JP6118227B2 - 永久磁石回転電機およびそれを用いる圧縮機 - Google Patents

永久磁石回転電機およびそれを用いる圧縮機 Download PDF

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本発明は、永久磁石回転電機およびそれを用いる圧縮機に関する。
圧縮機などに用いられる回転電機としては、回転子に永久磁石を埋設する埋込永久磁石(Interior Permanent Magnet;以下、IPMと略記する)構造が広く採用されている。
IPM構造を有する回転電機として、特許文献1には、突極集中巻線を有する固定子と、この固定子に対して回転ギャップを介して配置され、複数の永久磁石が内部に周方向に配置固定され、かつ、その間に補助突極を有する回転子とからなる永久磁石回転電機が記載されている。この永久磁石回転電機においては、回転子の極数と固定子のスロット数との比が2:3であり、かつ、固定子のスロットピッチをτs(電気角)としたとき、永久磁石の固定子側の面の周方向幅が回転子の軸に対してなす角度θ(電気角)を、θ≒n×τs/2+8×m(n=1もしくは2、m=1,2もしくは3)としている。これにより、脈動トルク、コギングトルク、あるいは、無負荷誘起電圧の波形歪みが低減される。
また、特許文献2には、集中巻の電機子巻線が施された固定子と、回転子鉄心に形成された複数の永久磁石挿入孔中に永久磁石が納められた回転子とを有する永久磁石回転電機が記載されている。この永久磁石回転電機においては、永久磁石の外周側の回転子鉄心に回転子の内周側から外周側に伸びた複数のスリットを形成し、スリットの周方向幅を、回転子鉄心の内周側より外周側を狭くするとともに、隣接するスリット間の距離を、回転子鉄心の内周側の距離よりも外周側の距離の方が狭くなるように配置し、回転子鉄心の磁極角度が電気角で90度から120度の範囲になるように回転子鉄心の外周面の極間に凹部を形成している。これにより、誘導起電力波形が正弦波に近づき、高調波が低減される。
特開2001−251827号公報 特開2005−27422号公報
特許文献1に記載の永久磁石回転電機においては、永久磁石の外周面の幅が軸に対してなす電気角を一定値以下にした場合、漏れ磁束を削減できる。しかし、永久磁石の外周面の幅が小さくなるため、磁石磁束が低下し、出力が低下する可能性がある。
他方、特許文献2に記載の永久磁石回転電機においては、回転子鉄心に電気角で90度から120度の範囲になるような凹部を設けることで、漏れ磁束を低減できる。しかし、特許文献2に記載の回転子形状では、回転電機の高速運転時にq軸インダクタンスLq,鉄損および磁石渦電流損が大きくなり、出力が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、出力を向上することができる埋込型の永久磁石回転電機およびそれを用いる圧縮機を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による永久磁石回転電機は、永久磁石を有する回転子と、回転子とギャップを介して対向配置される固定子とを備え、固定子は2:3集中巻線を有し、回転子は永久磁石が埋設される回転子鉄心を有し、回転子鉄心の外周面においては、回転子の隣り合う極間に凹部が設けられ、凹部の開度は電気角で略60°以上であり、回転子の外径d1と、回転子の回転中心から永久磁石の外周面の位置との距離d2との間の関係が0.65<(d2/d1)≦0.8であり、凹部内に一つ以上のリブを設け、リブの幅の総和は永久磁石の厚さ以下であり、リブが円弧状であり、凹部において、リブの内周および外周の各接点は、永久磁石の外周側表面よりも回転子の外周側に位置し、かつ回転子の極部の外周面よりも内周側に位置する。
さらに、上記課題を解決するために、本発明による圧縮機は、冷媒を吸い込んで圧縮し吐出する圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する永久磁石同期電動機を備え、永久同期電動機は上記本発明による永久磁石回転電機である。
本発明によれば、永久磁石回転電機の出力を向上できるとともに、圧縮機の効率を向上できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施例である埋込型の永久磁石同期電動機を示す。 集中巻2:3系列の磁石磁束利用状態に関する検討結果である。 回転子の断面形状を示す。 本実施例の永久磁石同期電動機の同期運転時におけるベクトル図を示す。 凹部の開度と磁石に発生する渦電流損との関係を示す。 回転子の径方向の寸法と回転子に作用する遠心力との関係を示す。 本発明の第2の実施例である埋込型の永久磁石式同期電動機を示す。 本発明の第3の実施例である圧縮機の断面構造図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施例について説明する。なお、図中、同一の機能を有するものは、同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の第1の実施例である埋込型の永久磁石同期電動機を示す。本図は、回転子および固定子の軸方向断面図である。
本実施例は、固定子9の内周側に回転子1を備えている。回転子1および固定子9は、回転子1の外周面と固定子9の内周面がギャップを介して対向するように配置される。また、回転子1は、図示しない軸受けによって回転自在に保持される。回転子鉄心2においては、平板状の永久磁石3が埋め込まれている。本実施例においては、回転子1の一つの極について、一枚の平板状の永久磁石3が埋め込まれている。これにより、高速回転時の遠心力に対する回転子1の強度が向上する。さらに詳細な回転子1の構成については、後述する。
固定子9は、固定子鉄心10と、固定子鉄心10における固定子ティース11に巻回された図示しない固定子巻線(図8の12)とで構成される。固定子巻線は三相の巻線U,V,Wを順に周方向に配置する。各巻線は複数のティースに跨って巻回される。
本実施例は、図1に示すように、ティース数6個に対し、回転子の極数4個であり、2:3集中巻方式の巻線構成を有する。
図2は、本発明者による集中巻2:3系列の磁石磁束利用状態に関する検討結果であり、本図を用いて本発明者が得た新規な知見について説明する。図2の上図は、3スロット分の集中巻固定子と2極分の回転子磁極を模式的に示す。2:3系列においては、U+とU−,V+とV−,W+とW−が、それぞれ1組の巻線を構成しており、U,V,W各相を順に周方向に配置する。図2の下図は、U,V,W各相の巻線に電流が通電されておらず、永久磁石3のみが磁束を発生する場合のギャップ磁束密度分布を示している。磁束密度の最大値を「Bp,max」と定義している。図2に示すように、2:3系列の集中巻では固有のティース配置の影響により、隣り合う磁極間において、磁石磁束の一部がティース先端で短絡ループを形成し漏れ磁束となる。本発明者の検討結果によれば、この角度は電気角で60度である。
次に、q軸インダクタンスLqと最大出力の関係について、図3,4を用いて説明する。
図3は回転子1の断面形状を示す。永久磁石同期電動機では、回転子磁極の中心位置をd軸、d軸に対し電気角で90度進んだ軸をq軸と定義する。IPM構造では、磁石が回転子内に埋め込まれているため、d軸方向は磁石厚tmの分だけ磁束が通り難い。このため、一般に、d軸インダクタンスLdはq軸インダクタンスよりも小さくなる(Ld<Lq)。
図4は本実施例の永久磁石同期電動機の同期運転時におけるベクトル図を示す。本図においては、交流量である電流,電圧や磁束を、dq軸座標系(回転座標系)に変換し直流量として示す。dq軸座標系では、永久磁石による固定子巻線一相分の鎖交磁束Ψpの位相を基準として、これをd軸とし、d軸に対して反時計回りに電気角で90°進んだ軸、すなわち極性の異なる永久磁石間の中心軸をq軸とする。Ψpの時間微分である誘導起電力E0は位相が90°進んだq軸に発生する。トルクを発生させるときには電動機に相電流Iを通電する。E0に対するIの位相差がβであるとき、Iはd軸成分Idおよびq軸成分Iqに分解できる。リラクタンストルクが発生しない場合、トルクを発生させるためにはIとしてIqのみを通電すれば良い。この時β=0となる。
固定子巻線の電気抵抗による電圧降下分を無視すると、駆動時の電動機電圧Vは、交流の角周波数をωとすると、d軸電流Idによって発生する反作用磁束に伴う電圧降下ωLdIdと、q軸電流Iqによって発生する反作用磁束に伴う電圧降下ωLqIqとE0とのベクトル和で表される。また、電動機の出力可能な最大電圧Vmaxはインバータの直流入力電圧および変調方式によって定まる。
ここで、V<Vmaxでは、回転数が増加した場合もトルクを発生させるためにはIqのみ通電すればよいことから、VはE0とωLqIqのベクトル和で表される。また、V=Vmaxでは、回転数が増加すると電動機の端子電圧をVmax一定とするためにIdが流れ始める。このとき電圧VはωLdId,ωLqIq,E0のベクトル和によって求められる。βが90度に達するとq軸電流Iqを通電できないため、出力トルクはほぼ0になる。そのため、Lqを小さくすれば、位相差βを低減して、出力トルクを発生するIqを増加させ、最大出力の増加が可能となる。
本実施例においては、図3に示すように、Lq増加の要因となるq軸磁束(A,B)は例えばU相ティース(図示せず)−回転子極部40−V相ティース(図示せず)の経路を通る。そのため、回転子1のq軸部分に凹部5を設け、上述したようなq軸磁束の経路の磁気抵抗を増加することにより、q軸磁束を通り難くし、Lqを低減している。
以下、本実施例における回転子の構成について、さらに詳しく説明する。
本実施例においては、図3に示すように、回転子1の回転子鉄心2に、細長い長方形状の磁石収容孔4を有する。磁石収容孔4に平板状の永久磁石3が挿入されることにより、回転子鉄心2に永久磁石3が埋設される。永久磁石3と磁石収容孔4とが周方向に沿って複数設けられることにより、回転子1の内部に周方向に沿って4つの極が構成される。4つの磁極の内、周方向に隣り合う二つの磁極の極性は互いに異なり、一方がS極ならば他方はN極である。
さらに、図3に示すように、回転子鉄心2の外周面において、回転子1の隣り合う2極間には、凹部5が設けられる。凹部5の最内径dcは永久磁石4の位置の最内径dmよりも小さな値に設定する。すなわち、凹部5内における回転子1の極部の側面Sに平行な方向(図中の矢印Dの方向)において、凹部5の底部bcは、永久磁石4の底部bmよりも深く、回転子の回転中心に近い側に位置する。従って、永久磁石4よりも回転子外周側および回転子内周側に回転子鉄心部が位置するが、凹部5により、永久磁石4よりも外周側を通る磁束Aおよび内周側を通る磁束Bが共に低減される。これにより、上述したq軸インダクタンスLqが低減する。
Lp低減により、上述したように、最大出力を増加することできる。さらに、永久磁石式電動機を高速回転させるためにd軸電流を流すいわゆる弱め界磁制御が、Lp低減によって、より有効になる。すなわち、本実施例によれば、永久磁石式電動機を高速化することができる。また、Lp低減により、固定子鉄心に鎖交する磁束が低減されるので、固定子鉄心の磁気飽和を緩和することができる。従って、トルクおよび出力を向上することができる。
極間には凹部5が設けられるが、図2を用いて上述したような本発明者が得た新規な知見、すなわち磁石磁束の漏れ磁束を生じうる領域が電気角で60度の範囲であることに基づき、凹部5の開度θmは60°以上とする。これにより、漏れ磁束が低減され、電動機出力を向上できる。さらに、上述したように、凹部5によりq軸磁束が低減されるので、Lqが低減される。これにより、電動機の最大出力を増大することができる。さらに、凹部5を設けることにより、回転子鉄心を形成する磁性体材料の量が低減されるため電動機の鉄損が低減されるので、電動機を高効率化できる。また、凹部5の開度を60°以上とすることにより、漏れ磁束に寄与する磁石部分が低減されるので、電動機の出力に寄与しない無駄な磁石量を削減できる。
次に、本実施例における永久磁石で発生する渦電流損について説明する。
図5は、凹部5の開度θmと磁石に発生する渦電流損との関係を示す。なお、本関係は、本発明者の検討結果により明らかになったものである。θmは電気角で示す。本実施例における渦電流損の大きさは、図5におけるθmが60度以上の場合に相当する。
図5に示すように、θmを60度以上にすることにより、渦電流損を大幅に低減することができる。磁石渦電流損は、例えば、U相巻線で発生した磁束が回転子極部40を通りV相およびW相に入る場合、この経路に永久磁石3があるために発生する。これに対し、本実施例では、θmを60度以上にすることにより、磁束経路の磁気抵抗が大きくなり、磁束が通りにくくなるため、磁石渦電流が低減される。なお、本実施例では、永久磁石3の磁束を大きくして電動機を小型化するために、ネオジウム磁石を用いているが、ネオジウム磁石の場合、フェライト磁石に比べ導電率が高いため大きな渦電流が流れるので、本実施例による渦電流損低減効果がより顕著である。
上述したように、θmを60度以上とすることにより、漏れ磁束が低減され、電動機出力およびトルクを向上できると共に、渦電流損を低減できるが、本発明者の検討によれば、回転子鉄心の製作精度、例えば、電気角で±3度あるいは機械角で±1度の範囲内で、60度よりも小さな角度であっても実質同じ効果を生じる。ここで、製作精度とは、例えば、回転子鉄心を構成する珪素鋼板に磁石収容孔4を形成する際の打ち抜き加工精度や、磁石収容孔4に挿入された永久磁石の位置精度などである。なお、製作精度の範囲でθmが60度よりも小さくなる場合、θmが60度以上の場合よりも、出力およびトルクの向上の程度は低くなるが、コギングトルクが低減されるという利点もある。
図6は、本実施例における、回転子の径方向の寸法と回転子に作用する遠心力との関係を示す。本図は、本発明者による検討結果である。図8において、縦軸は、図3に示す磁石収容孔4の端部における回転子鉄心2の薄肉部分aに作用する遠心力を示し、横軸は、図3における永久磁石3の位置d2と回転子鉄心2の外径d1との比すなわちd2/d1を示す。本実施例において、永久磁石3の位置d2は、永久磁石4の回転子外周側の面と回転中心の距離に相当する。なお、縦軸に示す遠心力は、ピーク値によって規格化されている。
図6によれば、d2/d1=0.5において遠心力は最大となる。従って、回転子の機械的強度の信頼性向上のためには、d2/d1=0.5は避け、d2/d1<0.5あるいはd2/d1>0.5とすることが好ましい。上述したq軸インダクタンスを低減するためには、永久磁石3よりも外側の鉄心部分が永久磁石3よりも内側の鉄心部分より少ない方が好ましい。従って、d2/d1>0.5とすることが好ましい。なお、本実施例は、IPM構造を有しているので、d2/d1の上限は1となる。さらに、本発明者の検討によれば、回転子の機械的強度の信頼性向上のためには、1>d2/d1>0.65とすることがなお一層好ましい。
また、本発明者の検討によれば、固定子巻線が発生する磁束が磁石4に通りにくくして渦電流損を抑制するためには、d2/d1≦0.8であることが好ましく、上述したように特にネオジウム磁石の場合その効果が顕著である。従って、機械的強度の信頼性向上と、渦電流損の抑制とが両立するためには、0.65<d2/d1≦0.8とすることが好ましい。
本発明者の検討によれば、上述したd2/d1についても、d2/d1=0.5を除く範囲で、かつ回転子の製作精度の範囲内であれば、上記の下限を下回ったり、上記の上限を超えたりしても、同じ効果を生じる。
図7は、本発明の第2の実施例である埋込型の永久磁石式同期電動機を示す。本図は、回転子の軸方向断面図である。なお、固定子は図1に示した第1の実施例と同様である。
本実施例においては、第1の実施例と異なり、回転子鉄心2における4か所の各凹部5内に、1個の円弧状のリブ7が設けられる。リブの幅wlは、例えば1mmである。リブ7の内周および外周との接点C1およびC2は、永久磁石3の外周側表面よりも回転子1の外周側に位置する。これにより、回転子形状の外周部は略円形となるので、一般に回転数の三乗で増加する風損を低減することができる。また、圧縮機などに用いる際に、油の攪拌を防ぐことができるので、圧縮機の効率が向上する。また、リブ7を設けることで、磁石収容孔4の端部における回転子鉄心2の薄肉部aへの応力集中を防ぐことができ、回転子の機械的強度の信頼性が向上し、高速回転が可能になる。
本実施例では、リブ7の幅wlは1.0mmとしているが、磁気特性としてはwlが薄いほど磁石端部での漏れ磁束が低減し、電動機の出力および効率が向上する。磁石端部の漏れ磁束を低減するためには、リブ7の幅wlは永久磁石4の厚さtm以下とすることが好ましい。また、本実施例において、各凹部5におけるリブは1本であるが、複数本でも良く、回転子の機械的強度が向上する。この場合、同じ凹部5に設けられるリブ7の幅の総和が永久磁石4の厚さtm以下とすれば、漏れ磁束を低減できる。
図8は、本発明の第3の実施例である圧縮機の断面構造図である。
図8の実施例において、圧縮機構部は、固定スクロ−ル部材13の端板14に直立する渦巻状ラップ15と、旋回スクロ−ル部材16の端板17に直立する渦巻状ラップ18とを噛み合わせて構成されている。そして、旋回スクロ−ル部材16をクランクシャフト6によって旋回運動させることで圧縮動作を行う。固定スクロ−ル部材13及び旋回スクロ−ル部材16によって構成される圧縮室のうち、最も外径側に位置している圧縮室19a,19bは、旋回運動に伴って固定スクロ−ル部材13及び旋回スクロ−ル部材16の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。
圧縮室19a,19bが固定スクロ−ル部材13及び旋回スクロ−ル部材16の中心近傍に達すると、両圧縮室内の圧縮ガスは圧縮室と連通した吐出口20から吐出される。吐出された圧縮ガスは、固定スクロ−ル部材13及びフレ−ム21に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレ−ム21下部の圧力容器22内に至り、圧力容器22の側壁に設けられた吐出パイプ23から圧縮機外に排出される。圧力容器22内に、固定子9と回転子1とで構成される永久磁石同期電動機103が内封されており、回転子1が回転することで、圧縮動作を行う。永久磁石同期電動機103の下部には、油溜め部25が設けられている。油溜め部25内の油は回転運動により生ずる圧力差によって、クランクシャフト6内に設けられた油孔26を通って、旋回スクロ−ル部材16とクランクシャフト6との摺動部、軸受け27等の潤滑に供される。圧力容器22の側壁には固定子巻線12を圧力容器22の外側に引き出すための端子箱30が設けられ、U,V,W各巻線の端子が計3個納められている。永久磁石同期電動機103に、前述の実施例1又は実施例2記載の永久磁石同期電動機を適用することで、圧縮機の効率を向上することができる。
本実施例においては、冷媒として、現在の家庭用・業務用空調機に広く用いられているR410A冷媒より地球温暖化係数がより小さいR32冷媒が、圧縮容器22内に封入されている。R410A冷媒を用いる場合、永久磁石同期電動機103の周囲温度は80℃以上となるが、R32冷媒を用いる場合、周囲温度はさらに上昇する。従って、永久磁石3がネオジウム磁石である場合には、高温では磁石に発生する渦電流損が増加するが、前述の実施例1または実施例2の永久磁石同期電動機を適用することで、渦電流損による圧縮機の効率低下を抑制することができる。
また、R32やヘリウム(He)などの冷媒においては、R22,R407C,R410Aなどの冷媒に比べ、隙間からの漏れが大きく、漏れ損により圧縮機の効率が低下する。特に低速運転時には循環量に対する漏れの比率が大きくなる。低循環量(低速運転)時の効率向上のためには、圧縮機構部を小型化し、同じ循環量を得るために回転数を上げることで、漏れ損失を低減させることが有効である。また、最大循環量を確保するために最大回転数の向上が有効である。従って、本実施例の圧縮機では、高出力化および高速化が可能な実施例1または実施例2の永久磁石同期電動機を適用することにより、R32冷媒を用いながらも効率向上が可能になる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、永久磁石3は、ネオジウム磁石に限らず、他の希土類磁石、もしくはフェライト磁石でも良い。また、回転子の各極部が備える永久磁石3の形状は、1枚の平板状に限らず、複数の屈曲点および直線部分を有するような断面形状でも良いし、二枚の平板状磁石からなるV字状の断面形状としてもよい。また、永久磁石3は1極につき周方向に分割されることなく一体で構成しても良いし、複数個を周方向に分割して配置しても良い。また、永久磁石3は、軸方向に複数個を分割して構成しても良いし、分割することなく一体で構成しても良い。
回転子鉄心2および固定子鉄心10は軸方向に積み重ねた積層鋼板で構成しても良いし、圧粉磁心やアモルファス金属などで構成しても良い。上記実施例では、固定子巻線の構成を、4極6スロットの2:3集中巻としたが、極数とティース数の比が2:3であれば、6極9スロットでも良いし、8極12スロットでも良い。また、Lqを低減するため、回転子極部40にスリットを設けても良い。
圧縮機構成は、図6に示したスクロ−ル圧縮機でも良いし、ロ−タリ圧縮機などの他の圧縮機構を有するものでも良い。
冷媒は、R32冷媒に限らず、ヘリウム(He),R22,R407C,R410Aなどの他の冷媒でも良い。
1…回転子、2…回転子鉄心、3…永久磁石、4…永久磁石収容孔、
5…凹部、6…クランクシャフト、7…リブ、9…固定子、
11…ティース、13…固定スクロ−ル部材、14…端板、
15…渦巻状ラップ、16…旋回スクロ−ル部材、17…端板、
18…渦巻状ラップ、19a,19b…圧縮室、20…吐出口、
21…フレ−ム、22…圧力容器、23…吐出パイプ、
24…バランスウェイト、25…油溜め部、26…油孔、27…軸受け、
30…端子箱、40…極部、103…永久磁石同期電動機

Claims (5)

  1. 永久磁石を有する回転子と、
    前記回転子とギャップを介して対向配置される固定子と、
    を備え、
    前記固定子は2:3集中巻線を有し、
    前記回転子は前記永久磁石が埋設される回転子鉄心を有し、
    前記回転子鉄心の外周面においては、前記回転子の隣り合う極間に凹部が設けられ、
    前記凹部の開度は電気角で略60°以上であり、
    前記回転子の外径d1と、前記回転子の回転中心から前記永久磁石の外周面の位置との距離d2との間の関係が0.65<(d2/d1)≦0.8であり、
    前記回転子鉄心には、前記凹部内に一つ以上のリブを設けられ、前記リブの幅の総和は前記永久磁石の厚さ以下であり、前記リブが円弧状であり、
    前記凹部において、前記リブの内周および外周の各接点は、前記永久磁石の外周側表面よりも前記回転子の外周側に位置し、かつ前記回転子の極部の外周面よりも内周側に位置することを特徴とする永久磁石回転電機。
  2. 請求項1において、
    前記永久磁石は希土類磁石であることを特徴とする永久磁石回転電機。
  3. 請求項2において、
    前記永久磁石はネオジウム磁石であることを特徴とする永久磁石回転電機。
  4. 冷媒を吸い込んで圧縮し吐出する圧縮機構部と、
    前記圧縮機構部を駆動する永久磁石同期電動機を備えた圧縮機であって、
    前記永久磁石同期電動機は、請求項1に記載の永久磁石回転電機であることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項4において、
    前記冷媒がR32冷媒であることを特徴とする圧縮機。
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