JP2020172408A - 表面処理アルミナ粉末の製造方法 - Google Patents

表面処理アルミナ粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高充填してもシリコーン組成物の取り扱い性やシリコーン組成物の成形性が良好になる表面処理アルミナを提供する。【解決手段】表面処理アルミナ粉末の製造方法が、アルミナ粉末を下記一般式(1)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサンで表面処理して表面処理アルミナ粉末を得る工程、前記表面処理アルミナ粉末を150℃以上の温度で熱処理する工程を含む。【化1】(式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、R2は炭素数1〜18の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基の群の中から選択される1種もしくは2種以上の基、aは5〜120の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイス用熱伝導性シリコーン組成物の充填剤などとして好適に用いられる表面処理アルミナ粉末の製造方法に関する。
トランジスター、IC、メモリー素子等の電子部品を登載したプリント回路基板やハイブリッドICの高密度・高集積化にともなって、これらを効率よく放熱するために、熱伝導性シリコーングリース、熱伝導性シリコーンゲル組成物、熱伝導性シリコーンゴム組成物等の熱伝導性シリコーン組成物が使用されている。
このような熱伝導性シリコーン組成物において、該組成物中に熱伝導性充填剤を高充填して熱伝導率を向上させるため、例えば、特許文献1には、オルガノポリシロキサン、加水分解性基含有メチルポリシロキサン、熱伝導性充填剤、および硬化剤からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物が提案されており、また、特許文献2には、硬化性オルガノポリシロキサン、硬化剤、熱伝導性充填剤からなり、該充填剤の表面がケイ素原子結合アルコキシ基を有するオリゴシロキサンで処理されていることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物が提案されている。
しかし、このような熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導率を向上させるため、さらにアルミナ等の熱伝導性充填剤を高充填しようとした場合、得られる組成物の粘度が急激に上昇して取扱作業性や成形性が著しく低下するという問題があった。
その解決手段して特許文献3には、2種類の表面処理材を使用することで組成物の取り扱い性や成形性の向上が提案されているが、成形物に気泡が入り易い欠点があった。
特開2000−256558号公報 特開2001−139815号公報 特許第4646496号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高充填してもシリコーン組成物の取り扱い性やシリコーン組成物の成形性が良好になる表面処理アルミナを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明では、
アルミナ粉末を下記一般式(1)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサンで表面処理して表面処理アルミナ粉末を得る工程、
前記表面処理アルミナ粉末を150℃以上の温度で熱処理する工程、
を含む表面処理アルミナ粉末の製造方法を提供する。
Figure 2020172408
(式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、R2は炭素数1〜18の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基の群の中から選択される1種もしくは2種以上の基、aは5〜120の整数である。)
この表面処理アルミナ粉末の製造方法により、取扱作業性が良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できる。
前記アルミナ粉末の平均粒径は0.1〜200μmであることが好ましい。
前記アルミナ粉末の平均粒径が上記範囲内であると、取扱作業性がより良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できる。
前記アルミナ粉末として、平均粒径の異なるものが二種類以上混合されているものを用いることが好ましい。
平均粒径の異なる二種類以上のアルミナ粉末を用いると、取扱作業性がより良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できる。
前記表面処理アルミナ粉末を25℃における動粘度が100〜100,000mm/sのポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)は、未処理のアルミナ粉末(前記表面処理アルミナ粉末の原料となるアルミナ粉末)を前記ポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)の90%以下になることが好ましい。
表面処理アルミナ粉末とポリジメチルシロキサンの混合物の粘度が上記のように低下すると、取扱作業性がより良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できる。
前記表面処理アルミナ粉末は熱伝導性シリコーン組成物の充填剤用のものであることが好ましい。
前記表面処理アルミナ粉末の用途が上記のとおりであると、取扱作業性が良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できることになる。
以上のように、本発明の製造方法により製造された表面処理アルミナ粉末は、熱伝導性シリコーン組成物の充填剤として用いられた場合、当該組成物の粘度が非常に低くなるものであるから、本発明の製造方法により、取扱作業性が良好である熱伝導性シリコーン組成物を与えることができる表面処理アルミナ粉末を製造できる。
上述のように、高充填してもシリコーン組成物の取り扱い性やシリコーン組成物の成形性が良好になる表面処理アルミナの開発が求められていた。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、特定の片末端加水分解性オルガノポリシロキサンで処理した後、150℃以上の温度で熱処理した表面処理アルミナ粉末は、熱伝導性シリコーン組成物の充填剤として用いられた場合、粘度が非常に下がる事から、取扱作業性が良好である熱伝導性シリコーン組成物が得られる事を見出した。
即ち、本発明は、
アルミナ粉末を下記一般式(1)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサンで表面処理して表面処理アルミナ粉末を得る工程、
前記表面処理アルミナ粉末を150℃以上の温度で熱処理する工程、
を含む表面処理アルミナ粉末の製造方法である。
Figure 2020172408
(式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、R2は炭素数1〜18の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基の群の中から選択される1種もしくは2種以上の基、aは5〜120の整数である。)
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[アルミナ粉末]
本発明で使用されるアルミナ粉末の形状は特に制限されず、その平均粒径は好ましくは0.1〜200μmの範囲のもの、より好ましくは0.1〜100μmの範囲のもの、更に好ましくは0.1〜50μmの範囲のものが良い。また平均粒径の異なる二種類以上のアルミナ粉末が混合されていても良い。
[片末端加水分解性オルガノポリシロキサン]
本発明で用いられる片末端3官能基の加水分解性オルガノポリシロキサンは下記一般式(1)で表される。
Figure 2020172408
(式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、R2は炭素数1〜18の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基の群の中から選択される1種もしくは2種以上の基、aは5〜120の整数である。)
上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンは、アルミナ粉末の表面を処理するために用いるものである。
上記一般式(1)中、R1は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好ましい。R2は、互いに独立に炭素数1〜18、好ましくは1〜14の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
aは5〜120の整数であり、好ましくは10〜90の整数である。
また、上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は5〜500mm2/sが好ましく、10〜300mm2/sがより好ましい。
[アルミナ粉末の表面処理]
上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンでアルミナ粉末を表面処理(被覆処理)する方法としては、上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンとアルミナ粉末とを混合する方法が一般的である。この方法には、無溶媒系で行う乾式方法と、溶媒中で行う湿式方法とがあり、表面処理を完全に行うには、水、アルコール等の溶媒中で行うことが最も好ましいが、溶媒を用いると乾燥時にアルミナに凝集が生じてしまい、この凝集が生じたアルミナ粉末で熱伝導性シリコーン組成物を調製すると、流動性などが低下するという問題が生じることがある。そのため、噴霧式処理乾燥装置などで処理及び乾燥することが好ましい。
この場合、上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンの使用量は、アルミナ粉末100質量部に対し、0.1質量部以上だと十分な性能が発揮でき、30質量部もあれば十分であり、これを超えても不経済であるため、0.1〜30質量部が好ましい。より好ましくは1.0〜10.0質量部である。
上記被覆処理においては、必要により加水分解触媒を添加してもよい。このような加水分解触媒としては、酢酸などの酸性触媒、ジアザビシクロウンデセン、アミン等の塩基性触媒が挙げられ、その添加量は上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンに対し好ましくは0.01〜10質量%程度がよい。
また、表面(被覆)処理の温度は25〜120℃の範囲が好ましく、時間は10分〜3時間の範囲が好ましい。
[表面処理アルミナ粉末の熱処理]
本発明においては、このように上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンで被覆処理したアルミナ粉末を熱処理し、加水分解によって生成した上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンのシラノール基とアルミナ表面に存在する活性点とを反応させてアルミナ表面の活性点を消滅させる。
この場合の熱処理温度は150℃以上、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは200〜600℃の範囲である。150℃未満の熱処理温度では、表面処理アルミナ粉末の十分な性能が発揮できない。処理時間は処理温度にもよるができるだけ長時間行うことが好ましく、具体的には2〜12時間であることが好ましく、4〜6時間程度であることがより好ましい。
[表面処理アルミナ粉末]
本発明に使用される表面処理アルミナ粉末を25℃における動粘度が100〜100,000mm/sのポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)は、未処理のアルミナ粉末を前記ポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)の90%以下になる事が好ましく、より好ましくは80%以下であり、更に好ましくは70%以下である。これは前記粘度が90%以下だと本発明の表面処理アルミナ粉末を使用して得られる熱伝導性シリコーン組成物の取り扱い性や成形性が確実に良くなるためである。
また、表面処理アルミナ粉末のポリジメチルシロキサン中の混合割合は、必ずしも60体積%でなくても良いが、少なすぎると表面処理アルミナ粉末の処理効果が判りずらいし、多すぎると、場合によってはペースト状にならないため60体積%で確認することが好ましい。
表面処理アルミナ粉末と、ポリジメチルシロキサンの混合方法は特に限定されないが、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて得ることができる。加熱はしても良いがしなくても良い。
これら混合物の粘度測定は、回転粘度計であれば特に限定されないが、25℃にて(株)マルコムのマルコム粘度計(タイプPC−10AA)にて測定を行う事が好ましい。
また、ここで用いるポリジメチルシロキサンは、例えば下記一般式(2)で表すことができる。
3 SiO(4-b)/2 (2)
上記式(2)において、R3は、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
上記一般式(2)において、bは好ましくは1.8〜2.2の範囲、より好ましくは1.9〜2.1の範囲にある数である。bが上記範囲内にあることにより、得られる熱伝導性シリコーン組成物は要求される良好な粘度を有することができる。
上記一般式(2)で表されるポリジメチルシロキサンとしては、下記式(3)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2020172408
上記式(3)において、R4は互いに独立に炭素数1〜18、好ましくは1〜14の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。該1価炭化水素基としては、上記一般式(2)のRについて上述した基が挙げられる。中でも、R4は全てメチル基であることが好ましい。cは該オルガノポリシロキサンの25℃における動粘度が好ましくは100〜100,000mm2/s、より好ましくは100〜10,000mm2/s、更に好ましくは100〜5,000mm2/sとなる数である。
[熱伝導性シリコーン組成物]
本発明の表面処理アルミナ粉末は、熱伝導性シリコーン組成物の充填剤に使用する事が出来る。
熱伝導性シリコーン組成物は、本発明の表面処理アルミナ粉末、下記(A)成分、及び必要に応じて下記(B)成分を含有し、非硬化性であってもよく、また、さらには下記(C)硬化剤を含有することにより、ゲル状、あるいはゴム状の硬化物を形成する硬化性であってもよい。熱伝導性シリコーン組成物が硬化性を有する場合、その硬化機構は限定されず、例えば、ヒドロシリル化反応、および有機過酸化物によるフリーラジカル反応が挙げられ、速やかに硬化し、副生成物が発生しないことから、ヒドロシリル化反応であることが好ましい。
熱伝導性シリコーン組成物中の表面処理アルミナ粉末の含有量は30〜90体積%であることが好ましく、より好ましくは50〜85体積%である。これは、前記含有量が30体積%以上であると熱伝導性シリコーン組成物について所望する熱伝導率が得られるし、前記含有量が90体積%以下であると熱伝導性シリコーン組成物の粘度が高くならず取り扱いやすくなるためである。
(A)成分は熱伝導性シリコーン組成物のベースオイルであり、上記一般式(1)で表される片末端加水分解性オルガノポリシロキサンを除くオルガノポリシロキサンである。(A)成分中のケイ素原子に結合している基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基、2−メチルウンデシル基、1−ヘキシルヘプチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基である。
また、(A)成分の25℃における動粘度は限定されないが、好ましくは20〜100,000mm2/sの範囲内であり、より好ましくは50〜100,000mm2/sの範囲内であり、さらに好ましくは50〜50,000mm2/sの範囲内であり、特に好ましくは100〜50,000mm2/sの範囲内である。これは、25℃における動粘度が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーン硬化物の物理的特性が低下しないからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物の取扱作業性が低下しないからである。また、(A)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられ、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。(A)成分は、これらの分子構造を有する単一の重合体、これらの分子構造からなる共重合体、またはこれらの重合体の混合物であってもよい。
このような(A)成分としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端メチルフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、式:(CHSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH(CH=CH)SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:CHSiO3/2で表されるシロキサン単位と式:(CHSiO2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサンコポリマー、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、熱伝導性シリコーン組成物がヒドロシリル化反応により硬化する場合には、(A)成分は、一分子中に好ましくは平均0.1個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、より好ましくは一分子中に平均0.5個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、更に好ましくは一分子中に平均0.8個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。これは、一分子中のアルケニル基の平均値が上記範囲の下限以上であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物が十分に硬化するからである。このアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が例示され、好ましくはビニル基である。また、このオルガノポリシロキサン中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合している基としては、前記と同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。
また、このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は限定されないが、好ましくは20〜100,000mm2/sの範囲内であり、より好ましくは50〜100,000mm2/sの範囲内であり、さらに好ましくは50〜50,000mm2/sの範囲内であり、特に好ましくは100〜50,000mm2/sの範囲内である。これは、25℃における動粘度が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーン硬化物の物理的特性が低下しないからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物の取扱作業性が低下しないからである。このようなオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、前記と同様の構造が例示され、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、これらの分子構造を有する単一の重合体、これらの分子構造からなる共重合体、またはこれらの重合体の混合物が挙げられる。このようなオルガノポリシロキサンとしては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが例示される。
また、熱伝導性シリコーン組成物が有機過酸化物によるフリーラジカル反応により硬化する場合には、(A)成分のオルガノポリシロキサンは限定されないが、好ましくは、一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合している基としては、前記と同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、特に好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基である。また、このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は限定されないが、好ましくは20〜100,000mm2/sの範囲内であり、より好ましくは50〜100,000mm2/sの範囲内であり、さらに好ましくは50〜50,000mm2/sの範囲内であり、特に好ましくは100〜50,000mm2/sの範囲内である。これは、25℃における動粘度が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーン硬化物の物理的特性が低下しないからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物の取扱作業性が低下しないからである。このようなオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、前記と同様の構造が例示され、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、これらの分子構造を有する単一の重合体、これらの分子構造からなる共重合体、またはこれらの重合体の混合物が挙げられる。このようなオルガノポリシロキサンとしては、前記と同様のオルガノポリシロキサンが例示される。
(A)成分の含有量は、表面処理アルミナ粉末、下記(B)成分、下記(C)硬化剤を除く残分である。
(B)成分は、本発明の表面処理アルミナ粉末以外の熱伝導性充填剤であり、必要に応じて添加することが出来る。例えば、未処理のアルミナ粉末、銅粉末、ニッケル粉末等の金属系粉末;酸化マグネシウム粉末、酸化ベリリウム粉末、酸化クロム粉末、酸化チタン粉末等の金属酸化物系粉末;窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末等の金属窒化物系粉末;炭化ホウ素粉末、炭化チタン粉末、炭化珪素粉末等の金属炭化物系粉末;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、(B)成分の形状としては、例えば、球状、針状、円盤状、棒状、不定形状が挙げられる。熱伝導性シリコーン組成物、あるいは熱伝導性シリコーン組成物を硬化して得られるシリコーン硬化物に電気絶縁性が要求される場合には、(B)成分は、金属酸化物系粉末、金属窒化物系粉末、または金属炭化物系粉末であることが好ましい。(B)成分の平均粒径は限定されないが、0.1〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは0.1〜50umの範囲が良い。
熱伝導性シリコーン組成物において、(B)成分の含有量は限定されないが、良好な熱伝導性を有するシリコーン組成物を形成するためには、熱伝導性シリコーン組成物中の50体積%以下であることが好ましく、より好ましくは40体積%以下であり、さらに好ましくは30体積%以下である。
熱伝導性シリコーン組成物は、(C)硬化剤の配合により、硬化性の組成物とすることができる。
熱伝導性シリコーン組成物がヒドロシリル化反応により硬化する場合には、(C)成分の硬化剤は、一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと白金系触媒からなるものである。このオルガノポリシロキサン中のケイ素原子結合に結合している基としては、前記と同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはアルキル基、アリール基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基である。また、このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は限定されないが、好ましくは1〜100,000mm2/sの範囲内であり、特に好ましくは1〜5,000mm2/sの範囲内である。このオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。このオルガノポリシロキサンは、例えば、これらの分子構造を有する単一重合体、これらの分子構造からなる共重合体、またはこれらの混合物であってもよい。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、式:(CHSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CHHSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサンコポリマー、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
熱伝導性シリコーン組成物において、このオルガノポリシロキサンの含有量は、熱伝導性シリコーン組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルの範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜5モルの範囲内となる量であることがより好ましく、0.1〜3.0モルの範囲内となる量であることが更に好ましい。これは本成分の含有量が上記範囲の下限以上となる量であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物が十分に硬化するからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られるシリコーン硬化物が非常に硬質とならず、表面にクラックを生じたりしないからである。
また、白金系触媒は熱伝導性シリコーン組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体が挙げられる。
熱伝導性シリコーン組成物において、白金系触媒の含有量は、熱伝導性シリコーン組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A)成分に対する白金金属が質量単位で0.01〜1,000ppmの範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜500ppmの範囲内となる量であることがより好ましい。これは、本成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物が十分に硬化するからであり、一方、上記範囲の上限以下である量を配合すれば得られる熱伝導性シリコーン組成物の硬化速度は十分向上するからである。
また、熱伝導性シリコーン組成物が有機過酸化物によるフリーラジカル反応により硬化する場合には、(C)成分は有機過酸化物である。この有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ(p−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(o−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。この有機過酸化物の含有量は、熱伝導性シリコーン組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内となる量であることが好ましい。
さらに、熱伝導性シリコーン組成物には、その他任意の成分として、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、ヒュームド酸化チタン等の充填剤、この充填剤の表面を有機ケイ素化合物により疎水化処理した充填剤、顔料、染料、蛍光染料、耐熱添加剤、トリアゾール系化合物以外の難燃性付与剤、可塑剤、接着付与剤を含有してもよい。
特に、熱伝導性シリコーン組成物がヒドロシリル化反応により硬化する場合、熱伝導性シリコーン組成物の硬化速度を調節し、取扱作業性を向上させるため、2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエン−イン化合物;ヒドラジン系化合物、フォスフィン系化合物、メルカプタン系化合物等の硬化反応抑制剤を含有することが好ましい。この硬化反応抑制剤の含有量は限定されないが、熱伝導性シリコーン組成物に対して0.0001〜1.0質量%の範囲内であることが好ましい。
熱伝導性シリコーン組成物は常温でグリース状、スラリー状、ペースト状、あるいは粘土状である。また、熱伝導性シリコーン組成物が硬化性の組成物である場合、それを硬化させる方法は限定されず、例えば、熱伝導性シリコーン組成物を成形後室温で放置する方法、熱伝導性シリコーン組成物を成形後50〜200℃に加熱する方法が挙げられる。また、このようにして得られるシリコーン硬化物の性状は限定されないが、例えば、ゲル状、低硬度のゴム状、あるいは高硬度のゴム状が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔平均粒径測定〕
平均粒径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均径である。
〔粘度〕
粘度は、25℃にてマルコム社のマルコム粘度計(タイプPC−10AA)にて測定を行った。
〔熱伝導率〕
成形前の熱伝導性シリコーン組成物を京都電子工業(株)製のTPS−2500Sにより、いずれも25℃において測定した。
〔熱伝導性シリコーン組成物の成形性〕
熱伝導性シリコーン組成物を厚さ2mmとなるように0.2mm厚の四フッ化エチレン製フィルムの間に挟み込み、150℃で60分間加熱することにより硬化させた。その後、四フッ化エチレン製フィルムを剥がし取り、シリコーンゴムシートを成形できたかどうかを観察した。
<評価基準>
均一なシリコーンゴムシートの場合;成形性良好(○)
シート状には成形できたももの、部分的に強度が弱い個所があったり、気泡がシート面に観察された場合;成形性やや良好(△)
シート状に成形できなかったり、成形できたとしても強度が弱い場合;成形性不良(×)
〔調整例1〕
3リットルのボールミル中に平均粒径10μmの球状アルミナ1kgを入れて、下記式(4)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサン(動粘度35mm/s)50gを15分間混合した後、200℃で4時間熱処理を行って表面処理アルミナ粉Xを1kg得た。
次に、上記表面処理アルミナ粉X856g(60体積%となる量)と、両末端がトリメチルシリル基を有する直鎖状の25℃おける動粘度が1,000mm2/sのジメチルポリシロキサン144g(40体積%になる量)をプラネタリーミキサーで30分混合した。その時の混合物の粘度は83Pa・sであった。尚、表面処理する前のアルミナ粉末を使用する以外は全て同様に混合した場合の混合物の粘度は120Pa・sであった。
この時の、(表面処理アルミナ粉末を用いた混合物の粘度)/(未処理アルミナ粉末を用いた混合物の粘度)の100分率は69%であった。
Figure 2020172408
〔調整例2〕
3リットルのボールミル中に平均粒径45μmの球状アルミナ1kgを入れて上記式(4)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサン30gと水3.5g、酢酸0.3g、メタノール2gの混合溶液を添加し、15分混合した後、120℃で1時間、更に300℃で6時間熱処理を行って表面処理アルミナ粉Yを1kg得た。
次に、上記表面処理アルミナ粉Y856g(60体積%となる量)と、両末端がトリメチルシリル基を有する直鎖状の25℃おける動粘度が5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン144g(40体積%になる量)をプラネタリーミキサーで30分混合した。その時の混合物の粘度は208Pa・sであった。尚、表面処理する前のアルミナ粉末を使用する以外は全て同様に混合した場合の混合物の粘度は320Pa・sであった。同様にこの時の100分率は65%であった。
〔調整例3<比較例用>〕
3リットルのボールミル中に平均粒径10μmの球状アルミナ1kgを入れて、上記式(4)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサン50gを15分間混合した後、100℃で4時間熱処理を行って表面処理アルミナ粉Zを1kg得た。
次に、上記表面処理アルミナ粉Zを、調整例1と同様に856gと、両末端がトリメチルシリル基を有する直鎖状の25℃おける動粘度が1,000mm2/sのジメチルポリシロキサン144gをプラネタリーミキサーで30分混合した。その時の混合物の粘度は95Pa・sであった。尚、表面処理する前のアルミナ粉末を使用する以外は全て同様に混合した場合の混合物の粘度は127Pa・sであった。同様にこの時の100分率は75%であった。
各実施例及び比較例で使用された成分は以下のとおりである。
A−1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm/sのジメチルポリシロキサン
B−1:平均粒径が10μmの未処理のアルミナ粉末
C−1:下記式(5)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2020172408
C−2:下記式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2020172408
<実施例1>
5リットルゲートーミキサー(井上製作所(株)製、商品名:5リットルプラネタリミキサー)に、上記成分A−1を100gと、表面処理アルミナ粉Xを1,200g仕込み、室温で30分撹拌混合を行った。次に1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液を0.45g添加して室温で5分間混合し、引き続き白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のA−1溶液(白金原子として1質量%含有)を1.5g加えて室温で5分間混合した。更にその後上記成分C−1を11.7g添加して室温で15分間混合して熱伝導性シリコーン組成物を調整した。
<実施例2>
実施例1の表面処理アルミナ粉末Xを、表面処理アルミナ粉末Yに変えた以外は全て同じにして、熱伝導性シリコーン組成物を調整した。
<実施例3>
実施例1の表面処理アルミナXを800gにして、上記成分C−1を4.6g、上記成分C−2を6.6gにした以外は全て同じにして、熱伝導性シリコーン組成物を得た。
<実施例4>
実施例1の表面処理アルミナ処理粉末X1,200gを、表面処理アルミナ粉末X800gと、表面処理アルミナ粉末Y400gのブレンドにした以外は全て同じにして、熱伝導性シリコーン組成物を調整した。
<比較例1>
実施例1の表面処理アルミナ粉末Xを、表面処理アルミナ粉末Zに変えた以外は全て同じにして、熱伝導性シリコーン組成物を調整した。
<比較例2>
実施例1の表面処理アルミナ粉末Xを、上記成分B−1のアルミナ粉末に変えた以外は全て同じにして、熱伝導性シリコーン組成物を調整した。
上記実施例1〜4及び比較例1、2で得られた熱伝導性シリコーン組成物の測定結果を表1に示した。
Figure 2020172408
表面処理アルミナ粉末を150℃未満の温度で熱処理した表面処理アルミナ粉末を使用した比較例1の熱伝導性シリコーン組成物を成形して得られたシリコーンゴムシートの表面には泡が観察された。また、表面処理されていないアルミナ粉末を使用した比較例2の熱伝導性シリコーン組成物を成形して得られたシリコーンゴムシートは不均一なものであった。一方、本発明の方法で製造した表面処理アルミナ粉末を配合したシリコーン組成物は、粘度が低く、高熱伝導性であるとともに、成形性も良好なものであった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. アルミナ粉末を下記一般式(1)の片末端加水分解性オルガノポリシロキサンで表面処理して表面処理アルミナ粉末を得る工程、
    前記表面処理アルミナ粉末を150℃以上の温度で熱処理する工程、
    を含むことを特徴とする表面処理アルミナ粉末の製造方法。
    Figure 2020172408
    (式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、R2は炭素数1〜18の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基の群の中から選択される1種もしくは2種以上の基、aは5〜120の整数である。)
  2. 前記アルミナ粉末の平均粒径が0.1〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理アルミナ粉末の製造方法。
  3. 前記アルミナ粉末として、平均粒径の異なるものが二種類以上混合されているものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理アルミナ粉末の製造方法。
  4. 前記表面処理アルミナ粉末を25℃における動粘度が100〜100,000mm/sのポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)は、未処理のアルミナ粉末を前記ポリジメチルシロキサン中に60体積%混合した混合物の粘度(Pa・s)の90%以下になることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミナ粉末の製造方法。
  5. 前記表面処理アルミナ粉末は熱伝導性シリコーン組成物の充填剤用のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理アルミナ粉末の製造方法。
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