以下、図面を用いて本発明のシート給送装置の一例について詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザビームプリンタの概略構成を示す図である。図1において、1はフルカラーレーザビームプリンタ(以下、プリンタという)、1Aは画像形成装置本体であるプリンタ本体、1Bはシートに画像を形成する画像形成部、20は定着部である。2はプリンタ本体1Aの上方に略水平に設置された上部装置である画像読取装置であり、この画像読取装置2とプリンタ本体1Aとの間に、排出空間Pが形成されている。なお、30はプリンタ本体1Aの下部に設けられたシート給送装置、15はトナーカートリッジである。
画像読取装置2によって読み取られた画像情報又は不図示のパソコン等の外部機器から入力された画像情報は画像処理された後、電気信号に変換されて画像形成部1Bのレーザスキャナ10に伝送される。そして、画像形成部1Bでは、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム12の表面をレーザスキャナ10から射出されたイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック成分色の画像情報に対応するレーザ光により走査する。これにより、帯電器13によって表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラム12の表面が順次露光され、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム上に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの静電潜像が順次形成される。
この後、この静電潜像を現像器14がイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色トナーにより現像して可視化する。そして、1次転写ローラ19に印加した1次転写バイアスにより、各感光体ドラム上の各色トナー像を中間転写ベルト16に順次重ね合わせて転写する。これにより、中間転写ベルト16上にトナー画像が形成される。
一方、シート給送装置30から送り出されたシートSは、レジストレーションローラ対40を通過し、駆動ローラ16aと2次転写ローラ17とにより構成される2次転写部へ送られる。2次転写部では画像形成部1Bで形成されたトナー像がシートS上に一括して転写される。次に、このようにトナー像が転写されたシートSは、定着部20に搬送され、定着部20において熱及び圧力を受けてシートSにカラーの画像として定着される。
この後、画像が定着されたシートSは、排紙ローラ対25a,25bによって排出空間Pに排出され、排出空間Pの底面に突出された積載部23に積載される。なお、シートSの両面に画像を形成する際は、画像が定着された後、シートSは両面反転部1Dに設けられた正逆転可能な反転ローラ対22により、再搬送通路Rに搬送され、この後、再度、画像形成部1Bに搬送される。
ここで、シート収納手段である給紙カセット60は、プリンタ本体1Aの下部に形成された図2に示す装着部1Eに着脱自在に装着されている。給紙カセット60には、図2に示すように、シートSのシート給送方向と直交する奥行き方向(幅方向)の一方の、すなわち奥行き方向下流側の位置を規制する奥側サイド規制板61が奥行き方向に移動可能に設けられている。また、給紙カセット60には、奥側サイド規制板61と対向して設けられ、シートSの奥行き方向上流側の位置を規制する手前側サイド規制板62が奥行き方向に移動可能に設けられている。なお、一対の側端規制手段61Aを構成する奥側サイド規制板61と手前側サイド規制板62は、不図示の連動機構により、シートの奥行き方向上流側及び奥行き方向下流側の側端位置を規制するよう連動して移動する。
また、給紙カセット60には、シートSのシート給送方向上流側端である後端の位置を規制する後端規制板63が、シート給送方向に沿って移動可能に設けられている。さらに、この給紙カセット60には、シートが積載される不図示の中板が設けられており、この中板に積載されたシートは、奥側サイド規制板61、手前側サイド規制板62及び後端規制板63により位置が規制される。
給紙カセット60のカセット本体60Aの奥側側壁60aには、先端部に揺動ピン65を有する揺動アーム64が軸64aを支点として揺動可能に支持されている。また、装着部1Eの奥側内壁面には、給紙カセット60を装着部1Eに引き込む引き込み手段である引き込みユニット66が配置されている。引き込みユニット66は、引き込みユニットベース69と、先端に引き込みフック67が設けられ、引き込みユニットベース69上に支点70を中心に回動可能に支持されている引き込みアーム68を備えている。
引き込みアーム68の引き込みフック67には揺動アーム64の揺動ピン65を係止する凹部91が形成されている。また、引き込みアーム68の引き込みフック67と支点70の間にはアームピン71が設けられ、このアームピン71には、引き込みユニットベース69に設けられたベースピン72に一端が係止されている引っ張りバネ73の他端が係止されている。そして、この引っ張りバネ73により、引き込みアーム68は支点70を中心に回動するように付勢される。
なお、給紙カセット60を引き抜く際、凹部91が揺動ピン65を係止している間、引き込みアーム68は引っ張りバネ73に抗しながら引き抜き方向に支点70を中心に図2に示す位置から反時計回りに回動する。この後、給紙カセット60がさらに引き抜かれると、引き込みアーム68は凹部91による揺動ピン65の係止が解除される待機位置まで回動する。なお、待機位置に回動する前に、引き込みアーム68が所定量回動すると、引き込みアーム68には引っ張りバネ73により反時計回りに回動する力が加えられるようになる。この力により、引き込みアーム68は、待機位置に移動した後、不図示のストッパに当接して停止する。
待機位置にあるとき、引き込みアーム68は給紙カセット60がプリンタ本体1Aに装着される際、揺動アーム64の揺動ピン65が引き込みフック67の凹部91に入り込む位置にある。このため、給紙カセット60が装着部1Eに挿入されると、揺動ピン65が、引き込みフック67の凹部91に入り込む。この後、給紙カセット60をさらに押し込むと、揺動ピン65及び引き込みフック67を介して引き込みアーム68が奥側に押圧される。
これにより、引き込みアーム68は支点70を中心に、引っ張りバネ73に抗しながら時計回りに回動し、この後、所定位置まで回動すると、引き込みアーム68には引っ張りバネ73による付勢力が加わることにより時計回りに回動する。そして、このように引き込みアーム68が時計回りに回動する過程で、引き込みフック67の凹部91が揺動ピン65と係止する。この結果、引き込みアーム68が引っ張りバネ73より回動すると、給紙カセット60は引き込みアーム68を介して引っ張りバネ73により奥行き方向の付勢力を受けながら、装着される。
なお、図2に示すように、カセット本体60Aの奥行き方向上流の奥行き方向と直交する一端部(右側端部)には給紙カセット60を装着した際、給紙カセット60の奥行き方向の位置決めを行う位置決め部74が設けられている。そして、給紙カセット60を装着する際、この位置決め部74により、給紙カセット60の奥行方向の位置決めが行われる。また、給紙カセット60が装着された後、カセット本体60Aに上下方向に回動自在に設けられた中板が持ち上げられ、中板上のシートSがピックアップローラ75に当接する。
ところで、本実施の形態において、図2に示すように、奥側側壁60aのシート給送方向上流側には奥側サイド規制部材80が、カセット本体60Aの手前側側壁60bのシート給送方向上流側には手前側サイド規制部材81が設けられている。なお、この一対の上流側端規制手段80Aを構成する奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81の幅方向の間隔は、給紙カセット60に収容可能なシートの最大シート幅になるように設定されている。
本実施の形態においては、最大シートサイズがLGLであるため、奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81の幅方向の間隔はLGL幅に設定されており、図2はLGLサイズのシートS1が収容されているときの状態を示している。そして、これらの奥側サイド規制板61、手前側サイド規制板62、後端規制板63、奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81によりシートS1の給紙カセット60内での位置ずれを防止している。
ここで、手前側サイド規制部材81は、側面に図3に示すように給紙カセット60に収容可能なシートのうち最大シート幅を有する所定サイズのシート(LGLサイズのシート)の幅方向の位置を規制する規制部(規制面)81aを有している。なお、奥側サイド規制部材80も同じ構成を有しているので、以下、手前側サイド規制部材81についてのみ説明する。
また、この手前側サイド規制部材81には、補助側端規制手段である補助サイド規制部材82を上方の開口から選択的に装着するための装着空間81cが設けられている。ここで、補助サイド規制部材82は、給紙カセット60に収容可能な最大シート幅のシートよりも小さい小サイズのシートの幅方向の位置の規制を行うものであり、小サイズのシートの側端と当接する凸部82aを備えている。
また、手前側サイド規制部材81の規制部81aのシート給送方向中央部には、補助サイド規制部材82が装着された際、凸部82aを手前側サイド規制部材81からシート側に突出させる上下方向に伸びた開口部であるスリット溝81bが形成されている。これにより、図4の(a)に示すように補助サイド規制部材82を、手前側サイド規制部材81の装着空間上部の開口から挿入すると、図4の(b)に示すように補助サイド規制部材82の凸部82aが手前側サイド規制部材81からカセット本体内側に突出する。なお、規制部81aの裏側には、補助サイド規制部材82の装着空間81cへの上方からの装着を案内する上下方向に伸びた不図示のスライド溝が形成されている。
そして、本実施の形態において、小サイズのシートを給紙カセット60に収容する場合に、奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81に補助サイド規制部材82を装着する。これにより、給紙カセット60に収納された小サイズのシートの側端位置を規制することができる。
なお、図3及び図4に示すように、カセット本体60Aの手前側側壁60bの、手前側サイド規制部材81の近傍のシートの積載の妨げとならない位置には、補助部材収容部83が隣接して設けられている。そして、補助サイド規制部材82を使用しない場合、つまり給紙カセット60に最大シート幅のシートを収容する場合は、補助サイド規制部材82を補助部材収容部83に収容する。これにより、補助サイド規制部材82の紛失を防ぐことができる。
ここで、本実施の形態では、後述する図5の(b)に示すように奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81に取り付けられた補助サイド規制部材82による規制幅をLGL幅(215.9mm)よりも小さいA4幅(210mm)に設定している。なお、これよりも小さいサイズのシートを収納する場合、例えば規制幅をB5幅(182mm)としたい場合には、スリット溝81bからの突出量がB5幅に設定した補助サイド規制部材を用意する。
また、本実施の形態では、奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81のシート給送方向の位置をLTR(215.9mm)、A4(210mm)サイズのシートの側端を規制できる位置に設定している。なお、図5の(a)はLTRサイズのシートS2を給紙カセット60に収容している状態を示している。これにより、LTRサイズのシートS2を収納すると、シートS2の後端付近が奥側サイド規制部材80の規制部80a及び手前側サイド規制部材81の規制部81aの規制面に突き当たり、シートS2の幅方向の位置が規制される。
また、図5の(b)はA4サイズのシートS3を給紙カセット60に収容している状態を示している。このようにA4サイズのシートS3を収納する場合は、既述したように奥側サイド規制部材80と手前側サイド規制部材81に、それぞれ補助サイド規制部材82を装着する。これにより、A4サイズのシートS3を収納すると、シートS3の後端付近が補助サイド規制部材82の規制面となる凸部82aに突き当たり、シートS3の幅方向の位置が規制される。なお、本実施の形態における最大シートサイズであるLGLを収納する場合、LGLのシート幅がLTRのシート幅と同じであるため、図2に示したように補助サイド規制部材82を外した状態でシートを収容する。
以上説明したように、所定サイズのシートよりも奥行き方向(幅方向)の長さが短いシートを収納する場合には、補助サイド規制部材82を奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81に取り付け、シートの側端位置を規制するようにしている。これにより、給紙カセット60挿入時の衝撃によるシートの回転を防止することができる。この結果、シートを斜行や位置ズレを抑制した状態で画像形成部1Bへ供給することができ、シートに対する画像ズレを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、補助サイド規制部材82はシート積載方向にスライド脱着する構成としている。このため、シート収納時、補助サイド規制部材82にユーザーが触れたり、強い力で給紙カセット60を挿入したりしても補助サイド規制部材82は奥側サイド規制部材80及び手前側サイド規制部材81から容易に外れることはない。この結果、補助サイド規制部材82によるシートの幅方向の位置の規制を確実に行うことができる。