JP2020164036A - 船舶 - Google Patents

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広基 佐藤
Hiroki Sato
広基 佐藤
淳一 田辺
Junichi Tanabe
淳一 田辺
俊太郎 江川
Shuntaro Egawa
俊太郎 江川
秀聡 秋林
Hidesato Akibayashi
秀聡 秋林
弘睦 船越
Hiromutsu Funakoshi
弘睦 船越
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【課題】船体とは独立したカーゴタンクを装備する船舶において、タンクサイズの大型化、あるいは推進性能の向上を伴うホール内部へのアクセストランクを備えた船舶を提供する。【解決手段】船舶10に、内側板10Mと船側外板10Sとの間に舷側区画30を形成する。舷側区画30の一部にアクセストランク20を設ける。そして、アクセストランク20の床20B付近において、内側板10Mに通行穴25を設け、ホールドH1内へのアクセスを可能にする。【選択図】図2

Description

本発明は、船体とは独立したカーゴタンクを備えた船舶に関し、特に、ホールドへアクセスするためのアクセストランクに関する。
貨物を搭載する船舶では、上甲板から船体内部へアクセスするためにアクセストランク(専用通行設備)が装備され、ホールド(船艙)内部を点検する場合などに利用される。例えば、アクセストランクは縦隔壁と横隔壁の交差部に設置される(特許文献1参照)。
また、ダブルハル構造を採用した船舶では、船側のボイドスペースへ直接アクセスできるように、上甲板の船側外板付近にマンホールを設け、マンホールから直下のボイドスペースまで繋がる閉塞空間から成るアクセストランクを装備している(特許文献2参照)。
特開2011−168073号公報 得開2004−284526号公報
液化ガス用タンクなどの船体から独立したカーゴタンクを備えた船舶では、カーゴタンク下部をホールドに収容し、タンク上部は上甲板の開口部から露出している。また、上甲板には、開口部を取り囲むようにコーミングが設置されている。このような船舶では、上甲板のコーミング近くにホールドアクセス用のハッチを設け、梯子を設置することで、ホールド内部に進入可能となり、カーゴタンクやホールド内部の点検することができる。しかしながら、人が通行可能なスペースをホールド下部まで確保する必要がある一方、ハッチとコーミングの干渉などにより、上甲板でホールドアクセス用ハッチをコーミング直近に設置することは難しく、コーミングから所定距離間隔空けて設置しなければならない。
そのため、船型が定められている場合、ホールドアクセス用のハッチの設置個所をホールド区画の境界付近に定めても、コーミングの設置個所はホールドアクセス用のハッチから一定距離離れた箇所とする必要があるため、開口部のエリアが狭まり、カーゴタンクのサイズを小型化する必要がある。また、タンクサイズを変えない場合、ホールドアクセス用のハッチをコーミングから離して設置するため、ホールドの区画を船体幅方向に広げる、すなわち船体幅を広げる必要がある。カーゴタンクの小型化は、ガスなどの貨物搭載量を制限し、船体幅の拡大は、推進性能の低下を招く。
したがって、タンクサイズの大型化、あるいは推進性能の向上を伴うような、ホールド内部へのアクセストランクを装備することが求められる。
本発明の船舶は、例えば液化ガス運搬船に適用可能であり、ホールド内に部分的に収容されるカーゴタンクと、ホールドの縦隔壁となる内側板と船側外板との間の舷側区画の一部に設けられ、上甲板から下方に延びるアクセストランクとを備える。そして、アクセストランクが、ホールドまでアクセス可能に繋がっている。
アクセストランクとホールドとを空間的に繋げる通行穴が、内側板に設けられる構成にすることができる。例えば、アクセストランクは、上甲板から直下に延び、内側板に設けられた通行穴と繋がっているように構成することができる。
例えば、内側板に沿って上甲板から直下に延びる、すなわち内側板をアクセストランクの空間を形成する壁の一つにすることが可能である。また、通行穴を塞ぐ蓋を設けることもできる。
アクセストランクは、ホールドの底面付近まで延びるように構成することが可能である。
例えばカーゴタンクは、船長方向で船首部に向けて縮径する縮径部をもつ形状である場合、アクセストランクが、カーゴタンクの縮径部付近に設けることが可能である。
アクセストランクは、ホールドごとに設けてもよい。
本発明によれば、船体とは独立したカーゴタンクを装備する船舶において、タンクサイズの大型化、あるいは推進性能の向上を伴うホールド内部へのアクセストランクを備えた船舶を提供することができる。
第1の実施形態である船舶の上から見た概略的平面図である。 図1のII−IIに沿った概略的断面図である。 船舶のアクセストランク付近における部分斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態である船舶の上から見た概略的平面図である。
船舶10は、ここでは液化ガス運搬船として構成され、液化ガスを貯留するカーゴタンク50、60をブリッジ80より前方側に装備している。カーゴタンク50、60は、船体から独立したタンクであり、船舶10を横隔壁B1、B2、B3によって区切ることで形成されるホールドH1、H2にそれぞれ収容され、その一部は開口部T1、T2から上方に露出している。カーゴタンク50、60は、ここでは前後端が球状である筒型(カプセル型)タンクとして構成されている。
船舶10は二重船側構造を採用し、左右両舷において、内側板10Mと船側外板10Sとの間に舷側区画30が形成される。内側板10Mは、ホールドH1、H2の縦隔壁として構成され、上甲板10Dから船底に向けて舷側区画30が形成されている。舷側区画30は、例えばボイドスペースとなり、また、バラストタンクとして構成することが可能である。
舷側区画30の船首側には、船幅一定の部分にアクセストランク20が設けられている。アクセストランク20は、上甲板10DからホールドH1内部へのアクセスを可能にする専用通路であり、後述するように、舷側区画30の一部を閉塞した空間で構成され、内側板10Mに設けられた穴を通じてホールドH1と空間的に繋がっている。ホールドH2に関しても、同様のアクセストランク120が設けられている。
図2は、図1のII−IIに沿った概略的断面図であり、横方向ウェブの位置に沿った断面図を示している。
カーゴタンク50は、船体外板10Eのタンク側を向く面(以下、床面という)10Kから所定距離(例えば0.8〜2.0m)離れた位置で、図示しない支持部材(サドル支持体など)によって支持されている。開口部T1の周囲には、補強部材としてコーミング40(図1には図示せず)が形成されている。
アクセストランク20は、上甲板10Dの舷側区画30にアクセスハッチ20Hを設け、上甲板10Dから直下に延びる方形状の細長い空間20Sを内側板10Mに沿って形成している。内側板10Mは空間20Sを形成する壁であり、空間20Sは、舷側区画30のアクセストランク20以外の部分とは遮断された閉塞空間となっている。アクセストランク20は、ホールドH1の底面10K付近まで延びている。空間20Sには、図示しない梯子が内側板10M、あるいはそれ以外の壁に掛けられている。
アクセストランク20の床20B付近では、人の通れる穴(以下、通行穴という)25が内側板10Mに形成されている。この通行穴25には、マンホールなどの蓋22を取り外し可能に設置することができる。例えば、床20Bから1mほどの高さの位置に通行穴25が形成される。
上甲板10Dにいる検査者、作業者などは、アクセストランク20のアクセスハッチ20Hからアクセストランク20に入り、梯子を使って床20Bまで辿り着くと、内側板10Mに形成された通行穴25を通じてホールドH1に入り込む。そして、必要な点検などを行う。
本実施形態では、ホールドH1の区画ではなく、その隣の舷側区画30にアクセストランク20を設け、そして、内側板10Mに通行穴25を設けてホールドH1内へのアクセスを可能にしている。これによって、カーゴタンク50の最大化、あるいはホールドH1の区画最小化を図ることができる。
図3は、船舶10のアクセストランク20付近における部分斜視図である。
コーミング40は、カーゴタンク50に取り付けられた図示しないフランジと相対するように水平方向に延びる頂部44を形成し、その間に止水ユニットが設置されている。また、頂部44を下方から支持するブラケット42が、コーミング40に沿って所定間隔で並んでいる。
図3には、上甲板10Dでの内側板10Mに沿ったラインを符号BLで表している。ラインBLより内側はホールドH1の区画であり、ラインBLと船側外板10Sとの間に舷側区画30が形成されている。仮に、ホールドH1の区画にホールドアクセス用のハッチを設けようとする場合、ラインBLより内側にハッチを設けることになる。
しかしながら、ホールドアクセス用のハッチをコーミング40の直近に設置することは、コーミング40およびブラケット42との干渉などによって困難であり、上甲板10Dでコーミング40から所定距離だけ離れた場所に設置しなければならない。
そうすると、船体構造を変更しない場合には、ホールドアクセス用のハッチをラインBLに沿って配置しても、上述した干渉の問題からコーミング40の設置個所はラインBLから離れた箇所に定められ、開口部T1のエリアが狭まってカーゴタンク50のサイズを小型化する必要がある。一方で、カーゴタンク50のサイズを変更しない場合には、ホールドアクセス用のハッチをコーミングから離して設置するため、その分だけホールドH1の区画を拡げる必要がある。カーゴタンク50のサイズ小型化は、液化ガス搭載量の減少を招く。また、カーゴタンク50のサイズを変更せずにホールドH1の区画を拡大すれば、船体幅が大きくなって船体が肥大化し、推進性能が低下する。
本実施形態のように、アクセストランク20を舷側区画30に設け、ホールドH1まで空間的に繋げることで、カーゴタンク50のサイズの小型化が必要なくなり、カーゴタンク50の大型化を図ることができる。あるいは、カーゴタンク50のサイズを大型化せず、貨物を積載しないホールドH1の区画を小さくすることで、船体を細くすることができ、推進性能が向上する。
アクセストランク20は、内側板10Mに沿って直下に延びている。これによって、内側板10Mの船底側に通行穴25を形成するだけで、ホールドH1内にアクセスすることができ、また、アクセストランク20の設置も容易である。一方、蓋22で通行穴25を塞ぐことによって、ホールドH1の区画と舷側区画30とを区切ることができ、仮にアクセストランク20が浸水してもホールドH1へ水が直接入り込むのを防ぐことができる。
さらに、アクセストランク20の床20BがホールドH1の床面10K付近に位置するため、作業者などは、スペースが十分確保されたホールドH1の床面10K付近へそのまま進入することができ、作業効率が上がる。
なお、アクセストランク20を、カーゴタンク50の球状部分、すなわち船長方向で船首に向けて縮径する部分近くの位置(図1の封号P参照)に設けてもよい。これによって、アクセストランク20の空間20Sを十分確保することが可能となる。
蓋22を設けず、アクセストランク20が常時ホールドH1と空間的に繋がるようにしてもよい。また、通行穴25の代わりに水密扉などを設け、通行穴を開閉するようにしてもよい。さらにアクセストランク20は、上甲板10Dから直下に延びる方形状空間以外で構成することも可能である。
本実施形態では、カーゴタンク50、60がカプセル型で構成されているが、この形状に限定されず、ホールド内に部分的に収容されるカーゴタンクであればよい。また、液化ガス以外のガスなどをカーゴタンクに搭載した船舶に適用することが可能である。
10 船舶
10M 内側板
10S 船側外板
20 アクセストランク
22 蓋
25 通行穴
30 舷側区画
40 コーミング
50、60 カーゴタンク
H1、H2 ホールド
T1、T2 開口部

Claims (8)

  1. ホールド内に部分的に収容されるカーゴタンクと、
    前記ホールドの縦隔壁となる内側板と船側外板との間の舷側区画の一部に設けられ、上甲板から下方に延びるアクセストランクとを備え、
    前記アクセストランクが、前記ホールドまでアクセス可能に繋がっていることを特徴とする船舶。
  2. 前記アクセストランクと前記ホールドとを空間的に繋げる通行穴が、前記内側板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  3. 前記アクセストランクが、前記内側板に沿って上甲板から直下に延びていることを特徴とする請求項2に記載の船舶。
  4. 前記通行穴を塞ぐ蓋が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の船舶。
  5. 前記アクセストランクが、前記ホールドの底面付近まで延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の船舶。
  6. 前記カーゴタンクが、船長方向で船首に向けて縮径する縮径部を有し、
    前記アクセストランクが、前記カーゴタンクの縮径部付近に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の船舶。
  7. 前記アクセストランクが、ホールドごとに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の船舶。
  8. 液化ガス運搬船であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の船舶。
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