JP3371314B2 - Dcブラシレスモータおよび制御装置 - Google Patents
Dcブラシレスモータおよび制御装置Info
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- H02K21/14—Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets with stationary armatures and rotating magnets with magnets rotating within the armatures
Description
有するDCブラシレスモータおよび制御装置に関する。
造で分類された2つの種類がある。そのうちの1つは、
回転子ヨークの表面に界磁用永久磁石を装着した表面磁
石型であり、もう1つは、回転子ヨークの内部に界磁用
永久磁石を埋め込んだ埋め込み型である。
面磁石型の回転子では、高速回転時の遠心力による界磁
用永久磁石の破壊を防ぐためステンレス管を装着する構
造が一般的に採られている。以上の構造のため、表面磁
石型の回転子の場合、界磁用永久磁石と、回転子ヨーク
と、電機子とで構成される磁気回路の磁気抵抗が大きく
なる傾向があり、また、モータを数k〜20kHzにチ
ョッピングされた電源で駆動するため、ステンレス管に
渦電流が流れ、これがモータ効率を悪化させる原因とな
る。
ークの内部に、界磁用永久磁石を挿入するスロットを予
め回転子ヨークを打ち抜く際に形成するので、ステンレ
ス管を使用する必要がなく、このため渦電流の発生を大
幅に減少させることができる。
束が増加し、磁気回路の有効磁束数が減少して、磁石の
有効活用が図れなくなることから、これを防止する工夫
が必要である。
いから機器定数も大きく変わり、その結果、モータ出力
特性も大きく異なる。なお、永久磁石の透磁率は、真空
の透磁率に近いため永久磁石のある部分は空気と等価と
考える。
ンダクタンスとq軸インダクタンスとが等しく、電流と
トルクの線形性を有するので、加減速特性、トルク制御
等、制御性が良好でありサーボモータに多く使用され
る。
ンダクタンスがd軸インダクタンスよりも大きいという
特徴を有する(逆突極性)。そのため永久磁石のアクテ
ィブトルクだけでなく、リラクタンストルクを利用した
最大トルク制御が可能であり、高出力・高効率な特性を
得ることができる。
は、インバータ駆動装置のDCリンク電圧とモータの逆
起電力とで制限される回転数以上の運転範囲について
も、逆起電力の位相に対して電機子電流の位相を制御す
ることで電機子反作用を利用した等価弱め界磁制御によ
って運転を可能とすることができる。このため、埋め込
み型回転子構造のモータは、小型・高効率でかつ広い運
転範囲を持つことが要求される移動体駆動用モータとし
て有望なモータである。
域と、短時間であれば運転できる領域とがある。これは
モータの温度上昇で決まる。詳細な説明は省略するが、
それぞれ連続定格、短時間定格という。そして、連続定
格時に流し続けられる電流を連続定格電流と呼ぶ。
示す。また、連続定格電流で従来の埋め込み型回転子構
造のモータを運転した時の出力特性を図21に示す。
タの逆起電力と電機子電流とが同位相となるように運転
したとき(id =0制御という)の最大の回転数と、弱
め界磁制御によって運転したときの最大の回転数との比
は、1.6である(9200/5600rpm)。
転できる回転数範囲を1.6倍まで拡大することができ
る。また、図示しないが連続定格電流以上の電流を電機
子に流せばさらに運転範囲を拡大することができる。
子を有するDCブラシレスモータを従来の技術を用いて
制御することで、小型・高効率でかつ広い運転範囲を持
つことが可能である。
転子を有するDCブラシレスモータでは、連続定格電流
での運転範囲の拡大は、1.6倍程度までが限界であ
り、さらに広い運転範囲を得るためには、電機子電流が
大きくなり、連続して運転することはできない。このた
め、例えば、移動体が高速巡航する場合において不都合
を生じる。
を電源とする移動体の駆動用モータにおいては、モータ
のみでなく制御装置、伝達機構をも含めて小型・高効率
で広い運転範囲を持つことが要求される。
合、連続定格の範囲で移動体の運転速度範囲をさらに拡
大するためには、多段の変速機構を用いる必要があり、
このため、装置が大型化してしまうという問題がある。
めには、大きな電機子電流を必要とする。よって、モー
タでは銅損の増加により発熱量が増加し、これにより運
転可能な時間が短縮されてしまうので、従来では、モー
タ冷却効率を向上させる工夫が必要であり、このためモ
ータが大型化するという問題点を有していた。また、制
御装置では、インバータスイッチ素子の電流定格を大き
くしなければならず、制御装置の大型化をまねくという
問題点を有していた。
囲が広いDCブラシレスモータおよび制御装置を提供す
ることにある。また、効率の良いDCブラシレスモータ
および制御装置を提供することにある。
(1)〜(3)の本発明により達成される。
る回転子ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するD
Cブラシレスモータにおいて、前記主磁極に径方向寸法
がLmのスロットが形成され、該スロットに厚さがほぼ
Lmの界磁用永久磁石が挿入されており、前記回転子と
前記電機子との間に形成されたエアギャップのエアギャ
ップ長をLgとしたとき、0<Lm+Lg≦2mmを満足
するよう設定されていることを特徴とするDCブラシレ
スモータ。
回転子ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するDC
ブラシレスモータにおいて、前記主磁極にスロットが形
成され、該スロットに界磁用永久磁石が挿入されてお
り、前記回転子ヨークの隣接する主磁極と主磁極との間
に該回転子ヨークの一部を突出させた補助突極が形成さ
れ、かつ、前記補助突極と前記電機子との間に所定長の
エアギャップが形成されて、前記電機子ヨークの巻線部
スロット幅角度寸法をθ2 、前記電機子ヨークのスロッ
ト歯部角度寸法をθ1 、前記回転子の主磁極端部から補
助突極端部までの角度寸法をγとするとき、γ>θ1 +
θ2 の関係を満足するよう設定されているDCブラシレ
スモータ。
回転子ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するDC
ブラシレスモータにおいて、前記主磁極にスロットが形
成され、該スロットに界磁用永久磁石が挿入されてお
り、前記回転子ヨークの隣接する主磁極と主磁極との間
に該回転子ヨークの一部を突出させた補助突極が形成さ
れ、かつ、前記補助突極と前記電機子との間に所定長の
エアギャップが形成され、前記電機子ヨークの巻線部ス
ロット幅角度寸法をθ2 、前記電機子ヨークのスロット
歯部角度寸法をθ1 、前記回転子の主磁極端部から補助
突極端部までの角度寸法をγとするとき、γ=θ1 +2
θ2 の関係を満足するよう設定されているDCブラシレ
スモータ。
ータおよび制御装置を添付図面に示す好適実施例に基づ
いて詳細に説明する。
レスモータおよび制御装置の構成例を示すブロック図で
ある。同図に示すように、本発明の制御装置は、DCブ
ラシレスモータ(モータ)3の駆動を制御するモータ制
御装置であり、DCブラシレスモータ3の回転子位置を
検出する回転子位置検出手段4と、DCブラシレスモー
タ3の電機子電流を検出する電流検出手段5と、3相P
WMインバータ(インバータ)2と、3相PWMインバ
ータ2の作動を制御するインバータ制御部6とを有して
いる。
直流電圧が3相PWMインバータ2に供給(印加)さ
れ、この3相PWMインバータ2により3相交流電圧が
生成される。そして、前記3相PWMインバータ2によ
り、DCブラシレスモータ3の電機子巻線(3相電機子
巻線)に所定のパターンで通電する。
検出、生成された回転子位置信号と、電流検出手段5に
よって検出、生成された電流信号(検出電流)と、速度
指令とが、それぞれ、インバータ制御部6に入力され、
インバータ制御部6は、これら回転子位置信号と、電流
信号と、速度指令とに基づいて、3相PWMインバータ
2の作動を制御し、DCブラシレスモータ3を運転(駆
動)する。
構成例を示す要部断面図である。同図に示すように、本
発明のDCブラシレスモータ3は、電機子31と、図示
しない回転軸によって支持された回転子32とで構成さ
れている。電機子31と回転子32との間には、エアギ
ャップが設けられており、回転子32は、一定のエアギ
ャップ長Lgを保ちながら回転し得るようになってい
る。
(金属板)により構成された電機子ヨーク(電機子鉄
心)を有している。この電機子ヨークには、図示しない
3相電機子巻線が設けられている。
例では4つ)の主磁極321を有する回転子ヨークを備
えている。この回転子ヨークは、積層された複数枚の鋼
板(金属板)により構成されている。
ぞれ、径方向寸法(径方向の長さ)がLmのスロット3
22が形成されている。そして、各スロット322に
は、それぞれ、厚さ(径方向の長さ)がほぼLm(スロ
ット322の径方向寸法Lmとほぼ同一)の界磁用永久
磁石(磁石)323が埋め込まれている。
石323の種類(例えば、組成)等は、特に限定されな
いが、例えば、希土類元素と、遷移金属と、ボロンとを
基本成分とする希土類磁石のような優れた磁気特性の磁
石を用いることが望ましい。
性としては、20℃におけるエネルギー積(BH)max
は、20〜50MGOe程度、また、飽和磁束密度Br
は、9.0〜14.0kG程度、また、保磁力i Hc
は、15〜25kOe程度が好ましい。
の固定方法にはいくつかあるが、本実施例では、界磁用
永久磁石323の寸法をスロット322よりわずかに小
さく設定し、界磁用永久磁石323をスロット322へ
挿入した後、回転子ヨークの軸方向両端面に図示しない
非磁性板を被せることで固定している。この他にも例え
ば、界磁用永久磁石323をスロット322に圧入する
方法、界磁用永久磁石323をスロット322に接着す
る方法などが挙げられ、それぞれに応じて、スロット3
22、界磁用永久磁石323の寸法を設定する。
子反作用を大きくするように、その諸寸法が設定され
る。すなわち、スロット322の径方向寸法Lmと、エ
アギャップ長Lgとの関係が、0<Lm+Lg≦2mm、
好ましくは、0<Lm+Lg≦1.3mmを満足するよう
設定される。
に増速比が小さく、運転範囲が狭い。
系におけるDCブラシレスモータの電圧電流方程式は次
式で与えられる。
巻線抵抗、φmag は、有効磁束数、vd は、モータ端子
電圧のd軸成分(d軸電圧)、vq は、モータ端子電圧
のq軸成分(q軸電圧)、id は、電機子電流のd軸成
分(d軸電流)、iq は、電機子電流のq軸成分(q軸
電流)、Ld は、電機子インダクタンスのd軸成分(d
軸インダクタンス)、Lq は、電機子インダクタンスの
q軸成分(q軸インダクタンス)である。
ータ3に印加できる最大の電圧、すなわち3相PWMイ
ンバータ2のDCリンク電圧Vとは、次式で表される関
係にあり、この関係が満足できる範囲での高速回転が可
能となる。
回転においては電機子巻線抵抗rによる電圧降下の影響
が小さいのでこれを無視して整理すると次式となる。
速度が上昇しV=Vm となると、それ以上回転速度を上
昇させることができないことを示すが、id を流すこと
で、vq の項を小さくすることができ、さらに回転速度
を上昇させることができることを示す。
のd軸電流について考える。界磁用永久磁石323の磁
束を完全に打ち消すために必要なd軸電流をid0とする
と、そのid0は、次式で示される。
d が大きい方が、すなわち電機子反作用の大きなモータ
がid0を小さくすることができ、よって弱め界磁に必要
なid を小さくすることができることを示している。
た磁気回路構成を示す回路図である。図3中、Fm は、
界磁用永久磁石323の起磁力、Rg は、エアギャップ
の磁気抵抗、Rm は、回転子32の界磁用永久磁石32
3を挿入するスロット部の磁気抵抗、Rr は、回転子ヨ
ークの磁気抵抗、Ry は、電機子ヨークの磁気抵抗を示
している。
>>Ry ,Rr の関係がある。電機子反作用の強さは、
この磁気回路の磁気抵抗の総和の逆数に比例すると考え
ることができるので、Rm ,Rg の小さな磁気回路が構
成できればLd の大きな、すなわち弱め界磁に必要なi
d の小さなモータが実現できる。
結果を説明する。本実施例の2つのDCブラシレスモー
タ(実施例1−1、実施例1−2)と、従来のDCブラ
シレスモータとについて、下記表1に、磁気回路を構成
する各寸法およびモータの諸特性をそれぞれ示す。
がモータ連続定格電流値Imrの3.8倍であるのに対し
て、本実施例のモータでは、id0がモータ連続定格電流
値Imrの2〜3.2倍であり、より電機子反作用を強く
受けることが証明された。
ラフ、図5は、実施例1−2の出力特性を示すグラフで
ある。
制御したときの最高回転速度に対して、モータ連続定格
電流値Imrで弱め界磁制御したときの最高回転速度の比
(増速比)が、実施例1−1では4(4倍)、実施例1
−2では2(2倍)になっている。
示すグラフである。同図に示すように、界磁用永久磁石
323の厚さやエアギャップ長が小さいほど、より小さ
な電流で弱め界磁の効果が得られ、増速比が高い。な
お、Lm+Lgの下限については、永久磁石の不可逆減
磁の問題と、製造の容易性とを併せて定めるのが好まし
い。
明1に使用した界磁用永久磁石の動作を説明するグラフ
を示す。使用した磁石は、(BH)max =32MGO
e、20℃でのBr=11.5kG、i Hc =21kO
e、厚み1mmであり、図7中に示す曲線および直線は、
それぞれ、モータ運転最高温度100℃での4πI−
H、B−Hの磁気履歴曲線と、外部から逆磁場を印加し
ないときの動作線Aおよび連続定格電流のすべてをd軸
に流して逆磁場を与えたときの動作線Bである。
曲線との交点が動作点となるが、その動作点は、屈曲点
よりも図7中右側にあり、不可逆減磁はほとんど起こる
ことはない。図示しないが連続定格電流の2倍の電流を
流しても不可逆減磁は起こらない。従って、短時間であ
れば2倍の電流をd軸に流すこともできる。
であって、かつ短時間であれば130℃まで運転が可能
であり、充分な信頼性を確保できる。
とが可能であれば、磁石厚みを薄くすることができる。
ば、不可逆減磁に対する余裕が増加する。
磁束密度から、磁束密度の減少率は0.58と計算さ
れ、約1/2の弱め界磁が可能であることがわかる。
の容易性について説明する。エアギャップ長Lgは、電
機子31、回転子32の加工精度と、電機子31、回転
子32の同芯度とによって影響され、通常は、組立、加
工のバラツキを加味して0.35〜0.7mm程度に設定
するが、0.2mm程度までは現状の構成で容易に小さく
することができる。
の機械強度および磁石の減磁限界とを併せて決定する必
要がある。
組み込み取扱い上必要となる強度でよいが、検討に使用
したNd−Fe−Bの焼結希土類磁石は比較的脆弱であ
り、十分な強度を得るには、その厚さは、約0.8mm程
度を必要とする。Pr−Fe−Bの鋳造・圧延希土類磁
石は機械強度が高いが、十分な強度を得るには、その厚
さは、約0.1mm程度を必要とする。
の面からは、その厚さをさらに薄くする事ができる。
2mmと、スロット322の径方向寸法Lmの最小値0.
1mmとを足した長さは、以上の理由により、最低0.3
mm程度に設定することが可能である。
と、エアギャップ長Lgとの関係が、0.3mm≦Lm+
Lg≦2mmを満足するよう設定されているのがより好ま
しく、0.3mm≦Lm+Lg≦1.3mmを満足するよう
設定されているのがさらに好ましい。
プ長を0.3mmに設定した実施例1−2のモータ(Lm
+Lg=2mm)では、前述したように、id =0制御で
の最大回転数と、連続定格電流で弱め界磁制御した時の
最大回転数との比(増速比)が、2であり、連続定格電
流での運転回転数範囲が2倍に拡大される。
足するよう設定する場合には、モータの製造が容易であ
り、かつ、増速比を2以上にでき、すなわち、連続定格
電流での運転回転数範囲を2倍以上に拡大することがで
きる。
クータ等において、変速機構を3段式から2段式のもの
に変更することができ、すなわち、変速機構等の動力伝
達機構を簡略化、小型化することが可能である。
0.3mmに設定した本発明1のモータ(Lm+Lg=
1.3mm)では、前述したように、増速比が4であり、
連続定格電流での運転回転数範囲が4倍に拡大される。
を満足するよう設定する場合には、モータの製造が容易
であり、かつ、増速比を4以上にでき、すなわち、連続
定格電流での運転回転数範囲を4倍以上に拡大すること
ができる。
クータ等、比較的最高速度の低い移動体では、変速機構
を省略することが可能であり、動力伝達機構等を含めた
装置全体の小型化に寄与する。
明したが、さらに磁石表面各所の減磁について検討す
る。
続定格電流をd軸に流して逆磁場を与えた場合の磁石表
面磁束密度をFEMによって解析した結果を示す。この
解析に使用した本発明における界磁用永久磁石323
は、モータ軸方向断面形状が長方形(矩形)のものであ
り、図8に示すグラフの横軸は、磁石厚さ方向に垂直な
方向での位置、すなわち磁石幅方向での位置を示す。
磁束密度が中央部の表面磁束密度に比べ低下しているこ
とがわかる。このままでも不可逆減磁を起こして性能を
低下させることはないが、端部に面とりを施し、減磁界
の影響を緩和させることが望ましい。
さは、1mmであり、磁石単体でのパーミアンスは、0.
06と非常に小さいため着磁には30kOe以上の磁界
が必要であり、また、磁石単体では反磁界が大きいた
め、磁石単体で着磁した後に磁気回路に組み込んだ場
合、有効磁束数も減少してしまう。
ークの主磁極321に埋め込んで磁気回路を構成した後
に着磁するのが望ましい。このように界磁用永久磁石3
23を主磁極321に埋め込んだ状態で着磁を行うこと
により、界磁用永久磁石323の着磁時のパーミアンス
が向上するので着磁が容易となり、これによりモータ生
産性が向上し、また、有効磁束数を増加させることがで
きる。さらに、界磁用永久磁石323を未着磁の状態で
主磁極321に組み込めるので、磁気吸引力の影響を受
けることがなく、モータ生産性が向上するという利点を
有する。
磁ヨークを配置し、エアギャップ長を0.1mm程度に保
つとパーミアンスが6以上に上昇し、20kOe程度の
磁界で着磁が可能となる。
ルとして電機子31の電機子巻線を使用、すなわち、電
機子31を着磁ヨークとして用いるのが好ましい。電機
子31を着磁ヨークとして用いると、パーミアンスは
3.4程度になるが、専用着磁ヨークを用いた場合と同
様、20kOeの磁界で着磁が可能である。この場合に
は、専用着磁ヨークを省略することができる。
大きくするためには、モータ外径を大きくし、電機子巻
線を巻くスペースを大きくして起磁力を増加させ、回転
子32の最大外径(最大直径)Dを大きく(図2参
照)、かつ、磁石量を増加させて、有効磁束数を増加さ
せるとともに、電機子起磁力の増加による減磁を防止す
るために、磁石の厚さを大きくしてパーミアンスを高く
設定する。
くするため(小さくてもよい場合)には、前記とは逆
に、回転子32の最大外径Dを小さく、磁石の厚さを小
さくする。
磁石の厚さ(スロット322の径方向寸法Lm)+エア
ギャップ長Lg、特に、回転子32の最大外径Dと、磁
石の厚さとは正の相関関係にある。
と、エアギャップ長Lgと、回転子32の最大外径Dと
の関係(Lm+Lgと、Dとの関係)が下記(1)式を
満足するように設定され、好ましくは、下記式(2)式
を満足するように設定される。
モータの運転範囲が狭い。
うに製造上の理由等から、0.3mm程度が好ましい。す
なわち、より好ましくは、Lmと、Lgと、Dとの関係
が下記(3)式を満足するように設定され、さらに好ま
しくは、下記式(4)式を満足するように設定される。
示す構成のものに限定されず、この他、例えば、図9に
示すように、主磁極10の1つおきにスロット9が形成
され、そのスロット9に界磁用永久磁石11が埋め込ま
れた構成であってもよい。
用永久磁石11が埋め込まれている場合でも、前述した
本実施例と同様に、Lm+Lgが所定の不等式を満足す
るよう設定される。但し、この場合には、回転子ヨーク
のスロット9の径方向寸法(磁石厚さ方向の寸法)の1
/2をLmとする。
明する。図10は、本発明の制御装置の構成例を示すブ
ロック図である。
制御部6は、速度検出手段61、電流指令値作成部62
および電流制御部63で構成されている。
リーエンコーダによって構成され、その出力信号、すな
わち、回転子位置信号θは、電流指令値作成部62に供
給されるとともに、速度検出手段61に供給され、速度
検出手段61で速度信号ωに変換される。
と、回転子位置信号θとに基づいて、3相電機子電流振
幅・位相の指令値を算出し、3相電機子電流値iu*、i
v*、iw*を作成する。
iu*、iv*、iw*に対して、電流検出手段5からの検出
電流と、速度検出手段61からの速度信号ωとに基づ
き、電流値を補正し、インバータ2の各スイッチ素子
(パワー素子)に印加する電圧指令値(ゲート信号)を
作成する。
示す電流ベクトル軌跡に沿って電流値を補正する。
のd軸、q軸成分であるiqr、idrで囲まれている円弧
の範囲、iqmaxの円弧と、idrの直線で囲まれる範囲
(d軸電流id がImrを超えない範囲)、iqmax、i
dmaxで囲まれる円弧の範囲で運転されるよう補正し、電
機子電流を制御する。前記iqmax、idmaxは、モータと
して最大限必要なトルクを発生する電流値であり、通
常、Imrの2〜4倍程度である。なお、前記の範囲を
超える範囲での運転(、の運転)は、比較的短い時
間のみ可能とする(許可する)のが好ましい。
軸成分であるiqr、idrで囲まれている円弧の範囲で運
転するよう制御すれば連続運転が可能となる。図4およ
び図5に示すモータ出力特性では、図11のiqr、idr
で囲まれた円上の軌跡をたどる。
れる範囲で運転するよう制御すれば、出力トルクを増加
させることが可能となり、かつ界磁用永久磁石を不可逆
減磁から守ることができる。
囲で運転するよう制御すれば、最高回転数をさらに向上
させることができ、運転範囲を拡大することができる
が、運転時のモータ温度を観測し、界磁用永久磁石の不
可逆減磁に注意する必要がある。
としてロータリーエンコーダを用いたが、本発明では、
回転子位置検出手段は、特に限定されず、前記ロータリ
ーエンコーダの他、例えば、位置センサレス制御等によ
り回転子位置を検出する手段を用いればよい。
は、それぞれ、本発明のDCブラシレスモータの回転子
の他の構成例を示す平面図である。なお、DCブラシレ
スモータの電機子や制御装置の構成は、前述した実施例
1と同一であるので説明を省略する。
モータの回転子は、外周部に2つ以上(本実施例では4
つ)の主磁極7を有する回転子ヨークを備えている。こ
の回転子ヨークは、積層された複数枚の鋼板(金属板)
により構成されている。
れ、スロット71が形成されている。そして、各スロッ
ト7には、それぞれ、界磁用永久磁石72が埋め込まれ
ている。
7との間には、回転子ヨークの一部を突出させた補助突
極8が形成され、補助突極8と図示しない電機子との間
には、所定長さ(一定の長さ)のエアギャップが形成さ
れている。
軸の中心部から放射線状(径方向)に突出している。
7の先端部とは、所定距離離間している。すなわち、補
助突極8の先端部は、主磁極7から分離・独立して形成
されている。これにより、主磁極7から発生する主磁束
の漏洩磁束を最小限に留めることができる。また、補助
突極8を設けることにより、q軸インダクタンスを増加
させることができる。
は、径方向に沿ってほぼ一定である。
放射状に突出した補助突極8の先端部までの長さは、回
転子ヨークの回転軸の中心部から主磁極7の先端部まで
の長さにとほぼ同一に設定されている。なお、この回転
子を回転子Aとする。
モータの回転子は、補助突極8の形状のみが前述した回
転子Aと異なり、これ以外はほぼ同一である。
の断面積が漸増する部分を有している。すなわち、補助
突極8は、その先端部が基端部に比べ広がっている。な
お、この回転子を回転子Bとする。
モータの回転子は、補助突極8の形状のみが前述した回
転子Bと異なり、これ以外はほぼ同一である。
の断面積が漸増する部分を有している。この場合、断面
積は先端まで漸増しており、前述した回転子Bよりも補
助突極8の先端部の広がりが大きい。なお、この回転子
を回転子Cとする。
前記数1から電力を求め、電力/回転角速度で求めるこ
とができるDCブラシレスモータの発生する瞬時トルク
τは、次式で示される。
磁石72によるアクティブトルクであり、右辺第2項
は、リラクタンストルクを示している。また、pp は、
極対数を示す。q軸インダクタンスがd軸インダクタン
スよりも大きい逆突極性を有するDCブラシレスモータ
のトルクは、前記2種類のトルクの合成である。尚i
d、iqは、次式で定義する。
は、電機子電流を表している。
突極8を設けることにより、電機子起磁力による磁束を
回転子ヨーク内部に通すことでq軸インダクタンスを大
きくすることができ、出力トルクを増加させることがで
きる。
(回転子A、B、C)の発生するトルクの平均値と、従
来例におけるトルクの平均値とを示す。なお、それぞ
れ、8Aの電機子電流での最大トルクを表している。
とにより、従来例に比べて、それぞれ、トルクが約5%
向上する。その結果、同一トルクを発生させる場合に
は、電機子電流値を減少させることができる。この場
合、例えば、3500rpmでは、モータ効率が1%程
度上昇し、1000rpmでは、モータ効率が2%程度
上昇した。
に、図16に、図12〜図14に示す回転子A〜Cを有
するモータの発生する瞬時トルクを示す。
度)区間の瞬時トルクを解析により求め、その結果を示
したグラフである。
動が最も大きく、回転子B、回転子Cと漸次トルクの脈
動が小さくなっている。このため、補助突極の形状は、
回転子Aよりも回転子Bが好ましく、回転子Bよりも回
転子Cが好ましい。
助突極8との位置関係を説明する。図17は、主磁極
7、補助突極8およびこれらの近傍を示す平面図であ
る。
スロット幅角度寸法をθ2 、スロット歯部角度寸法をθ
1 とし、回転子の主磁極7の周方向端部(主磁極端部)
から補助突極8の周方向端部(補助突極端部)までの角
度寸法をγとするとき、回転子Aでは、γ=θ1 +θ2
の関係にあり、回転子Bでは、γ=θ1 +(3/2)×
θ2 、回転子Cでは、γ=θ1 +2θ2 の関係にある。
ク脈動としたとき、トルク脈動とγとの関係を図18に
示す。
き、すなわちγが電機子スロットの1ピッチ角度と同一
の場合には、トルク脈動が大きい。そして、γをγ=θ
1 +θ2 から大きくしていくとトルク脈動は減少し、さ
らにγを大きくして、γ=θ1+2θ2 の関係にある回
転子Cの構造で補助突極8によるトルクを正の値だけに
することができる。このγ=θ1 +2θ2 の関係にある
回転子Cの構造が、最もトルク脈動の小さい構造であ
る。
トルクを増大させることができるが、トルク脈動を減ら
す為には、θ1 、θ2 およびγが、γ>θ1 +θ2 の関
係を満足するよう(γが電機子スロットの1ピッチ角度
よりも大きく)設定されてるのが好ましく、γ≧θ1 +
(3/2)×θ2 の関係を満足するよう設定されている
のがより好ましく、γ=θ1 +2θ2 の関係を満足する
よう(γがθ1 +2θ2 付近の値になるよう)設定され
ているのが特に好ましい。
放射状に突出した補助突極8の先端部までの長さと、回
転子ヨークの回転軸の中心部から主磁極7の先端部まで
の長さとの関係によって出力トルクの増加の度合い、お
よびトルク脈動の大きさが変化する。
転子ヨークの回転軸の中心部から主磁極7の先端部まで
の長さより長く、かつ、回転子ヨークの回転軸の中心部
から主磁極7の先端部までの長さにエアギャップ長Lg
を加えた長さよりも短く設定されているのが好ましい。
この場合には、補助突極8によるトルクが増加するの
で、さらに、出力トルクの増加を図ることができる。
端部までの長さと、回転子ヨークの回転軸の中心部から
主磁極7の先端部までの長さとがほぼ同一に設定されて
いるが、本発明では、前記補助突極8の先端部までの長
さは、回転子ヨークの回転軸の中心部から主磁極先端部
までの長さより短く設定されていてもよい。
子ヨークの回転軸の中心部から主磁極7の先端部までの
長さより短く設定することで補助突極8によるトルクは
減少するが、トルク脈動を減少させることができる。
と、前述した実施例1の構成とを任意に組み合わせても
よい。
シレスモータの回転子の他の構成例を示す平面図であ
る。なお、DCブラシレスモータの電気子や制御装置の
構成は、前述した実施例1と同一であるので説明を省略
する。
ータの回転子は、外周部に2つ以上(本実施例では4
つ)の主磁極12を有する回転子ヨークを備えている。
この回転子ヨークは、積層された複数枚の鋼板(金属
板)により構成されている。
れ、径方向寸法がLmのスロット121が形成されてい
る。そして、各スロット121は、それぞれ、厚さがほ
ぼLm(スロット121の径方向寸法Lmとほぼ同一)
の界磁用永久磁石122が埋め込まれている。
m、エアギャップ長Lg、回転子の最大外径D等は、前
述した実施例1と同様に設定されている。
極12との間には、回転子ヨークの一部を突出させた補
助突極13が形成され、補助突極13と図示しない電機
子との間には、所定長さ(一定の長さ)のエアギャップ
が形成されている。
転軸の中心部から放射線状(径方向)に突出している。
この場合、補助突極13の先端部と、主磁極12の先端
部とは、所定距離離間している。すなわち、補助突極1
3の先端部は、主磁極12から分離・独立して形成され
ている。
幅角度寸法θ2 、スロット歯部角度寸法θ1 、回転子の
主磁極12の周方向端部(主磁極端部)から補助突極1
3の周方向端部(補助突極端部)までの角度寸法γ、回
転子ヨークの回転軸の中心部から放射状に突出した補助
突極13の先端部までの長さ、回転子ヨークの回転軸の
中心部から主磁極12の先端部までの長さ等は、前述し
た実施例2と同様に設定されている。
ータの回転子は、実施例1における回転子の構成と、図
12〜図14に示す実施例2における回転子の構成とを
組み合わせたものである。
は、実施例1および実施例2のDCブラシレスモータそ
れぞれの利点を併有している。
タでは、例えば、連続定格電流での運転回転数範囲を2
倍以上、特に4倍以上に拡大することができる。しか
も、q軸インダクタンスを大きくできるので、出力トル
クを増加させることができる。
していくと、有効な磁束は減少していく。そのため、同
一電機子電流で同等の出力トルクを得るには、残留磁束
密度の高い永久磁石を使用しなければならないが、本実
施例では、リラクタンストルクを増大でき、これにより
出力トルクを増加させることができるので、界磁用永久
磁石を変更することなく、同一電機子電流で同等の出力
トルクを得ることができるという利点を有する。
に限定されず、前述した電気スクータ、電気自動車、フ
ォークリフト等の移動体(電気車)の駆動用モータの
他、本発明のDCブラシレスモータは、例えば、OA機
器、MDのスピンドルモータ、FAのサーボモータ、エ
アコン用コンプレッサ等に適用することができる。
び制御装置を、図示の構成例に基づいて説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
型の回転子を有するDCブラシレスモータで説明した
が、本発明では、表面磁石型の回転子を有するDCブラ
シレスモータでもよい。
の断面形状は矩形であるが、本発明では、界磁用永久磁
石の形状は図示のものに限定されず、この他、例えば、
瓦状(円弧状)であってもよい。
モータおよび制御装置によれば、モータの運転範囲を拡
大することができる。
界磁用永久磁石の厚さを薄くする(スロットの径方向寸
法Lmを界磁用永久磁石の厚さに合わせて小さくする)
ことにより、電気子反作用を受け易くなり、電機子電流
が連続定格の範囲内で、運転範囲を2倍以上、特に4倍
以上拡大することができる。
θ2 、電機子ヨークのスロット歯部角度寸法θ1 、回転
子の主磁極端部から補助突極端部までの角度寸法γが、
γ>θ1 +θ2 、特に、γ=θ1 +2θ2 の関係を満足
するよう設定されている場合には、脈動トルクを低減す
ることができるので、モータの回転をより円滑にするこ
とができる。
永久磁石を不可逆減磁から守ることができるので、モー
タの性能を低下させることなくモータを駆動させること
ができる。
の構成例を示すブロック図である。
要部断面図である。
成を示す回路図である。
特性を示すグラフである。
特性を示すグラフである。
と、増速比との関係を示すグラフである。
グラフである。
度と、磁石幅方向での位置との関係を示すグラフであ
る。
図である。
である。
フである。
面図である。
面図である。
面図である。
および従来のDCブラシレスモータが発生するトルクを
示すグラフである。
が発生する電気角90度区間の瞬時トルクを示すグラフ
である。
らの近傍を示す平面図である。
すグラフである。
面図である。
転子を示す平面図である。
すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】外周部に2つ以上の主磁極を有する回転子
ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するDCブラシ
レスモータにおいて、前記主磁極に径方向寸法がLmの
スロットが形成され、該スロットに厚さがほぼLmの界
磁用永久磁石が挿入されており、前記回転子と前記電機
子との間に形成されたエアギャップのエアギャップ長を
Lgとしたとき、0<Lm+Lg≦2mmを満足するよう
設定されていることを特徴とするDCブラシレスモー
タ。 - 【請求項2】外周部に2つ以上の主磁極を有する回転子
ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するDCブラシ
レスモータにおいて、前記主磁極にスロットが形成さ
れ、該スロットに界磁用永久磁石が挿入されており、前
記回転子ヨークの隣接する主磁極と主磁極との間に該回
転子ヨークの一部を突出させた補助突極が形成され、か
つ、前記補助突極と前記電機子との間に所定長のエアギ
ャップが形成されて、前記電機子ヨークの巻線部スロッ
ト幅角度寸法をθ2 、前記電機子ヨークのスロット歯部
角度寸法をθ1 、前記回転子の主磁極端部から補助突極
端部までの角度寸法をγとするとき、γ>θ1 +θ2 の
関係を満足するよう設定されているDCブラシレスモー
タ。 - 【請求項3】外周部に2つ以上の主磁極を有する回転子
ヨークを備えた回転子と、電機子とを有するDCブラシ
レスモータにおいて、前記主磁極にスロットが形成さ
れ、該スロットに界磁用永久磁石が挿入されており、前
記回転子ヨークの隣接する主磁極と主磁極との間に該回
転子ヨークの一部を突出させた補助突極が形成され、か
つ、前記補助突極と前記電機子との間に所定長のエアギ
ャップが形成され、前記電機子ヨークの巻線部スロット
幅角度寸法をθ2 、前記電機子ヨークのスロット歯部角
度寸法をθ1 、前記回転子の主磁極端部から補助突極端
部までの角度寸法をγとするとき、γ=θ1 +2θ2 の
関係を満足するよう設定されているDCブラシレスモー
タ。
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