは,永久磁石挿入孔13の周方向端部に対向して,その端面に沿うように形成されている。そして,各直線部同士の間隔は、回転子3の内周側から外周側へ向かって広がっているので,漏れ磁束の低減も図られている。また,本実施例の第1スリット11は,内周側曲線部11aと各直線部11b,11cとが,鋭角になることなく,滑らかに接続されている。これにより,第1スリット11内における回転子遠心力に伴う応力の集中も緩和されるので,遠心力に対する回転子3の強度がさらに向上する。
第1スリット11(の外周側曲線部11d)の径方向外側には,周方向に延びる円弧状のブリッジ部16を設けている。なお,第1スリット11の外周側曲線部11dの円弧と,ブリッジ部16の外周面T2における円弧と,は略同心円となっており,ブリッジ部16は周方向に沿って幅が略一定となっている。このような円弧状のブリッジ部16を設けることで,永久磁石挿入孔13と第1スリット11との間の薄肉部への応力集中を防ぐことが可能となり,高速域において遠心力が大きくなっても,機械的強度を確保できる。
次に,回転子3の外周面の形状について説明する。本実施例では,回転子3の最外周面T1と,上述したブリッジ部16の外周面T2と,が中間外周面T3によってなだらかに接続されている。この中間外周面T3は,少なくとも第1スリット11の周方向端面よりも,回転子3の円弧面に近い傾斜となっている。このため,隣り合う永久磁石挿入孔同士の間に第1スリット11を形成したとしても,回転子3の最外周面T1から中間外周面T3を経てブリッジ部16の外周面T2にかけて,回転子3の外周が略円筒状となる。したがって,本実施例の永久磁石式回転電機1を高速域において運転しても,スロット高調波の影響が抑制され,磁束の高調波成分が低減される。その結果,脈動トルクおよび電磁加振力が低減され,永久磁石式回転電機1の低騒音化が実現できる。
また,本実施例では,ブリッジ部16の外周面T2から中間外周面T3にかけて,回転子3の最外周面に対し凹んでいる部分の断面積S1が,第1スリット11の断面積S2より小さくなっている。このように,回転子3の外周面の凹みを小さくすることで,円筒状に近づけることができ,結果として低騒音化が可能となっている。
さらに,回転子3すなわち回転子鉄心12は,上述の最外周面T1において,固定子2のティース4との隙間が最短のg1となり,ブリッジ部16の外周面T2において,隙間がg1よりも長いg2となる。このため,漏れ磁束が小さくなり,鉄損も抑制できる。
ここで,本実施例では,上述のように,集中巻の巻線を有する固定子におけるスロットピッチが電気角で120°となっている。また,一磁極当たり1.5スロット(=9スロット/6極)であるから,q軸間の角度は電気角で180°である。このため,最外周面T1の円弧角度θ1は,電気角で120°≦θ1,ブリッジ部16の外周面の円弧角度θ2は,電気角でθ2≦60°となる。従って,本実施例では,θ2/θ1≦0.5(=60°/120°)の関係を満たすように,θ2を小さくすることで,第1スリット11及びブリッジ部16の領域を小さくし,機械的強度の低下を抑制している。なお,θ1は電気角で90°以上とするのが望ましい。
さらに,本実施例の回転子3は,永久磁石挿入孔13の外周側であって,この永久磁石挿入孔13の周方向中央部よりも周方向両端部に近い位置に,上述の第1スリットよりも小さなスリット(第2スリット)10a,10bが形成されている。すなわち,回転子鉄心12の最外周面T1と永久磁石14の外周側磁極面との間において,d軸上およびd軸近傍にはスリットを設けずに,d軸から所定の距離だけ離れた左右両側に,各第2スリット10a,10bがd軸を挟むように設けられる。このような第2スリットにより,誘導起電力と電機子電流とを正弦波化できるので,誘導起電力と電機子電流との相互作用によって生じる高調波磁束を低減することが可能となる。
ここで,本実施例では,平板状の永久磁石14の磁極平面に沿う方向(d軸に対して幾何的に直角方向)における各スリット10a,10bの端部間の距離が,概ねティース4の最小幅に設定されている。しかし,第2スリット10aと第2スリット10bとの距離は,本実施例に限定されるものではなく,ティース4の最小幅寸法よりも大きくなるようにすれば,電機子反作用がより抑制され,高調波成分の磁束低減効果が更に高められる。
なお,各極にそれぞれ配置される第2スリット10aと第2スリット10bは,d軸に対して互いに対称に形成されているので,永久磁石式回転電機1を左回転させたときと右回転させたときとで,同じ特性を得ることが可能となっている。また,第2スリットの個数は,各極で左右に1個ずつとする以外に,左右にそれぞれ複数本でも良く,第2スリットの配置についても,永久磁石14の磁束がティース4に集まるように傾けても良い。
図3は,本実施例の永久磁石式回転電機1の特性(計算結果)を示す。項目としては,高速域における,無負荷誘導起電力,電動機効率,(電動機の電磁気的な振動・騒音要因である)脈動トルクおよび電磁加振力,ならびに回転子強度である。ただし,特許文献1に類似した従来構造での値を1P.U.とし基準化している。
図3に示すように,本実施例の永久磁石式回転電機1では,特許文献1に類似した従来構造に対して,高速域において,無負荷誘導起電力および電動機効率を略同等にできるとともに,脈動トルクおよび電磁加振力を大幅に低減でき,さらに回転子強度が高いことがわかる。
以上より,本実施例によれば,機内磁束の高調波成分を低減して効率を確保するとともに,脈動トルクおよび電磁加振力を低減でき,さらに回転子遠心力に伴う応力の影響も緩和できる。すなわち,高速域においても、騒音が増大したり,信頼性が低下したりすることなく,制御が容易な永久磁石式回転電機を提供できる。
<実施例2>
図4は本実施例に係わる圧縮機の断面図である。円筒状の圧縮容器69内では,固定スクロール部材60の端板61に直立する渦巻状ラップ62と,旋回スクロール部材63の端板64に直立する渦巻状ラップ65と,が噛み合わさることで圧縮室が形成されている。そして,永久磁石式回転電機1により旋回スクロール部材63がクランク軸72を介して旋回運動させることによって,圧縮動作を行う。
また,固定スクロール部材60および旋回スクロール部材63によって形成される圧縮室66(66a,66b,…)のうち,最も外径側に位置している圧縮室は,旋回運動に伴って両スクロール部材63,60の中心に向かって移動し,容積が次第に縮小する。圧縮室66a,66bが両スクロール部材60,63の中心近傍に達すると,両圧縮室66内の冷媒(圧縮ガス)は圧縮室66と連通した吐出口67から吐出される。吐出された圧縮ガスは固定スクロール部材60およびフレーム68に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレーム68下部の圧縮容器69内に至り,圧縮容器69の側壁に設けられた吐出パイプ70から電動圧縮機外に排出される。また,電動圧縮機を駆動する永久磁石式回転電機1は,別置のインバータ(図示せず)によって制御され,圧縮動作に適した回転速度で回転する。
ここで,永久磁石式回転電機は固定子2と回転子3から構成され,回転子3に設けられるクランク軸72は,上側がクランク軸になっている。クランク軸72の内部には,油孔74が形成され,クランク軸72の回転によって圧縮容器69の下部にある油溜め部73の潤滑油が油孔74を介して滑り軸受75に供給される。このような構成の圧縮機に,種々の回転子形状や固定子形状を有する永久磁石式回転電機を組み込み,性能ならびに騒音試験を行った。その実測結果を図5に示す。
図5において,性能を評価した回転数としては,低速(中間50%負荷),中速(定格100%負荷),高速(過負荷)の3つに大別され,特に高速域での性能に差異が現れることが分かった。実施例1の永久磁石式回転電機1を利用した圧縮機の場合,特許文献1に類似する永久磁石式回転電機を利用した圧縮機と異なり,高速域での効率も良好であり,騒音も低くなることが分かった。騒音が低下した理由として,実施例1の永久磁石式回転電機1を利用した圧縮機の場合,機内磁束の高調波成分による鉄損が低減するとともに,圧縮機のフレームに伝わる機内の脈動トルクおよび電磁加振力が抑制できたためである。また,実施例1の永久磁石式回転電機1は,特許文献1に類似した構造と比べて,回転子の外周形状が略円弧状となるため,圧縮機に用いた際に,油の撹拌の影響を抑制でき,圧縮機の効率も向上する。
ところで,現在の家庭用および業務用のエアコンでは,圧縮容器69内にR410A冷媒が封入されているものが多く,永久磁石式回転電機の周囲温度は80℃以上となることが多い。今後,地球温暖化係数がより小さいR32冷媒の採用が進むと周囲温度はさらに上昇する。永久磁石14,特にネオジム磁石を採用する場合,高温になると残留磁束密度が低下し,同一出力を確保するために電機子電流が増加することから,上述の実施例1の永久磁石式回転電機を適用することで,効率低下を抑制できる。なお,圧縮機に実施例1の永久磁石式回転電機を適用するにあたり,冷媒の種類が制限されるものではない。また,圧縮機は,図4に示すスクロ−ル圧縮機でも良いし,ロ−タリ圧縮機などの他の圧縮機構を有する圧縮機でも良い。
さらに,HeやR32などの冷媒においては,R22,R407C,R410Aなどの冷媒と比べて,圧縮機における隙間からの漏れが大きく,特に低速運転時には,循環量に対する漏れの比率が大きくなるため,効率が低下する。低循環量(低速運転)時の効率向上のためには,圧縮機構部を小形化し,同じ循環量を得るために回転数を上げることで,漏れ損失を低減させることが有効である。さらに,最大循環量を確保するために最大回転数も上げることが好ましい。これに対し,上述の実施例1の永久磁石式回転電機1を圧縮機に適用することで,最大トルクおよび最大回転数を大きくすることが可能となり,且つ高速域での損失低減が可能となるため,HeやR32等の冷媒を用いる際に効率を向上できる。
<実施例3>
図6は本実施例の回転子鉄心の形状を示す断面図である。図6において,図2と同一物には同一符号を付してある。本実施例では,永久磁石14が一極あたり2枚具備され,且つシャフト孔15に対して凸のV字状に(永久磁石14同士の間隔が外周側に向けて広がるように)配置されているため,渦電流損を小さくできる。なお,本実施例においても,上述の他の実施例と同様に,電機子反作用の影響による高調波成分を低減でき,脈動トルクおよび電磁加振力を低減し,回転子遠心力に伴う応力の影響も緩和できる。
1…永久磁石式回転電機
2…固定子
3…回転子
4…ティース
5…コアバック
6…固定子鉄心
7…スロット
8…電機子巻線
10a,10b…第2スリット
11…第1スリット
12…回転子鉄心
13…永久磁石挿入孔
14…永久磁石
15…シャフト孔
16…ブリッジ部
17…回転子磁極部
60…固定スクロール部材
61,64…端板
62,65…渦巻状ラップ
63…旋回スクロール部材
66a,66b…圧縮室
67…吐出口
68…フレーム
69…圧縮容器
70…吐出パイプ,
72…クランク軸
73…油溜め部
74…油孔
75…滑り軸受

Claims (11)

  1. 電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,
    前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,
    前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,
    を備えた永久磁石式回転電機において,
    前記回転子は,前記回転子の回転中心と前記永久磁石の周方向中央部とを結ぶ線をd軸とし,前記d軸と電気角で直交する軸をq軸としたとき,前記q軸上に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,
    前記回転子の最外周面の円弧角度をθ1,前記ブリッジ部の外周面の円弧角度をθ2とした場合,θ2/θ1≦0.5であることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 請求項1に記載の永久磁石式回転電機において,
    前記磁石挿入孔の外周側であって,前記磁石挿入孔の周方向中央部よりも周方向両端部に近い位置に,第2スリットが形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 請求項2に記載の永久磁石式回転電機において,
    前記第2スリットは,前記d軸に対して対称に複数形成されており,前記第2スリット間の距離が,前記ティースの最小幅寸法よりも大きいことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  4. 請求項1に記載の永久磁石式回転電機において,
    前記回転子の最外周面の円弧角度θ1が,電気角で90°以上120°以下であることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,
    前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,
    前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,
    を備えた永久磁石式回転電機において,
    前記回転子は,隣り合う前記永久磁石挿入孔同士の間に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,
    前記回転子の最外周面と,前記ブリッジ部の外周面と,を接続する中間外周面は,前記第1スリットの周方向端面より,なだらかに形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  6. 請求項5に記載の永久磁石式回転電機において,
    前記ブリッジ部の外周面から前記中間外周面にかけて,前記回転子の最外周面に対し凹んでいる部分の断面積が,前記第1スリットの断面積よりも小さいことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  7. 請求項1又は5に記載の永久磁石式回転電機において,
    隣り合う前記永久磁石孔の最近接部間を結ぶ仮想線よりも外周側に,前記第1スリットが形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  8. 請求項1又は5に記載の永久磁石式回転電機において,
    1極あたり2枚の前記永久磁石を有しており,前記永久磁石同士の間隔が,外周側に向けて広がるように配置されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  9. 冷媒の容積を縮小する圧縮機構と,前記圧縮機構を駆動する永久磁石式回転電機と,を有し,
    前記永久磁石式回転電機は,電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,を備えた圧縮機において,
    前記回転子は,前記回転子の回転中心と前記永久磁石の周方向中央部とを結ぶ線をd軸とし,前記d軸と電気角で直交する軸をq軸としたとき,前記q軸上に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,
    前記回転子の最外周面の円弧角度をθ1,前記ブリッジ部の外周面の円弧角度をθ2とした場合,θ2/θ1≦0.5であることを特徴とする圧縮機。
  10. 冷媒の容積を縮小する圧縮機構と,前記圧縮機構を駆動する永久磁石式回転電機と,を有し,
    前記永久磁石式回転電機は,電機子巻線が巻かれるティースを有する固定子と,前記固定子と隙間を介して配置され,複数の磁石挿入孔が形成された回転子と,前記磁石挿入孔のそれぞれに配置された永久磁石と,を備えた圧縮機において,
    前記回転子は,隣り合う前記永久磁石挿入孔同士の間に第1スリットが形成され,かつ,前記第1スリットの径方向外側にあって周方向に延びるブリッジ部を有し,
    前記回転子の最外周面と,前記ブリッジ部の外周面と,を接続する中間外周面は,前記第1スリットの周方向端面より,なだらかに形成されていることを特徴とする圧縮機。
  11. 請求項9又は10に記載の圧縮機において,
    前記冷媒がR32冷媒であることを特徴とする圧縮機。
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