JP2020170111A - 重合性液晶組成物、液晶重合体および位相差膜 - Google Patents
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Abstract
Description
ホモジニアス配向を有する液晶重合体は、1/2波長板や1/4波長板などのA−プレートとして機能する。
また、液晶重合体の重合率を制御することで接着性を向上させる手法が提案されている(特許文献4)。
重合反応では、ファンデルワールス距離から共有結合距離への転換が生じるため、硬化収縮が発生する。特に、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重合反応は付加重合であるため、硬化収縮が大きい。該化合物からなる液晶重合体は硬化収縮による内部応力の影響で、基板との接着性が低下しやすい問題を有する。
本発明において、「クロスニコル状態」とは、対向配置した偏光板の偏光軸が直交した状態である。
本発明において、「パラレルニコル状態」とは、対向配置した偏光板の偏光軸が一致した状態である。
本発明において「液晶化合物」とは、(A)純物質として液晶相を有する化合物および(B)液晶組成物の成分となる化合物の総称である。
本発明において、「単官能化合物」とは、重合性基を1つ有する化合物である。
本発明において、「多官能化合物」とは、重合性基を複数有する化合物である。
本発明において、「X官能化合物」とは、重合性基をX個有する化合物である。ここで、「X官能化合物」中のXは整数である。
本発明において、「重合性化合物」とは、重合性基を少なくとも1つ有する化合物である。
本発明において「重合性液晶化合物」とは、液晶化合物である重合性化合物である。
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、純物質では液晶相を有さない化合物である重合性化合物である。
本発明において、「重合性液晶組成物溶液」とは、重合性液晶組成物と溶媒を含む混合物を意味する。
本発明において、「液晶重合体」とは、重合性液晶組成物を重合して得られた部分を意味する。
本発明において「インセル」とは、2枚の基板間に液晶層を封入したセルであって、該基板間の内部である液晶層側を指す。
本発明において「インセル位相差膜」とは、液晶セルの内部に設置された位相差膜を意味する。
本発明において、「プレチルト角」とは、液晶分子の基板からの立ち上がりの角度を指す。
本発明において、「ツイスト配向」とは、液晶分子の長軸方向の配向方向が基板に対して平行であり、かつ、基板から離れるにしたがって、基板表面の垂線を軸として、階段状にねじれている状態をいう。
本発明の重合性液晶組成物は少なくとも1つの重合性液晶化合物(A)および少なくとも1つの接着促進剤(B)を含有する。
上記接着促進剤(B)は、その分子内に、1つ以上のアミノ基および1つ以上の水酸基を有する重合性化合物である。接着促進剤(B)が本発明の重合性組成物に含まれることにより、基板との接着性が向上した液晶重合体を形成できる。また、アミノ基を有することで、重合反応が促進され、耐熱性の優れた液晶重合体の形成も可能となる。また、本発明の接着促進剤は、重合性液晶組成物への少ない含有量で、十分な接着性を得ることが可能である。そのため、本発明の重合性液晶組成物からなる液晶重合体は、正面コントラストに優れる。また、高温環境下での位相差機能の変化が抑制される。
本発明の重合性液晶組成物は少なくとも1つの重合性液晶化合物(A)を含有する。
重合性液晶化合物(A)は、その分子内に、2つ以上の重合性基を有する化合物(重合性基を2つ以上有する多官能化合物)であることが好ましい。重合性液晶化合物(A)が重合性基を2つ以上有することで、得られる液晶重合体の耐熱性、耐水性、および耐薬品性などの低下を抑制することが出来る。
重合性液晶化合物(A)は棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物のいずれであってもよいが、合成の容易さおよび生産性の観点から、棒状液晶化合物であることが好ましい。
A1は独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはインダノン−4,7−ジイルで表される二価の環であり、該二価の環おいて、少なくとも1つの水素はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル、炭素数1〜10のアルカノイル、炭素数1〜10のアルカノイルオキシ、または重合性基を有する一価基で置き換えられてもよく、
Z1は独立して単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−OCH2CH2O−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH3)−、−C(CH3)=N−、−N=N−、−C≡C−、−CH=N−N=CH−、−C(CH3)=N−N=C(CH3)−、または炭素数4〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、
P1は独立して重合性基を有する一価基である。
Q1は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも1つの−CH2−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、PG1はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
A2は独立して1,4−フェニレン、または1,4−シクロへキシレンで表される二価の環であり、該二価の環おいて、少なくとも1つの水素はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル、炭素数1〜10のアルカノイル、炭素数1〜10のアルカノイルオキシ、または重合性基を有する一価基で置き換えられてもよく、
Z2は独立して単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−OCH2CH2O−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH2CH2OCO−、または−COOCH2CH2−であり、
P2は独立して重合性基を有する一価基であり、
Gは、下記式(G−1)、(G−2)、(G−3)、または(G−4)で表される基である。
X1は独立して−CH2−、−NH−、−O−、−S−、または−CO−であり、−CH2−または−NH−において、少なくとも1つの水素は炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよく、
−X2=は独立して−CH=または−N=であり、
Z3は独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−NR1−、−C(CH3)=N−NR1−または−CH=N−N=CH−であり、ここで、R1は独立して水素、炭素数1〜10のアルキルまたは重合性基を有する一価基であり、
T1、T4およびT5はそれぞれπ電子の数が6〜14である1価基であり、
T2、T3およびT6はそれぞれ独立して、水素、トリフルオロメチル、シアノ、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、炭素数1〜5のアルキルスルフィド、または重合性基を有する一価基であり、
T2およびT3は、上記一価基に代えて、これらが一体となって、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を含む、5〜7員環の、複素環または環状ケトンであってもよい。
Q2は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも1つの−CH2−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、PG2はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q1は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも1つの−CH2−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、
PG1は独立してアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q2は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも1つの−CH2−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、
PG2は独立してアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
本発明の重合性液晶組成物は重合性液晶化合物(A)および接着促進剤(B)以外の成分を、得られる重合性液晶組成物の液晶相の発現を損なわない限り、含有してもよい。
本発明の重合性液晶組成物は硬化促進剤を含有してもよい。本発明でいう硬化促進剤とは、その分子内に、3つ以上の重合性基を有し、かつアミノ基を有さない重合性化合物である。重合性液晶組成物に硬化促進剤を含有させることにより、表面の機械的強度および耐薬品性の高い液晶重合体が得られる。
本発明の重合性液晶組成物は界面活性剤を含有してもよい。重合性液晶組成物に界面活性剤を含有させることにより、平滑性が向上した液晶重合体(例えば液晶重合体の層)が得られる。界面活性剤は、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤に分類される。
平滑性のより向上した液晶重合体(例えば液晶重合体の層)が得られることから、また、液晶重合膜の空気界面側のチルト配向を抑制する効果があることから、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、シリコーン系非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、ビニル系非イオン性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は重合開始剤を含有してもよい。重合性液晶組成物に重合開始剤を含有させることにより、重合性液晶組成物の重合速度(硬化速度)が最適化できる。硬化プロセスの容易さから、重合開始剤は光重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
上記多官能チオール誘導体としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどが挙げられる。
上記スチレンダイマー系連鎖移動剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−1−ブテンなどが挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は重合防止剤を含有してもよい。重合性液晶組成物に重合防止剤を含有させることにより、重合性液晶組成物および重合性液晶組成物溶液の保存時の重合開始を抑制できるため、重合性液晶組成物の保存安定性を向上できる。また、得られる液晶重合体の酸化を抑制できる。さらに得られる液晶重合体の耐候性を向上できる。
重合性液晶組成物に紫外線吸収剤を含有させることにより、重合性液晶組成物の耐候性が向上できる。
重合性液晶組成物に光安定剤を含有させることにより、重合性液晶組成物の耐候性が向上できる。
重合性液晶組成物にシランカップリング剤を含有させることにより、得られる液晶重合体(液晶重合体の層)と基板との密着性が改善できる。
基板(典型的には配向処理を施された基板)などへの塗布を容易にするため、重合性液晶組成物に、溶媒を添加することが好ましい。
重合性液晶化合物と溶媒との相溶性の観点から、重合性液晶組成物溶液中の重合性液晶組成物の含有量は、5〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
上記溶媒としては、例えば、エステル系溶媒、アミド系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、環状エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アセテート系溶媒などが挙げられる。
上記プロピオン酸アルキルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられる。
上記酪酸アルキルとしては、例えば、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸プロピルなどが挙げられる。
上記マロン酸アルキルとしては、例えば、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。
上記グリコール酸アルキルとしては、例えば、グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが挙げられる。
上記乳酸アルキルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n-プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシルなどが挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノール、3−メトキシブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、1−ドデカノール、エチルヘキサノール、3、5、5−トリメチルヘキサノール、n−アミルアルコール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどが挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(2−プロピル)エーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、アニソール、シクロペンチルメチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルなどが挙げられる。
上記環状エーテル系溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、1.3−ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
上記芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、テトラリンなどが挙げられる。
ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルプロピルケトンなどが挙げられる。
上記アセテート系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテートなどが挙げられる。
本発明の液晶重合体は、例えば、以下の工程(I)〜(III)を含む方法により作製される。
(I)重合性液晶組成物溶液を、基板(例えば配向処理を施された基板)上に塗布する。
(II)加温そのほかの方法で、基板上の重合性液晶組成物溶液から溶媒を除き、基板上に重合性液晶組成物の塗膜を作製する。
(III)基板上の重合性液晶組成物からなる塗膜を重合させて、基板上に液晶重合体を作製する。
重合性液晶組成物溶液から溶媒を除去するその他の方法例としては、減圧処理などである。
本発明の位相差膜は、液晶重合体の層と配向処理が施された基板の積層体である。本発明の位相差膜としては、配向処理が施された基板上に液晶重合体の層が直接積層されていることが好ましい。
上記配向処理が施された基板とは、表面処理を行い、液晶重合体の膜の配向を誘導する構造が形成された基板である。表面処理としては、例えば、ラビング処理、光配向処理などが挙げられる。光配向処理とは、高分子膜が被覆した基板に偏光された紫外線を照射する処理である。
(1a)配向剤の溶液を基板に塗布して塗膜を基板上に形成する。
(2a)得られた塗膜を有する基板に対して、熱処理をする。
(3a)レーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布が巻きつけられた金属ロールを準備する。
(4a)ラビング布が巻きつけられた金属ロールを基板の塗膜を有する面と接触させる。
(5a)ラビング布が巻きつけられた金属ロールと塗膜とを接触させた状態で、該ロールを回転させながら基板表面と平行に該ロールを移動させる、あるいは該ロールを固定したまま基板を移動させる。
上記配向剤としては、例えば、ポリイミド、ポリアミック酸またはポリビニルアルコールを含む溶液が挙げられる。
(1b)溶剤を含む光配向剤を基板に塗布する。
(2b)加熱そのほかの方法で、基板上の光配向剤の塗布物から溶剤を除き、基板上に光配向剤の塗膜を設ける。
(3b)基板上の塗膜に波長250〜400nmの直線偏光を照射する。
本発明の実施例において、「IRGANOX 1076」は、BASFジャパン(株)製のIRGANOX(商標)1076である。IRGANOX 1076はベンゼン環に結合する水酸基のオルト位にt−ブチル基を有するフェノール系酸化防止剤(オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)である。
本発明の実施例において、「NCI-930」は、(株)ADEKA製のアデカクルーズ(商標)NCI−930である。NCI-930は光ラジカル重合開始剤である。
本発明の実施例において、「FTX-218」は、(株)ネオス製のフタージェント(商標)FTX−218である。FTX-218は非イオン性界面活性剤である。
本発明の実施例において、「TF370」は、エボニック・ジャパン(株)のTEGOFlow(商標)370である。TF370はビニル系非イオン性界面活性剤である。
本発明の実施例において、「F556」は、DIC(株)のメガファック(商標)F556である。F556はフッ素系非イオン性界面活性剤である。
本発明の実施例において、「EB3703」は、ダイセル・オルネクス(株)のEBECRYL(商標)3703である。EB3703は、アミノ基および1つ以上の水酸基を有する重合性化合物(アミン変性エポキシアクリレート)である。
本発明の実施例において、「HEA」は、大阪有機化学(株)のヒドロキシエチルアクリレートである。HEAは、1つ以上の水酸基を有するが、アミノ基を有さない重合性化合物である。
本発明の実施例において、「EE3000A」は、共栄社化学(株)のエポキシエステル(商標)3000Aである。EE3000Aは、1つ以上の水酸基を有するが、アミノ基を有さない重合性化合物(ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物)である。
本発明の実施例において、「NK-380」は、(株)日本触媒のポリメント(商標)NK−380である。NK-380は、1つ上のアミノ基を有するが、水酸基を有さない重合物(アミノエチル化アクリルポリマー)である。
本発明の実施例において、「NMP」はN−メチル−2−ピロリドンである。
本発明の実施例において、「BC」はエチレングリコールモノブチルエーテルである。
本発明の実施例において、「IPA」は2−プロパノールである。
本発明の実施例において、「超高圧水銀灯」は、ウシオ電機社製のマルチライトUSH−250BYである。
本発明の実施例において、「ゲル浸透クロマトグラフ」は、Waters製の2695セパレーションモジュールおよびWaters製の2414示差屈折計からなるシステムである。
本発明の実施例において、「ゲル浸透クロマトグラフのカラム」は、Shodex(商標)GF−7M HQである。
本発明の実施例において、「偏光解析装置」は、シンテック(株)製のOPIPRO偏光解析装置である。
本発明の実施例において、「365受光器」は、ウシオ電機社製のUVD−S365にウシオ電機社製のUIT−150−Aをつないだものである。
本発明の実施例において、「輝度計」は、YOKOGAWA 3298Fである。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフを用い、分子量既知のポリスチレンを標準物質として用いることで決定した。該展開時のカラムの温度は、50℃に設定した。ゲル浸透クロマトグラフの展開溶媒としては、リン酸−NMP混合溶液を使用した。リン酸−NMP混合溶液の重量比は0.6/100であった。
<偏光解析装置による測定>
位相差膜のレターデーションを、偏光解析装置で、光の入射角を0°にして計測した。
<ホモジニアス配向の判定>
偏光解析装置を用いて、液晶重合膜の表面に対する光の入射角を−50°から50まで5°刻みで変えて、レターデーションを計測した。ここで光の入射角の傾き方向は液晶重合膜の遅相軸と同じである。以下の両方の条件を満たすときは、液晶重合膜がホモジニアス配向であるとみなした。
(a)液晶重合膜の入射角に対するレターデーションが上に凸である場合、かつ
(b)それぞれの、入射角の絶対値(absolute value)が同じときのReの計測値の差が、5%以内である場合。
クロスニコル状態での輝度を以下の手順で測定した。
(1)位相差膜を2枚の偏光板の間に挟持し、かつ、該両偏光板がクロスニコルになるように、偏光顕微鏡下に配置した。
(2)該位相差膜および2枚の偏光板を通過する光を、輝度計を用いて評価した。
(3)該位相差膜を水平に回転させた時に最小となった輝度を、「クロスニコル状態での輝度」とした。
パラレルニコル状態での輝度を以下の手順で測定した。
(1)位相差膜を2枚の偏光板の間に挟持し、かつ、該両偏光板がパラレルニコルになるように、偏光顕微鏡下に配置した。
(2)該位相差膜および2枚の偏光板を通過する光を、輝度計を用いて評価した。
(3)該位相差膜を水平に回転させた時に最大となった輝度を、「パラレルニコル状態での輝度」とした。
位相差膜の正面コントラストは、「パラレルニコル状態での輝度」/「クロスニコル状態での輝度」で算出した。
JIS規格「JIS K 5600−5−6 付着性(クロスカット法)」の方法に準じて測定した。すなわち、カッターを用いて、1mm角の25マスの碁盤目状の切れ込みを入れ、セロハン粘着テープを、空気を含まないように貼り付け、セロハン粘着テープを一気に引き剥がすことにより、25マスの碁盤目中の剥がれが発生したマスの数を確認した。各マス内10%以上が剥がれているマスを剥がれの発生したマスとした。ここで、セロハン粘着テープはニチバン(株)製のセロテープ(商標)No.405を使用した。
JIS規格「JIS K 5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)」の方法に準じて測定した。すなわち、鉛筆硬度計(吉光精機製C−221)を用い、45°の角度で固定した鉛筆(三菱鉛筆(株)Uni)の芯による引掻きで、キズが生じる時の鉛筆の芯の硬さを測定した。
液晶重合体の層は、以下の手順で作製した。
(1)重合性液晶組成物溶液を、配向処理を施された基板上にスピンコートし、塗膜を作製した。
(2)60〜80℃で1〜5分間、ホットプレートにより加熱し、該塗膜から溶媒を除去した。
(3)配向処理を施された面上の手順(2)を経た塗膜に対し、90°の方向から、室温で、一定出力の、紫外線を照射し、液晶重合体の層を作製した。ここで、紫外線照射は、365受光器を用いて、配向処理を施された面上の塗膜の表面に対する、直線紫外線の露光量が500mJ/cm2になるように、照射時間を5秒から40秒の間で調整した。
ラビング処理により配向処理が施された基板(RAF−1)は以下の手順で作製した。
(1)PIA−5370をガラス基板にスピンコートし、塗膜つきガラス基板を作製した。
(2)手順(1)を経た塗膜つきガラス基板を、塗膜が形成されていない面を、80℃のホットプレートと接するように置き、その状態で1分間静置し、該塗膜から溶媒を除去した。
(3)220℃のオーブンで、手順(2)を経た塗膜つきガラス基板を30分間焼成した。
(4)手順(3)を経たガラス基板の塗膜部分を、一方向にレーヨン布で擦って、ラビング処理により配向処理が施された基板(RAF−1)を作製した。
ここで、「PIA−5370」は、JNC社製の配向膜リクソンアライナー(登録商標)PIA−5370である。PIA−5370は、ラビング処理用配向剤である。
[実施例1]
ポリアミック酸溶液は特開2012−193167号公報に記載の方法と同様にして合成した。
使用したジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の構造を以下に示す。
実施例1に記載のポリアミック酸溶液(PA−1)の合成において、ジアミン(DA−1)および(DA−3)とテトラカルボン酸二無水物(AA−4)とを、それぞれ表1に記載のジアミンまたはジアミン混合物とテトラカルボン酸二無水物とに置き換え、ポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA−2)および(PA−3)を調製した。
[実施例3]
光配向処理を施された基板(PAF−1)を次の手順で作製した。
(1)ポリアミック酸溶液(PA−1)および(PA−3)を重量比3:7の割合で混合し、その混合液にNMPを加えて、ポリマー固形分濃度が4重量%の光配向剤を作製した。
(2)(1)で作製した光配向剤を、ガラス基板に、2000rpmでスピンコートした。
(3)(2)で得たガラス基板を、光配向剤がスピンコートされていないガラス基板の面がホットプレートに接するように、60℃のホットプレート上に1分間置き、光配向剤に含まれる溶媒を除去することで、ガラス基板上に塗膜を作製した。
(4)(3)で得た塗膜に、室温で、塗膜表面に対して90度の方向から、波長365nmの直線偏光を2J/cm2のエネルギーで照射した。
(5)その後、220℃に設定したオーブン中で30分間焼成し、光配向処理を施された基板(PAF−1)を得た。
(1)ポリアミック酸溶液(PA−2)にNMPを加え、ポリマー固形分濃度が4重量%の光配向剤を作製した。
(2)(1)で作製した光配向剤を、ガラス基板に、2000rpmでスピンコートした。
(3)(2)で得たガラス基板を、光配向剤がスピンコートされていないガラス基板の面がホットプレートに接するように、80℃のホットプレート上に1分間置き、光配向剤に含まれる溶媒を除去することで、塗膜を作製した。
(4)(3)で得た塗膜を、さらに220℃のオーブン中で、10分間焼成した。
(5)(4)で得た塗膜に、室温で、塗布面に対して90度の方向から、254nmの波長の直線偏光を2J/cm2のエネルギーで照射した。
(6)その後、乳酸エチル溶液に室温で3分間浸漬させたのち、IPAで1分間リンスし、80℃のオーブンで10分間乾燥させ、光配向処理を施された基板(PAF−2)を得た。
使用した重合性液晶化合物の構造を以下に示す。
表2に記載した量を混合し、重合性液晶組成物(S−1)〜(S−5)を作製した。重合性液晶組成物(S−1)〜(S−5)は接着促進剤として、1つ以上のアミノ基および1つ以上の水酸基を有する重合性化合物であるEB3703(アミン変性エポキシアクリレート)を含有する本発明の重合性液晶組成物である。
表3に記載した割合で混合し、重合性液晶組成物(SC−1)〜(SC−6)を作製した。重合性液晶組成物(SC−1)〜(SC−6)は接着促進剤を含有するが、その接着促進剤は、1つ以上のアミノ基および1つ以上の水酸基を有する重合性化合物ではない。また、重合性液晶組成物(SC−7)は接着促進剤を含有していない。
[実施例9]
表4に記載の重合性液晶組成物と溶媒を混合し、重合性液晶組成物溶液を調製し、表4に記載の名称を名づけた。
表5に記載の重合性液晶組成物と溶媒を混合し、重合性液晶組成物溶液を調製し、表5に記載の名称を名づけた。
[実施例10]
位相差膜を以下の手順で作製した。
(1)重合性液晶組成物溶液を、実施例3および比較例1で作製した配向処理を施された面上へ、スピンコートした。
(2)(1)で得たガラス基板を、重合性液晶組成物溶液がスピンコートされていないガラス基板の面がホットプレートに接するように置き、60℃で3分間、ホットプレートにより加熱した。
(3)続けて、(2)で得た基板を、室温で3分間、冷却し、ガラス基板の配向処理を施された面上に塗膜を作製した。
(4)窒素雰囲気下の室温で、(3)で得た重合性液晶組成物からなる塗膜に対し、垂直の方向から、一定出力の超高圧水銀灯の光を照射し、重合性液晶組成物からなる塗膜を重合(硬化)させた。
なお、照射時間は、365受光器を用いて、手順(4)の重合性液晶組成物の表面に対する超高圧水銀灯の光の露光量が500mJ/cm2になるように、5秒から40秒の間で調整した。
また、実施例10で得られた位相差膜を、200℃、30分間オーブンで加熱処理を施した後、さらに230℃、60分間オーブンで加熱処理を施した。得られた位相差膜の耐熱性を評価し、結果を表7に記載した。耐熱率(%)=加熱処理後の位相差膜のRe(550)/加熱処理前の位相差膜のRe(550)×100の値を記す。該値が大きいほど耐熱性が高いことを示す。
これらのことから、位相差膜(RF−1)から(RF−6)は、正面コントラストに優れ、接着性が高く、かつ耐熱性も高いことがわかった。
Claims (13)
- 重合性液晶化合物(A)、および1つ以上のアミノ基および1つ以上の水酸基を有する重合性化合物である接着促進剤(B)を含む重合性液晶組成物。
- 上記重合性液晶化合物(A)が2つ以上の重合性基を有する化合物である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
- 上記接着促進剤(B)がアミン変性エポキシアクリレートである、請求項1または2に記載の重合性液晶組成物。
- 上記接着促進剤(B)の含有量が、重合性液晶組成物の全量に対して、0.01〜5重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
- 界面活性剤、重合開始剤および重合防止剤をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性を有する液晶重合体。
- 液晶分子がホモジニアス配向で固定された、請求項6に記載の液晶重合体。
- 液晶分子がツイスト配向で固定された、請求項6に記載の液晶重合体。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の液晶重合体の層が配向処理を施された基板上に直接積層してなる、位相差膜。
- 光配向処理を施された基板上に直接積層してなる、請求項9に記載の位相差膜。
- 波長550nmの面内レターデーションRe(550)が100nm以上300nm以下である、請求項9または10に記載の位相差膜。
- 請求項9〜11のいずれか1項に記載の位相差膜をカラーフィルタ層に直接、または平坦化層を介して積層した、カラーフィルタ。
- 請求項9〜11のいずれか1項に記載の位相差膜を含む表示素子。
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