JPH0520993U - タンカーのカーゴタンクの通路構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】上下に形成したカーゴタンクの容量を減少させ
ることなく、このタンクの内部に出入りする通路を提供
する。 【構成】中間デッキ１５を有する複数個のカーゴタンク
１３と、このカーゴタンク１３の両側にバラストタンク
１４を有するタンカーにおいて、前記バラストタンク１
４内に上下方向に伸び、少なくとも一面をカーゴタンク
１３を構成する隔壁１１，１２で構成されたトランク１
８を設け、このトランク１８内に昇降装置２７を設け、
かつ隔壁にトランクとカーゴタンクと連通させるマンホ
ールを設けたタンカーのカーゴタンクの通路構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はタンカーのカーゴタンクの通路構造、より詳しくは原油を輸送する比 較的大型のタンカーのカーゴタンクの通路構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に原油を輸送する大型のタンカーにおいては、縦通隔壁及び横隔壁により 複数のカーゴタンクを構成し、このカーゴタンク内に原油を搭載して輸送するよ うになっている。 ところで、近来このようなタンカーにおいては、座礁等の海難事故による原油 の流出を防止するため、タンクの底部を二重にした所謂二重底構造とすることが 提案実施されている。しかしながら、このように二重底構造とすれば原油の搭載 量が減少することになるため、カーゴタンク内に中間デッキを設けることが提案 されている。即ち、図４に示すように、タンカー１内に設けられた複数個のカー ゴタンク２ａ〜２ｃ内で、かつ吃水線ＷＬより下方に位置する中間デッキ３を配 置し、このカーゴタンク２ａ〜２ｃを上部カーゴタンク２a'〜２c'と下部カーゴ タンク２a"〜２c"とに分ち、かつこのカーゴタンク２ａ〜２ｃの両側に夫々バラ ストタンク４を配置することが知られている。しかし、この構造によれば、座礁 等により船底４が破損してもヘッド差により下部カーゴタンク２a"〜２c"内の原 油は流出することがなくなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで前記したような中間デッキ３を有するタンカーにおいては、下部カー ゴタンク２a"〜２c"て出入りする場合に問題となる。即ち、カーゴタンク２ａ〜 ２ｃには通常原油排出（荷揚）後、ガスフリーを行ない、然る後、作業員等がそ の中に入り、洗浄等の作業を行なう必要がある。そのために上甲板に設けられた アクセスハッチから梯子等の昇降装置によりこのカーゴタンク２ａ〜２ｃ内に作 業員が出入りする（アクセス）ようになっている。しかしながら前記したように 中間デッキ３より下部カーゴタンク２a"〜２c"を構成した場合にはこのタンクへ 出入りするために特別のトランクを設ける必要があるが、このトランクをカーゴ タンク２ａ〜２ｃ内に配置すると、カーゴタンク２ａ〜２ｃの原油積載容量を減 少させることとなり、不都合である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記したような従来の問題点を解決するためになされたものであっ て、中間デッキを有する複数個のカーゴタンクと、このカーゴタンクの両側にバ ラストタンクを有するタンカーにおいて、前記バラストトランク内に上下方向に 延在するとともに、少なくともその一面をカーゴタンクを構成する隔壁で構成さ れるトランクを設け、このトランク内に昇降装置を設け、かつ前記隔壁に前記ト ランクと前記カーゴタンクとを連通させるマンホールを設けたタンカーのカーゴ タンクの通路構造を提供するものである。

【０００５】

【作 用】

本考案のタンカーのカーゴタンクの通路構造においては、バラストタンク内に 設けられたトランクから昇降装置により所定のカーゴタンクの位置まで降下し、 隔壁に設けられたマンホールから各カーゴタンク内に出入りすることとなる。

【０００６】

【実 施 例】

以下図１乃至図３に基づき、本考案によるタンカーのカーゴタンクアクセス構 造の一実施例について説明する。 図１はタンカー10の一部を示す平面図、図２は図１のＡ−Ａ矢視図、図３はタ ンカーの内部構造を示す斜視図である。

【０００７】 タンカー10は縦隔壁11と横隔壁12とにより複数のカーゴタンク13ａ〜13ｆと両 側にバラストタンク14ａ〜14ｆが構成されている。そして、カーゴタンク13ａ〜 13ｆ内には、タンカー11の吃水線下に位置するように中間デッキ15ａ〜15ｃが配 置され、カーゴタンク13ａ〜13ｆを上部カーゴタンク13a'〜13f'と下部カーゴタ ンク13a"〜13f"とに分つようになっている。そしてバラストタンク14ａ, 14ｂ, 14ｃ及び14ｄには夫々上甲板16から底板17に至るよう、即ち上下方向に延在する トランク18が設けられている。このトランク18は、その二面を縦隔壁11と横隔壁 12とにより構成され、上部にはアクセスハッチ19が設けられている。

【０００８】 そして、このトランク18を構成する壁体12’には、バラストタンク14ａ〜14ｆ に通じるマンホールａが、又このトランク18を構成する縦通隔壁11には上部カー ゴタンク13a'〜13f'に通じるマンホールｂと、下部カーゴタンク13a"〜13f"に通 じるマンホールｃが夫々配置されている。そして更に水平方向に延在する補助ト ランク18' が設けられ、この補助トランク18' にはバラストタンク14ａ〜14ｆ及 びカーゴタンク13ａ〜13ｆに通じるマンホールa',c' が設けられている。そして このトランク18内には特に図３に示されるように昇降装置として梯子27が配置さ れている。

【０００９】 本実施例では、トランク18の二面を縦通隔壁11及び横隔壁12で構成したが、必 要によって縦隔壁11のみを利用してトランク18を形成しても良く、更に必要に応 じて補助トランク18’を除去することができる。 前記構成からなるカーゴタンクの通路構造ににおいて、今、作業員がカーゴタ ンク13ａ〜13ｆにアクセスしようとする場合、アクセスハッチ19からトランク18 内に入り梯子27を利用して降下する。そして所定の位置において所定のマンホー ルb,b'、c,c'に設けられた扉体を開放して出入りするのである。

【００１０】

【考案の効果】

本考案に係るタンカーのカーゴタンクの通路構造は、中間デッキを有する複数 個のカーゴタンクと、このカーゴタンクの両側にバラストタンクを有するタンカ ーにおいて、前記バラストタンク内に上下方向に延在するとともに、少なくとも 一面をカーゴタンクを構成する隔壁で構成されるトランクを設け、このトランク 内に昇降装置を設け、かつ隔壁にトランクとカーゴタンクとを連通させるマンホ ールを設けて構成されている。

【００１１】 従って、本考案によるタンカーのカーゴタンクの通路構造によれば、バラスト タンク内に出入り用のトランクを配置したため、カーゴタンクの容積減少が無く なるばかりでなく、トランクに隣接して補助トランクを配置することにより、１ つのトランクにより四個のタンクにアクセスすることができるため、より効果的 なものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるタンカーの一部を示す平面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図３】図１の斜視図である。

【図４】中間デッキを有するタンカーの概略側面図であ
る。

【符号の説明】

１, 10 タンカー ２ａ〜２ｃ, 13ａ〜
13ｆ カーゴタンク ３, 15ａ〜15ｃ 中間デッキ ４, 17 底板 11 縦通隔壁 12 横隔壁 14ａ〜14ｆ バラストタンク 16 上甲板 18 トランク 19 アクセスハッチ ａ，ａ’，ｂ，ｂ’ マンホール 18’補助トランク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 入江 泰雄 東京都中央区築地５丁目６番４号 三井造 船株式会社内 (72)考案者 仁保 治 東京都中央区築地５丁目６番４号 三井造 船株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間デッキを有する複数個のカーゴタン
   クと、このカーゴタンクの両側にバラストタンクを有す
   るタンカーにおいて、前記バラストタンク内に上下方向
   に延在するとともに、少なくとも一面をカーゴタンクを
   構成する隔壁で構成されるトランクを設け、このトラン
   ク内に昇降装置を設け、かつ隔壁にトランクとカーゴタ
   ンクとを連通させるマンホールを設けたタンカーのカー
   ゴタンクの通路構造。