JP2016531989A - 重合性液晶材料および重合した液晶膜 - Google Patents

重合性液晶材料および重合した液晶膜 Download PDF

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Abstract

本発明は、基板への改善された接着を有する、重合した液晶(LC)材料を含むポリマー膜に、かかるポリマー膜の製造方法に、かかるポリマー膜の製造に用いられる重合性LC材料に、ならびにポリマー膜および該重合性LC材料の、光学的、電気光学的、装飾的またはセキュリティー使用およびデバイスのための、使用に関する。

Description

本発明は、基板への改善された接着を有する、重合した液晶(LC(liquid crystal))材料を含むポリマー膜に、かかるポリマー膜の製造方法に、かかるポリマー膜の製造に用いられる重合性LC材料に、ならびに該ポリマー膜および該重合性LC材料の、光学的、電気光学的、装飾的またはセキュリティー使用およびデバイスのための、使用に関する。
重合性液晶(LC(liquid crystal))材料は、液晶ディスプレイにおける光学膜の製造のために、一般に使用されている。これらの材料は通常は、2つまたは3つ以上の重合性基(二官能性または多官能性)を有する一定量の化合物を含有し、これらは架橋して硬い膜を為す。
しかし重合の間に、ある重合性材料、例えばアクリラートなどは、ポリマー収縮を受けてしまう[R.A.M. Hikmet, B.H. Zwerver and D.J. Broer Polymer (1992), 33, 89を参照されたい]。この収縮は、重合した膜中で多数のひずみを引き起こし、膜と基板との間の接着を低減させる。
この問題点を克服する、先行技術で報告された1つの技術は、基板を改変して、重合した膜へのその接着を改善することに専念している。例えば、基板は特別な処理、例えば、US 2,795,820またはGB 0 788 365に開示される炎熱処理、DE 1 128 644に報告されるコロナ処理、またはR.L. Bersin Adhesives Age (1972) 15, 37に報告されるプラズマ処理などを施すことができる。
代替的に、別異の接着層または結合層(典型的には有機シラン材料の溶液)、例えば商業的に利用可能なAddid 900(登録商標)(Wacker GmbH, Burghausen, Germanyから)、アミノ官能性トリメトキシシランなどを基板上に被覆して、ポリマー膜の基板への接着の増強を援助することができる。
US 5,631,051は、トリアセチルセルロース(TAC(triacetyl cellulose))の透明基板上への光学的補償シートの製造方法であって、まずゼラチンの接着層をTAC膜上に設けることによる、該方法を開示している。次いで、重合性基の付加によって化学的に修飾した変性ポリビニルアルコール(PVA)の溶液を該ゼラチン層上に被覆し、該溶媒を蒸散させ、重合したPVA層の表面を一方向にラビングすることにより、配列層を形成させる。最終的に、ディスコティックLC材料を含む光学的に異方性な層を、該PVA層のラビングした表面上に被覆し、重合化させる。
US 5,747,121は、光学的補償シートの製造方法であって、重合性基の付加により化学的に修飾した変性ポリビニルアルコール(PVA(polyvinyl alcohol))の溶液を、透明基板上に被覆すること、該溶媒の蒸散させること、および該PVA層の表面の一方向にラビングすることによる、該方法を開示している。次いで、ディスコティックLC材料を含む光学的に異方性な層を、該PVA層のラビングした表面上に被覆し、重合化させる。そののちに、該膜に熱処理を施したところ、それにより、該PVA層およびディスコティックLC相が、遊離架橋性基を介して互いにへと化学的に結合したと報告されている。
しかし、ゼラチンまたはPVAなどの等方性材料を含む、別異の接着層または配列層が使用されると、液晶膜の性能に、例えば光学膜として用いられる際に、負の影響を及ぼし得る。
この問題点を克服するために、接着促進剤を直接的に重合性LC材料配合物に添加することができる。例えば、WO 2006/062352 A1は、別異の接着層または配列層を用いない、ホメオトロピック配列したポリマー膜を開示している。該ポリマー膜は、既定の界面活性物質を含む重合性LC混合物溶液を、その表面を親水性処理したプラスチック基板上に被覆し、乾燥させ、該混合物溶液をUV照射することにより、得られる。
しかし、全ての上記の方法は、表面処理ステップなど、追加の加工ステップを含む点において、際立った不利を有する。
それゆえ、従来技術材料の欠点を呈しないか、または、呈するとしても、低減された程度にのみで呈する、ホメオトロピック配列したポリマー膜の製造のための、代替の重合性液晶(LC)材料に対する必要性が、未だに存在している。
有利には、ホメオトロピック配列したポリマー膜の製造のための重合性LC材料は、以下であるべきである:
− プラスチック基板、例えばTAC、COP、またはカラーフィルタなどへの好ましい接着を示し、
− 別異の接着層の使用を必要とせず、
− 別異の配列層の使用を必要とせず、
− 改善された、一定したホメオトロピック配列を呈し、
− VIS光に対して高度に透過性(transparent)であり、かつ
− 特にはセル内適用の観点において、好ましく高温安定性を示す。
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明から、当業者には直ちに自明である。
驚くべきことに本発明の発明者らは、少量の接着促進剤を含む重合性LC材料を用いることにより、上記の目的を達成することができ、かつ従来技術の重合性LC材料の上述の欠点を克服できることを見い出した。かかる接着促進剤は重合したLC膜の、基板への接着を改善すべきであり、同時に材料の液晶相、例えば一定の配向、または膜の光学特性、例えば透過性などに、負に影響を及ぼすべきでなく、またはわずかな程度で及ぼすのみであるべきである。
本発明は、1種または2種以上の重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種の接着促進剤を含む重合性液晶(LC)材料であって、該接着促進剤が、側鎖に1つまたは2つ以上の一級アミノ基を含む(メタ)アクリル側鎖ポリマーから選択されることを特徴とする、前記材料に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の重合性LC材料から得ることができる、好ましくは得られた、ポリマー膜に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載のポリマー膜の製造方法に関する。
本発明はさらに、基板、好ましくはプラスチック基板、膜または表面への、重合性LC材料から得ることができる、好ましくは得られたポリマー膜の接着の、重合前にLC材料に1種または2種以上の接着促進剤を添加することによる、増加方法に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載のポリマー膜または重合性LC材料の、光学的、電気光学的、情報ストレージ、装飾的およびセキュリティー用途における使用であって、例えば液晶ディスプレイ、投射システム、偏光板、補償板、配列層、円偏光板、カラーフィルタ、装飾画像、液晶顔料、空間的に変化する反射色を有する反射膜、多色画像、偽造不可能な文書、例えば身分証明またはクレジットカードまたは紙幣など、における、前記使用に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の少なくとも1つのポリマー膜または重合性LC材料を含む、光学コンポーネントまたはデバイス、偏光板、パターン化リターダー、補償板、配列層、円偏光板、カラーフィルタ、装飾画像、液晶レンズ、液晶顔料、空間的に変化する反射色を有する反射膜、装飾のための多色画像または情報ストレージに関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の、少なくとも1つのポリマー膜または重合性LC材料または光学コンポーネントを含む、液晶ディスプレイに関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の、少なくとも1つのポリマー膜または重合性LC材料または光学コンポーネントを含む、認証、照合またはセキュリティーマーキング、セキュリティー使用のための有色または多色画像、偽造不可能なオブジェクトまたは有価文書、例えば身分証明またはクレジットカードまたは紙幣など、に関する。
用語および定義
本明細書で用いられる、用語「ポリマー」は、1つまたは2つ以上の区別できるタイプの繰り返し単位(分子の最小構成単位)を包含する分子を意味するものと解されるであろう、そして周知の用語「オリゴマー」、「コポリマー」、「ホモポリマー」などを含む。さらには、用語ポリマーは、ポリマー自体に加えて、開始剤からの残留物、触媒およびかかるポリマーの合成に関与する他の要素も含むと理解されるであろうが、ここでかかる残留物はそこには共有結合的に組み入られていないものと解される。さらには、かかる残留物および他の要素は、通常は重合化後精製プロセス中に除去されるが、それらは一般には、容器間で、または溶媒もしくは分散媒間で移すときに、ポリマーとともに残存するように、ポリマーとともに混合する(mixed)かまたは交じり合わせる(co-mingled)。
本発明で用いられる用語「(メタ)アクリルポリマー」は、アクリルモノマーから得られたポリマー、メタアクリルモノマーから得ることができるポリマー、およびかかるモノマーの混合物から得ることができる対応するコポリマーを含む。
用語「重合」は、多数の、重合性基またはかかる重合性基を含有するポリマー前駆体(重合性化合物)をともに結合させることにより、ポリマーを形成する、化学プロセスを意味する。
用語「膜」または「層」は、機械的安定性を有する、硬質または柔軟性な、自立性または独立性の膜、ならびに支持基板上のまたは2基板間の被覆または層を含む。
用語「液晶(LC(liquid crystal))」は、ある温度範囲において(サーモトロピックLC)または溶液中のある濃度範囲において(リオトロピック液晶)液晶メソ相を有する材料に関する。それらは必須的に、メソゲン性化合物を含有する。
用語「メソゲン性化合物」および「液晶化合物」は、1つまたは2つ以上のカラミティック(棒状、ブロードな/板状)またはディスコティック(円盤状)メソゲン性基を含む化合物を意味する。用語「メソゲン性基」は、液晶相(またはメソ相)挙動を誘導する能力を有する基を意味する。
メソゲン性基を含む化合物は、必ずしも自体が、液晶メソ相を呈する必要はない。他の化合物との混合物においてのみ、またはメソゲン性化合物または材料、またはそれらの混合物が重合化されたときに、それらが液晶メソ相を示すこともまた可能である。これは、低分子量非反応性液晶化合物、反応性または重合性液晶化合物、および液晶ポリマーを含む。
カラミティックメソゲン性基は通常は、1つまたは、互いにへと直接的にまたは結合基を介して結合した2つ以上の芳香族または非芳香族環状基からなるメソゲン性コアを含み、該メソゲン性コアの末端へと付着した末端基を任意に含み、および該メソゲン性コアの長手方向に付着した1つまたは2つ以上の側方基を任意に含み、ここでこれらの末端基および側方基は通常は、例えばカルビル基またはヒドロカルビル基、極性基、例えばハロゲン、ニトロ、ヒドロキシなど、または重合性基から選択される。
用語「反応性メソゲン」は、重合性のメソゲン性化合物または液晶化合物、好ましくはモノマー化合物を意味する。これらの化合物は、純粋な化合物で、または光開始剤、阻害剤、界面活性剤、安定剤、連鎖移動剤、非重合性化合物などとして機能する他の化合物との、反応性メソゲンの混合物で、用いることができる。
また、1つの重合性基を有する重合性化合物は「単反応性」化合物とも、2つの重合性基を有する化合物は「二反応性」化合物とも、および2つより多い重合性基を有する化合物は「多反応性」化合物とも称される。また、重合性基を有しない化合物は、「非反応性または非重合性」化合物とも称される。
用語「非重合性化合物または材料」は、上に定義されるメソゲン性基を含有しない、化合物または材料を意味する。
本発明の意味における用語「接着促進剤」は、重合性LC材料中で、例えばLCポリマー膜の製造のために、用いられて、重合したLC材料またはLCポリマー膜の、基板への接着を顕著に改善する、化合物または材料を意味する。
可視光は、約400nm〜約740nmの範囲の波長を有する電磁照射である。紫外(UV)光は、約200nm〜約450nmの範囲の波長を有する電磁照射である。
放射照度(E)または照射力は、電磁照射(dθ)の、単位面積(dA)あたりの、表面上への入射の力として定義される。

= dθ/dA (2)
放射露光または放射線量(H)は、時間(t)あたりの照射または照射力(E)である。

= E・t (3)
全ての温度、例えば液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクティック(S)からネマティック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などは、セルシウス度で値を付ける。全ての温度差は、差分度で値を付ける。
用語「透明点」は、最も高い温度範囲でのメソ相と、等方相との間の転移が生じる温度を意味する。
用語「ディレクタ」は従来技術で公知であり、液晶またはRM分子の長分子軸(カラミティック化合物の場合)または短分子軸(ディスコティック化合物の場合)の優先配向方向を意味する。かかる異方性分子の一軸性秩序の場合において、ディレクタは異方性の軸である。
用語「配列(alignment)」または「配向(orientation)」は、材料の異方性単位、例えば小分子、または大きな分子の断片などの、「配列方向」と名付けられる共通方向での配列(配向性秩序)に関する。液晶材料またはRM材料の、配列した層において、液晶ディレクタは配列方向に一致し、そのため配列方向は材料の異方性軸の方向に対応する。
例えば材料の層における、液晶またはRM材料の用語「一定の配向」または「一定の配列」は、液晶またはRM分子の長分子軸(カラミティック化合物の場合)または短分子軸(ディスコティック化合物の場合)が実質的に同じ方向に配列することを意味する。換言すると、液晶ディレクタの線列が平行である。
用語「ホメオトロピック構造」または「ホメオトロピック配向」は、光学軸が膜平面に実質的に垂直である膜に言及する。
複屈折Δnは、以下のとおり定義される。

Δn = n − n (4)

式中、nは異常光屈折率であり、およびnは常光屈折率である、および平均屈折率nav.は以下の式により与えられる:

av. = ((2n + n )/3)1/2 (5)
平均屈折率nav.および常光屈折率nは、Abbe屈折計を用いて測定することができる。次いでΔnを、上の式から計算することができる。
疑いのある場合、C. Tschierske, G. Pelzl and S. Diele, Angew. Chem. 2004, 116, 6340-6368で与えられる定義があてはまるであろう。
詳細な説明
典型的には、接着促進剤は重合性LC材料中に分散させる。理論に十分に一致して、1つまたは2つ以上の一級アミノ基を含む(メタ)アクリルポリマーの側鎖は基板の表面と、非共有結合性相互作用により、化学的に相互作用することができると、考えられている。
好ましい態様において、重合性LC材料は、式Iで表される少なくとも1つのサブユニットを含む、1つまたは2つ以上のメタ(アクリル)側鎖ポリマーを含む。
式中、
は、−Hまたは−C2m+1を、好ましくはHまたはメチルを示し、
mは、1〜15の整数を示し、
は、それぞれかつ独立してかつそれぞれの出現において、1〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキレン基を示し、および
nは、1〜10の整数を示す。
他の好ましい態様において、重合性LC材料は、1つまたは2つ以上のメタ(アクリル)側鎖ポリマー、ここで任意に1つまたは2つ以上の一級アミン基は、一級アミン塩、例えば−NH・HX、の、またはアンモニウム塩、例えば−NH 、の構造を有していてもよく、ここでXはそれぞれ、ハロゲン原子を示す、を含む。好ましくは、Xは、ClまたはBrを示す。
さらに好ましい態様において、重合性LC材料は、式Iで表されるサブユニットであって、式中Rがメチレンまたはエチレンを、好ましくはエチレンを示す、少なくとも1つの該ユニットを含む、1つまたは2つ以上のメタ(アクリル)側鎖ポリマーを含む。
上記の(メタ)アクリル側鎖ポリマーは、自体公知である、および例えば有機化合物の標準的な著作物、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartなどに記載される、方法により、製造することができる。
しかし、本発明による特に好ましい(メタ)アクリル側鎖ポリマーは、5〜100モル%でのアクリル酸および/もしくはメタクリル酸を、または該アクリル酸および/もしくはメタクリル酸の、0〜95モル%の量での1種または2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとの混合物を、重合化し、次いで得られた(メタ)アクリルポリマー中に存在するカルボキシル基の後続のアミノエチル化により、得ることができる。
好適な(メタ)アクリル酸エステルは好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、および(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルから選択される。好ましくは、該(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、および/または(メタ)アクリル酸プロピル、および/または(メタ)アクリル酸n−ブチルから選択される。
式Iにおいてnが1である場合、側鎖は、本質的に、1つの末端一級アミノ基を有する1つのアミノアルキレン基からなる。式Iにおけるnが2以上である場合、側鎖は、鎖体に1つまたは2つ以上の二級アミノ基を、および鎖の末端に1つの一級アミノ基を含む。
上記の(メタ)アクリル側鎖ポリマーの窒素原子に付着するアミン水素の量は、アミン水素当量(AHEW(amine hydrogen equivalent weight))で表現することができる。アミン水素当量は、以下の式(6)で計算することができる:

AHEW = (S1S24000)/(FW) (6)

式中、S1は(メタ)アクリルポリマーの量(g)であり、Nは(メタ)アクリルポリマーの固体含有量(重量%)であり、S2は希釈した(メタ)アクリルポリマー溶液の量(g)であり、Fは1/4N−PVSK溶液の力価であり、Vは滴定した1/4N−PVSK溶液の量(ml)であり、およびWは希釈したサンプル溶液の全重量(g)である。PVSK溶液は、コロイド滴定のためのポリビニル硫酸カルシウム溶液に対応し、これは、例えばWako Pure Chemical Industries, Ltd.から、商業的に入手可能である。
本発明の好ましい態様において、重合性LC材料は、300〜2000g/eqの範囲の、好ましくは500〜1900g/eqの範囲の、およびより好ましくは800〜1800g/eqの範囲のアミン水素当量を有する、1種または2種以上の、上記の(メタ)アクリル側鎖ポリマーを含む。
上記の(メタ)アクリル側鎖ポリマーの窒素原子に付着する、アミン水素の量はまた、アミン価により表現することができる。アミン価は、1gのメタ(アクリル)側鎖ポリマーに対するKOH当量として定義される。
本発明のさらに好ましい態様において、重合性LC材料は、0.1〜3.0mmol/gの範囲の、好ましくは0.3〜2.0mmol/gの範囲の、およびより好ましくは0.5〜1.5mmol/gの範囲のアミン価を有する、1種または2種以上の(メタ)アクリル側鎖ポリマーを含む。
本発明のさらに好ましい態様において、重合性LC材料は、5,000〜200,000の、好ましくは10,000〜150,000の、およびより好ましくは50,000〜120,000の重量平均分子量を有する、1種または2種以上のメタ(アクリル)側鎖ポリマーを含む。
メタ(アクリル)側鎖ポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC(gel permeation chromatography))を用いる、標準的なポリスチレン変換法により、計算することができる。
好ましくは商業的に利用可能なPOLYMENT(登録商標)シリーズ(Shokubai)から選択される、特にはPOLYMENT(登録商標)NK-380および/またはPOLYMENT(登録商標)NK-350から選択される、本明細書に記載される1種または2種以上の(メタ)アクリル側鎖ポリマーを含む重合性LC材料が、特に好ましい。
少量の上記の接着促進剤の、重合性LC材料への添加が、重合したLC層の、基板、特にはTAC、COPまたはカラーフィルタ材料の基板への接着の改善を助ける一方で、なおLC材料の所望の液晶特性を維持し、かつ一方で重合した膜においてLC分子の一定のホメオトロピック配向を呈する。すなわち、本発明による重合した膜におけるLC分子の優先配向はホメオトロピックである。
例えば液晶ディスプレイにおいて、用いられるとき、接着促進剤は、例えば膜の積み重ねにおいて、他のディスプレイコンポーネント、例えば配列層、電極層、カラーフィルタ、平坦化層、偏光板、補償板、パッシベーション層、絶縁層、ブラックマスク、拡散板、反射板、保護層、またはPSA(感圧接着剤)層などへの、重合したLC膜の接着を改善する。セキュリティーまたは装飾用途のために用いられるとき、接着促進剤は、例えば有価文書または装飾されるべきオブジェクトなどの、表面への、重合したLC膜の接着を改善することができる。
好ましくは、接着促進剤の最小量は、重合性LC材料の0.1重量%、特には0.5重量%、最も好ましくは1重量%である。接着促進剤の最大量は、重合性LC材料の、好ましくは10重量%、非常に好ましくは5重量%、特には3重量%である。
本発明による重合性LC材料のための好適な重合性化合物は、好ましくは、メソゲン性化合物または液晶化合物から選択される。それゆえ、重合性LC材料は典型的には、1種または2種以上の重合性キラルまたはアキラルのメソゲン性または液晶化合物を含む。
本発明のために用いられる重合性メソゲン性単反応性、二反応性、および多反応性化合物は、自体公知の、および例えば有機化学の標準的な著作物、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartなどに記載される、方法により、製造することができる。
本発明による重合性LC材料中で、モノマーまたはコモノマーとして用いることができる、好適な重合性メソゲン性化合物の例は、例えばWO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600およびGB 2 351 734に開示されている。しかし、これらの文書に開示される化合物は、単に例示として見なされるべきであり、これらは本発明の範囲を限定してはならない。
本発明による好適な重合性LC材料は、1種または2種以上の重合性単反応性、二反応性、または多反応性の液晶化合物を含み、これは好ましくは、式IIで表される化合物から選択される、

P−Sp−MG−R II
式中、
Pは、重合性基、好ましくはアクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニルオキシ基、プロペニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基またはスチレン基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
MGは、棒状形状のメソゲン基であり、これは好ましくは式Mから選択され、
Mは、−(A21−Z21−A22−(Z22−A23−であり、
21〜A23は、それぞれの出現において互いに独立して、1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lにより任意に置換されている、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基または脂環族基、好ましくは、1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lにより任意に置換されている、1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレン、1,4−ピリジン、1,4−ピリミジン、2,5−チオフェン、2,6−ジチエノ[3,2−b:2’3’−d]チオフェン、2,7−フルオリン、2,6−ナフタレン、2,7−フェナントレンであり、
21およびZ22はそれぞれの出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−NR01−CO−NR02、−NR01−CO−O−、−O−CO−NR01−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CY01=CY02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、または単結合、好ましくは−COO−、−OCO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCH−、−CHO−、−、−CHCH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
Lは、式Iにおいて上で定義された意味の1つを有し、
は、H、1〜20個のC原子、より好ましくは1〜15個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニル、これらはフッ素により任意に置換されている、であるか、またはYもしくはP−Sp−であり、
は、F、Cl、CN、NO、OCH、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有する任意にフッ素化されているアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化または多フッ素化アルキルもしくはアルコキシ、好ましくはF、Cl、CN、NO、OCH、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化アルキルもしくはアルコキシであり、
01およびY02はそれぞれかつ独立して、式Iにおいて上で定義した意味を有し、
01およびR02はそれぞれかつ独立して、式Iにおいて上で定義した意味を有し、および
kおよびlはそれぞれかつ独立して、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2、最も好ましくは1である。
本明細書において、「カルビル基」は、さらなる原子を含有しない(例えば−C≡C−など)か、または1つまたは2つ以上のさらなる原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどを任意に含有する(例えば、カルボニルなど)かのいずれかである、少なくとも1つの炭素原子を含有する、一価または多価の有機基を示す。「ヒドロカルビル基」は、1つまたは2つ以上のH原子および任意に1つまたは2つ以上のヘテロ原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなど、を追加的に含有する、カルビル基を示す。
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを、好ましくはFを示す。
カルビルまたはヒドロカルビル基は、飽和または不飽和の基であり得る。不飽和の基は、例えば、アリール、アルケニル、またはアルキニル基である。3個よりも多いC原子を有するカルビルまたはヒドロカルビル基は、直鎖、分枝および/または環状であることができ、かつスピロ結合または縮合環を含有していてもよい。
本明細書において、用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などはまた、多価の基、例えばアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなどを包含する。用語「アリール」は、芳香族の炭素基、またはそこから派生する基を示す。用語「ヘテロアリール」は、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含有する、上の定義による「アリール」を示す。
好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜18個のC原子を有する、任意に置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、6〜40個の、好ましくは6〜25個のC原子を有する、任意に置換されているアリールまたはアリールオキシ、または6〜40個の、好ましくは6〜25個のC原子を有する、任意に置換されているアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
さらに好ましいカルビルまたはヒドロカルビル基は、C〜C40アルキル、C〜C40アルケニル、C〜C40アルキニル、C〜C40アリル、C〜C40アルキルジエニル、C〜C40ポリエニル、C〜C40アリール、C〜C40アルキルアリール、C〜C40アリールアルキル、C〜C40アルキルアリールオキシ、C〜C40アリールアルキルオキシ、C〜C40ヘテロアリール、C〜C40シクロアルキル、C〜C40シクロアルケニルなどである。特に好ましいのは、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22アリル、C〜C22アルキルジエニル、C〜C12アリール、C〜C20アリールアルキル、およびC〜C20ヘテロアリールである。
さらに好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個のC原子を、より好ましくは1〜12個のC原子を有する直鎖または分枝または環状アルキルラジカル、これは非置換であるか、またはF、Cl、Br、IまたはCNにより単置換または多置換されており、かつここにおいて1つまたは2つ以上の非隣接のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C(R)=C(R)−、−C≡C−、−N(R)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いにへと直接的に結合しないように置き換えられていてもよい、である。
は好ましくは、H、ハロゲン、1〜25個のC原子を有する直鎖、分枝または環状アルキル鎖、ここにおいて加えて、1つまたは2つ以上の非隣接のC原子は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、かつここにおいて1つまたは2つ以上のH原子はフッ素により置き換えられていてもよい、6〜40個のC原子を有する任意に置換されているアリールまたはアリールオキシ基、または2〜40個のC原子を有する任意に置換されているヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を示す。
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、パーフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロヘキシルなどである。
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−へプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシなどである。
好ましアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
アリールおよびヘテロアリール基は単環式または多環式であり得る、つまりそれらは1つの環(例えば、フェニルなど)または2つまたは3つ以上の環を有し得、またこれは縮合していても(例えば、ナフチルなど)または共有結合していても(例えば、ビフェニルなど)、または縮合したおよび結合した環の組み合わせを含有していてもよい。ヘテロアリール基は、好ましくはO、N、S、およびSeから選択される、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含有する。
特に好ましいのは、6〜25個のC原子を有する単環式、二環式または三環式のアリール基、および2〜25個のC原子を有する単環式、二環式または三環式のヘテロアリール基、これは縮合した環を任意に含有しており、かつこれは任意に置換されている、である。好ましいのは、さらには、5員、6員または7員のアリールまたはヘテロアリール基、ここにおいて、加えて1つまたは2つ以上のCH基はN、S、またはO原子により、O原子および/またはS原子が互いにへと直接的に結合しないように置き換えられていてもよい、である。
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、[1,1’:3’1’’]ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
好ましいヘテロアリール基は、例えば、5員環、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなど、6員環、例えばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなど、または縮合基、例えばインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなど、またはこれらの基の組み合わせである。ヘテロアリール基はまた、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
(非芳香族)脂環式および複素脂環式基は、飽和環、すなわち専ら単結合を含有するもの、および部分的に不飽和の環、つまり多重結合もまた含有し得るもの、の両方を包含する。複素環式環は、好ましくはSi、O、N、S、およびSeから選択される、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を含有する。
(非芳香族)脂環式および複素脂環式基は、単環式、つまり1つの環のみを含有する(例えば、シクロヘキサンなど)、または多環式、つまり複数の環を含有する(例えば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタンなど)であり得る。特に好ましいのは、飽和基である。好ましいのはさらには、3〜25個のC原子を有する単環式、二環式、または三環式の基、これは任意に縮合環を含有し、かつこれは任意に置換されている、である。好ましいのはさらには、5員、6員、7員、8員の炭素環式基、ここにおいて、加えて、1つまたは2つ以上のC原子はSiにより置き換えられていてもよい、および/または1つまたは2つ以上のCH基はNにより置き換えられていてもよい、および/または1つまたは2つ以上の非隣接のCH基は−O−および/または−S−により置き換えられていてもよい、である。
好ましい脂環式および複素脂環式基は、例えば、5員の基、例えばシクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなど、6員の基、例えばシクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジンなど、7員の基、例えばシクロヘプタンなど、および縮合した基、例えばテトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5ジイルなど、である。
アリール、ヘテロアリール、カルビル、およびヒドロカルビルラジカルは、1つまたは2つ以上の置換基、これは好ましくは、シリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C1〜12アルキル、C6〜12アリール、C1〜12アルコキシ、ヒドロキシルを含む群から選択されるか、またはこれらの基の組み合わせである、を任意に有する。
好ましい置換基は、例えば、溶解性促進基、例えばアルキルまたはアルコキシなど、電子吸引基、例えばフッ素、ニトロまたはニトリルなど、ポリマーにおけるガラス転移温度(Tg)を上昇させるための置換基、特には嵩高い基、例えばt−ブチルまたは任意に置換されているアリール基など、である。
以下において「L」とも称される、好ましい置換基は、例えば、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R、−C(=O)Y、−C(=O)R、−C(=O)OR、−N(R、ここにおいてRは上述の意味を有し、およびYはハロゲンである、任意に置換されているシリル、4〜40個の、好ましくは4〜20個の環原子を有する任意に置換されているアリールまたはヘテロアリール、および1〜25個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ、ここにおいて1つまたは2つ以上のH原子はFまたはClにより置き換えられていてもよい、である。
「置換シリルまたはアリール」は好ましくは、ハロゲン、−CN、R、−OR、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−Rまたは−O−CO−O−R、ここでRは上述の意味を有する、で置換されていることを意味する。
特に好ましい置換基Lは、例えば、F、Cl、CN、NO、CH、C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OC、さらにはフェニルである。
本明細書に示される式において、置換フェニレン環
式中Lは、それぞれの出現において同一であるか、または異なって、本明細書において与えられる意味の1つを有し、および好ましくはF、Cl、CN、NO、CH、C、C(CH、CH(CH、CHCH(CH)C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OCまたはP−Sp−、非常に好ましくはF、Cl、CN、CH、C、OCH、COCH、OCFまたはP−Sp−、最も好ましくはF、Cl、CH、OCH、COCHまたはOCFである、である。
重合性基Pは好ましくは、C=C二重結合またはC≡C三重結合、および開環での重合に好適な基、例えば、オキセタンまたはエポキシド基など、を含む群から選択される。
非常に好ましくは、重合性基Pは、
ここにおいて、WはH、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを、特にはH、F、ClまたはCHを示し、WはHまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを、特にはH、メチル、エチルまたはn−プロピルを示し、WおよびWはそれぞれ、互いに独立して、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを示し、Pheは1,4−フェニレン、これは上に定義される1つまたは2つ以上のL、しかしP−Sp−とは異なる、により任意に置換さている、を示し、およびk、kおよびkはそれぞれ、互いに独立して、0または1を示し、kは好ましくは1を示し、およびkは1〜10の整数である、
からなる群から選択される。
特に好ましくは、基Pは
特にはビニルオキシ、アクリラート、メタクリラート、フルオロアクリラート、クロロアクリラート、オキセタンおよびエポキシド、最も好ましくはアクリラートまたはメタクリラートである。
本発明のさらに好ましい態様において、全ての重合性化合物およびその従属式は、1つまたは2つ以上のラジカルP−Sp−の代わりに、2つまたは3つ以上の重合性基Pを含有する1つまたは2つ以上の分枝ラジカルを含有する(多反応性重合性ラジカル)。このタイプの好適なラジカル、およびこれらを含有する重合性化合物は、例えばUS 7,060,200 B1またはUS 2006/0172090 A1に記載されている。特に好ましいのは、以下の式から選択される多反応性重合性ラジカルである:
式中、
alkylは、単結合、または1〜12個のC原子を有する直鎖または分枝アルキレン、ここにおいて1つまたは2つ以上の非隣接のCH基は、互いに独立して、−C(R)=C(R)−、−C≡C−、−N(R)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いにへと直接的に結合しないように置き換えられていてもよく、およびここにおいて、加えて、1つまたは2つ以上のH原子はF、ClまたはCNにより置き換えられていてもよく、ここでRは上述の意味を有し、および好ましくは上に定義されるRを示す、を示し、
aaおよびbbはそれぞれ、互いに独立して、0、1、2、3、4、5または6を示し、
Xは、X’に対して示される意味の1つを有し、および
1〜5はそれぞれ、互いに独立して、Pに対して上で示される意味の1つを有する。
好ましいスペーサー基Spは、式Sp’−X’から選択され、そのためラジカル「P−Sp−」は式「P−Sp’−X’−」に適合し、ここで
Sp’は、1〜20個の、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレン、これはF、Cl、Br、IまたはCNにより任意に単置換または多置換されており、およびここにおいて、加えて、1つまたは2つ以上の非隣接のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR01−、−SiR0102−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR01−CO−O−、−O−CO−NR01−、−NR01−CO−NR01−、−CH=CH−または−C≡C−により、Oおよび/またはS原子が互いにへと直接的に結合しないように置き換えられていてもよい、を示し、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−NR01−CO−NR01−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CY01=CY02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を示し、
01およびR02はそれぞれ、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを示し、および
01およびY02はそれぞれ、互いに独立して、H、F、ClまたはCNであり、
X’は好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR01−CO−、−NR01−CO−NR01−または単結合である。
典型的なスペーサー基Sp’は例えば、−(CHp1−、−(CHCHO)q1−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−、−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR0102−O)p1−、ここにおいてp1は1〜12の整数であり、q1は1〜3の整数であり、およびR01およびR02は上述の意味を有する、である。
特に好ましい基−X’−Sp’−は、−(CHp1−、−O−(CHp1−、−OCO−(CHp1−、−OCOO−(CHp1−である。
特に好ましい基Sp’は、例えば、それぞれの場合において、直鎖のエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
好ましい重合性重合性単反応性、二反応性、または多反応性液晶化合物は、例えば、WO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600、US 5,518,652、US 5,750,051、US 5,770,107およびUS 6,514,578に開示されている。
さらに好ましい重合性単反応性、二反応性、または多反応性液晶化合物を、以下の一覧に示す:
式中、
は、多数回出現の場合は互いに独立して、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、オキセタン、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはスチレン基であり、
は、多数回出現の場合は互いに独立して、1,4−フェニレン、これは1つ、2つ、3つまたは4つの基Lにより任意に置換されている、またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
は、多数回出現の場合は互いに独立して、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
rは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
tは、多数回出現の場合は互いに独立して、0、1、2または3であり、
uおよびvは、互いに独立して、0、1または2であり、
wは、0または1であり、
xおよびyは、互いに独立して0であるか、または独立してもしくは異なって1〜12の整数であり、
zは、0または1、隣接するxまたはyが0の場合はzは1である、であり、
加えて、ここで、ベンゼンおよびナフタレン環は加えて、1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なっている基Lで置換されていることができる。
パラメーターR、Y、R01、R02およびLは、式IIで上に与えられるのと同じ意味を有する。
本発明による方法に用いられる全体としての好ましいLC材料における該単反応性、二反応性または多反応性液晶化合物の比率は、好ましくは30〜99.9重量%の範囲、より好ましくは40〜99.9重量%の範囲およびなおより好ましくは50〜99.9重量%の範囲である。
重合性LC材料は好ましくは、1つの重合性基を有する1種または2種以上の重合性化合物(単反応性)および2つまたは3つ以上の重合性基を有する1種または2種以上の重合性化合物(二反応性または多反応性)を含む混合物である。
他の好ましい態様において、低架橋性膜の製造に用いられる重合性LC材料は、2より多く重合性基を有する化合物を含有しない。
他の好ましい態様において、低架橋性膜の製造に用いられる重合性LC材料は、アキラル材料である、つまりキラル化合物を含有しない。
本明細書において言及される重合性化合物および重合性メソゲン性化合物は、好ましくはモノマーである。
好ましくは、本発明による重合性LC材料はまた、ラジカル重合化のための1種または2種以上の光開始剤を含んでもよく、例えば商業的に利用可能なIrgacure(登録商標)またはDarocure(登録商標)シリーズ(全てCiba Geigy AGから)を用いることができるが、一方でカチオン性光重合の場合、商業的に利用可能なUVI 6974(Union Carbide)を用いることができる。
より好ましくは、本発明による重合性LC材料はまた、重合に用いられる照射の波長に調節された吸収極大を有する1種または2種以上の色素、特にはUV色素、例えば4,4’’−アゾキシアニソールまたはTinuvin(登録商標)色素(Ciba AGから)を含んでいてもよい。
本発明による重合性LC材料はまた、例えば商業的に利用可能なIrganox(登録商標)シリーズ(Ciba AG)、例えばIrganox 1076など、から選択される、所望でない自発的な重合化を防ぐ1種または2種以上の安定剤または阻害剤を、好ましくは0〜0.1%、非常に好ましくは0〜0.2%の量で、含んでいてもよい。
好ましい態様において、本発明による重合性LC材料は、1種または2種以上の単反応性重合性非メソゲン性化合物を、好ましくは0〜50%、非常に好ましくは0〜20%の量で、含む。典型的な例は、アルキルアクリラート類またはアルキルメタクリラート類、好ましくはメタクリル酸イソボニルである。
他の好ましい態様において、重合性LC材料は任意に、1種または2種以上の二反応性、または多反応性重合性非メソゲン化合物を、好ましくは0〜50%、非常に好ましくは0〜20%の量で、二反応性、または多反応性重合性メソゲン性化合物に代替的にまたはこれに加えて含んで、ポリマー膜の複屈折を改変する。二反応性モノマーの典型的な例は、1〜20個のC原子のアルキル基を有するアルキルジアクリラートまたはアルキルジメタクリラート、またはヘキサンジオールジアクリラートである。多反応性モノマーの典型的な例は、トリメチルプロパントリメタクリラート、またはペンタエリトリトールテトラアクリラートである。
本発明により用いられる重合性LC材料は、専門家に周知の、1種または2種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、なおより好ましくは0.1〜1重量%であり、特には、商業的に利用可能な界面活性剤TegoRad 2500(Evonik)、またはFluorN 561もしくは562(Cytonix)またはn−ドデカノールから選択される。
1種または2種以上の連鎖移動剤を重合性LC材料に添加して、ポリマー膜の物理的特性を改変することもまた可能である。チオール化合物、例えば単反応性チオール類、例えばドデカンチオール、または多反応性チオール、例えはトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオナート)が、特に好ましい。例えばWO 96/12209、WO 96/25470、またはUS 6,420,001に開示される、メソゲン性または液晶チオール類が、非常に好ましい。連鎖移動剤を用いることにより、ポリマー膜中で、遊離ポリマー鎖の長さ、および/または2架橋間のポリマー鎖の長さを制御することができる。連鎖移動剤の量を増加させるとき、ポリマー膜中のポリマー鎖長は低減する。
本発明による重合性LC材料はまた、ポリマー結合剤、またはポリマー結合剤を形成することができる1種もしくは2種以上のモノマー、および/または1種もしくは2種以上の分散補助剤を含んでいてもよい。好適な結合剤および分散補助剤は、例えばWO 96/02597に開示されている。しかし、好ましくは、重合性材料は結合剤または分散補助剤を含有しない。
他の好ましい態様において、重合性材料は加えて、1種または2種以上の追加の成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤、共反応性モノマー、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、助剤、着色剤、色素または顔料など、を含み得る。
好ましくは、重合性LC材料は、
a) 1種または2種以上の単反応性、二反応性または多反応性重合性メソゲン性化合物、
b) 側鎖に1つまたは2つ以上の一級アミノ基を含む、(メタ)アクリル側鎖ポリマーから選択される、1種または2種以上の接着促進剤、
c) 1種または2種以上の光開始剤、
d) 任意に、1種または2種以上の界面面活性剤、
e) 任意に、1種または2種以上の安定剤、
f) 任意に、1種または2種以上の、単反応性、二反応性または多反応性重合性非メソゲン性化合物、
g) 任意に、光重合を開始するのに用いられる波長において吸収極大を示す、1種または2種以上の色素、
h) 任意に、1種または2種以上の連鎖移動剤、
i) 任意に、1種または2種以上の安定剤
を含む。
より好ましくは、重合性LC材料は、
a) 1種または2種以上の単反応性重合性メソゲン性化合物、好ましくは30〜95重量%、非常に好ましくは50〜90重量%の量で、好ましくは式II−1および/またはII−7で表される化合物から選択される、
b) 1種または2種以上の二反応性または多反応性重合性メソゲン性化合物、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは25〜55重量%の量で、好ましくは式II−6および/またはII−7で表される化合物から選択される、
c) 1種または2種以上の接着促進剤、好ましくは0.1〜3重量%、非常に好ましくは0.1〜1重量%の量で、好ましくはNK−380および/またはNK−350から選択される、
d) 任意に、1種または2種以上の光開始剤、好ましくは3〜20重量%、非常に好ましくは5〜15重量%の量で、
e) 任意に、1種または2種以上の界面活性剤、および
f) 任意に、1種または2種以上の安定剤
を含む。
本発明はさらに、ポリマー膜の製造方法であって、
− 基板上に、本明細書に記載される重合性LC材料の層を提供すること、
− 該重合性LC材料を重合化すること、および
− 任意に、該基板から該重合したLC材料を除去すること、および/または任意に、他の基板上にそれを提供すること
による、前記方法に関する。
重合性LC材料を好適な溶媒中に溶解することもまた、可能である。そしてこの溶液を、基板上に、例えばスピンコーティング、プリンティング、または他の公知の技術により、被覆または印刷し、重合化前に溶媒を蒸散させる。ほとんどの場合において、混合物を加熱して溶媒の蒸散を促進させることが、好適である。溶媒として、例えば標準的な有機溶媒を用いることができる。溶媒は、例えば、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンまたはシクロヘキサノンなど;酢酸塩類、例えば酢酸メチル、エチルもしくはブチルまたはアセト酢酸メチルなど;アルコール類、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなど;芳香族溶媒類、例えばトルエンまたはキシレンなど;ハロゲン化炭化水素類、例えばジクロロメタンまたはトリクロロメタンなど;グリコール類またはそれらのエステル類、例えばPGMEA(プロピルグリコールモノメチルエーテルアセタート(propyl glycol monomethyl ether acetate))、γ−ブチロラクトンなど、を用いることができる。上記の溶媒の二元、三元またはより高次の混合物を用いることもまた、可能である。
重合性LC材料は、慣用のコーティング技術、例えばスピンコーティング、バーコーティングまたはブレードコーティングにより、基板上に適用することができる。これはまた、専門家に知られた慣用の印刷技術、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、リールトゥリール印刷、レタープレス印刷、グラビア印刷、ロトグラビア印刷、フレキソグラフィック印刷、凹版印刷、パッド印刷、ヒートシール印刷、インクジェット印刷またはスタンプもしくはプリント版による印刷などにより、基板上に適用することもできる。
好適なプラスチック基板は、例えば光学膜産業で用いられる慣用の基板など、専門家に公知であり、および文献に記載されている。重合化に特に好適かつ好ましい基板は、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタラート(PET(polyethyleneterephthalate))もしくはポリエチレンナフタラート(PEN(polyethylenenaphthalate))、ポリビニルアルコール(PVA(polyvinylalcohol))、ポリカーボナート(PC(polycarbonate)) トリアセチルセルロース(TAC(triacetylcellulose))など、またはシクロオレフィンポリマー類(COP(cyclo olefin polymers))、または周知のカラーフィルタ材料、特に、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンコポリマー(COP)、または周知のカラーフィルタ材料である。
ポリマー膜は好ましくは、重合性LC材料から、in-situ重合化により製造される。好ましい製造方法において、重合性LC材料を基板上に被覆し、次いで、例えばWO 01/20394、GB 2,315,072またはWO 98/04651に記載されるように、例えば熱または化学線への曝露により、重合化する。
LC材料の重合化は好ましくは、化学線に曝露することにより達成される。化学線は、光、例えばUV光、IR光もしくは可視光などでの照射、X線もしくはγ線での照射、または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子などでの照射を意味する。好ましくは、重合化は、光照射、特にはUV光により実行される。化学線照射源として、例えば、単一のUVランプまたはUVランプのセットを用いることができる。高ランプ力を用いるとき、硬化時間を低減させることができる。光照射のための他の可能なソースは、レーザー、例えばUVレーザー、IRレーザー、または可視光レーザーなどである。
硬化時間は、とりわけ、重合性LC材料の反応性、被覆される層の厚さ、重合開始剤のタイプおよびUVランプのパワーに依存する。硬化時間は好ましくは、≦5分、非常に好ましくは≦3分、最も好ましくは≦1分である。大量生産のためには、≦30秒の短い硬化時間が好ましい。
好適なUV照射力は、好ましくは、5〜200mWcm−2の範囲、より好ましくは50〜175mWcm−2の範囲、および最も好ましくは100〜150mWcm−2の範囲である。
印加UV照射に関連して、および時間の関数として、好適なUV量は好ましくは、25〜7200mJcm−2の範囲、より好ましくは500〜7200mJcm−2の範囲、および最も好ましくは3000〜7200mJcm−2の範囲である。
重合化は、化学線の波長で吸収性の開始剤の存在下で実行する。例えば、UV光により重合化するとき、UV照射下で分解して、重合化反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを作り出す、光開始剤を用いることができる。UV光開始剤、特にラジカル性UV光開始剤が、好ましい。
重合化は好ましくは、不活性ガス雰囲気下で、好ましくは加熱窒素雰囲気下で実行され、ならびに空気中での重合化も可能である。
重合化は好ましくは、1〜70℃、より好ましくは5〜50℃、なおより好ましくは15〜30℃の温度で実行される。
本発明による、重合したLC膜は、プラスチック基板、特にTAC、COP、およびカラーフィルタへの良好な接着を有する。したがって、もしそうでなければ良好には基板に接着しない後続のLC層のための接着剤またはベースコーティングとして用いることができる。
本発明による重合したLC膜の好ましい厚さは、膜または最終製品から所望される光学特性により決定される。例えば、重合したLC膜が主に光学的な層として作用せず、しかし例えば接着、配向または保護の層として作用する場合、その厚さは好ましくは、1μm以下、特には0.5μm以下、非常に好ましくは0.2μm以下である。
ポリマー膜の光学的適用のためには、好ましくは0.5〜10μm、非常に好ましくは1〜5μm、特には1〜3μmの厚さを有する。
入射ビームの波長(λ)の関数としての、ポリマー膜の光学リタデーション(δ(λ))は、以下の式(7)により与えられる:

δ(λ) = (2πΔn・d)/λ (7)

式中、(Δn)は膜の複屈折であり、(d)は膜の厚さであり、およびλは入射ビームの波長である。
スネルの法則によると、入射ビームの方向の関数としての複屈折は、以下のとおり定義される。

Δn = sinΘ / sinΨ (8)

式中、sinΘは膜における入射角または光学軸のティルト角であり、sinΨは対応する反射角である。
これらの法則に基づき、複屈折および従って光学リタデーションは、膜の厚さおよび膜における光学軸のティルト角に依存する(Berekの補償板を参照されたい)。それゆえ、熟達した専門家は、異なる光学リタデーションまたは異なる複屈折を、ポリマー膜中の液晶分子の配向を調節することにより誘導することができることに気付く。
本発明によるポリマー膜の複屈折(Δn)は好ましくは、0.01〜0.30の範囲、より好ましくは0.01〜0.25の範囲、およびなおより好ましくは0.01〜0.16の範囲である。
本発明の方法により得ることができるポリマー膜の厚さの関数としての光学リタデーションは、200nm未満、好ましくは180nm未満、およびなおより好ましくは150nm未満である。
本発明のホメオトロピック配列ポリマー膜は、例えばLCDにおいて、リタデーション膜または補償膜として用いて、大きな視野角でコントラストおよび輝度を改善し、かつ彩度を低減させることができる。それらは、LCD中の切り替え可能な液晶セル外で、または切り替え可能な液晶セルを形成して切り替え可能な液晶媒体を含有する基板、通常はガラス基板間(セル内適用)で用いることができる。
特にセル内適用に関し、本発明によるポリマー膜は高温安定性を呈する。それゆえ、ポリマー膜は300℃にまでの、好ましくは250℃にまでの、より好ましくは230℃にまでの温度安定性を呈する。
本発明のポリマー膜はまた、他の液晶またはRM材料のための配列膜として使用することができる。例えば、それらはLCD内で用いて、切り替え可能な液晶媒体の配列を誘導または改善することができるか、またはその上に被覆される重合性LC材料の後続の層を配列することができる。このようにして、重合したLC膜のスタックを製造することができる。
総括すると、本発明による重合したLC膜および重合性LC材料は、光学素子、例えば液晶ディスプレイまたは投射システムにおける偏光板、補償板、配列層、円偏光板またはカラーフィルタ、装飾的画像において、液晶またはエフェクト顔料の製造に、および特には空間的に変化する反射色を有する反射膜に、例えば装飾のための多色画像、情報ストレージまたはセキュリティー用途、例えば偽造不可能な文書、例えば身分証明またはクレジットカード、または紙幣などとして、有用である。
本発明による重合したLC膜は、透過型または反射型ディスプレイで用いることができる。それらは慣用のLCD、特にはDAP(配列相変形(deformation of aligned phases))またはVA(垂直配列(vertically aligned))方式のもの、例えばECB(電気制御複屈折(electrically controlled birefringence))、CSH(カラースーパーホメオトロピック(colour super homeotropic))、VANまたはVAC(垂直配列ネマティックまたはコレステリック(vertically aligned nematicまたはcholesteric))ディスプレイ、MVA(マルチドメイン垂直配列(multi-domain vertically aligned))またはPVA(パターン化垂直配列(patterned vertically aligned))ディスプレイにおいて、ベンド方式またはハイブリッド型ディスプレイ、例えばOCB(光学補償ベンドセルまたは光学的補償複屈折(optically compensated bend cellまたはoptically compensated birefringence))、R−OCB(反射OCB(reflective OCB))、HAN(ハイブリッド配列ネマティック(hybrid aligned nematic))またはパイセル(π-cell)ディスプレイにおいて、さらにはTN(ねじれネマティック(twisted nematic))、HTN(高度ねじれネマティック(highly twisted nematic))、またはSTN(スーパーねじれネマティック(super twisted nematic))方式のディスプレイにおいて、またはAMD−TN(アクティブマトリクス駆動TN(active matrix driven TN))ディスプレイにおいて、またはIPS(平面内切り替え(in plane switching))方式のディスプレイ、これは「スーパーTFT」ディスプレイとしても公知である、において、用いることができる。VA、MVA、PVA、OCB、およびパイセルディスプレイが、特に好ましい。
本発明による重合性材料およびポリマー膜は、EP 0 829 744、EP 0 887 666 A2、EP 0 887 692、US 6,046,849、US 6,437,915に、および"Proceedings o the SID 20th International Display Research Conference, 2000", page 280に記載される、3Dディスプレイに有用である。本発明によるポリマー膜を含む、このタイプの3Dディスプレイは、本発明のもう1つの目的である。
本発明は、本明細書において、好ましい態様を特に参照にして記載される。様々な変更および改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することがなく、なされてもよいと理解されるべきである。
本明細書で述べられる化合物またはその混合物の多くは、商業的に利用可能である。全てのこれらの化合物は、公知であるか、または文献(例えば、標準的な著作物、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie [有機化学の方法], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなど)に記載されるようにして、正確には、公知かつ該反応に好適な反応条件下で、自体公知である方法により製造できるかのいずれかである。ここで、自体公知であるが、本明細書には述べられていない、変形の使用もまた、なされ得る。
文脈が他に明確に示さなければ、本明細書における用語の、本明細書で用いられる複数形は単数形も含むものと理解され、かつその逆もまた同様である。
本願をとおして、他に明確に述べられなければ、全ての濃度は重量パーセントで与えられ、かつそれぞれの完全な混合物に関連し、全ての温度は摂氏(Celsius)度で与えられ、かつ全ての温度差は摂氏度で与えられる。全ての物理的特性は、"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Germanyに従って決定しており、かつ決定され、他に明確に述べられなければ、20℃の温度に対して与えられる。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長で決定する。
本明細書の説明および特許請求の範囲をとおして、単語「含む(comprise)」および「含有する(contain)」および該単語の変形、例えば「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそこには限定されない(including but not limited to)」を意味し、かつ他の構成要素を除外することを意図しない(かつ、除外しない)。一方で、単語「含む(comprise)」はまた、用語「〜からなる(consisting of)」を包含するが、それには限定されない。
本明細書の説明および特許請求の範囲をとおして、単語「入手可能(obtainable)」および「入手した(obtained)」および該単語の変形は、「含むがそこには限定されない(including but not limited to)」を意味し、かつ他の構成要素を除外することを意図しない(かつ、除外しない)。一方で、単語「入手可能(obtainable)」はまた、用語「入手した(obtained)」を包含するが、それには限定されない。
本発明の前述の態様に対する変形を為すことができる一方で、なおも本発明の範囲内にある、と理解されるであろう。同じ、均等の、または類似の目的の役割をする代替の特徴は、他に述べられなければ、本明細書に開示されるそれぞれの特徴と置き換えてもよい。それゆえ、他に述べられなれば、開示されるそれぞれの特徴は、包括的な一連の、均等な、または類似する特徴の一例にすぎない。
本明細書に開示される特徴の全ては、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが互いに排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての側面に適用可能であり、かつ任意の組み合わせで用いられ得る。同様にして、非必須的組み合わせで記載された特徴は、別々で(組み合わせではなく)用いられ得る。
上に記載される特徴の、特には好ましい態様の多くは、それら自体で発明的であり、本発明の態様の一部としてではない。現在特許請求されるあらゆる発明に加えて、またはその代替で、これらの特徴に対して、独立した保護が求められ得る。
今、本発明が以下の実施例を参照して詳細に記載されるが、これらは説明であるのみであり、本発明の範囲を限定しない。
以下の実施例は、そこに限定することなく、本発明を説明する役割をする。上述および以下において、他に述べられなければ、全ての温度はセルシウス度で、および全てのパーセンテージは重量により与えられる。
例1
重合性LC混合物M1を、以下のように配合する。
Irgacure651(登録商標)は光開始剤であり、Irganox1076(登録商標)は安定剤であり、ともに商業的に利用可能である(Ciba AG, Basel, Switzerland)。
TAC基板上への配列および接着
M1をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)に、30%の濃度で溶解させる。
NK−380を、M1の1重量%で、溶液に添加する。得られた溶液をTAC上にスピンコート(2,000RPM;30s)し、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、クリアで、良好な配向を有する、透過性(transparent)ポリマー膜を為す。
膜の、基板への接着は、Scotch #610テープテストを用いて試験する。610テープをそれによってポリマー膜にわたって適用し、敏速に除去する。膜が除去されない場合、接着は合格であると見なす。それぞれの膜を、5回、試験する。Scotch #610テープテストの結果により、NK−380をM1に添加することにより、重合したLC層と基板との間の接着を促進しながら、クリアで、透過性な、高度に配向した膜を得ることが示される。
カラーフィルタ上への配列
M1を、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)中に、30%の濃度で溶解させる。
NK−380を、M1の1重量%で溶液に添加する。得られた溶液をカラーフィルタ上にスピンコートし(2,000RPM;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、良好な配向を有する、クリアで、透過性のポリマー膜を為す。
温度安定性
M1をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)に、30%の濃度で溶解させる。
NK−380を、M1の1重量%で、溶液に添加する。得られた溶液をクリーンにしたガラス基板上にスピンコートし(2,000RPM;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、良好な配向を有する、クリアで、透過性のポリマー膜を為す。
サンプルの230℃までへの3時間の加熱後、膜はなおも、クラックのない、良好な均一な配列を示す。
比較例1
TAC基板上への配列および接着
M1を、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)中に、30%の濃度で溶解させる。
得られた溶液をTAC上にスピンコートし(2,000RMP;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、濁った(hazy)ポリマー膜を為すのみである。
膜の、基板への接着を、Scotch #610テープテストを用いて、試験する。610テープはそれによってポリマー膜にわたって適用し、敏速に除去する。膜が除去されない場合、接着は合格であると見なす。それぞれの膜は、5回試験する。Scotch #610テープテストの結果により、NK−380をM1に添加しなければ、重合したLC層とTAC基板との間の接着は乏しいと示される。
カラーフィルタ上への配列
M1をPGEMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)中に、30%の濃度で溶解させる。
得られた溶液をカラーフィルタ上にスピンコートし(2,000RPM;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、不十分に配列したポリマー膜を為す。
温度安定性
M1をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)中に、30%の濃度で溶解させる。
得られた溶液を、クリーンにしたガラス基板上にスピンコートし(2,000RPM;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。混合物は、良好な配向を有する、クリアで、透明なポリマー膜を為す。
サンプルの230℃までへの3時間の加熱後、膜は多くのクラックを示す。
例2
重合性LC混合物M2を、以下のとおり配合する。
M2をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)中に、30%の濃度で溶解する。
TAC基板上への配列および接着
NK−380を、M2の1重量%で、溶液に添加する。得られた溶液をTAC上にスピンコートし(2,000RPM;30s)、光重合する(20mWcm−2、60s、N)。
混合物は、良好な配向を有する、クリアで、透過性のポリマー膜を為す。
膜の、基板への接着を、Scotch #610テープテストを用いて試験する。610テープをそれによってポリマー膜にわたって適用し、敏速に除去する。膜が除去されない場合、接着は合格であるとみなす。それぞれの膜は、5回試験する。
Scotch #610テープテストの結果により、NK−380をM2に添加すると、重合したLC層と基板との間の接着を促進し、一方でクリアで、透過性の、高度に配向した膜を為すことが示される。

Claims (16)

  1. 1種または2種以上の重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種の接着促進剤を含む、重合性液晶(LC)材料であって、該接着促進剤が、側鎖に1つまたは2つ以上の一級アミノ基を含む(メタ)アクリル側鎖ポリマーから選択されることを特徴とする、前記重合性LC材料。
  2. 請求項1に記載の重合性LC材料であって、接着促進剤が、式I
    式中、
    は、−Hまたは−C2m+1を示し、
    mは、1〜15の整数を示し、
    はそれぞれかつ独立して、かつそれぞれの出現において、1〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキレン基を示し、
    nは、1〜10の整数を示す、
    で表される少なくとも1つのサブユニットを含む(メタ)アクリル側鎖ポリマーから選択されることを特徴とする、前記重合性LC材料。
  3. 請求項2に記載の重合性LC材料であって、接着促進剤が、式Iで表される繰り返し単位であって、式中Rがメチレンまたはエチレンを示す、該繰り返し単位を含む、メタ(アクリル)ポリマーから選択されることを特徴とする、前記重合性LC材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性LC材料であって、接着促進剤が300〜2000g/eqの範囲のアミン水素当量を有することを特徴とする、前記重合性LC材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性LC材料であって、接着促進剤が0.1〜3.0mmol/gの範囲のアミン価を有することを特徴とする、前記重合性LC材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合性LC材料であって、重合性メソゲン性化合物が1種または2種以上の単反応性、二反応性および/または多反応性重合性メソゲン性化合物から選択されることを特徴とする、前記重合性LC材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料から得ることができる、ポリマー膜。
  8. 請求項7に記載のポリマー膜であって、LC材料がホメオトロピックに配列していることを特徴とする、前記ポリマー膜。
  9. 請求項7または8に記載のポリマー膜であって、以下のステップ
    − 請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料の層を、基板上に提供すること、
    − 該LC材料を重合すること、および
    − 任意に、重合したLC材料を基板から除去すること、および/または任意に、それを他の基板上に提供すること
    を含む方法により得ることができることを特徴とする、前記ポリマー膜。
  10. 重合性ポリマー材料から得られた、ポリマー膜の、基板、膜または表面への接着を増加させる方法であって、1種または重合性接着促進剤を、重合前に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料に添加することによる、前記方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、基板が、TACおよびCOP基板またはカラーフィルタから選択されることを特徴とする、前記方法。
  12. 請求項10または11に記載の方法であって、重合性LC材料が請求項1〜6のいずれか一項に定義されるものであることを特徴とする、前記方法。
  13. 請求項7〜9のいずれか一項に記載のポリマー膜または請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料の、光学的、電気光学的、情報ストレージ、装飾およびセキュリティー用途における使用であって、例えば液晶ディスプレイ、3Dディスプレイ、投射システム、偏光板、補償板、配列層、円偏光板、カラーフィルタ、装飾画像、液晶顔料、空間的に変化する反射色を有する反射膜、多色画像、偽造不可能な文書、例えば身分証明またはクレジットカードまたは紙幣など、における、前記使用。
  14. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリマー膜または請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料を含む、光学コンポーネントまたはデバイス、偏光板、パターン化リターダー、補償板、配列層、円偏光板、カラーフィルタ、装飾画像、液晶レンズ、液晶顔料、空間的に変化する反射色を有する反射膜、装飾のための多色画像または情報ストレージ。
  15. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリマー膜、または請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料、または請求項13に記載の少なくとも1つのコンポーネントを含む、液晶ディスプレイ。
  16. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリマー膜または請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料、または請求項13に記載の少なくとも1つのコンポーネントを含む、認証、照合またはセキュリティーマーキング、セキュリティー使用のための着色または多色画像、偽造不可能なオブジェクトまたは有価文書、例えば身分証明またはクレジットカードまたは紙幣など。
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